(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-05
(45)【発行日】2024-02-14
(54)【発明の名称】頭蓋形状誘導ヘルメット
(51)【国際特許分類】
A61F 5/01 20060101AFI20240206BHJP
A42B 3/32 20060101ALI20240206BHJP
A42B 3/04 20060101ALI20240206BHJP
【FI】
A61F5/01 Z
A42B3/32
A42B3/04
(21)【出願番号】P 2023200213
(22)【出願日】2023-11-27
【審査請求日】2023-11-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522221563
【氏名又は名称】補装具工房スタンス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100196391
【氏名又は名称】萩森 学
(72)【発明者】
【氏名】駒川 正樹
【審査官】須賀 仁美
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0015238(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2004/0045078(US,A1)
【文献】米国特許第09232827(US,B1)
【文献】特開2021-134458(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F5/00-5/058
A42B3/00-3/32
A42B1/00-1/248
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭蓋形状誘導ヘルメットであって、
ヘルメット本体と、ヘルメット本体に着脱可能な吸水性の布から成るインナーを有し、
該ヘルメット本体は硬質のシェルと該シェルの内側に接着された緩衝材を有し、前側部と後側部より成り、
該ヘルメット本体の前側部と後側部はそれぞれ左右の側面に結合部を有し、
該左右の結合部のうち一方は装着者が装着中に前側部と後側部が摺動可能に結合でき、
該左右の結合部のうち一方では、ヘルメット本体の前側部の装着者の耳の上側と向かい合う部分の下端から略3cm上側に複数の孔が水平方向に並ぶように刻まれ、後側部の耳の上側と向かい合う部分の下端から略3cm上側には1のネジ受けが設けられており、
該前側部の複数の孔のうちの任意の孔に該後側部のネジ受けを貫通し、ネジを該ネジ受けに嵌めて該ネジを締めることにより前側部と後側部を固定することができ、
該左右の結合部のうち他方では、該前側部の外面の、装着者の耳の上側と向かい合う部分の下端から略3cm上側に、伸縮性の素材より成りヘルメット本体に向かう面に面ファスナーを有するベルトが略水平方向に固定され、該後側部には該ベルトに向かい合う部分に面ファスナーが貼付されており、該ベルトの面ファスナーと該後側部の面ファスナーを接着することにより該前側部と該後側部を摺動可能に結合するものであって、
該ヘルメット本体は前側と後側を結合したとき、装着者の耳の前後にあたる部分に左右にそれぞれ2の突起部を有し、
該インナーは該突起部に相応する部分に切れ目を有し、この切れ目に相応する突起部を嵌めることによりヘルメット本体に装着する
ことを特徴とする頭蓋形状誘導ヘルメット。
【請求項2】
頭蓋形状誘導ヘルメットであって、
上記のインナーは縁部に面ファスナーを有し、
上記のヘルメット本体は突起部の根元部分より上側の外面に複数の面ファスナーを有し、
該インナーの面ファスナーと、該ヘルメット本体の面ファスナーを接着することにより該インナーを該ヘルメット本体に固定する
ことを特徴とする
請求項1に記載の頭蓋形状誘導ヘルメット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は,乳幼児の頭蓋変形を矯正するように頭蓋形状を誘導するための頭蓋形状誘導ヘルメットに関する。
【背景技術】
【0002】
乳幼児の頭蓋形状が向き癖などにより歪み、斜頭や短頭、長頭といった頭蓋変形が起こる場合がある。斜頭とは、頭のどちらか片方が平坦になり、頭頂からみると左右非対称に見える頭の形状である。左右の向きぐせが強い乳幼児は斜頭になりやすい。短頭とは、頭頂からみて、頭の幅に対して前後が短く見える頭の形状である。仰向けで寝ることが多い乳幼児は短頭になりやすい。長頭とは頭頂からみて、頭の幅に対して前後が長く見える頭の形状である。真横に寝ることが多い乳幼児は長頭になりやすい。
【0003】
これらの頭蓋変形を矯正するために頭蓋形状誘導ヘルメットが用いられる。頭蓋形状誘導ヘルメットは様々な種類のものが開発されている(特許文献1,2,3)。頭蓋形状誘導ヘルメットは乳幼児の頭部に継続的に数か月間にわたって被せるものであるので、軽量であること、頭蓋形状を誘導するための硬質の外殻(シェル)と、外殻の内側に頭部が傷つくのを防ぐための緩衝性の内張を有すること、乳幼児の頭蓋骨の成長に合わせサイズを一定程度調節できることが求められ、これまでに提案されている頭蓋形状誘導ヘルメットは概ねこれを満たしている。
【0004】
しかし、上記のように頭部に継続的に被せるものであるため、蒸れによる発汗により汗疹が生じるという問題や、ヘルメットの内側に汚れや臭いが蓄積するという問題があった。さらに、乳幼児の頭蓋骨はヘルメット装着中に不断に成長するため、頭部の一部がヘルメットの内側に強く圧迫され緩衝性の内張が存在していても頭部が傷つくという問題もあった。
【0005】
特許文献4に記載されている頭蓋骨矯正ヘルメットは緩衝性の内張(内装部材)に吸水性が高く速乾性の素材を用いることにより発汗の問題を解決しようとするものである。しかし、汗による汚れの蓄積を除去することはできない。
【0006】
特許文献5に記載されている頭蓋形状矯正ヘルメットは発汗による汚染の問題を解決しようとするものである。硬質外側シェルと軟質内側ライナーから成り、軟質内側ライナーは複数のライナー片から構成され、それぞれ独立に着脱できる。発汗等に起因してライナーが汚染された場合、ライナーの全体ではなく汚染されたライナー片のみ新しいものに交換できるものであり経済的であるということである。しかし、これは日常的にライナー片を交換することは想定されていないと考えられる。
【0007】
特許文献1~5のヘルメットはいずれもサイズの調節は可能であるが、サイズを調節するためには乳幼児の頭からヘルメットを外す必要があり、装着中の乳幼児の頭蓋の成長に合わせて自動的にサイズが伸長するという機能は有していない。従って乳幼児の頭部が装着中の成長によってヘルメットに強く圧迫され傷つく恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2014-169510
【文献】特開2019-178462
【文献】特開2022-73089
【文献】特開2015-183330
【文献】特開2022-017025
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本願発明が解決しようとする課題は、装着中の発汗による汗疹の発生の恐れがなく、発汗によってヘルメット内側に汚れや臭いが蓄積することがなく、装着中の乳幼児の頭蓋の成長による頭部の傷の発生がない頭蓋形状誘導ヘルメットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願発明者は、鋭意検討を重ねた結果、発汗の問題の解決のためには、ヘルメットの内側に吸水性の布製のインナーを取り付けることが有効であることに思い至り本発明に至った。該インナーは下着を着脱する如くに容易に着脱可能とし、複数用意しておき、毎日、あるいは1日に何回でも交換可能とし、洗濯して乾燥すれば繰り返し使用可能とする。インナーの素材としては吸水性の繊維であればよく、綿、レーヨン、ポリエステルやアクリルなどが好適であり、ポリエステル100%が特に好適である。
【0011】
着脱容易にするためのヘルメットの形状およびインナーの形状の一例としては、インナーの形状を、乳幼児がヘルメットを装着したときに円蓋状にし、縁部に4か所の切れ込みを形成する。ヘルメット本体は、装着したときに装着者の耳の前後になる部分を突起状とし、この突起を上記のインナーの切れ込みに嵌めることによりインナーをヘルメット本体に取り付ける。
【0012】
また、取り付けたインナーが乳幼児の動きによって容易に外れることがないように、インナーとヘルメット本体を固定する機構を設ける。その一例としては、インナーの縁部の、ヘルメットに取り付けたときにヘルメット外面に面する側の面に面ファスナーを貼付し、ヘルメット本体の外面のインナー縁部に向かい合う部分にも面ファスナーを貼付する。インナー縁部の面ファスナーとヘルメット本体の面ファスナーを接着することによってインナーとヘルメット本体を固定できる。
【0013】
さらに本願発明者は、装着中の乳幼児の頭蓋骨の成長に伴ってヘルメットの内周が伸長する機構を付与することによって、装着中の乳幼児の頭蓋の成長による頭部の傷の発生を防ぐことができることに思い至った。頭蓋形状を誘導する機能を維持しつつ、頭蓋骨の成長に伴ってヘルメットの内周が伸長する機構の一例として、ヘルメット本体を前側部と後側部に分け、前側部と後側部を装着者の左右の耳の上部になる部分2箇所で結合する。該2箇所のうち1箇所では両側部をネジで結合し装着中は動かないように固定する。もう一方の箇所ではヘルメット本体前側部と後側部を伸縮性のベルトで結合する。この箇所では装着中の乳幼児の頭蓋の成長に伴い、該ベルトが伸長することにより前側部と後側部が摺動しヘルメット本体の内周が拡がる。そのため装着している乳幼児の頭部が傷つくことはない。
【0014】
ヘルメット本体の前側部と後側部を結合する結合点の位置も重要である。頭頂部に近い位置に同様な仕組みで結合した場合、ヘルメットを最大にするように結合しても、主にヘルメットの深さが伸長し、内周の伸長はわずかである。本願発明では装着者の左右の耳の上側と向かい合う部分の下端から略3cm上側に結合点を設けることにより、ヘルメットを拡大するように結合した場合、ヘルメットの内周が伸長する。
【0015】
第1の発明に係る頭蓋形状誘導ヘルメットは、ヘルメット本体と、ヘルメット本体に着脱可能な吸水性の布から成るインナーを有し、該ヘルメット本体は硬質のシェルと該シェルの内側に接着された緩衝材を有し、前側部と後側部より成ることを特徴とするものである。
【0016】
第2の発明に係る頭蓋形状誘導ヘルメットは第1の発明に係る頭蓋形状誘導ヘルメットであって、上記のヘルメット本体の前側部と後側部はそれぞれ左右の側面に結合部を有し、該左右の結合部のうち一方は装着者が装着中に前側部と後側部が摺動可能に結合できることを特徴とするものである。
【0017】
第3の発明に係る頭蓋形状誘導ヘルメットは、第2の発明に係る頭蓋形状誘導ヘルメットであって、上記の左右の結合部のうち一方では、ヘルメット本体の前側部の装着者の耳の上側と向かい合う部分の下端から略3cm上側に複数の孔が水平方向に並ぶように刻まれ、後側部の耳の上側と向かい合う部分の下端から略3cm上側には1のネジ受けが設けられており、該前側部の複数の孔のうちの任意の孔に該後側部のネジ受けを貫通し、ネジを該ネジ受けに嵌めて該ネジを締めることにより前側部と後側部を固定することができ、上記の左右の結合部のうち他方では、該前側部の外面の、装着者の耳の上側と向かい合う部分の下端から略3cm上側に、伸縮性の素材より成りヘルメット本体に向かう面に面ファスナーを有するベルトが略水平方向に固定され、該後側部には該ベルトに向かい合う部分に面ファスナーが貼付されており、該ベルトの面ファスナーと該後側部の面ファスナーを接着することにより該前側部と該後側部を摺動可能に結合することを特徴とするものである。
【0018】
第4の発明に係る頭蓋形状誘導ヘルメットは、第1ないし第3の発明のいずれかに係る頭蓋形状誘導ヘルメットであって、上記のヘルメット本体は前側と後側を結合したとき、装着者の耳の前後にあたる部分に左右にそれぞれ2の突起部を有し、上記のインナーは該突起部に相応する部分に切れ目を有し、この切れ目に相応する突起部を嵌めることによりヘルメット本体に装着することを特徴とするものである。
【0019】
第5の発明に係る頭蓋形状誘導ヘルメットは、第4の発明に係る頭蓋形状誘導ヘルメットであって、上記のインナーは縁部に面ファスナーを有し、上記のヘルメット本体は突起部の根元部分より上側の外面に複数の面ファスナーを有し、該インナーの面ファスナーと、該ヘルメット本体の面ファスナーを接着することにより該インナーを該ヘルメット本体に固定することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0020】
本願発明に係る頭蓋形状誘導ヘルメットは乳幼児の装着中の発汗による汗疹の発生の恐れがなく、発汗によりヘルメット内側の汚れや臭いが蓄積することがなく、装着中の乳幼児の頭蓋の成長による頭部の傷の発生の恐れがない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本願発明に係る頭蓋形状誘導ヘルメットの正面図である。
【
図2】本願発明に係る頭蓋形状誘導ヘルメット本体の正面図である。
【
図3】本願発明に係る頭蓋形状誘導ヘルメット本体の左側面図である。
【
図4】本願発明に係る頭蓋形状誘導ヘルメット本体の右側面図である。
【
図5】本願発明に係る頭蓋形状誘導ヘルメット本体の平面図である。
【
図6】本願発明に係る頭蓋形状誘導ヘルメット本体前側部の正面図である。
【
図7】本願発明に係る頭蓋形状誘導ヘルメット本体前側部の左側面図である。
【
図8】本願発明に係る頭蓋形状誘導ヘルメット本体前側部の右側面図である。
【
図9】本願発明に係る頭蓋形状誘導ヘルメット本体前側部の平面図である。
【
図10】本願発明に係る頭蓋形状誘導ヘルメット本体前側部の底面図である。
【
図11】本願発明に係る頭蓋形状誘導ヘルメット本体前側部の背面図である。
【
図12】本願発明に係る頭蓋形状誘導ヘルメット本体後側部の背面図である。
【
図13】本願発明に係る頭蓋形状誘導ヘルメット本体後側部の右側面図である。
【
図14】本願発明に係る頭蓋形状誘導ヘルメット本体後側部の左側面図である。
【
図15】本願発明に係る頭蓋形状誘導ヘルメット本体後側部の正面図である。
【
図16】本願発明に係る頭蓋形状誘導ヘルメット本体後側部の平面図である。
【
図17】本願発明に係る頭蓋形状誘導ヘルメットのインナーの右側面図である。
【
図18】本願発明に係る頭蓋形状誘導ヘルメットのインナーを裏返した状態の右側面図である。
【
図19】本願発明に係る頭蓋形状誘導ヘルメット本体にインナーを取り付けているところを表した図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
つぎに、本発明の実施形態を説明するが、本発明の技術的範囲を逸脱しない範囲において様々な変更や修正が可能であることは言うまでもない。
【実施例1】
【0023】
図1~19に本願発明に係る頭蓋形状誘導ヘルメットの一態様の模式図を示す。頭蓋形状誘導ヘルメット1(
図1)はヘルメット本体1-1と吸水性の布製のインナー2より成る。
【0024】
図2はヘルメット本体の正面図である。ヘルメット本体とはヘルメットからインナーを取り外したものをいう。ヘルメット本体1-1は硬質の樹脂製のシェル1-4の内側に緩衝性の樹脂製の緩衝材1-5が内張されている。側面の複数の箇所にインナーを固定するための面ファスナー5-1がシェル外面に貼付されている。
シェル1-4の素材である硬質の樹脂としては、熱可塑性樹脂が適しており、その例としてはポリエチレン、ポリプロピレン、ABS樹脂、アクリル、ポリアミドなどが挙げられる。
緩衝材の素材である緩衝性の樹脂としては発泡ポリエチレン、発泡ポリウレタンなどが好適である。
【0025】
図3はヘルメット本体の左側面図である。ヘルメット本体1-1はヘルメット本体前側部1-2とヘルメット本体後側部1-3から成る。ヘルメット本体前側部とヘルメット本体後側部は左右の2か所で結合されている。本実施例では、左側はベルト4で固定され、右側はネジ3-1で固定されている。ベルト4は右端部がヘルメット本体前側部1-2左側面の装着者の耳の上側と向かい合う部分の下端から略3cm上側に固定されている。ベルト4の左端部の裏面には面ファスナーが貼付されている。ヘルメット本体後側部1-3のベルト4の左端部に向かい合う部分にも面ファスナーが貼付されており、ベルト裏面の面ファスナーとヘルメット本体後側部のベルト4の左端部に向かい合う部分の面ファスナーを接着することにより、ヘルメット本体前側部1-2と同後側部1-3を結合する。ベルトは伸縮性の素材から成り装着者である乳幼児の頭蓋が装着中に成長して頭周が大きくなった場合、それに応じてベルト4が伸長しヘルメットの内周が拡がる。このことにより装着者の頭部が装着中の成長により傷つく恐れはない。ベルトの伸縮性の素材としては合成ゴムなどが好適である。なお、ヘルメット本体の突起部1-6の根元部分より上側の外面に複数の面ファスナー5-1が貼付されており、これはインナーを装着固定するためのものである。
【0026】
図4はヘルメット本体の右側面図である。ヘルメット本体前側部1-2の右側面の装着者の耳の上側と向かい合う部分の下端から略3cm上側に3つの孔3-3が穿たれている。ヘルメット本体後側部1-3の右側面の装着者の耳の上側と向かい合う部分の下端から略3cm上側にネジ受けが設けられている。このネジ受けを前記の3つの孔のうち、装着者の頭の大きさに合わせて選択する1つの孔に下側から嵌め、このネジ受けにネジ3-1を嵌めて締めることによりヘルメット本体前側部1-2と同後側部1-3を結合し固定する。本図では、前記の3つの孔のうち左端の孔にネジ受けを嵌めネジ3-1をネジ受けに嵌め締めている。
【0027】
図5はヘルメット本体の平面図である。ヘルメット本体前側部1-2と同後側部1-3は前側部の両端部が後側部を覆うように結合される。前側部及び後側部の内側には緩衝材1-5が内張されているが、前側部1-2の両端部の、後側部1-3と結合したとき後側部と重なる部分には緩衝材は内張されておらずシェルのみとなっている。ベルト4の下端部はヘルメット本体前側部1-2に固定され、上端部においてはヘルメット後側部と向かい合う面に貼付された面ファスナー4-1がヘルメット本体後側部に貼付されたベルト固定用面ファスナー5-2に接着されている。また、ヘルメット本体1-1右側面ではヘルメット本体前側部1-2と同後側部1-3がネジ3-1で固定されている。
【0028】
図6はヘルメット本体前側部1-2の正面図である。また、
図7はヘルメット本体前側部1-2の左側面図である。
図8はヘルメット本体前側部1-2の右側面図である。右側面の装着者の耳の上側と向かい合う部分の下端から略3cm上側に3つの孔3-3が穿たれている。本図の右端にベルト4の端部が見えている。ベルト4の端部の裏面に面ファスナー4-1が貼付されている。
図9はヘルメット本体前側部1-2の平面図である。ベルト4の裏面に面ファスナー4-1が貼付されている。
図10はヘルメット本体前側部1-2の底面図である。ヘルメット本体前側部1-2の内側には緩衝材1-5が内張されているが、ヘルメット本体後側部と結合したとき後側部と重なる部分には緩衝材は内張されておらずシェル1-4のみとなっている。
図11はヘルメット本体前側部1-2の背面図である。シェル1-4の内側に緩衝材1-5が内張されている。
【0029】
図12はヘルメット本体後側部1-3の背面図である。ヘルメット本体後側部1-3右側面にネジ受け3-2が設けられている。またインナー固定用の面ファスナー5-1が3か所に貼付されている。さらに左側面にベルト固定用面ファスナー5-2が貼付されている。
図13はヘルメット本体後側部1-3の右側面図である。右側面にネジ受け3-2が設けられている。
図14はヘルメット本体後側部1-3の左側面図である。インナー固定用の面ファスナー5-1とベルト固定用面ファスナー5-2が貼付されている。
図15はヘルメット本体後側部1-3の正面図である。シェル1-4の内側に緩衝材1-5が内張されている。右側面にネジ受けが設けられている。
図16はヘルメット本体後側部1-3の平面図である。
【0030】
図17はインナー2の右側面図である。縁部2-2の上端部の2か所に切れ込み2-1を有する。インナー2は左側面の縁部の上端部にも前記の切れ込みと対称の位置に2か所の切れ込みを有する。従ってインナー2は合計4の切れ込みを有する。
図18はインナー2を裏返しにした状態の右側面図である。縁部2-2の裏面前面に面ファスナー2-3が貼付されている。
本実施例ではインナーの形状は円蓋状であるが、頭頂部を丸くくり抜いたドーナツ状とするなど様々な形状を取り得る。
【0031】
図19はヘルメット本体1-1にインナー2を取り付けているところを表した図である。インナー2の4箇所の切れ込み2-1にヘルメット本体の4つの突起部1-6を貫通させることによりインナー2をヘルメット本体1-1に取り付ける。そしてインナー縁部2-2の裏面に貼付された面ファスナー2-3をヘルメット本体外面の複数箇所に貼付された面ファスナー5-1に接着することによりインナーをヘルメット本体に固定する。
【符号の説明】
【0032】
1 頭蓋形状誘導ヘルメット
1-1 ヘルメット本体
1-2 ヘルメット本体前側部
1-3 ヘルメット本体後側部
1-4 シェル
1-5 緩衝材
1-6 ヘルメット本体下部突起部
2 インナー
2-1 切れ込み
2-2 インナー縁部
2-3 インナー縁部面ファスナー
3―1 ネジ
3-2 ネジ受け
3-3 ネジ受け固定用孔
4 ベルト
4-1 ベルト面ファスナー
5-1 インナー固定用面ファスナー
5-2 ベルト固定用面ファスナー
【要約】
【課題】装着中の発汗による汗疹の発生の恐れがなく、発汗によってヘルメット内側に汚れや臭いが蓄積することがなく、装着中の乳幼児の頭蓋の成長による頭部の傷の発生がない頭蓋形状誘導ヘルメットを提供する。
【解決手段】ヘルメット本体に容易に着脱可能な吸水性の布から成るインナーを有し、ヘルメット本体は前側部と後側部より成り、前側部と後側部は装着者の左右の耳の上側と向かい合う部分の略3cm上側で結合され、該結合部の一方はネジで固定され、他の一方は伸張性のベルトで結合されることにより、装着者が装着中に頭蓋が生長したときそれに応じて前側部と後側部が摺動し内周が伸長する頭蓋形状誘導ヘルメット。
【選択図】
図1