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特許7430826シールドマシンの常圧でのカッター交換方法及びカッター交換治具
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-02
(45)【発行日】2024-02-13
(54)【発明の名称】シールドマシンの常圧でのカッター交換方法及びカッター交換治具
(51)【国際特許分類】
   E21D 9/087 20060101AFI20240205BHJP
【FI】
E21D9/087 C
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022576117
(86)(22)【出願日】2022-06-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-08-17
(86)【国際出願番号】 CN2022100336
(87)【国際公開番号】W WO2023273974
(87)【国際公開日】2023-01-05
【審査請求日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】202110752403.1
(32)【優先日】2021-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522478721
【氏名又は名称】中交天和機械設備製造有限公司
【氏名又は名称原語表記】TIANHE MECHANICAL EQUIPMENT MANUFACTURING CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 123, Yiyu Road Changshu, Jiangsu 215000, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】倪 鴻斌
(72)【発明者】
【氏名】楊 雪芳
(72)【発明者】
【氏名】張 宇奇
(72)【発明者】
【氏名】楊 佳沈
(72)【発明者】
【氏名】王 龍駒
【審査官】五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-101063(JP,A)
【文献】特開2010-090537(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105736005(CN,A)
【文献】特開2003-253989(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21D 1/00- 9/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シールドマシンの常圧でのカッター交換方法において、前記シールドマシンはカッター、カッターバレル、及び前記シールドマシンのシールド体に対して固定して設置された外筒体を含み、前記カッターが前記カッターバレルの前端部に取り外し可能に装着され、前記外筒体には前後方向に貫通する第1取付孔が開けられ、前記カッターバレルが前記第1取付孔に挿設され、前記外筒体には前記第1取付孔を遮断するためのシャッターを備えるシールドマシンの常圧でのカッター交換方法であって、
前記カッターバレルは前後方向に接続された前バレル及び後バレルを含み、前記前バレルの後端部は前記後バレルの前端部に取り外し可能に接続され、
前記常圧でのカッター交換方法は、
前記カッターが前記シャッターの後側に位置し且つ前記前バレル部分が前記第1取付孔に位置するまで、前記カッターバレルの後方から後方に前記カッターバレルを引き、前記カッターバレルを前記第1取付孔において前方から後方に移動させ、前記シャッターを閉じるステップ(1)と、
前記後バレルを前記前バレルから取り外すステップ(2)と、
前記前バレル及び前記カッターが前記第1取付孔から完全に抜け出るまで、前記前バレルを後方に引くステップ(3)と、
前記前バレル上の前記カッターを交換し、且つカッターが交換された前記前バレルを前記第1取付孔に再挿入するステップ(4)と、
前記後バレルを前記前バレルに再装着し、前記シャッターを開き、前記カッターバレルが前記第1取付孔に完全に挿入されるまで、前記カッターバレルを前に押し出すステップ(5)とを含み、
前記外筒体の後側にはカッター交換シート及びカッター交換シリンダーが設置され、前記カッター交換シートは取り外し可能に接続された前シート本体及び後シート本体を含み、前記前シート本体の前端部が前記外筒体の後端部に取り外し可能に接続され、前記カッター交換シリンダーは伸縮ロッド及びシリンダーブロックを含み、前記伸縮ロッドの延出端が前記後シート本体の後端部に接続され、ステップ(1)において、前記カッターバレルが前記カッター交換シリンダーによって引かれ、前記シリンダーブロックが前記後バレルに取り外し可能に接続され、前記カッター交換シリンダーが収縮すると、前記シリンダーブロックは前記カッターバレルを動かして後方に移動させ、
前記シールドマシンは、ネジロッド、及び前記前シート本体の後端部に取り外し可能に接続された固定台をさらに含み、固定台には前後方向に延伸する案内孔が開けられ、前記前バレルに固定板が設置され、固定板には前後方向に延伸するネジ孔が開けられ、ステップ(3)において、前記ネジロッドは前記案内孔に挿設されて前記ネジ孔と係合され、且つ前記ネジロッドが回転すると、前記前バレルを動かして前後に移動させる、
ことを特徴とするシールドマシンの常圧でのカッター交換方法。
【請求項2】
ステップ(2)において、前記後バレルと前記シリンダーブロックは常に接続され、且つ前記後バレルを前記前バレルから取り外す前に、前記後シート本体を前記前シート本体から取り外す必要がある、ことを特徴とする請求項に記載のシールドマシンの常圧でのカッター交換方法。
【請求項3】
ステップ(3)及びステップ(4)において、前記固定台は前記前シート本体に常に接続され、且つ前記ネジロッドは前記ネジ孔と常に係合される、ことを特徴とする請求項に記載のシールドマシンの常圧でのカッター交換方法。
【請求項4】
ステップ(5)において、前記固定台は前記前シート本体から取り外され、前記ネジロッドと前記ネジ孔との係合が解除され、且つ前記後バレルを前記前バレルに装着した後、前記後シート本体を前記前シート本体に装着し、且つ前記伸縮ロッドを前記後シート本体の後端部に接続する必要があり、前記カッター交換シリンダーが伸長すると、前記カッターバレルが前記第1取付孔に再挿入される、ことを特徴とする請求項に記載のシールドマシンの常圧でのカッター交換方法。
【請求項5】
前記外筒体にはスラリー排出孔が設置され、前記スラリー排出孔が前記シャッターの後側に位置し、ステップ(1)において、前記シャッターを閉じた後に、前記スラリー排出孔によって前記第1取付孔における前記シャッターの後側に存在するスラリーを排出する必要がある、ことを特徴とする請求項1に記載のシールドマシンの常圧でのカッター交換方法。
【請求項6】
シールドマシンの常圧でのカッター交換方法を実行できるシールドマシンのカッター交換治具であって、
前記シールドマシンの常圧でのカッター交換方法は、
前記シールドマシンはカッター、カッターバレル、及び前記シールドマシンのシールド体に対して固定して設置された外筒体を含み、前記カッターが前記カッターバレルの前端部に取り外し可能に装着され、前記外筒体には前後方向に貫通する第1取付孔が開けられ、前記カッターバレルが前記第1取付孔に挿設され、前記外筒体には前記第1取付孔を遮断するためのシャッターを備えるシールドマシンの常圧でのカッター交換方法であって、
前記カッターバレルは前後方向に接続された前バレル及び後バレルを含み、前記前バレルの後端部は前記後バレルの前端部に取り外し可能に接続され、
前記常圧でのカッター交換方法は、
前記カッターが前記シャッターの後側に位置し且つ前記前バレル部分が前記第1取付孔に位置するまで、前記カッターバレルの後方から後方に前記カッターバレルを引き、前記カッターバレルを前記第1取付孔において前方から後方に移動させ、前記シャッターを閉じるステップ(1)と、
前記後バレルを前記前バレルから取り外すステップ(2)と、
前記前バレル及び前記カッターが前記第1取付孔から完全に抜け出るまで、前記前バレルを後方に引くステップ(3)と、
前記前バレル上の前記カッターを交換し、且つカッターが交換された前記前バレルを前記第1取付孔に再挿入するステップ(4)と、
前記後バレルを前記前バレルに再装着し、前記シャッターを開き、前記カッターバレルが前記第1取付孔に完全に挿入されるまで、前記カッターバレルを前に押し出すステップ(5)とを含み、
前記カッター交換治具は前記カッターバレル、前記外筒体、及び前記シャッターを含み、前記外筒体の後側にはカッター交換シート及びカッター交換シリンダーがさらに設置され、前記カッター交換シートは取り外し可能に接続された前シート本体及び後シート本体を含み、前記前シート本体の前端部が前記外筒体の後端部に取り外し可能に接続され、前記カッター交換シリンダーは伸縮ロッド及びシリンダーブロックを含み、前記伸縮ロッドの延出端が前記後シート本体の後端部に接続され
前記カッター交換治具は、ネジロッド、及び前記前シート本体の後端部に取り外し可能に接続された固定台をさらに含み、前記固定台には前後方向に延伸する案内孔が開けられ、前記前バレルに固定板が設置され、固定板には前後方向に延伸するネジ孔が開けられ、前記ネジロッドが前記案内孔に挿設されて前記ネジ孔と係合される、
ことを特徴とするシールドマシンのカッター交換治具。
【請求項7】
前記カッター交換治具は前記シャッターを開閉できる制御シリンダーをさらに含む、ことを特徴とする請求項に記載のシールドマシンのカッター交換治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシールドマシンの常圧でのカッター交換方法及び常圧でのカッター交換治具に関する。
【背景技術】
【0002】
カッターはシールドマシンの掘進時の不可欠の部分であり、シールドマシンの掘進の進行に伴ってカッターが摩耗されており、シールドマシンの効率的な掘進及び施工品質を確保するために、カッターを適時に交換する必要があり、常圧でのカッター交換方法は一般的にカッター交換治具に基づいて実施される必要があるが、従来の常圧でのカッター交換方法及びカッター交換治具でカッターを交換する際に、カッターバレル全体を外筒体から引き出さなければならず、一部のカッターバレルの寸法が比較的長く、且つシールドマシン自体の構造が制限されているため、カッターバレルの後部のカッター交換空間が不十分であり、従来の常圧でのカッター交換方法及びカッター交換治具を使用するとカッターバレルを外筒体から完全に引き抜くことができず、すなわちカッターを交換することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
カッター交換空間が不十分であることを解消できるシールドマシンの常圧でのカッター交換方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、本発明は以下の技術的解決手段を採用する。
シールドマシンの常圧でのカッター交換方法であって、前記シールドマシンはカッター、カッターバレル、及び前記シールドマシンのシールド体に対して固定して設置された外筒体を含み、前記カッターが前記カッターバレルの前端部に取り外し可能に装着され、前記外筒体には前後方向に貫通する第1取付孔が開けられ、前記カッターバレルが前記第1取付孔に挿設され、前記外筒体には前記第1取付孔を遮断するためのシャッターを備え、前記カッターバレルは前後方向に接続された前バレル及び後バレルを含み、前記前バレルの後端部は前記後バレルの前端部に取り外し可能に接続され、
前記常圧でのカッター交換方法は、
前記カッターが前記シャッターの後側に位置し且つ前記前バレル部分が前記第1取付孔に位置するまで、前記カッターバレルの後方から後方に前記カッターバレルを引き、前記カッターバレルを前記第1取付孔において前方から後方に移動させ、前記シャッターを閉じるステップ(1)と、
前記後バレルを前記前バレルから取り外すステップ(2)と、
前記前バレル及び前記カッターが前記第1取付孔から完全に抜け出るまで、前記前バレルを後方に引くステップ(3)と、
前記前バレル上の前記カッターを交換し、且つカッターが交換された前記前バレルを前記第1取付孔に再挿入するステップ(4)と、
前記後バレルを前記前バレルに再装着し、前記シャッターを開き、前記カッターバレルが前記第1取付孔に完全に挿入されるまで、前記カッターバレルを前に押し出すステップ(5)とを含む。
【0005】
好ましくは、前記外筒体の後側にはカッター交換シート及びカッター交換シリンダーが設置され、前記カッター交換シートは取り外し可能に接続された前シート本体及び後シート本体を含み、前記前シート本体の前端部が前記外筒体の後端部に取り外し可能に接続され、前記カッター交換シリンダーは伸縮ロッド及びシリンダーブロックを含み、前記伸縮ロッドの延出端が前記後シート本体の後端部に接続され、ステップ(1)において、前記カッターバレルが前記カッター交換シリンダーによって引かれ、前記シリンダーブロックが前記後バレルに取り外し可能に接続され、前記カッター交換シリンダーが収縮すると、前記シリンダーブロックは前記カッターバレルを動かして後方に移動させる。
【0006】
好ましくは、ステップ(2)において、前記後バレルと前記シリンダーブロックは常に接続され、且つ前記後バレルを前記前バレルから取り外す前に、前記後シート本体を前記前シート本体から取り外す必要がある。
【0007】
好ましくは、前記シールドマシンは、ネジロッド、及び前記前シート本体の後端部に取り外し可能に接続された固定台をさらに含み、固定台には前後方向に延伸する案内孔が開けられ、前記前バレルに固定板が設置され、固定板には前後方向に延伸するネジ孔が開けられ、ステップ(3)において、前記ネジロッドは前記案内孔に挿設されて前記ネジ孔と係合され、且つ前記ネジロッドが回転すると、前記前バレルを動かして前後に移動させる。
【0008】
さらに、ステップ(3)及びステップ(4)において、前記固定台は前記前シート本体に常に接続され、且つ前記ネジロッドは前記ネジ孔と常に係合される。
【0009】
さらに、ステップ(5)において、前記固定台は前記前シート本体から取り外され、前記ネジロッドと前記ネジ孔との係合が解除され、且つ前記後バレルを前記前バレルに装着した後、前記後シート本体を前記前シート本体に装着し、且つ前記伸縮ロッドを前記後シート本体の後端部に接続する必要があり、前記カッター交換シリンダーが伸長すると、前記カッターバレルが前記第1取付孔に再挿入される。
【0010】
さらに、前記外筒体にはスラリー排出孔が設置され、前記スラリー排出孔が前記シャッターの後側に位置し、ステップ(1)において、前記シャッターを閉じた後に、前記スラリー排出孔によって前記第1取付孔における前記シャッターの後側に存在するスラリーを排出する必要がある。
【0011】
本発明の別の目的は、上記常圧でのカッター交換方法を実行できるカッター交換治具を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は以下の技術的解決手段を採用する。
請求項1~7のいずれか一項に記載の常圧でのカッター交換方法を実行できるシールドマシンのカッター交換治具であって、前記カッター交換治具は前記カッターバレル、前記外筒体、及び前記シャッターを含み、前記外筒体の後側にはカッター交換シート及びカッター交換シリンダーがさらに設置され、前記カッター交換シートは取り外し可能に接続された前シート本体及び後シート本体を含み、前記前シート本体の前端部が前記外筒体の後端部に取り外し可能に接続され、前記カッター交換シリンダーは伸縮ロッド及びシリンダーブロックを含み、前記伸縮ロッドの延出端が前記後シート本体の後端部に接続される。
【0012】
好ましくは、前記カッター交換治具は、ネジロッド、及び前記前シート本体の後端部に取り外し可能に接続された固定台をさらに含み、前記固定台には前後方向に延伸する案内孔が開けられ、前記前バレルに固定板が設置され、固定板には前後方向に延伸するネジ孔が開けられ、前記ネジロッドは前記案内孔に挿設されて前記ネジ孔と係合される。
【0013】
好ましくは、前記カッター交換治具は前記シャッターを開閉できる制御シリンダーをさらに含む。
【発明の効果】
【0014】
上記技術的解決手段を採用することにより、従来技術に比べて本発明は以下の利点を有する。本発明の常圧でのカッター交換方法では、段階的なカッターバレルの後バレルと前バレルを外筒体から順に取り外し、カッターを交換した後、前バレルと後バレルを別体に挿入する方式で外筒体に再装着することにより、カッター交換時の必要な空間を小さくし、すなわち、カッター交換空間が不十分である場合でも、カッター交換操作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1-3】本発明のカッター交換治具の全体構造の分解図であり、そのうち、図2図1におけるカッター交換治具の側面図であり、図3図1におけるカッター交換治具の平面図である。
図4-7】本発明のカッター交換治具の全体構造の模式図であり、そのうち、図5図4におけるカッター交換治具の側面図であり、図6図4におけるカッター交換治具の平面図であり、図7図6におけるカッター交換治具のA-A方向に沿った断面図である。
図8-12】本発明のカッター交換治具の第1カッター交換状態にある時の構造模式図であり、そのうち、図9図8におけるカッター交換治具の側面図であり、図10図9におけるカッター交換治具のB-B方向に沿った断面図であり、図11図8におけるカッター交換治具の平面図であり、図12図11におけるカッター交換治具のC-C方向に沿った断面図である。
図13-16】本発明のカッター交換治具の第1カッター交換状態にある時の構造分解図であり、そのうち、図15図13におけるカッター交換治具の平面図であり、図16図15におけるカッター交換治具のD-D方向に沿った断面図である。
図17-20】本発明のカッター交換治具の第1カッター交換状態と第2カッター交換状態との中間状態にある時の構造分解図であり、そのうち、図18図17におけるカッター交換治具の一部の構造を除去した後の模式図であり、図19図18におけるカッター交換治具の側面図であり、図20図18におけるカッター交換治具の平面図である。
図21-22】本発明のカッター交換治具の第2カッター交換状態にある時の構造分解図であり、そのうち、図22図21におけるカッター交換治具の平面図である。
図23-27】本発明のカッター交換治具の第2カッター交換状態にある時の全体構造模式図であり、そのうち、図24図23におけるカッター交換治具の内部構造図であり、図25図23におけるカッター交換治具の一部の構造を除去した後の模式図であり、図26図25におけるカッター交換治具の平面図であり、図27図26におけるカッター交換治具のE-E方向に沿った断面図である。
図28-31】本発明のカッター交換治具の第2カッター交換状態にある時の構造模式図であり、且つ前カッターバレルが外筒体から完全に引き抜かれ、そのうち、図29図28におけるカッター交換治具の一部の構造を除去した後の模式図であり、図30図29におけるカッター交換治具の側面図であり、図31図29におけるカッター交換治具の平面図である。
図32-34】本発明のカッター交換治具のカッターバレル及び外筒体の構造模式図であり、そのうち、図33図32におけるカッター交換治具の平面図であり、図34図33におけるカッター交換治具のF-F方向に沿った断面図である。
図35】本発明のカッター交換治具のカッターバレルの三次元構造模式図である。
図36図35におけるカッターバレルの構造分解図である。
図37】本発明のカッター交換治具のカッターバレルの全断面図である。
図38】本発明のカッター交換治具のカッターバレルの全断面図である。
図39図38におけるカッターバレルのG-G方向に沿った断面図である。
図40図38のH箇所の部分拡大図である。
図41図38におけるI箇所の部分拡大図である。
図42】本発明のカッター交換治具のカッターバレルの前バレルの全断面図である。
図43図42におけるJ箇所の部分拡大図である。
図44】本発明のカッター交換治具のカッターバレルの後バレルの全断面図である。
図45図44におけるK箇所の部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
各図に示されるシールドマシンのカッター交換治具を参照して、カッター1を装着するためのカッターバレル2、及びカッターバレル2の外側周部に設けられる外筒体3を含み、外筒体3はシールドマシンのシールド体に対して固定して設置され、カッターバレル2は取り外し可能に接続された前バレル21及び後バレル22を含み、前バレル21には固定板23が設置され、固定板23には前後方向に延伸するネジ孔231が開けられ、カッター1が前バレル21の前端部に取り外し可能に装着され、具体的に、前バレル21の前端部にはカッターを装着するためのボス215が設置され、外筒体3には前後方向に貫通する第1取付孔31が開けられ、カッターバレル2は自体の長さ方向に沿って摺動できるように第1取付孔31に挿設される。
【0017】
カッター交換治具は外筒体3の後側に設置されるカッター交換シート4及びカッター交換シリンダー5をさらに含み、カッター交換シート4は取り外し可能に接続された前シート本体41及び後シート本体42を備え、前シート本体41の前端部が外筒体3の後端部に取り外し可能に接続され、カッター交換シート4はカッターバレル2を収容できる中空内部空洞43を備え、カッター交換シリンダー5は伸縮ロッド51及びシリンダーブロック52を含み、伸縮ロッド51が後シート本体42の後端部に接続され、シリンダーブロック52が前後方向に沿ってカッターバレル2に挿設され、シリンダーブロック52がカッターバレル2の後端部に取り外し可能に接続される。図35図45に示すように、具体的に、図37及び図38に示すように、前バレル21の後端部と後バレル22の前端部の両方のうちの一方には取付凸環24が固定して設けられ、他方には取付凸環24と係合できる凸環取付孔211が設置され、前バレル21と後バレル22とは長さ方向に沿って密閉的に接続され、取付凸環24は凸環取付孔211に挿設され、取付凸環24の外側周部と凸環取付孔211とは密閉的に設置される。前バレル21と後バレル22の外径が同じで中心線が重なり、取付凸環24の外径が前バレル21/後バレル22の外径よりも小さい。
【0018】
本実施例では、図44及び図45に示すように、取付凸環24は後バレル22の前端部に設けられ、凸環取付孔211は前バレル21の後端部に位置し、取付凸環24の外径が後バレル22の外径よりも小さく、本実施例では、後バレル22の前端部には取付凸環24が係合挿入可能な軸受け孔を備え、後バレル22の前端部が取付凸環24の外側周部に溶接で固定して接続され、取付凸環24の後端部が後バレル22の内側周部に溶接で固定して接続され、他のいくつかの実施例では、取付凸環24と後バレル22とは一体設置されてもよく、ここでは具体的に限定しない。
【0019】
図38図40に示すように、前バレル21と後バレル22との間に第1シールリング25が設置され、前バレル21の後端部には第1シールリング25を収容できる第1シール溝212が設置され、第1シールリング25は取付凸環24に外装されて後バレル22の前端面に当接され、これにより、外部のスラリーがカッターバレル2の内部に入ることを防止することができる。前バレル21と取付凸環24との間に第2シールリング26がさらに設置され、取付凸環24の外側周部には第2シールリング26を収容できる第2シール溝241が開けられ、第2シールリング26は凸環取付孔211の内側周部に当接されて第1シールリング25の前側に位置し、これにより、第1シールリング25と第2シールリング26は二重密封を形成することができ、密封効果がより良好になる。
【0020】
図38図40図42及び図44に示すように、前バレル21の後端部には半径方向に延伸する第1固定孔213が開けられ、取付凸環24には半径方向に延伸する第2固定孔242が開けられ、第1固定孔213が皿孔であり、第2固定孔242がネジ付きの貫通孔であり、第1固定孔213と第2固定孔242とはシールネジで固定して接続され、すなわち、カッターバレル2が第1取付孔31に挿入する際に、シールネジ27はカッターバレルの挿入に干渉することがなく、本実施例では、シールネジ27は第1シールリング25と第2シールリング26との間に位置する。
【0021】
図36に示すように、凸環取付孔211の内側周部にはカッターバレルの長さ方向に沿って延伸する突起214が設けられ、取付凸環24の端部には突起214が係合挿入可能な凹溝243が開けられ、このような設置により、前バレル21と後バレル22を装着する際に、突起214と凹溝243の係合により、第1固定孔213と第2固定孔242を迅速に位置合わせることができ、迅速な装着を容易にすると同時に、ねじり強度を高め、シールネジ27に対して一定の保護効果を有する。図38及び図41に示すように、前バレル21の前端部には第3シール溝216がさらに開けられ、これにより、カッターバレル2と第1取付孔31とは緊密に係合でき、シールドマシンが通常に動作し又はカッターを交換する過程で、スラリーが第1取付孔31からカッターバレル2の後方に漏れることを防止することができる。
【0022】
具体的には、図1図3図32図34に示すように、後バレル22にはシリンダーブロック52が挿入可能な第2取付孔221を備え、且つカッター交換シリンダー5のシリンダーブロック52の一部/全部は第2取付孔221に位置し、これにより、シリンダーブロック52はカッターバレル2の後側の空間を占有せず、本実施例では、後バレル22の後端部には第2取付孔221を塞ぐことができる後蓋222がさらに設置される。
【0023】
図21図34に示すように、カッター交換治具は、ネジ孔231と係合できるネジロッド6、及び前シート本体41の後端部に取り外し可能に接続された固定台7をさらに含み、固定台7には案内孔71が開けられ、ネジロッド6は案内孔71に挿設されてネジ孔231と係合され、ネジロッド6は自体の軸線に沿って回転でき且つ回転する時に前バレル21を駆動して前後方向に移動させることができる。
【0024】
カッター交換治は第1カッター交換状態及び第2カッター交換状態を有し、カッター交換治具が第1カッター交換状態にある場合、後シート本体42は前シート本体41に接続され、伸縮ロッド51はシリンダーブロック52に対して後退し、後バレル22は第1取付孔31の後方に位置し、前バレル21部分は第1取付孔31に位置し、カッター交換治具が第2カッター交換状態にある場合、後バレル22と前バレル21は分離され、固定台7は前シート本体41に接続され、ネジロッド6とネジ孔231とは係合される。
【0025】
図7図10及び図12に示すように、後シート本体42の後端部には伸縮ロッド51の延出端が延出可能なスルーホール44が設置され、スルーホール44が前後方向に沿って延伸し、伸縮ロッド51の延出端には第1接続孔511を備え、後シート本体42の後端部には接続板45が設けられ、接続板45には接続板45の厚さ方向に沿って延伸する第2接続孔451が開けられ、第1接続孔511と第2接続孔451はボルトで接続される。
【0026】
図1図3図13図15に示すように、後シート本体42は前記カッターバレル2の半径方向に沿って取り外し可能に接続された第1シート本体421及び第2シート本体422を備え、これにより、カッターを交換する過程で、後シート本体42を容易に半径方向に沿って前シート本体41に装着し/前シート本体41から取り外すことができ、カッターバレル2の軸方向の空間が不十分である問題を解消する。そのうち、第1シート本体421と第2シート本体422の両方には接続板45が設置され、2セットの接続板45が平行的に設置され、2セットの接続板45の間に送りがあり、伸縮ロッド51の延出端が2セットの接続板45の間に位置し、すなわち、第1シート本体421及び第2シート本体422を前シート本体41から取り外す際に、伸縮ロッド51を後シート本体42から同時に取り外すことができ、操作がより便利になる。第1シート本体421の後端部と第2シート本体422の後端部の両方には円弧状溝(図示せず)が設置され、第1シート本体421が第2シート本体422に接続されると、2セットの円弧状溝が上記スルーホール44を形成する。
【0027】
図1図13図23図25図28図29図35及び図36に示すように、カッター交換シート4には前後方向に沿って延伸する案内突起46が設置され、案内突起46がカッター交換シート4の内側周部に位置し、後バレル22の後端部にはフランジ板223が固定して設けられ、フランジ板223にはカッターバレルの長さ方向に沿って延伸する複数セットの案内溝224が開けられ、案内突起46は案内溝224と係合でき、カッター交換の過程において案内及び制限の作用を果たす。
【0028】
外筒体3には第1取付孔31を遮断できるシャッター32がさらに設置され、シャッター32は外筒体3の半径方向に沿って延伸し、カッター交換治具はシャッター32の開放/閉鎖を制御できる制御シリンダー35をさらに含み、本実施例では、シャッター32が2セット設置され、2セットのシャッター32は第1取付孔31の中心線に対して対称的に分布し、2セットのシャッター32が半径方向に沿って相互に接近して移動する場合に、シャッター32が閉じられ、相互に離れて移動する場合に、シャッターが開かれ、制御シリンダー35の長さ方向に沿った両端にはそれぞれ1セットの押圧板(図示せず)が設置され、押圧板がシャッター32に押圧され、制御シリンダー35が収縮すると、押圧板はシャッター32を動かして移動させることでシャッター32を閉じ、制御シリンダー35が伸長すると、押圧板はシャッター32を引いて開く。
【0029】
外筒体3には外筒体3の半径方向に沿って延伸するスラリー排出孔がさらに設置され、スラリー排出孔が第1取付孔31に連通し、スラリー排出孔とカッター交換シート4がシャッター32の同一側に位置し、外筒体3にはスラリー排出孔33を開放/閉鎖できるボール弁34がさらに設置され、シャッター32が閉じられる場合、ボール弁34を開くと第1取付孔31におけるシャッター32の後側に存在するスラリーを排出することができ、カッターバレル2が第1取付孔31から引き出される時に、スラリーが第1取付孔31から流れることがないのを確保することができる。
【0030】
本発明の常圧でのカッター交換方法は、具体的に以下のとおりである。
(1)具体的に、図8図12に示すように、後蓋222をカッターバレル2から取り外し、カッター交換シリンダー5のシリンダーブロック52を後バレル22に接続し、カッター交換シート4の前シート本体41を外筒体3の後端部に装着し、伸縮ロッド51をシリンダーブロック52から延出させ、伸縮ロッド51の延出端を後シート本体42の後端部に接続し、同時に後シート本体42を前シート本体41の後端部に装着し、具体的に、図1図7に示すように、カッター交換シリンダー5を収縮させ、伸縮ロッド51がシリンダーブロック52に完全に後退するまで、シリンダーブロック52を伸縮ロッド51の延出端に向かって移動させ、シリンダーブロック52はカッターバレル2を動かしてカッター交換シート4に向かって移動させ、すなわち、後方に移動し、シャッター32を閉じてボール弁34を開き、シャッター32の後側に存在する第1取付孔31におけるスラリーを排出する。
(2)具体的に、図13図20に示すように、伸縮ロッド51と後シート本体42を分離し、後シート本体42を前シート本体41から取り外し、後バレル22と前バレル21を分離し、カッター交換シリンダー5を後バレル22とともに除去し、この過程で、後バレル22とシリンダーブロック52は常に接続される。
(3)具体的に、図21図31に示すように、固定台7を前シート本体41の後端部に装着し、ネジロッド6を案内孔71に挿入してネジ孔231と係合させ、ネジロッド6を回転し、前バレル21が第1取付孔31から抜け出るまで前バレル21を第1取付孔31に沿って後方に移動させ、この過程で、固定台7は前シート本体41に常に接続され、且つネジロッド6はネジ孔と常に係合される。
(4)前シート本体41を外筒体3から取り外し、前シート本体41、前バレル21及びカッター1を外筒体3から引き抜き、カッター1を交換し、カッター1を交換した後に前シート本体41を外筒体3に再装着し、ネジロッド6を逆方向に回転し、前バレル21を第1取付孔31に再挿入する。
(5)ネジロッド6とネジ孔231との係合を解除し、固定台7を前シート本体41から取り外し、ボール弁34を閉じ、後バレル22を前バレル21の後端部に再装着し、後バレル22を前バレル21に再装着し、伸縮ロッド51を後シート本体42に接続し、シャッター32を開いてから、カッターバレル2が第1取付孔31に完全に押し込まれるまでカッター交換シリンダー5の伸縮ロッド51をシリンダーブロック52に対して伸長させ、伸縮ロッド51と後シート本体42を分離し、後シート本体42を前シート本体41から取り外し、前シート本体41を外筒体3から取り外し、カッター交換シリンダー5を後バレル22から取り外す。
【0031】
以上のように、本発明の常圧でのカッター交換方法は、分割型カッターバレルの後バレル22と前バレル21を外筒体3から順に取り外し、カッター1を交換した後、前バレル21と後バレル22を別体に挿入する方式で外筒体3に再装着することにより、カッター交換時の必要な空間を小さくし、すなわち、カッター交換空間が不十分である場合でも、カッター交換操作を行うことができ、且つカッター交換治具はカッター交換シリンダー5をカッターバレル2を引くための駆動機構として使用し、安定性が比較的良好であり、安全性が高く、そして、従来のカッター交換治具に比べて効率が大幅に向上する。
【0032】
1、カッター、
2、カッターバレル、21、前バレル、211、凸環取付孔、212、第1シール溝、213、第1固定孔、214、突起、215、ボス、216、第3シール溝、22、後バレル、221、第2取付孔、222、後蓋、223、フランジ板、224、案内溝、23、固定板、231、ネジ孔、24、取付凸環、241、第2シール溝、242、第2固定孔、243、凹溝、25、第1シールリング、26、第2シールリング、27、シールネジ、
3、外筒体、31、第1取付孔、32、シャッター、33、スラリー排出口、34、ボール弁、35、制御シリンダー、
4、カッター交換シート、41、前シート本体、42、後シート本体、421、第1シート本体、422、第2シート本体、43、中空内部空洞、
44、スルーホール、45、接続板、451、第2接続孔、46、案内突起、
5、カッター交換シリンダー、51、伸縮ロッド、511、第1接続孔、52、シリンダーブロック、
6、ネジロッド、
7、固定台、71、案内孔。
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