(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-05
(45)【発行日】2024-02-14
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 5/04 20060101AFI20240206BHJP
【FI】
A63F5/04 601B
A63F5/04 601C
A63F5/04 611A
A63F5/04 611B
(21)【出願番号】P 2020038737
(22)【出願日】2020-03-06
【審査請求日】2022-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】100104547
【氏名又は名称】栗林 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100206612
【氏名又は名称】新田 修博
(74)【代理人】
【識別番号】100209749
【氏名又は名称】栗林 和輝
(74)【代理人】
【識別番号】100217755
【氏名又は名称】三浦 淳史
(72)【発明者】
【氏名】引地 正太郎
(72)【発明者】
【氏名】谷口 光一郎
【審査官】酒井 保
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-000662(JP,A)
【文献】特開2003-181075(JP,A)
【文献】特開2017-086228(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御回路
と記憶手段とを有する制御基板を備えた遊技機であって、
前記制御回路は、所定の一群の信号を出力可能な複数の端子を備え、
前記所定の一群の信号を構成する各信号は、前記複数の端子のそれぞれから配線を介して出力され、
前記複数の端子は、前記配線を介して前記記憶手段の入力端子に接続され、
前記制御回路は、電源の投入後、前記記憶手段から情報を取得し、前記複数の端子を出力状態または入力状態のいずれかに設定する処理を実行可能であり、
前記複数の端子には、出力状態に設定される
が、前記処理が完了するまでの間は入力状態に設定される特定の端子があり、
前記特定の端子に接続された配線が、プルアップまたはプルダウンされていることを特徴とする遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機として、複数の図柄が配列された複数のリール、スタートレバー、およびストップボタン等を備えたスロットマシンが知られている。スロットマシンでは、遊技媒体(メダル)がベットされた後、スタートレバーが操作されたことを検出すると、複数のリールの回転が開始する。また、各リールに対応して設けられたストップボタンが操作されたことを検出すると、当該ストップボタンに対応するリールの回転が停止する。このとき、払い出しの対象となる有効ライン上に当選役に対応する図柄組み合わせが表示されると、所定枚数のメダルが払い出される等、遊技者に遊技上の利益が付与される。
【0003】
また、遊技機として、遊技盤、および発射装置等を備えたパチンコ遊技機が知られている。パチンコ遊技機では、遊技媒体(遊技球)が遊技盤の前面に設けられた遊技領域に発射され、遊技球が、遊技領域に設けられている入賞口に進入したことに基づき、遊技者に遊技上の利益が付与される。
【0004】
このような遊技機では、各種ボタンやスイッチに対する操作、あるいは所定箇所のメダルの通過等に基づいて、各種センサ等から入力信号が発せられ、主制御基板等の制御手段に入力される。制御手段は、これらの入力信号に基づいてボタン(スイッチ)に対する操作や、メダルの通過、あるいは遊技機の状態等を検出して所定の処理を行う。
【0005】
遊技機は、主制御基板(メイン基板)および副制御基板(サブ基板)等の基板によって制御されている。特許文献1には、メイン基板およびサブ基板がCPUおよびROM等を備え、CPUがROMへアドレス信号を送信し、ROMの所定のアドレスからデータを読み出して制御を行うことが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、遊技機においては、制御における誤動作の発生を防ぎ、品質を向上させることが求められている。
【0008】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、制御における誤動作の発生を防ぎ、品質が向上した遊技機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、本発明の遊技機は、
制御回路を有する制御基板を備え、
前記制御回路は、所定の一群の信号を出力可能な複数の端子を備え、
前記所定の一群の信号を構成する各信号は、前記複数の端子のそれぞれから配線を介して出力され、
前記複数の端子には、出力状態に設定されるとともに、所定時に入力状態に設定される特定の端子があり、
前記特定の端子に接続された配線が、プルアップまたはプルダウンされていることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、前記特定の端子に接続された配線が、プルアップまたはプルダウンされているため、電源投入後、制御回路がプログラムを読み出す際に、前記特定の端子の電圧がHighまたはLowのいずれかとなり、不定とならない。これにより、制御回路が正確なプログラムを読み出すことができ、誤動作の発生を防ぐことができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、遊技機の品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の第1の実施の形態に係る遊技機の一例を示すもので、その斜視図である。
【
図2】同、CPUと制御ROMとの接続状態を説明するための図である。
【
図3】同、電源が投入されてから、端子の設定が完了するまでを時系列に沿って説明する図である。
【
図4】本発明の第2の実施の形態に係る遊技機の、CPUとICとの接続状態を説明するための図である。
【
図5】本発明の第3の実施の形態に係る遊技機の、CPUと制御ROMとの接続状態を説明するための図である。
【
図6】同、(a)は電源が投入されてから、CPUが動作電圧に達するまでを時系列に沿って説明する図であり、(b)は電源がOFFされてから、CPUがOFF状態となるまでを時系列に沿って説明する図である。
【
図7】本発明の第4の実施の形態に係る遊技機の、CPUとICとの接続状態を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下では遊技機の一つであるスロットマシンについて説明するが、本発明に係る遊技機は、スロットマシンに限ることなく、パチンコ遊技機等のその他の遊技機であってもよい。また、以下の説明においては、基本的に「前後」とは、スロットマシンの前側に遊技者が居る場合に、遊技者側が「前」で、スロットマシン側が「後」を意味し、「上下」とはスロットマシンの上面側が「上」で、下面側が「下」を意味し、「左右」とはスロットマシンを遊技する遊技者の左手側が「左」を意味し、右手側が「右」を意味する。
【0014】
(第1の実施の形態)
図1に示すように、本発明のスロットマシン(遊技機)10は、遊技者側を向く面である前面側が開口された箱状の筐体11と、当該筐体11の前面側開口を開閉する前面扉12とを備えている。筐体11には、回転自在な第1リール20a、第2リール20bおよび第3リール20cがユニット化されたリールユニットと、メダルの払い出しを行うホッパー装置等が収納されている。また、前面扉12は、上扉12aと下扉12bとに分割されており、これら上扉12aおよび下扉12bはそれぞれ筐体11に対して開閉自在となっている。
【0015】
上扉12aには、液晶ディスプレイ(表示手段)13、スピーカ14などの演出用の装置、および、表示窓16が設けられている。液晶ディスプレイ13は、各種演出用の画像(動画、静止画)を表示する。また、スピーカ14は、各種演出用の音(音楽、効果音、音声等)を出力する。なお、演出用の装置としては、液晶ディスプレイやスピーカの他にランプ(LED)などの電飾装置、アクチュエータ等で動作可能な可動役物などを設けても良い。
【0016】
表示窓16の奥には、リールユニットが、その一部を表示窓16の外から視認可能に配置されている。各リール20a~20cの外周面には、複数種類の図柄が一列に配置されており、各リール20a~20cが停止すると表示窓16を通して1リール当たり3個の図柄(上段図柄、中段図柄、下段図柄)が表示される。また、表示窓16には、各リール20a~20cの図柄を視認するための表示位置として、上段、中段、下段が設けられており、各リール20a~20cの表示位置の組合せによって有効ラインが設定されている。なお、本実施形態の遊技機では、第1リール20aの中段と、第2リール20bの中段と、第3リール20cの中段とによって有効ラインが構成されている。また、本実施の形態の遊技機では、1回の遊技に関して必要なメダルの数(規定枚数)が、3枚に設定されており、規定枚数のメダルが投入されると、有効ラインが有効化される。
【0017】
スロットマシン10では、遊技開始に伴って各リール20a~20cが回転を開始するとともに当選役抽選が実行されて当選役のいずれかの当選またはハズレ(不当選)が決定される。次いで、リール20a~20cが停止したときに、当選役抽選で当選した当選役に対応する図柄組合せが有効ラインに表示されると、この当選役が入賞となり、入賞した当選役に対応する処理(入賞処理)が実行される。
【0018】
下扉12bには、メダルを投入するメダル投入口22、クレジットされたメダルをベットするためのベットボタン23、遊技を開始する際に操作されるスタートレバー(遊技開始操作手段)24、回転しているリールを停止させるためのストップボタン(停止操作手段)26a,26b,26c、ホッパー装置によりメダルを払い出す払い出し口27、払い出し口27から払い出されたメダルを受けるメダル受け皿28が設けられている。また、メダル投入口22の奥には、メダル投入口22から投入されたメダルの通過を検知するメダルセンサが設けられている。
【0019】
スロットマシン10では、メダル投入口22にメダルが投入、または、ベットボタン23が操作され規定枚数のメダルがベットされることで、スタートレバー24の操作が有効化される。また、有効化されたスタートレバー24が操作されると遊技が開始される。遊技が開始されると、各リール20a~20cが回転を開始し、各リール20a~20cの回転速度が一定速度に到達して定常回転となるとストップボタン26a~26cの操作が有効化される。また、有効化されたストップボタン26a~26cが操作されると、操作されたストップボタン26a~26cに対応する各リール20a~20cを停止する。
【0020】
スロットマシン10の内部には、メイン制御基板(主制御装置)、およびサブ制御基板(副制御装置)等が設けられている。メイン制御基板は、ベットボタン23、スタートレバー24、ストップボタン26a~26c、メダルセンサ等の入力手段からの入力信号を受けて、遊技を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいてリールユニットや、ホッパー装置等の出力手段の制御を行う。また、サブ制御基板は、メイン制御基板から送られてくる信号を受けて、演出を実行するための各種の演算を行い、演算結果に基づいて液晶ディスプレイ13およびスピーカ14等の演出用の装置(演出装置)の制御を行う。
【0021】
また、メイン制御基板とサブ制御基板とは電気的に接続されており、メイン制御基板からサブ制御基板へは遊技状態を示す情報など各種情報(信号)の送信が可能となっているが、サブ制御基板からメイン制御基板へは情報を送信できないようになっている。
また、メイン制御基板やサブ制御基板等の各基板の機能は、各種のプロセッサ(CPU、DSP等)、IC、あるいはROMやRAM等の情報記憶媒体等のハードウェアや、ROM等に予め記憶されている所定のプログラムからなるソフトウェアにより実現される。
【0022】
本実施形態および後述する第2の実施形態では、電源が投入され、CPUの電圧が動作電圧となった後におけるCPUの処理において生じ得る問題と、その問題の発生を防ぐ構成について説明する。
スロットマシン10の内部には、液晶ディスプレイ13を介しての演出を制御する液晶制御基板(制御基板)50が設けられている。
図2に示すように、液晶制御基板50は、CPU(制御回路)(マイコン)51と制御ROM52とを備えている。CPU51は、入出力端子AO1~AO24を有している。CPU51の入出力端子AO1~AO24は、配線(配線パターン:基板上の配線)(信号線)A1~A24を介して、制御ROM52の入力端子AI1~AI24に接続されている。この配線A1~A24は、CPU51から制御ROM52へ24ビットのデータ(アドレス情報)を送信可能なアドレスバスとなっている。CPU51は、入出力端子AO1~AO24を介して、制御ROM52の指定アドレスを示す24ビットのデータ(24ビットのアドレス信号)をパラレル通信で送信可能となっている。なお、CPU51および制御ROM52は、これ以外にも複数の端子を有している。
【0023】
また、CPU51は、情報入力端子PI0~PI15を備えている。また、制御ROM52は、情報出力端子PO0~PO15を備えている。情報出力端子PO0~PO15は、データバスD0~D15(配線)を介して、情報入力端子PI0~PI15に接続されている。また、CPU51のCS信号出力端子COは、配線(CS信号線)を介して、制御ROM52のCS信号入力端子CIに接続されている。CS信号出力端子COからは、通信相手を示す(複数のROMのうちのいずれのROMを選択するかを示す)CS信号(チップセレクト信号)(選択信号)が出力される。なお、図示を省略するが、CS信号出力端子は、通信相手となるICの数に応じて複数設けられていてもよい。また、CPU51のRD信号出力端子ROは、配線(リード信号線)を介して、制御ROM52のRD信号入力端子RIと接続されている。RD信号出力端子ROからは、情報の読み出すことを示すRD信号(リード信号)(読出信号)が出力される。
【0024】
制御ROM52は、CS信号入力端子CIにCS信号が入力され、RD信号入力端子RIにRD信号が入力されると、入力端子AI1~AI24(アドレス信号入力端子)に入力されるアドレス信号によって示されるアドレス(指定番地)に記憶されているデータを、情報出力端子PO0~PO15から出力する。そして、情報出力端子PO0~PO15から出力されたデータは、データバスD0~D15を介して、CPU51の情報入力端子PI0~PI15に入力される。
【0025】
上記では、CPU51とROM52との関係について説明した。図示および具体的な説明を省略するが、CPU51とRWM(図示せず)との間の関係である場合には、CPU51がWR信号出力端子をさらに備え、RWMが上記ROM502の構成に加えてWR信号入力端子を備える。CPUのWR信号出力端子は、配線(ライト信号線)を介して、RWMのWR信号入力端子に接続されている。WR信号出力端子からは、情報の書き込みであることを示すWR信号(ライト信号)(書込信号)が出力される。なお、CPU51とRWMとの関係においては、データバスD0~D15は双方向通信となる。すなわち、入力端子PI0~PI15および出力端子PO0~PO15は、入出力端子となる。
【0026】
なお、本実施形態では、CPU51の情報入力端子PI0~PI15と、制御ROM52の情報出力端子PO0~PO15とを繋ぐ配線D0~D15(データバス)が、プルアップ抵抗を介して電源(CPU51の主動作電位Vdd)に繋がれている。
【0027】
本実施形態では、入出力端子AO1~AO24のそれぞれから送信される信号によって24ビットのデータが構成され、CPU51はこの24ビットのデータを出力することによって、制御ROM52からプログラムを読み出すことができる。よって、この入出力端子AO1~AO24から出力される24ビットのアドレス信号は、所定の一群の信号(関連する一組の信号)といえる。
【0028】
CPU51の入出力端子AO1~AO24は、複数の機能(複数のモード)のうちの所定の機能(所定のモード)を設定することが可能な端子となっている。当該複数の機能としては、入力ポート状態(IN)としての機能や出力ポート状態(OUT)としての機能等がある。入出力端子AO1~AO24には初期状態(初期設定)が定められており、電源投入時から後述する所定の処理が行われるまでの間は、初期設定に基づき機能する。本実施形態では、CPU51の入出力端子AO1~AO20は、初期設定が出力ポートに設定されている。また、CPU51の入出力端子AO21~AO24は、初期設定が入力ポートに設定されている。
【0029】
図3は、電源が投入されてから、所定の処理が完了するまでを時系列に沿って説明する図である。(1)まず電源が投入される。
(2)次にCPU51は特定プログラム(スタート用のプログラム)を制御ROM52から読み出す。(3)次にCPU51は、所定の処理として、読み出したプログラム(特定プログラム)に基づいて入出力端子AO1~AO24の設定を行う。具体的には、CPU51は、読み出したプログラムに基づいて入出力端子AO1~AO24を出力ポートまたは入力ポートのいずれかに設定する。ここで、
図3に示すように、電源が投入されてから、CPU51による各端子の設定が完了するまでの間を第1期間(特定期間)とする。既述のとおり、第1期間の間、入出力端子AO1~AO24は、初期設定に従って出力ポートまたは入力ポートのいずれかに設定されることとなる。
【0030】
図2に戻り説明する。初期設定が出力ポートである入出力端子AO1~AO20は、所定の処理が完了した後も出力ポートとして機能する。また、初期設定が入力ポートである入出力端子AO21~AO24は、所定の処理が完了した後は、出力ポートとして機能する。
【0031】
なお、入出力端子AO1~AO20を、常に出力ポートとして機能する端子としてもよい。よって、入出力端子AO1~AO24のうち、少なくとも入出力端子AO21~AO24は、出力ポートに設定されるとともに、所定時(電源が投入されてから、CPU51による各端子の設定が完了するまでの間(少なくとも特定プログラムを読み出す時))に入力ポートに設定される端子(特定の端子)となっている。また、制御ROM52の入力端子AI1~AI24は、常に入力ポートに設定されている。
【0032】
第1期間では、CPU51の入出力端子AO1~AO20が出力ポートであり、かつ制御ROM52の入力端子AI1~AI20が入力ポートであるという状態となる。このとき、入出力端子AO1~AO20が電圧レベルHigh(以下Highとする)または電圧レベルLow(以下Lowとする)を出力するので、入出力端子AO1~AO20の電圧がHighまたはLowとなる。よって、第1期間において、入出力端子AO1~AO20がハイインピーダンスとなることはない。なお、本例では、第1期間において、入出力端子AO1~AO20がLowを出力し、端子電圧がLowになっているものとする。
【0033】
また、第1期間では、CPU51の入出力端子AO21~AO24が入力ポートであり、かつ制御ROM52の入力端子AI21~AI24が入力ポートであるという状態となる。このとき、入出力端子AO21~AO24と入力端子AI21~AI24との両方がハイインピーダンスとなり、入出力端子AO21~AO24の電圧が不定となる(配線A21~A24が不定となる)。
【0034】
第1期間において、CPU51は特定プログラムを制御ROM52から読み出すが、上記のように入出力端子AO21~AO24の電圧が不定であると、CPU51が特定プログラムを読み出す際に、CPU51から出力されるアドレス信号が、特定プログラムが記憶されている番地とは異なる番地を示すアドレス(不適切なアドレスとする)を示すものとなってしまうおそれがある。特定プログラムは、制御ROM52の例えば0番地(アドレス[000000H])に記憶されているが、アドレス信号が不適切なアドレスを示すものである場合、CPU51は0番地とは異なる番地にアクセスしてしまうおそれがある。仮にCPU51が特定プログラムとは異なるプログラム(最初に読み出すプログラムとして不適切なプログラム)を制御ROM52から読み出した場合、当該不適切なプログラムに基づいて、誤動作してしまうおそれがある。
【0035】
このような問題の発生を防ぐために、本実施形態では、
図2に示すように、CPU51の入出力端子AO21~AO24と制御ROM52の入力端子AI21~AI24とを繋ぐ配線A21~A24を、プルダウン抵抗R1~R4を介してGND(グランド、グラウンド)に接続させている(プルダウンさせている)。したがって、第1期間において、ハイインピーダンスとなっている入出力端子AO21~AO24の電圧がLowに固定(論理固定)される。
【0036】
このように第1期間において入出力端子AO21~AO24の出力端子電圧がLowに固定されているため、CPU51が特定プログラムを制御ROM52から読み出す際に、CPU51から出力されるアドレス信号が不適切なアドレスを示すものとはならず、CPU51は適切なプログラム(特定プログラム)を読み出すことができる。すなわち、CPU51は0番地にアクセスすることができる。
【0037】
なお、
図2では、CPU51の入出力端子AO21~AO24と制御ROM52の入力端子AI21~AI24とを繋ぐ配線A21~A24をプルダウンさせる場合を示したが、当該配線A21~A24をプルアップさせてもよい。すなわち、CPU51の入出力端子AO21~AO24と制御ROM52の入力端子AI21~AI24とを繋ぐ配線A21~A24が、プルアップ抵抗を介して電源(CPU51の主動作電位)に繋がれているものとしてもよい。この場合、第1期間において、ハイインピーダンスとなっている入出力端子AO21~AO24がHighに固定されることとなる。このような構成とする場合、制御ROM52における例えばn番地(アドレス[F00000H]に特定プログラムを記憶させておく。これにより、第1期間においてCPU51が特定プログラムを制御ROM52から読み出す際に、CPU51はn番地にアクセスし、正確なプログラムを読み出すことができる。
【0038】
本実施形態によれば、制御回路(51)は、所定の一群の信号(アドレス信号)を出力可能な複数の端子(AO1~AO20)を備え、前記所定の一群の信号を構成する各信号は、前記複数の端子のそれぞれから配線(A1~A24)を介して出力され、前記複数の端子には、出力状態(出力ポート)に設定されるとともに、所定時(第1期間:電源が投入されてから、CPUによる各端子の設定が完了するまでの間(少なくとも特定プログラムを読み出す時))に入力状態(入力ポート)に設定される特定の端子(AO21~AO24)があり、前記特定の端子に接続された配線(A21~A24)が、プルアップまたはプルダウンされている。電源投入後、CPU51が特定プログラムを読み出す際に、前記特定の端子の電圧がHighまたはLowのいずれかに固定されている。このため、CPU51は正確なプログラムを読み出すことができる。これにより、誤動作の発生を防ぐことができる。
【0039】
また、所定時に入力ポートに設定される特定の端子に接続された配線(A21~A24)のみにプルダウン抵抗またはプルアップ抵抗を接続している。このため、部品点数の増加を最小限としつつ、上記の誤動作の発生を防ぐことができる。
【0040】
本実施形態では、液晶制御基板50におけるCPU51および制御ROM52を用いて説明したが、本内容は他の基板におけるCPUとROMとの関係にも適用することができる。
【0041】
なお、配線をプルダウンさせるかプルアップさせるかは、CPU、ROM、RWM等の入出力ピンの仕様や、データ等に依るが、本実施形態では、CPU51とROM52とを接続する複数の配線について、アドレスバス(A21~A24)はプルダウン抵抗を介してGNDに接続されており、データバス(D1~D15)はプルアップ抵抗を介して電源(CPU51の主動作電位)に接続されているという特徴を有する。
【0042】
(第2の実施の形態)
次に本発明の第2の実施の形態について説明する。
第1の実施の形態では、液晶制御基板50におけるCPU51と制御ROM52とを用いて説明したが、本実施形態では、
図4に示すサブ制御基板(制御基板)40におけるCPU41とIC42とを用いて説明する。本実施形態の遊技機は、基本的に第1の実施の形態の遊技機と同様の構成を有するものであるため、第1の実施の形態の遊技機と同様の構成については、その説明を省略ないし簡略化する。
【0043】
図4に示すように、サブ制御基板40は、CPU(制御回路)(マイコン)41とIC42とを有している。IC42は信号変換ICであり、デジタルRGB信号をLVDS信号(低電圧作差動信号)へと変換して出力する。
【0044】
CPU41は、入出力端子D0(DCLKO端子)、入出力端子D1(HSYNC端子)、入出力端子D2(VSYNC端子)、および入出力端子D3(RGBDE端子)を有している。入出力端子D0~D3は、複数の機能のうちの所定の機能を設定可能な端子である。本実施形態では、入出力端子D0,D1,D3は常に出力ポートに設定されている。また、入出力端子D2は、初期設定が入力ポートに設定され、所定の処理(CPU41が特定プログラムを読み出し、特定プログラムに基づき端子を設定する処理)が完了すると出力ポートに設定される。なお、CPU41はこれ以外にも複数の端子を有している。
【0045】
IC42は、入力端子P0(DCLKO端子)、入力端子P1(HSYNC端子)、入力端子P2(VSYNC端子)、入力端子P3(RGBDE端子)を有している。入力端子P0~P3は、常に入力ポートに設定されている。なお、IC42はこれ以外にも複数の端子を有している。
【0046】
CPU41の入出力端子D0は、配線(信号線)B0を介してIC42の入力端子P0に接続されている。入出力端子D0から入力端子P0へはDCLKO(ドットクロック)信号が送られる。DCLKO信号は、液晶上の1ピクセルを処理するためのクロック信号である。
【0047】
CPU41の入出力端子D1は、配線(信号線)B1を介してIC42の入力端子P1に接続されている。入出力端子D1から入力端子P1へはHSYNC信号が送られる。HSYNC信号は水平同期信号である。
【0048】
CPU41の入出力端子D2は、配線(信号線)B2を介してIC42の入力端子P2に接続されている。入出力端子D2から入力端子P2へはVSYNC信号が送られる。VSYNC信号は垂直同期信号である。
【0049】
CPU41の入出力端子D3は、配線(信号線)B3を介してIC42の入力端子P3に接続されている。入出力端子D3から入力端子P3へはRGBDE信号が送られる。RGBDE(RGBデータイネーブル)信号は、信号変換IC42の制御のON/OFFを切り替える信号である。
【0050】
DCLKO信号、HSYNC信号、VSYNC信号およびRGBDE信号の4つの信号によって、液晶の表示が制御されている。換言すると、DCLKO信号、HSYNC信号、VSYNC信号およびRGBDE信号の4つの信号は、液晶の表示に関する信号(デジタルRGB信号の制御用の信号)である。よって、入出力端子D0~D3から出力される信号は、所定の一群の信号(関連する一組の信号)といえる。
【0051】
第1の実施形態における
図3の説明と同様に、電源が投入されると、CPU41は特定プログラムをROMから読み出して、読み出したプログラムに基づき各端子の設定を行う。電源投入時から各端子の設定が完了するまでの間(すなわち第1期間)では、CPU41の入出力端子D0,D1,D3が出力ポート設定であり、かつIC42の入力端子P0,P1,P3が入力ポート設定であるという状態となる。このとき、入出力端子D0,D1,D3がLowまたはHighを出力するので、端子電圧はLowまたはHighとなる。よって、第1期間において、入出力端子D0,D1,D3がハイインピーダンスとなることはない。
【0052】
また、第1期間では、CPU41の入出力端子D2が入力ポート設定であり、かつIC42の入力端子P2が入力ポート設定であるという状態となる。このとき、入出力端子D2と入力端子P2との両方がハイインピーダンスとなり、入出力端子D2の電圧が不定となる(配線B2が不定となる)。
【0053】
また、入出力端子D2は、High、Low、オープン(ハイインピーダンス)を示す3種類の出力状態をとることができるスリーステート(3ステート)端子であり、CPU41にリセット信号が入力されると、リセット中に(リセット状態において)、CPU41の入出力端子D2がオープンに設定される。よって、第1期間において、CPU41の入出力端子D2がオープンとなるため、入出力端子D2がハイインピーダンスとなり、入出力端子D2の電圧が不定となる(配線B2が不定となる)。
【0054】
入出力端子電圧D2の電圧が不定であると、誤動作の発生や部品(CPU41および/またはIC42)の破損等のおそれがある。そこで、本実施形態では、
図4に示すように、CPU41の入出力端子D2とIC42の入力端子P2とを繋ぐ配線B2を、プルダウン抵抗R1を介してGND(グランド、グラウンド)に接続させている(すなわちプルダウンさせている)。なお、図示を省略するが、当該配線B2が、プルアップ抵抗を介して電源(CPU41の主動作電位)に繋がれている(プルアップされている)ものとしてもよい。このように構成することで、第1期間やCPU41のリセット中において、CPU41の入出力端子D2が、LowまたはHighのいずれかに固定される。
【0055】
本実施形態によれば、制御回路(41)は、所定の一群の信号(液晶の表示に関する信号)を出力可能な複数の端子(D0~D3)を備え、前記所定の一群の信号を構成する各信号は、前記複数の端子のそれぞれから配線(B0~B3)を介して出力され、前記複数の端子には、出力状態(出力ポート)に設定されるとともに、所定時(第1期間:電源が投入されてから、CPUによる各端子の設定が完了するまでの間(少なくとも特定プログラムを読み出す時))に入力状態(入力ポート)に設定される特定の端子(D2)があり、前記特定の端子に接続された配線(B2)が、プルアップまたはプルダウンされている。
【0056】
また、制御回路(41)は、所定の一群の信号(液晶の表示に関する信号)を出力可能な複数の端子(D0~D3)を備え、前記所定の一群の信号を構成する各信号は、前記複数の端子のそれぞれから配線(B0~B3)を介して出力され、前記複数の端子には、出力状態(出力ポート)に設定されるとともに、所定時(リセット中)にオープンに設定される特定の端子(D2)があり、前記特定の端子に接続された配線(B2)が、プルアップまたはプルダウンされている。
よって、第1期間の間やCPUリセット中であっても、前記特定の端子の電圧がHighまたはLowのいずれかに固定される。このため、誤動作の発生や部品の破損を防ぐことができる。
【0057】
なお、第1の実施形態では液晶制御基板50を用いて説明し、第2の実施形態ではサブ制御基板40を用いて説明したが、本発明は、IC(CPU、ROM等)が実装されている他の基板(例えばメイン制御基板)にも適用可能である。
【0058】
(第3の実施の形態)
次に本発明の第3の実施の形態について説明する。
本実施形態では、電源が投入された後、CPUの電圧が動作電圧に達するまでの間等に生じ得る問題と、その問題の発生を防ぐ構成について説明する。本実施形態では、液晶制御基板50を用いて説明する。本実施形態の遊技機は基本的に第1の実施の形態の遊技機と同様の構成を有するものであるため、第1の実施の形態の遊技機と同様の構成については、その説明を省略ないし簡略化する。
【0059】
図5に示すように、液晶制御基板50は、CPU51と制御ROM52とを備えている。CPU51の入出力端子AO1~AO24は、複数の機能のうちの所定の機能を設定可能な端子となっている。CPU51の入出力端子AO1~AO20は、初期設定が出力ポートに設定されている。また、CPU51の入出力端子AO21~AO24は、初期設定が入力ポートに設定されている。また、制御ROM52の入力端子AI1~AI24は、常に入力ポートに設定されている。
【0060】
図6(a)は、電源が投入されてから、CPU51の電圧が動作電圧に達するまでを時系列に沿って説明する図である。(1)まず電源が投入され、電源電圧が上昇し始める。詳細な説明は省略するが、液晶制御基板50は、電源電圧(12V)の供給を受け、12Vの電源電圧から3.3VのCPU電圧を生成する。(2)次にCPU51への電源供給が開始され、CPU51の電圧が上昇し始める。(3)次にCPU51の電圧が動作電圧に達し、CPU51による制御が実行される状態(制御状態)となる。
図6(a)に示すように、CPU51は、OFF状態から、CPU未制御状態(過渡状態)とリセット状態とを経て、制御状態に至る。CPU未制御状態は、CPU51に供給される電圧が低く、CPU51が動作不可能な状態である。また、リセット状態は、所定の初期化処理が行われ、CPU51の電圧が所定の電圧となるのを待機している状態である。
【0061】
図6(b)は、電源がOFFされてから、CPU51へ電源が供給されない状態(すなわちOFF状態)となるまでを時系列に沿って説明する図である。(1)まず電源がOFFされ、電源電圧が降下し始める。(2)次にCPU51の電圧が降下し始める。(3)次にCPU51へ電源が供給されない状態となり、OFF状態となる。
図6(b)に示すように、CPU51は、制御状態から、リセット状態とCPU未制御状態(過渡状態)とを経て、OFF状態に至る。リセット状態は、電断処理(退避処理)が行われ、電圧が降下してOFF状態となるのを待機している状態である。本実施形態では、CPU51がCPU未制御状態およびリセット状態である間を第2期間(特定期間)とする。
【0062】
図5に戻り説明する。入出力端子AO1~AO24は、入力ポート状態、出力ポート状態、あるいはオープン状態を設定可能となっているが、第2期間(CPU未制御状態またはリセット状態)において、入出力端子AO1~AO24のうちの少なくとも1つの端子(これを第1所定端子とする)に、入力ポート状態が設定される可能性がある。第2期間において、第1所定端子が入力ポート状態に設定されると、第1所定端子と、配線を介して第1所定端子と接続された入力端子(入力端子AI1~AI24のうちの少なくとも1つの端子)との両方がハイインピーダンスとなり、第1所定端子の電圧が不定となる。
また、第2期間において、入出力端子AO1~AO24のうちの少なくとも1つの端子(これを第2所定端子とする)に、オープン状態が設定される可能性がある。第2期間において、第2所定端子がオープン状態に設定されると、第2所定端子がハイインピーダンスとなり、第2所定端子の電圧が不定となる。
【0063】
ここで、CPU51の動作可能電圧よりも制御ROM52の動作可能電圧が低い場合、電源投入後に(電源投入後における第2期間の間に)、CPU51は動作不可能となるが、制御ROM52は動作可能となる所定の期間がある。また、電源OFF後に(電源OFF後における第2期間の間に)、CPU51は動作不可能となるが、制御ROM52は動作可能となる所定の期間がある。これらの所定の期間において、入出力端子AO1~AO24のうちの少なくとも一部の端子の端子電圧が不定となると、誤動作の発生や接続先の制御ROM52(CMOSIC等)の破損という問題が生じるおそれがある。
【0064】
このような問題の発生を防ぐために、本実施形態では、
図5に示すように、CPU51の入出力端子AO1~AO24と制御ROM52の入力端子AI1~AI24とを繋ぐ配線A1~A24のすべてを、プルダウン抵抗R1~R24を介してGND(グランド、グラウンド)に接続させている(プルダウンさせている)。したがって、第2期間の間にハイインピーダンスとなる可能性がある入出力端子AO1~AO24の端子電圧がLowに固定され、ハイインピーダンスとならない。すなわち、第2期間の間に、入出力端子AO1~AO24の端子電圧がLowに固定されるため、入出力端子AO1~AO24の端子電圧が不定となることがない(第2期間の間における入出力端子AO1~AO24の端子電圧を安定させることができる)。なお、第2期間は、CPU51および制御ROM52の両方が所定の電圧(動作電圧)となるまでの期間ともいえる。
【0065】
また、
図5では、CPU51の入出力端子AO1~AO24と制御ROM52の入力端子AI1~AI24とを繋ぐ配線A1~A24すべてをプルダウンさせる場合を示したが、当該配線A1~A24すべてをプルアップさせてもよい。すなわち、CPU51の入出力端子AO1~AO24と制御ROM52の入力端子AI1~AI24とを繋ぐ配線A1~A24が、プルアップ抵抗を介して電源(CPU51の主動作電位)に繋がれているものとしてもよい。この場合、第2期間の間にハイインピーダンスとなる可能性がある入出力端子AO1~AO24がHighに固定され、ハイインピーダンスとならない。
【0066】
本実施形態によれば、制御回路(51)は、所定の一群の信号(アドレス信号)を出力可能な複数の端子(AO1~AO24)を備え、前記所定の一群の信号を構成する各信号は、前記複数の端子のそれぞれから配線(A1~A24)を介して出力され、前記複数の端子には、出力状態(出力ポート)に設定されるとともに、所定時に入力状態(入力ポート)に設定される特定の端子(例えばAO21~AO24)があり、前記特定の端子を含む前記複数の端子に接続されたすべての配線(A1~A24)が、プルアップまたはプルダウンされている。このように構成することで、第2期間の間に、前記複数の端子の電圧がHighまたはLowのいずれかに固定されるため、前記複数の端子の端子電圧が不安定となることがない。これにより、誤動作の発生や接続先の部品の破損を防ぐことができる。
【0067】
また、所定時に入力ポートに設定される特定の端子(AO21~AO24)に接続された配線(A21~A24)が、プルアップまたはプルダウンされている。このため、本実施形態による上記効果に加えて、第1の実施形態と同様の効果を奏する。
【0068】
(第4の実施の形態)
次に本発明の第4の実施の形態について説明する。
第3の実施の形態は、液晶制御基板50におけるCPU51と制御ROM52とを用いて説明したが、本実施形態では、サブ制御基板40のCPU41とIC43とを用いて説明する。本実施形態の遊技機は、基本的に第2の実施の形態および第3の実施の形態の遊技機と同様の構成を有するものであるため、第2の実施の形態および第3の実施の形態の遊技機と同様の構成については、その説明を省略ないし簡略化する。
【0069】
図7に示すように、サブ制御基板40はCPU41とIC43とを備えている。本実施形態では、CPU41がVDP(Video Display Processor)を内蔵しており、所定の信号(デジタルRGB信号)に基づきLVDS信号(低電圧差動信号)を生成し、LVDS信号をIC43へ出力する。IC43は、液晶モジュール用のICであり、LVDS信号に基づいて最終的な画像信号を生成する。
【0070】
CPU41は、入出力端子D0~D19を有している。入出力端子D0~D19は、複数の機能のうちの所定の機能を設定可能な端子となっている。なお、本実施形態では、入出力端子D0~D19は、常に出力ポートに設定されているものとする。また、CPU41はこれ以外にも複数の端子を有している。
【0071】
IC43は、入力端子P0~P19を有している。入力端子P0~P19は、常に入力ポートに設定されている。なお、IC43はこれ以外にも複数の端子を有している。
【0072】
図7に示すように、CPU41の入出力端子D0は、配線(信号線)C0を介してIC43の入力端子P0に接続されている。入出力端子D0から入力端子P0へはLVDS信号「TTA1+」が送られる。また、入出力端子D1は、配線C1を介して入力端子P1に接続されている。入出力端子D1から入力端子P1へはLVDS信号「TTA1-」が送られる。LVDS信号「TTA1+」とLVDS信号「TTA1-」とは、差動で伝送される一対のLVDS信号となっている。
【0073】
入出力端子D2は、配線C2を介して入力端子P2に接続されている。入出力端子D2から入力端子P2へはLVDS信号「TTB1+」が送られる。また、入出力端子D3は、配線C3を介して入力端子P3に接続されている。入出力端子D3から入力端子P3へはLVDS信号「TTB1-」が送られる。LVDS信号「TTB1+」とLVDS信号「TTB1-」とは、差動で伝送される一対のLVDS信号となっている。
【0074】
入出力端子D4は、配線C4を介して入力端子P4に接続されている。入出力端子D4から入力端子P4へはLVDS信号「TTC1+」が送られる。また、入出力端子D5は、配線C5を介して入力端子P5に接続されている。入出力端子D5から入力端子P5へはLVDS信号「TTC1-」が送られる。LVDS信号「TTC1+」とLVDS信号「TTC1-」とは、差動で伝送される一対のLVDS信号となっている。
【0075】
入出力端子D6は、配線C6を介して入力端子P6に接続されている。入出力端子D6から入力端子P6へはLVDS信号「TTD1+」が送られる。また、入出力端子D7は、配線C7を介して入力端子P7に接続されている。入出力端子D7から入力端子P7へはLVDS信号「TTD1-」が送られる。LVDS信号「TTD1+」とLVDS信号「TTD1-」とは、差動で伝送される一対のLVDS信号となっている。
【0076】
入出力端子D8は、配線C8を介して入力端子P8に接続されている。入出力端子D8から入力端子P8へはLVDS信号「TTCLK1+」が送られる。また、入出力端子D9は、配線C9を介して入力端子P9に接続されている。入出力端子D9から入力端子P9へはLVDS信号「TTCLK1-」が送られる。LVDS信号「TTCLK1+」とLVDS信号「TTCLK1-」とは、差動で伝送される一対のLVDS信号となっている。
【0077】
なお、重複するため説明を省略するが、入出力端子D10~D19、配線C10~C19、入力端子P10~P19、LVDS信号「TTA2+」~LVDS信号「TTCLK2-」も上記と同様である。
【0078】
上述の各LVDS信号は、所定のドットのRGBを指示する信号や、同期信号等であり、液晶の表示に関する信号(映像に関する信号)である。よって、入出力端子D0~D19から出力される上述の各信号は、所定の一群の信号(関連する一組の信号)といえる。
【0079】
なお、上記ではD0~D19から出力される信号を所定の一群の信号としたが、入出力端子D0~D9から出力される各信号が、所定の一群の信号(第1群の信号)を構成し、入出力信号D10~D19から出力される各信号が、所定の一群の信号(第2群の信号)を構成しているともいえる。本実施形態では、映像表示の制御に第1群の信号と第2群の信号とを要する液晶(19インチ)を用いているため、CPU41が第1群の信号および第2群の信号を出力するように構成されている。なお、搭載する液晶の仕様によっては一方(第1群の信号)のみが出力されるようになっていてもよい。また、第1群の信号および第2群の信号の両方が出力されるように構成して、第1群の信号によって1つの液晶の映像表示が制御され、第2群の信号によって1つの液晶の映像表示が制御されるようにしてもよい。
【0080】
ここで、CPU41の動作可能電圧よりもIC43の動作可能電圧が低い場合、電源投入後に(電源投入後における第2期間の間に)、CPU41は動作不可能となるが、IC43は動作可能となる所定の期間がある。また、電源OFF後に(電源OFF後における第2期間の間に)、CPU41は動作不可能となるが、IC43は動作可能となる所定の期間がある。これらの所定の期間において、入出力端子D1~D19のうちの少なくとも一部の端子電圧が不定となると、誤動作の発生や出力先のIC43(CMOSIC等)の破損という問題が生じるおそれがある。
【0081】
このような問題の発生を防ぐために、本実施形態では、
図7に示すように、CPU41の入出力端子D0~D19とIC43の入力端子P0~P19とを繋ぐ配線C0~C19のすべてを、プルダウン抵抗R1~R20を介してGND(グランド、グラウンド)に接続させている(プルダウンさせている)。したがって、CPU41がCPU未制御状態およびリセット状態である間(すなわち第2期間の間)にハイインピーダンスとなる可能性がある入出力端子D0~D19の端子電圧がLowに固定され、ハイインピーダンスとならない。すなわち第2期間の間に、入出力端子D0~D19の端子電圧がLowに固定されるため、入出力端子D0~D19の端子電圧が不定となることがない(第2期間の間における入出力端子D0~D19の端子電圧を安定させることができる)。
【0082】
なお、
図7では、CPU41の入出力端子D0~D19とIC43の入力端子P0~P19とを繋ぐ配線C0~C19をプルダウンさせる場合を示したが、所定の場合には、当該配線C0~C19をプルアップさせてもよい。すなわち、Highの電圧がサブ制御基板40上に存在する電圧であり、かつLowがGND電圧である場合には、そのHigh-Low間で動く信号ライン(配線C0~C19)を、プルアップ抵抗を介して電源に繋いでもよい。この場合、第2期間の間、CPU41の入出力端子D0~D19がHighに固定され、ハイインピーダンスとならない。
【0083】
本実施形態によれば、制御回路(41)は、所定の一群の信号(液晶の表示に関する信号)を出力可能な複数の端子(D0~D19)を備え、前記所定の一群の信号を構成する各信号は、前記複数の端子のそれぞれから配線(C0~C19)を介して出力され、前記複数の端子には、出力状態(出力ポート)に設定されるとともに、所定時に入力状態(入力ポート)に設定される特定の端子があり、前記特定の端子を含む前記複数の端子に接続されたすべての配線(C0~C19)が、プルアップまたはプルダウンされている。このように構成することで、第2期間の間、前記複数の端子の電圧がHighまたはLowのいずれかに固定されるため、前記複数の端子の端子電圧が不安定となることがない。これにより、誤動作の発生や接続先の部品の破損を防ぐことができる。
【0084】
なお、本実施形態では、CPU41とIC43とを用いて説明したが、CPU41は、信号変換ICであってもよい。また、本実施形態では、IC43がCPU41と同一基板上(サブ制御基板40上)に設けられているものとしたが、IC43はCPU41とは別の基板上(液晶モジュール側の液晶制御基板上)に設けられていてもよい。その場合、サブ制御基板40と、IC43が実装された液晶制御基板とが、コネクタおよびケーブル(例えばFPC)を介して接続される。また、サブ制御基板40または液晶制御基板に、プルダウン抵抗またはプルアップ抵抗のいずれかが実装される。
【0085】
なお、本発明は、前述した各実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。例えば、スロットマシンの遊技制御形態および構成等は前述した実施の形態のそれに限定されない。また、前述した制御動作は、スロットマシンに限らず、パチンコ遊技機、メダルレス遊技機等の他の遊技機にも適用できる。本発明は、遊技機に適用でき、遊技機には、スロットマシン、パチンコ遊技機、メダルレス遊技機等が含まれる。
【0086】
なお、本発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0087】
10 遊技機
40,50 制御基板
41,51 制御回路
AO1~AO24,D0~D3 (制御回路の)複数の端子
A1~A24,B0~B3 (制御回路の複数の端子のそれぞれに接続された)配線
AO21~AO24,D2 所定時に入力ポートに設定される特定の端子