(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-05
(45)【発行日】2024-02-14
(54)【発明の名称】文書管理装置、文書管理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 16/93 20190101AFI20240206BHJP
G06F 16/21 20190101ALI20240206BHJP
G06F 16/907 20190101ALI20240206BHJP
【FI】
G06F16/93
G06F16/21
G06F16/907
(21)【出願番号】P 2019237653
(22)【出願日】2019-12-27
【審査請求日】2022-10-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000136136
【氏名又は名称】株式会社PFU
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松下 哲也
(72)【発明者】
【氏名】道井 博久
【審査官】三橋 竜太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-171290(JP,A)
【文献】特開2017-215723(JP,A)
【文献】特開2018-206047(JP,A)
【文献】特開2009-157461(JP,A)
【文献】特開2019-186773(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
文書を光学的に読み取って、文書ファイルを生成するファイル生成部と、
前記ファイル生成部により生成された文書ファイルを、データベースに登録するファイル登録部と、
前記ファイル登録部により文書ファイルが登録される前に、文書及び文書ファイルと、文書ファイルの検索に用いる情報、あるいは、前記データベースにおける文書ファイルの保存又は管理に関するポリシーとを互いに関連付けた
一元表を生成する保存指定部と
を有し、
前記保存指定部は、光学的に読み取られ
た前記文書が複数の文書ファイルに分割されて電子化され
た場合に、
前記一元表の行の追加または削除を行う
文書管理装置。
【請求項2】
前記保存指定部は、前記ファイル生成部により文書から文書ファイルが生成される前に、この文書ファイルに関する前記
一元表を生成する
請求項1に記載の文書管理装置。
【請求項3】
前記ファイル生成部により文書から文書ファイルが生成される前に、この文書に関して前記
一元表の必須項目が入力されているか否かを判定する必須判定部
をさらに有し、
前記ファイル生成部は、前記必須判定部により必須項目が入力されていると判定された場合に、この文書に基づく文書ファイルの生成を開始する
請求項2に記載の文書管理装置。
【請求項4】
前記
一元表には、文書の収容場所を示す情報、文書の識別情報、及び、文書ファイルの識別情報が互いに関連付けられた電子化指示情報と、文書ファイルの識別情報と、保存先、管理権限、及び、検索キーが互いに関連付けられた保存管理ポリシー情報とが含まれている
請求項1に記載の文書管理装置。
【請求項5】
前記ファイル登録部は、前記ファイル生成部により生成された文書ファイルを、前記保存指定部により生成された前記保存管理ポリシー情報に従って、前記データベースに一括登録する
請求項4に記載の文書管理装置。
【請求項6】
前記保存指定部は、
前記
一元表を入力するときに、先行して入力された入力情報に基づいて、選択肢を絞り込み、絞り込まれた選択肢を提示して、文書所有者の選択操作を促し、
提示した選択肢のうち、文書所有者によって選択された選択肢に応じて、
一元表を生成する
請求項1に記載の文書管理装置。
【請求項7】
前記保存指定部は、前記ファイル生成部により文書ファイルが生成される時に、この文書ファイルに対して仮のファイル名を付与し、
前記ファイル登録部により文書ファイルが登録されるときに、前記保存指定部により付与された仮のファイル名を、命名規則に従ったファイル名に置換するファイル名置換部をさらに有し、
前記データベースに登録された文書ファイルには、前記ファイル名置換部により置換されたファイル名が付与されている
請求項1に記載の文書管理装置。
【請求項8】
コンピュータが、文書及び文書ファイルと、文書ファイルの検索に用いる情報、あるいは、文書ファイルの保存又は管理に関するポリシーとを互いに関連付けた
一元表のうち、文書の電子化に必要な情報に従って、文書を電子化して、文書ファイルを生成するステップと、
前記コンピュータが、前記
一元表のうち、文書ファイルの登録に必要な情報に従って、生成された文書ファイルをデータベースに登録するステップと、
前記コンピュータが、光学的に読み取られ
た前記文書が複数の文書ファイルに分割されて電子化され
た場合に、
前記一元表の行の追加または削除を行うステップと
を有する文書管理方法。
【請求項9】
文書を光学的に読み取って、文書ファイルを生成するファイル生成ステップと、
前記ファイル生成ステップにより生成された文書ファイルを、データベースに登録するファイル登録ステップと、
前記ファイル登録ステップにより文書ファイルが登録される前に、文書及び文書ファイルと、文書ファイルの検索に用いる情報、あるいは、前記データベースにおける文書ファイルの保存又は管理に関するポリシーとを互いに関連付けた
一元表を生成する指定情報生成ステップと、
光学的に読み取られ
た前記文書が複数の文書ファイルに分割されて電子化され
た場合に、
前記一元表の行の追加または削除を行う指定情報変更ステップと
をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書管理装置、文書管理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、ドキュメントの電子的保存及びその生成後のアクセスを希望するユーザにとってより簡単かつより柔軟性のある変換及び索引付け処理過程を提供できるドキュメント管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電子化された文書の活用又は管理を効率化する文書管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る文書管理装置は、文書を光学的に読み取って、文書ファイルを生成するファイル生成部と、前記ファイル生成部により生成された文書ファイルを、データベースに登録するファイル登録部と、前記ファイル登録部により文書ファイルが登録される前に、文書及び文書ファイルと、文書ファイルの検索に用いる情報、あるいは、前記データベースにおける文書ファイルの保存又は管理に関するポリシーとを互いに関連付けた保存指定情報を生成する指定情報生成部とを有する。
【0006】
好適には、前記指定情報生成部は、前記ファイル生成部により文書から文書ファイルが生成される前に、この文書ファイルに関する前記保存指定情報を生成する。
【0007】
好適には、前記ファイル生成部により文書から文書ファイルが生成される前に、この文書に関して前記保存指定情報の必須項目が入力されているか否かを判定する必須判定部をさらに有し、前記ファイル生成部は、前記必須判定部により必須項目が入力されていると判定された場合に、この文書に基づく文書ファイルの生成を開始する。
【0008】
好適には、前記保存指定情報には、文書の収容場所を示す情報、文書の識別情報、及び、文書ファイルの識別情報が互いに関連付けられた電子化指示情報と、文書ファイルの識別情報と、保存先、管理権限、及び、検索キーが互いに関連付けられた保存管理ポリシー情報とが含まれている。
【0009】
好適には、前記ファイル登録部は、前記ファイル生成部により生成された文書ファイルを、前記指定情報生成部により生成された前記保存管理ポリシー情報に従って、前記データベースに一括登録する。
【0010】
好適には、前記保存指定情報を入力するときに、先行して入力された入力情報に基づいて、選択肢を絞り込み、絞り込まれた選択肢を提示して、文書所有者の選択操作を促す選択肢提示部をさらに有し、前記指定情報生成部は、前記選択肢提示部により提示された選択肢のうち、文書所有者によって選択された選択肢に応じて、保存指定情報を生成する。
【0011】
好適には、前記ファイル生成部により文書ファイルが生成される時に、この文書ファイルに対して仮のファイル名を付与する仮ファイル名付与部と、前記ファイル登録部により文書ファイルが登録されるときに、前記仮ファイル名付与部により付与された仮のファイル名を、命名規則に従ったファイル名に置換するファイル名置換部とをさらに有し、前記データベースに登録された文書ファイルには、前記ファイル名置換部により置換されたファイル名が付与されている。
【0012】
また、本発明に係る文書管理方法は、文書の所有者が、文書及び文書ファイルと、文書ファイルの検索に用いる情報、あるいは、文書ファイルの保存又は管理に関するポリシーとを互いに関連付けた保存指定情報を入力するステップと、電子化担当者が、入力された保存指定情報のうち、文書の電子化に必要な情報に従って、文書を電子化して、文書ファイルを生成するステップと、登録担当者が、入力された保存指定情報のうち、文書ファイルの登録に必要な情報に従って、生成された文書ファイルをデータベースに登録するステップとを有する。
【0013】
また、本発明に係るプログラムは、文書を光学的に読み取って、文書ファイルを生成するファイル生成ステップと、前記ファイル生成ステップにより生成された文書ファイルを、データベースに登録するファイル登録ステップと、前記ファイル登録ステップにより文書ファイルが登録される前に、文書及び文書ファイルと、文書ファイルの検索に用いる情報、あるいは、前記データベースにおける文書ファイルの保存又は管理に関するポリシーとを互いに関連付けた保存指定情報を生成する指定情報生成ステップとをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0014】
電子化された文書の活用又は管理を効率化する文書管理装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】文書管理システム1の全体構成を例示する図である。
【
図2】文書管理システム1におけるデータや処理の流れを概観する図である。
【
図3】電子化支援装置3のハードウェア構成を例示する図である。
【
図4】電子化支援装置3の機能構成を例示する図である。
【
図5】文書管理システム1における指定情報作成処理(S10)を説明するフローチャートである。
【
図6】文書管理システム1における一括登録処理(S20)を説明するフローチャートである。
【
図7】電子化指示書及び保存指定リストを例示する図である。
【
図9】保存指定リスト及び文書フォルダを指定する画面例である。
【
図10】文書ファイルの一括登録を指示する画面例である。
【
図11】文書ファイルの保存状況を表示する画面例である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[背景]
本発明がなされた背景を説明する。
永らくオフィスでの仕事の現場では、情報共有、記録の媒体として紙を使用してきた。昨今、紙を使用しないペーパーレスオフィスに本格的に移行する取り組みが増えてきている。ペーパーレスオフィス実現のため、既に保存していた多量の紙文書を電子化するニーズがある。
紙文書の電子化において、スキャナ装置を使い、電子ファイルとするところまでは比較的簡単に実施できる。しかし、電子化したファイル(文書ファイル)をどこに保存し、どのように検索し、いつ廃棄するか、その場面になってから決めようとすると、電子化したファイル(文書ファイル)の情報は、ファイル名程度であり、一つ一つ開いてみないと内容がわからない。このため、電子化したファイル(文書ファイル)が滞ってしまい、ペーパーレスオフィスへのスムーズな移行が困難になる。
【0017】
そこで、本実施形態の文書管理システム1では、検索用の索引に連動して、決定または初期値が決まる索引を一元化した表のフォーマットを備え、表のフォーマットでは、プルダウン選択により索引入力を簡素化し、紙の整理、電子化、電子ファイルの保存時に必要となる情報を入力した表を元に、スキャナ装置にて電子化作業を行い、電子化されたデータと一元表の整合性チェックを行ったのち、文書管理装置に保存するための一括保存アプリケーションを連動できるように組み合わせる。
一括保存アプリケーションでは、保存時の文書の命名を情報区分や細分類等の索引を指定すれば、適切なファイル名や保存先が自動または半自動で決まるようなルール設定ができる。
これにより、紙の整理の情報を元に電子化の情報を簡便に入力し、これらの情報を元に保存するための索引を簡便に入力し、索引を元にファイル名や保存先を決めていくという一連の動作において、情報の再利用をルール設定しておくことで、入力操作を減らし入力ミスを防止できる。
【0018】
本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は、文書管理システム1の全体構成を例示する図である。
図1に例示するように、文書管理システム1は、クライアント端末2、電子化支援装置3、及び、文書管理装置4を含み、ネットワーク7を介して互いに接続している。
クライアント端末2は、ユーザが操作するコンピュータ端末である。例えば、クライアント端末2Aは、紙文書(文書)の所有者が使用するコンピュータ端末であり、クライアント端末2Bは、文書を電子化する電子担当者が使用するコンピュータ端末であり、スキャナ200が接続されている。クライアント端末2Cは、電子化された文書ファイルを文書管理装置4に登録する登録担当者が使用するコンピュータ端末である。
【0019】
電子化支援装置3は、紙の文書を電子化し、電子化された文書ファイルを文書管理装置4に登録する作業を支援するコンピュータ端末である。本例では、電子化支援装置3は、後述する保存指定ツール220及び一括保存ツール240をクライアント端末2に提供して、文書の電子化、及び、電子化された文書ファイルの登録を支援する。
電子化支援装置3は、本発明に係る文書管理装置の一例である。
【0020】
文書管理装置4は、電子化された文書ファイルを格納するコンピュータ端末である。文書管理装置4は、本発明に係るデータベースの一例である。
ネットワーク7は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、又は、インターネットなどの通信回線である。
【0021】
図2は、文書管理システム1におけるデータや処理の流れを概観する図である。
図2に例示するように、紙文書の所有者が、クライアント端末2Aを操作して、保存指定ツール220を用いて一元表を入力する。一元表には、文書の電子化に関する情報が記載された電子化指示書と、電子化された文書ファイルの保存及び管理に関する情報が記載された保存指定リストの両方の情報が含まれている。一元表に入力される情報は、本発明に係る保存指定情報の一例である。
入力された一元表は、電子化指示書と、保存指定リストとに分割され、電子化指示書は、電子化作業を行う電子化担当者(クライアント端末2B)に出力され、保存指定リストは、電子化された文書ファイルの登録作業を行う登録担当者(クライアント端末2C)に出力される。
電子化担当者は、入力された電子化指示書に従って、紙の文書をスキャナ200で電子化し、文書ファイル(PDFファイル)を生成する。
登録担当者は、入力された保存指定リストに従って、電子化担当者が電子化した文書ファイル(PDFファイル)を文書管理装置4に登録する。文書管理装置4に登録された文書ファイルは、保存指定リストに従って、ファイル名及び索引が付与され、保管期限が設定された状態で、文書管理装置4内に保存されることになる。
【0022】
図3は、電子化支援装置3のハードウェア構成を例示する図である。
図3に例示するように、電子化支援装置3は、CPU300、メモリ302、HDD304、ネットワークインタフェース306(ネットワークIF306)、表示装置308、及び入力装置310を有し、これらの構成はバス312を介して互いに接続している。
CPU300は、例えば、中央演算装置である。
メモリ302は、例えば、揮発性メモリであり、主記憶装置として機能する。
HDD304は、例えば、ハードディスクドライブ装置であり、不揮発性の記録装置としてコンピュータプログラム(例えば、
図4の電子化支援プログラム22)やその他のデータファイルを格納する。
ネットワークIF306は、有線又は無線で通信するためのインタフェースである。
表示装置308は、例えば、液晶ディスプレイである。
入力装置310は、例えば、キーボード及びマウスである。
【0023】
図4は、電子化支援装置3の機能構成を例示する図である。
図4に例示するように、電子化支援装置3には、電子化支援プログラム22が格納され動作する。電子化支援プログラム22は、例えば、CD-ROM等の記録媒体に格納されており、この記録媒体を介して、電子化支援装置3にインストールされる。
なお、電子化支援プログラム22の一部又は全部は、ASICなどのハードウェアにより実現されてもよく、また、OS(Operating System)の機能を一部借用して実現されてもよい。また、このプログラム全体が一台のコンピュータ端末にインストールされてもよいし、クラウド上の仮想マシンにインストールされてもよい。
【0024】
電子化支援プログラム22は、選択肢提示部222、仮ファイル名付与部224、指定情報生成部226、必須判定部230、指定情報出力部232、ファイル生成部234、整合性確認部242、ファイル名置換部244、ファイル登録部246、及び登録エラー判定部248を有する。本例では、選択肢提示部222、仮ファイル名付与部224、及び指定情報生成部226が、保存指定ツール220として提供され、整合性確認部242、ファイル名置換部244、ファイル登録部246、及び登録エラー判定部248が、一括保存ツール240として提供される。
【0025】
電子化支援プログラム22において、選択肢提示部222は、保存指定情報を入力するときに、先行して入力された入力情報に基づいて、選択肢を絞り込み、絞り込まれた選択肢を提示して、文書の所有者の選択操作を促す。本例の選択肢提示部222は、一元表を入力するときに、いずれかの入力項目で入力された入力情報に基づいて、他の入力項目の選択肢を絞り込み、絞り込まれた選択肢をクライアント端末2Aに提示して、文書の所有者の選択操作を促す。
【0026】
仮ファイル名付与部224は、ファイル生成部234により生成される文書ファイルについて、この文書ファイルを識別するための仮のファイル名を付与する。仮のファイル名は、例えば、シリアル番号である。本例の仮ファイル名付与部224は、ファイル生成部234により文書ファイルが生成されるときに、電子化指示書及び保存指定リストにおいて、この文書ファイルを一意に識別するための仮のファイル名を付与する。
【0027】
指定情報生成部226は、ファイル登録部246により文書ファイルが登録される前に、紙の文書及び文書ファイルと、文書ファイルの検索に用いる情報、あるいは、文書管理装置4における文書ファイルの保存又は管理に関するポリシーとを互いに関連付けた保存指定情報を生成する。例えば、保存指定情報には、文書の収容場所を示す情報、文書の識別情報、及び、文書ファイルの識別情報(仮のファイル名)が互いに関連付けられた電子化指示情報と、文書ファイルの識別情報(仮のファイル名)と、保存先、管理権限、及び、検索キーが互いに関連付けられた保存管理ポリシー情報とが含まれている。本例の指定情報生成部226は、ファイル生成部234により文書から文書ファイルが生成される前に、ユーザによる入力、又は、選択肢提示部222により提示された選択肢に対するユーザの選択操作に基づいて、電子化指示書及び保存指定リストの情報が含まれた一元表を生成する。
【0028】
必須判定部230は、ファイル生成部234により紙の文書から文書ファイルが生成される前に、この文書に関して保存指定情報の必須項目が入力されているか否かを判定する。本例の必須判定部230は、ファイル生成部234により紙の文書から文書ファイルが生成される前に、この文書に関して一元表の必須項目が入力されているか否かを判定する。
【0029】
指定情報出力部232は、指定情報生成部226により生成された保存指定情報に基づいて、文書の電子化に必要な情報と、文書ファイルの登録に必要な情報とを、それぞれ、電子化担当者と、登録担当者とに出力する。本例の指定情報出力部232は、指定情報生成部226により生成された保存指定情報に基づいて、
図7に例示する電子化指示書と、保存指定リストとを作成し、作成された電子化指示書を電子化担当者のクライアント端末2Bに出力し、作成された保存指定リストを登録担当者のクライアント端末2Cに出力する。
図7に例示するように、電子化指示書には、紙文書の保管場所を示す「箱No」と、背表紙等に紐づく「バインダーNo」と、紙文書を識別する「ファイルNo」と、スキャンモードを指定する「カラー」と、文書ファイルの仮ファイル名「ファイル名」とが含まれている。保存指定リストには、文書ファイルの仮ファイル名「ファイル名」と、保存名と、情報区分と、サイトと、フォルダの識別情報と、管理部署と、文書種類と、文書の大分類と、中分類と、細分類と、年度等とが含まれている。
【0030】
ファイル生成部234は、文書を光学的に読み取って、文書ファイルを生成する。本例のファイル生成部234は、必須判定部230により必須項目が入力されていると判定されたことを条件として、スキャナ200を制御して、紙の文書のスキャンを開始し、文書ファイルを生成する。
【0031】
整合性確認部242は、指定情報出力部232により出力された情報の整合性を確認する。本例の整合性確認部242は、指定情報出力部232により出力された保存指定リストの整合性と、保存指定リストの必須項目が入力済みであるか否かとを確認する。
【0032】
ファイル名置換部244は、ファイル登録部246により文書ファイルが登録されるときに、仮ファイル名付与部224により付与された仮のファイル名を、命名規則に従ったファイル名に置換する。本例のファイル名置換部244は、保存指定リストに含まれている情報と、命名規則とに基づいて、ファイル名を決定し、ファイル登録部246により文書ファイルが登録される時に、仮ファイル名付与部224により付与された仮のファイル名を、決定されたファイル名に書き換える。
【0033】
ファイル登録部246は、ファイル生成部234により生成された文書ファイルを、文書管理装置4内のデータベースに登録する。本例のファイル登録部246は、ファイル生成部234により生成された文書ファイルを、指定情報生成部226により生成された保存管理ポリシー情報に従って、文書管理装置4内のデータベースに一括登録する。データベースに登録された文書ファイルは、保管管理ポリシーに従って、文書管理装置4に保存される。
【0034】
登録エラー判定部248は、指定情報生成部226により生成された保存指定情報に基づいて、ファイル登録部246による登録処理を監視し、登録処理が正常に完了しているか否かを判定する。
【0035】
図5は、文書管理システム1における指定情報作成処理(S10)を説明するフローチャートである。
図5に例示するように、ステップ100(S100)において、クライアント端末2Aは、紙文書の所有者の操作に応じて、電子化支援装置3にアクセスし、保存指定ツール220(
図4)を起動させる。
保存指定ツール220の仮ファイル名付与部224は、仮のファイル名を生成し、生成された仮のファイル名について一元表を生成する。
選択肢提示部222は、電子化指定ビューをクライアント端末2Aに表示させて、紙文書の所有者に対して、電子化指示に必要な情報(ファイル名、カラー等)を入力又は選択させる。指定情報生成部226は、所有者の入力又は選択に応じて、一元表に電子化指示情報を追記する。
【0036】
ステップ105(S105)において、選択肢提示部222は、
図8に例示する保存指定ビューをクライアント端末2Aに表示させて、紙文書の所有者に対して、文書ファイルの登録に必要な情報(保存先(サイト)、分類等の索引等)を入力又は選択させる。保存指定ビューの「情報区分」は、マスタに登録された選択肢「公開」、「社外秘」及び「関係社外秘」の中から選択入力される。また、「サイト」は、複数の入力項目に関連付けて選択肢が用意されている。指定情報生成部226は、所有者の入力又は選択に応じて、一元表に保存指定情報を追記する。
【0037】
ステップ110(S110)において、必須判定部230は、一元表の必須項目が入力されているか否かを判定する。
電子化支援プログラム22は、必須判定部230が必須項目の入力が完了していると判定し、かつ、紙文書の所有者が一元表の入力を終了した場合に、S115の処理に移行し、必須項目が未入力である場合、又は、所有者が入力中である場合に、S100の処理に戻る。
【0038】
ステップ115(S115)において、指定情報出力部232は、指定情報生成部226により生成された一元表に基づいて、電子化指示書を作成し、作成された電子化指示書を、電子化担当者のクライアント端末2Bに出力する。
ステップ120(S120)において、クライアント端末2Bは、入力された電子化指示書を表示して、電子化担当者に、紙文書のスキャン操作を指示する。
スキャナ200が電子化担当者のスキャン操作に応じて、紙文書をスキャンして文書ファイルを生成すると、ファイル生成部234が、スキャナ200から、生成された文書ファイルを取得し、仮ファイル名付与部224が、取得された文書ファイルに、仮のファイル名を付与する。
【0039】
ステップ125(S125)において、保存指定ツール220は、一元表の整合性を確認し、整合している場合に、S130の処理に移行し、整合しない場合に、S135の処理に移行する。整合しない例として、電子化指示した紙文書を複数の文書ファイルに分割した場合や、何らかの事情で文書ファイルが作成されなくなった場合である。
【0040】
ステップ130(S130)において、指定情報出力部232は、指定情報生成部226により生成された一元表に基づいて、保存指定リストを作成し、作成された保存指定リストを、登録担当者のクライアント端末2Cに出力する。
ステップ135(S135)において、保存指定ツール220は、一元表が整合しない場合の対処として、一元表の行の追加または削除を行い、文書の実態と情報を一致させる。
【0041】
このように、指定情報作成処理(S10)では、紙文書の電子化前に、一元表を完成させ、完成した一元表に基づいて、電子化指示書を出力して、紙文書を電子化させる。
【0042】
図6は、文書管理システム1における一括登録処理(S20)を説明するフローチャートである。
図6に例示するように、ステップ200(S200)において、クライアント端末2Cは、紙文書の所有者の操作に応じて、電子化支援装置3にアクセスし、一括保存ツール240(
図4)を起動させる。
一括保存ツール240は、
図9に例示するように、保存データ指定ビューにて保存指定リストを表示し、クライアント端末2Cによる入力に応じて、保存指定リストを指定する。
ステップ205(S205)において、一括保存ツール240は、
図9に例示するように、保存データ指定ビューにて文書フォルダを表示し、クライアント端末2Cによる入力に応じて、保存する文書フォルダを指定する。
【0043】
ステップ210(S210)において、整合性確認部242は、指定された保存指定リストの整合性を確認する。整合しない場合の例としては、保存指定リスト内の保存名が重複する場合や、必須項目が未入力である場合等である。
電子化支援プログラム22は、保存指定リストが整合していると判断された場合に、S215の処理に移行し、保存指定リストが整合していないと判断された場合に、S225の処理に移行する。
【0044】
ステップ215(S215)において、一括保存ツール240は、登録済みリストを読み取り、登録対象の文書ファイルを認識する。
ステップ220(S220)において、ファイル名置換部244は、命名規則に従って、登録対象の文書ファイルに付与するファイル名を決定し、
図10に例示するように、一覧表示可能にする。
【0045】
ステップ225(S225)において、整合性確認部242は、保存指定リストのエラー箇所を提示して、登録担当者に確認を促す。
ステップ230(S230)において、紙文書の所有者又は登録担当者が、クライアント端末2を操作して、保存指定ツール220を起動させて、一元表を修正し、再出力させる。
【0046】
ステップ235(S235)において、一括保存ツール240は、登録担当者が登録を指示するまで待機し(S235:No)、登録が指示されると(S235:Yes)、S240の処理に移行する。具体的には、
図10に例示する画面で、「保存開始」がクリックされるまで待機する。
ステップ240(S240)において、ファイル登録部246は、登録対象の文書ファイルを、ファイル名置換部244に決定されたファイル名で、文書管理装置4に順次登録する。文書管理装置4には、ファイル名が置換された文書ファイルが保存されることになる。
【0047】
ステップ245(S245)において、登録エラー判定部248は、文書管理装置4への文書ファイルの登録が正常に完了したか否かを判定し、登録が正常に完了した場合に、S250の処理に移行し、登録が正常に完了しなかった場合に、S255の処理に移行する。
ステップ250(S250)において、登録エラー判定部248は、登録した文書ファイルの識別情報を登録済みリストに追記する。
【0048】
ステップ255(S255)において、登録エラー判定部248は、エラー箇所をクライアント端末2にフィードバックする。
ステップ260(S260)において、登録エラー判定部248は、
図11に例示するように、文書ファイルの保存状況をクライアント端末2上に表示する。
ステップ265(S265)において、一括保存ツール240は、登録対象の文書ファイルが全て処理された場合(S265:Yes)、一括登録処理(S20)を終了し、未処理の文書ファイルが残っている場合(S265:No)、S240の処理に戻る。
【0049】
以上説明したように、本実施形態の文書管理システム1によれば、紙文書の電子化前に、電子化指示書と保存指定リストの情報を一元化した一元表を作成することにより、紙文書に適用されていた文書管理ポリシー(文書保存のルールや、文書活用のための索引ルール等)を電子文書に引き継ぎ、電子化された文書ファイルの保管管理や活用を効率的に実現できる。特に、電子化作業や登録作業を分業化しても、ミスなく文書管理ポリシーを引き継げる点は好適である。
換言すると、紙文書の状態では、保管された場所、背表紙、タブ(仕切り)、付箋紙など、多くの情報がある。また紙は一覧性も高い。本例の文書管理システム1によれば、紙文書の状態で多くの情報が把握できるうちに、索引や電子化に向けての必要な情報や、機密保持と最適な保存場所を、紙の所有者が一元表としてあらかじめ入力することができ、これにより、各フェーズで電子化した文書が滞らずに、ライフサイクル管理が可能な文書管理装置4への保存がスムーズに実施できる。これにより、ペーパーレスオフィスの実現に役立つ。
また、文書管理装置4への保存時のファイル名の命名において、索引を指定すれば、適切なファイル名や保存先が勝手に決まるようなルール設定ができることで、あまり考えないで簡単に正しく保存できる。電子化作業は外注する場合も考慮して、従来手順で作業が可能であり、流れが止まらない。
【0050】
上記実施形態の変形例を説明する。
例えば、保存指定ツール220は、電子化支援装置3上で動作するプログラムであっても、クライアント端末2上で動作するプログラムであってもよいが、表計算ソフトで実現されてもよい。
【符号の説明】
【0051】
1…文書管理システム
3…電子化支援装置
4…文書管理装置
22…電子化支援プログラム
220…保存指定ツール
240…一括保存ツール