(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-05
(45)【発行日】2024-02-14
(54)【発明の名称】道路コーン設置回収装置
(51)【国際特許分類】
E01F 13/02 20060101AFI20240206BHJP
B65G 67/02 20060101ALI20240206BHJP
【FI】
E01F13/02 A
B65G67/02
(21)【出願番号】P 2022150611
(22)【出願日】2022-09-21
【審査請求日】2023-10-19
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和3年10月6日(水)~7日(木)にハイウェイテクノフェア2021にて公開した、展示会当日の現場写真、当日に展示したカタログ、展示会開催概要、出展者紹介、展示品カタログ、会場案内図 令和3年10月6日公開の、YouTubeの、発明が掲載されたページのプリントアウト及び公開者の会社概要(https://www.youtube.com/watch?v=4srpqCpMvqs)(https://www.vidya.jp/companyprofile) 令和3年10月6日公開の、ウェブサイト「インターネット展示会.tv」の発明が掲載されたページのプリントアウト及び公開者の会社概要(https://www.tenji.tv/)(https://www.tenji.tv/contents/37896/)(https://www.vidya.jp/companyprofile)
(73)【特許権者】
【識別番号】302072930
【氏名又は名称】株式会社トーテック
(73)【特許権者】
【識別番号】509185446
【氏名又は名称】株式会社ネクスコ・メンテナンス新潟
(74)【代理人】
【識別番号】100092691
【氏名又は名称】黒田 勇治
(74)【代理人】
【識別番号】100199543
【氏名又は名称】黒田 隆史
(72)【発明者】
【氏名】関 一徳
【審査官】五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】特開2022-164736(JP,A)
【文献】特開2018-104936(JP,A)
【文献】特開2022-49512(JP,A)
【文献】特開2021-152329(JP,A)
【文献】特開平9-279532(JP,A)
【文献】特開平8-74218(JP,A)
【文献】特開平5-65709(JP,A)
【文献】米国特許第6435369(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01F 9/00- 9/70
E01F 13/00-13/12
B65G 67/00-67/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動車両に配備され、道路の路面に対する道路コーンの設置回収装置であって、上記移動車両の荷台に複数個の道路コーンを貯留可能な貯留部が設けられ、該貯留部の外側方に道路コーンの受渡部が設けられ、該受渡部の受渡位置と上記路面上の設置回収位置との間で該道路コーンを上下旋回移送可能な旋回移送機構を備えてなり、上記旋回移送機構は、上記設置回収位置と上記受渡位置との間で上下旋回可能な旋回部材と、該旋回部材を往復旋回させる往復旋回機構と、該旋回部材に設けられ、該道路コーンの下部を保持釈放可能な対向一対の下部保持部材と、該旋回部材に設けられ、該道路コーンの上部を保持釈放可能な対向一対の上部保持部材と、該対向一対の下部保持部材及び対向一対の上部保持部材をそれぞれ保持釈放動作させる挟持機構とからなり、上記挟持機構として、上記旋回部材に上記対向一対の下部保持部材を保持釈放動作させる対向一対の下部用軸、及び、該下部用軸が外嵌挿され、上記対向一対の上部保持部材を保持釈放動作させる対向一対の上部用筒軸をそれぞれ上記道路コーンの軸線方向に配設し、該対向一対の下部用軸を相互に異方向に正逆回転させる下部用モータ及び該対向一対の上部用筒軸を相互に異方向に正逆回転させる上部用モータを配設して構成したことを特徴とする道路コーン設置回収装置。
【請求項2】
上記対向一対の下部保持部材は上記道路コーンの下部の挟持又は解除により保持釈放可能に形成され、上記対向一対の上部保持部材は上記道路コーンの上部の圧潰又は解除により保持釈放可能に形成されていることを特徴とする請求項1記載の道路コーン設置回収装置。
【請求項3】
上記旋回移送機構は上記移動車両の左右両側位置にそれぞれ配設されていることを特徴とする請求項1又は2記載の道路コーン設置回収装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、高速道路の工事現場と車道との境界に設置される円錐状の中空の道路コーン設置回収装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の道路コーン設置回収装置として、移動車両の荷台に複数個の道路コーンを貯留可能な貯留部が設けられ、貯留部の外側方に道路コーンの受渡部が設けられ、受渡部の受渡位置と道路の路面上の設置回収位置との間で道路コーンを上下旋回移送可能な旋回移送機構が設けられ、旋回移送機構は、設置回収位置と受渡位置との間で上下旋回可能な旋回部材と、旋回部材を往復旋回させる往復旋回機構と、旋回部材に設けられ、道路コーンを保持釈放可能な対向一対の保持部材と、対向一対の保持部材を保持釈放動作させる挟持機構とからなる構造のものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平6-57716号公報
【文献】特公平7-62326号公報
【文献】特開2018-104936公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら上記従来構造の場合、上記道路コーンを上記挟持機構の対向一対の保持部材で挟持し、受渡部の受渡位置と道路の路面上の設置回収位置との間で道路コーンを上下旋回移送して道路の路面に対して設置及び回収作業を行うに際し、道路コーンは例えば合成樹脂製又はゴム製の中空円錐形状に形成され、また、道路コーンには各種の仕様のものが存在し、このため、各種の道路コーンに対する仕様融通性が低下し、さらに、円錐形状の道路コーンの外周面を保持部材で挟持して旋回移送するため、道路コーンの自重及び遠心力により道路コーンが保持部材から離脱するおそれがあり、不安定な回収設置作業になることがあるという不都合を有している。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明はこのような不都合を解決することを目的とするもので、本発明のうち、請求項1記載の発明は、移動車両に配備され、道路の路面に対する道路コーンの設置回収装置であって、上記移動車両の荷台に複数個の道路コーンを貯留可能な貯留部が設けられ、該貯留部の外側方に道路コーンの受渡部が設けられ、該受渡部の受渡位置と上記路面上の設置回収位置との間で該道路コーンを上下旋回移送可能な旋回移送機構を備えてなり、上記旋回移送機構は、上記設置回収位置と上記受渡位置との間で上下旋回可能な旋回部材と、該旋回部材を往復旋回させる往復旋回機構と、該旋回部材に設けられ、該道路コーンの下部を保持釈放可能な対向一対の下部保持部材と、該旋回部材に設けられ、該道路コーンの上部を保持釈放可能な対向一対の上部保持部材と、該対向一対の下部保持部材及び対向一対の上部保持部材をそれぞれ保持釈放動作させる挟持機構とからなり、上記挟持機構として、上記旋回部材に上記対向一対の下部保持部材を保持釈放動作させる対向一対の下部用軸、及び、該下部用軸が外嵌挿され、上記対向一対の上部保持部材を保持釈放動作させる対向一対の上部用筒軸をそれぞれ上記道路コーンの軸線方向に配設し、該対向一対の下部用軸を相互に異方向に正逆回転させる下部用モータ及び該対向一対の上部用筒軸を相互に異方向に正逆回転させる上部用モータを配設して構成したことを特徴とする道路コーン設置回収装置にある。
【0006】
又、請求項2記載の発明は、上記対向一対の下部保持部材は上記道路コーンの下部の挟持又は解除により保持釈放可能に形成され、上記対向一対の上部保持部材は上記道路コーンの上部の圧潰又は解除により保持釈放可能に形成されていることを特徴とするものである。
【0007】
又、請求項3記載の発明は、上記旋回移送機構は上記移動車両の左右両側位置にそれぞれ配設されていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明は上述の如く、請求項1記載の発明にあっては、道路コーンを路面上に設置する場合、移動車両を進行方向に進行し、貯留部の道路コーンは受渡部の受渡位置に移送され、受渡位置に移送された道路コーンは旋回移送機構の挟持機構により下部保持部材及び上部保持部材で挟持され、旋回移送機構の往復旋回機構により旋回部材は受渡部の移動車両の外側方の受渡位置から上記路面上の設置回収位置に下向きに旋回され、設置回収位置において、挟持機構は道路コーンを釈放し、道路コーンは路面上に設置され、道路コーンを釈放すると、旋回部材は設置回収位置から受渡位置に上向き旋回し、順次、移動車両の進行及び上記繰返動作により路面上に道路コーンを設置することができ、かつ、路面上に設置された道路コーンを回収する場合、移動車両を上記道路コーン設置時の進行方向とは互いに逆向きの進行方向に進行し、旋回部材を受渡位置から上記路面上の設置回収位置に下向きに旋回し、設置回収位置において、道路コーンが旋回部材の下部に接近したとき挟持機構は道路コーンを挟持し、旋回部材は道路コーンを保持して設置回収位置から受渡位置に上向きに旋回し、上記受渡位置の道路コーンは貯留部に貯留され、これにより道路コーンの設置及び回収を確実に行うことができ、さらに、この際、上記旋回移送機構は、上記設置回収位置と上記受渡位置との間で上下旋回可能な旋回部材と、旋回部材を往復旋回させる往復旋回機構と、旋回部材に設けられ、道路コーンの下部を保持釈放可能な対向一対の下部保持部材と、旋回部材に設けられ、道路コーンの上部を保持釈放可能な対向一対の上部保持部材と、対向一対の下部保持部材及び対向一対の上部保持部材をそれぞれ保持釈放動作させる挟持機構とから構成されているから、道路コーンは対向一対の下部保持部材及び対向一対の上部保持部材により上部及び下部の両部位を両持ち状態で保持することができ、受渡部の受渡位置と道路の路面上の設置回収位置との間で道路コーンを上下旋回移送して道路の路面に対して設置及び回収作業を行うに際し、道路コーンを下部保持部材及び上部保持部材の両部材で確実に保持することができ、自重及び遠心力による道路コーンの離脱を防ぐことができ、安定的に回収設置作業を行うことができ、さらに、上記挟持機構として、上記旋回部材に上記対向一対の下部保持部材を保持釈放動作させる対向一対の下部用軸、及び、下部用軸が外嵌挿され、上記対向一対の上部保持部材を保持釈放動作させる対向一対の上部用筒軸をそれぞれ上記道路コーンの軸線方向に配設し、対向一対の下部用軸を相互に異方向に正逆回転させる下部用モータ及び対向一対の上部用筒軸を相互に異方向に正逆回転させる上部用モータを配設して構成しているから、上記対向一対の下部保持部材及び上記対向一対の上部保持部材の保持釈放動作を各別に行うことができ、道路コーンの各種の仕様に対する上記下部保持部材及び上記上部保持部材の保持釈放動作の融通性も向上することができ、道路コーンの下部保持部材及び上部保持部材の保持釈放動作を確実かつ安定的に行うことができ、挟持機構の構造を簡素化することができる。
【0009】
又、請求項2記載の発明にあっては、上記対向一対の下部保持部材は上記道路コーンの下部の挟持又は解除により保持釈放可能に形成され、上記対向一対の上部保持部材は上記道路コーンの上部の圧潰又は解除により保持釈放可能に形成されているから、道路コーンを一層確実に保持することができる。
【0010】
又、請求項3記載の発明にあっては、上記旋回移送機構は上記移動車両の左右両側位置にそれぞれ配設されているから、移動車両の進行方向左側の旋回移送機構又は右側の他方の旋回移送機構により行うことができ、進行方向左右両側位置で設置及び回収することができ、道路コーンの設置及び回収の融通性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図3】本発明の実施の形態例の部分拡大正断面図である。
【
図4】本発明の実施の形態例の部分拡大平面図である。
【
図5】本発明の実施の形態例の部分拡大平断面図である。
【
図6】本発明の実施の形態例の部分拡大正断面図である。
【
図7】本発明の実施の形態例の部分拡大側断面図である。
【
図8】本発明の実施の形態例の部分拡大側断面図である。
【
図9】本発明の実施の形態例の部分拡大正断面図である。
【
図10】本発明の実施の形態例の部分拡大側断面図である。
【
図11】本発明の実施の形態例の部分拡大平断面図である。
【
図12】本発明の実施の形態例の部分拡大側断面図である。
【
図13】本発明の実施の形態例の道路コーンの部分切欠正面図である。
【
図14】本発明の実施の形態例の部分拡大正面図である。
【
図15】本発明の実施の形態例の部分拡大側面図である。
【
図16】本発明の実施の形態例の部分拡大平断面図である。
【
図17】本発明の実施の形態例の部分拡大平断面図である。
【
図18】本発明の実施の形態例の道路コーン設置時の使用状態図である。
【
図19】本発明の実施の形態例の道路コーン回収時の使用状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1乃至
図19は本発明の実施の形態例を示し、
図1、
図2の如く、移動車両Aに配備され、道路の路面Gに対する道路コーンWの設置回収装置であって、道路コーンWは合成樹脂製又はゴム製が採用され、大別すると、移動車両Aと、移動車両Aの荷台A
1に設けられ、複数個の道路コーンW・・を貯留可能な貯留部Bと、貯留部Bの外側方に設けられ、貯留部Bに対する道路コーンW・・の受渡部Cと、受渡部Cの受渡位置Tと上記路面G上の設置回収位置SKとの間で道路コーンWを上下旋回移送可能な旋回移送機構Dとを備えている。
【0013】
そして、上記旋回移送機構Dは、
図3、
図4の如く、上記設置回収位置SKと上記受渡位置Tとの間で上下旋回可能な旋回部材1と、旋回部材1を往復旋回させる往復旋回機構2と、旋回部材1に設けられ、道路コーンWの下部を保持釈放可能な対向一対の下部保持部材3・3と、旋回部材1に設けられ、道路コーンWの上部を保持釈放可能な対向一対の上部保持部材4・4と、対向一対の下部保持部材3・3及び対向一対の上部保持部材4・4をそれぞれ保持釈放動作させる挟持機構5とから構成されている。
【0014】
この場合、上記貯留部Bは、
図1、
図2の如く、移動車両Aの荷台A
1に複数個の道路コーンW・・を収納自在に設けられ、道路コーンWの路面Gに対する設置作業時にあっては、貯留部Bの取出収納位置B
Tを介して複数個の道路コーンW・・を上記受渡部Cの受渡位置Tに一個宛分離供給し、道路コーンWの路面Gに対する回収作業時にあっては、上記旋回移送機構Dにより上記受渡部Cの受渡位置Tに一個宛回収移送されてくる道路コーンWを貯留部Bの取出収納位置B
Tを介して貯留部Bに横並び状態で貯留する図示省略の搬送及び収納取出機構を備えている。
【0015】
又、この場合、上記旋回移送機構Dは、
図3、
図4、
図18の如く、移動車両Aの荷台A
1に架台6を設け、架台6に移動板7を一対のガイド8・8及び油圧式の移動用シリンダ9により移動車両Aの進行方向Hと交差する左右方向にして上記取出収納位置B
Tと上記受渡位置Tとの間で移動自在に設けられ、かつ、移動板7に旋回支持軸10を軸受11・11により旋回自在に横設すると共に旋回支持軸10を往復旋回させる油圧式の旋回用シリンダ12を設け、旋回支持軸10にリンク13の基部を固定し、旋回用シリンダ12のロッド部12aとリンク13の先端部とをピン13aにより連結し、旋回支持軸10の先端部に旋回部材1を取付け、旋回部材1に上記対向一対の下部保持部材3・3及び上記対向一対の上部保持部材4・4をそれぞれ保持釈放動作させる挟持機構5を設けて構成している。
【0016】
この場合、
図5、
図6、
図15の如く、上記下部保持部材3・3及び上記上部保持部材4・4を上記道路コーンWの軸線W
1方向に前進F
A又は後退F
Rの進退移動Fさせる進退移動機構Eが配設され、この進退移動機構Eは、上記道路コーンWの軸線W
1方向に延びるラック歯車E
1、ラック歯車E
1に歯合するピニオン歯車E
2及びピニオン歯車E
2を正逆回転させる進退用モータE
3から構成されている。
【0017】
又、この場合、上記挟持機構5として、
図6、
図9、
図10、
図15の如く、上記旋回部材1に上記対向一対の下部保持部材3・3を保持釈放動作させる対向一対の下部用軸3a・3a、及び、下部用軸3a・3aが外嵌挿され、上記対向一対の上部保持部材4・4を保持釈放動作させる対向一対の上部用筒軸4a・4aをそれぞれ上記道路コーンWの軸線W
1方向に配設し、対向一対の下部用軸3a・3aを相互に異方向に正逆回転させる下部用モータ3b及び対向一対の上部用筒軸4a・4aを相互に異方向に正逆回転させる上部用モータ4bを配設して構成している。
【0018】
この場合、上記進退移動機構E及び上記挟持機構5として、
図5、
図6、
図7、
図8、
図12、
図14の如く、上記旋回部材1は固定部材1a及び進退部材1bの二つの部材からなり、旋回部材1の固定部材1aに上記旋回支持軸10を連結部材1cを介して連結し、進退部材1bは転動ロールE
4により固定部材1aに対して上記道路コーンWの軸線W
1方向に前進F
A又は後退F
Rの進退移動F自在に設けられ、上記進退部材1bに上記対向一対の下部用軸3a・3a及び上記対向一対の上部用筒軸4a・4aを下部用軸3a・3aに上部用筒軸4a・4aを外嵌挿してそれぞれ上記道路コーンWの軸線W
1方向に軸受配設し、
図5、
図6の如く、上記対向一対の下部用軸3a・3aは相互に歯合する一対の下歯車3c・3c及び下駆動歯車3dを介して上記下部用モータ3bにより相互に異方向に正逆回転し、一方、
図5、
図9の如く、上記対向一対の上部用筒軸4a・4aは相互に歯合する一対の上歯車4c・4c及び上駆動歯車4dを介して上記上部用モータ4bにより相互に異方向に正逆回転し、上記旋回部材1の固定部材1aに上記道路コーンWの軸線W
1方向に延びるラック歯車E
1を取付固定し、上記旋回部材1の進退部材1bにラック歯車E
1に歯合するピニオン歯車E
2及びピニオン歯車E
2を受承する受承ロールE
5を配設し、進退部材1bに歯車列E
6を介してピニオン歯車E
2を正逆回転させる上記進退用モータE
3を取り付けて構成している。
【0019】
さらに、この場合、
図14、
図15、
図16の如く、上記下部用軸3a・3aの下端部に道路コーンWの外周面に沿う半円弧状の対向一対の下部保持部材3・3の各々の基部を上下二段状に固定し、各々の下部保持部材3・3の上面又は裏面に複数個の挟持ロール3e・・を配列し、かつ、対向一対の下部用軸3a・3aの下端部間に道路コーンWの外周面に沿う当接面14aをもつ位置規制部材14を配設し、位置規制部材14に図示省略のコーン検出センサを設け、一方、
図14、
図15、
図17の如く、上記上部用筒軸4a・4aに道路コーンWの上部の外周面を圧潰可能な圧潰面4e・4eをもつ板状の対向一対の上部保持部材4・4の各々の基部を固定し、この場合、
図13の如く、上記道路コーンWの上部外周面に肉薄領域部W
2が形成され、
図14の想像線位置から実線位置の如く、肉薄領域部W
2を上部保持部材4・4の圧潰面4e・4eで圧潰することにより道路コーンWの外周面は膨出し、この膨出により容易に道路コーンWの外周面を圧潰することができるように形成され、かつ、対向一対の上部用筒軸4a・4a間に軸架部材15を配設して構成している。なお、上記道路コーンWの上部外周面に肉薄領域部W
2を形成しない同厚の道路コーンWを用いることもある。
【0020】
しかして、
図6、
図15の如く、上記挟持機構5の下部用モータ3bにより上記対向一対の下部保持部材3・3は上記道路コーンWの下部の挟持又は解除により保持釈放可能に形成され、一方、
図9、
図15の如く、上記挟持機構5の上部用モータ4bにより上記対向一対の上部保持部材4・4は上記道路コーンWの上部の圧潰又は解除により保持釈放可能に形成され、さらに、
図4、
図6、
図14の如く、上記進退移動機構Eの進退用モータE
3により旋回部材1の進退部材1bを介して上記下部保持部材3・3及び上記上部保持部材4・4を上記道路コーンWの軸線W
1方向に進退移動させるように構成している。
【0021】
この場合、上記往復旋回機構2は、
図18の如く、上記道路コーンWの設置時において、上記移動車両Aの進行方向Hと上記受渡位置Tから上記設置回収位置SKに向かう下向き旋回方向Rとが互いに逆方向となるように構成され、かつ、上記移動車両Aの進行速度H
Vと上記旋回部材1の旋回速度R
V(道路コーンWの接地部位の周速度)とが互いに逆向きの略同速度に設定されている。
【0022】
又、この場合、上記往復旋回機構2は、
図19の如く、上記道路コーンWの回収時において、上記移動車両Aの進行方向は上記道路コーンW設置時の進行方向Hとは互いに逆向きの進行方向Pとされ、移動車両Aの進行方向Pと上記設置回収位置SKから上記受渡位置Tに向かう上向き旋回方向Sとが互いに逆方向となるように構成され、上記旋回部材1の下部の位置規制部材14に図示省略のコーン検出センサが設けられている。
【0023】
又、この場合、図示省略しているが、上記旋回移送機構Dは上記移動車両Aの左右両側位置にそれぞれ配設され、この左右両側の一対の旋回移送機構D・Dは左右対称の構造に形成されている。
【0024】
この実施の形態例は上記構成であるから、例えば、
図18の如く、高速道路の追越車線規制時において、工事が行われる追越車線と走行車線との境界の路面G上に道路コーンWを間隔を置いて設置するに際し、道路コーンWは移動車両Aの荷台A
1上の貯留部Bに複数個互いに重ね合わせた状態で貯留され、移動車両Aを進行方向H、この場合、前進方向に進行をし、この貯留部Bの道路コーンWは取出収納位置B
Tを介して上記受渡部Cの受渡位置Tに移送され、受渡位置Tに移送された道路コーンWは旋回移送機構Dの挟持機構5により下部保持部材3・3及び上部保持部材4・4で挟持され、旋回移送機構Dの往復旋回機構2により旋回部材1は移動車両Aの外側方の受渡位置Tから上記路面G上の設置回収位置SKに下向きに旋回され、設置回収位置SKにおいて、
図14、
図15の想像線位置の如く、挟持機構5は道路コーンWを釈放し、道路コーンWは路面G上に設置され、道路コーンWを釈放すると、旋回部材1は設置回収位置SKから受渡位置Tに上向き旋回し、順次、移動車両Aの進行及び上記繰返動作により路面G上に間隔をおいて道路コーンWを設置することができる。
【0025】
又、例えば、工事完了後において、
図19の如く、路面G上に設置された道路コーンWを回収するに際し、移動車両Aを上記道路コーンW設置時の進行方向Hとしての前進方向とは互いに逆向きの進行方向Pである後退進行をし、上記旋回移送機構Dの往復旋回機構2により旋回部材1は移動車両Aの外側方の受渡位置Tから上記路面G上の設置回収位置SKに下向きに旋回され、設置回収位置SKにおいて、道路コーンWが旋回部材1の下部に接近したことをコーン検出センサが検出すると、
図14、
図15の実線位置の如く、上記挟持機構5により下部保持部材3・3及び上部保持部材4・4で道路コーンWを挟持し、上記往復旋回機構2により旋回部材1は道路コーンWを保持して設置回収位置SKから受渡位置Tに上向きに旋回し、移動車両Aの進行方向Pと上記設置回収位置SKから上記受渡位置Tに向かう上向き旋回方向Sとが互いに逆方向となるように構成され、上記受渡位置Tの道路コーンWは受渡位置Tから移動車両Aの内方の上記取出収納位置B
Tに移送され、道路コーンWは取出収納位置B
Tを介して貯留部Bに貯留され、順次、移動車両Aの進行及び上記繰返動作により路面G上に間隔をおいて設置された道路コーンWを回収することができる。
【0026】
したがって、
図18の如く、上記道路コーンWを路面G上に設置する場合、移動車両Aを進行方向Hに進行し、貯留部Bの道路コーンWは取出収納位置B
Tを介して上記受渡部Cの受渡位置Tに移送され、受渡位置Tに移送された道路コーンWは旋回移送機構Dの挟持機構5により下部保持部材3・3及び上部保持部材4・4で挟持され、旋回移送機構Dの往復旋回機構2により旋回部材1は移動車両Aの外側方の受渡位置Tから上記路面G上の設置回収位置SKに下向きに旋回され、設置回収位置SKにおいて、
図14、
図15の如く、挟持機構5は道路コーンWを釈放し、道路コーンWは路面G上に設置され、道路コーンWを釈放すると、旋回部材1は設置回収位置SKから受渡位置Tに上向き旋回し、順次、移動車両Aの進行及び上記繰返動作により路面G上に道路コーンWを設置することができ、又、
図19の如く、路面G上に設置された道路コーンWを回収する場合、移動車両Aを上記道路コーンW設置時の進行方向Hとは互いに逆向きの進行方向Pに進行し、旋回部材1を受渡位置Tから上記路面G上の設置回収位置SKに下向きに旋回し、設置回収位置SKにおいて、
図14、
図15の如く、道路コーンWが旋回部材1の下部に接近したとき挟持機構5は道路コーンWを挟持し、旋回部材1は道路コーンWを保持して設置回収位置SKから受渡位置Tに上向きに旋回し、移動車両Aの進行方向Pと上記設置回収位置SKから上記受渡位置Tに向かう上向き旋回方向Sとが互いに逆方向となり、上記受渡位置Tの道路コーンWは取出収納位置B
Tを介して貯留部Bに貯留され、これにより道路コーンWの設置及び回収を確実に行うことができる。
【0027】
この際、
図3、
図4の如く、上記旋回移送機構Dは、上記設置回収位置SKと上記受渡位置Tとの間で上下旋回可能な旋回部材1と、旋回部材1を往復旋回させる往復旋回機構2と、旋回部材1に設けられ、道路コーンWの下部を保持釈放可能な対向一対の下部保持部材3・3と、旋回部材1に設けられ、道路コーンWの上部を保持釈放可能な対向一対の上部保持部材4・4と、対向一対の下部保持部材3・3及び対向一対の上部保持部材4・4をそれぞれ保持釈放動作させる挟持機構5とから構成されているから、対向一対の下部保持部材3・3及び対向一対の上部保持部材4・4により道路コーンWの上部及び下部の両部位を両持ち状態で保持することができ、受渡部Cの受渡位置Tと道路の路面G上の設置回収位置SKとの間で道路コーンWを上下旋回移送して道路の路面Gに対して設置及び回収作業を行うに際し、道路コーンWを下部保持部材3・3及び上部保持部材4・4の両部材で確実に保持することができ、自重及び遠心力による道路コーンWの離脱を防ぐことができ、安定的に回収設置作業を行うことができる。
【0028】
又、この場合、
図5、
図6、
図15の如く、上記下部保持部材3・3及び上記上部保持部材4・4を上記道路コーンWの軸線W
1方向に前進F
A又は後退F
Rの進退移動Fさせる進退移動機構Eを設けているから、
図18又は
図19の如く、上記旋回部材1を往復旋回機構2により受渡部Cの受渡位置Tと道路の路面G上の設置回収位置SKとの間で道路コーンWを上下旋回移送して道路の路面Gに対して道路コーンWの設置及び回収作業を行うに際し、例えば、
図18の道路コーンWの設置時にあっては、
図11の如く、予め、上記下部保持部材3・3及び上記上部保持部材4・4を上記道路コーンWの軸線W
1方向に後退F
R移動させた状態、又は、旋回部材1の下向き旋回時に同時に上記下部保持部材3・3及び上記上部保持部材4・4を後退F
R移動させ、この後退状態で旋回部材1を下向きに旋回させ、設置回収位置SKにおいて、
図5の如く、上記下部保持部材3・3及び上記上部保持部材4・4を上記道路コーンWの軸線W
1方向に前進F
A移動させることができ、旋回部材1の下向き旋回による道路コーンWの底部と道路の路面Gとの摩擦接触を回避することができ、この摩擦接触による道路コーンWの倒伏現象を回避することができ、道路コーンWを安定的に設置することができ、あるいは、上記下部保持部材3・3及び上記上部保持部材4・4を上記道路コーンWの軸線W
1方向の前進F
A移動により道路コーンWを路面Gに確実に接触させることができ、路面Gの高低に対応することができ、道路コーンWを安定的に設置することができ、又、例えば、
図19の道路コーンWの回収時にあっては、旋回部材1の旋回開始直前において、
図11の如く、予め、上記下部保持部材3・3及び上記上部保持部材4・4を上記道路コーンWの軸線W
1方向に後退F
R移動させることができ、旋回部材1の上向き旋回による道路コーンWの底部と道路の路面Gとの摩擦接触を回避することができ、この摩擦接触による上記下部保持部材3・3及び上記上部保持部材4・4からの道路コーンWの離脱現象や道路コーンWの路面G上での倒伏現象を回避することができ、道路コーンWを安定的に設置することができる。
【0029】
しかして、
図5、
図6、
図15の如く、上記下部保持部材3・3及び上記上部保持部材4・4を上記道路コーンWの軸線W
1方向に前進F
A又は後退F
Rの進退移動Fさせる進退移動機構Eを設けているから、上記旋回部材1を往復旋回機構2により受渡部Cの受渡位置Tと道路の路面G上の設置回収位置SKとの間で道路コーンWを上下旋回移送して道路の路面Gに対して道路コーンWの設置及び回収作業を行うに際し、旋回部材1の上下旋回による道路コーンWの底部と道路の路面Gとの摩擦接触を回避することができ、この摩擦接触による道路コーンWの倒伏現象を回避することができ、道路コーンWを安定的に設置回収することができ、道路コーンWの設置回収作業性を向上することができる。
【0030】
又、この場合、上記進退移動機構Eは、
図5、
図6、
図15の如く、上記道路コーンWの軸線W
1方向に延びるラック歯車E
1、ラック歯車E
1に歯合するピニオン歯車E
2及びピニオン歯車E
2を正逆回転させる進退用モータE
3からなるので、上記下部保持部材3・3及び上記上部保持部材4・4を上記道路コーンWの軸線W
1方向に確実に進退移動Fさせることができ、道路コーンWを安定的に設置回収することができ、道路コーンWの設置回収作業性を向上することができ、これらラック機構により進退移動機構Eの構造を簡素化することができる。
【0031】
又、この場合、上記挟持機構5として、
図6、
図9、
図15の如く、上記旋回部材1に上記対向一対の下部保持部材3・3を保持釈放動作させる対向一対の下部用軸3a・3a、及び、下部用軸3a・3aが外嵌挿され、上記対向一対の上部保持部材4・4を保持釈放動作させる対向一対の上部用筒軸4a・4aをそれぞれ上記道路コーンWの軸線W
1方向に配設し、対向一対の下部用軸3a・3aを相互に異方向に正逆回転させる下部用モータ3b及び対向一対の上部用筒軸4a・4aを相互に異方向に正逆回転させる上部用モータ4bを配設して構成しているから、上記対向一対の下部保持部材3・3及び上記対向一対の上部保持部材4・4の保持釈放動作を各別に行うことができ、道路コーンWの各種の仕様に対する上記下部保持部材3・3及び上記上部保持部材4・4の保持釈放動作の融通性も向上することができ、道路コーンWの下部保持部材3・3及び上部保持部材4・4の保持釈放動作を確実かつ安定的に行うことができ、挟持機構5の構造を簡素化することができる。
【0032】
又、この場合、
図14、
図15の如く、上記対向一対の下部保持部材3・3は上記道路コーンWの下部の挟持又は解除により保持釈放可能に形成され、上記対向一対の上部保持部材4・4は上記道路コーンWの上部の圧潰又は解除により保持釈放可能に形成されているから、合成樹脂製又はゴム製の道路コーンWを確実に保持することができ、さらに、この場合、上部保持部材4・4により圧潰される上記道路コーンWの上部外周面に肉薄領域部W
2を形成しているから、
図14の想像線位置から実線位置の如く、肉薄領域部W
2を上部保持部材4・4の圧潰面4e・4eで圧潰することにより道路コーンWの外周面は膨出し、この膨出により容易に道路コーンWの外周面を圧潰することができる。
【0033】
この場合、上記往復旋回機構2は、
図18の如く、上記道路コーンWの設置時において、上記移動車両Aの進行方向Hと上記受渡位置Tから上記設置回収位置SKに向かう下向き旋回方向Rとが互いに逆方向となるように構成されているから、移動車両Aの進行により働く道路コーンWの慣性力による道路コーンWの倒伏を抑制することができ、安定した設置作業を行うことができ、又、この場合、上記移動車両Aの進行速度H
Vと上記旋回部材1の旋回速度R
Vとが互いに逆向きの略同速度に設定されているから、移動車両Aの進行により働く道路コーンWの慣性力による道路コーンWの倒伏を一層抑制することができ、安定した設置作業を行うことができる。
【0034】
又、この場合、上記往復旋回機構2は、
図19の如く、上記道路コーンWの回収時において、上記移動車両Aの進行方向は上記道路コーンW設置時の進行方向Hとは互いに逆向きの進行方向Pとされ、移動車両Aの進行方向Pと上記設置回収位置SKから上記受渡位置Tに向かう上向き旋回方向Sとが互いに逆方向となるように構成されているから、旋回部材1を設置回収位置SKで停止し、道路コーンWが旋回部材1に接近したとき、挟持機構5は道路コーンWを挟持し、旋回部材1は設置回収位置SKから受渡位置Tに上向きに旋回し、移動車両Aの進行方向Pと上記設置回収位置SKから上記受渡位置Tに向かう上向き旋回方向Sとが互いに逆方向となり、道路コーンWと路面Gとの摺動を抑制することができ、道路コーンWの回収を円滑に行うことができる。
【0035】
又、この場合、上記旋回移送機構Dは上記移動車両Aの左右両側位置にそれぞれ配設され、かつ、この場合、左右両側の一対の旋回移送機構D・Dは左右対称の構造に形成されているから、例えば、高速道路の走行車線規制時において、工事が行われる走行車線と追越車線との境界の路面G上に対する道路コーンWの設置及び回収をする場合には、進行方向左側の旋回移送機構D又は右側の他方の旋回移送機構Dにより行うことができ、進行方向左右両側位置で設置及び回収をすることができ、道路コーンWの設置及び回収の融通性を高めることができる。
【0036】
尚、本発明は上記実施の形態例に限られるものではなく、路面G、道路コーンW、軸線W1、移動車両A、荷台A1、貯留部B、受渡部C、旋回移送機構D、受渡位置T、設置回収位置SK、旋回部材1、往復旋回機構2、下部保持部材3、上部保持部材4、挟持機構5の数や形態、構造等は適宜変更して設計されるものである。
【0037】
また、上記実施の形態例においては、移動車両Aを連続的に進行して道路コーンWを連続的に設置回収するようにしているが、道路コーンWの設置回収位置SKに応じて、移動車両Aの進行及び停止を交互に繰り返し、移動車両Aを間欠的に進行して道路コーンWを設置又は回収することもある。
【0038】
以上、所期の目的を充分達成することができる。
【符号の説明】
【0039】
G 路面
W 道路コーン
W1 軸線
A 移動車両
A1 荷台
B 貯留部
C 受渡部
D 旋回移送機構
T 受渡位置
SK 設置回収位置
1 旋回部材
2 往復旋回機構
3 下部保持部材
3a 下部用軸
3b 下部用モータ
4 上部保持部材
4a 上部用筒軸
4b 上部用モータ
5 挟持機構
【要約】
【課題】対向一対の下部保持部材及び対向一対の上部保持部材の保持釈放動作を各別に行うことができ、道路コーンの各種の仕様に対する下部保持部材及び上部保持部材の保持釈放動作の融通性も向上することができ、道路コーンの下部保持部材及び上部保持部材の保持釈放動作を確実かつ安定的に行うことができ、挟持機構の構造を簡素化することができる。
【解決手段】対向一対の下部保持部材3・3及び対向一対の上部保持部材4・4をそれぞれ保持釈放動作させる挟持機構5として、旋回部材1に下部保持部材を保持釈放動作させる下部用軸3a・3a、及び、下部用軸が外嵌挿され、上部保持部材を保持釈放動作させる上部用筒軸4a・4aをそれぞれ道路コーンWの軸線方向に配設し、下部用軸を相互に異方向に正逆回転させる下部用モータ及び上部用筒軸を相互に異方向に正逆回転させる上部用モータを配設してなる。
【選択図】
図4