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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-05
(45)【発行日】2024-02-14
(54)【発明の名称】コージェネレーションシステム
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04694 20160101AFI20240206BHJP
   H01M 8/00 20160101ALI20240206BHJP
   H01M 8/043 20160101ALI20240206BHJP
   H01M 8/04664 20160101ALI20240206BHJP
   H01M 8/04955 20160101ALI20240206BHJP
   H01M 8/10 20160101ALN20240206BHJP
   H01M 8/12 20160101ALN20240206BHJP
【FI】
H01M8/04694
H01M8/00 Z
H01M8/043
H01M8/04664
H01M8/04955
H01M8/10 101
H01M8/12 101
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019196060
(22)【出願日】2019-10-29
(65)【公開番号】P2021072165
(43)【公開日】2021-05-06
【審査請求日】2022-09-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000109026
【氏名又は名称】ダイニチ工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100075557
【弁理士】
【氏名又は名称】西教 圭一郎
(72)【発明者】
【氏名】川上 将史
(72)【発明者】
【氏名】小黒 裕希
(72)【発明者】
【氏名】香田 淳也
【審査官】藤森 一真
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-191949(JP,A)
【文献】特開2019-046572(JP,A)
【文献】特開2015-075256(JP,A)
【文献】特開2008-164191(JP,A)
【文献】特開2011-210684(JP,A)
【文献】特開2010-014373(JP,A)
【文献】国際公開第2012/114391(WO,A1)
【文献】特開2018-170950(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24D 18/00
F24H 1/00
F24H 1/18 - 1/20
F24H 4/00 - 4/06
H01M 8/00 - 8/2495
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のモードで運転されて、需要家に電力を供給する燃料電池を備える燃料電池装置と、
前記燃料電池の発電により生じる排熱を利用する排熱利用装置と、を有するコージェネレーションシステムであって、
前記燃料電池装置と前記排熱利用装置との間で通信を行う通信手段と、
前記通信手段による通信の成立、不成立を判定する通信判定部と、
前記燃料電池装置の動作を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記通信判定部が、通信が不成立と判定した場合に前記燃料電池装置の動作モードを判定する動作判定制御を実行し、
前記燃料電池装置が第1モードである場合には、前記燃料電池の運転を停止させ、前記燃料電池装置または前記排熱利用装置のメンテナンスを実行する際に選択される第2モードである場合には、前記燃料電池装置または前記排熱利用装置の単独運転の可否を判定する単独運転判定制御を実行するコージェネレーションシステム。
【請求項2】
前記第2モードは、前記燃料電池装置が前記排熱利用装置のメンテナンスを実行する際に選択される第3モードを含んでおり、
前記制御装置は、前記燃料電池装置が第3モードの場合に、前記単独運転判定制御を実行して前記燃料電池装置の単独運転を許可する請求項記載のコージェネレーションシステム。
【請求項3】
前記燃料電池装置の前記第1モードでは、定格出力で発電を行なう定格運転と、需要家の要求電力に基づいて発電量を制御する負荷追従運転とを選択実行可能であり、
前記制御装置は、前記通信判定部が、通信は不成立と判定した際に前記燃料電池装置が第3モードであった場合、前記第1モードで選択された運転を実行する請求項記載のコージェネレーションシステム。
【請求項4】
前記第2モードは、前記燃料電池装置が前記燃料電池装置のメンテナンスを実行する際に選択される第4モードを含んでおり、
前記制御装置は、前記燃料電池装置が第4モードの場合に、
前記排熱利用装置の単独運転を許可する請求項記載のコージェネレーションシステム。
【請求項5】
前記燃料電池装置と通信可能であり、前記燃料電池装置の外部から発電開始を指示することができるリモコン装置をさらに備え、
前記リモコン装置は、前記通信判定部が、通信が不成立と判定した際に前記燃料電池装置が第4モードであった場合、前記発電開始の表示を行なわない、または発電開始の操作を受け付けないことを表示するもしくは前記発電開始の操作を受け付けない請求項記載のコージェネレーションシステム。
【請求項6】
前記燃料電池装置の内部に前記燃料電池装置の動作モードを設定可能な操作部をさらに備え、
前記第2モードは前記操作部からのみ設定可能である請求項記載のコージェネレーションシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、燃料電池装置と前記燃料電池装置の発熱により生じる排熱を利用する排熱利用装置とを有するコージェネレーションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
燃料ガスと空気とを用いて発電を行なう燃料電池を備える燃料電池装置と、燃料電池装置より排出される排熱を回収し、その排熱を出湯に利用する貯湯装置と、を備えるコージェネレーションシステムが知られている(例えば、特許文献1参照。)。このようなコージェネレーションシステムにおいては、燃料電池装置と貯湯装置との間で相互に通信を行うための通信手段を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-14373号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
燃料電池装置と貯湯装置は相互に通信を行いながら運転しているため、一方のメンテナンス等により、意図して発生する通信遮断の場合に、メンテナンス等を実施しない他方は正常な運転が可能な状態であるにも関わらず、燃料電池装置と貯湯装置の両方の運転停止がおこなわれる虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一態様であるコージェネレーションシステムは、
複数のモードで運転されて、需要家に電力を供給する燃料電池を備える燃料電池装置と、
前記燃料電池の発電により生じる排熱を利用する排熱利用装置と、を有するコージェネレーションシステムであって、
前記燃料電池装置と前記排熱利用装置との間で通信を行う通信手段と、
前記通信手段による通信の成立、不成立を判定する通信判定部と、
前記燃料電池装置の動作を制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記通信判定部が、通信が不成立と判定した場合に前記燃料電池装置の動作モードを判定する動作判定制御を実行し、
前記燃料電池装置が第1モードである場合には、前記燃料電池の運転を停止させ、前記燃料電池装置または前記排熱利用装置のメンテナンスを実行する際に選択される第2モードである場合には、前記燃料電池装置または前記排熱利用装置の単独運転の可否を判定する単独運転判定制御を実行する。
【発明の効果】
【0006】
本開示のコージェネレーションシステムによれば、燃料電池装置、または排熱利用装置の不必要な運転停止を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示の一実施形態に係るコージェネレーションシステムの構成図である。
図2】コージェネレーションシステムの動作を説明するためのフローチャートである。
図3】コージェネレーションシステムの動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を用いて本開示の実施形態に係るコージェネレーションシステムについて説明する。図1は、実施形態に係るコージェネレーションシステムの概略的構成を示す図である。
【0009】
実施形態のコージェネレーションシステム200は、燃料電池装置100と排熱利用装置50を含む構成である。
【0010】
実施形態の燃料電池装置100は、燃料ガスと酸素含有ガスとを用いて発電を行なう燃料電池11を備える。燃料電池11は、複数の燃料電池セルを含むセルスタック構造を有していてもよい。また、下記の説明においては、燃料電池セルとして固体酸化物形の燃料電池セルを有する燃料電池11を用いて説明するが、例えば固体高分子形や、リン酸形等各種タイプを用いることができる。
【0011】
燃料電池装置100は、収納容器10内に収容された燃料電池11および燃料電池11に供給する燃料ガスを生成する改質器12を含むモジュール1を備える。改質器12は、天然ガス、LPガス等の原燃料ガスを改質し、燃料ガスを生成する。また、燃料電池装置100は、改質器12に原燃料ガスを供給する原燃料供給装置Gと、燃料電池11に酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給装置Fを含む、燃料電池11の発電運転を補助するための補機を備える。なお、例えば、燃料電池セルとして固体高分子形を用いる場合には、改質器を別体として設けてもよい。
【0012】
燃料電池装置100は、また、モジュール1の排熱と熱媒との熱交換を行う第1熱交換器2および熱媒を貯留する蓄熱タンク3とを備える。なお、改質器を別体として設ける場合には、改質器からの排熱と熱媒との熱交換を行う熱交換器および熱媒を貯留する蓄熱タンクを設けてもよい。モジュール1から排出される排ガス(排熱)は、第1熱交換器2において、第1熱交換器2内を流れる熱媒と熱交換する。この際、排ガスに含まれる水分が結露して、凝縮水が生じ、生じた凝縮水は改質器12に供給され、改質水として改質器12における水蒸気改質反応に用いられる。水分が取り除かれた排ガスは、排ガス流路Eを介して、外部に排気される。
【0013】
燃料電池装置100は、第一循環経路HC1を備えている。第一循環経路HC1は、蓄熱タンク3と第1熱交換器2との間で熱媒が循環する経路である。第一循環経路HC1は、蓄熱タンク3と第1熱交換器2とを繋ぎ、熱媒が流過する配管を有している。第一循環経路HC1には、熱媒を循環させる循環ポンプや、熱媒を冷却する放熱器が設けられていてもよい。
【0014】
また、燃料電池装置100は、外部に供給する上水を加熱するための第二循環経路HC2を備えている。第二循環経路HC2は、第2熱交換器4と蓄熱タンク3との間で熱媒が循環する経路であり、第2熱交換器4で加熱された上水は排熱利用装置50に供給される。排熱利用装置50は例えば給湯器である。なお、蓄熱タンク3の熱媒を直接排熱利用装置50にて利用する構成であってもよい。
【0015】
また、燃料電池装置100は、燃料電池各部の温度を計測する温度センサ、サーミスタ等の温度計測器または温度計(図示省略)等を複数備えることもできる。
【0016】
燃料電池装置100は、燃料電池11の発電運転を補助するための補機として、パワーコンディショナ20、制御装置30を備える。また、制御装置30には、燃料電池装置100と排熱利用装置50との間で通信を行う通信手段52、通信手段52による通信の成立を判定する通信判定部53をさらに備える。
【0017】
制御装置30は、少なくとも1つのプロセッサおよび記憶装置等を含み、以下に詳細に述べるように、種々の機能を実行するための制御および処理能力を提供する。
【0018】
種々の実施形態によれば、少なくとも1つのプロセッサは、単一の集積回路として、または、複数の通信可能に接続された集積回路および/もしくはディスクリート回路として、実行されてもよい。少なくとも1つのプロセッサは、種々の既知の技術にしたがって実行されることが可能である。
【0019】
1つの実施形態において、プロセッサは、たとえば、関連するメモリに記憶された指示を実行することによって1以上のデータ計算手続または処理を実行するように構成された、1以上の回路またはユニットを含む。他の実施形態において、プロセッサは、1以上のデータ計算手続きまたは処理を実行するように構成された、ファームウェア、たとえばディスクリートロジックコンポーネントであってもよい。
【0020】
種々の実施形態によれば、プロセッサは、1以上のプロセッサ、コントローラ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路、デジタル信号処理部、プログラマブルロジックデバイス、フィールドプログラマブルゲートアレイ、または、これらのデバイスもしくは構成の任意の組み合わせ、または、他の既知のデバイスおよび構成の組み合わせ、を含み、以下に説明される機能を実行してもよい。
【0021】
制御装置30は、記憶装置および表示装置(ともに図示省略)と、燃料電池装置100を構成する各種構成部品および各種センサと接続され、これらの各機能部をはじめとして、燃料電池装置100の全体を制御および管理する。制御装置30は、それに付属する記憶装置に記憶されているプログラムを取得して、このプログラムを実行することにより、燃料電池装置100の各部に係る、種々の機能を実現する。
【0022】
制御装置30から、他の機能部または装置に制御信号または各種の情報などを送信する場合、制御装置30と他の機能部とは、有線または無線により接続されていればよい。制御装置30が行う、実施形態に特徴的な制御については、後記で説明する。なお、実施形態において、制御装置30は特に、燃料電池に繋がる外部装置の指示、指令や、先に述べた各種センサの指示や計測値に基づいて、各種補機を制御する。図では、制御装置30と、燃料電池を構成する各装置および各センサとを結ぶ接続線の図示を、省略している場合がある。
【0023】
図示しない記憶装置は、プログラムおよびデータを記憶できる。記憶装置は、処理結果を一時的に記憶する作業領域としても利用してもよい。記憶装置は、記録媒体を含む。記録媒体は、半導体記憶媒体、および磁気記憶媒体等の任意の非一時的(non-transitory)な記憶媒体を含んでよい。また、記憶装置は、複数の種類の記憶媒体を含んでいてもよい。記憶装置は、メモリカード、光ディスク、または光磁気ディスク等の可搬の記憶媒体と、記憶の読み取り装置との組合せを含んでいてもよい。記憶装置は、RAM(Random Access Memory)等の一時的な記憶領域として利用される記憶デバイスを含んでいてもよい。
【0024】
なお、燃料電池装置100の制御装置30および記憶装置は、燃料電池装置100の外部に有する構成として実現することもできる。さらに、本開示に係る制御装置30における特徴的な制御工程を含む制御方法として実現したり、上記工程をコンピュータに実行させるための制御プログラムとして実現したりすることも可能である。
【0025】
本開示の燃料電池装置100は、定格出力で発電を行なう定格運転と、需要家の要求電力に基づいて発電量を制御する負荷追従運転とを、選択して実行可能である。また、燃料電池装置100は発電または停止に関わらず、主電源が入っている場合に排熱利用装置50と通信をおこない、排熱利用装置50も同様に、主電源が入っている場合に燃料電池装置100と通信をおこなう。
【0026】
燃料電池装置100と排熱利用装置50は、予め設定された電文を送受信することで相互に通信をおこなっている。燃料電池装置100側の通信手段52aは、燃料電池11の発電状態をはじめとする種々の電文を排熱利用装置50に送信する。燃料電池装置100から電文を受信した排熱利用装置50側の通信手段52bは、給湯要求をはじめとする種々の電文を燃料電池装置100に送信する。排熱利用装置50から電文を受信した燃料電池装置100は再度電文の送信をおこなう。
【0027】
通信判定部53は、燃料電池装置100と排熱利用装置50の間で送受信されている電文に基づいて通信の成立および不成立を判定する。設定されていない電文の送受信があった場合や、電文の欠落があった場合、所定時間経過しても電文の送受信がおこなわれなかった場合などが通信の不成立として例示できる。なお、通信不成立の判定基準は前述に限定されるものではなく、別の判定基準を設けてもよい。
【0028】
制御装置30は、通信判定部53が通信不成立と判定した場合に、燃料電池装置100の動作モードを判定する動作判定制御を実行し、燃料電池装置100が第1モードである場合には、燃料電池11の運転を停止させる。また、第1モードとは異なる第2モードである場合には、燃料電池装置100または排熱利用装置50の単独運転の可否を判定する単独運転判定制御を実行する。
【0029】
第2モードは、燃料電池装置100または排熱利用装置50のメンテナンスを実行する際に選択されるモードである。また、第1モードはメンテナンスに関わる第2モードが選択されていない、いわゆる通常の発電モードである。なお、第1モードでは前述の定格運転と負荷追従運転のいずれかが選択実行可能に構成されている。制御装置30は、通信判定部53が通信不成立と判定した場合に、燃料電池装置100の動作モードを判定することで、通信遮断(通信異常)がメンテナンスにより意図して発生したものか否かを判定する。
【0030】
燃料電池装置100がメンテナンスによらない第1モードである場合、燃料電池装置100もしくは排熱利用装置50の異常に起因して発生した意図せぬ通信異常であるため、燃料電池11の破損等を抑制するために運転を停止する。一方、燃料電池装置100がメンテナンスによる第2モードである場合、通信異常は意図して発生したものである。そこで、燃料電池装置100もしくは排熱利用装置50の運転を継続するために単独運転判定制御を実行する。これにより燃料電池装置100、または排熱利用装置50の不必要な運転停止を抑制できる。
【0031】
第2モードは、排熱利用装置50のメンテナンスを実行する際に選択される第3モードを含んでおり、燃料電池装置100が第3モードである場合には、制御装置30は、単独運転判定制御を実行して、メンテナンスを実行していない燃料電池装置100の単独運転を許可する。また、制御装置30は、燃料電池装置100の単独運転時の発電モードとして第1モードで選択されていた運転を実行する。これにより、燃料電池装置100の不必要な運転停止を抑制できる。
【0032】
また、第2モードは、燃料電池装置100のメンテナンスを実行する際に選択される第4モードを含んでおり、燃料電池装置100の動作モードが第4モードである場合には、制御装置30は、単独運転判定制御を実行して、メンテナンスを実行していない排熱利用装置50の単独運転を許可する。これにより、排熱利用装置50の不必要な運転停止を抑制できる。
【0033】
また、燃料電池装置100と通信可能であり、燃料電池装置100の外部から発電開始を指示することができるリモコン装置54をさらに備えている場合に、通信判定部53が通信異常を検知した際の燃料電池装置100の動作モードが第4モードであった場合には、燃料電池装置100のメンテナンスが実行されていることが想定される。これに伴い、リモコン装置54は、発電開始の表示を行なわない、または発電開始の操作を受け付けないことを表示する、もしくは発電開始の操作を受け付けない。これにより、需要家の誤操作による燃料電池装置100の損傷を抑制することができる。
【0034】
また、燃料電池装置100の内部に、燃料電池装置100の動作モードを設定可能な図示しない操作部を設け、燃料電池装置100の第2モードの設定は該操作部からのみ可能とすることによって、需要家が、メンテナンスに基づいて選択される第2モードに誤って設定することを抑制できる。
【0035】
図2および図3は、コージェネレーションシステムの動作を説明するためのフローチャートである。ステップS1で、通信判定部53は、燃料電池装置100側の通信手段52aと排熱利用装置50側の通信手段52bとの間の通信が遮断されたと判断した場合には、ステップS2に進み、燃料電池装置100の動作モードを判定する動作判定制御を実行する。ステップS3で、通信判定部53が、燃料電池装置100の動作モードが第1モードであると判定した場合には、ステップS4に進み、燃料電池11の運転を停止させる。ステップS3で、通信判定部53が、燃料電池装置100の動作モードが第1モードとは異なる第2モードであると判定した場合には、ステップS5に進み、燃料電池装置100または排熱利用装置50の単独運転の可否を判定する単独運転判定制御を実行する。
【0036】
ステップS6で、通信判定部53が、燃料電池装置100の動作モードが排熱利用装置50のメンテナンスを実行する第3モードであると判定した場合には、ステップS7に進み、制御装置30は、メンテナンスを実行していない燃料電池装置100の単独運転を許可し、ステップ8に進み、燃料電池装置100に、第1モードで選択された発電モードで運転を継続する。
【0037】
一方、ステップS6で、通信判定部53が、燃料電池装置100の動作モードが燃料電池装置100のメンテナンスを実行する際に選択される第4モードであると判定した場合には、ステップS9に進み、制御装置30は、メンテナンスを実行していない排熱利用装置50の単独運転を許可し、ステップ10に進み、燃料電池11の発電を停止する。リモコン装置54を備えている場合には、リモコン装置54に、発電開始の表示を行なわない、または、発電開始の操作を受け付けないことを表示する、もしくは発電開始の操作を受け付けない。
【0038】
なお、燃料電池装置100の内部には、燃料電池装置100の動作モードを設定可能な操作部を備えており、第2モードは該操作部からのみ設定可能である。これによって、リモコン装置54を備えている場合であっても、需要家がリモコン装置54を誤って操作して、第2モードの設定をすることを抑制できる。
【0039】
通信判定部53が、燃料電池装置100の動作モードが、メンテナンスモードである第2モードから、通常モードである第1モードに遷移されたと判定した場合に、制御装置30は、第2モードを解除する。
【0040】
燃料電池装置100の動作モードが、燃料電池11のメンテナンスを実行する際に選択される第2モード(第3モードおよび第4モードを含む)に設定される場合について説明したが、排熱利用装置50が撤去されている場合についても、同様の処理がされる。
【0041】
このように、燃料電池装置100または排熱利用装置50のメンテナンス中において、通信判定部53が、燃料電池装置100側の52aと排熱利用装置50側の通信手段52bとの間の通信異常が発生した場合であっても、通信判定部53が、燃料電池装置100の動作モードが第1モードとは異なる第2モードであると判定した場合には、燃料電池装置100および排熱利用装置50のうち、メンテナンスを行なっていない一方の運転を行なうことができる。
【符号の説明】
【0042】
11 燃料電池
30 制御装置
50 排熱利用装置
52,52a,52b 通信手段
53 通信判定部
100 燃料電池装置
200 コージェネレーションシステム
図1
図2
図3