(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-05
(45)【発行日】2024-02-14
(54)【発明の名称】口座振替処理システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/14 20120101AFI20240206BHJP
G06Q 20/10 20120101ALI20240206BHJP
G06Q 40/02 20230101ALI20240206BHJP
【FI】
G06Q20/14
G06Q20/10 300
G06Q40/02
(21)【出願番号】P 2023125421
(22)【出願日】2023-08-01
【審査請求日】2023-08-16
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】501382487
【氏名又は名称】株式会社セブン銀行
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】片桐 倫和
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 建治
【審査官】永野 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-202431(JP,A)
【文献】特開2003-122922(JP,A)
【文献】特開2002-259875(JP,A)
【文献】特開平09-044578(JP,A)
【文献】特開2000-113076(JP,A)
【文献】特開2003-108893(JP,A)
【文献】特開2004-259011(JP,A)
【文献】特開2008-250824(JP,A)
【文献】特開2022-059409(JP,A)
【文献】特開2009-129097(JP,A)
【文献】特開2021-077336(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納機関への支払い代金を、ユーザが指定した金融機関の口座から引き落とす口座振替の設定に関する処理を行う口座振替処理システムであって、
前記収納機関から、前記収納機関を利用するユーザ
であって、前記口座振替の設定を行おうとする前記ユーザを特定するための収納機関ユーザ情報を取得する取得部と、
前記ユーザによる現金自動預払装置の操作に基づいて、前記現金自動預払装置から、前記ユーザの口座振替の設定を受け付けるとともに、前記ユーザの名義確認に必要となる名義関連情報を受け付ける受付部と、
前記収納機関ユーザ情報と前記名義関連情報とを比較することで、前記ユーザの名義が一致しているか否かを確認する確認部と、
前記名義の一致が確認できた場合に、前記金融機関に対して、前記ユーザによって指定された口座を利用した口座振替の設定を依頼する設定依頼部と、
を具備する口座振替処理システム。
【請求項2】
前記口座振替の設定依頼に応じて、前記金融機関によって前記ユーザの口座振替の設定が行われた場合に、前記収納機関に対して前記口座振替の設定完了を通知する通知部をさらに具備する、請求項1に記載の口座振替処理システム。
【請求項3】
前記受付部は、前記現金自動預払装置によって取得される、前記ユーザが指定した金融機関の口座に関するキャッシュカードの券面に表示されている情報を、前記名義関連情報として受け付ける、請求項2に記載の口座振替処理システム。
【請求項4】
前記収納機関ユーザ情報は、少なくとも前記収納機関を特定するための収納機関コードと、前記ユーザを特定するための識別番号と、前記ユーザの名前をあらわすユーザ名とを含み、
前記名義関連情報は、少なくとも前記キャッシュカードの口座の名義人名を含む、請求項3に記載の口座振替処理システム。
【請求項5】
収納機関への支払い代金を、ユーザが指定した金融機関の口座から引き落とす口座振替の設定に関する処理を行うコンピュータを、
前記収納機関から、前記収納機関を利用する前記ユーザ
であって、前記口座振替の設定を行おうとする前記ユーザを特定するための収納機関ユーザ情報を取得する取得部と、
前記ユーザによる現金自動預払装置の操作に基づいて、前記現金自動預払装置から、前記ユーザの口座振替の設定を受け付けるとともに、前記ユーザの名義確認に必要となる名義関連情報を受け付ける受付部と、
前記収納機関ユーザ情報と前記名義関連情報とを比較することで、前記ユーザの名義が一致しているか否かを確認する確認部と、
前記名義の一致が確認できた場合に、前記金融機関に対して、前記ユーザによって指定された口座を利用した口座振替の設定を依頼する設定依頼部と、
して機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口座振替処理システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
毎月の公共料金や各種サービスの利用料金を、利用者が指定した金融機関の口座から自動的に引き落とす、口座振替が広く利用されている。口座振替を利用するためには、利用者が、口座振替依頼書等に必要事項を記入し、指定した口座に関わる届出印などを押印して、料金の支払先となる企業などの収納機関(収納代行機関を含む)に提出するのが一般的である。
【0003】
収納機関に提出した預金口座振替依頼書の一部は、利用者が指定した銀行口座の金融機関などに送付され、当該金融機関で口座振替の設定(登録)が行われるため、通常事務処理手続きが完了するまでに多くの時間(1~2か月程度)を要する、という問題がある。
【0004】
このような問題を解消するべく、利用者が携帯端末やパーソナルコンピュータなどを操作してインターネットバンキングにアクセスし、口座振替の設定を行う口座振替契約システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、利用者が端末操作に不慣れな場合等には、Web上で口座振替の設定を完了させることができず、手続きから離脱してしまう、という問題があった。
【0007】
本発明は以上説明した事情を鑑みてなされたものであり、口座振替の設定を迅速かつ容易に行うことが可能な口座振替処理システム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一実施形態に係る口座振替処理システムは、収納機関への支払い代金を、ユーザが指定した金融機関の口座から引き落とす口座振替の設定に関する処理を行う口座振替処理システムであって、収納機関から、収納機関を利用するユーザを特定するための収納機関ユーザ情報を取得する取得部と、ユーザによる現金自動預払装置の操作に基づいて、現金自動預払装置から、ユーザの口座振替の設定を受け付けるとともに、ユーザの名義確認に必要となる名義関連情報を受け付ける受付部と、収納機関ユーザ情報と名義関連情報とを比較することで、ユーザの名義が一致しているか否かを確認する確認部と、名義の一致が確認できた場合に、金融機関に対して、ユーザによって指定された口座を利用した口座振替の設定を依頼する設定依頼部と、を具備することを要旨とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、口座振替の設定を迅速かつ容易に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの概略を示す図である。
【
図2】情報処理システムを利用して口座振替の設定を行う場合の動作の流れを例示する説明図である。
【
図6】口座振替の設定動作の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0012】
A.本実施形態
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理システムの概略を示す図である。
図1に示すように、情報処理システム1000は、ユーザが口座振替の設定のために操作するATM(現金自動預払装置)100と、ユーザからの要求に応じて口座振替の設定に関わる処理を実行する口座振替処理システム200と、ユーザの預金口座などを保有するとともに、口座振替の設定依頼を受け付ける銀行などが運営する金融機関システム300と、利用料金の支払先となる企業などが運営する収納機関システム400とを備えて構成される。なお、ATM100は、コンビニエンスストア、小売店、空港、駅など様々な場所に設置され得る。
【0013】
ATM100、口座振替処理システム200、金融機関システム300、収納機関システム400は、それぞれ通信ネットワークNを介して相互接続されている。通信ネットワークNは、例えば、インターネット、LAN、電話回線、企業内ネットワーク、移動体通信網、ブルートゥース(登録商標)、WiFi(Wireless Fidelity)、その他の通信回線、それらの組み合わせ等のいずれであってもよく、有線であるか無線であるかを問わない。
【0014】
口座振替処理システム200、金融機関システム300、収納機関システム400は、例えば汎用的なサーバコンピュータであり、1台のコンピュータで構成されていてもよいし、通信ネットワークNに分散する複数のコンピュータから構成されてもよい。各システム200,300,400を構成するコンピュータは、一般的なコンピュータのハードウェアと同様、CPU等を備えた制御装置、半導体メモリ等を備えた記憶装置、タッチパネルやマウス等からなる入力装置、様々な通信インタフェースを備えた通信装置などを含んで構成される。
【0015】
口座振替処理システム200は、制御装置などのハードウェア資源が記憶装置に格納された各種ソフトウェアと協働することによって、記憶部210、取得部220、受付部230、確認部240、設定依頼部250、通知部260などの機能を実現する。
【0016】
図2は、情報処理システム1000を利用して口座振替の設定を行う場合の動作の流れを例示する説明図である。
収納機関への料金の支払いについて、口座振替を希望するユーザは、ユーザ端末(例えば、スマートフォンやパーソナルコンピュータなど)を利用して収納機関システム400へアクセスし、収納機関が保有している当該ユーザの支払い内容に関する情報(以下、収納機関ユーザ情報)の提供を要求する。収納機関ユーザ情報は、例えば収納機関を特定するための収納機関コード、ユーザを特定するためのお客様番号、ユーザ名、携帯電話番号の全部(または一部)が挙げられるが、もちろんこれらに限られない。
【0017】
収納機関システム400は、ユーザ端末から収納機関ユーザ情報の要求を受け取ると、かかる要求に含まれるユーザ識別情報(例えば、ユーザの名前など)を検索キーとしてお客様データベース(図示略)を検索し、当該ユーザの収納機関ユーザ情報を取得する。収納機関システム400は、取得した収納機関ユーザ情報(ここでは、収納機関コード及びお客様番号を含む情報を想定)をQRコード(登録商標)などの二次元コードに変換し、ユーザ端末宛てに送信する(ステップS1)。なお、本実施例では、二次元コード化された収納機関ユーザ情報をユーザの端末宛てに送信しているが、これに代えて二次元コード化された収納機関ユーザ情報を紙に印字し、ユーザ宛てに郵送してもよい。また、二次元コードの代わりに一次元コード(バーコード)を利用してもよい。
【0018】
さらに、収納機関システム400は、口座振替を希望するユーザの個人情報(ここでは、収納機関ユーザ情報)を口座振替処理システム200に連携するべく、収納機関ユーザ情報を口座振替処理システム200に送信する(ステップS2)。口座振替処理システム200は、収納機関システム400から収納機関ユーザ情報を受信(取得)すると、これを記憶部210に格納する。
【0019】
一方、ユーザ端末を介して二次元コード化された収納機関ユーザ情報を受け取ったユーザは、例えば最寄りのコンビニエンスストアに赴き、買い物ついでにコンビニエンスストアに設置されているATM100を操作して口座振替の設定を行う。
【0020】
図3は、ATM100の外観を示す図である。
ATM100は、メイン表示部101、キャッシュカード(デビットカードも含む)等の磁気カードを受け付けるカード読取部102、紙幣の入出金を行う紙幣入出金部103、ユーザが操作する操作部104、コード読取部105、光学スキャン部106、置き台107、サブ表示部108、非接触IC通信部109、カメラ110を備えている。
【0021】
メイン表示部101は、例えば、液晶ディスプレイ等の表示手段と、ユーザからの入力を受け付けるタッチパネル等の入力手段とを有する。表示手段にユーザの操作を誘導する画面や入力キーを表示し、この入力キーをユーザがタッチパネル上から押下することにより、入力キーに対応する情報を入力することができる。なお、ユーザは、メイン表示部101に表示される入力手段の代わりに、操作部104の入力手段(テンキー等)を操作しても同様の情報を入力することができる。
【0022】
コード読取部105は、例えばコードリーダであって、コード読取部105の直下にかざされたユーザ端末に表示される二次元コードなどを読み取ることができる。
光学スキャン部106は、例えばイメージスキャナであって、置き台107に載置されたキャッシュカードやICカード等の券面に添付された写真や文字を画像としてスキャンすることができる。置き台107は、地面に対して略水平な表面を有しており、光学スキャン部106は、手振れ等による影響を受けることなく、一定品質の画像を得ることができる。
【0023】
サブ表示部108は、例えば、液晶ディスプレイ等の表示手段を有し、置き台107の表面に設置されている。サブ表示部108は、表示手段のみを有していてもよいし、メイン表示部101と同様に、表示手段に加えて入力手段を有していてもよい。サブ表示部108には、例えば、光学スキャン部106によって読み取られるキャッシュカードやICカード等を載置する位置をガイドする画面を表示するようにしてもよい。これにより、ATM100における操作に不慣れなユーザであっても、迷うことなくスムーズに操作を行うことができる。
【0024】
非接触IC通信部109は、例えば非接触ICリーダライタであって、置き台107の内部に設置されている。非接触IC通信部109は、ICカード等に搭載された非接触ICチップと非接触通信を行い、非接触ICチップに記憶される情報の読み取りや書き込みを行うことができる。非接触IC通信部109は、ICカード等が置き台107に載置されることにより、非接触ICチップと通信を行うことができる。
【0025】
カメラ110は、動画または静止画を撮影することができるカメラ装置である。カメラ110は、ATM10を操作するユーザの顔画像が撮影できるように設置されている。
【0026】
図4A~
図4G及び
図5は、ATM100を利用した口座振替の手続きの流れを説明するためのATM画面のイメージ図である。
【0027】
口座振替を希望するユーザは、ATM100を操作し、口座振替を希望する旨の入力を行う。ATM100は、かかる操作を受け付けると、二次元コードの読み取りに関する案内画面P0をメイン表示部101に表示する(
図4A参照)。ユーザは、案内画面P0に従って二次元コード化された収納機関ユーザ情報を自身の端末の表示画面に表示し、これをATM100のコード読取部105の直下にかざす。ATM100は、二次元コード化された収納機関ユーザ情報を取得すると、取得した収納機関ユーザ情報に基づき、ユーザが利用している収納機関のサービスに関して、口座振替を設定するための案内画面P1をメイン表示部101に表示する(
図4B参照)。
【0028】
ユーザは、ATM100のタッチパネルを操作することで、次に進むボタンB1を押下する。ATM100は、かかる操作を受け付けると、支払口座に設定する銀行のキャッシュカードをカード読取部102に挿入すべき旨の案内画面P2をメイン表示部101に表示する(
図4C参照)。
【0029】
ユーザは、案内画面P2に従って支払口座に設定する銀行のキャッシュカードをカード読取部102に挿入する。ATM100は、キャッシュカードが挿入されたことを検知すると、キャッシュカードの暗証番号(PIN)を入力すべき旨の案内画面P3をメイン表示部101に表示する(
図4D参照)。
【0030】
ユーザは、案内画面P3に従って暗証番号を入力する。ATM100は、挿入されたキャッシュカードから支払口座の口座番号を取得するとともに、当該キャッシュカードの暗証番号を取得すると、口座振替の設定内容(例えば、収納機関コード、お客様番号、口座振替を設定する銀行名、支払口座の口座番号、ユーザ名など)をユーザに確認させるための案内画面P4をメイン表示部101に表示する(
図4E参照)。
【0031】
ユーザは、案内画面P4を参照し、口座振替の設定内容に問題ないことを確認すると、確認ボタンB2を押下する。ATM100は、かかる操作を受け付けると、口座振替の設定を受け付けた旨の画面をメイン表示部101に表示するとともに、口座振替の設定内容をあらわす明細票などを出力する。
【0032】
このように、ユーザは、口座振替の設定を行う際、ATM100の案内画面に従って、支払口座に設定する銀行のキャッシュカードを挿入し、暗証番号を入力するという極めて簡単な操作で完了することができるため、操作が煩雑なために手続きから離脱してしまう、といった問題を抑制することが可能となる。
【0033】
さらに、ATM100は、口座振替処理システム200においてユーザの名義確認ができるように、キャッシュカードの券面スキャン(撮影)を促す案内画面P5をメイン表示部101に表示する(
図4F参照)。
【0034】
ユーザは、案内画面P5に従ってキャッシュカードを置き台107に載置し、撮影ボタンB3を押下する。ATM100は、撮影ボタンB3が押下されたことを検知すると、光学スキャン部106を起動し、キャッシュカードの券面に表示されている内容(具体的には、キャッシュカードの口座の名義人名など)をスキャンする。
【0035】
そして、ATM100は、口座振替の設定内容をあらわす口座振替設定情報を、口座振替処理システム200に送信するとともに(ステップS3)、スキャンしたキャシュカードの券面に表示されている情報を、名義関連情報(イメージファイル)として口座振替処理システム200に送信する(ステップS4)。
【0036】
口座振替処理システム200は、ATM100から名義関連情報を受信(取得)すると、OCR処理などを施し、名義関連情報をテキストデータに変換する。口座振替処理システム200は、このようにして取得した名義関連情報と、記憶部210に格納されている収納機関ユーザ情報とを比較することで、キャッシュカードの口座の名義人と収納機関に登録されているユーザが一致しているか否か(すなわち、ユーザの名義が一致しているか否か)を判断する(ステップS5)。
【0037】
以下の説明では、口座振替処理システム200が、
図5に示すように名義関連情報に含まれるキャッシュカードの口座の名義人名と、収納機関ユーザ情報に含まれるユーザ名とを比較(照合)して、リアルタイムで名義人一致確認を行う態様を例示するが、これに限る趣旨ではない。BPO企業などに委託して、人手によって名義人一致確認を行うようにしてもよい。この場合、BPO企業の担当者が、口座処理システム200を介して取得したユーザの名義関連情報(イメージファイル)と、収納機関から取得した収納機関ユーザ情報(例えば、ユーザ名)とを目視チェックすることで、名義人一致確認すればよい。BPO企業は、担当者から名義人一致確認の結果を受け取ると、これを口座振替処理システム200に通知する。なお、人手によって名義人一致確認を行う場合には、キャッシュカードの券面に表示されているユーザの名義関連情報を、イメージファイルのまま(すなわち、テキスト化することなく)目視チェックしてもよいが、OCR処理を施すことでテキスト化してから目視チェックしてもよい。
また、名義人一致確認を行う際は、ユーザ名を確認するだけでなく、例えばユーザがATM100に挿入したキャシュカードの口座番号と、ATM100の光学スキャン部106においてスキャンされた口座番号とを比較し、口座番号が一致しているか否か、あわせて確認してもよい。
【0038】
口座振替処理システム200は、ユーザの名義が一致していると判断すると、当該ユーザによる口座振替の設定要求に応じて、金融機関システム300に口座振替の設定依頼を行う(ステップS6)。具体的に、口座振替処理システム200は、ATM100から取得した口座振替設定情報を、口座振替の設定依頼に含めて金融機関システム300に送信する。金融機関システム300は、口座振替処理システム200からの口座振替の設定依頼に基づいて、口座振替の設定手続き(例えば、収納機関への支払い代金を、ユーザが指定した銀行の口座から引き落とすための手続きなど)を行う。金融機関システム300は、口座振替の設定手続きが完了すると、口座振替処理システム200に対して口座振替の設定が完了した旨を通知する。
【0039】
口座振替処理システム200は、金融機関システム300から口座振替の設定が完了した旨の通知を受け取ると、収納機関システム400に対し、口座振替の設定完了を通知する(ステップS7)。なお、口座振替処理システム200は、ユーザのお客様番号や口座振替のために設定された銀行の口座番号などを、口座振替の設定完了通知に含めるようにしてもよい。
【0040】
次に、口座振替処理システム200によって実行される口座振替の設定動作の流れについて、
図6を参照しながら説明する。
収納機関システム400は、口座振替を希望するユーザ宛てに二次元コード化された収納機関ユーザ情報を送信すると、当該ユーザの個人情報を口座振替処理システム200に連携するべく、収納機関ユーザ情報を口座振替処理システム200に送信する。
【0041】
口座振替処理システム200の取得部220は、収納機関システム400から収納機関ユーザ情報を受信(取得)すると、これを記憶部210に格納する(ステップS101)。
一方、ユーザは、ATM100を操作することで口座振替の設定を行うとともに、名義確認に必要となるキャッシュカードの券面スキャンなどを行う(
図4A~
図4F参照)。
【0042】
口座振替処理システム200の受付部230は、ATM100から、口座振替の設定内容をあらわす口座振替設定情報を受信するとともに、名義確認に必要となるキャッシュカードの券面に表示されている名義関連情報(イメージファイル)を受信する(ステップS102→ステップS103)。
【0043】
口座振替処理システム200は、ATM100から受信した名義関連情報にOCR処理などを施し、名義関連情報をテキストデータに変換する。口座振替処理システム200の確認部240は、名義関連情報をテキストデータに変換すると、これを記憶部210に格納されている収納機関ユーザ情報と比較することで、ユーザの名義が一致しているか否かを判断(確認)する(ステップS104)。なお、既に説明したように、口座振替処理システム200を利用してリアルタイムで名義人一致を確認する代わりに、人手を介して目視チェックにより名義人一致を確認してもよい。
【0044】
口座振替処理システム200は、ユーザの名義が一致していないと判断すると(ステップS104:NO)、ATM100に対してユーザの名義が一致していない旨を通知する(ステップS105)。かかる通知を受け取ると、ATM100は、メイン表示部101に対し、名義不一致のために口座振替の設定が受け付けられない旨のメッセージを表示する。ユーザは、メイン表示部101に表示されたメッセージを確認すると、キャッシュカードの券面を再スキャンするなどして口座振替の設定手を継続する。なお、所定回数以上連続してユーザの名義が一致していないことが確認された場合には、口座振替の設定を強制終了してもよい。これにより、なりすましなどによるユーザの預金口座の不正利用を未然に防止することができる。
【0045】
一方、口座振替処理システム200の設定依頼部250は、ユーザの名義が一致していると判断すると(ステップS104:YES)、ATM100から取得した口座振替設定情報を、口座振替の設定依頼に含めて金融機関システム300に送信することで、金融機関システム300に口座振替の設定依頼を行う(ステップS106)。金融機関システム300は、口座振替の設定依頼に基づいて、口座振替の設定手続きを行うと、口座振替処理システム200に対して口座振替の設定が完了した旨を通知する。
【0046】
口座振替処理システム200の通知部260は、金融機関システム300から口座振替の設定が完了した旨の通知を受け取ると、収納機関システム400に対して口座振替の設定完了を通知し(ステップS107)、処理を終了する。
【0047】
以上説明したように、本実施形態によれば、ユーザは口座振替の設定を行う際、ATM100の案内画面に従って支払口座に設定する銀行のキャッシュカードを挿入し、暗証番号を入力する、という極めて簡単な操作で完了することができる。このため、Web上で口座振替の設定を行う場合の問題点、すなわち、Web操作に不慣れなユーザが手続きから離脱してしまう等の問題を未然に抑制することができる。
【0048】
さらに、本実施形態によれば、Web操作によって情報入力する必要がないため、Webから個人情報が漏洩してしまうリスクを低減することができ、セキュリティ面に不安を抱いているユーザも安心して口座振替の設定を行うことができる。
【0049】
B.変形例
<変形例1>
本実施形態では、キャッシュカードの券面をスキャンして得られる名義関連情報を利用して、ユーザの名義が一致しているか否かを確認したが、これに限る趣旨ではない。例えば、本人確認のためにATM100のカメラ110を利用して、ユーザの顔画像を撮影し、これを履歴情報として口座振替処理システム200の記憶部210などに格納しておくようにしてもよい。この場合は、ユーザの名義確認まではできないものの、本人確認を行うことで、なりすましなどの不正利用を一定程度抑止する効果が期待できる。なお、ユーザの顔画像を撮影する代わりに(あるいは加えて)、ユーザの本人確認書類(例えば、運転免許証やマイナン バーカードなど)を撮影してもよい。また、本人確認を行う際には、収納機関システム400から取得した収納機関ユーザ情報をもとに本人確認画面P6を生成し、これをATM100のメイン表示部101に表示するようにしてもよい(
図4G参照)。
【0050】
<変形例2>
本実施形態では、収納機関ユーザ情報をQRコードなどの二次元コードに変換し、ユーザ端末宛てに送信(発行)するスキームについて説明したが(
図2等参照)、これに限る趣旨ではない。例えば、二次元コードに埋め込む内容(すなわち、収納機関ユーザ情報)を、ユーザがATM100を直接操作して選択・入力するといったスキームを採用してもよい。一例を挙げて説明すると、口座振替を希望するユーザは、まず、ATM100をタッチ操作するなどして、口座振替を希望する旨を入力する(例えば、口座振替サービスボタンの押下など)。ATM100は、かかる操作を受け付けると、口座振替の対象とすべき収納機関を選択するための案内画面を表示する。ユーザは、ATM100を操作することで、案内画面に従って収納機関の選択などを行う。ATM100は、かかる操作を受け付けると、収納機関を利用している当該ユーザを特定するためのキー情報(例えば、お客様番号など)の入力を促す案内画面を表示する。なお、キー情報に関しては、お客様番号に限られず、ユーザの氏名や住所、携帯電番号などであってもよい。また、キー情報の入力を求める代わりに(あるいは加えて)、収納機関に関わる何等かの書類(例えば、ユーザの払込票や、サービス利用開始案内書など)の提示を求め、光学スキャン部106が当該書類をスキャンすることで、キー情報を取得できるようにしてもよい。ATM100がキー情報を取得した後の動作(すなわち、ユーザによるキャッシュカードの挿入や暗証番号の入力など)は、本実施形態と同様に説明することができるため、これ以上の説明は割愛する。
【0051】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、他の様々な形で実施することができる。このため、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。例えば、上述した各処理ステップは処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更し、または並列に実行することができる。また、本実施形態では、収納機関と金融機関の間に収納代行企業が存在する場合について特に言及しなかったが、収納代行企業が存在する場合も同様に適用可能である。この場合、二次元コードに収納代行企業の代行機関コードを含めたり、ATM100の画面に代行機関コードを追加表示するなどして対応すればよい。
【符号の説明】
【0052】
1000…情報処理システム、100…ATM、200…口座振替処理システム、210…記憶部、220…取得部、230…受付部、240…確認部、250…設定依頼部、260…通知部、300…金融機関システム、400…収納機関システム
【要約】
【課題】口座振替の設定を迅速かつ容易に行うことを可能とする。
【解決手段】収納機関処理システムは、収納機関から、収納機関を利用するユーザを特定するための収納機関ユーザ情報を取得する取得部と、ユーザによる現金自動預払装置の操作に基づいて、現金自動預払装置から、ユーザの口座振替の設定を受け付けるとともに、ユーザの名義確認に必要となる名義関連情報を受け付ける受付部と、収納機関ユーザ情報と名義関連情報とを比較することで、ユーザの名義が一致しているか否かを確認する確認部と、名義の一致が確認できた場合に、金融機関に対して、ユーザによって指定された口座を利用した口座振替の設定を依頼する設定依頼部と、を備える。
【選択図】
図2