(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-05
(45)【発行日】2024-02-14
(54)【発明の名称】端末、無線通信方法、基地局及びシステム
(51)【国際特許分類】
H04W 72/0446 20230101AFI20240206BHJP
H04W 28/06 20090101ALI20240206BHJP
H04W 72/0457 20230101ALI20240206BHJP
【FI】
H04W72/0446
H04W28/06 130
H04W72/0457 110
(21)【出願番号】P 2020530768
(86)(22)【出願日】2018-07-17
(86)【国際出願番号】 JP2018026769
(87)【国際公開番号】W WO2020016938
(87)【国際公開日】2020-01-23
【審査請求日】2021-05-19
【審判番号】
【審判請求日】2023-01-20
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】110004185
【氏名又は名称】インフォート弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100158528
【氏名又は名称】守屋 芳隆
(74)【代理人】
【識別番号】100166408
【氏名又は名称】三浦 邦陽
(72)【発明者】
【氏名】武田 一樹
(72)【発明者】
【氏名】永田 聡
(72)【発明者】
【氏名】ワン リフェ
(72)【発明者】
【氏名】グオ シャオツェン
(72)【発明者】
【氏名】コウ ギョウリン
【合議体】
【審判長】齋藤 哲
【審判官】圓道 浩史
【審判官】新田 亮
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0084513(US,A1)
【文献】Huawei, HiSilicon, Further discussion on BS synchronization requirements in NR [online], 3GPP TSG RAN WG4 NR#2 R4-1706734, Internet<URL: https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG4_Radio/TSGR4_AHs/TSGR4_NR_Jun2017/Docs/R4-1706734.zip>, 2017年6月19日アップロード
【文献】Huawei, Hisilicon, TP for 38.803: NR timing budget [online], 3GPP TSG-RAN WG4 Meeting #82AH R4-1700126, Internet<URL: https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG4_Radio/TSGR4_AHs/TSGR4_NR_Jan2017/Docs/R4-1700126.zip>, 2017年1月6日アップロード
【文献】3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network; NR; Physical channels and modulation (Release 15) [online], 3GPP TS 38.211 V15.2.0, Internet<URL: https://www.3gpp.org/ftp/Specs/archive/38_series/38.211/38211-f20.zip>, 2018年6月29日アップロード,pp.1-11
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
3GPP TSG SA WG1-4
3GPP TSG CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
PUCCH(Physical Uplink Control Channel)とPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)の少なくとも一方の送信であるUL送信を行う送信部と、
PDCCH(Physical Downlink Control Channel)とPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)の少なくとも一方の受信であるDL受信を行う受信部と、を有し、
前記送信部は、周波数範囲が第1の周波数範囲である場合に、前記DL受信の最後のシンボルの後から前記第1の周波数範囲に対応する第1の期間が経過するまで前記UL送信を行わず、周波数範囲が第2の周波数範囲である場合に、前記DL受信の最後のシンボルの後から前記第2の周波数範囲に対応する第2の期間が経過するまで前記UL送信を行わず、
前記第1の周波数範囲と前記第2の周波数範囲は異なっており、前記第1の周波数範囲に対応する前記第1の期間と前記第2の周波数範囲に対応する前記第2の期間は異なって
おり、
前記第2の周波数範囲は、24GHzよりも高い周波数帯であり、
前記第1の期間と前記第2の期間は、それぞれ、パラメータN
RX-TX
とパラメータT
C
の乗算値で規定され、前記第1の周波数範囲と前記第2の周波数範囲の場合とで、前記パラメータN
RX-TX
と前記パラメータT
C
の少なくとも一方が異なっている、端末。
【請求項2】
PUCCH(Physical Uplink Control Channel)とPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)の少なくとも一方の送信であるUL送信を行う工程と、
PDCCH(Physical Downlink Control Channel)とPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)の少なくとも一方の受信であるDL受信を行う工程と、を有し、
周波数範囲が第1の周波数範囲である場合に、前記DL受信の最後のシンボルの後から前記第1の周波数範囲に対応する第1の期間が経過するまで前記UL送信を行わず、周波数範囲が第2の周波数範囲である場合に、前記DL受信の最後のシンボルの後から前記第2の周波数範囲に対応する第2の期間が経過するまで前記UL送信を行わず、
前記第1の周波数範囲と前記第2の周波数範囲は異なっており、前記第1の周波数範囲に対応する前記第1の期間と前記第2の周波数範囲に対応する前記第2の期間は異なって
おり、
前記第2の周波数範囲は、24GHzよりも高い周波数帯であり、
前記第1の期間と前記第2の期間は、それぞれ、パラメータN
RX-TX
とパラメータT
C
の乗算値で規定され、前記第1の周波数範囲と前記第2の周波数範囲の場合とで、前記パラメータN
RX-TX
と前記パラメータT
C
の少なくとも一方が異なっている、端末の無線通信方法。
【請求項3】
端末と通信する基地局であって、
前記端末からのPUCCH(Physical Uplink Control Channel)とPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)の少なくとも一方の受信であるUL受信を行う受信部と、
前記端末へのPDCCH(Physical Downlink Control Channel)とPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)の少なくとも一方の送信であるDL送信を行う送信部と、
周波数範囲が第1の周波数範囲である場合に、前記DL送信の最後のシンボルの後から前記第1の周波数範囲に対応する第1の期間が経過するまで前記UL受信を想定せず、周波数範囲が第2の周波数範囲である場合に、前記DL送信の最後のシンボルの後から前記第2の周波数範囲に対応する第2の期間が経過するまで前記UL受信を想定しない制御部と、を有し、
前記第1の周波数範囲と前記第2の周波数範囲は異なっており、前記第1の周波数範囲に対応する前記第1の期間と前記第2の周波数範囲に対応する前記第2の期間は異なって
おり、
前記第2の周波数範囲は、24GHzよりも高い周波数帯であり、
前記第1の期間と前記第2の期間は、それぞれ、パラメータN
RX-TX
とパラメータT
C
の乗算値で規定され、前記第1の周波数範囲と前記第2の周波数範囲の場合とで、前記パラメータN
RX-TX
と前記パラメータT
C
の少なくとも一方が異なっている、基地局。
【請求項4】
基地局と端末とを有するシステムであって、
前記基地局は、
前記端末からのPUCCH(Physical Uplink Control Channel)とPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)の少なくとも一方の受信であるUL受信を行う受信部と、
前記端末へのPDCCH(Physical Downlink Control Channel)とPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)の少なくとも一方の送信であるDL送信を行う送信部と、
を有し、
前記端末は、
前記PUCCHと前記PUSCHの少なくとも一方の送信であるUL送信を行う送信部と、
前記PDCCHと前記PDSCHの少なくとも一方の受信であるDL受信を行う受信部と、を有し、
前記端末の送信部は、周波数範囲が第1の周波数範囲である場合に、前記DL受信の最後のシンボルの後から前記第1の周波数範囲に対応する第1の期間が経過するまで前記UL送信を行わず、周波数範囲が第2の周波数範囲である場合に、前記DL受信の最後のシンボルの後から前記第2の周波数範囲に対応する第2の期間が経過するまで前記UL送信を行わず、
前記第1の周波数範囲と前記第2の周波数範囲は異なっており、前記第1の周波数範囲に対応する前記第1の期間と前記第2の周波数範囲に対応する前記第2の期間は異なって
おり、
前記第2の周波数範囲は、24GHzよりも高い周波数帯であり、
前記第1の期間と前記第2の期間は、それぞれ、パラメータN
RX-TX
とパラメータT
C
の乗算値で規定され、前記第1の周波数範囲と前記第2の周波数範囲の場合とで、前記パラメータN
RX-TX
と前記パラメータT
C
の少なくとも一方が異なっている、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、次世代移動通信システムにおける端末、無線通信方法、基地局及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)ネットワークにおいて、更なる高速データレート、低遅延などを目的としてロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)が仕様化された(非特許文献1)。また、LTE(LTE Rel.8、9)の更なる大容量、高度化などを目的として、LTE-A(LTEアドバンスト、LTE Rel.10-13)が仕様化された。
【0003】
LTEの後継システム(例えば、FRA(Future Radio Access)、5G(5th generation mobile communication system)、5G+(plus)、NR(New Radio)、NX(New radio access)、FX(Future generation radio access)、LTE Rel.15以降などともいう)も検討されている。
【0004】
既存のLTEシステム(例えば、LTE Rel.10以降)では、広帯域化を図るために、複数のキャリア(コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)、セル)を統合するキャリアアグリゲーション(CA:Carrier Aggregation)が導入されている。各キャリアは、LTE Rel.8のシステム帯域を一単位として構成される。また、CAでは、同一の無線基地局(eNB:eNodeB)の複数のCCがユーザ端末(UE:User Equipment)に設定される。
【0005】
既存のLTEシステム(例えば、LTE Rel.12以降)では、異なる無線基地局の複数のセルグループ(CG:Cell Group)がユーザ端末に設定されるデュアルコネクティビティ(DC:Dual Connectivity)も導入されている。各セルグループは、少なくとも一つのキャリア(CC、セル)で構成される。異なる無線基地局の複数のキャリアが統合されるため、DCは、基地局間CA(Inter-eNB CA)などとも呼ばれる。
【0006】
既存のLTEシステム(例えば、LTE Rel.14以前)では、下り(DL:Downlink)伝送と上り(UL:Uplink)伝送を時間的に切り替えて行う時分割複信(TDD:Time Division Duplex)と、下り伝送と上り伝送を異なる周波数帯で行う周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)が導入されている。
【0007】
TDDは、同一の周波数帯でDL通信とUL通信が時間的に切り替えられるため、ある時間帯で送信及び受信のいずれかしか行うことができないハーフデュプレックス(half-duplex)通信方式となる。FDDは、異なる周波数帯でDL通信とUL通信が行われるため、ユーザ端末の能力によっては、ハーフデュプレックス通信方式の他、ある時間帯で送信及び受信を同時に行うことができるフルデュプレックス(full-duplex)通信方式となる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【文献】3GPP TS 36.300 V8.12.0 “Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA) and Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network (E-UTRAN); Overall description; Stage 2 (Release 8)”、2010年4月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
既存のLTEシステムのTDDでは、サブフレーム単位でULとDLの切り替えを行う構成であったのに対し、将来の無線通信システム(以下、NRとも記す)では、シンボル単位でULとDLの切り替えを行う構成もサポートされる。この場合、ハーフデュプレックス通信をどのように制御するかが問題となる。
【0010】
そこで、本開示は、将来の無線通信システムにおいてハーフデュプレックス通信を適切に制御可能な端末、無線通信方法、基地局及びシステムを提供することを目的の1つとする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示の一態様に係る端末は、PUCCH(Physical Uplink Control Channel)とPUSCH(Physical Uplink Shared Channel)の少なくとも一方の送信であるUL送信を行う送信部と、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)とPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)の少なくとも一方の受信であるDL受信を行う受信部と、を有し、前記送信部は、周波数範囲が第1の周波数範囲である場合に、前記DL受信の最後のシンボルの後から前記第1の周波数範囲に対応する第1の期間が経過するまで前記UL送信を行わず、周波数範囲が第2の周波数範囲である場合に、前記DL受信の最後のシンボルの後から前記第2の周波数範囲に対応する第2の期間が経過するまで前記UL送信を行わず、前記第1の周波数範囲と前記第2の周波数範囲は異なっており、前記第1の周波数範囲に対応する前記第1の期間と前記第2の周波数範囲に対応する前記第2の期間は異なっており、前記第2の周波数範囲は、24GHzよりも高い周波数帯であり、前記第1の期間と前記第2の期間は、それぞれ、パラメータN
RX-TX
とパラメータT
C
の乗算値で規定され、前記第1の周波数範囲と前記第2の周波数範囲の場合とで、前記パラメータN
RX-TX
と前記パラメータT
C
の少なくとも一方が異なっている。
【発明の効果】
【0012】
本開示の一態様によれば、将来の無線通信システムにおいてハーフデュプレックス通信を適切に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、DCIを利用してスロットフォーマットに関する情報を基地局からUEに通知する際に利用するテーブルの一例を示す図である。
【
図2】
図2は、本実施の形態に係るハーフデュプレックス通信におけるDL信号とUL信号の送受信制御の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、2つのコンポーネントキャリアに異なるスロットフォーマットを設定した場合の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、所定周波数領域を周波数バンドに基づいて設定した場合におけるスロットフォーマットの制御の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、所定周波数領域を周波数範囲に基づいて設定した場合におけるスロットフォーマットの制御の一例を示す図である。
【
図6】
図6A及び
図6Bは、バンドの組み合わせに基づいて設定した場合におけるスロットフォーマットの制御の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、複数のセルに適用されるスロットフォーマットが異なってしまった場合のDL/UL/flexの統一の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、複数のセルに適用されるスロットフォーマットが異なってしまった場合のユーザ端末の挙動の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、本実施の形態に係る無線通信システムの概略構成の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、本実施の形態に係る無線基地局の全体構成の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、本実施の形態に係る無線基地局の機能構成の一例を示す図である。
【
図12】
図12は、本実施の形態に係るユーザ端末の全体構成の一例を示す図である。
【
図13】
図13は、本実施の形態に係るユーザ端末の機能構成の一例を示す図である。
【
図14】
図14は、本実施の形態に係る無線基地局及びユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
既存のLTEシステム(例えば、Rel.14以前)では、UL伝送とDL伝送の構成として、例えば、FDD(フレーム構成タイプ1とも呼ぶ)と、TDD(フレーム構成タイプ2とも呼ぶ)が規定されている。
【0015】
フレーム構成タイプ1(FDD)では、例えば、無線フレーム(10msの時間間隔)において、10サブフレームのDL送信と10サブフレームのUL送信が可能となっている。各10サブフレームのDL送信とUL送信は、互いの周波数領域が分離されて実行される。
【0016】
FDDにおいてフルデュプレックス通信を適用する場合、UEはUL送信とDL受信を同時に行うことができる。一方で、FDDにおいてハーフデュプレックス通信を適用する場合(例えば、フルデュプレックス通信をサポートしていない場合)、UEは、DL信号とUL信号の送受信を同時に行うことができない。
【0017】
フレーム構成タイプ2(TDD)では、同じ周波数領域においてUL送信とDL受信を切り替えて行い、DLとULの切り替え時にギャップ(GP)期間が設定される。TDDにおいて複数のセルを利用して通信を行う(例えば、キャリアアグリゲーションを利用する)場合、UEはセル間の特別サブフレームのガード期間が所定期間だけオーバーラップすると想定する。
【0018】
また、CAを適用する複数のセルにおいて異なるUL/DL構成が適用され、UEが当該複数のセルに対して同時送受信(simultaneous reception and transmission)の能力を具備していない場合、UL/DL構成が異なるサブフレームにおいて以下の動作を行う。
【0019】
・プライマリセルのサブフレームがDLサブフレーム(セカンダリセルのサブフレームがULサブフレーム)である場合、UEは、セカンダリセルにおいて信号又はチャネルを送信しない。
・プライマリセルのサブフレームがULサブフレーム(セカンダリセルのサブフレームがDLサブフレーム)である場合、UEは、セカンダリセルにおいてDL信号を受信することを想定しない。
・プライマリセルのサブフレームが特別サブフレームであり、且つセカンダリセルのサブフレームがDLサブフレームである場合、UEは、セカンダリセルにおいて所定のチャネル及び信号の受信を想定せず、プライマリセルのガード期間又はUpPTS(Uplink Pilot Time Slot)とオーバーラップするセカンダリセルのOFDMシンボルでは、その他のチャネル及び信号の受信も想定しない。
【0020】
なお、所定のチャネル及び信号は、PDSCH(Physical Downlink Shared Channel)、EPDCCH(Enhanced Physical Downlink Control Channel)、PMCH(Physical Multicast Channel)及びPRS(Positioning Reference Signal)の少なくとも一つであってもよい。また、その他のチャネル及び信号は、報知信号、又はページングチャネル等であってもよい。
【0021】
また、NRでは、既存のLTEのようにサブフレーム単位ではなく、サブフレームを構成するシンボル単位でスロットフォーマットを変更してULとDLを切り替えて制御する構成がサポートされる。
【0022】
例えば、基地局は、スロットフォーマットに関する情報をUEに送信する。UEは、基地局から送信されたスロットフォーマットに関する情報に基づいてスロットにおける各シンボルの伝送方向を判断して送受信を制御する。スロットフォーマットに関する情報は、上位レイヤシグナリング(例えば、tdd-UL-DL-ConfigurationCommon、tdd-UL-DL-configurationCommon2、及びtdd-UL-DL-ConfigDedicatedの少なくとも一つ)を用いて基地局からUEに通知されてもよい。あるいは、スロットフォーマットに関する情報は、下り制御情報(例えば、スロットフォーマット識別子(SFI:Slot Format Indicator))を用いて基地局からUEに通知されてもよい。
【0023】
スロットフォーマットに関する情報は、UL伝送を示す「U」、DL伝送を示す「D」、UL伝送及びDL伝送のいずれも指定しないフレキシブルを示す「F」が含まれていてもよい。
図1に、DCIを利用してスロットフォーマットに関する情報(例えば、SFIとも呼ぶ)を基地局からUEに通知する際に利用するテーブルの一例を示す。UEは、基地局から送信されるDCIに含まれるビット情報と
図1のテーブルに基づいてスロットフォーマットを判断してもよい。
【0024】
ところで、NRでは、既存のLTEのようにサブフレーム単位ではなく、サブフレームを構成するシンボル単位でスロットフォーマットの変更がサポートされるが、かかる場合にハーフデュプレックス通信をどのように制御するかが問題となる。
【0025】
例えば、フルデュプレックス通信(full-duplex communication)をサポートしていないUEが同一セル(又は、他セル(例えば、隣接セル))においてDL受信とUL送信をどのように制御するかが問題となる。
【0026】
本発明者等は、ハーフデュプレックス(half-duplex communication)通信を行うUE(例えば、フルデュプレックス通信をサポートしていないUE)がDL伝送(例えばDL受信)とUL伝送(例えばUL送信)を切り替えて行う場合に、UL伝送とDL伝送をそれぞれ制限すべき期間が必要である点に着目し、ハーフデュプレックス通信における制御を着想した。
【0027】
また、本発明者等は、フルデュプレックス通信をサポートしていないUEが複数のセル(例えば、CA)を利用して通信を行う場合、各セルに設定されるスロットフォーマットの構成によっては干渉が生じるおそれがある点に着目した。例えば、複数のセル間で異なるスロットフォーマット(UL/DL構成)を適用する場合において、当該セル間が近接(隣接)していると、UEの内部でUL信号の送信とDL信号の受信が干渉して、通信品質が劣化するおそれがある。
【0028】
そこで、本発明者等は、複数のセル間の関係(又は、種別)等に基づいて各セルで利用するスロットフォーマットを制御することを着想した。例えば、UEは所定セル(又は、所定周波数領域)において同じスロットフォーマットが適用されると想定することを着想した。あるいは、ネットワーク(例えば、基地局)は所定セル(又は、所定周波数領域)において同じスロットフォーマットに関する情報を通知するように制御することを着想した。
【0029】
以下、本開示に係る実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。各実施の態様は、それぞれ単独で適用されてもよいし、組み合わせて適用されてもよい。以下の説明において、SFIに関する情報は、上位レイヤシグナリング(例えば、tdd-UL-DL-ConfigurationCommon、tdd-UL-DL-configurationCommon2、及びtdd-UL-DL-ConfigDedicatedの少なくとも一つ)、及び下り制御情報(例えば、SFI)の少なくとも一方を利用して基地局からUEに送信されてもよい。
【0030】
また、フルデュプレックス通信をサポートしないUEは、同時にDL受信及びUL送信をサポートしないUE、又はSULを含むCAバンドコンビネーションに対して同時に受信と送信をサポートしないUEと読み替えてもよい。また、以下の説明で示す構成は、フルデュプレックス通信をサポートしないUEに好適に適用できるが、これに限られずフルデュプレックス通信をサポートするUEへの適用を制限するものではない。
【0031】
(第1の態様)
第1の態様は、フルデュプレックス通信をサポートしないUEが所定期間において、DL受信とUL送信を制限するように制御する。
【0032】
図2に示すように、フルデュプレックス通信をサポートしないUEは、DL送信(DL-rx)からUL送信(UL-tx)に切り替わる場合に、DL受信後の所定期間においてUL送信を行わないように制御する。例えば、UEは、同じセルにおいて最後に(又は、最新で)受信したDLシンボルの末尾から所定期間(例えば、N
RX-TXT
C)が経過するまでは、UL送信(UL-tx)を想定しないで動作する。
【0033】
所定期間(例えば、NRX-TXTC)は、仕様であらかじめ定義された値であってもよいし、基地局からUEに通知される値であってもよい。また、DL送信は下り制御情報(例えば、PDCCH)及びDLデータ(例えば、PDSCH)の少なくとも一方の送信であってもよいし、UL送信は上り制御情報(例えば、PUCCH)及びULデータ(例えば、PUSCH)の少なくとも一方の送信であってもよい。もちろん、DLとULにおける信号又はチャネルはこれに限られない。
【0034】
さらにUEは、DL受信中、又はスロットフォーマットがDに設定された期間(すなわち、
図2の最後に受信するDLシンボルの末尾より前)において、UL送信を想定せずに動作を制御する。また、UEは、UL送信中、又はスロットフォーマットがUに設定された期間(すなわち、
図2の所定期間経過後のUL送信)において、DL受信を想定せずに動作を制御する。
【0035】
つまり、UEは、同じセルにおいて、DL信号及びDLチャネルの少なくとも一方(以下、DL信号と記す)の受信中及び最後に受信したDLシンボルの末尾から所定期間が経過するまでの間、UL信号及びULチャネルの少なくとも一方(以下、UL信号と記す)を送信することを想定しないで動作する。さらに、UEは、所定期間経過後のUL送信中において、DL信号を受信することを想定しないで動作する。
【0036】
このように、DL受信期間(又は、スロットフォーマットがDに設定された期間)、DL後のUL送信開始タイミング、及びUL送信期間(又は、スロットフォーマットがUに設定された期間)におけるUE動作を制御する。これにより、UEは、DL信号の受信中及びその後の所定期間にUL信号を送信すること、及びUL信号の送信中にDL信号を受信することを確実に防止して、ハーフデュプレックス通信を適切に実行することができる。その結果、ハーフデュプレックス通信におけるDL信号とUL信号の送受信を適切に制御することができる。
【0037】
なお、上記説明では、同一セルにおいて適用する場合を例に挙げたがこれに限られない。異なるセル(例えば、所定のセルグループ等)における通信において上記構成を適用してもよい。
【0038】
(第2の態様)
第2の態様は、複数のセル(例えば、CA)を利用して通信を行う場合に、所定のセルの組み合わせに対して同じスロットフォーマットを適用するように制御する。
【0039】
キャリアアグリゲーションでは、ユーザ端末は、複数のセルを利用して、UL信号の送信とDL信号の受信を行う。セル毎にそれぞれスロットフォーマットが別々に設定される場合、各セルには、異なるスロットフォーマット(UL/DL構成)が設定され得る。
【0040】
図3は、2つのCC(又は、セル)に異なるスロットフォーマット(例えば、UL/DL構成)を設定した場合の一例を示す図である。CC#1では、時系列順に、DL、DL、flex、flexが設定されている。CC#2では、時系列順に、DL、flex、UL、flexが設定されている。
【0041】
フルデュプレックス通信をサポートしていないUEにおいて、複数のセル間で異なるスロットフォーマットを適用する場合、当該セル間が十分に離れていればセル間の干渉が問題になることはない。これに対して、当該セル間が近接(隣接)していると、ユーザ端末の内部で、UL信号の送信とDL信号の受信が干渉して通信品質が劣化するおそれがある。
【0042】
そこで、第2の態様では、フルデュプレックス通信をサポートしないUEは、同一セル及び所定セルの組み合わせの少なくとも一方において、同時に送信と受信を行わないと想定してハーフデュプレックス通信を制御する。UEは、セル毎又は複数セルの組み合わせ毎に、フルデュプレックス通信、又はUL信号とDL信号の同時送受信をサポートしているか否かを示すUE能力情報(例えば、Capabilityシグナリング、又はsimultaneousRxTxSUL)を基地局に送信してもよい。
【0043】
基地局は、受信したUE能力情報に基づいて、UEがフルデュプレックス通信、又はUL信号とDL信号の同時送受信(以下、単にフルデュプレックス通信と記す)をサポートしていないとき、所定の複数セルの組み合わせに対して、同一のスロットフォーマットを設定(又は、送信)するように制御する。これにより、複数のセルの組み合わせを利用した通信において、UEにおいてUL信号の送信とDL信号の受信が干渉(衝突)することを防止することができる。
【0044】
例えば、基地局は、フルデュプレックス通信をサポートしていないUE、又はハーフデュプレックス通信を適用するUEに対して、所定の複数セルについて同じスロットフォーマットに関する情報を送信するように制御してもよい。所定の複数セルは、所定の周波数領域に含まれるセルの組み合わせであってもよい。
【0045】
UEは、1以上のセルのスロットフォーマットに関する情報を受信した場合、当該スロットフォーマットに関する情報と、フルデュプレックス通信のサポート有無又はUL信号とDL信号の同時送受信のサポート有無とに基づいて、各セルのスロットフォーマットを決定してもよい。例えば、UEは、所定の周波数領域に含まれる複数のセルに同じスロットフォーマットを適用してもよい。あるいは、UEは、所定セルについて通知されたスロットフォーマットに関する情報に基づいて、所定の周波数領域に含まれる他のセルのスロットフォーマットを決定してもよい。あるいは、UEは、所定の周波数領域に含まれる複数のセルについてそれぞれ通知されるスロットフォーマットに関する情報が同じであると想定してもよい。
【0046】
ここで、「所定の周波数領域」をどのように設定するのかについては、例えば、「周波数バンド(Frequency Band)」に基づく場合と、「周波数範囲(Frequency Range)」に基づく場合とが可能である。いずれの場合も、フルデュプレックス通信又はUL信号とDL信号の同時送受信をサポートしていないUEは、同一セル及び所定の複数セルの組み合わせにおいて、UL信号とDL信号を同時に送受信することを想定しない。
【0047】
以下に、同じスロットフォーマットが適用される(又は、適用されると想定する)態様として態様1-態様3を例に挙げて説明する。なお、UEは、少なくともいずれか一つの態様を利用して各セルのスロットフォーマットを決定できる。
【0048】
<態様1>
態様1では、周波数バンドに基づいて同じスロットフォーマットが適用されるセルを制御する。つまり、上述した所定の周波数領域が周波数バンドとなる場合に相当する。
【0049】
UEは、ハーフデュプレックス動作において、複数セルの内の1つ又は複数のセルについて、スロットフォーマットに関する情報を基地局から受信する。UEは、受信したスロットフォーマットを、同じ周波数バンドに含まれる全て(又は、一部)のセルに対して適用する。
【0050】
例えば、UEは、ある周波数バンドに含まれる1つのセル(又は、1つの周波数バンド)についてスロットフォーマットに関する情報が通知された場合、当該スロットフォーマットを同一の周波数バンドに含まれる他のセルについても適用する。
【0051】
基地局は、UEが通信を行う複数のセルが所定周波数バンド(又は、所定周波数バンドの組み合わせ)に含まれる場合、所定周波数バンドに含まれる複数のセルに同じスロットフォーマットが適用されるようにスケジューリングを制御してもよい。この場合、基地局は、当該所定周波数バンドの少なくとも1つのセルについてスロットフォーマットに関する情報を送信してもよい。
【0052】
これにより、同じ周波数バンドに含まれる複数セルに対して別個独立にスロットフォーマットを設定する必要がなくなり、シグナリングオーバーヘッドを削減することができる。
【0053】
あるいは、基地局は、所定周波数バンドに含まれる各セルについてそれぞれ同じスロットフォーマットに関する情報をUEに送信してもよい。この場合、UEは、ある周波数バンドに含まれる複数のセルについてスロットフォーマットに関する情報が通知される場合、各セルについて通知されるスロットフォーマットが同じであると想定してもよい。
【0054】
図4は、所定の周波数領域を周波数バンドに基づいて設定した場合におけるスロットフォーマットの制御の一例を示す図である。周波数バンドとしては、例えば、第1の周波数バンドn1を1920MHz~1980MHzとし、第2の周波数バンドn2を1850MHz~1910MHzとしてもよい。もちろん、適用可能な周波数バンドはこれに限られない。
【0055】
図4では、同一の周波数バンドに含まれるコンポーネントキャリアCC#1とCC#2に対して、同一のスロットフォーマット(DL/UL/flex)を適用する場合を例示している。また、
図4では、CC#1とCC#2が含まれるバンドと異なる周波数バンドに含まれるコンポーネントキャリアCC#3とCC#4とCC#5に対して、同一のスロットフォーマット(DL/UL/flex)を適用する場合を例示している。基地局(ネットワーク)は、ユーザ端末のために、同一の周波数バンドに含まれるコンポーネントキャリアに適用するスロットフォーマット(DL/UL/flex)を整列(Align)させる。
【0056】
このように、同じ周波数バンドに含まれるセル間で同じスロットフォーマットを適用するように制御することにより、UEにおけるDL受信とUL送信の干渉を低減することができる。
【0057】
<態様2>
態様2では、周波数範囲(Frequency Range)に基づいて同じスロットフォーマットが適用されるセルを制御する。つまり、上述した所定の周波数領域が周波数範囲となる場合に相当する。
【0058】
UEは、ハーフデュプレックス動作において、同じ周波数レンジに含まれる複数セルの内の1つ又は複数のセルについて、スロットフォーマットに関する情報を基地局から受信する。UEは、受信したスロットフォーマットを、同じ周波数レンジに含まれる全て(又は、一部)のセルに対して適用する。
【0059】
例えば、UEは、ある周波数レンジに含まれる1つのセル(又は、1つの周波数レンジ)についてスロットフォーマットに関する情報が通知された場合、当該スロットフォーマットを同一の周波数レンジに含まれる他のセルについても適用する。
【0060】
基地局は、UEが通信を行う複数のセルが所定周波数レンジに含まれる場合、所定周波数レンジに含まれる複数のセルに同じスロットフォーマットが適用されるようにスケジューリングを制御してもよい。この場合、基地局は、当該所定周波数レンジの少なくとも1つのセルについてスロットフォーマットに関する情報を送信してもよい。
【0061】
これにより、同じ周波数レンジに含まれる複数セルに対して別個独立にスロットフォーマットを設定する必要がなくなり、シグナリングオーバーヘッドを削減することができる。
【0062】
あるいは、基地局は、所定周波数レンジに含まれる各セルについてそれぞれ同じスロットフォーマットに関する情報をUEに送信してもよい。この場合、UEは、ある周波数レンジに含まれる複数のセルについてスロットフォーマットに関する情報が通知される場合、各セルについて通知されるスロットフォーマットが同じであると想定してもよい。
【0063】
図5は、所定周波数レンジを周波数範囲に基づいて設定した場合におけるスロットフォーマットの制御の一例を示す図である。周波数レンジとしては、少なくとも1つの臨界周波数を定めて、その臨界周波数によって複数の周波数範囲を規定することができる。
図5の例では、1つの臨界周波数によって2つの周波数範囲FR1とFR2を規定している。
【0064】
例えば、第1の周波数レンジ(FR1)は6GHz以下の周波数帯(サブ6GHz(sub-6GHz))であってもよいし、第2の周波数レンジ(FR2)は24GHzよりも高い周波数帯(above-24GHz)であってもよい。また、FR1は、サブキャリア間隔(SCS:Sub-Carrier Spacing)として15、30及び60kHzのうちから少なくとも1つが用いられる周波数レンジと定義されてもよいし、FR2は、SCSとして60及び120kHzのうちから少なくとも1つが用いられる周波数レンジと定義されてもよい。なお、FR1及びFR2の周波数帯、定義などはこれらに限られず、例えばFR1がFR2よりも高い周波数帯であってもよい。
【0065】
図5では、同一の周波数レンジFR1に含まれるCC#1とCC#2に対して同一のスロットフォーマット(DL/UL/flex)を適用する。同様に、同一の周波数レンジFR2に含まれるCC#3とCC#4とCC#5に対して同一のスロットフォーマット(DL/UL/flex)を適用している。
【0066】
なお、周波数レンジFR1のCC#1とCC#2に対して適用するスロットフォーマットと、周波数範囲FR2のCC#3とCC#4とCC#5に対して適用するスロットフォーマットは、同一であっても異なっていてもよい。ネットワーク(例えば、基地局)は、UEのために、同一の周波数レンジに含まれるCCに適用するスロットフォーマット(DL/UL/flex)を整列(Align)させる。
【0067】
このように、同じ周波数レンジに含まれるセル間で同じスロットフォーマットを適用するように制御することにより、UEにおけるDL受信とUL送信の干渉を低減することができる。
【0068】
<態様3>
態様3では、UEにおいてDLとULの同時送受信をサポートしていないバンド(又は、セル)の組み合わせについて同じスロットフォーマットが適用されるセルを制御する。つまり、周波数領域に基づいて決定するのではなく、UEのDLとULの同時送受信有無(例えば、UE能力)に基づいて、同じスロットフォーマットを適用するバンド(又は、セル)を制御する。この場合、UE毎にスロットフォーマットを柔軟に制御することが可能となる。
【0069】
例えば、基地局は、UEからUL信号とDL信号の同時送受信をサポートしない旨(false)が通知されたバンドの組み合わせについて、同じスロットフォーマットに関する情報を送信するように制御してもよい。あるいは、基地局は、UEからUL信号とDL信号の同時送受信をサポートする旨(true)が通知されないバンドの組み合わせについて、同じスロットフォーマットに関する情報を送信するように制御してもよい。
【0070】
つまり、基地局は、UEからのUE能力情報の受信の有無に基づいて、UL信号とDL信号の同時送受信をサポートしない旨(false)が通知されたバンドの組み合わせ又はUL信号とDL信号の同時送受信をサポートする旨(true)が通知されないバンドの組み合わせを把握する。基地局は、把握したバンドの組み合わせ毎に、同一のスロットフォーマットが適用されるように、当該スロットフォーマットに関する情報をユーザ端末に送信する。
【0071】
UEは、基地局から受け取ったスロットフォーマットに関する情報に基づいて、UL信号とDL信号の同時送受信をサポートしない旨を通知したバンドの組み合わせ、又はUL信号とDLの同時送受信をサポートする旨を通知しないバンドの組み合わせに対して、所定セルについて通知された同じスロットフォーマットを適用してもよい。
【0072】
例えば、UEは、複数セルの内の1つ又は複数のセルについて、スロットフォーマットに関する情報を基地局から受信する。UEは、UL信号とDL信号の同時送受信をサポートしない旨(false)の通知を行ったバンドの組み合わせ又はUL信号とDL信号の同時送受信をサポートする旨(true)の通知を行わなかったバンドの組み合わせについて、それぞれ、所定セルについて通知された同じスロットフォーマットを適用する。
【0073】
例えば、UEは、UL信号とDL信号の同時送受信をサポートしない旨(false)の通知を行ったバンドの組み合わせ(又は、当該バンドの組み合わせに含まれる1つのセル)について1つのスロットフォーマットに関する情報が通知された場合、当該スロットフォーマットを当該バンドの組み合わせについても適用する。あるいは、UEは、UL信号とDL信号の同時送受信をサポートする旨(true)の通知を行わなかったバンドの組み合わせ(又は、当該バンドの組み合わせに含まれる1つのセル)について1つのスロットフォーマットに関する情報が通知された場合、当該スロットフォーマットを当該バンドの組み合わせについても適用する。
【0074】
基地局は、UEから通知されたUL信号とDL信号の同時送受信をサポートしない旨(false)が通知されたバンドの組み合わせに含まれる複数のセルに同じスロットフォーマットが適用されるようにスケジューリングを制御してもよい。この場合、基地局は、当該バンドの組み合わせに含まれる少なくとも1つのセル(又は、バンド)についてスロットフォーマットに関する情報を送信してもよい。
【0075】
これにより、所定のバンドの組み合わせに含まれる複数セルに対して別個独立にスロットフォーマットを設定する必要がなくなり、シグナリングオーバーヘッドを削減することができる。
【0076】
あるいは、基地局は、所定のバンドの組み合わせに含まれる各セル(又は、各バンド)についてそれぞれ同じスロットフォーマットに関する情報をUEに送信してもよい。この場合、UEは、所定のバンドの組み合わせに含まれる複数のセルについてスロットフォーマットに関する情報が通知される場合、各セルについて通知されるスロットフォーマットが同じであると想定してもよい。
【0077】
図6は、バンドの組み合わせ(Band combination)に基づいて設定した場合におけるスロットフォーマットの制御の一例を示す図である。
図6Aでは、UL信号とDL信号の同時送受信をサポートしない旨(false)が通知されたバンドの組み合わせのCC#1とCC#2とCC#3に対して同一のスロットフォーマット(DL/UL/flex)を適用している。
【0078】
図6Bでは、UL信号とDL信号の同時送受信をサポートする旨(true)が通知されないバンドの組み合わせのCC#4とCC#5とCC#6に対して同一のスロットフォーマット(DL/UL/flex)を適用している。ネットワーク(例えば、基地局)は、UL信号とDL信号の同時送受信をサポートしない旨が通知されたバンドの組み合わせ又はUL信号とDL信号の同時送受信をサポートする旨が通知されないバンドの組み合わせについて、CCに適用するスロットフォーマット(DL/UL/flex)を整列(Align)させる。
【0079】
このように、UEから通知されるULとDLの同時送受信のサポート有無に関するバンドの組み合わせに基づいて、所定セル間で同じスロットフォーマットを適用するように制御することにより、UEにおけるDL受信とUL送信の干渉を低減することができる。
【0080】
<スロットフォーマットの決定>
上述した説明では、基地局からUEに対して、スロットフォーマットに関する情報を送信して、UEに対して、所定の複数セル(又は、CC)について同一のスロットフォーマットを設定する場合を説明した。
【0081】
しかし、基地局から所定の複数セルについてそれぞれスロットフォーマットに関する情報を送信する場合、各セルに対応するスロットフォーマット情報が異なって通知されるケースも生じ得る。この場合、内容が異なる複数のスロットフォーマットに関する情報を受信したUEは、所定の基準に基づいて複数セルに適用するスロットフォーマットを決定(統一)してもよい。
【0082】
所定の基準としては、以下の基準(1)-基準(3)のいずれかを適用してもよい。
基準(1):複数のCCにPCell/PSCellが含まれている場合、PCell/PSCellに対応するスロットフォーマットを適用する。
基準(2):複数のCCのうちCCインデックスが最小のCCに対応するスロットフォーマットを適用する。
基準(3):スロットフォーマットにおいて所定の伝送方向を優先して適用する。
【0083】
例えば、UEは、内容が異なる複数のスロットフォーマットに関する情報を受信した場合、所定のCCのスロットフォーマットに関する情報を優先して適用する(基準(1)、(2))。基準(1)と基準(2)は、組み合わせて適用してもよい。例えば、複数のCCにPCell及びPCellが含まれていない場合に、CCインデックスが最小のCCのスロットフォーマットを適用してもよい。
【0084】
基準(3)を適用する場合、例えば、UL伝送(U)をフレキシブル(F)より優先し、DL伝送(D)をフレキシブル(F)より優先してもよい。
図7は、複数のCC(又は、セル)について通知されるスロットフォーマットが異なる場合に、適用するスロットフォーマットの決定(又は、統一)の一例を示している。
【0085】
図7の例では、CC#1において、時系列順に、DL、DL、flex、flexが設定されており、CC#2において、時系列順に、DL、flex、UL、flexが設定されている。CC#1のDLとCC#2のflexが異なってしまった箇所ではDLに統一され、CC#1のflexとCC#2のULが異なってしまった箇所ではULに統一されている。
【0086】
また、基準(3)を適用する場合、UEに通知される複数のスロットフォーマット間において、特定の異なる伝送方向が衝突する場合にエラーケースとして扱ってもよい。
図8は、複数のCCに適用されるスロットフォーマットが異なる場合のユーザ端末の挙動の一例を示している。
図8の例では、CC#1とCC#2でDLとULが異なった場合を示している。この場合、ユーザ端末は、エラーケースとして取り扱って、少なくともUL伝送とDL伝送が衝突する期間(例えば、シンボル)においてUL信号とDL信号の送受信を行わないように制御してもよい。あるいは、ユーザ端末の各々の実装(インプリ)に基づいて、UL信号とDL信号のいずれかの送受信を行ってもよい。
【0087】
このように、スロットフォーマットの決定方法を制御することにより、UEは、所定の複数セルについてそれぞれ異なるスロットフォーマット情報が通知された場合であっても、ハーフデュプレックス通信を適切に制御することが可能となる。
【0088】
(無線通信システム)
以下、本実施の形態に係る無線通信システムの構成について説明する。この無線通信システムでは、上記複数の態様の少なくとも一つの組み合わせを用いて通信が行われる。
【0089】
図9は、本実施の形態に係る無線通信システムの概略構成の一例を示す図である。無線通信システム1では、LTEシステムのシステム帯域幅(例えば、20MHz)を1単位とする複数の基本周波数ブロック(コンポーネントキャリア)を一体としたキャリアアグリゲーション(CA)及び/又はデュアルコネクティビティ(DC)を適用することができる。
【0090】
なお、無線通信システム1は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、LTE-B(LTE-Beyond)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、NR(New Radio)、FRA(Future Radio Access)、New-RAT(Radio Access Technology)などと呼ばれてもよいし、これらを実現するシステムと呼ばれてもよい。
【0091】
無線通信システム1は、比較的カバレッジの広いマクロセルC1を形成する無線基地局11と、マクロセルC1内に配置され、マクロセルC1よりも狭いスモールセルC2を形成する無線基地局12(12a-12c)と、を備えている。また、マクロセルC1及び各スモールセルC2には、ユーザ端末20が配置されている。各セル及びユーザ端末20の配置、数などは、図に示す態様に限定されない。
【0092】
ユーザ端末20は、無線基地局11及び無線基地局12の双方に接続することができる。ユーザ端末20は、マクロセルC1及びスモールセルC2を、CA又はDCを用いて同時に使用することが想定される。また、ユーザ端末20は、複数のセル(CC)(例えば、5個以下のCC、6個以上のCC)を用いてCA又はDCを適用してもよい。
【0093】
ユーザ端末20と無線基地局11との間は、相対的に低い周波数帯域(例えば、2GHz)で帯域幅が狭いキャリア(既存キャリア、legacy carrierなどとも呼ばれる)を用いて通信を行うことができる。一方、ユーザ端末20と無線基地局12との間は、相対的に高い周波数帯域(例えば、3.5GHz、5GHzなど)で帯域幅が広いキャリアが用いられてもよいし、無線基地局11との間と同じキャリアが用いられてもよい。なお、各無線基地局が利用する周波数帯域の構成はこれに限られない。
【0094】
また、ユーザ端末20は、各セルで、時分割複信(TDD:Time Division Duplex)及び/又は周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)を用いて通信を行うことができる。また、各セル(キャリア)では、単一のニューメロロジーが適用されてもよいし、複数の異なるニューメロロジーが適用されてもよい。
【0095】
ニューメロロジーとは、ある信号及び/又はチャネルの送信及び/又は受信に適用される通信パラメータであってもよく、例えば、サブキャリア間隔、帯域幅、シンボル長、サイクリックプレフィックス長、サブフレーム長、TTI長、TTIあたりのシンボル数、無線フレーム構成、フィルタリング処理、ウィンドウイング処理などの少なくとも1つを示してもよい。
【0096】
無線基地局11と無線基地局12との間(又は、2つの無線基地局12間)は、有線(例えば、CPRI(Common Public Radio Interface)に準拠した光ファイバ、X2インターフェースなど)又は無線によって接続されてもよい。
【0097】
無線基地局11及び各無線基地局12は、それぞれ上位局装置30に接続され、上位局装置30を介してコアネットワーク40に接続される。なお、上位局装置30には、例えば、アクセスゲートウェイ装置、無線ネットワークコントローラ(RNC)、モビリティマネジメントエンティティ(MME)などが含まれるが、これに限定されない。また、各無線基地局12は、無線基地局11を介して上位局装置30に接続されてもよい。
【0098】
なお、無線基地局11は、相対的に広いカバレッジを有する無線基地局であり、マクロ基地局、集約ノード、eNB(eNodeB)、送受信ポイント、などと呼ばれてもよい。また、無線基地局12は、局所的なカバレッジを有する無線基地局であり、スモール基地局、マイクロ基地局、ピコ基地局、フェムト基地局、HeNB(Home eNodeB)、RRH(Remote Radio Head)、送受信ポイントなどと呼ばれてもよい。以下、無線基地局11及び12を区別しない場合は、無線基地局10と総称する。
【0099】
各ユーザ端末20は、LTE、LTE-Aなどの各種通信方式に対応した端末であり、移動通信端末(移動局)だけでなく固定通信端末(固定局)を含んでもよい。
【0100】
無線通信システム1においては、無線アクセス方式として、下りリンクに直交周波数分割多元接続(OFDMA:Orthogonal Frequency Division Multiple Access)が適用され、上りリンクにシングルキャリア-周波数分割多元接続(SC-FDMA:Single Carrier Frequency Division Multiple Access)及び/又はOFDMAが適用される。
【0101】
OFDMAは、周波数帯域を複数の狭い周波数帯域(サブキャリア)に分割し、各サブキャリアにデータをマッピングして通信を行うマルチキャリア伝送方式である。SC-FDMAは、システム帯域幅を端末毎に1つ又は連続したリソースブロックによって構成される帯域に分割し、複数の端末が互いに異なる帯域を用いることで、端末間の干渉を低減するシングルキャリア伝送方式である。なお、上り及び下りの無線アクセス方式は、これらの組み合わせに限らず、他の無線アクセス方式が用いられてもよい。
【0102】
無線通信システム1では、下りリンクのチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される下り共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)、ブロードキャストチャネル(PBCH:Physical Broadcast Channel)、下りL1/L2制御チャネルなどが用いられる。PDSCHによって、ユーザデータ、上位レイヤ制御情報、SIB(System Information Block)などが伝送される。また、PBCHによって、MIB(Master Information Block)が伝送される。
【0103】
下りL1/L2制御チャネルは、下り制御チャネル(PDCCH(Physical Downlink Control Channel)及び/又はEPDCCH(Enhanced Physical Downlink Control Channel))、PCFICH(Physical Control Format Indicator Channel)、PHICH(Physical Hybrid-ARQ Indicator Channel)の少なくとも一つを含む。PDCCHによって、PDSCH及び/又はPUSCHのスケジューリング情報を含む下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)などが伝送される。
【0104】
なお、DCIによってスケジューリング情報が通知されてもよい。例えば、DLデータ受信をスケジューリングするDCIは、DLアサインメントと呼ばれてもよいし、ULデータ送信をスケジューリングするDCIは、ULグラントと呼ばれてもよい。
【0105】
PCFICHによって、PDCCHに用いるOFDMシンボル数が伝送される。PHICHによって、PUSCHに対するHARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)の送達確認情報(例えば、再送制御情報、HARQ-ACK、ACK/NACKなどともいう)が伝送される。EPDCCHは、PDSCH(下り共有データチャネル)と周波数分割多重され、PDCCHと同様にDCIなどの伝送に用いられる。
【0106】
無線通信システム1では、上りリンクのチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される上り共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)、上り制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)、ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)などが用いられる。PUSCHによって、ユーザデータ、上位レイヤ制御情報などが伝送される。また、PUCCHによって、下りリンクの無線リンク品質情報(CQI:Channel Quality Indicator)、送達確認情報、スケジューリングリクエスト(SR:Scheduling Request)などが伝送される。PRACHによって、セルとの接続確立のためのランダムアクセスプリアンブルが伝送される。
【0107】
無線通信システム1では、下り参照信号として、セル固有参照信号(CRS:Cell-specific Reference Signal)、チャネル状態情報参照信号(CSI-RS:Channel State Information-Reference Signal)、復調用参照信号(DMRS:DeModulation Reference Signal)、位置決定参照信号(PRS:Positioning Reference Signal)などが伝送される。また、無線通信システム1では、上り参照信号として、測定用参照信号(SRS:Sounding Reference Signal)、復調用参照信号(DMRS)などが伝送される。なお、DMRSはユーザ端末固有参照信号(UE-specific Reference Signal)と呼ばれてもよい。また、伝送される参照信号は、これらに限られない。
【0108】
<無線基地局>
図10は、本実施の形態に係る無線基地局の全体構成の一例を示す図である。無線基地局10は、複数の送受信アンテナ101と、アンプ部102と、送受信部103と、ベースバンド信号処理部104と、呼処理部105と、伝送路インターフェース106と、を備えている。なお、送受信アンテナ101、アンプ部102、送受信部103は、それぞれ1つ以上を含むように構成されればよい。
【0109】
下りリンクによって無線基地局10からユーザ端末20に送信されるユーザデータは、上位局装置30から伝送路インターフェース106を介してベースバンド信号処理部104に入力される。
【0110】
ベースバンド信号処理部104では、ユーザデータに関して、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤの処理、ユーザデータの分割・結合、RLC(Radio Link Control)再送制御などのRLCレイヤの送信処理、MAC(Medium Access Control)再送制御(例えば、HARQの送信処理)、スケジューリング、伝送フォーマット選択、チャネル符号化、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)処理、プリコーディング処理などの送信処理が行われて送受信部103に転送される。また、下り制御信号に関しても、チャネル符号化、逆高速フーリエ変換などの送信処理が行われて、送受信部103に転送される。
【0111】
送受信部103は、ベースバンド信号処理部104からアンテナ毎にプリコーディングして出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部103で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部102によって増幅され、送受信アンテナ101から送信される。送受信部103は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置から構成することができる。なお、送受信部103は、一体の送受信部として構成されてもよいし、送信部及び受信部から構成されてもよい。
【0112】
一方、上り信号については、送受信アンテナ101で受信された無線周波数信号がアンプ部102で増幅される。送受信部103はアンプ部102で増幅された上り信号を受信する。送受信部103は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部104に出力する。
【0113】
ベースバンド信号処理部104では、入力された上り信号に含まれるユーザデータに対して、高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)処理、逆離散フーリエ変換(IDFT:Inverse Discrete Fourier Transform)処理、誤り訂正復号、MAC再送制御の受信処理、RLCレイヤ及びPDCPレイヤの受信処理がなされ、伝送路インターフェース106を介して上位局装置30に転送される。呼処理部105は、通信チャネルの呼処理(設定、解放など)、無線基地局10の状態管理、無線リソースの管理などを行う。
【0114】
伝送路インターフェース106は、所定のインターフェースを介して、上位局装置30と信号を送受信する。また、伝送路インターフェース106は、基地局間インターフェース(例えば、CPRI(Common Public Radio Interface)に準拠した光ファイバ、X2インターフェース)を介して他の無線基地局10と信号を送受信(バックホールシグナリング)してもよい。
【0115】
なお、送受信部103は、アナログビームフォーミングを実施するアナログビームフォーミング部をさらに有してもよい。アナログビームフォーミング部は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるアナログビームフォーミング回路(例えば、位相シフタ、位相シフト回路)又はアナログビームフォーミング装置(例えば、位相シフト器)から構成することができる。また、送受信アンテナ101は、例えばアレーアンテナにより構成することができる。また、送受信部103は、シングルBF、マルチBFを適用できるように構成されている。
【0116】
また、送受信部103は、ユーザ端末20に対して下り(DL)信号(DLデータ信号(下り共有チャネル)、DL制御信号(下り制御チャネル)、DL参照信号の少なくとも一つを含む)を送信し、当該ユーザ端末20からの上り(UL)信号(ULデータ信号、UL制御信号、UL参照信号の少なくとも一つを含む)を受信する。
【0117】
また、送受信部103は、1以上のセルのスロットフォーマットに関する情報を送信する。送受信部103は、スロットフォーマットに関する情報を、上位レイヤ(例えば、RRCシグナリング、又は報知信号)及び下り制御情報の少なくとも一方を利用して送信してもよい。
【0118】
図11は、本実施の形態に係る無線基地局の機能構成の一例を示す図である。なお、本例では、本実施の形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、無線基地局10は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有すると想定されてもよい。
【0119】
ベースバンド信号処理部104は、制御部(スケジューラ)301と、送信信号生成部302と、マッピング部303と、受信信号処理部304と、測定部305と、を少なくとも備えている。なお、これらの構成は、無線基地局10に含まれていればよく、一部又は全部の構成がベースバンド信号処理部104に含まれなくてもよい。
【0120】
制御部(スケジューラ)301は、無線基地局10全体の制御を実施する。制御部301は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置から構成することができる。
【0121】
制御部301は、例えば、送信信号生成部302における信号の生成、マッピング部303における信号の割り当てなどを制御する。また、制御部301は、受信信号処理部304における信号の受信処理、測定部305における信号の測定などを制御する。
【0122】
制御部301は、システム情報、下りデータ信号(例えば、PDSCHで送信される信号)、下り制御信号(例えば、PDCCH及び/又はEPDCCHで送信される信号。送達確認情報など)のスケジューリング(例えば、リソース割り当て)を制御する。また、制御部301は、上りデータ信号に対する再送制御の要否を判定した結果などに基づいて、下り制御信号、下りデータ信号などの生成を制御する。
【0123】
制御部301は、UEから送信されるUE能力情報(例えば、ULとDLの同時送受信有無等)に基づいて、各セルに設定されるスロットフォーマットを制御してもよい。例えば、制御部301は、フルデュプレックス通信若しくはUL信号とDL信号の同時送受信をサポートしていないユーザ端末、又はハーフデュプレックスを適用するユーザ端末に対して、所定周波数領域に含まれる複数のセルについて同じスロットフォーマットに関する情報を送信するように制御してもよい。
【0124】
あるいは、制御部301は、UL信号とDL信号の同時送受信をサポートしない旨が通知されたバンドの組み合わせ、又はUL信号とDL信号の同時送受信をサポートする旨が通知されないバンドの組み合わせについて同じスロットフォーマットに関する情報を送信するように制御してもよい。
【0125】
送信信号生成部302は、制御部301からの指示に基づいて、下り信号(下り制御信号、下りデータ信号、下り参照信号など)を生成して、マッピング部303に出力する。送信信号生成部302は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号生成器、信号生成回路又は信号生成装置から構成することができる。
【0126】
送信信号生成部302は、例えば、制御部301からの指示に基づいて、下りデータの割り当て情報を通知するDLアサインメント及び/又は上りデータの割り当て情報を通知するULグラントを生成する。DLアサインメント及びULグラントは、いずれもDCIであり、DCIフォーマットに従う。また、下りデータ信号には、各ユーザ端末20からのチャネル状態情報(CSI:Channel State Information)などに基づいて決定された符号化率、変調方式などに従って符号化処理、変調処理などが行われる。
【0127】
マッピング部303は、制御部301からの指示に基づいて、送信信号生成部302で生成された下り信号を、所定の無線リソースにマッピングして、送受信部103に出力する。マッピング部303は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路又はマッピング装置から構成することができる。
【0128】
受信信号処理部304は、送受信部103から入力された受信信号に対して、受信処理(例えば、デマッピング、復調、復号など)を行う。ここで、受信信号は、例えば、ユーザ端末20から送信される上り信号(上り制御信号、上りデータ信号、上り参照信号など)である。受信信号処理部304は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路又は信号処理装置から構成することができる。
【0129】
受信信号処理部304は、受信処理によって復号された情報を制御部301に出力する。例えば、HARQ-ACKを含むPUCCHを受信した場合、HARQ-ACKを制御部301に出力する。また、受信信号処理部304は、受信信号及び/又は受信処理後の信号を、測定部305に出力する。
【0130】
測定部305は、受信した信号に関する測定を実施する。測定部305は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される測定器、測定回路又は測定装置から構成することができる。
【0131】
例えば、測定部305は、受信した信号に基づいて、RRM(Radio Resource Management)測定、CSI(Channel State Information)測定などを行ってもよい。測定部305は、受信電力(例えば、RSRP(Reference Signal Received Power))、受信品質(例えば、RSRQ(Reference Signal Received Quality)、SINR(Signal to Interference plus Noise Ratio)、SNR(Signal to Noise Ratio))、信号強度(例えば、RSSI(Received Signal Strength Indicator))、伝搬路情報(例えば、CSI)などについて測定してもよい。測定結果は、制御部301に出力されてもよい。
【0132】
<ユーザ端末>
図12は、本実施の形態に係るユーザ端末の全体構成の一例を示す図である。ユーザ端末20は、複数の送受信アンテナ201と、アンプ部202と、送受信部203と、ベースバンド信号処理部204と、アプリケーション部205と、を備えている。なお、送受信アンテナ201、アンプ部202、送受信部203は、それぞれ1つ以上を含むように構成されればよい。
【0133】
送受信アンテナ201で受信された無線周波数信号は、アンプ部202で増幅される。送受信部203は、アンプ部202で増幅された下り信号を受信する。送受信部203は、受信信号をベースバンド信号に周波数変換して、ベースバンド信号処理部204に出力する。送受信部203は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるトランスミッター/レシーバー、送受信回路又は送受信装置から構成することができる。なお、送受信部203は、一体の送受信部として構成されてもよいし、送信部及び受信部から構成されてもよい。
【0134】
ベースバンド信号処理部204は、入力されたベースバンド信号に対して、FFT処理、誤り訂正復号、再送制御の受信処理などを行う。下りリンクのユーザデータは、アプリケーション部205に転送される。アプリケーション部205は、物理レイヤ及びMACレイヤより上位のレイヤに関する処理などを行う。また、下りリンクのデータのうち、ブロードキャスト情報もアプリケーション部205に転送されてもよい。
【0135】
一方、上りリンクのユーザデータについては、アプリケーション部205からベースバンド信号処理部204に入力される。ベースバンド信号処理部204では、再送制御の送信処理(例えば、HARQの送信処理)、チャネル符号化、プリコーディング、離散フーリエ変換(DFT:Discrete Fourier Transform)処理、IFFT処理などが行われて送受信部203に転送される。
【0136】
送受信部203は、ベースバンド信号処理部204から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換して送信する。送受信部203で周波数変換された無線周波数信号は、アンプ部202によって増幅され、送受信アンテナ201から送信される。
【0137】
なお、送受信部203は、アナログビームフォーミングを実施するアナログビームフォーミング部をさらに有してもよい。アナログビームフォーミング部は、本発明に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるアナログビームフォーミング回路(例えば、位相シフタ、位相シフト回路)又はアナログビームフォーミング装置(例えば、位相シフト器)から構成することができる。また、送受信アンテナ201は、例えばアレーアンテナにより構成することができる。また、送受信部203は、シングルBF、マルチBFを適用できるように構成されている。
【0138】
また、送受信部203は、無線基地局10から下り(DL)信号(DLデータ信号(下り共有チャネル)、DL制御信号(下り制御チャネル)、DL参照信号の少なくとも一つを含む)を受信し、無線基地局10に対して上り(UL)信号(ULデータ信号、UL制御信号、UL参照信号の少なくとも一つを含む)を送信する。
【0139】
また、送受信部203は、1以上のセルのスロットフォーマットに関する情報を受信する。送受信部203は、スロットフォーマットに関する情報を、上位レイヤ(例えば、RRCシグナリング、又は報知信号)及び下り制御情報の少なくとも一方を利用して受信してもよい。
【0140】
図13は、本実施の形態に係るユーザ端末の機能構成の一例を示す図である。なお、本例においては、本実施の形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、ユーザ端末20は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有すると想定されてもよい。
【0141】
ユーザ端末20が有するベースバンド信号処理部204は、制御部401と、送信信号生成部402と、マッピング部403と、受信信号処理部404と、測定部405と、を少なくとも備えている。なお、これらの構成は、ユーザ端末20に含まれていればよく、一部又は全部の構成がベースバンド信号処理部204に含まれなくてもよい。
【0142】
制御部401は、ユーザ端末20全体の制御を実施する。制御部401は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるコントローラ、制御回路又は制御装置から構成することができる。
【0143】
制御部401は、例えば、送信信号生成部402における信号の生成、マッピング部403における信号の割り当てなどを制御する。また、制御部401は、受信信号処理部404における信号の受信処理、測定部405における信号の測定などを制御する。
【0144】
制御部401は、無線基地局10から送信された下り制御信号及び下りデータ信号を、受信信号処理部404から取得する。制御部401は、下り制御信号及び/又は下りデータ信号に対する再送制御の要否を判定した結果などに基づいて、上り制御信号及び/又は上りデータ信号の生成を制御する。
【0145】
制御部401は、UE能力情報(例えば、ULとDLの同時送受信有無等)に基づいて、各セルに設定されるスロットフォーマットを制御してもよい。例えば、制御部401は、基地局から送信されるスロットフォーマットに関する情報と、フルデュプレックス通信のサポート有無又はUL信号とDL信号の同時送受信のサポート有無とに基づいて、各セルのスロットフォーマットを決定してもよい。
【0146】
また、制御部401は、フルデュプレックス通信若しくはUL信号とDL信号の同時送受信をサポートしていない場合、又はハーフデュプレックスを適用する場合、所定周波数領域に含まれる複数のセルに同じスロットフォーマットを適用してもよい。
【0147】
また、制御部401は、所定セルについて通知されたスロットフォーマットに関する情報に基づいて、所定周波数領域に含まれる他のセルのスロットフォーマットを決定してもよい(第2の態様の<態様1>、<態様2>等)。あるいは、制御部401は、所定周波数領域に含まれる複数のセルについてそれぞれ通知されるスロットフォーマットに関する情報が同じであると想定してもよい(第2の態様の<態様1>、<態様2>等)。あるいは、制御部401は、UL信号とDL信号の同時送受信をサポートしない旨を通知したバンドの組み合わせ、又はUL信号とDL信号の同時送受信をサポートする旨を通知しないバンドの組み合わせに対して、所定セルについて通知された同じスロットフォーマットを適用してもよい(第2の態様の<態様3>等)。
【0148】
また、制御部401は、DL信号の受信期間と、DL信号を受信したDLシンボルから所定範囲の期間とにおいてUL信号の送信を想定せず、且つUL信号の送信期間においてDL信号の受信を想定せずに送受信を行うように制御してもよい(第1の態様等)。
【0149】
送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて、上り信号(上り制御信号、上りデータ信号、上り参照信号など)を生成して、マッピング部403に出力する。送信信号生成部402は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号生成器、信号生成回路又は信号生成装置から構成することができる。
【0150】
送信信号生成部402は、例えば、制御部401からの指示に基づいて、送達確認情報、チャネル状態情報(CSI)などに関する上り制御信号を生成する。また、送信信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて上りデータ信号を生成する。例えば、送信信号生成部402は、無線基地局10から通知される下り制御信号にULグラントが含まれている場合に、制御部401から上りデータ信号の生成を指示される。
【0151】
マッピング部403は、制御部401からの指示に基づいて、送信信号生成部402で生成された上り信号を無線リソースにマッピングして、送受信部203へ出力する。マッピング部403は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明されるマッパー、マッピング回路又はマッピング装置から構成することができる。
【0152】
受信信号処理部404は、送受信部203から入力された受信信号に対して、受信処理(例えば、デマッピング、復調、復号など)を行う。ここで、受信信号は、例えば、無線基地局10から送信される下り信号(下り制御信号、下りデータ信号、下り参照信号など)である。受信信号処理部404は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される信号処理器、信号処理回路又は信号処理装置から構成することができる。また、受信信号処理部404は、本開示に係る受信部を構成することができる。
【0153】
受信信号処理部404は、受信処理によって復号された情報を制御部401に出力する。受信信号処理部404は、例えば、ブロードキャスト情報、システム情報、RRCシグナリング、DCIなどを、制御部401に出力する。また、受信信号処理部404は、受信信号及び/又は受信処理後の信号を、測定部405に出力する。
【0154】
測定部405は、受信した信号に関する測定を実施する。測定部405は、本開示に係る技術分野での共通認識に基づいて説明される測定器、測定回路又は測定装置から構成することができる。
【0155】
例えば、測定部405は、受信した信号に基づいて、RRM測定、CSI測定などを行ってもよい。測定部405は、受信電力(例えば、RSRP)、受信品質(例えば、RSRQ、SINR、SNR)、信号強度(例えば、RSSI)、伝搬路情報(例えば、CSI)などについて測定してもよい。測定結果は、制御部401に出力されてもよい。
【0156】
(ハードウェア構成)
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0157】
ここで、機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、みなし、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。例えば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)、送信機(transmitter)などと呼称されてもよい。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0158】
例えば、本開示の一実施形態における基地局、ユーザ端末などは、本開示の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。
図14は、一実施形態に係る基地局及びユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の基地局10及びユーザ端末20は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0159】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。基地局10及びユーザ端末20のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0160】
例えば、プロセッサ1001は1つだけ図示されているが、複数のプロセッサがあってもよい。また、処理は、1のプロセッサによって実行されてもよいし、処理が同時に、逐次に、又はその他の手法を用いて、2以上のプロセッサによって実行されてもよい。なお、プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。
【0161】
基地局10及びユーザ端末20における各機能は、例えば、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004を介する通信を制御したり、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0162】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。例えば、上述のベースバンド信号処理部104(204)、呼処理部105などは、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
【0163】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール、データなどを、ストレージ1003及び通信装置1004の少なくとも一方からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、ユーザ端末20の制御部401は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001において動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。
【0164】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)、RAM(Random Access Memory)、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つによって構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本開示の一実施形態に係る無線通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0165】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、フレキシブルディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD-ROM(Compact Disc ROM)など)、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、リムーバブルディスク、ハードディスクドライブ、スマートカード、フラッシュメモリデバイス(例えば、カード、スティック、キードライブ)、磁気ストライプ、データベース、サーバ、その他の適切な記憶媒体の少なくとも1つによって構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。
【0166】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。例えば、上述の送受信アンテナ101(201)、アンプ部102(202)、送受信部103(203)、伝送路インターフェース106などは、通信装置1004によって実現されてもよい。送受信部103は、送信部103aと受信部103bとで、物理的に又は論理的に分離された実装がなされてもよい。
【0167】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LED(Light Emitting Diode)ランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0168】
また、プロセッサ1001、メモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0169】
また、基地局10及びユーザ端末20は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアを用いて各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0170】
(変形例)
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及びシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。参照信号は、RS(Reference Signal)と略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)、パイロット信号などと呼ばれてもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、セル、周波数キャリア、キャリア周波数などと呼ばれてもよい。
【0171】
無線フレームは、時間領域において1つ又は複数の期間(フレーム)によって構成されてもよい。無線フレームを構成する当該1つ又は複数の各期間(フレーム)は、サブフレームと呼ばれてもよい。さらに、サブフレームは、時間領域において1つ又は複数のスロットによって構成されてもよい。サブフレームは、ニューメロロジー(numerology)に依存しない固定の時間長(例えば、1ms)であってもよい。
【0172】
ここで、ニューメロロジーは、ある信号又はチャネルの送信及び受信の少なくとも一方に適用される通信パラメータであってもよい。ニューメロロジーは、例えば、サブキャリア間隔(SCS:SubCarrier Spacing)、帯域幅、シンボル長、サイクリックプレフィックス長、送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)、TTIあたりのシンボル数、無線フレーム構成、送受信機が周波数領域において行う特定のフィルタリング処理、送受信機が時間領域において行う特定のウィンドウイング処理などの少なくとも1つを示してもよい。
【0173】
スロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボル(OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボル、SC-FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)シンボルなど)によって構成されてもよい。また、スロットは、ニューメロロジーに基づく時間単位であってもよい。
【0174】
スロットは、複数のミニスロットを含んでもよい。各ミニスロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボルによって構成されてもよい。また、ミニスロットは、サブスロットと呼ばれてもよい。ミニスロットは、スロットよりも少ない数のシンボルによって構成されてもよい。ミニスロットより大きい時間単位で送信されるPDSCH(又はPUSCH)は、PDSCH(PUSCH)マッピングタイプAと呼ばれてもよい。ミニスロットを用いて送信されるPDSCH(又はPUSCH)は、PDSCH(PUSCH)マッピングタイプBと呼ばれてもよい。
【0175】
無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、いずれも信号を伝送する際の時間単位を表す。無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、それぞれに対応する別の呼称が用いられてもよい。なお、本開示におけるフレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット、シンボルなどの時間単位は、互いに読み替えられてもよい。
【0176】
例えば、1サブフレームは送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)と呼ばれてもよいし、複数の連続したサブフレームがTTIと呼ばれてよいし、1スロット又は1ミニスロットがTTIと呼ばれてもよい。つまり、サブフレーム及びTTIの少なくとも一方は、既存のLTEにおけるサブフレーム(1ms)であってもよいし、1msより短い期間(例えば、1-13シンボル)であってもよいし、1msより長い期間であってもよい。なお、TTIを表す単位は、サブフレームではなくスロット、ミニスロットなどと呼ばれてもよい。
【0177】
ここで、TTIは、例えば、無線通信におけるスケジューリングの最小時間単位のことをいう。例えば、LTEシステムでは、基地局が各ユーザ端末に対して、無線リソース(各ユーザ端末において使用することが可能な周波数帯域幅、送信電力など)を、TTI単位で割り当てるスケジューリングを行う。なお、TTIの定義はこれに限られない。
【0178】
TTIは、チャネル符号化されたデータパケット(トランスポートブロック)、コードブロック、コードワードなどの送信時間単位であってもよいし、スケジューリング、リンクアダプテーションなどの処理単位となってもよい。なお、TTIが与えられたとき、実際にトランスポートブロック、コードブロック、コードワードなどがマッピングされる時間区間(例えば、シンボル数)は、当該TTIよりも短くてもよい。
【0179】
なお、1スロット又は1ミニスロットがTTIと呼ばれる場合、1以上のTTI(すなわち、1以上のスロット又は1以上のミニスロット)が、スケジューリングの最小時間単位となってもよい。また、当該スケジューリングの最小時間単位を構成するスロット数(ミニスロット数)は制御されてもよい。
【0180】
1msの時間長を有するTTIは、通常TTI(LTE Rel.8-12におけるTTI)、ノーマルTTI、ロングTTI、通常サブフレーム、ノーマルサブフレーム、ロングサブフレーム、スロットなどと呼ばれてもよい。通常TTIより短いTTIは、短縮TTI、ショートTTI、部分TTI(partial又はfractional TTI)、短縮サブフレーム、ショートサブフレーム、ミニスロット、サブスロット、スロットなどと呼ばれてもよい。
【0181】
なお、ロングTTI(例えば、通常TTI、サブフレームなど)は、1msを超える時間長を有するTTIで読み替えてもよいし、ショートTTI(例えば、短縮TTIなど)は、ロングTTIのTTI長未満かつ1ms以上のTTI長を有するTTIで読み替えてもよい。
【0182】
リソースブロック(RB:Resource Block)は、時間領域及び周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域において、1つ又は複数個の連続した副搬送波(サブキャリア(subcarrier))を含んでもよい。RBに含まれるサブキャリアの数は、ニューメロロジーに関わらず同じであってもよく、例えば12であってもよい。RBに含まれるサブキャリアの数は、ニューメロロジーに基づいて決定されてもよい。
【0183】
また、RBは、時間領域において、1つ又は複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1ミニスロット、1サブフレーム又は1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームなどは、それぞれ1つ又は複数のリソースブロックによって構成されてもよい。
【0184】
なお、1つ又は複数のRBは、物理リソースブロック(PRB:Physical RB)、サブキャリアグループ(SCG:Sub-Carrier Group)、リソースエレメントグループ(REG:Resource Element Group)、PRBペア、RBペアなどと呼ばれてもよい。
【0185】
また、リソースブロックは、1つ又は複数のリソースエレメント(RE:Resource Element)によって構成されてもよい。例えば、1REは、1サブキャリア及び1シンボルの無線リソース領域であってもよい。
【0186】
帯域幅部分(BWP:Bandwidth Part)(部分帯域幅などと呼ばれてもよい)は、あるキャリアにおいて、あるニューメロロジー用の連続する共通RB(common resource blocks)のサブセットのことを表してもよい。ここで、共通RBは、当該キャリアの共通参照ポイントを基準としたRBのインデックスによって特定されてもよい。PRBは、あるBWPで定義され、当該BWP内で番号付けされてもよい。
【0187】
BWPには、UL用のBWP(UL BWP)と、DL用のBWP(DL BWP)とが含まれてもよい。UEに対して、1キャリア内に1つ又は複数のBWPが設定されてもよい。
【0188】
設定されたBWPの少なくとも1つがアクティブであってもよく、UEは、アクティブなBWPの外で所定の信号/チャネルを送受信することを想定しなくてもよい。なお、本開示における「セル」、「キャリア」などは、「BWP」で読み替えられてもよい。
【0189】
なお、上述した無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルなどの構造は例示に過ぎない。例えば、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレーム又は無線フレームあたりのスロットの数、スロット内に含まれるミニスロットの数、スロット又はミニスロットに含まれるシンボル及びRBの数、RBに含まれるサブキャリアの数、並びにTTI内のシンボル数、シンボル長、サイクリックプレフィックス(CP:Cyclic Prefix)長などの構成は、様々に変更することができる。
【0190】
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースは、所定のインデックスによって指示されてもよい。
【0191】
本開示においてパラメータなどに使用する名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式などは、本開示において明示的に開示したものと異なってもよい。様々なチャネル(PUCCH(Physical Uplink Control Channel)、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)など)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
【0192】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0193】
また、情報、信号などは、上位レイヤから下位レイヤ及び下位レイヤから上位レイヤの少なくとも一方へ出力され得る。情報、信号などは、複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0194】
入出力された情報、信号などは、特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報、信号などは、上書き、更新又は追記をされ得る。出力された情報、信号などは、削除されてもよい。入力された情報、信号などは、他の装置へ送信されてもよい。
【0195】
情報の通知は、本開示において説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、下り制御情報(DCI:Downlink Control Information)、上り制御情報(UCI:Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、ブロードキャスト情報(マスタ情報ブロック(MIB:Master Information Block)、システム情報ブロック(SIB:System Information Block)など)、MAC(Medium Access Control)シグナリング)、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。
【0196】
なお、物理レイヤシグナリングは、L1/L2(Layer 1/Layer 2)制御情報(L1/L2制御信号)、L1制御情報(L1制御信号)などと呼ばれてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRCConnectionSetup)メッセージ、RRC接続再構成(RRCConnectionReconfiguration)メッセージなどであってもよい。また、MACシグナリングは、例えば、MAC制御要素(MAC CE(Control Element))を用いて通知されてもよい。
【0197】
また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的な通知に限られず、暗示的に(例えば、当該所定の情報の通知を行わないことによって又は別の情報の通知によって)行われてもよい。
【0198】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真(true)又は偽(false)で表される真偽値(boolean)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0199】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0200】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0201】
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用され得る。
【0202】
本開示において、「プリコーディング」、「プリコーダ」、「ウェイト(プリコーディングウェイト)」、「擬似コロケーション(QCL:Quasi-Co-Location)」、「送信電力」、「位相回転」、「アンテナポート」、「アンテナポートグル-プ」、「レイヤ」、「レイヤ数」、「ランク」、「ビーム」、「ビーム幅」、「ビーム角度」、「アンテナ」、「アンテナ素子」、「パネル」などの用語は、互換的に使用され得る。
【0203】
本開示においては、「基地局(BS:Base Station)」、「無線基地局」、「固定局(fixed station)」、「NodeB」、「eNodeB(eNB)」、「gNodeB(gNB)」、「アクセスポイント(access point)」、「送信ポイント(TP:Transmission Point)」、「受信ポイント(RP:Reception Point)」、「送受信ポイント(TRP:Transmission/Reception Point)」、「パネル」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」、「コンポーネントキャリア」などの用語は、互換的に使用され得る。基地局は、マクロセル、スモールセル、フェムトセル、ピコセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
【0204】
基地局は、1つ又は複数(例えば、3つ)のセルを収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(RRH:Remote Radio Head))によって通信サービスを提供することもできる。「セル」又は「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局及び基地局サブシステムの少なくとも一方のカバレッジエリアの一部又は全体を指す。
【0205】
本開示においては、「移動局(MS:Mobile Station)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
【0206】
移動局は、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0207】
基地局及び移動局の少なくとも一方は、送信装置、受信装置、通信装置などと呼ばれてもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、移動体に搭載されたデバイス、移動体自体などであってもよい。当該移動体は、乗り物(例えば、車、飛行機など)であってもよいし、無人で動く移動体(例えば、ドローン、自動運転車など)であってもよいし、ロボット(有人型又は無人型)であってもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、必ずしも通信動作時に移動しない装置も含む。例えば、基地局及び移動局の少なくとも一方は、センサなどのIoT(Internet of Things)機器であってもよい。
【0208】
また、本開示における基地局は、ユーザ端末で読み替えてもよい。例えば、基地局及びユーザ端末間の通信を、複数のユーザ端末間の通信(例えば、D2D(Device-to-Device)、V2X(Vehicle-to-Everything)などと呼ばれてもよい)に置き換えた構成について、本開示の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、上述の基地局10が有する機能をユーザ端末20が有する構成としてもよい。また、「上り」、「下り」などの文言は、端末間通信に対応する文言(例えば、「サイド(side)」)で読み替えられてもよい。例えば、上りチャネル、下りチャネルなどは、サイドチャネルで読み替えられてもよい。
【0209】
同様に、本開示におけるユーザ端末は、基地局で読み替えてもよい。この場合、上述のユーザ端末20が有する機能を基地局10が有する構成としてもよい。
【0210】
本開示において、基地局によって行われるとした動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局を有する1つ又は複数のネットワークノード(network nodes)を含むネットワークにおいて、端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局、基地局以外の1つ以上のネットワークノード(例えば、MME(Mobility Management Entity)、S-GW(Serving-Gateway)などが考えられるが、これらに限られない)又はこれらの組み合わせによって行われ得ることは明らかである。
【0211】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、本開示において説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0212】
本開示において説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、LTE-B(LTE-Beyond)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、New-RAT(Radio Access Technology)、NR(New Radio)、NX(New radio access)、FX(Future generation radio access)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile communications)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切な無線通信方法を利用するシステム、これらに基づいて拡張された次世代システムなどに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE又はLTE-Aと、5Gとの組み合わせなど)適用されてもよい。
【0213】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0214】
本開示において使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素の参照は、2つの要素のみが採用され得ること又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0215】
本開示において使用する「判断(決定)(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。例えば、「判断(決定)」は、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。
【0216】
また、「判断(決定)」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。
【0217】
また、「判断(決定)」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などを「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。つまり、「判断(決定)」は、何らかの動作を「判断(決定)」することであるとみなされてもよい。
【0218】
また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0219】
本開示において使用する「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的であっても、論理的であっても、あるいはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。
【0220】
本開示において、2つの要素が接続される場合、1つ以上の電線、ケーブル、プリント電気接続などを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域、光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0221】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【0222】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びこれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0223】
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳によって冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0224】
以上、本開示に係る発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示に係る発明が本開示中に説明した実施形態に限定されないということは明らかである。本開示に係る発明は、請求の範囲の記載に基づいて定まる発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とし、本開示に係る発明に対して何ら制限的な意味をもたらさない。