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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-05
(45)【発行日】2024-02-14
(54)【発明の名称】防災システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 17/00 20060101AFI20240206BHJP
   G08B 27/00 20060101ALI20240206BHJP
【FI】
G08B17/00 F
G08B27/00 B
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022092743
(22)【出願日】2022-06-08
(62)【分割の表示】P 2018120905の分割
【原出願日】2018-06-26
(65)【公開番号】P2022116338
(43)【公開日】2022-08-09
【審査請求日】2022-06-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000233826
【氏名又は名称】能美防災株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000223182
【氏名又は名称】TOA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菱野 浩一
(72)【発明者】
【氏名】西尾 誠
【審査官】石井 則之
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-146851(JP,A)
【文献】特開平04-003297(JP,A)
【文献】特開2003-151057(JP,A)
【文献】特開昭51-000298(JP,A)
【文献】特開平06-314385(JP,A)
【文献】特開平02-035597(JP,A)
【文献】特開平07-296279(JP,A)
【文献】特開2013-109387(JP,A)
【文献】特開2018-073227(JP,A)
【文献】特開2017-212004(JP,A)
【文献】特開2018-106326(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B17/00
19/00-31/00
A62C 2/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の各エリアに設置され、火災に基づく火災感知信号を出力する火災感知器と、
前記火災感知信号を受信すると感知器発報信号を出力し、前記火災感知信号の受信後、前記火災の発生を確認すると火災確定信号を出力する火災受信機と、
前記感知器発報信号を受信すると、前記建物の少なくとも1のエリアに設置された少なくとも1のスピーカから前記火災感知器が作動した旨を含む第1避難誘導メッセージを出力させ、前記火災確定信号を受信すると、前記少なくとも1のスピーカから前記火災が発生した旨を含む第2避難誘導メッセージを出力させる非常放送設備であって、エリアごとに前記第2避難誘導メッセージの内容を決定する非常放送設備とを備え
前記非常放送設備は、感知器発報のイベントと、前記建物の複数のエリアと、複数の出火階とに対応付けて複数の第1避難誘導メッセージを記憶し、火災確定のイベントと、前記複数のエリアと、前記複数の出火階とに対応付けて複数の第2避難誘導メッセージを記憶する記憶部を有し、
前記感知器発報信号及び前記火災確定信号の各々は火元情報を含み、
前記非常放送設備は、前記感知器発報信号を受信すると、前記感知器発報のイベントと、前記少なくとも1のスピーカが設置されたエリアと、前記火元情報に基づいて特定された出火階とに対応付けて前記記憶部に記憶された前記第1避難誘導メッセージを前記少なくとも1のスピーカから音声出力させ、
前記非常放送設備は、前記火災確定信号を受信すると、前記火災確定のイベントと、前記少なくとも1のスピーカが設置されたエリアと、前記火元情報に基づいて特定された出火階とに対応付けて前記記憶部に記憶された前記第2避難誘導メッセージを前記少なくとも1のスピーカから音声出力させる防災システム。
【請求項2】
建物の各エリアに設置され、火災に基づく火災感知信号を出力する火災感知器と、
前記火災感知信号を受信すると感知器発報信号を出力し、前記火災感知信号の受信後、前記火災の発生を確認すると火災確定信号を出力する火災受信機と、
前記感知器発報信号を受信すると、前記建物の少なくとも1のエリアに設置された少なくとも1の電子看板から前記火災感知器が作動した旨を含む第1避難誘導メッセージを出力させ、前記火災確定信号を受信すると、前記少なくとも1の電子看板から前記火災が発生した旨を含む第2避難誘導メッセージを出力させる非常放送設備であって、エリアごとに前記第2避難誘導メッセージの内容を決定する非常放送設備とを備え
前記非常放送設備は、感知器発報のイベントと、前記建物の複数のエリアと、複数の出火階とに対応付けて複数の第1避難誘導メッセージを記憶し、火災確定のイベントと、前記複数のエリアと、前記複数の出火階とに対応付けて複数の第2避難誘導メッセージを記憶する記憶部を有し、
前記感知器発報信号及び前記火災確定信号の各々は火元情報を含み、
前記非常放送設備は、前記感知器発報信号を受信すると、前記感知器発報のイベントと、前記少なくとも1の電子看板が設置されたエリアと、前記火元情報に基づいて特定された出火階とに対応付けて前記記憶部に記憶された前記第1避難誘導メッセージを前記少なくとも1の電子看板から出力させ、
前記非常放送設備は、前記火災確定信号を受信すると、前記火災確定のイベントと、前記少なくとも1の電子看板が設置されたエリアと、前記火元情報に基づいて特定された出火階とに対応付けて前記記憶部に記憶された前記第2避難誘導メッセージを前記少なくとも1の電子看板から出力させる防災システム。
【請求項3】
記非常放送設備は、前記火災確定信号を受信すると、前記火元情報に基づいて特定される出火階に応じて、前記建物の階ごとに前記第2避難誘導メッセージの内容を決定する請求項1又は2に記載の防災システム。
【請求項4】
前記非常放送設備は、前記建物の階ごとに、前記火元情報に基づいて特定される出火階との相対的位置関係で表現されるメッセージとなるよう、前記第2避難誘導メッセージの内容を決定する請求項3に記載の防災システム。
【請求項5】
記非常放送設備は、前記感知器発報信号を受信すると、前記建物の複数階のうち前記火元情報に基づいて特定される出火階及び直上階に設置された、前記少なくとも1のスピーカに含まれる第1スピーカから前記第1避難誘導メッセージを出力させ、前記火災確定信号を受信すると、前記出火階及び前記直上階に設置された前記第1スピーカから前記第2避難誘導メッセージを出力させ、前記火災確定信号を受信後、所定時間が経過すると、前記複数階のうち前記出火階及び前記直上階以外の階に設置された、前記少なくとも1のスピーカに含まれる第2スピーカから前記第2避難誘導メッセージを出力させる請求項1に記載の防災システム。
【請求項6】
記非常放送設備は、前記感知器発報信号を受信すると、前記建物の複数階のうち前記火元情報に基づいて特定される出火階及び直上階に設置された、前記少なくとも1の電子看板に含まれる第1電子看板から前記第1避難誘導メッセージを出力させ、前記火災確定信号を受信すると、前記出火階及び前記直上階に設置された前記第1電子看板から前記第2避難誘導メッセージを出力させ、前記火災確定信号を受信後、所定時間が経過すると、前記複数階のうち前記出火階及び前記直上階以外の階に設置された、前記少なくとも1の電子看板に含まれる第2電子看板から前記第2避難誘導メッセージを出力させる請求項2に記載の防災システム。
【請求項7】
前記非常放送設備は、前記エリアごとに前記第1避難誘導メッセージの内容を決定する請求項1から6のいずれか1項に記載の防災システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、火災発生時に避難誘導メッセージを出力するための防災システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建物内で火災が発生したときに火災の発生を在館者に通知するための設備として非常放送設備が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平2-59999号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、このような技術に鑑みてなされたものであり、火災発生時の避難をより円滑にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するため、本発明に係る防災システムは、建物の各エリアに設置され、火災に基づく火災感知信号を出力する火災感知器と、前記火災感知信号を受信すると感知器発報信号を出力し、前記火災感知信号の受信後、前記火災の発生を確認すると火災確定信号を出力する火災受信機と、前記感知器発報信号を受信すると、前記建物の少なくとも1のエリアに設置された少なくとも1のスピーカから前記火災感知器が作動した旨を含む第1避難誘導メッセージを出力させ、前記火災確定信号を受信すると、前記少なくとも1のスピーカから前記火災が発生した旨を含む第2避難誘導メッセージを出力させる非常放送設備であって、エリアごとに前記第2避難誘導メッセージの内容を決定する非常放送設備とを備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係る防災システムによれば、火災発生時の避難をより円滑にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】防災システム1の構成の一例を示す図
図2】非常放送設備3の構成の一例を示す図
図3】第1メッセージテーブル312の一例を示す図
図4】表示制御サーバ4の構成の一例を示す図
図5】火災発生時の避難誘導動作の一例を示すシーケンス図
図6】火災発生時の避難誘導動作の一例を示すシーケンス図
図7】避難経路上で混雑が発生したときに行われる避難誘導動作の一例を示すシーケンス図
【発明を実施するための形態】
【0008】
1.実施形態
1-1.防災システム1の構成
図1は、本発明の一実施形態に係る防災システム1の構成の一例を示す図である。防災システム1は、オフィスビル等の建物内に設置され、火災発生時に在館者の避難を支援するためのシステムである。この防災システム1は、図1に示すように、自動火災報知設備2(以下、「自火報設備2」)と、非常放送設備3と、表示制御サーバ4と、混雑判定サーバ5と、建物の各所に配置されるスピーカ6、デジタルサイネージ7及びIPカメラ8とを備える。防災システム1を構成する自火報設備2、非常放送設備3、表示制御サーバ4及び混雑判定サーバ5は、有線又は無線のLAN等のネットワーク9を介して互いに通信可能に接続される。
【0009】
1-1-1.自火報設備2の構成
自火報設備2は、建物の各所に設置される火災感知器21と、各火災感知器21と信号線を介して接続される火災受信機22を備える。火災感知器21は、建物内で発生した火災を感知すると、自己の識別情報であるアドレスを含む火災感知信号を火災受信機22に送信する。火災受信機22は、火災感知器21から火災感知信号を受信すると、当該感知器のアドレスを基に火元を特定し、火元情報を含む感知器発報信号を非常放送設備3に対して送信する。また、火災受信機22は、火災感知信号の受信後、火災の発生を確認すると、上記の火元情報を含む火災確定信号を非常放送設備3と混雑判定サーバ5に対して送信する。ここで、火災の発生の確認(確定判断)は、火災感知信号の受信後に所定時間が経過するか、別の火災感知器21から火災感知信号を受信するか、または、火災受信機22において火災確定操作がなされると行われる。
なお、火災感知器21は、火災に基づくセンサレベルを火災感知信号として出力するものであってもよく、火災受信機22は、火災感知器21からのセンサレベルに基づいて火災と判別するものであってもよい。また、火災感知器21はスイッチング動作による信号線へのオンオフ信号による火災感知信号を出力するものであってもよく、火災受信機22は、オンオフ信号を信号線ごとに受信する方式により火元の情報を判別するものであってもよい。
【0010】
1-1-2.非常放送設備3の構成
非常放送設備3は、建物内で火災が発生すると、スピーカ6とデジタルサイネージ7から在館者に対する避難誘導メッセージを出力させる。その際、避難誘導メッセージの出力は段階的に実行され、出力される避難誘導メッセージの内容はフロア毎に決定される。また、非常放送設備3は、避難経路上で混雑(滞留)が発生すると、混雑が発生したフロアのスピーカ6から、混雑の発生を通知するための避難誘導メッセージを出力させる。図2は、この非常放送設備3の構成の一例を示す図である。非常放送設備3は、同図に示すように、データ記憶部31と、放送制御部32と、表示制御部33を備える。これらの構成要素のうち、放送制御部32と表示制御部33は、メモリに記憶されるプログラムをプロセッサが実行することにより実現される。
【0011】
データ記憶部31は、スピーカテーブル311と、第1メッセージテーブル312と、第2メッセージテーブル313と、音声データ群314を記憶する。これらのデータのうち、スピーカテーブル311は、建物の各所に設置されるスピーカ6の識別情報であるアドレスを、その設置階と対応付けるテーブルである。第1メッセージテーブル312は、火災発生時に在館者に通知すべき避難誘導メッセージを、発生イベントの内容と通知対象階と出火階とに対応付けるテーブルである。図3は、第1メッセージテーブル312の一例を示す図である。同図に示す第1メッセージテーブル312は、発生イベントと、通知対象階と、出火階と、避難誘導メッセージの音声データ及び表示データとを対応付けている。この第1メッセージテーブル312に登録される避難誘導メッセージは、発生イベントごとに、通知するイベントの内容が異なっている。感知器発報時に出力される避難誘導メッセージは、火災感知器が作動した旨を通知するメッセージであるのに対し、火災確定時に出力される避難誘導メッセージは、火災が発生した旨を通知するメッセージとなっている。また、避難誘導メッセージは、通知対象階ごとに、通知する避難経路が異なっている。例えば、1階を通知対象とする避難誘導メッセージは、建物の正面玄関から避難することを促すメッセージであるのに対し、2階を通知対象とする避難誘導メッセージは、建物のエレベータ前の避難階段から避難することを促すメッセージとなっている。なお、避難誘導メッセージの表示データは、通知対象階の平面図(避難口と現在地を図示する)を示すものとなっている。また、避難誘導メッセージは、出火階ごとに、通知する出火階が異なっている。例えば、1階を出火階とする避難誘導メッセージは、1階でイベントが発生した旨を通知するメッセージであるのに対し、2階を出火階とする避難誘導メッセージは、2階でイベントが発生した旨を通知するメッセージとなっている。なお、避難誘導メッセージのうち、通知対象階と出火階を同じくする避難誘導メッセージと、通知対象階が出火階の直上階にあたる避難誘導メッセージについては、出火階が、通知対象階との相対的位置関係で表現されるメッセージとなっている。例えば、通知対象階と出火階がともに1階である火災確定時用の避難誘導メッセージは、「この階で火災が発生しました。」というメッセージになっている。別の例として、通知対象階が2階であり、出火階が1階である火災確定時用の避難誘導メッセージは、「この下の階で火災が発生しました。」というメッセージになっている。このように出火階を通知対象階との相対的位置関係で表現することで、在館者は自身の置かれている状況を迅速に把握することができる。次に、第2メッセージテーブル313は、避難経路上で混雑が発生したときに在館者に通知すべき避難誘導メッセージを、混雑度と対応付けるテーブルである。混雑度は、「低」、「中」、「高」の3段階で判定され、これらの段階のうち「中」と「高」に対して、避難誘導メッセージの音声データIDが対応付けられる。避難誘導メッセージの内容は、混雑度が高いほど落ち着いて避難するよう促す内容となっている。例えば、混雑度「中」に対応する避難誘導メッセージは、「滞留が発生しています。落ち着いて、しばらく待機してから避難して下さい。」といったメッセージとなっている。次に、音声データ群314は、第1メッセージテーブル312と第2メッセージテーブル313に登録されている音声データIDにより識別される音声データの集合である。
【0012】
次に、放送制御部32は、火災受信機22から送信された火災信号が非常放送設備3により受信されると、受信した火災信号に応じた避難誘導メッセージをスピーカ6から出力させる。具体的には、放送制御部32は、感知器発報信号が非常放送設備3により受信されると、当該信号に含まれる火元情報に基づいて、通知対象階として、出火階と直上階を特定する。通知対象階を特定すると、スピーカテーブル311を参照して、通知対象階に設置されているスピーカ6を特定する。スピーカ6を特定すると、第1メッセージテーブル312を参照して、感知器発報時に通知対象階で放送すべき避難誘導メッセージの音声データをデータ記憶部31から読み出す。具体的には、出火階に対応する音声データであって、出火階を通知対象階とする音声データと、直上階を通知対象階とする音声データを読み出す。音声データを読み出すと、読み出した音声データのうち、出火階用の音声データを再生して対応する音声を、出火階に設置されているスピーカ6に出力し、直上階用の音声データを再生して対応する音声を、直上階に設置されているスピーカ6に出力する。感知器発報放送では、放送制御部32は避難誘導メッセージを、所定回数、繰り返し出力してもよい。
【0013】
感知器発報信号に代えて火災確定信号が非常放送設備3により受信されると、放送制御部32は、当該信号に含まれる火元情報に基づいて、通知対象階として、出火階と直上階を特定する。通知対象階を特定すると、スピーカテーブル311を参照して、通知対象階に設置されているスピーカ6を特定する。スピーカ6を特定すると、第1メッセージテーブル312を参照して、火災確定時に通知対象階で放送すべき避難誘導メッセージの音声データをデータ記憶部31から読み出す。具体的には、出火階に対応する音声データであって、出火階を通知対象階とする音声データと、直上階を通知対象階とする音声データを読み出す。音声データを読み出すと、読み出した音声データのうち、出火階用の音声データを再生して対応する音声を、出火階に設置されているスピーカ6に出力し、直上階用の音声データを再生して対応する音声を、直上階に設置されているスピーカ6に出力する。火災確定放送では、放送制御部32は避難誘導メッセージを、鎮火まで繰り返し出力してもよい。
【0014】
火災確定信号の受信後、所定時間が経過すると、放送制御部32は、通知対象階として、出火階と直上階以外のフロアを特定する。通知対象階を特定すると、スピーカテーブル311を参照して、通知対象階に設置されているスピーカ6を特定する。スピーカ6を特定すると、第1メッセージテーブル312を参照して、火災確定時に通知対象階で放送すべき避難誘導メッセージの音声データをデータ記憶部31から読み出す。具体的には、出火階に対応する音声データであって、出火階と直上階以外のフロアを通知対象階とする音声データを読み出す。音声データを読み出すと、各音声データを再生して対応する音声を、その音声データの通知対象階に設置されているスピーカ6に出力する。
【0015】
また、放送制御部32は、混雑判定サーバ5から送信された混雑情報が非常放送設備3により受信されると、混雑度に応じた避難誘導メッセージをスピーカ6から出力させる。具体的には、混雑情報が非常放送設備3により受信されると、当該混雑情報に含まれる混雑階情報とスピーカテーブル311とを参照して、混雑階に設置されているスピーカ6を特定する。スピーカ6を特定すると、受信した混雑情報に含まれる混雑度情報と第2メッセージテーブル313とを参照して、混雑度に対応する避難誘導メッセージの音声データをデータ記憶部31から読み出す。そして、読み出した音声データを再生して対応する音声を、上記特定したスピーカ6に対して出力する。放送制御部32は、混雑発生を通知する避難誘導メッセージを単独で出力してもよいし、または火災確定時の避難誘導メッセージと交互に繰り返して出力してもよい。
【0016】
次に、表示制御部33は、火災受信機22から送信された火災信号が非常放送設備3により受信されると、受信した火災信号に応じた避難誘導メッセージをデジタルサイネージ7から出力させる。具体的には、表示制御部33は、感知器発報信号が非常放送設備3により受信されると、第1メッセージテーブル312を参照して、感知器発報時に通知対象階で表示すべき避難誘導メッセージの表示データIDを特定する。具体的には、出火階に対応する表示データであって、出火階を通知対象階とする表示データIDと、直上階を通知対象階とする表示データIDを特定する。表示データIDを特定すると、特定した表示データIDと、通知対象階を示す通知対象階情報とを含む表示制御信号を、表示制御サーバ4に送信する。なお、この表示制御信号において、出火階用の表示データIDは出火階の階情報と対応付けられており、直上階用の表示データIDは直上階の階情報と対応付けられている。
【0017】
感知器発報信号に代えて火災確定信号が非常放送設備3により受信されると、表示制御部33は、第1メッセージテーブル312を参照して、火災確定時に通知対象階で表示すべき避難誘導メッセージの表示データIDを特定する。具体的には、出火階に対応する表示データであって、出火階を通知対象階とする表示データIDと、直上階を通知対象階とする表示データIDを特定する。表示データIDを特定すると、特定した表示データIDと、通知対象階を示す通知対象階情報とを含む表示制御信号を、表示制御サーバ4に送信する。なお、この表示制御信号において、出火階用の表示データIDは出火階の階情報と対応付けられており、直上階用の表示データIDは直上階の階情報と対応付けられている。
【0018】
火災確定信号の受信後、所定時間が経過すると、表示制御部33は、第1メッセージテーブル312を参照して、火災確定時に通知対象階で表示すべき避難誘導メッセージの表示データIDを特定する。具体的には、出火階に対応する表示データであって、出火階と直上階以外のフロアを通知対象階とする表示データを読み出す。表示データIDを特定すると、特定した表示データIDと、通知対象階を示す通知対象階情報とを含む表示制御信号を、表示制御サーバ4に送信する。なお、この表示制御信号において、各表示データIDは、その表示データIDの通知対象階の階情報と対応付けられている。
【0019】
1-1-3.表示制御サーバ4の構成
表示制御サーバ4は、デジタルサイネージ7の表示を制御する。平常時は、広告やフロアガイド、ニュース等の情報を出力させる一方で、建物内で火災が発生すると、非常放送設備3の制御の下、在館者に対する避難誘導メッセージを出力させる。また、表示制御サーバ4は、避難経路上で混雑が発生すると、混雑が発生したフロアのデジタルサイネージ7から、混雑の発生を通知するための避難誘導メッセージを出力させる。図4は、この表示制御サーバ4の構成の一例を示す図である。表示制御サーバ4は、同図に示すように、データ記憶部41と、表示制御部42を備える。これらの構成要素のうち、表示制御部42は、メモリに記憶されるプログラムをプロセッサが実行することにより実現される。
【0020】
データ記憶部41は、デジタルサイネージテーブル411(以下、「DSテーブル411」)と、メッセージテーブル412と、表示データ群413を記憶する。これらのデータのうち、DSテーブル411は、建物の各所に設置されるデジタルサイネージ7の識別情報であるアドレスを、その設置階と対応付けるテーブルである。メッセージテーブル412は、避難経路上で混雑が発生したときに在館者に通知すべき避難誘導メッセージを、混雑度と対応付けるテーブルである。混雑度は、「低」、「中」、「高」の3段階で判定され、これらの段階のうち「中」と「高」に対して、避難誘導メッセージの表示データIDが対応付けられる。避難誘導メッセージの内容は、上記の第2メッセージテーブル313と同様に、混雑度が高いほど落ち着いて避難するよう促す内容となっている。表示データ群413は、非常放送設備3に記憶される第1メッセージテーブル312と、メッセージテーブル412とに登録されている表示データIDにより識別される表示データの集合である。
【0021】
次に、表示制御部42は、非常放送設備3から送信された表示制御信号が表示制御サーバ4により受信されると、受信した表示制御信号に従って避難誘導メッセージをデジタルサイネージ7から出力させる。具体的には、表示制御信号が受信されると、当該表示制御信号に含まれる通知対象階情報とDSテーブル411とを参照して、通知対象階に設置されているデジタルサイネージ7を特定する。また、受信した表示制御信号に含まれる表示データIDにより識別される表示データをデータ記憶部41から読み出す。そして、読み出した表示データを、その表示データに対応するフロアに設置されているデジタルサイネージ7に送信する。
【0022】
また、表示制御部42は、混雑判定サーバ5から送信された混雑情報が表示制御サーバ4により受信されると、混雑度に応じた避難誘導メッセージをデジタルサイネージ7から出力させる。具体的には、混雑情報が表示制御サーバ4により受信されると、当該混雑情報に含まれる混雑階情報とDSテーブル411とを参照して、混雑階に設置されているデジタルサイネージ7を特定する。デジタルサイネージ7を特定すると、受信した混雑情報に含まれる混雑度情報とメッセージテーブル412とを参照して、混雑度に対応する避難誘導メッセージの表示データをデータ記憶部41から読み出す。そして、読み出した表示データを、上記特定したデジタルサイネージ7に対して送信する。
【0023】
1-1-4.混雑判定サーバ5の構成
混雑判定サーバ5は、火災受信機22から火災確定信号を受信すると、鎮火までの間、混雑判定を繰り返し実行する。具体的には、建物の各所に設置されているIPカメラ8から画像データを順次取得し、画像データを解析して混雑度を判定する。この画像データの解析には、人の特徴を捉える人判別や人の移動する速度を判定する速度判別等の方式が用いられる。判定の結果、混雑度が「中」又は「高」の場合には、その混雑度を示す混雑度情報と、混雑が発生しているフロアを示す混雑階情報を含む混雑情報を、非常放送設備3と表示制御サーバ4に送信する。なお、混雑が発生しているフロアの特定は、IPカメラ8から画像データとともに送信されてくるアドレスと、各IPカメラ8のアドレスとその設置階を対応付けるテーブルとを照合することにより行われる。
【0024】
1-1-5.スピーカ6の構成
スピーカ6は、スピーカーライン等の放送用回線を介して非常放送設備3と接続され、非常放送設備3から入力された音声(避難誘導メッセージ)を出力(放音)する。
【0025】
1-1-6.デジタルサイネージ7の構成
デジタルサイネージ7は、電子的な表示装置を備え、広告やフロアガイド、ニュース等の情報を表示するための電子看板である。デジタルサイネージ7は、LANケーブル等の通信回線を介して表示制御サーバ4と接続され、表示制御サーバ4から表示データを受信すると、受信した表示データに基づいて避難誘導メッセージを出力する。
【0026】
1-1-7.IPカメラ8の構成
IPカメラ8は、建物各階の避難口付近に設置され、LANケーブル等の通信回線を介して混雑判定サーバ5と接続される。IPカメラ8は、混雑判定サーバ5からの要求を受けて避難経路を撮影し、撮影した画像のデータを、自機の識別情報であるアドレスとともに混雑判定サーバ5に送信する。
【0027】
1-2.防災システム1の動作
防災システム1の動作について説明する。具体的には、火災発生時の避難誘導動作と、避難経路上で混雑が発生したときに行われる避難誘導動作について説明する。
【0028】
1-2-1.火災発生時の避難誘導動作
図5及び図6は、火災発生時の避難誘導動作の一例を示すシーケンス図である。
建物内で火災が発生し、この火災が火災感知器21により検出されると、当該火災感知器21は火災感知信号を火災受信機22に対して送信する。この火災感知信号を受信した火災受信機22は、火元情報を含む感知器発報信号を非常放送設備3に対して送信する(ステップSa1)。この感知器発報信号を受信した非常放送設備3の放送制御部32は、火元情報に基づいて、通知対象階として、出火階と直上階を特定する(ステップSa2)。通知対象階を特定すると、スピーカテーブル311を参照して、通知対象階に設置されているスピーカ6を特定する(ステップSa3)。スピーカ6を特定すると、第1メッセージテーブル312を参照して、感知器発報時に通知対象階で放送すべき避難誘導メッセージの音声データをデータ記憶部31から読み出す(ステップSa4)。具体的には、出火階に対応する音声データであって、出火階を通知対象階とする音声データと、直上階を通知対象階とする音声データを読み出す。音声データを読み出すと、読み出した音声データのうち、出火階用の音声データを再生して対応する音声を、出火階に設置されているスピーカ6に出力し、直上階用の音声データを再生して対応する音声を、直上階に設置されているスピーカ6に出力する(ステップSa5)。音声が入力されたスピーカ6は、感知器発報放送出力する(ステップSa6)。ステップSa5において、放送制御部32は、音声を所定回数、繰り返し出力してもよい。
【0029】
また、感知器発報信号を受信した非常放送設備3の表示制御部33は、第1メッセージテーブル312を参照して、感知器発報時に通知対象階で表示すべき避難誘導メッセージの表示データIDを特定する(ステップSa7)。具体的には、出火階に対応する表示データであって、出火階を通知対象階とする表示データIDと、直上階を通知対象階とする表示データIDを特定する。表示データIDを特定すると、特定した表示データIDと、通知対象階を示す通知対象階情報とを含む表示制御信号を、表示制御サーバ4に送信する(ステップSa8)。なお、この表示制御信号において、出火階用の表示データIDは出火階の階情報と対応付けられており、直上階用の表示データIDは直上階の階情報と対応付けられている。この表示制御信号を受信した表示制御サーバ4の表示制御部42は、DSテーブル411を参照して、通知対象階に設置されているデジタルサイネージ7を特定する(ステップSa9)。また、表示データIDにより識別される表示データをデータ記憶部41から読み出す(ステップSa10)。そして、読み出した表示データを、その表示データに対応するフロアに設置されているデジタルサイネージ7に送信する(ステップSa11)。表示データを受信したデジタルサイネージ7は、受信した表示データに基づいて感知器発報画面を表示する(ステップSa12)。
【0030】
感知器発報信号の出力後、火災が発生したと判定すると、火災受信機22は、火元情報を含む火災確定信号を非常放送設備3に対して送信する(ステップSa13)。この火災確定信号を受信した非常放送設備3の放送制御部32は、火元情報に基づいて、通知対象階として、出火階と直上階を特定する(ステップSa14)。通知対象階を特定すると、スピーカテーブル311を参照して、通知対象階に設置されているスピーカ6を特定する(ステップSa15)。スピーカ6を特定すると、第1メッセージテーブル312を参照して、火災確定時に通知対象階で放送すべき避難誘導メッセージの音声データをデータ記憶部31から読み出す(ステップSa16)。具体的には、出火階に対応する音声データであって、出火階を通知対象階とする音声データと、直上階を通知対象階とする音声データを読み出す。音声データを読み出すと、読み出した音声データのうち、出火階用の音声データを再生して対応する音声を、出火階に設置されているスピーカ6に出力し、直上階用の音声データを再生して対応する音声を、直上階に設置されているスピーカ6に出力する(ステップSa17)。音声が入力されたスピーカ6は、火災放送を出力する(ステップSa18)。ステップSa17において、放送制御部32は、音声を鎮火まで繰り返し出力してもよい。
【0031】
また、火災確定信号を受信した非常放送設備3の表示制御部33は、第1メッセージテーブル312を参照して、火災確定時に通知対象階で表示すべき避難誘導メッセージの表示データIDを特定する(ステップSa19)。具体的には、出火階に対応する表示データであって、出火階を通知対象階とする表示データIDと、直上階を通知対象階とする表示データIDを特定する。表示データIDを特定すると、特定した表示データIDと、ステップSa14で特定された通知対象階を示す通知対象階情報とを含む表示制御信号を、表示制御サーバ4に送信する(ステップSa20)。なお、この表示制御信号において、出火階用の表示データIDは出火階の階情報と対応付けられており、直上階用の表示データIDは直上階の階情報と対応付けられている。表示制御信号を受信した表示制御サーバ4の表示制御部42は、DSテーブル411を参照して、通知対象階に設置されているデジタルサイネージ7を特定する(ステップSa21)。また、表示データIDにより識別される表示データをデータ記憶部41から読み出す(ステップSa22)。そして、読み出した表示データのうち、出火階用の表示データを、出火階に設置されているデジタルサイネージ7に送信し、直上階用の表示データを、直上階に設置されているデジタルサイネージ7に送信する(ステップSa23)。表示データを受信したデジタルサイネージ7は、受信した表示データに基づいて火災画面を表示する(ステップSa24)。
【0032】
火災確定信号を受信後、所定時間が経過すると、非常放送設備3の放送制御部32は、通知対象階として、出火階と直上階以外の階を特定する(ステップSa25)。通知対象階を特定すると、スピーカテーブル311を参照して、通知対象階に設置されているスピーカ6を特定する(ステップSa26)。スピーカ6を特定すると、第1メッセージテーブル312を参照して、火災確定時に通知対象階で放送すべき避難誘導メッセージの音声データをデータ記憶部31から読み出す(ステップSa27)。具体的には、出火階に対応する音声データであって、出火階と直上階以外のフロアを通知対象階とする音声データを読み出す。そして、読み出した音声データを再生して対応する音声を、ステップSa25で特定したスピーカ6に対して出力する(ステップSa28)。その際、各音声データを再生して対応する音声を、その音声データの通知対象階に設置されているスピーカ6に出力する。音声が入力されたスピーカ6は、受信した火災放送を出力する(ステップSa29)。ステップSa28において、放送制御部32は、鎮火まで音声を繰り返し出力してもよい。
【0033】
また、非常放送設備3の表示制御部33は、第1メッセージテーブル312を参照して、火災確定時に通知対象階で表示すべき避難誘導メッセージの表示データIDを特定する(ステップSa30)。具体的には、出火階に対応する表示データIDであって、出火階と直上階以外のフロアを通知対象階とする表示データIDを特定する。表示データIDを特定すると、特定した表示データIDと、ステップSa25で特定された通知対象階を示す通知対象階情報とを含む表示制御信号を、表示制御サーバ4に送信する(ステップSa31)。この表示制御信号を受信した表示制御サーバ4の表示制御部42は、DSテーブル411を参照して、通知対象階に設置されているデジタルサイネージ7を特定する(ステップSa32)。また、表示データIDにより識別される表示データをデータ記憶部41から読み出す(ステップSa33)。そして、読み出した表示データを、ステップSa32で特定したデジタルサイネージ7に対して送信する(ステップSa34)。その際、各表示データを、その表示データに対応するフロアに設置されているデジタルサイネージ7に送信する。表示データを受信したデジタルサイネージ7は、火災画面を表示する(ステップSa35)。
以上が、火災発生時の避難誘導動作についての説明である。
なお、火災受信機22からの火災に関する火災信号は、上記のような感知器発報信号および火災確定信号に限らず、例えば、感知器発報に至る前のプレ警報信号や防排煙機器を連動させるレベルを判別する連動警報信号等であってもよい。また、異なる感知器発報があるときの二報目の信号や火災感知器21に基づく信号と手動の発信機からの信号とを区別した信号であってもよく、避難誘導動作を異ならせる場合には有効である。
【0034】
以上説明した避難誘導動作によれば、避難誘導を段階的に行うことで、避難階段における避難者の滞留を抑制することできる。また、フロアごとに適した避難誘導を実施することができる。
【0035】
1-2-2.混雑発生時の避難誘導動作
図7は、避難経路上で混雑が発生したときに行われる避難誘導動作の一例を示すシーケンス図である。
混雑判定サーバ5は、火災受信機22から火災確定信号を受信すると混雑判定を開始し、混雑度が「中」又は「高」のフロアを特定すると、その混雑度を示す混雑度情報と、その混雑階を示す混雑階情報を含む混雑情報を、非常放送設備3と表示制御サーバ4に送信する(ステップSb1)。この混雑情報を受信した非常放送設備3の放送制御部32は、スピーカテーブル311を参照して、混雑階に設置されているスピーカ6を特定する(ステップSb2)。スピーカ6を特定すると、混雑度情報と第2メッセージテーブル313を参照して、混雑度に対応する避難誘導メッセージの音声データをデータ記憶部31から読み出す(ステップSb3)。そして、読み出した音声データを再生して対応する音声を、ステップSb2で特定したスピーカ6に対して出力する(ステップSb4)。この音声が入力されたスピーカ6は、混雑発生を通知する避難誘導メッセージを出力する(ステップSb5)。ステップSb4において、放送制御部32は、混雑発生を通知する避難誘導メッセージを、火災確定時の避難誘導メッセージと交互に繰り返して出力してもよい。
【0036】
混雑判定サーバ5により送信された混雑情報を表示制御サーバ4が受信すると、表示制御サーバ4の表示制御部42は、DSテーブル411を参照して、混雑階に設置されているデジタルサイネージ7を特定する(ステップSb6)。デジタルサイネージ7を特定すると、混雑度情報とメッセージテーブル412を参照して、混雑度に対応する避難誘導メッセージの表示データをデータ記憶部41から読み出す(ステップSb7)。そして、読み出した表示データを、ステップSb6で特定したデジタルサイネージ7に対して送信する(ステップSb8)。この表示データを受信したデジタルサイネージ7は、混雑発生を通知する避難誘導メッセージを、火災確定時の避難誘導メッセージとともに、所定時間、出力する(ステップSb9)。
以上が、混雑発生時の避難誘導動作についての説明である。
【0037】
以上説明した避難誘導動作によれば、避難経路上で避難者の滞留が発生した場合に、当該フロアの避難者に対して、落ち着いて避難するよう促すことができる。その結果、避難者の不安が軽減され、避難者がパニック状態に陥ることを防止することができる。
【0038】
2.変形例
上記の実施形態は、下記のように変形してもよい。なお、下記の変形例は互いに組み合わせてもよい。
【0039】
2-1.変形例1
避難誘導は、フロアよりも狭いエリア単位で行われてもよい。例えば、フロアを複数に区切ることで形成される区画単位で行われてもよい。その場合、スピーカテーブル311、DSテーブル411、及び混雑判定サーバ5が記憶するIPカメラテーブルでは、設置階に代えて設置区画が機器のアドレスと対応付けられる。また、第1メッセージテーブル312では、通知対象階に代えて通知対象区画が避難誘導メッセージと対応付けられる。
【0040】
2-2.変形例2
上記の実施形態では、火災の発生が確認されると、まず出火階と直上階において避難誘導メッセージが出力され、その後、所定時間の経過後に、その他のフロアで避難誘導メッ
セージが出力されている。すなわち、避難誘導が2段階で行われている。しかし、避難誘導のプロセスは2段階に限られず、3段階以上で行われてもよい。例えば、出火階と直上階において避難誘導メッセージを出力した後に、出火階の2階上のフロアで避難誘導メッセージを出力し、その後に、その他のフロアで避難誘導メッセージを出力するようにしてもよい。
【0041】
2-3.変形例3
混雑情報を送信するために満たすべき混雑度の条件は、混雑度が「中」又は「高」である場合に限られない。例えば、混雑度が「高」である場合にのみ混雑情報を送信するようにしてもよい。また、混雑度の段階は3段階に限られない。2段階であっても、4段階以上であってもよい。
【0042】
2-4.変形例4
混雑度の判定方法は、画像解析によるものに限られない。例えば、赤外線センサを用いて混雑度を判定するようにしてもよい(特開2010-86224号公報参照)。または、在館者が携帯する端末装置の位置情報を取得し、端末装置の分布状況から混雑度を判定するようにしてもよい。
【0043】
2-5.変形例5
防火対象の建物に複数の避難階段が設けられている場合には、そのうちの一部の避難階段で滞留が発生している際に、滞留が発生していない方の避難階段の利用を促す避難誘導メッセージを出力するようにしてもよい。
【0044】
2-6.変形例6
表示制御サーバ4は、避難経路上で混雑が発生すると、混雑判定サーバ5から混雑情報を受信し、受信した混雑情報に基づいて避難誘導メッセージを特定している。しかし、これに代えて、非常放送設備3が混雑情報に基づいて避難誘導メッセージの表示データIDを特定し、特定した表示データIDと、混雑情報に含まれる混雑階情報とを含む表示制御信号を、表示制御サーバ4に送信するようにしてもよい。すなわち、非常放送設備3がデジタルサイネージ7を制御して、混雑度に応じた避難誘導メッセージを出力させるようにしてもよい。その場合、混雑判定サーバ5が記憶するメッセージテーブル412は、非常放送設備3が記憶することになる。
【0045】
2-7.変形例7
図3に例示する第1メッセージテーブル312によれば、イベント、通知対象階及び出火階を同じくする音声データと表示データに対し、別々の識別情報が付されている。しかし、これらの音声データ及び表示データに対し、共通の識別情報を付すようにしてもよい。そうすれば、非常放送設備3は、スピーカ6に送信する音声データと表示制御サーバ4に送信する表示データを別々に特定する必要がなくなる。
【符号の説明】
【0046】
1…防災システム、2…自火報設備、3…非常放送設備、4…表示制御サーバ、5…混雑判定サーバ、6…スピーカ、7…デジタルサイネージ、8…IPカメラ、9…ネットワーク、21…火災感知器、22…火災受信機、31…データ記憶部、32…放送制御部、33…表示制御部、41…データ記憶部、42…表示制御部、311…スピーカテーブル、312…第1メッセージテーブル、313…第2メッセージテーブル、314…音声データ群、411…DSテーブル、412…メッセージテーブル、413…表示データ群
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7