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特許7430905空気調和装置及びその構成ユニット、並びに複合型空気調和システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-05
(45)【発行日】2024-02-14
(54)【発明の名称】空気調和装置及びその構成ユニット、並びに複合型空気調和システム
(51)【国際特許分類】
   F24F 1/02 20190101AFI20240206BHJP
   F24F 3/00 20060101ALI20240206BHJP
【FI】
F24F1/02 441A
F24F3/00 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020084018
(22)【出願日】2020-05-12
(65)【公開番号】P2021179268
(43)【公開日】2021-11-18
【審査請求日】2022-11-28
(73)【特許権者】
【識別番号】594185097
【氏名又は名称】伸和コントロールズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100164688
【弁理士】
【氏名又は名称】金川 良樹
(72)【発明者】
【氏名】小牟禮 稔
(72)【発明者】
【氏名】荒木 天志
(72)【発明者】
【氏名】松尾 隆仙
【審査官】安島 智也
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-020723(JP,A)
【文献】特開平08-312994(JP,A)
【文献】特開2005-106303(JP,A)
【文献】特開2012-247168(JP,A)
【文献】特開2018-044716(JP,A)
【文献】国際公開第2017/203702(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/02
F24F 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に延びる上流側流路部と、前記上流側流路部において上側に位置する前記上流側流路部の流端に接続される下流側流路部とが折れ曲がり形状をなすように結合された空気通流路と、前記空気通流路の凹状の角部と向き合い且つ前記上流側流路部及び前記下流側流路部のそれぞれと隣り合う位置に一部分が配置され、前記空気通流路内に配置された他の部分によって空気を冷却する冷凍回路と、前記空気通流路及び前記冷凍回路の前記一部分を取り囲んで且つ支持する第1フレーム筐体と、を有する第1ユニットと、
送風機と、前記送風機を取り囲んで且つ支持する第2フレーム筐体と、を有する第2ユニットと、を備え、
前記空気通流路の空気出口を前記送風機の吸込み口に着脱自在に連結させるとともに、前記第1フレーム筐体を前記第2フレーム筐体に着脱自在に連結させることで、前記第1ユニットと前記第2ユニットとを連結させ、
前記第2フレーム筐体の内側における前記送風機の配置位置の下側に収納空間が形成され、
前記第1フレーム筐体を前記第2フレーム筐体に連結させた際に、前記収納空間が前記冷凍回路の前記一部分と隣り合い、前記収納空間に、液体を通流させる液体通流装置と、前記液体を冷却するための液体冷却用冷凍回路とを有する液調装置が配置され、
前記空気通流路の前記空気出口は、前記第1フレーム筐体の内側に位置し、
前記冷凍回路は、前記第1フレーム筐体の内側に位置し、
前記送風機の前記吸込み口は、前記第2フレーム筐体の内側に位置し、
前記液体通流装置及び前記液体冷却用冷凍回路は、前記第2フレーム筐体の内側に位置する、空気調和装置。
【請求項2】
前記空気通流路の前記空気出口と前記送風機の前記吸込み口とが伸縮自在及び/又は可撓性のチューブで連結される、請求項1に記載の空気調和装置。
【請求項3】
前記下流側流路部内に、加湿器が配置されている、請求項1に記載の空気調和装置。
【請求項4】
前記第1フレーム筐体と前記第2フレーム筐体とが連結される方向に水平面上で直交する方向に、前記冷凍回路を構成する凝縮器、圧縮機及びレシーバタンクがこの順で並ぶ、請求項1又は3に記載の空気調和装置。
【請求項5】
上流側流路部と下流側流路部とが折れ曲がり形状をなすように結合された空気通流路と、前記空気通流路の凹状の角部と向き合い且つ前記上流側流路部及び前記下流側流路部のそれぞれと隣り合う位置に一部分が配置され、前記空気通流路内に配置された他の部分によって空気を冷却する冷凍回路と、前記空気通流路及び前記冷凍回路の前記一部分を取り囲んで且つ支持する第1フレーム筐体と、を有する第1ユニットと、
送風機と、前記送風機を取り囲んで且つ支持する第2フレーム筐体と、を有する第2ユニットと、を備え、
前記空気通流路の空気出口を前記送風機の吸込み口に着脱自在に連結させるとともに、前記第1フレーム筐体を前記第2フレーム筐体に着脱自在に連結させることで、前記第1ユニットと前記第2ユニットとを連結させる、空気調和装置を、複数備える複合型空気調和システムであって、
複数の前記空気調和装置のうちの一の空気調和装置の前記空気通流路の前記上流側流路部と、複数の前記空気調和装置のうちの他の空気調和装置の前記空気通流路の前記上流側流路部とが互いに沿う状態になり、且つ、前記一の空気調和装置の前記空気通流路の前記下流側流路部と、前記他の空気調和装置の前記空気通流路の前記下流側流路部とが互いに沿う状態になるように、前記一の空気調和装置と前記他の空気調和装置とが配置され、
前記一の空気調和装置の前記第1フレーム筐体と前記他の空気調和装置の前記第1フレーム筐体とが着脱自在に連結されるとともに、前記一の空気調和装置の前記第2フレーム筐体と前記他の空気調和装置の前記第2フレーム筐体とが着脱自在に連結される、複合型空気調和システム。
【請求項6】
前記一の空気調和装置の前記第2フレーム筐体の内側における前記送風機の配置位置とは異なる位置に第1側収納空間が形成され、
前記一の空気調和装置において前記第1フレーム筐体を前記第2フレーム筐体に連結させた際に、前記第1側収納空間が前記一の空気調和装置側の前記冷凍回路の前記一部分と隣り合い、
前記第1側収納空間に、液体を通流させる液体通流装置と、前記液体を冷却するための液体冷却用冷凍回路とが配置され、
前記他の空気調和装置の前記第2フレーム筐体の内側における前記送風機の配置位置とは異なる位置に第2側収納空間が形成され、
前記他の空気調和装置において前記第1フレーム筐体を前記第2フレーム筐体に連結させた際に、前記第2側収納空間が前記他の空気調和装置側の前記冷凍回路の前記一部分と隣り合い、
前記第2側収納空間に、複数の電装部品が配置される、請求項5に記載の複合型空気調和システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和装置及びその構成ユニット、並びに複合型空気調和システムに関する。
【背景技術】
【0002】
空気通流路、冷凍回路、送風機等の複数の機器を一体化させる空気調和装置が知られている(例えば、本件出願人による特許文献1参照)。このような空気調和装置は、例えば製造者の工場で上記複数の機器が一体化された後、ユーザ側設置スペースまで搬入されることで、ユーザ側設置スペースで行われる組立作業の手間を軽減できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6140878号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述空気調和装置において、空気供給量や、冷却性能等の処理能力の増加が求められる場合、冷凍回路の圧縮機の高出力化や、送風機の高出力化等で処理能力を向上させてもよい。
【0005】
しかしながら、圧縮機及び送風機の高出力化は、空気調和装置の大型化を招き、その結果、空気調和装置の移送に支障が生じる場合がある。具体的には、コンテナへの空気調和装置の積み込みが不能になったり、コンテナ等でユーザ側まで空気調和装置を移送できた場合であっても、コンテナ等からユーザ側設置スペースまでの搬入時に過剰に手間がかかったりする場合がある。
【0006】
一方で、空気調和装置が大型化した場合であっても、空気調和装置の構成機器を別々に移送すれば、各構成機器を支障なくユーザ側設置スペースまで搬入し得る。しかしながら、ユーザ側設置スペースで行われる空気調和装置の組立作業の負荷が大きくなるため、一体化のメリットが損なわれてしまう。
【0007】
本発明は上記事情に着目してなされたものであり、移送に支障が生じること及び例えばユーザ側設置スペースで行われる組立作業の手間が過剰になることを回避できる空気調和装置及びその構成ユニット、並びに複合型空気調和システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施の形態にかかる空気調和装置は、上流側流路部と下流側流路部とが折れ曲がり形状をなすように結合された空気通流路と、前記空気通流路の凹状の角部と向き合い且つ前記上流側流路部及び前記下流側流路部のそれぞれと隣り合う位置に一部分が配置され、前記空気通流路内に配置された他の部分によって空気を冷却する冷凍回路と、前記空気通流路及び前記冷凍回路の前記一部分を取り囲んで且つ支持する第1フレーム筐体と、を有する第1ユニットと、送風機と、前記送風機を取り囲んで且つ支持する第2フレーム筐体と、を有する第2ユニットと、を備え、前記空気通流路の空気出口を前記送風機の吸込み口に着脱自在に連結させるとともに、前記第1フレーム筐体を前記第2フレーム筐体に着脱自在に連結させることで、前記第1ユニットと前記第2ユニットとを連結させる空気調和装置、である。
【0009】
本発明にかかる空気調和装置では、第1ユニットと第2ユニットとを分離させた状態で別々に移送できるとともに、分離された第1ユニットと第2ユニットとを連結させることで空気調和装置を構成できる。また、第1ユニットでは空気通流路が折れ曲がり形状であり、折れ曲がり部分の内側を冷凍回路の機器設置スペースとして有効利用することで、第1ユニットの大型化を抑制でき、移送時に有利となる。
また、第1ユニット及び第2ユニットのそれぞれにおいては、空気調和装置の構成機器が振り分けて集約されて、各フレーム筐体に支持されているため、第1ユニットと第2ユニットとの連結を含む組立作業においては、過剰に手間がかからない。
したがって、空気調和装置の移送に支障が生じること及び例えばユーザ側設置スペースで行われる空気調和装置の組立作業の手間が過剰になることを回避できる。
とりわけ空気調和装置の空気供給量や冷却性能等の処理能力を増加させるべく空気調和装置全体を大型化する必要がある場合であっても、空気調和装置の移送に支障が生じること及び例えばユーザ側設置スペースで行われる空気調和装置の組立作業の手間が過剰になることを回避できる点で極めて有用である。
【0010】
前記第2フレーム筐体の内側における前記送風機の配置位置とは異なる位置に収納空間が形成され、前記第1フレーム筐体を前記第2フレーム筐体に連結させた際に、前記収納空間が前記冷凍回路の前記一部分と隣り合ってもよい。
【0011】
この構成では、送風機の隣の収納空間を有効に利用できる。
【0012】
前記収納空間には、液体を通流させる液体通流装置と、前記液体を冷却するための液体冷却用冷凍回路とが配置されてもよい。
【0013】
この構成では、液体通流装置と液体冷却用冷凍回路とで構成される液調装置を送風機の隣の収納空間に配置することにより、空気調和装置を大型化することなく空気調和装置の多機能化を実現できる。
【0014】
前記空気通流路の前記空気出口と前記送風機の前記吸込み口とが伸縮自在及び/又は可撓性のチューブで連結されてもよい。
【0015】
この構成では、空気通流路の空気出口と送風機の吸込み口との連結作業が容易になる。
【0016】
前記空気通流路の前記空気出口は、前記第1フレーム筐体の内側に位置し、前記送風機の前記吸込み口は、前記第2フレーム筐体の内側に位置してもよい。
【0017】
この構成では、第1ユニットと第2ユニットとを別々に移送する際の空気出口及び吸込み口の損傷リスクを軽減できる。
【0018】
また、本発明にかかる空気調和装置の構成ユニットは、上流側流路部と下流側流路部とが折れ曲がり形状をなすように結合された空気通流路と、前記空気通流路の凹状の角部と向き合い且つ前記上流側流路部及び前記下流側流路部のそれぞれと隣り合う位置に一部分が配置され、前記空気通流路内に配置された他の部分によって空気を冷却する冷凍回路と、前記空気通流路及び前記冷凍回路の前記一部分を取り囲んで且つ支持するフレーム筐体と、を有する。
【0019】
また、本発明にかかる他の空気調和装置の構成ユニットは、送風機と、前記送風機を取り囲んで且つ支持するフレーム筐体と、を有し、前記フレーム筐体の内側における前記送風機の配置位置とは異なる位置に収納空間を形成する。
【0020】
前記収納空間には、液体を通流させる液体通流装置と、前記液体を冷却するための液体冷却用冷凍回路とが配置されてもよい。
【0021】
また、本発明にかかる複合型空気調和システムは、上記の空気調和装置を複数備え、複数の前記空気調和装置のうちの一の空気調和装置の前記空気通流路の前記上流側流路部と、複数の前記空気調和装置のうちの他の空気調和装置の前記空気通流路の前記上流側流路部とが互いに沿う状態になり、且つ、前記一の空気調和装置の前記空気通流路の前記下流側流路部と、前記他の空気調和装置の前記空気通流路の前記下流側流路部とが互いに沿う状態になるように、前記一の空気調和装置と前記他の空気調和装置とが配置され、前記一の空気調和装置の前記第1フレーム筐体と前記他の空気調和装置の前記第1フレーム筐体とが着脱自在に連結されるとともに、前記一の空気調和装置の前記第2フレーム筐体と前記他の空気調和装置の前記第2フレーム筐体とが着脱自在に連結される。
【0022】
本発明にかかる複合型空気調和システムでは、複数の空気調和装置を分離させるとともに、各空気調和装置の第1ユニットと第2ユニットとを分離させることで、各ユニットを別々に移送できるとともに、分離された各空気調和装置の第1ユニットと第2ユニットとを連結させ、各空気調和装置を連結させることで、複数の空気調和装置を備える複合型空気調和システムを構成できる。また、各第1ユニット及び各第2ユニットのそれぞれにおいては、空気調和装置の構成機器が振り分けて集約されているため、第1ユニットと第2ユニットとの連結を含む組立作業においては、過剰に手間がかからない。さらに、複数の空気調和装置が互いに連結されることにより、複合型空気調和システムの全体が振動しにくくなり、温度制御の安定化、使用されている締結部材の締結状態の長期安定化、構成機器の長寿命化を図ることができ、信頼性を向上できる。
【0023】
上記複合型空気調和システムにおいては、前記一の空気調和装置の前記第2フレーム筐体の内側における前記送風機の配置位置とは異なる位置に第1側収納空間が形成され、前記一の空気調和装置において前記第1フレーム筐体を前記第2フレーム筐体に連結させた際に、前記第1側収納空間が前記一の空気調和装置側の前記冷凍回路の前記一部分と隣り合い、前記第1側収納空間に、液体を通流させる液体通流装置と、前記液体を冷却するための液体冷却用冷凍回路とが配置され、前記他の空気調和装置の前記第2フレーム筐体の内側における前記送風機の配置位置とは異なる位置に第2側収納空間が形成され、前記他の空気調和装置において前記第1フレーム筐体を前記第2フレーム筐体に連結させた際に、前記第2側収納空間が前記他の空気調和装置側の前記冷凍回路の前記一部分と隣り合い、前記第2側収納空間に、複数の電装部品が配置されてもよい。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、空気調和装置の移送に支障が生じること及び例えばユーザ側設置スペースで行われる空気調和装置の組立作業の手間が過剰になることを回避できる。
とりわけ空気調和装置の空気供給量や冷却性能等の処理能力を増加させるべく空気調和装置全体を大型化する必要がある場合であっても、空気調和装置の移送に支障が生じること及び例えばユーザ側設置スペースで行われる空気調和装置の組立作業の手間が過剰になることを回避できる点で極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の一実施の形態にかかる複合型空気調和システムの斜視図である。
図2】同実施の形態にかかる複合型空気調和システムを図1とは異なる視点から見た斜視図である。
図3】同実施の形態にかかる複合型空気調和システムの分解斜視図であって、図1の視点での分解斜視図である。
図4】同実施の形態にかかる複合型空気調和システムの分解斜視図であって、図2の視点での分解斜視図である。
図5A】同実施の形態にかかる複合型空気調和システムを構成するメイン空気調和装置の縦断面図であって、図1のV-V線を含む面で当該メイン空気調和装置を切断した縦断面図である。
図5B図5Aに示すメイン空気調和装置を分離させた状態を示す図である。
図6A】同実施の形態にかかる複合型空気調和システムを構成するサブ空気調和装置の縦断面図であって、図1のVI-VI線を含む面で当該サブ空気調和装置を切断した縦断面図である。
図6B図6Aに示すサブ空気調和装置を分離させた状態を示す図である。
図7図2のVII―VII線から矢印の方向に複合型空気調和システムの内部を見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の一実施の形態について説明する。
【0027】
図1は、本発明の一実施の形態にかかる複合型空気調和システム1の斜視図である。図2は複合型空気調和システム1を図1とは異なる視点から見た斜視図であり、詳しくは図1の矢印IIの視点から複合型空気調和システム1を見た斜視図である。
【0028】
図1及び図2に示す複合型空気調和システム1は、メイン空気調和装置100と、サブ空気調和装置200と、を備えている。
【0029】
メイン空気調和装置100は、メイン側空気取込口101(図2参照)と、メイン側空気供給口102とを有し、メイン側空気取込口101から取り込んだ空気を内部で空気調和し、その後、メイン側空気供給口102から流出させる。
【0030】
サブ空気調和装置200は、サブ側空気取込口201(図2参照)と、サブ側空気供給口202とを有し、サブ側空気取込口201から取り込んだ空気を内部で空気調和し、その後、サブ側空気供給口202から流出させる。
【0031】
図示の例では、メイン側空気取込口101及びサブ側空気取込口201が矩形であり、メイン側空気供給口102が円形で3つ設けられ、サブ側空気供給口202が円形で2つ設けられるが、これらの形状及び数は特に限られるものではない。
【0032】
本実施の形態におけるメイン空気調和装置100及びサブ空気調和装置200は着脱自在に連結されている。また、メイン空気調和装置100は、メイン側第1ユニット110と、メイン側第2ユニット120とを有しており、これらメイン側第1ユニット110及びメイン側第2ユニット120も着脱自在に連結されている。さらに、サブ空気調和装置200も、サブ側第1ユニット210と、サブ側第2ユニット220とを有しており、これらサブ側第1ユニット210及びサブ側第2ユニット220も着脱自在に連結されている。
【0033】
これにより、本実施の形態にかかる複合型空気調和システム1は、図3及び図4に示すように、メイン側第1ユニット110、メイン側第2ユニット120、サブ側第1ユニット210及びサブ側第2ユニット220の4つの要素に適宜分割することができる。
【0034】
図1乃至図4においては、メイン空気調和装置100とサブ空気調和装置200とを連結するか又は各第1ユニット110、210と各第2ユニット120、220とを連結する複数の連結部材300が示されている。連結部材300は長尺な板状部材であり、メイン空気調和装置100とサブ空気調和装置200との境界、及び各第1ユニット110、210と各第2ユニット120、220との境界に沿って配置され、境界を挟んで位置する2つの部位にボルト等の締結部材を締結することで2つの部位を連結する。
【0035】
連結部材300は2つの部位を着脱自在に連結できるものであれば、その形状、数等は特に限られるものではない。ただし、図示の例のように連結部材300が長尺な板状部材である場合には、装置内部への塵埃の浸入を効果的に抑制できる点や、作業性の点で有利である。
【0036】
図5Aは、メイン空気調和装置100の縦断面図であって、図1のV-V線を含み且つ図1の上下方向に延びる面でメイン空気調和装置100を切断した縦断面図である。以下、図5Aを参照しつつ、メイン空気調和装置100のメイン側第1ユニット110及びメイン側第2ユニット120について説明する。
【0037】
図5Aに示すように、メイン側第1ユニット110は、メイン側空気通流路111と、メイン側冷凍回路112と、メイン側第1フレーム筐体113と、を有している。メイン側冷凍回路112は、説明の便宜のために二点鎖線で示されている。
【0038】
メイン側空気通流路111は、上流側流路部111Uと下流側流路部111Dとを有し、これら上流側流路部111Uと下流側流路部111Dは折れ曲がり形状(L字形状)をなすように結合されている。
【0039】
上流側流路部111Uは、図5Aにおいて上下方向に延びており、下側に位置する上流端側に上述したメイン側空気取込口101を有し、上側に位置する下流端で下流側流路部111Dの上流端に接続している。図5Aにおいては、上流側流路部111Uの下流端と下流側流路部111Dの上流端との境界を説明の便宜のために二点鎖線で示している。
【0040】
上流側流路部111Uに設けられたメイン側空気取込口101は、図5Aにおける上下方向と直交する方向である図5Aにおける横方向の一方側に開口している。また、下流側流路部111Dの下流端側には空気出口111D1が設けられ、空気出口111D1は、メイン側空気取込口101が開口する側と反対の側である図5Aにおける横方向の他方側に開口している。
【0041】
以上のようなメイン側空気通流路111は、外部の空気を、メイン側空気取込口101から水平方向に沿って上流側流路部111U内に取り込む。その後、メイン側空気通流路111は、上流側流路部111Uから下流側流路部111Dに流入した空気を、下流側流路部111Dの空気出口111D1から流出させる。
【0042】
メイン側冷凍回路112は、メイン側空気通流路111の凹状の角部C1と向き合い且つ上流側流路部111U及び下流側流路部111Dのそれぞれと隣り合う位置に一部分112Aが配置され、且つメイン側空気通流路111内に配置された他の部分112Bによって空気を冷却するように構成されている。
【0043】
メイン側冷凍回路112は、圧縮機CP1、凝縮器CD1、膨張弁EV1、蒸発器EP1、レシーバタンクRT1等を複数の配管部材でループ状に連結して構成されている。上記一部分112Aは、圧縮機CP1、凝縮器CD1、膨張弁EV1、レシーバタンクRT1等を含み、上記他の部分112Bは、蒸発器EP1に対応する。他の部分112Bに対応する蒸発器EP1は、上流側流路部111U内に配置され、上流側流路部111U内で空気を冷却する。
【0044】
また本実施の形態においては、メイン側空気通流路111内に、空気調和用の機器としてヒータ104と加湿器105とがさらに設けられている。ヒータ104は、上流側流路部111U内において他の部分112Bに対応する蒸発器EP1の上側に、言い換えると下流側に配置されており、加湿器105は、下流側流路部111D内に配置されている。ヒータ104はメイン側冷凍回路112の高温冷媒を利用するものとして構成されてもよいし、電熱式のヒータであってもよい。加湿器105は、ヒータの加熱によって水から発生させた水蒸気を空気に供給する水蒸気式でもよいし、超音波式の加湿器であってもよい。
【0045】
図1乃至図4も参照し、メイン側第1フレーム筐体113は、メイン側空気通流路111及びメイン側冷凍回路112の一部分112Aを取り囲んで且つ支持するものである。メイン側第1フレーム筐体113は、上下方向又は横方向に延びる複数の要素フレーム113eを組み合わせることで直方体状に形成されている。
【0046】
メイン側第1フレーム筐体113には、バー状の複数の要素フレーム113eによって複数の枠状部分が形成され、図1図2に示すように複数の枠状部分の一部は、パネル106によって覆われる。パネル106は保護機能を有するものであるが、電装部品等が設けられてもよい。ただし、このようなパネル106は設けられてなくてもよい。
【0047】
また本実施の形態では、メイン側第1フレーム筐体113に支持される機器の大部分がメイン側第1フレーム筐体113の内側に位置している。具体的には、メイン側空気取込口101から空気出口111D1までにわたるメイン側空気通流路111の全体が、メイン側第1フレーム筐体113の内側に位置している。ただし、空気出口111D1に着脱自在に取り付けられるメイン側連結チューブ114は一部がメイン側第1フレーム筐体113の外側に延び出ている。メイン側連結チューブ114は、メイン側第2ユニット120に支持される後述のメイン側送風機121と連結される。また、メイン側冷凍回路112は全体的にメイン側第1フレーム筐体113の内側に位置している。
【0048】
一方で、メイン側第2ユニット120は、吸込み口121Aから吸い込んだ空気を吐出し口121Bから流出させるメイン側送風機121と、液体を通流させる液体通流装置122A及び液体通流装置122Aが通流させる液体を冷却するための液体冷却用冷凍回路122Bとで構成される液調装置122と、メイン側送風機121及び液調装置122を取り囲んで且つ支持するメイン側第2フレーム筐体123と、を有している。
【0049】
メイン側送風機121は、メイン側第2フレーム筐体123の内側における図5Aの上下方向で上側の空間に配置され、メイン側第2フレーム筐体123の内側におけるメイン側送風機121の配置位置とは異なる位置(メイン側送風機121の下側)には、第1側収納空間S1が形成される。本実施の形態では、この第1側収納空間S1に、上述の液調装置122を構成する液体通流装置122A及び液体冷却用冷凍回路122Bが配置されている。
【0050】
メイン側送風機121は、吸込み口121Aが、図5Aにおける上下方向と直交する方向である図5Aにおける横方向の一方側に開口し、吐出し口121Bが図5Aにおける上方に開口するように配置されている。メイン側第2フレーム筐体123には棚板部分124が設けられ、メイン側送風機121は棚板部分124に支持されている。なお、棚板部分124に対して一方側にメイン側送風機121の配置空間が位置し、他方側に上記第1側収納空間S1が位置することになる。
【0051】
本実施の形態では、図5Aにおいてメイン側送風機121の上方にメイン側空気分配ボックス125が配置され、吐出し口121Bがメイン側空気分配ボックス125に接続されている。そして、メイン側空気分配ボックス125には上述したメイン側空気供給口102が設けられている。また、メイン側送風機121は、吸込み口121Aを上述したメイン側連結チューブ114を介してメイン側空気通流路111の空気出口111D1に接続させる。したがって、吐出し口121Bが吐出する空気調和された空気は、メイン側空気分配ボックス125に流入した後、メイン側空気供給口102から流出することになる。
【0052】
液体通流装置122Aは、例えばブラインである液体を貯留するタンク122A1と、タンク122A1に貯留された液体を通流させる流路122A2と、を有している。また液体冷却用冷凍回路122Bは説明の便宜のために二点鎖線で示されるが、圧縮機、凝縮器、膨張弁、蒸発器等を有する。液調装置122では、液体通流装置122Aの流路122A2の一部と液体冷却用冷凍回路122Bの蒸発器とが熱交換器EXを構成しており、これにより液体冷却用冷凍回路122Bの蒸発器によって液体が冷却される。
【0053】
メイン側第2フレーム筐体123は、メイン側第1フレーム筐体113と同様に、上下方向又は横方向に延びる複数の要素フレーム123eを組み合わせることで直方体状に形成されている。メイン側第2フレーム筐体123にも、バー状の複数の要素フレーム123eによって複数の枠状部分が形成され、複数の枠状部分の一部は、上述したパネル106によって覆われる。
【0054】
また、メイン側第2フレーム筐体123側においても、支持される機器の大部分がメイン側第2フレーム筐体123の内側に位置する。具体的には、メイン側送風機121の全体はメイン側第2フレーム筐体123の内側に位置し、吸込み口121A及び吐出し口121Bは、メイン側第2フレーム筐体123に対して奥まった位置にある。また、液体通流装置122A及び液体冷却用冷凍回路122Bは全体的にメイン側第2フレーム筐体123の内側に位置している。
【0055】
図5Aにおいては、メイン側第1ユニット110とメイン側第2ユニット120とが着脱自在に連結させた状態が示されており、この状態において、メイン空気調和装置100は、メイン側空気通流路111の空気出口111D1をメイン側送風機121の吸込み口121Aに着脱自在に連結させるとともに、メイン側第1フレーム筐体113をメイン側第2フレーム筐体123に着脱自在に連結させる。この際、空気出口111D1と吸込み口121Aは、上述したメイン側連結チューブ114で連結される。本実施の形態では、メイン側連結チューブ114が蛇腹形状で伸縮自在であり、且つ可撓性を有しており、これにより空気出口111D1と吸込み口121Aとの連結作業を容易に行うことができる。
【0056】
また、メイン側第1フレーム筐体113とメイン側第2フレーム筐体123とを連結する際には、メイン側空気通流路111の空気出口111D1側で上下方向又は横方向に延びる要素フレーム113eと、メイン側送風機121の吸込み口121A側で上下方向に延びる要素フレーム123eとが突き合わされ、互いに突き合わされた要素フレーム113e、123eの一部の間が連結部材300によって連結される。このような連結が行われた際、第1側収納空間S1及び液調装置122が、メイン側冷凍回路112の一部分112Aと隣り合う状態になる。
【0057】
一方で、図5Bは、メイン空気調和装置100を、メイン側第1ユニット110とメイン側第2ユニット120とに分離させた状態を示す図である。メイン側第1ユニット110とメイン側第2ユニット120との分離は、連結部材300を取り外すとともに、メイン側連結チューブ114を取り外すことにより行うことができる。
【0058】
次に、図6Aは、サブ空気調和装置200の縦断面図であって、図1のVI-VI線を含み且つ図1の上下方向に延びる面でサブ空気調和装置200を切断した縦断面図である。以下、図6Aを参照しつつ、サブ空気調和装置200のサブ側第1ユニット210及びサブ側第2ユニット220について説明する。
【0059】
図6Aに示すように、サブ側第1ユニット210は、サブ側空気通流路211と、サブ側冷凍回路212と、サブ側第1フレーム筐体213と、を有している。サブ側冷凍回路212は、説明の便宜のために二点鎖線で示されている。
【0060】
サブ側空気通流路211は、上流側流路部211Uと下流側流路部211Dとを有し、これら上流側流路部211Uと下流側流路部211Dは折れ曲がり形状(L字形状)をなすように結合されている。サブ側空気通流路211における上流側流路部211Uも、図6Aにおいて上下方向に延びており、下側に位置する上流端側に上述したサブ側空気取込口201を有し、上側に位置する下流端で下流側流路部211Dの上流端に接続している。サブ側空気取込口201及び下流側流路部211Dに設けられる空気出口211D1の形成位置は、上述したメイン側空気取込口101及び空気出口111D1の形成位置と同じであり、サブ側空気取込口201から空気出口211D1までのサブ側空気通流路211における空気の流れは、メイン側空気通流路111における空気の流れと同じとなる。
【0061】
サブ側冷凍回路212とサブ側空気通流路211との位置関係も、メイン側第1ユニット110の場合と同様であり、すなわち、サブ側冷凍回路212は、サブ側空気通流路211の凹状の角部C2と向き合い且つ上流側流路部211U及び下流側流路部211Dのそれぞれと隣り合う位置に一部分212Aが配置され、且つサブ側空気通流路211内に配置された他の部分212Bによって空気を冷却するように構成されている。ここで、サブ側冷凍回路212の上記一部分212Aは、サブ側冷凍回路212を構成する圧縮機CP2、凝縮器CD2、膨張弁EV2、レシーバタンクRT2等を含むことになり、上記他の部分212Bは、サブ側冷凍回路212を構成する蒸発器EP2に対応することになる。また、サブ側冷凍回路212の蒸発器EP2の配置位置もメイン側冷凍回路112側の蒸発器EP1と同様であり、サブ側空気通流路211内にも空気調和用の機器としてヒータ204と加湿器205とがさらに設けられる。
なお、サブ側冷凍回路212の冷凍能力と、メイン側冷凍回路112の冷凍能力との大小は特に限られるものではないが、本実施の形態では、サブ側冷凍回路212の冷凍能力がメイン側冷凍回路112の冷凍能力よりも小さくなっている。
【0062】
またサブ側第1フレーム筐体213も、メイン側第1フレーム筐体113と同様に、上下方向又は横方向に延びる複数の要素フレーム213eを組み合わせることで直方体状に形成され、図1図2に示すようにパネル106によって部分的に覆われる。また、サブ側第1フレーム筐体213においても、支持される機器の大部分がサブ側第1フレーム筐体213の内側に位置している。例えば、サブ側空気取込口201から空気出口211D1までにわたるサブ側空気通流路211の全体はサブ側第1フレーム筐体213の内側に位置している。
【0063】
一方で、サブ側第2ユニット220は、サブ側送風機221と、配電盤400及び配電盤400に支持された複数の電装部品410を有する電装集合ユニット420と、メイン側送風機121及び電装集合ユニット420を取り囲んで且つ支持するサブ側第2フレーム筐体223と、を有している。すなわち、サブ側第2ユニット220は、液調装置の代わりに電装集合ユニット420を備える点でメイン側第2ユニット120と異なっている。
【0064】
サブ側送風機221は、サブ側第2フレーム筐体223の内側における図6Aの上下方向で上側の空間に配置され、サブ側第2フレーム筐体223の内側におけるサブ側送風機221の配置位置とは異なる位置(サブ側送風機221の下側)には、第2側収納空間S2が形成される。サブ側第2ユニット220においては、この第2側収納空間S2に、電装集合ユニット420が配置されている。
【0065】
サブ側送風機221は、その吸込み口221Aが、図6Aにおける上下方向と直交する方向である図6Aにおける横方向の一方側に開口し、その吐出し口221Bが図6Aにおける上方に開口するように配置されている。サブ側第2フレーム筐体223には棚板部分224が設けられ、サブ側送風機221は棚板部分224に支持されている。また図6Aにおいてサブ側送風機221の上方には、上述したサブ側空気供給口202が設けられたサブ側空気分配ボックス225が配置される。吐出し口221Bはサブ側空気分配ボックス225に接続され、サブ側送風機221は、吸込み口221Aをサブ側連結チューブ214を介してサブ側空気通流路211の空気出口211D1に接続させている。
【0066】
配電盤400は、メイン側第2フレーム筐体123の底部分から立ち上がるように設けられ、複数の電装部品410には、CPU基板等の各種の電装部品が含まれる。
【0067】
サブ側第2フレーム筐体223も、上下方向又は横方向に延びる複数の要素フレーム223eを組み合わせることで直方体状に形成されており、サブ側第2フレーム筐体223に形成される複数の枠状部分の一部もパネル106によって覆われる。また、サブ側第2フレーム筐体223側においても、支持される機器の大部分がサブ側第2フレーム筐体223の内側に位置する。例えば、サブ側送風機221の全体はサブ側第2フレーム筐体223の内側に位置し、吸込み口221A及び吐出し口221Bは、サブ側第2フレーム筐体223に対して奥まった位置にある。
【0068】
以上に説明したサブ側第1ユニット210とサブ側第2ユニット220とを着脱自在に連結させる際においても、サブ空気調和装置200は、サブ側空気通流路211の空気出口211D1をサブ側送風機221の吸込み口221Aに着脱自在に連結させるとともに、サブ側第1フレーム筐体213をサブ側第2フレーム筐体223に着脱自在に連結させる。この際、空気出口211D1と吸込み口221Aは、上述したサブ側連結チューブ214で連結される。サブ空気調和装置200においても、サブ側連結チューブ214が蛇腹形状で伸縮自在であり、且つ可撓性を有しており、これにより空気出口211D1と吸込み口221Aとの連結作業を容易に行うことができる。
【0069】
また、サブ側第1フレーム筐体213とサブ側第2フレーム筐体223とを連結する際には、サブ側空気通流路211の空気出口211D1側で上下方向又は横方向に延びる要素フレーム213eと、サブ側送風機221の吸込み口221A側で上下方向に延びる要素フレーム223eとが突き合わされ、互いに突き合わされた要素フレーム213e、223eの一部の間が連結部材300によって連結される。このような連結が行われた際、第2側収納空間S2及び電装集合ユニット420が、サブ側冷凍回路212の一部分212Aと隣り合う状態になる。
【0070】
図6Bは、サブ空気調和装置200を、サブ側第1ユニット210とサブ側第2ユニット220とに分離させた状態を示す図である。サブ側第1ユニット210とサブ側第2ユニット220との分離は、連結部材300を取り外すとともに、メイン側連結チューブ114を取り外すことにより行うことができる。
【0071】
また、メイン空気調和装置100とサブ空気調和装置200とを連結する際には、メイン空気調和装置100のメイン側空気通流路111の上流側流路部111Uと、サブ空気調和装置200のサブ側空気通流路211の上流側流路部211Uとが互いに沿う状態になり、且つ、メイン空気調和装置100のメイン側空気通流路111の下流側流路部111Dと、サブ空気調和装置200のサブ側空気通流路211の下流側流路部211Dとが互いに沿う状態になるように、メイン空気調和装置100とサブ空気調和装置200とが配置され、メイン側第1フレーム筐体113とサブ側第1フレーム筐体213とが連結部材300により着脱自在に連結されるとともに、メイン側第2フレーム筐体123とサブ側第2フレーム筐体223とが連結部材300により着脱自在に連結される。
メイン空気調和装置100とサブ空気調和装置200とが連結される方向は、メイン空気調和装置100の各ユニット110、210が連結される方向及びサブ空気調和装置200の各ユニット210、220が連結される方向と、同一面上で交差、詳しくは直交する方向である。より詳しくは、図示の例では、メイン空気調和装置100の各ユニット110、210が連結される方向及びサブ空気調和装置200の各ユニット210、220が連結される方向は水平面に平行であり、これら連結方向と、水平面上で直交する方向にメイン空気調和装置100とサブ空気調和装置200とが連結される。
【0072】
また、図7図2のVII―VII線から矢印の方向に複合型空気調和システム1の内部を見た図である。図7には、メイン空気調和装置100のメイン側第1ユニット110とサブ空気調和装置200のサブ側第1ユニット210とが連結された状態が示されている。以下においては、メイン側第1ユニット110及びサブ側第1ユニット210内における機器のレイアウトについて説明する。
【0073】
図7に示すように、メイン側第1ユニット110のメイン側第1フレーム筐体113内に配置されたメイン側冷凍回路112の凝縮器CD1、圧縮機CP1及びレシーバタンクRT1と、サブ側第1ユニット210のサブ側第1フレーム筐体213内に配置されたサブ側冷凍回路212の凝縮器CD2、圧縮機CP2及びレシーバタンクRT2とは、メイン側第1ユニット110とサブ側第1ユニット210との境界を挟んで対称的に配置されている。
詳しくは、メイン側冷凍回路112の凝縮器CD1、圧縮機CP1及びレシーバタンクRT1は、メイン側第1ユニット110とサブ側第1ユニット210とが並ぶ方向で、メイン側第1ユニット110とサブ側第1ユニット210との境界から離れる方向に、この順で配置されている。一方、サブ側冷凍回路212の凝縮器CD2、圧縮機CP2及びレシーバタンクRT2は、メイン側第1ユニット110とサブ側第1ユニット210とが並ぶ方向で、メイン側第1ユニット110とサブ側第1ユニット210との境界から離れる方向に、この順で配置されている。このように機器レイアウトによれば、複合型空気調和システム1が振動しにくくなる。
【0074】
次に、複合型空気調和システム1の使用方法の一例について説明する。
【0075】
図1及び図2に示すように組み立てられた複合型空気調和システム1は、例えば種々の性能試験が行われた後、クリーンルーム設備内等のユーザ側設置スペースに移送される。この際、複合型空気調和システム1は、図3及び図4に示すように、メイン側第1ユニット110、メイン側第2ユニット120、サブ側第1ユニット210及びサブ側第2ユニット220に分割され得る。これにより、本実施の形態では、メイン側第1ユニット110、メイン側第2ユニット120、サブ側第1ユニット210及びサブ側第2ユニット220をそれぞれ別々にユーザ側に移送することができる。したがって、複合型空気調和システム1又は各空気調和装置100、200の大きさに起因して、これらの移送が不能になったり、これらの移送に過剰に手間がかかったりすることを回避できる。
【0076】
そして、メイン側第1ユニット110、メイン側第2ユニット120、サブ側第1ユニット210及びサブ側第2ユニット220がユーザ側設置スペースに移送された後は、各ユニットをそれぞれ連結することで複合型空気調和システム1が組み立てられる。この際、各ユニット間を連結することで大部分の組立作業が完了するため、組立作業に過剰に手間がかかることがない。
【0077】
以上に説明した本実施の形態では、メイン空気調和装置100を移送する際、メイン側第1ユニット110とメイン側第2ユニットと120とを分離させた状態で別々に移送できるとともに、分離されたメイン側第1ユニット110とメイン側第2ユニット120とを連結させることでメイン空気調和装置100を構成できる。サブ空気調和装置200についても、同様に移送及び組立を実施できる。また、各第1ユニット110、210では空気通流路111、211が折れ曲がり形状であり、折れ曲がり部分の内側を冷凍回路の機器設置スペースとして有効利用することで、各第1ユニット110、210の大型化を抑制でき、移送時に有利となる。
【0078】
また、各第1ユニット110、210及び各第2ユニット120、220のそれぞれにおいては、空気調和装置の構成機器が振り分けて集約されて、各フレーム筐体113、123、213、223に支持されているため、各第1ユニット110、210と各第2ユニット120、220との連結を含む組立作業においては、過剰に手間がかからない。そして、複合型空気調和システム1も、メイン空気調和装置100とサブ空気調和装置200とを連結することで容易に組み立てることができる。
【0079】
したがって、本実施の形態によれば、空気調和装置100、200及び複合型空気調和システム1の移送に支障が生じること及び例えばユーザ側設置スペースで行われる空気調和装置100、200及び複合型空気調和システム1の組立作業の手間が過剰になることを回避できる。とりわけ空気調和装置の空気供給量や冷却性能等の処理能力を増加させるべく空気調和装置全体を大型化する必要がある場合であっても、空気調和装置の移送に支障が生じること及び例えばユーザ側設置スペースで行われる空気調和装置の組立作業の手間が過剰になることを回避できる点で極めて有用である。
【0080】
以上、本発明の一実施の形態を説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、上述の実施の形態には各種の変更を加えることができる。
【符号の説明】
【0081】
1…複合型空気調和システム
100…メイン空気調和装置
101…メイン側空気取込口
102…メイン側空気供給口
110…メイン側第1ユニット
111…メイン側空気通流路
111U…上流側流路部
111D…下流側流路部
111D1…空気出口
112…メイン側冷凍回路
112A…一部分
112B…他の部分
113…メイン側第1フレーム筐体
113e…要素フレーム
114…メイン側連結チューブ
120…メイン側第2ユニット
121…メイン側送風機
121A…吸込み口
121B…吐出し口
122…液調装置
122A…液体通流装置
122A1…タンク
122A2…流路
122B…液体冷却用冷凍回路
123…メイン側第2フレーム筐体
123e…要素フレーム
200…サブ空気調和装置
201…サブ側空気取込口
202…サブ側空気供給口
210…サブ側第1ユニット
211…サブ側空気通流路
211U…上流側流路部
211D…下流側流路部
211D1…空気出口
212…サブ側冷凍回路
212A…一部分
212B…他の部分
213…サブ側第1フレーム筐体
213e…要素フレーム
214…サブ側連結チューブ
220…サブ側第2ユニット
221…サブ側送風機
221A…吸込み口
221B…吐出し口
223…サブ側第2フレーム筐体
223e…要素フレーム
224…棚板部分
225…サブ側空気分配ボックス
300…連結部材
400…配電盤
410…電装部品
420…電装集合ユニット
CP1,CP2…圧縮器
CD1,CD1…凝縮器
EV1,EV1…膨張弁
EP1,EP1…蒸発器
RT1,RT1…レシーバタンク
S1…第1側収納空間
S2…第2側収納空間
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7