(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-05
(45)【発行日】2024-02-14
(54)【発明の名称】測距装置及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
G01S 7/4861 20200101AFI20240206BHJP
G01S 7/495 20060101ALI20240206BHJP
【FI】
G01S7/4861
G01S7/495
(21)【出願番号】P 2021070312
(22)【出願日】2021-04-19
【審査請求日】2023-04-10
(73)【特許権者】
【識別番号】501009849
【氏名又は名称】株式会社日立エルジーデータストレージ
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】今井 猛
【審査官】藤田 都志行
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-060246(JP,A)
【文献】特開2017-190978(JP,A)
【文献】国際公開第2020/188782(WO,A1)
【文献】特開平08-015415(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0200873(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/48- 7/51
G01S 17/00-17/95
G01C 3/00- 3/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物までの距離を照射光が該対象物で反射して戻ってくるまでの飛行時間により測定する測距装置であって、
前記対象物で反射した反射光をイメージセンサで露光し電気信号に変換する受光部と、
前記受光部での前記反射光に対する露光ゲートを制御する露光制御部と、
前記受光部で露光した電荷量を輝度として測定する輝度測定部と、
前記露光制御部と輝度測定部を制御する制御部とを備え、
前記露光制御部は、
前記露光ゲートの周期を制御する露光ゲート周期制御部と、
前記露光ゲートのデューティを制御する露光ゲートデューティ制御部と、
前記露光ゲートのシフト量を制御する露光ゲートシフト制御部を有し、
前記制御部は、
前記露光ゲートシフト制御部により前記露光ゲートのシフト量を変えながら前記輝度測定部により露光した電荷量を輝度として測定し、輝度最大となる前記露光ゲートのシフト量を他の測距装置の発光露光タイミングとし、
前記露光ゲート周期制御部により前記露光ゲートの周期を変えながら前記輝度測定部により露光した電荷量の輝度のばらつきを算出し、ばらつきの有無により前記露光ゲートの周期の値が前記他の測距装置の発光期間であると判定し、
前記露光ゲート周期制御部により前記露光ゲートの周期を変えながら前記輝度測定部により露光した電荷量の輝度のばらつきを算出し、ばらつきが最小となるときの前記露光ゲートの周期の値の1/2が前記他の測距装置の発光周期であると判定することを特徴とする測距装置。
【請求項2】
請求項1に記載の測距装置において、
前記他の測距装置の発光期間が所定の複数の値の何れかであるとわかっており、
前記制御部は、前記露光ゲートの周期を前記所定の複数の値の小さい順からそれぞれ等しい値に設定しながら前記輝度のばらつきを算出し、ばらつき有りと判定した時点での直前の前記露光ゲートの周期の設定値が前記他の測距装置の発光期間であると判定することを特徴とする測距装置。
【請求項3】
請求項2に記載の測距装置において、
前記制御部は、前記露光ゲートの周期を前記所定の複数の値の小さい順からそれぞれ等しい値に設定してもばらつき有りと判定できない場合は、最後の前記露光ゲートの周期の設定値が前記他の測距装置の発光期間であると判定することを特徴とする測距装置。
【請求項4】
請求項1に記載の測距装置において、
前記他の測距装置の発光期間に対する発光周期が所定の複数の値の何れかであるとわかっており、
前記制御部は、前記露光ゲートの周期を前記所定の複数の値のそれぞれの2倍の値に設定しながら前記輝度のばらつきを算出し、ばらつきが最小となるときの前記露光ゲートの周期の値の1/2が前記他の測距装置の発光周期であると判定することを特徴とする測距装置。
【請求項5】
対象物までの距離を照射光が該対象物で反射して戻ってくるまでの飛行時間により測定する測距装置であって、
前記対象物で反射した反射光をイメージセンサで露光し電気信号に変換する受光部と、
前記受光部での前記反射光に対する露光ゲートを制御する露光制御部と、
前記受光部で露光した電荷量を輝度として測定する輝度測定部と、
前記露光制御部と輝度測定部を制御する制御部とを備え、
前記露光制御部は、
前記露光ゲートの周期を制御する露光ゲート周期制御部と、
前記露光ゲートのデューティを制御する露光ゲートデューティ制御部と、
前記露光ゲートのシフト量を制御する露光ゲートシフト制御部を有し、
前記制御部は、前記露光ゲート周期制御部により前記露光ゲートの周期を変えながら前記輝度測定部により露光した電荷量の輝度のばらつきを算出し、該ばらつきの値により他の測距装置の発光露光タイミングと発光期間と発光周期を算出することを特徴とする測距装置。
【請求項6】
請求項5に記載の測距装置において、
前記制御部は、前記露光ゲートの周期を変えながら算出した前記ばらつきの最大値と最小値を検出し、該検出した最大値と最小値から第1の閾値を算出し、該第1の閾値以下のばらつきとなる前記露光ゲートの周期を検出し、該検出した露光ゲートの周期間の間隔を算出し、該算出した間隔のうちの最大値を検出し、その検出した最大値から第2の閾値を算出し、前記露光ゲートの周期の間隔が前記第2の閾値以下となり、かつ前記第1の閾値以下のばらつきに該当する前記露光ゲートの周期の最大値を前記他の測距装置の発光期間とし、前記露光ゲートの周期の間隔が前記第2の閾値以上となり、かつ前記第1の閾値以下のばらつきに該当する前記露光ゲートの周期の最小値の1/2を前記他の測距装置の発光周期とすることを特徴とする測距装置。
【請求項7】
照射光の発光と対象物からの反射光の露光を周期的に繰り返し、所定の露光期間に蓄積された露光量から照射光に対する反射光の時間遅れを算出して前記対象物までの距離を測定する測距装置の制御方法であって、
前記反射光の露光ゲートのシフト量を変えながら前記露光量を輝度として測定し、輝度最大となる前記露光ゲートのシフト量を他の測距装置の発光露光タイミングとし、
前記露光ゲートの周期を変えながら前記露光量の輝度のばらつきを算出し、ばらつきの有無により前記露光ゲートの周期の値が前記他の測距装置の発光期間であると判定し、
前記露光ゲートの周期を変えながら前記露光量の輝度のばらつきを算出し、ばらつきが最小となるときの前記露光ゲートの周期の値の1/2が前記他の測距装置の発光周期であると判定することを特徴とする制御方法。
【請求項8】
請求項7に記載の制御方法において、
前記他の測距装置の発光期間が所定の複数の値の何れかであるとわかっており、
前記露光ゲートの周期を前記所定の複数の値の小さい順からそれぞれ等しい値に設定しながら前記輝度のばらつきを算出し、ばらつき有りと判定した時点での直前の前記露光ゲートの周期の設定値が前記他の測距装置の発光期間であると判定することを特徴とする制御方法。
【請求項9】
請求項8に記載の制御方法において、
前記露光ゲートの周期を前記所定の複数の値の小さい順からそれぞれ等しい値に設定してもばらつき有りと判定できない場合は、最後の前記露光ゲートの周期の設定値が前記他の測距装置の発光期間であると判定することを特徴とする制御方法。
【請求項10】
請求項7に記載の制御方法において、
前記他の測距装置の発光期間に対する発光周期が所定の複数の値の何れかであるとわかっており、
前記露光ゲートの周期を前記所定の複数の値のそれぞれの2倍の値に設定しながら前記輝度のばらつきを算出し、ばらつきが最小となるときの前記露光ゲートの周期の値の1/2が前記他の測距装置の発光周期であると判定することを特徴とする制御方法。
【請求項11】
照射光の発光と対象物からの反射光の露光を周期的に繰り返し、所定の露光期間に蓄積された露光量から照射光に対する反射光の時間遅れを算出して前記対象物までの距離を測定する測距装置の制御方法であって、
前記反射光の露光ゲートのシフト量を変えながら前記露光量の輝度のばらつきを算出し、該ばらつきの値により他の測距装置の発光露光タイミングと発光期間と発光周期を算出することを特徴とする制御方法。
【請求項12】
請求項11に記載の制御方法において、
前記露光ゲートの周期を変えながら算出した前記ばらつきの最大値と最小値を検出し、該検出した最大値と最小値から第1の閾値を算出し、該第1の閾値以下のばらつきとなる前記露光ゲートの周期を検出し、該検出した露光ゲートの周期間の間隔を算出し、該算出した間隔のうちの最大値を検出し、その検出した最大値から第2の閾値を算出し、前記露光ゲートの周期の間隔が前記第2の閾値以下となり、かつ前記第1の閾値以下のばらつきに該当する前記露光ゲートの周期の最大値を前記他の測距装置の発光期間とし、前記露光ゲートの周期の間隔が前記第2の閾値以上となり、かつ前記第1の閾値以下のばらつきに該当する前記露光ゲートの周期の最小値の1/2を前記他の測距装置の発光周期とすることを特徴とする制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物までの距離を光の飛行時間により測定する測距装置に関する。
【背景技術】
【0002】
対象物までの距離を測定して距離画像を得るために、照射光が対象物で反射して戻ってくるまでの飛行時間により距離を測定する方式(TOF:Time Of Flight)を用いた測距撮像装置(以下、測距装置)が実用化されている。測距装置では距離測定のため、照射光の発光と反射光の露光を周期的に繰り返し、所定の露光期間に蓄積された露光量から照射光に対する反射光の時間遅れを算出して距離を求める。その際、測定範囲内に同じ発光周期の測距装置が複数台存在すると、お互いの光量を強めあう干渉が発生し正確な距離測定ができなくなる。その場合、測距装置毎に発光周期を変えて干渉を防ぐ必要がある。
【0003】
本技術分野における背景技術として特許文献1がある。特許文献1では、干渉が発生しているかどうかを確認する手段として、発光期間、発光周期の全ての組み合わせ毎の距離ばらつきを測定し、ばらつきが最大となる組み合わせを検出する方法を提示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、発光期間と発光周期の全ての組み合わせの測定が必要であり時間がかかるという課題がある。
【0006】
本発明の目的は、上記課題を鑑み、干渉する発光周期を検出する時間を短縮可能な測距装置及びその制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、その一例を挙げるならば、対象物までの距離を照射光が該対象物で反射して戻ってくるまでの飛行時間により測定する測距装置であって、露光ゲートシフト制御部により露光ゲートのシフト量を変えながら輝度測定部により露光した電荷量を輝度として測定し、輝度最大となる前記露光ゲートのシフト量を他の測距装置の発光露光タイミングとし、露光ゲート周期制御部により露光ゲートの周期を変えながら輝度測定部により露光した電荷量の輝度のばらつきを算出し、ばらつきの有無により露光ゲートの周期の値が他の測距装置の発光期間であると判定し、露光ゲート周期制御部により露光ゲートの周期を変えながら輝度測定部により露光した電荷量の輝度のばらつきを算出し、ばらつきが最小となるときの露光ゲートの周期の値の1/2が他の測距装置の発光周期であると判定する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、干渉する発光周期を検出する時間を短縮可能な測距装置及びその制御方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施例1における測距装置の機能構成図である。
【
図3】干渉時の距離測定への影響を説明する図である。
【
図4】実施例1における測距装置間で干渉が生じる条件を説明する図である。
【
図5】実施例1における測距装置による距離測定のタイムチャートの例を示す図である。
【
図6】実施例1における他の測距装置の発光を測定する全体処理フローチャートである。
【
図7】実施例1における測距装置の測定距離範囲が短い場合の発光期間Toの関係を示す図である。
【
図8】実施例1における測距装置の測定距離範囲が長い場合の発光期間Toの関係を示す図である。
【
図9】実施例1における測距装置が有する発光期間とそれに対する発光周期の設定テーブルである。
【
図10】実施例1における被測定装置の発光露光期間に対する測定装置の露光期間を説明する図である。
【
図11】実施例1における被測定装置の発光露光タイミングの検出フローチャートである。
【
図12】実施例1における測定装置の露光ゲート周期Te=被測定装置の発光期間Toの場合の露光量の関係を示す図である。
【
図13】実施例1における測定装置の露光ゲート周期Te=被測定装置の発光期間To×2の場合の露光量の関係を示す図である。
【
図14】実施例1における測定装置の露光ゲート周期Teと被測定装置の発光期間Toとの関係に応じた露光量のばらつき有り無しを示す図である。
【
図15】実施例1における被測定装置の発光期間Toを検出するフローチャートである。
【
図16】実施例1における測定装置の露光ゲート周期Te=被測定装置の発光周期Ti×2の場合の、露光ゲート周期Teと露光量、及び発光周期Tiとの関係を示す図である。
【
図17】実施例1における測定装置の露光ゲート周期Te>被測定装置の発光周期Ti×2の場合の露光量の関係を示す図である。
【
図18】実施例1における測定装置の露光ゲート周期Te<被測定装置の発光周期Ti×2の場合の露光量の関係を示す図である。
【
図19】実施例1における測定装置の露光ゲート周期Teを、判明した被測定装置の発光期間Toと組み合わせになる発光周期Tiの2倍の値としたときの露光量のばらつきの関係を示す図である。
【
図20】実施例1における測定装置の露光ゲート周期Teを、判明した被測定装置の発光期間Toと組み合わせになる発光周期Tiの2倍の値としたときの露光量のばらつきの関係を示す他の図である。
【
図21】実施例1における測定装置の露光ゲート周期Teを、判明した被測定装置の発光期間Toと組み合わせになる発光周期Tiの2倍の値としたときの露光量のばらつきの関係を示す他の図である。
【
図22】実施例1における測定装置の露光ゲート周期Teを、判明した被測定装置の発光期間Toと組み合わせになる発光周期Tiの2倍の値としたときの露光量のばらつきの関係を示す他の図である。
【
図23】実施例1における被測定装置の発光周期Tiを検出するフローチャートである。
【
図24】実施例2における測定装置の露光ゲート周期Teを変化させたときの露光量のばらつきを示す図である。
【
図25】実施例2における露光量ばらつきが小さくなる露光ゲート周期Teと、その露光ゲート周期Teの間隔を示す図である。
【
図26】実施例2における自社製品ではない被測定装置の発光期間To、発光周期Tiを検出するフローチャートである。
【
図27】実施例2における被測定装置の発光期間Toと発光周期Tiの判定処理の詳細フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0011】
図1は、本実施例における測距装置の機能構成図である。
図1において、測距装置10では、対象物24の距離を測定する場合は、パルス状に駆動された発光部20からのレーザ等の照射光23が対象物24に反射し、その反射光25をCCDセンサ等の受光部21の2次元上に画素を配置したイメージセンサ22で露光し電気信号に変換する。信号処理部17の距離演算部18では受光部21からの出力信号から距離値Dを演算する。
【0012】
発光制御部12は発光部20からの照射光23の発光を制御する。露光制御部13は受光部21での反射光25に対する露光ゲート周期(以降、露光周期ともいう)を制御する。制御部11は、発光露光の設定値テーブルを持ち、ユーザーの指示により任意のテーブル内の発光周期、発光デューティ、露光周期、露光デューティ値が選択される。選択された発光露光設定値は、制御部11から発光制御部12、露光制御部13に設定される。
【0013】
そして、測距装置10の測距範囲内に他の測距装置(被測定装置)26が存在すると、他の測距装置26からの照明光またはその反射光が干渉光27となって測距装置10の受光部21に入射することがある。この干渉光27は、距離演算部18が演算する距離Dに影響を与えることになる。
【0014】
そこで、干渉を防ぐためには測距装置毎に発光周期を変える必要があるので、そのために、他の測距装置26の発光を測定する。
【0015】
他の測距装置(被測定装置)26の発光を測定する場合には、詳細は後述するが、制御部11が発光制御部12に対して、発光部20からのレーザ等の照射を止める指示をする。また制御部11は、露光制御部13の露光ゲート周期制御部14に露光ゲートの周期、露光ゲートデューティ制御部15にデューティ50%を指示し、被測定装置26の干渉光27を測定する。また、制御部11は露光ゲートシフト制御部16に対して、露光ゲートの時間シフトの指示を行う。信号処理部17のIR輝度測定部19では受光部21からの出力信号をIR(赤外線)輝度として検出する。制御部11は露光ゲートの時間シフトにより生じたIR輝度のばらつきを検出する。
【0016】
なお、測距装置10における、発光部20や受光部21を除くハードウェアイメージとしては、一般的なCPU(Central Processing Unit)等の処理プロセッサと記憶装置で構成され、
図1で示す、制御部11、発光制御部12、露光制御部13、信号処理部17の機能は、記憶装置からそれぞれの機能を実現するプログラムや情報を読み出して、所定の処理をソフトウェア処理にて行なうことで実行される。
【0017】
図2は、距離測定の原理を説明する図である。距離測定は、
図2に示すように、照射光23と反射光25の時間差dTに基づいて対象物24までの距離Dを、光速をcとすると、D=dT×c /2で計算することができる。また、時間差dTは、
図2に示すように、1回の照射光(パルス幅T
0)に対し、露光動作を例えば2つのゲートに分けて行う場合、露光ゲートS1とS2によりイメージセンサに蓄積される電荷量Q
1、Q
2と、照射光のパルス幅T
0との比率で求めることができ、dT=T
0×Q
2/(Q
1+Q
2)となる。これらより距離Dは、D=T
0×Q
2/(Q
1+Q
2)×c/2と計算することができる。
【0018】
図3は、干渉時の距離測定への影響を説明する図である。
図3において、他の測距装置26(他装置)からの干渉光27である照射光もしくは反射光が露光されると距離Dの値に誤差が生じる。すなわち、他装置からの干渉光により、露光ゲートS1とS2でのイメージセンサに蓄積される電荷量は、それぞれQ
1+‘Q
1、Q
2+‘Q
2となる。
【0019】
このため距離D’は、D’=T0×(Q2+‘Q2)/(Q1+‘Q1+Q2+‘Q2)×c/2 となり、上記の距離Dからずれてしまう。
【0020】
図4は、本実施例における測距装置間で干渉が生じる条件を説明する図である。
図4において、2台の測距装置1、2の発光露光動作のタイミングを示している。測距装置は、対象物24へ照射光23を発光し、その反射光25を露光する発光露光動作と、イメージセンサ22で露光した電荷を信号処理部17に出力するデータ出力動作を交互に実施する。この発光露光動作の期間である発光露光期間とデータ出力動作の期間であるデータ出力期間を1フレームとする。
【0021】
測距装置1の測定範囲内に、他の測距装置2があり、その発光露光周期が同じ場合に干渉が発生するが、その影響は測距装置1と測距装置2のフレームの時間差Tdifにも依存する。すなわち、Tdifが小さく測距装置1と2の発光露光周期が同じで、かつ発光露光期間が重なる場合には干渉の影響が大きく、Tdifが大きく、発光露光期間の重なりが少ない場合は、干渉の影響も小さくなる。
【0022】
また、測距装置の基準クロックに誤差があるため、各測距装置毎の1フレームの時間にはわずかではあるが差が生じる。そのため、時間差Tdifは一定とならないため、発光露光期間の重なりが周期的に変化する。
【0023】
図5は、本実施例における測距装置による距離測定のタイムチャートの例を示す図である。
図5において、発光露光期間は、発光と露光ゲートS1をβ回繰り返すS1期間と、発光と露光ゲートS2をβ回繰り返すS2期間があり、このS1期間とS2期間を合わせて1サイクルとし、それをαサイクル分繰り返す構成になっている。
【0024】
このβ回の繰り返し周期が発光露光周期であり、他の測距装置が同じ周期でかつ、前述のTdifが小さい場合は干渉が発生する。
【0025】
図6は、本実施例における他の測距装置の発光を測定する全体処理フローチャートである。
図6において、まずステップS10において、発光の測定対象となる他の測距装置(以降、被測定装置)の発光を自測距装置(以降、測定装置)で受光するために、被測定装置の発光露光タイミングを検出する。
【0026】
次にステップS30において、検出した発光露光期間内において、被測定装置の発光パルスの発光期間Toを検出する。この発光期間Toは測距装置が測定する距離範囲に応じた時間となっている。
【0027】
図7、
図8は、本実施例における発光期間Toと測距装置の測定距離範囲との関係を示す図であり、
図7は測定距離範囲が短い場合、
図8は測定距離範囲が長い場合を示している。
図7、
図8に示すように、発光期間Toが長い程、測距装置の測定可能な距離範囲も長くなる。
【0028】
続いて、
図6のステップS50において、検出した発光期間Toに用いられる発光周期Tiを検出する。発光周期Tiは前述の発光と露光ゲートの繰り返し周期である。干渉を防止するには、この発光周期Tiを測距装置間で異なる値にする必要がある。
【0029】
図9は、本実施例における測距装置が有する発光期間とそれに対する発光周期の設定テーブルである。本実施例では、
図9に示すように、発光期間ToがTo
1、To
2、To
3、To
4と4種類あり、それぞれに対応する発光周期TiがTi
1,1~Ti
1,5、Ti
2,1~Ti
2,5、Ti
3,1~Ti
3,5、Ti
4,1~T
4,5の組み合わせがあるものとする。発光期間Toは距離の測定範囲で決まり、発光周期Tiは他の測距装置と干渉しないように、重複しない値を選択する必要ある。選択された値は、制御部11から発光制御部12と露光制御部13に設定される。発光制御部12は、その値に従い発光部20で発光を実行する。
【0030】
露光制御部13は、その値に従い受光部21で露光を実行する。発光周期Tiは発光期間Toにより取り得る値が決まるので、発光期間Toを先に検出する。
【0031】
次に、
図6のステップS10での被測定装置の発光露光タイミングの検出の詳細について説明する。
【0032】
図10は、本実施例における被測定装置の発光露光期間に対する測定装置の露光期間を説明する図である。
【0033】
被測定装置の発光を検出するためには、被測定装置の発光露光期間に、測定装置の露光期間を収める必要がある。被測定装置では1フレーム間に発光露光期間とデータ出力期間がある。測定装置にはこの被測定装置の発光露光期間が不明である。そのため例えば被測定装置のデータ出力期間に、測定装置の露光期間が重なる場合、被測定装置からの照射光を受光することができなくなる。
【0034】
測定装置では1フレームに露光期間、データ出力期間、待ち期間を持つ。また測定装置の露光期間は被測定装置の発光露光期間よりも短い期間とする。そのため、本実施例では、測定装置は自身の基準クロックに対して、時間オフセットTofsずらしたタイミングで露光を開始し、一例として測定装置はTofsを0msから1msずつずらしながらIR(赤外線)輝度測定をする。そして、Tofsが32ms(1フレーム33msから1ms引いた値)になるまでIR輝度測定し、輝度が最大となるTofsを求める。このように、測定装置は、基準クロックから輝度最大となるTofsだけずらしたタイミングから露光を開始することで、必ず被測定装置からの照射光を受光することが可能となる。なお、被測定装置の発光露光タイミングの検出は、被測定装置の発光露光期間を検出することとも言える。
【0035】
図11は、本実施例における被測定装置の発光露光タイミングの検出フローチャートである。
図11において、まずステップS11において露光制御部13の露光ゲートデューティ制御部15で測定装置の露光ゲート周期デューティを50%に設定し、ステップS12において露光ゲート周期制御部14で露光ゲート周期を1msに設定する。そして、ステップS13において露光ゲートによる露光動作を開始する。
【0036】
そして、ステップS14からS19により、露光ゲートシフト制御部16で基準クロックからの時間オフセットTofsを0msから始めて32msまで変えIR輝度測定するタイミングをずらし、IR輝度測定では、IR輝度測定部19で1/4フレーム分の繰り返し露光を行い、露光した全電荷量をIR輝度として測定する。
【0037】
そして、ステップS20において、時間オフセット32msまで測定後、制御部11は、IR輝度最大となる時間オフセットTofsを求め、以降の測定の露光開始タイミングとする。
【0038】
次に、
図6のステップS30での被測定装置の発光期間Toの検出の詳細について説明する。
【0039】
図12、
図13は、本実施例における測定装置の露光ゲート周期Teと露光量、及び被測定装置の発光期間Toとの関係を示す図であり、
図12は露光ゲート周期Te=発光期間Toの場合、
図13は露光ゲート周期Te=発光期間To×2の場合を示している。
【0040】
図12に示すように、測定装置の露光ゲートデューティを50%、露光ゲート周期Teを被測定装置の発光期間Toの約数(図では同一)とした場合、位相のずれ(露光ゲートのシフト時間TsのずれTs
1、Ts
2)があっても全体の露光量に変化はない。例えば、被測定装置の発光期間Toが10nsの場合、その約数である1ns、2ns、5ns、10nsの何れかに測定装置の露光ゲート周期Teを設定しても全体の露光量に変化はない。
【0041】
一方、
図13に示すように、測定装置の露光ゲート周期Teを被測定装置の発光期間Toより長くすると(図では2倍)、位相ずれに依存した露光量のばらつきが発生する。すなわち、露光量のばらつきが無い場合は、測定装置の露光ゲート周期Teは、被測定装置の発光期間Toと一致している。露光量のばらつきがある場合は、測定装置の露光ゲート周期Teは、被測定装置の発光期間Toと一致していない。よって、このばらつきの差を検出することで、被測定装置の発光期間Toを検出することができる。
【0042】
図14は、本実施例における測定装置の露光ゲート周期Teと被測定装置の発光期間Toとの関係に応じた露光量のばらつき有り無しを示す図である。
図14において、被測定装置が例えば自社製品であり、被測定装置の発光期間Toの設定がTo
1、To
2、To
3、To
4の4つの値の何れかを使用しているとわかっている場合、測定装置の露光ゲート周期TeをTo
1、To
2、To
3、To
4とそれぞれ等しい値にしたときの露光量のばらつきの関係を示す。なお、○:ばらつき無、×:ばらつき有りを示し、発光期間は、To
1<To
2<To
3<To
4の大小関係とする。
【0043】
図14において、測定装置は露光ゲート周期TeをTo
1から始めてTo
2、To
3、To
4と順に試す中で、ばらつき有りと判定した時点で測定を終了し、その直前の露光ゲート周期Teの値が、被測定装置の発光期間Toであると判定することができる。また、ばらつき有と判定できない場合は、最後の露光ゲート周期のTeの値が、被測定装置の発光期間Toであると判定することができる。
【0044】
図15は、本実施例における被測定装置の発光期間Toを検出するフローチャートである。
図15は
図14の条件での動作について説明している。
図15において、まずステップS31において露光ゲートデューティ制御部15で測定装置の露光ゲート周期のデューティを50%と設定する。そして、ステップS32からS34において初期設定をして、露光ゲート周期制御部14により露光ゲート周期TeをTo
1と設定して、ステップS35において露光ゲートによる露光動作を開始する。
【0045】
そして、ステップS36からS45により、露光ゲート周期TeはTo1から最大To4をまで試す。また、測定装置は、基準クロックから前述で求めた時間オフセットTofs分ずらした時間を露光開始基準時間としている。露光ゲートのシフト時間Tsは、露光ゲートシフト制御部16により、この露光開始基準時間に対して実際の露光開始タイミングをずらす。このシフト時間TsはステップS38で示すように、本実施例では露光ゲート周期の1/10としている。ステップS39のIR輝度測定では、1/4フレーム分の繰り返し露光を行い、露光した全電荷量をIR輝度測定部19でIR輝度として測定する。ステップS42では、制御部11でIR輝度のばらつきの指標として標準偏差を算出し、ステップS44で前回の露光ゲート周期での標準偏差と比較する。前回よりも今回の標準偏差が基準よりも大きくなった場合は測定を終了し、ステップS47で前回の露光ゲート周期が被測定装置の発光期間Toと判定する。なお、この前回と今回のIR輝度の標準偏差の比率を比較するための比較値をkとする。このkの値は、実際の実験により試行錯誤的に適切な値を予め求めておくものとする。
【0046】
ステップS45により、露光ゲート周期Teが最大のTo4であった場合は、ステップS46で最後の露光ゲート周期Teの値であるTo4(Tom)が、被測定装置の発光期間Toであると判定する。
【0047】
次に、
図6のステップS50での被測定装置の発光周期Tiの検出の詳細について説明する。
【0048】
図16、
図17、
図18は、本実施例における測定装置の露光ゲート周期Teと露光量、及び被測定装置の発光周期Tiとの関係を示す図であり、
図16は露光ゲート周期Te=発光周期Ti×2の場合、
図17は露光ゲート周期Te>発光周期Ti×2の場合、
図18は露光ゲート周期Te<発光周期Ti×2の場合、を示している。
【0049】
図16に示すように、測定装置の露光ゲートデューティを50%、露光ゲート周期Teを被測定装置の発光周期Tiの2倍とした場合、位相のずれ(露光ゲートのシフト時間Ts)があっても全体の露光量に変化はない。一方、
図17、
図18に示すように、測定装置の露光ゲート周期Teを被測定装置の発光周期Tiの2倍より長く、あるいは短くすると、位相ずれに依存した露光量のばらつきが発生する。すなわち、露光量のばらつきが無い場合は、測定装置の露光ゲート周期Teの1/2の値は、被測定装置の発光周期Tiと一致している。露光量のばらつきがある場合は、測定装置の露光ゲート周期Teの1/2の値は、被測定装置の発光周期Tiと一致していない。よって、このばらつきの差を検出することで、被測定装置の発光周期Tiを検出することができる。
【0050】
測距装置は、干渉を避けるために
図9に示すような発光期間Toとそれに対する発光周期Tiの設定テーブルを複数用意している。測定装置では前述のように被測定装置の発光期間Toが判明しているので、その発光期間Toと組みになる発光周期Tiを調べれば良い。
【0051】
図19~
図22は、本実施例における測定装置の露光ゲート周期Teを、判明した被測定装置の発光期間Toと組み合わせになる発光周期Tiの2倍の値としたときの露光量のばらつきの関係を示す。なお、○:ばらつき無、×:ばらつき有りを示す。
図19は、被測定装置が発光期間To
1、発光周期Ti
1,1を使用している場合である。
図20は、被測定装置が発光期間To
2、発光周期Ti
2,5を使用している場合である。
図21は、被測定装置が発光期間To
3、発光周期Ti
3,3を使用している場合である。
図22は、被測定装置が発光期間To
4、発光周期Ti
4,2を使用している場合である。
これらの関係から、露光ばらつきが無いと判定したときの、測定装置の露光ゲート周期Teの1/2の値が、被測定装置の発光周期Tiであると判定することができる。
【0052】
図23は、本実施例における被測定装置の発光周期Tiを検出するフローチャートである。
図23において、被測定装置の発光期間Toは既に判定済でTo
1とする。まずステップS51において露光ゲートデューティ制御部15で測定装置の露光ゲート周期のデューティを50%と設定する。そして、ステップS52からS54において初期設定をして、露光ゲート周期制御部14により露光ゲート周期TeをTi
1,1×2と設定して、ステップS55において露光ゲートによる露光動作を開始する。そして、ステップS56からS63により、露光ゲート周期TeはTi
1,1×2からTi
1,5×2まで試す。
【0053】
また、測定装置は、基準クロックから前述で求めた時間オフセットTofs分ずらした時間を露光開始基準時間としている。
【0054】
露光ゲートのシフト時間Tsは、露光ゲートシフト制御部16により、この露光開始基準時間に対して実際の露光開始タイミングをずらす。
【0055】
このシフト時間TsはステップS58で示すように、本実施例では露光ゲート周期の1/10としている。ステップS59のIR輝度測定では、1/4フレーム分の繰り返し露光を行い、露光した全電荷量をIR輝度測定部19でIR輝度として測定する。ステップS62では、制御部11でIR輝度のばらつきの指標として標準偏差を算出する。
【0056】
ステップS64で、露光ゲート周期TeをTi1,5×2まで試したのち、各IR輝度の標準偏差の大きさを比較し、最小となるときの露光ゲート周期Teの1/2が被測定装置の発光周期Tiと判定する。
【0057】
以上のように、本実施例によれば、干渉する発光周期を検出する時間を短縮し、測距装置設置時の作業時間を軽減し、設置後の干渉を検出可能な測距装置及びその制御方法を提供することができる。
【実施例2】
【0058】
被測定装置が自社製品ではない場合、発光期間To、発光周期Tiが不明であり、その組み合わせも不明である。本実施例ではその場合でも発光期間、発光周期を検出するための手法について説明する。
【0059】
図24は、本実施例における測定装置の露光ゲート周期Teを変化させたときの露光量のばらつきを示す図である。
図24において、測定装置の露光ゲートデューティを50%とし、露光ゲート周期Teを1nsから200nsまで変化させたときの露光量のばらつきを示している。また、測定装置は露光ゲート周期Teを変えるごとに、前述のシフト時間Tsも変化させ露光ばらつきが発生するようにしている。また、被測定装置の発光期間Toは10ns、発光周期Tiは50nsとしている。
【0060】
図24において、
図12で説明したように、破線円(1)で示す、測定装置の露光ゲート周期Teが1ns、2ns、5ns、10nsと被測定装置の発光期間To:10nsの約数となる場合に露光量ばらつきが小さくなる。また、
図16で説明したように、破線円(2)で示す、測定装置の露光ゲート周期Teが100ns、200nsと被測定装置の発光周期Ti:50nsの偶数倍となる場合に露光量ばらつきが小さくなる。従って、破線円(1)の中の最大となる露光ゲート周期Teの値が被測定装置の発光期間Toと一致する。また、破線円(2)の中の最小値が被測定装置の発光周期Tiの2倍の値と一致する。
【0061】
図25は、本実施例における複数ある露光量ばらつきが小さくなる露光ゲート周期Teと、露光ゲート周期Teを1nsから200nsまで変化させたときの、ばらつきが小さくなる露光ゲート周期Teのその直前の露光ゲート周期Teとの間隔を示す図である。測定装置は、例えば間隔の最大値100nsの1/2の値の50nsを露光ゲート周期間隔の閾値とすると、間隔が閾値以下かつ露光ゲート周期が最大となる値10nsが被測定装置の発光期間To、間隔が閾値以上かつ露光ゲート周期が最小となる値100nsが発光周期Tiの2倍の値なので、被測定装置の発光周期Tiは50nsと判定することができる。
【0062】
図26は、本実施例における自社製品ではない被測定装置の発光期間To、発光周期Tiを検出するフローチャートである。
図26において、まずステップS71において測定装置の露光ゲート周期のデューティを50%と設定する。そして、ステップS72からS74において初期設定をして、ステップS75において露光ゲートによる露光動作を開始する。そして、ステップS76からS83により、測定装置の露光ゲート周期を1nsから200nsまで試す。
【0063】
また、測定装置は、基準クロックから前述で求めた時間オフセットTofs分ずらした時間を露光開始基準時間としている。
【0064】
露光ゲートのシフト時間Tsは、この露光開始基準時間に対して実際の露光開始タイミングをずらす。
【0065】
このシフト時間TsはステップS78で示すように、本実施例では露光ゲート周期の1/10としている。ステップS79のIR輝度測定では、1/4フレーム分の繰り返し露光を行い、露光した全電荷量をIR輝度として測定する。ステップS82では、IR輝度のばらつきの指標として標準偏差を算出する。
【0066】
ステップS84で、露光ゲート周期Teを200nsまで試したのち、被測定装置の発光期間Toと発光周期Tiを判定する。ステップS84の被測定装置の発光期間Toと発光周期Tiの判定処理の詳細フローチャートを
図27に示す。
【0067】
図27において、まずステップS91において、IR輝度の標準偏差σ
1~σ
200のうちの最大値と最小値を検出する。そして、ステップS92において、その最大値と最小値の1/4の値を閾値1とする。なお、本実施例では1/4としたが、最適値は実際の状況に合わせて試行誤的に求める。そして、ステップS93において、閾値1以下の標準偏差となる露光ゲート周期を検出し、ステップS94において、その露光ゲート周期間の間隔を算出する。そして、ステップS95において、その間隔のうちの最大値を検出し、ステップS96において、その1/2の値を閾値2とする。なお、本実施例では1/2としたが、最適値は実際の状況に合わせて試行誤的に求める。
【0068】
そして、ステップS97において、露光ゲート周期の間隔が閾値2以下となり、かつ閾値1以下の標準偏差に該当する露光ゲート周期の最大値を検出し、その値を被測定装置の発光期間Toとする。また、ステップS98において、露光ゲート周期の間隔が閾値2以上となり、かつ閾値1以下の標準偏差に該当する露光ゲート周期の最小値を検出し、その値の1/2を被測定装置の発光周期Tiとする。
【0069】
以上のように、本実施例によれば、被測定装置が自社製品ではない場合、発光期間、発光周期が不明であるが、その場合でも発光期間、発光周期を検出することができる。
【0070】
以上実施例について説明したが、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0071】
10:測距装置、11:制御部、12:発光制御部、13:露光制御部、14:露光ゲート周期制御部、15:露光ゲートデューティ制御部、16:露光ゲートシフト制御部、17:信号処理部、18:距離演算部、19:IR輝度測定部、20:発光部、21:受光部、22:イメージセンサ、23:照射光、24:対象物、25:反射光、26:他の測距装置(被測定装置)、27:干渉光