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特許7431070データ管理システム、および、データ管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-05
(45)【発行日】2024-02-14
(54)【発明の名称】データ管理システム、および、データ管理方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/9035 20190101AFI20240206BHJP
   G01D 9/00 20060101ALI20240206BHJP
【FI】
G06F16/9035
G01D9/00 A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020044562
(22)【出願日】2020-03-13
(65)【公開番号】P2021144629
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2022-03-04
【審判番号】
【審判請求日】2023-08-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】江間 伸明
(72)【発明者】
【氏名】吉田 善貴
【合議体】
【審判長】林 毅
【審判官】脇岡 剛
【審判官】吉田 美彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-220893号公報(JP,A)
【文献】特開2020-016938号公報(JP,A)
【文献】特開2008-227943号公報(JP,A)
【文献】特開平09-016633号公報(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC G06F17/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象を測定した測定データを複数のセンサのそれぞれから取得するデータ取得部と、
前記測定データを記録するデータ記録部と、
前記複数のセンサのそれぞれから取得した前記測定データに基づいて、前記複数のセンサのそれぞれに付与する優先度を設定する優先度設定部と、
前記複数のセンサのそれぞれにおける前記優先度に応じて、前記測定データの中から削除すべき削除データを選択するデータ選択部と、
前記削除データを削除するデータ削除部と
を備え、
前記優先度設定部は、推測した推測データと前記測定データとの差を前記複数のセンサのそれぞれについて算出し、前記差が小さいセンサを前記差が大きいセンサよりも低い優先度に設定し、
前記データ選択部は、前記優先度が低いセンサから取得した前記測定データを優先的に前記削除データとして選択する、データ管理システム。
【請求項2】
前記優先度設定部は、前記複数のセンサのそれぞれにおける前記優先度を動的に更新する、請求項1に記載のデータ管理システム。
【請求項3】
前記優先度設定部は、予め定められたタイミングで、前記複数のセンサのそれぞれにおける前記優先度を更新する、請求項に記載のデータ管理システム。
【請求項4】
前記優先度設定部は、前記優先度を設定する基準を、前記タイミングの前後で変更する、請求項に記載のデータ管理システム。
【請求項5】
前記優先度設定部は、予め定められたイベントの発生に応じて、前記複数のセンサのそれぞれにおける前記優先度を更新する、請求項からのいずれか一項に記載のデータ管理システム。
【請求項6】
前記優先度設定部は、前記優先度を設定する基準を、前記イベントの発生の前後で変更する、請求項に記載のデータ管理システム。
【請求項7】
前記削除データの削除後における前記測定データを他のシステムまたは装置へ送信するデータ送信部を更に備える、請求項1からのいずれか一項に記載のデータ管理システム。
【請求項8】
前記データ取得部は、前記測定データをOT領域に設けられた前記複数のセンサのそれぞれから通信ネットワークを介して取得し、
前記データ管理システムは、
前記削除データの削除後における前記測定データをIT領域に設けられた他のシステムまたは装置へ送信するデータ送信部をさらに備える、請求項1からのいずれか一項に記載のデータ管理システム。
【請求項9】
測定対象を測定した測定データを複数のセンサのそれぞれから取得することと、
前記測定データを記録することと、
前記複数のセンサのそれぞれから取得した前記測定データに基づいて、前記複数のセンサのそれぞれに付与する優先度を設定することと、
前記複数のセンサのそれぞれにおける前記優先度に応じて、前記測定データの中から削除すべき削除データを選択することと、
前記削除データを削除することと
を備え、
前記優先度を設定することは、推測した推測データと前記測定データとの差を前記複数のセンサのそれぞれについて算出し、前記差が小さいセンサを前記差が大きいセンサよりも低い優先度に設定することを含み、
前記削除データを選択することは、前記優先度が低いセンサから取得した前記測定データを優先的に前記削除データとして選択することを含む、データ管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ管理システム、および、データ管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、「データ管理装置1は…保存優先順位に応じてセンサデータを削除する」と記載されている。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 特開2020-016938
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様においては、データ管理システムを提供する。データ管理システムは、測定対象を測定した測定データを複数のセンサのそれぞれから取得するデータ取得部を備えてよい。データ管理システムは、測定データを記録するデータ記録部を備えてよい。データ管理システムは、複数のセンサのそれぞれから取得した測定データに基づいて、複数のセンサのそれぞれに付与する優先度を設定する優先度設定部を備えてよい。データ管理システムは、複数のセンサのそれぞれにおける優先度に応じて、測定データの中から削除すべき削除データを選択するデータ選択部を備えてよい。データ管理システムは、削除データを削除するデータ削除部を備えてよい。
【0004】
データ選択部は、優先度が低いセンサから取得した測定データを優先的に削除データとして選択してよい。
【0005】
優先度設定部は、予め定められた期間における測定データの分散を複数のセンサのそれぞれについて算出し、分散が小さいセンサを分散が大きいセンサよりも低い優先度に設定してよい。
【0006】
優先度設定部は、予め定められた期間における測定データの変動を複数のセンサのそれぞれについて算出し、変動が小さいセンサを変動が大きいセンサよりも低い優先度に設定してよい。
【0007】
優先度設定部は、推測した推測データと測定データとの差を複数のセンサのそれぞれについて算出し、差が小さいセンサを差が大きいセンサよりも低い優先度に設定してよい。
【0008】
優先度設定部は、複数のセンサのそれぞれにおける優先度を動的に更新してよい。
【0009】
優先度設定部は、予め定められたタイミングで、複数のセンサのそれぞれにおける優先度を更新してよい。
【0010】
優先度設定部は、優先度を設定する基準を、タイミングの前後で変更してよい。
【0011】
優先度設定部は、予め定められたイベントの発生に応じて、複数のセンサのそれぞれにおける優先度を更新してよい。
【0012】
優先度設定部は、優先度を設定する基準を、イベントの発生の前後で変更してよい。
【0013】
データ管理システムは、削除データの削除後における測定データを他のシステムまたは装置へ送信するデータ送信部を更に備えてよい。
【0014】
本発明の第2の態様においては、データ管理方法を提供する。データ管理方法は、測定対象を測定した測定データを複数のセンサのそれぞれから取得することを備えてよい。データ管理方法は、記測定データを記録することを備えてよい。データ管理方法は、複数のセンサのそれぞれから取得した測定データに基づいて、複数のセンサのそれぞれに付与する優先度を設定することを備えてよい。データ管理方法は、複数のセンサのそれぞれにおける優先度に応じて、測定データの中から削除すべき削除データを選択することを備えてよい。データ管理方法は、削除データを削除することを備えてよい。
【0015】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施形態に係るデータ管理システム100のブロック図の一例を示す。
図2】本実施形態に係るデータ管理システム100が管理する測定データの一例を示す。
図3】本実施形態に係るデータ管理システム100が測定データを削除するフローの一例を示す。
図4】本実施形態に係るデータ管理システム100が優先度を更新するフローの一例を示す。
図5】本実施形態の変形例に係るデータ管理システム100のブロック図の一例を示す。
図6】本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0018】
図1は、本実施形態に係るデータ管理システム100のブロック図の一例を示す。本実施形態に係るデータ管理システム100は、複数のセンサから測定データを取得して記録する。そして、データ管理システム100は、測定データに基づいてセンサ毎に優先度を設定し、記録した測定データを当該優先度に応じて選択的に削除する。
【0019】
本実施形態においては、データ管理システム100が、プラントに設けられた複数のセンサから取得した測定データを管理対象とする場合について一例として示す。しかしながら、これに限定されるものではない。データ管理システム100は、プラントとは異なる如何なる場所に設けられたセンサからのデータを管理対象としてもよい。
【0020】
データ管理システム100は、PC(パーソナルコンピュータ)、タブレット型コンピュータ、スマートフォン、ワークステーション、サーバコンピュータ、または汎用コンピュータ等のコンピュータであってよく、複数のコンピュータが接続されたコンピュータシステムであってもよい。このようなコンピュータシステムもまた広義のコンピュータである。また、データ管理システム100は、コンピュータ内で1または複数実行可能な仮想コンピュータ環境によって実装されてもよい。これに代えて、データ管理システム100は、データの管理用に設計された専用コンピュータであってもよく、専用回路によって実現された専用ハードウェアであってもよい。また、データ管理システム100がインターネットに接続可能な場合、データ管理システム100は、クラウドコンピューティングにより実現されてもよい。
【0021】
データ管理システム100は、データ取得部110、データ記録部120、優先度設定部130、データ選択部140、および、データ削除部150を備える。なお、これらブロックは、それぞれ機能的に分離された機能ブロックであって、実際のデバイス構成とは必ずしも一致していなくてもよい。すなわち、本図において、1つのブロックとして示されているからといって、それが必ずしも1つのデバイスにより構成されていなくてもよい。また、本図において、別々のブロックとして示されているからといって、それらが必ずしも別々のデバイスにより構成されていなくてもよい。
【0022】
データ取得部110は、測定対象を測定した測定データを複数のセンサのそれぞれから取得する。一例として、データ取得部110は、通信部であってよく、例えば、通信ネットワークを介して、複数のセンサのそれぞれから測定データを時系列に取得する。
【0023】
このような通信ネットワークは、複数のコンピュータを接続するネットワークであってよい。例えば、通信ネットワークは、複数のコンピュータネットワークを相互接続したグローバルなネットワークであってよく、一例として、通信ネットワークは、インターネット・プロトコルを使用したインターネット等であってよい。これに代えて、通信ネットワークは、専用回線により実現されていてもよい。
【0024】
なお、上述の説明では、データ取得部110が通信ネットワークを介して複数のセンサのそれぞれから測定データを取得する場合を一例として示したが、これに限定されるものではない。データ取得部110は、例えば、ユーザ入力や各種メモリデバイス等、通信ネットワークとは異なる他の手段を介して複数のセンサのそれぞれから測定データを取得してもよい。
【0025】
ここで、このような複数のセンサは、測定対象を測定した測定データを取得可能である。複数のセンサは、例えば、OT(Operational Technology)領域に設置されているセンサ(例えば、プロセス制御(測定)用センサ)やIoT(Internet of Things)センサであってよく、一例として、プラントに設けられた1または複数のフィールド機器と接続、または、一体に構成された産業用(Industrial)センサであってよい。
【0026】
ここで、このようなプラントは、例えば、化学等の工業プラントの他、ガス田や油田等の井戸元やその周辺を管理制御するプラント、水力・火力・原子力等の発電を管理制御するプラント、太陽光や風力等の環境発電を管理制御するプラント、および、上下水やダム等を管理制御するプラント等であってよい。
【0027】
また、このようなプラントに設けられたフィールド機器は、例えば、圧力計、流量計、温度センサ等のセンサ機器、流量制御弁や開閉弁等のバルブ機器、ファンやモータ等のアクチュエータ機器、プラント内の状況や対象物を撮影するカメラやビデオ等の撮像機器、プラント内の異音等を収集したり警報音等を発したりするマイクやスピーカ等の音響機器、および、各機器の位置情報を出力する位置検出機器等であってよい。
【0028】
したがって、データ取得部110は、測定データとして、例えば、温度、圧力、流量、加速度、磁界、位置、カメラ映像、スイッチのオン/オフデータ、音、および、これらの組み合わせ等、センサ自身によって測定された測定データやフィールド機器の内部で測定された測定データを、複数のフィールド機器等のそれぞれから取得してよい。また、データ取得部110は、これらのデータを基に数式を用いて生成された値を測定データとして取得してもよい。データ取得部110は、複数のセンサのそれぞれから取得した測定データを、データ記録部120へ供給する。
【0029】
データ記録部120は、測定データを記録する。データ記録部120は、データ取得部110から供給された複数のセンサからの測定データを、センサ毎に時系列に記録してよい。
【0030】
優先度設定部130は、データ記録部120にアクセス可能であってよく、データ記録部120に記録された複数のセンサからの測定データを閲覧する。そして、優先度設定部130は、複数のセンサのそれぞれから取得した測定データに基づいて、複数のセンサのそれぞれに付与する優先度を設定する。これについては、後述する。優先度設定部130は、設定した優先度に関する情報を、データ選択部140へ供給する。
【0031】
データ選択部140は、データ記録部120に記録された測定データを削除する場合に、優先度設定部130から供給された優先度に関する情報を参照する。そして、データ選択部140は、複数のセンサのそれぞれにおける優先度に応じて、測定データの中から削除すべき削除データを選択する。例えば、データ選択部140は、優先度が低いセンサから取得した測定データを優先的に削除データとして選択してよい。データ選択部140は、選択した削除データに関する情報をデータ削除部150へ供給する。
【0032】
データ削除部150は、データ選択部140から供給された削除データに関する情報を参照する。そして、データ削除部150は、データ記録部120に記録された測定データのうち、削除データとして選択された測定データを削除する。
【0033】
図2は、本実施形態に係るデータ管理システム100が管理する測定データの一例を示す。本図においては、データ管理システム100が、センサA、センサB、センサC、および、センサDの4つのセンサからの測定データを管理する場合を一例として説明する。しかしながら、これに限定されるものではない。データ管理システム100は、4つよりも多い複数のセンサからの測定データを管理してもよいし、4つよりも少ない1または複数のセンサからの測定データを管理してもよい。
【0034】
ここで、複数のセンサの種別はそれぞれ同じであってもよい。すなわち、センサAからセンサDの全てが同じ種別の測定データ(例えば、温度等)を取得可能であってもよい。これに代えて、複数のセンサの種別は一部または全部が異なっていてもよい。すなわち、センサAからセンサDの一部が異なる種別の測定データ(例えば、温度および圧力等)を取得可能であってもよいし、センサAからセンサDの全てが異なる種別の測定データ(温度、圧力、流量、および、加速度等)を取得可能であってもよい。
【0035】
本図においては、上から順に、予め定められた期間におけるセンサA、センサB、センサC、および、センサDからの測定データを時系列に示している。ここで、当該期間における測定データの分散は、センサDが最も大きく、次にセンサBが大きく、その次にセンサAが大きく、センサCが最も小さい。なお、このような分散は、センサ毎の時系列データのばらつき具合を表すための指標であってよく、例えば、個々のデータと平均値との差の2乗を平均することによって算出されてもよい。また、当該期間における測定データの変動は、センサAが最も大きく、次にセンサDが大きく、その次にセンサBが大きく、センサCが最も小さい。なお、このような変動は、センサ毎の時系列データの相対的なばらつき具合を表すための指標であってよく、例えば、標準偏差を平均値で除算することによって算出されてもよい。
【0036】
本実施形態に係るデータ管理システム100は、例えば、本図に示すような測定データを取得して記録する。そして、データ管理システム100は、データ記録部120に記録された測定データの総容量が既定の上限値を超える場合に、記録した測定データを選択的に削除する。これについて、フローを用いて詳細に説明する。
【0037】
図3は、本実施形態に係るデータ管理システム100が測定データを削除するフローの一例を示す。
【0038】
ステップ310において、データ管理システム100は、測定対象を測定した測定データを複数のセンサのそれぞれから取得する。一例として、データ取得部110は、通信ネットワークを介して、複数のセンサ(例えば、センサA、センサB、センサC、および、センサD)のそれぞれから測定データを時系列に取得する。データ取得部110は、複数のセンサのそれぞれから取得した測定データを、データ記録部120へ供給する。
【0039】
ステップ320において、データ管理システム100は、測定データを記録する。一例として、データ記録部120は、ステップ310において複数のセンサのそれぞれから取得された測定データを、センサ毎に時系列に記録する。
【0040】
ステップ330において、データ管理システム100は、複数のセンサのそれぞれから取得した測定データに基づいて、複数のセンサのそれぞれに付与する優先度を設定する。一例として、優先度設定部130は、データ記録部120にアクセスし、ステップ320において記録された複数のセンサからの測定データを閲覧する。そして、優先度設定部130は、センサ毎に測定データを分析し、当該分析した結果に基づいて、複数のセンサのそれぞれに付与する優先度を設定する。
【0041】
一例として、優先度設定部130は、予め定められた期間における測定データの分散を複数のセンサのそれぞれについて算出し、分散が小さいセンサを分散が大きいセンサよりも低い優先度に設定する。より詳細には、優先度設定部130は、例えば、予め定められた期間における個々のデータと平均値との差の2乗を平均することによって、センサ毎に測定データの分散を算出する。そして、例えば、測定データの分散が、センサDが最も大きく、次にセンサBが大きく、その次にセンサAが大きく、センサCが最も小さい場合に、優先度設定部130は、センサDに優先度1、センサBに優先度2、センサAに優先度3、および、センサCに優先度4を設定する。なお、ここで、優先度1が最も優先度が高く、優先度4が最も優先度が低いものとする。
【0042】
これに代えて、優先度設定部130は、予め定められた期間における測定データの変動を複数のセンサのそれぞれについて算出し、変動が小さいセンサを変動が大きいセンサよりも低い優先度に設定してもよい。より詳細には、優先度設定部130は、例えば、予め定められた期間における個々のデータの標準偏差を平均値で除算することによって、センサ毎に測定データの変動(変動係数)を算出する。そして、例えば、測定データの変動が、センサAが最も大きく、次にセンサDが大きく、その次にセンサBが大きく、センサCが最も小さい場合に、優先度設定部130は、センサAに優先度1、センサDに優先度2、センサBに優先度3、および、センサCに優先度4を設定してもよい。
【0043】
なお、上述の説明では、優先度設定部130が、測定データの分散または変動に基づいて優先度を設定する場合を一例として示したが、これに限定されるものではない。優先度設定部130は、例えば、最大値、最小値、および、レンジ(最大値と最小値の差)等、測定データから算出し得る如何なる指標に基づいて優先度を設定してもよい。また、上述の説明では、優先度設定部130が、測定データから算出した1つの指標に基づいて優先度を設定する場合を一例として示したが、これに限定されるものではない。優先度設定部130は、複数の指標を組み合わせてスコア化した値に基づいて優先度を設定してもよい。優先度設定部130は、設定した優先度に関する情報を、データ選択部140へ供給する。
【0044】
ステップ340において、データ管理システム100は、ステップ320においてデータ記録部120に記録された測定データの総容量が予め定められたしきい値(上限値)以下であるか否か判定する。測定データの総容量が予め定められたしきい値以下であると判定された場合、データ管理システム100は、フローを終了する。
【0045】
一方、ステップ340において測定データの総容量が予め定められたしきい値を超えると判定された場合、ステップ350において、データ管理システム100は、削除データを選択する。一例として、データ選択部140は、ステップ330において設定された優先度に関する情報を参照し、複数のセンサのそれぞれにおける優先度に応じて、測定データの中から削除すべき削除データを選択する。この際、データ選択部140は、優先度が低いセンサ、例えば、優先度4が設定されたセンサCから取得した測定データを優先的に削除データとして選択してよい。データ選択部140は、選択した削除データに関する情報をデータ削除部150へ供給する。
【0046】
ステップ360において、データ管理システム100は、削除データを削除する。一例として、データ削除部150は、ステップ320において記録された測定データのうち、ステップ350において削除データとして選択された測定データを削除する。
【0047】
そして、データ管理システム100は、処理をステップ340に戻す。すなわち、ステップ340において、データ管理システム100は、ステップ360において削除データを削除した後の測定データの総容量が予め定められたしきい値以下であるか否かを再度判定する。ステップ340において測定データの総容量が依然として予め定められたしきい値を超えると判定された場合、ステップ350において、データ管理システム100は、削除データを再度選択する。一例として、データ選択部140は、ステップ330において設定された優先度に関する情報を参照し、優先度が次に低いセンサ、例えば、優先度3が設定されたセンサから取得した測定データを削除データとして選択してよい。そして、ステップ360において、データ管理システム100は、優先度3が設定されたセンサから取得した測定データを削除する。データ管理システム100は、このような処理を、測定データの総容量が予め定められたしきい値以下となるまで繰り返す。
【0048】
例えば、OT(Operational Technology)領域にあるプロセス制御システムが、IT(Information Technology)領域のシステムと結合される等、データ量が爆発的に増加することが予想される。このような状況において、全てのデータを記録しておくことは現実的ではなく、データ量の削減もしくは取捨選択が必要である。従来、保存優先順位に応じてセンサデータを削除するデータ管理装置が知られている。当該データ管理装置においては、センサデータを使用して評価指標を計算し、評価指標の変化度が大きい箇所ではセンサデータの保存優先順位を上げて削除されにくいようにし、変化度が小さい箇所ではセンサデータの保存優先順位を下げて削除されやすいようにしている。すなわち、従来のデータ管理装置は、1つのセンサデータに着目し、時系列のセンサデータのうち、変化度が小さい期間におけるセンサデータを、変化度が大きい期間におけるセンサデータよりも優先的に削除している。しかしながら、従来のデータ管理装置では、センサデータをセンサ単位で削除することができない。
【0049】
これに対して、本実施形態に係るデータ管理システム100は、複数のセンサのそれぞれから取得した測定データに基づいて、複数のセンサのそれぞれに付与する優先度を設定し、センサ毎の優先度に応じて、測定データを選択的に削除する。これにより、本実施形態に係るデータ管理システム100によれば、優先度の低いセンサからの測定データを選択的に削除し、優先度の高いセンサからの測定データをより効率的に記録として残すことができる。
【0050】
また、本実施形態に係るデータ管理システム100は、測定データの分散が小さいセンサを分散が大きいセンサよりも低い優先度に設定する。これにより、本実施形態に係るデータ管理システム100によれば、例えば、同じ種別である複数のセンサから測定データをそれぞれ取得した場合に、複数のセンサのうち、ばらつきが小さく重要性が高くない(ユーザの関心が低い)ことが見込まれるセンサからの測定データを優先的に削除することができる。
【0051】
なお、複数のセンサの種別がそれぞれ異なる場合、複数のセンサからの測定データはそれぞれ単位や大きさが異なる。そして、例えば、個々のデータの値が大きい、すなわち、平均値が大きいデータ群の方が、平均値が小さいデータ群に比べて、分散が大きくなり得る。このような場合に分散によりセンサデータ毎のばらつきを分析することは、必ずしも有効であるとは限らない。これに対して、本実施形態に係るデータ管理システム100は、測定データの変動が小さいセンサを変動が大きいセンサよりも低い優先度に設定する。これにより、本実施形態に係るデータ管理システム100によれば、例えば、異なる種別である複数のセンサから測定データをそれぞれ取得した場合であっても、複数のセンサのうち、相対的にばらつきが小さく重要性が高くないことが見込まれるセンサからの測定データを優先的に削除することができる。
【0052】
なお、上述の説明では、優先度設定部130が、複数のセンサからの測定データの統計(分散や変動)に基づいて優先度を設定する場合を一例として示した。しかしながら、これに限定されるものではない。優先度設定部130は、推測した推測データと測定データとの差を複数のセンサのそれぞれについて算出し、差が小さいセンサを差が大きいセンサよりも低い優先度に設定してもよい。
【0053】
一例として、優先度設定部130は、複数のセンサのそれぞれについて、過去に得られたデータから次のデータを推測してよい。例えば、優先度設定部130は、ひとつ前のデータと現在のデータとの差分を現在のデータに足すことによって、次のデータの値を推測してよい。また、優先度設定部130は、過去に得られたデータの周期性に着目して次のデータの値を推測してもよい。そして、優先度設定部130は、このようにして推測した推測データと実際に得られた測定データとの差を複数のセンサのそれぞれについて算出し、差が小さいセンサを差が大きいセンサよりも低い優先度に設定してもよい。
【0054】
また、優先度設定部130は、複数のセンサのそれぞれについて、他のセンサから得られたデータから対象とするセンサのデータの値を推測してもよい。複数のセンサからの測定データは、互いに依存関係があり得る。例えば、周辺に位置する流量データおよび温度データから、圧力データの値をある程度推測し得る場合がある。したがって、例えば、優先度設定部130は、対象とするセンサの周辺に位置する1または複数のセンサの値から、センサの値を補間することによって、対象とするセンサのデータの値を推測してもよい。そして、優先度設定部130は、このようにして推測した推測データと実際に得られた測定データとの差を複数のセンサのそれぞれについて算出し、差が小さいセンサを差が大きいセンサよりも低い優先度に設定してもよい。
【0055】
また、優先度設定部130は、複数のセンサのそれぞれについて、シミュレーション結果から、対象とするセンサのデータの値を推測してもよい。例えば、優先度設定部130は、複数のセンサのそれぞれについて、シミュレータ(図示せず)を用いて高精度に推測されたデータを取得する。そして、優先度設定部130は、このようにして推測された推測データと実際に得られた測定データとの差を複数のセンサのそれぞれについて算出し、差が小さいセンサを差が大きいセンサよりも低い優先度に設定してもよい。
【0056】
このように、本実施形態に係るデータ管理システム100は、推測データと測定データとの差が小さいセンサからの測定データを差が大きいセンサからの測定データよりも優先的に削除してもよい。これにより、本実施形態に係るデータ管理システム100によれば、複数のセンサのうち、推測しやすく(高精度に推測できる)センサからの測定データを優先的に削除することができる。
【0057】
図4は、本実施形態に係るデータ管理システム100が優先度を更新するフローの一例を示す。本図に示すように、本実施形態に係るデータ管理システム100は、センサ毎の優先度を更新するように構成されてもよい。
【0058】
ステップ410において、データ管理システム100は、複数のセンサのそれぞれに付与する優先度を設定する。ステップ410は、ステップ330と同じ処理であるので説明を省略する。
【0059】
ステップ420において、データ管理システム100は、予め定められたイベントが発生したか否か判定する。一例として、データ管理システム100は、測定対象に異常が発生したか否かに応じて、予め定められたイベントが発生したか否かを判定する。データ管理システム100は、例えば、異常が発生したことを示す指示を、ユーザまたは他のシステムから受信した場合に、予め定めらえたイベントが発生したと判定してよい。これに代えて、データ管理システム100は、複数のセンサから取得した測定データから、自発的に異常が発生したと判定してもよい。この場合、データ管理システム100は、例えば、複数のセンサから取得した測定データから、MT(Maharanobis-Taguchi)法によりマハラノビス距離を算出し、当該マハラノビス距離が予め定められたしきい値を超えた場合に、測定対象に異常が発生したと判定してもよい。
【0060】
ステップ420において予め定められたイベントが発生したと判定された場合、ステップ430において、データ管理システム100は、優先度を更新する。すなわち、優先度設定部130は、複数のセンサのそれぞれにおける優先度を動的に更新する。この際、優先度設定部130は、優先度を設定する基準を、イベントの発生の前後で変更してもよい。例えば、測定対象が平常時の場合においては、測定データの単発の変化はノイズの可能性が低い。一方で、測定対象が異常時の場合においては、測定データの連続する変化は重要なデータの可能性があり得る。このように、測定データの重要性は、イベントの発生の前後で変化し得る。したがって、優先度設定部130は、イベントの発生の前後で、どのようなセンサに高い優先度を設定するかの基準を変更するとよい。なお、上述の説明では、データ管理システム100が、測定対象に異常が発生した場合に優先度を更新する場合を一例として示したが、これに限定されるものではない。例えば、データ管理システム100は、ユーザまたは他のシステムから優先度の更新要求を受信した場合、地震などの災害が発生した場合、および、原材料が変化した場合等、様々なイベントが発生した場合に優先度を更新してもよい。これにより、データ管理システム100は、例えば、原材料の違い(例、原油産出地)等の条件に応じて、優先度を変えることができる。
【0061】
ステップ420において予め定められたイベントが発生していないと判定された場合、ステップ440において、データ管理システム100は、予め定められた更新タイミングであるか否か判定する。一例として、データ管理システム100は、前回優先度を設定してからの経過時間が予め定められた時間を超えたか否かに応じて、更新タイミングであるか否か判定してよい。
【0062】
ステップ440において予め定められた更新タイミングではないと判定された場合、データ管理システム100は、処理をステップ420に戻してフローを継続する。一方、ステップ440において予め定められた更新タイミングであると判定された場合、データ管理システム100は、ステップ430において、優先度を更新する。なお、この場合においても、優先度設定部130は、優先度を設定する基準を、更新タイミングの前後で変更してもよい。すなわち、優先度設定部130は、時間の経過に応じて、優先度を設定する基準を変更してもよい。これにより、データ管理システム100は、一定期間毎に定期的に優先度を変えることもできるし、例えば、任意の時間を境に(例えば、昼と夜とで)優先度を変えることもできる。
【0063】
このように、本実施形態に係るデータ管理システム100は、複数のセンサのそれぞれにおける優先度を動的に更新する。これにより、本実施形態に係るデータ管理システム100によれば、様々なイベントの発生に応じて、または、周期的に優先度を更新することができる。
【0064】
上述の説明では、データ管理システム100が、削除データをシステム内における記憶領域から完全に削除する場合について一例として示した。しかしながら、これに限定されるものではない。
【0065】
図5は、本実施形態の変形例に係るデータ管理システム100のブロック図の一例を示す。図5においては、図1と同じ機能および構成を有する部材に対して同じ符号を付すとともに、以下相違点を除き説明を省略する。本変形例に係るデータ管理システム100は、例えば、OT領域に設けられてよく、OT領域に設けられたセンサから取得した測定データを、IT領域に設けられた他のシステムや装置へ送信可能であってよい。本変形例に係るデータ管理システム100は、データ蓄積部510およびデータ送信部520を更に備える。
【0066】
本変形例に係るデータ管理システム100において、データ取得部110は、複数のセンサのそれぞれから取得した測定データを、データ記録部120に代えてデータ蓄積部510へ供給する。
【0067】
データ蓄積部510は、測定データを蓄積する。一例として、データ蓄積部510は、データ取得部110から供給された全ての測定データを、センサ毎に時系列に記録してよい。そして、データ蓄積部510は、蓄積した測定データのうち、他のシステムや装置へ送信すべき送信対象の測定データを、データ記録部120へ供給する。なお、このような送信対象は、例えばユーザ入力に基づいて選択されたものであってもよいし、データ管理システム100によって自動的に選択されたものであってもよい。
【0068】
したがって、本変形例に係るデータ管理システム100において、データ記録部120は、複数のセンサのそれぞれから取得された測定データのうち、他のシステムや装置へ送信すべき送信対象の測定データを記録する。
【0069】
また、本変形例に係るデータ管理システム100において、データ削除部150は、データ記録部120に記録された送信対象の測定データのうち、削除データとして選択された測定データを削除する。
【0070】
そして、データ送信部520は、削除データの削除後におけるデータ記録部120に記録された測定データ、すなわち、削除データが削除された送信対象の測定データを、ネットワーク等を介して、他のシステムまたは装置へ送信する。
【0071】
このように、本変形例に係るデータ管理システム100は、送信対象の測定データから削除データを削除する。これにより、本変形例に係るデータ管理システム100によれば、例えばOT領域からIT領域へ測定データを送信するにあたって、データ管理システム100から送信するデータ量を低減することができる。すなわち、本実施形態に係るデータ管理システム100においては、削除データを削除することは、広義には、記憶領域から削除データを完全に削除することの他にも、他のシステムまたは装置へ送信する対象から削除データを除外することをも含むものであってよい。
【0072】
本発明の様々な実施形態は、フローチャートおよびブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。特定の段階およびセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/またはコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/またはアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/またはディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、および他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0073】
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(RTM)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0074】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0075】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0076】
図6は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。コンピュータ2200にインストールされたプログラムは、コンピュータ2200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられる操作または当該装置の1または複数のセクションとして機能させることができ、または当該操作または当該1または複数のセクションを実行させることができ、および/またはコンピュータ2200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU2212によって実行されてよい。
【0077】
本実施形態によるコンピュータ2200は、CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216、およびディスプレイデバイス2218を含み、それらはホストコントローラ2210によって相互に接続されている。コンピュータ2200はまた、通信インターフェイス2222、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226、およびICカードドライブのような入/出力ユニットを含み、それらは入/出力コントローラ2220を介してホストコントローラ2210に接続されている。コンピュータはまた、ROM2230およびキーボード2242のようなレガシの入/出力ユニットを含み、それらは入/出力チップ2240を介して入/出力コントローラ2220に接続されている。
【0078】
CPU2212は、ROM2230およびRAM2214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ2216は、RAM2214内に提供されるフレームバッファ等またはそれ自体の中にCPU2212によって生成されたイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス2218上に表示されるようにする。
【0079】
通信インターフェイス2222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ2224は、コンピュータ2200内のCPU2212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVD-ROMドライブ2226は、プログラムまたはデータをDVD-ROM2201から読み取り、ハードディスクドライブ2224にRAM2214を介してプログラムまたはデータを提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/またはプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
【0080】
ROM2230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ2200によって実行されるブートプログラム等、および/またはコンピュータ2200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入/出力チップ2240はまた、様々な入/出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入/出力コントローラ2220に接続してよい。
【0081】
プログラムが、DVD-ROM2201またはICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ2224、RAM2214、またはROM2230にインストールされ、CPU2212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ2200の使用に従い情報の操作または処理を実現することによって構成されてよい。
【0082】
例えば、通信がコンピュータ2200および外部デバイス間で実行される場合、CPU2212は、RAM2214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インターフェイス2222に対し、通信処理を命令してよい。通信インターフェイス2222は、CPU2212の制御下、RAM2214、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROM2201、またはICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
【0083】
また、CPU2212は、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226(DVD-ROM2201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM2214に読み取られるようにし、RAM2214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックする。
【0084】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU2212は、RAM2214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM2214に対しライトバックする。また、CPU2212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0085】
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ2200上またはコンピュータ2200近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2200に提供する。
【0086】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0087】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0088】
100 データ管理システム
110 データ取得部
120 データ記録部
130 優先度設定部
140 データ選択部
150 データ削除部
510 データ蓄積部
520 データ送信部
2200 コンピュータ
2201 DVD-ROM
2210 ホストコントローラ
2212 CPU
2214 RAM
2216 グラフィックコントローラ
2218 ディスプレイデバイス
2220 入/出力コントローラ
2222 通信インターフェイス
2224 ハードディスクドライブ
2226 DVD-ROMドライブ
2230 ROM
2240 入/出力チップ
2242 キーボード
図1
図2
図3
図4
図5
図6