(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-02
(45)【発行日】2024-02-13
(54)【発明の名称】相互接続を有するセンサ及びそれを用いる介入医療装置
(51)【国際特許分類】
A61B 8/12 20060101AFI20240205BHJP
H04R 17/00 20060101ALI20240205BHJP
【FI】
A61B8/12
H04R17/00 330H
(21)【出願番号】P 2022565569
(86)(22)【出願日】2021-04-21
(86)【国際出願番号】 EP2021060287
(87)【国際公開番号】W WO2021224000
(87)【国際公開日】2021-11-11
【審査請求日】2022-10-26
(32)【優先日】2020-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】ウェーカンプ ヨハネス ウィルヘルムス
(72)【発明者】
【氏名】ヘネケン ヴィンセント アドリアヌス
(72)【発明者】
【氏名】マルダー マルセル
(72)【発明者】
【氏名】ローワース マルクス コルネリス
(72)【発明者】
【氏名】ファン デル ホルスト アリエン
【審査官】蔵田 真彦
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-103399(JP,A)
【文献】特開2004-172467(JP,A)
【文献】特開2017-074254(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00-8/15
H04R 17/00-17/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1及び第2の反対の側を有するセンサ素子と、
電気絶縁可撓性キャリアを有し、中間セグメントによって相互接続された第1及び第2の端子セグメントを有する相互接続部と、
を有するセンサにおいて、
前記第1の端子セグメントは、前記センサ素子の前記第1の側に対して配置され、前記第1の側に面する表面上に第1の接点端子を有し、
前記第2の端子セグメントは、前記センサ素子の前記第2の側に対して配置され、前記第2の側に面する表面上に第2の接点端子を有し、
前記相互接続部は、第3及び第4の外部接点端子を更に有し、
前記相互接続部は、前記第1の接点端子及び前記第4の接点端子を接続する前記可撓性キャリア内の第1の内部電気接続部と、前記第2及び第3の接点端子を接続する前記可撓性キャリア内の第2の内部電気接続部とを有
し、
前記センサ素子は、中央開口部を有し、前記中間セグメントは、前記第2の端子セグメントに対して曲げられ、前記キャリアの前記中間セグメントは、前記中央開口部を通過し、前記第1の端子セグメントは、前記センサ素子の前記第1の側の上で折り畳まれる、
センサ。
【請求項2】
前記第3及び第4の接点端子は、前記キャリアの前記第2の接点端子とは反対側の前記第2の端子セグメント上にある、請求項1に記載のセンサ。
【請求項3】
前記第3及び第4の接点端子は、前記相互接続部の第3の端子セグメント上にあり、前記第3の端子セグメントは、第2の中間セグメントによって前記第2の端子セグメントに相互接続される、請求項1に記載のセンサ。
【請求項4】
前記第3及び第4の接点端子は、前記キャリアの前記第2の接点端子と同じ側にある、請求項3に記載のセンサ。
【請求項5】
前記第2の端子セグメントは、第1のベースユニットに接続され、及び/又は
前記第3の端子セグメントは、第2のベースユニットに接続される、
請求項3又は4に記載のセンサ。
【請求項6】
前記第1のベースユニットは、前記センサ素子のためのデマッチング又は減衰バッキング層であり、及び/又は
前記第1又は第2のベースユニットは、能動電子部品を有する、
請求項5に記載のセンサ。
【請求項7】
前記第2の中間セグメントは、前記第1及び/又は第2のベースユニットの外縁の周りに延在する、請求項5又は6に記載のセンサ。
【請求項8】
第1及び第2のベースユニットを有し、前記第2の中間セグメントは、前記第1のベースユニットの外縁の周りに延在し、前記第2のベースユニットは、前記第1のベースユニットに対して90度に延在する、請求項7に記載のセンサ。
【請求項9】
前記第3の接点端子に接続された第1のワイヤと、前記第4の接点端子に接続された第2のワイヤとを更に有する、請求項1乃至8のいずれか一項に記載のセンサ。
【請求項10】
前記第1及び第2のワイヤは、それぞれ、
前記第3及び第4の接点端子が延在する平面に平行に、又は
前記第3及び第4の接点端子が延在する平面に垂直に、
前記第3及び第4の接点端子に接続される端部を有する、請求項9に記載のセンサ。
【請求項11】
前記センサ素子が、超音波センサ素子である、請求項1乃至
10のいずれか一項に記載のセンサ。
【請求項12】
請求項1乃至
11のいずれか一項に記載のセン
サと、
細長い本体と、
を有する、介入用医療装置において、
前記センサは、前記細長い本体の遠位端に取り付けられる、
介入用医療装置。
【請求項13】
センサの製造方法であって、
2つの反対の側
及び中央開口部を有するセンサ素子を提供するステップと、
電気絶縁可撓性キャリアを有し、中間セグメントによって相互接続された第1及び第2の端子セグメントを有する、相互接続部を提供するステップと、
前記中間セグメントが、前記第2の端子セグメントに対して曲げられ、前記キャリアの前記中間セグメントが、前記中央開口部を通過し、
前記第2の端子セグメントが、
前記センサ素子の前記2つの反対の側のうちの第2の側に面する第2の接点端子
で前記第2の側に接
し、
前記第1の端子セグメントが、前記センサ素子の前記2つの反対の側のうちの第1の側の上で折り畳まれ、前記第1の側に面する第1の接点端子で前記第1の側に接する、
ように前記相互接続部を曲げるステップと、
前記第1の接点端子を第4の外部接点端子に接続する前記可撓性キャリア内の第1の内部電気接続部を提供し、前記第2の接点端子を第3の外部接点端子に接続する前記可撓性キャリア内の第2の内部電気接続部を提供するように前記相互接続部を使用するステップと、
を有する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサ、センサを有する医療装置、及びセンサを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
動脈の血流を測定することは、医師が適切な治療のために正しい診断を下すのに役立つ。測定原理は、スペクトルドップラに基づくことができる。そのような装置のためのアクチュエータ/レシーバは、表側及び裏側に電極を有する圧電材料の円形ディスクに基づくことができる。アクチュエータ/レシーバへの電気的相互接続は、圧電ディスクの表側及び後面の両方にワイヤをはんだ付けすることによって作成される。これは、血管内流れ検知の現在の技術水準である。圧電材料を使用する別の用途は、再び円形ディスクトランスデューサが使用されることができる、超音波場における装置上のセンサの位置特定のためのものである。
【0003】
ワイヤをはんだ付けすることによって作られた電気接続を有する圧電ディスクは、多くの場合、ワイヤ及びはんだ付け材料の存在に起因して、低減又は制限された感度及び歪みを持つ。電気接続に適用されるはんだ付け材料の量は、音響圧力出力を犠牲にして、トランスデューサ共振性能を制限することができる。
【0004】
最新技術の圧電ディスク2が、
図1A乃至
図1Cに示される。
図1Aには、ディスク2の裏面4が、示される。
図1Bには、同じ圧電ディスク2の表側6が、示される。表側及び裏側への電気接続は、銅ワイヤ、すなわち、それぞれディスク2の表側6及び裏側4に取り付けられた表側ワイヤ8及び裏側ワイヤ10をはんだ付けすることによって作成される。圧電ディスク2は、表側ワイヤ8が貫通するための孔を有する。表側ワイヤ8を固定するのに必要なはんだ材料3の量は、表側6の実質的な部分を覆いうる。その場合、圧電ディスクの減少された活性面6により、音響圧力の損失が、存在することができる。表側6の例示的な上面図が、
図1Cに示され、ここでは、はんだ付けが、表側6の約1/4を覆う。
【0005】
セラミックディスクは、また、約300μmの直径などの非常に小さいサイズを有する。したがって、ワイヤは、極めて小さく、典型的なワイヤ直径は、20乃至40μmの範囲である。トランスデューサ及び電気ワイヤの両方の、極めて小さい寸法のために、信頼性が高く再現可能な接続も、また、このはんだ付け方法を使用して達成するのが非常に困難であり、比較的高い歩留まり損失につながる。特に、トランスデューサ前面6上に適用されるはんだ3の量は、制御することが困難であり、トランスデューサ共振性能及び音響圧力出力に影響を及ぼすことができる。
【0006】
本出願人は、欧州特許出願第19155417.9号において、センサ素子と、相互接続部と、金属層とを有するセンサを提案しているが、まだ公開していない。相互接続部は、センサ素子に配置されるように構成され、センサ素子の一方の側からセンサ素子の他方の側に、外周縁の周りに延在する。センサ素子への電気的接続は、センサ素子の同じ側で作成されることができる。
【0007】
相互接続部は、センサ素子の周りに結合され、巻き付けられた薄い片面金属化フィルムを有する。それは、はんだ付け、及びセンサ素子の開口部を通って細いワイヤを通過させることのの必要性を回避する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この設計は、相互接続部の導電性外面を考慮しなければならない。したがって、いくつかの設計制約がある。寸法上の制約を有する医療装置におけるセンサの改善された性能及び統合を有する更なるトランスデューサ設計を提供する必要性が残っている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、請求項により規定される。
【0010】
本発明によると、センサが、提供され、センサは、
第1及び第2の反対の側を有するセンサ素子と、
電気絶縁可撓性キャリアを有する相互接続部であって、中間セグメントによって相互接続される第1及び第2の端子セグメントを有する相互接続部と、
を有し、
第1の端子セグメントは、センサ素子の第1の側面に対して配置され、第1の側に面する表面上に第1の接点端子を有し、
第2の端子セグメントは、センサ素子の第2の側に対して配置され、第2の側に面する表面上に第2の接点端子を有し、
相互接続部は、第3及び第4の外部接点端子を更に有し、
相互接続部は、第1の接点端子及び第4の接点端子を接続する可撓性キャリア内の第1の内部電気接続部と、第2及び第3の接点端子を接続する可撓性キャリア内の第2の内部電気接続部とを更に有する。
【0011】
このセンサは、センサ素子の一方の側の1つのセンサ端子から第1の外部端子まで、センサ素子の両側の間に延在する内部接続を提供する相互接続を有する。これは、絶縁キャリア内で遮蔽するので、これは、センサ素子の開口部を通る又は外部の周りなど、任意の所望の経路に沿って通過することができることを意味する。別の内部接続は、センサ素子の他方の側から第2の外部端子まで延在する。したがって、相互接続部は、センサのための2つの外部接点端子を提供し、センサ素子の両側に接触する。センサ素子への直接的なワイヤ接続は、回避される。代わりに、センサ素子への接続は、第1及び第2の接点端子を用いるものである。これらの接続は、物理的圧力によって、又は(ワイヤはんだ付けではなく)接点パッドはんだ付けによって、接着によって、又は任意の他の適切な接続方法によって作成されてもよい。
【0012】
第1のセットの例では、第3及び第4の接点端子が、キャリアの第2の接点端子とは反対側で、第2の端子セグメント上にある。この設計では、第1及び第2の端子セグメントのみが、必要とされる。第2の端子セグメントは、両面であり、一方の側は、センサ素子に面し、他方の側は、外側に面し、センサのための外部接触面を形成する。第2の接点端子と第3の接点端子との間の第2の内部電気接続は、例えば、キャリアを通って延在するビアであってもよい。
【0013】
第2のセットの例では、第3及び第4の接点端子が、相互接続部の第3の端子セグメント上にあり、第3の端子セグメントは、第2の中間セグメントによって第2の端子セグメントに相互接続される。
【0014】
このセットの例では、2つの中間セグメントを有する、一直線の3つの端子セグメントが存在する。この場合、相互接続部は、センサ素子と第3の端子セグメントとの間に空間を有する折り畳まれた構成を有してもよい。この空間は、例えば、音響減衰のために使用されてもよい。
【0015】
次いで、第3及び第4の接点端子は、キャリアの第2の接点端子と同じ側にあってもよい。第2の接点端子は、センサ素子の第2の側に面し、第3及び第4の接点端子は、外側に面する。それらは、第2の中間セグメントにおいて180度の屈曲の後、反対方向に向いてもよい。
【0016】
代わりに、第3及び第4の接点端子がセンサ素子の第2の側に垂直な平面内に位置するように、第2の中間セグメントに90度の屈曲又はZ屈曲があってもよい。これは、ワイヤ接続が屈曲なしで作成されることを可能にし得る。(第1の)中間セグメントは、反対の側の間に延在するように、センサ素子を通って又はセンサ素子の周りで折り畳まれる。
【0017】
第2の端子セグメントは、第1のベースユニットに接続されてもよい。第1のベースユニットは、センサ素子のためのデマッチング又は減衰バッキング層であってもよい。
【0018】
代わりに又は同様に、第3の端子セグメントは、第2のベースユニットに接続されてもよい。これは、例えば、追加の剛性を提供し、取り扱い及び処理を支援する。
【0019】
第1又は第2のベースユニットは、ASICの構成要素などの能動電子構成要素を有する。
【0020】
第2の中間セグメントは、例えば、第1及び/又は第2のベースユニットの外縁の周りに延在する。
【0021】
第1及び第2のベースユニットの両方を有する例では、第2の中間セグメントが、第1のベースユニットの外縁の周りに延在してもよく、第2のベースユニットは、第1のベースユニットに対して90度で延在してもよい。これは、外部接続ワイヤが典型的に延在する方向に平行な平面内に外部の第3及び第4の接点端子を提供し、それによって、それらが第3及び第4の接点端子に接続するワイヤの端部における屈曲の必要性を回避する。
【0022】
センサは、例えば、第3の接点端子に接続された第1のワイヤと、第4の接点端子に接続された第2のワイヤとを更に有する。これらのワイヤは、外部回路へのセンサ接続を提供する。第1及び第2のワイヤは、それぞれ、第3及び第4の接点端子に接続される端部を有する。
【0023】
これらの接続は、第3及び第4の接点端子が延在する平面に平行であってもよい。したがって、ワイヤの端部は、接点端子に対して平坦に接続される。代わりに、接続は、第3及び第4の接点端子が延在する平面に対して垂直であってもよい。したがって、接続は、それらの先端において接点端子に接続された、例えばはんだバンプによって接続されたワイヤを用いて作成されてもよい。
【0024】
上記のすべての例において、キャリアの(第1の)中間セグメントは、センサ素子の横方向外側に隣接して配置されてもよく、第1及び第2の端子セグメントは、センサ素子の第1及び第2の側の上に折り曲げられる。これは、例えばブロック形状を有するセンサに適している。中間セグメントは、外縁の周りに延在する。
【0025】
代わりに、センサ素子は、中央開口部を有してもよく、中間セグメントは、第2の端子セグメントに対して折り曲げられ、キャリアの中間セグメントは、中央開口部を通過し、第1の端子セグメントは、センサ素子の第1の側の上に折り曲げられる。中間セグメントは、例えば、外部導電部分を有していないので、センサ素子の中央開口部を通して安全に配置されることができる。
【0026】
センサ素子は、例えば超音波センサ素子である。
【0027】
超音波センサの第1の側は、例えば、解剖学的媒体への超音波の放射及び解剖学的媒体からの超音波の受信のための音響マッチングのために構成される。
【0028】
超音波トランスデューサの第2の側は、例えば、導電性超音波減衰材料を設けられてもよい。
【0029】
本発明は、また、介入医療装置を提供し、介入医療装置は、
上記で規定されたセンサ、及び
細長い本体、 を有し、
センサは、細長い本体の遠位端に取り付けられる。
【0030】
細長い本体は、血管内身体検知、例えば超音波流れ検知のためのカテーテル又はガイドワイヤであってもよい。
【0031】
本発明は、センサを製造する方法を提供し、本方法は、
2つの反対の側を有するセンサ素子を提供するステップと、
中間セグメントによって相互接続された第1及び第2の端子セグメントを有する、電気絶縁可撓性キャリアを有する相互接続部を提供するステップと、
第1の端子セグメントが、第1の側に面する第1の接点端子を有するセンサ素子の2つの反対の側の第1の側に接し、
第2の端子セグメントが、第2の側に面する第2の接点端子を有するセンサ素子の2つの反対の側の第2の側に接する、
ように相互接続部を折り曲げるステップと、
第1の接点端子を第4の外部接点端子に接続する可撓性キャリア内の第1の内部電気接続部を提供し、第2の接点端子を第3の外部接点端子に接続する可撓性キャリア内の第2の内部電気接続部を提供するように相互接続部を使用するステップと、
を有する。
【0032】
本発明のこれら及び他の態様は、以下に記載される実施形態から明らかになり、それを参照して説明される。
【0033】
本発明の例示的な実施形態は、以下の図面を参照して以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1A】既知の圧電センサ及び外部ワイヤへの接続を示す。
【
図1B】既知の圧電センサ及び外部ワイヤへの接続を示す。
【
図1C】既知の圧電センサ及び外部ワイヤへの接続を示す。
【
図2A】欧州特許出願第19155417.9号に提案されているセンサの例を示す。
【
図2B】欧州特許出願第19155417.9号に提案されているセンサの例を示す。
【
図3A】欧州特許出願第19155417.9号に提案されているセンサの別の例を示す。
【
図3B】欧州特許出願第19155417.9号に提案されているセンサの別の例を示す。
【
図13A】本発明によるセンサの第10の例を示す。
【
図13B】本発明によるセンサの第10の例を示す。
【
図13C】本発明によるセンサの第10の例を示す。
【
図13D】本発明によるセンサの第10の例を示す。
【
図13E】本発明によるセンサの第10の例を示す。
【
図14A】本発明によるセンサの第11の例を示す。
【
図14B】本発明によるセンサの第11の例を示す。
【
図15A】本発明によるセンサの第12の例を示す。
【
図15B】本発明によるセンサの第12の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0035】
ここで、特定の実施形態が、添付の図面を参照して詳細に説明される。以下の説明では、同様の図面参照番号が、異なる図面においても、同様の要素に対して使用される。詳細な構成及び要素のような、本説明で規定される事項は、例示的な実施形態の包括的な理解を助けるために提供される。また、周知の機能又は構成は、不必要な詳細で実施形態を不明瞭にするので、詳細には説明されない。更に、「のうちの少なくとも1つ」などの表現は、要素のリストに先行する場合、要素のリスト全体を修飾し、リストの個々の要素を修飾しない。
【0036】
本発明は、2つの反対の側を有するセンサ素子と、中間セグメントによって相互接続された第1及び第2の端子セグメントを有する相互接続部とを有するセンサを提供する。第1の端子セグメントは、センサ素子の第1の側に接して配置され、第1の接点端子を有する。第2の端子セグメントは、センサ素子の第2の側に対して配置され、第2の側に面する表面上に第2の接点端子を有する。第3及び第4の外部接点端子が、存在する。相互接続部は、第1及び第4の接点端子間、並びに第2及び第3の接点端子間の電気接続を提供する。
【0037】
本発明は、出願人の以前に提案された(しかしまだ公開されていない)センサ設計に対する修正である。
【0038】
図2A及び2Bは、欧州特許出願第19155417.9号に提案されているセンサ1の例を示す。
【0039】
センサ1は、センサ素子5を有する。
図2Aは、センサ素子5の裏側9を示す。裏側は、外部ワイヤ接続が行われる側であり、表側は、検知が行われる側である。
図2Bは、センサ素子5の表側11を示す。センサ1は、相互接続7を有する。相互接続7は、センサ素子5に配置され、各々金属層15を設けられたキャリアフィルム13、裏側ワイヤ17及び表側ワイヤ19を有する。キャリアフィルム13は、表部13Fと、側部13Sと、裏部13Bとを有する。
【0040】
表側及び裏側ワイヤ17、19は、屈曲部を設けられており、ワイヤ17、19の端部は、センサ素子5の裏側9と実質的に平行であり、その上にある。相互接続部7は、センサ素子5のための電気的接続を提供する。
【0041】
キャリアフィルム13(又はその表部13F及び裏部13B)は、非導電性の薄い両面接着剤(図では可視ではない)を用いて、表側11及び裏側9にそれぞれ結合される。
【0042】
金属層15は、キャリアフィルム13のセンサ素子5に面する側に設けられている。絶縁層が、側部13Sとセンサ素子5との間、及び裏部13Bとセンサ素子5との間に設けられる。キャリアフィルム13の表部13Fは、センサ素子5の表側11に配置されている。
【0043】
キャリアフィルム13は、センサ素子5の裏側9まで側面に巻き付けられる。したがって、センサ素子5の表側11に取り付けられた相互接続部7は、センサ素子5の裏側9に持っていかれる。
【0044】
表側ワイヤ19は、少なくともワイヤ19がキャリアフィルム13に接触している領域に、Au、Pt、Ag又は他の貴金属を有する金属層15を設けられている。電気的接続は、キャリアフィルム13の裏部13Bに取り付けられた表側ワイヤ19によって、及びセンサ素子5の金属めっき表面18を提供する裏側9に直接的に結合された裏側ワイヤ17によって提供される。裏側9の金属めっき表面は、金属層15と同様に、Au、Pt又は他の貴金属を有することができる。電気的接続は、センサ素子5の裏側9に設けられる。金属化キャリアフィルム13は、例えば、薄膜として提供される。
【0045】
図2A及び2Bは、中央開口部を有するセンサ素子を示す。欧州特許出願第19155417.9号は、他の可能なセンサ設計も開示している。
【0046】
図3A及び3Bは、ブロック形状のトランスデューサのための同等の設計を示す。同じインターポーザは、同じ参照番号を与えられる。また、
図3Aは、側部13Sとセンサ素子5との間、及び裏部13Bとセンサ素子5との間に設けられた絶縁体16を示している。
【0047】
このアプローチは、金属化が薄膜の片面にのみ存在するので、特定の曲げ方法を必要とする。加えて、金属化は、膜の外側にあるので、センサ素子の中央孔を通る接続は、中央孔の内側の圧電材料との接触が避けることが困難であるので、実現可能ではない。したがって、ディスク形状のセンサ素子であっても、上記のアプローチは、センサ素子の外側の周りに折り畳まれる相互接続を使用する。
【0048】
本発明は、相互接続部が内部接続を有する設計を提供する。2つの内部接続が存在し、一方は、センサ素子の一方の側と第1の外部端子との間にあり、他方は、センサ素子の他方の側と第2の外部端子との間にある。外部接続は、接続設計が最適化されることができるように、相互接続部(第1及び第2の外部端子)に対してのみ行われる。したがって、センサ素子自体への外部ワイヤ接続は不要である。以下の例から明らかなように、これらの特徴は、様々な新しいセンサ設計を可能にする。
【0049】
【0050】
図4A及び4Bは、それ自体がインターポーザと呼ばれ、センサ素子と外部ワイヤとの間の相互接続の一部を形成する電気絶縁可撓性キャリア40を示す。相互接続は、センサ素子と外部回路との間のインターポーザ、すなわち、インターポーザと外部ワイヤへの接続とを有する。
図4Aは、上面図から1つの側面を示し、
図4Bは、底面図から反対側を示す。上記の例のように、可撓性キャリア40は、中間セグメント42によって相互接続された第1及び第2の端子セグメント13F及び13Bを有する。
【0051】
第1の端子セグメント13Fは、センサ素子の第1の側(表)に対して配置するためのものであり、センサ素子の第1の側に面する表面上に第1の接点端子50を有する。
【0052】
第2の端子セグメント13Bは、センサ素子の第2の側(裏)に対して配置するためのものであり、第2の側に面する表面上に第2の接点端子52を有する。
【0053】
中間セグメントは、センサ素子に巻き付ける又は2つの側の間でセンサ素子を通過するためのものである。
【0054】
可撓性キャリア40は、第3及び第4の外部接点端子54、56を更に有する。
【0055】
第1の内部電気接続は、可撓性キャリア40内にあり、第1の接点端子50及び第4の接点端子56を接続し、可撓性キャリア内の第2の内部電気接続は、第2及び第3の接点端子52、54を接続する。したがって、内部接続は、一方の外部端子をセンサ素子の一方の側に結合し、他方の外部端子をセンサ素子の他方の側に結合する。
【0056】
図4A及び
図4Bは、インターポーザが製造される平坦な状態のインターポーザを示す。
【0057】
図4C(上面図)及び
図4D(底面図)は、第1の接点端子がセンサ素子の中央開口部を通して押されることができるように、中間セグメントが第2の端子セグメントの平面に対して90度に曲げられた後のインターポーザを示す。
【0058】
図4E(上面図)及び
図4F(底面図)は、第1の接点端子がセンサ素子5の中央開口部を通って押された後のインターポーザを示す。
【0059】
第2の端子セグメント13Bは、センサ素子5の第2の側9(裏側)に接し、第2の接点端子52は、センサ素子5のその側の端子と電気的に接触する。
【0060】
ここで、第1の端子セグメント13Fは、中央開口部を通って突出する。
【0061】
図4G(上面図)及び
図4H(底面図)は、第1の接点端子50がセンサ素子の第1の側11(表)に対して配置され、第1の接点端子50がセンサ素子5の表側の端子と電気的に接触するように、第1の接点端子が曲げられた後のインターポーザを示す。
【0062】
図4I(上面図)及び4J(底面図)は、第3及び第4(外部)接点端子54、56に対する外部ワイヤ17、19の接続を示す。
【0063】
可撓性キャリア及びワイヤ接続は、相互接続部7を規定する。内部接続のうちの1つは、センサ素子の両側の間に(この例では中央孔を通って)、センサ素子の一方の側の1つのセンサ端子から第1の外部端子まで延在する。これは、図示のように開口部を通るなど、任意の所望の経路に沿って通過することができることを意味する。別の内部接続は、センサ素子の他方の側から第2の外部端子まで延在する。センサ素子への直接のワイヤ接続は、回避される。代わりに、センサ素子自体への接続は、第1及び第2の接点端子を用いるものである。これらの接続は、物理的圧力によって、又はんだ付けによって、接着によって、又は任意の他の適切な接続方法によって作成されてもよい。
【0064】
図4に提示されるインターポーザは、表側及び裏側の両方に電気接続パッドを必要とする。インターポーザ内の電気ビアは、表側及び裏側の電気接続端子(すなわち、パッド)を接続するために使用されてもよい。
インターポーザは、例えば、表側から裏側へのメタライゼーション(ビア)とともに従来の両面フレックスPCB技術を使用して実現されてもよい。適切な可撓性基板材料は、例えば、ポリイミド又はLCP(液晶ポリマ)であることができる。
【0065】
代わりに、インターポーザが、いわゆるフレックス・トゥ・リジッド(F2R)技術を用いて実現されることができる。F2R技術は、カテーテル及びガイドワイヤの先端に複雑な電子感知及び撮像機能を統合するために開発された相互接続製造プラットフォームである。これは、cMUTトランスデューサの製造に使用されるのと同じ微細加工技術に基づく。これは、(cMUT)超音波トランスデューサ、センサ、ASIC、及び/又は受動インターポーザを含む任意のサイズ及び厚さの任意の形状のシリコンアイランドの製造を可能にする。
【0066】
F2Rは、可撓性ポリイミドの2つの層の間に挟まれた金属ルーティング層からなる可撓性相互接続部がシリコンウェハ上に製造されることを可能にする。これに続いて、分離ステップが行われ、それによって、個々の素子が、ディープ反応性イオンエッチング(DRIE)及び反応性イオンエッチング(RIE)によって分離される。F2R製造は、標準的IC製造技術に基づいており、これは、あらゆる種類の検知機能及び電子機器がカテーテルの先端に統合されることができるように、装置が縮小することを可能にする。
【0067】
したがって、F2R技術の金属ルーティング層は、(接点端子自体以外の)電気絶縁外面を維持しながら、インターポーザの接点端子間の内部電気相互接続を形成するために使用され得る。
【0068】
インターポーザ接点端子とトランスデューサとの間の電気的接続を実現するための適切な方法は、金-金接触を達成するために圧力を印加することによる。インターポーザ接点端子上の適切な金属表面仕上げは、例えば、既知のENIG(無電解ニッケル没入金)又はENEPIG(無電解ニッケル無電解パラジウム没入金)めっきステップによって得られてもよい。第1に、適切な量の適切な接着剤が、接合される必要がある電極パッドの間に塗布される。第2に、対向する電極パッド上の金が互いに接触し、それによって電気的接続を形成するまで、接着剤の過剰分を絞り出すのに十分な圧力が加えられる。
【0069】
表側及び裏側に第2のステップを同時に適用することによって、両方のトランスデューサ接続が、単一の動作で達成され得る。
【0070】
インターポーザとトランスデューサとの間の電気的接続を実現するための別の方法は、電気接点端子上にはんだを事前に塗布し、フレックスがトランスデューサの周りに折り曲げられた後にはんだをリフローすることによる。
【0071】
図5は、
図4の修正を示し、ここでは、電気的接続は、電気パッド上にはんだを事前に塗布し、インターポーザがトランスデューサの周りに折り曲げられた後にはんだ付けをリフローすることによって、インターポーザとトランスデューサとの間に作成される。
【0072】
図5A及び
図5Bは、インターポーザが製造される平坦な状態のインターポーザを示す。はんだが1つの平面に塗布されることを可能にするために、第1及び第2の電極50、52は、(
図4の構成とは異なり)インターポーザの同じ側にある。第2の電極52は、また、2つのセクション52a、52bに分割される。
【0073】
図5C(上面図)及び
図5D(底面図)は、
図5Dにおいてハッチングで示される、第1及び第2の電極端子にはんだが塗布された後のインターポーザを示している。
【0074】
図5E(上面図)及び
図5F(底面図)は、第1の接点端子50がセンサ素子の中央開口部を通って押し出されることができるように、中間セグメント42が90度に曲げられた後のインターポーザを示す。
【0075】
図5G(上面図)及び
図5H(底面図)は、第1の接点端子50がセンサ素子5の中央開口部を通って押し出された後のインターポーザを示す。
【0076】
第2の端子セグメント13Bは、センサ素子5の第2の側9(裏)に接し、第2の接点端子52は、センサ素子5の端子と電気的に接触する。
【0077】
ここで、第1の端子セグメント13Fは、中央開口部を通って突出する。
【0078】
図5I(上面図)及び
図5J(底面図)は、第1の接点端子50がセンサ素子の第1の側11(表)に接して配置され、第1の接点端子50がセンサ素子5の端子と電気的に接触するように、第1の接点端子が曲げられた後のインターポーザを示す。
【0079】
図5K(上面図)及び5L(底面図)は、第3及び第4(外部)接点端子54、56に対する外部ワイヤ17、19の接続を示す。
【0080】
インターポーザに対する適切なワイヤ接続は、露出したワイヤ端部を、結果のトランスデューササブアセンブリの近位側における電極パッドに接続することによって達成されることができる。ワイヤ接続は、当技術分野で既知の任意の好適な手段、例えば、はんだ付け又は超音波接合によって実現されることができる。
【0081】
センサ素子は、他の形状、例えば正方形又は長方形のブロックを有してもよい。
図6は、ブロック形状のトランスデューサを有する例を示す。
【0082】
上記の例と同様に、インターポーザは、中間セグメント42によって相互接続された第1及び第2の端子セグメント13F、13Bを有する。第1の端子セグメント13Fは、センサ素子の第1の側に面する表面上に第1の接点端子50を有する。第2の端子セグメントは、第2の側に面する表面上に第2の接点端子52を有する。この例では、接点端子50及び52は、センサ素子の横方向縁部の周りを包むインターポーザの同じ側にある。インターポーザは、第3及び第4の外部接点端子54、56を更に有する。
【0083】
図6A(上面図)及び
図6B(底面図)は、インターポーザが製造される平坦な状態のインターポーザを示す。
【0084】
図6C(上面図)及び
図6D(底面図)は、センサ素子5の周りに巻き付けた後のインターポーザを示す。
【0085】
図6E(上面図)及び6F(底面図)は、外部ワイヤ17、19の接続を示す。
【0086】
上述のように、F2Rプロセスは、可撓性キャリア上のシリコンアイランドの形成を可能にする。これは、シリコンセグメントが、インターポーザの選択された部分の下に組み込まれてもよいことを意味する。これは、インターポーザに対するトランスデューサ及びワイヤの操作及び/又はアセンブリ中の追加の支持を提供する。追加の利点は、電気的接触が、全て、インターポーザの同じ側に作られ、それによって電極表面のより良好な均一性を保証することができることである。
【0087】
図7は、インターポーザがトランスデューサ領域及びワイヤ接続領域の両方の下に、ベースユニットとして機能するシリコン支持セグメント80、82を有する、第1の変形例を示す。これは、トランスデューサインターポーザのアセンブリ及びワイヤの接続中に最適な支持を提供する。
【0088】
図7Aは、製造されたインターポーザを示す。外部ワイヤ接続は、この初期構成で作成される。
【0089】
この例は、中央開口部を有するセンサ素子に基づく。第1及び第2の端子セグメント13F、13B及び中間セグメントは、
図5の設計と同じであり、第1及び第2の接点端子50、52は、同じ側にある。
【0090】
第3及び第4の接点端子54、56は、相互接続部の第3の、より遠隔の、端子セグメント13R上にある。第3の端子セグメント13Rは、第2の中間セグメント44によって第2の端子セグメント13Bに相互接続される。
【0091】
第3及び第4の接点端子54、56は、インターポーザの第1及び第2の接点端子50、52と同じ側にある。したがって、4つすべての接点端子が、インターポーザの同じ側にある。
【0092】
第1及び第2の接点端子50、52は、上で説明されたのと同じ方法で、センサ素子の周りに巻き付く。第3及び第4の接点端子は、次いで、第2の中間セグメント44を曲げることによって、様々な位置に配置され得る。
【0093】
図7Bは、第1の接点端子がセンサ素子の中央開口部を通して押し出されることができるように、中間セグメントが90度に曲げられた後のインターポーザを示す。シリコン支持セグメント80、82は、互いの上に折り重ねられ、第3の端子セグメント13Rは、平行であり、第2の端子セグメント13Bの下にある。
【0094】
図7Cは、突出する第1の接点端子50の上に取り付けられたセンサ素子5を示す。
【0095】
図7Dは、第1の接点端子50がセンサ素子の第1の側11(表)に対して配置され、第1の接点端子50がセンサ素子5の端子と電気的に接触するように、第1の接点端子が曲げられた後のインターポーザを示す。
【0096】
図7Eは、例えばカテーテルの細長い軸に平行になるように曲げられたワイヤを示す。
【0097】
外部ワイヤ接続領域の下のシリコンセグメント82は、シリコン上のワイヤ結合が周知であり、トランスデューサ裏側表面に接着されたフレックス上に直接的に結合するよりも良好な制御可能プロセスであるので、ワイヤ接続プロセスを容易にするという追加の利点を有する。
【0098】
ワイヤ接続領域の下のシリコンセグメント82は、また、トランスデューサに対するワイヤ端部の複数の配向を可能にする。例えば、ワイヤ接続領域は、トランスデューサ電極面に平行であることができる。これは、例えば、
図4及び
図5に見られるように、ワイヤの90度の曲げを必要とする。
【0099】
図8は、これらのワイヤが曲がることを回避する例を示す。
【0100】
図8Aは、
図7Aに対応する。
図8Bは、トランスデューサ電極面に垂直なワイヤ接続領域を示す。これは、ワイヤ端部を曲げる必要を回避する。不利点は、この装置がトランスデューサ先端の剛性の長さを増加させ得、これがガイドワイヤ先端の柔軟性に悪影響を及ぼすことである。
【0101】
図7及び
図8は、2つのワイヤ接続パッドの平行な配向を示す。
図9及び
図10は、第3及び第4の接続端子54、56のV字型配向を有する
図7及び
図8の変形例を示す。
【0102】
【0103】
このV字型配向は、ワイヤ端部の二重S字型屈曲の必要性を妨げるので、ワイヤ接続を容易にすると期待される。他方、場合によっては、これは、ワイヤ接続セグメントの必要な幅をいくらか増加させ得、したがって、これは、特定の密閉ハウジング構成では実現可能でないかもしれない。
【0104】
図11は、第3の端子セグメント13Rの下、すなわち、第3及び第4の接点端子の下に支持セグメント82のみが存在する、
図10の変形例を示す。
【0105】
【0106】
トランスデューサの直下のインターポーザ領域におけるシリコンセグメントの使用の潜在的な欠点は、トランスデューサの振動挙動に悪影響を及ぼし得ることである。したがって、
図11は、トランスデューサの真下にそのようなシリコンセグメントがない状態である。この例は、トランスデューサ電極平面に対して垂直に配向されたワイヤ接続領域を有し、2つのワイヤ接続パッドのV字形配向を有するが、トランスデューサの真下のシリコンセグメントの除去は、他のインターポーザの変形のいずれとも組み合わせられることができると理解され得る。
トランスデューサの直下のインターポーザ領域からシリコンセグメントを単純に省略する代わりに、1つ以上の適切な音響デマッチング又は減衰バッキング層が、例えばインターポーザ底側に対する接着結合を用いて、追加されうる。
【0107】
【0108】
図12Aは、インサート120を示し、インサートは、モリブデン若しくはタングステンなどの高密度、高モジュラス金属、又は炭化タングステンなどの高密度セラミックなどのデマッチング層であり得る。インサートは、酸化アルミニウム又はガラスフィラーを有するエポキシなどの減衰バッキング層であってもよい。インターポーザ底部側において適切なデマッチング又は減衰バッキング層を含むこの代替手段は、他のインターポーザ変形例のいずれかと組み合わせられることができる。
【0109】
図12B乃至12Fは、それぞれ
図9A乃至9Eに対応し、インサートが、シリコンセグメント80に取って代わる。
ワイヤ端部がワイヤ接続パッドと平行である間にワイヤ端部を接続することの代替手段は、ワイヤ接続領域において作成された適切な開口部にそれらを挿入することである。
図13は、
図9の一般的な設計に適用されるこの代替的なワイヤ接続アプローチを示す。
【0110】
図13Aは、製造されたインターポーザを示す。外部ワイヤ接続は、この初期構成で作成される。開口部130が、第3の端子セグメント13R内に形成される。これらの開口部の周囲には、ワイヤを所定の位置にはんだ付けするために使用され得る金属パッドが、形成される。利点は、比較的短い剛体先端長であり、これは、ワイヤ端部を曲げる必要性を回避する。
【0111】
図13Aは、ワイヤはんだ付け前の構成を示し、
図13Bは、ワイヤはんだ付け後の構成を示す。
【0112】
図13Cは、上に曲げられた第1の接点端子50と、2つのシリコンセグメント80、82の周りで折り曲げられた第3の端子セグメント13Rとを示す。
【0113】
図13Dは、センサ素子5の導入を示し、
図13Eは、センサ素子上の第1の接点端子を曲げる最終段階を示す。
【0114】
上記の実施形態の全てにおいて、ワイヤ接続は、トランスデューサに比較的近い。これは、適切なポッティング材料を使用する、ある種のハウジングにおけるワイヤ接続を含む、トランスデューササブアセンブリの(準)剛体ポッティングを仮定する。このアプローチでは、最高のガイドワイヤ先端の柔軟性に好ましいので、短い剛性先端の長さが、求められる。
【0115】
代替的に、インターポーザの可撓性部分の長さは、ワイヤ接続が、もはや剛体先端の一部を形成しないように、例えば3cmに増大されてもよく、したがって、別の方法で剛体先端部の長さを低減する。
【0116】
第2の中間セグメント44を形成する長い可撓性部分を有する例示的な実施形態が、
図14に示される。
【0117】
図14Aは、インターポーザを示し、
図14Bは、接続されたセンサ素子も示す。これは、
図7の例に対する修正例として示される。
【0118】
そのようなアプローチを使用すると、ガイドワイヤ先端の柔軟性は、他の既知の方法のいずれかを使用して実現可能であるものを超えて増大され得る。トランスデューサ領域から離れてワイヤ接続を導くこのアプローチは、例えば、複数のセンサが、例えば流れ及び圧力感知のために、同じガイドワイヤに統合されるときに、トランスデューサ領域に、又は場合によってはトランスデューサ領域の近位に存在し得る空間制約問題を解決してもよい。
【0119】
【0120】
図15Aは、上部画像において折り畳まれていない平面図において相互接続部を有するセンサの例を示し、下部画像においてセンサ素子5に結合された側面図を示す。
図15Bは、上部画像における1つの面(例えば、上面図)の平面図において、中央画像における反対側の面(例えば、底面図)の平面図において、及び下部画像におけるセンサ素子5に結合された側面図において、折りたたまれていない相互接続部を有するセンサの例を示す。
【0121】
両方の場合において、上記の例のように、相互接続部7は、中間セグメント42によって相互接続された第1及び第2の端子セグメント13B、13Fを有する電気絶縁可撓性キャリアを有する。
【0122】
第1の端子セグメント13Fは、第1の側11に面する表面上に第1の接点端子50を有し、第2の端子セグメント13Bは、第2の側9に面する表面上に第2の接点端子52を有する。相互接続部は、第3及び第4の外部接点端子54、56と、上述の内部電気接続とを更に有する。
【0123】
第3及び第4の接点端子54、56は、第2の中間セグメント44によって第2の端子セグメント13Bに相互接続された第3の端子セグメント13R上にある。
【0124】
図15Aでは、接点端子は、すべて同じ表面上にあり、中間セグメントは、センサの周りで折り曲がる。
【0125】
図15Bでは、第1及び第2の接点端子が、相互接続部の両側の面上にある。一方は、センサの下に折り畳まれ、他方は、センサの上に折り畳まれる。これは、全てのブリッジ部がセンサの片側にあることを意味する。
【0126】
これらは、可能な構成のただの更なる例である。
【0127】
(Flex-to-Rigid技術を用いて実現され得る)シリコンセグメント80、82のうちの少なくとも1つを有する全てのインターポーザ変形例が、電子ASIC機能を含み得ることに留意されたい。この電子機器の機能は、信号増幅、複数のセンサからの多重化信号、又は任意の他の関連する電子機能もしくは機能の組み合わせであることができる。
【0128】
ガイドワイヤに重点が置かれていたとしても、本発明は、同様の流れ検知又は位置追跡機能を有する、マイクロカテーテルなどの他のカテーテル様装置にも適用可能である。ガイドワイヤとマイクロカテーテルとの間の主な違いは、マイクロカテーテルがその主要管腔内にガイドワイヤを収容するのに適した中空チューブであることである。したがって、マイクロカテーテルの外径は、より大きく、中央孔を含む円板が圧電トランスデューサのために使用される場合、トランスデューサの孔は、ガイドワイヤにフィットするために、より大きくなる。
【0129】
図16は、
図16Aの断面図及び
図16Bの斜視断面図においてカテーテルを示す。トランスデューサ150は、カテーテルの内側チューブ152の周りに環状形状を有する。トランスデューサは、バッキング及び/又はデマッチング特性を有する接着剤層154によって保持される。トランスデューサは、例えば、血流測定のための圧電トランスデューサを有してもよい。
【0130】
上記のすべての例において、センサは、ドップラ流れ測定、超音波画像などのいくつかの医療用途に使用され得る。更に、外部超音波プローブによるセンサの超音波追跡も、可能にされる。
【0131】
センサは、能動部分及び受動部分を含む、材料の音響スタックを有してもよい。センサ素子は、超音波を発生/受信する能動部分である。センサ素子は、セラミックディスク又は任意の幾何学的形態(円形、正方形、六角形、八角形など)のプレートを有してもよい。センサの受動部分は、音響波を所望の媒体に効果的に結合する役割を果たす。
【0132】
受動部分は、能動部分の前の1つ又は複数のマッチング層と、能動部分の裏の1つ又は複数のデマッチング層とによって提供される。デマッチング層は、望ましくない方向(例えば、装置の近位シャフト)における超音波の伝送を減衰させるためのバッキング材料を有することができる。デマッチング層は、非導電性エポキシ材料を有することができる。能動部分は、単結晶圧電材料を有することができる。マッチング層は、超音波を所望の方向における媒体(例えば、解剖学的構造、様々な体液など)に効率的に結合する。
【0133】
センサ素子は、圧電超音波エミッタ/センサアレイ、又は容量性微細加工超音波エミッタ/センサアレイを有してもよい。センサ素子は、材料の複数の又は単一の音響スタックを有してもよい。超音波エミッタ/レシーバ素子又はトランスデューサ素子は、衝突する超音波上の解剖学的媒体(構造体、流体)からの超音波散乱及び反射を受信するための増大した開口を提供する。
【0134】
インターポーザの接点端子は、例えば、金属、例えば金(Au)又は白金(Pt)のような他の貴金属を有する。Au又はPtのような他の貴金属が、腐食を防ぐために、好ましい場合がある。適切にシールドされる場合、銀(Ag)も、使用されることができる。金属層の厚さは、約10乃至500ナノメートル、好ましくは約30乃至50ナノメートル(公差を含む)の範囲である。
【0135】
従来技術のように、トランスデューサ表面上の追加のはんだ付け材料の必要性は、はんだ付けされたワイヤを本明細書に記載の相互接続部で置き換える場合に回避される。また、相互接続部は、より少ない有害な音響的影響を提供し、又は音響圧力出力を高めさえする。
【0136】
ワイヤ17、19は、例えば、少なくともワイヤ17、19が接点端子に接触する領域において、Au、Pt、Ag又は他の貴金属を有する金属層を設けられる。
【0137】
本明細書に記載の相互接続部と共に使用されるセンサ素子は、20乃至100ミクロンのマッチング層の厚さを有してもよい。所定頻度、例えば6乃至45MHzの間で、キャリアの厚さは、マッチング層の一部であることができ、又は完全にそれ自体でマッチング層を形成することができる。実施形態のいずれかにおける第1の端子セグメント13Fの厚さは、好ましくは、圧電材料と人体の解剖学的構造との間の大きな音響インピーダンス不整合を橋絡する1/4波長(λ/4)音響マッチング層として作用するように選択される。
【0138】
本発明は、図面及び前述の説明において図示され、詳細に説明されているが、そのような図示及び説明は、実例的又は典型的であり、限定的ではないと見なされるべきである。本発明は、開示された実施形態に限定されない。開示された実施形態に対する他の変形は、図面、開示及び従属請求項の検討から、請求項に記載の発明を実施する際に当業者によって理解され達成されることができる。請求項において、単語「有する」は、他の要素又はステップを排除するものではなく、不定冠詞「a」又は「an」は、複数性を排除するものではない。単一のプロセッサ又は他のユニットは、特許請求の範囲に記載されたいくつかの項目の機能を満たしてもよい。特定の手段が相互に異なる従属請求項において言及されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用されることができないことを示すものではない。請求項におけるいかなる参照符号も、範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。