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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-02
(45)【発行日】2024-02-13
(54)【発明の名称】緊急呼方法及び装置、及び、システム
(51)【国際特許分類】
   H04M 11/04 20060101AFI20240205BHJP
【FI】
H04M11/04
【請求項の数】 23
(21)【出願番号】P 2022536690
(86)(22)【出願日】2019-12-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-13
(86)【国際出願番号】 CN2019125753
(87)【国際公開番号】W WO2021119951
(87)【国際公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-08-08
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ワン,シュエホアン
(72)【発明者】
【氏名】リ,チャオ
(72)【発明者】
【氏名】マ,シィウジアン
【審査官】石井 則之
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-534686(JP,A)
【文献】特開2003-163672(JP,A)
【文献】特開平07-288530(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0034416(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第106878125(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 11/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信方法であって、当該方法は、
ホスト機能を有効化していないテレマティクスボックスによって、スレーブノードモードとなっている第1の伝送ノードを介して、マスターノードモードとなっている一次伝送ノードを使用して第1のデータ伝送を実行するステップと、
前記テレマティクスボックスによって、ホスト機能を有効化するステップであって、前記ホスト機能は、前記第1の伝送ノード及び前記第1の伝送ノードに接続されている周辺機器の制御を含む、ステップと、
前記テレマティクスボックスによって、マスターノードモードとなっている前記第1の伝送ノードを使用してデータ伝送を実行するステップと、を含
前記テレマティクスボックスによって、前記第1の伝送ノードを使用してデータ伝送を実行する前記ステップの前に、当該方法は、
前記テレマティクスボックスによって、前記第1の伝送ノードに第1の命令を送信するステップであって、前記第1の命令は、スレーブノードモードから前記マスターノードモードへの切り替えを前記第1の伝送ノードに指示するのに使用される、ステップをさらに含む、
方法。
【請求項2】
前記テレマティクスボックスによって、前記第1の伝送ノードを使用してデータ伝送を実行する前記ステップの前に、当該方法は、
前記第1の伝送ノードが送信する第2の命令を前記テレマティクスボックスによって受信するステップであって、前記第2の命令は、前記テレマティクスボックスと前記第1の伝送ノードとの間の同期を実装するのに使用される、ステップ、又は、
前記テレマティクスボックスによって、前記第1の伝送ノードに第2の命令を送信するステップであって、前記第2の命令は、前記テレマティクスボックスと前記第1の伝送ノードとの間の同期を実装するのに使用される、ステップ、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記テレマティクスボックスによって、ホスト機能を有効化する前記ステップの前に、当該方法は、
前記テレマティクスボックスによって、緊急呼をトリガするための信号を検出するステップ、又は、
前記テレマティクスボックスによって、前記一次伝送ノードと前記第1の伝送ノードとの間の伝送経路が遮断されているということを検出するステップ、又は、
前記テレマティクスボックスによって、前記第1の伝送ノードが送信する第3の命令を受信するステップであって、前記第3の命令は、前記ホスト機能を有効化するように前記テレマティクスボックスに指示するのに使用される、ステップ、をさらに含む、請求項1又は2のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項4】
前記テレマティクスボックスによって、ホスト機能を有効化する前記ステップの後に、当該方法は、
前記テレマティクスボックスによって、少なくとも1つの第2の伝送ノードに伝送リソースを割り当てるステップと、
前記テレマティクスボックスによって、前記第1の伝送ノードにリソース割り当て情報を送信するステップであって、前記リソース割り当て情報は、前記少なくとも1つの第2の伝送ノードに個別に対応する前記伝送リソースを示すのに使用される、ステップと、をさらに含み、
前記少なくとも1つの第2の伝送ノードは、前記第1の伝送ノードのより下位のレベルの伝送ノードである、請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記テレマティクスボックスは、前記第1の伝送ノードによる給電からローカル電源による給電へと切り替える、請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
通信方法であって、当該方法は、
スレーブノードモードとなっている第1の伝送ノードによって、マスターノードモードとなっている一次伝送ノードを介して、ホストを使用してデータ伝送を実行するステップと、
前記第1の伝送ノードによって、前記スレーブノードモードからマスターノードモードへと切り替えるステップと、
前記第1の伝送ノードによって、テレマティクスボックスを使用してデータ伝送を実行するステップであって、前記テレマティクスボックスは、ホスト機能を有し、前記ホスト機能は、前記第1の伝送ノード及び前記第1の伝送ノードに接続されている周辺機器を制御する機能を含む、ステップと、を含
前記第1の伝送ノードによって、前記スレーブノードモードからマスターノードモードへと切り替える前記ステップの前に、当該方法は、
前記第1の伝送ノードによって、前記テレマティクスボックスが送信する第1の命令を受信するステップであって、前記第1の命令は、前記スレーブノードモードから前記マスターノードモードへと切り替えるように前記第1の伝送ノードに指示するのに使用される、ステップをさらに含む、
方法。
【請求項7】
前記第1の伝送ノードによって、前記テレマティクスボックスを使用してデータ伝送を実行する前記ステップの前に、当該方法は、
前記第1の伝送ノードによって、前記テレマティクスボックスに第2の命令を送信するステップであって、前記第2の命令は、前記第1の伝送ノードと前記テレマティクスボックスとの間の同期を実装するのに使用される、ステップ、又は、
前記テレマティクスボックスが送信する第2の命令を前記第1の伝送ノードによって受信するステップであって、前記第2の命令は、前記第1の伝送ノードと前記テレマティクスボックスとの間の同期を実装するのに使用される、ステップ、をさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の伝送ノードによって、前記テレマティクスボックスを使用してデータ伝送を実行する前記ステップの前に、当該方法は、
前記第1の伝送ノードによって、緊急呼をトリガするための信号を検出するステップ、又は、前記一次伝送ノードと前記第1の伝送ノードとの間の伝送経路が遮断されているということを検出するステップ、及び、
前記第1の伝送ノードによって、前記テレマティクスボックスに第3の命令を送信するステップであって、前記第3の命令は、前記ホスト機能を有効化するように前記テレマティクスボックスに指示するのに使用される、ステップをさらに含む、請求項6又は7のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の伝送ノードによって、スレーブノードモードからマスターノードモードへと切り替える前記ステップの後に、当該方法は、
前記テレマティクスボックスが送信するリソース割り当て情報を前記第1の伝送ノードによって受信するステップであって、前記リソース割り当て情報は、少なくとも1つの第2の伝送ノードの伝送リソースを示すのに使用される、ステップと、
前記第1の伝送ノードによって、前記少なくとも1つの第2の伝送ノードに構成情報を個別に送信するステップであって、前記構成情報は、前記第2の伝送ノードに対応する前記伝送リソースを示すのに使用される、ステップと、をさらに含み、
前記少なくとも1つの第2の伝送ノードは、前記第1の伝送ノードのより下位のレベルの伝送ノードである、請求項6乃至8のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の伝送ノードは、データ通信システムによる給電から前記テレマティクスボックスによる給電へと切り替える、請求項6乃至9のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の伝送ノードと前記一次伝送ノードとの間に少なくとも2つの伝送経路が存在する、請求項6乃至10のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
テレマティクスボックスであって、当該テレマティクスボックスは、
当該テレマティクスボックスがホスト機能を有効化していないときに、スレーブノードモードとなっている第1の伝送ノードを介して、マスターノードモードとなっている一次伝送ノードを使用して第1のデータ伝送を実行するように構成される通信ユニットと、
当該テレマティクスボックスのホスト機能を有効化するように構成される処理ユニットであって、前記ホスト機能は、前記第1の伝送ノード及び前記第1の伝送ノードに接続されている周辺機器の制御を含む、処理ユニットと、を含み、
前記通信ユニットは、さらに、マスターノードモードとなっている前記第1の伝送ノードを使用してデータ伝送を実行するように構成され、
前記通信ユニットは、さらに、前記第1の伝送ノードに第1の命令を送信するように構成され、前記第1の命令は、スレーブノードモードから前記マスターノードモードへの切り替えを前記第1の伝送ノードに指示するのに使用される、
テレマティクスボックス。
【請求項13】
前記通信ユニットは、さらに、
前記第1の伝送ノードを使用してデータ伝送を実行する前に、前記第1の伝送ノードが送信する第2の命令を受信するように構成され、前記第2の命令は、当該テレマティクスボックスと前記第1の伝送ノードとの間の同期を実装するのに使用されるか、又は、
前記第1の伝送ノードを使用してデータ伝送を実行する前に、前記第1の伝送ノードに第2の命令を送信するように構成され、前記第2の命令は、当該テレマティクスボックスと前記第1の伝送ノードとの間の同期を実装するのに使用される、請求項12に記載のテレマティクスボックス。
【請求項14】
前記処理ユニットは、さらに、前記ホスト機能を有効化する前に、緊急呼をトリガするための信号を検出するように構成されるか、又は、
前記処理ユニットは、さらに、前記ホスト機能を有効化する前に、一次伝送ノードと前記第1の伝送ノードとの間の伝送経路が遮断されているということを検出するように構成されるか、又は、
前記通信ユニットは、さらに、前記通信ユニットが前記ホスト機能を有効化する前に、前記第1の伝送ノードが送信する第3の命令を受信するように構成され、前記第3の命令は、前記ホスト機能を有効化するように当該テレマティクスボックスに指示するのに使用される、請求項12又は13に記載のテレマティクスボックス。
【請求項15】
前記処理ユニットは、さらに、前記ホスト機能を有効化した後に、少なくとも1つの第2の伝送ノードに伝送リソースを割り当てるように構成され、
前記通信ユニットは、さらに、前記第1の伝送ノードにリソース割り当て情報を送信するように構成され、前記リソース割り当て情報は、前記少なくとも1つの第2の伝送ノードに個別に対応する前記伝送リソースを示すのに使用され、
前記少なくとも1つの第2の伝送ノードは、前記第1の伝送ノードのより下位のレベルの伝送ノードである、請求項12乃至14のうちのいずれか1項に記載のテレマティクスボックス。
【請求項16】
当該テレマティクスボックスは、前記第1の伝送ノードによる給電からローカル電源による給電へと切り替える、請求項12乃至15のうちのいずれか1項に記載のテレマティクスボックス。
【請求項17】
第1の伝送ノードであって、当該第1の伝送ノードは、
当該第1の伝送ノードがスレーブノードモードとなっているときに、マスターノードモードとなっている一次伝送ノードを介して、ホストを使用してデータ伝送を実行するように構成される通信ユニットと、
スレーブノードモードからマスターノードモードへと切り替えるように当該第1の伝送ノードを制御するように構成される処理ユニットと、を含み、
前記通信ユニットは、さらに、テレマティクスボックスを使用してデータ伝送を実行するように構成され、前記テレマティクスボックスは、ホスト機能を有し、前記ホスト機能は、当該第1の伝送ノード及び当該第1の伝送ノードに接続されている周辺機器を制御する機能を含
前記通信ユニットは、さらに、前記処理ユニットが、前記スレーブノードモードから前記マスターノードモードへと切り替えるように当該第1の伝送ノードを制御する前に、前記テレマティクスボックスが送信する第1の命令を受信するように構成され、前記第1の命令は、前記スレーブノードモードから前記マスターノードモードへと切り替えるように当該第1の伝送ノードに指示するのに使用される、
第1の伝送ノード。
【請求項18】
前記通信ユニットは、さらに、
前記テレマティクスボックスを使用してデータ伝送を実行する前に、前記テレマティクスボックスに第2の命令を送信するように構成され、前記第2の命令は、当該第1の伝送ノードと前記テレマティクスボックスとの間の同期を実装するのに使用されるか、又は、
前記テレマティクスボックスを使用してデータ伝送を実行する前に、前記テレマティクスボックスが送信する第2の命令を受信するように構成され、前記第2の命令は、当該第1の伝送ノードと前記テレマティクスボックスとの間の同期を実装するのに使用される、請求項17に記載の第1の伝送ノード。
【請求項19】
前記処理ユニットは、さらに、
前記通信ユニットが、テレマティクスボックスを使用してデータ伝送を実行する前に、緊急呼をトリガするための信号を検出するように構成されるか、又は、前記一次伝送ノードと当該第1の伝送ノードとの間の伝送経路が遮断されているということを検出するように構成され、及び、
前記通信ユニットは、さらに、前記テレマティクスボックスに第3の命令を送信するように構成され、前記第3の命令は、前記ホスト機能を有効化するように前記テレマティクスボックスに指示するのに使用される、請求項17又は18のうちのいずれか1項に記載の第1の伝送ノード。
【請求項20】
コンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、当該コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、プログラム又は命令を格納し、1つ又は複数のプロセッサによって前記プログラム又は命令を読み取りそして実行して、請求項1乃至5のうちのいずれか1項に記載の方法を実装する、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項21】
コンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、当該コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、プログラム又は命令を格納し、1つ又は複数のプロセッサによって前記プログラム又は命令を読み取りそして実行して、請求項6乃至11のうちのいずれか1項に記載の方法を実装する、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項22】
請求項1乃至5のうちのいずれか1項に記載の方法をコンピュータに実行させる、プログラム。
【請求項23】
請求項6乃至11のうちのいずれか1項に記載の方法をコンピュータに実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は、通信技術の分野に関し、特に、緊急呼方法及び装置、及び、システムに関する。
【背景技術】
【0002】
自動車産業の持続的な発展によって、自動車は、より多くの機能を有している。例えば、車両のオーディオシステムは、能動的雑音除去及び緊急呼等の機能を実装することが可能である。これらの機能を実装するために、オーディオシステムは、一般的に、外部デバイス及びその外部デバイスに接続されているディジタル伝送システム等のデバイスを含む。外部デバイスは、スピーカ、マイクロフォン(microphone, MIC)、又は、高出力スピーカを駆動するように構成される(また、外部電力増幅器と称されてもよい)電力増幅器等であってもよい。ディジタル伝送システムは、1つのホスト(Host)、1つのマスター(Master)ノード、及び1つ又は複数のスレーブ(Slave)ノードを含んでもよい。マスターノードは、ディジタル伝送システムの主制御ノードである。マスターノードの一方の端は、ホストに接続され、そのマスターノードの他方の端は、スレーブノードに接続される。複数のスレーブノードは、図1に示されているように、レベル毎に接続されてもよい。マスターノード及びスレーブノードは、(マイクロフォンアレイ(MIC array)及びスピーカ等の)外部デバイスに接続されてもよい。テレマティクスボックスは、任意のスレーブノードを使用することによって、オーディオシステムに接続されてもよい。テレマティクスボックスは、例えば、車両と基地局との間の通信、車両と路側局との間の通信、及び車両と他の車両との間の通信等の車両と外部との間の通信を実装するように構成される。
【0003】
ホストは、外部デバイス又はテレマティクスボックスが伝送するデータを処理してもよい。例えば、ある1つの例として、マイクロフォンが収集するオーディオデータを使用する。マイクロフォンは、オーディオデータを収集し、そして、スレーブノードにそのオーディオデータを伝送する。スレーブノードは、マスターノードにそのオーディオデータを送信し、マスターノードは、処理するために、ホストにそのオーディオデータを転送する。ある1つの例として図1を使用し、伝送経路は、スレーブノード2→スレーブノード1→スレーブノード0→マスターノード→ホストであると説明されてもよい。マスターノードは、ホストの処理結果をカプセル化し、そして、スレーブノードにその結果を送信する。スレーブノードは、そのスレーブノードに対応するデータを受信し、そして、そのデータに基づいて、スレーブノードに接続されている外部デバイスを制御してもよい。例えば、ある1つの例としてオーディオデータを使用する。オーディオデータは、ホストからマスターノードに送信され、そして、その次に、スレーブノードのスピーカに伝送される。ある1つの例として図1を使用し、伝送経路は、ホスト→マスターノード→スレーブノード0→スレーブノード1→スレーブノード2であると説明されてもよい。
【0004】
緊急時においては、テレマティクスボックスは、位置情報、マイクロフォンアレイ(MIC array)が収集する車両内音声、及び(エアバッグ等の)さまざまなセンサに関する情報を収集し、緊急呼(emergency call, eCall)機能を使用することによって、緊急事態センターに情報を送り返してもよい。現在のオーディオシステムの場合には、より上位のレベルのリンク又はより上位のレベルのノードが故障しているときに、より下位のレベルのリンク又はその下のリンクの正常な動作が影響を受ける。したがって、オーディオシステムの中でテレマティクスボックスに接続されているスレーブノードのより上位のレベルのリンク又はより上位のレベルのノードが故障しているときに、テレマティクスボックスは、そのスレーブノードに接続されている外部デバイスが収集するデータを取得することが不可能であり、緊急呼等の機能を完了することは不可能である。
【発明の概要】
【0005】
この出願は、緊急呼方法及び装置、及び、システムを提供して、オーディオシステムの中でテレマティクスボックスに接続されているスレーブノードのより上位のレベルのリンク又はより上位のレベルのノードが故障しているときに、緊急呼等の機能を完了することが不可能であるという従来技術の問題を解決する。
【0006】
第1の態様によれば、この出願のある1つの実施形態は、車載型通信システムに適用される緊急呼方法を提供する。前記車載型通信システムは、テレマティクスボックス及びデータ通信システムを含む。前記データ通信システムは、第1の伝送ノードを含み、前記テレマティクスボックスは、前記第1の伝送ノードに接続される。当該方法は、前記テレマティクスボックスが、ホスト機能を有効化するステップを含む。前記ホスト機能は、前記第1の伝送ノード及び前記第1の伝送ノードに接続されている周辺機器の制御を含む。前記テレマティクスボックスは、前記ホスト機能を使用することによって、前記第1の伝送ノードを使用してデータ伝送を実行してもよい。前記第1の伝送ノードは、マスターノードモードとなっている。
【0007】
この出願のこの実施形態において、ホスト機能は、テレマティクスボックスに配置され、第1の伝送ノードは、スレーブノードモードからマスターノードモードへと切り替えて、eCallの正常な動作のために冗長性を提供する。このように、リンク又はノードが故障しているときに、テレマティクスボックスのホスト機能は、マスターノードモードへと切り替える第1の伝送ノードを介して、周辺機器が収集するデータを受信し、そして、緊急呼センターにデータを送り返してもよい。このように、eCallは、正常に動作することが可能であり、eCallの信頼性を改善することが可能である。
【0008】
ある1つの可能な設計において、テレマティクスボックスは、第1の伝送ノードを使用して、緊急呼通信に関連するデータに対してデータ伝送を実行してもよい。
【0009】
ある1つの可能な設計において、前記テレマティクスボックスが、前記第1の伝送ノードを使用してデータ伝送を実行する前に、前記テレマティクスボックスは、緊急呼をトリガするための信号を検出し、そして、前記第1の伝送ノードに第1の命令を送信する。前記第1の命令は、前記スレーブノードモードから前記マスターノードモードへの切り替えを前記第1の伝送ノードに指示するのに使用される。上記の設計において、テレマティクスボックスは、スレーブノードモードからマスターノードモードへの切り替えを第1の伝送ノードに指示し、それによって、テレマティクスボックスのホスト機能は、周辺機器が収集するデータを第1の伝送ノードを介して受信し、そして、緊急呼センターにそのデータを送り返してもよい。このように、eCallは、正常に動作することが可能であり、eCallの信頼性を改善することが可能である。
【0010】
ある1つの可能な設計において、前記テレマティクスボックスが、前記第1の伝送ノードを使用してデータ伝送を実行する前に、前記テレマティクスボックスは、前記データ通信システムの中のマスターノードと前記第1の伝送ノードとの間の接続が遮断されているということを検出し、そして、前記第1の伝送ノードに前記第1の命令を送信する。前記第1の命令は、前記スレーブノードモードから前記マスターノードモードへの切り替えを前記第1の伝送ノードに指示するのに使用される。上記の設計において、テレマティクスボックスは、スレーブノードモードからマスターノードモードへの切り替えを第1の伝送ノードに指示し、それによって、テレマティクスボックスのホスト機能は、周辺機器が収集するデータを第1の伝送ノードを介して受信し、そして、緊急呼センターにそのデータを送り返してもよい。このように、eCallは、正常に動作することが可能であり、eCallの信頼性を改善することが可能である。
【0011】
ある1つの可能な設計において、前記テレマティクスボックスが、前記第1の伝送ノードを使用してデータ伝送を実行する前に、前記テレマティクスボックスは、前記第1の伝送ノードが送信する第2の命令を受信してもよい。前記第2の命令は、前記テレマティクスボックスと前記第1の伝送ノードとの間の同期を実装するのに使用される。上記の設計によれば、マスターノードモードへと切り替える第1の伝送ノードと同期した後に、テレマティクスボックスのホスト機能は、その第1の伝送ノードと通信して、通信の信頼性を改善する。
【0012】
ある1つの可能な設計において、前記テレマティクスボックスが、前記第1の伝送ノードを使用してデータ伝送を実行する前に、前記テレマティクスボックスは、代替的に、前記第1の伝送ノードに第2の命令を送信してもよい。前記第2の命令は、前記テレマティクスボックスと前記第1の伝送ノードとの間の同期を実装するのに使用される。上記の設計によれば、マスターノードモードへと切り替える第1の伝送ノードと同期した後に、テレマティクスボックスのホスト機能は、その第1の伝送ノードと通信して、通信の信頼性を改善する。
【0013】
ある1つの可能な設計において、前記テレマティクスボックスが、ホスト機能を有効化する前に、前記テレマティクスボックスは、前記緊急呼をトリガするための前記信号を検出する。上記の設計において、テレマティクスボックスは、緊急呼をトリガするための信号を検出した後に、ホスト機能を有効化し、それによって、緊急呼通信の際に、データ通信システムの中のリンク又はノードの故障がテレマティクスボックスに影響を与えることを防止することが可能である。このように、eCall機能を正常に実行することが可能である。
【0014】
ある1つの可能な設計において、前記テレマティクスボックスが、ホスト機能を有効化する前に、前記テレマティクスボックスは、前記第1の伝送ノードが送信する第3の命令を受信する。前記第3の命令は、前記ホスト機能を有効化するように前記テレマティクスボックスに指示するのに使用され、前記第3の命令は、前記第1の伝送ノードが、前記緊急呼をトリガするための前記信号を検出するときに、前記第1の伝送ノードが送信する。上記の設計において、緊急呼をトリガするための信号を検出した後に、第1の伝送ノードは、ホスト機能を有効化するようにテレマティクスボックスに指示し、それによって、緊急呼通信の際に、データ通信システムの中のリンク又はノードの故障がそのテレマティクスボックスに影響を与えることを防止することが可能である。このように、eCall機能を正常に実行することが可能である。
【0015】
ある1つの可能な設計において、前記テレマティクスボックスが、ホスト機能を有効化する前に、前記テレマティクスボックスは、前記データ通信システムの中の前記マスターノードと前記第1の伝送ノードとの間の前記接続が遮断されているということを検出する。上記の設計において、データ通信システムの中のマスターノードと第1の伝送ノードとの間のリンク又はノードが故障しているということを検出するときに、テレマティクスボックスは、ホスト機能を有効化する。この場合には、テレマティクスボックスのホスト機能は、周辺機器が収集するデータを、マスターノードモードへと切り替える第1の伝送ノードを介して受信し、そして、緊急呼センターにそのデータを送り返してもよい。このように、eCallは、正常に動作し、eCallの信頼性を改善することが可能である。
【0016】
ある1つの可能な設計において、前記テレマティクスボックスが、ホスト機能を有効化する前に、前記テレマティクスボックスは、前記第1の伝送ノードが送信する前記第3の命令を受信する。前記第3の命令は、前記ホスト機能を有効化するように前記テレマティクスボックスに指示するのに使用され、前記第3の命令は、前記第1の伝送ノードが、前記データ通信システムの中の前記マスターノードと前記第1の伝送ノードとの間の前記接続が遮断されているということを検出するときに、前記第1の伝送ノードが送信する。上記の設計において、データ通信システムの中のマスターノードと第1の伝送ノードとの間のリンク又はノードが故障しているということを検出するときに、第1の伝送ノードは、ホスト機能を有効化するようにテレマティクスボックスに指示する。この場合には、テレマティクスボックスのホスト機能は、周辺機器が収集するデータを、マスターノードモードへと切り替える第1の伝送ノードを介して受信し、そして、緊急呼センターにそのデータを送り返してもよい。このように、eCallは、正常に動作し、eCallの信頼性を改善することが可能である。
【0017】
ある1つの可能な設計において、前記データ通信システムは、少なくとも1つの第2の伝送ノードを含む。前記第2の伝送ノードは、前記第1の伝送ノードのより下位のレベルの伝送ノードである。前記テレマティクスボックスが、ホスト機能を有効化した後に、前記テレマティクスボックスは、前記少なくとも1つの第2の伝送ノードに伝送リソースを割り当ててもよい。前記テレマティクスボックスは、前記第1の伝送ノードにリソース割り当て情報を送信する。前記リソース割り当て情報は、前記少なくとも1つの第2の伝送ノードに個別に対応する前記伝送リソースを示すのに使用される。上記の設計において、テレマティクスボックスは、第1の伝送ノードのより下位のレベルの伝送ノードに伝送リソースを割り当て、それによって、第1の伝送ノードのより下位のレベルの伝送ノードは、そのテレマティクスボックスの制御の下で、正常に動作することが可能である。このように、eCallは、正常に動作することが可能であり、eCallの信頼性を改善することが可能である。
【0018】
ある1つの可能な設計において、前記テレマティクスボックスは、前記第1の伝送ノードによる給電からローカル電源による給電へと切り替える。上記の設計によれば、テレマティクスボックスは、ローカル電源による給電へと切り替え、それによって、そのテレマティクスボックスは、データ通信システムの中のリンク又はノードが故障しているときに正常に動作することが可能である。
【0019】
ある1つの可能な設計において、前記テレマティクスボックスは、前記第1の伝送ノードに電力を供給する。上記の設計によれば、テレマティクスボックスは、ローカル電源による給電へと切り替え、そして、第1の伝送ノードに電力を供給し、それによって、第1の伝送ノード及びその第1の伝送ノードに接続されている周辺機器は、正常に動作することが可能である。
【0020】
ある1つの可能な設計において、前記データ通信システムは、第3の伝送ノードを含む。前記第3の伝送ノードは、前記データ通信システムの中の前記一次伝送ノードである。前記第1の伝送ノードと前記第3の伝送ノードとの間に少なくとも2つの伝送経路が存在してもよい。上記の設計において、テレマティクスボックスに経路冗長性を提供する。データ通信システムの中のリンク又はノードが故障しているときに、データ通信システムは、スタンバイ経路を介してテレマティクスボックスに電力を供給して、正常に動作するように周辺機器を駆動することが可能である。このように、eCallの信頼性を改善することが可能である。
【0021】
第2の態様によれば、この出願のある1つの実施形態は、車載型通信システムに適用される緊急呼方法を提供する。前記車載型通信システムは、テレマティクスボックス及びデータ通信システムを含む。前記データ通信システムは、第1の伝送ノードを含み、前記テレマティクスボックスは、前記第1の伝送ノードに接続される。当該方法は、前記第1の伝送ノードが、スレーブノードモードからマスターノードモードへと切り替えるステップを含む。前記第1の伝送ノードは、前記テレマティクスボックスを使用してデータ伝送を実行する。前記テレマティクスボックスは、ホスト機能を有し、前記ホスト機能は、前記第1の伝送ノード及び前記第1の伝送ノードに接続されている周辺機器を制御する機能を含む。
【0022】
この出願のこの実施形態において、ホスト機能は、テレマティクスボックスに配置され、第1の伝送ノードは、スレーブノードモードからマスターノードモードへと切り替えて、eCallの正常な動作のために冗長性を提供する。このように、リンク又はノードが故障しているときに、テレマティクスボックスのホスト機能は、マスターノードモードへと切り替える第1の伝送ノードを介して、周辺機器が収集するデータを受信し、そして、緊急呼センターにデータを送り返してもよい。このように、eCallは、正常に動作することが可能であり、eCallの信頼性を改善することが可能である。
【0023】
ある1つの可能な設計において、前記第1の伝送ノードが、前記スレーブノードモードから前記マスターノードモードへと切り替える前に、前記第1の伝送ノードは、緊急呼をトリガするための信号を検出してもよい。上記の設計において、緊急呼をトリガするための信号を検出するときに、第1の伝送ノードは、スレーブノードモードからマスターノードモードへと切り替え、それによって、テレマティクスボックスのホスト機能は、周辺機器が収集するデータを第1の伝送ノードを介して受信し、そして、緊急呼センターにそのデータを送り返してもよい。このように、eCallは、正常に動作することが可能であり、eCallの信頼性を改善することが可能である。
【0024】
ある1つの可能な設計において、前記第1の伝送ノードが、前記スレーブノードモードから前記マスターノードモードへと切り替える前に、前記第1の伝送ノードは、前記データ通信システムの中のマスターノードと前記第1の伝送ノードとの間の接続が遮断されているということを検出してもよい。上記の設計において、前記データ通信システムの中のマスターノードと第1の伝送ノードとの間の接続が遮断されているということを検出するときに、第1の伝送ノードは、スレーブノードモードからマスターノードモードへと切り替え、それによって、テレマティクスボックスのホスト機能は、周辺機器が収集するデータを第1の伝送ノードを介して受信し、そして、緊急呼センターにそのデータを送り返してもよい。このように、eCallは、正常に動作することが可能であり、eCallの信頼性を改善することが可能である。
【0025】
ある1つの可能な設計において、前記第1の伝送ノードが、前記スレーブノードモードから前記マスターノードモードへと切り替える前に、前記第1の伝送ノードは、前記テレマティクスボックスが送信する第1の命令を受信してもよい。前記第1の命令は、前記スレーブノードモードから前記マスターノードモードへと切り替えるように前記第1の伝送ノードに指示するのに使用される。前記第1の命令は、前記テレマティクスボックスが前記緊急呼をトリガするための前記信号を検出するときに、前記テレマティクスボックスが送信してもよい。上記の設計において、緊急呼をトリガするための信号を検出するときに、テレマティクスボックスは、スレーブノードモードからマスターノードモードへの切り替えを第1の伝送ノードに指示し、それによって、テレマティクスボックスのホスト機能は、周辺機器が収集するデータを第1の伝送ノードを介して受信し、そして、緊急呼センターにそのデータを送り返してもよい。このように、データ通信システムの中のリンク又はノードの障害に起因して、eCallが正常に動作することが不可能であるということを回避することが可能であり、eCallの信頼性を改善することが可能である。
【0026】
ある1つの可能な設計において、前記第1の伝送ノードが、前記スレーブノードモードから前記マスターノードモードへと切り替える前に、前記第1の伝送ノードは、前記テレマティクスボックスが送信する前記第1の命令を受信してもよい。前記第1の命令は、前記スレーブノードモードから前記マスターノードモードへと切り替えるように前記第1の伝送ノードに指示するのに使用される。前記第1の命令は、前記テレマティクスボックスが、前記データ通信システムの中の前記マスターノードと前記第1の伝送ノードとの間の接続が遮断されているということを検出するときに、前記テレマティクスボックスが送信してもよい。上記の設計において、データ通信システムの中のリンク又はノードが故障しているときに、テレマティクスボックスは、スレーブノードモードからマスターノードモードへの切り替えを第1の伝送ノードに指示し、それによって、テレマティクスボックスのホスト機能は、周辺機器が収集するデータを第1の伝送ノードを介して受信し、そして、緊急呼センターにそのデータを送り返してもよい。このように、eCallは、正常に動作することが可能であり、eCallの信頼性を改善することが可能である。
【0027】
ある1つの可能な設計において、前記第1の伝送ノードが、前記テレマティクスボックスを使用してデータ伝送を実行する前に、前記第1の伝送ノードは、前記テレマティクスボックスに第2の命令を送信してもよい。前記第2の命令は、前記第1の伝送ノードと前記テレマティクスボックスとの間の同期を実装するのに使用される。上記の設計によれば、マスターノードモードへと切り替える第1の伝送ノードと同期した後に、テレマティクスボックスのホスト機能は、第1の伝送ノードと通信して、通信の信頼性を改善する。
【0028】
ある1つの可能な設計において、前記第1の伝送ノードは、前記テレマティクスボックスが送信する第2の命令を受信する。前記第2の命令は、前記第1の伝送ノードと前記テレマティクスボックスとの間の同期を実装するのに使用される。上記の設計によれば、マスターノードモードへと切り替える第1の伝送ノードと同期した後に、テレマティクスボックスのホスト機能は、第1の伝送ノードと通信し、通信の信頼性を改善する。
【0029】
ある1つの可能な設計において、前記第1の伝送ノードが、前記テレマティクスボックスを使用してデータ伝送を実行する前に、前記第1の伝送ノードは、前記緊急呼をトリガするための前記信号を検出し、そして、前記テレマティクスボックスに第3の命令を送信する。前記第3の命令は、前記ホスト機能を有効化するように前記テレマティクスボックスに指示するのに使用される。上記の設計において、緊急呼をトリガするための信号を検出するときに、第1の伝送ノードは、ホスト機能を有効化するようにテレマティクスボックスに指示し、それによって、緊急呼通信の際に、データ通信システムの中のリンク又はノードの故障がテレマティクスボックスに影響を与えることを防止することが可能である。このように、eCall機能を正常に実行することが可能である。
【0030】
ある1つの可能な設計において、前記第1の伝送ノードが、前記テレマティクスボックスを使用してデータ伝送を実行する前に、前記第1の伝送ノードは、前記データ通信システムの中の前記マスターノードと前記第1の伝送ノードとの間の前記接続が遮断されているということを検出し、そして、前記テレマティクスボックスに前記第3の命令を送信する。前記第3の命令は、前記ホスト機能を有効化するように前記テレマティクスボックスに指示するのに使用される。上記の設計において、データ通信システムの中のリンク又はノードが故障しているときに、第1の伝送ノードは、ホスト機能を有効化するようにテレマティクスボックスに指示し、それによって、テレマティクスボックスのホスト機能は、周辺機器が収集するデータを第1の伝送ノードを介して受信し、そして、緊急呼センターにそのデータを送り返してもよい。このように、eCallは、正常に動作することが可能であり、eCallの信頼性を改善することが可能である。
【0031】
ある1つの可能な設計において、前記データ通信システムは、少なくとも1つの第2の伝送ノードを含む。前記第2の伝送ノードは、前記第1の伝送ノードのより下位のレベルの伝送ノードである。前記第1の伝送ノードが、前記スレーブノードモードから前記マスターノードモードへと切り替えた後に、前記第1の伝送ノードは、前記テレマティクスボックスが送信するリソース割り当て情報を受信してもよい。前記リソース割り当て情報は、前記少なくとも1つの第2の伝送ノードの伝送リソースを示すのに使用される。前記第1の伝送ノードは、前記少なくとも1つの第2の伝送ノードに構成情報を個別に送信する。前記構成情報は、前記第2の伝送ノードに対応する前記伝送リソースを示すのに使用される。上記の設計において、テレマティクスボックスは、第1の伝送ノードのより下位のレベルの伝送ノードに伝送リソースを割り当て、それによって、第1の伝送ノードのより下位のレベルの伝送ノードは、テレマティクスボックスの制御の下で、正常に動作することが不可能である。このように、eCallは、正常に動作することが可能であり、eCallの信頼性を改善することが可能である。
【0032】
ある1つの可能な設計において、前記テレマティクスボックスは、前記第1の伝送ノードによる給電からローカル電源による給電へと切り替える。上記の設計によれば、テレマティクスボックスは、ローカル電源による給電へと切り替え、それによって、そのテレマティクスボックスは、データ通信システムの中のリンク又はノードが故障しているときに正常に動作することが可能である。
【0033】
ある1つの可能な設計において、前記第1の伝送ノードは、前記データ通信システムによる給電から前記テレマティクスボックスによる給電へと切り替えてもよい。上記の設計によれば、テレマティクスボックスは、ローカル電源による給電へと切り替え、そして、第1の伝送ノードに電力を供給し、それによって、第1の伝送ノード及びその第1の伝送ノードに接続されている周辺機器は、正常に動作することが可能である。
【0034】
ある1つの可能な設計において、前記データ通信システムは、第3の伝送ノードを含む。前記第3の伝送ノードは、前記データ通信システムの中の一次伝送ノードである。前記第1の伝送ノードと前記第3の伝送ノードとの間に少なくとも2つの伝送経路が存在してもよい。上記の設計において、テレマティクスボックスに経路冗長性を提供する。データ通信システムの中のノード又はリンクが故障しているときに、データ通信システムは、スタンバイ経路を介してテレマティクスボックスに電力を供給して、正常に動作するように周辺機器を駆動することが可能である。このように、eCallの信頼性を改善することが可能である。
【0035】
第3の態様によれば、この出願のある1つの実施形態は、車載型通信システムに適用される緊急呼方法を提供する。前記車載型通信システムは、テレマティクスボックス及びデータ通信システムを含む。前記データ通信システムは、第1の伝送ノードを含み、前記テレマティクスボックスは、前記第1の伝送ノードに接続される。当該方法は、前記テレマティクスボックスが、該テレマティクスボックスの第1の機能及び第2の機能を有効化するステップを含む。前記第1の機能は、前記第1の伝送ノード及び該第1の伝送ノードに接続されている周辺機器を制御する機能を含む。前記第1の伝送ノードは、前記テレマティクスボックスに接続され、前記第1の伝送ノードは、スレーブノードモードとなっている。前記第2の機能は、前記第1の伝送ノードからのデータを非カプセル化し、前記データをカプセル化し、そして、前記第1の伝送ノードに、カプセル化されたデータを送信する機能を含む。前記テレマティクスボックスは、前記第1の伝送ノードを使用してデータ伝送を実行する。
【0036】
この出願のこの実施形態において、第1の機能及び第2の機能は、テレマティクスボックスに配置されて、eCallの正常な動作のための冗長性を提供する。このことは、eCallの信頼性の改善を可能とする。リンク又はノードが故障しているときに、テレマティクスボックスは、第1の機能及び第2の機能を使用して、周辺機器が収集するデータを受信し、そして、緊急呼センターにデータを送り返してもよい。これにより、eCallは、正常に動作することが可能であり、eCallの信頼性を改善することが可能である。
【0037】
ある1つの可能な設計において、前記テレマティクスボックスは、前記第1の伝送ノードに電力を供給する。上記の設計によれば、テレマティクスボックスは、ローカル電源による給電へと切り替え、そして、第1の伝送ノードに電力を供給し、それによって、第1の伝送ノード及びその第1の伝送ノードに接続されている周辺機器は、正常に動作することが可能である。
【0038】
ある1つの可能な設計において、前記テレマティクスボックスは、前記第1の伝送ノードによる給電から前記ローカル電源による給電へと切り替える。上記の設計によれば、テレマティクスボックスは、ローカル電源による給電へと切り替え、それによって、そのテレマティクスボックスは、データ通信システムの中のリンク又はノードが故障しているときに正常に動作することが可能である。
【0039】
ある1つの可能な設計において、前記データ通信システムは、第3の伝送ノードを含む。前記第3の伝送ノードは、前記データ通信システムの中の一次伝送ノードである。前記第1の伝送ノードと前記第3の伝送ノードとの間に少なくとも2つの伝送経路が存在してもよい。上記の設計において、テレマティクスボックスに経路冗長性を提供する。データ通信システムの中のノード又はリンクが故障しているときに、データ通信システムは、スタンバイ経路を介してテレマティクスボックスに電力を供給して、正常に動作するように周辺機器を駆動することが可能である。このように、eCallの信頼性を改善することが可能である。
【0040】
ある1つの可能な設計において、前記テレマティクスボックスが、前記第1の伝送ノードを使用してデータ伝送を実行する前に、前記テレマティクスボックスは、前記第1の伝送ノードが送信する第1の命令を受信してもよい。前記第1の命令は、前記テレマティクスボックスと前記第1の伝送ノードとの間の同期を実装するのに使用される。上記の設計によれば、マスターノードモードへと切り替える第1の伝送ノードと同期した後に、テレマティクスボックスのホスト機能は、その第1の伝送ノードと通信して、通信の信頼性を改善する。
【0041】
ある1つの可能な設計において、前記テレマティクスボックスが、前記第1の伝送ノードを使用してデータ伝送を実行する前に、前記テレマティクスボックスは、代替的に、前記第1の伝送ノードに第1の命令を送信してもよい。前記第1の命令は、前記テレマティクスボックスと前記第1の伝送ノードとの間の同期を実装するのに使用される。上記の設計によれば、マスターノードモードへと切り替える第1の伝送ノードと同期した後に、テレマティクスボックスのホスト機能は、その第1の伝送ノードと通信して、通信の信頼性を改善する。
【0042】
ある1つの可能な設計において、前記テレマティクスボックスが、前記第1の機能及び前記第2の機能を有効化する前に、前記テレマティクスボックスは、緊急呼をトリガするための信号を検出する。上記の設計において、テレマティクスボックスは、緊急呼をトリガするための信号を検出した後に、第1の機能及び第2の機能を有効化し、それによって、緊急呼通信の際に、データ通信システムの中のリンク又はノードの故障がテレマティクスボックスに影響を与えることを防止することが可能である。このように、eCall機能を正常に実行することが可能である。
【0043】
ある1つの可能な設計において、前記テレマティクスボックスが、前記第1の機能及び前記第2の機能を有効化する前に、前記テレマティクスボックスは、前記第1の伝送ノードが送信する第2の命令を受信する。前記第2の命令は、前記第1の機能及び前記第2の機能を有効化するように前記テレマティクスボックスに指示するのに使用され、前記第2の命令は、前記第1の伝送ノードが、前記緊急呼をトリガするための前記信号を検出するときに、前記第1の伝送ノードが送信する。上記の設計において、緊急呼をトリガするための信号を検出した後に、第1の伝送ノードは、第1の機能及び第2の機能を有効化するようにテレマティクスボックスに指示し、それによって、緊急呼通信の際に、データ通信システムの中のリンク又はノードの故障がそのテレマティクスボックスに影響を与えることを防止することが可能である。このように、eCall機能を正常に実行することが可能である。
【0044】
ある1つの可能な設計において、前記テレマティクスボックスが、前記第1の機能及び前記第2の機能を有効化する前に、前記テレマティクスボックスは、前記データ通信システムの中のマスターノードと前記第1の伝送ノードとの間の接続が遮断されているということを検出する。上記の設計において、データ通信システムの中のマスターノードと第1の伝送ノードとの間のリンク又はノードが故障しているということを検出するときに、テレマティクスボックスは、第1の機能及び第2の機能を有効化する。この場合には、テレマティクスボックスの第1の機能及び第2の機能は、周辺機器が収集するデータを第1の伝送ノードを介して受信し、そして、緊急呼センターにそのデータを送り返してもよい。このように、eCallは、正常に動作することが可能であり、eCallの信頼性を改善することが可能である。
【0045】
ある1つの可能な設計において、前記テレマティクスボックスが、前記第1の機能及び前記第2の機能を有効化する前に、前記テレマティクスボックスは、前記第1の伝送ノードが送信する前記第2の命令を受信する。前記第2の命令は、前記第1の機能及び前記第2の機能を有効化するように前記テレマティクスボックスに指示するのに使用され、前記第2の命令は、前記第1の伝送ノードが、前記データ通信システムの中の前記マスターノードと前記第1の伝送ノードとの間の前記接続が遮断されているということを検出するときに、前記第1の伝送ノードが送信する。上記の設計において、データ通信システムの中のマスターノードと第1の伝送ノードとの間のリンク又はノードが故障しているということを検出するときに、第1の伝送ノードは、第1の機能及び第2の機能を有効化するようにテレマティクスボックスに指示する。この場合には、テレマティクスボックスの第1の機能及び第2の機能は、周辺機器が収集するデータを第1の伝送ノードを介して受信し、そして、緊急呼センターにそのデータを送り返してもよい。このように、eCallは、正常に動作することが可能であり、eCallの信頼性を改善することが可能である。
【0046】
第4の態様によれば、この出願のある1つの実施形態は、車載型通信システムに適用される緊急呼方法を提供する。前記車載型通信システムは、テレマティクスボックス及びデータ通信システムを含む。前記データ通信システムは、第1の伝送ノードを含み、前記テレマティクスボックスは、前記第1の伝送ノードに接続される。当該方法は、前記第1の伝送ノードが、前記テレマティクスボックスに第1の命令を送信するステップを含む。前記第1の命令は、第1の機能及び第2の機能を有効化するように前記テレマティクスボックスに指示するのに使用される。前記第1の伝送ノードは、前記テレマティクスボックスに接続され、前記第1の伝送ノードは、スレーブノードモードとなっている。前記第1の機能は、前記第1の伝送ノード及び該第1の伝送ノードに接続されている周辺機器を制御する機能を含む。前記第2の機能は、前記第1の伝送ノードからのデータを非カプセル化し、そのデータをカプセル化し、そして、前記第1の伝送ノードに、カプセル化されたデータを送信する機能を含む。前記第1の伝送ノードは、前記テレマティクスボックスを使用してデータ伝送を実行する。
【0047】
この出願のこの実施形態において、第1の機能及び第2の機能は、テレマティクスボックスに配置されて、eCallの正常な動作のための冗長性を提供する。このことは、eCallの信頼性の改善を可能とする。リンク又はノードが故障しているときに、テレマティクスボックスは、第1の機能及び第2の機能を使用して、周辺機器が収集するデータを受信し、そして、緊急呼センターにデータを送り返してもよい。これにより、eCallは、正常に動作することが可能であり、eCallの信頼性を改善することが可能である。
【0048】
ある1つの可能な設計において、前記第1の命令は、前記第1の伝送ノードが、緊急呼をトリガするための信号を検出するときに、前記第1の伝送ノードが送信する。
【0049】
ある1つの可能な設計において、前記第1の命令は、前記第1の伝送ノードが、前記データ通信システムの中のマスターノードと前記第1の伝送ノードとの間の接続が遮断されているということを検出するときに、前記第1の伝送ノードが送信する。
【0050】
ある1つの可能な設計において、前記第1の伝送ノードが、前記テレマティクスボックスを使用してデータ伝送を実行する前に、前記第1の伝送ノードは、前記テレマティクスボックスに第2の命令を送信してもよい。前記第2の命令は、前記第1の伝送ノードと前記テレマティクスボックスとの間の同期を実装するのに使用される。上記の設計によれば、マスターノードモードへと切り替える第1の伝送ノードと同期した後に、テレマティクスボックスのホスト機能は、その第1の伝送ノードと通信して、通信の信頼性を改善する。
【0051】
ある1つの可能な設計において、前記第1の伝送ノードは、前記テレマティクスボックスが送信する第2の命令を受信する。前記第2の命令は、前記第1の伝送ノードと前記テレマティクスボックスとの間の同期を実装するのに使用される。上記の設計によれば、マスターノードモードへと切り替える第1の伝送ノードと同期した後に、テレマティクスボックスのホスト機能は、その第1の伝送ノードと通信して、通信の信頼性を改善する。
【0052】
ある1つの可能な設計において、前記テレマティクスボックスは、前記第1の伝送ノードによる給電から前記ローカル電源による給電へと切り替える。上記の設計によれば、テレマティクスボックスは、ローカル電源による給電へと切り替え、それによって、そのテレマティクスボックスは、データ通信システムの中のリンク又はノードが故障しているときに正常に動作することが可能である。
【0053】
ある1つの可能な設計において、前記テレマティクスボックスは、前記第1の伝送ノードに電力を供給する。上記の設計によれば、テレマティクスボックスは、ローカル電源による給電へと切り替え、そして、第1の伝送ノードに電力を供給し、それによって、第1の伝送ノード及びその第1の伝送ノードに接続されている周辺機器は、正常に動作することが可能である。
【0054】
ある1つの可能な設計において、前記データ通信システムは、第3の伝送ノードを含む。前記第3の伝送ノードは、前記データ通信システムの中の一次伝送ノードである。前記第1の伝送ノードと前記第3の伝送ノードとの間に少なくとも2つの伝送経路が存在してもよい。上記の設計において、テレマティクスボックスに経路冗長性を提供する。データ通信システムの中のノード又はリンクが故障しているときに、データ通信システムは、スタンバイ経路を介してテレマティクスボックスに電力を供給して、正常に動作するように周辺機器を駆動することが可能である。このように、eCallの信頼性を改善することが可能である。
【0055】
第5の態様によれば、この出願のある1つの実施形態は、緊急呼システムを提供する。当該システムは、テレマティクスボックス、第1のシステム、第2のシステム、及び少なくとも1つの周辺機器を含む。前記第1のシステムは、少なくとも1つの伝送ノード及びホストを含む。前記第2のシステムは、少なくとも1つの伝送ノードを含む。前記第1のシステムは、前記少なくとも1つの周辺機器に接続される。前記第2のシステムは、前記少なくとも1つの周辺機器に接続され、前記第2のシステムは、該第2のシステムの中の第1の伝送ノードを介して前記テレマティクスボックスに接続される。この出願のこの実施形態において、前記第2のシステムが追加され、前記第1のシステム及び前記第2のシステムは、前記周辺機器を共有し、前記テレマティクスボックスは、前記第2のシステムを介して、緊急呼データに関するデータ伝送を実行する。正常な動作においては、テレマティクスボックス及び第1のシステムは、独立して動作する。第1のシステムのノード又はリンクの故障は、テレマティクスボックスに影響を与えない。テレマティクスボックスは、周辺機器が収集するデータを第2のシステムを介して取得してもよく、それによって、eCall機能を正常に実行することが可能であり、eCallの信頼性を改善することが可能である。
【0056】
ある1つの可能な設計において、前記第1の伝送ノードが前記テレマティクスボックスに接続されることは、前記第1の伝送ノードが、信号接続方式によって及び電力供給接続方式によって、前記テレマティクスボックスに接続されることを意味する。
【0057】
ある1つの可能な設計において、前記テレマティクスボックスは、第1の機能を有し、前記第1の機能は、前記伝送ノード及び該伝送ノードに接続されている周辺機器を制御する機能を含む。前記第1の伝送ノードは、マスターノードモードとなっている。上記の設計によれば、テレマティクスボックスの第1の機能は、周辺機器が収集するデータを、マスターノードモードとなっている第1の伝送ノードを介して受信し、それによって、eCall機能を正常に実行することが可能であり、eCallの信頼性を改善することが可能である。
【0058】
ある1つの可能な設計において、前記テレマティクスボックスは、前記第1の機能及び第2の機能を有する。前記第1の機能は、前記伝送ノード及び該伝送ノードに接続されている前記周辺機器を制御する前記機能を含む。前記第2の機能は、前記第2のシステムの中の前記少なくとも1つの伝送ノードからのデータを非カプセル化し、前記データをカプセル化し、そして、前記第2のシステムの中の前記少なくとも1つの伝送ノードに、カプセル化されたデータを送信する機能を含む。前記第2のシステムの中のいずれかの伝送ノードは、スレーブノードモードとなっている。上記の設計によれば、テレマティクスボックスの第1の機能及び第2の機能は、周辺機器が収集するデータを第1の伝送ノードを介して受信し、それよって、eCall機能を正常に実行することが可能であり、eCallの信頼性を改善することが可能である。
【0059】
ある1つの可能な設計において、前記テレマティクスボックスは、前記第1のシステムの中の第2の伝送ノードに接続される。上記の設計において、そのテレマティクスボックスは、第1のシステムに接続され、それによって、そのテレマティクスボックスは、2つのシステムに接続され、それらの2つのシステムは互いに予備として機能する。一方のシステムの中のリンク又はノードが故障しているときに、そのテレマティクスボックスは、他方のシステムを介して周辺機器からデータを取得して、そのテレマティクスボックスの中のeCall機能を正常に実行することを保証することが可能であるとともに、eCallの信頼性を改善することが可能である。
【0060】
ある1つの可能な設計において、第1のシステムの中の少なくとも2つの伝送ノードの間に少なくとも2つの伝送経路が存在する。上記の設計において、テレマティクスボックスに経路冗長性を提供する。データ通信システムの中のリンク又はノードが故障しているときに、データ通信システムは、スタンバイ経路を介してテレマティクスボックスに電力を供給して、正常に動作するように周辺機器を駆動することが可能である。これにより、eCallの信頼性を改善することが可能である。
【0061】
ある1つの可能な設計において、前記第2のシステムの中の少なくとも2つの伝送ノードの間に少なくとも2つの伝送経路が存在する。上記の設計において、テレマティクスボックスに経路冗長性を提供する。データ通信システムの中のリンク又はノードが故障しているときに、データ通信システムは、スタンバイ経路を介してテレマティクスボックスに電力を供給して、正常に動作するように周辺機器を駆動することが可能である。これにより、eCallの信頼性を改善することが可能である。
【0062】
第6の態様によれば、この出願のある1つの実施形態は、車両を提供する。第5の態様にしたがった緊急呼システムは、車両に配置されてもよい。
【0063】
第7の態様によれば、この出願のある1つの実施形態は、緊急呼システムに適用される緊急呼方法を提供する。前記システムは、テレマティクスボックス、第1のシステム、第2のシステム、及び少なくとも1つの周辺機器を含む。前記第1のシステムは、少なくとも1つの伝送ノード及びホストを含む。前記第2のシステムは、少なくとも1つの伝送ノードを含む。前記第1のシステムは、前記少なくとも1つの周辺機器に接続される。前記第2のシステムは、前記少なくとも1つの周辺機器に接続され、前記第2のシステムは、該第2のシステムの中の第1の伝送ノードを介して前記テレマティクスボックスに接続される。当該方法は、前記テレマティクスボックスが、緊急呼を開始することを決定し、前記テレマティクスボックスが、前記第1の伝送ノードを使用してデータ伝送を実行するステップを含む。この出願のこの実施形態において、第2のシステムが追加され、第1のシステム及び第2のシステムは、周辺機器を共有し、テレマティクスボックスは、第2のシステムを介して、緊急呼データに関するデータ伝送を実行する。正常な動作においては、テレマティクスボックス及び第1のシステムは、独立して動作する。第1のシステムのノード又はリンクの故障は、そのテレマティクスボックスに影響を与えない。そのテレマティクスボックスは、周辺機器が収集するデータを第2のシステムを介して取得してもよく、それによって、eCall機能を正常に実行することが可能であり、eCallの信頼性を改善することが可能である。
【0064】
ある1つの可能な設計において、前記第1の伝送ノードが前記テレマティクスボックスに接続されることは、前記第1の伝送ノードが、信号接続方式によって及び電力供給接続方式によって、前記テレマティクスボックスに接続されることを意味する。
【0065】
ある1つの可能な設計において、前記テレマティクスボックスは、第1の機能を有し、前記第1の機能は、前記伝送ノード及び該伝送ノードに接続されている周辺機器を制御する機能を含む。前記第1の伝送ノードは、マスターノードモードとなっている。上記の設計によれば、テレマティクスボックスの第1の機能は、周辺機器が収集するデータを、マスターノードモードとなっている第1の伝送ノードを介して受信し、それによって、eCall機能を正常に実行することが可能であり、eCallの信頼性を改善することが可能である。
【0066】
ある1つの可能な設計において、前記テレマティクスボックスは、前記第1の機能及び第2の機能を有する。前記第1の機能は、前記伝送ノード及び該伝送ノードに接続されている前記周辺機器を制御する前記機能を含む。前記第2の機能は、前記第2のシステムの中の前記少なくとも1つの伝送ノードからのデータを非カプセル化し、前記データをカプセル化し、そして、前記第2のシステムの中の前記少なくとも1つの伝送ノードに、カプセル化されたデータを送信する機能を含む。前記第2のシステムの中のいずれかの伝送ノードは、スレーブノードモードとなっている。上記の設計によれば、テレマティクスボックスの第1の機能及び第2の機能は、周辺機器が収集するデータを第1の伝送ノードを介して受信し、それよって、eCall機能を正常に実行することが可能であり、eCallの信頼性を改善することが可能である。
【0067】
ある1つの可能な設計において、第1のシステムの中の少なくとも2つの伝送ノードの間に少なくとも2つの伝送経路が存在する。上記の設計において、テレマティクスボックスに経路冗長性を提供する。データ通信システムの中のノード又はリンクが故障しているときに、データ通信システムは、スタンバイ経路を介してテレマティクスボックスに電力を供給して、正常に動作するように周辺機器を駆動することが可能である。これにより、eCallの信頼性を改善することが可能である。
【0068】
ある1つの可能な設計において、前記第2のシステムの中の少なくとも2つの伝送ノードの間に少なくとも2つの伝送経路が存在する。上記の設計において、テレマティクスボックスに経路冗長性を提供する。データ通信システムの中のノード又はリンクが故障しているときに、データ通信システムは、スタンバイ経路を介してテレマティクスボックスに電力を供給して、正常に動作するように周辺機器を駆動することが可能である。これにより、eCallの信頼性を改善することが可能である。
【0069】
第8の態様によれば、この出願のある1つの実施形態は、緊急呼システムに適用される緊急呼方法を提供する。前記システムは、テレマティクスボックス、第1のシステム、第2のシステム、及び少なくとも1つの周辺機器を含む。前記第1のシステムは、少なくとも1つの伝送ノード及びホストを含む。前記第2のシステムは、少なくとも1つの伝送ノードを含む。前記第1のシステムは、前記少なくとも1つの周辺機器に接続される。前記第2のシステムは、前記少なくとも1つの周辺機器に接続され、前記第2のシステムは、該第2のシステムの中の第1の伝送ノードを介して前記テレマティクスボックスに接続される。前記第1のシステムは、該第1のシステムの中の第2の伝送ノードを介して前記テレマティクスボックスに接続される。当該方法は、前記第1のシステムが正常に動作しているときに、前記テレマティクスボックスが、前記第2の伝送ノードを使用してデータ伝送を実行し、前記第1のシステムが正常に動作していないときに、前記テレマティクスボックスが、前記第1の伝送ノードを使用してデータ伝送を実行する、ステップを含む。この出願のこの実施形態において、テレマティクスボックスは、第1のシステム及び第2のシステムの双方に接続され、それによって、そのテレマティクスボックスは、2つのシステムに接続され、それらの2つのシステムは、互いに予備として機能する。一方のシステムの中のリンク又はノードが故障しているときに、テレマティクスボックスは、他方のシステムを介して周辺機器からデータを取得して、そのテレマティクスボックスの中のeCall機能を正常に実行することを保証することが可能であるとともに、eCallの信頼性を改善することが可能である。
【0070】
ある1つの可能な設計において、前記テレマティクスボックスは、第1の機能を有し、又は、前記テレマティクスボックスは、前記第1の機能及び第2の機能を有する。前記第1の機能は、前記第1の伝送ノード及び該第1の伝送ノードに接続されている周辺機器を制御する機能を含み、前記第2の機能は、前記第1の伝送ノードからのデータを非カプセル化し、前記データをカプセル化し、そして、前記第1の伝送ノードに、カプセル化されたデータを送信する機能を含む。
【0071】
ある1つの可能な設計において、前記テレマティクスボックスは、前記第1の機能を有し、前記第1の機能は、前記伝送ノード及び該伝送ノードに接続されている周辺機器を制御する機能を含む。前記テレマティクスボックスが、前記第1の伝送ノードを使用してデータ伝送を実行する前に、前記テレマティクスボックスは、緊急呼をトリガするための信号を検出し、そして、前記第1の伝送ノードに第1の命令を送信する。前記第1の命令は、スレーブノードモードからマスターノードモードへの切り替えを前記第1の伝送ノードに指示するのに使用される。上記の設計において、緊急呼をトリガするための信号を検出するときに、テレマティクスボックスは、スレーブノードモードからマスターノードモードへの切り替えを第1の伝送ノードに指示し、それによって、テレマティクスボックスのホスト機能は、周辺機器が収集するデータを第1の伝送ノードを介して受信し、そして、緊急呼センターにそのデータを送り返してもよい。このように、第1のシステムの中のリンク又はノードの故障に起因して、eCallが正常に動作することが不可能であるということを回避することが可能であり、eCallの信頼性を改善することが可能である。
【0072】
ある1つの可能な設計において、前記テレマティクスボックスは、前記第1の機能を有し、前記第1の機能は、前記伝送ノード及び該伝送ノードに接続されている周辺機器を制御する機能を含む。前記テレマティクスボックスが、前記第1の伝送ノードを使用してデータ伝送を実行する前に、前記テレマティクスボックスは、前記データ通信システムの中のマスターノードと前記第1の伝送ノードとの間の接続が遮断されているということを検出し、そして、前記第1の伝送ノードに前記第1の命令を送信する。前記第1の命令は、前記スレーブノードモードから前記マスターノードモードへの切り替えを前記第1の伝送ノードに指示するのに使用される。上記の設計において、テレマティクスボックスは、データ通信システムの中のマスターノードと第1の伝送ノードとの間の接続が遮断されているときに、スレーブノードモードからマスターノードモードへの切り替えを第1の伝送ノードに指示し、それによって、テレマティクスボックスのホスト機能は、周辺機器が収集するデータを第1の伝送ノードを介して受信し、そして、緊急呼センターにそのデータを送り返してもよい。このように、eCallは、正常に動作することが可能であり、eCallの信頼性を改善することが可能である。
【0073】
ある1つの可能な設計において、前記テレマティクスボックスが、前記第1の伝送ノードを使用してデータ伝送を実行する前に、前記テレマティクスボックスは、前記第1の伝送ノードが送信する第2の命令を受信してもよい。前記第2の命令は、前記テレマティクスボックスと前記第1の伝送ノードとの間の同期を実装するのに使用される。上記の設計によれば、マスターノードモードへと切り替える第1の伝送ノードと同期した後に、テレマティクスボックスのホスト機能は、その第1の伝送ノードと通信して、通信の信頼性を改善する。
【0074】
ある1つの可能な設計において、前記テレマティクスボックスが、前記第1の伝送ノードを使用してデータ伝送を実行する前に、前記テレマティクスボックスは、代替的に、前記第1の伝送ノードに第2の命令を送信してもよい。前記第2の命令は、前記テレマティクスボックスと前記第1の伝送ノードとの間の同期を実装するのに使用される。上記の設計によれば、マスターノードモードへと切り替える第1の伝送ノードと同期した後に、テレマティクスボックスのホスト機能は、その第1の伝送ノードと通信して、通信の信頼性を改善する。
【0075】
ある1つの可能な設計において、前記第2のシステムは、少なくとも1つの第3の伝送ノードを含む。前記第3の伝送ノードは、前記第1の伝送ノードのより下位のレベルの伝送ノードである。前記テレマティクスボックスが、前記ホスト機能を有効化した後に、前記テレマティクスボックスは、前記少なくとも1つの第3の伝送ノードに伝送リソースを割り当ててもよい。前記テレマティクスボックスは、前記第1の伝送ノードにリソース割り当て情報を送信する。前記リソース割り当て情報は、前記少なくとも1つの第3の伝送ノードに個別に対応する前記伝送リソースを示すのに使用される。上記の設計において、テレマティクスボックスは、第1の伝送ノードのより下位のレベルの伝送ノードに伝送リソースを割り当て、それによって、第1の伝送ノードのより下位のレベルの伝送ノードは、そのテレマティクスボックスの制御の下で、正常に動作することが可能である。このように、eCallは、正常に動作することが可能であり、eCallの信頼性を改善することが可能である。
【0076】
ある1つの可能な設計において、前記第1のシステムは、少なくとも1つの第4の伝送ノードを含む。前記第4の伝送ノードは、前記第2の伝送ノードのより下位のレベルの伝送ノードである。前記テレマティクスボックスが、ホスト機能を有効化した後に、前記テレマティクスボックスは、前記少なくとも1つの第4の伝送ノードに伝送リソースを割り当ててもよい。前記テレマティクスボックスは、前記第2の伝送ノードにリソース割り当て情報を送信する。前記リソース割り当て情報は、前記少なくとも1つの第4の伝送ノードに個別に対応する前記伝送リソースを示すのに使用される。上記の設計において、テレマティクスボックスは、第2の伝送ノードのより下位のレベルの伝送ノードに伝送リソースを割り当て、それによって、第2の伝送ノードのより下位のレベルの伝送ノードは、そのテレマティクスボックスの制御の下で、正常に動作することが可能である。このように、eCallは、正常に動作することが可能であり、eCallの信頼性を改善することが可能である。
【0077】
ある1つの可能な設計において、前記テレマティクスボックスは、前記第1の伝送ノードによる給電からローカル電源による給電へと切り替える。上記の設計によれば、テレマティクスボックスは、ローカル電源による給電へと切り替え、それによって、そのテレマティクスボックスは、データ通信システムの中のリンク又はノードが故障しているときに正常に動作することが可能である。
【0078】
ある1つの可能な設計において、前記テレマティクスボックスは、前記第1の伝送ノードに電力を供給する。上記の設計によれば、テレマティクスボックスは、ローカル電源による給電へと切り替え、そして、第1の伝送ノードに電力を供給し、それによって、第1の伝送ノード及びその第1の伝送ノードに接続されている周辺機器は、正常に動作することが可能である。
【0079】
ある1つの可能な設計において、前記テレマティクスボックスは、前記第2の伝送ノードに電力を供給する。上記の設計によれば、テレマティクスボックスは、ローカル電源による給電へと切り替え、そして、第2の伝送ノードに電力を供給し、それによって、第2の伝送ノード及びその第2の伝送ノードに接続されている周辺機器は、正常に動作することが可能である。
【0080】
ある1つの可能な設計において、前記第1のシステムは、第1の一次伝送ノードを含み、前記第2の伝送ノードと前記第1の一次伝送ノードとの間に少なくとも2つの伝送経路が存在してもよい。上記の設計において、第1のシステムは、テレマティクスボックスに経路冗長性を提供する。第1のシステムの中のリンク又はノードが故障しているときに、第1のシステムは、スタンバイ経路を介してテレマティクスボックスに電力を供給して、正常に動作するように周辺機器を駆動することが可能である。このように、eCallの信頼性を改善することが可能である。
【0081】
ある1つの可能な設計において、前記第2のシステムは、第2の一次伝送ノードを含み、前記第1の伝送ノードと前記第2の一次伝送ノードとの間に少なくとも2つの伝送経路が存在してもよい。上記の設計において、第2のシステムは、テレマティクスボックスに経路冗長性を提供する。第2のシステムの中のリンク又はノードが故障しているときに、第2のシステムは、スタンバイ経路を介してテレマティクスボックスに電力を供給して、正常に動作するように周辺機器を駆動することが可能である。このように、eCallの信頼性を改善することが可能である。
【0082】
第9の態様によれば、この出願のある1つの実施形態は、緊急呼システムに適用される緊急呼方法を提供する。前記システムは、テレマティクスボックス、第1のシステム、第2のシステム、及び少なくとも1つの周辺機器を含む。前記第1のシステムは、少なくとも1つの伝送ノード及びホストを含む。前記第2のシステムは、少なくとも1つの伝送ノードを含む。前記第1のシステムは、前記少なくとも1つの周辺機器に接続される。前記第2のシステムは、前記少なくとも1つの周辺機器に接続され、前記第2のシステムは、該第2のシステムの中の第1の伝送ノードを介して前記テレマティクスボックスに接続される。前記第1のシステムは、該第1のシステムの中の第2の伝送ノードを介して前記テレマティクスボックスに接続される。当該方法は、前記第2のシステムが正常に動作しているときに、前記テレマティクスボックスが、前記第1の伝送ノードを使用してデータ伝送を実行し、前記第2のシステムが正常に動作していないときに、前記テレマティクスボックスが、前記第2の伝送ノードを使用してデータ伝送を実行する、ステップを含む。この出願のこの実施形態において、テレマティクスボックスは、第1のシステム及び第2のシステムの双方に接続され、それによって、そのテレマティクスボックスは、2つのシステムに接続され、それらの2つのシステムは、互いに予備として機能する。一方のシステムの中のリンク又はノードが故障しているときに、テレマティクスボックスは、他方のシステムを介して周辺機器からデータを取得して、そのテレマティクスボックスの中のeCall機能を正常に実行することを保証することが可能であるとともに、eCallの信頼性を改善することが可能である。
【0083】
ある1つの可能な設計において、前記テレマティクスボックスは、第1の機能を有し、又は、前記テレマティクスボックスは、前記第1の機能及び第2の機能を有する。前記第1の機能は、前記第1の伝送ノード及び該第1の伝送ノードに接続されている周辺機器を制御する機能を含み、前記第2の機能は、前記第1の伝送ノードからのデータを非カプセル化し、前記データをカプセル化し、そして、前記第1の伝送ノードに、カプセル化されたデータを送信する機能を含む。
【0084】
ある1つの可能な設計において、前記テレマティクスボックスは、前記第1の機能を有し、前記第1の機能は、前記伝送ノード及び該伝送ノードに接続されている周辺機器を制御する機能を含む。前記テレマティクスボックスが、前記第1の伝送ノードを使用してデータ伝送を実行する前に、前記テレマティクスボックスは、緊急呼をトリガするための信号を検出し、そして、前記第1の伝送ノードに第1の命令を送信する。前記第1の命令は、スレーブノードモードからマスターノードモードへの切り替えを前記第1の伝送ノードに指示するのに使用される。上記の設計において、緊急呼をトリガするための信号を検出するときに、テレマティクスボックスは、スレーブノードモードからマスターノードモードへの切り替えを第1の伝送ノードに指示し、それによって、テレマティクスボックスのホスト機能は、周辺機器が収集するデータを第1の伝送ノードを介して受信し、そして、緊急呼センターにそのデータを送り返してもよい。このように、第1のシステムの中のリンク又はノードの故障に起因して、eCallが正常に動作することが不可能であるということを回避することが可能であり、eCallの信頼性を改善することが可能である。
【0085】
ある1つの可能な設計において、前記テレマティクスボックスは、前記第1の機能を有し、前記第1の機能は、前記伝送ノード及び該伝送ノードに接続されている周辺機器を制御する機能を含む。前記テレマティクスボックスが、前記第1の伝送ノードを使用してデータ伝送を実行する前に、前記テレマティクスボックスは、前記データ通信システムの中のマスターノードと前記第1の伝送ノードとの間の接続が遮断されているということを検出し、そして、前記第1の伝送ノードに前記第1の命令を送信する。前記第1の命令は、前記スレーブノードモードから前記マスターノードモードへの切り替えを前記第1の伝送ノードに指示するのに使用される。上記の設計において、テレマティクスボックスは、データ通信システムの中のマスターノードと第1の伝送ノードとの間の接続が遮断されているときに、スレーブノードモードからマスターノードモードへの切り替えを第1の伝送ノードに指示し、それによって、テレマティクスボックスのホスト機能は、周辺機器が収集するデータを第1の伝送ノードを介して受信し、そして、緊急呼センターにそのデータを送り返してもよい。このように、eCallは、正常に動作することが可能であり、eCallの信頼性を改善することが可能である。
【0086】
ある1つの可能な設計において、前記テレマティクスボックスが、前記第1の伝送ノードを使用してデータ伝送を実行する前に、前記テレマティクスボックスは、前記第1の伝送ノードが送信する第2の命令を受信してもよい。前記第2の命令は、前記テレマティクスボックスと前記第1の伝送ノードとの間の同期を実装するのに使用される。上記の設計によれば、マスターノードモードへと切り替える第1の伝送ノードと同期した後に、テレマティクスボックスのホスト機能は、その第1の伝送ノードと通信して、通信の信頼性を改善する。
【0087】
ある1つの可能な設計において、前記テレマティクスボックスが、前記第1の伝送ノードを使用してデータ伝送を実行する前に、前記テレマティクスボックスは、代替的に、前記第1の伝送ノードに第2の命令を送信してもよい。前記第2の命令は、前記テレマティクスボックスと前記第1の伝送ノードとの間の同期を実装するのに使用される。上記の設計によれば、マスターノードモードへと切り替える第1の伝送ノードと同期した後に、テレマティクスボックスのホスト機能は、その第1の伝送ノードと通信して、通信の信頼性を改善する。
【0088】
ある1つの可能な設計において、前記第2のシステムは、少なくとも1つの第3の伝送ノードを含む。前記第3の伝送ノードは、前記第1の伝送ノードのより下位のレベルの伝送ノードである。前記テレマティクスボックスが、前記ホスト機能を有効化した後に、前記テレマティクスボックスは、前記少なくとも1つの第3の伝送ノードに伝送リソースを割り当ててもよい。前記テレマティクスボックスは、前記第1の伝送ノードにリソース割り当て情報を送信する。前記リソース割り当て情報は、前記少なくとも1つの第3の伝送ノードに個別に対応する前記伝送リソースを示すのに使用される。上記の設計において、テレマティクスボックスは、第1の伝送ノードのより下位のレベルの伝送ノードに伝送リソースを割り当て、それによって、第1の伝送ノードのより下位のレベルの伝送ノードは、そのテレマティクスボックスの制御の下で、正常に動作することが可能である。このように、eCallは、正常に動作することが可能であり、eCallの信頼性を改善することが可能である。
【0089】
ある1つの可能な設計において、前記第1のシステムは、少なくとも1つの第4の伝送ノードを含む。前記第4の伝送ノードは、前記第2の伝送ノードのより下位のレベルの伝送ノードである。前記テレマティクスボックスが、ホスト機能を有効化した後に、前記テレマティクスボックスは、前記少なくとも1つの第4の伝送ノードに伝送リソースを割り当ててもよい。前記テレマティクスボックスは、前記第2の伝送ノードにリソース割り当て情報を送信する。前記リソース割り当て情報は、前記少なくとも1つの第4の伝送ノードに個別に対応する前記伝送リソースを示すのに使用される。上記の設計において、テレマティクスボックスは、第2の伝送ノードのより下位のレベルの伝送ノードに伝送リソースを割り当て、それによって、第2の伝送ノードのより下位のレベルの伝送ノードは、そのテレマティクスボックスの制御の下で、正常に動作することが可能である。このように、eCallは、正常に動作することが可能であり、eCallの信頼性を改善することが可能である。
【0090】
ある1つの可能な設計において、前記テレマティクスボックスは、前記第1の伝送ノードによる給電からローカル電源による給電へと切り替える。上記の設計によれば、テレマティクスボックスは、ローカル電源による給電へと切り替え、それによって、そのテレマティクスボックスは、データ通信システムの中のリンク又はノードが故障しているときに正常に動作することが可能である。
【0091】
ある1つの可能な設計において、前記テレマティクスボックスは、前記第1の伝送ノードに電力を供給する。上記の設計によれば、テレマティクスボックスは、ローカル電源による給電へと切り替え、そして、第1の伝送ノードに電力を供給し、それによって、第1の伝送ノード及びその第1の伝送ノードに接続されている周辺機器は、正常に動作することが可能である。
【0092】
ある1つの可能な設計において、前記テレマティクスボックスは、前記第2の伝送ノードに電力を供給する。上記の設計によれば、テレマティクスボックスは、ローカル電源による給電へと切り替え、そして、第2の伝送ノードに電力を供給し、それによって、第2の伝送ノード及びその第2の伝送ノードに接続されている周辺機器は、正常に動作することが可能である。
【0093】
ある1つの可能な設計において、前記第1のシステムは、第1の一次伝送ノードを含み、前記第2の伝送ノードと前記第1の一次伝送ノードとの間に少なくとも2つの伝送経路が存在してもよい。上記の設計において、第1のシステムは、テレマティクスボックスに経路冗長性を提供する。第1のシステムの中のリンク又はノードが故障しているときに、第1のシステムは、スタンバイ経路を介してテレマティクスボックスに電力を供給して、正常に動作するように周辺機器を駆動することが可能である。このように、eCallの信頼性を改善することが可能である。
【0094】
ある1つの可能な設計において、前記第2のシステムは、第2の一次伝送ノードを含み、前記第1の伝送ノードと前記第2の一次伝送ノードとの間に少なくとも2つの伝送経路が存在してもよい。上記の設計において、第2のシステムは、テレマティクスボックスに経路冗長性を提供する。第2のシステムの中のリンク又はノードが故障しているときに、第2のシステムは、スタンバイ経路を介してテレマティクスボックスに電力を供給して、正常に動作するように周辺機器を駆動することが可能である。このように、eCallの信頼性を改善することが可能である。
【0095】
第10の態様によれば、この出願は、緊急呼出装置を提供する。その装置は、通信デバイスであってもよく、又は、通信デバイスの中のチップ又はチップセットであってもよい。その通信デバイスは、テレマティクスボックスであってもよく又は伝送ノードであってもよい。その装置は、処理ユニット及びトランシーバーユニットを含んでもよい。その装置が通信デバイスであるときに、処理ユニットは、プロセッサであってもよく、トランシーバーユニットは、トランシーバーであってもよい。その装置は、記憶モジュールをさらに含んでもよく、その記憶モジュールは、メモリであってもよい。その記憶モジュールは、命令を格納するように構成される。処理ユニットは、記憶モジュールの中に格納されている命令を実行し、それによって、テレマティクスボックスが、第1の態様、第3の態様、第7の態様、第8の態様、及び第9の態様における対応する機能を実行することを可能とする。代替的に、処理ユニットは、記憶モジュールの中に格納されている命令を実行し、それによって、伝送ノードが、第2の態様及び第4の態様における対応する機能を実行することを可能とする。その装置が、通信デバイスの中のチップ又はチップセットであるときに、処理ユニットは、プロセッサであってもよく、トランシーバーユニットは、入力/出力インターフェイス、ピン、又は回路等であってもよい。処理ユニットは、記憶モジュールの中に格納されている命令を実行し、それによって、テレマティクスボックスが、第1の態様、第3の態様、第7の態様、第8の態様、及び第9の態様における対応する機能を実行することを可能とする。代替的に、処理ユニットは、記憶モジュールの中に格納されている命令を実行し、それによって、伝送ノードが、第2の態様及び第4の態様における対応する機能を実行することを可能とする。記憶モジュールは、チップ又はチップセットの中の(例えば、レジスタ又はキャッシュ等の)記憶モジュールであってもよく、又は、ネットワークデバイスの中でチップ又はチップセットの外側に位置する(例えば、読み出し専用メモリ又はランダムアクセスメモリ等の)記憶モジュールであってもよい。
【0096】
第11の態様によれば、プロセッサ、通信インターフェイス、及びメモリを含む緊急呼装置が提供される。通信インターフェイスは、その装置と他の装置との間で情報及び/又はメッセージ及び/又はデータを伝送するように構成される。メモリは、コンピュータ実行可能な命令を格納するように構成される。装置が起動するときに、プロセッサは、メモリの中に格納されているコンピュータ実行可能な命令を実行し、それによって、その装置が、第1の態様又は第1の態様の複数の設計のうちのいずれか1つ、第2の態様又は第2の態様の複数の設計のうちのいずれか1つ、第3の態様又は第3の態様の複数の設計のうちのいずれか1つ、第4の態様又は第4の態様の複数の設計のうちのいずれか1つ、第5の態様又は第5の態様の複数の設計のうちのいずれか1つ、第6の態様又は第6の態様の複数の設計のうちのいずれか1つ、第7の態様又は第7の態様の複数の設計のうちのいずれか1つ、第8の態様又は第8の態様の複数の設計のうちのいずれか1つ、或いは、第9の態様又は第9の態様の複数の設計のうちのいずれか1つにしたがった緊急呼方法を実行することを可能とする。
【0097】
第12の態様によれば、この出願は、さらに、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。そのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、命令を格納する。その命令がコンピュータによって実行されるときに、そのコンピュータが、第1の態様又は第1の態様の複数の設計のうちのいずれか1つ、第2の態様又は第2の態様の複数の設計のうちのいずれか1つ、第3の態様又は第3の態様の複数の設計のうちのいずれか1つ、第4の態様又は第4の態様の複数の設計のうちのいずれか1つ、第5の態様又は第5の態様の複数の設計のうちのいずれか1つ、第6の態様又は第6の態様の複数の設計のうちのいずれか1つ、第7の態様又は第7の態様の複数の設計のうちのいずれか1つ、第8の態様又は第8の態様の複数の設計のうちのいずれか1つ、或いは、第9の態様又は第9の態様の複数の設計のうちのいずれか1つにしたがった緊急呼方法を実行することを可能とする。
【0098】
第13の態様によれば、この出願は、さらに、命令を含むコンピュータプログラム製品を提供する。そのコンピュータプログラム製品が、コンピュータにおいて実行されるときに、そのコンピュータが、第1の態様又は第1の態様の複数の設計のうちのいずれか1つ、第2の態様又は第2の態様の複数の設計のうちのいずれか1つ、第3の態様又は第3の態様の複数の設計のうちのいずれか1つ、第4の態様又は第4の態様の複数の設計のうちのいずれか1つ、第5の態様又は第5の態様の複数の設計のうちのいずれか1つ、第6の態様又は第6の態様の複数の設計のうちのいずれか1つ、第7の態様又は第7の態様の複数の設計のうちのいずれか1つ、第8の態様又は第8の態様の複数の設計のうちのいずれか1つ、或いは、第9の態様又は第9の態様の複数の設計のうちのいずれか1つにしたがった緊急呼方法を実行することを可能とする。
【0099】
第14の態様によれば、この出願は、さらに、緊急呼システムを提供する。ネットワークシステムは、テレマティクスボックス及び伝送ノードを含む。テレマティクスボックスは、第1の態様における対応する機能を実行してもよく、伝送ノードは、第2の態様における対応する機能を実行してもよい。代替的に、テレマティクスボックスは、第3の態様における対応する機能を実行してもよく、伝送ノードは、第4の態様における対応する機能を実行してもよい。
【0100】
第15の態様によれば、この出願のある1つの実施形態は、チップを提供する。そのチップは、メモリ、少なくとも1つのプロセッサ、及び通信インターフェイスを含む。プロセッサは、メモリに結合され、そのメモリの中に格納されているコンピュータプログラムを読み出して、この出願の複数の実施形態のうちで第1の態様又は第1の態様の複数の設計のうちのいずれか1つ、第2の態様又は第2の態様の複数の設計のうちのいずれか1つ、第3の態様又は第3の態様の複数の設計のうちのいずれか1つ、第4の態様又は第4の態様の複数の設計のうちのいずれか1つ、第5の態様又は第5の態様の複数の設計のうちのいずれか1つ、第6の態様又は第6の態様の複数の設計のうちのいずれか1つ、第7の態様又は第7の態様の複数の設計のうちのいずれか1つ、第8の態様又は第8の態様の複数の設計のうちのいずれか1つ、或いは、第9の態様又は第9の態様の複数の設計のうちのいずれか1つにしたがった緊急呼方法を実行するように構成される。
【0101】
第16の態様によれば、この出願のある1つの実施形態は、通信インターフェイス及び少なくとも1つのプロセッサを含むチップを提供する。プロセッサは、起動して、この出願の複数の実施形態のうちで第1の態様又は第1の態様の複数の設計のうちのいずれか1つ、第2の態様又は第2の態様の複数の設計のうちのいずれか1つ、第3の態様又は第3の態様の複数の設計のうちのいずれか1つ、第4の態様又は第4の態様の複数の設計のうちのいずれか1つ、第5の態様又は第5の態様の複数の設計のうちのいずれか1つ、第6の態様又は第6の態様の複数の設計のうちのいずれか1つ、第7の態様又は第7の態様の複数の設計のうちのいずれか1つ、第8の態様又は第8の態様の複数の設計のうちのいずれか1つ、或いは、第9の態様の設計又は第9の態様の設計のいずれか1つにしたがった緊急呼方法を実行する。
【0102】
この出願の複数の実施形態における"結合"は、2つの構成要素の間の直接的な組み合わせ又は間接的な組み合わせを示すということに留意すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0103】
図1】この出願のある1つの実施形態にしたがった緊急呼シナリオの概略的な図である。
図2】この出願のある1つの実施形態にしたがった緊急呼システムの概略的な図である。
図3】この出願のある1つの実施形態にしたがった緊急呼システムの概略的な図である。
図4】この出願のある1つの実施形態にしたがった緊急呼方法の概略的な図である。
図5A】この出願のある1つの実施形態にしたがった緊急呼システムの概略的な図である。
図5B】この出願のある1つの実施形態にしたがった緊急呼システムの概略的な図である。
図6】この出願のある1つの実施形態にしたがった緊急呼方法の概略的な図である。
図7A】この出願のある1つの実施形態にしたがった緊急呼システムの概略的な図である。
図7B】この出願のある1つの実施形態にしたがった緊急呼システムの概略的な図である。
図8】この出願のある1つの実施形態にしたがった緊急呼システムの概略的な図である。
図9】この出願のある1つの実施形態にしたがった緊急呼システムの概略的な図である。
図10】この出願のある1つの実施形態にしたがった緊急呼システムの概略的な図である。
図11】この出願のある1つの実施形態にしたがった緊急呼システムの概略的な図である。
図12】この出願のある1つの実施形態にしたがった緊急呼システムの概略的な図である。
図13】この出願のある1つの実施形態にしたがった伝送経路の決定の概略的な図である。
図14】この出願のある1つの実施形態にしたがった緊急呼システムの概略的な図である。
図15】この出願のある1つの実施形態にしたがった緊急呼装置の概略的な図である。
図16】この出願のある1つの実施形態にしたがった緊急呼装置の概略的な図である。
図17】この出願のある1つの実施形態にしたがった緊急呼装置の概略的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0104】
自動車産業の持続的な発展によって、自動車は、より多くの機能を有している。例えば、車載型のオーディオシステムは、能動的雑音除去及び緊急呼等の機能を実装することが可能である。これらの機能を実装するために、オーディオシステムは、オーディオ処理(digital signal process, DSP)デバイス、スピーカ、マイクロフォン、高出力スピーカを駆動するように構成される電力増幅器、オーディオ信号源、及びこれらの機能エンティティを接続するデータ通信システム等のデバイスを含んでもよい。オーディオ信号源は、ラジオ、磁気テープ又はコンパクトディスク(compact disk, CD)プレーヤ、オーディオ及びビデオエンターテインメントプレーヤ、及びテレマティクスボックス(telematics box, T-Box)等を含んでもよい。
【0105】
車両の中にあるT-Boxは、一般的に、緊急時に緊急呼(emergency call, eCall)を発呼する能力を有することが要求される。緊急時には、T-Boxは、緊急呼センターにeCall情報を送信する。図1に示されているように、車両に事故が発生するときに、eCallは、緊急呼(例えば、112)を開始し、基地局を介して、緊急呼センターに、車両の事故状況及び位置情報等のeCallデータを迅速に報告する。
【0106】
配置空間が限定されている車両において、デイジーチェイントポロジーは、接続されているケーブルの長さを減少させ、ケーブル配線を単純化し、オーディオDSPの数を減少させ、そして、デバイス配置の柔軟性を改善することが可能である。したがって、デイジーチェイントポロジーは、通常、車載型オーディオシステムのネットワーク化及び伝送のために使用される。
【0107】
車載型オーディオシステムのデータ通信システムは、ホスト(Host)、マスター(Master)ノード、及びスレーブ(Slave)ノードを含んでもよい。ホストは、オーディオDSPを含んでもよい。マスターノードは、ディジタル通信制御のための主制御ノードである。マスターの一方の端は、ホストに接続され、マスターの他方の端は、スレーブノードに接続される。複数のスレーブノードは、デイジーチェインを形成するようにレベル毎に接続されてもよい。マスターノード及びスレーブノードは、マイクロフォン及びスピーカ等の周辺機器に外部から接続してもよい。例えば、データ通信システムは、1つのホスト、1つのマスターノード、及び3つのスレーブノードを含む。データ通信システムは、図2に示されている(図2においては、マスターノードは、マスターノードであり、スレーブノード0は、スレーブノード0であり、他のスレーブノードは、同様である)。T-Boxは、デイジーチェインの中のいずれかの位置に柔軟に配置されてもよい。言い換えると、T-Boxは、データ通信システムの中のいずれかのスレーブノードに接続されてもよい。ホストは、マイクロフォン等の外部デバイスが伝送するデータを処理するように構成されてもよい。例えば、ホストは、マイクロフォンが収集する音声データに対して、フィルタリング及びノイズ低減等の処理を実行する。マスターノードは、ホストが処理するデータをカプセル化し、そして、各々のスレーブノードに、カプセル化されたデータを送信するように構成され、また、各々のスレーブノードが送信するデータを受信し、そのデータを非カプセル化し、そして、ホストに、非カプセル化されたデータを送信してもよい。スレーブノードは、マスターノードに、外部デバイスが収集するデータを送信するように構成されるか、又は、マスターノードが送信するデータを受信してもよい。緊急呼の際に、T-Boxは、データ通信システムを使用することによって、マイクロフォン(microphone, MIC)又はマイクロフォンアレイ(microphone Array, MIC Array)が収集する車両内の音声、位置情報、及び(エアバッグ等の)さまざまなセンサに関する情報を収集し、そして、eCall機能を使用することによって、緊急呼センターにその情報を送り返してもよい。オーディオ等のダウンリンクデータストリームは、ホストからマスターノードへと送信され、その次に、スレーブノードに接続されているスピーカーに伝送される。伝送経路は、ホスト→マスターノード→スレーブノード0→スレーブノード1→スレーブノード2であると説明されてもよい。オーディオ等のアップリンクデータストリームは、マイクロフォンによって収集され、スレーブノードに伝送される。スレーブノードは、マスターノードにデータストリームを送信し、その次に、マスターノードは、オーディオDSPにデータストリームを転送する。伝送経路は、スレーブノード2→スレーブノード1→スレーブノード0→マスターノード→オーディオDSPであると説明されてもよい。
【0108】
デイジーチェイントポロジーは、カスケードトポロジーである。より上位のレベルのリンクにおける障害は、より下位のレベルのリンク以下の正常な動作に影響を与える。例えば、図2において、スレーブノード1において障害が発生している場合、又は、スレーブノード1及びスレーブノード2を接続する回線において障害が発生している場合には、スレーブノード2は、正常に動作することが不可能であり、T-Boxは、緊急呼を完了することが不可能である。
【0109】
このことに基づいて、この出願の複数の実施形態は、緊急呼方法及び装置を提供して、テレマティクスボックスに接続されているスレーブノードのより上位のレベルのリンク又はノードが故障しているときに、そのテレマティクスボックスが緊急呼を完了することが不可能であるという従来技術の問題を解決する。その方法及び装置は、同じ技術的概念に基づいて着想されている。その方法及び装置は、問題を解決するための同様の原理を有する。したがって、その装置及びその方法の実装については、互いを参照するべきである。詳細は繰り返しては説明されない。この出願のそれらの複数の実施形態によって提供される緊急呼方法及び装置は、車載型計算機能、車載型通信機能、及び、特に、車載型計算機能及び車載型通信機能等の機能及び自律走行車両の中の機能に対応するシステムに適用されてもよい。
【0110】
この出願のそれらの複数の実施形態の理解を容易にするために、以下の記載は、この出願のそれらの複数の実施形態に関連する複数の語を説明する。
【0111】
T-Boxは、また、テレマティクスボックスと称され、又は、車載型T-Boxと称されてもよい。車両は、そのT-Boxを使用することによって外部との間で通信する。例えば、車両は、T-Boxを使用することによって基地局との通信し、車両は、T-Boxを使用することによって、路側局と通信し、複数の異なる車両は、自身のT-Boxを使用することによって、互いに通信する。インテリジェント車両の中のT-Boxは、ネットワークに、車両の走行状態等の情報を報告してもよく、又は、ネットワークを介して車両を制御してもよい。T-Boxは、一般的に、北斗衛星導航系統、全球測位システム(global positioning system, GPS)、又はガリレオ等の全球測位機能を有し、車両の位置情報を提供する。T-Boxは、通信モジュールを含み、上記の通信機能を完了してもよい。インテリジェント車両の中のT-Boxは、さらに、車両内ネットワークを介して、(また、ヘッドユニットと称されてもよい)車載型エンターテインメントのコントローラ及び車両の中にある自律走行のコントローラ等のコントローラに接続され、その結果、データ報告、遠隔制御、及び無線(over the air, OTA)等の機能を実装してもよい。説明を簡単にするために、テレマティクスボックスは、以下では、集合的に、T-Boxと称される。
【0112】
eCall: eCallは、衝突に遭遇している運転者を迅速に支援することを可能とする。eCallデバイスは、車両の中に配置されてもよい。深刻な交通事故が発生するときに、そのデバイスは、自動的に、(例えば、112番等の)緊急呼番号をダイヤルし、無線通信により、地域の救急機関に、衝突が引き起こすエアバッグの展開及びセンサの衝撃に関する情報、及び、GPS又はガリレオ測位システムの座標情報を送信する。
【0113】
ホスト: データ通信システムの中のホストは、データ通信システムの中の伝送ノード及び周辺機器等を制御してもよい。例えば、ホストは、データ通信システムの中の伝送ノードに伝送リソースを割り当ててもよい。例えば、ホストは、各々の伝送ノードに送信タイムスロットを割り当ててもよい。他の例では、ホストは、また、データ通信システムの中の伝送ノードに対して読み出し制御/書き込み制御を実行してもよい。他の例では、ホストは、さらに、例えば、電力増幅器又はスピーカ等の出力デバイスの音量及び再生又は一時停止、及び、マイクロフォン等の入力デバイスの動作モードを制御するといったように、データ通信システムに接続されている周辺機器を制御してもよい。他の例では、ホストは、さらに、例えば、デバイスが故障しているか否かを検出し、又は、リンクから切り離すようにそのデバイスを制御する、といったように、データ通信システムの中のデバイスに対して故障検出及び制御を実行してもよい。加えて、ホストは、さらに、本明細書においては1つずつ列挙されてはいない他の制御機能を実装してもよい。
【0114】
マスターノード: 車載型通信システムの中のマスターノードは、マスターノードモードで動作する伝送ノードであってもよい。マスターノードは、ホストが送信するデータ及び制御情報等を受信し、ホストが送信するデータ及び制御情報等をカプセル化し、そして、各々のスレーブノードに、カプセル化されたデータ及び制御情報等を送信してもよい。マスターノードは、さらに、各々のスレーブノードが送信するデータを受信し、各々のスレーブノードが送信するデータを非カプセル化し、ホストに、非カプセル化されたデータを送信してもよい。マスターノードが周辺機器に接続されている場合に、マスターノードは、また、周辺機器が収集するデータを取得し、そして、周辺機器にデータ又は制御情報を送信するといったように、周辺機器との間でデータ伝送を実行してもよい。マスターノードは、さらに、そのマスターノードに接続されている周辺機器が収集するデータをカプセル化し、そして、ホストに、カプセル化されたデータを送信してもよく、又は、さらに、ホストが送信するデータ及び制御情報等を非カプセル化し、そして、接続されている周辺機器に、非カプセル化されたデータ及び制御情報等を送信してもよい。加えて、マスターノードは、さらに、本明細書には1つずつ列挙されてはいない他の制御機能を実装してもよい。
【0115】
スレーブノード: 車載型通信システムの中のスレーブノードは、スレーブノードモードで動作する伝送ノードであってもよい。スレーブノードは、周辺機器が収集するデータを取得し、そして、マスターノードにそのデータを送信し、さらに、接続されている周辺機器に、マスターノードが送信するデータを送信してもよく、又は、例えば、データを読み出し、書き込み、収集し、及び、動作し/停止するように周辺機器を制御する、といったように、マスターノードが送信する制御情報に基づいて、周辺機器を制御してもよい。スレーブノードが、デイジーチェインの中の中間ノードである場合に、スレーブノードは、さらに、マスターノードに、より下位のレベルのスレーブノードが送信するデータを転送してもよく、又は、マスターノードがより下位のレベルのスレーブノードに送信するデータ及び制御情報等を転送してもよい。加えて、スレーブノードは、さらに、本明細書に1つずつ列挙されてはいない他の制御機能を実装してもよい。
【0116】
伝送ノードのより上位のレベルの伝送ノードは、アップリンクデータ伝送の際に伝送ノードの後方に位置する他の伝送ノードであると理解されてもよく、又は、その伝送ノードとホストとの間の伝送ノードであると理解されてもよい。例えば、図2の中のスレーブノード2のより上位のレベルの伝送ノードは、スレーブノード1、スレーブノード0、又はマスターノードであってもよい。
【0117】
伝送ノードのより下位のレベルの伝送ノードは、ダウンリンクデータ伝送の際にその伝送ノードの後方に位置する他の伝送ノードであると理解されてもよい。例えば、図2の中のスレーブノード0のより上位のレベルの伝送ノードは、スレーブノード1又はスレーブノード2であってもよい。
【0118】
周辺機器: 周辺機器は、マイクロフォン等のセンサ、ミリ波レーダ、レーザレーダ、超音波レーダ、カメラ、GPS等の測位システム、IMU等の慣性センサ、速度センサ、加速度センサ、湿度センサ、及び車両において使用される光強度センサを含んでもよい。周辺機器は、表示スクリーン、外部電力増幅器、及びスピーカ等の再生デバイスをさらに含んでもよい。周辺機器は、本明細書においては1つずつ列挙されてはいない他のデバイスをさらに含んでもよい。
【0119】
この出願のそれらの複数の実施形態におけるホスト、マスターノード、及びスレーブノード等のネットワーク要素は、論理的概念であるということを理解すべきである。実際には、ネットワーク要素の形態は、物理的なデバイス、ボックス、回路基板、或いは、回路基板におけるある領域又はチップが実装する機能であってもよい。実際には、代替的に、複数のネットワーク要素を一体化して、ある1つのデバイスとしてもよい。例えば、スレーブノード1及びスレーブノード2は、1つの回路基板に存在してもよい。
【0120】
この出願のある1つの実施形態は、車載型通信システムを提供する。そのシステムは、T-Box、ホスト、複数の伝送ノード、及び伝送ノードに接続されている周辺機器を含んでもよい。ホストに接続されている伝送ノードは、マスターノードモードとなっていてもよい。言い換えると、ホストは、マスターノードに接続されている。他の伝送ノードは、スレーブノードモードとなっていてもよい。言い換えると、他の伝送ノードは、スレーブノードである。T-Boxは、いずれかの伝送ノードに接続されていてもよい。例えば、図3は、通信システムの概略的な図である。そのシステムは、(図3の中でホストとして示されている)1つのホスト、及び、複数の伝送ノード、すなわち、ノード1乃至ノードNを含む。ノード1乃至ノードNは、レベル毎に接続されていてもよい。ノード1は、マスターノードであり、周辺機器1及び周辺機器2に接続されている。ノード2乃至ノードNは、スレーブノードである。ノード2は、周辺機器3及び周辺機器4に接続される。ノードNは、T-Boxに接続される。図3は、説明のためのある1つの例であるにすぎず、車載型通信システムにおけるホストの数、伝送ノードの数、ホストと伝送ノードとの間の接続関係、複数の伝送ノードの間の接続関係、伝送ノードと周辺機器との間の接続関係、及び、T-Boxの配置位置等を特に限定するものではないということを理解することが可能である。
【0121】
ホストは、これらには限定されないが、集積回路間の(inter-integrated circuit, I2C)/統合オーディオインターフェイス(integrated interchip sound, I2S)/時分割多重化(time-division multiplexing, TDM)/パルス符号変調(pulse code modulation, PCM)/パルス密度変調(pulse density modulation, PDM)/汎用入力/出力(general-purpose input/output, GPIO)インターフェイスを介してマスターノードに接続されてもよい。マスターノードは、電源に接続されてもよく、その電源は、マスターノードに電力を供給する。マスターノードは、スレーブノードに電力を供給してもよく、各々の伝送ノードは、さらに、接続されている周辺機器及びT-Boxに電力を供給してもよい。マスターノードは、AP/ANインターフェイス又は他のインターフェイスを介して電源に接続されてもよい。より上位のレベルの伝送ノードは、BP/BNインターフェイスを介してより下位のレベルの伝送ノードのAP/ANインターフェイスに接続されて、そのより上位のレベルの伝送ノードとそのより下位のレベルの伝送ノードとの間の電気的な伝送及び信号伝送を実装してもよい。伝送ノードは、I2C/I2S/TDM/PCM/PDM/GPIOインターフェイスを介して周辺機器に接続されてもよい。例えば、伝送ノードは、PDMインターフェイスを介してMICアレイに接続されてもよく、伝送ノードは、I2S/TDMインターフェイスを介してSPKに接続されてもよい。例えば、車載型通信システムは、図2によって示されてもよい。
【0122】
この出願のこの実施形態において、ツイストペア(twisted pair, TP)接続は、複数のデバイスの間の接続方式を説明するためのある1つの例として使用されているにすぎないということを理解すべきである。ある特定の実装において、2つのデバイスは、代替的に、例えば、同軸(Coaxial)方式によってといったように、他の方式によって接続されてもよい。複数のデバイスの間の接続方式は、この出願のこの実施形態においては特に限定されない。
【0123】
この出願のこの実施形態において、車載型eCall機能は、説明のためのある1つの例として使用されるにすぎず、この出願のこの実施形態は、車載型eCall機能には限定されないが、また、さまざまな通信シナリオに適用されて、システムの中のデバイス又は機能的な構成要素の冗長性を保証することが可能である。
【0124】
この出願のそれらの複数の実施形態において、"少なくとも1つの"は、1つ又は複数を意味し、"複数の"は、2つ又はそれ以上を意味するということを理解するべきである。"及び/又は"の語は、複数の関連する対象物の間の関連性関係を説明し、3つの関係が存在する場合があるということを表す。例えば、A及び/又はBは、Aのみが存在する場合、A及びBの双方が存在する場合、Bのみが存在する場合の3つの場合を表してもよく、A及びBは、単数であってもよく又は複数であってもよい。記号"/"は、一般的に、関連する対象物の間の"又は"の関係を示す。"以下の複数の項目(部分)のうち少なくとも1つ"又はそれらの同様の表現は、単一の項目(部分)又は複数の項目(部分)のいずれかの組合せを含むこれらの項目のいずれかの組合せを示す。例えば、a、b、又はcのうちの少なくとも1つは、a、b、c、a及びb、a及びc、b及びc、又は、a、b、及びcを示してもよく、a、b、及びcは、単数であってもよく又は複数であってもよい。
【0125】
この出願の説明の中で、"第1の"及び"第2の"等の語は、判別及び説明のために使用されるにすぎず、相対的重要度を示すもの又は暗示するもの、或いは、順序を示すもの又は暗示するものとして理解されるべきではないということを理解するべきである。
【0126】
以下の記載は、複数の添付の図面を参照して、この出願の複数の実施形態を詳細に説明する。
【0127】
[実施形態1]
この出願は、緊急呼方法を提供する。その方法は、車載型通信システムに適用されてもよい。その車載型通信システムは、T-Box及びデータ通信システムを含む。データ通信システムは、第1の伝送ノードを含み、T-Boxは、第1の伝送ノードに接続される。図4に示されているように、その方法は、以下のステップを含む。
【0128】
S401: T-Boxは、ホスト(Host)機能を有効化する。
【0129】
ホスト機能は、また、データ通信システムの中のホストの機能であると理解されてもよい。例えば、ホスト機能は、例えば、周辺機器が収集するデータを読み取り/書き込むように第1の伝送ノードを制御するか又は周辺機器が収集するデータを報告するように第1の伝送ノードを制御する、といったように、第1の伝送ノード及びその第1の伝送ノードに接続されている周辺機器を制御する機能を含んでもよい。第1の伝送ノードが、より下位のレベルの伝送ノードに接続される場合に、ホスト機能は、例えば、周辺機器が収集するデータを読み取り/書き込むように第1の伝送ノードのより下位のレベルの伝送ノードを制御するか又は周辺機器が収集するデータを報告するように第1の伝送ノードのより下位のレベルの伝送ノードを制御する、といったように、第1の伝送ノードのより下位のレベルの伝送ノード及びその第1の伝送ノードのより下位のレベルの伝送ノードに接続されている周辺機器を制御する機能をさらに含んでもよい。ホスト機能は、第1の伝送ノードのより下位のレベルの伝送ノードに伝送リソースを割り当てる機能等をさらに含んでもよい。ホスト機能は、さらに、例えば、オーディオデータに対してノイズ低減等の処理を実行するといったように、第1の伝送ノードが伝送するデータを処理してもよい。第1の伝送ノードが伝送するデータは、第1の伝送ノードに接続されている周辺機器から第1の伝送ノードが取得するデータを含んでもよく、また、より下位のレベルの伝送ノードが第1の伝送ノードに送信するデータをさらに含んでもよいということを理解することが可能である。さらに、ホスト機能は、本明細書においては1つずつ列挙されてはいない他の機能を含んでもよい。
【0130】
ある1つの例では、ホスト機能は、T-Boxの中の機能モジュールであってもよく、T-Boxに外部から接続されている機能モジュールであってもよい。ホスト機能がT-Boxに外部から接続されている機能モジュールである場合に、ホスト機能は、有効化のために第1の伝送ノードによってトリガされてもよい。
【0131】
複数の実施形態のうちのいくつかにおいて、データ通信システムが正常に動作するときに、T-Boxは、緊急呼をトリガするための信号によってトリガされて、ホスト機能を有効化してもよい。
【0132】
ある1つの実装において、T-Boxは、緊急呼をトリガするための信号を検出するときに、ホスト機能を有効化してもよい。
【0133】
他の実装において、緊急呼をトリガするための信号を検出するときに、第1の伝送ノードは、ホスト機能を有効化するようにT-Boxに指示するのに使用される命令をT-Boxに送信してもよい。T-Boxは、指示を受信した後に、ホスト機能を有効化する。
【0134】
さらに、上記の2つの実装において、第1の伝送ノードは、より上位のレベルの伝送ノードへの接続を切断してもよい。その接続は、本明細書においては、電力供給接続及び信号接続を指してもよいということを理解することが可能である。ある1つの例として図2を使用する。第1の伝送ノードは、スレーブノード2である。緊急呼をトリガするための信号を検出するときに、T-Boxは、ホスト機能を有効化してもよい。スレーブノード2は、スレーブノード1への接続を切断する。例えば、スレーブノード2は、スレーブノード1への信号接続のみを切断してもよい。代替的に、スレーブノード2は、スレーブノード1への信号接続及び電力供給接続を切断してもよい。
【0135】
複数の他の実施形態のうちのいくつかにおいて、T-Boxは、データ通信システムの故障によってトリガされて、ホスト機能を有効化してもよい。
【0136】
ある1つの実装において、データ通信システムは、マスターノードをさらに含んでもよい。T-Boxは、代替的に、第1 伝送ノードとマスターノードとの接続が遮断されているということを検出するときに、ホスト機能を有効化してもよい。
【0137】
例えば、電力供給が遮断されているということを検出するときに、T-Boxは、第1の伝送ノードとマスターノードとの間の接続が遮断されているということを決定してもよい。T-Boxと第1の伝送ノードとの間の信号が遮断されているということを検出するときに、T-Boxは、第1の伝送ノードとマスターノードとの間の接続が遮断されているということを決定してもよい。
【0138】
他の実装において、第1の伝送ノードとマスターノードとの間の接続が遮断されているということを検出するときに、第1の伝送ノードは、ホスト機能を有効化するようにT-Boxに指示するのに使用される命令をT-Boxに送信してもよい。T-Boxは、その命令を受信した後に、ホスト機能を有効化する。
【0139】
例えば、電力供給が遮断されているということを検出するときに、第1の伝送ノードは、第1の伝送ノードとマスターノードとの間の接続が遮断されているということを決定してもよい。第1の伝送ノードと隣接するより上位のレベルの伝送ノードとの間の信号が遮断されているということを検出するときに、第1の伝送ノードは、第1の伝送ノードとマスターノードとの間の接続が遮断されているということを決定してもよい。
【0140】
第1の伝送ノードとマスターノードとの間の接続の遮断は、第1の伝送ノードのより上位のレベルの伝送ノードの故障によって引き起こされる場合がある。ある1つの例として図2を使用する。スレーブノード1の故障は、スレーブノード2とマスターノードとの間の接続の遮断を引き起こす場合がある。第1の伝送ノードとマスターノードとの間の接続の遮断は、代替的に、第1の伝送ノードとより上位のレベルの伝送ノードとの間の接続の遮断によって引き起こされる場合がある。ある1つの例として図2を使用する。スレーブノード1とスレーブノード2との間のリンクの遮断は、スレーブノード2とマスターノードとの間の接続の遮断を引き起こす場合がある。第1の伝送ノードとマスターノードとの間の接続の遮断は、代替的に、第1の伝送ノードの2つのより上位のレベルの伝送ノードの間の接続の遮断によって引き起こされる場合がある。ある1つの例として図2を使用する。スレーブノード1とスレーブノード0との間のリンクの遮断は、スレーブノード2とマスターノードとの間の接続の遮断を引き起こす場合がある。
【0141】
ある1つの実装において、T-Boxのホスト機能は、有効化をトリガする前に停止させられていてもよい。例えば、緊急呼をトリガするための信号によって、ホスト機能の有効化をトリガするある1つの実施形態において、緊急呼の前に、ホスト機能は停止させられていてもよい。他の例では、データ通信システムの故障によって、ホスト機能の有効化をトリガするある1つの実施形態において、ホスト機能は、データ通信システムが故障する前に停止させられていてもよい。
【0142】
S402: 第1の伝送ノードは、スレーブノードモードからマスターノードモードへと切り替える。
【0143】
第1の伝送ノードがスレーブノードモードからマスターノードモードへと切り替えた後に、第1の伝送ノードは、マスターノードの機能を実装してもよいということを理解することが可能である。
【0144】
ある1つの実装において、第1の伝送ノードは、緊急呼をトリガするための信号を検出するときに、スレーブノードモードからマスターノードモードへと切り替えてもよい。
【0145】
他の実装において、緊急呼をトリガするための信号を検出するときに、T-Boxは、第1の伝送ノードに、スレーブノードモードからマスターノードモードへと切り替えるように第1の伝送ノードに指示するのに使用される命令を送信してもよい。第1の伝送ノードは、その命令を受信した後に、スレーブノードモードからマスターノードモードへと切り替える。
【0146】
さらに別の実装において、代替的に、第1の伝送ノードとマスターノードとの間の接続が遮断されているということを検出するときに、T-Boxは、第1の伝送ノードに、スレーブノードモードからマスターノードモードへと切り替えるように第1の伝送ノードに指示するのに使用される命令を送信してもよい。第1の伝送ノードは、その命令を受信した後に、スレーブノードモードからマスターノードモードへと切り替える。
【0147】
さらに別の実装において、第1の伝送ノードは、第1の伝送ノードとマスターノードとの間の接続が遮断されているということを検出するときに、スレーブノードモードからマスターノードモードへと切り替えてもよい。
【0148】
S403: 第1の伝送ノードは、T-Boxを使用してデータ伝送を実行する。
【0149】
具体的には、第1の伝送ノードは、T-Boxを使用して、緊急呼に関連するデータに関するデータ伝送を実行する。
【0150】
ステップS401及びステップS402は、順序には影響されないということに留意すべきである。ステップS401は、ステップS402の前に実行されてもよく、又は、ステップS402は、ステップS401の前に実行されてもよく、又は、ステップS401及びステップS402は、同時に実行されてもよい。
【0151】
複数の実施形態のうちのいくつかにおいて、T-Boxが第1の伝送ノードを使用してデータ伝送を実行する前に、T-Boxは、第1の伝送ノードと同期されてもよい。ある1つの実装において、T-Boxは、第1の伝送ノードが送信する命令を受信することによって、T-Boxと第1の伝送ノードとの間の同期を実装してもよく、その命令は、T-Boxと第1の伝送ノードとの間の同期を実装するのに使用される。他の実装において、T-Boxは、代替的に、第1の伝送ノードに命令を送信することによって、T-Boxと第1の伝送ノードとの間の同期を実装してもよく、その命令は、T-Boxと第1の伝送ノードとの間の同期を実装するのに使用される。
【0152】
例えば、命令は、ハンドシェイク命令であってもよい。例えば、T-Boxが第1の伝送ノードにその命令を送信した後に、第1の伝送ノードは、T-Boxに応答する。代替的に、第1の伝送ノードがT-Boxにその命令を送信した後に、T-Boxは、第1の伝送ノードに応答する。
【0153】
ある1つの可能な実施において、データ通信システムは、少なくとも1つの第2の伝送ノードをさらに含んでもよい。第2の伝送ノードは、第1の伝送ノードのより下位のレベルの伝送ノードである。T-Boxがホスト機能を有効化した後に、T-Boxは、少なくとも1つの第2の伝送ノードに伝送リソースを割り当ててもよい。T-Boxは、第1の伝送ノードにリソース割り当て情報を送信する。リソース割り当て情報は、少なくとも1つの第2の伝送ノードに個別に対応する伝送リソースを示すのに使用される。第1の伝送ノードは、少なくとも1つの第2の伝送ノードに構成情報を個別に送信してもよい。その構成情報は、第2の伝送ノードに対応する伝送リソースを示すのに使用される。
【0154】
ある1つの例では、ステップS401の前に、T-Boxは、第1の伝送ノードによって給電されてもよい。ステップS401の後に、T-Boxは、第1の伝送ノードによる給電からローカル電源による給電へと切り替えてもよい。
【0155】
さらに、ローカル電源による給電の後に、T-Boxは、さらに、第1の伝送ノードに電力を供給してもよい。ある1つの実装において、T-Boxは、元のインターフェイスを介して、第1の伝送ノードに電力を供給してもよい。
【0156】
加えて、第1の伝送ノードは、第2の伝送ノードに電力を供給してもよい。第1の伝送ノードは、さらに、第1の伝送ノードに接続されている周辺機器に電力を供給してもよい。各々の第2の伝送ノードは、さらに、第2の伝送ノードに接続されている周辺機器に電力を供給してもよい。
【0157】
この出願の実施形態1によって提供される解決方法をより良く理解するために、以下の記載は、具体的には、図2に示されている車載型通信システムを参照して、緊急呼プロセスを説明する。
【0158】
可能な緊急呼プロセスは、図5A及び図5Bに示されているように、T-Boxが、デイジーチェインから電力を取得してもよく又はローカル電源によって給電されてもよい、ということを含んでもよい。データ通信システムが正常に動作するときに、T-Boxは、デイジーチェインによって給電される。データ通信システムの中のリンク又はノードが故障しているときに、T-Boxは、その故障を検出し、そして、ローカル電源による給電へと切り替えて、T-Boxの正常な動作を保証してもよい。T-Boxは、元のインターフェイスを介して、スレーブノード2に電源を供給し、そして、マスターノードモードへと切り替えるようにスレーブノード2を制御してもよく、それによって、スレーブノード2は、データ通信システムの中のマスターノードによる制御からT-Boxによる制御へと変化して、T-Boxに、周辺機器が収集するデータを伝送することが可能であり、且つ、同様に、周辺機器に、T-Boxのデータを伝送することが可能であるということを保証する。ある1つの実装において、データ通信システムが正常に動作するときに、T-Boxのホスト機能は、停止させられている状態にある場合があり、eCall機能は、実行されている状態にある場合がある。したがって、データ通信システムが正常に動作する場合には、T-Boxは、緊急呼を発呼する際に、データ通信システムを使用することによって、周辺機器が収集するデータを取得してもよい。
【0159】
この出願の実施形態1においては、T-Boxは、ローカル電源によって給電されてもよく、ホスト機能は、T-Boxに配置され、第1の伝送ノードは、スレーブノードモードからマスターノードモードへと切り替えて、eCallの正常な動作のために冗長性を提供し、そして、eCallの信頼性を改善する。リンク又はノードが故障しているときに、T-Boxは、第1の伝送ノードに電力を供給してもよく、それによって、第1の伝送ノード及びその第1の伝送ノードに接続されている周辺機器は、正常に動作することが可能である。加えて、第1の伝送ノードの動作モードは、マスターノードモードへと切り替えられ、それによって、T-Boxのホスト機能は、周辺機器が収集するデータを第1の伝送ノードを介して受信し、そして、緊急呼センターにそのデータを送り返すことが可能である。このように、eCallは、正常に動作することが可能であり、eCallの信頼性を改善することが可能である。
【0160】
[実施形態2]
この出願は、他の緊急呼方法を提供する。その方法は、車載型通信システムに適用されてもよい。そのシステムは、T-Box及び第1の伝送ノードを含んでもよい。T-Boxは、第1の伝送ノードに接続される。図6に示されているように、その方法は、以下のステップを含む。
【0161】
S601: T-Boxは、第1の機能及び第2の機能を有効化する。
【0162】
第1の機能は、実施形態1におけるホスト機能と同様である。詳細については、実施形態1におけるホスト機能の関連する説明を参照すべきである。詳細は繰り返しては説明されない。
【0163】
第2の機能は、データ通信システムの中のマスターノードの機能であると理解されてもよい。例えば、マスターノードの機能は、第1の機能によって処理した後に得られるデータ及び制御情報等を受信し、第1の機能によって処理した後に得られるデータ及び制御情報等をカプセル化し、そして、第1の伝送ノードに、カプセル化したデータ及び制御情報等を送信する機能を含んでもよい。代替的に、マスターノードの機能は、第1の伝送ノードが送信するデータを受信し、第1の伝送ノードが送信するデータを非カプセル化し、そして、処理のために、第1の機能に、非カプセル化されたデータを伝送する機能を含んでもよい。第1の伝送ノードが送信するデータは、第1の伝送ノードに接続されている周辺機器から第1の伝送ノードが取得するデータを含んでもよく、より低いレベルの伝送ノードが第1の伝送ノードに送信するデータをさらに含んでもよいということを理解することが可能である。加えて、第2の機能は、本明細書においては1つずつ列挙されてはいない他の機能を含んでもよい。
【0164】
ある1つの例では、第1の機能及び第2の機能は、T-Boxの中の機能モジュールであってもよく、又は、T-Boxに外部から接続されている機能モジュールであってもよい。第1の機能及び第2の機能が、T-Boxに外部から接続されている機能モジュールである場合に、第1の機能及び第2の機能は、代替的に、有効化のために、第1の伝送ノードによってトリガされてもよい。
【0165】
T-Boxが第1の機能及び第2の機能を有効化するプロセスは、T-Boxが実施形態1におけるホスト機能を有効化するプロセスと同様である。相違点は、実施形態1においてはT-Boxがホスト機能を起動するが、実施形態2においてはT-Boxが第1の機能及び第2の機能を起動するということある。したがって、T-Boxが第1の機能及び第2の機能を有効化する具体的なプロセスについては、実施形態1における関連する説明を参照すべきである。詳細は繰り返しては説明されない。
【0166】
ある1つの実装において、T-Boxの第1の機能及び第2の機能は、有効化をトリガする前に、停止させられていてもよい。例えば、緊急呼をトリガするための信号によって、第1の機能及び第2の機能の有効化をトリガするある1つの実施形態において、T-Boxの第1の機能及び第2の機能は、緊急呼の前に停止させられていてもよい。他の例では、データ通信システムの故障によって第1の機能及び第2の機能の有効化をトリガするある1つの実施形態において、第1の機能及び第2の機能は、データ通信システムが故障する前に停止させられていてもよい。
【0167】
S602: 第1の伝送ノードは、T-Boxを使用してデータ伝送を実行する。
【0168】
具体的には、第1の伝送ノードは、T-Boxを使用して、緊急呼に関連するデータに関するデータ伝送を実行する。
【0169】
ある1つの可能な実装において、第1の伝送ノードは、少なくとも1つのより下位のレベルの伝送ノードに接続されてもよい。T-Boxが、第1の機能及び第2の機能を有効化した後に、T-Boxは、第1の伝送ノード及び少なくとも1つのより下位のレベルの伝送ノードに伝送リソースを割り当て、第1の伝送ノード及び少なくとも1つのより下位のレベルの伝送ノードに個別に構成情報を送信してもよい。構成情報は、伝送ノードに対応する伝送リソースを示すのに使用される。
【0170】
ある1つの例では、ステップS401の前に、T-Boxは、第1の伝送ノードによって給電されてもよい。ステップS401の後に、T-Boxは、第1の伝送ノードによる給電からローカル電源による給電へと切り替えてもよい。代替的に、ステップS401の後に、T-Boxは、電力供給を切り替えることなく、依然として、第1の伝送ノードによって給電されてもよい。このことは、代替的に、T-Boxが依然としてデータ通信システムのデイジーチェインによって給電されているということであると理解されてもよい。
【0171】
さらに、ローカル電源による給電の後に、T-Boxは、さらに、第1の伝送ノードに電力を供給してもよい。ある1つの実装において、T-Boxは、元のインターフェイスを介して、第1の伝送ノードに電力を供給してもよい。
【0172】
加えて、第1の伝送ノードが、より低いレベルの伝送ノードを有する場合に、第1の伝送ノードは、そのより低いレベルの伝送ノードに電力を供給してもよい。第1の伝送ノードは、さらに、第1の伝送ノードに接続されている周辺機器に電力を供給してもよい。より下位のレベルの伝送ノードの各々は、さらに、そのより下位のレベルの伝送ノードに接続されている周辺機器に電力を供給してもよい。
【0173】
この出願の実施形態2によって提供される解決方法をより良く理解するために、以下の記載は、具体的には、図2に示されている車載型通信システムを参照して、緊急呼プロセスを説明する。
【0174】
ある1つの可能な緊急呼プロセスは、図7A及び図7Bに示されているように、T-Boxが、第1の機能及び第2の機能を含み、T-Boxが、デイジーチェインから電力を取得してもよく又はローカル電源によって電力を供給されてもよいということを含む。データ通信システムが正常に動作するときに、デイジーチェイン方式によってデータ通信システムの中の複数のノードのすべてを給電してもよく、T-Boxの第1の機能及び第2の機能は、停止させられている状態にあってもよく、eCall機能は、有効にされていてもよい。したがって、緊急呼を発呼するときに、T-Boxは、データ通信システムを使用することによって、周辺機器が収集するデータを取得してもよい。ノード又はリンクが故障しているときに、T-Boxは、障害が発生しているということを検出し、ローカル電源による給電へと切り替え、そして、第1の機能及び第2の機能を有効化する。スレーブノード2は、T-Boxによって給電され、T-Boxが管理するモード(具体的には、T-Box の第2の機能が管理するモード)へと切り替える。スレーブノード2は、データ通信システムの中のマスターノードによる制御からT-Boxによる制御へと変化して、T-Boxに、周辺機器が収集するデータを伝送することが可能であり、また、周辺機器にT-Boxのデータを伝送することが可能であるということを保証する。
【0175】
この出願の実施形態2においては、T-Boxは、ローカル電源によって給電されてもよく、第1の機能及び第2の機能は、T-Boxに配置されて、eCallの正常な動作に冗長性を提供することが可能であるとともに、eCallの信頼性を改善することが可能である。リンク又はノードが故障しているときに、T-Boxは、第1の伝送ノードに電力を供給してもよく、それによって、第1の伝送ノード及び第1の伝送ノードに接続されている周辺機器は、正常に動作することが可能である。加えて、T-Boxは、第1の機能及び第2の機能を使用することによって、周辺機器が収集するデータを受信し、そして、緊急呼センターにそのデータを送り返してもよい。このように、eCallは、正常に動作することが可能であり、eCallの信頼性を改善する。
【0176】
[実施形態3]
この出願のある1つの実施形態は、緊急呼システムを提供する。そのシステムは、T-Box、第1のシステム、第2のシステム、及び少なくとも1つの周辺機器を含んでもよい。第1のシステムは、少なくとも1つの伝送ノード及びホストを含む。第2のシステムは、少なくとも1つの伝送ノードを含む。第1のシステム及び第2のシステムの双方は、少なくとも1つの周辺機器に接続され、第2のシステムは、第2のシステムの中の第1の伝送ノードを介してT-Boxに接続される。本明細書における接続は、信号接続及び電力供給接続であると理解されてもよい。理解を容易にするために、以下の記載は、ある1つの例として、第1のシステムの中に含まれる3つの伝送ノード、第2のシステムの中に含まれる1つの伝送ノード、及び3つの周辺機器を使用する。図8の中でその緊急呼システムを示すことが可能である。図8は、説明のためのある1つの例であるにすぎず、第1のシステムの中の伝送ノードの数及び接続方式、第2のシステムの中の伝送ノードの数及び接続方式、又は周辺機器の数等を特に限定するものではないということを理解すべきである。
【0177】
ある1つの実装において、T-Boxは、第1の機能を有してもよい。第1の伝送ノードは、マスターノードモードとなっていてもよい。図9に示されているように、第1の機能は、実施形態1におけるホスト機能と同様である。詳細については、実施形態1のホスト機能の関連する説明を参照すべきである。詳細は繰り返しては説明されない。複数の実施形態のうちのいくつかにおいて、T-Boxは、図10に示されているように、第1のシステムの中の第2の伝送ノードに接続されてもよい。
【0178】
図8乃至図10に示されている緊急呼システムにおいては、T-Boxは、ローカル電源によって給電されてもよく、さらに、第2のシステムに電力を供給してもよい。
【0179】
他の実装において、T-Boxは、第1の機能及び第2の機能を有してもよい。第2のシステムの中のいずれかの伝送ノードは、スレーブノードモードとなっていてもよい。図11に示されているように、第1の機能及び第2の機能は、それぞれ、実施形態2における第1の機能及び第2の機能と同様である。詳細については、実施形態2の第1の機能及び第2の機能の関連する説明を参照すべきである。詳細は繰り返しては説明されない。複数の実施形態のうちのいくつかにおいて、T-Boxは、図12に示されているように、第1のシステムの中の第2の伝送ノードに接続されてもよい。
【0180】
図11及び図12において示されている緊急呼システムにおいて、緊急呼通信の際に、T-Boxが第1のシステムを使用してデータ伝送を実行するときに、T-Boxは、ローカル電源によって給電されてもよく、さらに、第1のシステムに電力を供給してもよく、T-Boxが第2のシステムを使用してデータ伝送を実行するときは、T-Boxは、ローカル電源によって給電されてもよく、さらに、第2のシステムに電力を供給してもよい。
【0181】
図8に示されている緊急呼システムに基づいて、この出願の実施形態3は、さらに、緊急呼方法を提供する。その方法は、T-Boxが緊急呼を開始することを決定し、そして、T-Boxが第1の伝送ノードを使用してデータ伝送を実行するステップを含む。
【0182】
複数の実施形態のうちのいくつかにおいて、T-Boxは、緊急呼をトリガするための信号を検出するときに、緊急呼を開始することを決定してもよい。代替的に、第1の伝送ノードは、緊急呼をトリガするための信号を検出するときに、T-Boxにシグナリングを送信してもよく、T-Boxは、そのシグナリングを受信した後に、緊急呼を開始する。
【0183】
図10に示されている緊急呼システムに基づいて、この出願の実施形態3は、さらに、緊急呼方法を提供する。その方法は、緊急呼通信において、第1のシステムが正常に動作する場合に、T-Boxが、第2の伝送ノードを使用してデータ伝送を実行し、第1のシステムが正常に動作しない場合に、T-Boxが、第1の伝送ノードを使用してデータ伝送を実行するステップを含む。代替的に、緊急呼通信において、第2のシステムが正常に動作する場合に、T-Boxは、第1の伝送ノードを使用してデータ伝送を実行し、第2のシステムが正常に動作しない場合に、T-Boxは、第2の伝送ノードを使用してデータ伝送を実行する。T-Boxが第2の伝送ノードを使用してデータ伝送を実行するある1つの実装及び緊急呼プロセスについては、実施形態1を参照すべきである。本明細書においては、詳細は繰り返しては説明されない。
【0184】
図12に示されている緊急呼システムに基づいて、この出願の実施形態3は、さらに、緊急呼方法を提供する。その方法は、緊急呼通信において、第1のシステムが正常に動作する場合に、T-Boxが、第2の伝送ノードを使用してデータ伝送を実行し、第1のシステムが正常に動作しない場合に、T-Boxが第1の伝送ノードを使用してデータ伝送を実行するステップを含む。代替的に、緊急呼通信において、第2のシステムが正常に動作する場合に、T-Boxは、第1の伝送ノードを使用してデータ伝送を実行し、第2のシステムが正常に動作しない場合に、T-Boxは、第2の伝送ノードを使用してデータ伝送を実行する。T-Boxが第2の伝送ノードを使用してデータ伝送を実行するある1つの実装及び緊急呼プロセスについては、実施形態2を参照すべきである。本明細書においては、詳細は繰り返しては説明されない。例えば、第1のシステムが動作するときに、第2のシステムは、停止させられてもよい。第2のシステムが動作するときに、T-Boxは、第1のシステムへの接続を切断してもよい。
【0185】
この出願の実施形態3において、第2のシステムを追加し、第1のシステム及び第2のシステムは、周辺機器を共有し、T-Boxは、第2のシステムを介して緊急呼データに関するデータ伝送を実行する。正常な動作の場合には、T-Box及び第1のシステムは、独立して動作する。第1のシステムの中のノード又はリンク又の故障は、T-Boxには影響を与えない。T-Boxは、周辺機器が収集するデータを第2のシステムを介して取得してもよく、それによって、eCall機能を正常に実行することが可能であり、eCallの信頼性を改善することが可能である。
【0186】
加えて、T-Boxは、さらに、第1のシステムに接続されてもよく、それによって、T-Boxは、2つのシステムに接続され、それらの2つのシステムは、互いに予備として機能する。一方のシステムのリンク又はノードが故障しているときに、T-Boxは、他方のシステムを介して周辺機器からデータを取得して、T-Boxの中のeCall機能の正常な実行を保証することが可能であり、eCallの信頼性を改善することが可能である。
【0187】
[実施形態4]
この出願のある1つの実施形態は、さらに、ネットワーキング方法を提供してもよい。データ通信システムにおいて、伝送ノードとマスターノードとの間の複数の伝送経路及び少なくとも1つの伝送ノードが存在する。正常な動作の際に、伝送ノードは、複数の伝送経路のうちの1つを介して、マスターノードを使用してデータ伝送を実行してもよく、他の伝送経路は、停止させられてもよい。使用されている伝送経路が遮断されるときに、他の伝送経路を介して、マスターノードを使用してデータ伝送を実行してもよい。T-Boxは、いずれかの伝送ノードに接続されてもよい。
【0188】
ノード又はリンクが故障しているときに、ホストは、図13に示されているように、故障の位置を検出し、2つのインターフェイスにおいて複数のノードを再発見し、それらの複数のノードを初期化し、2つのデイジーチェインを確立して、ネットワーク全体を復元してもよい。
【0189】
例えば、図14に示されているように、マスターノード、スレーブノード0、スレーブノード1、及びスレーブノード2は、リングネットワークを形成してもよく、マスターノードとスレーブノード0との間に、マスターノード~スレーブノード0の伝送経路、及び、マスターノード~スレーブノード2~スレーブノード1~スレーブノード0の伝送経路の2つの伝送経路が存在する。同様に、マスターノードとスレーブノード1との間に、マスターノード~スレーブノード0~スレーブノード1の伝送経路、及び、マスターノード~スレーブノード2~スレーブノード1の伝送経路の2つの伝送経路が存在する。他の伝送ノードも同様であり、それらの他の伝送ノードは、本明細書においては1つずつは説明されない。図14は、説明のためのある1つの例であるにすぎないということを理解するべきである。ある特定の実装において、データ通信システムの中に他の数の伝送ノードが存在してもよく、また、データ通信システムの中のそれらの複数の伝送ノードの間に他の接続関係が存在してもよい。例えば、スレーブノード1は、マスターノードに接続され、マスターノード、スレーブノード0、及びスレーブノード1は、リングネットワークを形成してもよい。他の例では、スレーブノード2は、スレーブノード0に接続され、スレーブノード0、スレーブノード1、及びスレーブノード2は、リングネットワークを形成してもよい。データ通信システムにおける伝送ノードの数及び接続方式は、この出願のこの実施形態においては特に限定されない。
【0190】
ある1つの例として図14を使用する。正常な動作の際に、データ通信システムの中の複数の伝送ノードのすべてのダウンリンクサービスは、反時計回りの方向の伝送リンクによって伝送されてもよく、具体的にいうと、マスターノード→スレーブノード0→スレーブノード1→スレーブノード2に沿って伝送されてもよく、アップリンクサービスは、時計回りの方向の伝送リンクによって伝送されてもよく、具体的にいうと、スレーブノード0→スレーブノード1→スレーブノード2→マスターノードに沿って伝送されてもよい。図15に示されているように、スレーブノード1とスレーブノード2との間のリンクが故障しているときに、スレーブノード2のダウンリンクサービスは、マスターノード→スレーブノード2の経路に沿って伝送されてもよく、スレーブノード2のアップリンクサービスは、スレーブノード2→マスターノードに沿って伝送されてもよく、スレーブノード1及びスレーブノード0のダウンリンクサービスは、マスターノード→スレーブノード0→スレーブノード1に沿って伝送されてもよく、スレーブノード1及びスレーブノード0のアップリンクサービスは、スレーブノード1→スレーブノード0→マスターノードに沿って伝送されてもよい。スレーブノード0、スレーブノード1、及びスレーブノード2は、すべて、正常に動作することが可能であり、それによって、T-Boxがいずれの伝送ノードに接続されるかにかかわらず、データ通信システムの中の伝送ノード又はリンクが故障しているときでも、T-Boxは、依然として、周辺機器が収集するデータを取得することが可能であり、その結果、T-Boxの中のeCall機能の正常な実行を保証することが可能であり、eCallの信頼性を改善することが可能である。
【0191】
この出願の実施形態4において、T-Boxに経路冗長性を提供する。データ通信システムの中のノード又はリンクが故障しているときに、データ通信システムは、スタンバイ経路を介してT-Boxに電力を供給して、正常に動作するように周辺機器を駆動し、eCallの信頼性を改善することが可能である。
【0192】
この出願の実施形態4は、独立した解決方法として実装されてもよく、又は、実施形態1乃至3のいずれかと組み合わせられた解決方法として実装されてもよい。例えば、実施形態4は、実施形態1と組み合わせられる。具体的にいうと、実施形態1におけるデータ通信システムは、実施形態4におけるネットワーキング方式によって接続されてもよい。他の例では、実施形態4は、実施形態2と組み合わせられる。具体的にいうと、実施形態2におけるデータ通信システムは、実施形態4におけるネットワーキング方式によって接続されてもよい。他の例では、実施形態4は、実施形態3と組み合わせられる。具体的にいうと、実施形態3において、第1のシステムは、実施形態4におけるネットワーキング方式によって接続されてもよく、第2のシステムは、また、実施形態4におけるネットワーキング方式によって接続されてもよい。
【0193】
方法の実施形態と同じ技術的概念に基づいて、この出願のある1つの実施形態は、緊急呼装置を提供する。その装置の構成は、図16に示されてもよく、その装置は、処理ユニット1601及び通信ユニット1602を含む。
【0194】
ある1つの実装において、緊急呼装置は、具体的には、図4図5A、及び図5Bにおける複数の実施形態においてテレマティクスボックスが実行する方法を実装するように構成されてもよい。その装置は、テレマティクスボックスであってもよく、或いは、テレマティクスボックスの中のチップ、チップセット、又はそのチップの一部であってもよく、そのチップの一部は、関連する方法機能を実行するように構成される。処理ユニット1601は、ホスト機能を有効化するように構成される。ホスト機能は、第1の伝送ノード及びその第1の伝送ノードに接続されている周辺機器の制御を含む。通信ユニット1602は、第1の伝送ノードを使用してデータ伝送を実行するように構成される。第1の伝送ノードは、マスターノードモードとなっている。
【0195】
ある1つの可能な実装において、処理ユニット1601は、さらに、通信ユニット1602が、第1の伝送ノードを使用してデータ伝送を実行する前に、緊急呼をトリガするための信号を検出するか、又は、データ通信システムの中の一次伝送ノードと第1の伝送ノードとの間の伝送経路が遮断されているということを検出するように構成される。通信ユニット1602は、さらに、第1の伝送ノードに第1の命令を送信するように構成される。第1の命令は、スレーブノードモードからマスターノードモードへの切り替えを第1の伝送ノードに指示するのに使用される。
【0196】
ある1つの可能な実装において、通信ユニット1602は、さらに、第1の伝送ノードを使用してデータ伝送を実行する前に、第1の伝送ノードが送信する第2の命令を受信するように構成される。第2の命令は、当該装置と第1の伝送ノードとの間の同期を実装するのに使用される。
【0197】
他の可能な実装において、通信ユニット1602は、さらに、第1の伝送ノードを使用してデータ伝送を実行する前に、第1の伝送ノードに第2の命令を送信するように構成される。第2の命令は、当該装置と第1の伝送ノードとの間の同期を実装するのに使用される。
【0198】
処理ユニット1601は、さらに、ホスト機能を有効化する前に、緊急呼をトリガするための信号を検出するように構成されてもよい。
【0199】
代替的に、処理ユニット1601は、さらに、ホスト機能を有効化する前に、データ通信システムの中の一次伝送ノードと第1の伝送ノードとの間の伝送経路が遮断されているということを検出するように構成されてもよい。
【0200】
代替的に、通信ユニット1602は、さらに、処理ユニット1601が、ホスト機能を有効化する前に、第1の伝送ノードが送信する第3の命令を受信するように構成されてもよい。第3の命令は、ホスト機能を有効化するように当該装置に指示するのに使用される。
【0201】
例えば、データ通信システムは、少なくとも1つの第2の伝送ノードを含む。第2の伝送ノードは、第1の伝送ノードのより下位のレベルの伝送ノードである。
【0202】
処理ユニット1601は、さらに、ホスト機能を有効化した後に、少なくとも1つの第2の伝送ノードに伝送リソースを割り当てるように構成されてもよい。通信ユニット1602は、さらに、第1の伝送ノードにリソース割り当て情報を送信するように構成されてもよい。リソース割り当て情報は、少なくとも1つの第2の伝送ノードに個別に対応する伝送リソースを示すのに使用される。
【0203】
例えば、当該装置は、第1の伝送ノードによる給電からローカル電源による給電へと切り替えてもよい。
【0204】
当該装置は、さらに、第1の伝送ノードに電力を供給してもよい。
【0205】
データ通信システムは、第3の伝送ノードをさらに含んでもよく、第3の伝送ノードは、データ通信システムの中の前記一次伝送ノードである。当該装置と第3の伝送ノードとの間に少なくとも2つの伝送経路が存在する。
【0206】
ある1つの実装において、緊急呼装置は、具体的には、図4図5A、及び図5Bにおける複数の実施形態において第1の伝送ノードが実行する方法を実装するように構成されてもよい。その装置は、第1の伝送ノードであってもよく、或いは、第1の伝送ノードの中のチップ、チップセット、又はそのチップの一部であってもよく、そのチップの一部は、関連する方法機能を実行するように構成される。処理ユニット1601は、スレーブノードモードからマスターノードモードへと切り替えるように当該装置を制御するように構成される。通信ユニット1602は、テレマティクスボックスを使用してデータ伝送を実行するように構成される。テレマティクスボックスは、ホスト機能を有し、ホスト機能は、当該装置及び当該装置に接続されている周辺機器を制御する機能を含む。
【0207】
ある1つの可能な実装において、処理ユニット1601は、さらに、スレーブノードモードからマスターノードモードへと切り替えるように当該装置を制御する前に、緊急呼をトリガするための信号を検出するように構成されてもよい。
【0208】
ある1つの可能な設計において、処理ユニット1601は、さらに、スレーブノードモードからマスターノードモードへと切り替えるように当該装置を制御する前に、データ通信システムの中の一次伝送ノードと当該装置との間の伝送経路が遮断されているということを検出するように構成される。
【0209】
さらに別の可能な実装において、通信ユニット1602は、さらに、処理ユニット1601が、スレーブノードモードからマスターノードモードへと切り替えるように当該装置を制御する前に、テレマティクスボックスが送信する第1の命令を受信するように構成されてもよい。第1の命令は、スレーブノードモードからマスターノードモードへと切り替えるように当該装置に指示するのに使用される。
【0210】
通信ユニット1602は、さらに、テレマティクスボックスを使用してデータ伝送を実行する前に、テレマティクスボックスに第2の命令を送信するように構成されてもよく、第2の命令は、当該装置とテレマティクスボックスとの間の同期を実装するのに使用されるか、又は、テレマティクスボックスを使用してデータ伝送を実行する前に、テレマティクスボックスが送信する第2の命令を受信するように構成されてもよく、第2の命令は、当該装置とテレマティクスボックスとの間の同期を実装するのに使用される。
【0211】
処理ユニット1601は、さらに、通信ユニット1602が、テレマティクスボックスを使用してデータ伝送を実行する前に、緊急呼をトリガするための信号を検出するように構成されるか、又は、データ通信システムの中の一次伝送ノードと当該装置との間の伝送経路が遮断されているということを検出するように構成されてもよい。通信ユニット1602は、さらに、テレマティクスボックスに第3の命令を送信するように構成される。第3の命令は、ホスト機能を有効化するようにテレマティクスボックスに指示するのに使用される。
【0212】
データ通信システムは、少なくとも1つの第2の伝送ノードをさらに含んでもよい。第2の伝送ノードは、当該装置のより下位のレベルの伝送ノードである。通信ユニット1602は、さらに、処理ユニット1601が、スレーブノードモードからマスターノードモードへと切り替えるように当該装置を制御した後に、テレマティクスボックスが送信するリソース割り当て情報を受信し、リソース割り当て情報は、少なくとも1つの第2の伝送ノードの伝送リソースを示すのに使用され、少なくとも1つの第2の伝送ノードに構成情報を個別に送信する、ように構成されてもよく、構成情報は、第2の伝送ノードに対応する伝送リソースを示すのに使用される。
【0213】
当該装置は、データ通信システムによる給電からテレマティクスボックスによる給電へと切り替えてもよい。
【0214】
データ通信システムは、第3の伝送ノードをさらに含んでもよい。第3の伝送ノードは、データ通信システムの中の一次伝送ノードである。当該装置と第3の伝送ノードとの間に少なくとも2つの伝送経路が存在してもよい。
【0215】
この出願のこの実施形態における複数のモジュールへの分割は、ある1つの例であり、論理的な機能の分割であるにすぎず、実際の実装においては、他の分割であってもよい。加えて、この出願のそれらの複数の実施形態におけるそれらの複数の機能モジュールを一体化して、1つのプロセッサとしてもよく、或いは、それらの複数のモジュールの各々は、物理的に単独で存在してもよく、或いは、2つ又はそれ以上のモジュールを一体化して、1つのモジュールとしてもよい。その一体化されているモジュールは、ハードウェアの形態で実装されてもよく、ソフトウェア機能モジュールの形態で実装されてもよい。この出願のそれらの複数の実施形態におけるそれらの複数のモジュールの機能又は実装については、さらに、複数の方法の実施形態における関連する説明を参照するべきであるということを理解すべきである。
【0216】
ある1つの可能な実装において、緊急呼装置は、図17において示されてもよい。その装置は、通信デバイス又は通信デバイスの中のチップであってもよい。その通信デバイスは、テレマティクスボックスであってもよく又は伝送ノードであってもよい。その装置は、プロセッサ1701、通信インターフェイス1702、及びメモリ1703を含んでもよい。処理ユニット1601は、プロセッサ1701であってもよい。通信ユニット1602は、通信インターフェイス1702であってもよい。
【0217】
プロセッサ1701は、中央処理ユニット(central processing unit, CPU)、又は、ディジタル処理ユニット等であってもよい。通信インターフェイス1702は、トランシーバ、トランシーバ回路等のインターフェイス回路、又は、トランシーバチップ等であってもよい。その装置は、プロセッサ1701が実行するプログラムを格納するように構成されるメモリ1703をさらに含む。メモリ1703は、例えば、ハードディスクドライブ(hard disk drive, HDD)又はソリッドステートドライブ(solid-state drive, SSD)等の不揮発性メモリ、或いは、例えば、ランダムアクセスメモリ(random-access memory, RAM)等の揮発性メモリ(volatile memory)であってもよい。メモリ1703は、いずれかの他の媒体であり、その他の媒体は、命令又はデータ構造の形態で期待されるプログラムコードを搬送し又は格納するのに使用されてもよく、コンピュータがアクセスすることが可能である。しかしながら、このことは、これらには限定されない。
【0218】
プロセッサ1701は、メモリ1703の中に格納されているプログラムコードを実行するように構成され、具体的には、処理ユニット1601の動作を実行するように構成される。この出願では、本明細書においては、詳細は繰り返しては説明されない。通信インターフェイス1702は、具体的には、通信ユニット1602の動作を実行するように構成される。この出願では、本明細書においては、詳細は説明されない。
【0219】
この出願のこの実施形態において、通信インターフェイス1702、プロセッサ1701、及びメモリ1703の間の特定の接続媒体は、限定されない。この出願のこの実施形態において、メモリ1703、プロセッサ1701、及び通信インターフェイス1702は、図17の中のバス1704を介して接続され、そのバスは、図17の中の太線によって表される。複数の他の構成要素の間の接続方式は、概略的に説明され、これらには限定されない。そのバスは、アドレスバス、データバス、及び制御バス等に分類されてもよい。表現を容易にするために、図17においてバスを表すのに1つのみの太線を使用するが、このことは、バスが1つのみ存在するか又はバスのタイプが1つのみであるということを意味するものではない。
【0220】
この出願のある1つの実施形態は、さらに、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供し、そのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、上記のプロセッサの実行のために実行する必要があるコンピュータソフトウェア命令を格納するように構成され、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、上記のプロセッサの実行のために実行する必要があるプログラムを含む。
【0221】
当業者は、この出願のそれらの複数の実施形態が、方法、システム、又はコンピュータプログラム製品として提供されてもよいということを理解するはずである。したがって、この出願は、ハードウェアのみの実施形態、ソフトウェアのみの実施形態、又はソフトウェア及びハードウェアの組み合わせを使用する実施形態の形態を使用してもよい。さらに、この出願は、コンピュータプログラム製品の形態を使用してもよく、そのコンピュータプログラム製品は、コンピュータ使用可能なプログラムコードを含む(これらには限定されないが、ディスクメモリ、CD-ROM、及び光メモリ等を含む)1つ又は複数のコンピュータ使用可能な記憶媒体によって実装される。
【0222】
この出願は、この出願にしたがった方法、デバイス(システム)、及びコンピュータプログラム製品のフローチャート及び/又はブロック図を参照して記載されている。コンピュータプログラム命令は、フローチャート及び/又はブロック図の中の各々のプロセス及び/又は各々のブロック、及び、フローチャート及び/又はブロック図の中のプロセス及び/又はブロックの組み合わせを実装するのに使用されてもよいということを理解するべきである。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、組み込み型プロセッサ、又はいずれかの他のプログラマブルデータ処理デバイスのプロセッサのために提供されて、ある1つの機械を生成してもよく、それによって、コンピュータ又はいずれかの他のプログラム可能なデータ処理デバイスのプロセッサが実行する複数の命令は、ある1つの装置を生成し、その装置は、それらのフローチャートの中の1つ又は複数のプロセス及び/又はそれらのブロック図の中の1つ又は複数のブロックの中の1つ又は複数のプロセスにおけるある特定の機能を実装する。
【0223】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ読み取り可能なメモリの中に格納されてもよく、ある特定の方式によって動作するようにコンピュータ又はいずれかの他のプログラム可能なデータ処理デバイスに指示することが可能であり、それによって、コンピュータ読み取り可能メモリの中に格納されている命令は、命令装置を含むアーティファクトを生成する。その命令装置は、フローチャートの中の1つ又は複数のプロセスにおける特定の機能及び/又はブロック図の中の1つ又は複数のブロックにおける特定の機能を実装する。
【0224】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理デバイスにロードされてもよく、それによって、コンピュータ又は他のプログラム可能なデバイスによって、一連の操作及びステップを実行し、それにより、コンピュータによって実装される処理を生成する。したがって、コンピュータ又は他のプログラム可能なデバイスによって実行される命令は、複数のステップを提供し、それらの複数のステップは、フローチャートの中の1つ又は複数のプロセスにおける特定の機能及び/又はブロック図の中の1つ又は複数のブロックにおける特定の機能を実装する。
【0225】
もちろん、当業者は、この出願の保護の範囲から離れることなく、この出願にさまざまな修正及び変更を行うことが可能である。この出願は、それらの修正及び変更が、以下の特許請求の範囲及びそれらの等価な技術によって定義される保護の範囲の中に属している限りにおいて、この出願のこれらの修正及び変更を対象とすることを意図している。
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
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図14
図15
図16
図17