(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-05
(45)【発行日】2024-02-14
(54)【発明の名称】人力駆動車用のドライブユニット
(51)【国際特許分類】
B62M 11/16 20060101AFI20240206BHJP
F16D 41/12 20060101ALI20240206BHJP
F16H 3/00 20060101ALI20240206BHJP
【FI】
B62M11/16 C
F16D41/12 A
F16H3/00
(21)【出願番号】P 2019217228
(22)【出願日】2019-11-29
【審査請求日】2022-07-27
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】浦部 宏之
(72)【発明者】
【氏名】池田 魁
【審査官】渡邊 義之
(56)【参考文献】
【文献】実開昭58-50235(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2007/0254768(US,A1)
【文献】実開昭56-164886(JP,U)
【文献】特開2007-113711(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62M 11/16
B62M 11/18
B62M 11/00
F16D 41/12
F16D 41/30
F16H 3/00
B62L 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人力駆動車用のドライブユニットであって、
人力駆動車の駆動力の伝達状態を切り替える切替機構を備え、
前記切替機構は、
第1回転体と、
第2回転体と、
前記第1回転体に取り付けられ、前記第2回転体と係合することによって前記第1回転体と前記第2回転体とを一体回転させる第1位置と、前記第1回転体と前記第2回転体との相対回転を許容する第2位置との間で移動する爪部材と、を備え、
前記爪部材は、
前記第1回転体の周方向と交差するように延びる第1部分と、
前記周方向と交差するように延びる第2部分と、
前記第1部分と前記第2部分とを接続する第1接続部分と、
前記第1接続部分から離れた位置において前記第1部分と前記第2部分とを接続する第2接続部分と、を備え、
前記第1部分、前記第2部分、前記第1接続部分、および、前記第2接続部分は、一体形成されている、ドライブユニット。
【請求項2】
前記切替機構は、第3回転体をさらに備え、
前記第1部分は、前記第1回転体に取り付けられる第1ベース部と、前記第2回転体と係合する第1係合部と、を備え、
前記第2部分は、前記第1回転体に取り付けられる第2ベース部と、前記第3回転体と接触することによって前記爪部材を前記第2位置に移動させる接触部と、を備える、請求項1に記載のドライブユニット。
【請求項3】
前記第1接続部分は、前記第1ベース部と、前記第2ベース部と、を接続する、請求項2に記載のドライブユニット。
【請求項4】
前記第2接続部分は、前記第1係合部と、前記接触部と、を接続する、請求項2または3に記載のドライブユニット。
【請求項5】
前記第2接続部分は、前記第1係合部と、前記接触部と、を軸方向と平行な方向において面一になるように接続する、請求項4に記載のドライブユニット。
【請求項6】
前記第1回転体の軸方向と平行な方向における前記第1部分の第1寸法、および、前記第1回転体の軸方向と平行な方向における前記第2部分の第2寸法は、前記第1回転体の軸方向と平行な方向における前記第1部分から前記第2部分までの距離よりも長い、請求項1から5のいずれか一項に記載のドライブユニット。
【請求項7】
前記第1寸法は、前記第2寸法と異なる、請求項6に記載のドライブユニット。
【請求項8】
前記切替機構は、前記爪部材を支持する第1支持部材をさらに備え、
前記爪部材は、前記第1部分と前記第2部分との間に位置し、前記第1支持部材が配置される第1支持部材配置部、をさらに備える、請求項1から7のいずれか一項に記載のドライブユニット。
【請求項9】
人力駆動車用のドライブユニットであって、
人力駆動車の駆動力の伝達状態を切り替える切替機構を備え、
前記切替機構は、
第1回転体と、
第2回転体と、
前記第1回転体に取り付けられ、前記第2回転体と係合することによって前記第1回転体と前記第2回転体とを一体回転させる第1位置と、前記第1回転体と前記第2回転体との相対回転を許容する第2位置との間で移動する爪部材と、前記爪部材を支持する第1支持部材と、を備え、
前記爪部材は、
前記第1回転体に取り付けられるベース部と、
前記第2回転体
の被係合部と係合する係合部と、
前記ベース部から前記係合部に向かって延び、前記第1支持部材が配置される第1支持部材配置部と、を備え、
前記第1支持部材配置部は、
前記ベース部において前記第1回転体に近い側が閉鎖され、
前記係合部において前記第1回転体に近い側が開放され、かつ、前記第2回転体に近い側が閉鎖される、ドライブユニット。
【請求項10】
人力駆動車用のドライブユニットであって、
人力駆動車の駆動力の伝達状態を切り替える切替機構を備え、
前記切替機構は、
第1回転体と、
第2回転体と、
前記第1回転体に取り付けられ、前記第2回転体と係合することによって前記第1回転体と前記第2回転体とを一体回転させる第1位置と、前記第1回転体と前記第2回転体との相対回転を許容する第2位置との間で移動する爪部材と、前記爪部材を支持する第1支持部材と、を備え、
前記爪部材は、
前記第1回転体に取り付けられるベース部と、
前記第2回転体と係合する係合部と、
前記ベース部から前記係合部に向かって延び、前記第1支持部材が配置される第1支持部材配置部と、を備え、
前記第1支持部材配置部は、
前記ベース部において前記第1回転体に近い側が閉鎖され、
前記係合部において前記第1回転体に近い側が開放され、かつ、前記第2回転体に近い側が閉鎖され、
前記第1支持部材配置部のうちの閉鎖される部分は、前記係合部と一体に形成される
、ドライブユニット。
【請求項11】
前記第1支持部材配置部は、前記ベース部において前記第1回転体に近い側が閉鎖され、かつ、前記第2回転体に近い側が開放される、請求項9または10に記載のドライブユニット。
【請求項12】
前記第1支持部材は、コイルばねである、請求項8から11のいずれか一項に記載のドライブユニット。
【請求項13】
前記爪部材は、第1爪部材および第2爪部材を備え、
前記第1支持部材は、前記第1爪部材の前記第1支持部材配置部、および、前記第2爪部材の前記第1支持部材配置部に配置される、請求項12に記載のドライブユニット。
【請求項14】
前記爪部材を支持する第2支持部材をさらに備え、
前記第1爪部材および前記第2爪部材は、前記第1支持部材と、前記第2支持部材とが、互いに係合することによって、前記第1回転体に取り付けられる、請求項13に記載のドライブユニット。
【請求項15】
前記爪部材は、前記第1支持部材配置部とは異なる部分に前記第2支持部材が配置される第2支持部材配置部をさらに備える、請求項14に記載のドライブユニット。
【請求項16】
第1遊星歯車機構と、前記第1遊星歯車機構の回転が入力される第2遊星歯車機構と、をさらに備え、
前記第1遊星歯車機構は、前記第1回転体を含み、
前記第2遊星歯車機構は、前記第2回転体を含む、請求項1から15のいずれか一項に記載のドライブユニット。
【請求項17】
前記第1回転体には、前記人力駆動車のクランクの回転が伝達され、
前記クランクが前記人力駆動車が前進する第1方向に回転する場合、前記爪部材は、前記第2位置に位置するように構成され、
前記クランクが前記第1方向とは反対方向の第2方向に回転する場合、前記爪部材は、第1位置に位置するように構成される、請求項1から16のいずれか一項に記載のドライブユニット。
【請求項18】
前記人力駆動車のハブを構成する、請求項1から17のいずれか一項に記載のドライブユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人力駆動車用のドライブユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1は、人力駆動車用のドライブユニットを開示する。特許文献1の人力駆動車用のドライブユニットは、駆動力の伝達状態を切り替える切替機構を備える。切替機構は、第1回転体と、第2回転体と、第1回転体に取り付けられ、第2回転体と係合することによって第1回転体と第2回転体とを一体回転させる第1位置と、第2回転体との相対回転を許容する第2位置との間で移動する爪部材と、を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許出願公開第2007/0254768号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的の1つは、爪部材が駆動力を好適に伝達できる人力駆動車用のドライブユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1側面に従うドライブユニットは、人力駆動車用のドライブユニットであって、人力駆動車の駆動力の伝達状態を切り替える切替機構を備え、前記切替機構は、第1回転体と、第2回転体と、前記第1回転体に取り付けられ、前記第2回転体と係合することによって前記第1回転体と前記第2回転体とを一体回転させる第1位置と、前記第1回転体と前記第2回転体との相対回転を許容する第2位置との間で移動する爪部材と、を備え、前記爪部材は、前記第1回転体の周方向と交差するように延びる第1部分と、前記周方向と交差するように延びる第2部分と、前記第1部分と前記第2部分とを接続する第1接続部分と、前記第1接続部分から離れた位置において前記第1部分と前記第2部分とを接続する第2接続部分と、を備える。
上記第1側面のドライブユニットによれば、第1部分と第2部分とが第1接続部分および第2接続部分によって接続されるため、第1部分と第2部分とが第1接続部分のみによって接続される場合と比較して、爪部材が駆動力を好適に伝達できる。
【0006】
前記第1側面に従う第2側面のドライブユニットにおいて、前記切替機構は、第3回転体をさらに備え、前記第1部分は、前記第1回転体に取り付けられる第1ベース部と、前記第2回転体と係合する第1係合部と、を備え、前記第2部分は、前記第1回転体に取り付けられる第2ベース部と、前記第3回転体と接触することによって前記爪部材を前記第2位置に移動させる接触部と、を備える。
上記第2側面のドライブユニットによれば、第1部分に第1係合部を備え、第2部分に接触部を備える爪部材の剛性を高められる。
【0007】
前記第2側面に従う第3側面のドライブユニットにおいて、前記第1接続部分は、前記第1ベース部と、前記第2ベース部と、を接続する。
上記第3側面のドライブユニットによれば、第1ベース部と第2ベース部とを接続する第1接続部分によって爪部材が第1回転体に好適に取り付けられる。
【0008】
前記第2または第3側面に従う第4側面のドライブユニットにおいて、前記第2接続部分は、前記第1係合部と、前記接触部と、を接続する。
上記第4側面のドライブユニットによれば、第1係合部と接触部とを接続する第2接続部分によって爪部材の負荷の高い部分の剛性を高められる。
【0009】
前記第4側面に従う第5側面のドライブユニットにおいて、前記第2接続部分は、前記第1係合部と、前記接触部と、を軸方向と平行な方向において面一になるように接続する。
上記第5側面のドライブユニットによれば、爪部材を簡単に製造できる。
【0010】
前記第1から第5側面のいずれか1つに従う第6側面のドライブユニットにおいて、前記第1部分、前記第2部分、前記第1接続部分、および、前記第2接続部分は、一体形成されている。
上記第6側面のドライブユニットによれば、第1部分、第2部分、第1接続部分、および、第2接続部分が一体形成されることによって、爪部材の剛性を高められる。
【0011】
前記第1から第6側面のいずれか1つに従う第7側面のドライブユニットにおいて、前記第1回転体の軸方向と平行な方向における前記第1部分の第1寸法、および、前記第1回転体の軸方向と平行な方向における前記第2部分の第2寸法は、前記第1回転体の軸方向と平行な方向における前記第1部分から前記第2部分までの距離よりも長い。
上記第7側面のドライブユニットによれば、第1寸法および第2寸法が第1回転体の軸方向と平行な方向における第1部分から第2部分までの距離よりも長いため、爪部材の剛性を高められる。
【0012】
前記第7側面に従う第8側面のドライブユニットにおいて、前記第1寸法は、前記第2寸法と異なる。
上記第8側面のドライブユニットによれば、第1部分および第2部分をそれぞれに好適な寸法にできる。
【0013】
前記第1から第8側面のいずれか1つに従う第9側面のドライブユニットにおいて、前記切替機構は、前記爪部材を支持する第1支持部材をさらに備え、前記爪部材は、前記第1部分と前記第2部分との間に位置し、前記支持部材が配置される第1支持部材配置部、をさらに備える。
上記第9側面のドライブユニットによれば、第1支持部材配置部に第1支持部材を配置することによって爪部材が好適に支持される。
【0014】
本発明の第10側面に従うドライブユニットは、人力駆動車用のドライブユニットであって、人力駆動車の駆動力の伝達状態を切り替える切替機構を備え、前記切替機構は、第1回転体と、第2回転体と、前記第1回転体に取り付けられ、前記第2回転体と係合することによって前記第1回転体と前記第2回転体とを一体回転させる第1位置と、前記第1回転体と前記第2回転体との相対回転を許容する第2位置との間で移動する爪部材と、前記爪部材を支持する第1支持部材と、を備え、前記爪部材は、前記第1回転体に取り付けられるベース部と、前記第2回転体と係合する係合部と、前記ベース部から前記係合部に向かって延び、前記第1支持部材が配置される第1支持部材配置部と、を備え、前記第1支持部材配置部は、前記ベース部において前記第1回転体に近い側が閉鎖され、前記係合部において前記第1回転体に近い側が開放され、かつ、前記第2回転体に近い側が閉鎖される。
上記第10側面のドライブユニットによれば、第1支持部材配置部の係合部において第2回転体に近い側が閉鎖されるため、第1支持部材配置部の係合部において第2回転体に近い側が開放される場合と比較して、爪部材が駆動力を好適に伝達できる。
【0015】
前記第10側面に従う第11側面のドライブユニットにおいて、前記第1支持部材配置部は、前記ベース部において前記第1回転体に近い側が閉鎖され、かつ、前記第2回転体に近い側が開放される。
上記第11側面のドライブユニットによれば、ベース部において第1支持部材を第1支持部材配置部の開放側から配置できるため、第1支持部材を簡単に配置できる。
【0016】
前記第9から第11側面のいずれか1つに従う第12側面のドライブユニットにおいて、前記第1支持部材は、コイルばねである。
上記第12側面のドライブユニットによれば、コイルばねによって爪部材が好適に支持される。
【0017】
前記第12側面に従う第13側面のドライブユニットにおいて、前記爪部材は、第1爪部材および第2爪部材を備え、前記第1支持部材は、前記第1爪部材の前記第1支持部材配置部、および、前記第2爪部材の前記第1支持部材配置部に配置される。
上記第13側面のドライブユニットによれば、共通の第1支持部材によって第1爪部材および第2爪部材を支持できる。
【0018】
前記第13側面に従う第14側面のドライブユニットにおいて、前記爪部材を支持する第2支持部材をさらに備え、前記第1爪部材および前記第2爪部材は、前記第1支持部材と、前記第2支持部材とが、互いに係合することによって、前記第1回転体に取り付けられる。
上記第14側面のドライブユニットによれば、第1支持部材と第2支持部材とを互いに係合させることによって爪部材を第1回転体に取り付けできる。
【0019】
前記第14側面に従う第15側面のドライブユニットにおいて、前記爪部材は、前記第1支持部材配置部とは異なる部分に前記第2支持部材が配置される第2支持部材配置部をさらに備える。
上記第15側面のドライブユニットによれば、爪部材を第1支持部材および第2支持部材によって支持できる。
【0020】
前記第1から第15側面のいずれか1つに従う第16側面のドライブユニットにおいて、第1遊星歯車機構と、前記第1遊星歯車機構の回転が入力される第2遊星歯車機構と、をさらに備え、前記第1遊星歯車機構は、前記第1回転体を含み、前記第2遊星歯車機構は、前記第2回転体を含む。
上記第16側面のドライブユニットによれば、切替機構によって第1遊星歯車機構に含まれる第1回転体と第2遊星歯車機構に含まれる第2回転体との間における駆動力の伝達を切り替えできる。
【0021】
前記第1から第16側面のいずれか1つに従う第17側面のドライブユニットにおいて、前記第1回転体には、前記人力駆動車のクランクの回転が伝達され、前記クランクが前記人力駆動車が前進する第1方向に回転する場合、前記爪部材は、第2位置に位置するように構成され、前記クランクが前記第1方向とは反対方向の第2方向に回転する場合、前記爪部材は、第1位置に位置するように構成される。
上記第17側面のドライブユニットによれば、クランクが第2方向に回転する場合に、第1回転体と第2回転体との間において駆動力を伝達できる。
【0022】
前記第1から第17側面のいずれか1つに従う第18側面のドライブユニットにおいて、前記人力駆動車のハブを構成する。
上記第18側面のドライブユニットによれば、人力駆動車のハブにおいて駆動力の伝達を切り替えできる。
【発明の効果】
【0023】
本開示の人力駆動車用のドライブユニットは、爪部材が駆動力を好適に伝達できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】実施形態の人力駆動車用のドライブユニットを含む人力駆動車の側面図。
【
図2】
図1の人力駆動車用のドライブユニットの正面図。
【
図4】
図3の第1回転体、爪部材、および、第1支持部材の正面図。
【
図11】
図3の切替機構の第1回転体が第3方向に回転している状態の模式図。
【
図12】
図3の切替機構の第1回転体が第4方向に回転している状態の第1模式図。
【
図13】
図3の切替機構の第1回転体が第4方向に回転している状態の第2模式図。
【
図14】
図3の第1太陽ギアと抵抗付与部材とを示す端面図。
【
図15】
図3の爪部材を第1回転体に取り付ける第2工程を示す斜視図。
【
図16】
図3の爪部材を第1回転体に取り付ける第3工程を示す斜視図。
【
図17】
図3の爪部材を第1回転体に取り付ける第4工程を示す斜視図。
【
図18】
図3の爪部材を第1回転体に取り付ける第5工程を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
<実施形態>
図1から
図19を参照して、実施形態の人力駆動車用のドライブユニット40について説明する。人力駆動車10は、少なくとも1つの車輪を有し、少なくとも人力駆動力によって駆動できる乗り物である。人力駆動車10は、例えばマウンテンバイク、ロードバイク、シティバイク、カーゴバイク、および、ハンドバイク、リカンベントなど種々の種類の自転車を含む。人力駆動車10が有する車輪の数は限定されない。人力駆動車10は、例えば1輪車および3輪以上の車輪を有する乗り物も含む。人力駆動車10は、人力駆動力のみによって駆動できる乗り物に限定されない。人力駆動車10は、人力駆動力だけではなく、電気モータの駆動力を推進に利用するイーバイク(E-bike)を含む。イーバイクは、電気モータによって推進が補助される電動アシスト自転車を含む。以下、実施形態において、人力駆動車10を、自転車として説明する。
【0026】
人力駆動車10は、人力駆動力が入力されるクランク12を備える。人力駆動車10は、車輪14と、車体16と、を、さらに備える。車輪14は、後輪14Aと、前輪14Bと、を含む。車体16は、フレーム18を含む。クランク12は、フレーム18に対して回転可能なクランク軸12Aと、クランク軸12Aの軸方向の端部にそれぞれ設けられる一対のクランクアーム12Bとを含む。各クランクアーム12Bには、一対のペダル20がそれぞれ連結される。後輪14Aは、クランク12が回転することによって駆動される。後輪14Aは、フレーム18に支持される。クランク12と後輪14Aとは、駆動機構22によって連結される。駆動機構22は、クランク軸12Aに連結されるフロント回転体24を含む。フロント回転体24は、スプロケット、プーリ、または、ベベルギアを含む。駆動機構22は、リア回転体26と、連結部材28とをさらに含む。連結部材28は、フロント回転体24の回転力をリア回転体26に伝達する。連結部材28は、例えば、チェーン、ベルト、または、シャフトを含む。リア回転体26は、後輪14Aに連結される。リア回転体26は、スプロケット、プーリ、または、ベベルギアを含む。
【0027】
フレーム18には、フロントフォーク30を介して前輪14Bが取り付けられている。フロントフォーク30には、ハンドルバー34がステム32を介して連結されている。本実施形態では、後輪14Aが駆動機構22によってクランク12に連結されるが、後輪14Aおよび前輪14Bの少なくとも1つが、駆動機構22によってクランク12に連結されてもよい。
【0028】
好ましくは、ドライブユニット40は、人力駆動車10のハブを構成する。好ましくは、ドライブユニット40は、後輪14Aのハブ14Cを構成する。好ましくは、ドライブユニット40は、人力駆動車10の変速比を変更する内装変速機である。人力駆動車10の変速比は、クランク12の回転速度に対する後輪14Aの回転速度の比率である。ドライブユニット40には、リア回転体26の回転が入力される。ドライブユニット40は、リア回転体26から入力された回転を変速して後輪14Aに伝達する。
【0029】
ドライブユニット40は、人力駆動車10の駆動力の伝達状態を切り替える切替機構42を備える。切替機構42は、クランク12が人力駆動車10が前進する第1方向R1に回転する場合、切替機構42による駆動力の伝達を行わない。切替機構42は、クランク12が第1方向R1とは反対方向の第2方向R2に回転する場合において、切替機構42による駆動力の伝達を行う。
【0030】
ドライブユニット40は、第1遊星歯車機構44と、第1遊星歯車機構44の回転が入力される第2遊星歯車機構46と、をさらに備える。第1遊星歯車機構44には、リア回転体26の回転が伝達される。第2遊星歯車機構46には、第1遊星歯車機構44の回転が伝達される。ドライブユニット40は、軸部材40Aをさらに備える。軸部材40Aは、人力駆動車10のフレーム18に支持される。第1遊星歯車機構44および第2遊星歯車機構46は、軸部材40Aに設けられる。
【0031】
第1遊星歯車機構44は、第1太陽ギア48、第1遊星ギア50、第1キャリア52、および、第1リングギア54を備える。第1太陽ギア48、第1遊星ギア50、第1キャリア52、および、第1リングギア54の数および構成は、ドライブユニット40に要求される変速段数に応じて変更される。第1太陽ギア48は、軸部材40Aのまわりに設けられる。本実施形態では、第1太陽ギア48は、第1太陽ギア48Aおよび第1太陽ギア48Bを備える。第1太陽ギア48Aの歯数は、第1太陽ギア48Bの歯数よりも少ない。第1遊星ギア50は、第1遊星ギア50Aおよび第1遊星ギア50Bを備える。第1遊星ギア50Aの歯数は、第1遊星ギア50Bの歯数よりも多い。第1遊星ギア50Aは、第1太陽ギア48Aと噛み合い、第1遊星ギア50Bは、第1太陽ギア48Bと噛み合う。第1遊星ギア50Aおよび第1遊星ギア50Bは、段付きの第1遊星ギアユニット56を構成する。複数の第1遊星ギアユニット56は、第1太陽ギア48のまわりに配置される。第1キャリア52は、複数の第1遊星ギアユニット56を支持する。第1キャリア52は、複数の第1遊星ギアユニット56を、第1太陽ギア48に対して一体に公転させる。第1リングギア54は、第1遊星ギア50Aおよび第1遊星ギア50Bの一方に噛み合うように複数の第1遊星ギアユニット56のまわりに配置される。
【0032】
第2遊星歯車機構46は、第2太陽ギア58、第2遊星ギア60、第2キャリア62、および、第2リングギア64を備える。第2太陽ギア58、第2遊星ギア60、第2キャリア62、および、第2リングギア64の数および構成は、ドライブユニット40に要求される変速段数に応じて変更される。第2太陽ギア58は、軸部材40Aのまわりに設けられる。本実施形態では、第2太陽ギア58は、第2太陽ギア58Aおよび第2太陽ギア58Bを備える。第2太陽ギア58Aは、軸部材40Aの軸方向において、第2太陽ギア58Bよりも第1遊星歯車機構44に遠い位置に設けられる。第2太陽ギア58Aの歯数は、第2太陽ギア58Bの歯数よりも少ない。第2遊星ギア60は、第2遊星ギア60Aおよび第2遊星ギア60Bを備える。第2遊星ギア60Aの歯数は、第2遊星ギア60Bの歯数よりも多い。第2遊星ギア60Aは、第2太陽ギア58Aと噛み合い、第2遊星ギア60Bは、第2太陽ギア58Bと噛み合う。第2遊星ギア60Aおよび第2遊星ギア60Bは、段付きの第2遊星ギアユニット66を構成する。複数の第2遊星ギアユニット66は、第2太陽ギア58のまわりに配置される。第2キャリア62は、複数の第2遊星ギアユニット66を支持する。第2キャリア62は、複数の第2遊星ギアユニット66を、第2太陽ギア58に対して一体に公転させる。第2リングギア64は、第2遊星ギア60Aおよび第2遊星ギア60Bの一方に噛み合うように複数の第2遊星ギアユニット66のまわりに配置される。
【0033】
ドライブユニット40は、リア回転体26と第1遊星歯車機構44とを接続する入力部68をさらに備える。リア回転体26は、入力部68と一体回転するように入力部68の第1端部68Aに取り付けられる。入力部68の第2端部68Bは、第1キャリア52の第1端部52Aに取り付けられ、リア回転体26の回転を第1キャリア52に伝達する。
【0034】
ドライブユニット40は、出力部70をさらに備える。出力部70は、ハブシェルを構成する。出力部70は、後輪14Aのスポークに接続されるスポーク接続部70Aを備える。
【0035】
ドライブユニット40は、変速段数を変更する制御機構72をさらに備える。制御機構72は、第1太陽ギア48および第2太陽ギア58の回転状態を変更する。本実施形態では、制御機構72は、第1太陽ギア48A、第1太陽ギア48B、第2太陽ギア58A、および、第2太陽ギア58Bの回転状態を、それぞれ軸部材40Aに対する回転が規制される規制状態と、軸部材40Aに対する回転が許容される許容状態とに切り替える。
【0036】
制御機構72は、スリーブ72Aおよび規制爪72Bを備える。スリーブ72Aは、軸部材40Aに対して回転可能に軸部材40Aに取り付けられる。規制爪72Bは、第1太陽ギア48A、第1太陽ギア48B、第2太陽ギア58A、および、第2太陽ギア58Bのそれぞれに対応して設けられる。各規制爪72Bは、対応する第1太陽ギア48A、第1太陽ギア48B、第2太陽ギア58A、および、第2太陽ギア58Bと、軸部材40Aとの間に設けられる。例えば、ドライブユニット40の外部の操作部が操作されることによってスリーブ72Aの軸部材40Aに対する回転位相が変化する。スリーブ72Aが規制爪72Bを規制爪72Bが対応する第1太陽ギア48A、第1太陽ギア48B、第2太陽ギア58A、および、第2太陽ギア58Bの内周部に設けられる凹部と係合させることによって、第1太陽ギア48A、第1太陽ギア48B、第2太陽ギア58A、および、第2太陽ギア58Bの回転状態が許容状態から規制状態に変化する。
【0037】
第1遊星歯車機構44の第1リングギア54は、第2遊星歯車機構46の第2キャリア62の第1端部62Aに取り付けられる。第1リングギア54と第2キャリア62とは、一体に回転可能に互いに取り付けられる。
【0038】
制御機構72は、第1ワンウェイクラッチ74をさらに備える。第1ワンウェイクラッチ74は、第1キャリア52の第2端部52Bの外周部と、第2キャリア62の第1端部62Aの内周部との間に配置される。第1ワンウェイクラッチ74は、駆動爪74Aおよび第2キャリア62の第1端部62Aの内周部と対向する位置に設けられる。第1ワンウェイクラッチ74は、クランク12の第1方向R1と対応する回転方向における第1キャリア52の回転速度が第2キャリア62の回転速度以上の場合、第1キャリア52の回転を第2キャリア62に伝達する。第1ワンウェイクラッチ74は、クランク12の第1方向R1と対応する回転方向における第2キャリア62の回転速度が第1キャリア52を超える場合、第2キャリア62の回転を第1キャリア52に伝達しない。第1ワンウェイクラッチ74は、クランク12の第1方向R1と対応する回転方向における第1キャリア52の回転速度が第2キャリア62の回転速度以上の場合、駆動爪74Aが第2キャリア62の内周部と係合する。
【0039】
制御機構72は、第2ワンウェイクラッチ76をさらに備える。第2ワンウェイクラッチ76は、第2リングギア64と出力部70との間に設けられる。第2ワンウェイクラッチ76は、クランク12の第1方向R1と対応する回転方向における第2リングギア64の回転速度が出力部70の回転速度以上の場合、第2リングギア64の回転を出力部70に伝達する。第2ワンウェイクラッチ76は、クランク12の第1方向R1と対応する回転方向における出力部70の回転速度が第2リングギア64の回転速度を超える場合、出力部70の回転を第2リングギア64に伝達しない。第2ワンウェイクラッチ76は、ローラクラッチであってもよく、爪式クラッチであってもよい。
【0040】
制御機構72は、第3ワンウェイクラッチ78をさらに備える。第3ワンウェイクラッチ78は、第2キャリア62の第2端部62Bと出力部70との間に設けられる。第3ワンウェイクラッチ78は、クランク12の第1方向R1と対応する回転方向における第2キャリア62の回転速度が出力部70の回転速度以上の場合、第2キャリア62の回転を出力部70に伝達する。第3ワンウェイクラッチ78は、クランク12の第1方向R1と対応する回転方向における出力部70の回転速度が第2キャリア62の回転速度を超える場合、出力部70の回転を第2キャリア62に伝達しない。第3ワンウェイクラッチ78は、ローラクラッチであってもよく、爪式クラッチであってもよい。
【0041】
表1は、各変速段における、第1太陽ギア48A、第1太陽ギア48B、第2太陽ギア58A、および、第2太陽ギア58Bの回転状態を示す。
【0042】
【0043】
第1変速段においては、リア回転体26の回転は変速されずに第1遊星歯車機構44、第1ワンウェイクラッチ74、第2リングギア、および、第2ワンウェイクラッチ76を介して出力部70に伝達される。
【0044】
第2変速段においては、リア回転体26の回転は、第1遊星歯車機構44において第1太陽ギア48Aによって増速され、第1リングギア54、第2キャリア62、第2リングギア64、および、第2ワンウェイクラッチ76を介して出力部70に伝達される。第2変速段における変速比は、第1変速段における変速比よりも大きい。
【0045】
第3変速段においては、リア回転体26の回転は、第1遊星歯車機構44において第1太陽ギア48Bによって増速され、第1リングギア54、第2キャリア62、第2リングギア64、および、第2ワンウェイクラッチ76を介して出力部70に伝達される。第3変速段における変速比は、第2変速段における変速比よりも大きい。
【0046】
第4変速段においては、リア回転体26の回転は、第1遊星歯車機構44において第1太陽ギア48Bによって増速され、第1リングギア54を介して第2遊星歯車機構46の第2キャリア62に伝達される。第2遊星歯車機構46に入力された回転は、第2遊星歯車機構46において第2太陽ギア58Aによって増速され、第3ワンウェイクラッチ78を介して出力部70に伝達される。第4変速段における変速比は、第3変速段における変速比よりも大きい。
【0047】
第5変速段においては、リア回転体26の回転は、第1遊星歯車機構44において第1太陽ギア48Bによって増速され、第1リングギア54を介して第2遊星歯車機構46の第2キャリア62に伝達される。第2遊星歯車機構46に入力された回転は、第2遊星歯車機構46において第2太陽ギア58Bによって増速され、第2キャリア62および第3ワンウェイクラッチ78を介して出力部70に伝達される。第5変速段における変速比は、第4変速段における変速比よりも大きい。
【0048】
ドライブユニット40は、ブレーキ機構80をさらに備える。ブレーキ機構80は、軸部材40Aに対する出力部70の回転を制動する。ブレーキ機構80は、コースタブレーキを構成する。ブレーキ機構80は、切替機構42および制動部82を備える。
【0049】
制動部82は、第2キャリア62の第2端部62Bと出力部70との間に設けられる。制動部82は、摩擦部82Aを含む。摩擦部82Aは、クランク12が第2方向R2に回転する場合に、出力部70に係合し、出力部70に対して摩擦力を付与する。制動部82は、例えば、ローラブレーキである。
【0050】
切替機構42は、第1遊星歯車機構44と、第2遊星歯車機構46との間に設けられる。切替機構42は、クランク12が第2方向R2に回転する場合、第1遊星歯車機構44に入力された回転を第2遊星歯車機構46に伝達する。第2遊星歯車機構46に伝達された回転は、制動部82に伝達される。クランク12が第2方向R2に回転する場合、第1ワンウェイクラッチ74は、第1キャリア52の回転を第2キャリア62に伝達しない。クランク12が第2方向R2に回転する場合、第2ワンウェイクラッチ76は、第2リングギア64の回転を出力部70に伝達しない。クランク12が第2方向R2に回転する場合、第3ワンウェイクラッチ78は、第2キャリア62の回転を出力部70に伝達しない。
【0051】
図4から
図6に示されるように、切替機構42は、第1回転体84と、第2回転体86と、爪部材88と、を備える。第1遊星歯車機構44は、第1回転体84を含み、第2遊星歯車機構46は、第2回転体86を含む。第1回転体84には、人力駆動車10のクランク12の回転が伝達される。第1回転体84は、第1キャリア52と一体に形成される。第2回転体86は、第2キャリア62と一体に形成される。切替機構42は、第3回転体90をさらに備える。第3回転体90は、第1リングギア54と一体に形成される。
【0052】
爪部材88は、第1回転体84に取り付けられ、第2回転体86と係合することによって第1回転体84と第2回転体86とを一体回転させる第1位置と、第1回転体84と第2回転体86との相対回転を許容する第2位置との間で移動する。クランク12が人力駆動車10が前進する第1方向R1に回転する場合、爪部材88は、第2位置に位置するように構成される。クランク12が第1方向R1とは反対方向の第2方向R2に回転する場合、爪部材88は、第1位置に位置するように構成される。
【0053】
切替機構42は、爪部材88を支持する第1支持部材92をさらに備える。第1支持部材92は、コイルばねである。爪部材88は、第1回転体84の外周部に取り付けられる。具体的には、爪部材88を第1回転体84の外周部の凹部84Aに配置した状態において、爪部材88の径方向外側から第1支持部材92が爪部材88を第1回転体84の外周部に押し付けることによって、爪部材88が第1回転体84に取り付けられる。第1支持部材92は、爪部材88に対して、第2位置から第1位置に向かう方向の力を付与する。本実施形態では、爪部材88は、第1爪部材88Aおよび第2爪部材88Bを備える。本実施形態では、
図15に示されるように、第1爪部材88Aおよび第2爪部材88Bは、第1回転体84の周方向において互いに180度異なる位置に配置される。
【0054】
図5から
図10を参照して、爪部材88の構造について説明する。
爪部材88は、ベース部94と、係合部96と、を備える。爪部材88は、第1支持部材配置部98をさらに備える。ベース部94は、第1回転体84に取り付けられる。係合部96は、第2回転体86と係合する。第1支持部材配置部98は、ベース部94から係合部96に向かって延びる。第1支持部材配置部98には、第1支持部材92が配置される。ベース部94は、第1回転体84の外周部に設けられる凹部84Aの内部に収容される。係合部96は、爪部材88が第1位置に位置する場合、第2回転体86の内周部に設けられる凹部86Bに位置する。
【0055】
爪部材88は、第1部分100と、第2部分102と、第1接続部分104と、第2接続部分106と、を備える。第1部分100は、第1回転体84の周方向と交差するように延びる。第2部分102は、周方向と交差するように延びる。第1接続部分104は、第1部分100と第2部分102とを接続する。第2接続部分106は、第1接続部分104から離れた位置において第1部分100と第2部分102とを接続する。好ましくは、第1部分100、第2部分102、第1接続部分104、および、第2接続部分106は、一体形成されている。
【0056】
第1部分100は、第1回転体84に取り付けられる第1ベース部108と、第2回転体86と係合する第1係合部110と、を備える。第2部分102は、第1回転体84に取り付けられる第2ベース部112と、第3回転体90と接触することによって爪部材88を第2位置に移動させる接触部114と、を備える。
【0057】
第1支持部材配置部98は、第1部分100と第2部分102との間に位置する。第1支持部材配置部98は、第1接続部分104および第2接続部分106を含んで構成される。第1支持部材配置部98は、ベース部94において第1回転体84に近い側が閉鎖される。第1支持部材配置部98は、係合部96において第1回転体84に近い側が開放され、かつ、第2回転体86に近い側が閉鎖される。第1支持部材配置部98は、ベース部94において第1回転体84に近い側が閉鎖され、かつ、第2回転体86に近い側が開放される。第1支持部材配置部98には、第1支持部材92が挿入される孔98Aが形成される。第1接続部分104は、第1ベース部108と、第2ベース部112と、を接続する。第1支持部材配置部98は、ベース部94において第1回転体84に近い側が第1接続部分104によって閉鎖される。第2接続部分106は、第1係合部110と、接触部114と、を接続する。第1支持部材配置部98は、係合部96において、第2回転体86に近い側が第2接続部分106によって閉鎖される。第1ベース部108、第2ベース部112、および、第1接続部分104は、ベース部94を構成する。第1係合部110および接触部114は、係合部96を構成する。
【0058】
好ましくは、第1回転体84の軸方向と平行な方向における第1部分100の第1寸法L1、および、第1回転体84の軸方向と平行な方向における第2部分102の第2寸法L2は、第1回転体84の軸方向と平行な方向における第1部分100から第2部分102までの距離L3よりも長い。好ましくは、第1寸法L1は、第2寸法L2と異なる。第1寸法L1、第2寸法L2、および、距離L3は、適宜変更することができる。第1寸法L1および第2寸法L2の少なくとも1つは、距離L3以下であってもよい。第1寸法L1および第2寸法L2は、同じであってもよい。
【0059】
好ましくは、第2部分102の接触部114には、第1部分100と反対側の端部において凸部114Aが形成される。第1回転体84の軸方向と平行する方向から見た場合、凸部114Aの形状は、第2接続部分106と実質的に一致する。好ましくは、第1回転体84の軸方向と平行な方向における係合部96の寸法L22は、ベース部94の寸法L21よりも大きい。凸部114Aにより第2部分102の第2寸法L2が係合部96の寸法L22だけ増加する。凸部114Aにより、接触部114が第3回転体90と接触する面積が増加しつつも、爪部材88の重量が過大に増加することが抑えられる。
【0060】
好ましくは、爪部材88を第1回転体84の軸方向と平行な方向から見た場合の第1接続部分104の最大厚さH1は、爪部材88を第1回転体84の軸方向と平行な方向から見た場合のベース部94の最大厚さHAの半分以下である。好ましくは、爪部材88を第1回転体84の軸方向と平行な方向から見た場合の第2接続部分106の最大厚さH2は、爪部材88を第1回転体84の軸方向と平行な方向から見た場合の係合部96の最大厚さHBの半分以下である。
【0061】
第2接続部分106は、第1係合部110と、接触部114と、を軸方向と平行な方向において面一になるように接続する。爪部材88が第1回転体84に配置された状態において、第1係合部110のうちの最もベース部94から離れた端面110Aと、接触部114のうちの最もベース部94から離れた端面114Bと、第2接続部分106のうちの最もベース部94から離れた端面106Aと、は、第1回転体84の軸方向と平行な方向に並ぶ。第2接続部分106の端面106Aは、第1係合部110の端面110Aと、接触部114の端面114Bと、を滑らかに接続する。
【0062】
好ましくは、爪部材88を第1回転体84の径方向外側から見た場合、第2接続部分106のうちのベース部94側の端面106Bは、第1部分100と連続する部分がR形状を有する。好ましくは、爪部材88を第1回転体84の径方向外側から見た場合、第2接続部分106のうちのベース部94側の端面106Bは、第2部分102と連続する部分がR形状を有する。
【0063】
好ましくは、爪部材88を係合部96側から見た場合、第2接続部分106のうちの第1回転体84側の端面106Cは、第1部分100と連続する部分がR形状を有する。好ましくは、爪部材88を係合部96側から見た場合、第2接続部分106のうちの第1回転体84側の端面106Cは、第2部分102と連続する部分がR形状を有する。
【0064】
好ましくは、第2部分102の第1回転体84と反対側の面には、凹部102Aが形成される。第1回転体84の軸方向と平行する方向から見た場合、凹部102Aは、第2接続部分106のベース部94側の端部と対応する部分からベース部94側に向かって形成される。
【0065】
図4および
図18に示されるように、第1支持部材92は、第1爪部材88Aの第1支持部材配置部98、および、第2爪部材88Bの第1支持部材配置部98に配置される。ドライブユニット40は、爪部材88を支持する第2支持部材93をさらに備える。爪部材88は、第1支持部材配置部98とは異なる部分に第2支持部材93が配置される第2支持部材配置部116をさらに備える。第2支持部材配置部116は、爪部材88のベース部94に設けられる。第2支持部材配置部116は、第1ベース部108のうちの第2部分102とは反対側に設けられる。
【0066】
第1爪部材88Aおよび第2爪部材88Bは、第1支持部材92と、第2支持部材93とが、互いに係合することによって、第1回転体84に取り付けられる。第1支持部材92は、円環部92A、第1端部92B、および、第2端部92Cを備える。コイル部材は、第1端部92Bおよび第2端部92Cが円環部92Aの軸方向と平行する方向に延びるように屈曲されている。第2支持部材93は、円環部93A、第1端部93B、および、第2端部93Cを備える。コイル部材は、第1端部93Bおよび第2端部93Cが円環部93Aの軸方向と平行する方向に延びるように屈曲されている。爪部材88が第1回転体84に取り付けられた状態において、第1支持部材92の第1端部92Bおよび第2端部92Cと、第2支持部材93の第1端部92Bおよび第2端部92Cとは、互いに異なる方向に延びるように配置される。
【0067】
第1支持部材92および第2支持部材93は、第1爪部材88Aおよび第2爪部材88Bとともに第1ワンウェイクラッチ74の駆動爪74Aを支持する。第1支持部材92および第2支持部材93は、駆動爪74Aを第1回転体84に取り付けられる。第1爪部材88A、第2爪部材88B、および、2つの駆動爪74Aが第1回転体84の外周部において、周方向に並んで配置される。第2支持部材93は、第1支持部材92とともに爪部材88に対して、第2位置から第1位置に向かう方向の力を付与する。
【0068】
図11および
図12を参照して切替機構42の動作について説明する。
第2回転体86と第3回転体90とは、予め定める角度範囲において相対回転可能に取り付けられる。第2回転体86は、外周部の径方向外側に突出する複数の凸部86Aを備える。第3回転体90は、軸方向の端部に軸方向に突出する複数の凸部90Aを備える。第3回転体90の凸部90Aのそれぞれは、第2回転体86の複数の凸部86Aのうちの隣り合う2つの凸部86Aの間に配置される。このため、第3回転体90の凸部90Aは、第2回転体86の複数の凸部86Aのうちの隣り合う2つの凸部86Aの間において移動できる。
【0069】
爪部材88は、第1係合部110が第2回転体86の内周部と対向するように配置される。第2回転体86のうちの第1係合部110と対向する部分には、周方向に並ぶ複数の凹部86Bが形成される。爪部材88は、接触部114が第3回転体90の内周部と対向するように配置される。第3回転体90のうちの接触部114と対向する部分には、周方向に並ぶ複数の凹90Bが形成される。
【0070】
クランク12が第1方向R1に回転する場合、かつ、第1変速段の場合、第1ワンウェイクラッチ74の駆動爪74Aが第2回転体86の凹部86Bの第2壁部86Dに係合し、第1回転体84と第2回転体86とを一体に回転させる。この場合、第2回転体86の凸部86Aが第3回転体90の凸部90Aと接触するまで、第3回転体90を第3方向R3に回転させる。この場合、爪部材88の接触部114と第3回転体90の凹90Bの壁部とが、第1係合部110と第2回転体86の第1壁部86Cとよりも先に接触する。第2回転体86の第1壁部86Cが爪部材88の第1係合部110を通過するタイミングにて、第3回転体90の凹90Bの壁部が爪部材88を第1位置から第2位置に移動させることにより、第1回転体84と第2回転体86との相対回転が許容される。
【0071】
図11に示されるように、クランク12が第1方向R1に回転する場合、かつ、第2変速段から第5変速段の場合、第2回転体86の回転速度が第1回転体84の回転速度以上のため、駆動爪74Aは、凹部86Bの第1壁部86Cに押されて第1回転体84の凹部84Bに移動する。この場合、第3回転体90の凸部90Aが第2回転体86の凸部86Aと接触するまで、第2回転体86を第3方向R3に回転させる。この場合、爪部材88の接触部114と第3回転体90の凹90Bの壁部とが、第1係合部110と第2回転体86の第1壁部86Cよりも先に接触する。これにより、第2回転体86の第1壁部86Cが爪部材88の第1係合部110を通過するタイミングにて、第3回転体90の凹90Bの壁部が爪部材88を第1位置から第2位置に移動させることにより、第1回転体84と第2回転体86との相対回転が許容される。
【0072】
図12に示されるように、クランク12が第2方向R2に回転する場合、相対的に第2回転体86の第3方向R3への回転速度が第1回転体84の回転速度以上になるため、駆動爪74Aは、凹部86Bの第1壁部86Cに押されて第1回転体84の凹部84Bに移動する。この場合、第3回転体90の凸部90Aが第2回転体86の凸部86Aと接触するまで、第2回転体86を第4方向R4に回転させる。この場合、爪部材88の接触部114が第3回転体90の凹90Bと対応する位置に移動すると、第1支持部材92および第2支持部材93の付勢力によって爪部材88が第2位置から第1位置に移動する。爪部材88の第1係合部110と第2回転体86の第1壁部86Cとが、接触部114と第3回転体90の凹90Bの壁部とよりも先に接触することで、爪部材88が第1位置に移動することにより、第1回転体84と第2回転体86とが一体に回転する。
【0073】
図13に示されるように、クランク12が第2方向R2に回転する場合、第2回転体86に対する第3回転体90の回転が不十分であると、第3回転体90の凸部90Aが第2回転体86の凸部86Aと接触するまで第2回転体86に対して第4方向R4に回転していない状態が形成されることがある。
図13の状態において、クランク12が第2方向R2に回転する場合から、第1方向R1に回転する場合に移行すると、爪部材88の係合部96には、第2回転体86の第1壁部86Cと係合して第2回転体86と一体となりその場に留まろうとする力が付与される。加えて、爪部材88の接触部114は、第3回転体90の凹90Bから径方向内向きの力が付与される。爪部材88は、第2接続部分106を備えることによって剛性が高められるため、爪部材88における異なる方向の負荷に対して変形しにくい。
【0074】
図14に示されるように、切替機構42は、抵抗付与部材118をさらに備える。抵抗付与部材118は、第1太陽ギア48が軸部材40Aに対して回転する場合の回転に抵抗を付与する。クランク12が第1方向R1に回転して第1遊星歯車機構44に駆動力が伝達される場合、かつ、第1太陽ギア48の回転状態が許容状態にある場合、第1太陽ギア48は軸部材40Aに対して第5方向R5に回転する。クランク12が第2方向R2に回転して第1遊星歯車機構44に駆動力が伝達される場合、かつ、第1太陽ギア48の回転状態が許容状態にある場合、第1太陽ギア48は軸部材40Aに対して第6方向R6に回転する。抵抗付与部材118は、第1太陽ギア48が軸部材40Aに対して第6方向R6に回転する場合の第1太陽ギア48の回転に抵抗を付与する。第1太陽ギア48が軸部材40Aに対して第6方向R6に回転する場合に第1太陽ギア48へ付与する回転の抵抗力は、第1太陽ギア48が軸部材40Aに対して第5方向R5に回転する場合に第1太陽ギア48へ付与する回転の抵抗力よりも強い。
【0075】
抵抗付与部材118は、第1太陽ギア48の内周部と軸部材40Aとの間に設けられる。抵抗付与部材118は、例えば、スライドスプリングである。第1太陽ギア48が複数の第1太陽ギア48A,48Bを備える場合、好ましくは、抵抗付与部材118は、1つの第1太陽ギア48A,48Bにのみ設けられる。好ましくは、抵抗付与部材118は、第1太陽ギア48が複数の第1太陽ギア48A,48Bを備える場合、歯数が最も多い第1太陽ギア48A,48Bに設けられる。本実施形態では、抵抗付与部材118は、第1太陽ギア48Bに設けられる。
【0076】
抵抗付与部材118は、例えば、円環部118Aと屈曲部118Bとを備える。円環部118Aは、第1太陽ギア48の内周部に嵌め込まれる。屈曲部118Bは、軸部材40Aの外周部に設けられる凹部40Bの内部に位置できるように軸部材40Aに向かって突出するように形成される。凹部40Bは、制御機構72の規制爪72Bが配置される凹部と連続していてもよい。好ましくは、屈曲部118Bは、抵抗付与部材118のコイル部材の一方の端部に設けられる。第1太陽ギア48が第5方向R5に回転する場合、屈曲部118Bは、凹部40Bの壁部に押し上げられながら、第1太陽ギア48とともに第5方向R5に回転する。第1太陽ギア48Bが第6方向R6に回転する場合、屈曲部118Bが凹部40Bの壁部と接触することによって、第1太陽ギア48の軸部材40Aに対する回転が阻害される。第1太陽ギア48は、抵抗付与部材118に対して摺動しながら第6方向R6に回転する。このため、第1太陽ギア48は、第6方向R6に回転しにくくなる。
【0077】
クランク12が第2方向R2に回転する場合、第1太陽ギア48が第6方向R6に回転しようとする。第1太陽ギア48の軸部材40Aに対する回転が阻害されない場合、
図13に示されるように、第3回転体90の凸部90Aが第2回転体86の凸部86Aと接触するまで第2回転体86に対して第4方向R4に十分に回転していない状態が発生する。この状態において、クランク12が第1方向R1に回転しようとすると、爪部材88の係合部96が第2回転体86の第1壁部86Cと係合した状態にて、爪部材88の接触部114が第3回転体90の凹90Bの壁部に押されることになる。
【0078】
抵抗付与部材118は、クランク12が第2方向R2に回転する場合、第1太陽ギア48の第6方向R6への回転を阻害するため、第1遊星歯車機構44に入力された回転が第1太陽ギア48によって増速される。このため、第3回転体90が第2回転体86に対して高速で第4方向R4に回転する。このため、クランク12が第2方向R2に回転する場合、第3回転体90が第3回転体90の凸部90Aが第2回転体86の凸部86Aと接触するまで第2回転体86に対して好適に第4方向R4に回転する。
【0079】
抵抗付与部材118は、第1太陽ギア48のうちの歯数が最も多い第1太陽ギア48Bに設けられるため、第3回転体90の第4方向R4の回転を好適に増速できる。第1太陽ギア48のうちの歯数が最も多い第1太陽ギア48Bは、外径が大きいため、抵抗付与部材118の組み付けを簡便に行える。
【0080】
図15から
図19を参照して、爪部材88の第1回転体84への取り付け方法について説明する。爪部材88の第1回転体84への取り付け方法は、第1工程、第2工程、第3工程、第4工程、および、第5工程を含む。
【0081】
第1工程は、第1爪部材88Aの第1支持部材配置部98に第1支持部材92を配置する工程を含む。第1爪部材88Aの第1支持部材配置部98の孔98Aに第1支持部材92の第1端部92Bおよび第2端部92Cの一方を挿入し、第1爪部材88Aを第1支持部材92の円環部92Aに配置する。第1工程では、第1支持部材92の第1端部92Bおよび第2端部92Cは、第1爪部材88Aの第2支持部材配置部116に向かって延びるように第1爪部材88Aが第1支持部材92に配置される。
【0082】
第2工程は、第2爪部材88Bの第1支持部材配置部98に第1支持部材92を配置する工程を含む。第2爪部材88Bの第1支持部材配置部98の孔98Aに第1支持部材92の第1端部92Bおよび第2端部92Cの一方を挿入し、第1爪部材88Aを第1支持部材92の円環部92Aに配置する。第2工程では、第1支持部材92の第1端部92Bおよび第2端部92Cは、第2爪部材88Bの第2支持部材配置部116に向かって延びるように第2爪部材88Bが第1支持部材92に配置される。第1工程および第2工程によって、
図15に示すように、第1爪部材88Aと第2爪部材88Bとが円環部92Aの周方向において180度異なる位置になるように、第1爪部材88Aおよび第2爪部材88Bが第1支持部材92に配置される。
【0083】
第3工程は、第2工程において第1支持部材92に配置された第1爪部材88Aおよび第2爪部材88Bを、それぞれ第1回転体84の凹部84Aに配置する工程を含む。第3工程によって、
図16に示すように、第1爪部材88Aおよび第2爪部材88Bが凹部84Aに配置される。
【0084】
第4工程は、2つの駆動爪74Aを凹部84Bに挿入する工程を含む。第4工程によって、
図16に示すように、2つの駆動爪74Aが凹部84Bと第1支持部材92との間に配置される。
【0085】
第5工程は、第2支持部材93を第1爪部材88A、第2爪部材88B、および、2つの駆動爪74A上に配置する工程を含む。第2支持部材93は、第1爪部材88Aの第2支持部材配置部116、第2爪部材88Bの第2支持部材配置部116、および、2つの駆動爪74Aに形成される溝の内部に配置される。第5工程では、第2支持部材93の第1端部93Bおよび第2端部93Cは、第1支持部材92に向かって延びるように第1回転体84に配置される。第5工程によって、
図18に示すように、第2支持部材93の第1端部93Bおよび第2端部93Cが第1支持部材92の円環部92Aと第1回転体84の外周部との間に配置される。第5工程によって、
図19に示すように、第1支持部材92の第1端部92Bおよび第2端部92Cが第2支持部材93の円環部93Aと第1回転体84の外周部との間に配置される。
【0086】
<変形例>
実施形態に関する説明は、本開示に従う人力駆動車用のドライブユニットが取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本開示に従う人力駆動車用のドライブユニットは、例えば以下に示される実施形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。以下の変形例において、実施形態の形態と共通する部分については、実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0087】
・第1接続部分104は、第1部分100の第1係合部110と第2部分102の接触部114とを接続してもよい。
・第2接続部分106は、第1部分100の第1ベース部108と第2部分102の第2ベース部112とを接続してもよい。
・第1接続部分104および第2接続部分106の少なくとも1つは、第1回転体84の周方向において爪部材88の中間部に設けられてもよい。
【0088】
・爪部材88は、第1部分100と第2部分102とが第1接続部分104および第2接続部分106以外の接続部分によって接続されていてもよい。
【0089】
・爪部材88は、第1支持部材配置部98のベース部94において第2回転体86に近い側が閉鎖されていてもよい。この場合、例えば、第1接続部分104に、第1支持部材92を通過するための孔が形成される。
【0090】
・切替機構42は、内装変速機以外のドライブユニットにも用いることができる。例えば、人力駆動車10の推進をアシストするモータを備えるドライブユニットに適用してもよい。本開示の切替機構は、特に、係合部と接触部とを備える爪部材を備える切替機構を有するドライブユニットに好適に用いられる。
【0091】
本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【符号の説明】
【0092】
10…人力駆動車、12…クランク、14C…ハブ、40…ドライブユニット、42…切替機構、44…第1遊星歯車機構、46…第2遊星歯車機構、84…第1回転体、86…第2回転体、88…爪部材、88A…第1爪部材、88B…第2爪部材、90…第3回転体、92…第1支持部材、93…第2支持部材、94…ベース部、96…係合部、98…第1支持部材配置部、100…第1部分、102…第2部分、104…第1接続部分、106…第2接続部分、108…第1ベース部、110…第1係合部、112…第2ベース部、114…接触部、116…第2支持部材配置部。