IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ドレッサ、インクの特許一覧

特許7431254圧力調整器のための拡張可能なパイロットアセンブリ
<>
  • 特許-圧力調整器のための拡張可能なパイロットアセンブリ 図1
  • 特許-圧力調整器のための拡張可能なパイロットアセンブリ 図2
  • 特許-圧力調整器のための拡張可能なパイロットアセンブリ 図3
  • 特許-圧力調整器のための拡張可能なパイロットアセンブリ 図4
  • 特許-圧力調整器のための拡張可能なパイロットアセンブリ 図5
  • 特許-圧力調整器のための拡張可能なパイロットアセンブリ 図6
  • 特許-圧力調整器のための拡張可能なパイロットアセンブリ 図7
  • 特許-圧力調整器のための拡張可能なパイロットアセンブリ 図8
  • 特許-圧力調整器のための拡張可能なパイロットアセンブリ 図9
  • 特許-圧力調整器のための拡張可能なパイロットアセンブリ 図10
  • 特許-圧力調整器のための拡張可能なパイロットアセンブリ 図11
  • 特許-圧力調整器のための拡張可能なパイロットアセンブリ 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-05
(45)【発行日】2024-02-14
(54)【発明の名称】圧力調整器のための拡張可能なパイロットアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   F16K 17/30 20060101AFI20240206BHJP
   F16K 27/00 20060101ALI20240206BHJP
   G05D 16/16 20060101ALI20240206BHJP
【FI】
F16K17/30 A
F16K27/00 B
G05D16/16 Z
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021564886
(86)(22)【出願日】2020-04-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-12
(86)【国際出願番号】 US2020030374
(87)【国際公開番号】W WO2020223288
(87)【国際公開日】2020-11-05
【審査請求日】2021-11-01
(31)【優先権主張番号】62/841,239
(32)【優先日】2019-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/735,785
(32)【優先日】2020-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502122473
【氏名又は名称】ドレッサ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Dresser,LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミアーズ、ジェームズ ケネス
(72)【発明者】
【氏名】ヴァン ドーラン、オリー ウッドマン
【審査官】橋本 敏行
(56)【参考文献】
【文献】特開昭55-132479(JP,A)
【文献】特開2001-227657(JP,A)
【文献】特開2018-120427(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0356389(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 17/18-17/34
27/00-27/12
G05D 16/00-16/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モジュール式設計のパイロット弁アセンブリであって、
ポートを有する分離可能な複数のブロックを備えてなるマニホールドであって、前記複数のブロックが互いに連結されると、前記複数のブロック内に形成された孔が互いに流体接続されて内部フローネットワークを形成する、マニホールドと、
前記複数のブロックのいずれかに配置され、流体がそれらの間を流れることを可能にするように前記内部フローネットワークに接続されたフロー制御装置であって、前記フロー制御装置が、
入口と出口とを有し、作動のための前記入口と前記出口との間の所定の差圧を有する定圧パイロット弁と、
前記定圧パイロット弁の出口に流体接続された入口と、出口と、を有し、作動のための前記入口と前記出口との間の差圧を調整可能な第1のパイロット弁と、
流体の流量を調整するリストリクタと、を備える、フロー制御装置と、を備え
前記マニホールドは、第1のブロックと、前記第1のブロックに連結可能な第2のブロックとを備え、
少なくとも部分的に前記第1のブロック内で前記内部フローネットワークの流体に対して作動するように前記定圧パイロット弁及び前記第1のパイロット弁が前記第1のブロックに配置され、
前記第2のブロック内で前記内部フローネットワークの流体に対して作動するように前記第2のブロックに前記リストリクタが配置され、
前記第1のブロックと前記第2のブロックのそれぞれが、前記内部フローネットワークの一部を形成する、平行な経路をそれぞれ有し、
前記第1のブロック及び前記第2のブロックが互いに連結されると、前記第1のブロック及び第2のブロックの前記平行な経路が互いに流体接続されるように構成されている、パイロット弁アセンブリ。
【請求項2】
前記内部フローネットワークが、前記第1のパイロット弁の出口を、前記リストリクタと接続している、請求項1に記載パイロット弁アセンブリ。
【請求項3】
前記内部フローネットワークが、前記第1のパイロット弁の出口を、継手を受容する前記マニホールド上のポートと接続している、請求項1又は2に記載のパイロット弁アセンブリ。
【請求項4】
燃料流体の圧力バランスを調整するように燃料流体の流路内に配置されたバランストリムと、第1のチャンバと第2のチャンバを有し当該第1のチャンバと当該第2のチャンバとの差圧によってバランストリムを駆動するように構成されたアクチュエータとを有する圧力調整器に対して、前記パイロット弁アセンブリが接続されるように構成され、
前記内部フローネットワークが、前記第1のチャンバを前記第1のパイロット弁に接続する感知ライン(S2)と、前記第2のチャンバを前記第1のパイロット弁に接続する負荷ライン(L1)と、前記定圧パイロット弁を前記圧力調整器の上流側に流体接続する供給ライン(SUP1)のうち少なくとも1つを少なくとも部分的に有する、請求項1から3のいずれか1項に記載のパイロット弁アセンブリ。
【請求項5】
前記リストリクタが、前記感知ライン(S2)と前記負荷ライン(L1)との間の流体の移動を制限するように配置されている、請求項4に記載のパイロット弁アセンブリ。
【請求項6】
前記マニホールドが、一つの側部で前記第1のブロックに連結されるとともに他の側部で前記第2のブロックに連結可能に構成された第3のブロックをさらに備え、
前記第3のブロックが、前記内部フローネットワークの一部を形成する、平行な経路を有し、
前記第1のブロックと前記第3のブロックが連結され、前記第3のブロックと前記第2のブロックが連結されると、隣り合うブロックの前記平行な経路が互いに流体接続されるように構成されている、請求項1から5のいずれか1項に記載のパイロット弁アセンブリ。
【請求項7】
前記第1のブロックと、前記第2のブロックと、前記第3のブロックとのそれぞれは、前記第1のブロックの少なくとも一部と、前記第2のブロックと、前記第3のブロックとを貫いて前記第1のブロックと、前記第2のブロックと、前記第3のブロックを連結するよう構成された1つの締結具を受け入れる穴を有する、請求項6記載のパイロット弁アセンブリ。
【請求項8】
前記フロー制御装置が、
入口と出口とを有し、前記入口と前記出口との間の差圧を調整可能な第2のパイロット弁を更に備える、請求項6又は7のいずれか1項に記載のパイロット弁アセンブリ。
【請求項9】
少なくとも部分的に前記第3のブロック内で前記内部フローネットワークの流体に対して作動するように前記第2のパイロット弁が前記第3のブロックに配置される、請求項に記載のパイロット弁アセンブリ。
【請求項10】
前記フロー制御装置が、
前記第2のブロック内で前記内部フローネットワークの流体に対して作動するように前記第2のブロックに配置されたチェック弁を更に備える、請求項1から9のいずれか1項に記載のパイロット弁アセンブリ。
【請求項11】
前記第2のブロックにおいて、前記チェック弁が、前記平行な経路に対して横断方向に延びて前記平行な経路を流体接続する経路に配置されている、請求項10に記載のパイロット弁アセンブリ。
【請求項12】
前記内部フローネットワークが、金属ブロックである前記複数のブロック内に機械加工で形成され、ポートで終端する平行な経路と、前記平行な経路を互いに接続する横断方向経路と、を含む、請求項1から11のいずれか1項に記載のパイロット弁アセンブリ。
【請求項13】
前記横断方向経路のうちの1つに前記リストリクタが配置される、請求項12に記載のパイロット弁アセンブリ。
【請求項14】
前記平行な経路が、機械加工で形成されている、請求項1から13のいずれか1項に記載のパイロット弁アセンブリ。
【請求項15】
前記マニホールドを圧力調整器のハウジングに連結するためのインターフェースブロックをさらに備える、請求項1から14のいずれか1項に記載のパイロット弁アセンブリ。
【請求項16】
パイロット弁アセンブリであって、
定圧パイロット弁及び可変圧力パイロット弁を収容している第1のマニホールドブロックと、
前記第1のマニホールドブロックに分離可能に取り付けられ、継手を受容するためのポートを有する第2のマニホールドブロックと、を備え、
前記第1のマニホールドブロックと前記第2のマニホールドブロックの各々は、前記第1のマニホールドブロックと前記第2のマニホールドブロックが互いに取り付けられたときに、内部フローネットワークを形成するように構成された孔をそれぞれ有し、
前記内部フローネットワークは、前記ポートと流体接続している前記可変圧力パイロット弁に出口を配置し、
前記定圧パイロット弁及び前記可変圧力パイロット弁が、少なくとも部分的に前記第1のマニホールドブロック内で前記内部フローネットワーク内の流体に対して作動するように、前記第1のマニホールドブロックに配置され、
前記第1のマニホールドブロックが、前記内部フローネットワークの一部を形成する平行な経路を含み、
前記第2のマニホールドブロックが、前記内部フローネットワークに関して、前記第1のマニホールドブロックの前記平行な経路に流体接続可能な平行な経路と、前記ポートで終端する平行な経路と、前記ポートで終端する前記平行な経路を互いに接続する横断方向経路と、を含む、パイロット弁アセンブリ。
【請求項17】
前記内部フローネットワークに配置された、流体の流量を調整する可変リストリクタを更に備える、請求項1に記載のパイロット弁アセンブリ。
【請求項18】
前記横断方向経路のうちの1つに配置された、流体の流量を調整する可変リストリクタを更に備える、請求項1又は1に記載のパイロット弁アセンブリ。
【請求項19】
前記内部フローネットワークに配置されたチェック弁を更に備える、請求項1から18のいずれか1項に記載のパイロット弁アセンブリ。
【請求項20】
前記横断方向経路のうちの1つに配置されたチェック弁を更に備える、請求項16から19のいずれか1項に記載のパイロット弁アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0001】
圧力調整器は、流体の下流の圧力を制御するのに有用である。天然ガス市場における施設は、しばしば、パイプラインを通る高圧燃料ガスのフローを管理するために、圧力調整器を用いる。しかしながら、操作者は、装置が、適切な容量、精度、及び応答時間を有することだけでなく、入口圧力の変化、下流の需要の急激な変化、又は内部構成要素への温度の影響から生じ得る制御の変動を最小にすることも必要とするので、これらの用途は、相当な設計課題を提起する場合がある。
【0002】
本開示の主題は、これらの課題に対処する圧力調整器の改善に関する。特に興味深いのは、圧力調整器の性能を調整するのに有用であるモジュール式パイロットアセンブリの実施形態である。これらの実施形態は、関連する圧力調整器を高精度に動作させるための優れた制御を提供する設計を用いる。追加の利益として、拡張可能な設計は、異なる用途に合わせるための多大なリワーク又は新しい部品の製作に対する必要性を排除する。この特徴は、モジュール式パイロットアセンブリを追加のパイロット(又はパイロット弁)を加えるように拡張することができるので、作業モニタシステム、又は多段圧力調節を展開するシステムでの使用に対して、この設計を特に魅力的にしている。
【0003】
上述のように、圧力調整器は、流体送達システムにおいて重要な役割を果たす。これらの装置は、流動流体を特定の所望の圧力で正確に維持する。多くの産業用途の場合、圧力調整器は、高圧で腐食性の環境に耐えるように、又は単純に、信頼性の高い、持続性の動作を提供するように、特に堅牢又は頑丈な設計を採用しなければならない。設計は、仕様を作製する又は構築するために、特に高コストであるか、又は時間がかかる構造(例えば、材料、締結技術など)を必要とし得る。この構造は、下流の需要の変動に応じて開閉するばね動作弁を活用し得る。名目上、弁は、装置の上流側及び下流側の圧力を均等に維持する、「平衡」位置を有する。弁は、(典型的に、下流の需要の増加に応じて)この位置から開いて、流体が装置の中を流れて、下流の圧力を相対的に一定のレベルで維持することを可能にする。弁は、需要が減少するにつれて、フローを低減させるように移動し、しばしば、最終的にその平衡位置に再度到達する。いくつかの用途では、弁は、流体フローを完全に阻止する、完全に「閉じた」位置を有し得る。この提案された設計は、需要に応じて、より良好でより正確な下流の圧力を可能にする。また、少なくとも1500psiの入口圧力を有する用途に適応するように、圧力調整器の操作圧力も増加させる。
【図面の簡単な説明】
【0004】
ここで、添付図面を簡単に参照する。
【0005】
図1図1は、圧力調整器の例示的な実施形態の概略図を示す。
【0006】
図2図2は、図1の圧力調整器用の例示的な構造の斜視図を示す。
【0007】
図3図3は、図2の圧力調整器の断面の立面図を示す。
【0008】
図4図4は、部分的に分解した形態での図2の圧力調整器の斜視図を示す。
【0009】
図5図5は、部分的に分解した形態での図2の圧力調整器の斜視図を示す。
【0010】
図6図6は、図2の圧力調整器の斜視図を示す。
【0011】
図7図7は、図2のマニホールドの一実施例の斜視図を示す。
【0012】
図8図8は、第1の位置にある図6の圧力調整器の断面の立面図を概略的に示す。
【0013】
図9図9は、第2の位置にある図6の圧力調整器の断面の立面図を概略的に示す。
【0014】
図10図10は、本明細書に表されるタイプの圧力調整器を組み込んだ作業モニタシステムの斜視図を示す。
【0015】
図11図11は、圧力調整器が第1の位置にある図10のシステムの断面の立面図を概略的に示す。
【0016】
図12図12は、圧力調整器が第2の位置にある図10のシステムの断面の立面図を概略的に示す。
【0017】
適用可能な場合、同様の参照文字は、他の指示がない限り、縮尺どおりではない、いくつかの図全体を通して同一又は対応する構成要素及びユニットを指定する。本明細書に開示される実施形態は、いくつかの図のうちの1つ以上に、又は複数の図の組み合わせで現れる要素を含み得る。その上、方法は単なる例示であり、例えば、個々の段階を順序換え、追加、除去、及び/又は変更することによって修正され得る。
【発明を実施するための形態】
【0018】
製造業者は、しばしば、産業用機器の構造を改善するための機会を利用する。これらの機会は、より良好でより信頼性の高い装置につながり得るか、又はその装置に新しい機能又は特徴を提供し得る。多くの場合、改善はまた、部品、労働力及びアセンブリ、又は保守及び修理のより低いコストの形態の節約を推進する、革新的なソリューションにもつながり得る。
【0019】
以下の考察は、圧力調整器で使用するためのモジュール式パイロットアセンブリの様々な実施形態を説明する。既知の装置とは対照的に、本明細書のパイロットアセンブリは、より良好でより正確な制御を提供するために、いくつかの設計特徴を組み込んでいる。拡張可能なマニホールドは、パイロットアセンブリが、追加のパイロット弁を直列に加えることを可能にする。このマニホールドはまた、関連する圧力調整器の応答時間を調整するのを補助するために、内部可変オリフィスも組み込み得る。この設計は、制御弁のような他のタイプのフロー制御装置とも互換である。他の実施形態及び構成は、本明細書の主題の範囲内である。
【0020】
図1は、圧力調整器100の例示的な実施形態の概略図を示す。この実施形態は、一般に数字102によって識別される、ガス分配システムの一部として示される。システム102は、材料106を搬送するパイプ104を含み得る。同じく示すように、圧力調整器100は、バランストリム110及びアクチュエータ112を有するフロー制御108を含み得る。制御システム114は、アクチュエータ112と結合し得る。制御システム114は、アクチュエータ112への材料106の制限されたフロー供給を制御するパイロットユニット118を有する流体回路116を含み得る。
【0021】
広義には、圧力調整器100は、高い入口圧力を有する用途で使用するように構成され得る。これらの構成は、パイロット弁を一体化して、「検知圧力」(又は下流の圧力)を生じさせて、アクチュエータ及びパイロット弁の両方において記録し得る。この配設は、装置の下流での非常に良好で高精度な圧力制御に有用であることが分かり得る。加えて、装置は、広範囲の圧力差にわたって気泡密の遮断を提供する、バランス圧力プラグを組み込む。
【0022】
ガス分配システム102は、材料を産業用地に、又はより大きいネットワークの一部に輸送するように構成され得る。これらの構成は、天然ガス又は「燃料ガス」のような炭化水素を処理又は分配する施設での用途を見出し得る。自治体及び公益事業は、住宅用及び商業用の燃料ガス顧客を含む消費者にリソースを送達するために、複雑なネットワークを展開し得る。これらのネットワークの全ては、フローを調整するために、圧力調整器100を含む無数の装置を含み得る。これらの装置は、パイプ104と直列に設置され得、これは、高圧で流体を搬送することができる高容量のパイプラインを具現化し得る。しかしながら、流体(例えば、液体及びガス)に加えて、材料106はまた、固体及び固体/流体の混合物も同様に具現化し得る。
【0023】
フロー制御108は、圧力調整器100を通る燃料ガス106のフローを調整するように構成され得る。これらの構成は、その入口及び出口にわたる差圧に応じて動作する弁を具現化し得る。この特徴は、燃料ガス106のフローを、例えばネットワーク102の需要に整合させる。上述のように、弁は、フローを管理するために様々な動作位置又は状態を有し得る。1つの位置は、装置の上流又は「供給」側及び下流又は「需要」側にわたる圧力を平衡に維持し得る。この位置は、下流の需要の変動に応じて変化し得る。下流の需要の増加は、例えば、下流の圧力を低減させ、より多くの流体が流れることを可能にする位置へと弁を移動させ得る。結果として生じるフローは、下流の需要を満たす。圧力が等しくなると、弁は、その以前の「平衡」位置へと逆に移動し得る。一実装形態では、弁は、フェールクローズ設計を用い得、これは、装置又はネットワーク102の制御圧力の喪失、機械的な故障、又は他の問題に応じて、弁をデフォルトの「フェールクローズ」位置にする。この位置は、装置を通したガスのフローを完全に阻止する。
【0024】
バランストリム110は、弁の上流側へのより高い入口圧力に適応するように構成され得る。これらの構成は、(上述の弁の可変位置を例示するために)シートに対して移動するプラグ(又は閉鎖部材)を含み得る。「バランス」トリム設計の場合、流体は、プラグの両側でのバランスを平衡させる。この目的のために、プラグは、開口部又は同様の設計特徴を組み込み得る。開口部は、プラグの上流側から、プラグの「上側」又はその反対側の圧力調整器100内のチャンバの中へ流体を排出し得る。
【0025】
アクチュエータ112は、シートに対するプラグの位置を調整するように構成され得る。これらの構成は、プラグに負荷を適用することができる装置(又は機械的要素)を具現化し得る。機械的装置の例としては、圧力の変化を感知するダイヤフラムが挙げられ得る。ばねは、ダイヤフラムを補うばね力を提供するための用途を見出し得る。フェールクローズ装置の場合、ばね力は、プラグをその完全閉鎖位置に指向する。
【0026】
制御システム114は、ゲインをシステムに適用するように構成され得る。これらの構成は、例えばダイヤフラムにおいて、下流の圧力の小さい変化をより大きい変化に増大させる装置を具現化し得る。これらの装置は、応答時間を向上させ、下流の需要の変化に応じた弁の位置の安定した正確な制御を提供する。
【0027】
流体回路116は、制御システム114の部品の間で燃料ガス106を指向するように構成され得る。これらの構成は、導管(又はパイピング若しくはチュービング)のローカルネットワークを導入し得る。導管は、圧力調整器100の上流側及び下流側の両方のパイプ104上に見出される場所又はタップから延在し得る。これらのタップは、燃料ガス106が導管に入ることを可能にする。燃料ガス106は、ローカルネットワークをアクチュエータ112に輸送し、制御システム114を通る。
【0028】
パイロットユニット118は、アクチュエータ112への圧力を調整するように構成され得る。これらの構成は、弁(又は「パイロット弁」)を収容するマニホールドを有する装置(又は「パイロット」)を具現化し得る。2経路制御の場合、導管は、下流の需要の変化に対するプラグの応答(又は変化に応じたシートに対するプラグの移動)を高めるゲインを提供するように、アクチュエータ112を有するパイロット弁に結合し得る。マニホールドは、複数のパイロット弁を互いにフロー接続で配置して、燃料ガス106がそれらの間を流れることを可能にする、内部フロー経路を有し得る。パイロット弁は、所望に応じて、固定差圧又は可変差圧のための設計が用いられ得る。この設計は、任意の数のパイロット弁(及びチェック弁又はオリフィスのような他の装置)を、圧力調整器100の単一のユニットに組み込むことを可能にし得る。一実装形態では、マニホールドは、互いに嵌合するか又は取り付ける様々な部品を有するモジュール式設計を有する。この配設は、圧力調整器100の任意の提案された用途に合致するように、又は所望に応じてエンドユーザが圧力調整器100の性能を効果的に調整することを可能にするように、固定及び可変パイロット弁の組み合わせに適応し得る。
【0029】
図2は、図1の圧力調整器100の一実施例の斜視図を示す。明確にするために、制御システム114を例示する部品を含む部品は、この実施例では示されない。装置は、(燃料ガス106のような)高圧及び苛性の過酷な又は腐食性の材料と装置を対応させるために、堅牢な設計の、典型的に鋳造又は機械加工された金属で作製されたハウジング120を有し得る。ハウジング120は、いくつかの部品又は部材を有し得、ここでは、一対のカートリッジ部材(例えば、上部カートリッジ部材122及び下部カートリッジ部材124)と、アダプタ部材126と、を含むように示す。ハウジング部材122、124、126は、周縁の外側フランジ128において互いに係合し得る。開口130は、これらの部品のうちの1つ以上の外側を占有し得る。開口130のいくつかは、下で更に述べるように、流体継手に適応するために、ねじ付き開口部を有するポート132として動作し得る。他のものは、例えば、パイロットユニット118の部品を受容する装着領域136において、ねじ付き孔134として動作し得る。一実装形態では、ハウジング120は、図1において上で考察されたバランストリム110を収容するバルブ本体138を含み得る。弁本体138は、内側通路142の両端に開口部140を有し得る。フランジ144(又は突き合わせ溶接端部)は、弁本体138をパイプ104のセクションと直列に装着することを可能にし得る。一実施例では、弁本体138は、ポート146を含み得、当該ポートも同様に流体継手を受容するために、ねじ付き開口部を有し得る。
【0030】
図3は、図2の線3-3で切断した圧力調整器100の断面の立面図を示す。カートリッジ部材122、124は、アクチュエータ112の部品を封入する内部チャンバ148を形成し得る。これらの部品は、ダイヤフラム10、好ましくは金属、ゴム、又はコンポジットを含む可撓性材料の環状円板を含み得る。環状円板10は、カートリッジ部材122、124の周縁外側フランジ128の間に「挟まれた」、その外側の外周部分と共に配設され得る。この配設は、内部チャンバ148を2つのチャンバ(例えば、第1のチャンバ150及び第2のチャンバ152)に分離する。ハウジング部材122、124のポート132は、チャンバ150、152の各々へと延在する流路を形成し得る。アクチュエータ112の追加の部品は、環状ディスク10の両側に存在する支持体プレート12、14を含み得る。圧縮ばね16は、上部支持プレート12に力を印加するために、第1の又は「上部」チャンバ150内に存在し得る。第2の又は「下部」チャンバ152では、シールパック18がカートリッジ部材124の開口部154に挿入され得る。シールパック18は、溝内に存在するOリングのような外側シール22を有する環状体20を有し得る。環状体20はまた、内側シール(例えば、第1の内側シール24及び第2の内側シール26)及びブッシング28を受容するために、中央に設置された貫通ボアも有し得る。プレート30は、環状体20の上に存在し得る。締結具Fは、環状体20及びプレート30を通ってカートリッジ部材124に入り込み得る。追加のシール32、34は、カートリッジ部材124とアダプタ126との間の任意の介在間隙、並びにアダプタ126と弁本体138との間の境界面を封止するための用途を見出し得る。同じく示されるように、装置は、シール24、26及びブッシング28を通って軸方向に移動することができる弁ステム36を含み得る。この移動は、圧力調整器100の下流での需要の変化によって生じ得る。弁ステム36の一方の端部は、ダイヤフラム10と結合し得る。インジケータ38は、例えば(他の締結技術も同様に容易に許容可能であるが)磁石を使用して、この端部と結合し得る。インジケータ38は、上部カートリッジ部材122を通って、それと共にシールを形成するインジケータハウジング40に入り込み得る。
【0031】
弁ステム36の他方の端部は、バランストリム110の他の部品と共に弁本体138内に存在し得る。これらの部品は、チャンバ156内に存在し得る。一実装形態では、バランストリムは、ケージ42を含み得、本明細書では、その外周壁に円周方向に配置された開口部46を有する中空のシリンダ44として示す。プラグ48は、ケージ42内に存在し得る。本明細書で述べているように、プラグ48は、両側の入口圧力のバランスをとるように構成され得る。これらの構成は、例えば、第2のプラグ部材52の中へ延在する細長い部分を有する第1のプラグ部材50を有する、分岐設計を活用し得る。細長い部分は、弁ステム36の端部を受容し得る。プラグ部材50、52の開口部54は、分岐プラグ48にわたる圧力のバランスをとることを可能にし得る。環状シール56は、第2のプラグ部材52の外側を包囲する周囲溝内に存在し得る。環状シール56の実施例は、ゴムリング(必要な場合、プラスチックバックアップリングを有する)を利用し得る。ゴムリング56は、シリンダ44の外周壁の内面と接触し得る。この配設は、この内面(及び第2のプラグ部材52の外面)を包囲する周方向シールを作成する。一実装形態では、プラグ48は、プラグ部材50、52の間に存在するTeflon(登録商標)又はニトリルリングのようなインサート58を組み込み得る。インサート58の一部分は、シート60と係合して、プラグ48の完全に「閉鎖された」位置をもたらし得る。
【0032】
図4及び図5は、部分的に分解した形態での図2の圧力調整器100を示す。締結具Fは、アダプタ部材126を弁本体138の上へ固定し得る。締結具Fは、カートリッジ部材122、124を一緒に固定して、「アクチュエータカートリッジ」158を作成し得る。締結具Fは、カートリッジ部材122、124の各々を通して挿入して、アクチュエータカートリッジ158をアダプタ部材126に固定し得る。特に、この配設は、エンドユーザが、パイプ104上のその設置された又は「直列の」場所で、圧力調整器100の保守及び修理を行うことを可能にする、モジュール式構造を作成する。図4では、エンドユーザは、締結具Fを取り外して、アダプタ部材126からアクチュエータカートリッジ158を結合解除することができる。エンドユーザは、アダプタ126からアクチュエータカートリッジ158を持ち上げることができる。この行動はまた、弁本体138からバランストリム110の部品(すなわち、プラグ48全体)も取り外す。図5に最良に示されるように、エンドユーザは、締結具F、Fを取り外して、下部カートリッジ部材124から上部カートリッジ部材122を結合解除することができる。エンドユーザは、下部カートリッジ部材124から上部カートリッジ部材122を持ち上げて、カートリッジ部材122、124によって形成された内部チャンバ148へのアクセスを得ることができる。この特徴は、エンドユーザが、シール32、34(図3)又はバランストリム110(図3)を含む他の部品を阻害することなく、ダイヤフラム10を点検することを可能にすることができる。一実装形態では、エンドユーザはまた、ダイヤフラム10を取り外して、シールパック18(図3)へのアクセスを得る(及び交換する)こともできる。
【0033】
図6は、図3の圧力調整器100の一実施例の斜視図を示す。提案された設計の特定の特徴及び機能に関する考察を続けるために、部品が各々加えられている。例えば金属チュービングの形態の導管160は、流体継手162の間に延在して、圧力調整器100の部品の間の、並びにこれらの部品と、圧力調整器100の上流及び下流にあるパイプ104上の場所との間の流体接続を完成し得る。いくつかの実装形態では、フィルタFも同様に、流体回路114に設置され得る。パイロットユニット118は、(装着領域136で)マニホールド166をアダプタ部材126に固定するために、インターフェースブロック164を含み得る。マニホールド166は、一対のポート付きブロック(例えば、第1のポート付きブロック168及び第2のポート付きブロック170)を具現化し得る。上述のように、マニホールド166の構造は、機能を拡張するためのパイロットユニット118の変更を可能にし得る。例えば、ブロック168、170は、例えばとりわけ作業モニタ配設の一部として、圧力調整器100を特定の用途に適合させる部品をマニホールド166に加えるために、互いに分離され得る。
【0034】
図7は、この概念を示すためのパイロットユニット118の一実施例の斜視図を示す。この実施例では、マニホールド166は、第3のポート付きブロック172を組み込んでいる。ポート付きブロック168、170、172の実施例は、マニホールド166の別々の要素、例えばアルミニウム、鋼、又は合金鋼のような金属の機械加工されたビレットを具現化し得る。ビレットは、隙間又はねじ付き孔を具現化し得る開口部174を含み得る。孔174は、締結具Fがポート付きブロック168、170、172を一緒に固定するように適応し得る。この配設は、マニホールド166のためのモジュール式設計を容易にする。同じく示されるように、ポート付きブロック168、170、172は、金具162(図6)を受容するためのねじ付き開口部を提供する外側アクセスポート176を有し得る。
【0035】
図8は、図6の線8-8で切断した圧力調整器100の断面の立面図を概略的に示す。導管160は、入口又は供給側Pを有するマニホールド166に結合する供給ラインSUPを含み得る。感知ラインS及びSは、それぞれ、アクチュエータカートリッジ158の上部チャンバ150を、出口又は需要側Pと、及びマニホールド166と結合し得る。負荷ラインLは、マニホールド166をアクチュエータカートリッジ158の下部チャンバ152と結合し得る。同じく示されるように、ポート付きブロック168、170は、技術者が圧力調整器100の設定値をより正確に調整することを可能にする様々なフロー制御の間での流体フローを可能にする内部フローネットワーク178、典型的には、機械加工された孔(又は同様の特徴)を有し得る。フロー制御の実施例は、調整可能なオリフィス180と、チェック弁182と、を含む。調整可能なオリフィス180又は「リストリクタ」は、その外面上にv溝を有し得る。ねじ付きプラグ184は、アクセスポート176の1つ以上を封止するための用途を見出し得る。一実装形態では、フロー制御はまた、一対のパイロット弁(例えば、第1のパイロット弁186及び第2のパイロット弁188)も含み得る。第1のパイロット弁186は、固定差圧を有し得る。第2のパイロット弁188は、装置にわたる差圧を調整するように(例えば、ノブと共に)構成され得る。エンドユーザは、可変パイロット装置188を調整することによって、又は調整可能なオリフィス180を回転させて第2のポート付きブロック170の内部フロー経路178に対するv溝の半径方向配向を変化させることによって、パイロットユニット118の動作を調整し得る。第1のパイロット弁186の固定差圧の値は、第2のパイロット弁188の設計パラメータに適応し得、例示的な値は、50psi~100psiの範囲であり得る。
【0036】
リストリクタ180は、第2の又は「主」パイロット弁188と連動して作動して、下部チャンバ152内の圧力を定義するように構成され得る。一実装形態では、主パイロット弁188は、下流の圧力の変化に応じてサイズが増加及び減少する内部オリフィスを有し得る。このオリフィスは、下流の圧力が圧力調整器188の設定値よりも低いことに応じて拡大する。オリフィスがより大きくなると、リストリクタ188のオリフィスは、リストリクタ188及び下流を通過する(上部チャンバ150を通過する)よりも多くのガスを下部チャンバ152の中へ流す。オリフィスは、設定値を超える下流の圧力に応じて縮小し、よって、リストリクタ100のオリフィスよりも小さくなると、(下流を通過するよりも)少ないガスが下部チャンバ152へと流れる。エンドユーザは、リストリクタ188のオリフィスのサイズを調整して、この内部オリフィスとリストリクタ188のオリフィスとの間の関係を管理し、回転させて、圧力調整器100の応答の精度及び速度を調整することができる。
【0037】
チェック弁182は、ダイヤフラム10にわたる圧力差を制限するように構成され得る。これらの構成は、背圧又は関連する使用事例から生じ得る(ダイヤフラム10への)損傷を防止するのに有用であることが分かり得る。下流の圧力が急激に上昇した場合、ガスをリストリクタ180にわたって放出するよりも速く、ガスが上部チャンバ150の中へ流れ得るので、起動時に背圧が生じ得る。このアンバランスは、上部チャンバ150内の圧力を高める。チェック弁182は、下流の圧力がクラッキング圧力を超えることに応じて開き、より多くのガスが下部チャンバ152へと通過することを可能にし、したがって、ダイヤフラム10わたる圧力を等しくすることを可能にし得る。
【0038】
図8の図は、第1の位置にある圧力調整器100を示す。この位置は、需要側Pへの燃料ガス106の圧力と平衡している(又はバランスがとられている)供給側Pへの燃料ガス106内の圧力と一致する。ダイヤフラム10(及びばね16)は、バランスプラグ50、52の位置を維持するばね力を及ぼす。本明細書で述べているように、プラグ50、52がシート60と接触して示されているが、必ずしもそうであるとは限らない。供給側圧力Pは、バランスプラグ50、52の各側に、かつ同時に、パイロット弁186、188の片側に作用する。需要側圧力Pは、検知ラインSを通してチャンバ150、152に作用し、かつ負荷ラインL及び検知ラインSを通してパイロット弁186、188の反対側に作用する。
【0039】
図9も同様に、図6の線8-8で切断した圧力調整器100の断面の立面図を概略的に示す。この図は、第2の位置にある圧力調整器100を示す。この位置は、需要側圧力Pの変化を反映する。この変化は、しばしば、下側圧力Pが供給側圧力Pよりも急激に低くなり得る、需要の増加に対応する。検知した圧力差(DP1、2)に応じて、第1のパイロット弁186は、第2のパイロット弁188における供給側圧力Pを中間圧力Pまで低減させる又は「逓減させる」ように動作する。第2のパイロット弁188は、中間圧力Pに応じて開いて、下部チャンバ152内の圧力を負荷圧力Pまで増大させ又は「逓増させ」、この負荷圧力は、ばね力に打ち勝って、バランスプラグ50、52を(図8の)その第1の位置から移動させるのに十分な高さである。バランスプラグ50、52の新しい位置は、ケージ44の開口部46を通る燃料ガス106が下流の需要を満たすことを可能にする。一実装形態では、供給側圧力Pと需要側圧力Pとの間の圧力が等しくなったときに、バランスプラグ50、52が第1の位置に戻り得る。
【0040】
図10は、圧力調整器100に関して上で考察されたタイプの一対のフロー制御の斜視図を示す。これらのフロー制御は、第1の又は「第1段の」調整器A及び第2の又は「第2段の」調整器Bを有する「作業モニタ」のセットアップをパイプライン104上に直列に形成する。第1段の調整器A上で、マニホールド162は、好ましくは装置にわたる差圧を変化させるように構成された第3のパイロット弁190に適応するために、ポート付きブロック164、166、168を含む。
【0041】
図11は、図10の線11-11で切断した圧力調整器A、Bの断面の立面図を概略的に示す。この図は、第1段の調整器A上のパイロット1及びパイロット2として、かつ第2段の調整器B上のパイロット3として、パイロット弁を識別する。導管174は、第2段の調整器B上のマニホールド162を圧力調整器A、Bの間に延在しているパイプライン104の中間セクションに結合する、供給ラインSUPを含み得る。検知ラインS及びSは、同様に、第1段の調整器A上の上部チャンバ150を、パイプライン104の中間セクションと結合し得る。負荷ラインLは、マニホールド162を第1段の調整器A上の下部チャンバ152と結合し得る。同じく示されるように、検知ラインSは、第2段の調整器Bを監視するために、第3のポート付きブロック168を需要側Pと結合する。
【0042】
図11の図は、第1の位置にある圧力調整器A、Bを示す。ダイヤフラム10(及びばね18)は、圧力調整器A、Bの両方の上のバランスプラグ50、52の位置を維持するばね力を及ぼし、このばね力は、プラグ50、52をシート60に接触させる場合、又は接触させない場合がある。この位置は、需要側Pへの燃料ガス106内の圧力と平衡している(又はバランスがとられている)供給側Pへの燃料ガス106内の圧力を有する状態を反映し得る。しかしながら、完全に閉じたときに、上流及び下流の圧力が異なり得るが、装置の一方又は両方を通るいかなるフローも存在しない。図において左から右へ移動すると、供給側圧力Pが、バランスプラグ50、52の各側に、かつ同時に、固定パイロット186及び第1段の調整器A上のパイロット1の片側に作用する。負荷圧力Pは、検知ラインSを通してチャンバ150、152に、かつ検知ラインS及び負荷ラインLを通して固定パイロット186並びにパイロット1及びパイロット2の反対側に作用する。下流の圧力Pは、検知ラインSを通してパイロット2に作用する。第2段の調整器B上では、負荷圧力Pが、バランスプラグ50、52の両側に、かつ供給ラインSUPを通して固定パイロット186及びパイロット3の片側に作用する。需要側圧力Pは、検知ラインSを通してチャンバ150、152に、かつ負荷ラインL及び検知ラインSを通してパイロット弁178及びパイロット3の反対側に作用する。
【0043】
図12も同様に、図10の線11-11で切断した圧力調整器100の断面の立面図を概略的に示す。この図は、需要側圧力Pの変化を反映する第2の位置にある圧力調整器A、Bを示す。同じく図において左から右へ移動すると、第1段の調整器A上の固定パイロット186は、供給側圧力Pを、より低い中間圧力Pまで低減させるように動作する。パイロット1及びパイロット2は、中間圧力Pに応じて、上部チャンバ150内の圧力を、負荷圧力Pよりも低い段間圧力Pまで逓減させるように動作し、したがって、プラグ50、52をその(図11の)第1の位置から移動させる。検知した圧力差(DP2、5)に応じて、第2段の調整器B上の固定パイロット弁186は、パイロット3での段間圧力Pを、より低い中間圧力Pまで逓減させる。パイロット3は、中間圧力Pに応じて開いて、下部チャンバ152内の圧力を負荷圧力Pまで増大させ又は「逓増させ」、この負荷圧力は、ばね力に打ち勝って、バランスプラグ50、52を(図11の)その第1の位置から移動させるのに十分な高さである。バランスプラグ50、52の新しい位置は、シリンダ44の開口部46を通る燃料ガス106が下流の需要を満たすことを可能にする。一実装形態では、供給側圧力Pと需要側圧力Pとの間の圧力が等しくなったときに、圧力調整器A、B上のバランスプラグ50、52が第1の位置に戻り得る。
【0044】
本明細書では、例を使用して、最良の形態を含む本発明を開示し、またいずれの当業者も、任意の装置又はシステムを作製及び使用することと、任意の組み込まれた方法を行うことと、を含み、本発明を実施することを可能にする。単数形で記載され、「a」又は「an」という語で進められた要素又は機能は、そのような排除が明示的に記載されていない限り、複数の当該要素又は機能を除外しないものとして理解されるべきである。特許請求される発明の「一実施形態」への言及は、列挙された特徴を組み込む追加の実施形態の存在を除外するものとして解釈されるべきではない。更に、特許請求の範囲は、本発明の特許可能な範囲を定義するいくつかの実施例にすぎない。この範囲は、当業者に実施される他の実施例を含み、想到し得る。このような他の例は、それらが特許請求の範囲の文字通りの言葉と違わない構造的要素を有する場合、又は、特許請求の範囲の文字通りの言葉とほとんど違いがない同等の構造的要素を有する場合、特許請求の範囲の範囲内にあると意図される。
【0045】
特定の要素又は項目(それらのうちの1つ以上を他の要素及び項目と組み合わせ得る)実施例が以下に現れ、本開示の範囲及び趣旨内で想到される実施形態を説明する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12