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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-05
(45)【発行日】2024-02-14
(54)【発明の名称】建具
(51)【国際特許分類】
   E04B 2/96 20060101AFI20240206BHJP
   E04B 1/76 20060101ALI20240206BHJP
【FI】
E04B2/96
E04B1/76 500F
E04B1/76 400B
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020073655
(22)【出願日】2020-04-16
(65)【公開番号】P2021169739
(43)【公開日】2021-10-28
【審査請求日】2022-10-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136331
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 陽一
(72)【発明者】
【氏名】堀 剛文
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 浩
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 要
【審査官】伊藤 昭治
(56)【参考文献】
【文献】実開平07-032030(JP,U)
【文献】実開昭59-163085(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/62 - 1/99
E04B 2/56 - 2/70
E04B 2/88 - 2/96
E06B 1/12
E06B 3/263
E06B 3/67
E06B 7/22
E06B 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス呑み込み溝を有するフレームと、ガラス呑み込み溝に保持したガラスとを備え、フレームは、室外側アルミ部材と室内側アルミ部材と両アルミ部材を連結する断熱ブリッジ材とでガラス呑み込み溝が構成され、ガラス呑み込み溝内にガラスの室内側面を受けるシール材と、シール材と別体で形成され、シール材よりもガラスの外周側に設けた冷気遮断材を有し、冷気遮断材は、室内側アルミ部材の室外側面を覆っていると共に、断熱ブリッジ材の見込面に重合又は当接してあることを特徴とする建具。
【請求項2】
ガラス呑み込み溝を有するフレームと、ガラス呑み込み溝に保持したガラスとを備え、フレームは、室外側アルミ部材と室内側アルミ部材と両アルミ部材を連結する断熱ブリッジ材と室内側アルミ部材の室外側に設けた調整材を有し、室外側アルミ部材と断熱ブリッジ材と調整材とでガラス呑み込み溝が構成され、ガラス呑み込み溝内にガラスの室内側面を受けるシール材と、シール材と別体で形成され、シール材よりもガラスの外周側に設けた冷気遮断材を有し、冷気遮断材は、調整材の室外側面を覆っていると共に、断熱ブリッジ材の見込面に重合又は当接してあることを特徴とする建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーテンウォールや窓等の建具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、上下の床の間に方立を架け渡し、方立にガラスを嵌め込んだカーテンウォールが知られている。かかる従来のカーテンウォールは、ガラスを複層ガラスにすることで断熱性の向上をしている(例えば、特許文献1参照)が、より一層の断熱性の向上が求められた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-25591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は以上に述べた実情に鑑み、断熱性が向上した建具の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を達成するために請求項1記載の発明による建具は、ガラス呑み込み溝を有するフレームと、ガラス呑み込み溝に保持したガラスとを備え、フレームは、室外側アルミ部材と室内側アルミ部材と両アルミ部材を連結する断熱ブリッジ材とでガラス呑み込み溝が構成され、ガラス呑み込み溝内にガラスの室内側面を受けるシール材と、シール材と別体で形成され、シール材よりもガラスの外周側に設けた冷気遮断材を有し、冷気遮断材は、室内側アルミ部材の室外側面を覆っていると共に、断熱ブリッジ材の見込面に重合又は当接してあることを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の発明による建具は、ガラス呑み込み溝を有するフレームと、ガラス呑み込み溝に保持したガラスとを備え、フレームは、室外側アルミ部材と室内側アルミ部材と両アルミ部材を連結する断熱ブリッジ材と室内側アルミ部材の室外側に設けた調整材を有し、室外側アルミ部材と断熱ブリッジ材と調整材とでガラス呑み込み溝が構成され、ガラス呑み込み溝内にガラスの室内側面を受けるシール材と、シール材と別体で形成され、シール材よりもガラスの外周側に設けた冷気遮断材を有し、冷気遮断材は、調整材の室外側面を覆っていると共に、断熱ブリッジ材の見込面に重合又は当接してあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1記載の発明による建具は、ガラス呑み込み溝を有するフレームと、ガラス呑み込み溝に保持したガラスとを備え、フレームは、室外側アルミ部材と室内側アルミ部材と両アルミ部材を連結する断熱ブリッジ材とでガラス呑み込み溝が構成され、ガラス呑み込み溝内にガラスの室内側面を受けるシール材と、シール材と別体で形成され、シール材よりもガラスの外周側に設けた冷気遮断材を有し、冷気遮断材は、室内側アルミ部材の室外側面を覆っていると共に、断熱ブリッジ材の見込面に重合又は当接してあることで、断熱ブリッジ材によりフレームの室内外の伝熱が遮断される上、冷気遮断材によりガラス呑み込み溝内の冷気が室内側アルミ部材に直接接触しないため、断熱性が向上する。
【0008】
請求項2記載の発明による建具は、ガラス呑み込み溝を有するフレームと、ガラス呑み込み溝に保持したガラスとを備え、フレームは、室外側アルミ部材と室内側アルミ部材と両アルミ部材を連結する断熱ブリッジ材と室内側アルミ部材の室外側に設けた調整材を有し、室外側アルミ部材と断熱ブリッジ材と調整材とでガラス呑み込み溝が構成され、ガラス呑み込み溝内にガラスの室内側面を受けるシール材と、シール材と別体で形成され、シール材よりもガラスの外周側に設けた冷気遮断材を有し、冷気遮断材は、調整材の室外側面を覆っていると共に、断熱ブリッジ材の見込面に重合又は当接してあることで、断熱ブリッジ材によりフレームの室内外の伝熱が遮断される上、冷気遮断材によりガラス呑み込み溝内の冷気が室内側アルミ部材に直接接触しないため、断熱性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態の建具の方立を拡大して示す横断面図である。
図2図4のA-A断面図である。
図3図4のB-B断面図である。
図4】本発明の建具の第1実施形態を示す室外側正面図である。
図5】第1実施形態の方立の変形例を横断面図であって、ガラスの厚みやガラス呑み込み溝の溝幅を変化させた場合を示す。
図6】本発明の建具の第2実施形態を示す横断面図である。
図7】第2実施形態の建具の方立を拡大して示す横断面図である。
図8】第2実施形態の建具の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1~4は、本発明に係る建具の第1実施形態(請求項1に係る発明の実施形態)であって、ビルの外壁を成すカーテンウォールに適用した場合を示している。本建具は、図4に示すように、建物の躯体に固定して方立(フレーム)1,1,…が左右方向に一定の間隔をあけて設けてあり、方立1,1,…間に無目(フレーム)2,2,…が架設してあり、方立1,1,…と無目2,2,…とで区画される各開口部にガラス3を取付けてある。
【0011】
方立1は、図2に示すように、室内側に配置した方立本体11と、方立本体11の室外側に取付けた方立補助材12とを有している。
方立本体11は、アルミ合金の押出形材よりなり、室内外方向が左右方向より長い矩形断面の中空状に形成されている。
方立補助材12は、図1に示すように、室外側アルミ部材5と室内側アルミ部材6と両アルミ部材5,6を連結する断熱ブリッジ材7とでガラス呑み込み溝4が構成されており、ガラス呑み込み溝4内にガラス3の端部を挿入し、ガラス3の室内側及び室外側に湿式のシール材8を充填して、ガラス3をガラス呑み込み溝4に固定してある。ガラス3は、複層ガラスである。
【0012】
室内側アルミ部材6は、アルミ合金の押出形材よりなり、図1に示すように、矩形断面の中空状に形成されている。室内側アルミ部材の室内側面には鉤型の爪13が形成してあり、その爪13を方立本体11の室外側面に形成した爪14と側方より係合させて金具15で固定することで、方立補助材12を方立本体11に取り付けている。室内側アルミ部材6の室外側面には、左右方向の中央部に断熱ブリッジ材7の連結部16が室外側に突出して設けてある。連結部16には、室外側が開口した取付溝17を有し、取付溝17内に断熱ブリッジ材7の室内側端部に形成された膨らみ部18を挿入し、左右両側からかしめることで断熱ブリッジ材7を連結している。連結部16の左右両側には突条19が長手方向に形成してあり、突条19に係止して冷気遮断材10が取付けてある。
【0013】
冷気遮断材10は、軟質樹脂又はゴムより成り、図1に示すように、ガラス3の室内側面を受けるシール材8及び当該シール材8を受けるシール受け材9と別体で形成され、シール材8よりもガラス3の外周側に位置している。冷気遮断材10は、室内側アルミ部材6の突条19に係止して取付けられる略矩形断面の基部21と、基部21よりガラス3の外周側に向けてのびるヒレ片22とを一体に有している。
基部21には、ガラス3側に直角な入隅部23が設けてあり、入隅部23に嵌合してシール受け材9を取付けている。また基部21は、シール材8を受けるシール受け部24を有している。
ヒレ片22は、中間部で室外側に向けて湾曲し、断熱ブリッジ材7の見込面に沿わせて当接している。ヒレ片22は、断熱ブリッジ材7側の面に溝25が間隔をおいて複数設けてあり、これによりヒレ片22を湾曲しやすくしている。なお、ヒレ片22を湾曲しやすくするための溝25は、図示のものとは逆にガラス3側の面だけに設けてあったり、断熱ブリッジ材7側の面とガラス3側の面の両方に設けてあってもよい。冷気遮断材10のヒレ片22と室内側アルミ部材6との間には、空間26が形成されている。
【0014】
室外側アルミ部材5は、アルミ合金の押出形材よりなり、図1に示すように、本体部27と、本体部27の左右両側に着脱自在に設けた押縁28,28とで構成されている。本体部27は、室内側端部に室内側に向けて開口した取付溝29を有し、取付溝29内に断熱ブリッジ材7の室外側端部に形成された膨らみ部18を挿入し、左右両側からかしめることで断熱ブリッジ材7と連結している。押縁28は、本体部27に係合取付され、シール受け材9とシール材8を介してガラス3の室外側を保持している。
断熱ブリッジ材7は、樹脂の押出形材で形成したものであり、室内側と室内側の端部に膨らみ部18を有し、中空部30が室内外方向に複数隣接して設けてある。
【0015】
上記のとおり方立1は、室外側アルミ部材5と室内側アルミ部材6と両アルミ部材5,6を連結する断熱ブリッジ材7とでガラス呑み込み溝4が構成されているので、断熱ブリッジ材に7より室内外の伝熱が遮断される上、ガラス呑み込み溝4内に室内側アルミ部材6側から断熱ブリッジ材7に当接する冷気遮断材10を設けてあることで、ガラス呑み込み溝4内の冷気が室内側アルミ部材6に直接接触しないため、断熱性が向上する。
さらに、冷気遮断材10のヒレ片22と室内側アルミ部材6との間に空間26が形成してあるので、冷気遮断材10が冷やされても空間26の空気が断熱材となって室内側アルミ部材6に冷気が伝わるのを防止できるので、断熱性能が一層向上する。
冷気遮断材10は、断熱ブリッジ材7の見込面に沿わせて当接しているので、施工誤差や製作誤差によりガラス呑み込み溝4の溝深さや溝幅等にばらつきが生じても、冷気遮断材10がその誤差を吸収して常に断熱ブリッジ材7に当接する状態を維持できる。
冷気遮断材10は、湾曲しやすくするために溝25が間隔をおいて複数設けてあるので、冷気遮断材10がうまく湾曲して断熱ブリッジ材7に沿わせて当接できる。ヒレ片22の長さが長すぎる場合には、ヒレ片22を溝25に沿って千切ることで短くすることもできる。
【0016】
図5は、第1実施形態の方立1の変形例を示している。図5(a)と図5(b)は、ガラス呑み込み溝4の溝幅aが同じで、ガラス3の厚みbを違わせている(図5(b)のガラス3の方が図5(a)のものよりも厚い)。図5(c)は、図5(a),(b)よりもガラス呑み込み溝4の溝幅aを大きくし、ガラス3の厚みbを図5(b)のものよりもさらに厚くしている。冷気遮断材10は、図5(a)~(c)で同じものを使用している。
このように本方立1は、冷気遮断材10をシール材8及びシール受け材9と別体で形成したことで、ガラス3の厚みやガラス呑み込み溝4の溝幅が変わっても、同じ冷気遮断材10を兼用することができる。
【0017】
無目2は、図3に示すように、方立1と同様に、室外側アルミ部材31と室内側アルミ部材32と両アルミ部材31,32を連結する断熱ブリッジ材7とでガラス呑み込み溝4が構成されており、ガラス呑み込み溝4内にガラス3の端部を挿入し、ガラス3の室内側及び室外側に湿式のシール材8を充填して、ガラス3をガラス呑み込み溝4に固定してある。
室内側アルミ部材32の室外側面には、方立1と同じ冷気遮断材10が突条19に係止して取付けてあり、冷気遮断材10のヒレ片22を断熱ブリッジ材7の見込面に沿わせて当接してある。
【0018】
上記のとおり無目2も、方立1と同様に、室外側アルミ部材31と室内側アルミ部材32と両アルミ部材31,32を連結する断熱ブリッジ材7とでガラス呑み込み溝4が構成されているので、断熱ブリッジ材7により室内外の伝熱が遮断される上、ガラス呑み込み溝4内に室内側アルミ部材32側から断熱ブリッジ材7に当接する冷気遮断材10を設けてあることで、ガラス呑み込み溝4内の冷気が室内側アルミ部材32に直接接触しないため、断熱性が向上する。
【0019】
図6~8は、本発明の建具(カーテンウォール)の第2実施形態(請求項2に係る発明の実施形態)を示している。本実施形態の建具は、ガラス3が単板ガラスとなっている。
方立1は、図6に示すように、方立本体11と、方立本体11の室外側に取付けた方立補助材12とで構成してある。
方立補助材12は、図7に示すように、室外側アルミ部材5と室内側アルミ部材6と両アルミ部材5,6を連結する断熱ブリッジ材7とでガラス呑み込み溝4が構成され、室内側アルミ部材6の室外側面に調整材33を取付けてガラス呑み込み溝4の溝幅を狭くして、薄い単板ガラス3を取付けている。なお、調整材33を取付けなければ、図1に示すように複層ガラスを取付けできる。
ガラス3は、室外側が湿式のシール材8で、室内側が乾式のシール材34でガラス呑み込み溝4に支持されている。
【0020】
図7に示すように、室内側のシール材34の外周側には、シール材34と別体で形成された冷気遮断材10が調整材33の突条19に係止して取付けてある。冷気遮断材10は、第1実施形態のものと同様に、突条19に係止して取付けられる略矩形断面の基部21と、基部21よりガラス3の外周側に向けてのびるヒレ片22を一体に有しており、ヒレ片22は中間部で室外側に向けて湾曲し、断熱ブリッジ材7の見込面に沿わせて当接している。調整材33を設けた関係で、冷気遮断材10のヒレ片22の室内側に室内側アルミ部材6との間に広い空間26が形成されている。
冷気遮断材10の基部21にはガラス3側に入隅部23が形成してあり、入隅部23に図示しないシール受け材9を嵌合取付けし、シール受け材9の内周側に湿式のシール材8を充填することもできる。すなわち本冷気遮断材10は、ガラス3の室内側面を湿式のシール材8で支持する場合と乾式のシール材34で支持する場合とで兼用することが可能である。
【0021】
無目2も、図8に示すように、方立1と同様に、室外側アルミ部材31と室内側アルミ部材32と両アルミ部材31,32を連結する断熱ブリッジ材7とでガラス呑み込み溝4が構成されており、室内側アルミ部材32の室外側面に調整材33を取付けてガラス呑み込み溝4の溝幅を狭めてあり、ガラス3の室外側面を湿式のシール材8で、室内側面を乾式のシール材34で支持して、ガラス3をガラス呑み込み溝4に取付けている。室内側のシール材34の外周側には、シール材34と別体で形成した冷気遮断材10が調整材33の突条19に係合して取付けてあり、冷気遮断材10のヒレ片22を断熱ブリッジ材7の見込面に沿わせて当接させている。
【0022】
上記のとおり第2実施形態の建具は、方立1及び無目2が室外側アルミ部材5,31と室内側アルミ部材6,32と両アルミ部材を連結する断熱ブリッジ材7とでガラス呑み込み溝4が構成されているので、断熱ブリッジ材7により室内外の伝熱が遮断される上、ガラス呑み込み溝4内に室内側アルミ部材6,32側から断熱ブリッジ材7に当接する冷気遮断材10を設けてあることで、ガラス呑み込み溝4内の冷気が室内側アルミ部材6,32に直接接触しないため、断熱性が向上する。冷気遮断材10と室内側アルミ部材6,32との間に空間26が広く形成されているので、断熱性能が一層向上する。
【0023】
以上に述べたように本建具(第1実施形態)は、ガラス呑み込み溝4を有するフレーム(方立1、無目2)と、ガラス呑み込み溝4に保持したガラス3とを備え、フレーム1,2は、室外側アルミ部材5,31と室内側アルミ部材6,32と両アルミ部材を連結する断熱ブリッジ材7とでガラス呑み込み溝4が構成され、ガラス呑み込み溝4内にガラス3の室内側面を受ける湿式のシール材8と、シール材8を受けるシール受け材9と、シール材8及びシール受け材9と別体で形成され、シール材8よりもガラス3の外周側で室内側アルミ部材6,32側から断熱ブリッジ材7の見込面に沿わせて当接した冷気遮断材10を有することで、断熱ブリッジ材7によりフレーム1,2の室内外の伝熱が遮断される上、冷気遮断材10によりガラス呑み込み溝4内の冷気が室内側アルミ部材6,32に直接接触しないため、断熱性が向上する。
冷気遮断材10がシール材8及びシール受け材9と別体で形成してあることで、ガラス3の厚みが変わっても同じ冷気遮断材10を兼用できる。冷気遮断材10が断熱ブリッジ材7の見込面に沿わせて当接していることで、施工誤差や製作誤差に対する追従性が高い。
【0024】
本建具(第2実施形態)は、ガラス呑み込み溝4を有するフレーム(方立1、無目2)と、ガラス呑み込み溝4に保持したガラス3とを備え、フレーム1,2は、室外側アルミ部材5,31と室内側アルミ部材6,32と両アルミ部材を連結する断熱ブリッジ材7とでガラス呑み込み溝4が構成され、ガラス呑み込み溝4内にガラス3の室内側面を受ける乾式のシール材34と、シール材34と別体で形成され、シール材34よりもガラス3の外周側で室内側アルミ部材6,32側から断熱ブリッジ材7の見込面に沿わせて当接した冷気遮断材10を有することで、断熱ブリッジ材7によりフレーム1,2の室内外の伝熱が遮断される上、冷気遮断材10によりガラス呑み込み溝4内の冷気が室内側アルミ部材6,32に直接接触しないため、断熱性が向上する。
冷気遮断材10がシール材34と別体で形成してあることで、ガラス3の厚みが変わっても同じ冷気遮断材10を兼用できる。冷気遮断材10が断熱ブリッジ材7の見込面に沿わせて当接していることで、施工誤差や製作誤差に対する追従性が高い。
【0025】
また本建具(第1及び第2実施形態)は、冷気遮断材10と室内側アルミ部材6,32との間に空間26が形成されていることで、断熱性能を一層向上できる。
第1・第2実施形態とも、冷気遮断材10は、湾曲しやすくするために溝25が間隔をおいて複数設けてあることで、冷気遮断材10がうまく湾曲して断熱ブリッジ材7の見込面に沿わせて当接できる。
冷気遮断材10は、ガラス3側に入隅部23を有し、入隅部23にシール受け材9を嵌合して取付自在であるため、湿式のシール材8との併用が容易である。冷気遮断材10のシール受け部24で湿式のシール材8を受けることもできる。ガラス3の室内側を湿式のシール材8で支持する場合と乾式のシール材34で支持する場合とで、冷気遮断材10を兼用することもできる。
【0026】
本発明は以上に述べた実施形態に限定されない。冷気遮断材は、必ずしもガラスの四周の全てのフレームに設けてなくてもよい。また、ガラスの四周のフレームのうちのいずれかのフレームでは湿式のシール材でガラスの室内側面を支持し、他のフレームでは乾式のシール材でガラスの室内側面を支持するものであってもよい。室外側・室内側アルミ部材、断熱ブリッジ材及び冷気遮断材の断面形状は、適宜変更することができる。本発明は、ガラス呑み込み溝を有するフレームを備えた建具全般に広く適用することができ、カーテンウォールに限らず、例えば窓用のサッシや玄関ドアなど、あらゆる建具に適用することができる。
【符号の説明】
【0027】
1 方立(フレーム)
2 無目(フレーム)
3 ガラス
4 ガラス呑み込み溝
5,31 室外側アルミ部材
6,32 室内側アルミ部材
7 断熱ブリッジ材
8 湿式のシール材
9 シール受け材
10 冷気遮断材
34 乾式のシール材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8