(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-05
(45)【発行日】2024-02-14
(54)【発明の名称】情報提供装置、情報提供方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0207 20230101AFI20240206BHJP
G09B 29/00 20060101ALI20240206BHJP
【FI】
G06Q30/0207
G09B29/00 F
(21)【出願番号】P 2022034476
(22)【出願日】2022-03-07
【審査請求日】2022-03-07
(73)【特許権者】
【識別番号】519110124
【氏名又は名称】PayPay株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100181124
【氏名又は名称】沖田 壮男
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】高橋 幸也
【審査官】山崎 誠也
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2020/121521(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2020/0013102(US,A1)
【文献】特開2013-167917(JP,A)
【文献】特開2022-061882(JP,A)
【文献】特開2016-048555(JP,A)
【文献】特開2016-139404(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G09B 29/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の区域ごとに表示態様を変更可能な地図情報を記憶する記憶部と、
利用者が電子決済を利用して行った決済の履歴情報を取得する取得部と、
前記地図情報により示される地図の前記表示態様を前記履歴情報に基づいて制御する表示制御部と、
を備え、
前記表示制御部は、或る利用者が電子決済により決済を行った区域の前記地図における表示態様を、当該利用者の履歴情報に基づいて
、各単位区域に集約又はレベル分けされる指標値に応じて変更する、
情報提供装置。
【請求項2】
所定の区域ごとに表示態様を変更可能な地図情報を記憶する記憶部と、
利用者が電子決済を利用して行った決済の履歴情報を取得する取得部と、
前記地図情報により示される地図の前記表示態様を前記履歴情報に基づいて制御する表示制御部と、
前記履歴情報に基づいて前記利用者にインセンティブを付与するインセンティブ付与部と、
を備え、
前記表示制御部は、前記利用者が電子決済により決済を行った区域の前記地図における表示態様を、前記履歴情報に基づく指標値に応じて変更し、
前記インセンティブ付与部は、予め定められた複数の区域のそれぞれについて前記指標値が閾値以上となった利用者に対して、前記決済の都度付与される第1のインセンティブとは異なる第2のインセンティブを付与する、
情報提供装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記指標値の合計と前記閾値との差分が、第2の閾値以下となった場合に、前記区域の表示態様を変更する、
請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項4】
所定の区域ごとに表示態様を変更可能な地図情報を記憶する記憶部と、
利用者が電子決済を利用して行った決済の履歴情報を取得する取得部と、
前記地図情報により示される地図の前記表示態様を前記履歴情報に基づいて制御する表示制御部と、
を備え、
前記表示制御部は、前記利用者が電子決済により決済を行った区域の前記地図における表示態様を、前記履歴情報に基づく指標値に応じて変更し、前記地図に表示された各区域のうち、表示態様が変更されていない区域については、前記区域内で前記電子決済を利用可能な店舗を表示させる、
情報提供装置。
【請求項5】
前記指標値は、前記利用者が各区域のそれぞれで行った前記決済の回数、前記決済の頻度、前記決済によって前記利用者に付与された第1のインセンティブの総量、または、前記決済の総額である、
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報提供装置。
【請求項6】
複数の前記利用者について、前記指標値に基づくランキングを決定するランキング処理部をさらに備え、
前記表示制御部は、前記地図における前記区域の表示態様を、前記利用者の前記区域における前記ランキングに応じて変更する、
請求項1から5のいずれか一項に記載の情報提供装置。
【請求項7】
前記表示制御部は、前記地図における各区域の表示態様を、前記利用者が各区域のそれぞれで行った前記決済のうち所定の種別に該当する決済に係る指標値に応じて変更する、
請求項1から6のいずれか一項に記載の情報提供装置。
【請求項8】
前記決済の種別には、利用者が加盟店の実店舗での商品購入に際して利用する第1形態の電子決済と、利用者が電子商取引システムでの商品購入に際して利用する第2形態の電子決済とが含まれ、
前記第1形態の電子決済には、店舗端末装置が利用者端末装置から提供された情報をもとに決済情報を生成して決済装置に提供し、前記決済装置が前記店舗端末装置から提供された前記決済情報をもとに決済処理を実行する第1のパターンと、利用者端末装置が店舗にて読み取った情報をもとに決済情報を生成して前記決済装置に提供し、前記決済装置が前記利用者端末装置から提供された前記決済情報をもとに前記決済処理を実行する第2のパターンと、が含まれる、
請求項7に記載の情報提供装置。
【請求項9】
所定の区域ごとに表示態様を変更可能な地図情報を記憶するコンピュータが、
利用者が電子決済を利用して行った決済の履歴情報を取得し、
前記地図情報により示される地図の前記表示態様を前記履歴情報に基づいて制御するための表示制御処理を実行し、
前記表示制御処理において、或る利用者が電子決済により決済を行った区域の前記地図における表示態様を、当該利用者の履歴情報に基づいて
、各単位区域に集約又はレベル分けされる指標値に応じて変更する、
情報提供方法。
【請求項10】
所定の区域ごとに表示態様を変更可能な地図情報を記憶するコンピュータが、
利用者が電子決済を利用して行った決済の履歴情報を取得し、
前記地図情報により示される地図の前記表示態様を前記履歴情報に基づいて制御するための表示制御処理を実行し、
前記履歴情報に基づいて前記利用者にインセンティブを付与するためのインセンティブ付与処理を実行し、
前記表示制御処理において、前記利用者が電子決済により決済を行った区域の前記地図における表示態様を、前記履歴情報に基づく指標値に応じて変更し、
前記インセンティブ付与処理において、予め定められた複数の区域のそれぞれについて前記指標値が閾値以上となった利用者に対して、前記決済の都度付与される第1のインセンティブとは異なる第2のインセンティブを付与する、
情報提供方法。
【請求項11】
所定の区域ごとに表示態様を変更可能な地図情報を記憶するコンピュータが、
利用者が電子決済を利用して行った決済の履歴情報を取得し、
前記地図情報により示される地図の前記表示態様を前記履歴情報に基づいて制御するための表示制御処理を実行し、
前記表示制御処理において、前記利用者が電子決済により決済を行った区域の前記地図における表示態様を、前記履歴情報に基づく指標値に応じて変更し、前記地図に表示された各区域のうち、表示態様が変更されていない区域については、前記区域内で前記電子決済を利用可能な店舗を表示させる、
情報提供方法。
【請求項12】
所定の区域ごとに表示態様を変更可能な地図情報を記憶するコンピュータに、
利用者が電子決済を利用して行った決済の履歴情報を取得させ、
前記地図情報により示される地図の前記表示態様を前記履歴情報に基づいて制御するための表示制御処理を実行させ、
前記表示制御処理において、或る利用者が電子決済により決済を行った区域の前記地図における表示態様を、当該利用者の履歴情報に基づいて
、各単位区域に集約又はレベル分けされる指標値に応じて変更させる、
プログラム。
【請求項13】
所定の区域ごとに表示態様を変更可能な地図情報を記憶するコンピュータに、
利用者が電子決済を利用して行った決済の履歴情報を取得させ、
前記地図情報により示される地図の前記表示態様を前記履歴情報に基づいて制御するための表示制御処理を実行させ、
前記履歴情報に基づいて前記利用者にインセンティブを付与するためのインセンティブ付与処理を実行させ、
前記表示制御処理において、前記利用者が電子決済により決済を行った区域の前記地図における表示態様を、前記履歴情報に基づく指標値に応じて変更させ、
前記インセンティブ付与処理において、予め定められた複数の区域のそれぞれについて前記指標値が閾値以上となった利用者に対して、前記決済の都度付与される第1のインセンティブとは異なる第2のインセンティブを付与させる、
プログラム。
【請求項14】
所定の区域ごとに表示態様を変更可能な地図情報を記憶するコンピュータに、
利用者が電子決済を利用して行った決済の履歴情報を取得させ、
前記地図情報により示される地図の前記表示態様を前記履歴情報に基づいて制御するための表示制御処理を実行させ、
前記表示制御処理において、前記利用者が電子決済により決済を行った区域の前記地図における表示態様を、前記履歴情報に基づく指標値に応じて変更させ、前記地図に表示された各区域のうち、表示態様が変更されていない区域については、前記区域内で前記電子決済を利用可能な店舗を表示させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供装置、情報提供方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、クレジットカードや電子マネー等の電子決済を利用して行った決済の履歴を利用者に提供するサービスが知られている。このような決済履歴の提供サービスによれば、例えば、利用者は自身が過去に行った購買行動について見直しを行い、見直しの結果をその後の購買行動に活かすといったことが可能になる。例えば、特許文献1には、決済の目録や決済金額などの情報を、商品が提供された場所に対応づけて地図上に表示させることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術は、利用者の決済履歴を地図上の決済場所(利用者が決済手続きを行った場所)に対応づけて表示するものであり、利用者の購買意欲を積極的に向上させようというものではなかった。このように、従来技術では、利用者の経済活動を十分に促進できない場合があった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、利用者の経済活動をより促進することができる情報提供装置、情報提供方法、およびプログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、所定の区域ごとに表示態様を変更可能な地図情報を記憶する記憶部と、利用者が電子決済を利用して行った決済の履歴情報を取得する取得部と、前記地図情報により示される地図の前記表示態様を前記履歴情報に基づいて制御する表示制御部と、を備え、前記表示制御部は、前記利用者が電子決済により決済を行った区域の前記地図における表示態様を、前記履歴情報に基づく指標値に応じて変更する、情報提供装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、利用者の経済活動をより促進することができる情報提供装置、情報提供方法、およびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態の電子決済システムの構成例を示す図である。
【
図2】電子決済の大まかな流れを例示した図である。
【
図6】決済サーバが決済コンテンツの提供に関して実施する処理の流れの一例を示す図である。
【
図7】表示制御処理による決済コンテンツの表示例を示す図である。
【
図8】履歴出力処理による決済コンテンツの表示例を示す図である。
【
図9】提案処理による決済コンテンツの表示例を示す図である。
【
図10】通知処理による決済コンテンツの表示例を示す図である。
【
図11】第2実施形態の電子決済システムの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照し、本発明の情報提供装置、情報提供方法、およびプログラムについて説明する。情報提供装置は、一以上のプロセッサにより実現され得る。情報提供装置は、電子決済を利用して行われた決済の履歴に基づいて、利用者の経済活動を促進するための情報を提供する装置である。以下の説明では、情報提供装置は、電子決済を提供する「決済サーバ」と称して説明するが、情報提供装置は、ショッピング、オークション、チャット、ミニブログ、その他の、ログインを伴う任意のサービスを提供するものであってもよい。電子決済は、店舗での商品購買に係る決済の手段として電子決済を提供するサービスである。店舗とは、例えば、現実空間に存在する物理的な店舗であってもよいし、EC(Electronic Commerce)サイトなどに出店された仮想的な店舗であってもよい。
【0010】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態の電子決済システム1の構成例を示す図である。電子決済システム1は、決済サーバ100を中心として電子決済を実現するシステムである。決済サーバ100は、例えば、一以上の利用者端末装置10、および一以上の店舗端末装置50のそれぞれとネットワークNWを介して通信する。ネットワークNWは、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、無線基地局、プロバイダ装置などを含む。決済サーバ100は、例えば、ネットワークNWを介して地図情報サーバ200と通信する。
【0011】
利用者端末装置10は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の可搬型端末装置である。利用者端末装置10は、少なくとも、光学読取機能、通信機能、表示機能、入力受付機能、プログラム実行機能を有するコンピュータ装置である。以下の説明では、これらの機能を実現するための構成をそれぞれカメラ、通信装置、タッチパネル、CPU(Central Processing Unit)等と称する。利用者端末装置10では、CPU等のプロセッサにより決済アプリ20が実行されることで、決済サーバ100と連携して電子決済を利用者に提供するように動作する。決済アプリ20は、カメラ、通信装置、タッチパネルなどを制御する。決済アプリ20は、専用のアプリケーションであってもよいし、ウェブブラウザ等の汎用的なアプリケーションであってもよい。
【0012】
店舗端末装置50は、例えば、店舗に設置される。店舗端末装置50は、少なくとも、商品価格取得機能、光学読取機能、プログラム実行機能、通信機能を有するコンピュータ装置である。店舗端末装置50は、いわゆるPOS(Point of Sale)装置を含み、POS装置によって商品価格取得機能や光学読取機能を実現してもよい。店舗コード画像60は、店舗に置かれ、QRコード(登録商標)等のコード画像が紙やプラスチックの媒体に印刷されたものである。なお、店舗コード画像60は、店舗に置かれたディスプレイによって表示されてもよい。
【0013】
決済サーバ100は、利用者端末装置10または店舗端末装置50から受信した決済情報に基づいて電子決済を実現する。決済サーバ100は、例えば、利用者IDに対応付けて管理しているチャージ残高を増減させる(換言すると、電子マネーを入出金する)ことで、電子決済を行う。電子決済は、リボ払いやクレジット払い等の方法によって、購買時点のチャージ残高よりも多額の購買を可能にするものが含まれてよい。
【0014】
地図情報サーバ200は、決済サーバ100に対して地図情報を提供する。地図情報サーバ200は、地図に表現される任意の単位区域について、区域ごとに表示態様を異ならせることができるように構成された地図情報を決済サーバ100に提供する。例えば、単位区域は、市区町村や県などの行政区域である。単位区域は、利用者が任意の基準で設定した区域であってもよい。地図情報サーバ200は、実際の地勢変化を所定のタイミングで地図情報に反映させてもよい。以下では、単に「区域」といった場合、それは「単位区域」を意味するものとする。
【0015】
決済サーバ100は、地図情報サーバ200から提供される地図情報と、電子決済の履歴情報とをもとにしたコンテンツ(以下「決済コンテンツ」という。)を利用者に提供する。具体的には、決済サーバ100は、地図情報と、電子決済の履歴情報とをもとに決済コンテンツを生成して利用者端末装置10に送信する。利用者端末装置10では、決済アプリ20が決済サーバ100から受信された決済コンテンツを再生することにより、決済コンテンツが表示される。利用者は、再生された決済コンテンツを視聴することにより、電子決済の利用に関する各種の特典情報を得ることができる。なお、ここでいう決済コンテンツの再生とは、利用者が決済コンテンツの内容を認識することができるように、決済コンテンツに含まれる各種形式のデータを、データ形式に応じた態様で出力することを意味するものである。例えば、決済コンテンツの再生処理には、画像情報やテキスト情報の表示処理のほか、音声情報や映像情報の再生処理などが含まれ得る。
【0016】
図2は、電子決済の大まかな流れを例示した図である。電子決済には、パターン1とパターン2の二つが存在してよい。パターン1の場合、まず利用者端末装置10において決済アプリ20が起動し、QRコードやバーコード等のコード画像を表示する。利用者は利用者端末装置10の表示面を店舗端末装置50に翳す(提示する)。店舗端末装置50は、光学読取機能によってコード画像をデコードし、アカウントID等の情報を取得する。そして、店舗端末装置50は、アカウントID、決済金額、店舗ID等を含む決済情報を生成し、決済サーバ100に送信する。決済金額の情報は、予めバーコード読み取りや手入力等によって取得されている。決済サーバ100は、受信した情報に基づいて、ユーザの電子決済口座から店舗の電子決済口座に決済金額を移動させて決済処理を完了させる。パターン1は「第1のパターン」の一例である。
【0017】
パターン2の場合、決済アプリ20が起動した状態の利用者端末装置10が、光学読取機能によって店舗コード画像60をデコードする。店舗コード画像60には、店舗名等の情報が含まれている。利用者は、店舗名等が表示された画面において、決済金額を利用者端末装置10に入力する。そして、利用者端末装置10は、アカウントID、決済金額、店舗ID等を含む決済情報を生成し、決済サーバ100に送信する。決済サーバ100は、受信した情報に基づいて決済処理を行う。なお、上記のいずれかのパターンでのみ電子決済が行われてもよい。また、
図2で説明する「アカウントID」は、利用者の識別情報として用いられ得る他の情報(例えば電話番号)であってもよい。パターン2は「第2のパターン」の一例である。また、パターン1およびパターン2は、電子決済を利用形態のうち、加盟店の店舗で利用される「第1形態」の一例である。
【0018】
[決済サーバの構成]
図3は、決済サーバ100の構成図である。決済サーバ100は、例えば、通信部110と、決済コンテンツ提供部122と、決済処理部124と、インセンティブ付与部126と、記憶部170とを備える。通信部110および記憶部170以外の構成要素は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることで記憶装置にインストールされてもよい。
【0019】
記憶部170は、HDDやフラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)などである。記憶部170は、決済サーバ100がネットワークを介してアクセス可能なNAS(Network Attached Storage)装置であってもよい。記憶部170には、利用者情報172、決済コンテンツ情報174、店舗情報176、インセンティブ情報178などの情報が格納される。利用者情報172は、利用者に関する各種の登録情報や履歴情報などを含む。決済コンテンツ情報174は、利用者に決済コンテンツとして提供される各種コンテンツ情報を含む。インセンティブ情報178は、利用者に付与される各種インセンティブの管理情報である。本実施形態における各種インセンティブには、電子決済の利用の都度付与される第1のインセンティブと、後述の第2のインセンティブとが含まれる。第1のインセンティブは、典型的には、決済額に応じてキャッシュバックされるポイントである。
【0020】
通信部110は、ネットワークNWに接続するための通信インターフェースである。通信部110は、例えばネットワークインターフェースカードである。
【0021】
決済コンテンツ提供部122は、例えば、Webサーバの機能を有し、電子決済の利用に関して各種画面の表示を行うための情報(コンテンツ)を利用者端末装置10に提供する。決済コンテンツ提供部122は、決済コンテンツ情報174から適宜、必要なコンテンツを読み出して利用者端末装置10に提供する。利用者端末装置10は、決済アプリ20によってコンテンツが再生された状態で利用者による各種入力を受け付け、前述した決済情報などを決済サーバ100に送信する。なお、本実施形態において、決済コンテンツ提供部122が提供するコンテンツには、決済履歴および地図情報に基づく上述の決済コンテンツに加えて、電子決済の利用者手段としてのユーザインターフェースを提供するためのコンテンツが含まれ得る。
【0022】
決済処理部124は、利用者端末装置10または店舗端末装置50により送信された決済情報に基づいて、決済処理を行う。決済処理部124は、利用者情報172を参照しながら決済処理を行う。
【0023】
インセンティブ付与部126は、利用者に対して電子決済の利用に関するインセンティブ(第1のインセンティブおよび第2のインセンティブ)を付与する。インセンティブ付与部126は、利用者情報172を参照しながらインセンティブ付与の処理を行うとともに、インセンティブ情報178を参照しながら、付与したインセンティブについての管理処理を行う。
【0024】
図4は、利用者情報172の内容の一例を示す図である。利用者情報172は、利用者の登録情報の一例である。利用者情報172は、例えば、アカウントID(省略されてもよい)に対して、新規登録時に最低限必要な電話番号およびパスワードの他、メールアドレス、利用者ID、氏名・住所・生年月日、登録日、チャージ残高、銀行口座、クレジットカード番号、他サービス連携情報、電波認証設定、キャリア決済設定、チャット友達リスト、チャージ履歴情報、決済履歴情報、チャット履歴情報などの情報が対応付けられたものである。電話番号、パスワード、登録日、チャージ残高、チャージ履歴情報、決済履歴情報以外の情報は任意設定情報である。以下、これらの情報が対応付けられた利用者のインスタンス(電子決済口座)のことをアカウントと称する。なお登録日とは利用者が電子決済に登録した日(アカウントを作成した日)である。
【0025】
チャージ残高は、利用者が予めアカウントに送金することで設定された電子マネーの残高を示す情報である。送金の手段としては、指定業者(銀行)のATM(Automatic Teller Machine)からの送金、登録された銀行口座からの送金などがある。銀行口座とクレジットカード番号のそれぞれは、電子決済に入金可能な銀行口座またはクレジットカード番号の情報(口座番号、カード番号)である。他サービス連携情報は、電子決済と連携する(例えば同じ事業グループに属する運営者により運営されている)他のサービスのログインID等である。電波認証設定は、特定の通信キャリアとの通信によって認証を行う場合の設定情報である。キャリア決済設定は、電子決済を利用した支払いの少なくとも一部を通信キャリアへの支払いに振り替えるための設定情報である。チャット友達リストは、電子決済が提供するチャット機能においてチャットの相手先となる他の利用者のリストである。チャージ履歴情報は、利用者が予め電子決済に送金してチャージ残高を増加させた履歴である。決済履歴情報は、利用者が行った決済の内訳(日時、購買行動が行われた店舗の店舗ID、決済金額等)を、決済ごとに示す情報である。チャット履歴情報は、利用者が行ったチャットの内容の履歴である。
【0026】
店舗に関する情報は、店舗情報176として管理されている。
図5は、店舗情報176の内容の一例を示す図である。店舗情報176は、例えば、店舗IDに対して、店舗名、決済パターン、業種、位置情報、グループ情報、実店舗情報などの情報が対応付けられたものである。店舗IDは店舗の識別情報であり、店舗名はその店舗の名称である。決済パターンは、当該店舗で利用可能な電子決済の利用形態を示すものである。決済パターンは、例えば、上述のパターン1およびパターン2のいずれか一方または両方によって表される。業種は、当該店舗の運営する加盟者が当該店舗にて営む事業の種別である。位置情報は、店舗の位置を示す情報である。グループ情報は、一以上の店舗からなる店舗グループのうち当該店舗が所属する店舗グループを示す。実店舗情報は、当該店舗がオンラインストアなどの仮想店舗であって実店舗を有する場合に、その実店舗を示すものである。実店舗を有しない仮想店舗や実店舗自体について実店舗情報は省略されてもよい。本実施形態では、店舗情報176は、主に後述する特典の獲得条件として使用され得る場合を想定する。なお、店舗と加盟者との対応関係は決済サーバ100において別途管理されているものとする。
【0027】
図6は、決済サーバ100が決済コンテンツの提供に関して実施する処理の流れの一例を示す図である。例えば、
図6に示す一連の処理は、利用者端末装置10において利用者が決済コンテンツを視聴するための操作(再生操作)を決済アプリ20に対して行ったことに応じて行われる。具体的には、決済アプリ20が決済コンテンツの再生操作を受けて決済サーバ100に決済コンテンツの提供を要求する(コンテンツ要求)。決済サーバ100では、決済コンテンツ提供部122が利用者端末装置10からのコンテンツ要求を受け付ける(S101)。以下、コンテンツ要求を行った利用者を「対象利用者」という。
【0028】
なお、決済コンテンツ提供部122は、コンテンツ要求を受け付けた際、利用者端末装置10から対象利用者の識別情報を取得するものとする。例えば、対象利用者の識別情報として、アカウントIDや電話番号、メールアドレス、利用者IDなどが取得されてもよい。決済コンテンツ提供部122は、識別情報により識別された利用者の利用者情報172にアクセスすることにより、対象利用者の決済履歴情報を取得する(S102)。
【0029】
続いて、決済コンテンツ提供部122は、取得した決済履歴情報をもとに、対象利用者への決済コンテンツの提供に関する指標値を取得する(S103)。例えば、決済コンテンツ提供部122は、決済回数や決済金額などを指標値として取得する。ここで、決済回数は、対象利用者が電子決済を利用して代金の支払いを行った回数である。また決済金額は、対象利用者が電子決済を利用して支払いを行った代金の総額である。なお、決済コンテンツ提供部122は、対象利用者が電子決済を利用した店舗やクーポン情報、キャッシュバック情報などの情報をもとに、指標値の取得に使用する決済履歴を取捨選択してもよい。例えば、決済コンテンツ提供部122は、決済回数や決済金額から、対象利用者がクーポンを使用した電子決済分を除外してもよいし、キャッシュバックされた金額を決済金額に含めないようにしてもよい。また、例えば、決済コンテンツ提供部122は、決済回数や決済金額に特定の店舗で行われた電子決済分を含めないようにしてもよい。このほか、決済コンテンツ提供部122は、指標値の取得において、決済履歴情報に含まれる情報をどのように用いてもよい。
【0030】
続いて、決済コンテンツ提供部122は、取得した指標値をもとに対象利用者に対して適用可能な特典を認識する(S104)。例えば、決済コンテンツ提供部122は、予め定められた対象区域群における対象利用者の決済履歴(または決済履歴に基づく指標値)が所定の条件を満たしている場合に第2のインセンティブを付与する特典を対象利用者について決定する。対象区域群は1以上の区域の集合である。対象区域群を構成する区域は上記特典付与の観点から任意に決定されてよい。例えば、対象区域群は、地図上で隣接する区域によって構成されてもよいし、対象利用者の電子決済の利用に関して所定の条件を満たす区域によって構成されてもよい。例えば、対象区域群は店舗情報176のグループ情報によって識別され得る。
【0031】
続いて、決済コンテンツ提供部122は、対象利用者に適用可能な特典に関する決済コンテンツを生成する(S105)。決済コンテンツ提供部122は、生成した決済コンテンツを対象利用者の利用者端末装置10に配信する(S106)。
【0032】
このような処理により、対象利用者の利用者端末装置10では、決済アプリ20が決済サーバ100から提供された決済コンテンツを再生することによって、利用者に決済コンテンツが提供される。利用者は、決済コンテンツを視聴することによって特典の存在を認識し、必要に応じて特典獲得に向けた行動を起こす。特典の獲得に向けた行動は、特典の内容に応じて様々であるが、指定した商品の購買や、指定した店舗での購買を特典獲得の条件とすることもできる。すなわち、実施形態の決済サーバ100は、決済コンテンツを提供することにより、利用者の経済活動をより促進することができる。
【0033】
以下、決済コンテンツの提供により、決済サーバ100が決済アプリ20(利用者端末装置10)を介して電子決済の利用に関する各種のユーザインターフェース(以下「決済インターフェース」という。)を利用者に提供するための処理(以下「決済UI処理」という。)について説明する。なお、決済インターフェースは、利用者端末装置10において決済アプリ20が決済サーバ100から供給された決済コンテンツを再生することによって実現されるものであるので、厳密には決済UI処理は利用者端末装置10によって実行されるものである。しかしながら、どのような決済インターフェースを実現するかは決済コンテンツの内容に依存するので、決済UI処理は実質的には決済サーバ100によって制御されるものである。この意味で、以下では、決済サーバ100(決済コンテンツ提供部122)が決済UI処理を実行するということにする。具体的には、決済コンテンツ提供部122は、決済UI処理として、少なくとも表示制御処理、履歴出力処理、提案処理、および通知処理を実行する。
【0034】
[表示制御処理]
表示制御処理は、地図上における単位区域の表示態様を、利用者が電子決済を利用して行った決済の履歴(決済履歴)に基づく指標値に応じて変更する処理である。換言すれば、決済コンテンツ提供部122は、地図上における単位区域の表示を利用者の決済履歴に応じて制御するということができる。より具体的には、決済コンテンツ提供部122は、利用者の決済履歴を集約することにより単位区域ごとの指標値を取得し、取得した指標値に応じて単位区域の表示態様を変更する。例えば、決済コンテンツ提供部122は、電子決済が利用された店舗や、その店舗の業種、その店舗が位置するエリア、電子決済が利用された日時などの項目を対象として集約してもよい。集約対象の項目は予め定められていてもよいし、利用者の操作によって選択されてもよい。例えば、決済コンテンツ提供部122は、地図上の単位区域に色付けをしてもよい。このような表示態様によれば、利用者は細かい値を見なくとも自身の決済履歴の概略をすばやく認識することができる。なお、決済コンテンツ提供部122が表示制御処理によって実現する機能が「表示制御部」の一例である。
【0035】
図7は、表示制御処理による決済コンテンツの表示例を示す図である。上述のとおり、本実施形態における決済コンテンツは、地図情報と、電子決済の履歴情報とをもとにしたコンテンツであって、利用者に特典に関する情報を提供するものである。例えば、このような決済コンテンツの一例として、
図7は、対象区域群について、第2のインセンティブ付与に関する特典情報を表示する決済コンテンツの画面G10を示す。例えば、画面G10は、地図表示領域G11と、特典に関して利用者に通知すべきメッセージの表示領域G12と、表示対象の期間を変更するためのユーザインターフェースG13と、を備える。
【0036】
地図表示領域G11は、単位区域が、その区域における利用者の決済履歴に応じた表示態様で示される地図が表示される領域である。例えば、領域G11の例は、特典の獲得条件をどの程度満たしているかの度合い(以下「達成度」という。)を4段階(この例では、レベル1~4)にレベル分けし、各単位区域を達成度に応じた態様で表示するように構成されたものである。例えば、レベル4は達成度が100%であることを表し、レベル3は達成度が50%以上100%未満であることを表し、レベル2は達成度が0%より高く50%未満であることを表し、レベル1は達成度が0%である(すなわち当該区域では一度も電子決済を利用していない)ことを表している。ここでの達成度は、指標値の一例である。すなわち、この場合、対象区域群の全単位区域がレベル4で表示された利用者に特典が適用されることになる。
【0037】
このように単位区域ごとの達成度が地図上に表示されることにより、利用者は特典獲得に向けてどの単位区域で購買行動を起こすべきかを視覚的に容易に把握することができる。また、一般に人は、地図上の空白地を埋めたいという欲求を持つと言われ、本実施形態では地図上において、達成度が低い区域を敢えて塗りつぶさない(空白地にする)ようにしている。このようにすることで、達成度が低い区域における利用者の購買意欲を高めることができる。なお、この例の達成度において、レベル1~3を判定する際の閾値が「第2の閾値」の一例である。ここで、第2の閾値に対してレベル4を判定する際の閾値を「第1の閾値」ということにすると、すなわち、決済コンテンツ提供部122は、決済の回数と第1の閾値との差分が、第2の閾値以下となった場合に、当該区域の表示態様を変更するものであるということができる。
【0038】
また、メッセージ表示領域G12には、対象区域群全体での達成度に応じたメッセージが表示されてもよい。例えば、
図7の例は、達成度がレベル1の単位区域が多く存在していることを受けて利用者に購買行動を起こすことを促すメッセージ(「どんどんチェックインを増やしましょう」を表示したものである。なお、ここでは、レベル1の区域で電子決済を利用することを指してチェックインという言葉を用いている。すなわち、
図7の例のメッセージ表示領域G12は、利用者に対し、対象区域群の全区域で少なくとも1回電子決済を利用することを促すメッセージを表示したものである。なお、これは一例であり、メッセージ表示領域G12には、利用者の達成度に応じたものであれば、他の観点でのメッセージが表示されてもよい。例えば、対象区域群の全区域における達成度がレベル4となった場合、利用者に特典の獲得が可能となったことを知らせるメッセージを表示させてもよい。
【0039】
以下、達成度についていくつかの具体例を示す。以下の具体例は一例であって、達成度を以下に例示するものに限定するものではない。達成度は、利用者が電子決済を利用して行った決済の決済情報に基づくものであれば任意の指標によって決定されてよい。
【0040】
例えば、達成度の一例として、利用者が対象区域群の各区域のそれぞれで行った決済の回数に対して設けられるものが挙げられる。この場合、決済コンテンツ提供部122は、地図における各区域の表示態様を、利用者が各区域のそれぞれで行った決済の回数に応じて変更するように構成され得る。この場合、決済コンテンツ提供部122は、対象区域群の各区域について決済回数を算出し、各区域の地図における表示態様をそれぞれの決済回数に応じて変更する。ここでの決済回数は、累積回数であってもよいし、利用者が所定期間において電子決済を利用して決済を行った回数(すなわち頻度)であってもよい。
【0041】
また、例えば、達成度の一例として、利用者が対象区域群の各区域のそれぞれで行った決済の金額に対して設けられるものが挙げられる。この場合、決済コンテンツ提供部122は、地図における各区域の表示態様を、利用者が各区域のそれぞれで行った決済の金額に応じて変更するように構成され得る。この場合、決済コンテンツ提供部122は、対象区域群の各区域について決済金額を算出し、各区域の地図における表示態様をそれぞれの決済金額に応じて変更する。ここでの決済金額は、累積金額であってもよいし、利用者が所定期間において電子決済を利用して決済を行った金額であってもよい。
【0042】
また、例えば、達成度の一例として、利用者が対象区域群の各区域のそれぞれで行った決済について付与された第1のインセンティブに対して設けられるものが挙げられる。この場合、決済コンテンツ提供部122は、地図における各区域の表示態様を、利用者が各区域のそれぞれで行った決済について付与された第1のインセンティブの量に応じて変更するように構成され得る。ここでの第1のインセンティブの量は、過去に付与された第1のインセンティブの総量であってもよいし、所定期間に付与された第1のインセンティブの合計であってもよい。この場合、決済コンテンツ提供部122は、対象区域群の各区域について第1のインセンティブの量を算出し、各区域の地図における表示態様をそれぞれの第1のインセンティブの量に応じて変更する。
【0043】
以上、決済コンテンツにおける地図上の単位区域の表示態様を、上述の達成度に応じて変更する場合について説明したが、決済コンテンツは、達成度以外の指標値に応じて単位区域の表示態様を変更するものであってもよい。例えば、決済コンテンツ提供部122は、複数の利用者について、決済の回数に基づくランキングを決定し、決定したランキングにおける対象利用者のランキングに応じて、地図上の単位区域の表示態様を変更するように構成されてもよい。例えば、決済コンテンツ提供部122は、対象利用者の順位がランキングの上位10%以上である場合をレベル4とし、上位10%未満~上位50%以上である場合をレベル3とし、下位10%以上~上位50%未満である場合をレベル2とし、下位10%未満である場合をレベル1として、各区域における対象利用者のレベルを決定し、決定したレベルに応じて各単位区域の表示態様を決定してもよい。ランキングは、決済回数に代えて、決済金額や第1のインセンティブの量などに基づくものであってもよい。決済コンテンツ提供部122が上記ランキングを決定する機能が「ランキング処理部」の一例である。
【0044】
また、決済コンテンツ提供部122は、上記の達成度に応じて各区域の表示態様を変更する方法のほか、達成度そのものではなく、達成度に基づいて得られる他の指標値に応じて区域の表示態様を変更してもよい。例えば、或る区域について、達成度が次のレベルに到達するまでに必要な決済回数が所定の閾値以下となった場合、決済コンテンツ提供部122は、当該区域の表示態様を、その旨を示す表示態様に変更してもよい。この際、決済コンテンツ提供部122は、達成度に応じた表示態様と、必要決済回数に応じた表示態様とを混在させてもよい。例えば、決済コンテンツ提供部122は、対象区域を塗りつぶす色を達成度に応じた色とし、対象区域の表示を点滅させることにより、必要決済回数が閾値以下であることを示してもよい。
【0045】
また、
図7の例では、単位区域の表示態様を決定する要素として、対象区域群の全店舗を対象とした利用者の決済履歴を想定したが、単位区域の表示態様を決定する要素として想定する店舗は必ずしも全店舗である必要はなく、所定の条件を満たす店舗に限定されてもよい。例えば、決済コンテンツ提供部122は、店舗情報176で管理される各店舗の属性(決済パターン、業種、位置情報、グループ情報、実店舗情報など)に関する条件で店舗を限定してもよい。
【0046】
また、
図7のような単位区域の表示態様の制御に加えて、決済コンテンツ提供部122は、単位区域における店舗の表示制御を行ってもよい。例えば、決済コンテンツ提供部122は、利用者が電子決済を利用して決済を行ったことがある店舗、または行ったことがない店舗を地図上に表示させてもよい。決済コンテンツ提供部122は、全ての区域についてそのような表示を行ってもよいし、指定された区域についてそのような表示を行ってもよい。
【0047】
また、決済コンテンツ提供部122は、単位区域の表示態様の制御に加えて、その制御結果に関連する情報を地図上に表示させてもよい。例えば、決済コンテンツ提供部122は、特典獲得に関する順位(例えば達成度100%を達成した区域数の順位や、複数店舗を有するチェーン店のうち行ったことのある(実際に電子決済した)店舗数の順位などを表示させてもよい。また、決済コンテンツ提供部122は、決済情報を集約する対象や、集約する項目の組み合わせを試行してランキング処理することにより、対象の利用者が上位に位置づけられる組み合わせを判定し、そのような組み合わせでの処理結果を表示するように構成されてもよい。
【0048】
[履歴出力処理]
履歴出力処理は、利用者の決済履歴のうち、利用者の操作に応じたものを選択的に表示させる処理である。例えば、利用者の操作は、地図上に表示された店舗や区域を選択する操作や、選択対象の店舗や区域を含む範囲を指定する操作(例えばマウスのドラッグ操作など)であってもよい。この場合、決済コンテンツ提供部122は、地図上で選択された店舗や区域に関する決済履歴を表示させる。
図8は、このような履歴出力処理による決済コンテンツの表示例を示すものである。例えば、
図8は、地図上で区域Xおよび区域Yが選択されたことに応じて、区域Xおよび区域Yの決済履歴INF11が表示された例を示すものである。このような履歴出力処理によれば、区域の選択状況と、選択された区域に関する決済履歴とが地図上に表示されるので、利用者は直感的操作によって所望の決済履歴を効率良く選択することができる。
【0049】
また、決済コンテンツ提供部122は、地図上に表示されたオブジェクト(区域や店舗など)を、利用者が操作対象として地図上で選択することができるような決済コンテンツを生成してもよい。この場合、決済コンテンツ提供部122は、操作対象として選択されたオブジェクトに関する決済履歴を表示させるように構成されてもよい。また、この場合、決済コンテンツ提供部122は、表示された決済履歴に対し、利用者が指定した情報を一括で対応づけることを可能にするユーザインターフェースを含むように決済コンテンツを生成してもよい。例えば、決済コンテンツ提供部122は、出張経費の支払いについて複数の決済履歴が表示対象として抽出された場合、「○○出張の経費」といったテキスト情報を複数の決済履歴に対応づけてもよい。テキスト情報は、利用者がその都度入力するものであってもよいし、タグ情報のように予め登録された情報であってもよい。
【0050】
また、決済コンテンツ提供部122は、選択されたオブジェクトに対応する決済履歴に上記のようなテキスト情報が予め対応づけられている場合、選択されたオブジェクトの表示態様を制御することに加え、オブジェクトに対応づけたれたテキスト情報をオブジェクトの表示に対応づけて地図上に表示させてもよい。また、決済コンテンツ提供部122は、登録済みのタグ情報の中から出力対象のタグ情報を選択する操作を受け付け、選択されたタグ情報が対応付けられたオブジェクトを対象として履歴情報を出力するように構成されてもよい。
【0051】
また例えば、利用者の操作は、決済履歴の全体に対して、表示対象の決済履歴を抽出するためのフィルタリング条件を適用する操作であってもよい。フィルタリング条件は、予め定められたものであってもよいし、利用者が指定したものであってもよい。この場合、決済コンテンツ提供部122は、決済履歴の全体から、指定されたフィルタリング条件を満たすものを抽出して表示させる。この際、決済コンテンツ提供部122は、表示対象として抽出された決済履歴を、その決済が行われた地図上の場所に対応づけて表示させる。利用者は、このような態様で決済履歴が表示されることにより、決済された支払いの妥当性を効率良く確認することができる。
【0052】
例えば、利用者は、関連する決済をまとめて経費申請したい際には、地図上で、どこで決済したものかを確認しながら申請を行うことができる。そのため、利用者は、決済履歴だけを見るよりも、正確に、且つ効率良く経費申請を行うことができる。例えば、利用者は、出張先での買い物等を経費申請する際には、まず、地図上で出張先の場所を選択することにより、出張先の場所で行った決済履歴を表示させるとともに、申請すべき出張期間を指定することができる。利用者は、出張期間を指定して表示対象の決済履歴を絞り込むことにより、容易に対象の決済をまとめて経費申請することができる。
【0053】
[提案処理]
提案処理は、地図上に表示された決済履歴に基づいて、利用者に提案を行う処理である。例えば、提案処理は、利用者が過去に電子決済を利用して決済をしたことがないエリアに位置している場合に、そのエリアで電子決済を利用して決済することを提案するものであってもよい。この場合、決済コンテンツ提供部122は、利用者端末装置10から位置情報を取得して利用者の位置を把握してもよい。この場合、利用者端末装置10は、位置情報の取得機能として、例えばGPS受信機を備えてもよい。
【0054】
また、提案処理は、利用者が電子決済を用いて新たな決済を行うことにより、利用者が新たな特典や第2のインセンティブを得ることができることを提案する処理であってもよい。例えば、決済コンテンツ提供部122は、上述のランキングにおける利用者の順位が上昇する場合に、利用者に電子決済を利用して決済することを提案してもよい。
図9は、利用者が現在滞在中の区域Z1が、あと1回の決済で達成度がレベル2に上がる状態にあり、利用者に対して近くの加盟店店舗で電子決済を利用することを提案するメッセージをメッセージ表示領域G12に表示させた例である。提案処理は、表示制御処理と連携し、提案に関する地図上のオブジェクトの表示対象を変更させてもよい。
【0055】
また、提案処理は、利用者が電子商取引サービスを利用した商品購入において、購入代金の支払い手段として電子決済を利用したことがある場合、その利用者に、電子商取引サービスで購入した商品の販売者の実店舗に来店することを提案するものであってもよい。この場合、決済コンテンツ提供部122は、利用者端末装置10の位置から当該実店舗の位置までの距離が所定の閾値以下となった場合に当該実店舗への来店を提案してもよい。また、この場合、決済コンテンツ提供部122は、来店を提案する対象の実店舗を決済コンテンツの地図上に表示させてもよい。
【0056】
[通知処理]
通知処理は、利用者が電子決済を利用したことによって生じた事象を利用者に通知する処理である。例えば、決済コンテンツ提供部122は、利用者が電子決済を利用して新たな支払いを行ったことにより上記の各指標値に変化があった場合に、その旨を通知する決済コンテンツを生成するように構成されてもよい。また、決済コンテンツ提供部122は、利用者が電子決済を利用して新たな支払いを行ったことにより上記特典の獲得状況が変化した場合に、その旨を通知する決済コンテンツを生成するように構成されてもよい。決済コンテンツ提供部122は、これらの通知が対象区域群のいずれかの区域に関連するものである場合、地図上の対応する区域に対応づけて通知を表示するように構成されてもよい。例えば、
図10は、電子決済の10回の利用で達成度が100%となる区域Z2について、利用者が当該区域Z2において10回目の電子決済の利用者を達成した場合に、地図上の当該区域Z2を選択状態として、区域Z2に関するメッセージをメッセージ表示領域G12に表示させた例である。
【0057】
また、このような通知の他、決済コンテンツ提供部122は、利用者が電子決済を利用したことによって順位が上昇したり、所定の達成度以上のエリアが拡大したりした場合に、その旨を通知するように構成されてもよい。また、決済コンテンツ提供部122は、上記の決済総額、決済回数、ランキングの順位のほか、利用者ごとのキャッシュバック金額や、キャンペーンごとのキャッシュバック金額、各キャッシュバック金額の利用者全体でのランキングにおける利用者の順位などに基づいて、上記の表示制御処理、履歴出力処理、提案処理、通知処理を行うように構成されてもよい。
【0058】
このように構成された実施形態の電子決済システム1によれば、決済サーバ100が、所定の区域ごとに表示態様を変更可能な地図情報を記憶する地図情報サーバ200から地図情報を取得し、利用者が電子決済を利用して行った決済に関する決済情報を取得し、地図情報により示される地図の表示態様を決済情報に基づいて制御するための表示制御処理を実行し、表示制御処理において、利用者が行った決済に関連する区域の地図における表示態様を、利用者が電子決済を利用して行った決済の決済情報に基づく指標値に応じて変更することにより、利用者の経済活動をより促進することができる。
【0059】
また、決済コンテンツ提供部122は、利用者が電子決済を使用した店舗間の距離や、当該店舗から利用者の自宅までの距離などを利用して表示制御処理、履歴出力処理、提案処理、通知処理を行ってもよい。例えば、決済コンテンツ提供部122は、自宅の場所として設定している位置から決済した店舗までの距離と、当該店舗で決済した金額とを乗算した値をスコアリングすることにより、利用者の行動選択に、高得点を取るために自宅から遠い場所での決済を選択するといったようなゲーム性をもたせることができる。
【0060】
また、決済コンテンツ提供部122は、電子決済の利用実績のある店舗を線で結ぶなどして利用実績のある店舗の範囲を求め、その範囲の広さの順で利用者のランキングを決定してもよい。この場合、店舗範囲を効率良く広げるためには、店舗の位置を考慮して訪問する店舗の順序を決定するなどの戦略が必要となるので、利用者の行動選択に、より高いランキングを目指すといったゲーム性を持たせることができる。なお、決済コンテンツ提供部122は、一日や一週間などの所定の期間で利用実績の有無を判定してもよい。
【0061】
このように利用者の行動選択にゲーム性を持たせることにより、利用者の購買意欲が醸成され、利用者の経済活動を促進することができる。また、実施形態の決済サーバ100は、ランキングや達成度に応じて利用者に特典を与えることができるので、利用者の購買意欲の醸成をより一層促進することができる。
【0062】
また、決済コンテンツ提供部122は、ランキングを表示する際に、基本的には、詳細な順位を表示するのではなく、上位5%などの幅を持たせた階層ごとの表示を行い、条件を満たした利用者のみに詳細な順位を表示するように構成されてもよい。例えば、決済コンテンツ提供部122は、有料プランを契約している利用者に対してのみ詳細な順位を表示してもよい。
【0063】
また、決済コンテンツ提供部122は、利用者の順位がランキングの上位である場合、決済アプリ20の画面に、その旨を示す画像(以下「バッジ」という。)を表示させてもよい。この場合、さらに、決済コンテンツ提供部122は、ランキング上位の利用者が、当該ランキングの対象の場所で決済をする場合に、バッジの表示を行ってもよい。例えば、決済コンテンツ提供部122は、或るエリアAの範囲でのランキングが上位の利用者が、エリアAの範囲内の店舗で電子決済を使用する場合にバッジの表示を行ってもよい。また、例えば、決済コンテンツ提供部122は、或る店舗Bの範囲でのランキングが上位の利用者が、店舗Bで電子決済を使用する場合にバッジの表示を行ってもよい。このようなバッジの表示によれば、所定の条件(例えばランキングが上位であること)を満たした利用者に対して特別感を与えることができ、利用者の購買意欲をより一層促進することができる。
【0064】
また、決済コンテンツ提供部122は、地図上で選択された決済履歴について経費申請を行うための申請画面を表示させるユーザインターフェースを提供するように決済コンテンツを生成してもよい。決済コンテンツ提供部122は、選択された決済履歴の情報の一部または全部を経費申請画面に自動的に入力するように構成されてもよい。このような経費申請画面とのリンクにより、利用者は、自身の決済履歴について、より効率良く申請を行うことができる。
【0065】
<第2実施形態>
図11は、第2実施形態の電子決済システム1Aの構成例を示す図である。変形例の電子決済システム1Aは、ECサーバ300をさらに備える。ECサーバ300は、ネットワークNWを介して決済サーバ100および利用者端末装置10と通信する。ECサーバ300は、利用者に電子商取引を利用するためのユーザインターフェースを提供する。例えば、ECサーバ300は、ECサイトを構成するウェブシステムを実現するものであり、利用者端末装置10を介して利用者の商品購入操作を受け付ける。利用者端末装置10には、利用者が商品購入操作を入力するためのアプリケーションとしてECアプリ30がインストールされている。ECアプリ30は、専用アプリケーションであってもよいし、ウェブブラウザ等の汎用的なアプリケーションであってもよい。ECサーバ300は、決済サーバ100との連携により、商品の購入代金の支払い方法として電子決済を利用させることができる。すなわち、電子決済システム1Aにおいて、利用者は加盟店の実店舗での購入代金の支払いと、ECサイトでの購入代金との支払いとの両方に、電子決済を利用することができる。このような電子決済システム1Aにおいて、決済サーバ100は、上述の表示制御処理、履歴出力処理、提案処理、および通知処理において、ECサイトでの決済情報を用いるように構成されてもよい。ECサーバ300は「電子商取引システム」の一例である。また、電子決済が、ECサイトにおける購入代金の支払い方法として利用される形態が「第2形態」の一例である。
【0066】
例えば、好きな地域に寄付をして、そのお礼品として地域から特産品などを受け取ることができる制度としてふるさと納税制度があるが、ここでは、ふるさと納税において、電子決済を利用して寄付金を納めることができる場合を想定する。なお、ふるさと納税制度は、上述のとおり地域への寄付金に対してお礼品を受け取るものであり、厳密には商品購入とは異なるものであるが、ここでは、簡単のため、お礼品を商品とみなし、利用者は寄付金の支払いによってお礼品を購入するものとして説明する。この場合、決済コンテンツ提供部122は、利用者がふるさと納税で購入した商品(お礼品)の決済金額を、販売元の地域自治体の地図上の位置に対応づけて表示させてもよい。このような構成によれば、利用者は、どの自治体にどの程度寄付しているかを視覚的に容易に把握することができる。
【0067】
また、このような構成によれば、利用者は、ふるさと納税で複数のECサイトを使用していたとしても、支払い方法として電子決済(コード決済)を利用することで、ふるさと納税のトータルでの利用状況を容易に確認することができる。例えば、利用者は、その年にふるさと納税に使用した金額を認識することができる。また、ふるさと納税において、決済コンテンツ提供部122は、購入金額(寄付金額)で利用者のランキングを決定し、ランキングにおける各利用者の順位を表示するように構成されてもよい。このように、地域への貢献度とともに利用者の決済履歴が表示されることにより、利用者がふるさと納税を使用してお礼品を購入するモチベーションを高めることができる。
【0068】
なお、第2実施形態において、決済コンテンツ提供部122は、地図における各区域の表示態様を、利用者が各区域のそれぞれで行った電子決済のうち所定の種別に該当する決済に係る指標値に応じて変更してもよい。ここで、電子決済の種別には、利用者が加盟店の実店舗での商品購入に際して利用する第1形態の電子決済と、利用者がECサイトでの商品購入に際して利用する第2形態の電子決済とが含まれる。より具体的には、第1形態の電子決済には、上述のパターン1に係るコード決済と、パターン2に係るコード決済とが含まれる。
【0069】
<変形例>
上記実施形態では、決済サーバ100が、電子決済を実現する機能と、決済コンテンツを提供する機能との両方を備える場合について説明したが、決済サーバ100の決済コンテンツ提供機能は、決済サーバ100とは別体の装置によって実現されてもよい。より具体的には、この場合、決済サーバ100が有する構成のうち、決済コンテンツ提供部122、インセンティブ付与部126、決済コンテンツ情報174、店舗情報176、インセンティブ情報178が、決済サーバ100とは別体の情報提供装置に備えられてもよい。この場合、情報提供装置は、決済サーバ100から利用者情報172を適宜取得する「取得部」を備えてもよい。また、決済コンテンツ提供機能を備えない場合の決済サーバ100は「決済装置」の一例である。
【0070】
決済コンテンツ提供部122は、地図に表示された各区域のうち、表示態様が変更されていない区域について、当該区域内で電子決済を利用可能な店舗を表示させるように構成されてもよい。例えば、決済コンテンツ提供部122は、
図7~
図10等の表示態様において、空白地(レベル1)の区域において、電子決済を利用可能な店舗を表示させてもよい。
【0071】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0072】
1,1A…電子決済システム、10…利用者端末装置、20…決済アプリ、30…ECアプリ、50…店舗端末装置、60…店舗コード画像、100…決済サーバ、110…通信部、122…決済コンテンツ提供部、124…決済処理部、126…インセンティブ付与部、170…記憶部、172…利用者情報、174…決済コンテンツ情報、176…店舗情報、178…インセンティブ情報、200…地図情報サーバ、300…ECサーバ