(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-05
(45)【発行日】2024-02-14
(54)【発明の名称】頭部支持組立体及び支持ユニット
(51)【国際特許分類】
A61G 5/12 20060101AFI20240206BHJP
A61G 5/08 20060101ALI20240206BHJP
A61G 5/10 20060101ALI20240206BHJP
【FI】
A61G5/12 703
A61G5/08 702
A61G5/10 703
A61G5/10 712
(21)【出願番号】P 2021506784
(86)(22)【出願日】2019-04-21
(86)【国際出願番号】 IL2019050456
(87)【国際公開番号】W WO2019207580
(87)【国際公開日】2019-10-31
【審査請求日】2022-04-18
(32)【優先日】2018-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IL
(73)【特許権者】
【識別番号】520411353
【氏名又は名称】ヘッドオベーションズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】コーエン ガジット,ベン
(72)【発明者】
【氏名】シャハム,カルマン
(72)【発明者】
【氏名】リブラス,マイケル
【審査官】胡谷 佳津志
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第201143048(CN,Y)
【文献】米国特許第04989836(US,A)
【文献】国際公開第2017/037751(WO,A1)
【文献】特開2006-141631(JP,A)
【文献】米国特許第05338048(US,A)
【文献】米国特許第3476404(US,A)
【文献】米国特許第7032974(US,B1)
【文献】米国特許第7207630(US,B1)
【文献】独国実用新案第202005019582(DE,U1)
【文献】米国特許第06095611(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61G 5/00-5/14
A47C 7/00-7/74
B60N 2/00-2/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
右側支柱及び左側支柱を有するモジュール式頭部支持組立体のための支持ユニット(50)であって、前記支持ユニットが、
支持体(52)と、
前記右側支柱及び前記左側支柱との関節接合のためにそれぞれ構成された右側取り付け要素及び左側取り付け要素であって、前記右側取り付け要素及び前記左側取り付け要素が前記支持体の反対側に配置されている、右側取り付け要素(60)及び左側取り付け要素(70)と、
前記右側取り付け要素及び前記左側取り付け要素の互いに対する位置を、少なくとも、延出位置から格納位置に向けて、選択的に調整するように構成された調整機構(80)と、を備え、
前記格納位置において、前記右側取り付け要素(60)と前記左側取り付け要素(70)との間の距離が第1の距離であり、
前
記延出位置において、前記右側取り付け要素(60)と前記左側取り付け要素(70
)との間の前記距離が、前記第1の距離よりも大きい第2の距離であ
り、
前記右側取り付け要素及び前記左側取り付け要素が、それぞれ、右側延出要素及び左側延出要素を介して前記支持体の反対側に配置されており、
前記調整機構が、それぞれ前記右側延出要素及び前記左側延出要素の長さに沿って互いに反対側に配置された右側及び左側駆動要素と、前記右側及び左側駆動要素の両方と係合した駆動部分を含む駆動歯車と、を含み、
前記駆動歯車が、前記支持体のロック部分と選択的に係合可能なラッチ部分をさらに含み、
前記ラッチ部分及び前記ロック部分が、少なくとも、前記右側取り付け要素及び前記左側取り付け要素の互いに対する位置を固定するための前記調整機構の固定機構の部分を構成し、
前記駆動歯車が、前記ラッチ部分が前記駆動歯車の運動を防止するよう前記ロック部分との係合であるロック状態と、前記ラッチ部分が前記駆動歯車の運動を可能にするよう前記ロック部分から係合解除されているロック解除状態と、の間で構成可能であり、
前記駆動歯車が、前記支持体に対して近づくよう、及び遠ざかるよう、並びに前記支持体の長手方向軸と垂直に摺動変位可能であることによって、前記ロック状態と前記ロック解除状態との間で構成可能である、支持ユニット。
【請求項2】
前記調整機構(80)が、前記右側取り付け要素及び前記左側取り付け要素が、少なくとも、複数の中間位置の中からの任意の1つの中間位置から前記延出位置に向けて調整されることを防止するように構成された固定機構(90)をさらに含む、請求項1に記載の支持ユニット。
【請求項3】
前記固定機構(90)が、前記右側取り付け要素及び前記左側取り付け要素を前記延出位置と前記格納位置との間の複数の中間位置の中からの任意の1つの中間位置において固定するように構成されている、請求項
2に記載の支持ユニット。
【請求項4】
前記支持体が長手方向軸を有し、前記右側取り付け要素及び前記左側取り付け要素の互いに対する前記位置が前記長手方向軸に沿って直線的に調整可能である、請求項1~3の何れか一項に記載の支持ユニット。
【請求項5】
前記調整機構が、少なくとも部分的に前記長手方向軸に沿って延びるか、又は、少なくとも部分的に前記支持体内で延びる、請求項4に記載の支持ユニット。
【請求項6】
前記調整機構が、前記右側取り付け要素及び前記左側取り付け要素の両方
の位置を同時に調整するように構成されている、請求項1~5の何れか一項に記載の支持ユニット。
【請求項7】
前記右側取り付け要素及び前記左側取り付け要素の前記位置の前記同時調整が、前記右側取り付け要素及び前記左側取り付け要素が同じ距離で変位させられるというものである、請求項6に記載の支持ユニット。
【請求項8】
前記調整機構が、前記右側延出要素及び前記左側延出要素を前記支持体に対して調整し固定することによって、前記右側取り付け要素及び前記左側取り付け要素を互いに対して調整し固定するように構成されている、請求項
1に記載の支持ユニット。
【請求項9】
前記右側延出要素が、その内部に形成された右側細長開口部(63)を含み、
前記右側細長開口部が、右側上方リム(64)及び右側下方リムを含み、
前記右側駆動要素が、前記右側上方及び下方リムのうちの一方の上において延び、
前記左側延出要素が、その内部に形成された左側細長開口部(73)を含み、
前記左側細長開口部が、左側上方リム及び左側下方リム(74)を含み、
前記左側駆動要素が、前記右側駆動要素が延びる
前記右側上方リム及び下方リムから選ばれた前記リムとは反対側の前記リムに沿って延び、
前記駆動部分が、前記右側細長開口部及び前記左側細長開口部の両方を貫いて延びる、請求項
1に記載の支持ユニット。
【請求項10】
第1の方向に向かう前記駆動歯車の運動が、前記延出位置に向かう前記右側及び左側取り付け要素のそれぞれの調整を必然的に伴い、
第2の反対の方向に向かう運動が、前記格納位置に向かう前記右側及び左側取り付け要素のそれぞれの調整を必然的に伴う、請求項
9に記載の支持ユニット。
【請求項11】
前記ラッチ部分が、前記ロック部分の1つ以上の凹部において受容されるように構成された1本以上の歯を含み、
前記駆動部分が、ピニオン(88)であり、
前記右側及び左側駆動要素のそれぞれ一つが、ラックである、請求項
1に記載の支持ユニット。
【請求項12】
前記支持体が、前記支持体の長手方向軸に沿って前記支持体の前記反対側の間に延び、前記右側延出要素及び前記左側延出要素の少なくとも区分を収容するように構成されたトンネル(57)を含む、請求項
1に記載の支持ユニット。
【請求項13】
前記トンネルが、前記右側延出要素の少なくとも区分と係合するように構成された、前記トンネル内へ突出した右側突出部と、前記左側延出要素の少なくとも区分と係合するように構成された、前記トンネル内へ突出した左側突出部と、をさらに含む、請求項
12に記載の支持ユニット。
【請求項14】
前記右側延出要素が、少なくとも1つの第1の摺動部材(65、67)を含み、
前記左側延出要素が、前記少なくとも1つの第1の摺動部材に摺動可能に止着された少なくとも1つの第2の摺動部材(72、77)を含む、請求項
1に記載の支持ユニット。
【請求項15】
前記支持体が、ヘッドレストレイントが取り付け可能である前方部分(53)を有するように構成されており、
前記支持ユニットが、前記前方部分と一体である前記ヘッドレストレイントをさらに備える、請求項1~
14の何れか一項に記載の支持ユニット。
【請求項16】
前記調整機構が、前記右側取り付け要素及び前記左側取り付け要素
の位置を、変位させること、又は、その変位を促進すること、によって選択的に調整するように構成されている、請求項1~
15の何れか一項に記載の支持ユニット。
【請求項17】
前記右側及び左側取り付け要素のそれぞれ一つが、前記それぞれの支柱の区分をその内部に受容するように構成された装着孔(71)を含み、
前記装着孔の各々が、各々のそれぞれの取り付け要素の下面において形成されておりそれ自身を通して前記それぞれの支柱の上部又は下部区分を受容するように構成された孔開口部(71′)を含む、請求項1~
16の何れか一項に記載の支持ユニット。
【請求項18】
前記右側及び左側取り付け要素のそれぞれ一つが、前記それぞれの支柱を前記それぞれの装着孔の内部に止着するためのそのそれぞれの装着孔に配置された止着要素(79)を含み、
前記右側及び左側取り付け要素の前記それぞれの装着孔に配置された前記止着要素が、前記装着孔の内端部に配置された磁石である、請求項
17に記載の支持ユニット。
【請求項19】
前記右側及び左側取り付け要素のそれぞれ一つが、前記装着孔を含み前記それぞれの取り付け要素の内部内で枢動可能に回転可能な枢動部材(361、371)をさらに含む、請求項
17又は18に記載の支持ユニット。
【請求項20】
シート又は車椅子に取り付けられるように構成されたモジュール式頭部支持組立体(10)であって、前記頭部支持組立体が、
少なくとも1つのカプラユニット(46、48)によって
、前記シート又は前記車椅子の
右側フレーム部材
及び左側フレーム部材に
それぞれ取り付けられるように各々構成された、右側支柱(40)及び左側支柱(42)と、
請求項1~
19の何れか一項に記載の支持ユニット(50)と、
を備える、モジュール式頭部支持組立体。
【請求項21】
右側カプラユニット及び左側カプラユニットを含む前記少なくとも1つのカプラユニットをさらに備える、請求項
20に記載のモジュール式頭部支持組立体。
【請求項22】
前記右側支柱が、前記少なくとも1つのカプラユニットの前記右側カプラユニットによって前記シートの前記右側フレーム部材に取り付けられており、
前記左側支柱が、前記左側カプラユニットによって前記シートの前記左側フレーム部材に取り付けられている、請求項
21に記載のモジュール式頭部支持組立体。
【請求項23】
前記右側及び左側カプラユニットのそれぞれ一つが、それ自身を通して支柱を受容するための支柱受容部材(49)、前記
右側フレーム部材
及び前記左側フレーム部材のそれぞれに取り付け可能な装着機構(36)、及び、前記
右側支柱
及び前記左側支柱のそれぞれを前記支柱受容部材に対してその異なる位置において選択的に拘束するように構成された高さ固定機構(38)を含む、請求項
22に記載のモジュール式頭部支持組立体。
【請求項24】
前記装着機構が、前記
右側フレーム部材
及び前記左側フレーム部材のそれぞれをその間にしっかりと受容するように構成された第1のフレーム係合区分(36a)及び相補的な第2のフレーム係合区分(36b)を含む、請求項
23に記載のモジュール式頭部支持組立体。
【請求項25】
前記第1のフレーム係合区分及び前記第2のフレーム係合区分のそれぞれ一つが、そのフレーム係合側において形成された凹部、並びに前記凹部の全長を通って延びる第1及び第2のエラストマーユニット(36c、36d)を含み、
前記
第1及び第2のエラストマーが、前記装着機構が、様々に形成されたサイドフレーム部材をそれらの間に受容することを可能にするように構成されている、請求項
24に記載のモジュール式頭部支持組立体。
【請求項26】
前記右側及び左側支柱の両方が、それらの上部区分において形成されたショックアブソーバを含み、
前記右側ショックアブソーバ及び左側ショックアブソーバ(33)のそれぞれ一つが、前記右側取り付け要素及び前記左側取り付け要素にそれぞれ磁気的に取り付け可能であるように構成されている、請求項
20~25の何れか一項に記載のモジュール式頭部支持組立体。
【請求項27】
前記右側及び左側ショックアブソーバのそれぞれ一つが、前記上部区分内に配置されたばね装着部材(44a)と、前記支柱よりも広く、前記ばね装着部材の下方に鉛直に配置されたストッパ軌道(44c)に沿って、前記ばね装着部材に向かって及びそれから変位可能な外部ストッパ(44b)と、前記ばね装着部材及び前記ストッパを相互接続するばね(44d)と、を含み、
前記ばねが、前記ストッパを、前記ストッパ軌道に沿って前記ばね装着部材から離れるよう常時付勢するように構成されている、請求項
26に記載のモジュール式頭部支持組立体。
【請求項28】
右側フレーム部材(18)及び左側フレーム部材(20)と、
請求項
20~27の何れか一項に記載されたモジュール式頭部支持組立体(10)と、
を備える、車椅子(14)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本開示は、シートのための頭部支持組立体、及び頭部支持組立体と共に使用するための支持ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
背景
日本国特許第5858545号は、車椅子の背もたれを支持する支持部材に固定されるヘッドレストであって、支持部材に固定され、下方から上方に延び、筒状体に形成された一対の固定部と、車椅子の内部に下端側からそれぞれ挿入される一対の軸部と、一対の軸部の上端側に左右の側縁が固定された一対の軸部、柔軟性材料の布材料で形成され、着席した使用者の頭部を本体の一方の側で支持する本体と、を備え、本体は、一方の側縁において軸部が挿入される筒状の軸部挿入部と、一方の端部から中央部までの範囲に形成された第1面接合部と、中央から他方の端部までの範囲に形成され、第1面接合部と着脱自在に接合する第2面接合部と、を有し、本体は、軸部挿入部に一方の軸部が挿入され、軸部の他方のものを支点に折り返し、第1面接係合部(interview engaging portion)と第2面接係合部とが接合し、一対の軸部に固定されるヘッドレスト、ヘッドレストを開示している。
【0003】
日本実用新案登録第3174020号は、着座部及び背もたれ部を含む車椅子と、この車椅子に着座した利用者を覆うためのフード機構と、を備えたフード付き車椅子であって、フード機構は、引っ掛け部を有するフードと、支持フレームの長手方向に延びる支持フレームと、この支持フレームの内端に設けられた上下方向に長い収容フレームと、この収容フレームに上下方向に伸縮自在に収容された伸縮ロッドと、ロッドを伸ばすことで上方へ移行する折り畳み自在なフードとを備えているフード付き車椅子を開示している。
【0004】
米国特許第9,566,885号は、ヘッドレストレイントであって、後方部分、及びそれから延びる2つの側方部分を有するように構成されたヘッドレスト部材であって、側方部分が、ヘッドレスト部材が、側方部分が第1の程度に互いに離間された第1の状態、及び側方部分が、前記第1の程度よりも小さい第2の程度まで互いに離間された第2の状態を取ることを可能にするよう、後方部分に対して折り曲げ可能である、ヘッドレスト部材と、ヘッドレストレイントをシートに装着するためにヘッドレスト部材に関節接合された装着機構と、前記側方部分に枢動可能に関節接合されており、少なくとも上方向位置と下方向位置との間における回転のために構成された拘束部材と、を備え、その上方向位置とその下方向位置との間における拘束部材の変位が、ヘッドレスト部材にその第1及び第2の状態をそれぞれ取らせるように構成されている、ヘッドレストレイントを開示している。
【発明の概要】
【0005】
概要
本開示の主題の第1の態様によれば、右側支柱及び左側支柱を有するモジュール式頭部支持組立体のための支持ユニットであって、前記支持ユニットが、
支持体と、
前記右側支柱及び前記左側支柱との関節接合のためにそれぞれ構成された右側取り付け要素及び左側取り付け要素であって、前記右側取り付け要素及び前記左側取り付け要素が支持体の反対側に配置されている、右側取り付け要素及び左側取り付け要素と、
右側取り付け要素及び左側取り付け要素の互いに対する位置を、少なくとも、延出位置から格納位置に向けて、選択的に調整するように構成された調整機構と、
を備える支持ユニットが提供される。
【0006】
本開示の主題の第2の態様によれば、シートに取り付けられるように構成されたモジュール式頭部支持組立体であって、頭部支持組立体が、
少なくとも1つのカプラユニットによってシートの右側フレーム部材及び左側フレーム部材にそれぞれ取り付けられるように構成された、右側支柱及び左側支柱と、
支持ユニットと、
を備え、支持ユニットが、
支持体と、
前記右側支柱及び前記左側支柱との関節接合のためにそれぞれ構成された右側取り付け要素及び左側取り付け要素であって、前記右側取り付け要素及び前記左側取り付け要素が支持体の反対側に配置されている、右側取り付け要素及び左側取り付け要素と、
右側取り付け要素及び左側取り付け要素の互いに対する位置を、少なくとも、延出位置から格納位置に向けて、選択的に調整するように構成された調整機構と、
を備える、モジュール式頭部支持組立体が提供される。
【0007】
本開示の主題の第3の態様によれば、車椅子であって、
右側フレーム部材及び左側フレーム部材と、
車椅子に取り付けられるように構成されたモジュール式頭部支持組立体であって、頭部支持組立体が、少なくとも1つのカプラユニットによって右側フレーム部材及び左側フレーム部材にそれぞれ取り付けられるように構成された、右側支柱及び左側支柱を備える、頭部支持組立体と、
支持ユニットと、
を備え、支持ユニットが、
支持体と、
前記右側支柱及び前記左側支柱との関節接合のためにそれぞれ構成された右側取り付け要素及び左側取り付け要素であって、前記右側取り付け要素及び前記左側取り付け要素が支持体の反対側に配置されている、右側取り付け要素及び左側取り付け要素と、
右側取り付け要素及び左側取り付け要素の互いに対する位置を、少なくとも、延出位置から格納位置に向けて、選択的に調整するように構成された調整機構と、
を備える、車椅子が提供される。
【0008】
車椅子は、折りつぶし位置と開展位置との間で構成可能な折りつぶし式車椅子であることができる。
【0009】
用語「シート」は、本明細書で使用するとき、着座しているユーザを支持するように構成されたシート部分及び後方部分を有する任意のデバイスを示し、以下のもの:車椅子、補助椅子、安全シート、乳母車、車両の座席、椅子、ベンチ等のうちの任意のものであることができる。
【0010】
調整機構は、右側取り付け要素及び左側取り付け要素の互いに対する位置を延出位置と格納位置との間で調整するように構成され得る。換言すれば、調整機構はまた、右側取り付け要素及び左側取り付け要素の位置を格納位置から延出位置へ調整するように構成され得る。
【0011】
右側取り付け要素及び左側取り付け要素の互いに対する位置の調整は異なる仕方でもたらされ得る。例えば、調整は、右側取り付け要素及び左側取り付け要素のうちのどちらか一方、或いはその両方の構造及び/又は位置(角度変位若しくは直線変位のどちらか)及び/又は寸法を変更することによって遂行することができる。
【0012】
モジュール式頭部支持組立体は、右側及び左側フレームを有する任意のシートに取り付けられるように構成されている。モジュール式頭部支持組立体は、右側カプラユニット及び左側カプラユニットを含むことができる少なくとも1つのカプラユニットを備えることができる。右側支柱は、少なくとも1つのカプラユニットの右側カプラユニットによってシートの右側フレーム部材に取り付けられ得、左側支柱は、少なくとも1つのカプラユニットの左側カプラユニットによってシートの左側フレーム部材に取り付けられ得る。
【0013】
右側支柱及び左側支柱は、通例、互いに平行に鉛直上方へ延び、それらの間に特定の距離を規定する。右側支柱及び左側支柱が右側及び左側フレーム部材に取り付けられたとき、それらの間の距離は、シートの幅によって、並びに特に、シートの右側及び左側フレーム部材の間の構造及び距離によって規定される。この距離はシートごとに変化するか、或いは右側及び左側の柱が特定のシートのサイドフレームに関節接合された場所に依存し得る。それゆえ、右側取り付け要素及び左側取り付け要素は、支持ユニットを右側及び左側支柱に取り外し可能に取り付けるために互いに対して調整可能である。また、右側取り付け要素及び左側取り付け要素は、それらの間の距離を、右側及び左側フレーム部材に取り付けられた右側支柱と左側支柱との間の距離に合わせるように調整可能である。調整は、右側取り付け要素及び前記左側取り付けが、複数の中間位置の中から任意の1つの中間位置、又は延出位置と格納位置との間の複数の離散的な所定位置の中から任意の1つの離散的な所定位置を取ることを可能にすることができる。
【0014】
支持ユニットは右側及び左側支柱の上端部分又は下端部分のうちのどちらか一方に関節接合され得る。場合によっては、支柱の上端部分に関節接合されたとき、支持ユニットは、シート上に着座したユーザの頭部のための支持を提供するように構成され得る。場合によっては、支持体は、ヘッドレストレイントが取り付け可能である前方部分を有するように構成されている。このような場合には、ヘッドレストレイントは、例えば、ユーザが眠った場合、又は身体障害のある個人の場合に、シートに着座している間のユーザに改善された頭部及び頸部支持を提供するように構成されている。より具体的には、ヘッドレストレイントは、ユーザの頭部が前方へ倒れることを防止するよう、及びさらに、ユーザの頭部が左側若しくは右側へ傾くことを防止するように構成されている。これは、シート上に着座している間にユーザの頭部に対して快適な安定した支持を提供する。
【0015】
特定の実施例によれば、ヘッドレストレイントは、米国特許第9,566,885号において開示されたものであることができる。同特許の内容は本明細書において参照により組み込まれる。ヘッドレストレイントは、後方部分、及びそれから延びる2つの側方部分を有するように構成されたヘッドレスト部材であって、側方部分が、ヘッドレスト部材が、側方部分が第1の程度に互いに離間された第1の状態、及び側方部分が、前記第1の程度よりも小さい第2の程度まで互いに離間された第2の状態を取ることを可能にするよう、後方部分に対して折り曲げ可能である、ヘッドレスト部材と、ヘッドレストレイントをシートに装着するためにヘッドレスト部材に関節接合された装着機構と、前記側方部分に枢動可能に関節接合されており、少なくとも上方向位置と下方向位置との間における回転のために構成された拘束部材と、を備えることができ、その上方向位置とその下方向位置との間における拘束部材の変位は、ヘッドレスト部材にその第1及び第2の状態をそれぞれ取らせるように構成されている。使用時、ユーザの頭部がヘッドレストレイントに位置付けられている時に、その上方向位置内の拘束部材はユーズ(use)の頭部の実質的に上方に配置され得、その下方向位置では、拘束部材はユーザの額の実質的に前に配置され得る。
【0016】
以下の特徴、設計及び構成のうちの任意の1つ以上は、本開示の主題の第1、第2及び第3の態様の支持ユニット及び頭部支持組立体に、独立して、又はそれらの組み合わせで組み込むことができる。
【0017】
支持ユニットは完全に硬質であることができる。
【0018】
右側取り付け要素及び左側取り付け要素は硬質であることができる。
【0019】
支持ユニットは少なくとも部分的に柔軟性を有することができる。
【0020】
右側取り付け要素及び左側取り付け要素は柔軟性を有することができる。
【0021】
調整機構は、前記右側取り付け要素及び前記左側取り付け要素が、少なくとも、複数の中間位置の中からの任意の1つの中間位置から延出位置に向けて調整されることを防止するように構成された固定機構をさらに含むことができる。
【0022】
固定機構は、前記右側取り付け要素及び前記左側取り付け要素を、延出位置と格納位置との間の複数の中間位置の中からの任意の1つの中間位置において固定するように構成され得る。
【0023】
固定機構は、右側取り付け要素及び前記左側取り付け要素が、少なくとも延出位置へ向けた互いに対する調整を制限される、ロック状態、並びに右側取り付け要素及び前記左側取り付け要素が互いに対して調整可能である、ロック解除状態を含むことができる。支持ユニットは、右側取り付け要素及び左側取り付け要素の互いに対する位置を延出位置と格納位置との間で調整するようにさらに構成され得る。特定の実施例によれば、そのロック状態における固定機構は、延出位置及び格納位置の両方へ向けた右側取り付け要素及び左側取り付け要素の互いに対する調整を制限するように構成されている。
【0024】
右側取り付け要素及び左側取り付け要素は、右側取り付け要素と左側取り付け要素との間の距離が第1の距離であり、延出位置において、右側取り付け要素と左側取り付け要素との間の距離が、第1の距離よりも大きい第2の距離であるように調整されることによって、少なくとも、延出位置から格納位置に向けて、及び/又は格納位置から延出位置に向けて調整可能であることができる。本主題の特定の実施例では、格納位置において、右側取り付け要素及び左側取り付け要素は、支持体の反対側の側部に、及び/又は互いに隣接して位置付けられ得る。延出位置において、右側取り付け要素及び左側取り付け要素は、支持体から、及び/又は互いから各々最大限に離間配置され得る。
【0025】
支持体は長手方向軸を有し、右側取り付け要素及び左側取り付け要素の互いに対する位置は前記長手方向軸に沿って直線的に調整可能である。右側取り付け要素及び左側取り付け要素の互いに対する調整は、それらを前記長手方向軸に沿って互いに向かって、及び/又は互いから変位させることによって遂行され得る。場合によっては、調整機構は少なくとも部分的に前記長手方向軸に沿って延びることができる。このような場合には、長手方向軸に沿った調整機構の運動は右側取り付け要素及び左側取り付け要素を延出位置と格納位置との間で変位させることができる。調整機構は少なくとも部分的に前記支持体内で延びることができる。
【0026】
調整機構は、右側取り付け要素及び左側取り付け要素の両方の位置を同時に調整するように構成され得る。特定の実施例によれば、右側取り付け要素及び左側取り付け要素のうちの一方を調整することは、右側取り付け要素及び左側取り付け要素のうちの他方のものの調整を必然的に伴うことができる。右側取り付け要素及び左側取り付け要素の位置の同時調整は、右側取り付け要素及び左側取り付け要素が同じ距離で変位させられるというものであることができる。このような例では、右側取り付け要素から支持体まで、及び左側取り付け要素から支持体までの間の距離は常に実質的に同じである。本開示の主題の別の特定の実施例によれば、支持体は実質的に対称であることができ、右側取り付け要素及び左側取り付け要素をその中心から実質的に等しい距離に有する。このような実施例では、支持体は右側取り付け要素と左側取り付け要素との間の中心位置に維持される。
【0027】
調整機構は、ユーザによって、右側取り付け要素から左側取り付け要素までの間の距離を増大又は減少させるように操作され得る。本開示の主題の特定の実施例では、ユーザの単一の操作が右側取り付け要素及び左側取り付け要素の両方を、延出位置に向けて、及び/又は格納位置に向けて調整する。
【0028】
右側取り付け要素及び左側取り付け要素は、それぞれ、右側延出要素及び左側延出要素を介して支持体の反対側において接続され得る。
【0029】
調整機構は、右側延出要素及び前記左側延出要素を支持体に対して調整し、固定することによって、前記右側取り付け要素及び前記左側取り付け要素を調整し、固定するように構成され得る。
【0030】
調整機構は、前記右側取り付け要素及び前記左側取り付け要素を、延出位置と格納位置との間の複数の中間位置の中からの任意の1つの中間位置において互いに対して調整し、固定するように構成され得る。延出位置と格納位置との間の任意の中間位置への右側取り付け要素及び左側取り付け要素の調整は、ユーザが支持ユニットを、異なる幅を有する複数のシートに合わせて調整することを可能にする。
【0031】
本開示の主題の特定の実施例では、調整機構は、それぞれ、右側延出要素及び左側延出要素の長さに沿って互いに反対側に配置された右側及び左側駆動要素、並びに右側及び左側駆動要素の両方と係合した駆動部分を備える駆動歯車、を含むことができる。
【0032】
右側延出要素は、その内部に形成された右側細長開口部を含むことができる。右側細長開口部は右側上方リム及び右側下方リムを含むことができ、右側駆動要素は右上方及び下方リムのうちの一方の上において延びることができる。左側延出要素は、その内部に形成された左側細長開口部を含むことができる。左側細長開口部は左側上方リム及び左側下方リムを含むことができ、左側駆動要素は、右側駆動要素が延びるリムとは反対側のリムに沿って延びることができる。駆動部分は右側細長開口部及び左側細長開口部の両方を貫いて延びることができる。右側細長開口部及び左側細長開口部は、駆動部分がそれらを貫いて延びることを可能にするために、少なくとも部分的に重なり合うように構成され得る。右側細長開口部及び左側細長開口部は右側及び左側遠位リム並びに右側及び左側近位リムをさらに含むことができる。このような例では、右側及び左側駆動要素は右側及び左側遠位リムと右側及び左側近位リムとの間に延びる。
【0033】
右側及び左側遠位リムは、それぞれ、右側延出要素及び左側延出要素の各々の取り付け要素の最も近くに配置され得、右側延出要素及び左側延出要素の格納位置及び延出位置を決定するように構成され得る。それゆえ、格納位置において、駆動歯車は右側延出要素及び左側延出要素の両方の遠位リムと係合し得る。また、延出位置において、駆動歯車は右側延出要素及び左側延出要素の両方の近位リムと係合し得る。
【0034】
本開示の主題の特定の実施例では、第1の方向に向かう駆動歯車の運動は、延出位置に向かう前記右側及び左側取り付け要素のそれぞれの調整を必然的に伴い、第2の反対の方向に向かう運動は、格納位置に向かう前記右側及び左側取り付け要素のそれぞれの調整を必然的に伴う。
【0035】
駆動歯車は、支持体のロック部分と選択的に係合可能なラッチ部分をさらに含むことができる。ラッチ部分及びロック部分は、右側取り付け要素及び左側取り付け要素の互いに対する位置を固定するための調整機構の固定機構の少なくとも部分を構成することができる。特定の実施例では、ロック部分はラッチ部分に対して相補的な様態で設計されており、これにより、ラッチ部分がロック部分と係合させられたときに、ラッチ部分はロック部分とじかに接触し、運動を防止される。
【0036】
それゆえ、駆動歯車は、
ラッチ部分が、駆動歯車の運動を防止するよう、ロック部分との係合である、ロック状態と、
ラッチ部分が、前記駆動歯車の運動を可能にするよう、ロック部分から係合解除されている、ロック解除状態と、
の間で構成可能である。
【0037】
駆動歯車は、支持体に対して近づくよう、及び遠ざかるよう、並びに支持体の長手方向軸と垂直に摺動変位可能であることによって、ロック状態とロック解除状態との間で構成可能であることができる。特定の実施例では、駆動歯車は支持体の中心に配置され得、ユーザによって、それぞれ、支持体に向けて、及びそれから、引かれること、及び押されることによって、その状態を変更することができる。
【0038】
ラッチ部分は、ロック部分の1つ以上の凹部において受容されるように構成された1本以上の歯を含むことができる。場合によっては、ラッチ部分は円以外の多角形の形で形成され得る。離散的な中間位置の場合における位置の数及び位置間の距離は、ラッチ部分の歯の数及び歯の間の距離/角度によって決定され得る。
【0039】
本開示の主題の特定の実施例では、駆動部分はピニオンであることができ、前記右側及び左側駆動要素のそれぞれ一つはラックであることができる。駆動歯車は、支持体内に位置付けられた駆動部分から、支持体の後方部分を通してそこから外方へ、長手方向軸と垂直に延びることができる。駆動歯車のラッチ部分は駆動歯車の外部部分上に少なくとも部分的に位置付けられ得る。ラッチ部分は作動ノブとして形成することができ、ユーザが駆動歯車を簡便に押してその状態をロック状態に変更し、駆動歯車を引いてその状態をロック解除状態に変更し、ロック解除状態になっている間に駆動歯車を時計方向又は反時計方向に回転させることを可能にする。
【0040】
支持体は、長手方向軸に沿って支持体の反対側の間に延び、右側延出要素及び左側延出要素の少なくとも区分を収容するように構成されたトンネルを含むことができる。
【0041】
右側延出要素は少なくとも1つの右側摺動部材を含むことができ、左側延出要素は、少なくとも1つの第1の摺動部材に摺動可能に止着された少なくとも1つの第2の摺動部材を含むことができる。トンネルは、互いに摺動可能に止着された右側延出要素及び左側延出要素の形状に対する相補的な形状を有するように構成され得る。
【0042】
トンネルは、トンネル内へ突出しており、右側延出要素の少なくとも区分と係合するように構成された右側突出部、及びトンネル内へ突出しており、左側延出要素の少なくとも区分と係合するように構成された左側突出部をさらに含むことができる。右側突出部及び左側突出部は、トンネルの反対端部において、及び場合によっては、トンネルの反対面から配置され得る。このような例では、右側突出部は、右側延出要素がトンネルの左側から延びることを防止するように構成されており、左側突出部は、右側延出要素がトンネルの左側から延びること、及び左側延出要素がトンネルの右側から延びることを防止するように構成されている。
【0043】
本開示の主題の特定の実施例では、右側及び左側取り付け要素のそれぞれ一つは、それぞれの支柱の区分を内部に受容するように構成された装着孔を含む。
【0044】
装着孔の各々は、各々のそれぞれの取り付け要素の下面において形成されており、自身を通してそれぞれの支柱の上部又は下部区分を受容するように構成された孔開口部を含むことができる。他の実施例では、孔は各々のそれぞれの取り付け要素の側面上に配置されており、それぞれの支柱の中央区分を受容するように構成され得る。
【0045】
右側及び左側取り付け要素のそれぞれ一つは、それぞれの支柱を前記それぞれの装着孔の内部に止着するためのそのそれぞれの装着孔に配置された止着要素を含むことができる。止着要素は、一方の端部からの接続を止着するために支持ユニットをそれぞれの支柱に取り外し可能に止着し、それぞれの支持ポールからの支持ユニットの簡便な取り外しを可能にするように構成され得る。
【0046】
右側及び左側取り付け要素のそれぞれの装着孔に配置された止着要素は、装着孔の内端部に配置された磁石である。このような場合には、それぞれの支柱は、磁石に磁気的に取り付けられるように構成された材料を含むことができる。他の場合には、それぞれの支柱が磁石を含むことができ、止着要素は、磁石に磁気的に取り付けられるように構成された材料から形成され得る。
【0047】
右側及び左側取り付け要素のそれぞれ一つは、装着孔を含み、それぞれの取り付け要素の内部内で枢動可能に回転可能な枢動部材をさらに含むことができる。
【0048】
支持体は、上方へ延び、支持体の上部部分から離間された取っ手であって、それらの間に間隙を形成する取っ手を含むことができる。間隙は、ヘッドレストレイントの少なくとも1つの上方ストラップが、ヘッドレストレイントを支持体に止着するために間隙を貫いて延びることができるように設計される。
【0049】
支持体は、上に配置された少なくとも1つのアパーチャを有する下方区分を含むことができる。下方区分は、ヘッドレストレイントの少なくとも1つの下方ストラップが、ヘッドレストレイントを支持体に止着するために前方アパーチャを貫いて延びることができるように設計された前方アパーチャを含むことができる。下方区分は、複数の便利なデバイスが取り付け可能である側方アパーチャを含むことができる。このような便利なデバイスは、飲料及び同様のものを支持するための関節接合アームを含むことができる。
【0050】
本開示の主題の別の特定の実施例によれば、ヘッドレストレイントは支持ユニットの前方部分と一体であることができる。
【0051】
調整機構は、右側取り付け要素及び左側取り付け要素の位置を、変位させること、又はその変位を促進することによって、選択的に調整するように構成され得る。
【0052】
実施例によっては、支持体は、右側取り付け要素にその右端部において接続された右側本体部材、及び左側取り付け要素にその左端部において接続された左側本体部材を含むことができ、前記右側本体部材及び前記左側本体部材は調整機構によって互いに枢動可能に関節接合されており、左側本体部材に対する右側本体部材の枢動変位は、右側取り付け要素及び左側取り付け要素の互いに対する位置を延出位置と格納位置との間で選択的に調整するように構成され得る。
【0053】
このような実施例では、支持ユニットは、右側取り付け要素を右側本体部材に接続する右側延出部材、及び左側取り付け要素を左側本体部材に接続する左側延出部材を含むことができる、第2の調整機構をさらに備えることができ、前記右側延出部材及び前記左側延出部材は、延出位置と格納位置との間で構成可能である。
【0054】
さらに、延出位置において、右側延出部材及び前記左側延出部材は、それぞれ、右側本体部材及び左側本体部材から最大限に延出し、格納位置において、右側延出部材及び前記左側延出部材は、それぞれ、右側本体部材及び左側本体部材内に最大限に配置される。少なくとも1つのカプラユニットは右側カプラユニット及び左側カプラユニットを含むことができる。右側支柱は、前記少なくとも1つのカプラユニットの右側カプラユニットによってシートの右側フレーム部材に取り付けられ得、左側支柱は、左側カプラユニットによってシートの左側フレーム部材に取り付けられ得る。
【0055】
右側及び左側カプラユニットのそれぞれ一つは、自身を通して支柱を受容するための支柱受容部材、それぞれのサイドフレーム部材に取り付け可能な装着機構、及びそれぞれの支柱を支柱受容部材に対して選択的に拘束するように構成された高さ固定機構を含むことができる。受容部材は、鉛直に位置付けられたパイプによって形成され得る。高さ固定機構は、受容部材に沿って、又はその端部のどちらか一方に隣接して配置され得る。実施例によっては、装着機構は柱受容部材の上部区分から横に延びる。このような実施例では、装着機構は、シートの幅の増大を防止するために、柱受容部材の外側から延びることができる。特定の実施例では、装着機構が取り付け可能であるそれぞれのサイドフレーム部材は、フレームの後方区分から後ろへ弧状に延びた取っ手である。
【0056】
支柱は、支持ユニットが車椅子の背もたれに対して延出する高さを調整するために、高さ調整可能であることができる。
【0057】
支柱は、軸方向に変位可能な2本以上の支柱を含み、高さ固定機構によって拘束されるテレスコピック機構によって高さ調整可能であることができる。
【0058】
装着機構は、それぞれのサイドフレーム部材を間にしっかりと受容するように構成された第1のフレーム係合区分及び相補的な第2のフレーム係合区分を含むことができる。第1のフレーム係合区分及び第2のフレーム係合区分は少なくとも1つの取り付け要素によって互いにしっかりと取り付けられ得る。少なくとも1つの取り付け要素はねじ及びナットを含むことができる。
【0059】
第1のフレーム係合区分及び第2のフレーム係合区分のそれぞれ一つは、そのフレーム係合側において形成された凹部、並びに凹部の全長を通って延びる第1及び第2のエラストマーユニットを含むことができ、前記エラストマーは、装着機構が、様々に形成されたサイドフレーム部材をそれらの間に受容することを可能にするように構成されている。本開示の主題の一実施例では、装着機構は、シートの弧状の取っ手区分に取り付けられるように構成され得る。このような場合には、第1のフレーム係合区分のフレーム係合側は凸状に形成され得、第2のフレーム係合区分のフレーム係合側は第1のフレーム係合区分のフレーム係合側に対応して凹状に形成され得る。エラストマーは、サイドフレーム部材の異なる設計を媒介するように構成され得、これにより、第1のフレーム係合区分及び第2のフレーム係合区分は、設計の相違に関わりなくサイドフレーム部材をそれらの間にしっかりと受容することができるであろう。
【0060】
右側及び左側支柱の両方は、それらの上部区分において形成されたショックアブソーバを含むことができる。ショックアブソーバは、支持ユニットが取り付け可能である右側及び左側支柱の区分として構成され得る。ショックアブソーバは、支柱が高速落下した場合に、その上に取り付けられた支持ユニットへの損傷を軽減するために用いることができる。加えて、ショックアブソーバは、支柱の上部区分をそれぞれのカプラユニットと実質的に水平にするために用いることができる。
【0061】
右側ショックアブソーバ及び左側ショックアブソーバのそれぞれ一つは、右側取り付け要素及び左側取り付け要素にそれぞれ磁気的に取り付け可能であるように構成されている。右側ショックアブソーバ及び左側ショックアブソーバは、支持ユニットの右側及び左側取り付け部分の内部に配置された磁石に引き付けられるように構成された磁石、又は磁気的に引き付けられる材料を含むことによって、磁気的に取り付け可能であることができる。
【0062】
右側及び左側ショックアブソーバのそれぞれ一つは、それぞれの装着孔の内部に、その内部に配置された止着要素によって止着されるように構成され得る。
【0063】
それぞれの装着孔において配置された止着要素は、その内部に受容されたそれぞれのショックアブソーバと磁気的に相互作用するように構成され得る。
【0064】
右側及び左側ショックアブソーバのそれぞれ一つは、上部区分内に配置されたばね装着部材、支柱よりも広く、ばね装着部材の下方に鉛直に配置されたストッパ軌道に沿って、ばね装着部材に向かって、及びそれから変位可能な外部ストッパ、並びにばね装着部材及びストッパを相互接続するばねを含むことができる。ばね装着部材は右側及び左側ショックアブソーバの上端部に配置され得る。外部ストッパはまた、カプラユニットの支柱受容区分の幅よりも広いものであることができる。例えば、支柱受容区分内へのそれぞれの支柱の挿入は外部ストッパと支柱受容区分との係合時に支柱を拘束する。
【0065】
ばねは、ストッパを、ストッパ軌道に沿ってばね装着部材から離れるよう常時付勢するように構成され得る。それゆえ、ストッパは既定でストッパ軌道の底部に位置付けられ得る。例えば、ストッパがストッパ軌道に沿って上方向に押されている時には、ばねは、ストッパがストッパ軌道の底部に戻ることを必然的に伴う圧縮力をストッパに印加する。
【0066】
ストッパ軌道はばね装着部材の下方に配置され得、それぞれの支柱のそれぞれのショックアブソーバを内部に受容するように構成されている、各々のそれぞれの取り付け要素内に配置されたそれぞれの装着孔の長さに対応する距離まで延びる。それゆえ、支柱がカプラユニットに完全に挿入されたときに、支持ユニットは、カプラユニットの上方に延びる、支柱の上部区分上に取り付けられ得る。場合によっては、この取り付けが、支持ユニットを、シート上に着座した人に対する理想的な位置に位置付ける。
【0067】
本開示の主題の第4の態様によれば、
車椅子モジュール式頭部支持組立体であって、
車椅子のそれぞれのサイドフレーム部材に取り付けるように各々構成された、右側支柱及び左側支柱と、
それぞれ、支柱の上端部分の間に延びる上部棒、及び支柱の下端部分の間に延びる下部棒のうちの少なくとも1つであって、下部棒及び上部棒が、右側支柱の部分及び左側支柱の部分からそれぞれ延びる、右側棒部材及び左側棒部材を有するように各々構成されており、左側棒部材及び右側棒部材が互いに枢動可能に関節接合されている、上部棒及び下部棒のうちの少なくとも1つと、
を備え、
頭部支持組立体が、折り畳まれ、展開されるように構成されており、これにより、折り畳み及び展開の過程において、右側及び左側棒部材が延びる支柱の少なくとも部分が、それぞれの支柱の長手方向軸の周りに回転し、これにより、左側棒部材及び右側棒部材を、支柱と実質的に平行に延びる枢動軸の周りに枢動させるように構成されており、
頭部支持ユニットが支柱の上端部分の上に取り付け可能である、車椅子モジュール式頭部支持組立体が提供される。
【0068】
頭部支持ユニットは柔軟性を有することができる。
【0069】
頭部支持組立体は、折り畳み式車椅子と共に使用するように構成され得、下部棒及び上部棒は支柱に対して直角に延びる。
【0070】
完全折りつぶし位置において、左側棒部材及び右側棒部材は互いに実質的に平行に延びることができ、完全膨張位置において、左側棒部材及び右側棒部材は同軸に延びる。
【0071】
右側棒部材及び左側棒部材はそれぞれの右側支柱及び左側支柱と一体であることができる。
【0072】
さらなる特定の実施形態によれば、上部棒は支柱の上部部分から延び、前記上部部分は、上部部分が支柱と実質的に平行である折り畳み位置と、上部部分が支柱と同軸に延びる延出位置との間で、支柱に枢動可能に関節接合されている。
【0073】
頭部支持組立体は、折りつぶし可能なクロスフレームによって互いに関節接合された2つのサイドフレームを備える種類の折り畳み式車椅子と共に使用するように構成され得、支柱は、それぞれの左側フレーム及び右側フレームの左側後部柱及び右側後部柱に取り付け可能である。
【0074】
動作可能状態において、支柱の少なくとも上部部分は、車椅子の背もたれの上方の高さに配置し、頭部支持ユニットを背もたれの上方の高さにおいて支持するように構成されている。
【0075】
本開示の第5の態様によれば、折り畳み式車椅子であって、折り畳み式車椅子が、折りつぶし可能なクロスフレームによって互いに接続された2つのサイドフレームと、車椅子のそれぞれのサイドフレーム部材の後部棒、それぞれ、支柱の上端部分の間に延びる上部棒、及び支柱の下端部分の間に延びる下部棒のうちの少なくとも一方に取り付けるように各々構成された右側支柱及び左側支柱を備えるモジュール式頭部支持組立体と、を有するように構成されており、下部棒及び上部棒が、右側支柱の部分及び左側支柱の部分からそれぞれ延びる右側棒部材及び左側棒部材を有するように各々構成されており、左側棒部材及び右側棒部材が互いに枢動可能に関節接合されており、頭部支持組立体が、折り畳まれ、展開されるように構成されており、これにより、折り畳み及び展開の過程において、右側及び左側棒部材が延びる支柱の少なくとも部分が、それぞれの支柱の長手方向軸の周りに回転し、これにより、左側棒部材及び右側棒部材を、支柱と実質的に平行に延びる枢動軸の周りに枢動させるように構成されており、頭部支持ユニットが支柱の上部部分の上に取り付け可能である、折り畳み式車椅子がある。
【0076】
頭部支持ユニットは柔軟性を有することができる。
【0077】
頭部支持組立体は、折り畳み式車椅子と共に折り畳まれるように構成され得、下部棒及び上部棒は支柱に対して直角に延びる。
【0078】
以下の特徴、設計及び構成のうちの任意の1つ以上は、本開示の主題の第4及び第5の態様に係る頭部支持組立体及び車椅子に、独立して、又はそれらの様々な組み合わせで関連付けられ得る。
【0079】
支持ポット(pots)は、車椅子を折り畳み、展開する過程において、それらの長手方向軸の周りに回転する。
【0080】
頭部支持ユニットは支柱の上部部分の上に取り外し可能に取り付け可能であることができる。
【0081】
頭部支持ユニットは、ヘッドレストレイントが取り付け可能である前方部分を有するように構成された頭部支持体と、前記右側支柱及び前記左側支柱との関節接合のためにそれぞれ構成された右側取り付け要素及び左側取り付け要素であって、前記右側取り付け要素及び前記左側取り付け要素が頭部支持体の反対側に配置されている、右側取り付け要素及び左側取り付け要素と、右側取り付け要素及び左側取り付け要素の互いに対する位置を、少なくとも、延出位置から格納位置に向けて、選択的に調整するように構成された調整機構と、を備えることができる。
【0082】
特定の実施例によれば、調整機構は、右側取り付け要素及び前記左側取り付け要素を相互接続する1つ以上の緊張ストラップとして形成することができる。ストラップを緊張させることは、右側取り付け要素及び前記左側取り付け要素を互いに接近させることができ、これにより、それらの位置をそれらの格納位置に向けて調整する。
【0083】
ヘッドレストレイントの後方部分は頭部支持ユニットと一体であることができる。
【0084】
支柱は、ヘッドレストレイントが車椅子の背もたれに対して延出する高さを調整するために、高さ調整可能であることができる。
【0085】
支柱は、軸方向に変位可能な2本以上の支柱を含み、高さ固定機構によって拘束されるテレスコピック機構によって高さ調整可能であることができる。
【0086】
高さ固定機構はスナップロック締結具であることができる。
【0087】
高さ固定機構はボルト締結具であることができる。
【0088】
支柱は、支柱を車椅子のそれぞれのサイドフレームに摺動自在に取り付ける締結具機構によって高さ調整可能であることができる。
【0089】
支柱は、テレスコピック組立体、及びサイドフレームに関連付けられた締結具機構を含む複合高さ調整機構によって高さ調整可能であることができる。
【0090】
上部棒及び下部棒は柱のそれぞれの端部から一体的に延びることができる。
【0091】
上部棒及び下部棒は、変化する車椅子の幅に合わせて調整するために伸長可能であることができる。上部棒及び下部棒の伸長はテレスコピック伸長機構によるものであることができる。
【0092】
左側棒部材及び右側棒部材の枢動関節接合は、棒部材の枢動変位の前にロック解除が必要とされる、安全ロックを通じて促進され得る。
【0093】
1つ以上の中間棒が支柱の間に延びることができ、前記中間棒の各々は左側棒部材及び右側棒部材をそれぞれ含む。
【0094】
下部棒は、枢動関節接合において、下部棒を折りつぶすよう、折り畳み方向に押した時に、車椅子を折り畳むことを支援することができる。
【0095】
モジュール式頭部支持組立体は、車椅子上に装着するための付加組立体として構成されているか、又は車椅子上にあらかじめ装着され得る。
【0096】
図面の簡単な説明
本明細書において開示される主題をより深く理解し、それが実際にどのように実施され得るのかを例示するために、次に、添付の図面を参照して、実施形態が非限定例としてのみ説明される。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【
図1A】
図1Aは、本開示の主題の一実施例に係る、その右側取り付け要素及び左側取り付け要素が中間位置にある状態で頭部支持ユニットを装着されたモジュール式頭部支持組立体を装着された折り畳み式車椅子の背面斜視図を示す。
【
図1C】
図1Cは、支持ユニットが取り外された状態の、折りつぶし位置における
図1Bの車椅子を示す。
【
図3A】
図3Aは、その右側取り付け要素及び左側取り付け要素が格納位置にあり、その駆動歯車がロック状態にある状態の、
図1Aの頭部支持組立体の支持ユニットの背面斜視図を示す。
【
図5A】
図5Aは、その右側取り付け要素及び左側取り付け要素が延出位置にある状態の、
図3Aの支持ユニットの背面斜視図を示す。
【
図6A】
図6Aは、支柱の上部区分がカプラユニットの上方に延びている状態の、
図1Bの頭部支持組立体の支柱及びカプラユニットの背面左側斜視図を示す。
【
図7】
図7は、その支柱が格納され、支持ユニットが取り外された状態の、本開示の主題の別の実施例に係るモジュール式頭部支持組立体を装着された折り畳み式車椅子の背面斜視図を示す。
【
図8】
図8は、支柱が上に突出した状態の、
図7の車椅子の背面斜視図である。
【
図9】
図9は、支持ユニットが支柱上に装着された状態の、
図7の車椅子の背面斜視図である。
【
図14A】
図14Aは、その支柱が格納され、頭部支持ユニットが取り外された状態の、本開示の主題のさらに別の実施例に係るモジュール式頭部支持組立体を装着された折り畳み式車椅子の背面斜視図を示す。
【
図16】
図16は、モジュール式頭部支持組立体の斜視図を示す。
【
図17A】
図17Aは、本開示の主題のさらに別の実施例に係る、上部支持ユニット及び下部支持ユニットを、それぞれ、それらの右側取り付け要素及び左側取り付け要素が中間位置にある状態で装着されたモジュール式頭部支持組立体を装着された折り畳み式車椅子の背面斜視図を示す。
【
図17B】
図17Bは、頭部支持組立体が
図17Aの場合よりも低い位置にあり、車椅子が折りつぶし位置にあり、上部支持ユニットが取り外された状態の、
図17Aの車椅子を示す。
【
図17C】
図17Cは、その右側取り付け要素及び左側取り付け要素が下部支持ユニットのその枢動調整機構に対して延出位置にあり、その右側取り付け要素及び左側取り付け要素が下部支持ユニットのその直線調整機構に対して格納位置にある状態の、
図17Aの下部支持ユニットの斜視図を示す。
【
図17D】
図17Dは、その右側取り付け要素及び左側取り付け要素が下部支持ユニットのその枢動調整機構に対して格納位置にあり、その右側取り付け要素及び左側取り付け要素が下部支持ユニットのその直線調整機構に対して格納位置にある状態の、
図17Aの下部支持ユニットの斜視図を示す。
【
図17E】
図17Eは、その右側取り付け要素及び左側取り付け要素が下部支持ユニットのその枢動調整機構に対して延出位置にあり、その右側取り付け要素及び左側取り付け要素が下部支持ユニットのその直線調整機構に対して延出位置にある状態の、
図17Aの下部支持ユニットの斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0098】
実施形態の詳細な説明
まず、全体的に14と指定された、一般的な種類の車椅子の形態のシート上に装着された、全体的に10と指定された、本開示に係る頭部支持組立体の第1の実施例に関する、図面の
図1~
図6Bに注目する。
【0099】
車椅子14は、折りつぶし可能なX字状クロスフレーム24によって互いに関節接合された右側フレーム18及び左側フレーム20を備え、各サイドフレームが大後輪26及び前方脚輪28の上に装着されており、折り畳み可能なシート30及び折り畳み可能な背もたれ32が右側フレーム18と左側フレーム20との間に延びる種類の折りつぶし式車椅子である。車椅子14は折りつぶし位置(
図1Cに示される)と開展位置(
図1A及び
図1Bに示される)との間で折りつぶし可能である。
【0100】
特定の車椅子が添付の図面に示されているが、他の種類及び形状の車椅子を同様に用いることもできることを理解されたい。
【0101】
頭部支持組立体10は、車椅子上に装着するための付加組立体として構成されているか、又は車椅子上にあらかじめ装着され得るモジュール式システムである。
【0102】
図1~
図6Bの実施例では、頭部支持組立体10は、右側カプラユニット46によって右側フレーム18に、及び左側カプラユニット48によって左側フレーム20に取り付けるようにそれぞれ構成された、支柱の対、すなわち、右側支柱40及び左側支柱42を備える。右側カプラユニット46及び左側カプラユニット48は、その内部の、
図1Aに示される上方位置と
図1B及び
図1Cに示される下方位置との間における右側支柱40左側支柱42の摺動変位を促進し、右側及び左側支柱40及び42を上方位置と下方位置との間の任意の位置において固定するように構成されている。
【0103】
頭部支持組立体10は、前方部分53、後方部分54、右側開口部55、左側開口部56、及び長手方向軸Xに沿って右側開口部55と左側開口部56との間に延びるトンネル57を有する支持体52を有する頭部支持ユニット50をさらに備える。頭部支持ユニット50は、車椅子14上に着座したユーザ12の頭部のための支持を提供するように構成されている。頭部支持ユニット50は折り畳み可能でないため、それをまず右側及び左側支柱40及び42から取り外し、車椅子14を
図1Cに示されるその折りつぶし位置にする必要がある。
【0104】
図1A及び
図1Bに示されるように、ヘッドレストレイント2が支持体52に取り付けられており、前方部分53の前に配置されている。ヘッドレストレイント2は、例えば、ユーザが眠った場合、又は身体障害のある個人の場合に、車椅子14に着座している間のユーザ12に改善された頭部及び頸部支持を提供するように構成されている。より具体的には、ヘッドレストレイント2は、ユーザの頭部が前方へ倒れることを防止するよう、及びさらに、ユーザの頭部が左側若しくは右側へ傾くことを防止するように構成されている。これは、車椅子14上に着座している間のユーザの頭部に対して快適な安定した支持を提供する。
【0105】
図1A及び
図1Bの特定の実施例によれば、ヘッドレストレイント2は、米国特許第9,566,885号において開示されているものである。同特許の内容は本明細書において参照により組み込まれる。ヘッドレストレイント2は、後方部分4、及びそれから延びる2つの側方部分5及び6を有するように構成されたヘッドレスト部材3を含む。側方部分5及び6は、ヘッドレスト部材が、側方部分5及び6が互いから第1の程度に離間された第1の状態、並びに側方部分5及び6が互いから、第1の程度よりも小さい第2の程度に離間された第2の状態を取ることを可能にするよう、後方部分4に対して折り曲げ可能である。ヘッドレストレイント2は、ヘッドレストレイント2を支持体52に取り外し可能に取り付けるための面ファスナ(Velcro(商標))を含む装着機構7をさらに含む。ヘッドレストレイント2は、少なくとも上方向位置と下方向位置との間の回転のために側方部分5及び6に枢動可能に関節接合された拘束部材8をさらに含み、その上方向位置(図示せず)とその下方向位置(
図1A及び
図1Bに示される)との間の拘束部材8の変位は、ヘッドレスト部材3にその第1及び第2の状態をそれぞれ取らせるように構成されている。使用時、ユーザの頭部がヘッドレストレイント2に位置付けられている時に、その上方向位置における拘束部材8はユーズ(use)の頭部の実質的に上方に配置され得、その下方向位置では、拘束部材8はユーザの額の前に配置される。
【0106】
頭部支持ユニット50は、右側支柱40及び左側支柱42の上部部分における関節接合のためにそれぞれ構成された右側取り付け要素60及び左側取り付け要素70を備える。右側取り付け要素60及び左側取り付け要素70は支持体52の反対側に配置されている。頭部支持ユニット50は、右側取り付け要素60及び左側取り付け要素70の互いに対する位置を延出位置(
図5A及び
図5Bに示される)と格納位置(
図3A~
図4Cに示される)との間で選択的に調整し、固定するように構成された調整機構80をさらに備える。
【0107】
右側取り付け要素60及び左側取り付け要素70の位置の調整は、支持体52に沿って延びる長手方向軸Xに沿って、互いへ、及び互いから直線的に変位させることによって遂行される。
【0108】
図1A~
図2に示されるように、右側支柱40及び左側支柱42は互いに平行に鉛直上方へ延び、それらの間に特定の距離を規定する。右側支柱40及び左側支柱42が右側及び左側フレーム部材18及び20に取り付けられたとき、それらの間の距離は、車椅子14の幅によって、並びに特に、車椅子14の右側及び左側フレーム部材18及び20の間の構造及び距離によって規定される。この距離はシートごとに変化するか、或いは右側及び左側の柱が特定のシートのサイドフレームに関節接合された場所に依存し得る。それゆえ、右側取り付け要素60及び左側取り付け要素70は、頭部支持ユニット50を右側及び左側支柱40及び42に取り外し可能に取り付け、それらの間、並びにそれぞれ右側及び左側フレーム部材18及び20との間の距離に固定的に適合するために、互いに対して調整可能である。この調整は、右側取り付け要素60及び左側取り付け要素70が、延出位置と格納位置との間の複数の中間位置の中からの任意の1つの中間位置を固定的に取ることを可能にする。
図1A及び
図1Bの実施例では、右側取り付け要素60及び左側取り付け要素70は、車椅子14の開展位置における右側及び左側フレーム18及び20の間の距離によって規定される、右側支柱40と左側支柱42との間の距離に適合した中間位置に固定的に調整される。
【0109】
次に、頭部支持組立体、及びその異なる部分を示す、
図2~
図5Bを具体的に参照する。上述されたように、右側取り付け要素60及び左側取り付け要素70は、それらを長手方向軸に沿って変位させることによって延出位置(
図5A及び
図5Bに示される)と格納位置(
図3A~
図4Cに示される)との間で調整可能であり、これにより、格納位置において、右側取り付け要素60と左側取り付け要素70との間の距離は最小限の第1の距離D1であり、延出位置において、右側取り付け要素60と左側取り付け要素70との間の距離は、第1の距離D1よりも大きい最大限の第2の距離D2である。
図3A及び
図3Bに示されるように、格納位置において、右側取り付け要素60及び左側取り付け要素70は頭部支持体52の反対側の側部に隣接して位置付けられている。中間位置において、
図1A及び
図1Bに示される右側取り付け要素60及び左側取り付け要素70は、D1よりも大きく、D2よりも小さい第3の距離D3まで互いに離間されている。
【0110】
調整機構80は支持体52内において少なくとも部分的に延び、右側取り付け要素60及び左側取り付け要素70を、互いに対して、及び頭部支持体52に対して同時に変位させるように構成されている。右側取り付け要素60及び左側取り付け要素70の位置の同時調整は、調整機構80を操作すると、右側取り付け要素60及び左側取り付け要素70が同じ距離で変位させられるというものである。さらに、頭部支持体52は対称であり、右側取り付け要素60及び左側取り付け要素70は、延出位置と格納位置との間のそれらの様々な位置においてその中心から等距離に配置される。調整機構80は、ユーザによって、右側取り付け要素60から左側取り付け要素70までの間の距離を増大又は減少させるように操作可能であり、これにより、ユーザの単一の操作が右側取り付け要素60及び左側取り付け要素70の両方を、延出位置に向けて、及び/又は格納位置に向けて調整し、変位させる。
【0111】
図2にまかれる(sown)ように、右側取り付け要素60及び左側取り付け要素70は、それぞれ、両方ともトンネル57内で摺動可能であり、調整機構80の部分を構成する、右側延出要素62及び左側延出要素72を介して頭部支持体52の反対側において接続される。調整機構80は、右側延出要素62及び左側延出要素72を頭部支持体52に対して変位させ、固定することによって、右側取り付け要素60及び左側取り付け要素70を変位させ、複数の位置において固定するように構成されている。
【0112】
右側延出要素62は上部及び下部右側摺動部材65及び67を含み、左側延出要素72は、上部及び下部右側摺動部材65及び67に摺動可能に止着された上部及び下部左側摺動部材75及び77を含む。トンネル57は、互いに摺動可能に止着された右側延出要素62及び左側延出要素72の形状に対する相補的な形状を有する。
【0113】
右側延出要素62は、その内部に形成された右側細長開口部63を含み、右側細長開口部63は右側上方リム64を有し、右側上方リム64は、そこから延びる歯の形態のものであり、上方ラック84を構成する右側駆動要素を有する。
【0114】
左側延出要素72は、その内部に形成された左側細長開口部73を含み、左側細長開口部73は左側下方リム74を有し、左側下方リム74は、そこから延びる歯の形態のものであり、下方ラック86を構成する左側駆動要素を有する。調整機構80は、上方ラック84と、下方ラック86と、上方ラック84及び下方ラック86の両方と係合し、右側細長開口部63及び左側細長開口部73を貫いて延びるピニオン88の形態の駆動部分を含む駆動歯車87とを含む。
【0115】
右側細長開口部63は右側遠位リム66及び右側近位リム68をさらに含み、上方ラック84はそれらの間に延びている。左側細長開口部73は左側遠位リム76及び左側近位リム78をさらに含み、下方ラック86はそれらの間に延びている。
【0116】
右側及び左側遠位リム66及び76はそれらのそれぞれの取り付け要素の最も近くに配置されており、ピニオン88が遠位リム66及び76と係合し、これにより、右側及び左側取り付け要素60及び70の両方のさらなる変位の限界を定める、格納位置(
図3Bに示される)を決定するように構成されている。また、延出位置(
図5Bに示される)において、ピニオン88は右側近位リム68及び左側近位リム78と係合し、右側及び左側取り付け要素60及び70の両方のさらなる変位の限界を定める。
【0117】
駆動歯車87は、ユーザによって握られ、格納位置から延出位置へ向けた右側及び左側取り付け要素60及び70の調整のために時計方向の方へ回転させられ、延出位置から格納位置へ向けた右側及び左側取り付け要素60及び70の調整のために反時計方向の方へ回転させられるように構成されるための回転可能な取っ手89を含む。
【0118】
上述されたように、調整機構80は、右側取り付け要素60及び左側取り付け要素70の互いに対する位置を固定するようにさらに構成されている。それゆえ、調整機構80は、右側取り付け要素60及び左側取り付け要素70を延出位置と格納位置との間の複数の中間位置の中からの任意の1つの中間位置において固定するように構成された固定機構90を含む。
【0119】
固定機構は、凹部として形成された頭部支持体52のロック部分94(
図2、
図3C、
図3D及び
図4Cに示される)と選択的に係合可能な、取っ手89内に形成された歯の形態のラッチ部分92(
図3C、
図3D及び
図4Cに示される)を有する。ロック部分94の歯は、ラッチ部分92の凹部に対して相補的な態様で設計されており、これにより、ロック部分94がラッチ部分92との係合状態に変位させられたときに、ロック部分94はラッチ部分92とじかに接触し、運動を防止される。固定機構90のこの状態が
図3A~
図3D及び
図5A~
図5Bに示されており、固定機構90のロック状態と考えられる。歯及び凹部の数並びにそれらの間の間隔が、離散的な位置(例えば、中間位置)の数、及び位置の間の差を決定する。
【0120】
それゆえ、固定機構90は、
ラッチ部分92が、駆動歯車の回転を防止するよう、ロック部分94との係合であり、右側及び左側取り付け要素60及び70の関連位置を固定している、ロック状態(
図3A~
図3D及び
図5A~
図5Bに示される)と、
ラッチ部分92が、駆動歯車87の回転を可能にするよう、ロック部分94から係合解除されている、ロック解除状態(
図4A~
図4Cに示される)と、
の間で構成可能である。
【0121】
固定機構90は、ユーザによって、取っ手89を、頭部支持体52に向けて、及びそこから離れるように引き、押すことによって、駆動歯車87を、長手方向軸Xと垂直に、頭部支持体52に向けて、及びそこから離れるように摺動可能に変位させることによって、ロック状態とロック解除状態との間で構成可能である。
【0122】
例えば、右側取り付け要素60及び左側取り付け要素70を、固定機構90がロック状態にある、
図3Aのそれらの格納位置から変位させるために、取っ手89は、まず、ユーザによって頭部支持体52から離れるように引かれる必要がある。これは、
図4A~
図4Cに示されるように、固定機構90にそのロック解除状態を取らせる。このロック解除状態においてのみ、ラッチ部分92はロック部分94から係合解除されており、ユーザは、駆動歯車87を回転させるために、取っ手89を時計方向に回転させることができる。取っ手89の回転の間に、右側取り付け要素60と左側取り付け要素70との間の距離は減少させられ、それらは複数の中間位置を通過する。所望の距離が得られた任意の中間位置において、取っ手89は頭部支持体52の方へ押され、固定機構90にそのロック状態を取らせる。
図5A及び
図5Bは、固定機構90がそのロック状態にある、右側取り付け要素60及び左側取り付け要素70の延出位置が示された。
【0123】
次に、左側支柱42の構造、及び左側取り付け要素70への、及び左側カプラユニット48による左側フレーム20へのその関節接合の様態を説明するために、
図2、
図3B、
図6A及び
図6Bを具体的に参照する。右側支柱40は同じ構造及び機能性を有するため、左側支柱42に関する説明は右側支柱40に関しても同様に当てはまる。
【0124】
左側取り付け要素70は、左側支柱42の上部区分44を内部に受容するように構成された装着孔71を含む。装着孔71は、左側取り付け要素の下面において形成されており、自身を通して上部区分44を受容するように構成された孔開口部71’を含む。左側取り付け要素70は、左側支柱の磁気的引き付け可能部材43に磁気的に取り外し可能に取り付けるための装着孔71の内端部に配置された磁石の形態の止着要素79を含む。
【0125】
左側カプラユニット48は、自身を通して左側支柱42を受容し、上/下向きの左側支柱42の摺動変位を促進するための鉛直に位置付けられたパイプとして形成された支柱受容部材49、左側フレーム部材20に取り付け可能な装着機構36、及び左側支柱42を左側支柱受容部材49に対して選択的に拘束するように構成されたロック締結具38の形態の高さ固定機構を含む。ロック締結具38は、上方向位置(
図1Aと下方向位置(
図1B)との間の、任意の所望の高度における左側支柱42の上昇を可能にするよう、及び防止するように構成されており、これにより、任意の中間高度を設定することもできる。それゆえ、支柱は、支持ユニットが車椅子14の背もたれに対して延出する高さを調整するために、高さ調整可能であることができる。
【0126】
装着機構36は、左側フレーム部材20を間にしっかりと受容するように構成された第1のフレーム係合区分36a及び相補的な第2のフレーム係合区分36bを含む。第1のフレーム係合区分36a及び第2のフレーム係合区分36bは互いにしっかりと取り付けられる。第1のフレーム係合区分36a及び第2のフレーム係合区分36bのそれぞれ一つは、そのフレーム係合側に形成された凹部、並びに凹部の全長を通って延びる第1及び第2のエラストマーユニット36c及び36dを含む。第1及び第2のエラストマーユニット36c及び36dは、装着機構36が、様々に形成されたサイドフレーム部材をその間に受容することを可能にするように構成されている。第1及び第2のエラストマーユニット36c及び36dは、設計の相違にかかわらずサイドフレーム部材をそれらの間にしっかりと受容するために、サイドフレーム部材の異なる設計を媒介するように構成されている。
【0127】
図6A及び
図6Bに示されるように、左側支柱は、上部区分44において形成されたショックアブソーバ33を含む。ショックアブソーバ33は、左側取り付け要素40が取り付け可能である上部区分44内に配置されている。ショックアブソーバ33は、右側及び左側支柱40及び42が高速落下した場合に、その上に取り付けられた頭部支持ユニット50への損傷を軽減するために用いられるように構成されている。加えて、ショックアブソーバ33は、
図6Bに示されるように、左側支柱42の上部区分44を左側カプラユニット48と実質的に水平にするために用いられるように構成されている。
【0128】
左側ショックアブソーバ33は、上部区分44の上方部分内に配置されたばね装着部材44a、左側支柱42よりも広く、支柱受容部材49よりも広く、ばね装着部材44aの下方に鉛直に配置されたストッパ軌道44cに沿ってばね装着部材44aに向かって、及びそれから変位可能な外部ストッパ44b、並びにばね装着部材44a及び外部ストッパ44bを相互接続するばね44dを含む。外部ストッパ44bが支柱受容部材49と係合すると、外部ストッパ44bは支柱受容部材49を通り抜けることができない。
図6Aに、この位置が示されている。左側支柱42を下方向にさらに引くと、ばね装着部材44aは外部ストッパ44bに向かって変位させられ、それと係合する。
図6Bに示されるこの位置において、上部区分44は左側カプラユニット48の上方に延出しない。ばね44dは、ストッパ44bを、ストッパ軌道44cに沿ってばね装着部材44aから離れるよう常時付勢するように構成されている。それゆえ、ストッパ44bは既定で上部区分44の底部に位置付けられている。例えば、ストッパ44bがストッパ軌道44cに沿って上方向に押されている時には、ばねは、ストッパ44bが上部区分44の底部に戻ることを必然的に伴う圧縮力をストッパ44bに印加する。
【0129】
ストッパ軌道43cはばね装着部材44aの下方に配置されており、左側装着孔71の長さに対応する距離まで延びる。それゆえ、左側支柱42が
図6Aの位置においてカプラユニットに挿入されたときに、頭部支持ユニット50は依然として、左側カプラユニット48の上方に延びる上部区分44上に取り付けることができる。
【0130】
頭部支持体52は、上方へ延び、頭部支持体52の上部部分から離間された取っ手58であって、それらの間に間隙を形成する取っ手58を含む。間隙は、ヘッドレストレイント2の少なくとも1つの上方ストラップが、ヘッドレストレイント2を頭部支持体52に止着するために間隙を貫いて延びることができるように設計されている。
【0131】
頭部支持体52は、自身の上に配置されており、複数の便利なデバイスが取り付け可能である複数の側方アパーチャ52’を有する下方区分を含む。このような便利なデバイスは、飲料及び同様のものを支持するための関節接合アームを含むことができる。
【0132】
次に、全体的に114と指定された一般的な種類の車椅子上に装着された、全体的に110と指定された、本開示に係る車椅子頭部支持組立体の別の実施例に関する、図面の
図7~
図13及び
図16に注目する。
【0133】
車椅子114は、折りつぶし可能なX字状クロスフレーム124によって互いに関節接合された右側フレーム118及び左側フレーム120を備え、各サイドフレームが大後輪126及び前方脚輪128の上に装着されており、折り畳み可能なシート130及び折り畳み可能な背もたれ132が右側フレーム118と左側フレーム120との間に延びる種類の折り畳み式車椅子である。右側フレーム118及び左側フレーム120の各々は、直立後部棒135を有するように構成されている。
【0134】
特定の車椅子が添付の図面に示されているが、他の種類及び形状の車椅子を同様に用いることもできることを理解されたい。
【0135】
頭部支持組立体110は、車椅子上に装着するための付加組立体として構成されているか、又は車椅子上にあらかじめ装着され得るモジュール式システムである。
【0136】
第1の実施例では、頭部支持組立体110は、直立後部棒135に関節接合されたカプラユニット146によって、車椅子114のそれぞれの直立後部棒135に取り付けるように各々構成された支柱の対、すなわち、右側支柱140及び左側支柱142を備える。カプラユニット146は、それぞれの支柱が上/下向きに摺動変位可能である支柱導管を含む。支柱を摺動自在に収容する二次支持ユニット147が各カプラユニット146の下方において構成されており、支柱の高度を、完全格納位置(
図7)と完全延出位置(
図8)との間の任意の所望の高度において固定するための止めねじ149がカプラユニット146において設けられており、これにより、任意の中間高度を設定することもできる。
【0137】
しかし、支柱は、車椅子を折り畳む間に、支柱の、それらの長手方向軸の周りの方法促進回転変位において車椅子のそれぞれの直立棒に保持され、関節接合されることを理解されたい。したがって、カプラユニット146及び二次支持ユニット147はそれらの内部における支柱140の回転を促進する。
【0138】
上述されたように、支柱は止めねじによって高さ調整可能である。しかし、別の実施形態(図示せず)によれば、支柱は背もたれ132の上方の固定された高度に存在することができる。さらなる実施形態(図示せず)によれば、支柱の高度は、軸方向に変位可能な2つ以上の支柱セグメントを含み、高さ固定機構によって拘束されるテレスコピック機構によって設定され得る。同様に、高さ固定機構はスナップロック締結具であることができるか、或いは支柱は、テレスコピック組立体、及びサイドフレームに関連付けられた締結具機構を含む複合高さ調整機構によって高さ調整可能であることができる。
【0139】
カプラユニット146及び二次支持ユニット147は、頭部支持組立体110の取り外しのために、それぞれの直立後部棒135に取り外し可能に取り付け可能であることができることを理解されたい。代替的に、頭部支持組立体110は、右側支柱140及び左側支柱142を完全に引っ張り出し、それらを取り外すことによって、車椅子114から取り外すことができる。
【0140】
頭部支持組立体110は、支柱140のそれぞれの下端部の間に延びる下部棒150(それに直角のU字状フレーム形状を与える)であって、下部棒150は支柱140に対して実質的に直角に延びる、下部棒150を有するようにさらに構成されており、左側支柱142の底部から延びる左側棒部材152、及び右側支柱140の底部から一体的に延びる右側棒部材154を有するように構成されており、左側棒部材152及び右側棒部材154は、支柱140及び142(
図1及び
図2)と実質的に平行に延びる枢動軸Xを有するカプラ部材156を通じて互いに枢動可能に関節接合されている。注目すべきこととして、車椅子が非折り畳み式である場合には、下部棒150は連続した部材であることができる。さらに、左側棒部材152及び右側棒部材154は、それぞれの底部の左側支柱142、及び右側支柱140の底部と(それらと一体であるのとは対照的に)関節接合され得る。
【0141】
カプラ部材156は、下部棒150の意図せぬ折りつぶしを防止するためのロック機構を有するように構成され得るか、又はカプラ部材156は、下部棒150を膨張位置において保持するトグル式機構として構成され得る。しかし、カプラ部材156は、例えば、
図4の場合によって例示されるように、ユーザの足によって容易に折りつぶすことができ、車椅子114の折りつぶし/折り畳みを支援することが有利である。
【0142】
また、下部棒の(及び同様に、設けられている場合には、上部棒の)左側棒部材152及び右側棒部材154は、変化する車椅子幅に合わせて調整するために、同軸に延在可能であることができる(
図7における矢印155によって例示される)。上部棒及び下部棒の伸長はテレスコピック伸長機構によるものであることができる。
【0143】
頭部支持組立体10の最下方の位置において(
図7、
図11A、
図15A)、支柱140及び142の上端部はカプラユニット146の上面にごく近接して延びることに留意されたい。特定の実施例によれば、カプラユニット146は、切り取り部分147(
図10、
図12A及び
図12Bにおいて最もうまく見られる)を有するように構成されており、これにより、頭部支持組立体110の最下方の位置において、支柱140及び142の上端部はカプラユニット146の最上部と(及び車椅子114の押しハンドル151と)じかに接触する。
【0144】
柔軟性の頭部支持ユニット170(
図9、
図12、
図13)が、それぞれ、支柱140及び142の上部部分140T及び142Tの上に取り付け可能である。頭部支持ユニット170は、自身のそれぞれの側方端部において、支柱140及び142の上部部分140T及び142Tの上にそれぞれ装着するように構成された右側及び左側取り付け要素174の対を有するように構成された頭部支持体172を含む。ストラップ178を締めることによって取り付け要素174の間の距離を少なくとも延出位置から格納位置に向けて調整するための緊締ストラップ178の対の形態の調整機構が設けられている。頭部支持ユニット170が上方上部部分140T及び142T上に装着されたときに、緊締ストラップ178の対は、上部部分140T及び142Tの上の頭部支持ユニット170を緊張させ、これにより、取り付け要素174を変形させ、互いに接近させるように構成されている。他の例では、柔軟性の頭部支持体172は、柔軟性の右側及び左側取り付け要素174を有する硬質部材として形成することができることを理解されたい。
【0145】
図13に示されるように、ストラップ178を締めることは取り付け要素178を互いに接近させ、それらの間の距離を減少させる。さらに、ストラップ178は、取り付け要素178が任意の中間位置(
図9に示される)からそれらの延出位置に向けて調整されることを防止するように構成された、ラッチ179の形態の固定機構を有する。
【0146】
柔軟性の頭部支持ユニット170は、その前方部分175において、後方部分180、及びそれから延びる2つの側方部分182を有するように構成された、一体的に装着されたヘッドレストレイント173を有するように構成されており、側方部分182は、ヘッドレストレイント173が、側方部分182が第1の程度に互いに離間された第1の状態、(
図12Aにあるような開いた位置)、及び側方部分が、第1の程度よりも小さい第2の程度に互いに離間された第2の状態(
図12Bにあるような閉じた位置)を取ることを可能にするよう、後方部分180に対して折り曲げ可能である。柔軟性の拘束部材184は側方部分182に枢動可能に関節接合されており、少なくとも上方向位置(
図12A)と下方向位置(
図12B)との間における回転のために構成されており、その上方向位置とその下方向位置との間の拘束部材184の変位は、拘束部材184にその第1及び第2の状態をそれぞれ取らせるように構成されている。
【0147】
ヘッドレストレイント173は頭部支持ユニット170と一体であるか、或いはそれは、例えば、車椅子を占有する個人の特定の要求に適合するよう、ヘッドレストレイント173の高度及び傾斜度の細かい調整を促進する面ファスナ(Velcro(商標))によって、それに取り外し可能に取り付けられ得る。
【0148】
車椅子110の動作可能展開位置において、支柱は直立に延び、上部部分140T及び142Tが、調整可能な突出において、背もたれ132の上縁部の上方に延び、柔軟性の頭部支持ユニット170がそれらの間で緊張させられる。頭部支持ユニット170の高度を調整することが必要とされるとき、必要とされるのは、カプラユニット146の止めねじ149を緩め、次に、支柱フレームを、必要とされる高度を取るよう引く/押すことのみである。頭部支持ユニット170のストラップ78を緊張させることは、支柱及び下部棒によって構築されたU字状フレームの安定性及び剛性を増大させる。
【0149】
車椅子110を折り畳むことは、単純に、例えば、個人の足による、矢印F(
図4)の方向における、前方へのカプラ部材156の変位によって、左側棒部材152及び右側棒部材154を折りつぶすことによって行われる。左側棒部材152及び右側棒部材154が折りつぶされると、車椅子114は、
図11Bの完全折りつぶし位置へ自体公知のとおりに容易に折りつぶされることになり、それに応じて頭部支持ユニット170が折りつぶれる。(例えば、車両内に保管又は搭載する時などに、折り畳まれた車椅子の全空間を低減するために)必要とされる場合には、頭部支持ユニット170を取り外すことができ、支柱140及び142を格納することができる(
図5A)。
【0150】
図から分かるように、折り畳み位置(
図11A及び
図11B)において、左側棒部材152及び右側棒部材154は、互いに実質的に平行に、車椅子の車輪126の間の空間内に延びる。完全膨張位置(
図7、
図8及び
図16)において、左側棒部材152及び右側棒部材154は実質的に同軸に延びる。
【0151】
1つ以上の中間棒(図示せず)が支柱140及び142の間に延びることができ、中間棒の各々は左側棒部材及び右側棒部材をそれぞれ含み、それらの折りつぶしを促進する、以上において開示されたとおりのカプラ156と同様のカプラによって互いに結合されていることをさらに理解されたい。このような追加のカプラは、構造の折り畳みを促進するために、カプラ156に対して同軸に、軸Xの周りに枢動可能に配置されている。
【0152】
次に、本開示の一実施形態を示す、図面の
図14及び
図15にもさらに注目する。本開示の実施形態の相違は、支柱の最上部における折り畳み可能な上部セグメントの提供にある。したがって、同様の要素は同様の参照符号を用いて指定されているが、100だけずらされている。
【0153】
上部セグメント240T及び242Tは、枢動カプラ211を通じて、それぞれ、支柱240及び242に対して折り畳み可能である。枢動カプラ211は、上部セグメントの意図せぬ折り畳みを防止するように構成されたロック機構を有するように構成され得る。上部棒215が、左側支柱242の上方部分から延びる左側棒部材217、及び右側支柱240の上方部分から延びる右側棒部材219を有するように構成されており、左側棒部材217及び右側棒部材219は、支柱240及び242と実質的に平行に延び、下部棒250の軸Xと同軸に延びる枢動軸Xを有するカプラ部材256を通じて互いに枢動可能に関節接合されている。
【0154】
機構は、(以上において開示されたとおりの)柔軟性の頭部支持ユニット170が、折り畳み可能な上部セグメント240T及び242Tの上に装着可能であるようになっている。使用時、折り畳み可能な上部セグメント240T及び242Tは、柔軟性の頭部支持ユニット170の配置にもかかわらず折り畳むことができ、車椅子の折り畳み位置(
図15B)において、左側棒部材217及び右側棒部材219は支柱240及び242から前方へ実質的に平行に延び、ホイスト(whist)、上部セグメント240T及び242Tは支柱の上に折り畳まれ、それらに対して実質的に平行に配置されている。
【0155】
支柱240及び242の最上部における折り畳み可能な上部セグメント240T及び242Tは、下部棒250に取って代わるか、又はそれに追加したものであることができることを理解されたい。
【0156】
車椅子の折り畳み及び展開は、以上において以前の実施例に関連して開示された機構と同様に行われる。
【0157】
次に、全体的に314と指定された、一般的な種類の車椅子の形態のシート上に装着された、全体的に310と指定された、本開示に係る頭部支持組立体のさらに別の実施例に関する、図面の
図17A~
図17Gに注目する。
【0158】
車椅子314は、折りつぶし可能なX字状クロスフレーム324によって互いに関節接合された右側フレーム部材318及び左側フレーム部材320を備え、各サイドフレームが大後輪326及び前方脚輪328の上に装着されており、折り畳み可能なシート330及び折り畳み可能な背もたれ332が右側フレーム部材318と左側フレーム部材320との間に延びる種類の折りつぶし式車椅子である。車椅子314は折りつぶし位置(
図17Bに示される)と開展位置(
図17Aに示される)との間で折りつぶし可能である。
【0159】
特定の車椅子が添付の図面に示されているが、他の種類及び形状の車椅子を同様に用いることもできることを理解されたい。
【0160】
頭部支持組立体310は、車椅子上に装着するための付加組立体として構成されているか、又は車椅子上にあらかじめ装着され得るモジュール式システムである。
【0161】
図17A~
図17Gの実施例では、頭部支持組立体310は、右側カプラユニット346によって右側フレーム部材318に、及び左側カプラユニット348によって左側フレーム部材320に取り付けるようにそれぞれ構成された、支柱の対、すなわち、右側支柱340及び左側支柱342を備える。右側カプラユニット346及び左側カプラユニット348は、上述された右側カプラユニット46及び左側カプラユニット48と同一である。右側カプラユニット346及び左側カプラユニット348は、その内部の、
図17Aに示される上方位置と
図17Bに示される下方位置との間における右側支柱340左側支柱342の摺動変位を促進し、右側及び左側支柱340及び342を上方位置と下方位置との間の任意の位置において固定するように構成されている。
【0162】
頭部支持組立体310は、枢動継手355の形態の第1の調整機構によって互いに枢動可能に関節接合された右側本体部材353及び左側本体部材354で構造化された支持体352を有する下部支持ユニット350をさらに備える。右側本体部材353は、トンネルが内部に形成された右側開口部353’、及び左側トンネルが内部に形成された左側開口部354’を有する。
【0163】
下部支持ユニット350は、下部支持ユニット350の反対側に配置されており、右側支柱340及び左側支柱342の下部部分における関節接合のためにそれぞれ構成された右側取り付け要素360及び左側取り付け要素370をさらに備える。右側取り付け要素360は右側本体部材353に接続されており、左側取り付け要素370は左側本体部材354に接続されている。枢動継手355は、右側取り付け要素360及び左側取り付け要素370の互いに対する位置を第1の延出位置(
図17Cに示される)と第1の格納位置(
図17Dに示される)との間で選択的に調整するように構成されている。
【0164】
右側取り付け要素360及び左側取り付け要素370の位置の調整は、それらを、枢動継手355を貫いて延びる回転軸Yの周りに枢動変位させることによって遂行される。左側本体部材354に対する右側本体部材353の枢動変位は、右側取り付け要素360及び左側取り付け要素370の互いに対する位置を第1の延出位置(
図17Cに示される)と第1の格納位置(
図17Dに示される)との間で選択的に調整するように構成されている。枢動継手355のこの動作は、右側取り付け要素360及び左側取り付け要素370を、それらの間の距離を支柱340及び342の間の距離に合わせるために、互いへ、及び互いから変位させるように構成されている。
【0165】
枢動継手355は、右側本体部材353の位置を延出位置と格納位置との間の任意の特定の中間位置において左側本体部材354に対して固定するように構成されていないが、他の実施例によれば、枢動継手355は、このような固定動作をもたらす能力を有する当該技術において周知の任意の固定機構を設けられ得る。
【0166】
図17Gにまかれる(sown)ように、右側取り付け要素360は右側延出要素362を介して右側本体部材353に接続されており、左側取り付け要素370は左側延出要素372を介して左側本体部材354に接続されている。右側延出要素362及び左側延出要素372は両方ともそれらのそれぞれの本体部材のトンネル内で摺動可能である。
【0167】
右側延出要素362は第2の調整機構380aの部分を構成し、左側延出要素372は第3の調整機構380bの部分を構成する。第2の調整機構380aは、右側延出要素362を右側本体部材353に対して変位させ、固定することによって、右側取り付け要素360を左側取り付け要素370に対して変位させ、複数の位置において固定するように構成されている。第3の調整機構380bは、左側延出要素372を左側本体部材354に対して変位させ、固定することによって、左側取り付け要素370を右側取り付け要素360に対して変位させ、複数の位置において固定するように構成されている。第2の調整機構380a及び第3の調整機構380bは互いに独立して操作可能であり、それらの操作様態が以下において詳述される。
【0168】
図17Aに示されるように、車椅子314の開展位置において、右側支柱340及び左側支柱342は互いに平行に鉛直上方へ延び、それらの間に特定の距離を規定する。右側支柱340及び左側支柱342が右側及び左側フレーム部材318及び320に取り付けられたとき、それらの間の距離は、車椅子314の幅によって、並びに特に、車椅子314の右側及び左側フレーム部材318及び320の間の構造及び距離によって規定される。この距離はシートごとに変化するか、或いは右側及び左側の柱が特定のシートのサイドフレームに関節接合された場所に依存し得る。それゆえ、右側取り付け要素360及び左側取り付け要素370は、下部支持ユニット350を右側及び左側支柱340及び342に取り外し可能に取り付け、それらの間、並びにそれぞれ右側及び左側フレーム部材318及び320との間の距離に固定的に適合するために、互いに対して調整可能である。この調整は、右側取り付け要素360及び左側取り付け要素370が、延出位置と格納位置との間の複数の中間位置の中からの任意の1つの中間位置を固定的に取ることを可能にする。
図17Aの実施例では、右側取り付け要素360及び左側取り付け要素370は、車椅子314の開展位置における右側及び左側フレーム部材318及び320の間の距離によって規定される、右側支柱340と左側支柱342との間の距離に適合した中間位置に固定的に調整される。
【0169】
第2の調整機構380aは、ユーザによって、右側取り付け要素360を長手方向軸Xに沿って右側本体部材353に対して引き、押すことによって、右側取り付け要素360から左側取り付け要素370までの間の距離を増大又は減少させるよう操作可能である。第3の調整機構380bは、ユーザによって、左側取り付け要素370を長手方向軸Xに沿って左側右側本体部材354に対して引き、押すことによって、右側取り付け要素360から左側取り付け要素370までの間の距離を増大又は減少させるよう操作可能である。
【0170】
次に、下部支持ユニットの構造を示す
図17F及び
図17Gを具体的に参照する。上述されたように、右側取り付け要素360及び左側取り付け要素370は、それらを長手方向軸Xに沿って変位させることによって延出位置と格納位置(
図17Fに示される)との間で各々別個に調整可能であり、これにより、格納位置において、右側取り付け要素360と左側取り付け要素370との間の距離は最小限の第1の距離D4であり、延出位置において、右側取り付け要素360と左側取り付け要素370との間の距離は、第1の距離D4よりも大きい最大限の第2の距離D5である。
図17Fに示されるように、格納位置において、右側取り付け要素360及び左側取り付け要素370は、それぞれ、右側本体部材353及び右側本体部材354の反対側の側部に隣接して位置付けられている。
図17Aに示される右側取り付け要素360及び左側取り付け要素370の中間位置において、右側取り付け要素360及び左側取り付け要素370は、D4よりも大きく、D5よりも小さい第3の距離D6まで互いに離間されている。
【0171】
図17Gに示されるように、第2の調整機構380a及び第3の調整機構380のそれぞれ一つは、右側取り付け要素360及び左側取り付け要素370の互いに対する位置を固定するようにさらに構成されている。それゆえ、第2の調整機構380aは、係合時に、右側取り付け要素360及び左側取り付け要素370を、延出位置と格納位置との間の複数の中間位置の中からの任意の1つの中間位置において固定するように構成された、右側延出要素362の下方ラック386及び右側固定部材388の上方ラック387の形態の第1の固定機構を含む。右側固定部材388は、長手方向軸Xに沿った右側延出要素362の変位時に上方向及び下方向への右側固定部材388の若干の変位を可能にする、2本のばねねじ389によって右側本体部材353に装着されており、その一方で、右側固定部材388は、通常は、その上方向固定位置へ変位させられる傾向を有する。
【0172】
第3の調整機構380bは、係合時に、右側取り付け要素360及び左側取り付け要素370を、延出位置と格納位置との間の複数の中間位置の中からの任意の1つの中間位置において固定するように構成された、左側延出要素372の下方ラック386’及び左側固定部材388’の上方ラック387’の形態の第2の固定機構を含む。左側固定部材388’は、長手方向軸Xに沿った左側延出要素372の変位時に上方向及び下方向への左側固定部材388’の若干の変位を可能にする、2本のばねねじ389によって左側本体部材354に装着されており、その一方で、右側固定部材388’は、通常は、その上方向固定位置へ変位させられる傾向を有する。
【0173】
【0174】
右側取り付け要素360及び左側取り付け要素370のそれぞれ一つは、それぞれの取り付け要素の内部内でそれぞれ枢動可能に回転可能な枢動部材361及び371を含む。枢動部材361及び371は、装着孔を介してそれらのそれぞれの支柱の下端部をしっかりと受容するように構成されており、これにより、車椅子314を折りつぶす過程において、右側本体部材353及び左側本体部材354は互いに対して枢動させられ、その一方で、支柱及びそれらのそれぞれの枢動部材361及び371は回転しない。これは、頭部支持組立体310を車椅子314から取り外すことを必要とすることなく車椅子314を容易に折りつぶすこと、或いは支柱340及び342のそれらのカプラユニットに対する回転を促進することを可能にする。