(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-05
(45)【発行日】2024-02-14
(54)【発明の名称】散薬供給装置及び散薬分包装置
(51)【国際特許分類】
B65B 37/08 20060101AFI20240206BHJP
A61J 3/00 20060101ALI20240206BHJP
B65B 1/30 20060101ALI20240206BHJP
【FI】
B65B37/08
A61J3/00 310F
B65B1/30 B
(21)【出願番号】P 2021032186
(22)【出願日】2021-03-01
(62)【分割の表示】P 2020101804の分割
【原出願日】2020-06-11
【審査請求日】2023-04-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000151472
【氏名又は名称】株式会社トーショー
(74)【代理人】
【識別番号】100107928
【氏名又は名称】井上 正則
(72)【発明者】
【氏名】大村 司郎
(72)【発明者】
【氏名】山本 繁幸
(72)【発明者】
【氏名】米屋 和宏
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-198639(JP,A)
【文献】特開2018-114281(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110329578(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 37/08
A61J 3/00
B65B 1/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に散薬が収容され、容器内の回転軸が回転されることにより下部から散薬を放出可能に収容する複数の散薬収容容器を移送可能に搭載し、所定の散薬放出位置に、少なくともいずれかの散薬収容容器を位置付ける容器搭載部と、
前記散薬放出位置近傍に設けられ、前記散薬放出位置に位置付けられた散薬収容容器に作用し、前記散薬収容容器内の回転軸を回転させることにより前記散薬収容容器から散薬を放出させる放出作用部と、
を備え、
前記散薬収容容器側に容器内の前記回転軸に一方向への回転力が付与される受動側回転体が設けられるとともに、前記放出作用部側に前記散薬収容容器が散薬放出位置に位置付けられた際に前記受動側回転体に対して前記一方向への回転力を付与する駆動側回転体が設けられ、前記受動側回転体と前記駆動側回転体とは、近接することにより互いの磁性体の磁力により前記駆動側回転体の回転駆動力を非接触で前記受動側回転体に伝達する
ことを特徴とする散薬供給装置。
【請求項2】
前記放出作用部は、前記散薬放出位置近傍に固定されており、
前記受動側回転体は、前記複数の散薬収容容器の移送時に前記散薬放出位置を通過する際に、前記駆動側回転体により付与される前記一方向への回転とは逆の方向への回転を、前記回転軸に伝達することを回避するためのワンウェイクラッチ方式の軸受けを介して前記回転軸に接続される
ことを特徴とする請求項1に記載の散薬供給装置。
【請求項3】
前記受動側回転体は、伝達軸を介して前記回転軸に接続し、
前記容器搭載部は、前記受動側回転体と前記伝達軸とが組み込まれ、前記散薬収容容器上方を開閉可能なカバーを有し、
前記カバーが前記散薬収容容器上方を覆うように閉じた状態において、前記伝達軸は前記回転軸に当接することにより該回転軸と接続し、前記受動側回転体の回転力を前記回転軸に伝達する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の散薬供給装置。
【請求項4】
前記請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の散薬供給装置と、
前記散薬供給装置から供給される散薬が外周上に均等に配分される配分円盤と、
前記配分円盤が載置されて前記配分円盤を回転駆動する回転駆動部と、
前記回転駆動部の下方に設けられ、前記配分円盤及び前記回転駆動部の総重量を測定することにより、前記散薬供給装置から前記配分円盤に供給された散薬の重量を測定する秤量部と、
前記配分円盤から1包分ずつ散薬を放出して包装する包装装置と
を備えることを特徴とする散薬分包装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、散薬を少量ずつ供給する散薬供給装置及び散薬を1包分ずつ供給して包装する散薬分包装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の装置としては、下記特許文献1に記載の薬剤払出し装置が知られている。この装置は、容器移動手段によって容器保管装置から薬剤容器を取り出し、振動台と薬剤容器の重量を測定する重量測定手段とを有する容器載置装置に取り出した薬剤容器を載置し、振動により薬剤容器から散薬を排出させて分配皿に投入した後、掻出装置によって散薬を薬剤包装装置へ掻き出して包装するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載の技術では、散薬を薬剤容器から排出し分配皿へ供給するには時間を要するため、短時間で散薬を薬剤容器から排出し供給する技術が望まれている。
【0005】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、短時間で散薬を供給できる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するため、実施形態の散薬供給装置は、内部に散薬が収容され、容器内の回転軸が回転されることにより下部から散薬を放出可能に収容する複数の散薬収容容器を移送可能に搭載し、所定の散薬放出位置に、少なくともいずれかの散薬収容容器を位置付ける容器搭載部と、前記散薬放出位置近傍に設けられ、前記散薬放出位置に位置付けられた散薬収容容器に作用し、前記散薬収容容器内の回転軸を回転させることにより前記散薬収容容器から散薬を放出させる放出作用部と、を備え、前記散薬収容容器側に容器内の前記回転軸に一方向への回転力が付与される受動側回転体が設けられるとともに、前記放出作用部側に前記散薬収容容器が散薬放出位置に位置付けられた際に前記受動側回転体に対して前記一方向への回転力を付与する駆動側回転体が設けられ、前記受動側回転体と前記駆動側回転体とは、近接することにより互いの磁性体の磁力により前記駆動側回転体の回転駆動力を非接触で前記受動側回転体に伝達することを特徴とする。
【0007】
また、実施形態の散薬分包装置は、前記散薬供給装置と、前記散薬供給装置から供給される散薬が外周上に均等に配分される配分円盤と、前記配分円盤が載置されて前記配分円盤を回転駆動する回転駆動部と、前記回転駆動部の下方に設けられ、前記配分円盤及び前記回転駆動部の総重量を測定することにより、前記散薬供給装置から前記配分円盤に供給された散薬の重量を測定する秤量部と、前記配分円盤から1包分ずつ散薬を放出して包装する包装装置とを備えることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係る散薬分包装置を示す斜視図である。
【
図2】実施形態に係る円盤配分部及び包装装置を示す正面図である。
【
図3】実施形態に係る円盤配分部及び包装装置を示す平面図である。
【
図4】実施形態に係る散薬供給装置を示す斜視図である。
【
図5】実施形態に係る散薬供給装置を示す平面図である。
【
図6】実施形態に係る散薬供給装置の駆動側回転体及び受動側回転体近傍を示す斜視図である。
【
図7】実施形態に係るカバー及び散薬収容容器の縦断面を示す斜視図である。
【
図8】実施形態に係る散薬収容容器の斜視図である。
【
図9】実施形態に係る散薬収容容器の内部構成を説明するための概略縦断面図である。
【
図10】実施形態に係る散薬収容容器の下部を分解した斜視図である。
【
図11】実施形態に係る第1の貫通孔乃至第3の貫通孔の関係を説明するための図である。
【
図12】実施形態に係る散薬収容容器を容器搭載部に取り付ける前の状態を示す斜視図である。
【
図13】実施形態に係る散薬収容容器を容器搭載部に取り付けた後の状態を示す斜視図である。
【
図14】実施形態に係る散薬分包装置の制御系を示すブロック図である。
【
図15】実施形態に係る散薬分包装置の動作を示すフローチャートである。
【
図16】変形例に係る配分円盤上に2箇所の散薬放出位置が設定された形態を示す平面図である。
【
図17】変形例に係る異なる一方向回転機構を説明するための図である。
【
図18】変形例に係る異なる一方向回転機構を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本実施形態に係る散薬分包装置を、図面を用いて説明する。
【0010】
図1は、本実施形態に係る散薬分包装置を示す斜視図であり、
図2は、本実施形態に係る円盤配分部及び包装装置を示す正面図である。
図3は、本実施形態に係る円盤配分部及び包装装置を示す平面図である。
図1に示されるように、本実施形態に係る散薬分包装置1は、秤量装置10と、散薬の配分円盤20と、不図示の筐体の骨格を形成するフレーム40と、配分円盤20の上部に位置してフレーム40に固定された散薬供給装置60とを備えると共に、
図2に示されるように、配分円盤20の下方に包装装置70を備える。
【0011】
本実施形態においては、
図2に示されるように、秤量装置10と、その上部に配置された回転駆動部30と、回転駆動部30の上部に設置された配分円盤20とにより円盤配分部を構成している。秤量装置10は振動吸収体14を介して筐体連結部16に固定され、この筐体連結部16は
図1に示されるようにフレーム40と連結されている。したがって円盤配分部は、筐体連結部16を介してフレーム40により支持されている。
【0012】
なお、
図1に示される符号80は、散薬供給装置60を用いずに作業者が別途散薬を配分円盤20に供給するためのフィーダであり、
図2に示される符号50は、配分円盤20から散薬を1包分ずつ掻き出す掻き出し部である。この掻き出し部50で掻き出された散薬は落下ホッパ51によって包装装置70に送られる。
【0013】
本実施形態においては、円盤配分部、掻き出し部50、散薬供給装置60、及びフィーダ80は、左右対象に2組設けられており、2組の円盤配分部間に単一の落下ホッパ51が位置付けられるよう、包装装置70が円盤配分部下方に設けられている。
【0014】
先ず、円盤配分部及び包装装置70について詳細に説明する。
【0015】
図2に示されるように、秤量装置10の被測定物載置部12上には、回転駆動部30のベース31が固定されている。ベース31には不図示のベアリングが固定されており、このベアリングの周囲には不図示のプーリが回転可能に設けられている。このプーリの上部には配分円盤20が着脱自在に固定されている。
【0016】
プーリの外周にはタイミングギヤが形成されており、ベース31に固定された円盤用モータ32の軸に取り付けられたタイミングギヤとプーリとの間にはタイミングベルトが掛渡されている。
【0017】
このような構成とすることにより、秤量装置10は、その秤量装置10の被測定物載置部12に固定されている回転駆動部30のベース31を含み、ベース31上に設けられているプーリ、ベアリング、円盤用モータ32、及び配分円盤20等の総重量を測定することが可能である。換言すると、配分円盤20に散薬が供給されていない状態では、回転駆動部30等の風袋の重量を測定していることになる。
【0018】
配分円盤20の上部に設けられた散薬供給装置60から散薬を配分円盤20に少量ずつ落下させる。この散薬供給装置60はフレーム40に固定されているため、秤量装置10の重量測定対象とはなっていない。したがって、秤量装置10は被測定物載置部12に固定された回転駆動部30、配分円盤20等の総重量に、配分円盤20に供給された散薬の重量を加算した重量を測定することになる。このため、秤量装置10が測定した重量から前述した風袋の重量を差し引くことにより、配分円盤20に実際に供給された散薬の重量を算出することができる。
【0019】
散薬収容容器62から配分円盤20に散薬を供給するときは、円盤用モータ32によって配分円盤20を回転させながら散薬収容容器62から散薬を配分円盤20上に落下させる。これによって配分円盤20上に環状の散薬の山が形成される。この配分円盤20に形成された環状の散薬は、掻き出し部50により一包分ずつ落下ホッパ51に落下させる。
【0020】
掻き出し部50は、回転可能なディスクを有し、回転する配分円盤20に散薬を供給するときはディスクが配分円盤20から離間し、配分円盤20から散薬を分配するときはディスクが配分円盤20と当接可能に構成されている。そして、ディスクが回転することによって配分円盤20上に捲かれた散薬を1包分ずつ落下ホッパ51に落下させることができる。このような掻き出し部50については周知の技術であり、例えば特開2019-202801号公報記載のものを用いることができる。
【0021】
包装装置70は、
図2及び
図3に示されるように、散薬の斜め搬送を可能とするものであり、すなわち、2つ折りされた分包紙57を巻き付けたロールRを有する水平搬送の包装装置70が、その包装装置70の底面が分包装置に対して斜めに装着されるようになっている。そして、一方の配分円盤20の下部に位置するロールRから前方に引き出された分包紙57は、前面部で斜め下方に向かう分包紙搬送路71に沿って搬送され、落下ホッパ51の下部が分包紙57間に挿入され、落下ホッパ51から散薬が分包紙57間に収容される。散薬が収容された分包紙57は、さらに分包紙搬送路71に沿って斜め下方に搬送され、ヒートシール部72で一包毎にヒートシールされる。そして、ヒートシールされた部分にミシン目形成部73によってミシン目が形成されたのち、包装散薬集積部75に集積される。なお、包装散薬集積部75に設けられたリールによって薬剤が収容された分包薬剤を巻き取るようにしてもよいし、機体外に搬送して排出するようにしてもよい。
【0022】
次に、散薬供給装置60について、
図4乃至
図7を用いて詳細に説明する。
【0023】
図4は、本実施形態に係る散薬供給装置を示す斜視図であり、
図5はその平面図である。
図6は、本実施形態に係る散薬供給装置の駆動側回転体及び受動側回転体近傍を示す斜視図であり、
図7は、本実施形態に係るカバー及び散薬収容容器の縦断面を示す斜視図である。
【0024】
図4及び
図5に示されるように、本実施形態に係る散薬供給装置60は、散薬を収容する略円筒状の散薬収容容器62を着脱自在に複数搭載すると共に、水平方向に移送可能な容器搭載部61を備える。本実施形態に係る容器搭載部61は、略真円に形成されており、その外周縁部に沿って15個の散薬収容容器62が周方向に均等に離間するように取り付けられている。したがって容器搭載部61は、円環状の軌道を周回するように散薬収容容器62を移送することができる。容器搭載部61はフレーム40に固定された平板状の支持部材41に対して相対回転可能に吊り下げ支持されており、支持部材41には散薬収容容器62内の回転軸を回転駆動し散薬を配分円盤20に供給するための供給用モータ63と、容器搭載部61を回転駆動する移送用モータ64とが設けられている。
【0025】
本実施形態においては、供給用モータ63は反時計回りに回転するものとし、移送用モータ64は時計回りに回転するものとして以後説明を行う。なお、これらモータは互いに逆方向に回転させてもよく、それぞれ双方向に回転可能なものを用いてもよい。
【0026】
容器搭載部61は、移送用モータ64の回転駆動がタイミングベルト66を介して伝達させることにより、回転駆動する。具体的には、支持部材41に連結された支軸42に、当該支軸42周りに不図示のベアリングが設けられており、このベアリングの周囲に容器搭載部61と相対回転不能に連結されたプーリ67が回転可能に設けられている。プーリ67外周にはタイミングギヤが形成されており、このプーリ67と移送用モータ64の軸に取り付けられたタイミングギヤとの間にタイミングベルト66を掛渡すことにより、移送用モータ64による回転駆動の容器搭載部61への伝達を可能としている。
【0027】
したがって、
図5に示されるように、移送用モータ64の時計回りの回転R1により、容器搭載部61は同方向である時計回りの回転R2をすることとなる。なお、このような構成に限らず、容器搭載部61の支軸42にモータを取り付ける等、容器搭載部61を回転可能な機構であればどのようなものを用いてもよい。
【0028】
容器搭載部61が形成する移送軌道上には、
図4に示されるように散薬を放出する位置である散薬放出位置Pが設定されており、容器搭載部61は散薬収容容器62を移送することにより、散薬放出位置Pに位置する散薬収容容器62を順次切り替えることとなる。散薬放出位置Pは、散薬収容容器62から放出された薬剤が、配分円盤20に形成された環状の溝部の径方向略中央に放出できる位置に設定されている。これを実現するには、例えば、散薬放出位置Pに位置付けられた散薬収容容器62の中心軸が、配分円盤20に形成された溝部の径方向中央に位置するようにすればよい。
【0029】
散薬放出位置Pの上方近傍には、供給用モータ63が位置付けられている。供給用モータ63は、その回転軸先端に設けられた駆動側回転体106が下方を向くように支持部材41に取り付けられており、散薬収容容器62が散薬放出位置Pに位置付けられた際に、散薬収容容器62の上方に位置するカバー65と近接する。
【0030】
カバー65は、散薬収容容器62の上方を開閉するものであり、容器搭載部61の外周縁部に沿って散薬収容容器62と同一ピッチで同数設けられ、散薬収容容器62と共に容器搭載部61により移送される。
図6及び
図7に示されるように、カバー65は、箱状の回転体収容部651と、当該収容部下方に設けられた平板状の上蓋部652とを有する。
【0031】
上蓋部652には、容器搭載部61の外周に設けられた左右方向に延在する支軸611に対し、相対回転可能に嵌合する一対の軸受け653が形成されている。これによりカバー65は、支軸611により上下方向に揺動可能、即ち下方に揺動させて水平状態とすることで散薬収容容器62上方を覆う閉状態へ、及び上方に揺動させることで閉状態を解除した開状態へそれぞれ移行可能に軸支される。このようにカバー65を開閉可能にすることで、後述する散薬収容容器62の取り外しの際には開状態とすることができるため、取り外し作業を容易にすることができる。
【0032】
回転体収容部651内には、散薬収容容器62内の回転軸102と接続された際に一体回転することができる伝達軸654と、伝達軸654周りに設けられた受動側回転体104とが設けられている。したがって、散薬収容容器62が散薬放出位置Pに位置付けられた際には、回転体収容部651を介して受動側回転体104と供給用モータ63の駆動側回転体106とが近接することとなる。
【0033】
本実施形態においては、受動側回転体104と駆動側回転体106とは、磁気的に互いに干渉し合う磁性体で形成された、マグネット式非接触動力伝達機構をなしている。即ち、駆動側回転体106と受動側回転体104とが近接する状態においては、
図5に示されるように、駆動側回転体106が反時計回りの回転R3をする場合、当該回転R3が磁力により受動側回転体104へ非接触で伝達し、受動側回転体104が駆動側回転体106とは逆方向である時計回りの回転R4をすることとなる。
【0034】
このように受動側回転体104は、時計回りに回転力が付与されると、伝達軸654を介して散薬収容容器62の回転軸102を回転させ、当該回転軸102の回転により散薬収容容器62の下部から散薬の放出を促すことができる。この回転軸102の回転による散薬収容容器62の散薬の放出機構については後述する。
【0035】
このようなマグネット式非接触動力伝達機構を組み込むことにより、散薬収容容器62を散薬放出位置Pに位置付けた際に、受動側回転体104と駆動側回転体106とを噛み合わせるための新たな機構を持たせる必要がないため、機構の簡素化と散薬収容容器62の散薬放出位置Pへの移動後における短時間で散薬放出が可能となる。また、接触による各回転体の摩耗等の劣化を回避することができるため、延いては低コスト化を実現できる。
【0036】
なお、ここでは受動側回転体104と駆動側回転体106とをマグネット式非接触動力伝達機構としたが、ゴムローラ等による接触した動力伝達機構であっても、ギアの噛み合わせ構造による動力伝達機構としてその接触のための新たな機構を設けても、同様の目的を果たすことができる。ギアの噛み合わせ構造とする場合には、一方のギアをゴム製とし、他方のギアを金属製とすることでゴム製ギアを消耗品として管理することがメンテナンス性の観点から好ましい。
【0037】
駆動側回転体106は、散薬放出位置P近傍に固定されているため、容器搭載部61による散薬収容容器62の切り替え移送時には、散薬放出位置Pをカバー65及び散薬収容容器62が通過する度に、その受動側回転体104が駆動側回転体106に近接することとなる。この際に磁力により不要な回転、即ち時計回りに散薬収容容器62が移送されることにより反時計回りの回転駆動力が受動側回転体104に付与され、回転軸102が回転し、望まない散薬の放出がなされる可能性がある。これを防止するため、本実施形態においては、
図7に示されるように受動側回転体104と伝達軸654との間に、一方向へのみの回転、ここでは時計回りの回転のみを伝達軸654に伝達可能なワンウェイクラッチ方式の軸受け655を介在させている。
【0038】
この軸受け655によれば、時計回りの回転に対しては受動側回転体104の回転が伝達軸654に伝達されて回転駆動力を付与することができる。一方、反時計回りの回転に対しては受動側回転体104の回転が伝達軸654に伝達されず、空転することで回転駆動力が伝達軸654に付与されることを回避することができる。したがって、散薬収容容器62の移送時において、各収納容器の回転軸102が回転駆動力を得ることはなく、散薬を不要に放出することを防止できる。
【0039】
次に、散薬収容容器62の構造について
図7乃至
図9を用いて説明する。
【0040】
図8は本実施形態に係る散薬収容容器62の斜視図であり、
図9はその内部構成を説明するための概略縦断面図である。
図8に示されるように、散薬収容容器62は、散薬が収容される円筒状の薬剤収容部本体100と、薬剤収容部本体100内に回転自在に設けられた回転軸102とを有する。薬剤収容部本体100は上側本体100aと下側本体100bとからなり、内部の清掃時には上側本体100aと下側本体100bとに分離可能になっている。符号110は、薬剤収容部本体100の下部に取り付けられ、薬剤収容部本体100から放出された散薬を、下方で中心部に集めて下方に供給する漏斗部材である。
【0041】
図7及び
図9に示されるように、散薬収容容器62の回転軸102上端には、上方に突出する一対の突起103(
図7では一方のみ示される)が設けられている。一方、カバー65が有する伝達軸654の下部は、上蓋部652の下方に突出しており、当該下部には一対の突起103と係合可能に左右方向に突出する一対の突起656が設けられている。これらの突起103と突起656とが伝達軸654の回転に応じて互いに当接することにより接続状態となり、伝達軸654の回転駆動が回転軸102に伝達して連動することが可能となる。なお、
図7に示される符号105は、散薬収容容器62の薬剤収容部本体100内に散薬を供給するための上部開口を覆う蓋部材である。
【0042】
受動側回転体104の回転を回転軸102に伝達する機構としては、この構成に限定するものではなく、例えばカバー65を閉めた状態において、伝達軸654と回転軸102とに形成された凹凸部を係合させて接続状態とする構成や、互いを磁気的に結合させる構成、カバー65を容器搭載部61ではなく薬剤収容部本体100に取り付けて伝達軸654と回転軸102とを一体的に形成する構成等、受動側回転体104の回転を回転軸102に伝達可能なものであればどのような構成としてもよい。
【0043】
図9に示されるように、下側本体100b下部には複数の第1の貫通孔H1が同心円状に形成されており、その下方には下側本体100bに固定されると共に、複数の第2の貫通孔H2が同心円状に形成された底蓋部114が設けられている。下側本体100b下部と底蓋部114との間には、回転軸102に対して一体回転可能に連結されると共に複数の第3の貫通孔H3が同心円状に形成された回転体116が設けられている。以下、これら下側本体100b、底蓋部114、回転体116、及び第1~第3の貫通孔H1~H3についての詳細な構造を、
図10及び
図11を用いて説明する。
【0044】
図10は本実施形態に係る散薬収容容器の下部を分解した斜視図であり、(a)は下側本体100bを示し、(b)は回転体116を示し、(c)は底蓋部114を示す。
図11は、本実施形態に係る第1の貫通孔乃至第3の貫通孔の関係を説明するための図である。
図11は説明の都合上、同心円状の貫通孔を展開して一直線上に並べた一部分を示している。
図10に示されるように、下側本体100bには底面に6個の第1の貫通孔H1-1からH1-6が同心円状に等間隔で形成されており、底蓋部114には6個の第2の貫通孔H2-1からH2-6が同心円状に等間隔で形成されている。回転体116には13個の第3の貫通孔H3-1からH3-13が同心円状に等間隔で形成されている。
【0045】
また、回転体116の中心部116aは上方に突出しており、下側本体100bの中心部に形成された開口100cを介して下側本体100b内に延びている。そして、薬剤収容部本体100の内部に設けられた回転軸102の下部が回転体116の中心部116aに形成された嵌合部に嵌合するようになっている。これにより、供給用モータ63が回転することによって回転軸102が回転させられ、回転体116も回転されるようになっている。
【0046】
ここで、第1の貫通孔H1-1からH1-6、第2の貫通孔H2-1からH2-6及び第3の貫通孔H3-1からH3-13の関係について説明する。第1の貫通孔、第2の貫通孔及び第3の貫通孔の位置が同時に重なると、薬剤収容部本体100の内部の散薬が一気に落下してしまう。これを防止するために、第1の貫通孔、第2の貫通孔、及び第3の貫通孔の関係については
図11に示すようになっている。
【0047】
(1)まず、第1の貫通孔H1-1からH1-6と第2の貫通孔H2-1からH2-6とはいずれも6個であるが、数はこれに限定されるものではない。
【0048】
(2)また、第1の貫通孔H1-1からH1-6と第2の貫通孔H2-1からH2-6とが、周方向で一致しない位置(孔同士が重ならない位置)に形成されている。
図11の例では、第1の貫通孔H1-1とH1-2の中間に第2の貫通孔H2-1が存在する関係である。
【0049】
(3)さらに、第3の貫通孔H3-1の回転体116の回転方向の幅Aは、第1の貫通孔H1-1の回転体116の回転方向の先端の位置a1と、第2の貫通孔H2-1の回転体116の回転方向の後端の位置b1の位置との距離B1よりも小さい。
【0050】
(4)同様に、第3の貫通孔H3-2の回転体116の回転方向の幅Aは、第1の貫通孔H1-2の回転体116の回転方向の後端の位置a2と、第2の貫通孔H2-1の回転体116の回転方向の先端の位置b2の位置との距離B2よりも小さい。他の貫通孔についても(3)及び(4)と同じ関係になっている。
【0051】
ここで、距離B1は距離B2と必ずしも等しくなくともよいが、等しいほうが製造上は好都合である。
【0052】
第1の貫通孔H1、第2の貫通孔H2、及び第3の貫通孔H3のサイズと位置とを上記の関係にすることにより、第1の貫通孔H1、第2の貫通孔H2、及び第3の貫通孔H3が同時に重なることがない。
【0053】
そして、上記の関係になっている薬剤収容部本体100の内部に設けられた回転体116を回転することにより、第1の貫通孔H1と第3の貫通孔H3とが対向したときに、薬剤収容部本体100の内部の散薬が第1の貫通孔H1を介して第3の貫通孔H3内に収容される。その後、回転体116がさらに回転することにより、第3の貫通孔H3が第2の貫通孔H2と対向したときに第3の貫通孔H3に収容された散薬は第2の貫通孔H2を介して下方に放出される。
【0054】
なお、第3の貫通孔H3の数と第2の貫通孔H2の数とが整数倍又は整数分の1の関係であると、第3の貫通孔H3と第2の貫通孔H2とが複数の位置で同時に対向することがある。このような関係であると、放出される散薬の量が常に均等にならなくなる。
【0055】
(5)このため、第3の貫通孔の数は第2の貫通孔の数の整数倍に一致せず、かつ、第2の貫通孔の数の整数分の1の数とも一致しないように構成することにより、散薬の放出量を均等にすることができる。
【0056】
散薬収容容器62を上記のように構成することにより、容器内の回転軸102を回転させて回転体116を回転させるのみで内部の散薬が下部に定量ずつ放出することができる。また回転体116の回転を停止させると、第3の貫通孔H3と第2の貫通孔H2とが対向した部分の散薬が下方に放出されてしまうのみで、その他の第2の貫通孔H2から散薬が放出されることがない。さらに、第1の貫通孔H1乃至第3の貫通孔H3がすべて重なることがないので、落下防止の開閉体を別途設ける必要がないので構成が簡素化できるものである。
【0057】
本実施形態においては、散薬収容容器62は以上のような構成を有して回転軸102の回転による散薬の下方への放出を行うものであるが、このような構成に限らず、回転軸102の回転により散薬収容容器62内の散薬を下方に放出可能な構成であれば、どのようなものを用いてもよい。
【0058】
次に、
図8、
図12、及び
図13を用いて散薬収容容器62の容器搭載部61への取り付けについて説明する。
【0059】
図12は本実施形態に係る散薬収容容器62を容器搭載部61に取り付ける前の状態を示す斜視図であり、
図13は散薬収容容器62を容器搭載部61に取り付けた後の状態を示す斜視図である。
図8に示されるように、散薬収容容器62の上側本体100aの外周壁上部には、フック100dが設けられており、当該フック100dの下方には磁性体100eが設けられている。一方、
図12に示されるように、容器搭載部61外周縁部におけるカバー65近傍部分には、フック100dの挿込口612が設けられており、その挿込口612の下方には磁性体100eと磁気的に結合可能な磁性体613が設けられている。磁性体613の左右方向両端には、散薬収容容器62の左右方向の移動を制限する抑え板614がそれぞれ設けられている。
【0060】
散薬収容容器62を容器搭載部61に取り付ける際には、先ずカバー65を
図12に示されるように開状態とし、散薬収容容器62のフック100dを挿込口612に挿し込み、散薬収容容器62の磁性体100eを容器搭載部61の磁性体613に当接させて磁気的に結合させる。これにより
図13に示されるように、散薬収容容器62を容器搭載部61に対して強固に取り付けることができる。その後、カバー65を閉状態とすることにより、
図7及び
図9に示されるように、伝達軸654と回転軸102とを連動可能な状態とすることができ、この状態において散薬収容容器62を散薬放出位置Pに移送した際には散薬の放出が可能となる。
【0061】
散薬分包装置1の制御系について詳細に説明する。
【0062】
図14は、本実施形態に係る散薬分包装置1の制御系を示すブロック図である。
図14に示されるように、本実施形態に係る散薬分包装置1は、CPU(Central Processing Unit)110aとRAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Member)等を含むメモリ110bとを有する、散薬分包装置1の主たる制御を行う全体制御部110を備える。メモリ110bには、搭載する全ての散薬収容容器62についての収容する散薬の種類及び現アドレスの情報や、散薬放出位置Pのアドレスの情報等を有する容器情報110cが記憶されている。全体制御部110は、薬局の処方箋システム200に接続されると共に、散薬供給装置60における供給用モータ63及び移送用モータ64と、円盤配分部における秤量装置10、円盤用モータ32、及び掻き出し部50と、包装装置70とにそれぞれ駆動制御可能に接続されている。
【0063】
次に、以上のように構成された散薬分包装置の散薬選択から散薬分包までの一連の動作について
図15を参照しながら詳細に説明する。
【0064】
図15は、本実施形態に係る散薬分包装置の動作を示すフローチャートである。なお、本フローは、処方箋システムから、処方すべき散薬の種類情報と1処方分の散薬の重量情報が全体制御部110に入力されたことをトリガとして実行されるものとする。
【0065】
先ず、全体制御部110は処方箋システム200から種類情報及び重量情報を取得し(ST1)、容器情報110cを読み出し、種類情報及び重量情報が所定の条件を満たすか否かを判定する(ST2)。ここでの所定の条件は、容器情報110cに、種類情報に示される散薬を収容する散薬収容容器62(以後、対象容器と称する)が含まれており、対象容器に重量情報に示される重量分散薬が残っていることである。所定の条件を満たすと判定された場合(ST2,YES)、全体制御部110は、対象容器の現アドレスに示される位置から散薬放出位置Pへ位置付けるように移送用モータ64を駆動させる(ST3)。この時、既に対象容器62が散薬放出位置Pにある場合、即ち現アドレスが散薬放出位置Pのアドレスであった場合、このステップは省かれる。
【0066】
対象容器62が散薬放出位置Pに位置付けられた後、全体制御部110は回転駆動部30の円盤用モータ32を駆動して配分円盤20を回転させ(ST4)、配分円盤20への散薬の供給の準備が完了となる。そして、散薬が供給される前に、回転駆動部30等の風袋の重量が秤量装置10により測定される(ST5)。この風袋の重量は散薬が供給された後に測定された重量から減算されて散薬のみの重量を演算してもよいし、風袋の重量を測定した値をゼロ基準として散薬のみの重量を得るようにしてもよい。また、測定結果は全体制御部110が取得する。
【0067】
その後、全体制御部110は、散薬供給装置60の供給用モータ63を駆動させることによって(ST6)、対象容器62から散薬を少量ずつ配分円盤20に落下させる。このように散薬を落下させながら秤量装置10によって配分円盤20へ落下された散薬の重量を測定する(ST7)。
【0068】
その後、散薬を供給しつつ、測定した散薬の重量が1処方量の重量に達したか否かを判断し(ST8)、供給された散薬の重量が1処方量の重量に達するまで継続される。測定結果が1処方量の重量に達すると、全体制御部110は、散薬供給装置60の供給用モータ63の駆動を停止するとともに、回転駆動部30の円盤用モータ32を停止させる(ST9)。配分円盤20に一処方分の散薬が供給されると、全体制御部110は、掻き出し部50を駆動し、ディスクを配分円盤20に接するように移動させた後、ディスクと配分円盤20とを間欠的に回転することにより、掻き出し部50によって1包分ずつ散薬を落下ホッパ51に落下させる掻き出し動作が行われる(ST10)。落下ホッパ51に落下された散薬は包装装置70によって1包ずつシールして分包薬剤集積部75に集積される。
【0069】
一方、ST2の処理において、所定の条件を満たさないと判定、即ち対象容器62がない、又は重量情報に示される1処方量分の散薬が残っていないと判定された場合(S102,NO)、全体制御部110はエラー通知を処方箋システム200へ送出し(ST11)、本フローは終了となる。
【0070】
なお、ここでは散薬分包装置1は、容器情報110cを有して所定の条件を満たすか否かの判定を行っているが、容器情報110cを処方システム200が有し、散薬分包装置1にST3の処理から行わせるようにしてもよい。
【0071】
以上のように構成された、本実施形態によれば、複数の散薬収容容器62を移送させるのみで、散薬放出位置Pに位置付けることができ、散薬を放出することが可能となる。したがって、散薬収容容器62の選択的な移送及び散薬の放出を2つの動作のみで完結することができ、散薬収容容器62を取り出す等の動作をする必要がないため、散薬供給に係る装置動作の短時間化を実現できる。
【0072】
(変形例1)
なお、本実施形態においては、散薬放出位置Pが1箇所であると説明したが、これを複数個所に設けるようにしてもよい。
図16は、配分円盤上に2箇所の散薬放出位置が設定された形態を示す平面図である。例えば、
図16に示されるように、配分円盤20に形成された散薬を堆積するための溝部20bに対して、容器搭載部61の移送軌道Tを平面視において2点で交差させる。この2点を第1及び第2の散薬放出位置P1,P2とし、第1及び第2の散薬放出位置P1,P2近傍にそれぞれ供給用モータ63を設けることにより、第1及び第2の散薬放出位置P1,P2それぞれで散薬収容容器62から溝部20bへの散薬の放出が可能となる。
【0073】
この散薬供給装置の動作としては、
図15を用いて説明したフローにおけるST6~ST9の動作を連続して2度行うようにすればよい。具体的には、第1の散薬放出位置P1にある散薬収容容器62を対象にST6~ST9の処理を実行した後、ST10の散薬掻き出しの処理に先立って、第2の散薬放出位置P2にある散薬収容容器62を対象にST6~ST9の処理を実行する。なお、ST10の散薬掻き出しの処理後に第2の散薬放出位置P2にある散薬収容容器62を対象とした処理を行うようにしてもよい。このような装置によれば、2つの散薬収容容器62からそれぞれ散薬を放出したい場合、散薬放出位置Pが1つであれば2つ目の散薬収容容器62を別途選択して移送させる必要があるが、第1及び第2の散薬放出位置P1,P2が設定されていれば当該移送が不要となる。そのため、散薬を配分円盤20に放出するまでの作業時間を短縮することができ、散薬放出に係る作業の更なる効率化を実現できる。
【0074】
(変形例2)
また、本実施形態においては、一方向回転機構として、ワンウェイクラッチ方式の軸受け655を用いて、容器搭載部61による散薬収容容器62の切り替え移送時における不要な回転軸102の回転を防止すると説明した。しかしながら、ワンウェイクラッチ方式の軸受け655とは異なる一方向回転機構を用いて、散薬収容容器62の切り替え移送時における不要な回転軸102の回転を防止するようにしてもよい。
【0075】
図17及び
図18は、異なる一方向回転機構を説明するための図であり、閉状態にあるカバー65の伝達軸654下部の近傍が拡大斜視図で示されている。この例では、伝達軸654及び受動側回転体104が一体回転可能に連結され且つ上方に僅かに移動可能となっており、回転軸102における一対の突起103には、
図17に示されるように反時計回りの方向に沿って上る傾斜面103aが形成されている。このような構成によれば、容器搭載部61による散薬収容容器62の切り替え移送時において、反時計回りの回転駆動力が受動側回転体104に付与されたとしても、
図18に示されるように、伝達軸654の一対の突起656のそれぞれが、一対の突起103それぞれの傾斜面103aを摺動する形で上ることとなる。これにより回転軸102に対して伝達軸654を空転させることができ、ワンウェイクラッチ方式の軸受け655を用いた場合と同様の効果を得ることができる。
【0076】
本発明の実施形態、変形例を説明したが、これらの実施形態、変形例は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態、変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0077】
10・・・秤量部
20・・・配分円盤
30・・・回転駆動部
50・・・掻き出し部
60・・・散薬供給装置
61・・・容器搭載部
62・・・散薬収容容器
63・・・供給用モータ(放出作用部)
65・・・カバー
70・・・包装装置
100d・・・フック
100e・・・磁性体
102・・・回転軸
104・・・受動側回転体
106・・・駆動側回転体(放出作用部)
654・・・伝達軸
655・・・軸受け(ワンウエイクラッチ)
P・・・散薬放出位置