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特許7431180ロータ、モータ、およびロータの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-05
(45)【発行日】2024-02-14
(54)【発明の名称】ロータ、モータ、およびロータの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H02K 1/2726 20220101AFI20240206BHJP
   H02K 15/03 20060101ALI20240206BHJP
【FI】
H02K1/2726
H02K15/03 Z
【請求項の数】 28
(21)【出願番号】P 2020569377
(86)(22)【出願日】2019-11-01
(86)【国際出願番号】 JP2019043052
(87)【国際公開番号】W WO2020158083
(87)【国際公開日】2020-08-06
【審査請求日】2022-10-06
(31)【優先権主張番号】P 2019015586
(32)【優先日】2019-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】ニデックインスツルメンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100125690
【弁理士】
【氏名又は名称】小平 晋
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【弁理士】
【氏名又は名称】河口 伸子
(72)【発明者】
【氏名】小菅 将洋
(72)【発明者】
【氏名】五明 正人
(72)【発明者】
【氏名】山本 和磨
【審査官】谿花 正由輝
(56)【参考文献】
【文献】特開平02-241339(JP,A)
【文献】特開昭63-092246(JP,A)
【文献】特開平04-183238(JP,A)
【文献】特開2017-158340(JP,A)
【文献】特開昭57-097354(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0097413(US,A1)
【文献】特開平05-244738(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 1/2726
H02K 15/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸と、
前記回転軸が貫通する貫通穴が設けられた円筒状の磁石と、
前記回転軸の軸線方向の一方側から前記磁石に被さる円環状の第1底板部、および前記第1底板部から前記軸線方向の他方側に突出して、前記磁石の外周面のうち、前記一方側の第1部分を覆う円筒状の第1胴部を備えた第1ホルダと、
前記他方側から前記磁石に被さる円環状の第2底板部、および前記第2底板部から前記一方側に突出して、前記磁石の外周面のうち、前記他方側の第2部分を覆う円筒状の第2胴部を備えた第2ホルダと、
を有し、
前記磁石は、前記第1胴部の内部および前記第2胴部の内部に圧入され、
前記第1胴部の前記他方側の端部である第1端部と前記第2胴部の前記一方側の端部である第2端部とが接合され、
前記第1端部の内径、および前記第2端部の内径は、前記磁石の外径より大きいことを特徴とするロータ。
【請求項2】
請求項1に記載のロータにおいて、
前記第1端部は、前記第1胴部から径方向外側に湾曲した第1フランジ部を備え、
前記第2端部は、前記第2胴部から径方向外側に湾曲した第2フランジ部を備え、
前記第1フランジ部と前記第2フランジ部とが接合されていることを特徴とするロータ。
【請求項3】
請求項2に記載のロータにおいて、
前記第1フランジ部と前記第2フランジ部とは全周にわたって溶接により接合されていることを特徴とするロータ。
【請求項4】
請求項3に記載のロータにおいて、
前記第1胴部および前記第2胴部は、前記軸線方向の途中部分が径方向内側に向かって湾曲していることを特徴とするロータ。
【請求項5】
請求項3に記載のロータにおいて、
前記第1フランジ部と前記第2フランジ部との間は溶接時の溶融部分によって埋まっていることを特徴とするロータ。
【請求項6】
請求項1から5までの何れか一項に記載のロータにおいて、
前記回転軸には、前記第1ホルダに前記一方側から重なる円環状の第1支持板と、前記第2ホルダに前記他方側から重なる円環状の第2支持板と、が固定されていることを特徴とするロータ。
【請求項7】
請求項6に記載のロータにおいて、
前記第1底板部と前記第1支持板とは接合され、
前記第2底板部と前記第2支持板とは接合されていることを特徴とするロータ。
【請求項8】
回転軸と、
前記回転軸が貫通する貫通穴が設けられた円筒状の磁石と、
前記回転軸の軸線方向の一方側から前記磁石に被さる円環状の第1底板部、および前記第1底板部から前記軸線方向の他方側に突出して、前記磁石の外周面を覆う円筒状の第1胴部を備えた第1ホルダと、
前記他方側から前記磁石に被さった円環状の第2ホルダと、
を有し、
前記磁石は、前記第1胴部の内部に圧入され、
前記第1胴部の前記他方側の端部である第1端部と前記第2ホルダとが接合され、
前記第1端部の内径は、前記磁石の外径より大きいことを特徴とするロータ。
【請求項9】
請求項8に記載のロータにおいて、
前記第1端部は、前記第1胴部から径方向外側に湾曲した第1フランジ部を備え、
前記第1フランジ部と前記第2ホルダとが接合されていることを特徴とするロータ。
【請求項10】
請求項2または9に記載のロータにおいて、
前記第1フランジ部は、前記第2ホルダとの当接によって前記一方側に弾性変形していることを特徴とするロータ。
【請求項11】
請求項10に記載のロータにおいて、
前記第1フランジ部は、径方向の途中部分が前記第2ホルダと当接し、
前記第1フランジ部の前記途中部分より径方向外側の先端部分は、前記一方側に向けて反っていることを特徴とするロータ。
【請求項12】
請求項10に記載のロータにおいて、
前記第1底板部は、径方向の中心側に位置する円形領域と、前記円形領域と前記第1胴部とを繋ぐ円環状領域とを備え、
前記円形領域は、前記円環状領域より前記第2ホルダとは反対側に位置することを特徴とするロータ。
【請求項13】
請求項12に記載のロータにおいて、
前記円形領域と前記円環状領域との間は段部になっていることを特徴とするロータ。
【請求項14】
請求項12に記載のロータにおいて、
前記円環状領域は、前記円形領域に対して斜めに傾いた傾斜面になっていることを特徴とするロータ。
【請求項15】
請求項1または8に記載のロータにおいて、
前記磁石は、焼結磁石であることを特徴とするロータ。
【請求項16】
請求項1または8に記載のロータと、前記ロータと対向するステータと、を有することを特徴とするモータ。
【請求項17】
回転軸と、
前記回転軸が貫通する貫通穴が設けられた円筒状の磁石と、
前記回転軸の軸線方向の一方側から前記磁石に被さる円環状の第1底板部、および前記第1底板部から前記軸線方向の他方側に突出して、前記磁石の外周面のうち、前記一方側の第1部分を覆う円筒状の第1胴部を備えた第1ホルダと、
前記他方側から前記磁石に被さる円環状の第2底板部、および前記第2底板部から前記一方側に突出して、前記磁石の外周面のうち、前記他方側の第2部分を覆う円筒状の第2胴部を備えた第2ホルダと、
を有するロータの製造方法において、
前記第1胴部の内径および前記第2胴部の内径を前記軸線方向の少なくとも一部で前記磁石の外径より小さくし、前記第1胴部の前記他方側の端部である第1端部の内径、および前記第2胴部の前記一方側の端部である第2端部の内径を前記磁石の外径より大きくしておき、
前記第1ホルダを前記回転軸に固定する第1工程と、
前記第1胴部の内側に前記磁石の前記第1部分を圧入する第2工程と、
前記第2胴部の内側に前記磁石の前記第2部分が圧入されるように前記第2ホルダを前記回転軸に固定する第3工程と、
前記第1端部と前記第2端部とを接合する第4工程と、
を有することを特徴とするロータの製造方法。
【請求項18】
請求項17に記載のロータの製造方法において、
前記第1端部は、前記第1胴部から径方向外側に湾曲した第1フランジ部を備え、
前記第2端部は、前記第2胴部から径方向外側に湾曲した第2フランジ部を備え、
前記第4工程では、前記第1フランジ部と前記第2フランジ部とを接合することを特徴とするロータの製造方法。
【請求項19】
請求項18に記載のロータの製造方法において、
前記第4工程では、前記第1フランジ部と前記第2フランジ部とを全周にわたって溶接により接合することを特徴とするロータの製造方法。
【請求項20】
請求項19に記載のロータの製造方法において、
前記第4工程では、前記軸線方向に対して斜めに傾いた方向からレーザ光を照射して前記第1フランジ部と前記第2フランジ部とをレーザ溶接により接合することを特徴とするロータの製造方法。
【請求項21】
請求項19に記載のロータの製造方法において、
前記第3工程の後、前記第4工程の前に、前記第1胴部と前記第2胴部とが前記軸線方向で接近する方向の負荷を印加して前記第1フランジ部と前記第2フランジ部との隙間を狭めることを特徴とするロータの製造方法。
【請求項22】
請求項19に記載のロータの製造方法において、
前記第4工程では、前記第1フランジ部と前記第2フランジ部との間が埋まるように前記第1フランジ部および前記第2フランジ部を溶融させることを特徴とするロータの製造方法。
【請求項23】
請求項21または22に記載のロータの製造方法において、
前記第4工程を行う際、前記第1フランジ部と前記第2フランジ部との隙間は、前記第1胴部から径方向外側への前記第1フランジ部の突出寸法、および前記第2胴部から径方向外側への前記第2フランジ部の突出寸法より狭いことを特徴とするロータの製造方法。
【請求項24】
請求項21または22に記載のロータの製造方法において、
前記第4工程を行う際、前記第1フランジ部と前記第2フランジ部との隙間は、前記第1フランジ部の厚さ、および前記第2フランジ部の厚さより狭いことを特徴とするロータの製造方法。
【請求項25】
請求項17から20までの何れか一項に記載のロータの製造方法において、
前記第1工程では、前記第1ホルダに前記一方側から重なる円環状の第1支持板を前記回転軸に固定することによって前記第1ホルダを前記回転軸に固定し、
前記第3工程では、前記第2ホルダに前記他方側から重なる円環状の第2支持板を前記回転軸に固定することによって前記第2ホルダを前記回転軸に固定することを特徴とするロータの製造方法。
【請求項26】
請求項25に記載のロータの製造方法において、
前記第1底板部に前記第1支持板を接合した状態で前記第1工程を行い、
前記第2底板部に前記第2支持板を接合した状態で前記第3工程を行うことを特徴とするロータの製造方法。
【請求項27】
請求項21に記載のロータの製造方法において、
前記第1胴部と前記第2胴部とが前記軸線方向で接近する方向の負荷を印加することによって、前記第1フランジ部および前記第2フランジ部を弾性変形させ、前記第1フランジ部と前記第2フランジ部とを全周にわたって当接させることを特徴とするロータの製造方法。
【請求項28】
請求項27に記載のロータの製造方法において、
前記第1胴部と前記第2胴部とが前記軸線方向で接近する方向の負荷を印加する際、前記第1底板部と前記第2底板部との距離を目標値まで狭めることを特徴とするロータの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータ、モータ、およびロータの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
インナーロータ型のモータは、ロータと、ロータの外周側に配置されたステータとを有しており、ロータは、回転軸の外周面に保持された磁石を有している(特許文献1参照)。ここで、ロータが回転した際、磁石の脱落粉が飛散するおそれがある。そこで、磁石の外側に非磁性のパイプを嵌めた構造が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平5-146102号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、軸線方向に延在する永久磁石の周りにパイプを嵌めることは容易でないという問題点がある。
【0005】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、回転軸の周りに設けた磁石の一部が飛散することを抑制するのに適した構成のロータ、モータ、およびロータの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係るロータの一態様は、回転軸と、前記回転軸が貫通する貫通穴が設けられた円筒状の磁石と、前記回転軸の軸線方向の一方側から前記磁石に被さる円環状の第1底板部、および前記第1底板部から前記軸線方向の他方側に突出して、前記磁石の外周面のうち、前記一方側の第1部分を覆う円筒状の第1胴部を備えた第1ホルダと、前記他方側から前記磁石に被さる円環状の第2底板部、および前記第2底板部から前記一方側に突出して、前記磁石の外周面のうち、前記他方側の第2部分を覆う円筒状の第2胴部を備えた第2ホルダと、を有し、前記磁石は、前記第1胴部の内部および前記第2胴部の内部に圧入され、前記第1胴部の前記他方側の端部である第1端部と前記第2胴部の前記一方側の端部である第2端部とが接合され、前記第1端部の内径、および前記第2端部の内径は、前記磁石の外径より大きいことを特徴とする。
【0007】
本発明に係るロータにおいては、磁石の外周面のうち、軸線方向の一方側の第1部分を覆う第1ホルダと、軸線方向の他方側の第2部分を覆う第2ホルダとが設けられている。このため、ロータが高速回転した際、磁石が破損しても破片(磁石の一部)の飛散を第1ホルダおよび第2ホルダによって抑制することができる。また、第1ホルダおよび第2ホルダによって磁石を覆うので、1つのパイプで磁石を覆う場合と比較して、磁石を覆うのが容易である。また、磁石は第1ホルダの第1胴部、および第2ホルダの第2胴部に圧入されているが、第1胴部の第1端部の内径、および第2胴部の第2端部の内径が磁石の外径より大きいため、圧入が容易であるとともに、第1端部と第2端部との接合が容易である。
【0008】
本発明に係るロータにおいて、前記第1端部は、前記第1胴部から径方向外側に湾曲した第1フランジ部を備え、前記第2端部は、前記第2胴部から径方向外側に湾曲した第2フランジ部を備え、前記第1フランジ部と前記第2フランジ部とが接合されている態様を採用することができる。かかる態様によれば、第1ホルダおよび第2ホルダをプレス加工によって製作することができるとともに、第1端部と第2端部との接合が容易である。
【0009】
本発明に係るロータにおいて、前記第1フランジ部と前記第2フランジ部とは全周にわたって溶接により接合されている態様を採用することができる。かかる態様によれば、第1フランジ部と第2フランジ部との間に隙間が発生しにくいので、磁石を第1ホルダおよび第2ホルダに圧入した際に発生した脱落粉(磁石の一部)の飛散を抑制することができる。
【0010】
本発明に係るロータにおいて、前記第1胴部および前記第2胴部は、前記軸線方向の途中部分が径方向内側に向かって湾曲している態様を採用することができる。第1胴部と第2胴部とが軸線方向で接近する方向の負荷を印加して第1フランジ部と第2フランジ部との隙間を狭めて、第1フランジ部および第2フランジ部を溶接しやすい構造とした際、第1胴部および第2胴部は、軸線方向の途中部分が径方向内側に向かって湾曲することがある。かかる態様によれば、第1ホルダおよび第2ホルダは、磁石をより確実に保持することができる。
【0011】
本発明に係るロータにおいて、前記第1フランジ部と前記第2フランジ部との間は溶接時の溶融部分によって埋まっている態様を採用することができる。かかる態様によれば、第1フランジ部と第2フランジ部との間に隙間が発生しにくいので、磁石からの脱落粉の飛散を抑制することができる。
【0012】
本発明に係るロータにおいて、前記回転軸には、前記第1ホルダに前記一方側から重なる円環状の第1支持板と、前記第2ホルダに前記他方側から重なる円環状の第2支持板と、が固定されている態様を採用することができる。かかる態様によれば、第1ホルダおよび第2ホルダを第1支持板および第2支持板によって回転軸に固定することができる。従って、第1ホルダの第1底板部、および第2ホルダの第2底板部の厚さが薄くてよい。また、第1支持板および第2支持板への加工等によってロータの回転バランスの調整を行うことができる。
【0013】
本発明に係るロータにおいて、前記第1底板部と前記第1支持板とは接合され、前記第2底板部と前記第2支持板とは接合されている態様を採用することができる。
【0014】
本発明に係るロータの別態様は、回転軸と、前記回転軸が貫通する貫通穴が設けられた円筒状の磁石と、前記回転軸の軸線方向の一方側から前記磁石に被さる円環状の第1底板部、および前記第1底板部から前記軸線方向の他方側に突出して、前記磁石の外周面を覆う円筒状の第1胴部を備えた第1ホルダと、前記他方側から前記磁石に被さった円環状の第2ホルダと、を有し、前記磁石は、前記第1胴部の内部に圧入され、前記第1胴部の前記他方側の端部である第1端部と前記第2ホルダとが接合され、前記第1端部の内径は、前記磁石の外径より大きい態様を採用することができる。
【0015】
本発明に係るロータにおいて、前記第1端部は、前記第1胴部から径方向外側に湾曲した第1フランジ部を備え、前記第1フランジ部と前記第2ホルダとが接合されている態様を採用することができる。
【0016】
本発明に係るロータにおいて、前記第1フランジ部は、前記第2ホルダとの当接によって前記一方側に弾性変形している態様を採用することができる。
【0017】
本発明に係るロータにおいて、前記第1フランジ部は、径方向の途中部分が前記第2ホルダと当接し、前記第1フランジ部の前記途中部分より径方向外側の部分は、前記一方側に向けて反っている態様を採用することができる。
【0018】
本発明に係るロータにおいて、前記第1底板部は、径方向の中心側に位置する円形領域と、前記円形領域と前記第1胴部とを繋ぐ円環状領域とを備え、前記円形領域は、前記円環状領域より前記第2ホルダとは反対側に位置する態様を採用することができる。
【0019】
本発明に係るロータにおいて、前記円形領域と前記円環状領域との間は段部になっている態様を採用することができる。
【0020】
本発明に係るロータにおいて、前記第1円環状領域は、前記第1円形領域に対して斜めに傾いた傾斜面になっている態様を採用することができる。
【0021】
本発明に係るロータにおいて、前記磁石は、焼結磁石である態様を採用することができる。本発明では、磁石の脱落粉が飛散しにくいので、焼結磁石を用いても高い信頼性を得ることができる。
【0022】
本発明に係るロータは、前記ロータと対向するステータとともにモータに用いられる。
【0023】
本発明は、回転軸と、前記回転軸が貫通する貫通穴が設けられた円筒状の磁石と、前記回転軸の軸線方向の一方側から前記磁石に被さる円環状の第1底板部、および前記第1底板部から前記軸線方向の他方側に突出して、前記磁石の外周面のうち、前記一方側の第1部分を覆う円筒状の第1胴部を備えた第1ホルダと、前記他方側から前記磁石に被さる円環状の第2底板部、および前記第2底板部から前記一方側に突出して、前記磁石の外周面のうち、前記他方側の第2部分を覆う円筒状の第2胴部を備えた第2ホルダと、を有するロータの製造方法において、前記第1胴部の内径および前記第2胴部の内径を前記軸線方向の少なくとも一部で前記磁石の外径より小さくし、前記第1胴部の前記他方側の端部である第1端部の内径、および前記第2胴部の前記一方側の端部である第2端部の内径を前記磁石の外径より大きくしておき、前記第1ホルダを前記回転軸に固定する第1工程と、前記第1胴部の内側に前記磁石の前記第1部分を圧入する第2工程と、前記第2胴部の内側に前記磁石の前記第2部分が圧入されるように前記第2ホルダを前記回転軸に固定する第3工程と、前記第1端部と前記第2端部とを接合する第4工程と、を有することを特徴とする。
【0024】
本発明に係るロータの製造方法においては、磁石の外周面のうち、軸線方向の一方側の第1部分を覆う第1ホルダと、軸線方向の他方側の第2部分を覆う第2ホルダとが設けられている。このため、ロータが高速回転した際、磁石の破片や脱落粉等といった磁石の一部の飛散を第1ホルダおよび第2ホルダによって抑制することができる。また、第1ホルダおよび第2ホルダによって磁石を覆うので、1つのパイプで磁石を覆う場合と比較して、磁石を覆うのが容易である。また、磁石は第1ホルダの第1胴部、および第2ホルダの第2胴部に圧入されているが、第1胴部の第1端部の内径、および第2胴部の第2端部の内径が磁石の外径より大きいため、圧入が容易であるとともに、第1端部と第2端部との接合が容易である。
【0025】
本発明に係るロータの製造方法において、前記第1端部は、前記第1胴部から径方向外側に湾曲した第1フランジ部を備え、前記第2端部は、前記第2胴部から径方向外側に湾曲した第2フランジ部を備え、前記第1フランジ部と前記第2フランジ部とが接合されている態様を採用することができる。かかる態様によれば、第1ホルダおよび第2ホルダをプレス加工によって製作することができるとともに、第1端部と第2端部との接合が容易である。
【0026】
本発明に係るロータの製造方法において、前記第4工程では、前記第1フランジ部と前記第2フランジ部とを全周にわたって溶接により接合する態様を採用することができる。かかる態様によれば、第1フランジ部と第2フランジ部との間に隙間が発生しにくいので、磁石を第1ホルダおよび第2ホルダに圧入した際に発生した脱落粉(磁石の一部)の飛散を抑制することができる。
【0027】
本発明に係るロータの製造方法において、前記第4工程では、前記軸線方向に対して斜めに傾いた方向からレーザ光を照射して前記第1フランジ部と前記第2フランジ部とをレーザ溶接により接合する態様を採用することができる。かかる態様によれば、第1フランジ部と第2フランジ部との間からレーザ光が内部に侵入しにくいので、磁石の劣化を抑制することができる。
【0028】
本発明に係るロータの製造方法において、前記第3工程の後、前記第4工程の前に、前記第1胴部と前記第2胴部とが前記軸線方向で接近する方向の負荷を印加して前記第1フランジ部と前記第2フランジ部との隙間を狭める態様を採用することができる。かかる態様によれば、第1フランジ部と第2フランジ部との接合が容易である。
【0029】
本発明に係るロータの製造方法において、前記第4工程では、前記第1フランジ部と前記第2フランジ部との間が埋まるように前記第1フランジ部および前記第2フランジ部を溶融させる態様を採用することができる。かかる態様によれば、第4工程を行う際、第1フランジ部と第2フランジ部との間に隙間が存在する場合でも、溶接によって隙間を埋めることができる。
【0030】
本発明に係るロータの製造方法において、前記第4工程を行う際、前記第1フランジ部と前記第2フランジ部との隙間は、前記第1胴部から径方向外側への前記第1フランジ部の突出寸法、および前記第2胴部から径方向外側への前記第2フランジ部の突出寸法より狭い態様を採用することができる。かかる態様によれば、第1フランジ部および第2フランジ部を溶融させて、第1フランジ部と第2フランジ部との隙間を埋めやすい。
【0031】
本発明に係るロータの製造方法において、前記第4工程を行う際、前記第1フランジ部と前記第2フランジ部との隙間は、前記第1フランジ部の厚さ、および前記第2フランジ部の厚さより狭い態様を採用することができる。かかる態様によれば、第1フランジ部および第2フランジ部を溶融させて、第1フランジ部と第2フランジ部との隙間を埋めやすい。
【0032】
本発明に係るロータの製造方法において、前記第1工程では、前記第1ホルダに前記一方側から重なる円環状の第1支持板を前記回転軸に固定することによって前記第1ホルダを前記回転軸に固定し、前記第3工程では、前記第2ホルダに前記他方側から重なる円環状の第2支持板を前記回転軸に固定することによって前記第2ホルダを前記回転軸に固定する態様を採用することができる。かかる態様によれば、第1ホルダおよび第2ホルダを第1支持板および第2支持板によって回転軸に固定することができる。従って、第1ホルダの第1底板部、および第2ホルダの第2底板部の厚さが薄くてよい。また、第1支持板および第2支持板への加工等によってロータの回転バランスの調整を行うことができる。
【0033】
本発明に係るロータの製造方法において、前記第1底板部に前記第1支持板を接合した状態で前記第1工程を行い、前記第2底板部に前記第2支持板を接合した状態で前記第3工程を行う態様を採用することができる。
【0034】
本発明に係るロータの製造方法において、前記第1胴部と前記第2胴部とが前記軸線方向で接近する方向の負荷を印加することによって、前記第1フランジ部および前記第2フランジ部を弾性変形させ、前記第1フランジ部と前記第2フランジ部とを全周にわたって当接させる態様を採用することができる。
【0035】
本発明に係るロータの製造方法において、前記第1胴部と前記第2胴部とが前記軸線方向で接近する方向の負荷を印加する際、前記第1底板部と前記第2底板部との距離を目標値まで狭める態様を採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明の実施形態に係るモータの要部を出力側からみた斜視図。
図2図1に示すモータの要部の断面図。
図3図2に示すロータを出力側からみた斜視図。
図4図3に示すロータを軸線に沿って切断したときの断面図。
図5図3に示す状態から、第1支持板、第2支持板、および第2ホルダを外した状態の説明図。
図6図3に示す磁石を通る位置でロータを軸線に直交する方向に切断したときの断面図。
図7図5に示すロータにおける磁石の貫通穴の形状等を模式的に示す説明図。
図8図5に示すロータにおける磁石の貫通穴の位置等を模式的に示す説明図。
図9】本発明の実施形態の改良例1に係るロータの説明図。
図10】本発明の実施形態の改良例2に係るロータの説明図。
図11】本発明の実施形態の改良例3に係るロータの説明図。
図12】本発明の実施形態の改良例4に係るロータの説明図。
図13】本発明の別の実施形態に係るロータの説明図。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るモータ2を説明する。本明細書において、符号Lはモータ2の軸線方向(回転軸20の軸線方向)を示す。以下に説明する実施形態において、軸線Lが延在する方向(軸線L方向)のうち、一方側L1は、回転軸20がステータ5から突出している出力側であり、他方側L2は、回転軸20がステータ5から突出している側とは反対側の反出力側である。また、軸線Lと直交する方向を径方向とし、軸線L周りを周方向とする。
【0038】
(モータ2の全体構成)
図1は、本発明の実施形態に係るモータ2の要部を出力側からみた斜視図である。図2は、図1に示すモータ2の要部の断面図である。図1および図2に示すモータ2は、3相のDCブラシレスモータであり、ロータ10と、ロータ10の外周側に配置されたステータ5とを有している、モータ2は、ステータ5がハウジング(図示せず)で覆われた状態でポンプ等に用いられる。
【0039】
ハウジングには、ロータ10の回転軸20の反出力側(軸線L方向の他方側L2)の端部付近を回転可能に支持する第1軸受部材15が保持されている。また、ハウジングには、回転軸20の軸線L方向の途中部分を回転可能に支持する第2軸受部材16が保持される。第1軸受部材15は、円環状であり、回転軸20の段部201に出力側(軸線L方向の一方側L1)から当接している。従って、回転軸20の出力側への移動は、第1軸受部材15を介してハウジングによって規制されている。回転軸20の出力側の端部は、ハウジングから突出している。
【0040】
第1軸受部材15は、円筒状のボールベアリングであり、第1軸受部材15の外輪は、円筒状のホルダ19を介してハウジングに支持されている。ホルダ19とハウジングとの間は環状のシール部材14によって封止されている。第1軸受部材15に対して反出力側では、カップ状のホルダ18がハウジングに保持され、ホルダ18の内側にはホルダ17が配置されている。ホルダ17の内側において、第1軸受部材15の内輪とホルダ18の底部との間には圧縮コイルバネ181が配置されている。第1軸受部材15の内輪は、圧縮コイルバネ181によって反出力側から支持されている。第1軸受部材15の内輪と圧縮コイルバネ181との間にはワッシャ182が配置されている。
【0041】
ステータ5は、磁性材料からなるステータコア50と、ステータコア50に被さった絶縁樹脂等からなるインシュレータ6と、コイルを構成するための導線4とを有している。ステータコア50は、薄い磁性板が積層されて形成された積層コアである。詳細な説明は省略するが、ステータコア50は、筒状のコア胴部51と、コア胴部51から径方向の内側に突出した複数の突極52とを備えており、複数の突極52は、軸線L周りに等角度間隔に設けられている。ステータコア50は、インサート成形によってインシュレータ6によって被覆される。但し、突極52の径方向内側の端面は、インシュレータ6から露出している。インシュレータ6は、突極52の周りを覆う巻回部65を有しており、導線4は、巻回部65を介して突極52の周りに巻回されて、各相(U相、V相、およびW相)のコイル40を構成する。
【0042】
(ロータ10)
図3は、図2に示すロータ10を軸線L方向の一方側L1からみた斜視図である。図4は、図3に示すロータ10を軸線Lに沿って切断したときの断面図である。図5は、図3に示すロータ10の分解斜視図である。
【0043】
図3図4および図5に示すように、ロータ10は、回転軸20と、回転軸20の外周面に配置された磁石21と、磁石21の外周面を覆うように回転軸20に固定された磁石ホルダ13とを備える。磁石21は、回転軸20が貫通する貫通穴210が形成された円筒状であり、回転軸20と同軸状に配置される。磁石ホルダ13は、磁石21を回転軸20に固定するとともに、ロータ10が回転した際に磁石21が破損して飛散することを防止する。
【0044】
磁石21の外周面215には、N極とS極とが周方向において交互に着磁されている。本形態において、磁石21は、異方性磁石であり、フェライト系、アルニコ系、希土類系の磁性粉を磁界下で円筒状に成形した焼結磁石である。磁石21の外周面215と一方側L1の第1端面213との間は、斜面218からなる面取り部分になっており、外周面215と他方側L2の第2端面214との間は、斜面219からなる面取り部分になっている。回転軸20は、外周面205が真円の棒状部材であり、例えば、ステンレス鋼からなる。磁石ホルダ13は、ステンレス鋼等の金属部材からなる。
【0045】
磁石ホルダ13は、磁石21に回転軸20の軸線L方向の一方側L1(出力側)から被さったカップ状の第1ホルダ131と、磁石21に軸線L方向の他方側L2(反出力側)から被さったカップ状の第2ホルダ136とからなる。第1ホルダ131は、磁石21の外周面215のうち、一方側L1の第1部分216を覆い、第2ホルダ136は、磁石21の外周面215のうち、他方側L2の第2部分217を覆っている。
【0046】
磁石ホルダ13は、同一形状の部品を軸線L方向で逆向きに第1ホルダ131、および第2ホルダ136として配置された構造を有している。より具体的には、第1ホルダ131は、回転軸20が圧入により嵌った軸穴133aが形成された円環状の第1底板部133と、第1底板部133の外縁から他方側L2に延在した円筒状の第1胴部134とを有している。第1底板部133は、一方側L1から磁石21に被さり、第1胴部134は、第1部分216を径方向外側から覆っている。第2ホルダ136は、回転軸20が圧入により嵌った軸穴138aが形成された円環状の第2底板部138と、第2底板部138の外縁から一方側L1に延在した円筒状の第2胴部139とを有している。第2底板部138は、他方側L2から磁石21に被さり、第2胴部139は、第2部分217を径方向外側から覆っている。
【0047】
第1ホルダ131の第1胴部134の他方側L2の端部である第1端部132と、第2ホルダ136の第2胴部139の一方側L1の端部である第2端部137とは接合されている。本形態では、第1端部132と第2端部137とは溶接によって全周にわたって接合されている。
【0048】
回転軸20には、第1ホルダ131に対して一方側L1に第1支持板11が固定され、第2ホルダ136に対して他方側L2に第2支持板12が固定されている。第1支持板11および第2支持板12には、回転軸20が圧入により嵌った軸穴111、121が形成されている。第1支持板11および第2支持板12は、ステンレス鋼等の金属部材からなる。第1支持板11は、第1ホルダ131を軸線L方向の一方側L1から支持し、第2支持板12は、第2ホルダ136を軸線L方向の他方側L2から支持している。従って、第1ホルダ131の第1底板部133、および第2ホルダ136の第2底板部138の厚さが薄くてよい。また、第1支持板11および第2支持板12への加工等によってロータ10の回転バランスの調整を行うことができる。
【0049】
本形態では、第1ホルダ131の第1底板部133と第1支持板11とは、図5に示す複数個所133cでの溶接により接合され、第2ホルダ136の第2底板部138と第2支持板12とは、第1ホルダ131の第1底板部133と第1支持板11との接合と同様、複数個所での溶接により接合されている。
【0050】
このように構成したモータ2において、磁石21の内径φ21aは、回転軸20の外径φ20より大きい。このため、磁石21の内周面211と回転軸20の外周面との間には隙間G1が空いている。また、磁石21の第1端面213と第1底板部133との間には隙間G5が空いており、磁石21の第2端面214と第2底板部138との間には隙間G7が空いている。従って、回転軸20から磁石21に加わる負荷を軽減することができる。それ故、磁石21の変形や破損を抑制することができる。
【0051】
(磁石ホルダ13等の詳細構成)
ロータ10において、磁石21を内側に配置される前の状態で、磁石21の外径φ21bは、第1胴部134の内径φ134、および第2胴部139の内径φ139より大きい。このため、磁石21は、第1胴部134の内側、および第2胴部139の内側に圧入により固定されている。これに対して、第1端部132の内径φ132、および第2端部の内径φ137は、磁石21の外径φ21bより大きい。このため、第1端部132と磁石21との間、および第2端部137と磁石21との間には隙間が形成されている。
【0052】
本形態において、第1端部132は、第1胴部134から径方向外側に曲がった第1フランジ部132aを備え、第2端部137は、第2胴部139から径方向外側に曲がった第2フランジ部137aを備えており、第1フランジ部132aと第2フランジ部137aとが接合されている。第1ホルダ131および第2ホルダ136は各々、プレス加工によって製作される。このため、第1フランジ部132aは、第1胴部134から径方向外側に湾曲した部分であり、第2フランジ部137aは、第2胴部139から径方向外側に湾曲した部分である。
【0053】
第1底板部133と第1胴部134との間の第1屈曲部分133b、および第2底板部138と第2胴部139との間の第2屈曲部分138bは湾曲している。これに対して、磁石21の外周面215と一方側L1の第1端面213との間は、斜面218からなる面取り部分になっており、外周面215と他方側L2の第2端面214との間は、斜面219からなる面取り部分になっている。このため、第1ホルダ131の第1屈曲部分133bと磁石21の斜面218との間には隙間が存在し、第2ホルダ136の第2屈曲部分138bと磁石21の斜面219との間には隙間が存在している。
【0054】
(ロータ10の製造方法)
図6は、図3に示すロータ10の製造方法を示す説明図である。なお、図6では、図4等と反対に第1ホルダ131を下側に配置した様子を示してある。ロータ10を製造するにあっては、第1ホルダ131の第1胴部134の内径φ134、および第2ホルダ136の第2胴部139の内径φ139を軸線L方向の少なくとも一部で磁石21の外径φ21bより小さくし、第1ホルダ131の第1端部132の内径φ132、および第2ホルダ136の第2端部137の内径φ137を磁石21の外径φ21bより大きくしておく。
【0055】
本形態では、まず、図6に示す前工程ST0において、第1ホルダ131の第1底板部133と第1支持板11とを複数個所での溶接により接合しておき、第2ホルダ136の第2底板部138と第2支持板12とを複数個所での溶接により接合しておく。
【0056】
次に、第1工程ST1では、第1ホルダ131を回転軸20に固定する。より具体的には、第1工程ST1では、第1ホルダ131に一方側L1から重なる円環状の第1支持板11を回転軸20に圧入により固定することによって第1ホルダ131を回転軸20に固定する。本形態では、第1底板部133に第1支持板11を接合した状態で第1工程ST1を行う。
【0057】
次に、第2工程ST2では、第1ホルダ131の第1胴部134の内側に磁石21の第1部分を圧入する。
【0058】
次に、第3工程ST3では、第2ホルダ136の第2胴部139の内側に磁石21の第2部分217が圧入されるように第2ホルダ136を回転軸20に固定する。より具体的には、第3工程ST3では、第2ホルダ136に他方側L2から重なる円環状の第2支持板12を回転軸20に固定することによって第2ホルダ136を回転軸20に固定する。本形態では、第2底板部138に第2支持板12を接合した状態で第3工程ST3を行う。
【0059】
次に、第4工程ST4では、第1ホルダ131の第1フランジ部132a(第1端部132)と第2ホルダ136の第2フランジ部137a(第2端部137)とを溶接により接合する。本形態では、軸線L方向に対して斜めに傾いた方向からレーザ光Laを照射して第1フランジ部132aと第2フランジ部137aとをレーザ溶接により接合する。
【0060】
(隙間G3の制御の第1例)
図7は、図6に示す第4工程ST4を行う際の第1フランジ部132aおよび第2フランジ部137aの様子を示す説明図である。図6に示す第4工程ST4において、第1フランジ部132aと第2フランジ部137aとを溶接する際、第1フランジ部132aと第2フランジ部137aとの間に大きな隙間G3が存在すると、溶接によって隙間が埋まらなくなる。そこで、第3工程ST3の後、第4工程ST4の前に、第1胴部134と第2胴部139とが互い接近する方向の荷重を印加する。より具体的には、第1支持板11および第2支持板12を介して第1胴部134と第2胴部139とが互い接近する方向の荷重を印加し、第1フランジ部132aと第2フランジ部137aとの間の隙間G3を狭める。その場合、図7に模式的に一点鎖線L134、L139で示すように、第1胴部134および第2胴部139は、軸線L方向の途中部分が径方向内側に向かって湾曲することになる。
【0061】
(隙間G3の制御の第2例)
図8は、図6に示す第4工程ST4を行う際の第1フランジ部132aおよび第2フランジ部137aの様子を示す説明図である。図6に示す第4工程ST4において、第1フランジ部132aと第2フランジ部137aとを溶接する際、第1フランジ部132aと第2フランジ部137aとの間に大きな隙間G3が存在すると、溶接によって隙間が埋まらなくなる。一方、第1支持板11および第2支持板12を介して第1胴部134と第2胴部139とが互い接近する方向の荷重を印加しても、第1支持板11の回転軸20との間の摩擦力や、第2支持板12と回転軸20との間の摩擦力によって、第1ホルダ131および第2ホルダ136が移動せず、隙間G3を狭めることができない場合がある。
【0062】
そこで、各部品の公差等を管理するとともに、図6を参照して説明した各工程では、各部材を圧入した際の位置を管理し、第4工程ST4を行う際の第1フランジ部132aと第2フランジ部137aとの間の隙間G3を狭めておく。例えば、隙間G3を、第1ホルダ131の第1胴部134から径方向外側への第1フランジ部132aの突出寸法d132、および第2ホルダ136の第2胴部139から径方向外側への第2フランジ部137aの突出寸法d137より狭くしておく。また、隙間G3は、第1フランジ部132aの厚さt132、および第2フランジ部137aの厚さt137より狭くしておく。例えば、突出寸法d132、d137は0.5mmであるため、隙間G3を0.05mm以下にしておく。
【0063】
そして、第4工程ST4において、第1フランジ部132aおよび第2フランジ部137aをレーザ溶接する際、第1フランジ部132aおよび第2フランジ部137aを溶融させ、溶融部分によって隙間G3を埋める。従って、第1フランジ部132aおよび第2フランジ部137aを接合に必要な分より多く溶融させることになるが、溶融部分のうち、隙間G3からはみ出た余剰な部分は、第1フランジ部132aと磁石21との間の隙間、および第2フランジ部137aとの間の隙間に流入するので、外側に流出しない。
【0064】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態のモータ2およびロータ10は、磁石21の外周面215のうち、軸線L方向の一方側L1の第1部分216を覆う第1ホルダ131と、軸線L方向の他方側L2の第2部分217を覆う第2ホルダ136とが設けられている。このため、ロータ10が高速回転した際、磁石21が破損しても破片(磁石21の一部)の飛散を第1ホルダ131および第2ホルダ136によって抑制することができる。また、第1ホルダ131および第2ホルダ136によって磁石21を覆うので、1つのパイプで磁石を覆う場合と比較して、磁石21を覆うのが容易である。また、磁石21は第1ホルダ131の第1胴部134、および第2ホルダ136の第2胴部139に圧入されているが、第1胴部134の第1端部132の内径φ132、および第2胴部139の第2端部137の内径φ137が磁石21の外径φ21bより大きいため、圧入が容易であるとともに、第1端部132と第2端部137との接合が容易である。
【0065】
また、第1端部132は、第1胴部134から径方向外側に湾曲した第1フランジ部132aを備え、第2端部137は、第2胴部139から径方向外側に湾曲した第2フランジ部137aを備え、第1フランジ部132aと第2フランジ部137aとが接合されている。このため、第1ホルダ131および第2ホルダ136をプレス加工によって製作することができるとともに、第1端部132と第2端部137との接合が容易である。
【0066】
また、第1フランジ部132aと第2フランジ部137aとを全周にわたって溶接により接合するため、第1フランジ部132aと第2フランジ部137aとの間に隙間が発生しにくい。従って、磁石21を第1ホルダ131および第2ホルダ136に圧入した際に発生した脱落粉(磁石21の一部)の飛散を抑制することができる。従って、モータの軸受等に脱落粉が侵入することを抑制することができる。
【0067】
[本発明の実施形態の改良例1]
図9は、本発明の実施形態の改良例1に係るロータの説明図である。図9には、第1ホルダ131と第2ホルダ136とを当接する前の状態(a)、および第1ホルダ131と第2ホルダ136とを強く当接させた後の状態(b)を拡大して示してある。なお、本例の基本的な構成は、図1図8を参照して説明した形態と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
【0068】
図9に示すように、第1ホルダ131と第2ホルダ136とを当接させる前の状態(a)において、第1ホルダ131の第1フランジ部132a、および第2ホルダ136の第2フランジ部137aを各々、第1胴部134および第2胴部139から大きな曲率半径で湾曲させてある。例えば、第1フランジ部132a、および第2フランジ部137aの曲率半径を0.5mmとした場合、第1フランジ部132a、および第2フランジ部137aのバネ性が十分でないため、本形態では、第1フランジ部132a、および第2フランジ部137aの曲率半径を0.75mmまで大きくしてある。
【0069】
このため、第1フランジ部132a、および第2フランジ部137aは各々、互いに離間する方向に弾性変形可能なバネ性を有している。従って、第1フランジ部132aおよび第2フランジ部137aの形状精度等が周方向でばらついているときでも、図6に示すように、第1胴部134と第2胴部139とが軸線L方向で接近するような負荷を印加して第1フランジ部132aと第2フランジ部137aとを当接させた後、さらに0.2mm押し込んだ状態(b)では、第1フランジ部132a、および第2フランジ部137aが弾性変形し、全周において、第1フランジ部132aと第2フランジ部137aとが当接する。
【0070】
例えば、第1フランジ部132aは、径方向の途中部分132bが第2ホルダ136の第2フランジ部137aと当接し、第1フランジ部132aの途中部分132bより径方向外側の先端部分132cは、軸線L方向の一方側L1に向けて反った状態となる。また、第2フランジ部137aは、径方向の途中部分137bが第1ホルダ131の第1フランジ部132aと当接し、第2フランジ部137aの途中部分137bより径方向外側の先端部分137cは、軸線L方向の他方側L2に向けて反った状態となる。それ故、軸線L方向の負荷によって、第1胴部134および第2胴部139の軸線L方向の途中部分が径方向内側に向かって湾曲したか否かにかかわらず(図7参照)、全周において、第1フランジ部132aと第2フランジ部137aとが当接する状態となるので、溶接等による接合が容易である。
【0071】
また、第1胴部134と第2胴部139とが軸線L方向で接近する方向の負荷を印加する際、図4に示す第1底板部133と第2底板部138との距離を目標値まで狭めることによって、全周において、第1フランジ部132aと第2フランジ部137aとを当接させることができる。本形態では、図6を参照して説明したように、第1ホルダ131の第1底板部133と第1支持板11とを固定し、第2ホルダ136の第2底板部138と第2支持板12とを固定しておくので、第1胴部134と第2胴部139とが軸線L方向で接近する方向の負荷を印加する際、第1支持板11と第2支持板12との距離を目標値まで狭めることによって、全周において、第1フランジ部132aと第2フランジ部137aとを当接させることができる。
【0072】
[本発明の実施形態の改良例2]
図10は、本発明の実施形態の改良例1に係るロータの説明図である。図10には、第1ホルダ131と第2ホルダ136とを当接する前の状態(a)、および第1ホルダ131と第2ホルダ136とを強く当接させた後の状態(b)を拡大して示してある。なお、本例の基本的な構成は、図1図8を参照して説明した形態と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
【0073】
図10に示すように、第1ホルダ131と第2ホルダ136とを当接させる前の状態(a)において、第1ホルダ131の第1フランジ部132a、および第2ホルダ136の第2フランジ部137aを各々、第1胴部134および第2胴部139に対して大きな角度を成すように折り曲げてある。例えば、第1フランジ部132a、および第2フランジ部137aを第1胴部134および第2胴部139に対して45°以上、かつ、90°未満の角度を成すように折り曲げてある。
【0074】
このため、第1フランジ部132a、および第2フランジ部137aは各々、互いに離間する方向に弾性変形可能なバネ性を有している。従って、第1フランジ部132aおよび第2フランジ部137aの形状精度等が周方向でばらついているときでも、図6に示すように、第1胴部134と第2胴部139とが軸線L方向で接近するような負荷を印加して第1フランジ部132aと第2フランジ部137aとを当接させた後、さらに0.2mm押し込んだ状態(b)では、第1フランジ部132a、および第2フランジ部137aが弾性変形し、全周において、第1フランジ部132aと第2フランジ部137aとが当接する。
【0075】
例えば、第1フランジ部132aは、径方向の途中部分132bが第2ホルダ136の第2フランジ部137aと当接し、第1フランジ部132aの途中部分132bより径方向外側の先端部分132cは、軸線L方向の一方側L1に向けて反った状態となる。また、第2フランジ部137aは、径方向の途中部分137bが第1ホルダ131の第1フランジ部132aと当接し、第2フランジ部137aの途中部分137bより径方向外側の先端部分137cは、軸線L方向の他方側L2に向けて反った状態となる。それ故、図9に示す態様と同様、全周において、第1フランジ部132aと第2フランジ部137aとが当接する状態となるので、溶接等による接合が容易である。
【0076】
[本発明の実施形態の改良例3]
図11は、本発明の実施形態の改良例3に係るロータの説明図である。図11には、第1ホルダ131と第2ホルダ136とを当接させた状態を示してある。なお、本例の基本的な構成は、図1図8を参照して説明した形態と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
【0077】
図11に示すように、第1ホルダ131と第2ホルダ136とを当接させるにあたって、本形態では、第1底板部133と第2底板部138との距離を目標値まで狭めることによって、全周において、第1フランジ部132aと第2フランジ部137aとを当接させる。本形態では、第1ホルダ131の第1底板部133と第1支持板11とを固定し、第2ホルダ136の第2底板部138と第2支持板12とを固定しておくので、第1胴部134と第2胴部139とが軸線L方向で接近する方向の負荷を印加する際、第1支持板11と第2支持板12との距離を目標値まで狭める。
【0078】
本形態では、以下に示すように、第1フランジ部132aと第2フランジ部137aとが当接した後、第1底板部133と第2底板部138との距離(第1支持板11と第2支持板12との距離)が目標値に到達するまでに印加される荷重を、第1底板部133および第2底板部138の変形によって吸収する。
【0079】
より具体的には、第1底板部133は、径方向の中心側に位置する円形領域133eと、円形領域133eと第1胴部134とを繋ぐ円環状領域133fとを備え、円形領域133eは、円環状領域133fより第2ホルダ136とは反対側に位置する。従って、第1支持板11は、円形領域133eに接合されている。本形態において、円形領域133eと円環状領域133fとの間は段部133gになっている。従って、第1フランジ部132aと第2フランジ部137aとが当接した後、第1底板部133と第2底板部138との距離(第1支持板11と第2支持板12との距離)が目標値に到達するまでに印加される荷重を、段部133gの変形によって吸収することができる。
【0080】
また、第2底板部138は、径方向の中心側に位置する円形領域138eと、円形領域138eと第2胴部139とを繋ぐ円環状領域138fとを備え、円形領域138eは、円環状領域138fより第1ホルダ131とは反対側に位置する。従って、第2支持板12は、円形領域138eに接合されている。本形態において、円形領域138eと円環状領域138fとの間は段部138gになっている。従って、第1フランジ部132aと第2フランジ部137aとが当接した後、第1底板部133と第2底板部138との距離(第1支持板11と第2支持板12との距離)が目標値に到達するまでに印加される荷重を、段部138gの変形によって吸収することができる。
【0081】
[本発明の実施形態の改良例4]
図12は、本発明の実施形態の改良例4に係るロータの説明図である。図12には、第1ホルダ131と第2ホルダ136とを当接させた状態を示してある。なお、本例の基本的な構成は、図1図8を参照して説明した形態と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
【0082】
図12に示すように、第1ホルダ131と第2ホルダ136とを当接させるにあたって、本形態では、改良例3と同様、第1底板部133と第2底板部138との距離を目標値まで狭めることによって、全周において、第1フランジ部132aと第2フランジ部137aとを当接させる。本形態では、第1ホルダ131の第1底板部133と第1支持板11とを固定し、第2ホルダ136の第2底板部138と第2支持板12とを固定しておくので、第1胴部134と第2胴部139とが軸線L方向で接近する方向の負荷を印加する際、第1支持板11と第2支持板12との距離を目標値まで狭める。
【0083】
本形態では、以下に示すように、第1フランジ部132aと第2フランジ部137aとが当接した後、第1底板部133と第2底板部138との距離(第1支持板11と第2支持板12との距離)が目標値に到達するまでに印加される荷重を、第1底板部133および第2底板部138の変形によって吸収する。
【0084】
より具体的には、第1底板部133は、径方向の中心側に位置する円形領域133eと、円形領域133eと第1胴部134とを繋ぐ円環状領域133fとを備え、円形領域133eは、円環状領域133fより第2ホルダ136とは反対側に位置する。従って、第1支持板11は、円形領域133eに接合されている。本形態において、円環状領域133fは傾斜面になっている。従って、第1フランジ部132aと第2フランジ部137aとが当接した後、第1底板部133と第2底板部138との距離(第1支持板11と第2支持板12との距離)が目標値に到達するまでに印加される荷重を、円環状領域133fの変形によって吸収することができる。
【0085】
また、第2底板部138は、径方向の中心側に位置する円形領域138eと、円形領域138eと第2胴部139とを繋ぐ円環状領域138fとを備え、円形領域138eは、円環状領域138fより第1ホルダ131とは反対側に位置する。従って、第2支持板12は、円形領域138eに接合されている。本形態において、円環状領域138fは傾斜面になっている。従って、従って、第1フランジ部132aと第2フランジ部137aとが当接した後、第1底板部133と第2底板部138との距離(第1支持板11と第2支持板12との距離)が目標値に到達するまでに印加される荷重を、円環状領域138fの変形によって吸収することができる。
【0086】
[別の実施形態]
図13は、本発明の別の実施形態に係るロータ10の説明図である。図13には、ロータ10を軸線Lに沿って切断したときの断面を示してある。上記実施形態において、磁石ホルダ13に用いた第1ホルダ131および第2ホルダ136はいずれもカップ状であったが、図13に示すように、本形態では、一方のホルダのみがカップ状であり、他方は平板状である。より具体的には、磁石ホルダ13において、第1ホルダ131は、一方側L1から磁石21に被さる円環状の第1底板部133と、第1底板部133から他方側L2に突出して、磁石21の外周面を覆う円筒状の第1胴部134とを備えており、磁石21は、第1胴部134の内部に圧入されている。第2ホルダ136xは平板状であり、第1胴部134の他方側L2の端部である第1端部132と溶接等によって接合されている。ここで、第1端部132の内径φ132は、磁石21の外径φ21bより大きい。また、本形態において、磁石21は、図4等に示す態様より、軸線L方向の寸法が短い。例えば、磁石21の軸線L方向の寸法は、磁石21の外径寸法(直径)より小である。従って、第1胴部134の内側に磁石21を圧入するのが容易である。
【0087】
本形態において、第1端部132は、第1胴部134から径方向外側に湾曲した第1フランジ部132aを備えており、第1フランジ部132aと第2ホルダ136xとが溶接によって接合されている。
【0088】
かかる構成のロータ10に対して、第1ホルダ131の第1フランジ部132aに改良例1、2を適用すれば、全周にわたって、第1フランジ部132aと第2ホルダ136xとが当接する状態となるので、溶接等による接合が容易である。また、第1ホルダ131の第1フランジ部132aに改良例3、4を適用すれば、荷重を第1底板部133の変形によって吸収することができる。
【0089】
[他の実施形態]
上記実施形態では、軸線L方向の一方側L1が出力側であって、軸線L方向の他方側L2が反出力側であったが、軸線L方向の一方側が反出力側であって、軸線L方向の他方側が出力側である場合に本発明を適用してもよい。
【0090】
上記実施形態では、磁石ホルダ13が、同一形状の部品を軸線L方向で逆向きに第1ホルダ131、および第2ホルダ136として配置された構造を有している。これに限定されるものではなく、第1ホルダ131と第2ホルダ136の長さ(高さ)が違っていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明においては、磁石の外周面のうち、軸線方向の一方側の第1部分を覆う第1ホルダと、軸線方向の他方側の第2部分を覆う第2ホルダとが設けられている。このため、ロータが高速回転した際、磁石が破損しても破片(磁石の一部)の飛散を第1ホルダおよび第2ホルダによって抑制することができる。また、第1ホルダおよび第2ホルダによって磁石を覆うので、1つのパイプで磁石を覆う場合と比較して、磁石を覆うのが容易である。また、磁石は第1ホルダの第1胴部、および第2ホルダの第2胴部に圧入されているが、第1胴部の第1端部の内径、および第2胴部の第2端部の内径が磁石の外径より大きいため、圧入が容易であるとともに、第1端部と第2端部との接合が容易である。
【0092】
本発明においては、磁石を軸線方向の一方側から被さる第1ホルダと、磁石に被さった軸線方向の他方側から被さる円環状の第2ホルダとが設けられている。このため、ロータが高速回転した際、磁石が破損しても破片(磁石の一部)の飛散を第1ホルダおよび第2ホルダによって抑制することができる。また、磁石は第1ホルダの第1胴部に圧入されているが、第1胴部の第1端部の内径が磁石の外径より大きいため、圧入が容易であるとともに、第1端部と第2ホルダとの接合が容易である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13