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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-05
(45)【発行日】2024-02-14
(54)【発明の名称】エネルギー生成装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 90/70 20160101AFI20240206BHJP
   H02K 7/18 20060101ALI20240206BHJP
【FI】
A61B90/70
H02K7/18 A
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021535234
(86)(22)【出願日】2019-12-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-16
(86)【国際出願番号】 EP2019085746
(87)【国際公開番号】W WO2020127340
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2022-09-22
(31)【優先権主張番号】102018132962.8
(32)【優先日】2018-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】502154016
【氏名又は名称】アエスキュラップ アーゲー
【住所又は居所原語表記】Am Aesculap-Platz, 78532 Tuttlingen Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フレデリク レンツェンヒューバー
【審査官】豊田 直希
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-127720(JP,A)
【文献】特開2007-160201(JP,A)
【文献】特開2000-017707(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0121141(US,A1)
【文献】韓国公開特許第2013-0031171(KR,A)
【文献】英国特許出願公開第02516806(GB,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 90/70
A61L 2/00
A61M 39/16
B08B 3/00
H02K 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一体化されたまたは接続可能で、交換可能かつ充電可能なエネルギー貯蔵部を有する医療製品、システム、および/または機器の処理プロセスにおいて使用するためのモジュールであって、前記モジュールは、前記モジュールを処理装置としての洗浄消毒機の既存の流体回路に接続するための接続部を有し、それにより、接続されたモジュール状態において、前記処理装置としての前記洗浄消毒機における処理プロセス中に保持または支持されるように構成され、前記モジュールは、更に、
前記接続されたモジュール状態において、接続部で前記モジュール内に流入する前記洗浄消毒機の前記流体回路の流体としての流体の流れを前記モジュールを通して案内するための流体導管としての導管と、
ポート部と、
前記少なくとも1つの医療製品、システム、および/または機器のための少なくとも1つの接続ポートであって、前記ポート部に設けられ、前記接続ポートを通過して流入する流体によってフラッシュされ得るように前記少なくとも1つの製品、システム、および/または機器を保持するように構成された前記接続ポートと、
前記接続されたモジュール状態において前記流体の流れが通過する前記流体導管上または前記流体導管内に配置され、前記充電可能なエネルギー貯蔵部を充電するために前記流体の流れの運動エネルギーからエネルギーを生成するように配置されるように構成され、前記流体導管内の流体の流れが、主に、エネルギー生成の目的とは異なる所定の目的を果たす、エネルギー生成装置と、
前記接続ポートに接続された前記少なくとも1つの医療製品、システム、および/または機器の前記エネルギー貯蔵部が接続状態に配置された領域に配置された誘導装置であって、前記洗浄消毒機の動作中に、前記エネルギー生成装置を使用して前記流体の流れから収集されたエネルギーによって前記エネルギー貯蔵部を充電するように構成された前記誘導装置と、を有する、前記モジュール。
【請求項2】
前記流体の流れの流体圧力を回転運動に変換するための変換ユニットと、
前記回転運動を生成エネルギーに変換するための発電機ユニットと、により特徴付けられる、請求項1に記載のモジュール。
【請求項3】
流体圧力を回転運動に変換するための前記変換ユニットは、前記エネルギー生成装置のハウジング内に回転可能に取り付けられかつ前記流体の流れ内に位置する所定の幾何形状を有するローター要素を備えることを特徴とする、請求項2に記載のモジュール。
【請求項4】
前記所定の幾何形状は、羽根形状または螺旋形状に形成されることを特徴とする、請求項3に記載のモジュール。
【請求項5】
流体圧力を回転運動に変換するための前記変換ユニットは、電気モーターであり、前記電気モーターは、フラッシング処理中に前記流体の流れによって駆動され、発電機ユニットとして動作し、所定の幾何形状を有するローターを含み、ステーター要素と協働して電流を生成するように構成され、電流を使用して、前記エネルギー貯蔵部は、前記エネルギー貯蔵部の誘導充電のための誘導装置を介して、充電可能であることを特徴とする、請求項2から4のいずれか一項に記載のモジュール。
【請求項6】
前記エネルギー生成装置は、回路基板上の前記エネルギー生成装置のハウジング内に配置された電子制御部を含むことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のモジュール。
【請求項7】
前記エネルギー生成装置は、前記流体の流れの流体圧力を回転運動に変換するための変換ユニットと、前記回転運動を生成エネルギーに変換するための発電機ユニットと、を有し、
前記電子制御部は、前記エネルギー貯蔵部の充填レベルを検出し、所定の充填レベルを検出するとバイパスを開くように構成され、前記バイパスは、開状態において前記流体の流れを前記変換ユニットを通り越して案内するように配置され、この場合、前記変換ユニットは、その回転と前記エネルギー貯蔵部を充電するための前記エネルギーの生成との両方を停止するように構成される、請求項6に記載のモジュール。
【請求項8】
前記発電機ユニットによって生成されたエネルギーは、誘導ラインを備える前記誘導装置としてのフレキシブル基板を介して前記エネルギー貯蔵部に伝送可能であることを特徴とする、請求項2に記載のモジュール。
【請求項9】
前記モジュールは、接続されたエネルギー貯蔵部の充電状態を決定するための装置と、前記モジュールを読み出すことができるか、または前記充電状態を外部に伝送することができるデータ伝送インターフェースとを有することを特徴とする、請求項1に記載のモジュール。
【請求項10】
前記医療製品、システム、および/または機器は、それに接続可能であり、かつ/またはそれに一体化された充電可能なエネルギー貯蔵部を有する少なくとも1つのハンドピースを備え、前記エネルギー貯蔵部は、再充電可能なバッテリとして、またはパワーセルとして構成され、かつ前記洗浄消毒機内で前記ハンドピースと共に処理されるように構成されることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載のモジュール。
【請求項11】
エネルギー生成装置を有する請求項1から10のいずれか一項に記載のモジュールを有する医療製品、システム、および/または機器を処理するための洗浄消毒機であって、前記医療製品、システム、および/または機器は、充電可能なエネルギー貯蔵部が接続可能であり、かつ/またはそれに一体化された少なくとも1つのハンドピースを備え、前記エネルギー貯蔵部は、再充電可能なバッテリまたはパワーセルとして構成され、前記ハンドピースと共に前記洗浄消毒機内で処理されるように構成され、
a)前記モジュールの前記エネルギー生成装置が、前記洗浄消毒機の所定の支持体または所定のふるいバスケットに保持されるように構成されるか、または
b)前記モジュールが、前記洗浄消毒機のすすぎラックに一体化されたモジュールとして形成されるか、または
c)前記モジュールが、前記洗浄器消毒器の所定の支持体に一体化されたモジュールであって、前記洗浄消毒機内に収容されて少なくとも1つのエネルギー貯蔵部が実装された機器の充電のために、または、前記洗浄消毒機の管部に接続された製品の充電のために、誘導によるエネルギーの無線伝送のための前記誘導装置を有するモジュール、として形成される、
洗浄消毒機。
【請求項12】
前記モジュールは、前記洗浄消毒機内に恒久的にインストールされ、少なくとも1つのはね水透過性充電パッドに接続され、前記充電パッドは、少なくとも1つのエネルギー貯蔵部を有しており前記充電パッド上に支持されている少なくとも1つの製品を、前記モジュールにより生成されたエネルギーで誘導充電するように構成される、ことを特徴とする、請求項11に記載の洗浄消毒機。
【請求項13】
外科用機器のエネルギー貯蔵部を充電する方法であって、
エネルギー貯蔵部が設置された外科用機器を、洗浄および/または消毒装置に接続するまたはその中に挿入するステップと、
流体の流れエネルギーを電気エネルギーに変換するエネルギー生成装置を有する請求項1から10のいずれか一項に記載のモジュールの接続を、前記洗浄および/または消毒装置に、好ましくはその流体入力ポートまたは流体出力ポートに接続するステップと、
前記エネルギー貯蔵部を前記エネルギー生成装置に接続するステップであって、前記エネルギー貯蔵部に関する当該接続するステップは、前記エネルギー生成装置に関する前記接続するステップに先行してもよい、ステップと、
前記洗浄および/または消毒装置を通常動作するステップと、を備える方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エネルギー貯蔵のためのエネルギー生成装置/エネルギー変換装置に関し、特に、装置内に存在する流体の流れを使用したエネルギー貯蔵部の無線充電および/または有線充電のためのモジュールを有するエネルギー貯蔵部のためのエネルギー生成装置/エネルギー変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ワイヤレスシステム、例えば、モーターシステム、医療分野における外科用機器などのような接続可能なエネルギー貯蔵部を有する蓄電池駆動システムは、ますます市場に参入しており、その結果、有線システムから離れて、エネルギー貯蔵部(「バッテリ」)を有する無線またはいわゆるスタンドアローンシステムに向かう一般的な傾向がある。これらのエネルギー貯蔵部は、それらがエネルギーを供給する製品の動作準備を確実にするために、電気エネルギーが供給されなければならない。
【0003】
ここでの欠点は、医療分野におけるモーター実装ハンドピースのようなエネルギー貯蔵ベースの製品およびシステムが、それらが意図されたように使用され得る前に、最初に充電されなければならないことである。
【0004】
従来の解決策は、ハンドピースとエネルギー貯蔵部とを切り離し、充電された交換可能なエネルギー貯蔵部を手術室(OR)のような治療現場で直接的に利用可能に置いておくことである。滅菌されたハンドピースは、続いて、手術室内でエネルギー貯蔵部が実装される。さらなる欠点は、必要とされる追加の操作、分離したエネルギー貯蔵部のそれぞれのサイズなどである。
【0005】
対応するシステムや製品のさらなる小型化が今後数年で期待され、より小型のエネルギー貯蔵システム(二次電池、パワーセル)が考えられる。現在のところ、これらのエネルギー貯蔵部がハンドピースに一体化されることも、より小さなシステムとして接続可能であることも、既に予想できることである。
【0006】
そのようなシステムおよび/またはハンドピースが再使用され得る前に処理されなければならない場合(例えば、医療分野でしばしばそうであるように)、例えば、これらのシステムおよび/またはハンドピース(すなわち、それらのエネルギー貯蔵部またはバッテリ)を、洗浄/消毒装置/洗浄消毒機(WD)において処理する必要がある。したがって、一つの目的は、手術室内に置かれているエネルギー貯蔵部から離れ、一体化されたエネルギー貯蔵部に向かうことである。手術室におけるエネルギー貯蔵部の個別に必要な充電は、必然的に、不必要なまたは不必要に複雑な手術手順、および、それに応じてより高いコストを伴う、より高いまたはさらに悩ましい費用につながる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明は、手術室における使用の前に、エネルギー貯蔵部を有するシステムが充電されることを可能にし、それにより、そのようなシステムの管理性および使用性を改善する、エネルギー生成装置/エネルギー変換装置を提供する目的に基づいている。
【0008】
さらに、本発明は、生成(発電、採掘、回収)または「収集」を可能にし、したがってWDにおけるエネルギー貯蔵部の充電を可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、この目的は、請求項1の特徴を有するエネルギー生成装置/エネルギー変換装置、請求項13の特徴を有するモジュール、および請求項14の特徴を有する洗浄消毒機によって解決される。本発明の有利なさらなる展開は、添付の従属クレームの発明特定事項である。
【0010】
本発明の基礎である一般的な思想によれば、システムおよび/または製品は、使用前にシステムの充電を可能にするために、既存の流体回路から電気エネルギーを生成(発電)、すなわち回収(採掘)、「収集」することによって充電される。同時に、充電状態を読み出すことができるデータ伝送インターフェースが提供されるか、または、接続されたシステムまたは製品の充電状態を外部に伝える機能が提供される。
【0011】
本発明の基礎であるこの一般的な思想の具体例は、例えば、医療分野において、手術室における使用の前にシステムおよび/または製品の必要な充電を可能にするために、例えば、洗浄消毒機(WD)の既存の流体回路(例えば水回路)内でまたは既存の流体回路から(電気)エネルギーを収集、すなわち取得または生成することによって、製品処理プロセスにおいて、一体化されたまたは接続可能なエネルギー貯蔵部を有するハンドピースなどの、医療分野において使用される(外科用)システムおよび/または製品を充電することである。対応する性能を有するエネルギー生成装置/エネルギー変換装置は、データ伝送インターフェースを介して(その手段によって)読み出すことができるモジュール、または接続された製品の充電状態を外部に伝えるモジュールとして、設計され得る。
【0012】
換言すれば、上記の具体的な例に基づいて、基礎である一般的な思想は、既に提供されているかまたは他の目的のために既に存在する、流体の流れまたは流体回路(例えば、洗浄消毒機内の水回路)内の、勢いがある流体圧力を使用して、エネルギー貯蔵部を無線または有線で充電するためのエネルギー生成装置またはモジュールを含む。一般的な思想も本発明も、医療分野に限定されず、特に、WDの流体回路および対応するシステムおよび/または製品に限定されないことが直ぐに理解される。本発明において明確なことは、電気エネルギーが冷却/動作/洗浄などのための流体の流れのような既存のエネルギーシステムから廃棄物として擬似的に回収され、続いて、外科用機器のエネルギー貯蔵部を充電するために有益に使用され得ることである。
【0013】
例えば、WDにおける処理工程中に、流体回路からエネルギーを生成(発電、採掘、収集)することによってシステムおよび/または製品を充電する可能性から直接的に生じる本発明による利点は、準備時間の有意な節約、手術室のような使用または適用の現場での操作労力の低減、使用または適用の現場でのシステムおよび製品の即時の使い易さ、および、データ伝送インターフェースを介して(例えば、モバイル装置用のアプリケーション、PC上のソフトウエアなどを介して)充電状態を認識する可能性、を含む。
【0014】
詳細には、その目的は、充電可能なエネルギー貯蔵部のためのエネルギー生成装置/エネルギー変換装置によって解決され、エネルギー生成装置は、装置(設備)内の既存の流体回路の流路に/内に配置されて流体の流れが通過するように適用され、(ここで、)流路内の流体の流れは、主に、エネルギー生成の目的とは異なる所定の目的を果たす。エネルギー生成装置は、充電可能なエネルギー貯蔵部を充電するために、流体の流れの運動エネルギーから電気エネルギーを生成(発電、回収)するように配置される。
【0015】
好ましくは、エネルギー生成装置は、モジュール式設計(モジュール形式)を有し、装置の既存の流体回路内の流体圧力に基づくエネルギー収集プロセスの手段によって電気エネルギーを生成し、このようにして生成されたエネルギーでエネルギー貯蔵部を充電するように配置される。
【0016】
さらに好ましくは、エネルギー生成装置は、流体の流れの流体圧力または流体の流れエネルギーを例えばタービンの回転運動に変換する変換ユニットと、その回転運動を、生成された(発電された)電気エネルギーに変換する発電機ユニットと、を含む(有する)。
【0017】
好ましくは、流体圧力/流れエネルギーを回転運動に変換するための変換ユニットは、所定の幾何形状を有するローター要素を含み、当該ローター要素は、エネルギー生成装置のハウジング内および流体の流れ内に回転可能に取り付けられる(支持される)。
【0018】
好ましくは、所定の幾何形状は、ベーン形状(インペラ形状)または螺旋形状(スクリュー形状)である。しかしながら、代わりに、周方向に間隔をおいたポケットが設けられている赤道ラインに沿った球体から成る、いわゆる球形タービンも考えられ、これは球体のローター推進駆動のための圧力収集トラフとして機能する。球体自体は、回転軸によって中央に貫通させることができ、回転軸は、球体の両側に回転可能に取り付けられる。
【0019】
さらに、好ましくは、エネルギー生成装置において、流体圧力を回転運動に変換するための変換ユニットは、フラッシング処理中に流体の流れによって駆動され発電機として動作する電気モーターであってもよく、電気モーターは、所定の幾何形状を有するローターを含み、ステーター要素と協働して電流を生成するように構成され、それを使用して(その手段によって)、エネルギー貯蔵部が、エネルギー貯蔵部を誘導充電するための誘導装置を介して、またはエネルギー貯蔵部の有線充電のための充電ケーブルを介して、充電可能である。
【0020】
好ましくは、前記エネルギー生成装置は、回路基板上の前記エネルギー生成装置のハウジング内に配置された電子制御部を含む(有する)。
【0021】
好ましくは、エネルギー生成装置は、エネルギー貯蔵部の充填レベルを検出し、所定の(最大の)充填レベルを検出するとバイパスを開くように構成され、バイパスは、開状態において変換ユニットを通過する流体の流れをバイパスするように配置され、この場合、変換ユニットは、その回転とエネルギー貯蔵部を充電するためのエネルギーの生成(発電)との両方を停止するように構成される。
【0022】
好ましくは、発電機ユニットによって生成された電気エネルギーが、誘導ラインを有するフレキシブル基板を介して誘導手段によってエネルギー貯蔵部および/または製品に伝送され得る。
【0023】
あるいは、発電機ユニットによって生成されたエネルギーが、充電ケーブルを介してエネルギー貯蔵部に有線で伝送可能である。
【0024】
また、好ましくは、エネルギー生成装置が、モジュールと、接続されたエネルギー貯蔵部の充電状態を決定するための装置と、モジュールを読み出すことができるか、または、充電状態を外部に通信することができるデータ伝送インターフェースとを有する。
【0025】
エネルギー生成装置を含むモジュールは、実装可能であり、モジュールは、一体化されたまたは接続可能で、交換可能かつ充電可能なエネルギー貯蔵部を有する製品、システム、および/または機器のための処理プロセス(準備プロセス)における使用のために構成され、処理プロセス中に処理装置に保持または収容されるように構成される。モジュールは、上述のエネルギー生成装置と、モジュールを処理装置の流体回路に接続するための接続部と、接続部でモジュール内へと流れる流体をモジュールを通じて案内するための導管と、ポート部と、少なくとも1つの製品、システム、および/または機器のための少なくとも1つの接続ポートであって、(少なくとも1つの接続ポートは、)ポート部に設けられ、接続ポートを通過して流入する水がそれを通って流れることができるように、製品、システム、または機器を保持するように構成される接続ポートと、接続ポートの下で平面状に設けられた誘導装置であって、接続状態において(のときに)、接続ポートに接続された製品、システム、および/または機器のエネルギー貯蔵部(不図示)がそこに(その中に)配置され、かつ、(誘導装置は、)処理装置の動作中にエネルギー生成装置によって流体の流れから収集されたエネルギーを使用してエネルギー貯蔵部を充電するように構成されている、誘導装置と、によって特徴付けられる。さらに、動作を制御するための電子制御部が、モジュールに設けられてもよい。
【0026】
実際の場合、装置は、好ましくは医療機器、システム、および/または製品を処理(準備)するための洗浄消毒機(WD、洗浄/消毒装置)であり、医療機器、システム、および/または製品は、それに接続(結合)および/または一体化され得る充電可能なエネルギー貯蔵部を有する少なくとも1つのハンドピースを備え、エネルギー貯蔵部は、再充電可能なバッテリ(蓄電池)またはパワーセルとして構成され、洗浄消毒機内でハンドピースと共に処理されるように適用される。
【0027】
そして、医療機器、システム、および/または製品を処理(準備)するための洗浄消毒機(WD、洗浄/消毒装置)がさらに好ましく、医療機器、システム、および/または少なくとも1つのハンドピースは、それに接続可能なかつ/またはそれと一体化された充電可能なエネルギー貯蔵部を備え、エネルギー貯蔵部は、再充電可能なバッテリまたはパワーセルとして構成され、洗浄消毒機内でハンドピースと共に処理されるように適用される。洗浄消毒機において、先行する請求項の1つのエネルギー生成装置は、a)洗浄消毒機の所定の支持体または所定のふるいバスケットに保持されるように構成されるか、b)誘導を介したエネルギーの無線伝送のための誘導装置、または、洗浄消毒機に接続された製品を充電するためのエネルギーの有線伝送のための充電ケーブル配置、を有する、洗浄消毒機のすすぎラックに一体化されたモジュールとして構成されるか、または、c)洗浄消毒機の所定の支持体に一体化されたモジュールであって、誘導を介したエネルギーの無線伝送のための誘導装置を有するモジュール、あるいは、洗浄消毒機内に収容されて少なくとも1つのエネルギー貯蔵部が実装された機器の充電のためのエネルギー、または、洗浄消毒機の管部に接続された製品の充電のためのエネルギー、の有線伝送のための充電ケーブル配置を有するモジュールとして構成される。
【0028】
この場合、モジュールは、洗浄消毒機(WD)内に恒久的にインストールされ、少なくとも1つの液はね(-水)-透過性充電パッドおよび/または少なくとも1つの充電ケーブルに接続されてもよく、充電パッドは、充電パッドの上に支持された少なくとも1つのエネルギー貯蔵部を有する少なくとも1つの製品を、モジュールによって生成されたエネルギーで電磁誘導で充電するように構成され、また、充電ケーブルは、充電ケーブルを介して接続されたエネルギー貯蔵部を有する少なくとも1つの個別の製品を、充電ケーブルを介して、モジュールによって生成されたエネルギーで充電するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】実施形態に係る装置の管部内の流体の流れのエネルギーまたは圧力を使用するエネルギー生成の原理の概略図を示す。
図2】実施形態に係るエネルギー生成装置において複数の製品のそれぞれのエネルギー貯蔵部を充電するための誘導装置と動作可能に接続された(協働する)、すすぎラックに一体化されたモジュールの概略図を示す。
図3】実施形態に係るエネルギー生成装置において単一の製品のエネルギー貯蔵部を充電するための誘導装置と動作可能に接続されたふるいバスケットに取り付けられたモジュールの概略図を示す。
図4図3に関連して説明した関係を概略図で示す。
図5】実施形態に係るエネルギー生成装置において充電パッドを有する洗浄消毒機内に恒久的に設置されたモジュールの概略図を示す。
図6】他の実施形態に係るエネルギー生成装置において、生成動作で生成されたエネルギーを用いて製品のエネルギー貯蔵部を充電するための発電機として製品にインストールされた電気モーターを使用する概略図である。
図7】他の実施形態に係るエネルギー生成装置において、生成動作で生成されたエネルギーを用いて製品のエネルギー貯蔵部を充電するための発電機として製品にインストールされた電気モーターを使用する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付図面を参照して本発明をより詳細に説明する。図面において、同一の参照符号は、同一または少なくとも同等の部分および構成要素を示す。なお、これらの部分および構成要素については、重複する説明を省略する。
【0031】
本明細書に記載されるエネルギー生成装置の好ましい実施形態は、例えば、再使用可能な製品、システム、および/または機器を処理するために医療分野で使用されるような、公知の洗浄消毒機(WD)を参照して以下に記載される。洗浄および消毒のために、WDは、食器洗浄機の原理に類似する機械的、熱的および化学的な処理の組み合わせを使用する。加熱された水は、適用可能であれば化学物質で富化され、洗浄される対象に圧力を加えられる。本発明は、医療分野、そこで使用される製品、システム、および/または機器、またはWDにおける配置、またはWDの使用に限定されるものではないことが理解されるであろうが、相応に変形された構成および変形が、一体化されたまたは接続可能な(交換可能な)エネルギー貯蔵装置、および、流体回路を有する多数の他のおよび/または様々な製品に対して考えられ、実施可能である。
【0032】
図1は、実施形態に係る装置の管部内の流体の流れのエネルギーまたは圧力を使用したエネルギー生成の原理を図示するための装置の正面図および平面図における概略図を示す。本実施形態では、装置が上述したように、公知の洗浄消毒機(WD)である。
【0033】
図1において、参照符号2は、装置内の流体回路、例えば、WD内の水回路の管部または導管部を示す。管部2における所定の流体圧力/水圧、および/または、所定の流速を有する流体の流れ/水流は、黒い矢印で示される。
【0034】
参照符号4は、実施形態に係るエネルギー生成装置である。エネルギー生成装置4は、所定の幾何形状、例えば、羽根形状または螺旋形状の幾何形状を有するシャフトまたはローター6として形成され、管部2内の液体の流れの長手方向の運動を回転運動に変換するように配置および構成された変換ユニットを有する。流体の流れ、またはその圧力、および/または、その速度は、ローター6に作用してローター6を回転させる。ローター6の回転運動をエネルギーに変換する、すなわちエネルギーを発生させるために、発電装置8が配置および構成されている。発電装置8は、電子制御部10に接続されており、電子制御部10は、回路基板(不図示)に配置されてもよく、また、電子制御部10は、エネルギー生成装置4からのエネルギーの所定の変換/産出だけでなく、特に、少なくともエネルギー生成、および、生成された(発電された、収集された)エネルギーの分配を制御するように構成されている。上述のような全体システムは、ハウジング内に液密状態で収容されている。
【0035】
実際には、エネルギー生成は、エネルギーのいわゆる生成(採掘、回収)または「収集」のために、流体の流れのエネルギーまたは圧力を使用しており、流体の流れまたはその水圧は、管部2内の水圧を例えば羽根(羽根車)、螺旋シャフトなどの手段によって回転運動に変換するユニット(変換ユニットまたはそのローター6)を駆動するために使用される。回転運動のエネルギーへの変換のために、発電機(発電装置8)が使用される。電子制御部10は、例えば、回路基板に配置される。完全なシステムが収容される。
【0036】
図2は、実施形態に係るエネルギー生成装置を備えた製品、システムまたは機器120のエネルギー貯蔵部を充電するための誘導装置110と動作可能に接続された、WDのすすぎラックに一体化された、モジュール100の概略図を示す。この文脈において、すすぎラックは、WDにおいて公知のすすぎバスケットに相当するタイプの棚として理解されるべきであり、その上に、またはその中に、処理されるべき部品が配置され得るか、または挿入され得る。すすぎラックは、部分的な背景構造として図2に示されている。
【0037】
モジュール100は、すすぎラックに配置可能であるように構成され、ブラケットまたは固定手段が設けられてもよい。モジュール100は、モジュール100をWDの水回路に接続するための接続部105を含む。図2の矢印は、WDの動作中にモジュール100を流れる水の流れ経路を示す。図2に示すように、水は後部接続部105でモジュール100に入り、導管ガイド115(この実施形態では管部2を含むが、少なくとも部分的にまたは完全に剛性であってもよい)を介してポート部130に案内される。ポート部130は、製品、システムおよび/または機器のための複数の接続ポート135を有する。この実施形態では、例えば、3つの接続ポート135が設けられ、図2によれば、製品、システム、または機器のうちの1つとしてのハンドピース120は、対応する接続ポート135を介して流入する水が通過できるように、複数の接続ポート135のうちの1つに保持される。
【0038】
さらに、図1に示すエネルギー生成装置、または、エネルギー生成ユニット4は、導管ガイド115を流れる水が通過できるように導管ガイド115内に配置され、図1で述べた効果および機能を発現する。これは、WDの動作中に、水がエネルギー生成装置4を通って流れ、その中に回転可能に取り付けられたローター6が回転し、回転(の手段)によって、ローター6に接続された発電装置8が、WDにおける処理のために主に使用される(したがって、主にエネルギー生成のためではない)水流からエネルギーを収集または生成(発電、採掘、回収)することを意味する。
【0039】
続いて、生成されたエネルギーは、電子制御部10によって、例えば、適切な形態に変換され、導管または誘導ライン140を介して誘導装置110に出力される。誘導装置110は、例えば、適切な追加の周辺手段として誘導ラインを有するフレキシブル回路基板を備えることができる。図2に示すように、誘導装置110は、接続ポート135の下において、接続ポート135に接続された製品、システムおよび/または機器のエネルギー貯蔵部(不図示)が接続状態になる領域に平面状に配置される。このようにして、これらのエネルギー貯蔵部は、WDの動作中、すなわち、WDの処理動作手順または洗浄および消毒動作手順中に水流から収集されたエネルギーで、エネルギー生成装置によって供給される誘導装置135を介して、充電され得る。
【0040】
このようにして、充電可能なエネルギー貯蔵部のためのエネルギー生成装置4は、流体が流れる装置において、既存の流体回路の流体導管に配置される。流体導管内の流体の流れは、主として、エネルギー生成の目的とは異なる所定の目的を果たす。エネルギー生成装置は、充電可能エネルギー貯蔵部を充電するために、流体の流れからエネルギーを生成するように配置される。モジュール100は、エネルギー生成装置4と、エネルギー生成装置4で生成(発電、採掘、回収、収集)されたエネルギーによってエネルギーが与えられる誘導装置110とを含み、WDがその所定の動作手順を実行している間、および、エネルギー生成装置4がWDの水回路からエネルギーを生成(収集)している間、その誘導場に設けられたエネルギー貯蔵部を充電するように構成されている。換言すれば、「収集された」エネルギーは、誘導を介して、例えば、誘導ラインを有するフレキシブル回路基板などの適切な追加の周辺手段を介して、製品、システム、および/または機器に伝送される。あるいは、+-極接続を介した充電接続、したがって、充電ケーブルを介した充電接続も考えられる。WDは、WDの少なくとも1つのすすぎラックに保持され、WDの水回路に接続されるように構成された少なくとも1つのモジュール100を含む。
【0041】
上述の実施形態の変形例では、製品、システム、および/または機器がそれらのエネルギー貯蔵部の所定の充填レベルまたは充電状態に達したことを電子制御部10に伝えることを提供することができる。この場合、電子制御部10は、例えば、アクチュエータまたは弁などのような、水流を方向転換させ、ローター6を迂回させるように配置および構成された好適な制御手段によって、機械的にバイパス装置の開口をもたらすように構成されてよく、それによって、ローター6がそれ以上回転せず、その結果、発電機装置8がそれ以上エネルギーを生成しないので、エネルギー貯蔵部の充電が終了するか、またはバイパス装置の開口持続期間の間は少なくとも一時停止される。
【0042】
図3は、実施形態に係るエネルギー生成装置4において、製品、システム、または機器のエネルギー貯蔵部を充電するための誘導装置135と動作可能に接続された、ふるいバスケットに取り付けられたモジュール100の概略図を示す。
【0043】
図3に示されるように、1つの変形例では、図2のモジュール100が、(単一の)製品、システム、または機器を充電するように構成されてもよい。この場合、モジュールの構成は、例えば、(単一の)接続ポート135がエネルギー生成装置4に直接的にインストールされるという点で、簡略化されてもよい。さらに、誘導装置110は、それに応じて小さくすることができる。図3は、すすぎラックまたはふるいバスケットに、またはその中に固定するためのモジュール100のねじ結合をさらに示すことに留意されたい。
【0044】
図3に示される変形は、製品、システム、または機器を充電することに限定されず、一体化されたまたは接続可能で、取り外し可能かつ充電可能なエネルギー貯蔵部を有する他の製品、システム、および/または機器が、モジュール100の単一の構成で充電可能であることが理解される。
【0045】
例えば、導管140または誘導装置110の適切な長さ、サイズ、および/または再配置、相対的な言い方では、例えば、エネルギー生成装置4からさらに離れた位置への再配置または配置によって、スペースを占有して他の構成要素からある程度の距離を必要とするが、フラッシュされる必要がなく、したがって接続ポート135への接続を必要としない、場所をとる、すなわち、より大きい製品、システム、または機器のエネルギー貯蔵部を、電磁誘導で充電することもできる。エネルギー貯蔵部は、この場合、エネルギー生成装置4上の接続ポート135は、省略可能である。
【0046】
上述の単一の構成(図3に示すように、エネルギー生成装置4で直接的に接続ポート135を有する構成)と、いくつかの接続ポート135を有するモジュール100と、の両方においてより大きな製品、システム、および/または機器を可能にする上述の実施形態のさらなる変形では、誘導装置110への導管140のための少なくとも1つの接続を差し込み可能に形成することができ、例えば、電子制御部10によって駆動される閉鎖装置を提供するアクチュエータおよび/または弁を使用することによって、または、製品、システム、または機器の接続/切断にあたり自動的に開く/閉じる膜または閉鎖装置などを使用することによって、接続ポート135を機械的にかつ流密状態で閉鎖可能にすることができる。
【0047】
この場合、電子制御部10が、製品、システムまたは機器の存在、および/またはエネルギー生成装置4に接続された誘導装置110の存在を検出したが、対応する接続ポート135が使用されていないことを検出した場合、すなわち、電子制御部が、製品、システムまたは機器のエネルギー貯蔵部が充電されるべきであると検出したが、製品、システムまたは機器がフラッシュされるべきではなく、接続ポート135に接続されていないことを検出した場合、電子制御部10が、接続ポート135を液密状態で閉鎖し、対応するエネルギー貯蔵部を充電するために充電エネルギーを誘導装置135に向けるような構成であってもよい。
【0048】
上述の構成では、サイズまたは構造に起因して、モジュール100に設けられた少なくとも1つの接続ポート135、または、エネルギー生成装置4に設けられた1つの接続ポート135に接続できない場所をとる製品、システム、および/または機器、または、フラッシュできず、モジュール100またはエネルギー生成装置4に設けられた接続ポート135に接続できない場所をとる製品、システム、および/または機器は、モジュール100および/またはエネルギー生成装置4が1つまたは複数の接続ポート135を有する場合であっても、エネルギー貯蔵部の同時充電と共に処理されてもよい。換言すれば、場所をとる製品、システム、または機器は、モジュール100および/またはエネルギー生成装置4の(それぞれ、接続ポートを備える/備えない)特定の実施形態を必要としないが、任意の製品、システム、または機器は、一様に構成されたモジュール100またはエネルギー生成装置4を使用して同時に処理および充電され得る。使用されていない接続ポート135は、デフォルトで閉じることができ、その結果、最大の流体圧力または水圧が使用されているポートで影響を及ぼすことに留意されたい。
【0049】
図4は、図3に関連して上述した関係を模式図で示す。簡潔性および明確性のために、図4では重複する参照符号が省略されている。
【0050】
図5は、1つの実施形態(独立した変形例)に係るエネルギー生成装置において充電パッドを備える洗浄消毒機に恒久的にインストールされたモジュールの概略図を示す。
【0051】
図5に示す実施形態によれば、モジュール100(エネルギー生成装置4)は、WDに恒久的にインストールされ、液はね(水)を通過させることができるように構成され得る少なくとも1つの充電パッド160に接続される。一体化されたまたは接続された交換可能なエネルギー貯蔵部を有する、ふるいバスケット165内に収容された製品、システムおよび/または機器は、少なくとも1つの充電パッド160の上のフラッシングおよび非フラッシングで、電磁誘導で充電され得る。同様に、例えば、フラッシュされるように適合されていないエネルギー貯蔵部を有する個別の製品170は、エネルギー生成装置4に直接接続され、(充電)ケーブル180を介して充電されてもよい。
【0052】
図6は、さらなる変形として、他の実施形態に係るエネルギー生成装置またはエネルギー生成モジュールにおいて発電機モードで生成されたエネルギーで、製品のエネルギー貯蔵部(不図示)を充電するための発電機として、製品120内にインストールされたフラッシュされる電気モーター200の使用を示す概略図である。図7は、他の実施形態に係るエネルギー生成装置において発電機モードで生成されたエネルギーで製品のエネルギー貯蔵部を充電するための発電機として、製品にインストールされた電気モーターの使用を示す概略図である。図6および図7によれば、エネルギー生成装置4は、いわば、製品、システムまたは機器に再配置されるか、または、そこに既に存在する技術的要素は、その場でのエネルギー生成のために使用される。
【0053】
電気モーター200は、WDにおけるフラッシング中に発電機として使用される。電気モーター200のローター210は、適切な幾何形状(例えば螺旋シャフト形状)を有しており、電気モーターのステーターと協働して電流を生成する。生成された電流は、誘導装置110を介して、あるいは充電ケーブル(不図示)を介して、エネルギー貯蔵部を充電するために使用される。必要であれば、電子制御部10が使用される。その他の点では、図7に示すモジュール100は、図2に示すモジュール100に対応する。この実施形態では、エネルギー生成装置4を除いて、その機能が、フラッシング中に発電機モードでフラッシュされて動作する電気モーター200によって引き継がれる。
【0054】
上述したように、充電可能なエネルギー貯蔵部のためのエネルギー生成装置は、装置における既存の流体回路の流体が流れる流体導管に配置される。流体導管内の流体の流れは、主として、エネルギー生成装置の目的とは異なる所定の目的を果たす。エネルギー生成装置は、充電可能なエネルギー貯蔵部を充電するために、流体の流れの運動エネルギーからエネルギーを生成するように配置される。装置内に挿入可能なモジュールは、エネルギー生成装置を備えることができる。実際には、装置は、医療機器、システム、および/または製品を処理するための洗浄消毒機(WD)であってもよく、医療機器、システム、および/または製品は、接続可能でありかつ/または一体化された充電可能なエネルギー貯蔵部を有する少なくとも1つのハンドピースを備え、エネルギー貯蔵部は、再充電可能なバッテリとして、または、パワーセルとして構成され、洗浄消毒機内でハンドピースとともに処理されるように適用される。
【0055】
本発明は、上述の実施形態に限定されず、特許請求の範囲によって規定される保護範囲内の変更、変形、組み合わせ、および均等な構成も本発明に包含され、そのような変更、変形、組み合わせ、および均等な構成は、当業者に容易に明らかであることが理解される。
以下の項目は、国際出願時の特許請求の範囲に記載の要素である。
[項目1]
充電可能なエネルギー貯蔵部のためのエネルギー生成装置であって、前記エネルギー生成装置は、医療装置内の既存の流体回路内の流体が通過する流体導管上または流体導管内に配置され、前記流体導管内の流体の流れは、主にエネルギー生成の目的とは異なる所定の目的を果たし、
前記エネルギー生成装置は、前記充電可能なエネルギー貯蔵部を充電するために前記流体の流れの運動エネルギーからエネルギーを生成するように配置されることを特徴とする、前記エネルギー生成装置。
[項目2]
前記エネルギー生成装置は、モジュール設計を有し、前記装置の既存の前記流体回路内の流体圧力に基づくエネルギー収集プロセスを介してエネルギーを生成し、こうして生成された前記エネルギーで前記エネルギー貯蔵部を充電するように配置されることを特徴とする、項目1に記載のエネルギー生成装置。
[項目3]
前記流体の流れの流体圧力を回転運動に変換するための変換ユニットと、前記回転運動を生成エネルギーに変換するための発電機ユニットと、により特徴付けられる、項目1または2に記載のエネルギー生成装置。
[項目4]
流体圧力を回転運動に変換するための前記変換ユニットが、前記エネルギー生成装置のハウジング内および前記流体の流れ内に回転可能に取り付けられた所定の幾何形状を有するローター要素を備えることを特徴とする、項目3に記載のエネルギー生成装置。
[項目5]
前記所定の幾何形状は、羽根形状または螺旋形状に形成されることを特徴とする、項目4に記載のエネルギー生成装置。
[項目6]
流体圧力を回転運動に変換するための前記変換ユニットは、電気モーターであり、前記電気モーターは、フラッシング処理中に前記流体の流れによって駆動され、発電機として動作し、所定の幾何形状を有するローターを含み、ステーター要素と協働して電流を生成するように構成され、電流を使用して、前記エネルギー貯蔵部は、前記エネルギー貯蔵部の誘導充電のための誘導装置を介して、または、前記エネルギー貯蔵部の有線充電のための充電ケーブルを介して、充電可能であることを特徴とする、項目3から5のいずれか一項に記載のエネルギー生成装置。
[項目7]
前記エネルギー生成装置は、回路基板上の前記エネルギー生成装置のハウジング内に配置された電子制御部を含むことを特徴とする、項目1から6のいずれか一項に記載のエネルギー生成装置。
[項目8]
前記電子制御部は、前記エネルギー貯蔵部の充填レベルを検出し、所定の充填レベルを検出するとバイパスを開くように構成され、前記バイパスは、開状態において前記流体の流れを前記変換ユニットを通り越して案内するように配置され、この場合、前記変換ユニットは、その回転と前記エネルギー貯蔵部を充電するための前記エネルギーの生成との両方を停止するように構成される、項目7に記載のエネルギー生成装置。
[項目9]
前記発電機ユニットによって生成されたエネルギーは、誘導ラインを備えるフレキシブル基板を介して、誘導によって、前記エネルギー貯蔵部および/または製品に伝送可能であることを特徴とする、項目3に記載のエネルギー生成装置。
[項目10]
前記発電機ユニットによって生成されたエネルギーは、充電ケーブルを介して、有線で前記エネルギー貯蔵部に伝送可能であることを特徴とする、項目3に記載のエネルギー生成装置。
[項目11]
前記モジュールは、接続されたエネルギー貯蔵部の充電状態を決定するための装置と、前記モジュールを読み出すことができるか、または前記充電状態を外部に伝送することができるデータ伝送インターフェースとを有することを特徴とする、項目2に記載のエネルギー生成装置。
[項目12]
前記装置は、医療機器、システム、および/または製品を処理するための洗浄消毒機(WD)であり、前記医療機器、システム、および/または製品は、それに接続可能であり、かつ/またはそれに一体化された充電可能なエネルギー貯蔵部を有する少なくとも1つのハンドピースを備え、前記エネルギー貯蔵部は、再充電可能なバッテリとして、またはパワーセルとして構成され、かつ前記洗浄消毒機内で前記ハンドピースと共に処理されるように構成されることを特徴とする、項目1から11のいずれか一項に記載のエネルギー生成装置。
[項目13]
一体化されたまたは接続可能で、交換可能かつ充電可能なエネルギー貯蔵部を有する製品、システム、および/または機器の処理プロセスにおいて使用するためのモジュールであって、前記モジュールは、処理装置における処理プロセス中に保持または支持されるように構成され、前記モジュールは、
項目1から12のいずれか一項に記載のエネルギー生成装置と、
前記モジュールを前記処理装置の流体回路に接続するための接続部と、
接続部で前記モジュール内に流入する流体を前記モジュールを通して案内するための導管と、
ポート部と、
少なくとも1つの製品、システム、および/または機器のための少なくとも1つの接続ポートであって、前記ポート部に設けられ、前記接続ポートを通過して流入する流体によってフラッシュされ得るように製品、システム、または機器を保持するように構成された前記接続ポートと、
前記接続ポートに接続された前記製品、システム、および/または機器の前記エネルギー貯蔵部が接続状態に配置された領域において、前記接続ポートの下で平面状に配置された誘導装置であって、前記プロセス装置の動作中に、前記エネルギー生成装置を使用して前記流体の流れから収集されたエネルギーにより前記エネルギー貯蔵部を充電するように構成された前記誘導装置と、により特徴付けられる、前記モジュール。
[項目14]
医療機器、システム、および/または製品を処理するための洗浄消毒機(WD)であって、前記医療機器、システム、および/または製品は、充電可能なエネルギー貯蔵部が接続可能であり、かつ/またはそれに一体化された少なくとも1つのハンドピースを備え、前記エネルギー貯蔵部は、再充電可能なバッテリまたはパワーセルとして構成され、前記ハンドピースとともに前記洗浄消毒機内で処理されるように構成され、
項目1から13のいずれか一項に記載のエネルギー生成装置が、
a)前記洗浄消毒機の所定の支持体または所定のふるいバスケットに保持されるように構成されるか、または
b)前記洗浄消毒機のすすぎラックに一体化されたモジュールであって、誘導手段によるエネルギーの無線伝送のための誘導装置、または、前記洗浄消毒機に接続された製品の充電のためのエネルギーの有線伝送のための充電ケーブル配置、を有するモジュールとして形成されるように構成されるか、または
c)前記洗浄器消毒器の所定の支持体に一体化されたモジュールであって、誘導によるエネルギーの無線伝送のための誘導装置を有するモジュール、あるいは、前記洗浄消毒機内に収容され、少なくとも1つのエネルギー貯蔵部が実装された機器の充電のためのエネルギー、または、前記洗浄消毒機の管部に接続された製品の充電のためのエネルギー、の有線伝送のための充電ケーブル配置を有するモジュール、として形成されるように構成される、
洗浄消毒機(WD)。
[項目15]
前記モジュールは、前記洗浄消毒機(WD)内に恒久的にインストールされ、少なくとも1つのはね水透過性充電パッドおよび/または少なくとも1つの充電ケーブルに接続され、前記充電パッドは、少なくとも1つのエネルギー貯蔵部を有しており前記充電パッド上に支持されている少なくとも1つの製品を、前記モジュールにより生成されたエネルギーで誘導充電するように構成され、前記充電ケーブルは、エネルギー貯蔵部を有しており前記充電ケーブルを介して接続されている少なくとも1つの個別の製品を、前記モジュールにより生成されたエネルギーで前記充電ケーブルを介して充電するように構成される、ことを特徴とする、項目14に記載の洗浄消毒機(WD)。
[項目16]
外科用機器のエネルギー貯蔵部を充電する方法であって、
エネルギー貯蔵部が設置された外科用機器を、洗浄および/または消毒装置に接続するまたはその中に挿入するステップと、
流体の流れエネルギーを電気エネルギーに変換するエネルギー生成装置を、前記洗浄および/または消毒装置に、好ましくはその流体入力ポートまたは流体出力ポートに接続するステップであって、前記エネルギー生成装置は、好ましくは項目1から12のうちの1項に係る特徴を有する、ステップと、
前記エネルギー貯蔵部を前記エネルギー生成装置に接続するステップであって、前記エネルギー貯蔵部に関する当該接続するステップは、前記エネルギー生成装置に関する前記接続するステップに先行してもよい、ステップと、
前記洗浄および/または消毒装置を通常動作するステップと、を備える方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7