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  • 特許-多機能撮影システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-05
(45)【発行日】2024-02-14
(54)【発明の名称】多機能撮影システム
(51)【国際特許分類】
   B66F 9/24 20060101AFI20240206BHJP
   B65G 1/00 20060101ALI20240206BHJP
【FI】
B66F9/24 P
B65G1/00 511G
B65G1/00 501D
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020010412
(22)【出願日】2020-01-24
(65)【公開番号】P2020125211
(43)【公開日】2020-08-20
【審査請求日】2022-07-11
(31)【優先権主張番号】108201699
(32)【優先日】2019-02-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】519158908
【氏名又は名称】帷享科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000419
【氏名又は名称】弁理士法人太田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲テイ▼▲ボン▼
(72)【発明者】
【氏名】▲らい▼ 怡任
【審査官】加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-210431(JP,A)
【文献】特開2013-086959(JP,A)
【文献】特表2018-534664(JP,A)
【文献】特開2018-065626(JP,A)
【文献】特開2001-206686(JP,A)
【文献】特開2007-084162(JP,A)
【文献】特開2006-096457(JP,A)
【文献】登録実用新案第3194297(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66F 9/24
B65G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スタッカーに適用される多機能撮影システムであって、
スタッカーの前側に設けられ、該スタッカーの前方の実光景の画像を撮影するカメラと、該カメラの撮影方向に向けて少なくとも1種の色の照明光を提供する補光モジュールとを含む撮影装置と、
該撮影装置につながれ、該撮影装置により撮影された実光景の画像に対して画像処理を行う画像処理ユニットと
該スタッカーの上に設けられ、該画像処理ユニットにつながれ、該撮影装置により撮影された実光景の画像又は該画像処理ユニットにより処理された実光景の画像を表示する表示装置と、
を含み、
該画像処理ユニットが認識モジュールを備え、該認識モジュールが該撮影装置により撮影された実光景の画像から光学認識コードを認識し、遠隔データベースに接続して該光学認識コードに対応する製品情報を取得し、該製品情報を実光景の画像に重畳させる多機能撮影システムであって、
該補光モジュールが該カメラの周りに設けられる複数の補光ランプを含み、該補光ランプがそれぞれ異なる色の照明光を提供する補光ランプであり、
該撮影装置がさらに前方へ位置決めを補助するレーザービームを出射するレーザーヘッドを備え、
該画像処理ユニットがさらに位置決めモジュールを備え、該位置決めモジュールが該レーザーヘッドの起動の時に、大体環状に呈するレーダーパターンを実光景の画像に重畳させる、多機能撮影システム。
【請求項2】
該レーザーヘッドがドット状、ライン状、又はクロス状のレーザーヘッドである請求項1に記載の多機能撮影システム。
【請求項3】
該表示装置が画像を表示可能なディスプレイ、又はスタッカーのフロントガラスに画像を表示可能なヘッドアップディスプレイ(HUD、Head Up Display)である請求項1又は2に記載の多機能撮影システム。
【請求項4】
該認識モジュールより認識可能な光学認識コードが一次元コードから三次元コードまでのいずれか一つである請求項3に記載の多機能撮影システム。
【請求項5】
該撮影装置が該スタッカーの前側にある昇降可能に動作するフォークモジュールの上に設けられる請求項4に記載の多機能撮影システム。
【請求項6】
該画像処理ユニットがマイクロコントローラECU(Electronic Control Unit)である請求項5に記載の多機能撮影システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車用撮影の監視システムの技術分野に関し、特に、スタッカーに適用され、作業中にさまざまな観察視点で補助可能であり、マルチカラーで補光、商品の認識、位置決めなどの多機能を提供する撮影システムに関する。
【背景技術】
【0002】
スタッカー(又はフォークリフト車と呼ばれる)は工場、倉庫などの場所で一般的な産業用車両であり、包装されたパレット式貨物の積み卸し、積み重ね、又は短距離の輸送などの作業に使用され、普通にこれらの作業環境では貨物がほとんど箱に詰められ、作業員が貨物を移動させたい時に、貨物の内容物の状況を未知する場合、、スタッカーを操作して該貨物を移送する前に他の機器で貨物を確認する必要があるため、作業効率を改善しなければならない。
【0003】
なお、普通に作業員がスタッカーを操作する場合、適切な視点から前側の下方にある貨物フォーク(又はフォークと呼ばれる)を観察できないことが多いため、荷積みパレットに較正するように調整を繰り返す必要があり、撮影とディスプレイを利用して作業員の貨物フォークに対する観察を支援する装置があったが、それらの倉庫保管環境はほとんど薄暗い、商品の積み重ねが容易に視覚及び照明に影響し、スタッカーの使用には依然として多くの不便がある状況に鑑み、本発明者は特に前記の不便さに対して改善の方法を研究し、継続的に着想及び試験した結果、最終的に本発明を至るになった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平6-40507号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主な目的は、作業効率を改善するように、補助的な監視画像を提供しながら、撮影画面内の光学認識コードを自動的にスキャンし、作業員がスタッカーを操作する時に直接に各貨物に関する情報を知ることができるスタッカーに適用される多機能撮影システムを提供することである。
【0006】
本発明のもう一つの目的は、環境要件に応じて異なる色の照明光(多色で補光)を提供し、作業中の便利性と安全性を確保できるスタッカーに適用される多機能撮影システムを提供することである。
【0007】
本発明のさらにもう一つの目的は、使用の必要に応じて貨物フォークの較正及び位置決めの機能を補助し、実体の視覚的なレーザー位置決め又は表示画面に表示されるレーダー位置決めを提供することによって、スタッカーの操作性を向上させるスタッカーに適用される多機能撮影システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の効果と目的を達成するため、本発明が提供する技術手段は、スタッカーの前側に設けられる撮影装置と、スタッカーの上に設けられる表示装置と、両者の間につながれる画像処理ユニットとを含み、該撮影装置が該スタッカーの前方の実光景の画像を撮影するカメラと、該カメラの撮影方向に向けて少なくとも1種の色の照明光を提供する補光モジュールとを含み、該画像処理ユニットが該撮影装置により撮影された実光景の画像に対して画像処理を行い、該表示装置が該撮影装置により撮影された実光景の画像又は該画像処理ユニットにより処理された実光景の画像を表示し、さらに該画像処理ユニットが認識モジュールを備え、該認識モジュールが該撮影装置により撮影された実光景の画像から光学認識コードを認識し、遠隔データベースに接続して該光学識別コードに対応する製品情報を取得し、該製品情報を実光景の画像に重畳させる。
【0009】
上記の構成において、該補光モジュールが該カメラの周りに設けられる複数の補光ランプを含む。
【0010】
上記の構成において、該補光ランプがそれぞれ異なる色の照明光を提供する補光ランプである。
【0011】
上記の構成において、該撮影装置がさらに前方へ位置決めを補助するレーザービームを出射するレーザーヘッドを備える。
【0012】
上記の構成において、該レーザーヘッドがドット状、ライン状、又はクロス状のレーザーヘッドであり、ドット状、ライン状、又はクロス状のレーザービームを出射するようにする。
【0013】
上記の構成において、該画像処理ユニットがさらに位置決めモジュールを備え、該位置決めモジュールが該レーザーヘッドの起動の時に、大体環状に呈するレーダーパターンを実光景の画像に重畳させる。
【0014】
上記の構成において、該表示装置が画像を表示可能なディスプレイ、又はスタッカーのフロントガラスに画像を表示可能なヘッドアップディスプレイ(HUD、Head Up Display)である。
【0015】
上記の構成において、該認識モジュールより認識可能な光学認識コードが一次元コードから四次元コードまでのいずれか一つである。
【0016】
上記の構成において、該撮影装置が該スタッカーの前側にある昇降可能に動作するフォークモジュールの上に設けられる。
【0017】
上記の構成において、該画像処理ユニットが車両専用のマイクロコントローラECU(Electronic Control Unit)である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施例における撮影装置の外観を示す図である。
図2】本発明の実施例がスタッカーに適用される状態を示す図である。
図3】本発明の実施例におけるシステムの構成を示す図である。
図4】本発明の実施例の一つの使用状態を示す図である。
図5a】それぞれに図4における実光景の画像と認識光学認識コードに対応する正面を示す図である。
図5b】それぞれに図4における実光景の画像と認識光学認識コードに対応する正面を示す図である。
図6】ドット状レーザーを使用して位置決めを補助する状態を示す図である。
図7】位置決めモジュールがレーダーパターンを実光景の画像に重畳させることを示す図である。
図8】ライン状レーザーを使用して位置決めを補助する状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の上記の目的、効果、及び特徴を具体的に分かり易くするため、以下に好ましい実施例を挙げられ、図面を合わせて説明する。
【0020】
図1図3を参照し、本発明の実施例の主なシステムアーキテクチャの構成は、撮影装置10と、画像処理ユニット20と、表示装置30と、遠隔データベース40とを含み、該撮影装置10と該表示装置30が直接にスタッカーの上に設けられ、該撮影装置10がスタッカーの前側に設けられ、直接に前側フォーク(貨物フォーク)の周りの画像を撮影し、該表示装置30が運転座席の適切な位置に設けられ、作業員の観察に提供されるように該撮影装置10により撮影された画像を表示し、該画像処理ユニット20がスタッカーに取り付けられる独立した装置であり、又は該撮影装置10又は該表示装置30の内に付加される電子ユニット、例え車両専用のマイクロコントローラECU(Electronic Control Unit)などであり、主に該撮影装置10と該表示装置30との間につながれ、さらに該遠隔データベース40に接続される。
【0021】
該撮影装置10は主にスタッカー50の前側の適切な位置に設けられ、その前端には該スタッカー50の前側フォーク及びその周りの実光景の画像を撮影するカメラ11が設けられる。本発明の実施例において、撮影装置10がスタッカー50の前側にある昇降可能に動作するフォークモジュール51の上に設けられ、その高さが2つの前方に伸びるフォークとほぼ一致であり、該フォークモジュール51が昇降に移動すると、フォーク及びその周りの画像を継続的に撮影するように、撮影装置10が一緒に該フォークモジュール51に追従して同期的に昇降に移動し、作業員がいつでも該表示装置30からフォークの状態を観察することを容易にし、観察を補助する効果を達成する。
【0022】
本実施例において、該撮影装置10の前端にさらに複数の補光ランプ121とレーザーヘッド13が設けられ、該補光ランプ121が該カメラ11の前方(撮影方向)へ照明光を提供する補光モジュール12を構成し、照度不足の環境で補光を提供し、撮影された実光景の画像に対してある程度の精細度と輝度を維持させ、該補光ランプ121がそれぞれに該カメラ11の周りを囲む箇所に位置され、必要によってそれぞれの該補光ランプ121を異なる色の照明光、例え輝度を補充する白色光ランプ、又は特別な環境に適した黄色光、青色光、赤外光などを提供する光源とし、より多様な環境又は必要に適用可能であり、該レーザーヘッド13が該カメラ11の下縁に位置され、肉眼観察可能なレーザービームを前方へ直接に出射するようにし、その出射されるレーザービームが前方にある物体に可視的なマークを残すことによって、 作業員にレーザービーム又はマークを直接に観察させ、フォークモジュール51のフォークの現在の水平高さを判断することを補助し、スタッカー50の作業をより上手く進ませる。
【0023】
該画像処理ユニット20が該撮影装置10と該表示装置30との間につながれ、主に該撮影装置10により撮影された実光景の画像を受け取り、広角の実光景の画像を適切な曲面修正を行って平面画像に修正し、表示装置30に提供して表示させる。普通に、該画像処理ユニット20には、作業員の操作の時に相応的な画像処理、例え、表示画面内に画像の移動、縮小拡大の調整などを行えるようにプログラミングが内蔵され、本発明の実施例に示す該該画像処理ユニット20がさらに認識モジュール21と位置決めモジュール22を含み、該認識モジュール21が実光景の画像から光学認識コードを認識し、遠隔データベース40に接続することにより、分析して対応する製品情報を取得し、該製品情報を表示待ちの実光景の画像に重畳させ、作業員がそれを表示された画面で製品情報を直接に把握することができ、該レーザーヘッド13が起動するように制御される時に、該位置決めモジュール22が大体環状に呈するレーダーパターンを実光景の画像に重畳させ、作業員に表示画面からレーザーマークを速やかに認識させることを補助し、或いはは重畳させたレーダーパターンを直接に利用し、フォークの現在の水平高さを判断することを補助する根拠とする。
【0024】
また図4図9を合せて参照し、本実施例が実際に使用される場合、スタッカー50のフォークモジュール51に位置される撮影装置10が、図4に示すように前方に伸びるフォーク及び前方の一定の範囲を含める実光景の画像を直接に撮影することができ(即ち図5aに示すよう)、画像処理ユニット20の認識モジュール21が実光景の画像を継続的に監視し、荷積みパレット52と貨物53が所定の距離内に近接する後、認識モジュール21が実光景の画像に光学認識コードAが含まれると判断すると、光学認識コードAに対して自動的にスキャンし(即ち図5bに示すように、スキャン中に部分的に拡大され、スキャン後に縮小される)、また遠隔データベース40に接続し、光学認識コードAを分析してその対応する製品情報を取得し、製品情報を実光景の画像と共に表示装置30に表示され、スタッカー50を操作する時に作業員が直接に製品を確認可能であることをさせ、商品を認識するプロセスを簡単にし、誤った商品を移動する可能性のある問題も避けられる。
【0025】
実施可能な実施例において、該認識モジュール21が認識できる光学認識コードAは一次元コード(例えば、バーコード)、二次元コード(例えば、QRコード(登録商標),Quick Response Code)、三次元コード(色階層をさらなる導入)、又は4次元コード(時間階層をさらなる導入)でも可能であり、装置の必要によって決定されることができる 。
【0026】
作業員がスタッカー50を操作する時に、環境と場所が直接の観察に役立たない場合、表示装置30に表示される画面(実光景の画像)によりフォークの状態と相対位置を直接に判断することができ、環境と場所に照度不足である場合でも補光モジュール12を作動させ、適切な光色の補光ランプ121をつけて前方の範囲を照明することもでき、それにより、作業員の観察可能にさせるように、該撮影装置10により撮影された画像に対して良好な輝度を依然として具有させる。なお、作業員がフォークモジュール51を操作して荷積みパレット52に較正する時、必要に応じて位置決めモジュール22とレーザーヘッド13を起動させ、起動されると該レーザーヘッド13が前方へレーザービームを出射し、図6に示すように、作業員がレーザービームを直接に観察し、レーザービームとそれがその前方の物体に残すマークによって該フォークモジュール51の突出して伸びるフォークの水平高さを判断することができるため、フォークモジュール51の較正を操作する困難度を簡単にし、位置決めモジュール22が位置決めを補助する機能を表示装置30の表示画面に提供し、主に簡単なレーダーパターンを実光景の画像に重畳させ、図7に示すように、表示装置30に表示される実光景の画像で合わせて表示されるため、作業員に表示画面からレーザーマークを速やかに認識させることを補助し、或いはは重畳させたレーダーパターンを直接に利用し、フォークの水平高さを判断することを補助し、較正の根拠として作業上の難点を簡単にする。
【0027】
また、本発明の実施例において、該レーザーヘッド13がドット状のレーザーヘッドに加え、ライン状(図8に示すようなライン状の水平方向の射線)又はクロス状(図9に示すように)のレーザーヘッド13を使用することができ、作業員が直接に観察するのに役立ち、さらに、該表示装置30が普通に少なくとも画像を表示できるディスプレイであり、実際の必要と配置に応じてヘッドアップディスプレイ(HUD,Head Up Display)を使用し、作業の安全性を向上させる。
【0028】
上記により、本発明が多様な機能を具有し、スタッカーの作業の便利性と安全性の向上に役立ち、確実に特許出願要件を具有する発明であり、法規によって特許出願を提出する。以上の説明は、本発明の好適な実施形態を示したものであり、本発明を限定するものではない。従って、本発明の主旨を逸脱しない範囲における修飾または変更は、全て、本発明の保護範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0029】
1 多機能撮影システム
10 撮影装置
11 カメラ
12 補光モジュール
121 補光ランプ
13 レーザーヘッド
20 画像処理ユニット
21 認識モジュール
22 位置決めモジュール
30 表示装置
40 データベース
50 スタッカー
51 フォークモジュール
52 荷積みパレット
53 貨物
A 光学認識コード
B レーダーパターン
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図6
図7
図8