(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-05
(45)【発行日】2024-02-14
(54)【発明の名称】ネットワーク構成図提供装置、及びネットワーク構成図提供方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0482 20130101AFI20240206BHJP
G06F 3/0481 20220101ALI20240206BHJP
【FI】
G06F3/0482
G06F3/0481
(21)【出願番号】P 2020118971
(22)【出願日】2020-07-10
【審査請求日】2023-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000233295
【氏名又は名称】株式会社日立情報通信エンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】増田 千絵
(72)【発明者】
【氏名】坂口 和也
(72)【発明者】
【氏名】柴田 剛志
【審査官】円子 英紀
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/163421(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/048-3/04895
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置を用いて構成され、
ネットワーク構成図の生成に用いる、ネットワークの構成に関する情報であるネットワーク構成情報を記憶するネットワーク構成情報記憶部と、
前記ネットワーク構成図の複数の表示パターンと、前記表示パターン毎に用意される複数の選択肢とを含む情報である表示パターン情報を記憶する表示パターン情報記憶部と、
前記表示パターン情報の前記表示パターン毎に前記複数の選択肢を表示しつつ、ユーザから前記表示パターンと当該表示パターンの前記選択肢の指定を受け付ける表示パターン選択肢受付部と、
選択された前記選択肢に相当する態様の前記ネットワーク構成図を生成して表示するネットワーク構成図表示部と、
前記ネットワークの特徴を表す複数の特徴量と、前記ネットワーク構成情報から前記特徴量毎に抽出される前記特徴量の値とを含む情報である特徴量情報を記憶する特徴量情報記憶部と、
を備え、
前記表示パターン情報記憶部は、前記表示パターン情報として、前記複数の表示パターンと、前記表示パターン毎に用意される前記複数の選択肢と、前記選択肢毎に用意される、所定の前記特徴量及び当該特徴量の所定値の情報を含む選択肢選択条件と、を含む情報を記憶し、
前記表示パターン選択肢受付部は、前記表示パターン情報の前記表示パターン毎に前記複数の選択肢を表示しつつ、前記複数の選択肢の中で前記特徴量情報を含む前記選択肢選択条件に該当する前記選択肢を強調的に表示し、ユーザから前記表示パターンと当該表示パターンの前記選択肢の指定を受け付ける、
ネットワーク構成図提供装置。
【請求項2】
情報処理装置を用いて構成され、
ネットワーク構成図の生成に用いる、ネットワークの構成に関する情報であるネットワーク構成情報を記憶するネットワーク構成情報記憶部と、
前記ネットワーク構成図の複数の表示パターンと、前記表示パターン毎に用意される複数の選択肢とを含む情報である表示パターン情報を記憶する表示パターン情報記憶部と、
前記表示パターン情報の前記表示パターン毎に前記複数の選択肢を表示しつつ、ユーザから前記表示パターンと当該表示パターンの前記選択肢の指定を受け付ける表示パターン選択肢受付部と、
選択された前記選択肢に相当する態様の前記ネットワーク構成図を生成して表示するネットワーク構成図表示部と、
前記ネットワークの特徴を表す複数の特徴量と、前記ネットワーク構成情報から前記特徴量毎に抽出される前記特徴量の値とを含む情報である特徴量情報を記憶する特徴量情報記憶部と、
を備え、
前記表示パターン情報記憶部は、前記表示パターン情報として、前記複数の表示パターンと、前記表示パターン毎に用意される複数の選択肢と、前記表示パターン毎に用意される、前記ネットワークの特徴を表す第1特徴量と当該第1特徴量の第1所定値との情報を含む複数の特徴量条件と、前記特徴量条件毎に用意される、前記表示パターンの複数の選択肢の中で過去に選択された選択肢の選択結果と、を含む情報を記憶し、
前記表示パターン選択肢受付部は、前記表示パターン情報の前記表示パターン毎に前記複数の選択肢を表示しつつ、前記複数の選択肢の中で前記特徴量情報を含む前記特徴量条件に該当する前記選択結果である前記選択肢を強調的に表示し、ユーザから前記表示パターンと当該表示パターンの前記選択肢の指定を受け付ける、
ネットワーク構成図提供装置。
【請求項3】
情報処理装置を用いて構成され、
ネットワーク構成図の生成に用いる、ネットワークの構成に関する情報であるネットワーク構成情報を記憶するネットワーク構成情報記憶部と、
前記ネットワーク構成図の複数の表示パターンと、前記表示パターン毎に用意される複数の選択肢とを含む情報である表示パターン情報を記憶する表示パターン情報記憶部と、
前記表示パターン情報の前記表示パターン毎に前記複数の選択肢を表示しつつ、ユーザから前記表示パターンと当該表示パターンの前記選択肢の指定を受け付ける表示パターン選択肢受付部と、
選択された前記選択肢に相当する態様の前記ネットワーク構成図を生成して表示するネットワーク構成図表示部と、
前記ネットワークの特徴を表す複数の特徴量と、前記ネットワーク構成情報から前記特徴量毎に抽出される値とを含む情報である特徴量情報を記憶する特徴量情報記憶部と、
を備え、
前記表示パターン情報記憶部は、前記表示パターン情報として、前記複数の表示パターンと、前記表示パターン毎に用意される複数の選択肢と、前記特徴量情報に対して前記表示パターンの複数の選択肢の中で過去に選択された選択肢の選択結果と、を含む情報を記憶し、
説明変数である前記特徴量情報と、目的変数である前記選択結果との相関関係を学習する学習モデルを記憶する学習モデル記憶部と、
前記学習モデルを用いて、前記特徴量情報に対する前記表示パターンの前記選択肢を推測する学習部と、
を更に備え、
前記表示パターン選択肢受付部は、前記表示パターン情報の前記表示パターン毎に前記複数の選択肢を表示しつつ、前記複数の選択肢の中で前記学習部によって推測された前記選択肢を強調的に表示し、ユーザから前記表示パターンと当該表示パターンの前記選択肢の指定を受け付ける、
ネットワーク構成図提供装置。
【請求項4】
請求項
2に記載のネットワーク構成図提供装置であって、
前記複数の特徴量条件は、前記ネットワーク以外の特徴を表す第2特徴量及び当該第2特徴量の第2所定値の情報を更に含む、
ネットワーク構成図提供装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載のネットワーク構成図提供装置であって、
前記表示パターン情報記憶部に前記表示パターン情報を設定する表示パターン情報設定部を更に備える、
ネットワーク構成図提供装置。
【請求項6】
情報処理装置が、
ネットワーク構成図の生成に用いる、ネットワークの構成に関する情報であるネットワーク構成情報を記憶する第1ステップと、
前記ネットワーク構成図の複数の表示パターンと、前記表示パターン毎に用意される複数の選択肢とを含む情報である表示パターン情報を記憶する第2ステップと、
前記表示パターン情報の前記表示パターン毎に前記複数の選択肢を表示しつつ、ユーザから前記表示パターンと当該表示パターンの前記選択肢の指定を受け付ける第3ステップと、
選択された前記選択肢に相当する態様の前記ネットワーク構成図を生成して表示する第4ステップと、
前記ネットワークの特徴を表す複数の特徴量と、前記ネットワーク構成情報から前記特徴量毎に抽出される前記特徴量の値とを含む情報である特徴量情報を記憶する第5ステップと、
を実行し、
前記第2ステップにおいて、前記表示パターン情報として、前記複数の表示パターンと、前記表示パターン毎に用意される前記複数の選択肢と、前記選択肢毎に用意される、所定の前記特徴量及び当該特徴量の所定値の情報を含む選択肢選択条件と、を含む情報を記憶し、
前記第3ステップにおいて、前記表示パターン情報の前記表示パターン毎に前記複数の選択肢を表示しつつ、前記複数の選択肢の中で前記特徴量情報を含む前記選択肢選択条件に該当する前記選択肢を強調的に表示し、ユーザから前記表示パターンと当該表示パターンの前記選択肢の指定を受け付ける、
ネットワーク構成図提供方法。
【請求項7】
情報処理装置が、
ネットワーク構成図の生成に用いる、ネットワークの構成に関する情報であるネットワーク構成情報を記憶する第1ステップと、
前記ネットワーク構成図の複数の表示パターンと、前記表示パターン毎に用意される複数の選択肢とを含む情報である表示パターン情報を記憶する第2ステップと、
前記表示パターン情報の前記表示パターン毎に前記複数の選択肢を表示しつつ、ユーザから前記表示パターンと当該表示パターンの前記選択肢の指定を受け付ける第3ステップと、
選択された前記選択肢に相当する態様の前記ネットワーク構成図を生成して表示する第4ステップと、
前記ネットワークの特徴を表す複数の特徴量と、前記ネットワーク構成情報から前記特徴量毎に抽出される前記特徴量の値とを含む情報である特徴量情報を記憶する第5ステップと、
を実行し、
前記第2ステップにおいて、前記表示パターン情報として、前記複数の表示パターンと、前記表示パターン毎に用意される複数の選択肢と、前記表示パターン毎に用意される、前記ネットワークの特徴を表す第1特徴量と当該第1特徴量の第1所定値との情報を含む複数の特徴量条件と、前記特徴量条件毎に用意される、前記表示パターンの複数の選択肢の中で過去に選択された選択肢の選択結果と、を含む情報を記憶し、
前記第3ステップにおいて、前記表示パターン情報の前記表示パターン毎に前記複数の選択肢を表示しつつ、前記複数の選択肢の中で前記特徴量情報を含む前記特徴量条件に該当する前記選択結果である前記選択肢を強調的に表示し、ユーザから前記表示パターンと当該表示パターンの前記選択肢の指定を受け付ける、
ネットワーク構成図提供方法。
【請求項8】
情報処理装置が、
ネットワーク構成図の生成に用いる、ネットワークの構成に関する情報であるネットワーク構成情報を記憶する第1ステップと、
前記ネットワーク構成図の複数の表示パターンと、前記表示パターン毎に用意される複数の選択肢とを含む情報である表示パターン情報を記憶する第2ステップと、
前記表示パターン情報の前記表示パターン毎に前記複数の選択肢を表示しつつ、ユーザから前記表示パターンと当該表示パターンの前記選択肢の指定を受け付ける第3ステップと、
選択された前記選択肢に相当する態様の前記ネットワーク構成図を生成して表示する第4ステップと、
前記ネットワークの特徴を表す複数の特徴量と、前記ネットワーク構成情報から前記特徴量毎に抽出される前記特徴量の値とを含む情報である特徴量情報を記憶する第5ステップと、
を実行し、
前記第2ステップにおいて、前記表示パターン情報として、前記表示パターン情報として、前記複数の表示パターンと、前記表示パターン毎に用意される複数の選択肢と、前記特徴量情報に対して前記表示パターンの複数の選択肢の中で過去に選択された選択肢の選択結果と、を含む情報を記憶し、
説明変数である前記特徴量情報と、目的変数である前記選択結果との相関関係を学習する学習モデルを記憶する第6ステップと、
前記学習モデルを用いて、前記特徴量情報に対する前記表示パターンの前記選択肢を推測する第7ステップと、
を更に実行し、
前記第3ステップにおいて、前記表示パターン情報の前記表示パターン毎に前記複数の選択肢を表示しつつ、前記複数の選択肢の中で推測された前記選択肢を強調的に表示し、ユーザから前記表示パターンと当該表示パターンの前記選択肢の指定を受け付ける、
ネットワーク構成図提供方法。
【請求項9】
請求項
7に記載のネットワーク構成図提供方法であって、
前記複数の特徴量条件は、前記ネットワーク以外の特徴を表す第2特徴量及び当該第2特徴量の第2所定値の情報を更に含む、
ネットワーク構成図提供方法。
【請求項10】
請求項6~9のいずれか一項に記載のネットワーク構成図提供方法であって、
前記情報処理装置が、前記表示パターン情報を設定する第
8ステップを更に実行する、
ネットワーク構成図提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク構成図提供装置、及びネットワーク構成図提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、表示画面中の部分領域を指定して、現在の表示レベルから他の任意の表示レベルへの切替えを行うマルチレベル構成図情報の表示システムについて記載されている。表示システムは、構成図空間に構成要素の配置に応じて設定された部分領域毎に表示レベルテーブルを有し、この表示レベルテーブルによって、各部分領域に含まれる構成要素と表示レベルとの関係を定義しておき、部分領域を指定して特定レベルへの表示切替えが指定されたとき、指定された部分領域と対応する表示レベルテーブルから上記特定レベルに属した構成要素を選択し、この構成要素を指定された部分領域に表示する。
【0003】
特許文献2には、ネットワーク構成管理システムについて記載されている。ネットワーク構成管理システムは、ネットワークを構成する各機器からWWWブラウザを用いて機器名と配置エリア名を入力し、配置エリア名を元にレイアウト図上のエリアに機器絵柄を自動配置し、ネットワーク物理構成図を作成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2002-288229号公報
【文献】特開2004-171330号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、企業や官公庁等の組織においては、デジタル変革の取り組みが加速しており、人工知能(AI:Artificial Intelligence)やRPA(Robotic Process Automation)等
のテクノロジーを活用した業務プロセス改革が進められている。
【0006】
こうした中、通信ネットワーク(以下、「ネットワーク」と称する。)の設計業務に関しても急速に構築の複雑さが増大しており、システムエンジニア(SE:System Engineer)が顧客とのヒアリングで取得したネットワーク構成への要件に基づきネットワークを
設計し、その設計に基づいたネットワーク構成図を生成するための支援システムが開発されている。
【0007】
また、ネットワーク構成図は、運用監視時にも不可欠なものである。ネットワークの運用管理者は、障害発生時やネットワーク構成変更時、ネットワーク構成図に基づき対策を立てる。運用管理者がネットワークの一元管理をするダッシュボードには、ネットワーク構成図の表示が必須であり、様々な最新技術をいち早く習得/導入したシステムが開発されている。
【0008】
しかし、ネットワークの設計や運用監視においては、ネットワーク構成図の利用目的や顧客の流儀によって、ネットワーク構成図に表示する内容や構成が変わる。そのため、その都度、SEや運用管理者等のユーザが、ネットワーク構成図の利用目的や顧客の流儀に沿った形になるように編集する必要がある。
【0009】
特許文献1では、表示画面中の部分領域に表示されるネットワーク構成図について、ユーザが指定する情報は表示される。しかしネットワーク構成図のレイアウトは予め定めら
れた態様であるため、必ずしもユーザが意図する見やすいレイアウトになっているとは限らない。
【0010】
また、特許文献2では、配置エリア名の情報を元にネットワーク構成図のレイアウトを行っているため、配置エリア名以外の情報を用いてネットワーク構成図のレイアウトを変更することはできず、作成されたネットワーク構成図のレイアウトが必ずしもユーザの要求に合致しているとは限らない。
【0011】
本発明はこうした背景に鑑みてなされたものであり、ネットワーク構成図をユーザの意向に沿った形で簡便に提供することが可能な、ネットワーク構成図提供装置、及びネットワーク構成図提供方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するための本発明の一つは、ネットワーク構成図提供装置であって、情報処理装置を用いて構成され、ネットワーク構成図の生成に用いる、ネットワークの構成に関する情報であるネットワーク構成情報を記憶するネットワーク構成情報記憶部と、前記ネットワーク構成図の複数の表示パターンと、前記表示パターン毎に用意される複数の選択肢とを含む情報である表示パターン情報を記憶する表示パターン情報記憶部と、前記表示パターン情報の前記表示パターン毎に前記複数の選択肢を表示しつつ、ユーザから前記表示パターンと当該表示パターンの前記選択肢の指定を受け付ける表示パターン選択肢受付部と、選択された前記選択肢に相当する態様の前記ネットワーク構成図を生成して表示するネットワーク構成図表示部と、前記ネットワークの特徴を表す複数の特徴量と、前記ネットワーク構成情報から前記特徴量毎に抽出される前記特徴量の値とを含む情報である特徴量情報を記憶する特徴量情報記憶部と、を備え、前記表示パターン情報記憶部は、前記表示パターン情報として、前記複数の表示パターンと、前記表示パターン毎に用意される前記複数の選択肢と、前記選択肢毎に用意される、所定の前記特徴量及び当該特徴量の所定値の情報を含む選択肢選択条件と、を含む情報を記憶し、前記表示パターン選択肢受付部は、前記表示パターン情報の前記表示パターン毎に前記複数の選択肢を表示しつつ、前記複数の選択肢の中で前記特徴量情報を含む前記選択肢選択条件に該当する前記選択肢を強調的に表示し、ユーザから前記表示パターンと当該表示パターンの前記選択肢の指定を受け付ける。
【0013】
その他、本願が開示する課題、及びその解決方法は、発明を実施するための形態の欄、及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ネットワーク構成図をユーザの意向に沿った形で簡便に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本実施形態に係る提供装置(ネットワーク構成図提供装置)の概念を説明する図である。
【
図2】提供装置を構成可能な情報処理装置の一例を示す図である。
【
図3】第1実施形態に係る提供装置が備える主な機能の一例を示す図である。
【
図5】第1実施形態に係る表示パターン情報の一例を示す図である。
【
図6】第1実施形態において、ユーザ端末に表示される表示画面の一例を示す図である。
【
図7】第1実施形態に係る提供装置の処理シーケンスの一例を示す図である。
【
図8】第2実施形態に係る提供装置が備える主な機能の一例を示す図である。
【
図9】第2実施形態に係る特徴量情報の一例を示す図である。
【
図10】第2実施形態に係る表示パターン情報の一例を示す図である。
【
図11】第2実施形態において、ユーザ端末に表示される表示画面の一例を示す図である。
【
図12】第2実施形態に係る提供装置の処理シーケンスの一例を示す図である。
【
図13】第3実施形態に係る提供装置が備える主な機能の一例を示す図である。
【
図14】第3実施形態に係る表示パターン情報の一例を示す図である。
【
図15】第3実施形態に係る表示パターン情報の他の例を示す図である。
【
図16】第3実施形態において、ユーザ端末に表示される表示画面の一例を示す図である。
【
図17】第3実施形態に係る提供装置の処理シーケンスの一例を示す図である。
【
図18】第4実施形態に係る提供装置が備える主な機能の一例を示す図である。
【
図19】第4実施形態に係る提供装置の処理シーケンスの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。以下の説明において、同一の又は類似する構成について同一の符号を付して重複する説明を省略することがある。また、共通の符号にアルファベット等の添字を付して同種の構成を区別することがある。また、以下の説明において、符号の前に付した「S」の文字は処理ステップを意味する。また、本明細書等における「第1」、「第2」、「第3」などの表記は、構成要素を識別するために付するものであり、必ずしも、数、順序、もしくはその内容を限定するものではない。
【0017】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態にかかるネットワーク構成図提供装置(以下、「提供装置100」と称する。)の機能を概念的に示した図である。提供装置100は、システムエンジニア(SE:System Engineer)等の通信ネットワーク(以下、「ネットワーク」と称する
。)の設計者やその顧客、ネットワークの運用管理者等の利用目的や流儀に沿って利用しやすい形でネットワーク構成図を提供する。ネットワーク構成図は、対象となるエリアや拠点におけるネットワークの構成(トポロジ、物理構成、論理構成)を可視化した図である。提供装置100は、ユーザ(SE、ネットワークの運用管理者、顧客等)が操作するユーザ端末601と通信可能に接続する。ユーザ端末601の機能は、例えば、提供装置100の機能として実現してもよい。
【0018】
同図に示すように、提供装置100は、ユーザ端末601を介してユーザからネットワーク構成時図の表示要求を受け付けると、予め取得し記憶しているネットワーク構成情報に基づき、予め設定された態様の(デフォルトの)ネットワーク構成
図110をユーザ端末601に表示する。ユーザは、例えば、表示されたネットワーク構成
図110が、顧客や自身の利用目的や流儀に沿ったものであれば、そのままネットワーク構成
図110を利用し、顧客や自身の利用目的や流儀に沿っていなければ、提供装置100にネットワーク構成図の編集を要求する。
【0019】
提供装置100は、ユーザ端末601を介してユーザから編集要求を受け付けると、ネットワーク構成図の複数の表示パターンと、各表示パターンについて用意された複数の選択肢とをユーザ端末601に表示するとともに、表示パターンと選択肢の指定をユーザ端末601を介してユーザから受け付ける。
【0020】
提供装置100は、ユーザから表示パターン及び選択肢の指定を受け付けると、受け付けた表示パターン及び選択肢に対応する態様のネットワーク構成
図120を生成し、生成したネットワーク構成
図120をユーザ端末601に表示する。
【0021】
このように、提供装置100は、ユーザから受け付けた表示パターン及び選択肢の指定に基づき、設計者やその顧客、ネットワークの運用管理者等の利用目的や流儀に沿った利用しやすい形で、ユーザに負担を強いることなく簡便に提供する。
【0022】
図2に、提供装置100を構成可能な情報処理装置(コンピュータ)の一例を示す。同図に示すように、例示する情報処理装置200は、プロセッサ210、主記憶装置220、補助記憶装置230、入力装置240、出力装置250、及び通信装置260を備える。これらは図示しないバス(bus)等の通信手段を介して通信可能に接続されている。尚
、提供装置100は、提供装置100が提供する機能を実現するために必要な構成を最低
限備えていればよく、必ずしも例示する情報処理装置200の全ての構成を備えていなくてもよい。
【0023】
情報処理装置200は、例えば、デスクトップ型のパーソナルコンピュータ、オフィスコンピュータ、メインフレーム、移動通信端末(スマートフォン、タブレット、ウェアラブル端末、ノートブック型のパーソナルコンピュータ)等である。情報処理装置200は、例えば、クラウドシステムにより提供される仮想サーバのように仮想化技術やプロセス空間分離技術等を用いて提供される仮想的な情報処理資源を用いて実現されるものであってもよい。また、提供装置100の機能の全部又は一部を、例えば、クラウドシステムがAPI(Application Programming Interface)等を介して提供するサービスにより実現
してもよい。
【0024】
プロセッサ210は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、AI(Artificial Intelligence)チップ、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等を用いて構成されている。
【0025】
主記憶装置220は、プログラムやデータを記憶する装置であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、不揮発性メモリ(NVRAM(Non Volatile RAM))等である。補助記憶装置230は、例えば、SSD(Solid State Drive)、ハードディスクドライブ、光学式記憶装置(CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)等)、ストレージシステム、ICカード、SDカードや光学式記
録媒体等の記録媒体の読取/書込装置、仮想サーバの記憶領域等である。補助記憶装置230には、記録媒体の読取装置や通信装置260を介してプログラムやデータを読み込むことができる。補助記憶装置230に格納(記憶)されているプログラムやデータは主記憶装置220に随時読み込まれる。
【0026】
入力装置240は、外部からの入力を受け付けるインタフェースであり、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル、カードリーダ、音声入力装置等である。出力装置250は、処理経過や処理結果等の各種情報を出力するインタフェースである。出力装置250は、例えば、上記の各種情報を可視化する表示装置(液晶モニタ、LCD(Liquid Crystal Display)、グラフィックカード等)、上記の各種情報を音声化する装置(音声出力装置(スピーカ等))、上記の各種情報を文字化する装置(印字装置等)である。出力装置250は、入力装置240とともにユーザインタフェースを構成する。尚、例えば、情報処理装置200が通信装置260を介して他の装置(スマートフォン、タブレット、ノートブック型コンピュータ、各種携帯情報端末等)と情報の入力や出力を行う構成としてもよい。
【0027】
通信装置260は、ユーザ端末601等の他の装置との間の通信を実現する。通信装置260は、通信ネットワークを介した他の装置との間の通信を実現する、無線方式又は有線方式の通信インタフェースであり、例えば、NIC(Network Interface Card)、無線通信モジュール、USB(Universal Serial Bus)モジュール等である。
【0028】
情報処理装置200には、例えば、オペレーティングシステム、ファイルシステム、DBMS(DataBase Management System)(リレーショナルデータベース、NoSQL等)、KVS(Key-Value Store)、その他の各種のソフトウェア(入力装置240と出力装
置250によりGUI(Graphical User Interface)等によるユーザインタフェースを実現するソフトウェア、ミドルウェア、各種のアプリケーション等)が導入されていてもよい。
【0029】
図3に、提供装置100が備える主な機能を示している。同図に示すように、提供装置100は、記憶部310、表示パターン選択肢受付部320、ネットワーク構成図表示部330、表示パターン情報設定部340を備える。これらの機能は、提供装置100のプロセッサ210が、当該情報処理装置200の主記憶装置220に格納されているプログラムを読み出して実行することにより、もしくは、当該情報処理装置200が備えるハードウェア(FPGA、ASIC、AIチップ等)により実現される。上記のプログラムは、予め、主記憶装置
220に格納されていてもよいし、他の装置の記憶装置から、通信ネットワーク、または、可搬型記録媒体、を介して、主記憶装置
220に格納されてもよい。
【0030】
記憶部310(ネットワーク構成情報記憶部、表示パターン情報記憶部)は、ネットワーク構成情報311と表示パターン情報312を記憶する。記憶部310は、例えば、データベースのテーブルやファイルシステムが管理するファイルとしてこれらの情報を記憶する。このうちネットワーク構成情報311は、ネットワークの構成に関する情報、即ち、ネットワークを構成する機器や機器の配置、機器間の接続関係等を示す情報を含む。ネットワーク構成情報311は、ネットワーク構成図の生成に用いられる。
【0031】
図4に提供装置100によるネットワーク構成図の表示対象となるネットワークの一例を示す。例示するネットワークは、端末411(411A~411C)、端末412(412A~412C)、フロアスイッチ413(413A~413C)、及びコアスイッチ414を含む。1階のフロア415Aには、2つの端末411A、412Aと1つのフロアスイッチ413Aが配置されている。端末411A、412Aは夫々、ケーブル416Aを介してフロアスイッチ413Aに接続されている。2階のフロア415Bには、2つの端末411B、412Bと1つのフロアスイッチ413Bが配置されている。端末411B、412Bは夫々、ケーブル416Bを介してフロアスイッチ413Bに接続されている。3階のフロア415Cには、2つの端末411C、412Cと1つのフロアスイッチ413Cが配置されている。端末411C、412Cは夫々、ケーブル416Cを介してフロアスイッチ413Cに接続されている。そしてフロアスイッチ413A~413Cは夫々、ケーブル417A~417Cを介してコアスイッチ414に接続されている。ネットワーク構成情報311は、こうした機器や機器の配置、機器間の接続関係を示す情報を含む。
【0032】
図3に示す表示パターン情報312は、ネットワーク構成図の表示態様として用意される複数の表示パターンと、各表示パターンについて用意される複数の表示方法の選択肢とを含む。
【0033】
図5に表示パターン情報312の一例を示す。例示する表示パターン情報312は、提供装置100が表示可能な表示パターン511と、各表示パターン511について用意された選択肢512とを対応づけた情報を含む。本実施形態では、表示パターン511として「並び方」と「表示情報量」が用意されているものとする。また、表示パターン511「並び方」について3つの選択肢512「全体」、「階毎」、「バランス」が、表示パターン511「表示情報量」について3つの選択肢512「少」、「多」、「中間」が、夫々用意されているものとする。「バランス」とは、1枚毎に図示する装置数、装置間の線の本数の差分ができるだけ小さくなるように表示することである。
【0034】
例えば、ユーザが表示パターン511「並び方」を選択した場合、提供装置100は、ネットワークを構成する機器の並び方に注目した態様(並び方を把握し易い態様)のネットワーク構成図を、ユーザが選択した選択肢512に対応する表示方法で表示する。
【0035】
例えば、ユーザが選択肢512「全体」を選択した場合、提供装置100は、ネットワ
ークの全体が一覧できる表示方法でネットワーク構成図を表示する。また例えば、ユーザが選択肢512「階毎」を選択した場合、提供装置100は、例えば、ネットワークを階毎に示す表示方法でネットワーク構成図(階毎のネットワーク構成図)を表示する。また例えば、ユーザが選択肢512「バランス」を選択した場合、提供装置100は、ネットワークの全体の表示と階毎の表示とを組み合わせた折衷的な表示方法、例えば、数が少ない1階及び2階のネットワーク機器の配置及び接続関係をまとめて表示し、数の多い3階のネットワーク機器の配置及び接続関係は、他の階とはまとめず、分けて表示するといった表示方法でネットワーク構成図を表示する。
【0036】
ユーザが表示パターン511「表示情報量」を選択した場合、提供装置100は、表示する情報(ネットワーク機器の数、種類、配置位置、及びケーブルの数、種類等)の量に注目した態様のネットワーク構成図を、ユーザが選択した選択肢に対応する表示方法で表示する。
【0037】
例えば、ユーザが選択肢512「少」を選択した場合、提供装置100は、例えば、表示する情報量を少なめにした表示方法でネットワーク構成図を表示する。また例えば、ユーザが選択肢512「多」を選択した場合、提供装置100は、例えば、表示する情報量を多めにした表示方法で表示方法でネットワーク構成図を表示する。また例えば、ユーザが選択肢512「中間」を選択した場合、提供装置100は、例えば、表示する情報量を中程度(「少」の場合よりも多く「多」の場合よりも少ない程度)にした表示方法でネットワーク構成図を表示する。
【0038】
図3に戻り、表示パターン選択肢受付部320は、ユーザ端末601に表示パターン情報312の表示パターン511毎に複数の選択肢512を表示しつつ、ユーザ端末601から表示パターンと当該表示パターンの選択肢512の指定を受け付ける。また、ネットワーク構成図表示部330は、表示パターン選択肢受付部320が受け付けた選択肢に相当する態様のネットワーク構成
図120を生成してユーザ端末601に表示する。
【0039】
図6に、ユーザ端末601に表示される画面(以下、「表示画面501」と称する。)の一例を示す。例示する表示画面501では、紙面右側に、表示パターンとして「並び方」、「表示情報量」等を表示している。ここで例えば、ユーザが「並び方」を選択すると、表示パターン選択肢受付部320は、選択肢として「全体」、「階毎」、「バランス」を「並び方」の下に表示して選択肢の指定を受け付ける。尚、本例の場合、選択肢が指定されると、選択肢に対応する表示パターンも選択される。ネットワーク構成図表示部330は、ユーザから受け付けた表示パターンと選択肢に相当する態様のネットワーク構成
図120を生成し、生成したネットワーク構成
図120を表示画面501の紙面左側に表示する。
【0040】
図3に戻り、表示パターン情報設定部340は、記憶部310に格納される表示パターン情報312を設定するユーザインタフェースをユーザ端末601を介してユーザに提供する。表示パターン情報312は、デフォルトとして定められた表示パターンや選択肢の情報であってもよいが、ユーザは当該ユーザインタフェースを利用して、例えば、「並び方」及び「表示情報量」に代わる表示パターンの設定や、「並び方」及び「表示情報量」に対応する選択肢の追加、変更等を行うことができる。即ちユーザは、利用目的や流儀に沿った利用しやすい形のネットワーク構成
図120が提供されるようにすることができる。
【0041】
図7は、ユーザ端末601と提供装置100(プロセッサ210、及び記憶部310)との間で行われる処理のシーケンス図である。以下、同図とともに説明する。
【0042】
プロセッサ210は、ユーザ端末601からネットワーク構成
図110の表示要求を受け付けると(S1001)、記憶部310に格納されているネットワーク構成情報311を参照し(S1002)、予め定められた表示パターンと選択肢に対応するネットワーク構成
図110を生成し、生成したネットワーク構成
図110をユーザ端末601に表示する(S1003)。
【0043】
ユーザは、表示されたネットワーク構成
図110を参照し、利用目的や流儀に沿っていなければ、提供装置100にネットワーク構成図の編集を要求する(S1004)。プロセッサ210は、編集要求を受け付けると、記憶部310に格納されている表示パターン情報312を参照し(S1005)、表示パターン情報312の内容をユーザ端末601に表示する(S1006)。
【0044】
ユーザは、表示された表示パターン情報312を確認し、表示パターンと選択肢を指定する(S1007)。プロセッサ210は、表示パターンと選択肢の指定を受け付けると(S1007)、記憶部310に格納されているネットワーク構成情報311を参照し(S1008)、指定された表示パターン及び選択肢に対応するネットワーク構成
図120を生成し、生成したネットワーク構成
図120をユーザ端末601に表示する(S1009)。
【0045】
尚、例えば、ネットワーク構成
図120がユーザが要求する状態になるまで、プロセッサ210が、上記のS1004~S1009の処理を繰り返し実行するようにしてもよい。
【0046】
以上に説明したように、本実施形態の提供装置100によれば、設計者やその顧客、ネットワークの運用管理者等の利用目的や流儀に沿った利用しやすい形のネットワーク構成
図120を、ユーザに負担を強いることなく簡便に提供することができる。
【0047】
[第2実施形態]
図8に、第2実施形態にかかる提供装置100が備える主な機能を示している。同図に示すように、第2実施形態の提供装置100は、第1実施形態の提供装置100と同様に、記憶部310、表示パターン選択肢受付部320、ネットワーク構成図表示部330、表示パターン情報設定部340を備える。また、第2実施形態の提供装置100の記憶部310(ネットワーク構成情報記憶部、表示パターン情報記憶部、特徴量情報記憶部)は、ネットワーク構成情報311、及び第1実施形態と構成が異なる表示パターン情報312を記憶し、更に特徴量情報313を記憶する。
【0048】
図9に特徴量情報313の一例を示す。特徴量情報313は、ネットワークの特徴を表す複数の特徴量911と夫々に設定される値912との組合せを含む。例示する特徴量情報313は、
図4に示したネットワークに基づく。特徴量の値912は、例えば、ネットワーク構成情報311から取得される。特徴量情報313は、例えば、公知の特徴量抽出技術を用いて自動的に抽出してもよいし、ユーザ端末601を介してユーザから受け付けてもよい。例示する特徴量情報313では、ネットワークに含まれる装置の量(数)を表わす特徴量911である「装置量」に値912「10」が、同一のネットワーク機器が配置されるフロアの数を表す特徴量911である「繰り返しパターン」に値912「3」が、階層を表す特徴量911である「階層」に値912「3」が、夫々設定されている。
【0049】
図10に第2実施形態の提供装置100の表示パターン情報312の一例を示す。同図に示すように、第2実施形態の提供装置100の表示パターン情報312は、第1実施形態で示した表示パターン511と選択肢512の組合せ毎に選択肢選択条件513を組合せた情報を含む。第2実施形態の提供装置100は、ユーザに表示パターンと選択肢を選
択させる際、ネットワーク構成図を表示しようとするネットワークの特徴量が選択肢選択条件513に適合する選択肢を、推奨する選択肢として強調表示する。
【0050】
具体的に説明する。例えば、特徴量情報313が
図9の内容であり、表示パターン情報312が
図10の内容である場合、第2実施形態の提供装置100は、表示パターン511「並び方」については、特徴量情報313の特徴量911「装置量」の値912が「10」であることから、選択肢選択条件513「装置量:10以上20未満」が設定されている選択肢512「バランス」を強調表示する。また、表示パターン511「表示情報量」については、特徴量情報313の特徴量911「装置量」の値912が「10」であることから、提供装置100は、選択肢選択条件513「装置量 :10以上20未満」が
設定されている選択肢512「中間」を強調表示する。
【0051】
図11に、ユーザに表示パターンと選択肢を選択させる際、ユーザ端末601が表示する画面(以下、「表示画面502」と称する。)の一例を示す。例示する表示画面502の構成は、第1実施形態における表示画面501と基本的な構成は同様であるが、表示画面5020の場合は推奨する選択肢が強調表示されている。尚、強調表示の方法としては、例えば、色や文字の太さ、背景色、背景模様等の調整、点滅等が考えられる。
【0052】
第2実施形態の提供装置100の表示パターン情報設定部340は、表示パターン情報312の内容(表示パターン511、選択肢512、選択肢選択条件513)をユーザ端末601から受け付ける。
【0053】
図12は、ユーザ端末601と第2実施形態の提供装置100(プロセッサ210、及び記憶部310)との間で行われる処理のシーケンス図である。以下、同図とともに説明する。
【0054】
同図におけるS1001~S1004の処理は
図7のS1001~S1004の処理と同様である。これらの処理により、ユーザ端末601からネットワーク構成
図110の編集要求が出力され、プロセッサ210が編集要求を受け付ける。
【0055】
続いて、プロセッサ210は、記憶部310内の表示パターン情報312と特徴量情報313を参照し(S2005)、推奨する選択肢を強調表示した画面(
図11)をユーザ端末601に表示する(S2006)。
【0056】
続くS1007~S1009の処理は
図7と同様であり、プロセッサ210は、指定された表示パターン及び選択肢に従ってネットワーク構成
図110を生成し、生成したネットワーク構成
図120をユーザ端末601に表示する。
【0057】
尚、ネットワーク構成
図120がユーザの要求する状態になるまで、プロセッサ210が、S1004、S2005~S2006、及びS1007~S1009の処理を繰り返し実行してもよい。
【0058】
以上に説明したように、本実施形態の提供装置100によれば、ユーザに表示パターンと選択肢を選択させる際、ネットワークの特徴量の値に対応する選択肢選択条件の選択肢が強調表示される。そのため、ユーザに好適な選択肢の選択を促すことができ、ユーザに利用目的や流儀に沿ったネットワーク構成図を効率よく迅速に提供することができる。
【0059】
[第3実施形態]
図13に、第3実施形態の提供装置100が備える主な機能を示している。同図に示すように、第3実施形態の提供装置100は、第2実施形態の提供装置100と同様に、記
憶部310、表示パターン選択肢受付部320、ネットワーク構成図表示部330、及び表示パターン情報設定部340を備える。また、第3実施形態の記憶部310(ネットワーク構成情報記憶部、表示パターン情報記憶部、特徴量情報記憶部)は、第2実施形態と同様に特徴量情報313を記憶し、また、第2実施形態と構成が異なる表示パターン情報312を記憶する。
【0060】
図14に第3実施形態の提供装置100における表示パターン情報312の一例を示す。同図に示すように、第3実施形態の提供装置100の表示パターン情報312は、第2実施形態で示した表示パターン511と選択肢512の組合せ毎に、特徴量条件521と選択結果522とを組合せた情報を含む。特徴量条件521には、特徴量情報313の特徴量911について設定された条件(ネットワークの特徴を表す第1特徴量と第1特徴量についての条件(第1所定値))が設定される。選択結果522には、特徴量条件521を満たす特徴量について過去にユーザが選択した選択肢が設定される。第3実施形態の提供装置100は、ユーザに表示パターンと選択肢を選択させる際、ネットワーク構成図を表示しようとするネットワークの特徴量の値に該当する特徴量条件521(第1特徴量、第1所定値)に対応づけて選択結果522に設定されている選択肢を、推奨する選択肢として強調表示する。
【0061】
具体的に説明する。例えば、特徴量情報313が
図9の内容であり、表示パターン情報312が
図14の内容である場合、第3実施形態の提供装置100は、表示パターン511「並び方」については、特徴量情報313の特徴量911「装置量」の値912が「10」であることから、特徴量条件521「装置量:10以上20未満」(第1特徴量:装置量、第1所定値:10以上20未満)が設定されている選択結果522「バランス」を強調表示する。
【0062】
図15は、第3実施形態の表示パターン情報312の他の一例である。例示する表示パターン情報312は、特徴量条件521として、ネットワーク以外の特徴を表す第2特徴量(例えば、ユーザが所属する部署)と第2特徴量についての条件を含む。この場合、第3実施形態の提供装置100は、ユーザに表示パターンと選択肢を選択させる際、ネットワーク構成図を表示しようとするネットワークの特徴量の値とネットワーク以外の特徴量の値の双方に該当する特徴量条件521(第1特徴量、第1所定値、第2特徴量、第2所定値)に対応づけて選択結果522に設定されている選択肢を、推奨する選択肢として強調表示する。尚、この場合、第2特徴量と第2所定値の組合せについては、特徴量情報313として第1特徴量と第2特徴量との組合せとともに管理してもよいし、ユーザから受け付けた情報を用いてもよい。
【0063】
具体的に説明する。例えば、特徴量情報313が
図9の内容であり、表示パターン情報312が
図15の内容であり、ユーザが所属する部署が「X」である場合、第3実施形態の提供装置100は、表示パターン511「並び方」については、特徴量情報313の特徴量911「装置量」の値912が「10」であることから、特徴量条件521「装置量:10以上20未満」(第1特徴量:装置量、第1所定値:10以上20未満、第2特徴量:部署、第2所定値:X)が設定されている選択結果522「バランス」を強調表示する。
【0064】
図16に、ユーザに表示パターンと選択肢を選択させる際、ユーザ端末601が表示する画面(以下、「表示画面503」と称する。)の一例を示す。例示する表示画面503の構成は、第2実施形態における表示画面502と同様であり、表示画面5020の場合は推奨する選択肢が強調表示されている。尚、強調表示の方法としては、例えば、色や文字の太さ、背景色、背景模様等の調整、点滅等が考えられる。
【0065】
第3実施形態の提供装置100の表示パターン情報設定部340は、表示パターン情報312の内容(表示パターン511、選択肢512、特徴量条件521)をユーザ端末601から受け付ける。表示パターン情報312の選択結果522の内容については、ユーザに表示パターンと選択肢を選択させる都度、提供装置100が履歴情報として蓄積(記憶)しておくようにしてもよいし、ユーザから受け付けるようにしてもよい。
【0066】
図17は、ユーザ端末601と第3実施形態の提供装置100(プロセッサ210、及び記憶部310)との間で行われる処理のシーケンス図である。以下、同図とともに説明する。
【0067】
同図におけるS1001~S1004の処理は
図12のS1001~S1004の処理と同様である。これらの処理により、ユーザ端末601からネットワーク構成図の編集要求が出力され、プロセッサ210が編集要求を受け付ける。
【0068】
続いて、プロセッサ210は、記憶部310内の表示パターン情報312と特徴量情報313を参照し(S3005)、推奨する選択肢を強調表示した画面(
図16)をユーザ端末601に表示する(S3006)。
【0069】
続くS1007~S1009の処理は
図12と同様であり、プロセッサ210は、指定された表示パターン及び選択肢に従ってネットワーク構成
図110を生成し、生成したネットワーク構成
図120をユーザ端末601に表示する。
【0070】
尚、ネットワーク構成図がユーザの要求する状態になるまで、プロセッサ210が、S1004、S3005~S3006、S1007~S1009の処理を繰り返し実行してもよい。
【0071】
以上に説明したように、本実施形態の提供装置100によれば、ユーザに表示パターンと選択肢を選択させる際、特徴量情報313におけるネットワークの特徴量(第1特徴量)及びネットワーク以外の特徴量(第2特徴量)について、これらが満たす特徴量条件521に対応づけられている、過去にユーザが選択した選択肢が強調表示されるので、ユーザに過去の傾向に沿った好適な選択肢の選択を促すことができる。そのため、ユーザに利用目的や流儀に沿ったネットワーク構成図を効率よく迅速に提供することができる。
【0072】
[第4実施形態]
図18に、第4実施形態の提供装置100が備える主な機能を示している。同図に示すように、第4実施形態の提供装置100は、第3実施形態の提供装置100と同様に、記憶部310、表示パターン選択肢受付部320、ネットワーク構成図表示部330、表示パターン情報設定部340を備える。また、第4実施形態の提供装置100は、更に学習部350を備える。また、第4実施形態の提供装置100の記憶部310(ネットワーク構成情報記憶部、表示パターン情報記憶部、特徴量情報記憶部、学習モデル記憶部)は、ネットワーク構成情報311、表示パターン情報312、及び特徴量情報313を記憶し、更に学習モデル314を記憶する。
【0073】
学習モデル314は、特徴量情報313を説明変数とし、ユーザによる表示パターンと選択肢の選択結果を目的変数として、説明変数と目的変数の相関関係を学習し、入力される説明変数に対して目的変数(ユーザに推奨する表示パターンと選択肢)を推論する機械学習モデルである。学習モデル314の種類は必ずしも限定されないが、例えば、ランダムフォレスト(Random Forest)、サポートベクタマシン(SVM)、DNN(Deep Neural Network)等を用いる。
【0074】
学習部350は、履歴情報として蓄積した説明変数と目的変数との対応を学習データとして学習モデル314を学習する。尚、表示パターン情報312を蓄積してこれを学習データの生成に利用してもよい。表示パターン選択肢受付部320は、特徴量情報313を学習モデル314に入力することにより、目的変数(ユーザに推奨する表示パターンと選択肢)を推論する。
【0075】
図19は、ユーザ端末601と第4実施形態の提供装置100(プロセッサ210、及び記憶部310)との間で行われる処理のシーケンス図である。以下、同図とともに説明する。
【0076】
同図におけるS1001~S1004の処理は、
図17のS1001~S1004の処理と同様である。これらの処理により、ユーザ端末601からネットワーク構成図の編集要求が出力され、プロセッサ210が編集要求を受け付ける。
【0077】
続いて、プロセッサ210は、記憶部310内の表示パターン情報312と特徴量情報313を参照するとともに学習モデル314を用いて目的変数(ユーザに推奨する表示パターンと選択肢)を推論し(S3005)、推論した選択肢を強調表示した画面をユーザ端末601に表示する(S4006)。
【0078】
続くS1007~S1009の処理は
図17と同様であり、プロセッサ210は、指定された表示パターン及び選択肢に従ってネットワーク構成
図110を生成し、生成したネットワーク構成
図120をユーザ端末601に表示する。
【0079】
尚、ネットワーク構成図がユーザの要求する状態になるまで、プロセッサ210が、S1004、S3005、S4006、S1007~S1009の処理を繰り返し実行してもよい。
【0080】
以上に説明したように、本実施形態の提供装置100は、ユーザに表示パターンと選択肢を選択させる際、学習モデル314により目的変数(ユーザに推奨する表示パターンと選択肢)を推論し、推論した選択肢を強調表示した画面を表示するので、ユーザに過去の選択傾向に沿った好適な選択肢の選択を促すことができる。そのため、ユーザに利用目的や流儀に沿ったネットワーク構成図を効率よく迅速に提供することができる。
【0081】
尚、本実施形態の提供装置100の場合、新たに蓄積された履歴情報を学習データとして学習を繰り返していくことにより学習モデル314の推論精度は逐次改善され、提供装置100の利用期間が長くなる程、より適切な選択肢をユーザに推奨することができるようになる。
【0082】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は以上に説明した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。また、例えば、以上に説明した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために構成を詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成に追加、削除、置換することが可能である。
【符号の説明】
【0083】
100 提供装置、110 ネットワーク構成図、120 ネットワーク構成図、200
情報処理装置、311 ネットワーク構成情報、312 表示パターン情報、313 特徴量情報、314 学習モデル、320 表示パターン選択肢受付部、330 ネットワーク構成図表示部、340 表示パターン情報設定部、350 学習部、601 ユーザ端末