(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-05
(45)【発行日】2024-02-14
(54)【発明の名称】ハンドルスイッチ装置及びその組立方法
(51)【国際特許分類】
B62J 6/16 20200101AFI20240206BHJP
【FI】
B62J6/16
(21)【出願番号】P 2020127210
(22)【出願日】2020-07-28
【審査請求日】2023-04-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000222934
【氏名又は名称】東洋電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124811
【氏名又は名称】馬場 資博
(74)【代理人】
【識別番号】100187724
【氏名又は名称】唐鎌 睦
(72)【発明者】
【氏名】神保 光司
【審査官】中川 隆司
(56)【参考文献】
【文献】特開昭59-195479(JP,A)
【文献】特開2003-115229(JP,A)
【文献】特開2015-098196(JP,A)
【文献】特開2018-125266(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62J 6/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のハンドルバーの周囲に取り付けられるベース部と、
前記ベース部を内包するハウジング部と、
車両に搭載された所定の装置を操作するためのスイッチを形成するスイッチ部と、を備え、
前記ベース部は、前記スイッチ部と前記ハンドルバーの軸方向に係合するベース側係合部を有
し、
前記ベース側係合部における前記ハンドルバーの軸方向の端部と、前記ベース側係合部に係合された状態で当該ベース側係合部の前記端部に当接する箇所である前記スイッチ部の当接部と、を固定する固定部材を備え、
さらに、前記ベース側係合部の前記端部と前記スイッチ部の前記当接部とは、前記ハンドルバーの軸方向に沿って形成された固定用穴をそれぞれ有し、
前記ハンドルバーの軸方向に沿って前記固定部材を前記固定用穴に挿入することで、前記ベース部に前記スイッチ部を固定するよう構成されている、
ハンドルスイッチ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のハンドルスイッチ装置であって、
前記ベース側係合部の前記端部は、前記ハンドルバーの軸方向に略垂直な端面で形成されており、
前記スイッチ部の前記当接部は、前記ベース側係合部の前記端部を形成する前記端面と当接する面で形成されている、
ハンドルスイッチ装置。
【請求項3】
請求項2に記載のハンドルスイッチ装置であって、
前記スイッチ部は、前記ベース側係合部が挿入されるスイッチ側係合部を有しており、
前記ベース側係合部が挿入される前記スイッチ側係合部の内面が、前記ベース側係合部の前記端部を形成する前記端面と当接する前記当接部を形成するよう構成されている、
ハンドルスイッチ装置。
【請求項4】
請求項1乃至
3のいずれかに記載のハンドルスイッチ装置であって、
前記ベース部は、当該ベース部自体の周囲に前記ベース側係合部を複数有し、
複数の前記ベース側係合部に、それぞれ前記スイッチ部が装着されて構成されている、
ハンドルスイッチ装置。
【請求項5】
請求項
4に記載のハンドルスイッチ装置であって、
前記ベース部は、前記ハンドルバーの周囲を囲うよう形成された略筒状部材であり、外側面に前記ベース側係合部を複数有する、
ハンドルスイッチ装置。
【請求項6】
請求項
5に記載のハンドルスイッチ装置であって、
前記ベース部は、前記ハウジング部と係合するハウジング用係合部を有する、
ハンドルスイッチ装置。
【請求項7】
車両のハンドルバーの周囲にベース部を取り付け、
前記ベース部に対して、車両に搭載された所定の装置を操作するためのスイッチを形成するスイッチ部を前記ハンドルバーの軸方向に沿って移動させて、前記ベース部に前記スイッチ部を装着する
際に、前記ベース部に設けられたベース側係合部に前記スイッチ部を係合させ、前記ベース側係合部における前記ハンドルバーの軸方向の端部に、前記スイッチ部に形成された当接部を当接させた状態とし、前記ベース側係合部の前記端部と前記スイッチ部の前記当接部とにそれぞれ前記ハンドルバーの軸方向に沿って形成された固定用穴に前記ハンドルバーの軸方向に沿って固定部材を挿入することで、前記ベース部に前記スイッチ部を固定する、
ハンドルスイッチ装置の組立方法。
【請求項8】
車両のハンドルバーの周囲に取り付けられるベース部に対して、車両に搭載された所定の装置を操作するためのスイッチを形成するスイッチ部を前記ハンドルバーの軸方向に沿って移動させて、前記ベース部に前記スイッチ部を装着する
際に、前記ベース部に設けられたベース側係合部に前記スイッチ部を係合させ、前記ベース側係合部における前記ハンドルバーの軸方向の端部に、前記スイッチ部に形成された当接部を当接させた状態とし、前記ベース側係合部の前記端部と前記スイッチ部の前記当接部とにそれぞれ前記ハンドルバーの軸方向に沿って形成された固定用穴に前記ハンドルバーの軸方向に沿って固定部材を挿入することで、前記ベース部に前記スイッチ部を固定する、
ハンドルスイッチ装置の組立方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のハンドルバーに装備されるハンドルスイッチ装置及びその組立方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動二輪車では、ハンドルバーの先端に、運転者が把持するグリップが設けられる。これに伴い、ハンドルバーのグリップに隣接した位置には、車両が搭載する各種装置を作動させるための各スイッチが搭載されたハンドルスイッチ装置が設けられている。一例として、特許文献1に記載のハンドルスイッチ装置は、ハンドルバーの周囲に固定される筒状部材からなるベース部材を備えており、かかるベース部材の周囲に、配線シートやカバー部材、台座部材などを装備し、さらにその外周面側から、各種スイッチとなる操作手段が取り付けて構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した特許文献1に開示のハンドルスイッチ装置では、ハンドルバーの周囲に固定されるベース部材等に対して、外周面側から各種スイッチを取り付ける構造であることから、かかるベース部材等の形状が複雑となり、成形性の悪化や金型のコストの増加といった問題が生じる。また、ベース部材等にスイッチを固定するためのステーが必要となる場合もあり、部品点数の増加によるコスト増加や形状の大型化、組立作業の複雑化、といった問題も生じる。
【0005】
このため、本発明の目的は、上述した課題である、構造の複雑化やコストの増加を抑制できる共に、組立作業の複雑化を抑制することができるハンドルスイッチ装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態であるハンドルスイッチ装置は、
車両のハンドルバーの周囲に取り付けられるベース部と、
前記ベース部を内包するハウジング部と、
車両に搭載された所定の装置を操作するためのスイッチを形成するスイッチ部と、を備え、
前記ベース部は、前記スイッチ部と前記ハンドルバーの軸方向に係合するベース側係合部を有する、
という構成をとる。
【0007】
また、本発明の一形態であるハンドルスイッチ装置の組立方法は、
車両のハンドルバーの周囲にベース部を取り付け、
前記ベース部に対して、車両に搭載された所定の装置を操作するためのスイッチを形成するスイッチ部を前記ハンドルバーの軸方向に沿って移動させて、前記ベース部に前記スイッチ部を装着する、
という構成をとる。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、以上のように構成されることにより、構造の複雑化やコストの増加を抑制できると共に、組立作業の複雑化を抑制することができるハンドルスイッチ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1の実施形態におけるハンドルバーに装着されたハンドルスイッチ装置の全体構成を示す図である。
【
図2】
図1に開示したハンドルスイッチ装置の分解図である。
【
図3】
図2に開示したハンドルスイッチ装置を構成するベース部の構成を示す図である。
【
図4】
図2に開示したハンドルスイッチ装置を構成するスイッチユニットの構成を示す図である。
【
図5】
図2に開示したハンドルスイッチ装置の組み立ての様子を示す図である。
【
図6】
図2に開示したハンドルスイッチ装置の組み立ての様子を示す図である。
【
図7】
図2に開示したハンドルスイッチ装置の組み立ての様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施形態1>
本発明の第1の実施形態を、
図1乃至
図7を参照して説明する。
図1乃至
図4は、ハンドルスイッチ装置の構成を説明するための図であり、
図5乃至
図7は、ハンドルスイッチ装置の組み立て動作を説明するための図である。
【0011】
[構成]
本実施形態におけるハンドルスイッチ装置100は、自動二輪車のハンドルバー1に装着され、自動二輪車が搭載する各種装置を作動させるために運転者が操作する各スイッチが装備されたものである。このため、ハンドルスイッチ装置100は、
図1に示すように、ハンドルバー1の周囲に固定されて装着され、当該ハンドルバー1の先端側に設けられ運転者が把持するグリップ2に隣接して設けられる。但し、本実施形態におけるハンドルスイッチ装置100は、必ずしも自動二輪車のハンドルバーに装着されることに限定されず、いかなる車両のハンドルバーに装着されてもよい。
【0012】
図2に、ハンドルスイッチ装置100の分解図を示す。この図に示すように、ハンドルスイッチ装置100は、ハンドルバー1の周囲に取り付けられるベース部10と、ベース部10を内包するハウジング部30A,30Bと、自動二輪車に搭載された所定の装置を操作するためのスイッチを形成するスイッチユニット20(スイッチ部)と、を備える。なお、本実施形態におけるハンドルスイッチ装置100は、複数のスイッチユニット20を備えているが、その数は限定されず、1つのみであってもよく、いかなる数であってもよい。以下、各構成について詳述する。
【0013】
まず、ベース部10の構成について、
図3を参照して説明する。
図3(1)は、ベース部の斜視図であり、
図3(2)は、
図3(1)をほぼ右側からみた側面図である。
図3に示すように、ベース部10は、全体的に略円筒形状の部材にて構成されている。具体的に、ベース部10は、内部にハンドルバー1が当該ハンドルバー1の軸方向に沿って挿通される筒状部11を有しており、当該筒状部11の内径はハンドルバー1の外径とほぼ同一に形成されている。このため、ベース部10の筒状部11の軸は、当該ベース部10がハンドルバー1に取り付けられたときに、当該ハンドルバー1の軸と同軸上に位置することとなる。なお、ベース部10の軸方向の端部のうち、ハンドルバー1に取り付けられた状態において、グリップ2側に位置する端部(
図3(2)の左側の端部)を一端とし、グリップ2側とは反対側に位置する端部を他端(
図3(2)の右側の端部)とする。
【0014】
そして、筒状部11の外径は、
図3(2)に示すように、軸方向の一端側の部位と他端側の部位とで異なっており、一端側の部位よりも他端側の部位の方が大きく形成されている。このとき、筒状部11の外径が大きく形成された他端側の部位は、例えば、筒状部11の他端付近の所定範囲である。そして、筒状部11の軸方向の一端側の部位と他端側の部位との境界には、外径が変化することによって形成された段差面12が形成されている。段差面12は、軸方向に対して略垂直な平面であり、一端側を向く円環状の面である。なお、筒状部11の他端側の部位には、後述するようにハウジング部と係合するようビス43が挿入される挿入穴が形成されたハウジング用係合部14が形成されている。
【0015】
また、筒状部11の一端側の部位の外側面には、さらに外側に向かって突出した複数のベース側係合部13が設けられている。ベース側係合部13は、
図3(1)に示すように、略直方体形状に形成されており、筒状部11の一端付近の所定箇所から段差面12まで軸方向に延びる長さの長辺と、円周方向に沿った所定の幅の短辺と、外側面から半径方向に突出した所定の高さと、を有して形成されている。そして、筒状部11の外側面から半径方向に最も離れたベース側係合部13の平面箇所である上面は、その幅方向の両縁が、略円周方向にさらに広がって形成されている。つまり、ベース側係合部13の上面の幅方向の両縁が、それぞれ軸方向に沿って一様に略円周方向に突出しており、筒状部11の外側面の上方に離間して位置する突出部13aとして形成されている。かかる突出部13aは、後述するスイッチユニット20に形成される溝部22aに挿入される挿入部として機能する。また、換言すると、突出部13aは、後述するスイッチユニット20をベース部10に対して軸方向に沿って移動させたときに、溝部22aに嵌合する嵌合部としても機能する。
【0016】
また、ベース側係合部13は、軸方向に略垂直な一端側の端面、つまり、筒状部11の一端付近に位置する端面に、軸方向に延びる固定用穴13bが形成されている。かかる固定用穴13bは、後にスイッチユニット20の一部を挟んで、
図2に示すようなビス42が挿入されることとなり、これにより、ベース側係合部13に、スイッチユニット20が固定されることとなる。
【0017】
ここで、
図3では、筒状部11の外側面上に、ベース側係合部13を4つ設けた場合を例示したが、ベース側係合部13の数はいかなる数であってもよい。なお、上述したベース側係合部13は、筒状部11の段差面12から軸方向に向かって一端側に突出しているとも言える。但し、ベース側係合部13は、軸方向の長さが必ずしも上述した長さに形成されていることに限定されず、例えば、段差面12に当接していなくてもよい。また、ベース側係合部13は、必ずしも略直方体形状に形成されていることに限定されず、いかなる形状であってもよい。
【0018】
次に、スイッチユニット20の構成について、
図4を参照して説明する。
図4(1)は、スイッチユニット20の斜視図であり、後述するようにベース部10に装着される際に当該ベース部10の一端側に位置する面側から見た斜視図である。
図4(2)は、
図4(1)を反対側から見た斜視図であり、後述するようにベース部10に装着される際に当該ベース部10の他端側に位置し、筒状部11の段差面12に対向して位置する面側から見た斜視図である。
図4に示すように、スイッチユニット20は、運転者にて操作されるスイッチ本体21と、スイッチ本体21が操作されたときに当該スイッチ本体21が動作するよう支持すると共に、上述したベース部10に設けられたベース側係合部13に係合するスイッチ側係合部22と、を有する。
【0019】
そして、
図4(2)に示すように、スイッチ側係合部22のスイッチ本体21側とは反対側に位置する下面には、ベース側係合部13の上面に形成された突出部13aが挿入される溝部22aが形成されている。具体的に、溝部22aは、スイッチ側係合部22の下面の幅方向の両縁にそれぞれ位置する部材が、内側に曲折されることにより形成される。例えば、
図4(2)に示すように、スイッチ側係合部22の溝部22aは、軸方向に沿って所定の長さに形成され、ベース側係合部13の他端側に開口する挿入口が位置し、一端側は閉塞している。このため、スイッチ側係合部22の溝部22aは、後述するスイッチユニット20をベース部10に対して軸方向に沿って移動させたときに、ベース部10のベース側係合部13に形成された突出部13aが挿入口から挿入されて嵌合する嵌合部として機能する。
【0020】
また、
図4(1)に示すように、スイッチ側係合部22の他端側とは反対側に位置する一端面には、軸方向に延びる固定用穴22bが形成されている。かかる固定用穴22bは、上述したように溝部22aに突出部13aが挿入され嵌合された際に、スイッチ側係合部22の一端面の裏面である内面(当接部)がベース側係合部13の一端面に当接した状態となり、かかる状態において、
図2に示すようなビス42(固定部材)が挿入されることとなる。これにより、ベース側係合部13に、スイッチユニット20が固定されることとなる。
【0021】
なお、
図2では、スイッチユニット20は複数あり、それぞれのスイッチ本体21の形状が異なる場合を例示しているが、いずれのスイッチユニット20のスイッチ側係合部22の構成はほぼ同一である。つまり、いずれのスイッチ側係合部22も、上述した溝部22aや固定用穴22bを有している。ここで、
図2では、ベース側係合部13の数に対応してスイッチユニット20を4つ設けた場合を例示したが、スイッチユニット20の数はいかなる数であってもよい。
【0022】
次に、ハウジング部30A,30Bの構成について、
図2を参照して説明する。
図2に示すように、ハウジング部30A,30Bは、中空であり、スイッチユニット20が取り付けれた状態のベース部10の周囲を囲うよう形成されている。具体的に、ハウジング部30A,30Bは、2片に分割されて形成されており、相互に組み付けることで、外形が略円柱形状に形成されている。そして、ハウジング部30A,30Bは、表面の所々にスイッチユニット20のスイッチ本体21の形状に対応したスイッチ用穴を有している。
【0023】
[組立方法]
次に、上述した構成のハンドルスイッチ装置100の組立方法を、
図5乃至
図7を参照して説明する。まず、図示しないが、ベース部10の筒状部11の内部にハンドルバー1を挿通させて、当該ハンドルバー1のグリップ2に隣接する位置にベース部10を固定装備する。これにより、ベース部10の軸とハンドルバー1の軸とが同一軸上に位置することとなる。
【0024】
続いて、
図5に示すように、ハンドルバー1に固定された状態のベース部10に対して、スイッチユニット20を軸方向に沿って移動させて、当該スイッチユニット20をベース部10に係合させる。具体的には、ベース部10の1つのベース側係合部13に対して、当該ベース側係合部13の一端側から、
図5の矢印Y1に示すように軸方向に沿って、1つのスイッチユニット20のスイッチ側係合部22を移動させる。このとき、ベース側係合部13の上面の幅方向の両縁に形成された突出部13aが、スイッチ側係合部22の下面の両縁に形成された溝部22aに挿入されるよう当該スイッチ側係合部22を移動させ、スイッチ側係合部22の溝部22a内にベース側係合部13の突出部13aを嵌合させる。
【0025】
そして、スイッチ側係合部22の溝部22a内にベース側係合部13の突出部13aが完全に挿入されて嵌合された状態となると、ベース側係合部13の一端面に、スイッチ側係合部22の一端面の裏側である内面が当接した状態となる。すると、ベース側係合部13の一端面に形成された固定用穴13bと、スイッチ側係合部22の一端面に形成された固定用穴22bとの位置が一致することとなる。そして、
図5の矢印Y2に示すように軸方向に沿って、固定用穴13b,22bにビス42を挿入することで、
図6に示すようにベース側係合部13にスイッチユニット20を固定して装着することができる。その後、
図6に示すように、他のベース側係合部13に対しても上述同様にそれぞれスイッチユニット20を装着する。
【0026】
続いて、スイッチユニット20を装着したベース部10を内包するよう、ハウジング部30A,30Bを取り付ける。このとき、
図7に示すように、ベース部10を2方向から挟むように一対のハウジング部30A,30Bを取り付け、ハウジング部30A,30Bに形成された固定用穴とベース部10に形成されたハウジング用係合部14とにビス43を挿通させて、ハウジング部30A,30Bを固定する。これにより、
図1に示すように、ハンドルバー1のグリップ2に隣接する位置に、ハンドルスイッチ装置100を装着することができる。
【0027】
以上のように、本実施形態におけるハンドルスイッチ装置100は、ハンドルバー1に取り付けられたベース部10に対して、ハンドルバー1の軸方向に沿ってスイッチユニット20を装着して組み立てることができる。このため、上述した背景技術で説明したようなベース部材に対して外周面側から各種スイッチを取り付ける構造と比較して、ベース部10を簡易な形状とすることができ、成形性の向上や金型のコストの低下を図ることができる。また、かかる組み立て構造により、部品点数の削減を図ることができ、コスト低下や小型化、組立作業の簡易化を図ることができる。
【0028】
なお、上記では、ハンドルバー1に対してベース部10を装備してからスイッチユニット20とハウジング部30A,30Bとを取り付けてハンドルスイッチ装置100を組み立てる方法を説明したが、ハンドルスイッチ装置100の組立の順序は上述の方法に限定されない。例えば、ハンドルバー10に取り付ける前のベース部10に対して、スイッチユニット20やハウジング部30A、30Bを取り付けてハンドルスイッチ装置100を組み立て、その後にハンドルスイッチ装置100にハンドルバー1を挿通させる等種々の方法をとることが可能である。
【0029】
<付記>
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうる。以下、本発明におけるハンドルスイッチ装置、ハンドルスイッチの組立方法の概略を説明する。但し、本発明は、以下の構成に限定されない。
【0030】
(付記1)
車両のハンドルバーの周囲に取り付けられるベース部と、
前記ベース部を内包するハウジング部と、
車両に搭載された所定の装置を操作するためのスイッチを形成するスイッチ部と、を備え、
前記ベース部は、前記スイッチ部と前記ハンドルバーの軸方向に係合するベース側係合部を有する、
ハンドルスイッチ装置。
(付記2)
付記1に記載のハンドルスイッチ装置であって、
前記ベース部と前記スイッチ部とは、前記ベース部に対して前記スイッチ部を前記ハンドルバーの軸方向に沿って移動させて前記ベース側係合部にて前記ベース部と前記スイッチ部とを係合させた状態で、前記ベース部に前記スイッチ部を固定するよう構成されている、
ハンドルスイッチ装置。
(付記3)
付記2に記載のハンドルスイッチ装置であって、
前記ベース部と前記スイッチ部とは、前記ベース部に対して前記スイッチ部を前記ハンドルバーの軸方向に沿って移動させたときに、前記ベース側係合部にて相互に嵌合するよう構成されている、
ハンドルスイッチ装置。
(付記4)
付記3に記載のハンドルスイッチ装置であって、
前記ベース側係合部は、前記ベース部自体の周囲から外側又は軸方向に向かって突出して形成されており、
前記スイッチ部は、前記ベース側係合部に係合するスイッチ側係合部を有し、
前記ベース側係合部と前記スイッチ側係合部とは、前記ベース部に対して前記スイッチ部を前記ハンドルバーの軸方向に沿って移動させたときに相互に嵌合する嵌合部をそれぞれ有する、
ハンドルスイッチ装置。
(付記5)
付記4に記載のハンドルスイッチ装置であって、
前記ベース側係合部と前記スイッチ側係合部とがそれぞれ有する前記嵌合部は、前記ハンドルバーの軸方向に沿って形成された所定長さの溝部と、当該溝部に対して前記ハンドルバーの軸方向に沿って挿入される所定長さの挿入部と、により構成されている、
ハンドルスイッチ装置。
(付記6)
付記1乃至5のいずれかに記載のハンドルスイッチ装置であって、
前記ベース側係合部における前記ハンドルバーの軸方向の端部と、前記ベース側係合部に係合された状態で当該ベース側係合部の前記端部に当接する箇所である前記スイッチ部の当接部と、を固定する固定部材を備えた、
ハンドルスイッチ装置。
(付記7)
付記6に記載のハンドルスイッチ装置であって、
前記ベース側係合部の前記端部と前記スイッチ部の前記当接部とは、前記ハンドルバーの軸方向に沿って形成された固定用穴をそれぞれ有し、
前記ハンドルバーの軸方向に沿って前記固定部材を前記固定用穴に挿入することで、前記ベース部に前記スイッチ部を固定するよう構成されている、
ハンドルスイッチ装置。
(付記8)
付記1乃至5のいずれかに記載のハンドルスイッチ装置であって、
前記ベース部は、当該ベース部自体の周囲に前記ベース側係合部を複数有し、
複数の前記ベース側係合部に、それぞれ前記スイッチ部が装着されて構成されている、
ハンドルスイッチ装置。
(付記9)
付記8に記載のハンドルスイッチ装置であって、
前記ベース部は、前記ハンドルバーの周囲を囲うよう形成された略筒状部材であり、外側面に前記ベース側係合部を複数有する、
ハンドルスイッチ装置。
(付記10)
付記9に記載のハンドルスイッチ装置であって、
前記ベース部は、前記ハウジング部と係合するハウジング用係合部を有する、
ハンドルスイッチ装置。
(付記11)
車両のハンドルバーの周囲にベース部を取り付け、
前記ベース部に対して、車両に搭載された所定の装置を操作するためのスイッチを形成するスイッチ部を前記ハンドルバーの軸方向に沿って移動させて、前記ベース部に前記スイッチ部を装着する、
ハンドルスイッチ装置の組立方法。
(付記12)
車両のハンドルバーの周囲に取り付けられるベース部に対して、車両に搭載された所定の装置を操作するためのスイッチを形成するスイッチ部を前記ハンドルバーの軸方向に沿って移動させて、前記ベース部に前記スイッチ部を装着する、
ハンドルスイッチ装置の組立方法。
(付記13)
付記11又は12に記載のハンドルスイッチ装置の組立方法であって、
前記ベース部に対して前記スイッチ部を前記ハンドルバーの軸方向に沿って移動させて前記ベース部と前記スイッチ部とを係合させ、
前記ベース部と前記スイッチ部とを係合させた状態で前記ベース部に前記スイッチ部を固定する、
ハンドルスイッチ装置の組立方法。
(付記14)
付記13に記載のハンドルスイッチ装置の組立方法であって、
前記ベース部に対して前記スイッチ部を前記ハンドルバーの軸方向に沿って移動させたときに、前記ベース部に設けられた当該ベース部自体の周囲から外側又は軸方向に向かって突出するベース側係合部に対して、前記スイッチ部に設けられたスイッチ側係合部を嵌合させ、
前記ベース側係合部と前記スイッチ側係合部とを嵌合させた状態で、固定部材を用いて前記ベース部に前記スイッチ部を固定する、
ハンドルスイッチ装置の組立方法。
【0031】
以上、上記実施形態等を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明の範囲内で当業者が理解しうる様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0032】
1 ハンドルバー
2 グリップ
10 ベース部
11 筒状部
12 段差面
13 ベース側係合部
13a 突出部
13b 固定用穴
14 ハウジング用係合部
20 スイッチユニット
21 スイッチ本体
22 スイッチ側係合部
22a 溝部
22b 固定用穴
30A,30B ハウジング部
42,43 ビス