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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-05
(45)【発行日】2024-02-14
(54)【発明の名称】光学系及び撮像装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 13/00 20060101AFI20240206BHJP
   G02B 13/18 20060101ALN20240206BHJP
【FI】
G02B13/00
G02B13/18
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022101093
(22)【出願日】2022-06-23
(62)【分割の表示】P 2018095286の分割
【原出願日】2018-05-17
(65)【公開番号】P2022118219
(43)【公開日】2022-08-12
【審査請求日】2022-07-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000133227
【氏名又は名称】株式会社タムロン
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100082821
【弁理士】
【氏名又は名称】村社 厚夫
(72)【発明者】
【氏名】林 俊秀
(72)【発明者】
【氏名】大森 圭介
【審査官】瀬戸 息吹
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/130571(WO,A1)
【文献】特開2014-142604(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0313395(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 9/00 - 17/08
G02B 21/02 - 21/04
G02B 25/00 - 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体側から順に配置された、正の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、負の屈折力を有する第3レンズ群とから成り、開口絞りを有し、フォーカシング時に前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間隔、及び、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間隔が変化するように前記第2レンズ群が光軸に沿って移動し、前記第1レンズ群に凸レンズが2枚以上含まれ、前記第2 レンズ群に凸レンズが2枚以上含まれ、以下の条件式を満足することを特徴とする光学系。
0.50 ≦ |f3| / f ≦ 2.60 ・・・・・・( 2 )
1.55 ≦ |f3| / f2 ≦ 2.43 ・・・・・・( 5 )
1.12 ≦ oal / f ≦ 3.00 ・・・・・・・( 6 )
0.25 ≦ oal_s / oal_i ≦ 0.80・・・・・( 7 )
ただし、f3: 前記第3レンズ群の焦点距離
f: 当該光学系の焦点距離
f2: 前記第2レンズ群の焦点距離
oal: 前記第1レンズ群の最物体側面頂点から結像位置までの距離
oal_s: 前記第1レンズ群の最物体側面頂点から前記開口絞りまでの
距離
oal_i: 前記開口絞りから結像位置までの距離
【請求項2】
物体側から順に配置された、正の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、負の屈折力を有する第3レンズ群とから成り、開口絞りを有し、フォーカシング時に前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間隔、及び、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間隔が変化するように前記第2レンズ群が光軸に沿って移動し、前記第1レンズ群に凸レンズが2枚以上含まれ、前記第2 レンズ群に凸レンズが2枚以上含まれ、以下の条件式を満足することを特徴とする光学系。
0.50 ≦ |f3| / f ≦ 2.60 ・・・・・・( 2 )
1.55 ≦ |f3| / f2 ≦ 2.43 ・・・・・・( 5 )
0.65 ≦ oal / f ≦ 3.00 ・・・・・・・( 6 )
0.60 ≦ (1-β2 2 ) × β3 2 ≦ 2.50 ・・・( 8 )
0.25 ≦ oal_s / oal_i ≦ 0.80 ・・・・( 7 )
ただし、f3: 前記第3レンズ群の焦点距離
f: 当該光学系の焦点距離
f2: 前記第2レンズ群の焦点距離
oal: 前記第1レンズ群の最物体側面頂点から結像位置までの距離
β2: 無限遠合焦時の前記第2レンズ群の横倍率
β3: 無限遠合焦時の前記第3レンズ群の横倍率
oal_s: 前記第1レンズ群の最物体側面頂点から前記開口絞りまでの
の距離
oal_i: 前記開口絞りから結像位置までの距離
【請求項3】
以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光学系。
0.10 ≦ f2 / f1 ≦ 0.55 ・・・・・・( 3 )
ただし、f1: 前記第1 レンズ群の焦点距離
【請求項4】
以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の光学系。
0.20 ≦ |f3| / f1 ≦ 10.00 ・・・・・・( 4 )
ただし、f1: 前記第1 レンズ群の焦点距離
【請求項5】
前記第1レンズ群が物体側から順に正のレンズ部分群と負のレンズ部分群を有し、前記負のレンズ部分群を防振群として光軸に対して垂直に移動させることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の光学系。
【請求項6】
以下の条件式を満足することを特徴とする請求項5に記載の光学系。
0.35 ≦ |(1-β vc) × β r | ≦ 2.00 ・・・・( 9 )
ただし、β vc: 防振群の無限遠合焦時の横倍率
β r : 防振群より像側に配置された全てのレンズの無限遠合焦時の合成横倍率
【請求項7】
以下の条件式を満足することを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の光学系。
0.10 ≦ | fvc | / f ≦ 1.30 ・・・・・・・( 10 )
ただし、fvc: 防振群の焦点距離
【請求項8】
以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の光学系。
Nd_max ≧ 1.80 ・・・・・・・・・・・・( 11 )
ただし、Nd_max: 当該光学系の中で最も屈折率の高い硝材の屈折率
【請求項9】
請求項1から請求項8に記載の光学系と、該光学系によって形成された像を光電変換する撮像系とを有することを特徴とする撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学系及び撮像装置に関する。さらに詳しくは、本発明は、撮像素子用の結像レンズ等として好適に使用できる光学系及びそれを備えた撮像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、CCDやC-MOS等の撮像センサーの高性能化に伴い、その光学系として軽量、コンパクトかつ高解像な光学系及びそれを備えた撮像装置が求められている。
【0003】
動画撮影は、合焦状態を維持するためにフォーカスレンズを合焦位置の光軸前後方向に常に微小量動かす、ウォブリングと言われる作動を伴う。該ウォブリングは、常にフォーカスレンズを動かしているため、フォーカスレンズの移動による像倍率の変化が大きい場合には、画像が常に揺らいでいるように見えてしまい、非常に不自然となる。従って、動画対応のレンズに関しては、ウォブリング時の倍率変化を小さく抑えることが重要な項目の一つとなっている。
【0004】
また、動画撮影時には、被写体の動作に合わせてカメラの向きを変えたり、撮影者の移動が必要になったりする場合が多いため、像ぶれが発生しやすくなる。このため、動画撮影用の撮像レンズには、防振補正を担う防振レンズ群が備えられていることが好ましい。防振レンズ群を備える場合においても、効果的な防振補正を行うため、防振レンズ群を高速に駆動することを可能にすべく、防振レンズ群は、極力口径を小さくかつ軽量にすることが求められる。
【0005】
さらに、従来、光学像を受光して電気的な画像信号に変換する撮像センサーにおいては、オンチップマイクロレンズ等で入射光の効率的な取り込みをするための入射角度の制限があった。そのため、撮像レンズの射出瞳をある一定以上大きくして撮像センサーへの入射光束のテレセントリック性を確保することが望まれていた。しかしながら、近年の撮像センサーでは、開口効率の向上やオンチップマイクロレンズの入射角度に関する設計自由度に大きな進歩があり、撮影レンズに求められる射出瞳の制限も少なくなってきた。
【0006】
このため、従来の撮影レンズでは、光学系後方に正レンズを配置して、テレセントリック性を確保していたが、近年ではその必要がなくなってきた。その結果、撮像レンズの光学系の後方に負レンズを配置して撮像センサーに対する光束の斜入射があっても、オンチップマイクロレンズとの瞳のミスマッチ等による周辺減光すなわちシェーディングが目立ちにくくなってきた。
このように、必ずしも撮像センサーの入射光束のテレセントリック性の確保を必要としない現状においては、撮像センサーに対する光束の斜入射の許容の拡大が撮影レンズの小型化に有利になっている。
【0007】
一方、F2.8以下の明るいレンズを良好に収差補正する場合、主に球面収差及び軸上色収差を補正するために各レンズ群でのレンズ枚数を増やす必要性がでてくる。又、コンパクトで高性能な光学系を設計するためには、各レンズ群のパワーを最適にする必要がでてくる。
【0008】
先行技術の結像光学系として、フォーカスレンズ群を動画時のウォブリングに適した絞りより像側に配置しかつ最終レンズ群(最も像側のレンズ群)を負群とする、レンズ系の小型化に有利な光学系が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、この光学系は、全系の焦点距離に対する第1レンズ群のパワーが強く、球面収差や軸上色収差等の収差補正が難しい光学系となっている。また、防振レンズ群を備えていない。
【0009】
先行技術の他の結像光学系として、フォーカスレンズ群を動画時のウォブリングに適した絞りより像側に配置し、かつ最終レンズ群(最も像側のレンズ群)を負群としてレンズの小型化に有利な光学系が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかし、この光学系は、全系の焦点距離に対する第1レンズ群のパワーが弱く、光学全長が長くなっている。
【0010】
先行技術の他の結像光学系として、フォーカスレンズ群を動画時のウォブリングに適した絞りより像側に配置した光学系が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
しかし、最終レンズ群すなわち最も像側のレンズ群のパワーが弱く、第3レンズ群のレンズ径を小さくするのが難しい光学系となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】特開2014-145954号
【文献】特開2016-161644号
【文献】特開2014-142604号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであって、軽量、コンパクトかつ高解像な光学系及びそれを備えた撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は
物体側から順に配置された、正の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、負の屈折力を有する第3レンズ群とから成り、開口絞りを有し、フォーカシング時に前記第1レンズ群と前記第2レンズ群との間隔、及び、前記第2レンズ群と前記第3レンズ群との間隔が変化するように前記第2レンズ群が光軸に沿って移動し、前記第1レンズ群に凸レンズが2枚以上含まれ、前記第2レンズ群に凸レンズが2枚以上含まれ、以下の条件式を満足することを特徴とする光学系。
0.50 ≦|f3| / f ≦ 2.60 ・・・・・・(2)
1.55 ≦|f3| / f2 ≦2.43 ・・・・・・(5)
0.65 ≦oal / f ≦ 3.00 ・・・・・・・(6)
0.25 ≦oal_s / oal_i ≦ 0.80 ・・・・・(7)
ただし、f3:前記第3レンズ群の焦点距離
f:当該光学系の焦点距離
f2:前記第2レンズ群の焦点距離
oal:前記第1レンズ群の最物体側面頂点から結像位置までの距離
oal_s:前記第1レンズ群の最物体側面頂点から前記開口絞りまでの距離
oal_i:前記開口絞りから結像位置までの距離
である。
【0014】
本発明はまた、前記光学系と、該光学系によって形成された像を光電変換する撮像系とを有することを特徴とする撮像装置
である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、軽量、コンパクトかつ高解像な光学系及びそれを備えた撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1A】本発明の第1実施例の光学系の無限遠合焦状態の光学配置図である。
図1B】本発明の第1実施例の光学系の0.39m合焦状態の光学配置図である。
図2A】本発明の第1実施例の光学系の無限遠合焦状態の球面収差、非点収差、歪曲収差の縦収差図である。
図2B】本発明の第1実施例の光学系の0.39m合焦状態の球面収差、非点収差、歪曲収差の縦収差図である。
図3】本発明の第1実施例の光学系の無限遠合焦状態で像ブレ無し状態の横収差図である。
図4】本発明の第1実施例の光学系の無限遠合焦状態で+0.3°像ブレの補正状態の横収差図である。
図5】本発明の第1実施例の光学系の無限遠合焦状態の-0.3°像ブレの補正状態の横収差図である。
図6A】本発明の第2実施例の光学系の無限遠合焦状態の光学配置図である。
図6B】本発明の第2実施例の光学系の0.60m合焦状態の光学配置図である。
図7A】本発明の第2実施例の光学系の無限遠合焦状態の球面収差、非点収差、歪曲収差の縦収差図である。
図7B】本発明の第2実施例の光学系の0.60m合焦状態の球面収差、非点収差、歪曲収差の縦収差図である。
図8】本発明の第2実施例の光学系の無限遠合焦状態で像ブレ無し状態の横収差図である。
図9】本発明の第2実施例の光学系の無限遠合焦状態で+0.3°像ブレの補正状態の横収差図である。
図10】本発明の第2実施例の光学系の無限遠合焦状態の-0.3°像ブレの補正状態の横収差図である。
図11A】本発明の第3実施例の光学系の無限遠合焦状態の光学配置図である。
図11B】本発明の第3実施例の光学系の0.90m合焦状態の光学配置図である。
図12A】本発明の第3実施例の光学系の無限遠合焦状態の球面収差、非点収差、歪曲収差の縦収差図である。
図12B】本発明の第3実施例の光学系の0.90m合焦状態の球面収差、非点収差、歪曲収差の縦収差図である。
図13】本発明の第3実施例の光学系の無限遠合焦状態で像ブレ無し状態の横収差図である。
図14】本発明の第3実施例の光学系の無限遠合焦状態で+0.3°像ブレの補正状態の横収差図である。
図15】本発明の第3実施例の光学系の無限遠合焦状態の-0.3°像ブレの補正状態の横収差図である。
図16A】本発明の第4実施例の光学系の無限遠合焦状態の光学配置図である。
図16B】本発明の第4実施例の光学系の0.25m合焦状態の光学配置図である。
図17A】本発明の第4実施例の光学系の無限遠合焦状態の球面収差、非点収差、歪曲収差の縦収差図である。
図17B】本発明の第4実施例の光学系の0.25m合焦状態の球面収差、非点収差、歪曲収差の縦収差図である。
図18】本発明の第4実施例の光学系の無限遠合焦状態で像ブレ無し状態の横収差図である。
図19】本発明の第4実施例の光学系の無限遠合焦状態で+0.3°像ブレの補正状態の横収差図である。
図20】本発明の第4実施例の光学系の無限遠合焦状態の-0.3°像ブレの補正状態の横収差図である。
図21A】本発明の第5実施例の光学系の無限遠合焦状態の光学配置図である。
図21B】本発明の第5実施例の光学系の1.00m合焦状態の光学配置図である。
図22A】本発明の第5実施例の光学系の無限遠合焦状態の球面収差、非点収差、歪曲収差の縦収差図である。
図22B】本発明の第5実施例の光学系の1.00m合焦状態の球面収差、非点収差、歪曲収差の縦収差図である。
図23】本発明の第5実施例の光学系の無限遠合焦状態で像ブレ無し状態の横収差図である。
図24】本発明の第5実施例の光学系の無限遠合焦状態で+0.3°像ブレの補正状態の横収差図である。
図25】本発明の第5実施例の光学系の無限遠合焦状態の-0.3°像ブレの補正状態の横収差図である。
図26】本発明の実施例の撮像装置の構成説明である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明の実施の形態について説明する。ただし、以下に説明する当該光学系及びそれを備えた撮像装置の一態様であって、本件発明に係る光学系及び撮像装置は以下の態様に限定されるものではない。
【0018】
[光学系]
本発明の実施の形態の光学系の構成は、物体側から順に配置された、正の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折力を有する第2レンズ群と、負の屈折力を有する第3レンズ群とから成り、フォーカシング時に第2レンズ群が光軸に沿って移動し、第1レンズ群に凸レンズが2枚以上含まれ、第2レンズ群は2枚以上のレンズで構成され、所定の条件式を満足する。
【0019】
当該光学系においては、フォーカスレンズ群(第2レンズ群)の結像側に負レンズ群(第3レンズ群)を設けることによって容易に像倍率を高めることができる。その結果、小さな繰り出し量で至近物体への合焦が可能となり、かつ光学系第1面から結像位置までの距離、すなわち光学全長を短く(コンパクトに)することが可能となる。
【0020】
当該光学系においてはまた、第3レンズ群が負の屈折力を有するため、第3レンズ群の有効径を小さくすることが可能となり、光学系を軽量化することができる。
さらに、第1レンズ群に凸レンズを2枚以上使用して正のパワーを分散させることにより、球面収差を良好に補正することが可能となる。さらにまた、第2レンズ群を2枚以上のレンズから構成することにより、フォーカシング時の球面収差及び色収差の変動を抑制することが可能となる。
なお、フォーカスレンズ群は特に限定されるものではないが、凸レンズと凹レンズがそれぞれ1枚以上、又は凸レンズが2枚以上によって構成されることが望ましい。
【0021】
当該光学系では、上述した構成を採用するとともに、次に説明する条件式や構成を少なくとも1つ又はいずれか2つ以上を組み合わせて満足することが好ましい。
【0022】
当該光学系では、次の条件式を満たすことが好ましい。
1.90 ≦f1 / f ≦ 3.60 ・・・・・・(1)
ただし、f1:第1レンズ群の焦点距離、f:当該光学系の無限遠合焦時の焦点距離
条件式(1)は、光学全長を短縮しかつ第3レンズ群を小型化した状態で、高性能な光学系を設計可能とするための条件である。
条件式(1)の下限を下回った場合、第1レンズ群のパワーが強くなり過ぎて、球面収差の補正が難しくなり、高性能な光学系の設計が困難になる。条件式(1)の上限を上回った場合、第1レンズ群のパワーが弱くなり過ぎて、全長が長くなってしまう。
【0023】
条件式(1)は、好ましくは1.90 ≦f1 / f ≦ 3.45の範囲となる。この場合はより高性能でコンパクトな光学系が設計可能となる。
条件式(1)は、さらに好ましくは、1.90 ≦f1 / f ≦ 3.30の範囲となる。この場合はさらに高性能でコンパクトな光学系が設計可能となる。このとき、上述した範囲の上限又は下限のいずれか一方を満足していても、好ましい効果が期待できる。
【0024】
当該光学系では、次の条件式を満たすことが好ましい。
0.50 ≦|f3| / f ≦ 2.60 ・・・・・・(2)
ただし、f3:第3レンズ群の焦点距離、f:当該光学系の焦点距離
条件式(2)は、当該光学系を軽量化しかつ第3レンズ群を小型化した状態で、高性能な光学系を設計可能とするための条件である。
【0025】
条件式(2)の下限を下回った場合、第3レンズ群のパワーが強くなり過ぎて、像面湾曲の補正が困難になる。条件式(2)の上限を上回った場合、第3レンズ群のパワーが弱くなり過ぎて、第3レンズ群の有効径が大きくなってしまう。
【0026】
条件式(2)は、好ましくは0.70 ≦|f3| / f ≦ 2.50の範囲となる。この場合はより高性能でコンパクトな光学系が設計可能となる。
条件式(2)は、さらに好ましくは、0.80 ≦|f3| / f ≦ 2.40の範囲となる。この場合はさらに高性能でコンパクトな光学系が設計可能となる。このとき、上述した範囲の上限又は下限のいずれか一方を満足していても、好ましい効果が期待できる。
【0027】
当該光学系の構成及び条件式(2)を満足することによって、軽量、コンパクトかつ高解像な光学系を構成することができる。
【0028】
当該光学系では、以下の条件式(3)を満足することが好ましい。
0.10 ≦ f2 / f1 ≦ 0.55 ・・・・・・(3)
ただし、f1:第1レンズ群の焦点距離、f2:第2レンズ群の焦点距離
【0029】
条件式(3)を満足することで、高い光学性能を実現しつつ光学全長を短くすることが可能となる。
条件式(3)の下限を下回った場合、第2レンズ群のパワーが強くなり過ぎて、球面収差の補正が難しくなり、高性能な光学系の設計が困難になる。
条件式(3)の上限を上回った場合、第2レンズ群のパワーが弱くなり過ぎて倍率が小さくなるため、フォーカシング時の繰り出し量が大きくなり、光学全長が長くなってしまう。
【0030】
条件式(3)は、好ましくは0.13 ≦f2 / f1 ≦ 0.52の範囲となる。この場合はより高性能でコンパクトな光学系が設計可能となる。
条件式(3)は、さらに好ましくは、0.14 ≦f2 / f1 ≦ 0.48の範囲となる。この場合はさらに高性能でコンパクトな光学系が設計可能となる。このとき、上述した範囲の上限又は下限のいずれか一方を満足していても、好ましい効果が期待できる。
【0031】
当該光学系において、以下の条件式(4)を満足することが好ましい。
0.20 ≦ |f3| / f1 ≦ 10.00 ・・・・・・(4)
ただし、f1:第1レンズ群の焦点距離、f3:第3レンズ群の焦点距離
【0032】
条件式(4)を満足することで、高い光学性能を実現しつつ第3レンズ群の有効径を小さくすることが可能となる。
【0033】
条件式(4)の下限を下回った場合、第3レンズ群のパワーが強くなり過ぎて、像面湾曲の補正が難しくなり、高性能な光学系の設計が困難になる。
条件式(4)請求式の上限を上回った場合、第3レンズ群のパワーが弱くなり過ぎて、第3レンズ群の有効径が大きくなってしまう。
【0034】
条件式(4)は、好ましくは0.25 ≦|f3| / f1 ≦5.10の範囲となる。この場合はより高性能でコンパクトな光学系が設計可能となる。
条件式(4)は、さらに好ましくは、0.27 ≦ |f3| / f1 ≦3.00の範囲となる。この場合はさらに高性能でコンパクトな光学系が設計可能となる。
条件式(4)は、さらに好ましくは、0.30 ≦|f3| / f1 ≦2.00の範囲となる。この場合はさらに高性能でコンパクトな光学系が設計可能となる。このとき、上述した範囲の上限又は下限のいずれか一方を満足していても、好ましい効果が期待できる。
【0035】
当該光学系において、以下の条件式(5)を満足することが好ましい。
1.10 ≦ |f3| / f2 ≦ 12.00 ・・・・・・(5)
ただし、f2:第2レンズ群の焦点距離、f3:第3レンズ群の焦点距離
【0036】
条件式(5)を満たした場合、高い光学性能を実現しつつ第3レンズ群の有効径を小さくすることが可能となる。
【0037】
条件式(5)の下限を下回った場合、第3レンズ群のパワーが強くなり過ぎて、像面湾曲の補正が難しくなり、高性能な光学系の設計が困難になる。
条件式(5)の上限を上回った場合、第3レンズ群のパワーが弱くなり過ぎて、第3レンズ群の有効径が大きくなってしまう。
【0038】
条件式(5)は、好ましくは1.20 ≦ |f3| / f2 ≦ 7.30の範囲となる。この場合はより高性能でコンパクトな光学系が設計可能となる。
条件式(5)は、より好ましくは1.30 ≦ |f3| / f2 ≦ 6.00の範囲となる。この場合はより高性能でコンパクトな光学系が設計可能となる。
条件式(5)は、さらに好ましくは、1.40 ≦ |f3| / f2 ≦ 4.80の範囲となる。条件式(5)は、さらに好ましくは、1.55 ≦ |f3| / f2 ≦ 2.43の範囲となる。この場合はさらに高性能でコンパクトな光学系が設計可能となる。このとき、上述した範囲の
上限又は下限のいずれか一方を満足していても、好ましい効果が期待できる。
【0039】
当該光学系において、以下の条件式を満足することが好ましい。
0.65 ≦oal / f ≦ 3.00 ・・・・・・・(6)
ただし、oal:第1レンズ群の最物体側面頂点から結像位置までの距離、f:当該光学系の焦点距離
【0040】
条件式(6)を満たした場合、高い光学性能を実現しつつ光学全長を短縮化できる。
【0041】
条件式(6)の下限を下回った場合、各レンズ群のパワーが強くなり過ぎて、球面収差及び像面湾曲の補正が難しく、高性能な光学系の設計が困難となる。
条件式(6)の上限を上回った場合、各レンズ群のパワーが弱くなり過ぎて、光学全長が長くなってしまう。
【0042】
条件式(6)は、好ましくは0.74 ≦ oal / f ≦2.80の範囲となる。この場合はより高性能でコンパクトな光学系が設計可能となる。
条件式(6)は、さらに好ましくは、0.84 ≦ oal / f ≦2.55の範囲となる。この場合はさらに高性能でコンパクトな光学系が設計可能となる。
【0043】
当該光学系において、開口絞りを有し、以下の条件式を満足することが好ましい。
0.25 ≦oal_s / oal_i ≦ 0.80 ・・・・・(7)
ただし、oal_s:第1レンズ群の最物体側面頂点から開口絞りまでの距離、oal_i:開口絞りから結像位置までの距離
【0044】
条件式(7)を満たした場合、高い光学性能を実現しつつ第1レンズ群と第3レンズ群の有効径をバランス良く配置することが可能となる。
【0045】
条件式(7)の下限を下回った場合、物体側に開口絞りが寄り過ぎるため、第3レンズ群の有効径が大きくなり過ぎてしまう。又、周辺像高の光線をマウント部の光束通過径内に収めるのが難しくなる。
条件式(7)の上限を上回った場合、像側に開口絞りが寄り過ぎるため第1レンズ群の有効径が大きくなり過ぎてしまう。
【0046】
条件式(7)は、好ましくは0.28 ≦ oal_s / oal_i ≦ 0.73の範囲となる。この場合はより高性能な性能を実現しつつ第1レンズ群と第3レンズ群の有効径がバランス良く配置可能となる。
条件式(7)は、さらに好ましくは、0.32 ≦ oal_s / oal_i ≦ 0.67の範囲となる。この場合はさらに高い性能を実現しつつ第1レンズ群と第3レンズ群の有効径がバランス良く配置可能となる。このとき、上述した範囲の上限又は下限のいずれか一方を満足していても、好ましい効果が期待できる。
【0047】
なお、開口絞りは条件式(7)を満足する位置に配置されていれば、各レンズ群内、又は各レンズ群間の何れに配置されていてもよい。より好ましくは、第1レンズ群内または第1レンズ群と第2レンズ群の間に配置されることで、ウォブリングの駆動により好ましい。ここでいう開口絞りは、当該光学系のFナンバーを規定する開口絞りを指す。
【0048】
当該光学系において、以下の条件式を満足することが好ましい。
0.60 ≦(1-β22) ×β32≦ 2.50 ・・・・(8)
ただし、β2:無限遠合焦時の第2レンズ群の横倍率、β3:無限遠合焦時の第3レンズ群の横倍率
【0049】
条件式(8)を満たした場合、高い光学性能を実現しつつ光学全長の短縮化が可能となる。
【0050】
条件式(8)の下限を下回った場合、物体距離に変化に伴うフォーカスレンズ群の繰り出し量が大きくなり、光学全長を短縮化することが困難になる。
条件式(8)の上限を上回った場合、フォーカス群及び第3レンズ群のパワーが大きくなるため、球面収差及び像面湾曲の補正が難しくなる。
【0051】
条件式(8)は、好ましくは1.00 ≦ (1-β22) ×β32≦ 2.00の範囲となる。この場合はより高性能でコンパクトな光学系が設計可能となる。
条件式(8)は、さらに好ましくは、1.10 ≦ (1-β22) ×β32≦ 1.80の範囲となる。この場合はさらに高性能でコンパクトな光学系が設計可能となる。このとき、上述した範囲の上限又は下限のいずれか一方を満足していても、好ましい効果が期待できる。
【0052】
当該光学系第1レンズ群が物体側から順に正のレンズ部分群と負のレンズ部分群を有し、防振補正時に負のレンズ部分群を防振群として光軸に対して垂直に移動させることを特徴とする。
【0053】
当該光学系において、当該光学系の物体側に防振群を配置することにより、像倍率を高めやすくなり、少ない移動量で防振補正を行うことが可能となり、鏡筒径の小径化が可能となる。又、正のレンズ部分群の像側に配置された負のレンズ部分群を防振群とすることにより、光束が正のレンズ部分群で収束されるため、防振群のレンズ径を小さくすることが可能となる。
【0054】
当該光学系において、第1レンズ群に配置された負のレンズ部分群を防振群として光軸に対して垂直に移動させる場合、以下の条件式を満足することが好ましい。
0.35 ≦|(1-βvc) ×βr | ≦ 2.00 ・・・・(9)
ただし、βvc:防振群の無限遠合焦時の横倍率、βr :防振群より像側に配置された全てのレンズの無限遠合焦時の合成横倍率
【0055】
条件式(9)を満たした場合、防振時の高い光学性能を実現しつつレンズ径を小さくすることが可能となる。
【0056】
条件式(9)の下限を下回った場合、あるブレ補正角度に対する補正レンズのシフト補正量(移動量)が大きくなり、制御するアクチュエーターが大きくなるため、コンパクトな製品を作りづらくなる。
条件式(9)の上限を上回った場合、防振群のパワーが大きくなるため、球面収差及び像面湾曲の補正が困難になる。
【0057】
条件式(9)は、好ましくは0.40 ≦|(1-βvc) ×βr | ≦1.45の範囲となる。この場合はより高性能でコンパクトな光学系が設計可能となる。
条件式(9)は、さらに好ましくは、0.45 ≦|(1-βvc) ×βr | ≦1.35の範囲となる。この場合はさらに高性能でコンパクトな光学系が設計可能となる。このとき、上述した範囲の上限又は下限のいずれか一方を満足していても、好ましい効果が期待できる。
【0058】
当該光学系において、第1レンズ群に配置された負のレンズ部分群を防振群として光軸に対して垂直に移動させる場合、以下の条件式を満足することが好ましい。
0.10 ≦| fvc | / f ≦ 1.30 ・・・・・・・(10)
ただし、fvc:防振群の焦点距離、f:当該光学系の焦点距離
【0059】
条件式(10)を満たした場合、防振時においても高い光学性能を実現しつつレンズ径を小さくすることが可能となる。
【0060】
条件式(10)の下限を下回った場合、ある補正角度に対するシフト補正量が大きくなるため、制御するアクチュエーターが大きくなり、コンパクトな製品を作りづらくなる。 条件式(10)の上限を上回った場合、防振群のパワーが大きくなるため、収差補正が難しくなる。
【0061】
条件式(10)は、好ましくは0.14 ≦|fvc| / f ≦1.20の範囲となる。この場合はより高性能でコンパクトな光学系が設計可能となる。
条件式(10)は、さらに好ましくは、0.15 ≦|fvc| / f ≦1.10 の範囲となる。この場合はさらに高性能でコンパクトな光学系が設計可能となる。このとき、上述した範囲の上限又は下限のいずれか一方を満足していても、好ましい効果が期待できる。
【0062】
当該光学系において、以下の条件式を満足することが好ましい。
Nd_max ≧1.80 ・・・・・・・・・・・・(11)
ただし、Nd_max:光学系の中で最も屈折率の高い硝材の屈折率
【0063】
条件式(11)を満たした場合、高性能を実現しつつ光学全長を短くすることが可能となる。
【0064】
条件式(11)の下限を下回った場合、レンズの曲率が大きくなり過ぎてしまい、球面収差の補正が難しくなる。
【0065】
条件式(11)は、好ましくはNd_max ≧1.83の範囲となる。この場合はより高い性能をだしつつ光学全長を短くすることが可能となる。
条件式(11)は、さらに好ましくは、Nd_max ≧1.85の範囲となる。この場合はさらに高い性能をだしつつ光学全長を短くすることが可能となる。このとき、条件式(11)の値は大きいほど好ましいが、上限を設定する場合は、10.00以下であることが好ましく、5.00以下であることがより好ましく、2.50以下であることがさらにより好ましい。
【0066】
[撮像装置]
次に、本発明に係る撮像装置について説明する。本発明に係る撮像装置は、上記本発明に係る光学系と、光学系によって形成された像を光電変換する撮像素子とを有することを特徴とする撮像装置である。
【0067】
本発明に係る撮像装置においては、軽量、コンパクトかつ高解像な光学系を備えた撮像装置を構成することができる。
【0068】
[数値実施例]
次に、実施例に示して本発明を具体的に説明する。ただし、本件発明は以下の実施例に限定されるものではない。各レンズ断面図において、図面に向かって左方が物体側、右方が像面側である。
【0069】
以下に示す数値実施例において、No.は物体側から順次付される面番号であり、Rはその面の曲率半径を示し、Dは間隔または厚さを示し、Ndはd線に対する屈折率を示し、ABVはd線に対するアッベ数を示し、ASPHは当該レンズ面が非球面であることを示し、STOPは開口絞りを示す。各表中の長さの単位は全て「mm」であり半画角の単位は「°」である。
全体諸元において、Fは焦点距離を示し、FnoはFナンバーを示し、Wは半画角を示し、D(n)は可変間隔であるn番目の面の間隔を示す。D(0)は被写体から第1面までの間隔を表す。「INF」は無限遠合焦状態を表す。
非球面は、面番号の横に「ASPH」と記載され、非球面形状を以下の式1で定義した非球面係数で表す。ただし、式1において「Z」は光軸方向の基準面からの変位量、「r」は近軸曲率半径、「h」は光軸方向に垂直な方向の光軸からの高さ、「k」は円錐係数、「A」はn次の非球面係数とする。
【数1】
【0070】
これらの表に関する事項は他の実施例で示す各表においても同様であるため、他の実施例では説明を省略する。
【0071】
(第1実施例)
第1実施例の光学系は、図1に示すように、物体側から、正の屈折力を持つ第1レンズ群LG1と、開口絞りStと、正の屈折力を持つ第2レンズ群LG2と、負の屈折力を持つ第3レンズ群LG3とから成る。Imは結像面である。フォーカシングは、第2レンズ群LG2を光軸Oに沿って移動させて行う。像ブレ補正は、第1レンズ群LG1内の結像側の防振群LV1を光軸Oと直交する方向へ移動させて行う。
【0072】
図1A図1Bは、それぞれ第1実施例の光学系の無限遠合焦時と近距離合焦時の断面図である。図2A図2Bは、それぞれ第1実施例の無限遠合焦時と近距離合焦時の球面収差(mm)、非点収差(mm)及び歪曲収差(%)を示す図である。
球面収差図において、縦軸は像高をとり、実線はd線(587.5618nm)、破線はC線(656.2725nm)、長破線はF線(486.1327nm)を表す。非点収差図において、縦軸は像高をとり、実線がサジタル方向(X)、四点鎖線がメリジオナル方向(Y)を表す。歪曲収差図において、縦軸は像高をとる。図3は無限遠合焦時の横収差図を示す図であり、図4は+0.3°像ブレの補正状態の横収差図を示す図であり、図5は-0.3°像ブレの補正状態の横収差図を示す図である。各横収差図において、上から各像高(半画角)毎に、左側にメリジオナル方向(Y-FAN)の横収差、右側にサジタル方向(X-FAN)の横収差を表す。これらの横収差図において、実線はd線(587.5618nm)、破線はC線(656.2725nm)、長破線はF線(486.1327nm)を表す。
各収差図に関する事項は、他の実施例においても同様であるため、説明を省略する。
【0073】
第1実施例の光学系の面データ等は以下の通りである。
No. R D Nd ABV
1 -34.7115 1.5000 1.68893 31.16
2 33.3986 0.6613
3 36.2462 7.3715 1.88100 40.14
4 -46.2813 0.1500
5 42.7312 3.7265 1.88100 40.14
6 503.8964 3.8441
7 -266.7179 1.0000 1.70154 41.15
8 48.3949 5.8247
9STOP 0.0000 D(9)
10 -18.2954 0.9000 1.75520 27.53
11 -99.2281 0.1778
12 71.7786 4.2000 1.74400 44.90
13 -32.1501 6.2121
14ASPH 1600.0000 3.4000 1.85135 40.10
15ASPH -41.8560 D(15)
16 -80.3856 1.1000 1.74077 27.76
17 114.9663 14.8193
18 0.0000 2.5000 1.51680 64.20
19 0.0000 1.0000
【0074】
第1実施例の光学系の全体諸元は以下の通りである。
F 49.9833 48.4311 45.6545 43.5921
Fno 2.6093 2.6122 2.6766 2.7802
W 23.1943 23.1920 23.0731 22.8720
D(0) INF 1483.6742 486.8159 309.7141
D(9) 11.6925 10.5037 8.2339 6.4152
D(15) 12.5659 13.7547 16.0244 17.8434
【0075】
第1実施例の光学系の式1の非球面係数は以下の通りである。
No. K A4 A6 A8 A10
14 1.00000E-00 4.50903E-06 6.30256E-09 3.83559E-10 -2.47519E-13
15 -2.57828E-01 1.55747E-05 1.05908E-08 3.57693E-10 1.14641E-13
【0076】
(第2実施例)
第2実施例の光学系は、図6に示すように、物体側から、正の屈折力を持つ第1レンズ群LG1と、開口絞りStと、正の屈折力を持つ第2レンズ群LG2と、負の屈折力を持つ第3レンズ群LG3とから成る。Imは結像面である。フォーカシングは、第2レンズ群LG2を光軸Oに沿って移動させて行う。像ブレ補正は、第1レンズ群LG1内の結像側の像ブレ補正レンズ群LV1を光軸Oと直交する方向へ移動させて行う。
【0077】
第2実施例の光学系の面データ等は以下の通りである。
No. R D Nd ABV
1 33.0733 4.8465 1.59349 67.00
2 1189.5502 0.1500
3 16.5026 3.5321 1.88100 40.14
4 20.8595 0.1500
5 17.2248 1.3000 1.80518 25.46
6 11.7987 6.9293
7 -381.7220 0.9223 1.91082 35.25
8 40.8638 5.3291
9STOP 0.0000 D(9)
10 -20.9712 1.0000 1.78472 25.72
11 -29.8336 1.8548
12 47.9400 4.2000 1.51742 52.15
13 -59.1048 10.9248
14ASPH 88.7585 3.4000 1.76802 49.24
15ASPH -92.8899 D(15)
16 -664.8878 1.1000 1.49700 81.61
17 51.5709 27.4032
18 0.0000 2.5000 1.51680 64.20
19 0.0000 1.0000
【0078】
第2実施例の光学系の全体諸元は以下の通りである。
F 78.8596 76.4902 72.2186 69.1983
Fno 2.8545 2.8742 2.9429 3.0388
W 15.1336 14.9873 14.5638 14.1307
D(0) INF 2348.0930 778.6814 511.4999
D(9) 10.0606 8.4564 5.3642 3.0044
D(15) 1.8975 3.5017 6.5939 8.9537
【0079】
第2実施例の光学系の式1の非球面係数は以下の通りである。
No. K A4 A6 A8 A10
14 -8.17614E-01 -2.90135E-06 -4.00456E-08 2.79803E-10 -7.57204E-13
15 8.54276E-01 2.90687E-06 -4.68117E-08 3.16854E-10 -8.02063E-13
【0080】
(第3実施例)
第3実施例の光学系は、図11に示すように、物体側から、正の屈折力を持つ第1レンズ群LG1と、開口絞りStと、正の屈折力を持つ第2レンズ群LG2と、負の屈折力を持つ第3レンズ群LG3とから成る。Imは結像面である。フォーカシングは、第2レンズ群LG2を光軸Oに沿って移動させて行う。像ブレ補正は、第1レンズ群LG1内の結像側の像ブレ補正レンズ群LV1を光軸Oと直交する方向へ移動させて行う。
【0081】
第3実施例の光学系の面データ等は以下の通りである。
No. R D Nd ABV
1 46.5358 5.1918 1.59349 67.00
2 298.9893 0.1500
3 28.0057 5.4676 1.49700 81.61
4 66.8530 0.5157
5 18.1380 5.8881 1.49700 81.61
6 36.9029 0.1500
7 33.9899 1.3000 1.80610 40.73
8 13.6309 7.3516
9 6354.3596 0.9000 1.88100 40.14
10 47.2342 4.2031
11STOP 0.0000 D(11)
12 -30.3125 0.9000 1.88100 40.14
13 -79.7987 0.1500
14 39.0595 2.8535 1.56732 42.84
15 -82.0634 13.7342
16ASPH 40.0863 3.2632 1.76802 49.24
17ASPH 490.9565 D(17)
18 -211.0633 1.1000 1.51680 64.20
19 63.9612 27.6809
20 0.0000 2.5000 1.51680 64.20
21 0.0000 1.0000
【0082】
第3実施例の光学系の全体諸元は以下の通りである。
F 104.9887 100.3831 92.5082 89.5415
Fno 2.8961 2.9117 3.0806 3.1799
W 11.4568 11.3623 11.0127 10.8236
D(0) INF 3111.5594 1027.0536 801.9998
D(11) 11.2941 9.0177 4.7538 3.0088
D(17) 2.4062 4.6826 8.9465 10.6916
【0083】
第3実施例の光学系の式1の非球面係数は以下の通りである。
No. K A4 A6 A8 A10
16 -9.80022E-01 2.58047E-06 1.18213E-08 0.00000E+00 0.00000E+00
17 1.00000E+00 9.02788E-06 1.30612E-08 0.00000E+00 0.00000E+00
【0084】
(第4実施例)
第4実施例の光学系は、図16に示すように、物体側から、正の屈折力を持つ第1レンズ群LG1と、開口絞りStと、正の屈折力を持つ第2レンズ群LG2と、負の屈折力を持つ第3レンズ群LG3とから成る。Imは結像面である。フォーカシングは、第2レンズ群LG2を光軸Oに沿って移動させて行う。像ブレ補正は、第1レンズ群LG1内の結像側の像ブレ補正レンズ群LV1を光軸Oと直交する方向へ移動させて行う。
【0085】
第4実施例の光学系の面データ等は以下の通りである。
No. R D Nd ABV
1 -69.6131 1.5000 1.74077 27.76
2 30.9246 3.6162
3 86.5874 7.3571 2.00100 29.13
4 -46.7656 0.3816
5 -43.9890 1.1000 1.71736 29.50
6 487.7806 0.1500
7 34.4213 8.5437 1.88100 40.14
8 -82.7348 2.0614
9 -517.2436 1.0000 1.64769 33.84
10 56.6506 6.0383
11STOP 0.0000 D(11)
12 25.6502 3.5520 1.88100 40.14
13 -89.7741 0.9000 1.69895 30.05
14 23.0880 4.3959
15 -18.7742 0.9000 1.84666 23.78
16 -94.2681 0.1500
17 79.6630 4.2000 1.88100 40.14
18 -39.5481 4.1917
19ASPH -428.2672 3.4000 1.88202 37.22
20ASPH -33.2715 D(20)
21 -92.0700 1.1000 1.75520 27.53
22 184.4087 14.8000
23 0.0000 2.5000 1.51680 64.20
24 0.0000 1.0000
【0086】
第4実施例の光学系の全体諸元は以下の通りである。
F 36.0396 35.2675 33.8444 31.9661
Fno 1.8823 1.8813 1.9199 2.0372
W 30.7315 30.7624 30.7261 30.4572
D(0) INF 1063.2179 344.0472 166.2197
D(11) 8.1774 7.2624 5.4988 3.0019
D(20) 2.7645 3.6795 5.4431 7.9403
【0087】
第4実施例の光学系の式1の非球面係数は以下の通りである。
No. K A4 A6 A8 A10
19 -1.00000E-00 -8.35012E-06 -7.80434E-08 7.98061E-10 -6.01616E-13
20 1.65791E-01 1.43150E-05 -7.67519E-08 7.12453E-10 -5.70846E-14
【0088】
(第5実施例)
第5実施例の光学系は、図21に示すように、物体側から、正の屈折力を持つ第1レンズ群LG1と、開口絞りStと、正の屈折力を持つ第2レンズ群LG2と、負の屈折力を持つ第3レンズ群LG3とから成る。Imは結像面である。フォーカシングは、第2レンズ群LG2を光軸Oに沿って移動させて行う。像ブレ補正は、第1レンズ群LG1内の結像側の像ブレ補正レンズ群LV1を光軸Oと直交する方向へ移動させて行う。
【0089】
第5実施例の光学系の面データ等は以下の通りである。
No. R D Nd ABV
1 41.5820 5.1263 1.59349 67.00
2 168.5283 0.1500
3 29.3476 4.9477 1.49700 81.61
4 62.1908 2.9401
5 17.8099 5.4414 1.49700 81.61
6 35.6666 0.1500
7 35.3919 1.3000 1.80610 40.73
8 13.8675 6.4329
9 603.5398 0.9000 1.88100 40.14
10 44.5629 4.3414
11STOP 0.0000 D(11)
12ASPH 30.7447 2.5839 1.58313 59.46
13ASPH 63.0188 18.1002
14ASPH 97.4225 3.2514 1.68893 31.16
15ASPH -108.5239 D(15)
16 -941.5845 1.3000 1.88100 40.14
17 101.5513 24.3079
18 0.0000 2.5000 1.51680 64.20
19 0.0000 1.0000
【0090】
第5実施例の光学系の全体諸元は以下の通りである。
F 105.0016 101.0394 94.0739 92.2995
Fno 2.8622 2.9089 3.1499 3.2154
W 11.5959 11.3559 10.7823 10.6052
D(0) INF 3143.4071 1057.5649 894.8918
D(11) 10.8957 8.5769 4.1457 2.9363
D(15) 1.7991 4.1179 8.5491 9.7586
【0091】
第5実施例の光学系の式1の非球面係数は以下の通りである。
No. K A4 A6 A8 A10
12 0.00000E+00 -2.29200E-05 -1.49666E-07 5.61022E-12 -5.19720E-12
13 0.00000E+00 -2.12453E-05 -1.43301E-07 -2.15666E-10 -3.62219E-12
14 0.00000E+00 -3.60916E-06 -3.05259E-08 0.00000E+00 0.00000E+00
15 0.00000E+00 -1.87582E-06 -2.75045E-08 0.00000E+00 0.00000E+00
【0092】
以下に、各実施例における条件式の値を示す
実施例 1 2 3 4 5
(1)f1/f 1.90 3.00 2.00 2.20 2.92
(2)|f3|/f 1.27 1.22 0.90 2.25 0.99
(3)f2/f1 0.43 0.17 0.23 0.43 0.16
(4)|f3|/f1 0.67 0.41 0.45 1.02 0.34
(5)|f3|/f2 1.55 2.43 2.00 2.36 2.12
(6)oal/f 1.65 1.12 0.93 2.32 0.93
(7)oal_s/oal_i 0.41 0.35 0.47 0.61 0.48
(8)(1-β22)×β32 1.36 1.61 1.50 1.28 1.47
(9)|(1-βvc)×βr | 0.80 1.20 1.00 0.50 1.00
(10)|fvc|/f 0.61 0.17 0.26 0.99 0.18
(11)nd_max 1.88 1.88 1.88 2.00 1.88
【0093】
以下に、各実施例のレンズ群の焦点距離を示す。
実施例 1 2 3 4 5
f1 95.00 236.60 210.00 79.38 307.061
f2 41.01 39.61 47.49 34.36 49.0556
f3 -63.71 -96.25 -94.85 -81.18 -103.9855
【0094】
本発明の実施例の撮像装置は、図26に示すように、実施例1の光学系100と、該光学系100の結像面Imに配置されて該光学系100が形成する結像を光電変換する光撮像素子PDを備えた撮像系200と、光学系100を撮像系200に着脱可能にあるいは固着的に装着するマウント部Mとを有する。撮像素子PDの直前には、赤外線カットフィルター、ローパスフィルター等のフィルターFが配置されている。
【符号の説明】
【0095】
LG1 第1レンズ群
LG2 第2レンズ群
LG3 第3レンズ群
St 開口絞り
Im 結像面
PD 撮像素子
図1A
図1B
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図13
図14
図15
図16A
図16B
図17A
図17B
図18
図19
図20
図21A
図21B
図22A
図22B
図23
図24
図25
図26