(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-02
(45)【発行日】2024-02-13
(54)【発明の名称】車両充電システムのための誘導充電装置
(51)【国際特許分類】
H01F 38/14 20060101AFI20240205BHJP
H02J 50/10 20160101ALI20240205BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20240205BHJP
B60M 7/00 20060101ALI20240205BHJP
B60L 53/12 20190101ALI20240205BHJP
B60L 5/00 20060101ALI20240205BHJP
【FI】
H01F38/14
H02J50/10
H02J7/00 P
H02J7/00 301D
B60M7/00 X
B60L53/12
B60L5/00 B
(21)【出願番号】P 2022548138
(86)(22)【出願日】2021-02-10
(86)【国際出願番号】 EP2021053167
(87)【国際公開番号】W WO2021160653
(87)【国際公開日】2021-08-19
【審査請求日】2022-10-05
(31)【優先権主張番号】102020201821.9
(32)【優先日】2020-02-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】506292974
【氏名又は名称】マーレ インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】MAHLE International GmbH
【住所又は居所原語表記】Pragstrasse 26-46, D-70376 Stuttgart, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベティヒハイマー マイク
(72)【発明者】
【氏名】フックス トビアス
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー レムレ
(72)【発明者】
【氏名】レムレ ティーモ
(72)【発明者】
【氏名】ホルガー シュロート
【審査官】石坂 博明
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-165096(JP,A)
【文献】特開2015-050261(JP,A)
【文献】国際公開第2017/179562(WO,A1)
【文献】特開2019-009298(JP,A)
【文献】特開2015-088668(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 38/14
H02J 50/10
H02J 7/00
B60M 7/00
B60L 53/12
B60L 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両充電システム(2)用の誘導充電装置(1)であって、
交流磁界を発生させるか又は受ける少なくとも1つのコイル(3)と、
互いに離間した少なくとも2つの磁束誘導要素(4)とを備え、
互いに離間した前記2つの磁束誘導要素(4)の間には、少なくとも1つの隙間(5)が形成され、
前記隙間(5)内に、充填部品(6)が少なくとも部分的に配置され、
前記充填部品(6)は少なくとも部分的に磁気の伝導性を
有し、
前記充填部品(6)は、いくつかの層(8)を有し、
前記充填部品(6)の少なくとも1つの層(8)が、磁気伝導層(8a)を形成し、かつ前記充填部品(6)の少なくとも1つの層(8)が、磁気的に中性の層(8b、8c)を形成し、
各隙間(5)はそれぞれ、隙間高さ(21)、隙間幅(22)及び隙間長さ(25)を有し、
少なくとも1つの隙間(5)に配置された前記充填部品(6)は、前記隙間高さ(21)及び/又は前記隙間長さ(25)に関して異なる層(8a、8b)から形成され、
前記充填部品(6)の磁気伝導層(8a)は磁束誘導粒子(7)を有し、
前記磁束誘導粒子(7)の少なくとも一部が、充填物、緩い充填物又は圧縮された充填物として、前記隙間(5)に導入され、
充填物は、前記隙間(5)内に一体の位置固定部とともに配置され、
前記一体の位置固定部は、隙間を形成する前記磁束誘導要素(4)と材料的に接合された状態で少なくとも部分的に接続され、
充填物は、多孔質固体層を形成し、
前記多孔質固体層は、相互に材料的に接合される接続、及び隙間を形成する前記磁束誘導要素(4)と少なくとも部分的に材料的に接合される接続のための表面コーティングを有する磁束誘導粒子(7)によって形成されることを特徴とする誘導充電装置。
【請求項2】
車両充電システム(2)用の誘導充電装置(1)
であって、
交流磁界を発生させるか又は受ける少なくとも1つのコイル(3)と、
互いに離間した少なくとも2つの磁束誘導要素(4)とを備え、
互いに離間した前記2つの磁束誘導要素(4)の間には、少なくとも1つの隙間(5)が形成され、
前記隙間(5)内に、充填部品(6)が少なくとも部分的に配置され、
前記充填部品(6)は少なくとも部分的に磁気の伝導性を有し、
前記充填部品(6)は、いくつかの層(8)を有し、
前記充填部品(6)の少なくとも1つの層(8)が、磁気伝導層(8a)を形成し、かつ前記充填部品(6)の少なくとも1つの層(8)が、磁気的に中性の層(8b、8c)を形成し、
各隙間(5)はそれぞれ、隙間高さ(21)、隙間幅(22)及び隙間長さ(25)を有し、
少なくとも1つの隙間(5)に配置された前記充填部品(6)は、前記隙間高さ(21)及び/又は前記隙間長さ(25)に関して異なる層(8a、8b)から形成され、
前記充填部品(6)
の磁気伝導層(8a)は磁束誘導粒子(7)を
有し、
前
記充填部品(6)の磁気伝導層(8a)は、磁束誘導粒子(7)を埋め込むための少なくとも1つの埋め込みマトリクスを有し、
磁束誘導粒子(7)を埋め込んだ前記埋め込みマトリクスが、箔要素を形成し、
少なくとも1つのそのような箔要素が、前記隙間(5)に導入されることを特徴とする誘導充電装置。
【請求項3】
請求項
1に記載の誘導充電装置(1)において、
位置固定部が、前記充填
物の前記磁束誘導粒子(7)の全体を包むための、ケーシング本
体を有し、
前記ケーシング本
体は、前記充填
物の前記磁束誘導粒子(7)とともにパッケージを形成することを特徴とする誘導充電装置。
【請求項4】
請求項1
~3のいずれか1項に記載の誘導充電装置(1)において、
前記充填部品(6)の少なくとも1つの磁気伝導層(8a)が、前記充填部品(6)の2つの磁気的に中性の層(8b、8c)の間に配置されること、及び/又は
前記充填部品(6)の磁気伝導層(8a)は、前記充填部品(6)の少なくとも1つの磁気的に中性の層(8b、8c)に接触するように配置されることを特徴とする誘導充電装置。
【請求項5】
請求項1
~4のいずれか1項に記載の誘導充電装置(1)において、
前記充填部品(6)の少なくとも1つの磁気的に中性の層(8b、8c)が、空気層であること、及び/又は
前記充填部品(6)の少なくとも1つの磁気的に中性の層(8b、8c)が、磁気的に中性の固体層によってでき、及び/又は
前記充填部品(6)の少なくとも1つの磁気的に中性の固体層が、磁気的に中性の外層(9)を形成し、これは部分的に隙間(5)内に形成され、かつ部分的に隙間(5)外に形成されることを特徴とする誘導充電装置。
【請求項6】
請求項1
~5のいずれか1項に記載の誘導充電装置(1)において、
互いに離間した少なくとも2つの隙間(5a、5b)が形成され、その中に、少なくとも1つの磁気的に中性の層(8b、8b’)を有する充填部品(6a、6b)がそれぞれ配置され、前記磁気的に中性の層(8b、8b’)は、互いに接続されていることを特徴とする誘導充電装置。
【請求項7】
請求項1
~6のいずれか1項に記載の誘導充電装置(1)において、
前記充填部品(6)の少なくとも1つの層(8)が、磁束誘導粒子(7)を有すること、及び/又は
前記充填部品(6)の少なくとも1つの層(8)が、磁束誘導粒子(7)を有し、この層(10)内で、前記磁束誘導粒子(7)の濃度が空間的に変化すること、及び/又は
前記充填部品(6)の少なくとも2つの層(8)がそれぞれ磁束誘導粒子(7)を有し、前記磁束誘導粒子(7)の濃度は、前記2つの層(10)において異なることを特徴とする誘導充電装置。
【請求項8】
請求項
5~7のいずれか1項に記載の誘導充電装置(1)において、
充填部品(6)の、少なくとも1つの磁気的に中性の固体
層は、磁気的に中性のキャスティングコンパウンドによって形成されること、及び/又は
磁気的に中性の外層(9)が、前記誘導充電装置(1)の構成要素を遠ざけるため、及び/又は接続するため、及び/又は固定するため、及び/又は位置決めするために形成されること、及び/又は
互いに離間した前記磁束誘導要素(4)は、前記隙間(5)内の前記充填部品(6)と共に、1ピースで取り付けることができるアセンブリを形成することを特徴とする誘導充電装置。
【請求項9】
請求項1
~8のいずれか1項に記載の誘導充電装置(1)において、
前記誘導充電装置(1)は、互いに離間した2つ以上の磁束誘導要素(4)を有し、
互いに離間した前記磁束誘導要素(4)の間には、いくつかの隙間(5)が形成され、
前記隙間(5)の一部のみにそれぞれ、充填部品(6)が少なくとも部分的に配置されていることを特徴とする誘導充電装置。
【請求項10】
請求項1
~9のいずれか1項に記載の誘導充電装置(1)の磁束誘導要素(4)の配置であって、
互いに離間した少なくとも2つの磁束誘導要素(4)を備え、
少なくとも1つの隙間(5)が、互いに離間した前記2つの磁束誘導要素(4)の間に形成され、
前記隙間(5)は、いくつかの層(8)を有する充填部品(6)によって部分的に又は全体的に充填され、
互いに離間した前記磁束誘導要素(4)は、前記隙間(5)内の前記充填部品(6)と共に、1ピースで取り付けることができるアセンブリを形成する磁束誘導要素の配置。
【請求項11】
車両充電システム(2)であって、
請求項1
~9のいずれか1項に記載の誘導充電装置(1)によって少なくとも部分的に形成された動かない誘導充電ステーション(12)及び/又は
請求項1
~9のいずれか1項に記載の誘導充電装置(1)によって少なくとも部分的に形成され、車両(13)に取り付けることができる移動式誘導充電装置(14)を備えた車両充電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両充電システム用の誘導充電装置及びこのタイプの誘導充電装置の製造方法に関する。本発明はさらに、このタイプの誘導充電装置を有する車両充電システム、及びこのタイプの誘導充電装置のための磁束誘導要素の組立に関する。
【背景技術】
【0002】
エンドユーザを伴う電気駆動車両の受け入れを増加させるために、動かないエネルギー源と車両のトラクションバッテリユニットとの間のエネルギー伝達が、非接触又はそれぞれ無線方式で行われると有利であり得る。無線エネルギー伝送は例えば、充電ケーブルを運ぶ必要もそれぞれ挿入する必要もないので、エンドユーザにとって有利である。加えて、動かない誘導充電ステーションは地中領域に部分的に埋設させることができ、その結果、都市景観又は景観へのより良好な統合が可能になる。
【0003】
独国特許出願公開第102016115809号明細書は、無線充電に適しておらず、特に車両充電システムにおける誘導エネルギー伝送に適していないInFOパッケージに関する。
【0004】
中国特許出願公開第108511153号明細書は、フレキシブルプリント回路(FPC)法で製造される家電用の小型充電コイルに関する。これらの充電コイルは、車両充電システムにおける誘導エネルギー伝送には適していない。
【0005】
米国特許出願公開第2017/0121840号明細書は、家電用の隠蔽されたコンポーネントを有する構造体を製造するための方法に関し、車両充電システムにおける誘導エネルギー伝送には適していない。
【0006】
米国特許出願公開第2015/321566号明細書及び独国特許出願公開第102012103315号明細書は、電気自動車のための誘導エネルギー伝送のための装置に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】独国特許出願公開第102016115809号明細書
【文献】中国特許出願公開第108511153号明細書
【文献】米国特許出願公開第2017/0121840号明細書
【文献】米国特許出願公開第2015/321566号明細書
【文献】独国特許出願公開第102012103315号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
誘導充電装置は、無線エネルギー伝送中の伝送損失の低減を可能にするために、磁束を誘導するための磁束誘導要素を備える。隣接する端面上の磁束誘導要素のカスタムフィット嵌合は、全ての隣接する端面の面倒で高価な面研削を必要とする。一方、磁束誘導要素のカスタムフィット嵌合を施すことは、磁束誘導要素間の隙間をもたらし、それは、低減された磁束密度を有する。
【0009】
本発明は一般的な誘導充電装置について、改良された、又は少なくとも別の実施形態を示すという課題に基づいており、特に、磁束誘導要素間の隙間における磁束の誘導に関して最適化されている。本発明は、さらに、誘導充電装置を製造するための、特に、より簡単でより経済的な製造を可能にする、改良された少なくとも代替的な方法を示すという課題に基づく。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この課題は、本発明によれば、独立請求項の主題によって解決される。有利な実施形態は、従属請求項の主題である。
【0011】
本発明は2つの離間した磁束誘導要素の間の隙間に充填部品を少なくとも部分的に配置するという一般的な考えに基づいており、この充填部品は、少なくとも部分的に磁気の伝導性(magnetisch leitend:透磁性)を有する。
【0012】
本発明に係る車両充電システムのための誘導充電装置は、交流磁界を発生又は受信するための少なくとも1つのコイルを備える。コイルは、スパイラルフラットコイル、特に円形又は矩形のスパイラルフラットコイルとして、又はダブルDコイルとして構成することができる。コイルは、実質的にコイル巻回軸の周りに巻回することができる。
【0013】
コイルは所定の送信電力での無線エネルギー送信を可能にするために、時系列的に変化する磁界を生成する一次コイルとして構成することができる。このために、一次コイルには、動かないエネルギー源を介して必要な電気エネルギーを供給することができる。二次コイルが一次コイルの時系列的に変化する磁界の有効範囲内に位置する場合、コイルは、交流電圧が誘導される二次コイルとして構成することができる。二次コイルが閉じた電気回路内に位置するとき、交流電圧は、例えばトラクションバッテリユニットを充電するために使用することができる電流(交流)を生成する。
【0014】
所定の送信電力が少なくとも10kWの最大送信電力を有するようにするという条件にされ得る。少なくとも10kWの最大送信電力は、必要な充電時間を最小限に抑えるために、特に車両のトラクションバッテリユニットを充電するために有利であり得る。所定の送信電力は、予め定義され、かつ/又はエンドユーザによって受け入れられる期間内で車両のトラクションバッテリユニットの充電を可能にする電力送信を可能にすることができる。
【0015】
誘導充電装置は、少なくとも部分的に動かない誘導充電ステーションを形成することができる。誘導充電装置は、少なくとも部分的に移動式誘導充電ステーションを形成することができる。
【0016】
誘導充電装置は、互いに離間した少なくとも2つの磁束誘導要素をさらに備え、互いに離間した2つの磁束誘導要素の間には、隙間が形成される。「隙間」は、微小ではない隙間として理解されるべきである。「隙間」は、最小隙間として理解することができる。
【0017】
離間した磁束誘導要素は、一次成形プロセスによってそれぞれ別々に形成及び/又は製造することができる。換言すれば、離間した磁束誘導要素は、一体的に又はそれぞれ一部分として製造される磁束誘導要素の分離によって形成されなくてもよい。
【0018】
磁束誘導要素は、空気と比較して高い透磁率を有し、フェリ磁性材料及び/又は強磁性材料から少なくとも部分的に形成することができる。磁束誘導要素は、板要素及び/又は焼結板要素として形成することができる。誘導充電装置は、いくつかの磁束誘導要素、特に、互いに離間したいくつかの磁束誘導要素を有することができる。全ての磁束誘導要素が互いに離間して配置され、隣接する磁束誘導要素間に少なくとも1つの隙間がそれぞれ形成されるという条件にされ得る。磁束誘導要素は、軟磁性材料から、特に軟磁性フェライトから形成することができる。磁束誘導要素は、フェライト体として、特にフェライトプレート又はフェライトタイルとして形成することができる。
【0019】
少なくとも1つの隙間は、隙間高さ及び隙間幅を有することができる。隙間高さは、コイル巻回軸に平行な方向に沿って形成することができる。隙間幅は、コイル巻回軸に対して横及び/又は垂直の方向に沿って形成することができる。隙間幅は、磁束誘導要素の隙間面と、隙間によって離間した、さらなる磁束誘導要素の隙間面との間の、コイル巻回軸に対して横及び/又は垂直の方向に沿う距離で成立し得る。磁束誘導要素の隙間面は、コイル巻回軸に平行に整列させることができる。隙間高さは、コイル巻回軸に対する磁束誘導要素の厚さに対応し得る。隙間高さは、コイルから離れる方に面する磁束誘導要素の横面と、コイル巻回軸に対する磁束誘導要素のコイルに面する横面との間の距離に対応することができる。コイルから離れる方に面する横面は、コイル巻回軸に対して横方向及び/又は垂直に整列させることができる。コイルに面する横面は、コイル巻回軸に対して横方向及び/又は垂直に整列させることができる。隙間及び/又は最小隙間の隙間幅は、1mm~2mmの範囲にあり得、維持されるべき製造努力又はそれぞれの製造公差と、隙間容積最小化との間のテンション比の最適条件を提供する。
【0020】
いくつかの又は全ての磁束誘導要素の、コイルから離れる方に面する横面は、コイルから離れる方に面する共有の面に実質的に位置、及び/又は整列し得る。いくつかの又は全ての磁束誘導要素の、コイルに面する横面は、コイルに面する共有の面に実質的に位置、及び/又は整列し得る。コイルから離れる方に面する共有の面と、コイルに面する共有の面とは、コイル巻回軸に対して互いに離間して配置することができる。コイルから離れる方に面する共有の面と、コイルに面する共有の面とは、互いに平行に整列させることができる。
【0021】
いくつかの又は全ての磁束誘導要素は、同一の厚さを有することができる。いくつかの又は全ての磁束誘導要素は、同様の方法で構成することができる。磁束誘導要素はコイル巻回軸の周りに円周方向に、及び/又はコイル巻回軸の全周に互いに間隔を置いて配置することができる。磁束誘導要素は、コイル巻回軸に関して互いに離間することができる。いくつかの又は全ての磁束誘導要素は、互いに別々に形成することができる。いくつかの又は全ての磁束誘導要素は、ハウジングに関して別個に、特に保護ハウジングに関して、又はシールドハウジングに関して、及び/又はコイルに関して別個に形成することができる。
【0022】
隙間には、充填部品が少なくとも部分的に配置され、充填部品は少なくとも部分的に磁気の伝導性を有する。隙間は、充填部品によって完全に充填することができる。充填部品は、全体的に磁気の伝導性を有してもよい。
【0023】
充填部品の一部分は、この部分が1.1より大きく、かつ/又は好ましくは少なくとも1.5、かつ/又は好ましくは少なくとも10である比透磁率を有するとき、ここ及び以下において、磁気の伝導性を有するとみなされる。
【0024】
充填部品の一部分は、この部分が0.9~1.1、特に1の範囲の比透磁率を有するとき、ここ及び以下において、磁気的に中性であるとみなされる。
【0025】
充填部品の少なくとも一部が、少なくとも50、特に少なくとも100の比透磁率を有するという条件にできる。
【0026】
エネルギー伝送に関して最適化された、適用可能であれば、複雑な磁束誘導が、2つの離間した磁束誘導要素の間の少なくとも1つの隙間内に充填部品を介して提供され得る。
【0027】
隙間をおいて隣接する磁束誘導要素間の各隙間が、このタイプの充填部品によって少なくとも部分的に又は完全に充填されるという条件にできる。充填部品の構成は、いくつかの隙間又はすべての隙間に対して実質的に同様に形成されるという条件にできる。
【0028】
本発明による解決策の有利なさらなる発展形態では、充填部品が磁束誘導粒子を有するという条件にできる。充填部品は、互いに別々に形成された複数の磁束誘導粒子を有してもよい。
【0029】
磁束誘導粒子は、少なくとも部分的に磁気の伝導性を有してもよい。磁束誘導粒子は、少なくとも50、特に少なくとも100の比透磁率を有することができる。磁束誘導粒子は、フェリ磁性材料及び/又は強磁性材料及び/又は軟磁性材料及び/又は軟磁性フェライトから少なくとも部分的に形成することができる。磁束誘導粒子は、隙間への導入前に、注入可能な、かつ/又は自由に流れる顆粒として、かつ/又はばらの顆粒として、かつ/又はばらの粉末として存在することができる。磁束誘導粒子は、例えば磁束誘導要素の厚さと比較して小さな寸法を有する微粒子として形成することができる。
【0030】
充填部品の磁気特性は、磁束誘導粒子の量及び/又数及び/又は位置によって、適合させることができる。
【0031】
磁束誘導粒子は、それぞれ球状の形状を有することができる。ここで、磁束誘導粒子は、それぞれ20μm~500μm、特に150μmの直径を有することができる。これにより、最適化された隙間充填、又はそれぞれ最適化された残留空気含有量の低減が、隙間内で達成され得る。
【0032】
サイズ分布及び粒子形状は、均一である必要はなく、むしろ連続的なグレーディングカーブに対応してもよい。これにより、最大容積充填又はそれぞれ最小空隙容積を達成することができる。磁束誘導粒子の直径のサイズ分布、特に連続的又はそれぞれ一定のサイズ分布は、20μm~500μmの範囲内であり得る。磁束誘導粒子の直径のサイズ分布は、最大容積充填、又はそれぞれの最小空隙容積、又はそれぞれの最小残留空気量が達成されるように選択することができる。
【0033】
本発明による解決策の有利なさらなる発展形態では、磁束誘導粒子の少なくとも一部が、それぞれ球形から外れた粒子形状を形成し、かつ/又は磁束誘導粒子の少なくとも一部がそれぞれ回転楕円体の形態の粒子形状を形成し、かつ/又は磁束誘導粒子の少なくとも一部がそれぞれ三軸楕円体の形態の粒子形状を形成し、かつ/又は磁束誘導粒子の少なくとも一部が、それぞれ平坦な、特にレンズ状又は板状の粒子形状を形成するという条件にされる。
【0034】
全ての磁束誘導粒子及び/又は磁束誘導粒子の大部分、特に隙間内の磁束誘導粒子の総数に対する磁束誘導粒子の80%は、それぞれ、球形から外れた粒子形状、及び/又は回転楕円体の形態の粒子形状、及び/又は三軸楕円体の形態の粒子形状、及び/又は平坦な、特にレンズ形状又は板状の粒子形状を形成することができる。
【0035】
球形から外れた粒子形状の場合、磁束誘導粒子の最大寸法は、磁束誘導粒子が概念的な球体によって囲まれ、かつ/又は囲い込まれるように構成することができ、ここで、概念的な球体は、20μm~500μm、特に150μmの直径を有する。これにより、最適化された隙間充填、又はそれぞれ、隙間内の残留空気含有量の最適化された低減を達成することができる。
【0036】
また、球形から外れた粒子形状の場合、粒度分布及び粒子形状は、均一である必要はなく、むしろ連続的なグレーディングカーブに対応してもよい。これにより、最大容積充填又はそれぞれ最小空隙容積を達成することができる。磁束誘導粒子の粒度分布、特に連続的又はそれぞれ一定の粒度分布は、球形から外れた粒子形状の場合に、概念的な囲む球体の直径によって成立でき、この直径は20μm~500μmの範囲にある。概念的な囲む球体の直径のサイズ分布は、最大容積充填又はそれぞれ最小空隙容積又はそれぞれの最小残留空気量が達成され得るように選択され得る。
【0037】
回転楕円体の外面は、その軸のうちの1つの周りの楕円の概念的な回転によって画定することができる。ここで、楕円は、半長軸及び半短軸を有し、楕円の概念的な回転は、半短軸の周りで行われる。磁束誘導粒子が少なくとも部分的に回転楕円体の形態の粒子形状を有する場合、半短軸に対する半長軸の比は、1より大きく3以下であり得る。これにより、最適化された隙間充填、又は隙間内の残留空気含有量のそれぞれ最適化された低減を達成することができる。
【0038】
平坦な、特にレンズ状又は板状の粒子形状の外面も、その軸のうちの1つの周りの楕円の概念的な回転によって画定することができる。ここで、楕円は、半長軸及び半短軸を有し、楕円の概念的な回転は、半短軸の周りで行われる。磁束誘導粒子が少なくとも部分的に平坦な、特にレンズ状又は板状の粒子形状を有する場合、半短軸に対する半長軸の比は、3より大きく10以下であり得る。
【0039】
回転楕円体の形態、及び/又は平坦な、特にレンズ状又は板状の粒子形状の形態の粒子形状の場合、隙間内の磁束誘導粒子の半短軸は、半短軸がコイル巻回軸に平行に整列するように整列され得る。
【0040】
これらの磁束誘導粒子は、コイル巻回軸に対して横及び/又は垂直の方向に沿った範囲よりも、コイル巻回軸に平行な方向に沿って小さい範囲を有するように、隙間内で整列させることができる。これにより、磁束誘導粒子の導入時に自然に整列した層構造は、トリックリング、注入又は類似の方法によって、又は充填マトリクス材料の注入方法又は低粘度懸濁液中での沈降挙動において、それぞれ達成することができる。さらに、このような磁束誘導粒子は、隙間内に異方性透磁率を形成するために使用することができ、この場合、コイル巻回軸に平行な方向に沿った充填部品の透磁率は、コイル巻回軸に対して横及び/又は垂直の方向に沿った充填部品の透磁率よりも小さい。
【0041】
これらの磁束誘導粒子は、磁束誘導要素の平面からの磁界散乱の低減、及び/又は例えば隣接する金属部品における渦電流損失の低減をもたらすことができる。
【0042】
本発明による解決策の有利なさらなる発展形態では、磁束誘導粒子の少なくとも一部が、充填物として隙間に導入され、かつ/又は磁束誘導粒子の少なくとも一部が、緩い充填物として隙間に導入され、かつ/又は磁束誘導粒子の少なくとも一部が、圧縮された充填物として隙間に導入されるという条件にされている。
【0043】
充填物の磁気特性は、磁束誘導粒子の量、及び/又は数、ならびに対応する加圧及び/又は圧縮及び/又はコンパクションによって適合させることができる。充填物、特に緩い充填物及び/又は圧縮された充填物は、例えば、磁束誘導粒子を隙間内にたらして入れ(トリックリングし)、かつ/又は振り掛け、かつ/又は吹きつけ、かつ/又は吹き入れることによって、磁束誘導要素の位置を固定するとともに、隙間内に導入され得る。
【0044】
緩い充填物は、部分的に空気を有することができ、したがって、例えば、磁束誘導粒子と空気との混合物を形成することができる。緩い充填物は、圧縮された充填物と比較して、より高い空気含有量を有することができる。圧縮された充填物は、圧縮された充填物が配置される容積内に、空気含有物又は低減された空気含有物が形成されないように形成することができる。
【0045】
未知の輪郭の隙間に導入される磁束誘導粒子の緩い充填物は、液圧又は空気圧によって圧縮することができる。このために、磁束誘導要素、特にフェライトタイル、及び充填部品の構造は、圧縮に必要な圧力を設定することができる2つのゴムベローの間に配置することができる。弾性ゴム材料は、隙間の輪郭に適合し、隙間内の緩い充填物を、圧縮された充填物に圧縮する。この場合、隙間内の充填物の充填高さを低くすることができる。このような方法は、紙で囲まれた充填物の場合にも適用することができる。
【0046】
磁束誘導粒子の充填物、特に圧縮された充填物は、フェライト粉末の成形方法によって形成することができ、フェライト粉末は、焼結プロセスにおけるグリーン体の製造(成形)にも使用される。
【0047】
隙間内の磁束誘導粒子を圧縮するために、1MPa(例えば、緩い圧縮)~100MPa(例えば、容易に取り扱うことができる独立したグリーン体)の圧力範囲の圧力を使用することができる。好ましくは、隙間内の磁束誘導粒子を圧縮するために、10~20MPaの圧力範囲の圧力を使用することができ、これは製造技術及び技術に関して容易かつ経済的に管理することができる。
【0048】
本発明による解決策の有利なさらなる発展形態では、充填物、特に緩い充填物及び/又は圧縮された充填物が隙間内に別個の位置固定部とともに配置され、別個の位置固定部が、隙間を形成する磁束誘導要素に対して材料的に接続されずに隙間内に配置され、かつ/又は充填物、特に緩い充填物及び/又は圧縮された充填物が、隙間内に一体の位置固定部とともに配置され、一体の位置固定部は、隙間を形成する磁束誘導要素と少なくとも部分的に材料的に接合された状態で接続されるようになっている。
【0049】
別個の位置固定部は、隙間を形成する磁束誘導要素に対して変位可能であり得る。このような別個の位置固定部は、例えば、隙間内に恒久的に配置されたままであり得るか、又は隙間内の充填物の充填のために、時系列的に制限された方法でのみ配置され得る。
【0050】
別個の位置固定部は、磁気的に中性の材料から形成することができる。
【0051】
一体の位置固定部は、固定されるべき充填物によって、特に固定されるべき緩い充填物及び/又は固定されるべき圧縮された充填物自体によって、部分的に形成することができる。加えて、一体の位置固定部は、固定される充填物に対応しない、特に緩い充填物及び/又は圧縮された充填物に対応しない充填部品の一部によって形成することができる。
【0052】
一体の位置固定部は、磁気的に中性の材料から形成できる。一体の位置固定部は、隙間を形成する磁束誘導要素の材料的に接合された接続を形成することができる。
【0053】
本発明による解決策の有利なさらなる発展形態では、別個の位置固定部が充填物、特に緩い充填物及び/又は圧縮された充填物の磁束誘導粒子を完全に包むためのケーシング本体、特に紙材料のケーシング本体を有し、ケーシング本体、特に紙材料のケーシング本体は、充填物、特に緩い充填物及び/又は圧縮された充填物の磁束誘導粒子とともに、パッケージを形成する。
【0054】
パッケージ内の充填物、特に緩い充填物は、パッケージを隙間に挿入する前に、圧縮された充填物を形成するために圧縮することができる。パッケージ内の充填物、特に緩い充填物は、パッケージを隙間に挿入した後に圧縮され、圧縮された充填物を形成することができる。
【0055】
充填物の磁束誘導粒子のこぼれは、ケーシング本体によって防止することができる。ケーシング本体は、例えば紙材料から形成することができ、かつ/又は紙ケーシングを形成することができる。ケーシング本体及び/又は紙材料は、温度安定化された耐久性のある紙タイプであり得る。ケーシング本体は、磁気的に中性であってもよい。
【0056】
したがって、位置固定のための磁束誘導粒子の充填物、特に緩い充填物及び/又は圧縮された充填物は、紙によって包まれた薄いパッケージに詰めることができ、これは隙間に容易に押し込むことができる。これらのパッケージは、誘導充電装置の製造を容易にするために半製品を形成することができる。
【0057】
本発明による解決策の有利なさらなる発展形態では、隙間内に一体の位置固定部とともに配置された充填物、特に緩い充填物及び/又は圧縮された充填物が、多孔質固体層を形成し、多孔質固体層は、相互に材料的に接合される接続、及び隙間を形成する磁束誘導要素と少なくとも部分的に材料的に接合される接続のための表面コーティングを有する磁束誘導粒子によって形成されるという条件にされる。
【0058】
充填部品のいくつかの層又はすべての層が多孔質固体層として形成されるという条件にできる。いくつかの多孔質固体層又は全ての多孔質固体層は、コイル巻回軸に関して互いに重ねて配置し、かつ/又は積み重ねることができる。
【0059】
表面コーティングを有する磁束誘導粒子は、隙間への導入前に、注入可能な、かつ/又は自由に流れる顆粒として、かつ/又はばらの顆粒として、かつ/又はばらの粉末として存在することができる。表面コーティングを有する磁束誘導粒子は、例えば磁束誘導要素の厚さと比較して小さな寸法を有する微粒子として形成することができる。
【0060】
表面コーティングを有する磁束誘導粒子は、フェリ磁性材料及び/又は強磁性材料及び/又は軟磁性材料及び/又は軟磁性フェライトから少なくとも部分的に形成される磁束誘導粒子コアを有することができる。
【0061】
磁束誘導粒子の表面コーティングは、磁束誘導粒子の寸法と比較して薄くすることができる。表面コーティングは例えば、溶融可能な材料、特に熱可塑性材料から形成することができる。表面コーティングは、磁気的に中性であってもよい。
【0062】
表面コーティングは、良好な熱伝導特性を有する材料であり得る。表面コーティングは、少なくとも0.5W/(m・K)、特に少なくとも1.0W/(m・K)、又は特に少なくとも10.0W/(m・K)の熱伝導性及び/又は熱伝導係数を有することができる。これにより、例えば、その熱伝導性は、構造によって、外部に配置されたヒートシンクまで改善する。
【0063】
表面コーティングを有する磁束誘導粒子は、例えばノズルによって、かつ/又は射出又はプレスのプロセスによって、隙間に導入することができ、ここで、表面コーティングは最初に溶融し、続いて固化し、その結果、多孔質固体層が形成される。
【0064】
多孔質固体層は、磁束誘導要素の隙間面と、隙間によって離間した、隣接する磁束誘導要素の隙間面との間に、材料的に接合された機械的接続を形成することができる。これにより、構造全体の機械的安定性及び/又は強度を改善させることができる。
【0065】
本発明による解決策の有利なさらなる発展形態では、充填部品が磁束誘導粒子を埋め込むための少なくとも1つの埋め込みマトリクスを有し、かつ/又は充填物としての磁束誘導粒子の少なくとも一部が充填部品の少なくとも1つの埋め込みマトリクスに導入されるという条件にされる。
【0066】
埋め込みマトリクスは、磁束誘導粒子を埋め込むための埋め込み材料から形成できる。埋込マトリクスは、磁気的に中性の埋め込み材料から形成することができる。埋め込みマトリクスは、良好な熱伝導特性を有する埋め込み材料から形成することができる。埋め込みマトリクスは少なくとも0.5W/(m・K)、特に少なくとも1.0W/(m・K)、又は特に少なくとも10.0W/(m・K)の熱伝導性及び/又は熱伝導係数を有することができる。これにより、例えば、その熱伝導性は、構造によって、外部に配置されたヒートシンクまで改善する。
【0067】
埋め込みマトリクスは、磁束誘導要素の隙間面と、隙間によって離間した、隣接する磁束誘導要素の隙間面との間に、実質的に接続された機械的接続を形成することができる。これにより、構造全体の機械的安定性及び/又は強度を改善させることができる。
【0068】
充填部品の磁気特性は、埋め込みマトリクス内の磁束誘導粒子の量及び/又は数によって適合させることができる。
【0069】
本発明による解決策の有利なさらなる発展形態では、磁束誘導粒子を埋め込んだ埋め込みマトリクスが、ペースト状の形態で隙間に導入されるか、又は磁束誘導粒子を埋め込んだ埋め込みマトリクスがペースト状の形態で隙間に導入され、埋め込みマトリクスが能動的に硬化可能なマトリクス材料、特に接着材料から形成されるか、又は磁束誘導粒子を埋め込んだ埋め込みマトリクスがペースト状の形態で隙間に導入され、埋め込みマトリクスが受動的に硬化可能なマトリクス材料、特に熱可塑性材料及び/又はデュロプラスト材料及び/又はエラストマー及び/又は液圧硬化材料から形成されることが提供される。
【0070】
磁束誘導粒子を埋め込んだ埋め込みマトリクスは、分注及び/又は封入及び/又は押出によって隙間に導入することができる。
【0071】
磁束誘導粒子を埋め込んだ埋め込みマトリクスは磁束誘導要素の隙間面と、隙間によって離間した隣接する磁束誘導要素の隙間面との間に、実質的に接続された機械的接続を形成することができる。これにより、構造全体の機械的安定性及び/又は強度を改善させることができる。
【0072】
ペースト状で磁束誘導粒子を埋め込んだ埋め込みマトリクスは、射出成形層として射出成形によって隙間に導入することができる。
【0073】
本発明による解決策の有利なさらなる発展形態では、磁束誘導粒子を埋め込んだ埋め込みマトリクスが箔要素を形成し、少なくとも1つのそのような箔要素が隙間に導入されるという条件にされる。
【0074】
箔要素の埋め込みマトリクスは例えば接着マトリクス及び/又は高分子マトリクス及び/又は熱可塑性マトリクス及び/又はデュロプラストマトリクス及び/又はエラストマー及び/又は液圧硬化材料であり、箔要素を隙間に導入する前に硬化する。
【0075】
したがって、箔要素は、隙間に導入する前に、硬化した固体層として形成することができる。これにより、箔層を半製品として提供することができ、これは誘導充電装置の製造プロセスにおいて容易かつ経済的に使用することができる。所定の箔厚さは、隙間の隙間高さよりも小さく、かつ/又は隙間の隙間幅よりも小さくすることができる。所定の箔厚さによって、隙間の隙間高さ及び/又は隙間の隙間幅への適合を、箔要素の数によって行える。例えば、誘導充電装置の異なる実施形態において、異なる隙間高さ及び/又は隙間幅が予め決定される場合、適合を、箔要素の数の増加又は減少によって容易に行うことができる。
【0076】
いくつかの箔要素を隙間内に配置することができ、この箔要素は、コイル巻回軸に対して横になり、かつ/又は積み重ねられるように配置することができる。いくつかの箔要素を隙間に配置することができ、これらは互いに隣接して配置することができ、かつ/又はコイル巻回軸に対して横方向に、かつ/又は垂直に積み重ねることができる。
【0077】
本発明による解決策の有利なさらなる発展形態では、充填部品がいくつかの層を有するという条件にされる。
【0078】
隙間は、いくつかの層を有する充填部品によって完全に充填することができる。少なくとも2つの層又は全ての層は、異なる材料層から形成することができる。少なくとも2つの層又は全ての層は、異なる固体層から形成することができる。少なくとも2つの層又は全ての層は、異なる磁気特性を有することができる。少なくとも2つの層又は全ての層は、特に異なる透磁率及び/又は磁気伝導率を有することができる。少なくとも2つの層又は全ての層は、異なる磁気特性及び/又は異なる透磁率及び/又は異なる磁気伝導率を有する同様の材料層から形成することができる。
【0079】
層の磁気特性及び/又は透磁率及び/又は磁気伝導率は、コイル巻回軸に関して変化してもよい。層の磁気特性及び/又は透磁率及び/又は磁気伝導率は、コイルからの距離が増加するにつれて、コイル巻回軸に関してそれぞれ部分的に増加してもよく、かつ/又は部分的に実質的に一定であってもよく、かつ/又は部分的に減少してもよい。
【0080】
充填部品の少なくとも1つの層及び/又は充填部品のいくつかの層が、少なくとも50、特に少なくとも100の比透磁率を有するという条件にしてもよい。
【0081】
充填部品の少なくとも1つの層及び/又は充填部品のいくつかの層が磁気的に中性であるという条件にしてもよい。
【0082】
充填部品の多層構造によって、隙間内の層に異なる主要な機能を割り当てることができる。したがって、例えば、1つの層の主要な機能が、隙間内で磁束を導くことであり、別の層の主要な機能が、機械的に耐性のある充填部品の形成であるという条件としてもよい。
【0083】
間隔を空けて隣接する磁束誘導要素間の各隙間が、いくつかの層を有するこのような充填部品によって完全に充填されるという条件にできる。充填部品の多層構造が、いくつかの隙間又はすべての隙間に対して実質的に同様に形成されるという条件にできる。
【0084】
隙間が異なるように整列する場合、充填部品の層の構造、及び/又は充填材料を、この隙間で予想される磁束に適合させることが有利であり得る。磁束方向に対して直角に整列された隙間は例えば、高磁気品質の材料又は比透磁率が高い材料で充填することができる。隙間が磁束方向に平行な場合、例えば、他の特性(例えば、熱的かつ/又は機械的な特性)を優先することができる。
【0085】
充填部品の少なくとも1つの層、又は充填部品のいくつかの層、又は充填部品のすべての層は、隙間によって互いに離間した2つの磁束誘導要素と、材料的に接合された状態で接続され得る。
【0086】
充填部品のいくつかの層又はすべての層が接着層として形成されるという条件にできる。いくつかの接着層又はすべての接着層を、互いに重ねて配置し、かつ/又はコイル巻回軸に関して積み重ねることができる。
【0087】
充填部品のいくつかの層又はすべての層が射出成形層として形成されるという条件にできる。幾つかの射出成形層又は全ての射出成形層は、互いに重ねて配置し、かつ/又はコイル巻回軸に関して積み重ねることができる。
【0088】
未知の輪郭の隙間に導入することができる接着層及び/又は射出成形層は、例えば隙間に導入した後に、液圧又は空気圧によって圧縮することができる。このために、磁束誘導要素、特にフェライトタイル、及び充填部品の構造は、圧縮に必要な圧力を設定することができる2つのゴムベローの間に配置することができる。弾性ゴム材料は、隙間の輪郭に適合し、隙間内の接着層及び/又は射出成形層を圧縮する。この場合、隙間内の層の充填高さを低くすることができる。
【0089】
充填部品の少なくとも1つの層が隙間に挿入される半製品として形成され、かつ/又は充填部品が隙間に挿入される半製品として形成されるという条件にできる。
【0090】
充填部品の少なくとも2つの層が異なる磁気特性を有するという条件にできる。
【0091】
少なくとも2つの層又は全ての層は、特に異なる透磁率及び/又は磁気伝導率を有してもよい。少なくとも2つの層又は全ての層は、異なる磁気特性及び/又は異なる透磁率及び/又は異なる磁気伝導率を有する同様の材料層から形成することができる。
【0092】
本発明による解決策の有利なさらなる発展形態では、充填部品の少なくとも1つの層が磁気伝導層を形成し、かつ/又は充填部品の少なくとも1つの層が磁気的に中性の層を形成するという条件にされる。
【0093】
充填部品の少なくとも1つの磁気伝導層が、少なくとも50、特に少なくとも100の比透磁率を有するという条件にしてもよい。
【0094】
少なくとも1つの磁気伝導層は、磁束誘導粒子を有してもよい。これらの磁束誘導粒子の少なくとも一部がそれぞれ球形から外れた粒子形状を形成し、かつ/又はこれらの磁束誘導粒子の少なくとも一部がそれぞれ回転楕円体の粒子形状を形成し、かつ/又はこれらの磁束誘導粒子の少なくとも一部がそれぞれ三軸楕円体の粒子形状を形成し、かつ/又は磁束誘導粒子の少なくとも一部がそれぞれ平坦な、特にレンズ状又は板状の粒子形状を形成するという条件にしてもよい。
【0095】
少なくとも1つの磁気伝導層は、磁束誘導粒子の充填物によって、特に磁束誘導粒子の緩い充填物、又は磁束誘導粒子の圧縮された充填物によって形成することができる。
【0096】
少なくとも1つの磁気伝導層は、別個の位置固定部が、充填物、特に緩い充填物及び/又は圧縮された充填物の磁束誘導粒子を完全に包むためのケーシング本体、特に紙材料のケーシング本体を有するように構成することができ、ケーシング本体、特に紙材料のケーシング本体は、充填物、特に緩い充填物及び/又は圧縮された充填物の磁束誘導粒子とともに、パッケージを形成する。
【0097】
そのようなパッケージは未知の輪郭の隙間に導入することができ、例えば、隙間に導入した後に、液圧又は空気圧によって圧縮することができる。このために、磁束誘導要素、特にフェライトタイル、及び充填部品の構造は、圧縮に必要な圧力を設定することができる2つのゴムベローの間に配置することができる。弾性ゴム材料は、隙間の輪郭に適合し、隙間内の顆粒パッケージを圧縮する。この場合、隙間内の顆粒パッケージの充填高さを低くすることができる。
【0098】
磁束誘導粒子の充填物、特に圧縮された充填物はフェライト粉末を成形する方法によって形成することができ、フェライト粉末は、焼結プロセスにおけるグリーン体の製造(成形)にも使用される。
【0099】
隙間内の磁束誘導粒子の圧縮のために、圧力は、1MPa(例えば、緩い圧縮)~100MPa(例えば、容易に取り扱うことができる独立したグリーン体)の圧力範囲で使用することができる。好ましくは、隙間内の磁束誘導粒子の圧縮のために、圧力を10~20MPaの圧力範囲で使用することができ、これは製造技術及び技術に関して容易かつ経済的に管理することができる。
【0100】
少なくとも1つの磁気伝導層は、隙間内に一体の位置固定部を備えて配置された充填物、特に緩い充填物及び/又は圧縮された充填物が、多孔質固体層を形成するように構成することができ、多孔質固体層は、相互に材料的に接合される接続、及び隙間を形成する磁束誘導要素と少なくとも部分的に材料的に接合される接続のための表面コーティングを有する磁束誘導粒子によって形成される。
【0101】
少なくとも1つの磁気伝導層は、磁束誘導粒子の埋め込みのための少なくとも1つの埋め込みマトリクスを有することができ、かつ/又は、磁束誘導粒子の少なくとも一部が磁気伝導層の少なくとも1つの埋め込みマトリクスに充填材として導入されるように構成することができる。
【0102】
少なくとも1つの磁気伝導層は、磁束誘導粒子を埋め込んだ埋め込みマトリクスが、ペースト状の形態で隙間に導入されるか、又は磁束誘導粒子を埋め込んだ埋め込みマトリクスが、ペースト状の形態で隙間に導入され、埋め込みマトリクスが能動的に硬化可能なマトリクス材料、特に接着材料から形成されるか、又は磁束誘導粒子を埋め込んだ埋め込みマトリクスがペースト状の形態で隙間に導入され、埋め込みマトリクスが、受動的に硬化可能なマトリクス材料、特に熱可塑性材料及び/又はデュロプラスト材料及び/又はエラストマー及び/又は液圧硬化材料から形成されるように構成され得る。
【0103】
少なくとも1つの磁気伝導層は、磁束誘導粒子を埋め込んだ埋め込みマトリクスが箔要素を形成するように形成することができ、少なくとも1つのそのような箔要素が隙間に導入される。
【0104】
磁気伝導層によって、磁束は、隙間によって離間した2つの磁束要素間の遷移時に、この層に集中することができる。
【0105】
充填部品の少なくとも1つの磁気的に中性の層は、磁気的に中性のキャスティングコンパウンドによって形成することができる。
【0106】
充填部品の少なくとも1つの磁気的に中性の層は、空気層及び/又は磁気的に中性の固体層を形成することができる。
【0107】
充填部品の少なくとも1つの磁気的に中性の層は、箔要素、特に磁束誘導粒子を含まない箔要素であってもよい。
【0108】
充填部品の少なくとも1つの磁気的に中性の層は、接着層、特に磁束誘導粒子を含まない接着層であってもよい。
【0109】
充填部品の少なくとも1つの磁気的に中性の層は、射出成形層、特に、磁束誘導粒子を含まない射出成形層であってもよい。
【0110】
充填部品の磁気的に中性の層は、良好な熱伝導特性を有する材料とすることができる。充填部品の磁気的に中性の層は、少なくとも0.5W/(m・K)、特に少なくとも1.0W/(m・K)、又は特に少なくとも10.0W/(m・K)の熱伝導性及び/又は熱伝導係数を有することができる。これにより、例えば、その熱伝導性は、構造によって、外部に配置されたヒートシンクまで改善する。
【0111】
本発明による解決策の有利なさらなる発展形態では、充填部品の少なくとも1つの磁気伝導層が充填部品の2つの磁気的に中性の層の間に配置され、かつ/又は充填部品の磁気伝導層が充填部品の少なくとも1つの磁気的に中性の層に接触して配置されるという条件にされる。
【0112】
充填部品の少なくとも1つの磁気伝導層は、充填部品の2つの磁気的に中性の層の間、特に2つの磁気的に中性の外層の間で、コイル巻回軸に関して整列するようにしてもよい。
【0113】
本発明による解決策の有利なさらなる発展形態では、充填部品の少なくとも1つの磁気的に中性の層が空気層であり、かつ/又は充填部品の少なくとも1つの磁気的に中性の層が磁気的に中性の固体層によって形成され、かつ/又は充填部品の少なくとも1つの磁気的に中性の固体層が磁気的に中性の外層を形成し、それが部分的に隙間内に形成され、部分的に隙間の外側に形成されるという条件にされる。
【0114】
本発明による解決策の有利なさらなる発展形態では、外層が鋳造体として形成され、その中にコイルが埋め込まれる。鋳造体は、キャスティングコンパウンドから形成することができる。鋳造体及び/又はキャスティングコンパウンドは、磁気的に中性の固体層を形成するという条件にされる。
【0115】
空気層及び/又は磁気的に中性の固体層を使用することによって、例えば、隣接する構成要素における渦電流及び/又は渦電流損失の発生を低減するために、ハウジング内部における磁界の目標とする散乱を誘導することが可能である。
【0116】
空気層及び/又は磁気的に中性の固体層は、名目上、磁束をほとんど伝達することができないが、この領域では磁界の散乱が起こり、その結果、磁界は磁束誘導要素の制限の外側ではっきりと弱められる。特に、これにより、磁界は、磁束誘導要素のコイルとは反対側で低減され得る。これにより、渦電流損失を、ハウジング内及び磁界の有効範囲内の他の電気伝導体で最小限に抑えることができる。
【0117】
本発明による解決策の有利なさらなる発展形態では、少なくとも2つの隙間が互いに離間して形成され、その中には、少なくとも1つの磁気的に中性の層を有する充填部品がそれぞれ配置され、磁気的に中性の層が互いに接続されるという条件にされる。
【0118】
互いに離間した少なくとも2つの隙間の、互いに接続された中性の層は、互いに直接接続することができる。互いに接続された中性の層は、外層を形成することができる。
【0119】
隙間によって離間した磁束誘導要素を、隙間充填及び/又は形成されたスペーサを有する安定した一体型磁束誘導配置に形づくるために、フォームフィット、特に隙間を形成する磁束誘導要素間の外層を貫通するフォームフィットが形成されるという条件にされ得る。
【0120】
フォームフィットのために、充填部品の少なくとも1つの外層は、隙間によって離間した両方の磁束誘導要素のコイルに面する横面、及び/又は隙間によって離間した両方の磁束誘導要素のコイルから離れる方に面する横面につながり、かつ/又は接触でき、かつ/又は材料的に接合された状態でこれらに接続され得る。
【0121】
1ピースで取り付けることができるアセンブリを形成するために、フォームフィット、特に磁束誘導要素間の外層を貫通するフォームフィットが形成されるという条件にされ得る。
【0122】
本発明による解決策の有利なさらなる発展形態では、充填部品の少なくとも1つの層が磁束誘導粒子を有し、かつ/又は充填部品の少なくとも1つの層が磁束誘導粒子を有し、この層内で、磁束誘導粒子の濃度が空間的に変化し、かつ/又は充填部品の少なくとも2つの層がそれぞれ磁束誘導粒子を有し、2つの層における磁束誘導粒子の濃度が異なるという条件にされる。
【0123】
例えば、充填部品は最初に、磁束誘導粒子の含有量が小さい磁気的に中性のキャスティングコンパウンドが導入されるように形成され、キャスティングコンパウンドは、隙間に導入されると、重力によって磁束誘導粒子が充填部品の層領域に蓄積、又はそれぞれ集中し、コイル巻回軸に対して傾斜磁気特性を形成する充填部品が形成されるように、低粘度を有するように形成され得る。これにより、充填部品の磁気特性は、コイル巻回軸に対して、及び/又は隙間高さに対して、必要な方法で適合させることができる。このプロセスは、バイブレータ及び/又は振動デバイスによって加速することができる。このプロセスの後、充填部品が、特に、実質的に磁束誘導粒子を含まない少なくとも1つの磁気的に中性の層を形成し、かつその中に磁束誘導粒子が導入されるさらなる層を形成するという条件にできる。磁束誘導粒子を有する層は、磁気的に中性の層よりもコイルの近くでコイル巻回軸に関して整列させることができる。磁気的に中性の層は、磁気的に中性の固体層であってもよい。
【0124】
本発明による解決策の有利なさらなる発展形態では、充填部品の少なくとも1つの磁気的に中性の固体層、特に磁気的に中性の外層が、磁気的に中性のキャスティングコンパウンドによって形成され、かつ/又は磁気的に中性の外層は、互いに間隔を空けて配置された誘導充電装置及び/又は磁束誘導要素の構成要素を、1ピースで取り付けることができるアセンブリを隙間内に形成する充填部品と一緒に間隔を空けて配置するために、かつ/又は接続するために、かつ/又は固定するために、かつ/又は位置決めするために形成されるという条件にできる。
【0125】
外層は、誘導充電装置の構成要素の間隔を空けるため、及び/又は接続のため、及び/又は固定のため、及び/又は位置決めのために、隙間の外側に形成することができる。
【0126】
外層は、保護ハウジングを遠ざけるため、及び/又は接続するため、及び/又は固定するため、及び/又は位置決めするために形成することができる。外層は、シールドハウジングを遠ざけるため、及び/又は接続するため、及び/又は固定するため、及び/又は位置決めするために形成することができる。外層は、コイルを遠ざけるため、及び/又は接続するため、及び/又は固定するため、及び/又は位置決めするために形成することができる。外層は、隙間によって離間した磁束誘導要素を遠ざけるため、及び/又は接続するため、及び/又は固定するため、及び/又は位置決めするために形成することができる。
【0127】
接続は、材料的に接合された接続を形成することができる。外層は、離隔要素、特に隙間の外側に形成された離隔要素を遠ざけるために、形成することができる。
【0128】
外層は、磁気的に中性の固体層として形成することができる。そのような外層は、磁束誘導粒子を有する少なくとも1つのさらなる層と一緒に、プロセス工程において(例えば、熱的に)硬化させることができる。
【0129】
外層は、パワーエレクトロニクス及び/又は電磁シールドのワイヤ又はそれぞれコイル及び/又は構成要素の接続機能のために隙間の外側で使用することができる。加えて、材料的に接合された機械的接続は、磁束誘導要素の隙間面と、隙間によって離間した、隣接する磁束誘導要素の隙間面との間の充填部品を通して、構造全体のさらなる安定性及び強度を提供することができる。
【0130】
隙間によって離間した磁束誘導要素を、隙間充填及び形成されたスペーサを有する安定した一体型磁束誘導配置に形づくるために、フォームフィット、特に磁束誘導要素間の外層を貫通するフォームフィットが形成されるという条件にできる。
【0131】
フォームフィットのために、充填部品の少なくとも1つの外層は、隙間によって離間した両方の磁束誘導要素のコイルに面する横面、及び/又は隙間によって離間した両方の磁束誘導要素のコイルから離れる方に面する横面につながり、かつ/又は接触でき、かつ/又は材料的に接合された状態でこれらに接続され得る。
【0132】
本発明による解決策の有利なさらなる発展形態では、誘導充電装置がハウジング内部を形成するハウジングを有し、コイル及び磁束誘導要素がハウジング内部に配置されるという条件にされる。
【0133】
ハウジングは、ハウジング内部を充填し、誘導充電装置の構成要素を囲むキャスティングコンパウンドによって一体に形成されたキャスティングコンパウンドハウジングとすることができる。
【0134】
ハウジングは少なくとも2つの部品で形成することができ、そのような2部品のハウジングは、外部の影響から保護するための保護ハウジングと、保護ハウジングとは別個に形成された、電磁交流場の遮蔽のためのシールドハウジングとを有することができる。
【0135】
保護ハウジングは、トラフ形状の保護ハウジングを形成することができる。
【0136】
保護ハウジングは、非導電性材料から形成することができる。保護ハウジングは、プラスチック材料及び/又は複合材料及び/又は繊維強化複合材料から形成することができる。
【0137】
シールドハウジングは、電磁シールド用のシールド体を形成することができる。シールド体は例えば、電磁場に対する車両部品の遮蔽のために形成することができる。シールドハウジングは、金属材料のシールド板を形成及び/又は有することができる。金属材料は、例えばアルミニウムとすることができる。シールドハウジングは、平坦体、及び/又は板状体として形成することができる。
【0138】
シールドハウジング及び保護ハウジングはハウジング内部を形成し、外部環境に対してハウジング内部を画定することができ、特に、流体密封方式でハウジング内部を画定することができる。
【0139】
磁束誘導要素は、シールドハウジングに対してハウジング内部で離間させて配置することができ、かつ/又は保護ハウジングに対して離間させて配置することができ、かつ/又はコイルに対して離間させて配置することができる。コイルは、磁束誘導要素と保護ハウジングとの間にコイル巻回軸に対して配置することができる。コイルは、ここでは磁束誘導要素及び保護ハウジングから離間したコイル巻回軸に対して配置することができる。離間した構成要素間の自由空間は、例えば、少なくとも1つのキャスティングコンパウンド、特に熱伝導性のキャスティングコンパウンドによって、ハウジング内部で部分的に及び/又は完全に充填され得る。
【0140】
本発明による解決策の有利なさらなる発展形態では、誘導充電装置が、互いに間隔を置いて配置された2つより多い磁束誘導要素を有し、互いに間隔を置いて配置された複数の磁束誘導要素の間にいくつかの隙間が形成され、隙間の一部分においてのみ、少なくとも部分的に充填部品が配置されるようになっている。言い換えれば、誘導充電装置は複数の磁束誘導要素の間に複数の隙間を有し、したがって、全てではないが、いくつかの隙間のみが充填部品を有する。
【0141】
本発明による解決策の有利なさらなる発展形態では、各隙間が、隙間高さ、隙間幅、及び隙間長さをそれぞれ有し、少なくとも1つの隙間に配置された充填部品が、隙間高さ及び/又は隙間長さに関して異なる層から形成されるという条件にされる。異なる層は、異なる材料層として形成され得る。
【0142】
言い換えれば、隙間に配置された充填部品は、磁束誘導要素の厚さ方向において、異なる材料の層に作りあげられ、かつ/又は隙間の長手方向に、可変層構造を有することができる。
【0143】
「隙間高さに関して」という用語は、コイル巻回軸に平行な隙間高さ方向に関する配置を意味すると理解することができる。「隙間長さに関して」という用語は、コイル巻回軸に対して実質的に垂直、特に垂直方向及び/又は横方向である隙間長さ方向に関する配置を意味すると理解することができる。「隙間幅に関して」という用語は、コイル巻回軸に対して実質的に垂直、特に垂直方向及び/又は横方向ある隙間幅方向に関する配置を意味すると理解することができる。
【0144】
隙間幅方向及び隙間長さ方向は、互いに実質的に垂直に、特に垂直方向及び/又は横方向に調整される。隙間長さ方向は、隙間を形成する一方の隙間面、又は隙間を形成する両方の隙間面に対して実質的に平行に、特に平行に調整される。隙間幅方向は、隙間を形成する磁束誘導要素の横面に対して実質的に平行に、特に平行に調整される。
【0145】
本発明による解決策の有利なさらなる発展形態では、各隙間がそれぞれ、隙間高さ、隙間幅、及び隙間長さを有し、少なくとも1つの隙間に配置された充填部品が、隙間長さに関して異なる材料層で形成され、隙間幅に関して異なるように形成されたこれらの層のうちの少なくとも1つが、磁気的に中性の層、特に空気層である。
【0146】
換言すれば、充填部品で部分的に充填された隙間は長手方向に、空気のみで充填された少なくとも1つの部分領域を有する。したがって、この部分領域では、隙間高さに関して、連続的な空気層のみが形成される。
【0147】
本発明はさらに、本発明による誘導充電装置のための磁束誘導要素の配置に関する。この配置は、互いに離間した少なくとも2つの磁束誘導要素を有し、これらの磁束誘導要素は、誘導充電装置のハウジング内部に配置することができる。少なくとも1つの隙間が、互いに離間した2つの磁束誘導要素の間に形成され、隙間は、いくつかの層を有する充填部品によって部分的に又は全体的に充填され、互いに離間した磁束誘導要素は、充填部品と共に、隙間内において1ピースで取り付けることができるアセンブリを形成する。
【0148】
このために、充填部品は、隙間内に部分的に形成され、隙間外に部分的に形成される少なくとも1つの外層を形成することができる。
【0149】
外層は、ハウジング内部の誘導充電装置の構成要素の間隔を空けるため、及び/又は接続のため、及び/又は固定のため、及び/又は位置決めのために形成することができる。外層は、誘導充電装置の構成要素の間隔を空けるため、及び/又は接続のため、及び/又は固定のため、及び/又は位置決めのために、隙間の外側に形成することができる。
【0150】
外層は、シールドハウジングを遠ざけるため、及び/又は接続するため、及び/又は固定するため、及び/又は位置決めするために形成することができる。外層は、保護ハウジングを遠ざけるため、及び/又は接続するため、及び/又は固定するため、及び/又は位置決めするために形成することができる。外層は、コイルを遠ざけるため、及び/又は接続するため、及び/又は固定するため、及び/又は位置決めするために形成することができる。外層は、間隔を空けて配置された磁束誘導要素を、間隔を空けて配置するため、及び/又は接続するため、及び/又は固定するため、及び/又は位置決めするために形成することができる。
【0151】
接続は、材料的に接合された接続を形成することができる。外層は、離隔要素、特に隙間の外側に形成された離隔要素を遠ざけるために、形成することができる。
【0152】
外層は、実質的に磁気的に中性の固体層として形成することができる。そのような外層は磁場導体粒子を有する少なくとも1つのさらなる層と一緒に、プロセス工程において(例えば、熱的に)硬化させることができる。
【0153】
外層は、ワイヤ又はそれぞれコイル、パワーエレクトロニクスの構成要素、及び/又は電磁シールドの接続機能のために、隙間の外側で使用することができる。加えて、材料的に接合された機械的接続は、磁束誘導要素の隙間面と、隙間によって離間した隣接する磁束誘導要素の隙間面との間の充填部品を介して、構造全体のさらなる安定性及び強度を提供することができる。
【0154】
隙間によって離間した磁束誘導要素を、隙間充填及び形成されたスペーサを有する安定した一体型磁場導体配置に形づくるために、フォームフィット、特に磁束誘導要素の間の外層を貫通するフォームフィットが形成されるという条件にできる。
【0155】
フォームフィットのために、充填部品の少なくとも1つの外層は、隙間によって離間した両方の磁場導体のコイルに面する横面、及び/又は隙間によって離間した両方の磁束誘導要素のコイルから離れる方に面する横面につながり、かつ/又は接触することができ、かつ/又は材料的に接合された状態でこれらに接続され得る。
【0156】
1ピースで取り付けることができるアセンブリを形成するために、フォームフィット、特に磁場導体間の外層を貫通するフォームフィットが形成されるという条件にできる。
【0157】
本発明はさらに、本発明による誘導充電装置によって少なくとも部分的に形成された動かない誘導充電ステーション、及び/又は本発明による誘導充電装置によって少なくとも部分的に形成された車両に取り付け可能な移動式誘導装置を備えた車両充電システムに関する。
【0158】
このために、動かない誘導充電ステーションは、動かないエネルギー源に接続することができる。動かない誘導充電ステーションは、例えば、走行する地面に埋設することができる。動かない誘導充電ステーションは、一次コイルを形成することができ、一方、車両の移動式誘導充電装置は、二次コイルを形成することができる。
【0159】
動かない誘導充電ステーションの一次コイルは、所定の送信電力での無線エネルギー送信を可能にするために、時系列的に変化する磁界を生成することができる。このために、一次コイルには、動かないエネルギー源を介して必要な電気エネルギーを供給することができる。移動式誘導充電装置の二次コイルは、動かない誘導充電ステーションの一次コイルの経時的に変化する磁界の有効範囲内に位置する場合、交流電圧が誘導されるように構成することができる。二次コイルが閉じた電気回路内に位置するとき、交流電圧は、例えば車両のトラクションバッテリユニットを充電するために使用することができる電流束(交流)を生成する。
【0160】
本発明はさらに、本発明による移動式誘導充電装置と、移動式誘導充電装置と電気的に結合され、移動式誘導充電装置を介して電気エネルギーを供給することができるトラクションバッテリユニットとを有する、本発明による車両充電システムのための車両に関する。車両は少なくとも1つの回転電気機械を有する電動車両であってもよく、回転電気機械は車両の駆動を提供し、ここではトラクションバッテリユニットを介して電気エネルギーが供給される。車両は、道路車両、特に無軌道道路車両とすることができる。車両は、電気車両、ハイブリッド自動車、又はプラグインハイブリッド自動車とすることができる。
【0161】
誘導充電装置は、走行する地面の近傍で車両に配置することができる。
【0162】
本発明はさらに、本発明による誘導充電装置を製造する方法に関し、この方法では互いに離間した磁束誘導要素をハウジング内部に挿入する前に、少なくとも1つの隙間が充填部品で充填され、隙間内では、互いに離間された磁束誘導要素が、充填部品と共に、ハウジング内部に挿入されて1ピースで取り付けることができるアセンブリを形成する。
【0163】
一体型磁束誘導ユニットを形成するために、充填部品の上流射出成形又は押出しと、その後の充填部品の硬化とを行うことができる。硬化によって、充填部品と磁束誘導要素との間の特定の接着強度を達成することができ、これにより、連続製造プロセスにおける一体型磁束誘導ユニットの容易な取り扱いが可能になる。支持する補助物によって、取り扱いを改善することができる。加えて、隣接する磁束誘導要素の機械的接続は、形状がぴったりの輪郭(例えば、舌溝)の標的化された導入によって明確に強めることができ、したがって、管理可能性がさらに改善され得る。
【0164】
本発明はさらに、本発明による誘導充電装置を製造するための方法に関し、コイルはキャスティングコンパウンドと共にハウジング内部で鋳造され、ここで、磁束誘導要素はコイルに対して設定位置に配置され、このため、少なくとも部分的にキャスティングコンパウンドに圧入され、磁束誘導要素をキャスティングコンパウンドに圧入すると、キャスティングコンパウンドの少なくとも一部が少なくとも部分的に、2つの離間した磁束誘導要素によって形成された隙間に入り込み、ここで、磁束誘導要素を設定位置に配置した後、充填部品の少なくとも1つのさらなる層が隙間に導入される。
【0165】
磁束誘導粒子を伴わずに、磁気的に中性のキャスティングコンパウンドを用いて保護ハウジング内でコイルが鋳造されるという条件にできる。キャスティングコンパウンドは、良好な熱伝導特性を有することができる。キャスティングコンパウンドは、少なくとも0.5W/(m・K)、特に少なくとも1.0W/(m・K)、又は特に少なくとも10.0W/(m・K)の熱伝導性及び/又は熱伝導係数を有することができる。
【0166】
キャスティングコンパウンドは、実質的に磁気的に中性のキャスティングコンパウンドを形成することができる。
【0167】
キャスティングコンパウンド、特に磁気的に中性のキャスティングコンパウンドは、磁束誘導要素をキャスティングコンパウンドに押し込むと、少なくとも1つの隙間又はいくつかの隙間又は全ての隙間に、隙間高さの約5~20%まで侵入することができ、又はそれぞれ隙間高さを充填することができる。その後、磁束誘導粒子を有する1つの層又はいくつかの層を、少なくとも1つの隙間又はいくつかの隙間又はすべての隙間に導入することができる。磁束誘導粒子を有するこの1つ又は複数の層は、少なくとも1つの隙間又はいくつかの隙間又はすべての隙間を、隙間高さの約50~90%の隙間充填で充填することができる。この1つ又は複数の層は、隙間に分配することによって導入することができる。この1つ又は複数の層は、接着層及び/又は射出成形層及び/又は多孔質固体層として、少なくとも1つの隙間又はいくつかの隙間又はすべての隙間に導入することができる。残りの隙間空間は、キャスティングコンパウンド、特に磁気的に中性のキャスティングコンパウンドによって充填することができる。さらに、磁場導体の、コイルから離れる方に面する横面は、特にグリッドパターンの様式で、キャスティングコンパウンドによって全体的に又は部分的に覆われ、かつ/又は濡らされ得る。ここでも、隙間コースは、覆い、かつ/又は濡らすことができる。続いて、特に金属遮蔽シートの形態のシールドハウジングを、キャスティングコンパウンド、特に分配されたパターン上に配置又は敷設することができる。その後、シールドハウジングは、磁束誘導要素に対するコイル巻回軸に関する目標距離までキャスティングコンパウンド内に押し込まれることができる。続いて、装置及び/又はキャスティングコンパウンド及び/又は充填部品は、硬化、特に熱硬化することができる。
【0168】
本発明はさらに、充填部品が隙間に導入され、続いて、特に液圧及び/又は空気圧によって隙間で圧縮される、本発明による誘導充電装置を製造するための方法に関する。このために、磁束誘導要素、特にフェライトタイル、及び充填部品の構造は、圧縮に必要な圧力を設定することができる2つのゴムベローの間に配置することができる。弾性ゴム材料は隙間の輪郭に適合し、隙間内の充填部品を圧縮する。この場合、隙間内の充填部品の充填高さを低くすることができる。このような方法は、紙で包まれた充填物の場合にも適用することができる。
【0169】
磁束誘導粒子の充填物、特に圧縮された充填物は、フェライト粉末の成形方法によって形成することができ、フェライト粉末は、焼結プロセスにおけるグリーン体の製造(成形)にも使用される。
【0170】
隙間内の磁束誘導粒子を圧縮するために、1MPa(例えば、緩い圧縮)~100MPa(例えば、容易に取り扱い可能な、独立したグリーン体)の圧力範囲内の圧力を使用することができる。好ましくは、隙間内の磁束誘導粒子を圧縮するために、10~20MPaの圧力範囲の圧力を使用することができ、これは製造技術及び技術に関して容易かつ経済的に管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0171】
本発明のさらなる重要な特徴及び利点は従属請求項から、図面から、及び図面の助けを借りた関連する図の説明から、明らかになるであろう。
【0172】
上で述べられ、かつ下でさらに説明される特徴は、本発明の範囲から逸脱することなく、それぞれ示される組み合わせのみならず、他の組み合わせ又は単独でも、使用されることができることを理解されたい。
【0173】
本発明の好ましい例示的な実施形態は図面に示され、以下の説明においてより詳細に説明される。ここで、同じ参照番号は、同一若しくは類似又は機能的に同一の構成を参照する。
【0174】
以下の図面が、それぞれ概略的に示されている。
【
図4】本発明に係る別の誘導充電装置の断面図である。
【
図5】本発明に係る別の誘導充電装置の断面図である。
【
図6】本発明に係る別の誘導充電装置の断面図である。
【
図7】本発明に係る別の誘導充電装置の断面図である。
【
図8】本発明に係る別の誘導充電装置の断面図である。
【
図9】磁束誘導粒子が充填された隙間の切り抜き拡大図である。
【
図12】2つの磁束誘導要素の間の隙間の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0175】
図1は、
図10に示される車両充電システム2用の誘導充電装置1を示す。
【0176】
誘導充電装置1は、保護ハウジング15とシールドハウジング16とによって形成されるハウジング10を有することができる。ハウジング10は、誘導充電装置1の構成要素を受容するためのハウジング内部11を形成することができる。保護ハウジング15は、トラフ形状の保護ハウジング15を形成することができる。保護ハウジング15は、非導電性材料から形成することができる。シールドハウジング16は、電磁シールド用のシールド体を形成することができる。
【0177】
ハウジング内部11には、少なくとも1つのコイル3が配置されており、このコイルは交流電磁界を発生させるか又は受けるために形成されている。コイル3はフラットコイルとして形成することができ、これは、実質的にコイル巻回軸20の周りに巻回することができる。
【0178】
誘導充電装置1は、ハウジング内部11に配置された、互いに離間した複数の磁束誘導要素4、特に4a、4b、4c及び4dを有する。2つの磁束誘導要素4、4aと4、4bとの間には、コイル巻回軸20に対して横方向に互いに離間して、隙間5、5aが形成されている。2つの磁束誘導要素4、4bと4、4cとの間には、コイル巻回軸20に対して横方向に互いに離間して、隙間5、5bが形成されている。2つの磁束誘導要素4、4cと4、4dとの間には、コイル巻回軸20に対して横方向に互いに離間して、隙間5、5cが形成されている。
【0179】
図2は、
図1の切り抜き23を拡大して示している。
図2では一例として、隙間5、5bが説明されており、この説明は他の隙間5、5a及び5、5cにも同様に当てはまる。
【0180】
隙間5,5bは、隙間高さ21及び隙間幅22を有する。隙間高さ21は、コイル巻回軸20に対して実質的に平行に形成及び/又は整列される。隙間幅22は、コイル巻回軸20に対して実質的に横方向及び/又は垂直に形成及び/又は整列される。
【0181】
隙間幅22は、磁束誘導要素4、4bの隙間面17bと、隙間5.5bだけ離間した磁束誘導要素4、4cのさらなる隙間面17cとの間の、コイル巻回軸20に対して横方向であって、かつ/又は垂直な距離に実質的に対応する。隙間面17b,17cは、コイル巻回軸20と略平行に並んでいる。
【0182】
隙間高さ21は、コイル巻回軸20に対する磁束誘導要素4、4b及び/又は4、4cの厚さに対応する。隙間高さ21は、コイルから離れる方に面する磁束誘導要素4、4bの横面18bと、コイル巻回軸20に対する磁束誘導要素4、4bのコイルに面する横面19bとの間の距離に対応することができる。隙間高さ21は、コイルから離れる方に面する磁束誘導要素4、4cの横面18cと、コイル巻回軸20に対する磁束誘導要素4、4cのコイルに面する横面19cとの間の距離に対応することができる。
【0183】
コイルに面する横面19b及び/又は19cは、コイル巻回軸20に対して実質的に横方向及び/又は垂直に整列させることができる。コイルから離れる方に面する横面18b及び/又は18cは、コイル巻回軸20に対して実質的に横方向及び/又は垂直に整列させることができる。
【0184】
いくつかの磁束誘導要素4、4a及び4bのコイルに面する横面19b及び19cはコイルに対向する共有の面に実質的に位置、及び/又は整列し得る。いくつかの磁束誘導要素4、4a及び4、4bのコイルから離れる方に面する横面18b及び18cは、コイルから離れる方に面する共有の面に実質的に位置、及び/又は整列することができる。コイルに対向する共有の面と、コイルから離れる方に面する共有の面とは、コイル巻回軸20に対して互いに離間して配置することができる。コイルに対向する共有の面と、コイルから離れる方に面する共有の面とは、互いに実質的に平行に整列させることができる。
【0185】
いくつか又は全ての磁界導体4、特に4a、4b、4c及び/又は4dは、実質的に同一の厚さを有することができる。いくつか又は全ての磁界導体4、特に4a、4b、4c及び/又は4dは、同様に構成することができる。
【0186】
隙間5、特に5a、5b及び5cのそれぞれにおいて、充填部品6、特に6a、6b及び6cが、少なくとも部分的に配置される。明確にするために、充填部品6、特に6a、6b及び6cは、
図1及び
図2には示されておらず、むしろ
図3~
図9に示されている。
図3~
図9の誘導充電装置1の構造は、充填部品6、特に6a、6b及び6cの構成のみが
図1と比較して異なり、充填部品6、特に6a、6b及び6cとは異なる構成要素については、
図1に関する説明を参照されたい。
【0187】
図3において、隙間5、特に5a、5b及び5cは、充填部品6、特に6a、6b及び6cによって実質的に完全に充填される。充填部品6、特に6a、6b及び6cは、図示されていない層8を形成することができる。
【0188】
例えば、1つ以上又は全ての層が、磁束誘導粒子の充填物、特に緩い充填物又は圧縮された充填物として形成されるようにすることができる。重力及び/又は圧縮によって、図示されていない層が形を成し、磁界導体粒子の数又はそれぞれ磁界導体粒子の密度がコイル巻回軸20に対して変化する。
【0189】
図4~
図9では、それぞれ例として充填部品6、6bが説明されており、この説明は他の充填部品6、6a及び6、6cにも同様に当てはまる。
【0190】
図4において、充填部品6、6bは、いくつかの層8を有する。ここで、層8、8aは、例えば磁束誘導粒子を有する磁気伝導層である。層8、8b及び8cは、空気層として形成される。層8、8aは、図示されていないいくつかの層によって形成することができる。
【0191】
図5において、充填部品6、6bは、いくつかの層8を有する。ここで、層8、8aは、例えば磁束誘導粒子を有する磁気伝導層である。層8、8b及び8、8cは、磁気的に中性の固体層として形成される。層8、8aは、図示されていないいくつかの層によって形成することができる。
【0192】
図6において、充填部品6、6bは、いくつかの層8を有する。ここで、層8、8aは、例えば磁束誘導粒子を有する磁気伝導層である。層8、8b及び8、8cは、磁気的に中性の固体層として形成される。層8、8bは、外層9として追加的に形成される。外層9は、磁束誘導要素4、特に4a、4b、4c及び4dに対してシールドハウジング16を離間させるためのスペーサ要素を一体的に形成する。層8、8aは、図示されていないいくつかの層によって形成することができる。
【0193】
図7において、充填部品6、6bは、いくつかの層8を有する。ここで、層8、8aは、例えば磁束誘導粒子を有する磁気伝導層である。層8、8b及び8、8cは、磁気的に中性の固体層として形成される。層8、8bは、外層9として追加的に形成される。
図6と比較すると、それぞれの充填部品6a、6b及び6cの外層9は、互いに直接接続されている。したがって、それぞれの充填部品6a、6b、及び6cの外層9は、シールドハウジング16と磁束誘導要素4、特に4a、4b、4c、及び4dとの間の空き空間を完全に充填する共有の外層を形成する。この共有の外層は例えば、キャスティングコンパウンド、特に硬化キャスティングコンパウンドによって形成することができる。
【0194】
図8において、充填部品6、6bは、いくつかの層8を有する。ここで、層8、8aは、例えば磁束誘導粒子を有する磁気伝導層である。層8、8b及び8、8cは、磁気的に中性の固体層として形成される。層8、8b及び層8、8cは、外層9として追加的に形成される。全ての充填部品6a、6b、6cの外層9は、互いに直接接続されている。したがって、充填部品6a、6b、及び6dの外層9は、ハウジング内部11を完全に充填する共有の外層を形成する。
【0195】
このために、コイル3は例えば、保護ハウジング15内で中性の充填材料を用いて鋳造することができ、その後、磁束誘導要素4、特に4a、4b、4c及び4dがキャスティングコンパウンド内に挿入される。磁束誘導要素4、特に4a、4b、4c及び4dは1ピースで取り付けることができるアセンブリとして使用することができ、1ピースで取り付けることができるアセンブリは、キャスティングコンパウンドに挿入する前に、充填部品6、特に6a、6b及び6cの部品又は層8を有してもよい。
【0196】
磁束誘導要素4、特に4a、4b、4c及び4dは、互いに別々にキャスティングコンパウンドに挿入され、その後、それぞれの充填部品6の層8の充填が行われてもよい。層8、8b、9は、シールドハウジング16と磁束誘導要素4、特に4a、4b、4c及び4dとの間の自由空間を完全に満たすために、磁束誘導要素4、特に4a、4b、4c及び4dにさらなるキャスティングコンパウンドを導入することによって形成することができる。
【0197】
図9において、充填部品6、6bは、いくつかの層8を有する。ここで、層8、8aは、磁束誘導粒子7を有する磁気伝導層である。層8、8b及び8、8cは、磁気的に中性の固体層として形成される。層8,8aの磁束誘導粒子7は、球形から外れた粒子形状を有している。層8、8aのこれらの磁束誘導粒子7は、コイル巻回軸20に対して横方向及び/又は垂直方向に沿う程度と比較して、コイル巻回軸20に平行な方向に沿う程度がより小さくなるように、隙間5、5b内で整列する。これにより、磁束誘導粒子7の導入時に自然に整列した層構造を、トリックリング、注入又は類似の方法によって、又は充填マトリクス材料のインジェクション方法又は低粘度懸濁液中での沈降挙動のそれぞれにおいて達成することができる。
【0198】
図10は、本発明に係る誘導充電装置1によって少なくとも部分的に形成された動かない誘導充電ステーション12を有する車両充電システム2を示す。車両充電システム2は、本発明に係る誘導充電装置1によって少なくとも部分的に形成された車両13に取り付けることができる移動式誘導装置14をさらに備える。
【0199】
図11は、移動式誘導充電装置14と、移動式誘導充電装置14と電気的に結合され、移動式誘導充電装置を介して電気エネルギーを供給することができるトラクションバッテリユニット24とを有する車両充電システム2のための車両13を示す。
【0200】
図12は、隙間5、5bの平面図を示し、この図では、一例として、隙間5、5bの隙間幅22及び隙間長さ25を見ることができる。この図では、コイル巻回軸20が図面の平面に対して垂直に調整されている。隙間5、5bに配置された充填部品6、6bは、異なる材料層26、26a及び26bの隙間長さ25に対応して形成され、層26及び26bは磁気的に中性の層27及び27b、特にそれぞれ空気層を形成する。材料層26aは、少なくとも部分的に又は全体的に磁気伝導性である。材料層26aは、異なる層8の図示しない隙間高さ21に対応して形成することができる。