(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-05
(45)【発行日】2024-02-14
(54)【発明の名称】ゲーム装置、プログラム及びゲームシステム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/20 20140101AFI20240206BHJP
A63F 13/45 20140101ALI20240206BHJP
A63F 13/426 20140101ALI20240206BHJP
A63F 13/213 20140101ALI20240206BHJP
A63F 13/44 20140101ALI20240206BHJP
A63F 13/95 20140101ALI20240206BHJP
A63F 13/847 20140101ALI20240206BHJP
【FI】
A63F13/20 A
A63F13/45
A63F13/426
A63F13/213
A63F13/44
A63F13/95 A
A63F13/847
(21)【出願番号】P 2021114380
(22)【出願日】2021-07-09
(62)【分割の表示】P 2019220495の分割
【原出願日】2019-12-05
【審査請求日】2022-10-14
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ▲1▼ウェブサイトの掲載日:令和1年10月17日 ウェブサイトのアドレス:http://www.carddass.com/dbh/sdbh/news/284.php 公開者:株式会社バンダイ ▲2▼ウェブサイトの掲載日:令和1年10月21日 ウェブサイトのアドレス:https://twitter.com/db_heroes/status/1186199009909563392 公開者:株式会社バンダイ ▲3▼公開日:令和1年11月 7日 公開した場所:「データカードダス スーパードラゴンボールヒーローズ ユニバースミッション 実施店舗リスト」を参照 公開者:株式会社バンダイ
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩倉 史明
(72)【発明者】
【氏名】福岡 麗南
(72)【発明者】
【氏名】格和 真理
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 禄之
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 亜以子
【審査官】池田 剛志
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-111256(JP,A)
【文献】特開2019-042238(JP,A)
【文献】特開2018-029774(JP,A)
【文献】特開2006-149011(JP,A)
【文献】特開2007-301076(JP,A)
【文献】特開2007-105524(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャラクタが対応付けられた物品を載置可能に構成された載置部と、
前記載置部に載置された1以上の物品の移動操作を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された物品の移動操作に基づいてゲームの進行を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記検出手段により検出された複数の物品の移動操作が、現在載置されている領域とは異なる領域に移動させる移動操作であって、前記載置部上において同一の軌跡、または対称的な軌跡を描くように移動させる操作であることを条件として、
前記複数の物品の移動操作の軌跡の類似度または軌跡の対称度に基づいて、前記ゲームの進行態様を変更するゲーム装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記複数の物品の移動操作の完了に応じて、前記ゲームを有利に進行せしめる態様に変更する請求項
1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記複数の物品の移動操作の軌跡の類似度、または軌跡の対称度が高いほど、前記ゲームを有利に進行せしめる態様に変更する請求項
2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記複数の物品の移動操作の軌跡の類似度の度合い、または軌跡の対称度の度合いを通知する通知手段をさらに備える請求項
3に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記検出手段によって検出される移動操作は、物品に対応付けられたキャラクタの前記ゲームにおける動作に対応付けられており、
各キャラクタには、前記ゲームの進行制御に参照されるパラメータが定められており、
前記制御手段は、前記複数の物品の移動操作の完了に応じて、該複数の物品に対応付けられたキャラクタのパラメータを、前記ゲームを有利に進行しめる態様に変更する
請求項
1乃至
4のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記載置部は、物品を載置する載置面の下層に、該載置面を介して視認可能に画面を提示する提示手段を含む請求項1乃至
5のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記複数の物品の移動操作は、前記複数の物品の各々に対する複数のプレイヤに起因した移動操作である請求項1乃至
6のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項8】
前記複数の物品の移動操作は、複数の前記ゲーム装置において前記複数の物品のそれぞれに対してなされる移動操作である請求項
7に記載のゲーム装置。
【請求項9】
物品を提供する提供手段をさらに備え、
前記検出手段は、前記提供手段により提供されて前記載置部に載置された物品を検出する
請求項1乃至
8のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項10】
キャラクタが対応付けられた物品を載置可能に構成された載置部と、
前記載置部に載置された1以上の物品の移動操作を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された複数の物品の移動操作に基づいてゲームの進行を制御する制御手段と、
を備え、
前記複数の物品の移動操作は、前記複数の物品の各々に対する複数のプレイヤに起因した移動操作であり、
前記制御手段は、前記検出手段により検出された複数の物品の移動操作が、現在載置されている領域とは異なる領域に移動させる移動操作であって、前記載置部上において同一の軌跡、または対称的な軌跡を描くように移動させる操作であることを条件として、前記ゲームの進行態様を変更するゲーム装置。
【請求項11】
コンピュータを、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のゲーム装置の各手段として機能させるプログラム。
【請求項12】
キャラクタが対応付けられたゲーム用物品と、該ゲーム用物品を提供可能に構成されたゲーム装置と、を含むゲームシステムであって、
前記ゲーム装置は、
前記ゲーム用物品を載置可能に構成された載置部と、
前記載置部に載置された1以上の前記ゲーム用物品の移動操作を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された前記ゲーム用物品の移動操作に基づいてゲームの進行を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記検出手段により検出された複数の前記ゲーム用物品の移動操作が、現在載置されている領域とは異なる領域に移動させる移動操作であって、前記載置部上において同一の軌跡、または対称的な軌跡を描くように移動させる移動操作であることを条件として、
複数の前記ゲーム用物品の移動操作の軌跡の類似度または軌跡の対称度に基づいて、前記ゲームの進行態様を変更するゲームシステム。
【請求項13】
キャラクタが対応付けられたゲーム用物品と、該ゲーム用物品を提供可能に構成されたゲーム装置と、を含むゲームシステムであって、
前記ゲーム装置は、
前記ゲーム用物品を載置可能に構成された載置部と、
前記載置部に載置された1以上の前記ゲーム用物品の移動操作を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出された複数の前記ゲーム用物品の移動操作に基づいてゲームの進行を制御する制御手段と、
を備え、
複数の前記ゲーム用物品の移動操作は、複数の前記ゲーム用物品の各々に対する複数のプレイヤに起因した移動操作であり、
前記制御手段は、前記検出手段により検出された複数の前記ゲーム用物品の移動操作が、現在載置されている領域とは異なる領域に移動させる移動操作であって、前記載置部上において同一の軌跡、または対称的な軌跡を描くように移動させる移動操作であることを条件として、前記ゲームの進行態様を変更するゲームシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置、プログラム及びゲームシステムに関し、特に操作盤面において実物品を操作することにより進行する電子ゲームに関する。
【背景技術】
【0002】
盤面上にキャラクタ(選手)が対応付けられたカードを配置することで開始され、カードの配置変更をキャラクタのステータス(ポジションやフォーメーション等)に反映させることでゲームを進行させるカードゲーム装置がある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1のようなカードゲーム装置では、定期的に盤面上のカード配置を検出し、配置に差分が生じたカードのキャラクタそれぞれについて、移動に応じた行動を生じさせる制御を行うものであった。一方、カードの移動に基づく各行動は、該当のキャラクタにのみ生じるよう制御されるものであるため、提供される興趣性は限定されるものであった。
【0005】
本発明は、興趣性を向上させたゲームのプレイ体験を提供するゲーム装置、プログラム及びゲームシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のゲーム装置は、キャラクタが対応付けられた物品を載置可能に構成された載置部と、載置部に載置された1以上の物品の移動操作を検出する検出手段と、検出手段により検出された物品の移動操作に基づいてゲームの進行を制御する制御手段と、を備え、制御手段は、検出手段により移動操作が検出された複数の物品に対応付けられたキャラクタに連携攻撃のアビリティを有するキャラクタが含まれること、及び、当該連携攻撃のアビリティを有するキャラクタが対応付けられた物品を含む複数の物品の移動操作が、現在載置されている領域とは異なる領域に移動させる連携移動操作であって、同時または近似するタイミングで行われた連携移動操作であることを条件として、ゲームの進行態様を変更する。
【発明の効果】
【0007】
このような構成により本発明によれば、興趣性を向上させたゲームのプレイ体験を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態及び変形例に係るゲーム装置100の機能構成を例示したブロック図
【
図2】本発明の実施形態及び変形例に係るゲーム装置100の外観を例示した図
【
図3】本発明の実施形態及び変形例に係るゲーム装置100でプレイ体験が提供される対戦ゲームを説明するための図
【
図4】本発明の実施形態及び変形例に係るゲーム装置100でプレイ体験が提供される対戦ゲームを説明するための別の図
【
図5】本発明の実施形態及び変形例に係るゲーム装置100でプレイ体験が提供される対戦ゲームを説明するためのさらに別の図
【
図6】本発明の実施形態に係るゲーム装置100でプレイ体験が提供される対戦ゲームの連携攻撃を説明するための図
【
図7】本発明の実施形態に係るゲーム装置100が実行する提供処理を例示したフローチャート
【
図8】本発明の実施形態に係るゲーム装置100が実行するゲーム処理を例示したフローチャート
【
図9】本発明の実施形態に係るゲーム装置100が実行する攻撃行動処理を例示したフローチャート
【
図10】本発明の実施形態及び変形例に係る各種情報のデータ構成例を示した図
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態]
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
以下に説明する一実施形態は、ゲーム装置の一例としての、ゲームカードを用いてゲームの操作が可能なゲーム装置に、本発明を適用した例を説明する。しかし、本発明は、物品の移動操作を検出してゲームの進行制御を行うことが可能な任意の機器に適用可能である。
【0011】
本実施形態ではゲーム装置が提供する、あるいはその他の態様で流通する、ゲームに使用可能な物品は、該ゲームに登場するゲーム要素(キャラクタやアイテム)が対応付けられ、当該ゲーム要素を特定するための情報(物品情報)が付されたゲームカードであるものとして説明する。しかしながら、本発明の実施は、ゲーム装置において使用した場合に、その移動操作の検出が可能に構成された物品であれば、物品はゲームカードに限られない。また、物品は、例えばゲーム要素の外観を有するフィギュア等の造形物であってよい。この場合、ゲーム要素を特定するための物品情報は、該造形物の底面や所定の面にシールや印字等により付されたパターンから、あるいは該造形物の内部の記録媒体から取得可能であってよい。また物品はフィギュアだけでなく、玩具やシール等、任意の物品であってよい。
【0012】
また、本実施形態では、ゲームに使用可能な全てのゲームカードには、いずれも不変の物品情報が、所定の変換演算を適用することで1次元あるいは多次元のパターン(コード)に変換され、ゲームカード表面に形成(印刷)される態様でゲームカードに付されているものとして説明する。本実施形態ではゲームカード表面へのコードの形成は、ゲームカードの美観が損なわれぬよう、不可視インクを用いた印刷により行われるものとして説明する。
【0013】
しかしながら、本発明の実施はこれに限られるものではなく、コードは可視の態様でゲームカード表面に印刷されるものであってもよいし、コードに係る所定の識別パターンをゲームカードの中間層に形成することでゲームカードに付されるものであってもよい。また、物品情報は可変に構成されるものであってもよく、この場合は例えばゲームカードに内包される近距離通信(NFC:Near Field Communication)用のタグに記録され、所定のリーダライタを介することにより情報の取得変更が可能に構成されるものであってよい。また可変の物品情報をゲームカードに付す態様はNFCタグに限られるものではなく、例えばICチップ等の記録媒体に記録されてデータとして保持される等、どのような態様であってもよい。
【0014】
また、本実施形態のゲーム装置がプレイ体験を提供するゲームにおいて、ゲームカードを用いることで登場させることが可能となるゲーム要素は、キャラクタであるものとし、ゲームカードには対応するキャラクタの図柄(キャラクタ画像)が付されるものとして説明する。しかしながら、本発明の実施はこれに限られるものではなく、ゲームに登場させるゲーム要素を特定する用途のゲームカードは、ゲームに係るキャラクタを特定可能に構成されるものに限らず、アイテムや効果等、その他のゲーム要素を特定可能に構成されるものであってもよいことは言うまでもない。
【0015】
《ゲーム装置の構成》
図1は、本発明の実施形態に係るゲーム装置の機能構成を例示したブロック図である。
【0016】
制御部101は、例えばCPUであり、ゲーム装置100が有する各ブロックの動作を制御する。具体的には制御部101は、例えば記録媒体102に記録されている各ブロックの動作プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより各ブロックの動作を制御する。
【0017】
記録媒体102は、例えば不揮発性メモリやHDD等の、恒久的にデータを保持可能な記録装置である。記録媒体102は、ゲーム装置100が有する各ブロックの動作プログラムに加え、各ブロックの動作において必要となるパラメータ等の情報や、ゲームに使用される各種のグラフィックスデータを記憶する。メモリ103は、例えば揮発性メモリ等の一時的なデータ記憶に使用される記憶装置である。メモリ103は、各ブロックの動作プログラムの展開領域としてだけでなく、各ブロックの動作において出力されたデータ等を一時的に記憶する格納領域としても用いられる。
【0018】
支払検出部104は、ゲーム装置100において対価の支払いがなされたことを検出する。対価の支払いは、例えば硬貨の投入口に所定の金額の硬貨や相当するコインが投入されたこと、あるいは所定の電子マネーに係るチップとの通信に基づく決算処理の完了等を検出することにより判断されるものであってよい。本実施形態のゲーム装置100は、対価の支払いに基づいてユーザへのゲームカードの提供を伴うサービスの提供を開始するものとして説明するが、対価の支払いは必須の要件ではなく、所定の開始指示に基づいてサービスの提供は開始されるものであってもよい。
【0019】
カード認識部105は、載置パネル131上に載置されたゲームカードの物品情報の取得、載置された各ゲームカードの識別、及び各ゲームカードの位置・回転を検出する。
【0020】
本実施形態のゲーム装置100は、例えば
図2に示されるような外観を有しており、ゲームプレイが行われる際には、プレイヤは領域200の位置から各種操作を行うことになる。従って、載置パネル131は、図示されるようにゲームプレイ時のプレイヤに近接する端部150から、プレイヤから遠離する端部160に向かって延びる平面を形成している。本実施形態のゲーム装置100では、後述するように載置パネル131は、第2表示部130の上層として構成され、載置パネル131を介して第2表示部130になされた画面の鑑賞が可能なよう、透過材料で構成されている。第2表示部130の表示方式はいずれであってもよいが、本実施形態ではゲーム装置100の内部、即ち、載置パネル131及び第2表示部130のさらに下層から、載置パネル131に載置されたゲームカードの各種検出を可能ならしめるべく、例えばゲームカードには不可視コードが赤外光反射インクで付され、載置パネル131及び第2表示部130は全て赤外光を透過可能に構成されていればよい。この場合、載置パネル131に載置されたゲームカードは、ゲーム装置100の内部に設けられた赤外線カメラによって、載置されたゲームカードに付された不可視コードが撮影可能となる。
【0021】
本実施形態のカード認識部105は、このように、例えば第2表示部130を裏側から撮像する赤外線カメラにより得られた画像から不可視コードを抽出して変換することで、載置パネル131上のカード認識部105からの物品情報を取得する。上述したように、ゲームカードが有する物品情報は、該ゲームカードに対応付けられているゲームに係るキャラクタがいずれであるかを特定するための不変の識別情報を含んで構成されているものとする。故に、カード認識部105は、ゲームプレイに使用するゲームカードの載置を受け付ける期間中に、新たなゲームカードが載置されたことを撮像画像から検出する(撮像画像に解析が完了していない不可視コードが含まれる)と、該ゲームカードに付された不可視コードを解析することで、該ゲームカードに対応付けられたキャラクタを特定するキャラクタIDを取得する。またカード認識部105はプレイ体験の提供がなされている間、撮像画像中の不可視コードが検出された位置に基づいてゲームカードの載置位置を導出し、ゲームに係る処理で参照するゲームカードの情報(載置カード情報)として、キャラクタIDに管理付けて例えばメモリ103に管理する。また不可視コードには予め定めたゲームカードの方向、さらには表裏を識別するための情報が付される構成であってよく、カード認識部105は不可視コードの解析に際し、ゲームカードの向き(盤面上の載置方向)の検出も行い、載置カード情報として管理するものであってよい。
【0022】
なお、本実施形態では載置パネル131にゲームカードが載置された場合に、カード認識部105がゲームカードの物品情報の取得や位置等の検出を行うものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。即ち、ゲームプレイに使用されるゲームカードの有する物品情報は、別途設けられたリーダにより取得され、ゲームカードに不可視で付されるパターンは、該ゲームカードに対応付けられたキャラクタの識別情報を含まず、物品情報の取得が行われたゲームカードの特定及び該ゲームカードの移動検出等にのみ用いられる態様であってもよい。
【0023】
また本実施形態では好適なゲーム体験を提供すべく、カード認識部105は載置パネル131に載置されたカードにつき、その位置と方向とを検出するものとして説明するが、第2表示部130においてゲームカードにつき行う表示の態様、載置パネル131またはゲームカードの形状、不可視コードの構成方式等によっては、方向の検出は行わないものであってもよい。
【0024】
キャラクタDB106は、ゲームに登場するものとして予め定められたキャラクタの各々についてキャラクタ情報を管理するデータベースである。1つのキャラクタについて管理されるキャラクタ情報は、例えば
図10(a)に示されるように、該キャラクタを一意に特定するキャラクタID1001に関連付けて、キャラクタ名1002、ゲームの進行制御において参照される該キャラクタの特性を示すパラメータ1003、及び該キャラクタをゲーム画面に表示するために使用される画像やモデルデータ等を示す表示用情報1004を含んで構成されるものであってよい。
【0025】
ここでパラメータ1003は、後述のゲームの進行制御を可能ならしめるため、キャラクタについて定められた、体力1011、攻撃力1012、守備力1013、及び該キャラクタによる行動を生じさせるための要件を記述した行動要件情報1014に加え、後述する通常攻撃とは異なる特殊攻撃に係る、該キャラクタ固有のアビリティを識別するアビリティID1015、及び該固有アビリティの発動に係る各種情報(条件、確率等)を記述したアビリティ情報1016を含むものとして説明する。
【0026】
提示制御部107は、例えばGPU等の描画装置を含み、本実施形態では第2表示部130及び第1表示部120に表示させる画面の生成及び制御を行う。具体的には提示制御部107は、ゲーム装置100の稼働中(ゲームプレイ中やスタンバイ状態中)において、制御部101により行われた処理や命令に基づいて必要な描画用オブジェクトに対して適当な演算処理を実行し、画面の描画を行う。生成した画面は、ゲーム装置100と同一筐体内、あるいはゲーム装置100の外部に着脱可能に接続された表示装置である第2表示部130及び第1表示部120に出力され、所定の表示領域中に表示されることでプレイヤに提示される。
【0027】
本実施形態のゲーム装置100は、ゲーム画面を表示する、
図2に示されるような2種類の表示装置(第1表示部120及び第2表示部130)を有しており、提示制御部107はその各々についてゲーム画面の生成を行う。詳細は後述するが、第2表示部130に表示されるゲーム画面は、好適なゲーム体験を提供するため複数の種類が存在し、
図2に示されるようなカードを載置する基準となるゲームフィールドの画像(ゲームカードを載置する位置や領域を明示するよう構成された2次元画像)が提示される画面を含む。一方、第1表示部120は、基本的には第2表示部130の盤面上で行われたゲームカードの移動操作に基づいて生成されるゲーム画面であって、例えばゲームカードに対応するキャラクタ、または該キャラクタ及びゲームに登場する他のキャラクタ等を俯瞰する視点について描画されたゲーム画面や各種演出動画が表示される。
【0028】
また提示制御部107は、例えばサウンドボードやアンプ等の音声信号の出力/増幅を行う回路を含み、不図示のスピーカから出力させる音声を生成する際には所定の処理を行う。具体的には提示制御部107は、例えば予め記録媒体102に記録された音声データに基づき、同時に出力を行う音声データを確定し、これを電気的な音声信号に変換(D/A変換)してスピーカに音声信号を出力し、該音声信号に基づく音波を出力させる。
【0029】
提供制御部108は、対価の支払いに基づく1回のゲームプレイにつき、ゲーム装置100でゲームプレイが提供されるゲームで使用可能なゲームカードが、基本的には1枚提供されるよう、提供部140の動作を制御する。ゲームカードは、例えば所定の遊戯(対戦ゲーム)の提供に係るゲームシーケンスの開始前に提供され、その後のゲームシーケンスにて使用可能に構成されるものであってよい。提供部140は、例えばカードディスペンサであり、鉛直方向にゲームカードを堆積する不図示のストッカを有し、提供制御部108によりなされた提供命令に応じてストッカ最下部に保持されているゲームカードを1枚提供する機構を有する構成であってよい。提供されたカードは、提供部140がゲーム装置100と同一筐体内に内蔵される場合は、ゲーム装置100の外部からアクセス可能な取出口141(
図2)に導かれることでプレイヤに提供されてよい。本実施形態のゲーム装置100から提供されるゲームカードは、上述したように固有の物品情報に係る不可視コードを表面に有して構成されるため、予め印刷製造された既製カードであり、全てのカード認識部105は同形同大に形成されるものとする。
【0030】
なお、本実施形態のゲーム装置100は、予め工場等で印刷、発行された固定的なデザインを有する既製カードを提供するものとして説明するが、提供されるゲームカードは所謂オンデマンド印刷により動的にデザイン変更可能なものであってもよい。この場合、提供部140は、所定の紙媒体に印刷を行う印刷装置であり、例えばゲームの進行に応じてプレイヤにより、もしくは抽選処理により選択されたキャラクタのキャラクタIDを有する物品情報が構成され、これをゲームカード用の変換方式で変換することで得られたコードが、ゲームカードに印刷して出力すればよい。
【0031】
操作入力部109は、例えば決定入力用の操作部材や各種センサ等の、ゲーム装置100が有するユーザインタフェースである。操作入力部109は、操作部材に対する操作入力がなされたことを検出すると、該操作入力に対応する制御信号を制御部101に出力する。本実施形態では操作入力部109は、物理的な操作部材としてゲーム装置100に設けられた各種ユーザインタフェースに対してなされた操作入力を検出するものであり、カード認識部105によって検出されるゲームカードの移動に係る操作入力とは検出対象が異なるものとして以下では別個のユーザインタフェースとして説明する。なお、操作入力部109は、例えば第1表示部120や第2表示部130の画面上になされたタッチ入力を検出するタッチ入力検出センサ等を含むものであってもよい。
【0032】
通信部110は、ゲーム装置100が有する外部装置との通信インタフェースである。通信部110は、不図示のインターネット等の通信網やケーブル等、有線無線を問わない通信媒体を介して外部装置と接続し、データの送受信を可能とすることができる。通信部110は、例えば送信対象として入力された情報を所定の形式のデータに変換し、ネットワークを介してサーバ等の外部装置に送信する。また通信部110は、例えばネットワークを介して外部装置から情報を受信すると、該情報を復号し、メモリ103に格納する。
【0033】
また本実施形態のゲーム装置100は、ゲームに係る処理のプログラムをパッケージ化したプログラムデータを通信部110を介して外部装置から受信可能に構成される。制御部101は、通信部110により該プログラムデータがプログラムの更新要求とともに受信された場合、更新要求に従って現在記録媒体102に格納されているゲームに係る処理のプログラムを、受信したプログラムデータを用いて更新することができる。なお、ゲームに係る処理のプログラムの更新処理は、この他、例えば記録媒体に記録されているプログラムデータをゲーム装置が有する不図示の光学ドライブ等に挿入した際に自動実行される、あるいは挿入後に管理者が開始命令を行うことによっても実行可能である。
【0034】
《ゲーム進行》
以下、本実施形態のゲーム装置100においてプレイ体験が提供されるゲームについて、その進行概要を説明する。
【0035】
本実施形態では、ゲーム装置100においてプレイ体験が提供されるゲームは、プレイヤの使用するキャラクタ、即ちプレイヤが載置パネル131上に載置したゲームカードの各々に対応付けられたキャラクタ(プレイヤキャラクタ)で構成されるプレイヤチームと、所定の手法で選択された対戦相手のキャラクタ(相手キャラクタ)で構成される相手チームとの間で行われる、ラウンド制の対戦ゲームであるものとして説明する。対戦ゲームでは、プレイヤチームと相手チームの各々に、チームを構成するキャラクタにつき定められた体力の総和がチーム体力として定められ、予め定められた上限ラウンド数までの間に相手のチーム体力を0まで減らしたチームが、もしくは上限ラウンド数のラウンドの経過後に残存するチーム体力が多かったチームが、ゲームの勝者となる。
【0036】
1つのラウンドは、プレイヤチームや相手チームの状態を検討して該ラウンドにおいてプレイヤチームの各キャラクタの行動を決定する作戦フェーズと、作戦フェーズにおいて決定された行動を解決し、チーム体力増減に係る処理がなされる行動フェーズとで構成される。ここで、プレイヤが思考する時間を担保すべく、作戦フェーズでは対戦ゲームは進行せず、作戦フェーズにおいて決定された行動の解決を行う行動フェーズにおいて対戦ゲームは進行する。
【0037】
以下、1つのラウンドについて設けられた作戦フェーズと行動フェーズについて、さらに詳細を説明する。
【0038】
〈作戦フェーズ〉
作戦フェーズでは、後続する行動フェーズ(同ラウンド)での各プレイヤキャラクタの行動を決定させるべく、
図3(a)のようなゲーム画面300が第2表示部130に表示される。ゲーム画面300に示される、本発明に係る第2の領域としての攻撃エリア301、及び同第2の領域としての待機エリア302は、対戦ゲームに係るゲーム内の空間(3D空間)においてプレイヤキャラクタを配置可能な領域に対応している。本実施形態の対戦ゲームでは、行動フェーズにおける各プレイヤキャラクタの行動は、作戦フェーズにおいて該プレイヤキャラクタをゲーム内の空間のいずれに配置させるか、即ち、該プレイヤキャラクタが対応付けられたゲームカードを載置パネル131のいずれの位置に配置させるか、に応じて決定されるものとする。
【0039】
プレイヤは、第2表示部130に表示された攻撃エリア301または待機エリア302に少なくとも一部が重なるよう、第2表示部130の載置パネル131上にゲームカードを載置することで、該ゲームカードに対応付けられたプレイヤキャラクタをゲーム内の空間に配置することができる。例えば、
図3(b)に示されるようにゲームカード311、312及び313が載置パネル131上に載置された場合、
図3(c)に示される第1表示部120に表示するゲーム画面320のように、対戦ゲームに係るゲーム内空間において、その相対関係を維持した状態で、各ゲームカードに対応付けられたプレイヤキャラクタ321、322及び323が配置される。以下、説明を簡単にすべく、画面における任意のエリアと対応する、載置パネル131上の領域にゲームカードを載置することを、「該ゲームカードに対応付けられたキャラクタをエリアに配置する」または「該ゲームカードをエリアに配置する」として言及するが、これらは適宜読み替え可能である。
【0040】
ここで、本実施形態の対戦ゲームでは、相手チームを操作する主体が、通信接続された他のゲーム装置100においてゲームプレイを行っている他のプレイヤ(相手プレイヤ)であるか、NPC(Non-Player Character)であるかに依らず、各チームについて、攻撃エリア301及び待機エリア302が設けられているものとする。そして、プレイヤチームに係る該エリア群と相手チームに係る該エリア群とは、
図4に示されるようにエリア内のキャラクタが対面するよう配置されているものとする。以下では、プレイヤチームに着目して対戦ゲームの流れを説明するが、これらの説明は相手チームについても同様である。
【0041】
載置パネル131上の領域に載置されたゲームカードに係るプレイヤキャラクタについて行動フェーズで生じさせる行動は、攻撃エリア301と待機エリア302とで異なっており、例えば前者は相手キャラクタへの対戦行動やアビリティの発動を含み、後者は防御パラメータの上昇や後述の行動ポイントのチャージの効果発動を含む。
【0042】
具体的には待機エリア302は、該エリアに配置されたプレイヤキャラクタに、後続の行動フェーズにおいて相手チームのチーム体力を減らすための行動(攻撃行動)を行わせず、行動ポイントをチャージさせるエリアである。行動ポイントとは、行動フェーズにおいて消費することで、該ポイント消費したプレイヤキャラクタに攻撃行動を可能ならしめるポイントである。行動ポイントが0の状態では、プレイヤキャラクタは攻撃行動を行えないため、プレイヤは該当のプレイヤキャラクタに係るゲームカードを待機エリア302に移動させる必要がある。また例えば行動ポイントの初期値、待機エリア302に配置することで上昇する(チャージされる)ポイント数、チャージ可能な最大値は、キャラクタごとにキャラクタ情報の行動要件情報1014で定められているものであってよい。
【0043】
一方、攻撃エリア301は、該エリアに配置されたプレイヤキャラクタに、後続の行動フェーズにおいて行動ポイントを消費させて攻撃行動を行わせるエリアである。
図3(a)に示されるように、攻撃エリア301は3段階の領域に分けられている。
【0044】
攻撃エリア301に配置されたプレイヤキャラクタは、プレイヤから遠離する領域(画面上方)に配置されるほど、攻撃行動を行った場合の与ダメージ量が大きくなる。即ち、プレイヤは攻撃エリア301の上方にプレイヤキャラクタを配置することで、該キャラクタを、相手チームのチーム体力をより多く減少させやすい状態とすることができる。反対に、攻撃エリア301に配置されたプレイヤキャラクタは、プレイヤに近接する領域(画面下方)に配置されるほど、攻撃行動を行った場合の与ダメージ量は小さくなる。
【0045】
一方で、相手キャラクタによる攻撃対象とされた場合、プレイヤキャラクタは、プレイヤから遠離する領域(画面上方)に配置されるほど被ダメージ量が大きくなり、プレイヤに近接する領域(画面下方)に配置されるほど被ダメージ量が小さくなるよう制御される。
【0046】
従って、プレイヤは作戦フェーズにおいて、載置パネル131上のゲームカードの移動操作を行って載置位置を変更することで、後続する行動フェーズにおける各プレイヤキャラクタの状態及び行動を制御することができる。
【0047】
〈行動フェーズ〉
作戦フェーズが(確定操作あるいは時間切れにより)終了すると、同ラウンドに係る行動フェーズが開始される。行動フェーズにおいて行動対象となるキャラクタは、基本的には攻撃エリア301に配置された、プレイヤチームのプレイヤキャラクタと相手チームの相手キャラクタである。行動フェーズは、作戦フェーズにて行われたゲームカードの移動操作の結果に基づいて行われる攻撃行動の解決を行い、その詳細や演出を提示する。
【0048】
まず行動フェーズが開始すると、プレイヤチームと相手チームのいずれから攻撃行動を行うか(先攻チーム/後攻チーム)が決定される。先攻チーム/後攻チームの決定は、例えば各チームの攻撃エリア301上に配置されたキャラクタのそれぞれに定められた攻撃力等のパラメータ(値)に、攻撃エリア301におけるキャラクタの位置に応じて消費された行動ポイント数に応じた値を加算する等、所定の演算を行うことで各チームのパラメータ総和を算出し、その大小に基づいて行う(大きい方が先攻)ものであってよい。
【0049】
先攻チーム/後攻チームが決定すると、後攻チームのキャラクタが、例えば攻撃属性、連携相性、配置位置等に基づきグループ分けされ、グループごとに攻撃対象の候補として設定される。なお、グループは1体のキャラクタのみで構成されるものであってもよい。また、以下では先攻チームの攻撃行動時の動作について説明するが、先攻チームの攻撃行動の終了後は、攻守を入れ替えて後攻チームの攻撃行動に係る動作が同様に行われる。
【0050】
まず攻撃行動の解決のために、例えば先攻チームの攻撃エリア301に配置されたキャラクタ1体(攻撃キャラクタ)が順に選択され、攻撃キャラクタに対して、上記設定された後攻チームのグループ(被撃グループ)が攻撃対象として選択される。そして、該攻撃キャラクタに係る攻撃行動(通常攻撃)の成否の判定が行われる。
【0051】
1体の攻撃キャラクタに係る通常攻撃の成否は、例えば
図5に示されるように、攻撃キャラクタ1体と被撃グループのうちのキャラクタ(被撃キャラクタ)1体のそれぞれに設けられたゲージ長さの長短により定まる、所謂ゲージ勝負で決定されるものであってよい。
図5に示される例では、攻撃キャラクタのゲージ501が被撃キャラクタのゲージ502を上回っており、この場合、攻撃キャラクタの通常攻撃は成功したと判定される。ここで、各ゲージ長さは、いずれかのプレイヤによって操作されるキャラクタのものである場合には、ゲージ長さが順次変動している間になされたゲージ停止に係る操作入力(物理的なボタン操作)によって確定されるものであってよい。一方、NPCにより操作されるキャラクタのものである場合には、ゲージ長さは、例えば抽選処理等によってランダムに定まるタイミングにて、ゲージ停止に係る操作入力がなされたものとして処理することにより確定されるものであってよい。
【0052】
通常攻撃が成功と判定された場合には、後攻チームへの与ダメージ量(体力の減算量)が確定し、通常攻撃が成功した(ガードされずに被撃グループにヒット(被撃)した)ことを示す演出表示が、第1表示部120及び/または第2表示部130になされる。一方、通常攻撃が失敗と判定された場合には、後攻チームへの与ダメージ量が別途確定し、通常攻撃が失敗した(ガードされて被撃グループにヒットした)ことを示す演出表示がなされる。ここで、対戦ゲームの興趣性を担保するため、通常攻撃が失敗したとしてもダメージは与えることが可能に構成され、成否はその与ダメージ量の増減に働くものとする(成功時>失敗時)。
【0053】
通常攻撃に次いで、同攻撃キャラクタについて定められたアビリティの発動を行うか否かの判断がなされる。アビリティは、例えば該攻撃キャラクタによる追加の攻撃行動(特殊攻撃)を生じさせるものであってよく、その発動の有無は抽選処理によって決定されるものであってよい。アビリティが発動すると、通常攻撃の演出表示に加えて、攻撃キャラクタが被撃キャラクタを特殊攻撃を用いて追撃する演出表示が、第1表示部120及び/または第2表示部130になされる。ここで、アビリティが発動する確率、即ち、該抽選処理における当選確率は、アビリティごとに定められてアビリティ情報1016に記述されているものであってよく、発動した場合にゲームを有利に進行せしめる度合いに応じて決定されていてよい(例えば、有利に進行せしめるアビリティほど当選確率が低く設定)。
【0054】
(連携攻撃)
アビリティ発動によって生じる特殊攻撃は、基本的には攻撃キャラクタ1体によって行われるものであるが、本実施形態の対戦ゲームでは、一部の特定のキャラクタにのみ、複数体のキャラクタによって行われる特殊攻撃(以下、他の特殊攻撃と区別するために連携攻撃として言及する)を生じさせるアビリティが割り当てられているものとする。
【0055】
連携攻撃は、載置パネル131におけるゲームカードの移動操作を条件として発動する。より詳しくは連係攻撃は、例えば
図6(a)に示されるように、該連係攻撃のアビリティを有する攻撃キャラクタに係るゲームカード601と、先攻チームのうちの攻撃キャラクタを除いた他の1体のキャラクタ(連携キャラクタ)に係るゲームカード602とを、それぞれ異なる枠603及び604で示された領域に移動させる移動操作が所定の時間(制限時間)内に行われたことをもって発動する。本実施形態では連携攻撃は、アビリティの発動条件が満たされた後に、
図6(a)のような画面提示がなされ、さらに載置パネル131における移動操作がなされて
図6(b)の状態になされることを条件として発動する。図示されるように、枠603及び604は攻撃エリア301、即ち、第2表示部130に提示される画面中のプレイヤと遠離する領域に配置して提示される。
【0056】
連携攻撃による与ダメージ量は、対象である2枚のゲームカードの移動操作の一致度合いに応じて増減される。ここで、本実施形態では移動操作の一致度合いとは、枠と対応する領域に移動する操作が完了したタイミングの同時性によって評価するものとし、2つのゲームカードの当該タイミングが近いほど与ダメージ量を増大させるよう制御される。換言すれば、プレイヤによる、枠603と対応する領域へのゲームカード601の移動操作が完了したタイミングと、枠604と対応する領域へのゲームカード602の移動操作が完了したタイミングとが比較され、これらが時間的に近接するのであるほど与ダメージ量が増大し、時間的に離間するほど与ダメージ量が減少するよう制御される。当該与ダメージ量の増減は、本実施形態では与ダメージ量の導出に用いられる数式の係数変更によって実現するものとして説明するが、例えば該当のキャラクタの攻撃力等のパラメータを変更することによって実現される、即ち、連携攻撃の与ダメージ量の導出が変更後のパラメータを用いて行われることによって実現されるものであってもよい。
【0057】
一致度合いは、段階的に評価されるものであってもよく、その時間的差異を例えば10段階に分類することで評価し、いずれの段階に分類されたかに応じて与ダメージ量を導出得すればよい。各段階に分類される時間的差異は、固定の時間幅であってもよいし、例えば興趣性を向上すべく、移動操作の完了タイミングが同時とみなされる段階に分類されやすいよう、分類に係る時間幅が各段階で異なっていてもよい。このとき、一致度合いの評価は、例えば
図6(b)の通知605で示されるように、百分率に換算したダメージ表示の態様で通知されるものであってよい。なお、連携攻撃において、少なくともいずれか一方のゲームカードの移動操作が完了しない場合は、該連携攻撃を発動しないよう制御するものとする。
【0058】
移動操作が完了すると、攻撃キャラクタと連携キャラクタとが参加した連携攻撃が発動し、当該キャラクタが被撃キャラクタに対して特殊な攻撃行動を行う演出表示が、第1表示部120及び/または第2表示部130になされる。即ち、連携攻撃の場合は、その他のアビリティによる特殊攻撃とは異なり、複数体のキャラクタによる攻撃行動がなされる進行態様に変更され、より大きな量のダメージを与え、ゲームの進行を有利な状態とすることができる。従って、ゲームバランスを保つべく、連携攻撃に係るアビリティが対応付けられるキャラクタは、ゲームに登場可能に設けられたキャラクタのうちでも一部に限定され、該アビリティの発動確率が低くなるよう、またはラウンド数が所定数以上となるまで発動しないよう制御されるものであってよい。
【0059】
ここで、連携攻撃が発動する際の演出表示は、ダメージ表示のみならず、演出内容も与ダメージ量に応じて異ならせるよう、制御されるものであってよい。
【0060】
なお、本実施形態では連携攻撃について、発動に至った場合には、第2表示部130の特定の位置に枠603及び604が提示されて移動操作を受け付けるものとして説明するが、ゲームカードの移動操作を必ず生じさせるよう、対象のゲームカードの載置パネル131上の位置と異なる位置に枠を提示するよう制御されるものであってもよいし、先に対象のゲームカードを特定の位置に移動させてから、該位置とは異なる位置に枠を提示するよう制御されるものであってもよい。
【0061】
また、本実施形態では連携攻撃について枠が第2表示部130に提示されるものとして説明するが、移動操作の指標となる情報が提示されるものであれば、その提示方法、提示内容はいずれであってもよい。
【0062】
また、本実施形態では説明を簡単にするため、連携攻撃について、2枚のゲームカードのそれぞれを配置する枠を1回提示するものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。即ち、枠の提示は複数回に分け、各回で異なる位置に枠を配置して行われるものであってもよく、例えば1回に係り提示された枠への2枚のゲームカードの移動操作が完了すると、続いて次の回に係る枠が提示され、当該2枚のゲームカードの更なる移動操作を要求するよう構成してもよい。
【0063】
また、本実施形態では、連携攻撃の発動に必要となる移動操作が、2枚のゲームカードを、それぞれ対応付けられた枠に、好ましくは同時に移動完了させるものであるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではなく、複数のゲームカードについて同種と分類される移動操作がなされたことを条件としてゲームの進行態様を変更するものであればよい。例えば、少なくとも連携攻撃を成功させるプレイヤの意思が確認されたことをもって発動させる態様では、連携攻撃の発動に必要となる移動操作は、枠に対応する領域に向けてゲームカードを移動させる操作であってもよい。あるいは、連携攻撃の発動に必要となる移動操作は、特定の領域にゲームカードを移動させる操作ではなく、2枚のゲームカードを同一の軌跡を描くように、または対称的な軌跡を描くように移動させる操作であってもよい。この場合、軌跡の類似度/対称度に応じて評価を行い、与ダメージ量を導出すればよい。
【0064】
また、連携攻撃の発動に係り移動操作が必要となるゲームカードの数は、2枚に限られるものではなく、複数枚であればいずれであってもよい。
【0065】
《提供処理》
このような構成をもつ本実施形態のゲーム装置100において、1回のプレイ体験の提供に係り実行される提供処理について、
図7のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。該フローチャートに対応する処理は、制御部101が、例えば記録媒体102に記憶されている対応する処理プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより実現することができる。なお、本ゲーム処理は、例えばゲーム装置100がスタンバイ状態となっている期間に、対価の支払いがなされたことが支払検出部104により検出された際に開始されるものとして説明する。
【0066】
S701で、提供制御部108は制御部101の制御の下、本提供処理の開始に係る対価の支払いに対し、ゲームカードを提供するよう提供部140を制御する。また制御部101は、該ゲームカードの提供に際し、ゲームカードが提供される旨の通知を提示制御部107に行わせる。
【0067】
S702で、制御部101は、今回のゲームプレイで登場させる相手キャラクタを決定する。以下では簡単のため、ゲーム装置100で提供されるゲームは、それぞれプレイヤの操作に基づいて行動制御がなされるプレイヤキャラクタ(プレイヤチーム)と、NPC(Non-Player Character)としてゲームに登場する相手キャラクタ(相手チーム)との間で行われる対戦ゲームであるものとして説明するが、上述したように相手チームとして、他のゲーム装置100を操作する他のプレイヤが構成したプレイヤチームとの間で行われる対戦ゲームであってもよい。
【0068】
プレイヤキャラクタ及び相手キャラクタの各々については、対戦ゲームに登場する数が予め定められており、本ステップにおいて制御部101は必要数の相手キャラクタを決定し、該相手キャラクタに係る対戦ゲーム用の情報をメモリ103の相手キャラクタ管理テーブルに追加して格納する。相手キャラクタの決定は、予め設けられた相手キャラクタや、相手キャラクタに関連付けられたクエスト等のうちからいずれかを選択する操作入力がなされたことに応じて行われるものであってもよいし、抽選処理や、別途の記録媒体に記録されたプレイヤのプレイ進行状況の情報等に応じて、操作入力を要さずに行われるものであってもよい。
【0069】
なお、相手キャラクタ管理テーブルにて1体のキャラクタについて管理される1レコードの情報は、ゲームカードの状態を示す情報を含まない以外、載置カード情報と同様の構成であってよく、決定された相手キャラクタのキャラクタIDに基づき、必要な情報がキャラクタDB106から取得されて格納されればよい。
【0070】
S703で、制御部101は、今回のゲームプレイにおいて対戦ゲームに登場させる、プレイヤキャラクタを登録する登録処理を実行する。登録処理は、プレイヤチームとしての登場を所望するキャラクタに係るゲームカードを、プレイヤが第2表示部130の載置パネル131上に載置することにより行われる。登録処理においてカード認識部105は、載置パネル131を撮像した画像に対し、ゲームカードに付されたコードの抽出・変換を行う画像処理を適用することで、ゲームカードの検出及び対応する物品情報の取得を行う。
【0071】
カード認識部105は、載置パネル131上に載置されているゲームカードに変化(新たなゲームカードの検出、検出していたゲームカードの(除去されたことによる)消失)があった場合に、対応する処理(載置カード情報の追加/削除)を行う。例えば新たなゲームカードを検出した場合、カード認識部105は該カードに付された不可視コードを解析することで対応付けられたキャラクタに係るキャラクタIDを取得(物品情報の取得)し、該カードの検出座標及び回転の情報とともに制御部101に出力する。そして制御部101は、該検出したゲームカードの物品情報に基づき、提示制御部107から該当のキャラクタ情報を取得することで載置カード情報を構成し、該情報をメモリ103のプレイヤキャラクタ管理テーブルに追加して格納する。
【0072】
ここで、載置カード情報は、例えば
図10(b)に示されるように、ゲームカードごとに、該ゲームカードの物品情報に含まれている、ゲームカードを識別するカードID1021及び対応付けられたキャラクタを識別するキャラクタID1022に関連付けて、キャラクタDB106から取得された、キャラクタ名1023、パラメータ1024、表示用情報1025、及び載置パネル131におけるゲームカードの状態(位置、回転及び移動の少なくともいずれか)を示す検出情報1026を管理する。
【0073】
S704で、制御部101は、プレイヤキャラクタの登録が終了したか否かを判断する。プレイヤキャラクタの登録が終了したことは、プレイヤによる登録終了に係る操作入力がなされたことの検出や、上限数(7体)のプレイヤキャラクタの登録が終了したことに基づいて判断されるものであってよい。制御部101は、プレイヤキャラクタの登録が終了したと判断した場合は処理をS705に移し、登録がまだ終了していないと判断した場合は処理をS703に戻す。ここで、登録を終了する際に、登録されたプレイヤキャラクタの数が規定数に満たない場合は、今回の対戦ゲームに係り貸与するキャラクタを抽選処理等により選択し、該キャラクタの情報をプレイヤキャラクタ管理テーブルに追加することで、プレイヤキャラクタが規定数となるよう処理してもよい。このとき、プレイヤキャラクタ管理テーブルにて1体の貸与するプレイヤキャラクタについて管理される1レコードの情報は、例えば該キャラクタをプレイヤ操作によらず制御部101が行動制御する態様では、相手キャラクタの情報と同様に載置カード情報から検出情報1026を除外した形で構成されてもよい。また例えば第2表示部130がタッチ操作を検出可能に構成された表示装置であり、貸与するプレイヤキャラクタに対応する仮想ゲームカード(の画像)がタッチ操作により移動可能に提示される態様では、載置カード情報と同一の構成であってよい。
【0074】
S705で、制御部101は、登録したプレイヤキャラクタと相手キャラクタとが登場する対戦ゲームに係るゲーム処理を開始する。より詳しくは、制御部101は、プレイヤキャラクタ管理テーブルと相手キャラクタ管理テーブルを参照し、各キャラクタのパラメータ1024に基づいて進行制御を行うゲームシーケンスの処理(ゲーム処理)を実行する。
【0075】
〈ゲーム処理〉
ここで、本ステップで行われるゲーム処理について、
図8のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。
【0076】
S801で、制御部101は、現在のラウンドに係る作戦フェーズの処理を開始する。より詳しくは、制御部101は、カード認識部105によるゲームカードの検出結果に基づいて、作戦フェーズ開始時において各プレイヤキャラクタが攻撃エリア301と待機エリア302のいずれに配置されているかの判定を行う。また制御部101は、ゲームカードの検出結果の時間的変化に基づいて移動操作がなされたか否かを判断し、移動操作がなされたゲームカードについて、対応するプレイヤキャラクタが攻撃エリア301と待機エリア302のいずれに配置されたかを判定する。
【0077】
なお、制御部101は、カード認識部105によるゲームカードの検出結果が得られると、プレイヤキャラクタ管理テーブルの該当の検出情報1026を更新し、移動操作が開始されたか否かの判断、及び移動操作が完了したか否かの判断を行うものとする。またこれに基づき、提示制御部107は制御部101の制御の下、検出結果及び移動操作を反映した画面を生成して、第1表示部120及び/または第2表示部130に提示する処理を行う。ゲームカードの検出や移動操作がなされたか否かの判断、及びこれに伴う提示制御の内容は同様であるため、以下の説明では説明を省略する。
【0078】
S802で、制御部101は、作戦フェーズの終了条件を満たしたか否かを判断する。作戦フェーズは、例えば各プレイヤキャラクタの配置の確定操作が行われた、あるいは作戦フェーズにつき予め定められた操作可能時間が経過したことを要件として、終了条件を満たしたと判断されるものであってよい。制御部101は、作戦フェーズの終了条件を満たしたと判断した場合は処理をS803に移し、終了条件を満たしていないと判断した場合は本ステップの処理を繰り返す。
【0079】
S803で、制御部101は、現在のラウンドに係る行動フェーズの処理を開始する。行動フェーズが開始すると、提示制御部107は、第1表示部120及び第2表示部130に表示させる画面を、作戦フェーズのものから行動フェーズのものに変更する。
【0080】
S804で、制御部101は、現在のラウンドに係る行動フェーズにつき、先攻をプレイヤチームと相手チームのいずれとするかを決定する。
【0081】
S805で、制御部101は、先攻チームを攻撃側チームとし、後攻チームを守備側チームとした、攻撃側チームの攻撃行動の解決に係る攻撃行動処理を実行する。
【0082】
〈攻撃行動処理〉
ここで、本ステップで実行される攻撃行動処理について、
図9のフローチャートを用いて詳細を説明する。
【0083】
S901で、制御部101は、守備側チームをグループに分ける。
【0084】
S902で、制御部101は、攻撃側チームの攻撃エリアに配置されているキャラクタのうち、攻撃行動が未解決の1体のキャラクタを、攻撃キャラクタに設定する。
【0085】
S903で、制御部101は、攻撃対象となる守備側チームのグループ(被撃グループ:守備側チーム)を決定し、攻撃キャラクタと被撃グループのうちの1体のキャラクタ(被撃キャラクタ)につき、通常攻撃のゲージ勝負に係る処理を実行する。制御部101は、ゲージ停止に係る操作入力を受け付け、プレイヤチームのキャラクタに係るゲージ長さを決定する。また制御部101は、相手チームのキャラクタに係る所定の処理を実行し、ゲージ長さを決定する。そして制御部101は、決定したゲージ長さに基づいて、攻撃キャラクタの通常攻撃の成否を確定する。
【0086】
S904で、制御部101は、S903において実行したゲージ勝負の結果(通常攻撃の成否)に基づいて、通常攻撃に係る守備側チームへの与ダメージ量を決定する。そして制御部101は、守備側チームのチーム体力から該与ダメージ量を減算する処理を行う。このとき、制御部101は、対象グループへの通常攻撃に係る演出表示を提示制御部107に行わせるよう制御する。
【0087】
S905で、制御部101は、攻撃キャラクタについてアビリティを発動させるか否かを判断する。アビリティを発動させるか否かは、攻撃キャラクタについて、プレイヤキャラクタ管理テーブルまたは相手キャラクタ管理テーブルで管理されるパラメータ1024のアビリティ情報1036に基づいて判断される。制御部101は、攻撃キャラクタについてアビリティを発動させると判断した場合は処理をS906に移し、発動させないと判断した場合は処理をS911に移す。
【0088】
S906で、制御部101は、攻撃キャラクタについて発動させるアビリティが連携攻撃を生じさせるものであるか否かを判断する。より詳しくは、制御部101は、攻撃キャラクタについてキャラクタ管理テーブルで管理されるアビリティID1035が、連携攻撃を生じさせるアビリティのアビリティIDに該当するか否かに基づいて、本ステップの判断を行う。制御部101は、攻撃キャラクタについて発動させるアビリティが連携攻撃を生じさせるものであると判断した場合は処理をS907に移し、生じさせるものではないと判断した場合は処理をS910に移す。
【0089】
S907で、制御部101は、今回のゲームプレイについて攻撃キャラクタの連携攻撃が既に発動したか否かを判断する。制御部101は、攻撃キャラクタの連携攻撃が既に発動したと判断した場合は処理をS911に移し、まだ発動していないと判断した場合は処理をS908に移す。
【0090】
S908で、制御部101は、連携攻撃の発動に係るゲームカードの移動操作を受け付ける。具体的には制御部101は、攻撃側チームの攻撃エリアに配置されたキャラクタのうちから連携攻撃に参加させる連携キャラクタを決定し、攻撃キャラクタと連携キャラクタが対応付けられたゲームカードの移動操作を受け付ける。また提示制御部107は制御部101の制御の下、これらのゲームカードの配置位置を示す枠を含めた画面を構成し、第2表示部130に提示させる。制御部101は、該当のゲームカードの移動操作が受け付けられた、即ち、2枚のゲームカードの移動操作がいずれも完了したと判断した場合は処理をS909に移す。このとき、制御部101は、各ゲームカードの移動操作が完了したタイミングの情報をメモリ103に格納するものとする。
【0091】
なお、制御部101は、制限時間内に移動操作が完了しなかった場合には、攻撃キャラクタの連携攻撃を発動させずに処理をS911に移せばよい。
【0092】
S909で、制御部101は、2枚のゲームカードについてなされた移動操作の完了タイミングに基づいて、連携攻撃に係る守備側チームへの与ダメージ量を決定する。そして制御部101は、守備側チームのチーム体力から該与ダメージ量を減算する処理を行う。このとき、制御部101は、対象グループへの連携攻撃に係る演出表示を提示制御部107に行わせるよう制御する。
【0093】
本実施形態では攻撃側チームがプレイヤチームであるものとし、S908及びS909においてなされた移動操作を検出して、連携攻撃の発動有無を判断するものとして説明したが、攻撃側チームがNPCとして構成された相手チームである場合には、連携攻撃に係る移動操作をシミュレートする、あるいは、完了タイミングを抽選処理によって決定する等によって、与ダメージ量を決定するものであってよい。
【0094】
一方、S906において攻撃キャラクタについて発動させるアビリティが連携攻撃を生じさせるものではないと判断した場合、制御部101はS910で、連携攻撃ではない特殊攻撃、即ち、攻撃キャラクタのみによって行われる特殊攻撃に係る守備側チームへの与ダメージ量を決定する。そして制御部101は、守備側チームのチーム体力から該与ダメージ量を減算する処理を行う。このとき、制御部101は、対象グループへの通常攻撃に係る演出表示を提示制御部107に行わせるよう制御する。
【0095】
S911で、制御部101は、攻撃側チームのキャラクタに攻撃行動が未解決のキャラクタが存在し、かつ、守備側チームのチーム体力が1以上であるか否かを判断する。制御部101は、攻撃行動が未解決のキャラクタが存在し、かつ、守備側チームのチーム体力が1以上であると判断した場合は処理をS902に戻し、当該条件に該当しないと判断した場合は本攻撃行動処理を完了する。
【0096】
このようにして、攻撃行動処理によって先攻チームに係る攻撃行動の解決を行うと、制御部101はゲーム処理のS806で、対戦ゲームの終了条件が満たされたか否かを判断する。本ステップにおける対戦ゲームの終了条件は、後攻チームのチーム体力が0以下になったか否かで判断される。制御部101は、対戦ゲームの終了条件が満たされたと判断した場合は本ゲーム処理を完了し、満たされていないと判断した場合は処理をS807に移す。
【0097】
S807で、制御部101は、後攻チームを攻撃側チームとし、先攻チームを守備側チームとした、攻撃側チームの攻撃行動の解決に係る攻撃行動処理を実行する。
【0098】
S808で、制御部101は、プレイヤチームと相手チームの待機エリアに配置されているキャラクタについて、行動ポイントのチャージに係る処理を行う。
【0099】
S809で、制御部101は、対戦ゲームの終了条件が満たされたか否かを判断する。本ステップにおける対戦ゲームの終了条件は、先攻チームのチーム体力が0以下になったか否か、または現在のラウンドが最終ラウンドであるか否かに基づいて判断されるものであってよい。制御部101は、対戦ゲームの終了条件を満たしていると判断した場合は本ゲーム処理を完了し、満たしていないと判断した場合は処理をS801に戻し、次のラウンドに係る処理を行う。
【0100】
このようにゲーム処理が完了すると、制御部101は提供処理のS706で、対戦ゲームの終了に係る各種処理を実行し、本提供処理を完了する。該処理は、例えば提示制御部107によるゲーム結果の提示、スタンバイ状態への移行処理を含んでいてよい。
【0101】
以上説明したように、本実施形態のゲーム装置によれば、複数の物品の移動操作が同種に分類される移動操作であることを条件としてゲームの進行態様が変更されるため、興趣性を向上させたゲームのプレイ体験を提供することができる。
【0102】
[変形例]
上述した実施形態では、対戦ゲームのプレイヤが1人であることを前提とした態様について説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。対戦ゲームは、例えば1台のゲーム装置100において、2人のプレイヤがタッグで(味方同士で)参加する、所謂2Pモードが設けられる態様であってもよい。この場合、プレイヤチームに登録されたゲームカードについて、いずれのプレイヤにより載置された、あるいは、操作されるものであるかの情報が管理され、連携攻撃の発動に移動操作の対象となる複数のゲームカードに、両プレイヤに係るゲームカードを含めるよう制御するものであってよい。このようにすることで、複数のゲームカードの移動操作についての同時性の判定等の難易度を好適に上昇させ、より高い興趣性のプレイ体験を提供することができる。
【0103】
なお、このような変形態様はプレイヤが2名の態様に限定されるものでなく、複数名のプレイヤが味方同士で参加可能なように対戦ゲームが構成されるものであってもよいことは言うまでもない。この場合、連携攻撃の発動に移動操作の対象となる複数のゲームカードは、参加したプレイヤの少なくとも一部であって、複数名のプレイヤに対応付けられたゲームカードが選択されればよい。
【0104】
またこのような複数名のプレイヤが味方同士で参加可能な態様は、1台のゲーム装置において実現されるものである必要はない。即ち、これらのプレイヤが通信接続可能に構成された複数台のゲーム装置をそれぞれ操作し、例えば連携攻撃の発動の際には、該複数台のゲーム装置において同期して枠が提示され、各々ゲームカードの移動操作を受け付け、該移動操作について同時性を判定する態様であってもよい。この場合、1台のゲーム装置の第2表示部130に複数の枠が提示される必要はない。また、1台のゲーム装置において移動指標として提示される枠は1つであるが、他のゲーム装置において同様に提示されている枠の位置情報、及び当該枠への移動対象となっているゲームカードの載置状況を取得し、これらを共に提示させることで、複数名のプレイヤの連携プレイを容易にさせるものとしてもよい。
【0105】
[その他の実施形態]
本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、発明の要旨の範囲内で種々の変形・変更が可能である。また本発明に係る**装置は、1以上のコンピュータを該**装置として機能させるプログラムによっても実現可能である。該プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されることにより、あるいは電気通信回線を通じて、提供/配布することができる。
【符号の説明】
【0106】
100:ゲーム装置、101:制御部、102:記録媒体、103:メモリ、104:支払検出部、105:カード認識部、106:キャラクタDB、107:提示制御部、108:提供制御部、109:操作入力部、110:通信部、120:第1表示部、130:第2表示部、131:載置パネル、140:提供部、141:取出口、150:端部、160:端部