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特許7430807電池セル、電池、電池セルの製造方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-02
(45)【発行日】2024-02-13
(54)【発明の名称】電池セル、電池、電池セルの製造方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/166 20210101AFI20240205BHJP
   H01M 50/103 20210101ALI20240205BHJP
   H01M 50/15 20210101ALI20240205BHJP
   H01M 50/107 20210101ALI20240205BHJP
   H01M 50/152 20210101ALI20240205BHJP
   H01M 50/586 20210101ALI20240205BHJP
   H01M 50/593 20210101ALI20240205BHJP
   H01M 50/119 20210101ALI20240205BHJP
   H01M 50/134 20210101ALI20240205BHJP
   H01M 50/505 20210101ALI20240205BHJP
   H01M 50/209 20210101ALI20240205BHJP
   H01M 50/213 20210101ALI20240205BHJP
【FI】
H01M50/166
H01M50/103
H01M50/15
H01M50/107
H01M50/152
H01M50/586
H01M50/593
H01M50/119
H01M50/134
H01M50/505
H01M50/209
H01M50/213
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022544092
(86)(22)【出願日】2020-08-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-30
(86)【国際出願番号】 CN2020109654
(87)【国際公開番号】W WO2022036531
(87)【国際公開日】2022-02-24
【審査請求日】2022-07-20
(73)【特許権者】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】呉寧生
(72)【発明者】
【氏名】▲シン▼承友
(72)【発明者】
【氏名】王鵬
(72)【発明者】
【氏名】梁成都
(72)【発明者】
【氏名】李全坤
(72)【発明者】
【氏名】康文竜
(72)【発明者】
【氏名】姜玲燕
(72)【発明者】
【氏名】解偉淦
【審査官】小森 利永子
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-502120(JP,A)
【文献】特表2007-512671(JP,A)
【文献】特開2019-083151(JP,A)
【文献】特開2018-022586(JP,A)
【文献】国際公開第2017/082317(WO,A1)
【文献】中国実用新案第209658242(CN,U)
【文献】特開2019-023971(JP,A)
【文献】国際公開第2013/093965(WO,A1)
【文献】中国実用新案第209658246(CN,U)
【文献】特開2014-093257(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/103-50/198
H01M 50/505-50/593
H01M 50/209
H01M 50/213
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースと端部カバー組立体とを含み、
前記ケースは、中空形状であり、且つ開口を有し、
前記端部カバー組立体は、端部カバー及び絶縁部材を含み、前記端部カバーは前記ケースの開口を接続し、且つ少なくとも一部が前記ケース内に挿入され、前記端部カバーの前記ケース内に挿入された部分は端面及び第1の側面を有し、前記端面が前記端部カバーの挿入方向と実質的に垂直であり、前記第1の側面が前記端面の周辺に沿って分布し、且つ前記ケースの内壁面と対向し、前記内壁面は前記端部カバーの挿入方向と実質的に平行であり、前記端面が前記第1の側面と交差し且つ第1のエッジを形成しており、
前記絶縁部材は、前記端面に接続され、前記絶縁部材は第1の方向に沿って前記内壁面へ延びて前記第1のエッジを超えており、前記第1の方向は、前記端部カバーの挿入方向と垂直であり、且つ前記内壁面に向かう方向であり、
前記絶縁部材は、前記内壁面と実質的に平行であり、前記第1の方向に沿って前記第1のエッジと前記内壁面との間に位置する第2の側面を含み、
前記第1の側面は、第1の表面及び第2の表面を含み、前記第1の表面は前記内壁面と実質的に平行であり、前記第2の表面は前記第1の表面と前記端面とを接続しており、且つ前記第1の表面に対して前記内壁面から離れる方向に傾斜して面取り面を形成しており、
前記第2の表面は、前記端面と交差し且つ前記第1のエッジを形成し、前記第2の表面は前記第1の表面と交差し且つ第2のエッジを形成し、前記第2のエッジは前記第1のエッジと前記内壁面との間に位置していることを特徴とする電池セル。
【請求項2】
前記第2の側面は、前記第1の方向に沿って前記第2のエッジと前記内壁面との間に位置していることを特徴とする請求項に記載の電池セル。
【請求項3】
前記第2の側面は、前記第1のエッジと前記第2のエッジとの間に位置していることを特徴とする請求項に記載の電池セル。
【請求項4】
前記絶縁部材は、前記第2の側面に接続された第3の側面を含み、前記第3の側面は、前記第2の側面の前記端面から離れた端部に接続され、且つ前記第2の側面に対して前記内壁面から離れる方向に傾斜して面取り面を形成していることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の電池セル。
【請求項5】
前記絶縁部材は、互いに接続された固定部及び側部を含み、前記固定部は前記端面に接続され、前記側部は前記固定部の前記端面から離れた側に位置し且つ前記固定部の周辺に沿って分布し、前記第2の側面は前記側部の前記内壁面に対向する表面に位置していることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の電池セル。
【請求項6】
前記側部と前記固定部との接続箇所に第2の凹部を有し、前記第2の凹部は前記内壁面に対向して設置され、且つ前記第2の凹部の開口は前記内壁面に向かっていることを特徴とする請求項に記載の電池セル。
【請求項7】
前記第2の凹部の底壁は、前記第1のエッジの前記内壁面から離れた側に位置していることを特徴とする請求項に記載の電池セル。
【請求項8】
前記端部カバーは、挿入部及び接続部を有し、前記挿入部は、前記ケース内に位置し、前記第1の側面は、前記挿入部の前記内壁面と対向する表面に位置し、前記接続部は、前記第1の方向に沿って前記挿入部を超えていることを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の電池セル。
【請求項9】
前記ケースは、金属材質であり、前記絶縁部材の硬度は前記ケースの硬度より小さいことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の電池セル。
【請求項10】
複数の請求項1~9のいずれか一項に記載の電池セルと、
前記複数の電池セルの電気的な接続を実現するためのバスバーと、
前記複数の電池セル及び前記バスバーを収容するための筐体と、を含むことを特徴とする電池。
【請求項11】
請求項10に記載の電池を含む電力消費装置。
【請求項12】
中空形状であり、且つ開口を有するケースを供給することと、
端部カバー及び絶縁部材を含む端部カバー組立体を供給することと、
前記端部カバーの少なくとも一部を前記ケース内に挿入し、前記端部カバーは前記ケースの開口を接続し、前記端部カバーの前記ケース内に挿入された部分は端面及び第1の側面を有し、前記端面は前記端部カバーの挿入方向と実質的に垂直であり、前記第1の側面は前記端面の周辺に沿って分布し、且つ前記ケースの前記端部カバーの挿入方向に沿って延びる内壁面と対向し、前記端面は前記第1の側面と交差し且つ第1のエッジを形成することと、
前記絶縁部材を前記端面に接続し、前記絶縁部材の少なくとも一部は、前記端部カバーの挿入方向の垂直方向に沿って、前記第1のエッジと前記内壁面との間に位置することと、を含み、
前記絶縁部材は、前記内壁面と実質的に平行であり、前記端部カバーの挿入方向の垂直方向に沿って前記第1のエッジと前記内壁面との間に位置する第2の側面を含み、
前記第1の側面は、第1の表面及び第2の表面を含み、前記第1の表面は前記内壁面と実質的に平行であり、前記第2の表面は前記第1の表面と前記端面とを接続しており、且つ前記第1の表面に対して前記内壁面から離れる方向に傾斜して面取り面を形成しており、
前記第2の表面は、前記端面と交差し且つ前記第1のエッジを形成し、前記第2の表面は前記第1の表面と交差し且つ第2のエッジを形成し、前記第2のエッジは前記第1のエッジと前記内壁面との間に位置していることを特徴とする電池セルの製造方法。
【請求項13】
中空形状であり、且つ開口を有するケースを供給し、端部カバー及び絶縁部材を含む端部カバー組立体を供給する供給モジュールと、
前記端部カバーの少なくとも一部を前記ケース内に挿入し、前記端部カバーは前記ケースの開口を接続し、前記端部カバーの前記ケース内に挿入された部分は端面及び第1の側面を有し、前記端面は前記端部カバーの挿入方向と実質的に垂直であり、前記第1の側面は前記端面の周辺に沿って分布し、且つ前記ケースの前記端部カバーの挿入方向に沿って延びる内壁面と対向し、前記端面は前記第1の側面と交差し且つ第1のエッジを形成する取付モジュールと、を含み、
前記絶縁部材は、前記端面に接続され、前記絶縁部材の少なくとも一部は、前記端部カバーの挿入方向の垂直方向に沿って、前記第1のエッジと前記内壁面との間に位置し、
前記絶縁部材は、前記内壁面と実質的に平行であり、前記端部カバーの挿入方向の垂直方向に沿って前記第1のエッジと前記内壁面との間に位置する第2の側面を含み、
前記第1の側面は、第1の表面及び第2の表面を含み、前記第1の表面は前記内壁面と実質的に平行であり、前記第2の表面は前記第1の表面と前記端面とを接続しており、且つ前記第1の表面に対して前記内壁面から離れる方向に傾斜して面取り面を形成しており、
前記第2の表面は、前記端面と交差し且つ前記第1のエッジを形成し、前記第2の表面は前記第1の表面と交差し且つ第2のエッジを形成し、前記第2のエッジは前記第1のエッジと前記内壁面との間に位置していることを特徴とする電池セルの製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、エネルギー貯蔵部品の分野に関し、具体的には、電池セル、電池、電池セルの製造方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン電池は、体積が小さく、エネルギー密度が高く、電力密度が高く、循環使用回数が多く且つ貯蔵時間が長いなどの利点を有するので、いくつかの電子機器、電動交通機関、電動玩具及び電動デバイスに広く適用されている。例えば、携帯電話、ノートパソコン、電動スクーター、電気自動車、電気飛行機、電動船舶、電動玩具自動車、電動玩具船舶、電動玩具飛行機及び電動ツールなどに広く適用されている。
【0003】
リチウムイオン電池技術の発展に伴い、リチウムイオン電池の安全性能に対してより高い要求がある。従来のリチウムイオン電池の端部カバー組立体とケースとの組立過程において、両者の間に擦れることが発生しやすく、それにより金属糸又は金属粒子がリチウムイオン電池の内部に落ち込み、短絡のリスクが存在する。
【発明の概要】
【0004】
本願は、上記問題を解決するか又は上記問題の少なくとも一部を解決する電池セル、電池、電力消費装置、電池セルの製造方法及び装置を提供する。
【0005】
本願の第1の態様によれば、ケースと端部カバー組立体とを含む電池セルを提供し、
前記ケースは、中空形状であり、且つ開口を有し、
前記端部カバー組立体は、端部カバー及び絶縁部材を含み、端部カバーはケースの開口を接続し、且つ少なくとも一部がケース内に挿入され、端部カバーのケース内に挿入された部分は端面及び第1の側面を有し、端面が端部カバーの挿入方向と実質的に垂直であり、第1の側面が端面の周辺に沿って分布し、且つケースの内壁面と対向し、内壁面は端部カバーの挿入方向と実質的に平行であり、端面が第1の側面と交差し且つ第1のエッジを形成しており、
絶縁部材は、端面に接続され、絶縁部材は第1の方向に沿って内壁面へ延びて第1のエッジを超えており、前記第1の方向は、前記端部カバーの挿入方向と垂直であり、且つ前記内壁面に向かう方向である。
【0006】
本願の実施例の技術案において、絶縁部材は第1の方向に沿って内壁面へ延びて第1のエッジを超えており、端部カバーがケースに挿入される過程において、絶縁部材の第1のエッジと内壁面との間に位置する部分は第1のエッジより内壁面に近い。したがって、絶縁部材の第1のエッジと内壁面との間に位置する部分は内壁面と接触しやすく、ある程度で、第1のエッジとケースとの接触による金属糸を減少させ、電池セルの安全性能を向上させることができる。
【0007】
いくつかの実施例において、絶縁部材は、内壁面と実質的に平行であり、前記第1の方向に沿って第1のエッジと内壁面との間に位置する第2の側面を含む。このように、絶縁部材の体積を増加させることができ、絶縁部材が内壁面と接触する時に変形しない。
【0008】
いくつかの実施例において、第1の側面は、第1の表面及び第2の表面を含み、第1の表面は内壁面と実質的に平行であり、第2の表面は第1の表面と端面とを接続しており、且つ第1の表面に対して内壁面から離れる方向に傾斜して面取り面を形成している。このように、第2の表面と内壁面との間の隙間の各箇所の寸法は端部カバーの挿入方向に沿ってますます大きくなり、端部カバーをケース内部により容易に挿入する。
【0009】
いくつかの実施例において、第2の表面は、端面と交差し且つ第1のエッジを形成し、第2の表面は第1の表面と交差し且つ第2のエッジを形成し、第2のエッジは第1のエッジと内壁面との間に位置している。
【0010】
いくつかの実施例において、第2の側面は第2のエッジと内壁面との間に位置している。このように、端部カバーがケース内部に挿入される過程において、絶縁部材の第2の側面は第1のエッジと第2のエッジが内壁面を擦ることを同時に防止し、それにより金属糸の生成を回避することができる。
【0011】
いくつかの実施例において、第2の側面は第1のエッジと第2のエッジとの間に位置している。このように、ある程度で第1のエッジが内壁面を擦ることを防止することができると共に、第2の側面と内壁面との隙間寸法が十分に大きいことを保証することができ、それにより絶縁部材をケース内部に挿入しやすい。
【0012】
いくつかの実施例において、絶縁部材は、第2の側面に接続された第3の側面を含み、第3の側面は、第2の側面の端面から離れた端部に接続され、且つ第2の側面に対して内壁面から離れる方向に傾斜して面取り面を形成している。
【0013】
いくつかの実施例において、絶縁部材は、互いに接続された固定部及び側部を含み、固定部は端面に接続され、側部は固定部の端面から離れた側に位置し且つ固定部の周辺に沿って分布し、第2の側面は前記側部の前記内壁面に対向する表面に位置している。
【0014】
いくつかの実施例において、側部と固定部との接続箇所に第2の凹部を有し、第2の凹部は内壁面に対向して設置され、且つ第2の凹部の開口は内壁面に向かっている。
【0015】
いくつかの実施例において、第2の凹部の底壁は第1のエッジの内壁面から離れた側に位置している。このように、ある程度でガスの発生を減少させ、それにより溶接の強度を保証することができる。
【0016】
いくつかの実施例において、端部カバーは、挿入部及び接続部を有し、挿入部は、ケース内に位置し、第1の側面は、挿入部の内壁面と対向する表面に位置し、接続部は、前記第1の方向に沿って挿入部を超えている。
【0017】
いくつかの実施例において、ケースは金属材質であり、且つ絶縁部材の硬度はケースの硬度より小さい。
【0018】
本願の第2の態様によれば、
複数の上記実施例の電池セルと、
複数の電池セルの電気的な接続を実現するためのバスバーと、
複数の電池セル及びバスバーを収容するための筐体と、を含む電池を提供する。
【0019】
本願の第3の態様によれば、上記実施例の前記電池を含む電力消費装置を提供する。
【0020】
本願の第4の態様によれば、電池セルの製造方法を提供し、該方法は、
中空形状であり、且つ開口を有するケースを供給することと、
端部カバー及び絶縁部材を含む端部カバー組立体を供給することと、
端部カバーの少なくとも一部をケース内に挿入し、端部カバーはケースの開口を接続し、端部カバーのケース内に挿入された部分は端面及び第1の側面を有し、端面は端部カバーの挿入方向と実質的に垂直であり、第1の側面は端面の周辺に沿って分布し、且つケースの内壁面と対向し、内壁面は端部カバーの挿入方向と実質的に平行であり、端面は第1の側面と交差し且つ第1のエッジを形成することと、
絶縁部材を端面に接続し、絶縁部材は第1の方向に沿って内壁面へ延びて第1のエッジを超えており、第1の方向は、端部カバーの挿入方向と垂直であり、且つ内壁面に向かう方向であることと、を含む。
【0021】
本願の第5の態様によれば、供給モジュールと取付モジュールとを含む電池セルの製造装置を提供し、
供給モジュールは、中空形状であり、且つ開口を有するケースを供給し、端部カバー及び絶縁部材を含む端部カバー組立体を供給し、
取付モジュールは、端部カバーの少なくとも一部をケース内に挿入し、端部カバーはケースの開口を接続し、端部カバーのケース内に挿入された部分は端面及び第1の側面を有し、端面は端部カバーの挿入方向と実質的に垂直であり、第1の側面は端面の周辺に沿って分布し、且つケースの内壁面と対向し、内壁面は端部カバーの挿入方向と実質的に平行であり、端面は第1の側面と交差し且つ第1のエッジを形成し、
絶縁部材は、端面に接続され、絶縁部材は第1の方向に沿って内壁面へ延びて第1のエッジを超えており、第1の方向は端部カバーの挿入方向と垂直であり、且つ内壁面に向かう方向である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
ここで説明された図面は、本願のさらなる理解を提供し、本願の一部を構成する。本願の例示的な実施例及びその説明は本願を解釈し、本願を不当に限定するものではない。
図1】本願の車両のいくつかの実施例を示す模式図である。
図2】本願の電池のいくつかの実施例の構造を示す模式図である。
図3】本願の電池モジュールのいくつかの実施例の構造を示す模式図である。
図4】本願の電池セルのいくつかの実施例の構造を示す模式図である。
図5】本願の電池セルの他の実施例の分解図である。
図6】本願の電池セルのいくつかの実施例の断面図である。
図7図6に示すいくつかの実施例のA箇所の4種類の異なる構造の拡大模式図である。
図8図6に示すいくつかの実施例のA箇所の4種類の異なる構造の拡大模式図である。
図9図6に示すいくつかの実施例のA箇所の4種類の異なる構造の拡大模式図である。
図10図6に示すいくつかの実施例のA箇所の4種類の異なる構造の拡大模式図である。
図11】本願の電池セルを製造する方法のいくつかの実施例の概略フローチャートである。
図12】本願の電池セルを製造する装置のいくつかの実施例の概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本願の実施例の目的、技術案及び利点をより明確にするために、以下に本願の実施例における図面を参照しながら、本願の実施例における技術案を明確で、完全に説明する。明らかに、説明された実施例は本願の一部の実施例であり、全ての実施例ではない。本願における実施例に基づいて、当業者が創造的な労力を要さずに得る他の実施例は、いずれも本願の保護範囲に属する。
【0024】
別の定義がない限り、本明細書に使用される全ての技術及び科学用語は本願の技術分野に属する当業者が一般的に理解する意味と同じである。本明細書において、出願の明細書に使用される用語は具体的な実施例を説明するに過ぎず、本願を限定することを意図するものではない。本願の明細書及び特許請求の範囲と上記図面の説明における「含む」及び「備える」という用語とそれらの任意の変形は、排他的に含まれないことを意図する。本願の明細書及び特許請求の範囲又は上記図面における「第1」、「第2」等の用語は異なる対象を区別するためのものであり、特定の順序又は主従関係を説明するためのものではない。
【0025】
本明細書で言及された「実施例」は、実施例に基づき説明された特定の特徴、構造又は特性が本願の少なくとも一つの実施例に含まれることを意味する。明細書における各位置に該用語が記載されていることは、必ずしも同じ実施例を指すとは限らず、他の実施例と排他的で独立した又は候補的な実施例でもない。当業者であれば、本明細書に記載された実施例を他の実施例と組み合わせることができることを明示的且つ暗示的に理解することができる。
【0026】
本明細書における「及び/又は」という用語は、単に関連対象の関連関係を説明し、3種類の関係が存在することを示し、例えば、A及び/又はBは、Aが単独で存在することと、A及びBが共に存在することと、Bが単独で存在することとという三種類の状況を示す。また、本明細書における文字「/」は、一般的に、前後関連対象が「又は」の関係であることを示す。
【0027】
本願に現れた「複数」は、二つ以上(二つを含む)を指し、同様に、「複数組」は二組以上(二組を含む)を指し、「複数枚」は二枚以上(二枚を含む)を指す。
【0028】
本願の実施例に記載の電池セル及び電池は、いずれも電池を使用する様々な装置に適用され、例えば、携帯電話、携帯機器、ノートパソコン、電動スクーター、電気自動車、船舶、航空機、電動玩具及び電動ツール等であり、例えば、航空機は、飛行機、ロケット、スペースシャトル及び宇宙船等を含み、電動玩具は、固定式又は移動式の電動玩具、例えば、ゲーム機、電気自動車玩具、電動船舶玩具及び電動飛行機玩具等を含み、電動ツールは、金属切削電動ツール、研磨電動ツール、組立電動ツール及び鉄道用電動ツールを含み、例えば、電動ドリル、電動グラインダー、電動レンチ、電動ドライバ、電動ハンマ、衝撃電動ドリル、コンクリート振動器及び電気切削ツールがある。
【0029】
本願の実施例に記載の電池セル及び電池は、上記に記載の電力消費装置に適用するだけでなく、全ての電池を使用する装置に適用することができる。簡単に説明するために、下記実施例は、いずれも電気自動車を例として説明する。
【0030】
例えば、本願の一つの実施例の車両4000の構造を示す模式図である図1に示すように、前記車両4000は、エンジン駆動車、天然ガス自動車又は新エネルギー自動車であってもよく、新エネルギー自動車は、純電気自動車、ハイブリッド自動車又はレンジエクステンダー型自動車等であってもよい。前記車両4000の内部に電池1000、コントローラ2000及びモータ3000を設置することができ、コントローラ2000は、電池1000がモータ3000に電力を供給するように制御する。例えば、前記車両4000の底部又は車の先端部分又は車のテールに電池1000を設置することができる。電池1000は、車両4000に電力を供給することができ、例えば、電池1000は、車両4000の操作電源として、車両4000の回路システムに用いることができる。例えば、車両4000の起動、ナビゲーション及び運転時の動作電力消費需要に用いることができる。本願の別の実施例において、電池1000は、車両4000の操作電源とすることができるだけでなく、車両4000の駆動電源とすることができ、燃料油又は天然ガスを代替するか又は部分的に代替して車両4000に駆動力を供給する。
【0031】
異なる電力消費需要を満たすために、電池は複数の電池セルを含むことができ、ここで、複数の電池セルの間は、直列接続又は並列接続又は直並列接続であってもよく、直並列接続は、直列接続と並列接続との混合を指す。必要に応じて、まず、複数の電池セルを直列接続するか又は並列接続するか又は直並列接続して電池モジュールを構成し、さらに複数の電池モジュールを直列接続するか又は並列接続するか又は直並列接続して電池を構成する。即ち、複数の電池セルは、電池をそのまま構成してもよく、まず、電池モジュールを構成し、さらに電池モジュールにより電池を構成してもよい。
【0032】
本願の別の実施例において、本願の一つの実施例の電池1000の構造を示す模式図である図2に示すように、電池1000は、一つ又は複数の電池モジュール100を含む。例えば、電池1000は、複数の電池モジュール100を含み、複数の電池モジュール100は直列接続又は並列接続又は直並列接続することができ、前記直並列接続は、直列接続と並列接続との混合を指す。電池1000は、さらに筐体(又はカバーと呼ばれる)を含むことができ、筐体内部は、中空構造であり、複数の電池モジュール100は筐体内に収容される。図2に示すように、筐体は、二つの部分を含み、ここでそれぞれ第1の部分200と第2の部分300と呼ばれ、第1の部分200と第2の部分300とが係合される。第1の部分200及び第2の部分300の形状は、複数の電池モジュール100の組み合わせの形状に基づいて決定することができ、第1の部分200及び第2の部分300はいずれも一つの開口を有することができる。例えば、第1の部分200と第2の部分300はいずれも中空直方体であり且つそれぞれ一つの面のみが開口面であり、第1の部分200の開口と第2の部分300の開口とは対向して設置され、且つ第1の部分200と第2の部分300とは互いに係合されて密閉キャビティを有する筐体が形成される。複数の電池モジュール100は互いに並列接続又は直列接続又は直並列接続して組み合わせた後に、第1の部分200と第2の部分300とを係合し後に形成した筐体内に配置される。
【0033】
必要に応じて、電池1000は、他の構造をさらに含むことができ、ここでは説明を省略する。例えば、該電池1000は、バスバーをさらに含むことができ、バスバーは、複数の電池セルの間の電気的接続、例えば並列接続又は直列接続又は直並列接続を実現することができる。具体的には、バスバーは、電池セルの電極端子を接続することにより電池セルの間の電気的接続を実現することができる。さらに、バスバーは、溶接により電池セルの電極端子に固定することができる。複数の電池セルの電気エネルギーはさらに導電機構により筐体を貫通して引き出すことができる。必要に応じて、導電機構はバスバーに属してもよい。
【0034】
異なる電力需要に応じて、電池モジュール100は、一つ又は複数の電池セルを含むことができ、図3に示すように、電池モジュール100は、複数の電池セルを含み、複数の電池セルは並列接続又は直列接続又は直並列接続により接続されて大きな容量又は電力を実現することができる。例えば、電池セルは、リチウムイオン含有二次電池、リチウムイオン一次電池、リチウム硫黄電池、ナトリウムリチウムイオン電池又はマグネシウムイオン電池を含むが、これに限定されない。
【0035】
本願の別の実施例において、電池セルは、円柱体、扁平体、四角形又は他の形状等を呈することができる。例えば、図4に示すように、電池セルは四角形構造であり、さらに例えば、図5に示すように、電池セルは、円柱体構造である。図5及び図6に示すように、電池セルが上記いずれの構造であっても、いずれも端部カバー組立体、ケース11及び電極組立体16を含み、ケース11は中空構造であり、且つ開口を有し、端部カバー組立体は、ケース11の開口に接続される。必要に応じて、端部カバー組立体の数はケース開口の数に等しく、例えば、端部カバー組立体の数とケース開口の数とはいずれも一つ又は二つである。
【0036】
電極組立体16は、ケース11内に収容され、電極組立体16は、正極シート、負極シート及び正極シートと負極シートとの間に位置するセパレータを共に積層するか又は巻回することにより形成することができ、ここで、セパレータは正極シートと正極シートとの間に介在する絶縁体である。正極シート及び負極シートは、いずれも塗布領域及び未塗布領域を含み、正極シート活性物質が正極シートの塗布領域に塗布され、負極シート活性物質が負極シートの塗布領域に塗布され、未塗布領域に活性物質が塗布されない。巻回するか又は積み重ねた後、正極シートの未塗布領域に正極タブを形成し、負極シートの未塗布領域に負極タブを形成し、正極シートの塗布領域及び負極シートの塗布領域に本体部161を形成する。正極シートの未塗布領域は積層して正極タブ162aを形成し、負極シートの未塗布領域は積層して負極タブ(図示せず)を形成し、ここで、本体部161は、巻回軸に平行な方向に沿って対向して設置された二つの端面を有し、正極タブ162a及び負極タブは二つの端面からそれぞれ延在してもよいし、そのうちの一つの端面から延在してもよい。
【0037】
端部カバー組立体は、端部カバー12、電極端子13及び集電部材15を含み、集電部材15は、電極組立体16と端部カバー12との間に位置し、且つ電極組立体16と電極端子13とを電気的に接続している。
【0038】
電極端子13は、二つであり、二つの電極端子13は、それぞれ正極電極端子と負極電極端子であり、電極端子13はそれぞれ二つの端部カバー12の平面に位置し、各電極端子13に一つの集電部材15が対応して設置され、各電極組立体16は正極タブ161と負極タブを有し、正極タブ161は一つの集電部材15により正極電極端子に接続され、負極タブ162は別の集電部材15により負極電極端子に接続されている。
【0039】
図6に示すように、本願の別の実施例の電池セルの巻回軸線Kに平行な断面での構造を示す模式図であり、図7は、図6のA箇所での構造の拡大図であり、電池セル10は端部カバー組立体及びケース11を含む。ケース11は、中空形状であり、且つ開口を有する。端部カバー組立体は、端部カバー12及び絶縁部材14を含み、端部カバー12の周辺はケース11の開口部のサイドフレームと結合することにより端部カバー12とケース11との係合を実現する。前記端部カバー12の少なくとも一部はケース11内に挿入され、且つ端部カバー12のケース11内に挿入された部分は端面121及び第1の側面122を有する。端面121は端部カバー12の挿入方向と実質的に垂直であり、第1の側面122は端面121の周辺に沿って分布し、且つケース11の内壁面111と対向している。ここで、内壁面111は端部カバー12の挿入方向と実質的に平行であり、端面121は第1の側面122と交差し且つ第1のエッジ1212aを形成している。絶縁部材14は端面121に接続され、絶縁部材14は第1の方向に沿って内壁面111へ延びて第1のエッジ1212aを超えている。ここで、第1の方向は端部カバー12の挿入方向と垂直であり且つ内壁面111に向かう方向である。
【0040】
電池セルは、四角形構造であってもよく、円柱体構造であってもよい。電池セルが四角形構造である場合、ケース11は中空の略直方体構造であり、且つ少なくとも一端に長四角形の開口を有し、この場合に内壁面111の投影も長四角形構造であり、端部カバー12は長四角形の開口に適合する板状構造である。電池セルが円柱体構造である場合、ケース11は中空の円柱体構造であり、且つ少なくとも一端に円形の開口を有する。この場合に、内壁面111の投影も円形構造であり、端部カバー12は円形の開口に適合する円形板状構造である。いずれの構造であっても、第1の方向はいずれも端部カバー12の挿入方向と垂直であり、且つ内壁面111に向かう方向である。
【0041】
ケース11と端部カバー12はいずれも金属材質であり、例えば、両者はいずれもアルミニウム又はアルミニウム合金材質である。端部カバー12は、ケース11の開口を接続し、端部カバー12とケース11の開口との接続方式は様々であり、例えば、溶接、カシメ及びねじ接続などである。ここで、前記の接続方式は、端部カバー12とケース11がこの接続方式で固定することができることを言い、即ち、本実施例の前記電池セルのケース11と端部カバー12が既に接続状態にある可能性があり、分離状態にある可能性もある。
【0042】
端部カバー12は、少なくとも一部がケース11内に挿入され、必要に応じて、端部カバー12がケース11内に挿入される場合、端部カバー12の全体はケース内に位置することができ、この場合に端部カバー12の上面はケース11の開口端面を超えない。必要に応じて、端部カバー12は一部がケース内に位置することもでき、この場合に他の部分がケース11の開口端面にオーバーラップする必要がある。
【0043】
端面121は端部カバー12の挿入方向と、実質的に垂直であり、ここでの前記「実質的に垂直」は厳密な意味での垂直ではない。例えば、端面121と端部カバー12の挿入方向とに一定の角度、例えば30度より小さい角度が存在する可能性がある。
【0044】
端面121は、一つの平面であってもよく、二つ以上の接続された平面であってもよい。同様に、第1の側面122は、一つの環状平面又は二つ以上の接続された環状平面であってもよく、ここで、環状平面の端部カバー12の挿入方向の垂直方向に沿った投影は円形又は四角形である。例えば、端面121は、一つの平面であり、第1の側面122は二つの交差する平面である。さらに例えば、端面121は一つの平面であり、第1の側面122は一つの平面である。さらに例えば、端面121は二つの交差する平面であり、第1の側面122は二つの交差する平面であり、ここで、前記「平面」は表面がほぼ滑らかな表面を指す。第1のエッジの端部カバー12の挿入方向の垂直方向に沿った投影が折曲線である。
【0045】
絶縁部材14は、端面121に接続され、絶縁部材14と端面121との接続方式は様々であり、例えば、溶接、カシメ及びねじ接続などである。
【0046】
絶縁部材14は、第1の方向に沿って内壁面111へ延びて第1のエッジ1212aを超え、即ち、絶縁部材14の少なくとも一部は、第1のエッジ1212aと内壁面111との間に位置している。ここでの前記「~と~との間」は、必ずしも絶縁部材14、第1のエッジ1212a及び内壁面111が同一平面内に位置する必要がない。例えば、絶縁部材14は前記端部カバーの挿入方向に垂直な平面に第1の投影を有し、第1のエッジ1212aは前記端部カバーの挿入方向に垂直な該平面に第2の投影を有し、内壁面111は前記端部カバーの挿入方向に垂直な該平面に第3の投影を有し、第1の投影の少なくとも一部は第2の投影と第3の投影との間に位置している。
【0047】
端部カバー組立体とケース11との組立過程において、端部カバー12とケース11との相互係合を容易にするために、一般的に端部カバー12とケース11の組立隙間の余裕を小さく設定し、それにより両者の接続強度を保証することができる。端部カバー12とケース11がいずれも金属材質である場合、端部カバー12がケース11に挿入される過程において、組立隙間の余裕が小さいため、第1のエッジ1212aが内壁面111を擦ることを引き起こす可能性があり、それにより金属糸を発生し、金属糸がケース内部に落ち込み、正極シートと負極シートとがオーバーラップされて短絡が発生することを引き起こしやすい。以上の問題に鑑み、本願の上記実施例において、第1の方向に沿って、絶縁部材14を、第1の方向に沿って内壁面111へ延びて第1のエッジ1212aを超えるように設置し、つまり、絶縁部材14は前記端部カバーの挿入方向の垂直方向に沿って第1のエッジ1212aと内壁面111との間に延在することにより、端部カバー12がケース11に挿入される過程において、絶縁部材14の第1のエッジ1212aと内壁面111との間に位置する部分は第1のエッジ1212aより内壁面111に近い。したがって、絶縁部材14の第1のエッジ1212aと内壁面111に位置する部分は内壁面111に接触しやすく、ある程度で、第1のエッジ1212aとケース11との接触により発生された金属糸を減少させることができ、電池セル10の安全性能を向上させることができる。
【0048】
本願の別の実施例において、ケース11は、金属材質であり、絶縁部材14の硬度はケース11の硬度より小さい。例えば、ケース11の材質は、銅、アルミニウム等であってもよく、例えば絶縁部材14の材料は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート等であってもよい。端部カバー12とケース11との組立過程において、絶縁部材14の硬度がケース11の硬度よりも小さいため、絶縁部材14はケース11の内壁面111を擦っても、金属糸が発生せず、電池セルの安全性能に影響を与えない。
【0049】
本願の別の実施例において、図7に示すように、絶縁部材14は、第2の側面141を含み、第2の側面141は内壁面111に対向して設置され、第2の側面141の少なくとも一部は第1のエッジ1212aと内壁面111との間に位置している。ここで前記「~と~との間」は、必ずしも第2の側面141、第1のエッジ1212a及び内壁面111が同一平面内に位置する必要がない。端部カバー12の挿入方向に垂直な平面において、第2の側面141の投影の少なくとも一部が第1のエッジ1212aの投影と内壁面111の投影との間に位置してもよい。
【0050】
ここで、「対向して設置される」は、厳密に平行ではなく、例えば第2の側面141は内壁面111と夾角を有することができる。第2の側面141は、絶縁部材14の周囲を取り囲み、第2の側面141は一つの環状平面であってもよく、二つ以上の接続された環状平面であってもよく、ここで前記「環状平面」は内壁面111と平行であってもよく、内壁面111に対して傾斜して設置されてもよい。ここで、前記「平面」は表面が実質的に平行な表面を指し、環状平面の端部カバー12の挿入方向の垂直方向に沿った投影は円形又は四角形である。
【0051】
本願の別の実施例において、図7に示すように、第2の側面141は内壁面111と実質的に平行であり、第1の方向に沿って、第2の側面141は第1のエッジ1212aと内壁面111との間に位置している。即ち、第2の側面141全体は第1のエッジ1212aと内壁面111との間に位置している。端部カバー組立体とケース11との組立過程において、絶縁部材14の第2の側面141は内壁面111と接触し、絶縁部材14の僅かな変形を引き起こす可能性があり、第2の側面141と内壁面111が実質的に平行であり、且つ第2の側面141が第1のエッジ1212aと内壁面111との間に位置するように設置されることにより、絶縁部材14の体積を増加させることができ、絶縁部材14が内壁面111と接触する時に変形が発生しないようになる。
【0052】
本願の別の実施例において、図8に示すとおりである。第1の側面122は、第1の表面122a及び第2の表面122bを含み、第1の表面122aは内壁面111と実質的に平行であり、第2の表面122bは、前記第1の表面122aと端面121とを接続し、且つ第1の表面122aに対して内壁面111から離れる方向に傾斜して面取り面を形成している。面取り面は、第2の表面122bが第1の表面122aに対して内壁面111から離れる方向に傾斜して形成されている。ここで、本明細書の面取り面は平面面取り面であってもよく、曲面面取り面であってもよい。
【0053】
第1の表面122aは、内壁面111と実質的に平行であるので、第1の表面122aと内壁面111との間の隙間の各箇所の寸法がいずれも等しくなり、端部カバー12がケース内部に挿入される時、第1の表面122aと内壁面111とが溶接により固定され、第1の表面122aと内壁面111が実質的に平行であるように設置されることにより、両者の間の各箇所の溶接信頼性を一致させることができる。
【0054】
第2の表面122bは、第1の表面122aに対して内壁面111から離れる方向に傾斜して面取り面を形成し、それにより第2の表面122bと内壁面111との間の隙間の各箇所の寸法が端部カバー12の挿入方向に沿ってますます大きくなり、端部カバー12がケース11の内部により容易に挿入される。
【0055】
上記実施例において、第2の表面122bは端面121と交差し、且つ第1のエッジ1212aを形成し、第2の表面122bは第1の表面122aと交差し、且つ第2のエッジ1212bを形成し、第2のエッジ1212bは第1のエッジ1212aと内壁面111との間に位置している。即ち、第1の方向に沿って、第2のエッジ1212bは第1のエッジ1212aよりも内壁面111に近い。
【0056】
必要に応じて、第2の側面141は第2のエッジ1212bと内壁面111との間に位置し、即ち、端部カバー12の挿入方向に垂直な平面において、絶縁部材14の投影の少なくとも一部は第2のエッジ1212bの投影と内壁面111の投影との間に位置している。端部カバー12のケース内部に挿入される過程において、絶縁部材14の第2の側面141は第1のエッジ1212aと第2のエッジ1212bが内壁面111を擦ることを同時に防止することができ、それにより金属糸の生成を回避することができる。
【0057】
必要に応じて、第2の側面141は、第1のエッジ1212aと第2のエッジ1212bとの間に位置し、即ち、端部カバー12の挿入方向に垂直な平面において、絶縁部材14の投影の少なくとも一部は第1のエッジ1212aの投影と第2のエッジ1212bの投影との間に位置している。第2の側面141が第1のエッジ1212aと第2のエッジ1212bとの間に位置するように設置されることにより、ある程度で第1のエッジ1212aが内壁面111を擦ることを防止することができるだけでなく、第2の側面141と内壁面111との隙間寸法が十分に大きいことを保証することができ、それにより絶縁部材14をケース内部に挿入しやすい。
【0058】
本願の別の実施例において、図9に示すように、絶縁部材14は、第3の側面142を含み、第3の側面142は第2の側面141の端面121から離れた端部に接続され、且つ第2の側面141に対して内壁面111から離れる方向に傾斜して、面取り面を形成している。即ち、第3の側面142と内壁面111との隙間寸法は端部カバー12の挿入方向に沿って徐々に増大することにより、絶縁部材14はケース11の内部に挿入しやすい。
【0059】
本願の別の実施例において、図10に示すように、絶縁部材14は互いに接続された固定部14a及び側部14bを含み、固定部14aは、端面121を接続する。側部14bは、固定部14aの端面121から離れた側に位置し、且つ固定部14aの周辺に沿って分布し、第2の側面141は、側部14bの内壁面111に対向する表面に位置している。
【0060】
必要に応じて、図10に示すように、絶縁部材14は、第1の凹部14cを有し、第1の凹部14cの開口は、ケース11の内部に向き、側部14bは第1の凹部14cの側壁を構成し、固定部14aは第1の凹部14cの底壁を構成する。第1の凹部14cを設置することにより、他の機械部品(例えば集電部材)を第1の凹部14c内に収容することができる。それにより、他の機械部品の占用する空間を減少させ、エネルギー密度を向上させることができる。
【0061】
必要に応じて、図10に示すように、端部カバー12とケース11がレーザ溶接により固定される場合、側部14bと固定部14aとの接続箇所に第2の凹部14dがあり、端部カバー12の挿入方向の垂直方向に沿って、第2の凹部14dは、第2の側面141に対して内壁面111から離れる方向に凹んで設置され、且つ第2の凹部14dの開口は内壁面111に向かっている。端部カバー12がケース11に挿入された後、端部カバー12は一般的にレーザ溶接の方式でケース11に固定されている。さらに、端部カバー12とケース11との組み立てを容易にするために、一般的に第1の表面122aとケース11の内壁面111との間に隙間が設置され、該隙間にレーザ漏れのリスクが存在する可能性があり、それにより絶縁部材14と該隙間との対向する部位が溶融し、溶融して生成されたガスにより端部カバー12とケース11との間の溶接信頼性が悪くなる可能性がある。本実施例において、側部14bと固定部14aとの接続箇所に第2の凹部14dを設置することにより、絶縁部材14の実体部分と溶接箇所との距離が増大し、ある程度でガスの生成を減少させ、それにより溶接の強度を保証することができる。必要に応じて、第2の凹部14dは、絶縁部材14の周側を取り囲む環状に形成されていてもよい。
【0062】
必要に応じて、図10に示すように、端部カバー12の挿入方向の垂直方向に沿って、第2の凹部14dの底壁は第1のエッジ1212aの内壁面11から離れた側に位置している。即ち、絶縁部材の強度を保証する前提で、絶縁部材14のより多くの部位をレーザの損傷から保護することができ、それにより溶接の強度を保証することができる。
【0063】
本願の別の実施例において、図10に示すように、端部カバー12は挿入部12a及び接続部12bを有する。挿入部12aはケース11内に位置し、第1の側面122は挿入部12aに位置している。端部カバー12の挿入方向の垂直方向に沿って、接続部12bの挿入部12aを超える部分はケース11の開口の端面を接続するためのものである。
【0064】
以上は本願の実施例の電池セル、電池及び電力消費装置を説明し、以下に本願の実施例の電池セルを製造する方法及び装置を説明する。ここで詳細に説明しない部分は、上記した各実施例を参照することができる。
【0065】
図11は、本願の一つの実施例の電池セルの製造方法30の概略的なフローチャートを示す。図11に示すように、該方法30は以下を含むことができる。
【0066】
31では、中空形状であり、且つ開口を有するケースを供給する。
【0067】
32では、端部カバー及び絶縁部材を含む端部カバー組立体を供給する。
【0068】
33では、端部カバーの少なくとも一部をケース内に挿入し、端部カバーはケースの開口を接続し、且つ端部カバーのケース内に挿入された部分は端面及び第1の側面を有し、端面は端部カバーの挿入方向と実質的に垂直であり、第1の側面は端面の周辺に沿って分布し、且つケースの内壁面と対向し、ここで、内壁面は端部カバーの挿入方向と実質的に平行であり、端面は第1の側面と交差し且つ第1のエッジを形成する。
【0069】
絶縁部材を端面に接続し、絶縁部材は第1の方向に沿って内壁面へ延びて第1のエッジを超えており、ここで、第1の方向は、端部カバーの挿入方向に垂直で、且つ内壁面に向かう方向である。
【0070】
図12は、本願の一つの実施例の電池セルを製造する装置40の概略ブロック図を示す。図13に示すように、電池を製造する装置40は、供給モジュール41と取付モジュール42とを含むことができる。
【0071】
供給モジュール41は、中空形状であり、且つ開口を有するケースを供給し、且つ端部カバー及び絶縁部材を含む端部カバー組立体を供給する。
【0072】
取付モジュール42は、端部カバーの少なくとも一部をケース内に挿入し、端部カバーはケースの開口を接続し、且つ端部カバーのケース内に挿入された部分は、端面及び第1の側面を有し、端面は端部カバーの挿入方向と実質的に垂直であり、第1の側面は端面の周辺に沿って分布し、且つケースの内壁面と対向し、ここで、内壁面は端部カバーの挿入方向と実質的に平行であり、端面は第1の側面と交差し且つ第1のエッジを形成する。
【0073】
絶縁部材は端面に接続され、絶縁部材は第1の方向に沿って内壁面へ延びて第1のエッジを超え、ここで、第1の方向は端部カバーの挿入方向に垂直であり、且つ内壁面に向かう方向である。
【0074】
以上の実施例は、本願の技術案を説明するためのものに過ぎず、それを限定するものではない。上記した実施例を参照して本願を詳細に説明したが、当業者であれば、上記した各実施例に記載の技術案について依然として修正するか、又はそのうちの一部の技術的特徴を同等置換することができる。これらの修正又は置換は、対応する技術案の本質を本願の各実施例の技術案の精神及び範囲から逸脱させるものではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12