(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-05
(45)【発行日】2024-02-14
(54)【発明の名称】冷却装置及び冷却方法
(51)【国際特許分類】
B22C 9/06 20060101AFI20240206BHJP
B22D 17/22 20060101ALI20240206BHJP
B29C 33/02 20060101ALI20240206BHJP
B29C 45/73 20060101ALI20240206BHJP
【FI】
B22C9/06 B
B22D17/22 D
B29C33/02
B29C45/73
(21)【出願番号】P 2023127737
(22)【出願日】2023-08-04
【審査請求日】2023-08-04
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519197332
【氏名又は名称】デザインパーツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092680
【氏名又は名称】入江 一郎
(72)【発明者】
【氏名】菅 沼 一 喜
【審査官】岡田 隆介
(56)【参考文献】
【文献】特開2023-073623(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22C 9/06
B22D 17/22
B29C 33/02
B29C 45/73
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融した金属又は樹脂を金型に流し込み製品形状を作る製造装置の金型を冷却する冷却装置であって、
前記金型は、少なくとも、第1の金型と第2の金型を有し、
前記第1の金型は、断面視、前記溶融した金属又は樹脂の側である第1の面と、この第1の面から遠い側の面である第2の面と、この第2の面の一方側と前記第1の面の一方側とを接続する第3の面と、前記第2の面の他方側と前記第1の面の他方側とを接続する第4の面とを有し、時計回りに、前記第2の面、前記第3の面、前記第1の面、前記第4の面が位置し、
前記第2の面から前記第1の面に向かう直線状の第1の長孔と、
前記第2の面から前記第1の面に向かう直線状の第2の長孔と、
この第2の長孔と前記第1の長孔とは、離間し、
前記第3の面又は、前記第4の面から前記第1の金型の内部に直線状に向かうと共に、前記第1の長孔と前記第2の長孔に連通する第3の長孔と、
前記第1の長孔に当接するように挿入された第1の挿入管と、
前記第2の長孔に当接するように挿入された第2の挿入管と、
前記第3の長孔に当接するように挿入された第3の挿入管と、
この第3の挿入管の外方側端部を封止する封止部材とを備え、
前記第1の挿入管と前記第2の挿入管は、前記第3の挿入管に連通し、
前記第1の挿入管からの冷却流体を前記第3の挿入管、前記第2の挿入管に導いて、
前記第1の金型を冷却する
ことを特徴とする冷却装置。
【請求項2】
溶融した金属又は樹脂を金型に流し込み製品形状を作る製造装置の前記金型を冷却する冷却方法であって、
前記金型は、少なくとも、第1の金型と第2の金型を有し、
前記第1の金型は、
前記第1の金型は、断面視、前記溶融した金属又は樹脂の側である第1の面と、この第1の面から遠い側の面である第2の面とを有し、前記第2の面から前記溶融した金属又は樹脂の側である前記第1の面に向かう直線状の第1の長孔と、
前記第2の面から前記第1の面に向かう直線状の第2の長孔と、
この第2の長孔と前記第1の長孔とは、離間し、
前記第1の面及び前記第2の面以外の面から前記第1の金型の内部に直線状に向かうと共に、前記第1の長孔と前記第2の長孔に連通する第3の長孔と、
前記第1の長孔に当接するように挿入された第1の挿入管と、
前記第2の長孔に当接するように挿入された第2の挿入管と、
前記第3の長孔に当接するように挿入された第3の挿入管と、
この第3の挿入管の外方側端部を封止する封止部材とを備え、
前記第1の挿入管と前記第2の挿入管は、前記第3の挿入管に連通し、
前記第1の挿入管からの冷却流体を前記第3の挿入管、前記第2の挿入管に導いて、
前記第1の金型を冷却する
ことを特徴とする冷却方法。
【請求項3】
第1の挿入管の先端部に設けた第1の雄ネジが第3の挿入管に設けた第1の雌ネジ
に螺合し、第2の挿入管の先端部に設けた第2の雄ネジが前記第3の挿入管に設けた第2の雌ネジに螺合している
ことを特徴とする請求項1記載の冷却装置。
【請求項4】
第3の挿入管は、前記第3の挿入管の外径の中心と前記第3の挿入管の内径の中心とが異なると共に肉厚も異なる偏心管であり、第1の雌ネジと第2の雌ネジは、前記偏心管
の肉厚が厚い部位に設けられている
ことを特徴とする請求項3記載の冷却装置。
【請求項5】
第1の挿入管の先端部に設けた第1のテーパー部が第3の挿入管に設けた第1の孔部に当接し、第2の挿入管の先端部に設けた第2のテーパー部が前記第3の挿入管に設けた第2の孔部に当接し、前記第1のテーパー部及び前記第2のテーパー部は前記第3の挿入管に向かう方向に先細りに形成されている
ことを特徴とする請求項1記載の冷却装置。
【請求項6】
第3の挿入管は、前記第3の挿入管の外径の中心と前記第3の挿入管の内径の中心とが異なると共に肉厚も異なる偏心管であり、第1の孔部と第2の孔部は、前記偏心管
の肉厚が厚い部位に設けられている
ことを特徴とする請求項5記載の冷却装置。
【請求項7】
溶融した金属又は樹脂を金型に流し込み製品形状を作る製造装置の前記金型を冷却する冷却装置であって、
前記金型は、少なくとも、第1の金型と第2の金型を有し、
前記第1の金型は、少なくとも、第1の面、第2の面、第3の面、第4の面、第5の面、第6の面を有し、前記第1の面は前記溶融した金属又は樹脂の側であり、前記第2の面は前記第1の面から遠い側の面であり、前記第5の面の正面視において、右に前記第1の面、左に前記第2の面、上に前記第3の面、下に前記第4の面、背面に前記第6の面が位置し、
前記第5の面と前記第6の面を貫通する直線状の第1の長孔と、
この第1の長孔に当接するように挿入された第1の挿入管とを備え、
前記第1の挿入管は前記第2の面より前記第1の面に近い側に位置し、
前記第1の挿入管からの冷却流体により前記第1の金型を冷却する
ことを特徴とする冷却装置。
【請求項8】
溶融した金属又は樹脂を金型に流し込み製品形状を作る製造装置の前記金型を冷却する冷却装置であって、
前記金型は、少なくとも、第1の金型と第2の金型を有し、
前記第1の金型は、少なくとも、第1の面、第2の面、第3の面、第4の面、第5の面、第6の面を有し、前記第1の面は前記溶融した金属又は樹脂の側であり、前記第2の面は前記第1の面から遠い側の面であり、前記第5の面の正面視において、右に前記第1の面、左に前記第2の面、上に前記第3の面、下に前記第4の面、背面に第6の面が位置し、
前記第5の面と前記第6の面を貫通する直線状の第1の長孔と、
前記第5の面と前記第6の面を貫通する直線状の第2の長孔と、
この第2の長孔と前記第1の長孔は離間し、
前記第1の長孔に当接するように挿入された第1の挿入管と、
前記第2の長孔に当接するように挿入された第2の挿入管とを備え、
前記第1の挿入管及び前記第2の挿入管は、前記第2の面より前記第1の面に近い側に位置し、
前記第1の挿入管及び前記第2の挿入管からの冷却流体により前記第1の金型を冷却する
ことを特徴とする冷却装置。
【請求項9】
溶融した金属又は樹脂を金型に流し込み製品形状を作る製造装置の前記金型を冷却する冷却装置であって、
前記金型は、少なくとも、第1の金型と第2の金型を有し、
前記第1の金型は、少なくとも、第1の面、第2の面、第3の面、第4の面、第5の面、第6の面を有し、前記第1の面は前記溶融した金属又は樹脂の側であり、前記第2の面は前記第1の面から遠い側の面であり、前記第5の面の正面視において、右に前記第1の面、左に前記第2の面、上に前記第3の面、下に前記第4の面、背面に第6の面が位置し、
前記第3の面と前記第4の面を貫通する直線状の第1’の長孔と、
この第1’の長孔に当接するように挿入された第1’の挿入管とを備え、
前記第1’の挿入管は前記第2の面より前記第1の面に近い側に位置し、
前記第1’の挿入管からの冷却流体により前記第1の金型を冷却する
ことを特徴とする冷却装置。
【請求項10】
溶融した金属又は樹脂を金型に流し込み製品形状を作る製造装置の前記金型を冷却する冷却装置であって、
前記金型は、少なくとも、第1の金型と第2の金型を有し、
前記第1の金型は、少なくとも、第1の面、第2の面、第3の面、第4の面、第5の面、第6の面を有し、前記第1の面は前記溶融した金属又は樹脂の側であり、前記第2の面は前記第1の面から遠い側の面であり、前記第5の面の正面視において、右に前記第1の面、左に前記第2の面、上に前記第3の面、下に前記第4の面、背面に前記第6の面が位置し、
前記第3の面と前記第4の面を貫通する直線状の第1’の長孔と、
前記第3の面と前記第4の面を貫通する直線状の第2’の長孔と、
この第2’の長孔と前記第1’の長孔は離間し、
前記第1’の長孔に当接するように挿入された第1’の挿入管と、
前記第2’の長孔に当接するように挿入された第2’の挿入管とを備え、
前記第1’の挿入管及び前記第2’の挿入管は、前記第2の面より前記第1の面に近い側に位置し、
前記第1’の挿入管及び前記第2’の挿入管からの冷却流体により前記第1の金型を冷却する
ことを特徴とする冷却装置。
【請求項11】
溶融した金属又は樹脂を金型に流し込み製品形状を作る製造装置の前記金型を冷却する冷却装置であって、
前記金型は、少なくとも、第1の金型と第2の金型を有し、
前記第1の金型は、少なくとも、内部に前記溶融した金属又は樹脂の流し込み部を有し、
平断面視において、直線状の第1の長孔と直線状の第2の長孔との間に前記流し込み部が位置し、中途が前記第1の長孔に連通する直線状の第3の長孔と、中途が前記第2の長孔に連通する直線状の第4の長孔と、この第4の長孔と前記第3の長孔に連通する直線状の第5の長孔とを有し、時計回りに、前記第1の長孔、前記第3の長孔、前記第5の長孔、前記第4の長孔、前記第2の長孔が前記流し込み部の外側に位置し、
前記第1の長孔に当接するように挿入された第1の挿入管と、
前記第2の長孔に当接するように挿入された第2の挿入管と、
前記第3の長孔に当接するように挿入された第3の挿入管と、
前記第4の長孔に当接するように挿入された第4の挿入管と、
前記第5の長孔に当接するように挿入された第5の挿入管とを備え、
前記第1の挿入管は前記第3の挿入管に接続され、前記第3の挿入管は前記第5の挿入管に接続され、前記第5の挿入管は前記第4の挿入管に接続され、前記第4の挿入管は前記第2の挿入管に接続され、
前記第1の挿入管、前記第3の挿入管、前記第5の挿入管、前記第4の挿入管、前記第2の挿入管の冷却流体により前記第1の金型を冷却する
ことを特徴とする冷却装置。
【請求項12】
溶融した金属又は樹脂を金型に流し込み製品形状を作る製造装置の前記金型を冷却する冷却装置であって、
前記金型は、少なくとも、第1の金型と第2の金型を有し、
前記第1の金型は、少なくとも、第1の面、第1’の面、第2の面、第3の面、第4の面、第5の面、第6の面を有し、前記第1の面及び前記第1’の面は前記溶融した金属又は樹脂の側であり、前記第2の面は前記第1の面及び前記第1’の面から遠い側の面であり、前記第5の面の正面視において、右に前記第1の面及び前記第1’の面、左に前記第2の面、上に第3の面、下に第4の面、背面に第6の面が位置し、前記第1の面は前記第1’の面より上に位置し、
前記第2の面から前記第1’の面に向かう直線状の第1の長孔と、
前記第2の面から前記第1’の面に向かう直線状の第2の長孔と、
この第2の長孔と前記第1の長孔とは、離間し、
前記第5の面又は、前記第6の面から前記第1の金型の内部に直線状に向かうと共に、前記第1の長孔と前記第2の長孔に連通する第3の長孔と、
前記第1の長孔に当接するように挿入された第1の挿入管と、
前記第2の長孔に当接するように挿入された第2の挿入管と、
前記第3の長孔に当接するように挿入された第3の挿入管と、
この第3の挿入管の外方側端部を封止する封止部材とを備え、
前記第1の挿入管と前記第2の挿入管は、前記第3の挿入管に連通し、
前記第1の挿入管からの冷却流体を前記第3の挿入管、前記第2の挿入管に導いて、
前記第1の金型を冷却する
ことを特徴とする冷却装置。
【請求項13】
溶融した金属又は樹脂を金型に流し込み製品形状を作る製造装置の前記金型を冷却する冷却装置であって、
前記金型は、少なくとも、第1の金型と第2の金型を有し、
前記第1の金型は、少なくとも、第1の面、第1’の面、第2の面、第3の面、第4の面、第5の面、第6の面を有し、前記第1の面及び前記第1’の面は前記溶融した金属又は樹脂の側であり、前記第2の面は前記第1の面及び前記第1’の面から遠い側の面であり、前記第5の面の正面視において、右に前記第1の面及び前記第1’の面、左に前記第2の面、上に前記第3の面、下に前記第4の面、背面に前記第6の面が位置し、前記第1の面は前記第1’の面より上に位置し
前記第4の面から前記第3の面に向かう直線状の第1’の長孔と、
前記第4の面から前記第3の面に向かう直線状の第2’の長孔と、
この第2’の長孔と前記第1’の長孔とは、離間し、
前記第5の面又は、前記第6の面から前記第1の金型の内部に直線状に向かうと共に、前記第1’の長孔と前記第2’の長孔に連通する第3’の長孔と、
前記第1’の長孔に当接するように挿入された第1’の挿入管と、
前記第2’の長孔に当接するように挿入された第2’の挿入管と、
前記第3’の長孔に当接するように挿入された第3’の挿入管と、
この第3’の挿入管の外方側端部を封止する封止部材とを備え、
前記第1’の挿入管と前記第2’の挿入管は、前記第3’の挿入管に連通し、
前記第1’の挿入管からの冷却流体を前記第3’の挿入管、前記第2’の挿入管に導いて、前記第1の金型を冷却する
ことを特徴とする冷却装置。
【請求項14】
溶融した金属又は樹脂を金型に流し込み製品形状を作る製造装置の前記金型を冷却する冷却装置であって、
前記金型は、少なくとも、第1の金型と第2の金型を有し、
前記第1の金型は、少なくとも、第1の面、第1’の面、第2の面、第3の面、第4の面、第5の面、第6の面を有し、前記第1の面及び前記第1’の面は前記溶融した金属又は樹脂の側であり、前記第2の面は前記第1の面及び前記第1’の面から遠い側の面であり、前記第5の面の正面視において、右に前記第1の面及び前記第1’の面、左に前記第2の面、上に第3の面、下に第4の面、背面に第6の面が位置し、前記第1の面は前記第1’の面より上に位置し、
前記第2の面から前記第1の面に向かう又は、前記第3の面から前記第4の面に向かう直線状の第1の長孔と、
前記第2の面から前記第1の面に向かう又は、前記第3の面から前記第4の面に向かう直線状の第2の長孔と、
この第2の長孔と前記第1の長孔とは、離間し、
前記第5の面又は、前記第6の面から前記第1の金型の内部に直線状に向かうと共に、前記第1の長孔と前記第2の長孔に連通する第3の長孔と、
前記第1の長孔に当接するように挿入された第1の挿入管と、
前記第2の長孔に当接するように挿入された第2の挿入管と、
前記第3の長孔に当接するように挿入された第3の挿入管と、
この第3の挿入管の外方側端部を封止する封止部材とを備え、
前記第1の挿入管と前記第2の挿入管は、前記第3の挿入管に連通し、
前記第1の挿入管からの冷却流体を前記第3の挿入管、前記第2の挿入管に導いて、
前記第1の金型を冷却する
ことを特徴とする冷却装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却装置及び冷却方法に係り、特に、金型の錆の腐食によるひび割れ防止を図った冷却装置及び冷却方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、金型をライン冷却によって冷却したものがある(特許文献1参照)。
ライン冷却を
図21及び
図22を用いて説明する。金型1は、
図21に示すように、金型K1と第2の金型K2を有し、第1の金型K1と第2の金型K2との間に空間10が設けられている。
第1の金型K1に、通路R1、R2、R3を直接設け、通路R1、R2、R3に通水することにより、金型の内部にある溶融金属を冷却するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、長年使用していると、通路R1、R2、R3内に錆による腐食が生じ、ひび割れが生じ、該ひび割れに起因する冷却流体の溶湯へのしみ出しによって金型形成品に不良を生じるという問題点が生じた。
【0005】
本発明は、上記の問題点を考慮してなされた冷却装置及び冷却方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の冷却装置は、溶融した金属又は樹脂を金型に流し込み製品形状を作る製造装置の金型を冷却する冷却装置であって、前記金型は、少なくとも、第1の金型と第2の金型を有し、前記第1の金型は、断面視、前記溶融した金属又は樹脂の側である第1の面と、この第1の面から遠い側の面である第2の面と、この第2の面の一方側と前記第1の面の一方側とを接続する第3の面と、前記第2の面の他方側と前記第1の面の他方側とを接続する第4の面とを有し、時計回りに、前記第2の面、前記第3の面、前記第1の面、前記第4の面が位置し、前記第2の面から前記第1の面に向かう直線状の第1の長孔と、前記第2の面から前記第1の面に向かう直線状の第2の長孔と、この第2の長孔と前記第1の長孔とは、離間し、前記第3の面又は、前記第4の面から前記第1の金型の内部に直線状に向かうと共に、前記第1の長孔と前記第2の長孔に連通する第3の長孔と、
前記第1の長孔に当接するように挿入された第1の挿入管と、前記第2の長孔に当接するように挿入された第2の挿入管と、前記第3の長孔に当接するように挿入された第3の挿入管と、この第3の挿入管の外方側端部を封止する封止部材とを備え、前記第1の挿入管と前記第2の挿入管は、前記第3の挿入管に連通し、前記第1の挿入管からの冷却流体を前記第3の挿入管、前記第2の挿入管に導いて、前記第1の金型を冷却するものである。
【0007】
また、請求項2記載の冷却方法は、溶融した金属又は樹脂を金型に流し込み製品形状を作る製造装置の前記金型を冷却する冷却方法であって、前記金型は、少なくとも、第1の金型と第2の金型を有し、前記第1の金型は、前記第1の金型は、断面視、前記溶融した金属又は樹脂の側である第1の面と、この第1の面から遠い側の面である第2の面とを有し、前記第2の面から前記溶融した金属又は樹脂の側である前記第1の面に向かう直線状の第1の長孔と、前記第2の面から前記第1の面に向かう直線状の第2の長孔と、この第2の長孔と前記第1の長孔とは、離間し、前記第1の面及び前記第2の面以外の面から前記第1の金型の内部に直線状に向かうと共に、前記第1の長孔と前記第2の長孔に連通する第3の長孔と、前記第1の長孔に当接するように挿入された第1の挿入管と、前記第2の長孔に当接するように挿入された第2の挿入管と、前記第3の長孔に当接するように挿入された第3の挿入管と、この第3の挿入管の外方側端部を封止する封止部材とを備え、前記第1の挿入管と前記第2の挿入管は、前記第3の挿入管に連通し、前記第1の挿入管からの冷却流体を前記第3の挿入管、前記第2の挿入管に導いて、前記第1の金型を冷却するものである。
【0008】
また、請求項3記載の冷却装置は、請求項1記載の冷却装置において、第1の挿入管の先端部に設けた第1の雄ネジが第3の挿入管に設けた第1の雌ネジに螺合し、第2の挿入管の先端部に設けた第2の雄ネジが前記第3の挿入管に設けた第2の雌ネジに螺合しているものである。
【0009】
また、請求項4記載の冷却装置は、請求項3記載の冷却装置において、第3の挿入管は、前記第3の挿入管の外径の中心と前記第3の挿入管の内径の中心とが異なると共に肉厚も異なる偏心管であり、第1の雌ネジと第2の雌ネジは、前記偏心管の肉厚が厚い部位に設けられているものである。
【0010】
また、請求項5記載の冷却装置は、請求項1記載の冷却装置において、第1の挿入管の先端部に設けた第1のテーパー部が第3の挿入管に設けた第1の孔部に当接し、第2の挿入管の先端部に設けた第2のテーパー部が前記第3の挿入管に設けた第2の孔部に当接し、前記第1のテーパー部及び前記第2のテーパー部は前記第3の挿入管に向かう方向に先細りに形成されているものである。
【0011】
また、請求項6記載の冷却装置は、請求項5記載の冷却装置において、第3の挿入管は、前記第3の挿入管の外径の中心と前記第3の挿入管の内径の中心とが異なると共に肉厚も異なる偏心管であり、第1の孔部と第2の孔部は、前記偏心管の肉厚が厚い部位に設けられているものである。
【0012】
また、請求項7記載の冷却装置は、溶融した金属又は樹脂を金型に流し込み製品形状を作る製造装置の前記金型を冷却する冷却装置であって、前記金型は、少なくとも、第1の金型と第2の金型を有し、前記第1の金型は、少なくとも、第1の面、第2の面、第3の面、第4の面、第5の面、第6の面を有し、前記第1の面は前記溶融した金属又は樹脂の側であり、前記第2の面は前記第1の面から遠い側の面であり、前記第5の面の正面視において、右に前記第1の面、左に前記第2の面、上に前記第3の面、下に前記第4の面、背面に前記第6の面が位置し、前記第5の面と前記第6の面を貫通する直線状の第1の長孔と、この第1の長孔に当接するように挿入された第1の挿入管とを備え、前記第1の挿入管は前記第2の面より前記第1の面に近い側に位置し、前記第1の挿入管からの冷却流体により前記第1の金型を冷却するするものである。
【0013】
また、請求項8記載の冷却装置は、溶融した金属又は樹脂を金型に流し込み製品形状を作る製造装置の前記金型を冷却する冷却装置であって、前記金型は、少なくとも、第1の金型と第2の金型を有し、前記第1の金型は、少なくとも、第1の面、第2の面、第3の面、第4の面、第5の面、第6の面を有し、前記第1の面は前記溶融した金属又は樹脂の側であり、前記第2の面は前記第1の面から遠い側の面であり、前記第5の面の正面視において、右に前記第1の面、左に前記第2の面、上に前記第3の面、下に前記第4の面、背面に第6の面が位置し、前記第5の面と前記第6の面を貫通する直線状の第1の長孔と、前記第5の面と前記第6の面を貫通する直線状の第2の長孔と、この第2の長孔と前記第1の長孔は離間し、前記第1の長孔に当接するように挿入された第1の挿入管と、
前記第2の長孔に当接するように挿入された第2の挿入管とを備え、前記第1の挿入管及び前記第2の挿入管は、前記第2の面より前記第1の面に近い側に位置し、前記第1の挿入管及び前記第2の挿入管からの冷却流体により前記第1の金型を冷却するものである。
【0014】
また、請求項9記載の冷却装置は、溶融した金属又は樹脂を金型に流し込み製品形状を作る製造装置の前記金型を冷却する冷却装置であって、前記金型は、少なくとも、第1の金型と第2の金型を有し、前記第1の金型は、少なくとも、第1の面、第2の面、第3の面、第4の面、第5の面、第6の面を有し、前記第1の面は前記溶融した金属又は樹脂の側であり、前記第2の面は前記第1の面から遠い側の面であり、前記第5の面の正面視において、右に前記第1の面、左に前記第2の面、上に前記第3の面、下に前記第4の面、背面に第6の面が位置し、前記第3の面と前記第4の面を貫通する直線状の第1’の長孔と、この第1’の長孔に当接するように挿入された第1’の挿入管とを備え、前記第1’の挿入管は前記第2の面より前記第1の面に近い側に位置し、前記第1’の挿入管からの冷却流体により前記第1の金型を冷却するものである。
【0015】
また、請求項10記載の冷却装置は、溶融した金属又は樹脂を金型に流し込み製品形状を作る製造装置の前記金型を冷却する冷却装置であって、前記金型は、少なくとも、第1の金型と第2の金型を有し、前記第1の金型は、少なくとも、第1の面、第2の面、第3の面、第4の面、第5の面、第6の面を有し、前記第1の面は前記溶融した金属又は樹脂の側であり、前記第2の面は前記第1の面から遠い側の面であり、前記第5の面の正面視において、右に前記第1の面、左に前記第2の面、上に前記第3の面、下に前記第4の面、背面に前記第6の面が位置し、前記第3の面と前記第4の面を貫通する直線状の第1’の長孔と、前記第3の面と前記第4の面を貫通する直線状の第2’の長孔と、この第2’の長孔と前記第1’の長孔は離間し、前記第1’の長孔に当接するように挿入された第1’の挿入管と、前記第2’の長孔に当接するように挿入された第2’の挿入管とを備え、前記第1’の挿入管及び前記第2’の挿入管は、前記第2の面より前記第1の面に近い側に位置し、前記第1’の挿入管及び前記第2’の挿入管からの冷却流体により前記第1の金型を冷却するするものである。
【0016】
また、請求項11記載の冷却装置は、溶融した金属又は樹脂を金型に流し込み製品形状を作る製造装置の前記金型を冷却する冷却装置であって、前記金型は、少なくとも、第1の金型と第2の金型を有し、前記第1の金型は、少なくとも、内部に前記溶融した金属又は樹脂の流し込み部を有し、平断面視において、直線状の第1の長孔と直線状の第2の長孔との間に前記流し込み部が位置し、中途が前記第1の長孔に連通する直線状の第3の長孔と、中途が前記第2の長孔に連通する直線状の第4の長孔と、この第4の長孔と前記第3の長孔に連通する直線状の第5の長孔とを有し、時計回りに、前記第1の長孔、前記第3の長孔、前記第5の長孔、前記第4の長孔、前記第2の長孔が前記流し込み部の外側に位置し、前記第1の長孔に当接するように挿入された第1の挿入管と、前記第2の長孔に当接するように挿入された第2の挿入管と、前記第3の長孔に当接するように挿入された第3の挿入管と、前記第4の長孔に当接するように挿入された第4の挿入管と、前記第5の長孔に当接するように挿入された第5の挿入管とを備え、前記第1の挿入管は前記第3の挿入管に接続され、前記第3の挿入管は前記第5の挿入管に接続され、前記第5の挿入管は前記第4の挿入管に接続され、前記第4の挿入管は前記第2の挿入管に接続され、前記第1の挿入管、前記第3の挿入管、前記第5の挿入管、前記第4の挿入管、前記第2の挿入管の冷却流体により前記第1の金型を冷却するものである。
【0017】
また、請求項12記載の冷却装置は、溶融した金属又は樹脂を金型に流し込み製品形状を作る製造装置の前記金型を冷却する冷却装置であって、前記金型は、少なくとも、第1の金型と第2の金型を有し、前記第1の金型は、少なくとも、第1の面、第1’の面、第2の面、第3の面、第4の面、第5の面、第6の面を有し、前記第1の面及び前記第1’の面は前記溶融した金属又は樹脂の側であり、前記第2の面は前記第1の面及び前記第1’の面から遠い側の面であり、前記第5の面の正面視において、右に前記第1の面及び前記第1’の面、左に前記第2の面、上に第3の面、下に第4の面、背面に第6の面が位置し、前記第1の面は前記第1’の面より上に位置し、前記第2の面から前記第1’の面に向かう直線状の第1の長孔と、前記第2の面から前記第1’の面に向かう直線状の第2の長孔と、この第2の長孔と前記第1の長孔とは、離間し、前記第5の面又は、前記第6の面から前記第1の金型の内部に直線状に向かうと共に、前記第1の長孔と前記第2の長孔に連通する第3の長孔と、前記第1の長孔に当接するように挿入された第1の挿入管と、前記第2の長孔に当接するように挿入された第2の挿入管と、前記第3の長孔に当接するように挿入された第3の挿入管と、この第3の挿入管の外方側端部を封止する封止部材とを備え、前記第1の挿入管と前記第2の挿入管は、前記第3の挿入管に連通し、前記第1の挿入管からの冷却流体を前記第3の挿入管、前記第2の挿入管に導いて、前記第1の金型を冷却するものである。
【0018】
また、請求項13記載の冷却装置は、溶融した金属又は樹脂を金型に流し込み製品形状を作る製造装置の前記金型を冷却する冷却装置であって、前記金型は、少なくとも、第1の金型と第2の金型を有し、前記第1の金型は、少なくとも、第1の面、第1’の面、第2の面、第3の面、第4の面、第5の面、第6の面を有し、前記第1の面及び前記第1’の面は前記溶融した金属又は樹脂の側であり、前記第2の面は前記第1の面及び前記第1’の面から遠い側の面であり、前記第5の面の正面視において、右に前記第1の面及び前記第1’の面、左に前記第2の面、上に前記第3の面、下に前記第4の面、背面に前記第6の面が位置し、前記第1の面は前記第1’の面より上に位置し、前記第4の面から前記第3の面に向かう直線状の第1’の長孔と、前記第4の面から前記第3の面に向かう直線状の第2’の長孔と、この第2’の長孔と前記第1’の長孔とは、離間し、前記第5の面又は、前記第6の面から前記第1の金型の内部に直線状に向かうと共に、前記第1’の長孔と前記第2’の長孔に連通する第3’の長孔と、前記第1’の長孔に当接するように挿入された第1’の挿入管と、前記第2’の長孔に当接するように挿入された第2’の挿入管と、前記第3’の長孔に当接するように挿入された第3’の挿入管と、この第3’の挿入管の外方側端部を封止する封止部材とを備え、前記第1’の挿入管と前記第2’の挿入管は、前記第3’の挿入管に連通し、前記第1’の挿入管からの冷却流体を前記第3’の挿入管、前記第2’の挿入管に導いて、前記第1の金型を冷却するものである。
【0019】
また、請求項14記載の冷却装置は、溶融した金属又は樹脂を金型に流し込み製品形状を作る製造装置の前記金型を冷却する冷却装置であって、前記金型は、少なくとも、第1の金型と第2の金型を有し、前記第1の金型は、少なくとも、第1の面、第1’の面、第2の面、第3の面、第4の面、第5の面、第6の面を有し、前記第1の面及び前記第1’の面は前記溶融した金属又は樹脂の側であり、前記第2の面は前記第1の面及び前記第1’の面から遠い側の面であり、前記第5の面の正面視において、右に前記第1の面及び前記第1’の面、左に前記第2の面、上に第3の面、下に第4の面、背面に第6の面が位置し、前記第1の面は前記第1’の面より上に位置し、前記第2の面から前記第1の面に向かう又は、前記第3の面から前記第4の面に向かう直線状の第1の長孔と、前記第2の面から前記第1の面に向かう又は、前記第3の面から前記第4の面に向かう直線状の第2の長孔と、この第2の長孔と前記第1の長孔とは、離間し、前記第5の面又は、前記第6の面から前記第1の金型の内部に直線状に向かうと共に、前記第1の長孔と前記第2の長孔に連通する第3の長孔と、前記第1の長孔に当接するように挿入された第1の挿入管と、前記第2の長孔に当接するように挿入された第2の挿入管と、前記第3の長孔に当接するように挿入された第3の挿入管と、この第3の挿入管の外方側端部を封止する封止部材とを備え、前記第1の挿入管と前記第2の挿入管は、前記第3の挿入管に連通し、前記第1の挿入管からの冷却流体を前記第3の挿入管、前記第2の挿入管に導いて、前記第1の金型を冷却するものである。
【発明の効果】
【0020】
請求項1記載の冷却装置によれば、第1の挿入管からの冷却流体を第3の挿入管、第2の挿入管に導いて、第1の金型を第1、第3、第2の挿入管を介して間接的に冷却し、冷却流体を直接第1の金型に導かないので、第1の金型の錆の腐食によるひび割れ、該ひび割れに起因する冷却流体の溶湯へのしみ出しによる金型形成品の不良を防ぐことができ、冷却流体の流入、排出を第2の面の側から行うので、冷却流体の設置を容易に行うことができる。
【0021】
また、請求項2記載の冷却方法によれば、第1の挿入管からの冷却流体を第3の挿入管、第2の挿入管に導いて、第1の金型を第1、第3、第2の挿入管を介して間接的に冷却し、冷却流体を直接第1の金型に導かないので、第1の金型の錆の腐食によるひび割れ、該ひび割れに起因する冷却流体の溶湯へのしみ出しによる金型形成品の不良を防ぐことができ、冷却流体の流入、排出を第2の面の側から行うので、冷却流体の設置を容易に行うことができる。
【0022】
また、請求項3記載の冷却装置によれば、上述した請求項1記載の発明の効果に加え、第1の挿入管の先端部に設けた第1の雄ネジが第3の挿入管に設けた第1の雌ネジに螺合し、第2の挿入管の先端部に設けた第2の雄ネジが前記第3の挿入管に設けた第2の雌ネジに螺合するため、第1、第3、第2の挿入管を第1の金型の外から容易に接続することができ、しかも、第1、第3、第2の挿入管は第1の金型から離脱しにくい構造体を形成することができる。
【0023】
また、請求項4記載の冷却装置によれば、上述した請求項3記載の発明の効果に加え、第1の雌ネジと第2の雌ネジは、偏心管の肉厚が厚い部位に設けられているため、第1の挿入管と第2の挿入管を第3の挿入管に強固に取り付けることができる。
【0024】
また、請求項5記載の冷却装置によれば、上述した請求項1記載の発明の効果に加え、第1の挿入管の先端部に設けた第1のテーパー部が第3の挿入管に設けた第1の孔部に当接し、第2の挿入管の先端部に設けた第2のテーパー部が前記第3の挿入管に設けた第2の孔部に当接し、前記第1のテーパー部及び前記第2のテーパー部は前記第3の挿入管に向かう方向に先細りであるため、第1、第3、第2の挿入管を第1の金型の外から容易に接続することができ、しかも、第1、第3、第2の挿入管は第1の金型から離脱しにくい効果を有する。
【0025】
また、請求項6記載の冷却装置によれば、上述した請求項5記載の発明の効果に加え、第3の挿入管は、前記第3の挿入管の外径の中心と前記第3の挿入管の内径の中心とが異なると共に肉厚も異なる偏心管であり、第1の孔部と第2の孔部は、前記偏心管
の肉厚が厚い部位に設けられているため、第1の挿入管と第2の挿入管を第3の挿入管に強固に取り付けることができる。
【0026】
また、請求項7記載の冷却装置によれば、第5の面と第6の面を貫通する直線状の第1の長孔と、この第1の長孔に当接するように挿入された第1の挿入管とを備え、前記第1の挿入管は第2の面より第1の面に近い側に位置し、前記第1の挿入管からの冷却流体により前記第1の金型を冷却するため、第1の金型を第1の挿入管を介して間接的に冷却し、冷却流体を直接第1の金型に導かないので、第1の金型の錆の腐食によるひび割れ、該ひび割れに起因する冷却流体の溶湯へのしみ出しによる金型形成品の不良を防ぐことができる。
【0027】
また、請求項8記載の冷却装置によれば、第1の長孔に当接するように挿入された第1の挿入管と、第2の長孔に当接するように挿入された第2の挿入管とを備え、前記第1の挿入管及び前記第2の挿入管は、第2の面より第1の面に近い側に位置し、前記第1の挿入管及び前記第2の挿入管からの冷却流体により第1の金型を冷却するため、第1の金型を第1の挿入管及び第2の挿入管を介して間接的に冷却し、冷却流体を直接第1の金型に導かないので、第1の金型の錆の腐食によるひび割れ、該ひび割れに起因する冷却流体の溶湯へのしみ出しによる金型形成品の不良を防ぐことができる。
【0028】
また、請求項9記載の冷却装置によれば、第3の面と第4の面を貫通する直線状の第1’の長孔と、この第1’の長孔に当接するように挿入された第1’の挿入管とを備え、第1’の挿入管は第2の面より前記第1の面に近い側に位置し、前記第1’の挿入管からの冷却流体により前記第1の金型を冷却するため、第1の金型を第1’の挿入管を介して間接的に冷却し、冷却流体を直接第1の金型に導かないので、第1の金型の錆の腐食によるひび割れ、該ひび割れに起因する冷却流体の溶湯へのしみ出しによる金型形成品の不良を防ぐことができる。
【0029】
また、請求項10記載の冷却装置によれば、第3の面と第4の面を貫通する直線状の第1’の長孔と、前記第3の面と前記第4の面を貫通する直線状の第2’の長孔と、この第2’の長孔と前記第1’の長孔は離間し、前記第1’の長孔に当接するように挿入された第1’の挿入管と、前記第2’の長孔に当接するように挿入されたとを備え、前記第1’の挿入管及び前記第2’の挿入管は、前記第2の面より前記第1の面に近い側に位置し、前記第1’の挿入管及び前記第2’の挿入管からの冷却流体により前記第1の金型を冷却するため、第1の金型を第1’の挿入管、第2’の挿入管を介して間接的に冷却し、冷却流体を直接第1の金型に導かないので、第1の金型の錆の腐食によるひび割れ、該ひび割れに起因する冷却流体の溶湯へのしみ出しによる金型形成品の不良を防ぐことができる。
【0030】
また、請求項11記載の冷却装置によれば、第1の長孔に当接するように挿入された第1の挿入管と、第2の長孔に当接するように挿入された第2の挿入管と、第3の長孔に当接するように挿入された第3の挿入管と、第4の長孔に当接するように挿入された第4の挿入管と、第5の長孔に当接するように挿入された第5の挿入管とを備え、前記第1の挿入管は前記第3の挿入管に接続され、前記第3の挿入管は前記第5の挿入管に接続され、前記第5の挿入管は前記第4の挿入管に接続され、前記第4の挿入管は前記第2の挿入管に接続され、前記第1の挿入管、前記第3の挿入管、前記第5の挿入管、前記第2の挿入管の冷却流体により前記第1の金型を冷却するため、第1の金型を前記第1の挿入管、前記第3の挿入管、前記第5の挿入管、前記第2の挿入管を介して間接的に冷却し、冷却流体を直接第1の金型に導かないので、第1の金型の錆の腐食によるひび割れ、該ひび割れに起因する冷却流体の溶湯へのしみ出しによる金型形成品の不良を防ぐことができる。
【0031】
また、請求項12記載の冷却装置によれば、第1の長孔に当接するように挿入された第1の挿入管と、第2の長孔に当接するように挿入された第2の挿入管と、第3の長孔に当接するように挿入された第3の挿入管と、この第3の挿入管の外方側端部を封止する封止部材とを備え、前記第1の挿入管と前記第2の挿入管は、前記第3の挿入管に連通し、前記第1の挿入管からの冷却流体を前記第3の挿入管、前記第2の挿入管に導いて、前記第1の金型を冷却するため、第1の金型を前記第1の挿入管、前記第3の挿入管、前記第2の挿入管を介して間接的に冷却し、冷却流体を直接第1の金型に導かないので、第1の金型の錆の腐食によるひび割れ、該ひび割れに起因する冷却流体の溶湯へのしみ出しによる金型形成品の不良を防ぐことができる。
【0032】
また、請求項13記載の冷却装置によれば、第1’の長孔に当接するように挿入された第1’の挿入管と、第2’の長孔に当接するように挿入された第2’の挿入管と、第3’の長孔に当接するように挿入された第3’の挿入管と、この第3’の挿入管の外方側端部を封止する封止部材とを備え、前記第1’の挿入管と前記第2’の挿入管は、前記第3’の挿入管に連通し、前記第1’の挿入管からの冷却流体を前記第3’の挿入管、前記第2’の挿入管に導いて、前記第1の金型を冷却するため、第1の金型を前記第1’の挿入管、第2’の挿入管、第3’の挿入管を介して間接的に冷却し、冷却流体を直接第1の金型に導かないので、第1の金型の錆の腐食によるひび割れ、該ひび割れに起因する冷却流体の溶湯へのしみ出しによる金型形成品の不良を防ぐことができる。
【0033】
また、請求項14記載の冷却装置によれば、第1の長孔に当接するように挿入された第1の挿入管と、第2の長孔に当接するように挿入された第2の挿入管と、第3の長孔に当接するように挿入された第3の挿入管と、この第3の挿入管の外方側端部を封止する封止部材とを備え、前記第1の挿入管と前記第2の挿入管は、前記第3の挿入管に連通し、前記第1の挿入管からの冷却流体を前記第3の挿入管、前記第2の挿入管に導いて、前記第1の金型を冷却するため、第1の金型を前記第1の挿入管、前記第3の挿入管、前記第2の挿入管を介して間接的に冷却し、冷却流体を直接第1の金型に導かないので、第1の金型の錆の腐食によるひび割れ、該ひび割れに起因する冷却流体の溶湯へのしみ出しによる金型形成品の不良を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】
図1は、本発明の一実施例の冷却装置の概略的断面図である。
【
図2】
図2は、
図1の第1の金型に第1の孔、第2の孔及び第3の孔を開けた状態の概略的断面図である。
【
図3】
図3は、
図2の第1の孔に第1の挿入管、第2の孔に第2の挿入管、第3の孔に第3の挿入管を挿入した状態の概略的断面図である。
【
図5】
図5は、
図1の第1の挿入管、第2の挿入管、第3の挿入管、封止部材との関係を示す概略的図である。
【
図7】
図7は、
図6と異なる他の実施例を示す概略的図である。
【
図8】
図8は、
図7と異なる他の実施例を示す概略的図である。
【
図9】
図9は、
図8と異なる他の実施例を示す概略的図である。
【
図15】
図15(a)は、
図14の概略的斜視図であり、
図15(b)は、
図15(a)の第1の金型のクラックが発生し易い部位を説明するための概略的斜視図であり、
図15(c)は溶融接触部を説明するための概略的斜視図である。
【
図22】
図22は、従来の冷却装置の不具合を説明するための概略的説明図である。
【0035】
本発明の一実施例の冷却装置及び冷却方法を
図1乃至
図20を参照して説明する。
図1に示すRは冷却装置で、冷却装置Rは、溶融した金属又は樹脂を金型Kに流し込み製品形状を作る製造装置の金型Kを流体(例えば、水)を介して冷却するものである。
【0036】
流体(例えば、水)は、金型Kを介して、例えば、金型Kの内部にある溶融金属(例えば、溶融したアルミニウム)を冷却する。
金型1は、
図1に示すように、少なくとも、第1の金型K1と第2の金型K2を有し、第1の金型K1と第2の金型K2との間に空間1が設けられている。
なお、
図1の2は、クラックを生じや易い部位を示している。
【0037】
第1の金型K1は、
図2に示すように、断面視、前記溶融した金属又は樹脂の側である第1の面11と、この第1の面11から遠い側の面である第2の面12と、この第2の面12の一方側と第1の面11の一方側とを接続する第3の面13と、第2の面12の他方側と第1の面11の他方側とを接続する第4の面14とを有し、時計回りに、第2の面12、第3の面13、第1の面11、第4の面14が位置している(
図2参照)。
【0038】
また、
図2に示す3は、第2の面12から第1の面11に向かう直線状の第1の長
孔、4は、第2の面12から第1の面11に向かう直線状の第2の長孔で、この第2の
長孔2と第1の長孔1とは、離間している。
5は、第3の面13(又は、第4の面14)から第1の金型K1の内部に直線状に
向かうと共に、第1の長孔3と第2の長孔4に連通する第3の長孔である。
これら第1の長孔3、第2の長孔4、第3の長孔5は、例えば、ドリル加工により
形成される。
【0039】
また、
図4、
図5及び
図6に示す6は、第1の長孔3に当接するように挿入(圧入)された第1の挿入管、7は、第2の長孔4に当接するように挿入(圧入)された第2の挿入管、8は、第3の長孔5に当接するように挿入(圧入)された第3の挿入管である。
なお、
図5に示す9は、第3の挿入管8の外方側端部の開口部を封止する封止部材である。そして、第1の挿入管6と第2の挿入管7は、第3の挿入管8に連通しているため、第1の挿入管6からの冷却流体(例えば、水)を第3の挿入管8、第2の挿入管7に導いて、第1の金型K1を冷却することができる。
【0040】
従って、上述した冷却装置Rによれば、
図3に示すように、第1の挿入管6からの冷却流体を第3の挿入管8、第2の挿入管7に導いて、第1の金型K1を第1、第3、第2の挿入管6、8、9を介して間接的に冷却し、冷却流体を直接第1の金型K1に導かないので、第1の金型K1の錆の腐食によるひび割れ、該ひび割れに起因する冷却流体の溶湯へのしみ出しによる金型形成品の不良を防ぐことができ、冷却流体の流入、排出を第2の面の側から行うので、冷却流体の設置を容易に行うことができる。
【0041】
なお、上述した冷却装置Rを溶融した金属又は樹脂を金型Kに流し込み製品形状を作る製造装置の金型Kを冷却する冷却方法として、捉えることができる。
金型Kは、上述と同様、少なくとも、第1の金型K1と第2の金型K2を有し、第1の金型K1は、第2の面12から前記溶融した金属又は樹脂の側である第1の面11に向かう直線状の第1の長孔3と、第2の面12から第1の面11に向かう直線状の第2の長孔4と、この第2の長孔4と第1の長孔3とは、離間し、第1の面11及び第2の面12以外の面(本実施例では、第3の面)から第1の金型K1の内部に直線状に向かうと共に、第1の長孔3と第2の長孔4に連通する第3の長孔5と、第1の長孔3に当接するように挿入された第1の挿入管6と、第2の長孔4に当接するように挿入された第2の挿入管7と、第3の長孔5に当接するように挿入された第3の挿入管8と、この第3の挿入管8の外方側端部を封止する封止部材9とを備え、第1の挿入管6と第2の挿入管7は、第3の挿入管8に連通し、第1の挿入管6からの冷却流体を第3の挿入管8、第2の挿入管7に導いて、第1の金型K1を冷却する冷却方法として、捉えることができる。
【0042】
上述した冷却方法によれば、第1の挿入管6からの冷却流体を第3の挿入管8、第2の挿入管7に導いて、第1の金型K1を第1、第3、第2の挿入管6、8、7を介して間接的に冷却し、冷却流体を直接第1の金型K1に導かないので、第1の金型K1の錆の腐食によるひび割れ、該ひび割れに起因する冷却流体の溶湯へのしみ出しによる金型形成品の不良を防ぐことができ、冷却流体の流入、排出を第2の面12の側から行うので、冷却流体の設置を容易に行うことができる(
図1~
図9、
図12、
図13)。
【0043】
なお、
図1、
図5、
図6に示すように、第1の挿入管6の先端部に設けた第1の雄ネ
ネジ6Xが第3の挿入管8に設けた第1の雌ネジ81に螺合し、第2の挿入管7の先端部に設けた第2の雄ネジ7Xが第3の挿入管8に設けた第2の雌ネジ82に螺合している。
そのため、第1、第3、第2の挿入管6、8、7を第1の金型K1の外から容易に接続することができ、しかも、第1、第3、第2の挿入管6、8、7は第1の金型K1から
離脱しにくい構造体を形成することができる。
【0044】
第3の挿入管8は、
図5及び
図6に示すように、第3の挿入管8の外径の中心と第3の挿入管8の内径の中心とが異なると共に肉厚も異なる偏心管であり、第1の雌ネジ81と第2の雌ネジ82は、前記偏心管の肉厚が厚い部位に設けられている。そのため、第1の挿入管6と第2の挿入管7を第3の挿入管8に強固に取り付けることができる。
【0045】
また、上述した実施例においては、第3の挿入管8内の通路8Aは、1個としたが
、本願発明にあっては、
図7に示すように、複数、例えば、第1の通路8B、第2の通路8C、第3の通路8Dとしても良い。
【0046】
また、上述した実施例においては、第1の挿入管6の先端部に設けた第1の雄ネジ
6X、第2の挿入管7の先端部に第2の雄ネジ7Xを設けたが、雄ネジに替えて、
図8、
図9に示すテーパー部でも良い。
即ち、
図8、
図9に示すように、第1の挿入管6の先端部に設けた第1のテーパー部6Yが第3の挿入管8に設けた第1の孔部83に当接し、第2の挿入管7の先端部に設けた第2のテーパー部7Yが第3の挿入管8に設けた第2の孔部84に当接し、第1のテーパー部6Y及び第2のテーパー部7Yは第3の挿入管8に向かう方向に先細りとなっている。
そのため、第1、第3、第2の挿入管6、8、7を第1の金型K1の外から容易に接続することができ、しかも、第1、第3、第2の挿入管6、8、7は、第1の金型K1から離脱しにくい効果を有する。
なお、
図8、
図9に示す6Z、7Zは雄ネジで、雄ネジ6Z、7Zを、第1の金型K1に設けた図示しない雌ネジに螺合させ、図示しないレンチで締め付けて、第1の挿入管6の先端部に設けた第1のテーパー部6Yを第1の孔部83に、第2の挿入管7の先端部に設けた第2のテーパー部7Yを第2の孔部84に、それぞれ強固に当接させる。
【0047】
また、第3の挿入管8は、
図8及び
図9に示すように、第3の挿入管8の外径の中心と第3の挿入管8の内径の中心とが異なると共に肉厚も異なる偏心管であり、第1の孔部83と第2の孔部84は、前記偏心管の肉厚が厚い部位に設けられている。そのため、第1の挿入管6と第2の挿入管7を第3の挿入管8に強固に取り付けることができる。
【0048】
次に、
図10を参照して説明する。
図10においては、金型Kの内、第2金型K2を省略している。
図10に示す100は、第1の金型K1と図示しない第2の金型との間の空間に溶融した金属又は樹脂が流れ込み固化・冷却した製品である。
【0049】
即ち、
図10の実施例においても、冷却装置Rは、上述同様、溶融した金属又は樹脂を金型Kに流し込み製品形状を作る製造装置の金型Kを冷却するものである。
金型Kは、少なくとも、第1の金型K1と図示しない第2の金型を有し、第1の金型K1は、少なくとも、第1の面11、第2の面12、第3の面13、第4の面14、第5の面15、第6の面16を有し、第1の面11は前記溶融した金属又は樹脂の側であり、第2の面12は第1の面11から遠い側の面であり、第5の面15の正面視において、右に第1の面11、左に第2の面12、上に第3の面13、下に第4の面14、背面に第6の面が位置している。
第1の挿入管6が、第5の面15と第6の面16を貫通する直線状の第1の長孔(図示しない)に当接するように挿入(圧入)されている。第1の挿入管6は第2の面12より第1の面11に近い側に位置し、第1の挿入管6からの冷却流体により第1の金型K1を冷却するようになっている。
【0050】
この実施例の冷却装置Rによれば、第5の面15と第6の面16を貫通する直線状の第1の長孔(図示しない)と、この第1の長孔(図示しない)に当接(圧入)するように挿入された第1の挿入管6とを備え、第1の挿入管6は第2の面12より第1の面11に近い側に位置し、第1の挿入管6からの冷却流体により第1の金型K1を冷却するため、第1の金型K1を第1の挿入管6を介して間接的に冷却し、冷却流体を直接第1の金型K1に導かないので、第1の金型K1の錆の腐食によるひび割れ、該ひび割れに起因する冷却流体の溶湯へのしみ出しによる金型形成品の不良を防ぐことができる。
【0051】
図10においては、第1の挿入管6が、第5の面15と第6の面16を貫通する直線状の第1の長孔(図示しない)に当接するように挿入(圧入)するようにしたが、場合により、図示しないが、これに替えて、第3の面13と第4の面14を貫通する直線状の第1’の長孔(図示せず)と、この第1’の長孔(図示せず)に当接するように第1’の挿入管(図示せず)を挿入(圧入)するようにし、第1’の挿入管(図示せず)は第2の面12より第1の面11に近い側に位置し、第1’の挿入管(図示せず)からの冷却流体により第1の金型K1を冷却するようにしても良い。
この実施例の冷却装置Rによれば、第3の面13と第4の面14を貫通する直線状の第1’の長孔(図示せず)と、この第1’の長孔(図示せず)に当接するように挿入された第1’の挿入管(図示せず)とを備え、第1’の挿入管(図示せず)は第2の面122より第1の面11に近い側に位置し、第1’の挿入管(図示せず)からの冷却流体により第1の金型K1を冷却するため、第1の金型K1を第1’の挿入管(図示せず)を介して間接的に冷却し、冷却流体を直接第1の金型K1に導かないので、第1の金型K1の錆の腐食によるひび割れ、該ひび割れに起因する冷却流体の溶湯へのしみ出しによる金型形成品の不良を防ぐことができる。
【0052】
次に、
図11を参照して説明する。
図11においては、金型Kの内、第2金型K2を省略している。
図11に示す100は、第1の金型K1と図示しない第2の金型との間の空間に溶融した金属又は樹脂が流れ込み固化・冷却した製品である。
【0053】
即ち、
図11の実施例においても、冷却装置Rは、上述同様、溶融した金属又は樹脂を金型Kに流し込み製品形状を作る製造装置の金型Kを冷却するものである。
金型Kは、少なくとも、第1の金型K1と第2の金型(図示せず)を有し、第1の金型K1は、少なくとも、第1の面11、第2の面12、第3の面13、第4の面14、第5の面15、第6の面16を有し、第1の面11は前記溶融した金属又は樹脂の側であり、第2の面12は第1の面11から遠い側の面であり、第5の面15の正面視において、右に第1の面11、左に第2の面12、上に第3の面13、下に第4の面14、背面に第6の面16が位置し、第5の面15と第6の面16を貫通する直線状の第1の長孔(図示せず)と、第5の面15と第6の面16を貫通する直線状の第2の長孔(図示せず)と、この第2の長孔(図示せず)と第1の長孔(図示せず)は離間し、第1の長孔(図示せず)に当接するように挿入(圧入)された第1の挿入管6と、第2の長孔(図示せず)に当接するように挿入(圧入)された第2の挿入管7とを備えている。
そして、第1の挿入管6及び第2の挿入管7は、第2の面12より第1の面11に近い側に位置し、第1の挿入管6及び第2の挿入管7からの冷却流体により第1の金型K1を冷却するようになっている。
この冷却装置Rによれば、第1の長孔(図示せず)に当接するように挿入された第1の挿入管6と、第2の長孔(図示せず)に当接するように挿入された第2の挿入管7とを備え、第1の挿入管6及び第2の挿入管7は、第2の面12より第1の面11に近い側に位置し、第1の挿入管6及び第2の挿入管7からの冷却流体により第1の金型K1を冷却するため、第1の金型K1を第1の挿入管6及び第2の挿入管7を介して間接的に冷却し、冷却流体を直接第1の金型K1に導かないので、第1の金型K1の錆の腐食によるひび割れ、該ひび割れに起因する冷却流体の溶湯へのしみ出しによる金型形成品の不良を防ぐことができる。
【0054】
図11においては、第1の挿入管6及び第2の挿入管7が、第5の面15と第6の面16を貫通する直線状の第1の長孔(図示しない)及び第2の長孔(図示しない)に当接するように挿入(圧入)するようにしたが、場合により、図示しないが、これに替えて、
第3の面13と第4の面14を貫通する直線状の第1’の長孔(図示しない)と、第3の面13と第4の面14を貫通する直線状の第2’の長孔(図示しない)と、この第2’の長孔(図示しない)と第1’の長孔(図示しない)は離間し、第1’の長孔(図示しない)に当接するように挿入(圧入)された第1’の挿入管(図示しない)と、第2’の長孔(図示しない)に当接するように挿入(圧入)された第2’の挿入管(図示しない)とを備え、第1’の挿入管(図示しない)及び第2’の挿入管(図示しない)は、第2の面12より第1の面11に近い側に位置し、第1’の挿入管(図示しない)及び第2’の挿入管(図示しない)からの冷却流体により第1の金型K1を冷却するようにしても良い。
そのため、第1の金型K1を第1’の挿入管(図示せず)、第2’の挿入管(図示せず)を介して間接的に冷却し、冷却流体を直接第1の金型K1に導かないので、第1の金型K1の錆の腐食によるひび割れ、該ひび割れに起因する冷却流体の溶湯へのしみ出しによる金型形成品の不良を防ぐことができる。
【0055】
次に、
図14及び
図15を参照して説明する。
図14及び
図15においては、金型Kの内、第2金型K2を省略している。
図15に示す100は、第1の金型K1と図示しない第2の金型との間の空間に溶融した金属又は樹脂が流れ込み固化・冷却した製品である。
【0056】
即ち、
図14及び
図15の実施例においても、冷却装置Rは、上述同様、溶融した金属又は樹脂を金型Kに流し込み製品形状を作る製造装置の金型Kを冷却するものである。
金型Kは、少なくとも、第1の金型K1と第2の金型(図示しない)を有し、第1の金型K1は、少なくとも、内部に前記溶融した金属又は樹脂の流し込み部101を有し、
平断面視(
図14)において、直線状の第1の長孔(図示しない)と直線状の第2の長孔(図示しない)との間に流し込み部101が位置し、中途が第1の長孔(図示しない)に連通する直線状の第3の長孔(図示しない)と、中途が第2の長孔(図示しない)に連通する直線状の第4の長孔(図示しない)と、この第4の長孔(図示しない)と第3の長孔(図示しない)に連通する直線状の第5の長孔(図示しない)とを有し、時計回りに、第1の長孔(図示しない)、第3の長孔(図示しない)、第5の長孔(図示しない)、第4の長孔(図示しない)、第2の長孔(図示しない)が流し込み部の外側に位置し、第1の長孔(図示しない)に当接するように挿入(圧入)された第1の挿入管6と、第2の長孔(図示しない)に当接するように挿入(圧入)された第2の挿入管7と、第3の長孔(図示しない)に当接するように挿入(圧入)された第3の挿入管8と、第4の長孔(図示しない)に当接するように挿入(圧入)された第4の挿入管9と、第5の長孔(図示しない)に当接するように挿入(圧入)された第5の挿入管10とを備えている。
そして、第1の挿入管6は第3の挿入管8に接続され、第3の挿入管8は第5の挿入管10に接続され、第5の挿入管10は第4の挿入管9に接続され、第4の挿入管9は第2の挿入管7に接続され、第1の挿入管6、第3の挿入管8、第5の挿入管10、第4の挿入管9、第2の挿入管7の冷却流体により前記第1の金型K1を冷却するようになっている。
そのため、第1の金型K1を第1の挿入管6、第3の挿入管8、第5の挿入管10、第4の挿入管9、第2の挿入管7を介して間接的に冷却し、冷却流体を直接第1の金型K1に導かないので、第1の金型K1の錆の腐食によるひび割れ、該ひび割れに起因する冷却流体の溶湯へのしみ出しによる金型形成品の不良を防ぐことができる。
なお、
図14及び
図15の実施例においては、水平方向に、第1の挿入管6、第3の挿入管8、第5の挿入管10、第4の挿入管9、第2の挿入管7を一層設けたが、
図17及び
図18に示すように、垂直方向に多段に設けるようにしても良い。
また、
図19に示すように、第1の挿入管6、第3の挿入管8、第5の挿入管10
、第4の挿入管9、第2の挿入管7の内、第1の挿入管6及び第2の挿入管7を省略するようにしても良い。
【0057】
次に、
図20を参照して説明する。
図20においては、金型Kの内、第2金型K2を省略している。
図20に示す100、100は、第1の金型K1と図示しない第2の金型との間の空間に溶融した金属又は樹脂が流れ込み固化・冷却した製品である。
【0058】
即ち、
図20の実施例においても、冷却装置Rは、上述同様、溶融した金属又は樹脂を金型Kに流し込み製品形状を作る製造装置の金型Kを冷却するものである。
金型Kは、少なくとも、第1の金型K1と第2の金型(図示せず)を有し、第1の金型K1は、少なくとも、第1の面11、第1’の面11’、第1”の面11”、第2の面12、第3の面13、第4の面14、第5の面15、第6の面16を有し、第1の面11、第1’の面11’及び第1”の面11”は前記溶融した金属又は樹脂の側であり、第2の面12は第1の面11及び第1’の面11’から遠い側の面であり、第5の面15の正面視において、右に第1の面11及び第1’の面11’、左に第2の面12、上に第3の面13、下に第4の面14、背面に第6の面16が位置し、第1の面11は第1”の面11”より上に位置し、第2の面12から第1’の面11’に向かう直線状の第1の長孔(図示せず)と、第2の面12から前記第1’の面11’に向かう直線状の第2の長孔(図示せず)と、この第2の長孔(図示せず)と前記第1の長孔(図示せず)とは、離間し、第5の面15(又は、第6の面16)から第1の金型K1の内部に直線状に向かうと共に、第1の長孔(図示せず)と第2の長孔(図示せず)に連通する第3の長孔(図示せず)と、第1の長孔(図示せず)に当接するように挿入(圧入)された第1の挿入管6と、第2の長孔(図示せず)に当接するように挿入(圧入)された第2の挿入管7と、第3の長孔(図示せず)に当接するように挿入(圧入)された第3の挿入管8と、この第3の挿入管8の外方側端部を封止する封止部材9とを備えている。
そして、第1の挿入管6と第2の挿入管7は、第3の挿入管8に連通し、第1の挿入管6からの冷却流体を第3の挿入管8、第2の挿入管7に導いて、第1の金型K1を冷却することができる。
そのため、第1の金型K1を第1の挿入管6、第3の挿入管8、第2の挿入管7を介して間接的に冷却し、冷却流体を直接第1の金型K1に導かないので、第1の金型K1の錆の腐食によるひび割れ、該ひび割れに起因する冷却流体の溶湯へのしみ出しによる金型形成品の不良を防ぐことができる。
なお、第1”の面11”は、第1の面11と第1’の面11’に接続されている。
【0059】
また、第4の面14から第3の面13に向かう直線状の第1’の長孔(図示せず)と、第4の面14から第3の面13に向かう直線状の第2’の長孔(図示せず)と、この第2’の長孔(図示せず)と第1’の長孔(図示せず)とは、離間し、第5の面15(又は、第6の面16)から第1の金型K1の内部に直線状に向かうと共に、第1’の長孔(図示せず)と第2’の長孔(図示せず)に連通する第3’の長孔(図示せず)と、第1’の長孔(図示せず)に当接するように挿入(圧入)された第1’の挿入管6’と、第2’の長孔(図示せず)に当接するように挿入(圧入)された第2’の挿入管7’と、第3’の長孔(図示せず)に当接するように挿入(圧入)された第3’の挿入管8’と、この第3’の挿入管8’の外方側端部を封止する封止部材9’とを備えている。
そして、第1’の挿入管6’と第2’の挿入管7’は、第3’の挿入管8’に連通し、第1’の挿入管6’からの冷却流体を第3’の挿入管8’、第2’の挿入管7’に導いて、第1の金型K1を冷却するため、第1の金型K1を第1’の挿入管6’、第3’の挿入管8’、第2’の挿入管7’を介して間接的に冷却し、冷却流体を直接第1の金型K1に導かないので、第1の金型K1の錆の腐食によるひび割れ、該ひび割れに起因する冷却流体の溶湯へのしみ出しによる金型形成品の不良を防ぐことができる。
【0060】
上述した
図20の実施例においては、第4の面14から第3の面13に向かう直線状の第1’の長孔(図示せず)と、第4の面14から第3の面13に向かう直線状の第2’の長孔(図示せず)と、第5の面15又は、第6の面16から第1の金型K1の内部に直線状に向かうと共に、第1’の長孔(図示せず)と第2’の長孔(図示せず)に連通する第3’の長孔(図示せず)と、第1’の長孔(図示せず)に当接するように挿入された第1’の挿入管6’と、第2’の長孔(図示せず)に当接するように挿入された第2’の挿入管7’と、第3’の長孔(図示せず)に当接するように挿入された第3’の挿入管8’としたが、図示しないが、
本願発明にあっては、これに限らず、第1’の長孔(図示せず)は、第3の面13から第4の面14に向かう直線状に形成しても、又は、第2の面12から第1の面11に向かう直線状に形成しても良く、第2’の長孔(図示せず)は、第3の面13から第4の面14に向かう直線状に形成しても、又は、第2の面12から第1の面11に向かう直線状に形成しても良い。この場合、第5の面15又は、第6の面16から第1の金型K1の内部に直線状に向かうと共に、第1’の長孔(図示せず)と第2’の長孔(図示せず)に連通する第3’の長孔(図示せず)と、第1’の長孔(図示せず)に当接するように挿入された第1’の挿入管6’と、第2’の長孔(図示せず)に当接するように挿入された第2’の挿入管7’と、第3’の長孔(図示せず)に当接するように挿入された第3’の挿入管8’とする。
この場合においても、上述と同様に、第1’の挿入管6’と第2’の挿入管7’は、第3’の挿入管8’に連通し、第1’の挿入管6’からの冷却流体を第3’の挿入管8’、第2’の挿入管7’に導いて、第1の金型K1を冷却するため、第1の金型K1を第1’の挿入管6’、第3’の挿入管8’、第2’の挿入管7’を介して間接的に冷却し、冷却流体を直接第1の金型K1に導かないので、第1の金型K1の錆の腐食によるひび割れ、該ひび割れに起因する冷却流体の溶湯へのしみ出しによる金型形成品の不良を防ぐことができる。
【符号の説明】
【0061】
R 冷却装置
K 金型
K1 第1の金型
K2 第2の金型
1 空間
2 クラックを生じや易い部位
3 第1の長孔
4 第2の長孔
5 第3の長孔
6 第1の挿入管
7 第2の挿入管
8 第3の挿入管
9 封止部材
11 第1の面
12 第2の面
13 第3の面
14 第4の面
21 第1の挿入管
22 第2の挿入管
23 第3の挿入管
24 封止部材
11A 正面部
11B 右側面部
11C 左側面部
11D 背面部
111 第1の孔
112 第2の孔
113 第3の孔
【要約】 (修正有)
【課題】本発明の目的は、金型の錆の腐食によるひび割れ防止を図った冷却装置及び冷却方法を提供するものである。
【解決手段】冷却装置Rは、溶融した金属又は樹脂を金型に流し込み製品形状を作る製造装置の金型を冷却する冷却装置であって、金型は第1の金型K1と第2の金型K2を有し、第1の金型は第1、第2、第3、第4の面を有し、第2の面から第1の面に向かう直線状の第1の長孔と、第2の面から第1の面に向かう直線状の第2の長孔と、第1の長孔と第2の長孔に連通する第3の長孔と、第1の長孔に挿入された第1の挿入管6と、第2の長孔に挿入された第2の挿入管7と、第3の長孔に挿入された第3の挿入管8と、この第3の挿入管8の外方側端部を封止する封止部材9とを備え、第1の挿入管と第2の挿入管は、第3の挿入管に連通し、第1の挿入管からの冷却流体を第3の挿入管、第2の挿入管に導いて、第1の金型を冷却するものである。
【選択図】
図1