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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-05
(45)【発行日】2024-02-14
(54)【発明の名称】読取装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/00 20060101AFI20240206BHJP
   G07G 1/01 20060101ALI20240206BHJP
【FI】
G07G1/00 311D
G07G1/01 301E
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020049097
(22)【出願日】2020-03-19
(65)【公開番号】P2021149546
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2023-02-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000003562
【氏名又は名称】東芝テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高須 拓也
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 渉
(72)【発明者】
【氏名】室伏 信男
(72)【発明者】
【氏名】川邉 雄一朗
(72)【発明者】
【氏名】武田 賢太
【審査官】永安 真
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-109613(JP,A)
【文献】特開2019-106038(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00 - 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像情報から商品を特定する情報を読み取る第1読取手段と、
無線タグから商品を特定する情報を読み取る第2読取手段と、
商品を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段が撮像した商品の画像から商品の特徴量を抽出する抽出手段と、
前記第2読取手段による前記商品を特定する情報の読み取りが困難な複数種類の商品の特徴量と、前記抽出手段が抽出した前記特徴量とのそれぞれの類似度を算出する算出手段と、
前記算出手段が算出した類似度が閾値以上の商品がある場合に、報知する報知手段と、
を備える読取装置。
【請求項2】
前記第1読取手段が読み取った前記商品を特定する情報により特定される商品、又は、前記読取手段が読み取った前記商品を特定する情報により特定される商品を登録する登録手段と、
請求項1に記載の読取装置。
【請求項3】
前記報知手段は、前記第1読取手段に前記画像情報を読み取らせることを報知する、
請求項1又は2に記載の読取装置。
【請求項4】
前記報知手段は、前記第2読取手段が前記商品を特定する情報の読み取りを開始してから設定時間内に前記商品を特定する情報を読み取らない場合に報知する、
請求項1乃至3の何れか一項に記載の読取装置。
【請求項5】
前記第2読取手段は、前記報知手段が報知した場合に、読み取りを停止する、
請求項1乃至4の何れか一項に記載の読取装置。
【請求項6】
読取装置のコンピュータを、
画像情報から商品を特定する情報を読み取る第1読取手段と、
無線タグから商品を特定する情報を読み取る第2読取手段と、
商品を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段が撮像した商品の画像から商品の特徴量を抽出する抽出手段と、
前記第2読取手段による前記商品を特定する情報の読み取りが困難な複数種類の商品の特徴量と、前記抽出手段が抽出した前記特徴量とのそれぞれの類似度を算出する算出手段と、
前記算出手段が算出した類似度が閾値以上の商品がある場合に、報知する報知手段と、
して機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、読取装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、RF(Radio Frequency)タグ等の無線タグに対して電磁波を照射することで、無線タグが記憶している情報を読み取る読取装置が知られている。このような読取装置は、販売対象の商品を特定するための特定情報の読み取りに用いられている。
【0003】
水分を多く含む商品や金属を有する商品等に無線タグが付されていると、水や金属が電磁波を吸収したり、反射したりするため、読取装置は、無線タグを読み取ることができない場合がある。この場合、操作者は、バーコード等のコードシンボルを読取装置に読み取らせる必要がある。
【0004】
しかしながら、水分を多く含む商品や金属を有する商品であることに気が付かなければ、操作者は、読取装置にコードシンボルを読み取らせる操作を開始しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、無線タグを読み取ることが困難な商品であることを報知することができる読取装置及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の読取装置は、第1読取手段と、第2読取手段と、撮像手段と、抽出手段と、算出手段と、報知手段とを備える。前記第1読取手段は、画像情報から商品を特定する情報を読み取る。前記第2読取手段は、無線タグから商品を特定するための商品を特定する情報を読み取る。前記撮像手段は、商品を撮像する。前記抽出手段は、前記撮像手段が撮像した商品の画像から商品の特徴量を抽出する。前記算出手段は、前記第2読取手段による前記商品を特定する情報の読み取りが困難な複数種類の商品の特徴量と、前記抽出手段が抽出した前記特徴量とのそれぞれの類似度を算出する。前記報知手段は、前記算出手段が算出した類似度が閾値以上の商品がある場合に、報知する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、第1の実施形態にかかる商品登録装置の外観の一例を示す斜視図である。
図2図2は、商品登録装置のハードウェアの構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、商品登録装置が有する特徴的な機能構成を示すブロック図である。
図4図4は、第1の実施形態の商品登録装置が実行する難読商品認識処理の一例を示すフローチャートである。
図5図5は、第1の実施形態の商品登録装置が実行する商品登録処理の一例を示すフローチャートである。
図6図6は、第2の実施形態にかかる商品登録装置の外観の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、読取装置及びプログラムの実施形態を詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、読取装置及びプログラムの一実施形態であって、その構成や仕様等を限定するものではない。
【0009】
(第1の実施形態)
第1の実施形態について説明する。図1は、第1の実施形態にかかる商品登録装置1の外観の一例を示す斜視図である。
【0010】
商品登録装置1は、商品を特定する特定情報である商品コードを読み取る読取装置である。また、商品登録装置1は、読み取った商品コードが示す商品を販売対象の商品として登録する商品登録処理を実行する。そして、商品登録装置1は、商品登録処理により生成した商品登録情報を会計装置に送信する。会計装置は、商品登録情報に基づいて、商品登録処理により登録された商品の会計装置を実行する。
【0011】
ここで、商品には、バーコードや2次元コード等のコードシンボルが付されている。コードシンボルは、コードシンボルが付されている商品を特定するための商品コードを示している。
【0012】
また、商品には、無線タグが付されている。無線タグは、RF(Radio Frequency)タグ等のタグである。無線タグは、情報を記憶するIC(Integrated Circuit)チップとアンテナとを備えている。ICチップは、無線タグが付されている商品を特定するための商品コードを記憶している。無線タグは、無線タグを読み取る電磁波を照射された場合に、ICチップに記憶された商品コードを送信する。
【0013】
また、商品には、難読商品と、可読商品とがある。難読商品は、水分が多い商品や、金属を有する商品等である。すなわち、難読商品は、商品登録装置1が無線タグから商品コードを読み取ることが困難な商品である。一方、可読商品は、商品登録装置1が無線タグから商品コードを読み取ることが可能な商品である。
【0014】
商品登録装置1は、コードシンボル、又は無線タグを読み取ることで、販売対象の商品を登録する商品登録処理を実行する。そして、商品登録装置1は、難読商品の場合、商品に付されているコードシンボルから商品コードを読み取る。
【0015】
図1に示すように、商品登録装置1は、カウンタ台2に載置される。商品登録装置1は、垂直方向に長い略直方体の筐体11を備えている。筐体11は、店員側に読取窓12を備えている。読取窓12は、光を透過可能な板で形成されている。商品登録装置1は、読取窓12の内側に、撮像部140(図2参照)及び非接触通信部150(図2参照)を備えている。
【0016】
撮像部140は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)等のイメージセンサである。また、撮像部140は、筐体11の内側から読取窓12の外側に向けられている。すなわち、撮像部140は、読取窓12の外側にかざされた商品を撮像する。
【0017】
非接触通信部150は、電磁波を照射することで、電磁波を照射した読取領域にある無線タグが記憶する商品コードを読み取る無線タグ読取装置である。非接触通信部150は、筐体11の内側から読取窓12の外側に向けられている。そして、非接触通信部150は、撮像部140の撮像領域と略同じ領域を読取領域にしている。すなわち、非接触通信部150は、読取窓12の外側にかざされた商品に付された無線タグから商品コードを読み取る。
【0018】
図1に示すように、商品登録装置1は、筐体11の上部に店員側に向けられた第1表示部13と、第2表示部14と、操作部16とを備える。第1表示部13は、タッチパネルが積層された液晶表示装置である。例えば、第1表示部13は、店員等の操作者に向けて各種情報を表示する。第2表示部14は、タッチパネルが積層された液晶表示装置である。例えば、第2表示部14は、例えば店員等の操作者に対して商品登録装置1に対応付けられている会計装置の状態等の補助的な各種情報を表示する。操作部16は、例えば各種操作を受け付けるキーボード等の入力装置である。
【0019】
商品登録装置1は、顧客側から見て筐体11の右側であって、第2表示部14の背面に第3表示部15を備える。第3表示部15は、タッチパネルが積層された液晶表示装置である。第3表示部15は、例えば、顧客に向けて各種情報を表示する。
【0020】
次に、商品登録装置1のハードウェア構成について説明する。
【0021】
図2は、商品登録装置1のハードウェアの構成の一例を示すブロック図である。商品登録装置1は、制御部110と、記憶部120と、通信部130と、第1表示部13と、第2表示部14と、第3表示部15と、操作部16と、撮像部140と、非接触通信部150とを備える。これら各部は、データバスやアドレスバス等のシステムバス160を介して相互に接続している。
【0022】
制御部110は、商品登録装置1の全体の動作を制御し、商品登録装置1が有する各種の機能を実現するコンピュータである。制御部110は、CPU(Central Processing Unit)111と、ROM(Read Only Memory)112と、RAM(Random Access Memory)113とを備える。CPU111は、商品登録装置1の動作を統括的に制御する。ROM112は、各種プログラムやデータを記憶する記憶媒体である。RAM113は、各種プログラムや各種データを一時的に記憶する記憶媒体である。そして、CPU111は、RAM113をワークエリア(作業領域)としてROM112又は記憶部120等に格納されたプログラムを実行する。
【0023】
記憶部120は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などの記憶装置である。記憶部120は、制御プログラム121、商品マスタ122、及び難読商品マスタ123を記憶する。なお、商品マスタ122、及び難読商品マスタ123は、商品登録装置1に限らず、他の装置に記憶されていてもよい。また、商品マスタ122、及び難読商品マスタ123は、一台の装置に限らず、複数の装置に分散して記憶されていてもよい。
【0024】
制御プログラム121は、オペレーティングシステムや、商品登録装置1が備えている機能を発揮させるためのプログラムである。制御プログラム121には、第1の実施形態にかかる特徴的な機能を発揮させるプログラムが含まれる。
【0025】
商品マスタ122は、商品に関する情報を有するマスタ情報である。更に詳しくは、商品マスタ122は、商品コードと、商品名称と、単価と、特徴量とが関連付けられている。商品コードは、商品を特定するための特定情報である。商品名称は、商品の名称である。単価は、商品の単価である。
【0026】
難読商品マスタ123は、難読商品に関する情報を有するマスタ情報である。更に詳しくは、難読商品マスタ123は、商品コードと、照合用特徴量とが関連付けられている。商品コードは、商品を特定するための特定情報である。すなわち、難読商品マスタ123の商品コードは、難読商品の商品コードである。照合用特徴量は、難読商品の外観の特徴を示す照合用の情報である。例えば、照合用特徴量は、難読商品の色や、形状や、模様や、凹凸状況等の外観の特徴をパラメータ化した情報である。また、照合用特徴量は、難読商品の特徴量から一部の情報を削減した情報であってもよい。例えば、照合用特徴量は、難読商品の色や形状や模様の何れか一つの情報であってもよい。このように、照合用特徴量の情報量を削減することで、商品登録装置1は、照合における処理負担を軽減することができる。
【0027】
次に、商品登録装置1が有する特徴的な機能について説明する。ここで、図3は、商品登録装置1が有する特徴的な機能構成を示すブロック図である。
【0028】
商品登録装置1の制御部110は、記憶部120に記憶された制御プログラム121をRAM113に展開し、制御プログラム121に従って動作することで、各機能部をRAM113に生成する。具体的には、商品登録装置1の制御部110は、機能部として、操作制御部1010、開始制御部1020、撮像制御部1030、難読商品認識部1040、報知制御部1050、コードシンボル読取部1060、無線タグ読取部1070、及び商品登録部1080を備える。
【0029】
操作制御部1010は、操作部16や第1表示部13等を制御して、各種操作を受け付ける。例えば、操作制御部1010は、商品登録処理を開始する操作や、商品登録処理を終了する締め操作を受け付ける。
【0030】
撮像制御部1030は、商品を撮像する。更に詳しくは、撮像制御部1030は、撮像部140を制御して、読取窓12の前方を撮像する。すなわち、撮像制御部1030は、読取窓12の前方にかざされた商品を撮像する。また、撮像制御部1030は、例えば30fps(Flame Per Second)等の一定周期で画像を撮像させる。
【0031】
開始制御部1020は、商品登録処理を開始する要因である開始要因を検出する。そして、開始制御部1020は、開始要因を検出した場合に、処理の開始を難読商品認識部1040、コードシンボル読取部1060、及び無線タグ読取部1070に通知する。ここで、開始要因は、限定しない。例えば、開始制御部1020は、撮像制御部1030が撮像した画像に何からの物体が写っていることを開始要因として検出してもよいし、操作制御部1010が商品登録処理を開始する操作を受け付けたことを開始要因として検出してもよいし、他の事象を開始要因として検出してもよい。
【0032】
難読商品認識部1040は、読取窓12の前方にかざされた商品が難読商品に該当するかの認識を制御する。更に詳しくは、難読商品認識部1040は、画像中に含まれる物体を認識することにより商品が難読商品に該当するかを認識する。
【0033】
このように画像中に含まれる物体を認識することは一般物体認識(generic object recognition)と呼ばれている。このような一般物体認識については、下記の文献において各種認識技術が解説されている。
柳井 啓司,“一般物体認識の現状と今後”,情報処理学会論文誌,Vol.48,No.SIG16 [令和2年2月20日検索],インターネット<URL: http://mm.cs.uec.ac.jp/IPSJ-TCVIM-Yanai.pdf >
【0034】
また、画像をオブジェクトごとに領域分割することによって一般物体認識を行う技術が、下記の文献において解説されている。
Jamie Shottonら,“Semantic Texton Forests for Image Categorization and Segmentation”,[令和2年2月20日検索],インターネット<URL: http://citeseerx.ist.psu.edu/viewdoc/download?doi=10.1.1.145.3036&rep=rep1&type=pdf >
【0035】
難読商品認識部1040は、商品検出部1041、特徴量抽出部1042、特徴量削減部1043、類似度算出部1044、及び難読商品判定部1045を備える。
【0036】
商品検出部1041は、撮像制御部1030が撮像部140に撮像させた画像に含まれている商品を検出する。例えば、商品検出部1041は、画像に含まれる商品の全部又は一部を、パターンマッチング技術等を用いて検出する。更に詳しくは、商品検出部1041は、画像を2値化した画像から輪郭線等を抽出する。商品検出部1041は、予め用意した画像から抽出した輪郭線と、検出対象の画像から抽出した輪郭線との差分に基づいて商品を検出する。ここで、予め用意した画像は、商品等が含まれていない背景を撮像部140が撮像した画像である。よって、商品検出部1041は、予め用意した画像の輪郭線にはない輪郭線を検出対象の画像から抽出することで商品を検出する。
【0037】
特徴量抽出部1042は、撮像制御部1030が撮像した商品の画像から商品の特徴量を抽出する。更に詳しくは、特徴量抽出部1042は、商品検出部1041が画像から商品を検出した場合に、輪郭線の内側を商品領域に設定する。特徴量抽出部1042は、商品検出部1041が画像から商品領域を切り出す。そして、特徴量抽出部1042は、商品領域から特徴量を抽出する。すなわち、特徴量抽出部1042は、商品の色や、形状や、模様や、凹凸状況等の外観の特徴をパラメータ化した特徴量を抽出する。
【0038】
特徴量削減部1043は、特徴量に対して削減処理を実行する。特徴量削減部1043は、削減処理を実行することで、特徴量を簡略化した簡略化特徴量を生成する。削減処理は、特徴量に対して次元削減や量子化等を実行することで、特徴量の情報量を削減する処理である。例えば、削減処理は、商品の色や、形状や、模様や、凹凸状況等の特徴量の要素のうち、一又は複数の要素を削減する処理である。また、削減処理は、商品の色や、形状や、模様や、凹凸状況等を表現する際の段階を削減する処理であってもよい。例えば、削減処理は、色を100段階で表現している場合に、10段階に削減する処理である。
【0039】
ここで、難読商品認識部1040は、難読商品であるか否かを認識すればよい。言い換えると、難読商品認識部1040は、商品を特定する必要はないため、高精度である必要がない。更に、商品登録装置1は、難読商品である場合には、コードシンボルを読み取らせることを求める。そのため、商品登録装置1は、難読商品に該当するかを早期に判定することが好ましい。そこで、特徴量削減部1043は、特徴量を簡略化した簡易特徴量を生成することで、難読商品であるか否かの判定処理を高速に実行させる。
【0040】
類似度算出部1044は、無線タグ読取部1070による商品コードの読み取りが困難な複数種類の商品の特徴量と、特徴量抽出部1042が抽出した特徴量とのそれぞれの類似度を算出する。更に詳しくは、類似度算出部1044は、難読商品マスタ123に登録された照合用特徴量と、簡略化特徴量とを比較することで、難読商品マスタ123に登録された難読商品の各々との類似度を算出する。ここで、類似度は、難読商品マスタ123に記憶されている商品の照合用特徴量を100%=「類似度:1.0」とした場合に、商品の全部又は一部がどの程度類似しているかを示すものである。
【0041】
なお、第1の実施形態では、類似度算出部1044は、難読商品マスタ123に登録された商品の照合用特徴量と、簡略化特徴量との類似度を算出している。しかしながら、類似度算出部1044は、難読商品マスタ123の照合用特徴量と、特徴量削減部1043が情報量を削減していない特徴量との類似度を算出してもよい。この場合、類似度算出部1044は、難読商品に該当するかの認識精度を向上することができる。
【0042】
難読商品判定部1045は、類似度に基づいて、読取窓12の前方にかざされた商品が難読商品であるか否かを判定する。更に詳しくは、難読商品判定部1045は、類似度算出部1044が算出した類似度のうち閾値以上の類似度が有る場合に、難読商品であると判定する。一方、難読商品判定部1045は、類似度算出部1044が算出した類似度のうち閾値以上の類似度が無い場合に、難読商品ではないと判定する。
【0043】
報知制御部1050は、類似度算出部1044が算出した類似度が閾値以上の商品がある場合に、報知する。言い換えると、報知制御部1050は、難読商品判定部1045が難読商品であると判定した場合に、報知する。例えば、報知制御部1050は、コードシンボル読取部1060に画像情報を読み取らせることを報知する。すなわち、報知制御部1050は、コードシンボル読取部1060にコードシンボルを読み取らせることを報知する。また、報知制御部1050は、如何なる方法により報知してもよい。例えば、報知制御部1050は、音声により報知してもよいし、第1表示部13等に表示することにより報知してもよいし、他の方法により報知してもよい。
【0044】
また、報知制御部1050は、無線タグ読取部1070が商品コードの読み取りを開始してから設定時間内に商品コードを読み取らない場合に報知する。ここで、難読商品は無線タグから商品コードを読み取ることが困難な商品ではあるが、無線タグ読取部1070は、難読商品に付された無線タグから商品コードを読み取る場合もある。このような場合、報知制御部1050は、難読商品であることを報知する必要がない。そこで、報知制御部1050は、設定時間が経過しても無線タグ読取部1070が商品コードを読み取らない場合に報知する。また、設定時間は、任意の時間である。更に、設定時間は、操作者が任意に変更可能な時間であってもよい。
【0045】
コードシンボル読取部1060は、画像情報から商品を特定するための商品コードを読み取る。更に詳しくは、コードシンボル読取部1060は、撮像制御部1030が撮像部140に撮像させた画像に含まれるコードシンボルから商品コードを読み取る。更に詳しくは、コードシンボル読取部1060は、撮像制御部1030が撮像部140に撮像させた画像からコードシンボルを検出する。そして、コードシンボル読取部1060は、検出したコードシンボルをデコードすることで、商品コードを読み取る。
【0046】
また、コードシンボル読取部1060は、商品登録処理の開始を指示された場合に、コードシンボルの読み取りを開始する。そして、コードシンボル読取部1060は、商品登録処理を終了する締め操作を受け付けた場合に、コードシンボルの読み取りを終了する。なお、コードシンボル読取部1060は、商品登録装置1がレーザスキャナを備えている場合には、レーザスキャナを制御して、商品コードを読み取ってもよい。
【0047】
無線タグ読取部1070は、無線タグから商品を特定するための商品コードを読み取る。更に詳しくは、無線タグ読取部1070は、非接触通信部150を制御して、無線タグが記憶している情報を送信させる電磁波を照射させる。また、無線タグ読取部1070は、無線タグから送信された電磁波を非接触通信部150に受信させることで、無線タグから商品コードを読み取る。
【0048】
また、無線タグ読取部1070は、商品登録処理の開始を指示された場合に、無線タグの読み取りを開始する。また、無線タグ読取部1070は、報知制御部1050が報知した場合に、読み取りを停止する。ここで、報知制御部1050は、類似度算出部1044が算出した類似度が閾値以上の商品がある場合に、無線タグから商品コードを読み取ることは困難であるため、コードシンボルを読み取らせることを報知する。そこで、無線タグ読取部1070は、無線タグの読み取りを停止する。また、無線タグ読取部1070は、商品登録処理を終了する締め操作を受け付けた場合に、無線タグの読み取りを終了する。
【0049】
商品登録部1080は、コードシンボル読取部1060が読み取った商品コードにより特定される商品、又は無線タグ読取部1070が読み取った商品コードにより特定される商品を登録する。すなわち、商品登録部1080は、販売対象の商品を登録する。
【0050】
次に、商品登録装置1の動作について説明する。
【0051】
図4は、第1の実施形態の商品登録装置1が実行する難読商品認識処理の一例を示すフローチャートである。難読商品認識処理は、読取窓12の前方にかざされた商品が難読商品であるか否かを判定する処理である。
【0052】
撮像制御部1030は、撮像部140に撮像を開始させる(ステップS1)。すなわち、撮像制御部1030は、読取窓12の前方にかざされた商品を撮像する。
【0053】
商品検出部1041は、撮像部140が撮像した画像から商品を検出する(ステップS2)。
【0054】
特徴量抽出部1042は、商品検出部1041が画像から検出した商品の領域である商品領域を切り出す(ステップS3)。
【0055】
特徴量抽出部1042は、商品領域から商品の特徴量を抽出する(ステップS4)。
【0056】
特徴量削減部1043は、抽出した特徴量に対して削減処理を実行する(ステップS5)。これにより、特徴量削減部1043は、特徴量から簡略化特徴量を生成する。
【0057】
類似度算出部1044は、難読商品マスタ123が有する複数の難読商品ごとに、照合用特徴量と、簡略化特徴量との類似度を算出する(ステップS6)。
【0058】
難読商品判定部1045は、閾値以上の類似度になった難読商品があるか否かを判定する(ステップS7)。閾値以上の類似度の難読商品が有る場合に(ステップS7;Yes)、難読商品判定部1045は、難読商品であると判定する(ステップS8)。
【0059】
一方、閾値以上の類似度の難読商品が無い場合に(ステップS7;No)、難読商品判定部1045は、可読商品であると判定する(ステップS9)。
【0060】
以上により、商品登録装置1は、難読商品認識処理を終了する。
【0061】
図5は、第1の実施形態の商品登録装置1が実行する商品登録処理の一例を示すフローチャートである。商品登録処理は、読み取った商品コードにより特定される商品を販売対象の商品として登録する処理である。
【0062】
開始制御部1020は、商品登録処理を開始する要因を検出したか否かを判定する(ステップS21)。開始する要因を検出しない場合に(ステップS21;No)、開始制御部1020は、待機する。
【0063】
開始する要因を検出しない場合に(ステップS21;Yes)、開始制御部1020は、各機能部に対して商品登録処理の開始を指示する(ステップS22)。更に詳しくは、開始制御部1020は、難読商品認識部1040に難読商品認識処理を開始させる。また、開始制御部1020は、コードシンボル読取部1060、及び無線タグ読取部1070に商品コードの読み取りを開始させる。
【0064】
無線タグ読取部1070は、無線タグから商品コードを読み取ったか否かを判定する(ステップS23)。無線タグ読取部1070が商品コードを読み取った場合に(ステップS23;Yes)、商品登録部1080は、無線タグ読取部1070が読み取った商品コードにより特定される商品を販売対象の商品として登録する(ステップS24)。
【0065】
無線タグ読取部1070が商品コードを読み取っていない場合に(ステップS23;No)、コードシンボル読取部1060は、コードシンボルから商品コードを読み取ったか否かを判定する(ステップS25)。コードシンボル読取部1060が商品コードを読み取った場合に(ステップS25;Yes)、商品登録部1080は、コードシンボル読取部1060が読み取った商品コードにより特定される商品を販売対象の商品として登録する(ステップS26)。
【0066】
コードシンボル読取部1060が商品コードを読み取っていない場合に(ステップS25;No)、難読商品認識部1040は、難読商品であると認識したか否かを判定する(ステップS27)。難読商品であると認識していない場合に(ステップS27;No)、商品登録装置1は、ステップS23に移行する。
【0067】
難読商品であると認識した場合に(ステップS27;Yes)、報知制御部1050は、無線タグ読取部1070が商品コードの読み取りを開始してから設定時間が経過したか否かを判定する(ステップS28)。設定時間が経過していない場合に(ステップS28;No)、商品登録装置1は、ステップS23に移行する。
【0068】
設定時間が経過した場合に(ステップS28;Yes)、報知制御部1050は、かざされている商品が難読商品であることを報知する(ステップS29)。
【0069】
無線タグ読取部1070は、無線タグの読み取りを停止する(ステップS30)。一方、コードシンボル読取部1060は、コードシンボルの読み取りを継続する。
【0070】
コードシンボル読取部1060は、コードシンボルから商品コードを読み取ったか否かを判定する(ステップS31)。コードシンボルから商品コードを読み取っていない場合に(ステップS31;No)、コードシンボル読取部1060は、コードシンボルの読み取りを継続する。
【0071】
コードシンボル読取部1060がコードシンボルから商品コードを読み取った場合に(ステップS31;Yes)、商品登録部1080は、コードシンボル読取部1060が読み取った商品コードにより特定される商品を販売対象の商品として登録する(ステップS32)。
【0072】
操作制御部1010は、商品登録処理を終了する締め操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS33)。締め操作を受け付けていない場合に(ステップS33;No)、商品登録装置1は、ステップS23に移行する。
【0073】
締め操作を受け付けた場合に(ステップS33;Yes)、商品登録装置1は、商品登録処理を終了する。
【0074】
以上のように、第1の実施形態にかかる商品登録装置1において、撮像制御部1030は、読取窓12の前方にかざされた商品を撮像する。難読商品判定部1045は、撮像した画像の商品の特徴量と、難読商品マスタ123が有する複数の商品の参照用特徴量とを比較して、類似度が閾値以上の商品がある場合に、難読商品であると判定する。報知制御部1050は、読取窓12の前方にかざされた難読商品であると判定された場合に、難読商品であることを報知する。よって、商品登録装置1は、無線タグを読み取ることが困難な商品であることを報知することができる。
【0075】
(第2の実施形態)
第2の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同一の構成については同一の符号を付与し説明を省略する。図6は、第2の実施形態にかかる商品登録装置3の外観の一例を示す斜視図である。
【0076】
第2の実施形態にかかる商品登録装置3は、ベルトコンベア31で搬送される商品から商品コードを読み取る。商品登録装置3は、ベルトコンベア31の搬送経路の途中にトンネル32を有している。商品登録装置3は、トンネル32の内部を通過する商品を撮像する撮像部140と、トンネル32の内部を通過する商品に電磁波を照射する非接触通信部150とを備えている。これにより、商品登録装置3は、トンネル32の内部を通過する商品が難読商品である場合に、難読商品であることを報知することができる。
【0077】
また、商品登録装置3は、ベルトコンベア31に載置された商品の配置によっては無線タグを読み取ることが困難になる場合がある。例えば、商品が重ねられた状態で載置された場合や、商品を隙間なく並べて載置された場合に、商品登録装置3は、商品同士が電磁波に影響を与えるために、無線タグを読み取ることが困難になる場合がある。
【0078】
そこで、難読商品マスタ123は、無線タグを読み取ることが困難になる商品の配置パターンに関する情報を有していてもよい。撮像制御部1030は、トンネル32を通過する商品の配置パターンを撮像する。そして、報知制御部1050は、撮像制御部1030が撮像した画像に含まれる商品の配置パターンと、難読商品マスタ123が有する商品の配置パターンとの類似度が閾値以上であるの場合に、無線タグを読み取ることが困難な商品の配置パターンであることを報知する。操作者は、報知された場合に、商品の配置パターンを変更して、ベルトコンベア31に再度商品を配置する。よって、商品登録装置3は、無線タグから商品コードを読み取ることができる。
【0079】
なお、商品登録装置3は、ベルトコンベア31を備えていなくてもよい。すなわち、トンネル32は、箱であってもよい。撮像制御部1030は、箱の内部に配置された商品の配置パターンを撮像する。報知制御部1050は、撮像制御部1030が撮像した画像に含まれる商品の配置パターンと、難読商品マスタ123が有する商品の配置パターンとの類似度が閾値以上である場合に、無線タグを読み取ることが困難な商品の配置パターンであることを報知する。操作者は、報知された場合に、商品の配置パターンを変更して、再度箱に入れる。よって、商品登録装置3は、無線タグから商品コードを読み取ることができる。
【0080】
以上のように、第2の実施形態にかかる商品登録装置3は、撮像制御部1030が撮像した画像に含まれる商品の配置パターンと、難読商品マスタ123が有する商品の配置パターンとを比較する。報知制御部1050は、撮像制御部1030が撮像した画像に含まれる商品の配置パターンと、難読商品マスタ123が有する商品の配置パターンとの類似度が閾値以上であるの場合に、無線タグを読み取ることが困難な商品の配置パターンであることを報知する。よって、商品登録装置3は、無線タグを読み取ることが困難な商品の配置パターンであるために、無線タグを読み取ることが困難なことを報知することができる。
【0081】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0082】
なお、上記実施形態では、商品登録装置1は、画像情報としてコードシンボルを読み取るコードシンボル読取部1060を備えている。しかしながら、商品登録装置1は、コードシンボル読取部1060に限らず、他の画像情報を読み取る読取部を備えていてもよい。例えば、商品登録装置1は、OCR(Optical Character Recognition)により商品コードを読み取ってもよいし、図形等を読み取ることで商品コードを読み取ってもよい。
【0083】
上記実施形態や変形例の各装置で実行されるプログラムは、各装置が備える記憶媒体(ROM又は記憶部)に予め組み込んで提供するものとするが、これに限らないものとする。例えば、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。さらに、記憶媒体は、コンピュータ或いは組み込みシステムと独立した媒体に限らず、LANやインターネット等により伝達されたプログラムをダウンロードして記憶又は一時記憶した記憶媒体も含まれる。
【0084】
また、上記実施形態や変形例の各装置で実行されるプログラムをインターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよいし、インターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0085】
1、3 商品登録装置
31 ベルトコンベア
32 トンネル
123 難読商品マスタ
140 撮像部
150 非接触通信部
1010 操作制御部
1020 開始制御部
1030 撮像制御部
1040 難読商品認識部
1041 商品検出部
1042 特徴量抽出部
1043 特徴量削減部
1044 類似度算出部
1045 難読商品判定部
1050 報知制御部
1060 コードシンボル読取部
1070 無線タグ読取部
1080 商品登録部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0086】
【文献】特開2019-174878号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6