(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-05
(45)【発行日】2024-02-14
(54)【発明の名称】ボードゲーム用具
(51)【国際特許分類】
A63F 3/00 20060101AFI20240206BHJP
【FI】
A63F3/00 511F
A63F3/00 515A
A63F3/00 515C
A63F3/00 501Z
(21)【出願番号】P 2020125146
(22)【出願日】2020-07-22
【審査請求日】2023-06-28
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトのアドレス:https://www.facebook.com/souma.hoshiyama、令和1年7月23日 ウェブサイトのアドレス:https://www.facebook.com/souma.hoshiyama、令和1年7月27日 ウェブサイトのアドレス:https://www.facebook.com/souma.hoshiyama、令和1年9月4日 ウェブサイトのアドレス:https://www.facebook.com/souma.hoshiyama、令和1年12月14日 ウェブサイトのアドレス:https://www.facebook.com/souma.hoshiyama、令和2年1月16日 ウェブサイトのアドレス:https://www.facebook.com/souma.hoshiyama、令和2年1月22日 ウェブサイトのアドレス:https://www.facebook.com/souma.hoshiyama、令和2年3月4日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519205268
【氏名又は名称】株式会社アイデアル
(73)【特許権者】
【識別番号】519400553
【氏名又は名称】IdeaP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100183461
【氏名又は名称】福島 芳隆
(72)【発明者】
【氏名】星山 相馬
(72)【発明者】
【氏名】星山 幸子
【審査官】温井 脩市
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-055180(JP,A)
【文献】特開2020-044203(JP,A)
【文献】特表2006-526465(JP,A)
【文献】特開2020-058788(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0296910(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボード(2)と、
複数のタイル(4)と、
複数の駒(5)と、
複数のゲームコイン(6)と
を備えたボードゲーム用具(1)であって、
前記ボード(2)は、複数の多角形の形状を有する区画(3)を有しており、
前記タイル(4)は、前記区画(3)と同じ形状を有し、前記区画(3)の上に配置可能であり、前記区画(3)の上に、複数のタイル(4)が連結して配置されることで、ボード(2)上に、前記駒(5)が移動可能な第1の遊戯領域(8a)及び第2の遊戯領域(8b)を含む遊戯領域(8)、並びに前記タイル(4)が配置されず、前記駒(5)が移動できない非遊戯領域(9)が形成され、
前記駒(5)は、前記タイル(4)の上に置かれることができ、かつ、
別のタイル(4)に移動されることで該タイル(4)が獲得され
、
前記第1の遊戯領域(8a)と前記第2の遊戯領域(8b)との間に非遊戯領域(9)が存在することで、前記第1の遊戯領域(8a)と前記第2の遊戯領域(8b)とが分断されており、
前記ゲームコイン(6)が前記非遊戯領域(9)の各区画に一枚ずつ配置されることで、第1の遊戯領域(8a)と第2の遊戯領域(8b)とが連結され、前記駒(5)が第1の遊戯領域(8a)から第2の遊戯領域(8b)に移動可能となるか、又は
前記第1の遊戯領域(8a)と前記第2の遊戯領域(8b)とが、互いに両方の端部で連結された遊戯領域(8)を有し、かつ、その内側に非遊戯領域(9)を有する、
ボードゲーム用具(1)。
【請求項2】
前記区画(3)の形状が、六角形である、請求項
1に記載のボードゲーム用具(1)。
【請求項3】
前記区画(3)が、二次元状に隙間なく配置されている、請求項1
又は2に記載のボードゲーム用具(1)。
【請求項4】
前記タイル(4)の形状が、六角形である、請求項1~
3の何れか一項に記載のボードゲーム用具(1)。
【請求項5】
前記複数のタイル(4)が、6種類あり、かつ、それぞれが異なる色を有する、請求項1~
4の何れか一項に記載のボードゲーム用具(1)。
【請求項6】
前記複数の駒(5)が、6種類あり、かつ、それぞれが異なる色を有する、請求項1~
5の何れか一項に記載のボードゲーム用具(1)。
【請求項7】
前記ゲームコイン(6)が、3~5種類あり、かつ、それぞれが異なる色を有する、請求項1~
6の何れか一項に記載のボードゲーム用具(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボードゲーム用具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、サイコロの出目、又はルーレットが示す数に従って、駒を進めるボードゲーム用具が知られており、このようなボードゲーム用具は、特許として数多く登録されている(例えば、特許文献1及び2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6406780号公報
【文献】特許第6548806号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、新規なボードゲーム用具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、新規なボードゲーム用具を見出した。
【0006】
以下、本発明のボードゲーム用具について、発明を実施するための形態で使用される番号及び符号を用いて、課題を解決するための手段を詳細に説明する。これらの番号及び符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態との対応関係の一例を示すために、参考として、括弧付きで付加されたものである。よって、括弧付きの記載により、特許請求の範囲は、限定的に解釈されるべきではない。
【0007】
本発明は、以下のとおりである。
項1.
ボード(2)と、
複数のタイル(4)と、
複数の駒(5)と、
複数のゲームコイン(6)と
を備えたボードゲーム用具(1)であって、
前記ボード(2)は、複数の多角形の形状を有する区画(3)を有しており、
前記タイル(4)は、前記区画(3)と同じ形状を有し、前記区画(3)の上に配置可能であり、前記区画(3)の上に、複数のタイル(4)が連結して配置されることで、ボード(2)上に、前記駒(5)が移動可能な第1の遊戯領域(8a)及び第2の遊戯領域(8b)を含む遊戯領域(8)、並びに前記タイル(4)が配置されず、前記駒(5)が移動できない非遊戯領域(9)が形成され、
前記駒(5)は、前記タイル(4)の上に置かれることができ、かつ、
別のタイル(4)に移動されることで該タイル(4)が獲得される、
ボードゲーム用具(1)。
項2.
前記第1の遊戯領域(8a)と前記第2の遊戯領域(8b)との間に非遊戯領域(9)が存在することで、前記第1の遊戯領域(8a)と前記第2の遊戯領域(8b)とが分断されており、前記ゲームコイン(6)が前記非遊戯領域(9)に配置されることで、第1の遊戯領域(8a)と第2の遊戯領域(8b)とが連結され、前記駒(5)が第1の遊戯領域(8a)から第2の遊戯領域(8b)に移動可能となる、項1に記載のボードゲーム用具(1)。
項3.
前記第1の遊戯領域(8a)と前記第2の遊戯領域(8b)とが、互いに両方の端部で連結され、その内側に非遊戯領域(9)を有する、項1に記載のボードゲーム用具(1)。
項4.
前記区画(3)の形状が、六角形である、項1~3の何れか一項に記載のボードゲーム用具(1)。
項5.
前記区画(3)が、二次元状に隙間なく配置されている、項1~4の何れか一項に記載のボードゲーム用具(1)。
項6.
前記タイル(4)の形状が、六角形である、項1~5の何れか一項に記載のボードゲーム用具(1)。
項7.
前記複数のタイル(4)が、6種類あり、かつ、それぞれが異なる色を有する、項1~6の何れか一項に記載のボードゲーム用具(1)。
項8.
前記複数の駒(5)が、6種類あり、かつ、それぞれが異なる色を有する、項1~7の何れか一項に記載のボードゲーム用具(1)。
項9.
前記ゲームコイン(6)が、3~5種類あり、かつ、それぞれが異なる色を有する、項1~8の何れか一項に記載のボードゲーム用具(1)。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、新規なボードゲーム用具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明のボードゲーム用具(1)について、その一実施形態(レイアウト1)を示す概略平面図である。
【
図3】
図3は、第1駒(5a)がタイルを獲得(入手)できる場合を説明する図であり、第1駒(5a)の位置が、第1タイル(4a)の上(
図3A)から、第2タイル(4b)の上に移動した場合、第1タイル(4a)が入手でき(
図3B)、さらに第3タイル(4c)の上に移動した場合、第2タイル(4b)が入手できる(
図3C)ことを示している。
【
図4】
図4は、第1駒、第2駒、第3駒、第4駒、第5駒及び第6駒の色と、第1タイル、第2タイル、第3タイル、第4タイル、第5タイル及び第6タイルの色との関係を示す図である。
【
図5】
図5は、ゲームコイン(6)の種類(色)とその通貨額との関係を示す図である。
【
図6】
図6は、第1の遊戯領域(8a)及び第2の遊戯領域(8b)を含む本発明のボードゲーム用具(1)について、ゲーム開始時におけるタイル(4)及び駒(5)の配置の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、
図6に示すボードから、第1巡目に、駒(5a-1)が別のタイルに移動した後の配置の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、第1の遊戯領域(8a)と第2の遊戯領域(8b)との間に、ゲームコイン(6)が3つ配置された一例を示す図である。
【
図9】
図9は、ゲーム終了時のタイル(4)及び駒(5)の配置の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、ゲーム終了時に駒(5a-1)が獲得できるタイルの数え方を示す図である。
【
図11】
図11は、ゲーム終了時に駒(5d-1)が獲得できるタイルの数え方を示す図である。
【
図13】
図13は、本発明のボードゲーム用具(1)について、別の一実施形態(レイアウト2)を示す概略平面図である。
【
図14】
図14は、現金化できないタイル(商材)、及び現金化できるタイル(商材)を説明する図である。
【
図15】
図15は、第1の遊戯領域(8a)及び第2の遊戯領域(8b)を含む本発明のボードゲーム用具(1)について、ゲーム開始時におけるタイル(4)及び駒(5)の配置の一例を示す図である。
【
図16】
図16は、第1の遊戯領域(8a)の内部にある非遊戯領域(9)にタイル(4)が1枚配置され、第1の遊戯領域(8a)と第2の遊戯領域(8b)との間の非遊戯領域(9)にゲームコイン(6)が3つ配置された一例を示す図である。
【
図17】
図17は、利益ポイント表を説明する図であって、第1ラウンドの計画及び実績を記入するものであり、第1ラウンドのゲーム開始前に計画が記入された状態が示されている。
【
図18】
図18は、利益ポイント表を説明する図であって、第1ラウンドの計画及び実績を記入するものであり、第1ラウンドのゲーム終了後に実績が記入された状態が示されている。
【
図19】
図19は、利益ポイント表を説明する図であって、第2ラウンドの計画及び実績を記入するものであり、第2ラウンドのゲーム開始前に計画が記入された状態が示されている。
【
図20】
図20は、利益ポイント表を説明する図であって、第2ラウンドの計画及び実績を記入するものであり、第2ラウンドのゲーム終了後に実績が記入された状態が示されている。
【
図21】
図21は、利益ポイント計算シートを説明する図であって、ラウンド毎に収益ポイント、トータル利益ポイント、及び現金が記載されている。
【
図22】
図22は、本発明のボードゲーム用具(1)について、別の一実施形態(レイアウト3)を示す概略平面図である。
【
図23】
図23は、本発明のボードゲーム用具(1)の一実施形態(レイアウト3)で使用される、経営管理シート、販売実績表、駒、数指示具、ハプニングカード、及び初期資金を示す図である。
【
図24】
図24は、本発明のボードゲーム用具(1)について、ゲーム開始時におけるタイル(4)の配置、駒(5)の配置、及びゲームコイン(6)の枚数の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明のボードゲーム用具(1)の一つの実施形態に関して、添付図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、同じ機能を有する部材、部位については、同一の符号が付され、同一の符号が付されている部材、部位について、繰り返しの説明は省略される。
また、本明細書中において、「含有」、「含む」、「備える」又は「有する」なる表現については、「含有」、「含む」、「備える」、「有する」、「実質的にからなる」、「のみからなる」等という概念を含む。
【0011】
ボードゲーム用具(1)
図1~
図25を参照して、本発明のボードゲーム用具(1)の一例について説明する。
【0012】
図1に示されるように、本発明のボードゲーム用具(1)は、ボード(2)と、複数のタイル(4)と、複数の駒(5)と、複数のゲームコイン(6)とを備える。
さらに、前記ボードゲーム用具(1)には、後述する数指示具(7)(例えば、サイコロ、ルーレット等)、結果集計表、利益ポイント表、利益ポイント計算シート、経営管理シート、販売実績表、ハプニングカード等が備えられていてもよい。
【0013】
ボード(2)
本発明のボードゲーム用具(1)は、ボード(2)を備えている。
図1に記載の例では、ボードゲーム用具(1)が備えるボード(2)の数は1個であるが、ボードゲーム用具(1)が備えるボード(2)の数は、2個以上であってもよい。言い換えれば、ボードゲーム用具(1)は、複数個(例えば、2個、3個、4個等)に分割されたボードを含んでいてもよい。ボードの材料としては、特に限定はなく、紙、プラスチック、金属等が挙げられる。例えば、ボードが、磁性を帯びたマグネットでできたタイルが付く金属性のボードである場合、ボードを壁等に掛けて使用することができる。ボードの大きさ及び形としては特に限定はないが、特に、持ち運びがしやすいように、折り曲げ可能なもの、又は、ボードを複数のパーツに分割し、そのパーツがそれぞれ接続可能なものが好ましい。
【0014】
区画(3)
ボード(2)は、複数の区画(3)を有している。区画(3)は、多角形の形状を有している。区画(3)の形状は、多角形であれば特に限定はなく、例えば、三角形~八角形が挙げられ、六角形が好ましい。区画(3)の数としては、後述する第1の遊戯領域(8a)、第2の遊戯領域(8b)を含む遊戯領域(8)、並びに非遊戯領域(9)を形成できる数であれば特に限定はなく、例えば、10~1000個、好ましくは100~200個、より好ましくは100~200個、特に好ましくは175個(後述するメソッド1~3)である。区画の大きさとしては、特に限定はないが、タイルの数が多くなることから、区画の大きさは小さい方が好ましい。例えば、区画が六角形の場合、一辺が10~30mmが好ましく、約18mmがより好ましい。ボード(2)には、複数の区画(3)が、二次元状に隙間なく配置されていることが好ましく、区画(3)が六角形の区画の場合には、縦(列)に10~15個程度、横(行)に10~15個程度並べて配置されることが好ましい。
【0015】
タイル(4)
本発明のボードゲーム用具(1)は、タイル(4)を備えている。タイル(4)は、前記区画と同じ形状を有し、前記区画(3)の上に配置可能である。
タイルの形状は、前記区画と同じである。前記区画が三角形であればタイルも三角形であり、前記区画が六角形であればタイルも六角形である。タイルの形状は、六角形が好ましい。タイルの大きさとしては、1つの区画の上に1つのタイルを置くために、前記区画の大きさとほぼ同じ大きさが好ましく、区画への配置しやすさの観点から、区画より少し小さいことが好ましい。例えば、タイルが六角形の場合、一辺が9~29mmが好ましく、17mmがより好ましい。
【0016】
タイル(4)の数としては、特に限定はなく、例えば、2個以上(複数)であり、好ましくは30~200個、より好ましくは50~150個、特に好ましくは120個(メソッド1~3)である。ここでいう複数のタイル(4)は、第1のタイル(第1タイルと言い換えることもできる。)、第2のタイル(第2タイル)、第3のタイル(第3タイル)、第4のタイル(第4タイル)、第5のタイル(第5タイル)、第6のタイル(第6のタイル)、…、第nのタイル(第nタイル)と言い換えることもできる。また、ここでいう単位「個」は、「枚」と言い換えることができる。
【0017】
前記タイル(4)は、色、数字、形(果物、動物等)等で、それぞれが区別できるように表示することができる。例えば、色で区別する場合、その色としては、青色、赤色、緑色、黄色、オレンジ色(橙色)、紫色等が挙げられる。数字で区別する場合、その数字としては、1、2、3、4、5、6等が挙げられる。果物としては、青リンゴ、イチゴ、スイカ、バナナ、ミカン、ブドウ等が挙げられる。動物としては、イヌ、ネコ、トリ、ブタ、ウシ、ウマ、カメ、サカナ等が挙げられる。タイル(4)の種類の数としては、特に限定はなく、例えば、1~12種類、好ましくは2~10種類、より好ましくは3~8種類、特に好ましくは6種類(メソッド1~3)である。
【0018】
例えば、
図1には、6色(青色、赤色、緑色、黄色、オレンジ色、及び紫色)のタイル(4)が配置されたボード(2)が記載されている。
タイル(4)は2枚以上集まって(2枚のタイルが隣接して)タイルブロック(タイルグループということもできる。)を形成していてもよい。このようなタイルブロック(TB)としては、例えば、2枚のタイルが集まったタイルブロック(2TB)、3枚のタイルが集まったタイルブロック(3TB)、4枚のタイルが集まったタイルブロック4TB)、5枚のタイルが集まったタイルブロック(5TB)、6枚のタイルが集まったタイルブロック(6TB)等が挙げられる。
図1の左側に示される第2の遊戯領域(8b)には、上記のようなタイルブロックが記載されている。
【0019】
タイル(4)のレイアウトは、行うゲームに応じて変えることができる。タイル(4)のレイアウトは、市場を表すことができる。上記タイル(4)及びタイルブロックの種類を同じにするか否か、又はそれらをどのように配置するかによって、市場の大きさ、市場の新しさ等を表現することができる。
【0020】
タイル(4)の色により、利益ポイントを設定することができる(メソッド2)。例えば、青色タイルであれば、青色タイル0枚を0ポイント、1枚を5ポイント、2枚を10ポイント、3枚を15ポイント、4枚を20ポイント、5枚を25ポイント、6枚を30ポイント、7枚を40ポイント、8枚以上を50ポイントと設定することができる。赤色タイルであれば、赤色タイル0枚を0ポイント、1枚を3ポイント、2枚を6ポイント、3枚を9ポイント、4枚を12ポイント、5枚を15ポイント、6枚を18ポイント、7枚を30ポイント、8枚以上を40ポイントと設定することができる。緑色タイルであれば、緑色タイル0枚を0ポイント、1枚を2ポイント、2枚を3ポイント、3枚を4ポイント、4枚を5ポイント、5枚を6ポイント、6枚を7ポイント、7枚を9ポイント、8枚以上を10ポイントと設定することができる。黄色タイルであれば、黄色タイル0枚を0ポイント、1枚を0ポイント、2枚を0ポイント、3枚を0ポイント、4枚を0ポイント、5枚を0ポイント、6枚を0ポイント、7枚を0ポイント、8枚以上を0ポイントと設定することができる。オレンジ色タイルであれば、オレンジ色タイル0枚を-15ポイント、1枚を-13ポイント、2枚を-11ポイント、3枚を-9ポイント、4枚を-7ポイント、5枚を-5ポイント、6枚を0ポイント、7枚を0ポイント、8枚以上を0ポイントと設定することができる。紫色タイルであれば、紫色タイル0枚を-40ポイント、1枚を-35ポイント、2枚を-30ポイント、3枚を-25ポイント、4枚を-20ポイント、5枚を-10ポイント、6枚を-5ポイント、7枚を0ポイント、8枚以上を0ポイントと設定することができる(
図17~20参照)。
【0021】
タイル(4)は、商材と言い換えることができる(メソッド2)。タイル(4)の色により、現金化できる商材と現金化できない商材に分けて設定することができる。例えば、
図14に示すように、現金化できない商材を、青色タイル、紫色タイル、赤色タイル、及びオレンジ色タイルとし、現金化できる商材を、黄色タイル及び緑色タイルと設定することができる。この場合、黄色タイルは黄コイン1枚(白コイン3枚)に、緑色タイルは黄コイン2枚(白コイン6枚)に交換することができる。
【0022】
前記区画(3)の上に、複数のタイル(4)が連結して配置されることで、ボード(2)上に、前記駒(5)が移動可能な第1の遊戯領域(8a)及び第2の遊戯領域(8b)を含む遊戯領域(8)、並びに前記タイルが配置されず、前記駒(5)が移動できない非遊戯領域(9)が形成される。
【0023】
遊戯領域(8)
前記区画(3)の上に、複数のタイル(4)が連結して配置されることで、ボード(2)上に、第1の遊戯領域(8a)及び第2の遊戯領域(8b)が形成される。よって、本発明のボードゲーム用具(1)は、ボード(2)上に、第1の遊戯領域(8a)及び第2の遊戯領域(8b)を有している。ここで、「遊戯領域」は、複数のタイル(4)がそれぞれ一辺以上の辺を連結させることによって形成された領域を意味する。なお、遊戯領域は、領域、区域等と言い換えることができる。該遊戯領域(8)(第1の遊戯領域(8a)及び第2の遊戯領域(8b))の上を、駒(5)が移動することができる。
【0024】
本発明のボードゲーム用具(1)は、ゲーム開始時に、第1の遊戯領域(8a)及び第2の遊戯領域(8b)を含む少なくとも2つの遊戯領域(8)を有していることが好ましい。ここで、第1の遊戯領域(8a)は、既存市場、第1の島等と言い換えることができる。第2の遊戯領域(8b)は、新規市場、第2の島等と言い換えることができる。また、遊戯は、遊技と言い換えてもよい。
本発明のボードゲーム用具(1)は、第1の遊戯領域(8a)を既存市場とみなし、第2の遊戯領域(8b)を新規市場とみなすことにより、既存市場から新規市場へ進出等のビジネスを擬似体験できることが特徴の一つである(メソッド1及び2)。
また、第1の遊戯領域(8a)及び第2の遊戯領域(8b)は、
図22に示すように、それぞれが連結されていてもよい(メソッド3)。また、このような実施形態のボードゲーム用具(1)は、事業部に例えることができ、選択と集中の疑似体験をすることができる。
【0025】
非遊戯領域(9)
非遊戯領域(9)は、タイル(4)が配置されていない区画を意味する。非遊戯領域(9)は、タイル(4)が配置されていないので、駒(5)を配置することはできず、よって、駒(5)は非遊戯領域(9)の上を移動することができない。ここで、非遊戯領域(9)は、海、湖、沼等と言い換えることができる。
例えば、上述した遊戯領域(8)は、複数のタイル(4)が連結されることにより形成されるが、その複数のタイル(4)が連結された遊戯領域の内部にタイル(4)が配置されていない区画(非遊戯領域(9))が含まれていてもよい。
また、ここでいう非遊戯領域(9)は、上記遊戯領域(8)の内部だけでなく(
図1の(9b)参照)、遊戯領域(8)と遊戯領域(8)との間にも形成され(
図1の(9a)参照)、好ましくは、第1の遊戯領域(8a)及び第2の遊戯領域(8b)との間に形成される。
【0026】
本発明のボードゲーム用具(1)は、非遊戯領域(9)を、少なくとも1つ備えている。本発明のボードゲーム用具(1)は、ゲーム開始時に、第1の遊戯領域(8a)及び第2の遊戯領域(8b)との間に非遊戯領域(9)を有していることが好ましく、第1の遊戯領域(8a)と第2の遊戯領域(8b)との間に非遊戯領域(9)が存在することで、第1の遊戯領域(8a)と第2の遊戯領域(8b)とが分断されていることがより好ましい。
非遊戯領域(9)としては、例えば、1列の区画、2列の区画、3列の区画等が挙げられる。
非遊戯領域に、後述する、少なくとも1つのゲームコイン(例えば、黄コイン)が配置されることで、駒(5)が第1の遊戯領域(8a)から第2の遊戯領域(8b)に移動する(渡る)ことができるようになる。中でも、非遊戯領域(9)が3列の区画を有する場合には、3列の区画の上に3つのコインを配置することで、駒(5)が該コインの上を移動する(渡る)ことができる(
図8参照)。
また、本発明のボードゲーム用具(1)は、ゲーム開始時に、第1の遊戯領域(8a)と第2の遊戯領域(8b)とが、互いに両方の端部で連結され、その内側に非遊戯領域(9)を有している形態も好ましい。
【0027】
本発明のボードゲーム用具(1)は、ゲーム開始時に、遊戯領域(8)(第1の遊戯領域(8a)及び第2の遊戯領域(8b))をどのように配置し、非遊戯領域(9)をどこにどのくらいの領域で設けるかによって、様々な難易度のボードゲーム(メソッド)を設定することができる。つまり、本発明のボードゲーム用具(1)によれば、ボードゲームとしての組合せの数を無数に設定することができる。
【0028】
駒(5)
本発明のボードゲーム用具(1)は、駒(5)を備えている。駒(5)は、複数の区画(3)のうちのいずれかに配置されるタイル(4)の上に置かれる。ここで、駒は、ポーンと言い換えることもできる。
駒(5)の数は、特に限定はない。例えば、各ゲームプレーヤーが、1個以上の駒を持つことができる。各ゲームプレーヤーが持てる駒の数は、2個以上(複数)であってもよい。ここでいう複数の駒(5)は、第1の駒(第1駒と言い換えることもできる。)、第2の駒(第2駒)、第3の駒(第3駒)、第4の駒(第4駒)、第5の駒(第5駒)、第6の駒(第6の駒)、…、第nの駒(第n駒)と言い換えることもできる。中でも、上記既存市場と新規市場とで、どうやってビジネスを進めていくかを考えるためにも、ゲームプレーヤー1人に対して、駒(5)を1個、2個又は3個与えることが好ましい。
【0029】
前記駒(5)は、上記タイル(4)の上に配置されるものであれば、大きさ、形、色等に特に限定はない。前記駒(5)は、色、数字等で、それぞれが区別できるように表示することができる。例えば、色で区別する場合、その色としては、青色、赤色、緑色、黄色、オレンジ色(橙色)、紫色等が挙げられる。数字で区別する場合、その数字としては、1、2、3、4、5、6等が挙げられる。
駒(5)は、色により、タイル(4)と関連付けることができる。例えば、
図4に示すように、前記タイル(4)が、果物である場合、駒(6)は、タイル(4)を取る人物、すなわち、青リンゴ商人(青色)、イチゴ商人(赤色)、スイカ商人(緑色)、バナナ商人(黄色)、ミカン商人(オレンジ色)、ブドウ商人(紫色)を表すことができる。駒(6)の種類の数としては、特に限定はなく、例えば、1~12種類、好ましくは2~10種類、より好ましくは3~8種類、特に好ましくは6種類(メソッド1~3)である。駒(5)の各々は、特定のゲームプレーヤーに対応付けられる。
【0030】
図1には、ひとりのゲームプレーヤーが、2個の駒(5)(青色の駒(5a-1)及び青色の駒(5a-2))を使用する例が記載されている。
図4には、第1駒が青色、第2駒が赤色、第3駒が緑色、第4駒が黄色、第5駒がオレンジ色(橙色)、及び第6駒が紫色で表されている。駒(5)は、例えば、ゲーム開始時、第1の遊戯領域(第1の島)(8a)のみに配置することができる。また、ゲーム開始時、駒(5)は、他のゲームプレーヤーが置いた駒のすぐ横(隣)に置くことはできない。
【0031】
例えば、4人のゲームプレーヤーが各自2個ずつ駒(5)を有してゲームを行う場合、ゲーム開始時に、
図6に示すように各駒(5)を配置することができる。各ゲームプレーヤーは、1個目の駒を、第1の遊戯領域(第1の島)(8a)の一番端の列に、他のゲームプレーヤーが置いた駒と間をあけて置き、もう1個の駒を第1の遊戯領域(第1の島)(8a)の別の場所に他のゲームプレーヤーが置いた駒と間をあけて置くことができる(メソッド1)。
4人のゲームプレーヤーが各自1個ずつ駒(5)を有してゲームを行う場合には、ゲーム開始時に、各駒(5)を第1の遊戯領域(第1の島)(8a)のみに配置することができる。なお、駒(5)は、他のゲームプレーヤーが置いた駒のすぐ横(隣)に置くことはできない。4人のゲームプレーヤーが各自1個ずつ駒(5)を有してゲームを開始した場合、もっているコイン(6)と交換することで、駒(5)の数を増やすことができる。例えば、白コイン3枚(又は黄コイン1枚)で1個の駒(5)を増やすことができる。駒(5)は、人材と言い換えることができる。なお、2回連続チップ(緑コイン)を購入すると自分の順番で1度に、2回連続取引ができる。このチップの購入費用は白コイン3枚(又は黄コイン1枚)とすることができる。人材(駒)増員の配置は、人材(駒)が居る(居た)遊戯領域であれば、他の人材(駒)と隣接しない限り、自由にタイル上へ配置することができる。なお、人材(駒)が第1の遊戯領域(8a)にのみ配置されている場合、第2の遊戯領域(8b)に配置することができない(メソッド2)。
【0032】
駒の進行方向
駒(5)は、駒が移動できる方向に移動できる位置まで移動することができる。
駒(5)が移動できる方向は、タイル(4)の多角形の形状により変わり、多角形の一辺に対して、直角の方向に移動することができる。例えば、タイル(4)が六角形の場合には、
図2に示すように、駒(5a)は、6方向(
図2の矢印で示す方向)に移動することができる(
図2の10a~10f参照)。
図2Aのように、駒(5a)が置かれているタイル(4)の周りに非遊戯領域(9)が存在しない場合には、駒(5a)はタイル(4)の上であれば10a~10fのいずれの方向にも進むことができる。
図2Bに示すように、駒(5a)が進む方向に、非遊戯領域(9)、又は別の駒(5b、5d)がある場合には、駒(5a)は、その非遊戯領域(9)の手前のタイル、又は別の駒(5b、5d)の手前のタイルまでしか進むことができない(
図2Bの矢印参照)。
【0033】
駒(5)が別のタイルに移動されることで、該タイルが獲得される。例えば、ゲームプレーヤーの第1駒(5a)が、
図3Aに示すように、第1タイル(4a)の上に置かれている場合を考える。ゲームプレーヤーの第1順目において、
図3Bに示すとおり、第1駒(5a)が、前に4区画進み、第2タイル(4b)の上に置かれたとする。このとき、第1駒(5a)が移動することによって、もともと第1駒が置かれていた第1タイル(4a)を、プレーヤーが獲得(入手)することができる。
続いて、第2順目において、
図3Cに示すとおり、第2タイル(4b)の上に置かれていた第1駒(5a)が前に2区画進み、第3タイル(4c)の上に置かれたとする。第1駒(5a)が移動することによって、もともと第1駒が配置されていた第2タイル(4b)を、プレーヤーが獲得(入手)することができる。
【0034】
ゲームコイン(6)
本発明のボードゲーム用具(1)は、ゲームコイン(6)を備えている。ゲームコインは、単に「コイン」ということもでき、「チップ」、「仮想通貨」、「アクセサリー」等に置き換えることができる。ここで、本明細書において、「仮想通貨」は、おもちゃのコイン又はおもちゃの紙幣を意味する。
ゲームコイン(6)は、ゲームの得点を表示することができる。また、ゲームコイン(6)は、獲得されたタイル(4)と交換可能とすることができる。
【0035】
コイン(6)の数としては、特に限定はなく、例えば、2個以上(複数)であり、好ましくは4~12個(メソッド1)である。ここでいう複数のゲームコイン(6)としては、例えば、第1のコイン(第1コイン、又はゲームコイン(6a)と言い換えることもできる。)、第2のコイン(第2コイン、又はゲームコイン(6b)と言い換えることもできる。)、第3のコイン(第3コイン、又はゲームコイン(6c)と言い換えることもできる。)…、第nのコイン(第nコイン、又はゲームコイン(6n)と言い換えることもできる。)等が挙げられる。
【0036】
ゲーム開始時に各ゲームプレーヤーが有するコインの数は、ゲームによって設定することができる。各ゲームプレーヤーがコインを持たない状態でゲームを開始することもできるし(メソッド1)、各ゲームプレーヤーが、1個若しくは2個以上のコインを持った状態でゲームを開始することもできる(メソッド2及び3)。
【0037】
前記コイン(6)は、色、数字等で、それぞれが区別できるように表示することができる。
色で区別する場合、コインとしては、白色のコイン(白コイン)、黄色のコイン(黄コイン)、青色のコイン(青コイン)、緑色のコイン(緑コイン)、赤色のコイン(赤コイン)等が挙げられる。メソッド1では、白コイン、黄コイン、及び青コインを、メソッド2及び3では、白コイン、黄コイン、青コイン、緑コイン、及び赤コインを用いることができる。
【0038】
コイン(6)には、お金の単位、価値等を設定することができる。例えば、白コイン、黄コイン、及び青コインを通貨として使用し、
図5に示すように、白コインの通貨額を1、黄コインの通貨額を3、青コインの通貨額を5に設定することができる。この設定によれば、白コイン3枚は、黄コイン1枚に変換することができ、白コイン5枚は、青コイン1枚に変換することができる。
また、コイン(6)にお金とは異なる価値を付与する例として、緑コインは2回連続で操作できる、赤コインは、借入時に使用する等と設定することができる(メソッド2)。あるいは、緑コイン及び赤コインを、セールスマンを表すように設定することもできる(メソッド3)。
【0039】
また、ゲームコイン(6)は、非遊戯領域(9)に配置することができる。例えば、
図8に示すように、第1の遊戯領域(8a)と、第2の遊戯領域(8b)との間に形成されている非遊戯領域(9)に配置されることができる。それにより、第1の遊戯領域(8a)と第2の遊戯領域(8b)とが、ゲームコイン(6)で連結され、駒(5)が、第1の遊戯領域(8a)から、第2の遊戯領域(8b)に移動可能となる。なお、第1の遊戯領域(8a)と第2の遊戯領域(8b)とが、ゲームコイン(6)で連結された場合には、ゲームコイン(6)を置いたゲームプレーヤー以外のプレーヤーも、連結されたコインの上を移動することができる。また、ゲームコイン(通貨)が足りなくなった場合は、両替をして使用することができる。
【0040】
ゲームプレーヤー
ゲームプレーヤー(以下、単に、「プレーヤー」という。)の数は、2人以上であればよく、上限は、駒(5)の種類の上限であり、6人までが好ましい。
ゲームプレーヤーが、自分の順番で動かすことができるのは1つの駒のみである。もっている駒が動けなくなったら終了となる。例えば、ゲームプレーヤーが2つの駒が有しており、その駒が2つとも動けなくなったら、そのプレーヤーはゲーム終了となる。
【0041】
本発明のボードゲーム用具(1)は、複数のプレーヤーがタイル(4)の取り合いをするものである。設定された時間が終了した時に、獲得したタイル(4)の数から計算したコイン(6)の数が最も多いプレーヤー、獲得したコイン(6)の数から計算した利益ポイントが一番高いプレーヤー、又は獲得したタイル(4)を元手に最も多くのコイン(6)を獲得したプレーヤーが優勝(勝ち)である。
【0042】
さらに、前記ボードゲーム用具(1)には、後述する数指示具(7)、結果集計表、利益ポイント表、利益ポイント計算シート、経営管理シート、販売実績表、ハプニングカード、課題シート、振り返りシート、レイアウト表等が備えられていてもよい。
【0043】
数指示具(7)
本発明のボードゲーム用具(1)は、さらに、数指示具(7)を備えていてもよい。
数指示具(7)は、ランダムに数を示すことが可能な指示具、例えば、サイコロ、又はルーレットである。ただし、数指示具(7)は、ランダムに数を示すことが可能な指示具であれば、サイコロ又はルーレット以外の指示具であってもよい。数指示具(7)は、メソッド3で使用することができ、サイコロを使用することが好ましい。
【0044】
結果集計表
結果集計表は、主にメソッド1で使用される。ゲームにより獲得したコインの数を計算するための表であり、
図12にその一例を示す。結果集計表に、獲得したコインの枚数、及び、ゲーム終了時点に駒が移動可能なタイルの数とそのタイルの色と駒の色とが同じ色か否かを記入することで、獲得コインの合計数を計算することができる。
【0045】
利益ポイント表
利益ポイント表は、主にメソッド2で使用される。各ゲームの開始前及び終了後に、例えば、
図17~
図20に示すような利益ポイント表を使用する。具体的には、1回目のゲーム開始前に、どの色のタイルを何枚獲得するかを計画して丸印を記入し(
図17の左の表)、ゲーム終了後に獲得したタイルの枚数を丸印で記入する(
図18の右の表)。同様に、2回目のゲーム開始前に、どの色のタイルを何枚獲得するかを計画して丸印を記入し(
図19の左の表)、ゲーム終了後に獲得したタイルの枚数を丸印で記入する(
図20の右の表)。
【0046】
利益ポイント計算シート
利益ポイント計算シートは、主にメソッド2で使用される。利益ポイント計算シートは、例えば、
図21に示すように、利益ポイント表に記載した数値から、トータル利益ポイント、及びラウンド利益ポイントを計算する際に使用するシートである。
【0047】
経営管理シート
経営管理シートは、主にメソッド3で使用される。経営管理シートは、例えば、
図23に示すように、ゲームボードで獲得したタイル(材料)を商品化し、営業所で販売する体制を作る際に使用するシートである。
【0048】
販売実績表
販売実績表は、主にメソッド3で使用される。販売実績表は、例えば、
図23に示すように、販売活動を行う際に使用される表であり、販売が成功したタイルを置いておくものである。
【0049】
ハプニングカード
本発明のボードゲーム用具(1)は、さらに、ハプニングカードを備えることができる。該ハプニングカードは、メソッド3において、前記数指示具(7)とともに使用することができる。
ハプニングカードには、例えば、リスク、チャンス等を記載することができる。リスクが書かれたカードを、リスクカードと言い換えることができる。チャンスが書かれたカードをチャンスカードと言い換えることができる。
カードの種類としては、1枚以上であれば特に限定はなく、例えば、2~20枚、好ましくは5~15枚、より好ましくは10枚である。リスクカードの記載としては、例えば、セクハラ発覚、パワハラ発覚、不祥事発覚、地震発生、水害発生、暖色系倉庫1色全て消失、寒色系倉庫1色全て消失、セールス1人退職等が挙げられる。
チャンスカードの記載としては、商品価値が高まる、付加価値+1アップ、競合のミス、再販売のチャンス、サイコロを振り直し等が挙げられる。
【0050】
課題シート
課題シートとは、ゲームの課題、目的等が記載されたシートであり、ゲームの開始前にプレーヤーに渡されるものである。
この課題シートには、例えば、「海洋国家であるイボルブには様々な民族が暮らしています。『セリ島』は、領海の中央にあり、人間が大好きなフルーツが極めて豊富な島です。
かつては島のフルーツをめぐる民族同士の争いが絶えませんでしたが、イボルブの女王のお触れにより、セリ島のフルーツは特定の民族のものとせず、定期的にセリ島に上陸できる解禁日を定め、その日に限って、各民族同士の平和的な自由競争によってフルーツを獲得することを認めることにしました。
あなたがたは、セリ島の解禁日に集まった各民族の出稼ぎ商人です。
解禁日にフルーツを獲得して持ち帰り、自国内で売ることで生活しています。
特に需要の高いフルーツは高く売ることができます。
各2名ずつの商人をセリ島に派遣しました。
なお、近年の活発な火山活動の影響か、セリ島から少し離れた場所に新たな島が出現していることが判明しました。その島は発見者の名前をとって、「ハミ島」と呼ばれています。ハミ島は、セリ島と同じ管理ルールの下、解禁日には上陸してフルーツを獲得することができます。ただし、未開拓のハミ島に行くためには、セリ島からお金をかけて出港し、荒れ狂う海域を船で渡り切る必要があります。」と記載されている(メソッド1)。
【0051】
振り返りシート
振り返りシートは、ゲームが終わった後に記載するシートである。
例えば、メソッド1では、振り返りシートに、(1)実習の結果にどれくらい満足しているか、及びその理由、(2)実習で自分のとった戦略、判断、行動について気づいたこと、(3)実習を通して、戦略的な行動をする上で大切だと思ったこと等を記載する欄が設けられている。
【0052】
レイアウト表
レイアウト表は、例えば、
図22に示すように、メソッド3のスタート時のタイルのレイアウト(配置)を示す表である。このようなレイアウト表は、メソッド3だけでなく、メソッド1又は2においても使用することができる。
【0053】
ボードゲーム
以上のように、本発明のボードゲーム用具(1)は、ボード(2)と、複数のタイル(4)と、複数の駒(5)と、複数のゲームコイン(6)とを備え、さらに、数指示具(7)、結果集計表等を備えることができる。本発明のボードゲーム用具(1)は、ゲーム開始時において、ボード(2)の区画(3)上にタイル(4)をどのように配置するか、すなわち、遊戯領域(8)(第1の遊戯領域(8a)及び第2の遊戯領域(8b))をどのように配置し、非遊戯領域(9)をどこにどのくらいの領域で設けるかによって、様々な難易度のゲームを設定することができる。つまり、ボードゲームの組合せの数を無数に設定することができる。本発明のボードゲーム用具(1)を用いて行うことができるボードゲーム(以下、「メソッド」ということもある。)としては、例えば、
図1(又は
図6)のようにタイルを配置させるメソッド1、
図13のようにタイルを配置させるメソッド2、
図22のようにタイルを配置させるメソッド3等が挙げられる。
【0054】
本発明のボードゲーム用具(1)を用いることで、ビジネスの基本、例えば、先行者利益、継続して収益を出すための視点(短期及び長期での業績向上に必要なこと)、状況把握力、現状分析力、大局観、先見力、仮説力、戦略的思考、論理的思考力、意思決定力、行動力、対応力、経営力、柔軟性(状況対応力)、業務改善、事業運営、顧客、採算、キャッシュフロー、営業、投資、財務、利益と現金等を学ぶことができる。
【0055】
なお、各メソッドについての説明を上記記載の中でも行っているが、以下においてさらに説明する。
【0056】
メソッド1によれば、市場開拓の重要性、部分最適でなく全体最適であること、マーケットでのポジショニング、競合他社への対応、先行者利益等のマーケット及びポジショニングを学ぶことができる。メソッド1の所要時間は、30~90分である。
【0057】
メソッド1では、
図1(又は
図6)に示すように、第1の遊戯領域(既存市場)(8a)には、6種類の色(青色10枚、赤色10枚、緑色10枚、黄色10枚、オレンジ色10枚、及び紫色10枚)のタイル合計60枚がランダムに配置されている。また、第2の遊戯領域(新規市場)(8b)には、6種類の色(青色10枚、赤色10枚、緑色10枚、黄色10枚、オレンジ色10枚、及び紫色10枚)のタイル合計60枚が、4又は6個のタイルを含む12のタイルブロックの形態で配置されている。第1の遊戯領域(8a)と第2の遊戯領域(8b)との間の非遊戯領域(9)は、3列の区画を有している。なお、第1の遊戯領域の内部には、1つの非遊戯領域(7区画からなる)を備えている。
各ゲームプレーヤー(2~6人)は、ゲーム開始時に各自2個ずつ駒(5)を有しており、1個目の駒を、第1の遊戯領域(第1の島)(8a)の一番端の列に、他のゲームプレーヤーが置いた駒と間をあけて置き、もう1個の駒を第1の遊戯領域(第1の島)(8a)の別の場所に他のゲームプレーヤーが置いた駒と間をあけて置くことができる。なお、メソッド1では、各ゲームプレーヤーはゲーム開始時にコイン(6)を有していない。
【0058】
メソッド1では、タイル(4)と駒(5)が同じ種類(同じ色)である場合、交換できるコイン(6)の数が多くなることから、駒(5)が、同じ色のタイル(4)を獲得することが好ましい。そこで、第1の遊戯領域(8a)と第2の遊戯領域(8b)のそれぞれに、駒(5)と同じ色のタイル(4)が配置されている場合、2つ以上の駒(5)が第1の遊戯領域(既存市場)(8a)のタイル(4)を先に獲得するのを選択するか、又は、第2の遊戯領域(新規市場)(8b)のタイル(4)を先に獲得することを選択するかで最終的に獲得できるコイン(6)の数に差がでてくる。既存市場及び新規市場について、例えば、お金といえば、紙幣又は硬貨が一般的であったところ、近年のIT技術の進歩により、現金通貨ではなく、電子的なデータにより決済する電子マネーが普及してきたことから、既存市場は現金通貨によるビジネス、新規市場は電子マネー決済によるビジネスと考えることができる。
【0059】
メソッド2によれば、ルール変更への柔軟な対応、利益とキャッシュの活用方法(損益分岐点の理解)、競争と協業のバランス、WIN-WINの関係、効果的な交渉力等のキャッシュ(現金)及びプロフィット(利益)を学ぶことができる。メソッド2の所要時間は、60~90分である。
【0060】
メソッド2では、
図13に示すように、第1の遊戯領域(既存市場)(8a)には、3種類の色(黄色20枚、赤色14枚、及びオレンジ色14枚)のタイル合計48枚がランダムに配置されている。また、第2の遊戯領域(新規市場)(8b)には、5種類の色(青色20枚、緑色20枚、紫色20枚、赤色6枚、及びオレンジ色6枚)のタイル合計72枚が、複数のタイルを含む12のタイルブロックの形態で配置されている。第1の遊戯領域(8a)と第2の遊戯領域(8b)との間の非遊戯領域(9)は、3又は4列の区画を有している。なお、第1の遊戯領域(8a)の中には、5つの非遊戯領域(9)(1区画からなる非遊戯領域が4つ、2区画からなる非遊戯領域が1つ)、及び第2の遊戯領域(8b)の中には1つの非遊戯領域(9)(2区画からなる)を備えている。ここで、メソッド2は、第1の遊戯領域(8a)が暖色系(赤色、黄色、オレンジ色)のみのタイルを含み、第2の遊戯領域(8b)が、暖色系タイル及び寒色系(青色、緑色、紫色)タイルを含んでおり、第1の遊戯領域(8a)が暖色系タイルのみで構成されていることが特徴の一つである。
【0061】
メソッド2では、各ゲームプレーヤー(2~6人)が、1個の駒(5)を持った状態でゲームを開始する。各ゲームプレーヤーは、それぞれの駒(5)を第1の遊戯領域(第1の島)(8a)のみに配置することができる。なお、駒(5)は、他のゲームプレーヤーが置いた駒のすぐ横(隣)に置くことはできない。
メソッド2では、ゲーム開始時に各ゲームプレーヤーが、白コイン3枚を有している。ゲーム中にコイン(現金)が必要になった時は、1回につき6個の白コインを借り入れすることができる。返済は3ラウンド終了時点に行うことができる。利息は6個の白コインに対して、1個の白コインとし、前記借入額と共に支払うことができる。借入れをした時は、赤チップを各プレーヤーのボードに置くことができる。なお、返済時にコイン(現金)がない場合は、タイル(商材)を現金化することができる。獲得したタイル(商材)は、第1の遊技領域(8a)に戻すことによって現金化する(コインを入手する)ことができる。各プレーヤーが所有しているコインは、プレーヤーの順番が来た時に、何枚でも自由に遊戯領域(8)に配置することができる。
【0062】
メソッド3によれば、経営リソースの活用方法、外部環境と内部環境、戦略の優先順位、他社との差別化、生産効率等のインベストメント(投資)及びリスクマネージメントを学ぶことができる。メソッド3の所要時間は、90分である。
【0063】
メソッド3では、
図22に示すように、4列の区画に広がる第1の遊戯領域(8a)と、4列の区画に広がる第2の遊戯領域(8b)とが、互いに両方の端部で連結され、その内側に非遊戯領域(9)を有するようにタイル(4)が配置されている。なお、第1の遊戯領域(8a)の中央部には寒色系タイルが多く配置されており、周辺部には暖色系タイルが多く配置されている。また、第2の遊戯領域(8b)の中央部には暖色系のタイルが多く配置されており、周辺部には寒色系タイルが多く配置されている。ここで、寒色系タイルは、青タイル、緑タイル及び紫タイルであり、第1の遊戯領域(8a)の中央部には青色10枚、緑色10枚、紫色10枚の合計30枚のタイルが配置されている。暖色系タイルは、赤タイル、黄タイル及びオレンジタイルであり、第2の遊戯領域(8b)の中央部には赤色10枚、黄色10枚、オレンジ色10枚の合計30枚のタイルが配置されている。第1の遊戯領域(8a)と第2の遊戯領域(8b)と両領域の連結部で囲まれた非遊戯領域(9)は、17区画を有している。
メソッド3は、第1の遊戯領域(8a)が、寒色系タイルを多く有する中央部と、暖色系タイルを多く有する周辺部とで構成されているのに対し、第2の遊戯領域(8b)が、暖色系タイルを多く有する中央部と、寒色系タイルを多く有する周辺部とで構成されていることが特徴の一つである。
【0064】
メソッド3では、各ゲームプレーヤー(2~6人)は、ゲーム開始時に各自2個ずつ駒(5)を有しており、2個の駒を、他のゲームプレーヤーが置いた駒のすぐ横(隣)を除いて、遊戯領域(8)の任意の位置に配置することができる。メソッド3では、各ゲームプレーヤーは、ゲーム開始時に、白コイン20枚(青コイン2枚、黄コイン2枚、白コイン4枚)を有している。
【0065】
ゲームの勝敗の決定方法
本発明のボードゲーム用具(1)を用いたボードゲームにおいて、ゲームの勝敗の決定方法は任意である。例えば、予めゲーム時間を設定しておき、その時間が経過した時点で一旦ストップし、最後のプレーヤーまでゲームを行って終了とし、その時点において獲得したタイルの数、ゲームコインの数、獲得したコインの数から計算した利益ポイント等に基づいて勝敗を決定することができる。ゲームを行う回数は、1回でもよいし、2回以上繰り返し行ってもよい。2回以上行う場合には、全ゲームの合計獲得コイン数により、勝敗を決定することができる。ボードゲームのゲーム時間は、1ゲームあたり通常12~15分であり、通常のボードゲームよりも時間が短い。また、ボードゲームのゲーム回数は、特に制限はなく、1回又は複数回行うことができる。よって、本発明のボードゲームは、短い時間で何回か繰り返すことで、ビジネスの基本を短時間で学び、体験することができる。
【0066】
メソッド1の場合、獲得コインの計算方法は、以下のとおりである。例えば、ゲーム終了時のボード(2)が、
図9に示すような状態であるとする。各プレーヤーの駒(5)が置かれているタイル(4)を観察し、駒(5)が置かれているタイルを含め、タイルが連結されている領域のタイル数を計算する。タイル数の計算は、一筆書できる範囲(数)のうち、最大の数とすることができる。
例えば、駒(5a-1)の場合、
図10Aに示すとおり、駒(5a-1)は、タイル(4a-1)から、タイル(4a-13)まで一筆書できることから、タイル数は13枚である。また、
図10Bのように一筆書することもできるが、この場合のタイルの数も13枚であることから、駒(5a-1)のタイル数は13枚となる。
駒(5d-1)の場合、
図11A、
図11B、及び
図11Cに示す3通りの一筆書が考えられるが、
図11Aではタイル数4枚、
図11Bではタイル数4枚、及び
図11Cではタイル数2枚であることから、駒(5d-1)タイル数は4枚となる。
図9より、駒(5b-1)のタイル数は1枚、駒(5c-1)のタイル数は2枚である。これより、獲得したタイルの数は、駒(5a-1)を有するプレーヤーが13枚であり、1番多い。
【0067】
また、
図9に示すような、色で表示されたタイルの遊戯領域から獲得コインを計算する場合、
図4に示すようにタイルの色により獲得できるコイン数が変わり、駒(5)とタイル(4)との色が同じである場合、プレーヤーは、白コイン3枚(又は黄コイン1枚)を獲得することができる。駒(5)とタイル(4)との色が異なる場合、プレーヤーは、白コイン1枚を獲得できる。
例えば、
図12に示す結果集計表を用い、獲得したタイルの数から上記のようにして算出したコインの数と、獲得したコインの枚数とを合計して、獲得コイン数を計算する。そして、獲得コイン数の一番多いプレイヤーを勝ちとする。
【0068】
メソッド2の場合には、ゲーム終了時点で獲得したタイル(4)の数から利益ポイントを計算し、獲得した利益ポイントに基づいて勝敗を決定することができる。ゲームを行う回数は、1回でもよいし、2回以上繰り返し行ってもよい。2回以上行う場合には、全ゲームの合計獲得利益ポイントにより、勝敗を決定することができる。
メソッド3の場合には、全ゲーム終了時において獲得したコイン(6)の数によって勝敗を決定することができる。
【0069】
本発明のボードゲーム用具(1)は、第1の遊戯領域(8a)と第2の遊戯領域(8b)とを有しており、第1の遊戯領域(8a)を既存市場と仮定すると、第2の遊戯領域(8b)は新規市場と例えることができる。したがって、本発明のボードゲーム用具(1)では、双六ゲームの要素だけでなく、プレーヤーの駒とビジネスの要素とが組み合わせられているため、ボードゲームの面白さが増す。また、プレーヤーの駒と各タイルが色で表現されていることから、複雑化しない。このため、子供から大人まで、ボードゲームのルールを容易に理解することができ、本発明のボードゲーム用具(1)を用いたボードゲームを楽しむことができる。
【0070】
ボードゲームの遊び方
続いて、本発明のボードゲーム用具(1)を用いたボードゲームの一例(メソッド1)の遊び方について、
図6~
図12を用いて説明する。ここでは、4人のプレーヤーで遊ぶ場合の例を説明するが、本発明のボードゲーム用具(1)を用いたボードゲームは、2人以上のプレーヤーであれば遊ぶことが可能である。
【0071】
まず、第1タイル(青色のタイル:4a)を20枚、第2タイル(赤色のタイル:4b)を20枚、第3タイル(緑色のタイル:4c)を20枚、第4タイル(黄色のタイル:4d)を20枚、第5タイル(オレンジ色のタイル:4e)を20枚、並びに第6タイル(紫色のタイル:4f)を20枚を含む合計120枚のタイルは、
図6(
図1)に示すとおり、メソッド1に対応するタイルパターンで、それぞれの区画(3)に配置される。
【0072】
ジャンケン等で各プレーヤーの操作する順番及び駒の色が決定される。そして、第1プレーヤーの駒(5)である第1駒(5a-1)及び第2駒(5a-2)、第2プレーヤーの駒(5)である第1駒(5b-1)及び第2駒(5b-2)、第3プレーヤーの駒(5)である第1駒(5c-1)及び第2駒(5c-2)、並びに第4プレーヤーの駒(5)である第1駒(5d-1)及び第2駒(5d-2)が、それぞれ第1の遊戯領域(8a)の任意のスタート位置に配置される。ここで、駒を置く順番は、1個目の駒は、第1プレーヤー、第2プレーヤー、第3プレーヤー、第4プレーヤーの順番に置いていき、2個目の駒は、この逆の順番(第4プレーヤー、第3プレーヤー、第2プレーヤー、第1プレーヤー)に置いていく。また、1個目の駒は、最も外側の列のタイル(4)の上に置かれなければならない。2個目の駒は、第1の遊戯領域(8a)であれば、どこに置いてもかまわない。ただし、駒(5)は、他のプレーヤーが置いた駒の隣には置くことができない。
【0073】
続いて、第1プレーヤーが、第1駒(5a-1)は、
図7に示すとおり、1区画だけ進み、第1駒(5a-1)は、
図7において、第2タイルに配置される。そして、
図6において、第1駒(5a-1)が配置されていた第1タイルを取得する。第1タイルは紫色であり、第1プレーヤーの駒の色(青色)とは異なる色であることから、白コイン1枚に変換することができる。
【0074】
続いて、第2~4プレーヤーが順に駒を移動させ、次に2巡目となり、第1~4プレーヤーが順に駒を移動させる。
【0075】
そして、第1プレーヤーが3巡目となり、手持ちの黄コイン(6a-1)が非遊戯領域(9)に配置される。同様に第2~4プレーヤーが3巡目で順に駒を移動させる。
【0076】
そして、第1プレーヤーが4巡目となり、手持ちの黄コイン(6a-1)が非遊戯領域(9)に配置される。同様に第2~4プレーヤーが4巡目で順に駒を移動させる。
【0077】
そして、第1プレーヤーが5巡目となり、手持ちの黄コイン(6a-1)が非遊戯領域(9)に配置される。これによって、第1の遊戯領域(8a)と第2の遊戯領域(8b)が連結される(橋が繋がる)。同様に第2~4プレーヤーが5巡目で順に駒を移動させる。
【0078】
そして、第1プレーヤーが6巡目となり、この場合、
図8に示す第2駒(5a-2)は、4区画だけ進み、第2駒(5a-2)は、
図8において、第4タイル(4d)に配置される。そして、
図8において、第2駒(5a-2)が配置されていた第3タイルを取得する。第3タイルは第1プレーヤーの色と異なる黄色であることから、白コイン1枚に変換することができる。
【0079】
第1プレーヤーから第4プレーヤーが駒の移動を繰り返し、ゲーム開始から15分経ったため、ゲームを終了とした。ゲーム終了時のボードの状態を
図9に示す。例えば、
図12に示す結果集計表を用いて、各プレーヤーの獲得コイン数を計算する。
【0080】
例えば、第1プレーヤーである青色の駒(5a-1)の獲得点数は、青タイル6枚(黄コイン6枚)、緑タイル4枚(白コイン4枚)、及びオレンジタイル3枚(白コイン3枚)である。黄コイン6枚は白コイン18枚に相当するから、全部を合計すると、白コイン25枚となる。
第2プレーヤーである赤色の駒(5b-1)の獲得点数は、赤タイル0枚、及び黄タイル1枚(白コイン1枚)を合計すると、白コイン1枚となる。
第3プレーヤーである緑色の駒(5c-1)の獲得点数は、緑タイル0枚、赤タイル1枚(白コイン1枚)、及び紫タイル1枚(白コイン1枚)を合計すると、白コイン2枚となる。
そして、第4プレーヤーである黄色の駒(5d-1)の獲得点数は、黄色タイル0枚、紫タイル1枚(白コイン1枚)、及び緑タイル3枚(白コイン3枚)を合計すると、白コイン4枚となる。
したがって、第1プレーヤーの獲得コイン数(白コイン25枚)が最多であり、第1プレーヤーの勝ちである。
【0081】
次に、本発明のボードゲーム用具(1)を用いたボードゲームの別の例(メソッド2)の遊び方について、
図13~
図21を用いて説明する。ここでは、4人のプレーヤーで遊ぶ場合の例を説明するが、実施形態におけるボードゲーム用具(1)を用いたボードゲームは、2人以上のプレーヤーであれば遊ぶことが可能である。
【0082】
まず、第1タイル(青色のタイル:4a)を20枚、第2タイル(赤色のタイル:4b)を20枚、第3タイル(緑色のタイル:4c)を20枚、第4タイル(黄色のタイル:4d)を20枚、第5タイル(オレンジ色のタイル:4e)を20枚、並びに第6タイル(紫色のタイル:4f)を20枚を含む合計120枚のタイルは、
図13に示すとおり、メソッド2に対応するタイルパターンで、それぞれの区画(3)に配置される。
【0083】
ジャンケン等で各プレーヤーの操作する順番及び駒の色が決定される。そして、
図17に示す利益ポイント表の左側の「第1R 計画」の部分に、どの色のタイルを何枚獲得するかを計画し、丸印をつける。
次に、第1プレーヤーの駒(5)である第1駒(5a-1)、第2プレーヤーの駒(5)である第1駒(5b-1)、第3プレーヤーの駒(5)である第1駒(5c-1)、並びに第4プレーヤーの駒(5)である第1駒(5d-1)が、それぞれ第1の遊戯領域(8a)の任意のスタート位置に配置される。ここで、駒を置く順番は、第1プレーヤー、第2プレーヤー、第3プレーヤー、第4プレーヤーの順番である。また、駒は、第1の遊戯領域(8a)であれば、どこに置いてもかまわない。ただし、駒は、他のプレーヤーが置いた駒の隣には置くことができない。また、スタート時に、各プレーヤーは、白コイン3枚を有している。
【0084】
各プレーヤーは、自分の順番がきたら、(1)タイルを獲得する、(2)タイルをコインに交換する、(3)オプション(駒を増やす、2回連続、交渉、又は借入れ)の1つを実施する、(4)自分が持っているコインを置く、のいずれか1つを実行することができる。
ここで、(2)タイルのコインへの交換は、獲得したタイルを第1の遊戯領域に戻すことにより行うことができる。また、(4)自分が持っているコインは、自分の順番のときに何枚でも自由に置くことができる。(3)オプションのうち、駒を増やす場合には、白コイン3枚で駒を1個増やすことができる。入手した駒は、自分の駒が置かれている、又は置かれていた遊戯領域であれば、他のプレーヤーの駒と隣接しない限り、自由に置くことができる。すなわち、第1の遊戯領域にしか駒が置かれていない場合には、第2の遊戯領域に駒を置くことはできない。2回連続は、緑コインを出すことにより、自分の順番で1度、2回連続で上記操作を行うことができる制度である。緑コインは白コイン3枚で交換(購入)することができる。なお、利用した緑チップは回収される。交渉は、自分の順番のときに、他のプレーヤーと交渉を行うことができ、交渉が成立すれば獲得したタイルを相互に交換できる制度である。交渉の回数、交換するタイルの枚数に限度はない。借入れは、1回につき白コイン6枚を借入れすることができる制度である。借入れしたときは、赤コインを有しておき、ゲーム終了後に返済を行う。なお、白コイン6枚に対して白コイン1枚を利息として支払う必要がある。
【0085】
なお、第1の遊戯領域(8a)及び第1の遊戯領域(8a)内の非遊戯領域(9)には、タイル及びコインのいずれかを置くことができる。第2の遊戯領域(8b)、第2の遊戯領域(8b)内の非遊戯領域(9)、及び第1の遊戯領域(8a)と第2の遊戯領域(8b)との間の非遊戯領域(9)にはコインしか置くことができない(
図16参照)。
【0086】
第1~4プレーヤーの順に上記(1)~(4)のいずれか1つを実行することを繰り返す。ゲーム開始から12分が経ったら、最後のプレーヤーまで実行し、ゲームを終了とする。
【0087】
図18に示す利益ポイント表の右側の「第1R 実績」の部分に、獲得したタイルの何枚に丸印をつける。丸印をつけた数字を合計して、
図21の1Rの「トータル利益ポイント」のところに記入する。コインの数を合計して、
図21の1Rの「キャッシュ(現金)」のところに記入する。そして、
図21の1Rの「ラウンド利益ポイント」のところには、「トータル利益ポイント」のところに記載した数字を記載する。
【0088】
次に、
図19に示す利益ポイント表の左側の「第2R 計画」の部分に、どの色のタイルを何枚獲得するかを計画し、丸印をつける。
【0089】
上記と同様にして、第1~4プレーヤーの順に上記(1)~(4)のいずれか1つを実行することを繰り返す。ゲーム開始から12分が経ったら、最後のプレーヤーまで実行し、ゲームを終了とする。
【0090】
図20に示す利益ポイント表の右側の「第2R 実績」の部分に、獲得したタイルの何枚に丸印をつける。丸印をつけた数字を合計して、
図21の2Rの「トータル利益ポイント」のところに記入する。コインの数を合計して、
図21の2Rの「キャッシュ(現金)」のところに記入する。そして、
図21の2Rの「ラウンド利益ポイント」のところには、2Rの「トータル利益ポイント」の数字から1Rの「トータル利益ポイント」の数字を引いた値を記載する。
【0091】
1Rの「ラウンド利益ポイント」の数字と2Rの「ラウンド利益ポイント」の数字との合計が1番大きいプレーヤーを勝ちとする。
【0092】
次に、本発明のボードゲーム用具(1)を用いたボードゲームの別の例(メソッド3)の遊び方について、
図22~
図25を用いて説明する。ここでは、4人のプレーヤーで遊ぶ場合の例を説明するが、実施形態におけるボードゲーム用具(1)を用いたボードゲームは、2人以上のプレーヤーであれば遊ぶことが可能である。
【0093】
使用するものは、
図22及び
図23に示すように、ボード(2)、タイル(4)、駒(5)、ゲームコイン(6)、数指示具(7)、経営管理シート、販売実績表、ハプニングカード、及びレイアウト表である。
【0094】
まず、第1タイル(青色のタイル:4a)を20枚、第2タイル(赤色のタイル:4b)を20枚、第3タイル(緑色のタイル:4c)を20枚、第4タイル(黄色のタイル:4d)を20枚、第5タイル(オレンジ色のタイル:4e)を20枚、並びに第6タイル(紫色のタイル:4f)を20枚を含む合計120枚のタイルは、
図24に示すとおり、レイアウト表に記載されたメソッド3に対応するタイルパターンで、それぞれの区画(3)に配置される。
【0095】
ジャンケン等で各プレーヤーの操作する順番及び駒の色が決定される。そして、第1プレーヤーの駒(5)である第1駒(5a-1)及び第2駒(5a-2)、第2プレーヤーの駒(5)である第1駒(5b-1)及び第2駒(5b-2)、第3プレーヤーの駒(5)である第1駒(5c-1)及び第2駒(5c-2)、並びに第4プレーヤーの駒(5)である第1駒(5d-1)及び第2駒(5d-2)が、それぞれ遊戯領域の任意のスタート位置に配置される。ここで、駒を置く順番は、1個目の駒は、第1プレーヤー、第2プレーヤー、第3プレーヤー、第4プレーヤーの順番に置いていき、2個目の駒は、この逆の順番(第4プレーヤー、第3プレーヤー、第2プレーヤー、第1プレーヤー)に置いていく(
図24参照)。ただし、駒は、他のプレーヤーが置いた駒の隣には置くことができない。
また、スタート時に、各プレーヤーは、20コイン(青コイン2枚、黄コイン2枚、及び白コイン4枚)を有している。
【0096】
各プレーヤーは、自分の順番がきたら、まず、駒(5)を移動させて、タイル(材料)(4)を獲得する。獲得したタイル(4)を、タイルの色が暖色(赤、オレンジ、黄)か、寒色(青、緑、紫)かによって、経営管理シートの事業A(寒色系)又は事業B(暖色系)の「倉庫(材料)」の部分に置く。
【0097】
次の順番で、コイン1枚を払うことで、「倉庫(材料)」の部分に置かれていたタイルを1段階進めて「工場(製造中)」に置き、さらに次の順番でコイン1枚を払うことで、「工場(製造中)」の部分に置かれていたタイルを1段階進めて「営業所(商品在庫)」の部分に置く。さらに、次の順番でコイン3枚を払うことで、タイルの色と同じ系統の色(寒色系又は暖色系)の事業の「セールス」に緑色又は赤色のコインを置く。なお、「営業所(商品在庫)」へのタイルの配置と、「セールス」へのコインの配置とは、どちらを先に行ってもよい。
【0098】
寒色系の事業A又は暖色系の事業Bのいずれかにおいて、「セールス」に同系色(寒色系の事業Aであれば緑色、暖色系の事業Bであれば赤色)のコインが1枚以上配置され、「営業所(商品在庫)」に同系色(寒色系の事業Aであれば青色、紫色、又は緑色、暖色系の事業Bであれば赤色、オレンジ色、又は黄色)のタイルが1枚以上配置されていれば、販売宣言をすることができる。販売宣言をした後、数指示具(7)(例えば、サイコロ)を操作して、寒色系の事業Aであれば、偶数目(2、4、又は6)が出たら、販売機会の獲得に成功し、逆に奇数目(1、3、又は5)が出たら、販売機会の獲得失敗で何もできない。暖色系の事業Bであれば、奇数目(1、3、又は5)が出たら、販売機会の獲得に成功し、逆に、偶数目(2、4、又は6)が出たら、販売機会の獲得失敗で何もできない。なお、数指示具の示す目が1又は6である場合、ハプニングカードを1枚めくる。ハプニングカードの指示は、販売活動後に行う。
【0099】
販売機会の獲得に成功したプレーヤーは、販売価格を、最高5~最低1の範囲で任意設定して宣言することができる。他のプレーヤーは、前記販売宣言に対して、同じ事業(寒色系の事業A又は暖色系の事業B)の「セールス」にコインが置かれ、「営業所(商品在庫)」にタイルが置かれている場合のみ、応札することが可能となる。応札時には数指示具(7)(例えば、サイコロ)を使用し、最も安い「販売価格」を提示したプレイヤーが販売可能となる。販売できる個数は、宣言者が出した個数までである。販売に成功したプレーヤーは、販売価格分のコインを受け取ることができ、販売に失敗したプレーヤーはタイルを「営業所(商品在庫)」に戻す。
【0100】
上記の一連の操作を行う際に、以下の5つの組織強化ルールを行うことが可能である。
図25に示す実施ルールに従って行えばよい。
(1)セールスの採用:1ゲームあたり、駒を最大2個まで増やすことができる。この場合、白コインは6枚必要になる。ただし、増やした駒は、同じ事業部(事業A又は事業B)内に置かなければならない。駒が3個になった場合には、タイル(商品)を4個まで販売できる。
(2)付加価値力の向上:販売価格に上乗せした金額のコインを受け取ることができる。初期設定=0、最大=+3の5段階に設定されている。白コイン6枚(黄コイン2枚)が必要である。
(3)スピード生産力:「倉庫」から「営業所」また、一気に移動させることが可能になる。ただし、指定した一色のみである。白コイン6枚(黄コイン2枚)が必要である。
(4)同時生産力:事業部又は複数色のタイルをまたいだ生産が可能になる。白コイン3枚(黄コイン1枚)又は白コイン6枚(黄コイン2枚)が必要である。
(5)マーケット調査力:1個の場合、販売宣言後に数指示具(7)により希望する目が出なかったとき、再度数指示具を操作する権利が得られる。白コイン3枚(黄コイン1枚)が必要である。2個の場合、入札権獲得と両事業部の商品を同時に販売できる権利が得られる。白コイン6枚(黄コイン2枚)が必要である。
【0101】
第1~4プレーヤーの順に上記操作を繰り返す。ゲーム開始から12分が経ったら、最後のプレーヤーまで実行し、ゲームを終了とする。前記ゲームを3回繰り返した後、最も多くのコインを獲得したプレーヤーを勝ちとする。
【0102】
本発明は、上記実施形態に限定されず、本発明の技術思想の範囲内において、実施形態は適宜変形又は変更され得ることは明らかである。また、実施形態における任意付加的な構成は、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0103】
1 :ボードゲーム用具
2 :ボード
3 :区画
4 :タイル
5 :駒
6 :ゲームコイン
8 :遊戯領域
8a、8b :第1の遊戯領域、第2の遊戯領域
9 :非遊戯領域
10a~10f :駒の進行方向