(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-05
(45)【発行日】2024-02-14
(54)【発明の名称】接続端子
(51)【国際特許分類】
H01R 4/48 20060101AFI20240206BHJP
【FI】
H01R4/48 C
(21)【出願番号】P 2020067525
(22)【出願日】2020-04-03
【審査請求日】2023-03-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】矢尾板 俊輔
【審査官】濱田 莉菜子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/042776(WO,A1)
【文献】特開2019-117704(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0039781(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0256870(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0013596(US,A1)
【文献】国際公開第2016/087176(WO,A1)
【文献】独国特許出願公開第102011055200(DE,A1)
【文献】特開2008-091115(JP,A)
【文献】特開2015-056209(JP,A)
【文献】特開2001-185284(JP,A)
【文献】特開2019-145213(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R4/00-4/22
H01R4/48-4/50
H01R11/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相手側端子と電気的に接続される電気接続部と、
端部において外被から導体が露出された電線の前記導体に接続される導体接続部と、
を有し、
前記導体接続部は、
底板部と、
前記底板部の両側縁に立設された側板部と、
前記側板部の上縁同士に架け渡された上板部と、
前記上板部から延在する固定片と、
前記固定片に一体に形成され、一端が前記固定片に連設され、他端が前記底板部側へ突出された接触片と、
前記側板部に設けられ、前記固定片を係合する係合部と、
を備え、
前記底板部上に前記導体が配置された状態で前記固定片が前記底板部側へ押圧されることにより、前記接触片が前記導体に接触され、前記係合部によって前記固定片が前記側板部に係合され
、
前記接触片は、前記固定片の中央部に窓部が形成されるように前記固定片の中央部分を切り起こすことにより、前記固定片に一体に形成されている、
ことを特徴とする接続端子。
【請求項2】
相手側端子と電気的に接続される電気接続部と、
端部において外被から導体が露出された電線の前記導体に接続される導体接続部と、
を有し、
前記導体接続部は、
底板部と、
前記底板部の両側縁に立設された側板部と、
前記側板部の上縁同士に架け渡された上板部と、
前記上板部から延在する固定片と、
前記固定片に一体に形成され、一端が前記固定片に連設され、他端が前記底板部側へ突出された接触片と、
前記側板部に設けられ、前記固定片を係合する係合部と、
を備え、
前記底板部上に前記導体が配置された状態で前記固定片が前記底板部側へ押圧されることにより、前記接触片が前記導体に接触され、前記係合部によって前記固定片が前記側板部に係合され、
前記係合部は、前記固定片に形成された係合突起が係合される係合穴であり、
前記係合穴は、押圧されて変位する前記固定片の前記係合突起の移動軌跡に沿って複数設けられている、
ことを特徴とする
接続端子。
【請求項3】
前記電線の端部における前記外被部分に加締められる一対の加締め片を有する被覆圧着部を備える、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の接続端子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続端子に関する。
【背景技術】
【0002】
電線の端部に接続される接続端子として、電線の導体部に加締められる導体加締部と、電線の絶縁被覆部に加締められる被覆加締部とを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記の接続端子は、下型としてのアンビルと上型としてのクリンパとで挟持されることにより、導体加締部及び被覆加締部が加締められて電線の導体部及び絶縁被覆部にそれぞれ加締められる。
【0005】
このとき、導体加締部では、電線の導体部が圧縮されることになるが、導体部には、圧縮力の付与にともない、軸方向に沿う引張力が作用する。すると、導体部には、この導体部を構成する複数の素線の一部が断線するなどの損傷が生じ、電気的な接続信頼性の低下を招くおそれがある。
【0006】
近年では、車両に搭載されるコネクタの小型化に伴い、コネクタに収容される接続端子も小型化され、接続端子に接続される電線の径が細くなっている。したがって、接続端子への接続時に、導体部に付与される引張力を抑えることが要求されている。
【0007】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、導体の損傷を抑え、高い接続信頼性で電線に接続することが可能な接続端子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した目的を達成するために、本発明に係る接続端子は、下記(1)~(3)を特徴としている。
(1) 相手側端子と電気的に接続される電気接続部と、
端部において外被から導体が露出された電線の前記導体に接続される導体接続部と、
を有し、
前記導体接続部は、
底板部と、
前記底板部の両側縁に立設された側板部と、
前記側板部の上縁同士に架け渡された上板部と、
前記上板部から延在する固定片と、
前記固定片に一体に形成され、一端が前記固定片に連設され、他端が前記底板部側へ突出された接触片と、
前記側板部に設けられ、前記固定片を係合する係合部と、
を備え、
前記底板部上に前記導体が配置された状態で前記固定片が前記底板部側へ押圧されることにより、前記接触片が前記導体に接触され、前記係合部によって前記固定片が前記側板部に係合され、
前記接触片は、前記固定片の中央部に窓部が形成されるように前記固定片の中央部分を切り起こすことにより、前記固定片に一体に形成されている、
ことを特徴とする接続端子。
【0009】
(2) 相手側端子と電気的に接続される電気接続部と、
端部において外被から導体が露出された電線の前記導体に接続される導体接続部と、
を有し、
前記導体接続部は、
底板部と、
前記底板部の両側縁に立設された側板部と、
前記側板部の上縁同士に架け渡された上板部と、
前記上板部から延在する固定片と、
前記固定片に一体に形成され、一端が前記固定片に連設され、他端が前記底板部側へ突出された接触片と、
前記側板部に設けられ、前記固定片を係合する係合部と、
を備え、
前記底板部上に前記導体が配置された状態で前記固定片が前記底板部側へ押圧されることにより、前記接触片が前記導体に接触され、前記係合部によって前記固定片が前記側板部に係合され、
前記係合部は、前記固定片に形成された係合突起が係合される係合穴であり、
前記係合穴は、押圧されて変位する前記固定片の前記係合突起の移動軌跡に沿って複数設けられている、
ことを特徴とする(1)に記載の接続端子。
【0010】
(3) 前記電線の端部における前記外被部分に加締められる一対の加締め片を有する被覆圧着部を備える、
ことを特徴とする(1)または(2)に記載の接続端子。
【0011】
上記(1)の構成の接続端子によれば、固定片を底板部側へ押圧させると、固定片に設けられた接触片が電線の導体に押し付けられ、この状態で固定片が側板部に係合され、電線の導体が接続端子に電気的に接続される。したがって、電線の導体部分に加締め片を加締めて導通させる構造と比べ、導体に引張力が付与されることによる導体の損傷を抑えることができ、高い接続信頼性で電線に接続させることができる。これにより、例えば、素線を束ねた導体を備える電線を接続する場合であっても、導体の素線の断線等の損傷を抑えることができる。
【0012】
上記(2)の構成の接続端子によれば、押圧される固定片が接続する電線の導体の径に応じた位置で側板部に係合される。これにより、異なる径の導体を有する電線に対して良好に電気的に接続させることができる。
【0013】
上記(3)の構成の接続端子によれば、被覆圧着部によって電線の外被部分が加締められるので、接続した電線の耐引張性を高めることができる。これにより、電線との良好な接続状態を維持できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、導体の損傷を抑え、高い接続信頼性で電線に接続することが可能な接続端子を提供できる。
【0015】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る接続端子及び電線の斜視図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係る接続端子の軸方向に沿う縦断面図である。
【
図3】
図3は、接続端子の軸方向に沿う一部の縦断面図である。
【
図4】
図4は、接続端子への電線の接続の仕方を示す図であって、
図4(a)及び
図4(b)は、それぞれ電線への接続状態を示す接続端子の軸方向に沿う一部の縦断面図である。
【
図5】
図5は、接続端子への小径の電線の接続の仕方を示す接続端子の軸方向に沿う一部の縦断面図である。
【
図6】
図6は、接続端子及び単線の導体を有する電線の斜視図である。
【
図7】
図7は、接続端子への単線の導体を有する電線の接続の仕方を示す接続端子の軸方向に沿う一部の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
【0018】
図1は、本実施形態に係る接続端子及び電線の斜視図である。
図2は、本実施形態に係る接続端子の軸方向に沿う縦断面図である。
図1及び
図2に示すように、本実施形態に係る接続端子10は、電線1の端部に接続される。接続端子10は、オス端子(図示略)からなる相手側端子に接続されるメス端子である。
【0019】
電線1は、導体2と、この導体2の周囲を覆う外被3とを有した絶縁電線である。導体2は、例えば、銅、銅合金、アルミニウムまたはアルミニウム合金等の導電性金属材料からなる複数の素線4を束ねた構成となっている。外被3は、可撓性及び絶縁性を有する樹脂材料により形成されている。電線1は、端部において、外被3が除去されて導体2の一部が露出されている。
【0020】
接続端子10は、電気接続部12と、被覆圧着部31と、導体接続部51と、を有している。接続端子10は、例えば、銅、銅合金、アルミニウムまたはアルミニウム合金等の導電性金属材料からなる板材を加工することで形成されている。
【0021】
接続端子10は、その先端側に、オス端子のタブが挿入される角筒状の箱部41を備えており、この箱部41が電気接続部12となっている。箱部41は、底板部43と、一対の側板部44と、上板部46とを備えている。側板部44は、底板部43の両側縁から立ち上げられている。上板部46は、箱部41の上部を塞ぐように側板部44の上縁に架け渡されている。箱部41の上板部46には、係止孔部48が形成されている。
【0022】
電気接続部12の箱部41は、バネ接点49を有している。バネ接点49は、上板部46の先端側に連設されて後端側へ折り返されている。バネ接点49は、箱部41の後端側へ向かって箱部41の内方へ突出している。
【0023】
被覆圧着部31は、箱部41の底板部43及び側板部44に連設されている。被覆圧着部31は、一対の加締め片32を有している。被覆圧着部31では、加締め片32を加締めることで電線1の外被3の部分が被覆圧着部31に圧着固定される。
【0024】
図3は、接続端子の軸方向に沿う一部の縦断面図である。
図3に示すように、導体接続部51は、箱部41の後部に設けられており、固定片52と、接触片53とを有している。固定片52は、箱部41を構成する上板部46の後端に一体に形成されている。固定片52は、上板部46の後端から後方へ延在している。固定片52には、その後端における両側部に、係合突起54が形成されている。この固定片52は、箱部41の上板部46から後方へ向かって上方へ傾斜している。この固定片52は、上方から底板部43側へ向かって押圧することにより、上板部46との連設箇所を回動中心Oとして回動するようになっている。
【0025】
接触片53は、固定片52の中央部分を切り起こすことにより、固定片52に一体に形成されている。これにより、固定片52の中央部には、窓部55が形成されている。接触片53は、窓部55における固定片52の回動中心O寄りの縁部に連設されており、固定片52に対して下方側である底板部43側へ突出されている。また、接触片53には、その端部近傍を上方へ屈曲させることにより、下方へ突出する接点部56が形成されている。
【0026】
また、箱部41の側板部44には、複数の係合穴(係合部)57,58がそれぞれ形成されている。それぞれの側板部44では、各係合穴57同士が互いに対向位置に形成され、各係合穴58同士が互いに対向位置に形成されている。これらの係合穴57,58は、上板部46との連設箇所からなる回動中心Oで固定片52を回動させた際に係合突起54が通る移動軌跡上に形成されている。
【0027】
接続端子10は、樹脂製のハウジング(図示略)に形成された端子収容室に挿し込まれて収容されてコネクタを構成する。このとき、ハウジングに形成されたランスが箱部41の上板部46に形成された係止孔部48に入り込み、係止孔部48の縁部を係止する。これにより、接続端子10がハウジングの端子収容室に収容された状態に維持される。
【0028】
接続端子10がハウジングに収容されたコネクタは、オス端子が収容された相手側コネクタ(図示略)に嵌合される。これにより、オス端子のタブが接続端子10のバネ接点49と箱部41の底板部43との間に挿し込まれて挟持される。これにより、接続端子10とオス端子とが電気的に接続される。
【0029】
次に、接続端子10へ電線1を接続する場合について説明する。
図4は、接続端子への電線の接続の仕方を示す図であって、
図4(a)及び
図4(b)は、それぞれ電線への接続状態を示す接続端子の軸方向に沿う一部の縦断面図である。
【0030】
図4(a)に示すように、電線1の端部において外被3から導体2を露出させる。そして、この電線1の外被3の部分を被覆圧着部31に配置し、露出させた導体2を導体接続部51に配置する。
【0031】
この状態において、
図4(b)に示すように、被覆圧着部31を電線1の外被3の部分に圧着させる。被覆圧着部31を電線1の外被3の部分に圧着させるには、例えば、アンビル及びクリンパを有する圧着機を用い、アンビルとクリンパとで被覆圧着部31を挟持する。これにより、被覆圧着部31の加締め片33を加締めて電線1の外被3の部分に圧着させる。
【0032】
次に、導体接続部51の固定片52を導体2へ向かって(
図4(b)における矢印A方向へ向かって)押圧し、固定片52を、上板部46との連設箇所の回動中心Oで回動させる。なお、固定片52は、例えば、図示しない治具等によって押圧する。すると、この固定片52は、その係合突起54が側板部44に形成された上側の係合穴57に係合される。これにより、固定片52は、係合突起54が係合穴57に係合した位置で側板部44に固定される。このように、固定片52を押圧して側板部44に係合させると、接触片53が固定片52とともに押し下げられる。これにより、この接触片53の接点部56が導体2に弾性的に押し付けられて接触し、電線1の導体2と接続端子10とが電気的に接続される。
【0033】
このように、本実施形態に係る接続端子10によれば、固定片52を底板部43側へ押圧させると、固定片52に設けられた接触片53が電線1の導体2に押し付けられ、この状態で固定片52が側板部44に係合され、電線1の導体2が接続端子10に電気的に接続される。したがって、電線1の導体2の部分に加締め片を加締めて導通させる構造と比べ、導体2に引張力が付与されることによる導体2の素線4が断線するなどの損傷を抑えることができ、高い接続信頼性で電線1に接続させることができる。
【0034】
また、被覆圧着部31によって電線1の外被3の部分が加締められるので、接続した電線1の耐引張性を高めることができる。これにより、電線1との良好な接続状態を維持できる。
【0035】
なお、導体接続部51における導体2への接続作業は、被覆圧着部31における外被3の部分への圧着作業と同時に行ってもよく、または、先に行ってもよい。
【0036】
また、接続端子10は、導体2の径が小さい小径の電線や導体2が単線の電線などの各種の電線に対しても接続させることができる。以下、接続端子10において、各種の電線を接続する場合について説明する。
【0037】
(1)径が小さい小径の導体2を備えた電線1Aを接続する場合
図5は、接続端子への小径の電線の接続の仕方を示す接続端子の軸方向に沿う一部の縦断面図である。
【0038】
図5に示すように、電線1Aの外被3の部分を被覆圧着部31に配置させ、露出させた導体2を導体接続部51に配置させる。そして、被覆圧着部31の加締め片32を加締め、被覆圧着部31に電線1Aの外被3の部分を圧着する。
【0039】
次に、導体接続部51の固定片52を導体2へ向かって押圧し、固定片52を、上板部46との連設箇所の回動中心Oで回動させる。そして、この固定片52の係合突起54を、側板部44に形成された下側の係合穴58に係合させる。
【0040】
すると、固定片52は、係合突起54が係合穴58に係合した位置で側板部44に固定される。これにより、接触片53の接点部56が導体2に弾性的に押し付けられて接触し、電線1Aの導体2と接続端子10とが電気的に接続される。
【0041】
本実施形態に係る接続端子10では、側板部44に、押圧されて変位する固定片52の係合突起54の移動軌跡に沿って係合穴57,58が設けられているので、押圧される固定片52は、接続する電線1の導体2の径に応じた位置で側板部44に係合される。これにより、異なる径の導体2を有する電線1に対して良好に電気的に接続させることができる。
【0042】
(2)径が小さい単線の導体2を備えた電線1Bを接続する場合
図6は、接続端子及び単線の導体を有する電線の斜視図である。
図7は、接続端子への単線の導体を有する電線の接続の仕方を示す接続端子の軸方向に沿う一部の縦断面図である。
【0043】
図6及び
図7に示すように、電線1Bの外被3の部分を被覆圧着部31に配置させ、露出させた導体2を導体接続部51に配置させる。そして、被覆圧着部31の加締め片32を加締め、被覆圧着部31に電線1Bの外被3の部分を圧着する。
【0044】
次に、導体接続部51の固定片52を導体2へ向かって押圧し、固定片52を、上板部46との連設箇所の回動中心Oで回動させる。そして、この固定片52の係合突起54を、側板部44に形成された下側の係合穴58に係合させる。
【0045】
すると、固定片52は、係合突起54が係合穴58に係合した位置で側板部44に固定される。これにより、接触片53の接点部56が単線の導体2に弾性的に押し付けられて接触し、電線1Bの導体2と接続端子10とが電気的に接続される。
【0046】
このように、単線の導体2を備えた電線1Bの場合も、固定片52を底板部43側へ押圧させて係合突起54を係合穴58へ係合させることにより、接触片53を電線1の導体2に押し付けて電気的に接続せることができる。
【0047】
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0048】
ここで、上述した本発明の実施形態に係る接続端子の特徴をそれぞれ以下[1]~[3]に簡潔に纏めて列記する。
[1] 相手側端子と電気的に接続される電気接続部(12)と、
端部において外被(3)から導体(2)が露出された電線(1)の前記導体(2)に接続される導体接続部(51)と、
を有し、
前記導体接続部(51)は、
底板部(43)と、
前記底板部(43)の両側縁に立設された側板部(44)と、
前記側板部(44)の上縁同士に架け渡された上板部(46)と、
前記上板部(46)から延在する固定片(52)と、
前記固定片(52)に一体に形成され、一端が前記固定片(52)に連設され、他端が前記底板部(43)側へ突出された接触片(53)と、
前記側板部(44)に設けられ、前記固定片(52)を係合する係合部(係合穴57,58)と、
を備え、
前記底板部(43)上に前記導体(2)が配置された状態で前記固定片(52)が前記底板部(43)側へ押圧されることにより、前記接触片(53)が前記導体(2)に接触され、前記係合部(係合穴57,58)によって前記固定片(52)が前記側板部(44)に係合される、
ことを特徴とする接続端子。
【0049】
[2] 前記係合部は、前記固定片(52)に形成された係合突起(54)が係合される係合穴(57,58)であり、
前記係合穴(57,58)は、押圧されて変位する前記固定片(52)の前記係合突起(54)の移動軌跡に沿って複数設けられている、
ことを特徴とする[1]に記載の接続端子。
【0050】
[3] 前記電線(1)の端部における前記外被(3)部分に加締められる一対の加締め片(32)を有する被覆圧着部(31)を備える、
ことを特徴とする[1]または[2]に記載の接続端子。
【符号の説明】
【0051】
1 電線
2 導体
3 外被
10 接続端子
12 電気接続部
31 被覆圧着部
32 加締め片
43 底板部
44 側板部
46 上板部
51 導体接続部
52 固定片
53 接触片
54 係合突起
57,58 係合穴(係合部)