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特許7430827車両用灯具の制御装置および車両用灯具システム
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  • 特許-車両用灯具の制御装置および車両用灯具システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-02
(45)【発行日】2024-02-13
(54)【発明の名称】車両用灯具の制御装置および車両用灯具システム
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/115 20060101AFI20240205BHJP
【FI】
B60Q1/115
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2023008901
(22)【出願日】2023-01-24
(62)【分割の表示】P 2021137080の分割
【原出願日】2017-05-19
(65)【公開番号】P2023052600
(43)【公開日】2023-04-11
【審査請求日】2023-01-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000002303
【氏名又は名称】スタンレー電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001184
【氏名又は名称】弁理士法人むつきパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】平井 祐輔
(72)【発明者】
【氏名】中村 成克
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特許第6936624(JP,B2)
【文献】特開2015-205570(JP,A)
【文献】特開2012-106719(JP,A)
【文献】特開2013-235742(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第00652134(EP,A1)
【文献】国際公開第2014/020647(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/115
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のピッチ方向の姿勢変化に応じて車両用灯具の光軸を可変に制御するための制御装置と当該制御装置によって制御される車両用灯具を備える車両用灯具システムであって、
前記制御装置は、車両の前後方向に対応付けられた第1加速度、当該車両の上下方向に対応付けられた第2加速度、当該車両の車速の各々を所定時間毎に取得し、前記車速に基づいて車両進行方向加速度を算出して、前記車両進行方向加速度と前記第1加速度との相関関係から第1傾きを求めるとともに、前記車両進行方向加速度と前記第2加速度との相関関係から第2傾きを求めて、当該第1傾きと第2傾きの比に基づいて前記車両の姿勢角度を求め、当該車両の姿勢角度に基づいて前記車両用灯具の光軸を制御するための制御信号を生成して当該車両用灯具へ供給するものであり
前記車両用灯具は、複数の発光素子を配列した構成を有しており、
前記制御装置は、前記車両の姿勢角度に応じて前記複数の発光素子のうち、点灯させる当該発光素子を可変に設定する、
車両用灯具システム
【請求項2】
前記第1傾きは、前記車両進行方向加速度と前記第1加速度との相関関係に基づいて直線近似を行うことによって求められ、
前記第2傾きは、前記車両進行方向加速度と前記第2加速度との相関関係に基づいて直線近似を行うことによって求められる、
請求項1に記載の車両用灯具システム
【請求項3】
前記車両の姿勢角度は前記車両が走行中である場合に求められる、
請求項1又は2に記載の車両用灯具システム
【請求項4】
前記車両進行方向加速度は複数の時刻における前記車速の差分に基づいて求められる、
請求項1~3の何れか1項に記載の車両用灯具システム
【請求項5】
前記車両の姿勢角度は前記第1傾きと前記第2傾きの比の逆正接関数によって求められる、
請求項1~4の何れか1項に記載の車両用灯具システム
【請求項6】
前記第1加速度および前記第2加速度は加速度センサを用いて検出される、
請求項1~5の何れか1項に記載の車両用灯具システム
【請求項7】
前記複数の発光素子は、マトリクス状に配列した構成を有する、
請求項1~6の何れかに記載の車両用灯具システム。
【請求項8】
前記制御装置は、
前記車両の前記姿勢角度を求める角度算出部と、
前記制御信号を生成して当該車両用灯具へ供給する光軸設定部と、
前記第1加速度、前記第2加速度、前記車両進行方向加速度の値を格納するバッファと、
を含み、
前記角度算出部は、前記車両が走行中である場合において、第1タイミングの前記車速と当該第1タイミングより古い第2タイミングの前記車速の差分に基づいて前記車両進行方向加速度を算出する、
請求項1~の何れかに記載の車両用灯具システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の姿勢変化に対応して車両用灯具(例えば前照灯)による光の照射方向を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
乗員や積荷による車両のピッチ方向の姿勢変化に対応して前照灯による光の照射方向(光軸)を調整する制御(オートレベリング制御)が知られている。このようなオートレベリング制御によれば、車両の姿勢変化があった場合にも対向車両や先行車両などに対してグレアを与えることを防ぐことができる。
【0003】
車両の走行中におけるオートレベリング制御を実現する先行技術は、例えば特許第5577080号公報(特許文献1)に開示されている。この特許文献1に開示される技術は、車両に設置した二軸加速度センサによって得られる車両の前後方向の加速度および上下方向の加速度を用いて所定の演算を行うことで傾斜角求め、その傾きに基づいて光の照射方向を制御するというものである。また、特許第5787649号公報(特許文献2)に開示される技術は、車両に設置した加速度センサによって得られる車両の前後方向の加速度を第1軸に設定し、上下方向の加速度を第2軸に設定して各加速度の検出値をプロットして各検出値から直線を求め、その傾きに基づいて光の照射方向を制御するというものである。
【0004】
ところで、車両の走行中に加速度センサから出力される加速度はバラツキが比較的大きいため、これらの加速度に基づいて求められる車両のピッチ方向の姿勢角度もバラツキの影響を受けやすく、得られる姿勢角度の精度が低かった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第5577080号公報
【文献】特許第5787649号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明に係る具体的態様は、車両のピッチ方向の姿勢をより精度よく求めることが可能な技術を提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る一態様の車両用灯具システムは、車両のピッチ方向の姿勢変化に応じて車両用灯具の光軸を可変に制御するための制御装置と当該制御装置によって制御される車両用灯具を備える車両用灯具システムであって、
前記制御装置は、車両の前後方向に対応付けられた第1加速度、当該車両の上下方向に対応付けられた第2加速度、当該車両の車速の各々を所定時間毎に取得し、前記車速に基づいて車両進行方向加速度を算出して、前記車両進行方向加速度と前記第1加速度との相関関係から第1傾きを求めるとともに、前記車両進行方向加速度と前記第2加速度との相関関係から第2傾きを求めて、当該第1傾きと第2傾きの比に基づいて前記車両の姿勢角度を求め、当該車両の姿勢角度に基づいて前記車両用灯具の光軸を制御するための制御信号を生成して当該車両用灯具へ供給するものであり
前記車両用灯具は、複数の発光素子を配列した構成を有しており、
前記制御装置は、前記車両の姿勢角度に応じて前記複数の発光素子のうち、点灯させる当該発光素子を可変に設定する、
車両用灯具システムである。
【0008】
上記構成によれば、車両のピッチ方向の姿勢をより精度よく求めることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、一実施形態の車両用灯具システムの構成を示すブロック図である。
図2図2は、ランプユニットの光軸制御の様子を模式的に示した図である。
図3図3は、加速度センサの設置状態を説明するための図である。
図4図4は、加速度センサの各軸と車両進行方向加速度の関係を拡大して示した図である。
図5図5は、車両用灯具システムの動作を説明するためのフローチャートである。
図6図6は、角度算出部による統計処理の内容について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、一実施形態の車両用灯具システムの構成を示すブロック図である。図1に示す車両用灯具システムは、制御部11、加速度センサ12、2つのランプユニット13を含んで構成されている。この車両用灯具システムは、図2に模式的に示すように、走行中における各ランプユニット13による光照射方向(光軸)aを車両のピッチ方向の姿勢変化に応じて可変に制御するものである。
【0011】
制御部11は、車両用灯具システムの動作を制御するものであり、角度算出部20、光軸設定部21を含んで構成されている。この制御部11は、例えばCPU、ROM、RAM等を備えるコンピュータシステムにおいて所定の制御プログラムを実行させることによって実現される。
【0012】
加速度センサ12は、少なくとも互いに直交する2つの軸の加速度を検出可能なセンサであり、車両内の所定位置に設置されている。この加速度センサ12は、例えば1つの軸を車両の前後方向に対応付け、他の1つの軸を車両の上下方向に対応付けて設置される。
【0013】
各ランプユニット13は、車両前部の所定位置に設置されており、車両前方へ光を照射するための光源や反射鏡等を有して構成されている。各ランプユニット13は、車両のピッチ方向にて光軸aを上下に調整するための光軸調整部22を有している。各光軸調整部22は、例えば各ランプユニット13の光源の向きを上下に調整するアクチュエータを有しており、制御部11から与えられる制御信号に基づいて動作する。
【0014】
角度算出部20は、車両に設けられた車速センサ(図示せず)から得られる車速と、加速度センサ12から得られる加速度に基づいて、車両のピッチ方向における姿勢を示す情報である姿勢角度(車両角度)を算出する。
【0015】
光軸設定部21は、角度算出部20によって算出される姿勢角度に基づいて、各ランプユニット13の光軸aを制御するための制御信号を生成し、各ランプユニット13へ出力する。
【0016】
図3は、加速度センサの設置状態を説明するための図である。図3(A)に示すように、本実施形態では説明の簡略化のために、加速度センサ12の第1軸であるX軸が車両の前後方向(水平方向)と一致し、第2軸であるY軸が車両の上下方向(垂直方向)と一致するように加速度センサ12が設置されているものとする。また、図3(A)においてAの符号を付したベクトルで示されているのは車両の進行方向の加速度であり、以後、「車両進行方向加速度A」と呼ぶ。本実施形態では、車両進行方向加速度Aを車速の情報に基づいて求める。
【0017】
図3(B)は、乗員や積荷などの影響で車両の後部が相対的に下がり前部が相対的にあがるように姿勢変化した状態を示す。この場合、車両の走行中において図示のように加速度センサ12のX軸、Y軸は車両の姿勢変化に伴って傾くが、車両進行方向加速度Aは傾かずに、車両の位置する路面と平行になる。この関係を拡大して示したのが図4である。図示のように、路面と水平な方向と車両の前後方向とのなす角度θが車両の姿勢角度に対応する。なお、この関係は、路面が水平である場合のみならず路面が傾いている場合にも同じである(図示省略)。
【0018】
図5は、車両用灯具システムの動作を説明するためのフローチャートである。ここでは、主に制御部11による処理内容が示されている。なお、ここに示す各処理ブロックは、相互に矛盾を生じない限りにおいて順番を入れ替えることも可能である。また、後述する統計処理を行って角度算出を実施する場合の具体例を用いて説明している。
【0019】
角度算出部20は、加速度センサ12から出力されるX,Y加速度を取得してこれらの値に移動平均処理を行う(ステップS10)。例えば、加速度センサ12から出力されるX,Y加速度を1ms毎に取得してそれらの値に移動平均処理が行われる。
【0020】
また、角度算出部20は、移動平均処理で得られるX,Y加速度の各値を100ms毎に取得するとともに(ステップS11)、車両から得られる車速Sを100ms毎に取得する(ステップS12)。なお、各加速度および車速を取得する時間間隔の100msは一例であり、限定されない。各加速度を取得する時間間隔と車速を取得する時間間隔とが異なる長さであってもよい。
【0021】
次に、角度算出部20は、車速Sの大きさに基づいて車両が走行中であるか否かを判定する(ステップS13)。車両が走行中ではない場合には(ステップS13;NO)、処理が終了する。この場合、例えば、停車中における光軸調整ルーチンへ移行する(図示および詳細説明を省略)。
【0022】
車両が走行中である場合には(ステップS13;YES)、角度算出部20は、X,Y軸加速度の各値を統計処理用にバッファへ格納する(ステップS14)。また、角度算出部20は、現在の車速Snとこれより1つ古いタイミングの車速Sn-1の差分に基づいて車両進行方向加速度Svを算出し、この値を統計処理用にバッファへ格納する(ステップS15)。具体的には、車両進行方向加速度Svは、車速に基づいて求める関係上、X,Y軸加速度との間で時間軸にずれを生じ得るので、このずれを考慮して各値をバッファに格納することで、車両進行方向加速度SvとX,Y軸加速度の時間軸を同期させることができる。本実施形態では、この車速から求められる車両進行方向加速度Svを上記した車両進行方向加速度Aとして用いる。
【0023】
次に、角度算出部20は、バッファに格納した車両進行方向加速度Sv(車両進行方向加速度A)とX,Y軸加速度の各値を用いて所定の演算を含む統計処理を行うことにより、車両の姿勢角度を算出する(ステップS16)。
【0024】
図6は、角度算出部による統計処理の内容について説明するための図である。角度算出部20は、図6(A)に示すように横軸(第1軸)を車両進行方向加速度Sv、縦軸(第2軸)をX軸加速度に設定して各値をプロットし、それらの相関関係から、例えば最小二乗法による直線近似を行うことによって傾きSx(=ds/dx)を求める。同様に、角度算出部20は、図6(B)に示すように横軸(第1軸)を車両進行方向加速度Sv、縦軸(第2軸)をY軸加速度に設定して各値をプロットし、それらの相関関係から、例えば最小二乗法による直線近似を行うことによって傾きSy(=ds/dy)を求める。そして、角度算出部20は、求めた傾きSx、Syの比を用いて、tan-1(Sy/Sx)を計算することで車両の姿勢角度θを求める。
【0025】
換言すると、車両の進行方向に対する加速度Sv(車両進行方向加速度A)に対するX軸加速度、すなわち前後方向加速度との関係から傾きSx(=ds/dx)を求める。同様に、車両の進行方向に対する加速度Sv(車両進行方向加速度A)に対するY軸加速度、すなわち前後方向加速度との関係から傾きSy(=ds/dy)を求める。傾きSxおよび傾きSyは、どちらも車両の進行方向に対する加速度Sv(車両進行方向加速度A)に対する比率であるから、傾きSxと傾きSyの比率を用いて計算すれば車両の姿勢角度θを求めることができる。
【0026】
車両の姿勢角度θが算出されると、制御部11の光軸設定部21は、この姿勢角度θに基づいて、各ランプユニット13の光軸aを制御するための制御信号を生成し、各ランプユニット13へ出力する(ステップS17)。各ランプユニット13では、光軸設定部21から与えられる制御信号に基づいて光軸調整部22により光軸調整が行われる。その後、ステップS10へ戻り、以降の処理が繰り返される。
【0027】
以上のような実施形態によれば、車両のピッチ方向の姿勢をより精度よく求めることが可能な車両用灯具システムの制御技術が得られる。詳細には、比較的安定したデータが得られる車速から車両進行方向加速度を求めるので、バラツキの少ない安定した車両進行方向加速度を求めることができる。そして、この車両進行方向加速度を主軸にして、加速度センサから得られるX,Y軸加速度との関係でそれぞれ傾きを求め、それら傾きに基づいて車両の姿勢角度を求めているので、加速度センサから得られるデータのバラツキの影響を軽減することができる。
【0028】
また、この車両進行方向加速度を主軸にして、加速度センサから得られるX,Y各加速度との関係でそれぞれ傾きを求めているので、X軸加速度とY軸加速度の関係は時系列的に同じ時刻の加速度である必要がない。このことからも、加速度センサから得られるデータのバラツキの影響を軽減することができる。
【0029】
さらに、本実施形態では車速から求められる車両進行方向加速度Svを車両進行方向加速度Aとして用い、この車両進行方向加速度に対する比率を用いて算出しているので、加速度センサの取付けを必ずしもX軸加速度が車両の前後方向と一致し、且つ、Y軸加速度を上下方向と一致させるように取り付ける必要がない。従って、加速度センサを車両に対して取り付ける際の精度を高めることなく取り付けを実施でき、総じて取付けの低コスト化を図って車両姿勢角度を求めることができる。
【0030】
次に、他の実施形態について説明する。先の実施形態においては常に車速から求められる車両進行方向加速度を用い、この車両進行方向加速度に対する比率を用いて車両の姿勢傾斜角を算出した。他の実施形態においては、車速から求められる車両進行方向加速度を用いて異なる方法を用いて姿勢傾斜角を求める。
【0031】
車両が一定速度で走行している場合には、前後方向の加速度が生じない。すなわち車両進行方向加速度Aは0(ゼロ)となる。一方、車両の上下方向の加速度は、重力加速度に対して荷重による車両の傾き角に相当分異なるものとなる。ここで、乗員や積荷などの影響で車両の前部もしくは後部が相対的に下がるように姿勢変化したときには、加速度センサ12から出力されるX,Yに変化が生じる。姿勢変化が生じたときの車両の絶対傾斜角θは、例えば特許第5577080号公報(特許文献1)に記載した次の計算式を用いた演算により求めることができる。
θ=sin-1{X/(-1G)}
また、鉛直方向に加速度aが発生している場合は以下の通りである。
θ=sin-1{X/(-1G+a)}
また、坂道傾斜角αの算出も、例えば特許第5577080号公報(特許文献1)に記載した次の計算式を用いた演算により求めることができる。
α=sin-1(h/x)
その際、車速から求められる車両進行方向加速度を特許第5577080号公報(特許文献1)に記載した加速度センサから検出したX(前後方向加速度)として用いる。ただし、1Gは重力加速度、hは鉛直方向の変位、xは進行距離を示す。
【0032】
絶対傾斜角から坂道傾斜角を減算することにより姿勢角度を算出することができる。なお、絶対傾斜角は水平面に対する車両の角度、坂道傾斜角は水平面に対する坂道(路面)の角度、姿勢傾斜角は坂道(路面)に対する車両の角度である。絶対傾斜角は坂道傾斜角と姿勢傾斜角の合計値に等しい。
【0033】
加速度センサから検出したX(前後方向加速度)を用いずに比較的安定したデータが得られる車速から求めた車両進行方向加速度Aを用いることで、バラツキの少ない安定した車両進行方向加速度を求めることができる。
【0034】
なお、本発明は上記した実施形態の内容に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々に変形して実施をすることが可能である。例えば、上記した実施形態では、加速度センサ12のX軸が車両の前後方向と一致し、Y軸が車両の上下方向と一致するように車両に設けている場合を例示していたが、前述したようにX軸、Y軸は車両の前後方向、上下方向から傾いて配置されていてもよいから、車両でなくランプユニットや制御部に設けることも可能である。本発明においては、車両に対する取り付け方向にバラツキを生じたとしても姿勢角度を求めることができ得る。従って、車両に取り付けるランプユニットに設けた場合であっても、車両前後方向加速度は車速センサの信号を用いて算出しているので、その精度に影響を受けることなく車両姿勢角度を算出することができる。また、加速度センサをランプユニットや制御部等に一体に設ければ、別個に車両に取り付ける必要がなく、取り付け作業を低減して低コスト化を図ることができる。
【0035】
また、上記した実施形態ではランプユニットの光源の向きをアクチュエータで調整していたが、光軸調整方法はこれに限られない。例えば、ランプユニットの光源が複数の発光素子をマトリクス状に配列した構成を有するような場合であれば、姿勢角度に応じて、点灯させる発光素子の行を上下に可変させることによっても、オートレベリング制御を実現することができる。
【符号の説明】
【0036】
11:制御部
12:加速度センサ
13:ランプユニット
20:角度算出部
21:光軸設定部
22:光軸調整部
図1
図2
図3
図4
図5
図6