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特許7431289ユビキチンC末端ヒドロラーゼL1(UCH-L1)およびグリア線維酸性タンパク質(GFAP)に対する抗体および関連する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-05
(45)【発行日】2024-02-14
(54)【発明の名称】ユビキチンC末端ヒドロラーゼL1(UCH-L1)およびグリア線維酸性タンパク質(GFAP)に対する抗体および関連する方法
(51)【国際特許分類】
   C12N 15/13 20060101AFI20240206BHJP
   C07K 16/40 20060101ALI20240206BHJP
   C07K 16/18 20060101ALI20240206BHJP
   C12N 15/63 20060101ALI20240206BHJP
   C12N 1/15 20060101ALI20240206BHJP
   C12N 1/19 20060101ALI20240206BHJP
   C12N 1/21 20060101ALI20240206BHJP
   C12N 5/10 20060101ALI20240206BHJP
   C12P 21/08 20060101ALI20240206BHJP
   G01N 33/543 20060101ALI20240206BHJP
   G01N 33/53 20060101ALI20240206BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20240206BHJP
   A61K 39/395 20060101ALI20240206BHJP
【FI】
C12N15/13
C07K16/40 ZNA
C07K16/18
C12N15/63 Z
C12N1/15
C12N1/19
C12N1/21
C12N5/10
C12P21/08
G01N33/543 501A
G01N33/53 D
G01N33/543 545A
A61P25/00
A61K39/395 N
【請求項の数】 27
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022127035
(22)【出願日】2022-08-09
(62)【分割の表示】P 2019523743の分割
【原出願日】2017-10-27
(65)【公開番号】P2022166139
(43)【公開日】2022-11-01
【審査請求日】2022-08-18
(31)【優先権主張番号】62/414,569
(32)【優先日】2016-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510275172
【氏名又は名称】バンヤン・バイオマーカーズ・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100113376
【弁理士】
【氏名又は名称】南条 雅裕
(74)【代理人】
【識別番号】100179394
【弁理士】
【氏名又は名称】瀬田 あや子
(74)【代理人】
【識別番号】100185384
【弁理士】
【氏名又は名称】伊波 興一朗
(74)【代理人】
【識別番号】100137811
【弁理士】
【氏名又は名称】原 秀貢人
(72)【発明者】
【氏名】カタニア マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ヘイズ ロナルド エル.
【審査官】太田 雄三
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/157300(WO,A1)
【文献】国際公開第2011/011334(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2014/0342381(US,A1)
【文献】STEFANIA MONDELLO,CLINICAL UTILITY OF SERUM LEVELS OF UBIQUITIN C-TERMINAL HYDROLASE AS A BIOMARKER FOR SEVERE TRAUMATIC BRAIN INJURY,NEUROSURGERY,米国,2012年03月,Vol. 70,No. 3,p. 1-19(666-675),https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3288385/pdf/nihms330663.pdf
【文献】N N,CATALOGUE# MCA-BH7: MOUSE MONOCLONAL ANTIBODY TO UBIQUITIN C-TERMINAL HYDROLASE 1,ENCOR BIOTECHNOLOGY,2014年06月23日,p. 1-2,http://encorbio.com/Datasheet/MCA-BH7 Product Data Sheet.pdf
【文献】SANKIEWICZ ANNA,DEVELOPMENT OF SURFACE PLASMON RESONANCE IMAGING BIOSENSORS FOR DETECTION OF UBIQUITIN CARBOXYL-TERMINAL HYDROLASE L1,ANALYTICAL BIOCHEMISTRY,NL,ELSEVIER,2014年10月13日,Vol. 469,p. 4 - 11,http://dx.doi.org/10.1016/j.ab.2014.09.021
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N 15/00
C07K 16/00
G01N 33/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトユビキチンC末端ヒドロラーゼL1(UCH-L1)に特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントであって、
前記抗体または抗原結合フラグメントは:
(a)配列番号51のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および、配列番号64のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(b)配列番号52のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および、配列番号65のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(c)配列番号53のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および、配列番号66のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(d)配列番号54のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および、配列番号67のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(e)配列番号55のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および、配列番号68のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(f)配列番号56のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および、配列番号69のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(g)配列番号57のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および、配列番号70のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(h)配列番号58のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および、配列番号71のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(i)配列番号59のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および、配列番号72のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(j)配列番号60のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および、配列番号73のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(k)配列番号61のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および、配列番号74のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(l)配列番号62のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および、配列番号75のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;または
(m)配列番号63のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および、配列番号76のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む、
抗体または抗原結合フラグメント。
【請求項2】
請求項1の抗体または抗原結合フラグメントであって、
前記抗体または抗原結合フラグメントは、約5.0×10-10M未満の平衡解離定数(K)でUCH-L1に結合する、
抗体または抗原結合フラグメント。
【請求項3】
請求項1または2の抗体または抗原結合フラグメントであって、
前記抗体または抗原結合フラグメントは、約1.0×10-12M未満の平衡解離定数(K)でUCH-L1に結合する、
抗体または抗原結合フラグメント。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項の抗体または抗原結合フラグメントであって、
前記抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号207において示されるアミノ酸位置に対応する、UCH-L1タンパク質の残基28~36、UCH-L1タンパク質の残基98~106、UCH-L1タンパク質の残基138~145、および/またはUCH-L1タンパク質の残基142~149内のまたはそれであるまたはそれを含むエピトープに結合する、
抗体または抗原結合フラグメント。
【請求項5】
請求項4の抗体または抗原結合フラグメントであって、
前記抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号207において示されるアミノ酸位置に対応するUCH-L1タンパク質の残基98~106内のまたはそれであるまたはそれを含むエピトープに結合する、
抗体または抗原結合フラグメント。
【請求項6】
請求項5の抗体または抗原結合フラグメントであって、
前記抗体または抗原結合フラグメントは、
(a)配列番号1、配列番号9および配列番号20のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および、配列番号28、配列番号37および配列番号45のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(b)配列番号3、配列番号11および配列番号20のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および、配列番号30、配列番号37および配列番号45のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;または
(c)配列番号1、配列番号19および配列番号20のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および、配列番号28、配列番号37および配列番号50のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む、
抗体または抗原結合フラグメント。
【請求項7】
請求項6の抗体または抗原結合フラグメントであって、
前記抗体または抗原結合フラグメントは、
(a)配列番号51のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および配列番号64のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(b)配列番号53のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および配列番号66のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;または
(c)配列番号63のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および配列番号76のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む、
抗体または抗原結合フラグメント。
【請求項8】
請求項4の抗体または抗原結合フラグメントであって、
前記抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号207に示されるUCH-L1のアミノ酸位置に対応するUCH-L1タンパク質の残基28~36内のまたはそれであるまたはそれを含むエピトープに結合する、
抗体または抗原結合フラグメント。
【請求項9】
請求項8の抗体または抗原結合フラグメントであって、
前記抗体または抗原結合フラグメントは、
(a)配列番号2、配列番号10および配列番号21のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および、配列番号29、配列番号38および配列番号46のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(b)配列番号6、配列番号14および配列番号24のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および、配列番号33、配列番号40および配列番号48のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(c)配列番号6、配列番号14および配列番号24のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および、配列番号34、配列番号41および配列番号48のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(d)配列番号6、配列番号15および配列番号24のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および、配列番号34、配列番号42および配列番号48のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(e)配列番号6、配列番号14および配列番号24のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および、配列番号35、配列番号41および配列番号48のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(f)配列番号6、配列番号16および配列番号25のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および、配列番号34、配列番号42および配列番号48のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(g)配列番号7、配列番号17および配列番号26のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および、配列番号36、配列番号43および配列番号49のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;または
(h)配列番号8、配列番号18および配列番号27のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および、配列番号36、配列番号44および配列番号49のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む、
抗体または抗原結合フラグメント。
【請求項10】
請求項9の抗体または抗原結合フラグメントであって、
前記抗体または抗原結合フラグメントは、
(a)配列番号52のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および、配列番号65のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(b)配列番号56のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および、配列番号69のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(c)配列番号57のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および、配列番号70のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(d)配列番号58のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および、配列番号71のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(e)配列番号59のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および、配列番号72のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(f)配列番号60のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および、配列番号73のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(g)配列番号61のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および、配列番号74のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;または
(h)配列番号62のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および、配列番号75のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む、
抗体または抗原結合フラグメント。
【請求項11】
請求項4の抗体または抗原結合フラグメントであって、
前記抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号207において示されるアミノ酸位置に対応するUCH-L1タンパク質の残基138~145内のまたはそれであるまたはそれを含むエピトープに結合する、
抗体または抗原結合フラグメント。
【請求項12】
請求項11の抗体または抗原結合フラグメントであって、
前記抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号4、配列番号12および配列番号22のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および、配列番号31、配列番号39および配列番号47のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、
抗体または抗原結合フラグメント。
【請求項13】
請求項12の抗体または抗原結合フラグメントであって、
前記抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号54のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および、配列番号67のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む、
抗体または抗原結合フラグメント。
【請求項14】
請求項4の抗体または抗原結合フラグメントであって、
前記抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号207において示されるアミノ酸位置に対応するUCH-L1タンパク質の残基142~149内のまたはそれであるまたはそれを含むエピトープに結合する、
抗体または抗原結合フラグメント。
【請求項15】
請求項14の抗体または抗原結合フラグメントであって、
前記抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号5、配列番号13および配列番号23のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および、配列番号32、配列番号39および配列番号47のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む、
抗体または抗原結合フラグメント。
【請求項16】
請求項15の抗体または抗原結合フラグメントであって、
前記抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号55のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および、配列番号68のアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む、
抗体または抗原結合フラグメント。
【請求項17】
請求項1から16のいずれか一項の抗体または抗原結合フラグメントをコードする、
核酸。
【請求項18】
請求項17の核酸を含む、
ベクター。
【請求項19】
請求項17の核酸または請求項18のベクターを含む、
宿主細胞。
【請求項20】
抗体またはその抗原結合フラグメントを生産する方法であって、
前記抗体または抗原結合フラグメントを生産する条件下で請求項19の宿主細胞を培養するステップを含む、
方法。
【請求項21】
請求項1から16のいずれか一項の抗体または抗原結合フラグメントおよび薬学的に許容できる担体を含む、
組成物。
【請求項22】
請求項1から16のいずれか一項の2以上の抗体またはその抗原結合フラグメントを含む、
キット
【請求項23】
請求項22のキットであって、
前記の2以上の抗体または抗原結合フラグメントは、
UCH-L1内の第一のエピトープまたは領域に結合する1つまたは複数の第一の抗体またはその抗原結合フラグメント;および
UCH-L1内の第二のエピトープまたは領域に結合する1つまたは複数の第二の抗体またはその抗原結合フラグメントを含む、
キット
【請求項24】
請求項23のキットであって、
前記の1つまたは複数の第一の抗体またはその抗原結合フラグメント、および、前記の1つまたは複数の第二の抗体またはその抗原結合フラグメントは、ヒトUCH-L1の非オーバーラップのエピトープまたは領域に結合する、および/または、UCH-L1に対する結合に関して競合しない、
キット
【請求項25】
ヒト対象においてUCH-L1を検出する方法であって、
前記方法は、
(a)請求項1から16のいずれか1つの1つまたは複数の第一の抗体または抗原結合フラグメントと前記ヒト対象から単離されたサンプルを、前記抗体または抗原結合フラグメントおよびUCH-L1を含む複合体を形成する条件下で接触させるステップ;および
(b)前記サンプル中の前記複合体の存在または不存在を検出して、それにより、前記サンプル中のUCH-L1を検出するステップ、
を含む、
方法。
【請求項26】
請求項25の方法であって、
ステップ(b)において前記複合体の存在または不存在を検出するステップは、
(i)前記複合体においてUCH-L1に結合する条件下で、1つまたは複数の第二の抗体またはその抗原結合フラグメントとステップ(a)の複合体を接触させるステップ、前記の1つまたは複数の第二の抗体またはその抗原結合フラグメントは、検出可能なシグナルを生産することが可能な標識にコンジュゲートされる;および
(ii)前記の検出可能なシグナルの存在または不存在を評価するステップ、
を含む、
方法。
【請求項27】
請求項25または26の方法であって、
(c)前記サンプルにおいて検出されるUCH-L1の量を決定するステップをさらに含む、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2016年10月28日に出願された、「Antibodies to Ubiquitin C-Terminal Hydrolase(UCH-L1) and Glial Fibrillary Acidic Protein(GFAP) and Related Methods」と題された米国仮出願番号62/414,569の優先権を主張するものであり、その内容は、それらの全体で参照により援用される。
【0002】
[ASCIIテキストファイル上の配列リストの提出]
ASCIIテキストファイル上の以下:配列リストのコンピューターで読み込み可能な形式(CRF)(ファイル名:750582000140SeqList.txt、記録日:2017年10月23日、サイズ:133,320バイト)の提出の内容は、その全体で参照により本明細書中に援用される。
【0003】
[本発明の分野]
本開示は、抗-UCH-L1抗体および抗-GFAP抗体、ならびに、例えば、個体における脳の傷害を診断するための、例えば、脳の傷害を有するまたは有する疑いがある個体由来のサンプルにおいて、UCH-L1およびGFAPを検出するための、方法、システムおよびキットに関する。
【背景技術】
【0004】
非常に多くのタイプの傷害、疾患および障害が、神経損傷をもたらし得て、迅速に検出されない場合は、より重度の損傷をもたらし得る。例えば、外傷性、虚血性、および神経毒性の化学的外傷によって生じる最初の傷害は、神経損傷をもたらし得る。神経細胞(または他の脳細胞、例えばグリア細胞)に影響する疾患または障害もまた、神経状態の発生をもたらす傷害または損傷をもたらし得る。神経状態を診断するための一般的な方法は、通常、神経学的試験を伴い、個体に対してグラスゴー・コーマ・スコアを割り当てる。これらの方法は、価値が制限されていて、しばしば、試験の主観性、および、所望の結果を達成するためにそれらの真の応答を故意に変更する患者の能力に起因する、ニュアンス的な(nuanced)診断を防止する。損傷または傷害から生じる神経状態の診断を得るために、コンピューター断層撮影(CT)および磁気共鳴イメージング(MRI)のような神経画像処理が、傷害の範囲および介入に関する潜在性を決定するのを助けるために広く用いられる。しかしながら、これらの試験は費用が高く、時間が消費されて、バイオマーカー試験ほど感度が高くない可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、神経状態を有する、神経状態を有する疑いがある、または、神経状態が発生する個体において、損傷または傷害を検出する試薬、デバイスおよび方法に関する必要性が残っている。特に、個体における損傷の迅速および/または早期のインビトロ検出を可能にする試薬、デバイスおよび方法は、神経状態の進行を予防または減らす治療および診断を促進することができる。本明細書において、そのような必要性を満たす実施態様が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書において、抗-ユビキチンC末端ヒドロラーゼL1(UCH-L1)抗体およびグリア線維酸性タンパク質(GFAP)抗体が提供されて、その抗原結合フラグメント、そのような抗体または抗原結合フラグメントを含む組成物、そのような抗体または抗原結合フラグメントを含む組み合わせ、および、それらの使用方法を含む。特定の実施態様では、抗体または抗原結合フラグメントは、対象において脳の傷害または損傷を診断および/または神経画像処理を対象が必要とするかどうか予測する方法において用いられる。
【0007】
本明細書において、抗体またはその抗原結合フラグメントが提供されて、UCH-L1、例えばヒトUCH-L1に特異的に結合するものを含み、ここで抗体または抗原結合フラグメントは、重鎖CDR(すなわち、CDR-H1、CDR-H2、および/またはCDR-H3)および軽鎖CDR(すなわち、CDR-L1、CDR-L2、および/またはCDR-L3)、例えば本明細書に記載の任意のものを含む、特定の相補性決定領域(CDR)を含む。一部の実施態様では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、重鎖可変領域および軽鎖可変領域、例えば本明細書に記載の任意のものを含む。
【0008】
一部の実施態様では、本明細書において、UCH-L1(例えば、ヒトUCH-L1)に特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントが提供されて、ここで抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号51~63のいずれか1つから選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号64~76のいずれか1つから選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。一部の実施態様では、重鎖可変領域は、配列番号51~63のいずれか1つから選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一性を有するアミノ酸配列を含み;または、配列番号51~63のいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を有する。本明細書における一部の任意の実施態様では、軽鎖可変領域は、配列番号64~76から選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一性を有するアミノ酸配列を含み、または、配列番号64~76のいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を有する。本明細書における一部の任意の実施態様では、重鎖可変領域は、(i)配列番号1~8から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H1;(ii)配列番号9~19から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H2;および(iii)配列番号20~27から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H3;を含む、および/または、軽鎖可変領域は、(i)配列番号28~36から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L1;(ii)配列番号37~44から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L2;および(iii)配列番号45~50から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。本明細書における一部の任意の実施態様では、重鎖可変領域は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、配列番号51~63のいずれか1つから選択される重鎖可変領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3のアミノ酸配列をそれぞれ含む;および/または、軽鎖可変領域は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、配列番号64~76のいずれか1つから選択される軽鎖可変領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3のアミノ酸配列をそれぞれ含む。
【0009】
一部の実施態様では、本明細書において、UCH-L1(例えば、ヒトUCH-L1)に特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントが提供されて、ここで抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号53~62のいずれか1つから選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号66~75のいずれか1つから選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。一部の実施態様では、重鎖可変領域は、配列番号53~62のいずれか1つから選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一性を含み、または、配列番号53~62のいずれかに示されるアミノ酸配列を含む;および/または、軽鎖可変領域は、配列番号66~75のいずれか1つから選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一性を含み、または、配列番号66~75のいずれか1つに示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。本明細書における一部の任意の実施態様では、重鎖可変領域は、(i)配列番号3~8から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H1;(ii)配列番号11~18から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H2;および(iii)配列番号20~27から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H3;を含む、および/または、軽鎖可変領域は、(i)配列番号30~36から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L1;(ii)配列番号37~44から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L2;および(iii)配列番号45~49から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L3;を含む、または、重鎖可変領域は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、配列番号53~62のいずれか1つから選択される重鎖可変領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3のアミノ酸配列をそれぞれ含む、および/または、軽鎖可変領域は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、配列番号66~75のいずれか1つから選択される軽鎖可変領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3のアミノ酸配列をそれぞれ含む。
【0010】
一部の実施態様では、本明細書において、UCH-L1(例えば、ヒトUCH-L1)に特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントが提供されて、ここで抗体または抗原結合フラグメントは、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含み、重鎖可変領域は、(i)配列番号1~8から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H1;(ii)配列番号9~18から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H2;および(iii)配列番号20~27から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H3;を含む、および/または、軽鎖可変領域は、(i)配列番号28~36から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L1;(ii)配列番号37~44から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L2;および(iii)配列番号45~49から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
【0011】
本明細書における一部の任意の実施態様では、UCH-L1に特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントは、(a)配列番号1、配列番号9および配列番号20のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号28、配列番号37および配列番号45のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(b)配列番号2、配列番号10、配列番号21のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号29、配列番号38および配列番号46のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(c)配列番号3、配列番号11および配列番号20のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号30、配列番号37および配列番号45のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(d)配列番号4、配列番号12および配列番号22のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号31、配列番号39および配列番号47のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(e)配列番号5、配列番号13および配列番号23のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号32、配列番号39および配列番号47のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(f)配列番号6、配列番号14および配列番号24のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号33、配列番号40、配列番号48のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(g)配列番号6、配列番号14および配列番号24のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号34、配列番号41および配列番号48のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(h)配列番号6、配列番号15および配列番号24のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号34、配列番号42および配列番号48のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(i)配列番号6、配列番号14および配列番号24のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号35、配列番号41および配列番号48のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(j)配列番号6、配列番号16および配列番号25のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号34、配列番号42および配列番号48のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(k)配列番号7、配列番号17および配列番号26のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号36、配列番号43および配列番号49のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(l)配列番号8、配列番号18および配列番号27のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号36、配列番号44および配列番号49のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;または(m)配列番号1、配列番号19および配列番号20のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号28、配列番号37および配列番号50のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む。
【0012】
本明細書における一部の任意の実施態様では、UCH-L1に特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントは、(a)配列番号51のアミノ酸配列または配列番号51のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号64のアミノ酸配列または配列番号64のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(b)配列番号52のアミノ酸配列または配列番号52のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号65のアミノ酸配列または配列番号65のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(c)配列番号53のアミノ酸配列または配列番号53のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号66のアミノ酸配列または配列番号66のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(d)配列番号54のアミノ酸配列または配列番号54のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号67のアミノ酸配列または配列番号67のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(e)配列番号55のアミノ酸配列または配列番号55のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号68のアミノ酸配列または配列番号68のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(f)配列番号56のアミノ酸配列または配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号69のアミノ酸配列または配列番号69のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(g)配列番号57のアミノ酸配列または配列番号57のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号70のアミノ酸配列または配列番号70のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(h)配列番号58のアミノ酸配列または配列番号58のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号71のアミノ酸配列または配列番号71のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(i)配列番号59のアミノ酸配列または配列番号59のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号72のアミノ酸配列または配列番号72のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(j)配列番号60のアミノ酸配列または配列番号60のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号73のアミノ酸配列または配列番号73のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(k)配列番号61のアミノ酸配列または配列番号61のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号74のアミノ酸配列または配列番号74のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(l)配列番号62のアミノ酸配列または配列番号62のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号75のアミノ酸配列または配列番号75のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;または(m)配列番号63のアミノ酸配列または配列番号63のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号76のアミノ酸配列または配列番号76のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む。本明細書における一部の任意の実施態様では、UCH-L1に特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントは、(a)任意の上記に挙げられた配列番号の配列と少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、任意の上記に挙げられた配列番号の配列と少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0013】
本明細書における一部の任意の実施態様では、UCH-L1に特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントは、(a)配列番号1、配列番号9および配列番号20のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号28、配列番号37および配列番号45のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(b)配列番号2、配列番号10、配列番号21のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号29、配列番号38および配列番号46のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(c)配列番号4、配列番号12、配列番号22のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号31、配列番号39および配列番号47のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(d)配列番号6、配列番号14、配列番号24のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号33、配列番号40および配列番号48のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;または(e)配列番号5、配列番号13、配列番号23のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号32、配列番号39および配列番号47のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む。
【0014】
本明細書における一部の任意の実施態様では、UCH-L1に特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントは、(a)配列番号51のアミノ酸配列または配列番号51のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または配列番号64のアミノ酸配列または配列番号64のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(b)配列番号52のアミノ酸配列または配列番号52のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号65のアミノ酸配列または配列番号65のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(c)配列番号54のアミノ酸配列または配列番号54のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号67のアミノ酸配列または配列番号67のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(d)配列番号56のアミノ酸配列または配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号69のアミノ酸配列または配列番号69のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;または(e)配列番号55のアミノ酸配列または配列番号55のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号68のアミノ酸配列または配列番号68のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む。本明細書における一部の任意の実施態様では、UCH-L1に特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントは、(a)任意の上記に挙げられた配列番号のアミノ酸配列と少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、任意の上記に挙げられた配列番号のアミノ酸配列と少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0015】
本明細書における一部の任意の実施態様では、UCH-L1に特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントは、(a)配列番号51のアミノ酸配列または配列番号51のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または配列番号64のアミノ酸配列または配列番号64のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;または(b)配列番号52のアミノ酸配列または配列番号52のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号65のアミノ酸配列または配列番号65のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む。本明細書における一部の任意の実施態様では、UCH-L1に特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントは、(a)任意の上記に挙げられた配列番号のアミノ酸配列と少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、任意の上記に挙げられた配列番号のアミノ酸配列と少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0016】
本明細書における一部の任意の実施態様では、UCH-L1に特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号1、配列番号19および配列番号20のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号28、配列番号37および配列番号50のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0017】
本明細書における一部の任意の実施態様では、UCH-L1に特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号63のアミノ酸配列または配列番号63のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号76のアミノ酸配列または配列番号76のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。本明細書における一部の任意の実施態様では、UCH-L1に特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントは、(a)配列番号63のアミノ酸配列と少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号76のアミノ酸配列と少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0018】
本明細書における一部の任意の実施態様では、UCH-L1に特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントは、(a)配列番号3、配列番号11および配列番号20のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号30、配列番号37および配列番号45のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;または(b)配列番号4、配列番号12および配列番号22のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号31、配列番号39および配列番号47のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;または(c)配列番号5、配列番号13および配列番号23のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号32、配列番号39および配列番号47のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;または(d)配列番号6、配列番号14および配列番号24のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号33、配列番号40、配列番号48のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;または(e)配列番号6、配列番号14および配列番号24のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号34、配列番号41および配列番号48のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;または(f)配列番号6、配列番号15および配列番号24のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号34、配列番号42および配列番号48のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;または(g)配列番号6、配列番号14および配列番号24のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号35、配列番号41および配列番号48のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;または(h)配列番号6、配列番号16および配列番号25のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号34、配列番号42および配列番号48のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;または(i)配列番号7、配列番号17および配列番号26のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号36、配列番号43および配列番号49のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;または(j)配列番号8、配列番号18および配列番号27のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号36、配列番号44および配列番号49のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む。
【0019】
本明細書における一部の任意の実施態様では、UCH-L1に特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントは、(a)配列番号53のアミノ酸配列または配列番号53のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号66のアミノ酸配列または配列番号66のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;または(b)配列番号54のアミノ酸配列または配列番号54のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号67のアミノ酸配列または配列番号67のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;または(c)配列番号55のアミノ酸配列または配列番号55のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号68のアミノ酸配列または配列番号68のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(d)配列番号56のアミノ酸配列または配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号69のアミノ酸配列または配列番号69のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(e)配列番号57のアミノ酸配列または配列番号57のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号70のアミノ酸配列または配列番号70のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(f)配列番号58のアミノ酸配列または配列番号58のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号71のアミノ酸配列または配列番号71のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(g)配列番号59のアミノ酸配列または配列番号59のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号72のアミノ酸配列または配列番号72のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(h)配列番号60のアミノ酸配列または配列番号60のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号73のアミノ酸配列または配列番号73のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(i)配列番号61のアミノ酸配列または配列番号61のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号74のアミノ酸配列または配列番号74のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;または(k)配列番号62のアミノ酸配列または配列番号62のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号75のアミノ酸配列または配列番号75のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む。本明細書における一部の任意の実施態様では、UCH-L1に特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントは、(a)任意の上記に挙げられた配列番号に示されるアミノ酸配列と少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、任意の上記に挙げられた配列番号に示されるアミノ酸配列と少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0020】
本明細書における一部の任意のそのような実施態様では、抗体または抗原結合フラグメントは、1.0×10-10M、2.0×10-10M、3.0×10-10M、4.0×10-10M、5.0×10-10M、6.0×10-10M、7.0×10-10M、8.0×10-10M、9.0×10-10M、1.0×10-11M、2.0×10-11M、3.0×10-11M、4.0×10-11M、5.0×10-11M、6.0×10-11M、7.0×10-11M、8.0×10-11M、9.0×10-11M、1.0×10-12M未満または約それ未満またはそれよりも低い解離定数(K)を有する結合親和性でUCH-L1に結合する;または、抗体または抗原結合フラグメントは、2.0×10-10M~5.0×10-12Mまたは約その範囲、例えば、2.0×10-10M~1.0×10-12M、2.0×10-10M~5.0×10-11M、2.0×10-10M~1.0×10-11M、2.0×10-10M~5.0×10-10M、5.0×10-10M~1.0×10-12M、5.0×10-10M~5.0×10-11M、5.0×10-10M~1.0×10-11M、1.0×10-11M~1.0×10-12M、1.0×10-11M~5.0×10-11Mまたは5.0×10-11M~1.0×10-12Mまたは約その範囲、例えば、2.0×10-10M2.0×10-10M~4.0×10-10M、1.0×10-11M~9.0×10-11M、1.0×10-12M~5.0×10-12Mまたは約その範囲の解離定数(K)、または1.0×10-12M、2.0×10-10MでUCH-L1に結合する。
【0021】
本明細書における一部の任意のそのような実施態様では、抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号207において示されるアミノ酸位置に対応する、UCH-L1タンパク質の残基28~36、UCH-L1タンパク質の残基98~106、UCH-L1タンパク質の残基138~145、および/またはUCH-L1タンパク質の残基142~149内のまたはそれであるまたはそれを含むエピトープに結合する。
【0022】
一部の態様では、本明細書において、UCH-L1(例えば、ヒトUCH-L1)に特異的に結合する抗体または抗原結合フラグメントが提供されて、ここで抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号207において示されるアミノ酸位置に対応するUCH-L1タンパク質の残基98~106内のまたはそれであるまたはそれを含むエピトープに結合する。一部の実施態様では、抗体または抗原結合フラグメントは、(a)配列番号1、配列番号9および配列番号20のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号28、配列番号37および配列番号45のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(b)配列番号3、配列番号11および配列番号20のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号30、配列番号37および配列番号45のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;または(c)配列番号1、配列番号19および配列番号20のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号28、配列番号37および配列番号50のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む。
【0023】
一部の態様では、本明細書において、UCH-L1(例えば、ヒトUCH-L1)に特異的に結合する抗体または抗原結合フラグメントが提供されて、ここで抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号207に示されるUCH-L1のアミノ酸位置に対応する残基28~36 UCH-L1内のまたはそれであるまたはそれを含むエピトープに結合する。一部の実施態様では、抗体または抗原結合フラグメントは、(a)配列番号2、配列番号10および配列番号21のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号29、配列番号38および配列番号46のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(b)配列番号6、配列番号14および配列番号24のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号33、配列番号40および配列番号48のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(c)配列番号6、配列番号14および配列番号24のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号34、配列番号41および配列番号48のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(d)配列番号6、配列番号15および配列番号24のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号34、配列番号42および配列番号48のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(e)配列番号6、配列番号14および配列番号24のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号35、配列番号41および配列番号48のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(f)配列番号6、配列番号16および配列番号25のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号34、配列番号42および配列番号48のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(g)配列番号7、配列番号17および配列番号26のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号36、配列番号43および配列番号49のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;または(h)配列番号8、配列番号18および配列番号27のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号36、配列番号44および配列番号49のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む。
【0024】
一部の態様では、本明細書において、UCH-L1(例えば、ヒトUCH-L1)に特異的に結合する抗体または抗原結合フラグメントが提供されて、ここで抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号207において示されるアミノ酸位置に対応するUCH-L1タンパク質の残基138~145内のまたはそれであるまたはそれを含むエピトープに結合する。一部の実施態様では、抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号4、配列番号12および配列番号22のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号31、配列番号39および配列番号47のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0025】
一部の態様では、本明細書において、UCH-L1(例えば、ヒトUCH-L1)に特異的に結合する抗体または抗原結合フラグメントが提供されて、ここで抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号207において示されるアミノ酸位置に対応するUCH-L1タンパク質の残基142~149内のまたはそれであるまたはそれを含むエピトープに結合する。一部の実施態様では、抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号5、配列番号13および配列番号23のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号32、配列番号39および配列番号47のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0026】
本明細書における一部の任意の実施態様では、UCH-L1(例えば、ヒトUCH-L1)は、組み換えUCH-L1(例えば、組み換えヒトUCH-L1)である。本明細書における一部の任意の実施態様では、UCH-L1(例えば、ヒトUCH-L1)は、ネイティブのUCH-L1(例えば、ネイティブのヒトUCH-L1)である。一部のさらなる実施態様では、ネイティブのUCH-L1は、血清、血漿、血液、脳脊髄液(CSF)、尿、汗、または唾液内に存在する、またはそこから得られる。
【0027】
本明細書において、GFAP、例えばヒトGFAPに特異的に結合するものを含む抗体またはその抗原結合フラグメントが提供されて、ここで抗体または抗原結合フラグメントは、例えば本明細書に記載の任意の、重鎖CDR(すなわち、CDR-H1、CDR-H2、および/または、CDR-H3)および軽鎖CDR(すなわち、CDR-L1、CDR-L2、および/またはCDR-L3)を含む、特定の相補性決定領域(CDR)を含む。一部の実施態様では、抗体またはその抗原結合フラグメントは、例えば本明細書に記載の任意の、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む。
【0028】
一部の実施態様では、本明細書において、GFAP(例えば、ヒトGFAP)に特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントが提供されて、ここで抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号172~188のいずれか1つから選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号189~206のいずれか1つから選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。一部の実施態様では、重鎖可変領域は、配列番号172~188のいずれか1つから選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一性を有するアミノ酸配列を含み、または、配列番号172~188のいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を有する。本明細書における一部の任意の実施態様では、軽鎖可変領域は、配列番号189~206のいずれか1つから選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一性を有するアミノ酸配列を含み、または、配列番号189~206のいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を有する。一部の実施態様では、重鎖可変領域は、(i)配列番号77~90から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H1;(ii)配列番号91~107から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H2;および(iii)配列番号108~124から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H3;を含む、および/または、軽鎖可変領域は、(i)配列番号125~141から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L1;(ii)配列番号142~156から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L2;および(iii)配列番号157~171から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。一部の実施態様では、重鎖可変領域は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、配列番号172~188のいずれか1つから選択される重鎖可変領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3のアミノ酸配列をそれぞれ含む;および/または、軽鎖可変領域は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、配列番号189~206のいずれか1つから選択される軽鎖可変領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3のアミノ酸配列をそれぞれ含む。
【0029】
一部の実施態様では、本明細書において、GFAP(例えば、ヒトGFAP)に特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントが提供されて、ここで抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号174~188のいずれか1つから選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む;および/または、軽鎖可変領域は、配列番号191~206のいずれか1つから選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む。一部の実施態様では、重鎖可変領域は、配列番号174~188のいずれか1つから選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一性を含み、または、配列番号174~188のいずれかに示されるアミノ酸配列を含む;および/または、軽鎖可変領域は、配列番号191~206のいずれか1つから選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一性を含み、または、配列番号191~206のいずれか1つに示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。一部の実施態様では、重鎖可変領域は、(i)配列番号79~90から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H1;(ii)配列番号93~107から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H2;および(iii)配列番号110~124から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H3;を含む、および/または、軽鎖可変領域は、(i)配列番号127~141から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L1;(ii)配列番号144~156から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L2;および(iii)配列番号159~171から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L3;を含む、または、重鎖可変領域は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、配列番号174~188のいずれか1つから選択される重鎖可変領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3のアミノ酸配列をそれぞれ含む、および/または、軽鎖可変領域は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、配列番号191~206のいずれか1つから選択される軽鎖可変領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3のアミノ酸配列をそれぞれ含む。
【0030】
一部の実施態様では、本明細書において、GFAP(例えば、ヒトGFAP)に特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントが提供されて、ここで抗体または抗原結合フラグメントは、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含み、重鎖可変領域は、(i)配列番号77~90から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H1;(ii)配列番号91~107から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H2;および(iii)配列番号108~124から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H3;を含む、および/または、軽鎖可変領域は、(i)配列番号125~141から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L1;(ii)配列番号142~156から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L2;および(iii)配列番号157~171から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
【0031】
本明細書における一部の任意のそのような実施態様では、GFAPに特異的に結合する抗体または抗原結合フラグメントは、(a)配列番号77、配列番号91および配列番号108のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号125、配列番号142および配列番号157のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(b)配列番号78、配列番号92および配列番号109のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号126、配列番号143および配列番号158のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(c)配列番号79、配列番号93および配列番号110のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号127、配列番号144および配列番号159のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(d)配列番号77、配列番号94および配列番号111のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号128、配列番号145および配列番号160のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(e)配列番号80、配列番号95および配列番号112のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号126、配列番号142および配列番号158のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(f)配列番号81、配列番号96および配列番号113のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号129、配列番号146および配列番号161のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(g)配列番号77、配列番号94および配列番号111のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号130、配列番号145および配列番号160のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(h)配列番号82、配列番号97および配列番号114のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号131、配列番号147および配列番号162のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(i)配列番号83、配列番号98および配列番号115のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号132、配列番号148および配列番号163のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(j)配列番号84、配列番号99および配列番号116のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号133、配列番号149および配列番号164のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(k)配列番号85、配列番号100および配列番号117のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号134、配列番号150および配列番号165のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(l)配列番号86、配列番号101および配列番号118のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号135、配列番号151および配列番号166のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(m)配列番号78、配列番号102および配列番号119のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号136、配列番号152および配列番号167のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(n)配列番号78、配列番号103および配列番号120のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号137、配列番号142および配列番号158のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(o)配列番号87、配列番号104および配列番号121のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号138、配列番号153および配列番号168のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(p)配列番号88、配列番号105および配列番号122のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号139、配列番号154および配列番号169のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(q)配列番号89、配列番号106および配列番号123のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号140、配列番号155および配列番号170のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;または(r)配列番号90、配列番号107および配列番号124のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号141、配列番号156および配列番号171のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む。
【0032】
本明細書における一部の任意のそのような実施態様では、GFAPに特異的に結合する抗体または抗原結合フラグメントは、(a)配列番号172のアミノ酸配列または配列番号172のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号189のアミノ酸配列または配列番号189のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(b)配列番号173のアミノ酸配列または配列番号173のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号190のアミノ酸配列または配列番号190のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(c)配列番号174のアミノ酸配列または配列番号174のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号191のアミノ酸配列または配列番号191のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(d)配列番号175のアミノ酸配列または配列番号175のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号192のアミノ酸配列または配列番号192のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(e)配列番号176のアミノ酸配列または配列番号176のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号193のアミノ酸配列または配列番号193のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(f)配列番号177のアミノ酸配列または配列番号177のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号194のアミノ酸配列または配列番号194のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(g)配列番号175のアミノ酸配列または配列番号175のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号195のアミノ酸配列または配列番号195のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(h)配列番号178のアミノ酸配列または配列番号178のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号196のアミノ酸配列または配列番号196のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(i)配列番号179のアミノ酸配列または配列番号179のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号197のアミノ酸配列または配列番号197のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(j)配列番号180のアミノ酸配列または配列番号180のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号198のアミノ酸配列または配列番号198のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(k)配列番号181のアミノ酸配列または配列番号181のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号199のアミノ酸配列または配列番号199のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(l)配列番号182のアミノ酸配列または配列番号182のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号200のアミノ酸配列または配列番号200のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(m)配列番号183のアミノ酸配列または配列番号183のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号201のアミノ酸配列または配列番号201のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(n)配列番号184のアミノ酸配列または配列番号184のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号202のアミノ酸配列または配列番号202のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(o)配列番号185のアミノ酸配列または配列番号185のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号203のアミノ酸配列または配列番号203のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(p)配列番号186のアミノ酸配列または配列番号186のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号204のアミノ酸配列または配列番号204のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(q)配列番号187のアミノ酸配列または配列番号187のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号205のアミノ酸配列または配列番号205のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;または(r)配列番号188のアミノ酸配列または配列番号188のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号206のアミノ酸配列または配列番号206のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む。本明細書における一部の任意の実施態様では、GFAPに特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントは、(a)任意の上記に挙げられた配列番号のアミノ酸配列と少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、任意の上記に挙げられた配列番号に示されたアミノ酸配列と少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0033】
本明細書における一部の任意のそのような実施態様では、GFAPに特異的に結合する抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号77、配列番号91および配列番号108のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号125、配列番号142および配列番号157のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0034】
本明細書における一部の任意のそのような実施態様では、GFAPに特異的に結合する抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号172のアミノ酸配列または配列番号172のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号189のアミノ酸配列または配列番号189のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。本明細書における一部の任意の実施態様では、GFAPに特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントは、(a)配列番号172のアミノ酸配列と少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号189のアミノ酸配列と少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0035】
本明細書における一部の任意のそのような実施態様では、GFAPに特異的に結合する抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号78、配列番号92および配列番号109のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号126、配列番号143および配列番号158のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0036】
本明細書における一部の任意のそのような実施態様では、GFAPに特異的に結合する抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号173のアミノ酸配列または配列番号173のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号190のアミノ酸配列または配列番号190のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。本明細書における一部の任意の実施態様では、GFAPに特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントは、(a)配列番号173のアミノ酸配列と少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号190の提供されるアミノ酸配列と少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0037】
本明細書における一部の任意のそのような実施態様では、GFAPに特異的に結合する抗体または抗原結合フラグメントは、(a)配列番号79、配列番号93および配列番号110のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号127、配列番号144および配列番号159のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(b)配列番号77、配列番号94および配列番号111のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号128、配列番号145および配列番号160のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(c)配列番号80、配列番号95および配列番号112のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号126、配列番号142および配列番号158のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(d)配列番号81、配列番号96および配列番号113のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号129、配列番号146および配列番号161のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(e)配列番号77、配列番号94および配列番号111のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号130、配列番号145および配列番号160のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(f)配列番号82、配列番号97および配列番号114のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号131、配列番号147および配列番号162のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(g)配列番号83、配列番号98および配列番号115のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号132、配列番号148および配列番号163のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(h)配列番号84、配列番号99および配列番号116のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号133、配列番号149および配列番号164のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(i)配列番号85、配列番号100および配列番号117のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号134、配列番号150および配列番号165のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(j)配列番号86、配列番号101および配列番号118のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号135、配列番号151および配列番号166のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(k)配列番号78、配列番号102および配列番号119のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号136、配列番号152および配列番号167のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(l)配列番号78、配列番号103および配列番号120のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号137、配列番号142および配列番号158のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(n)配列番号87、配列番号104および配列番号121のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号138、配列番号153および配列番号168のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(o)配列番号88、配列番号105および配列番号122のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号139、配列番号154および配列番号169のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(p)配列番号89、配列番号106および配列番号123のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号140、配列番号155および配列番号170のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;または(q)配列番号90、配列番号107および配列番号124のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号141、配列番号156および配列番号171のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む。
【0038】
本明細書における一部の任意のそのような実施態様では、GFAPに特異的に結合する抗体または抗原結合フラグメントは、(a)配列番号174のアミノ酸配列または配列番号174のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号191のアミノ酸配列または配列番号191のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(b)配列番号175のアミノ酸配列または配列番号175のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号192のアミノ酸配列または配列番号192のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(c)配列番号176のアミノ酸配列または配列番号176のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号193のアミノ酸配列または配列番号193のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(d)配列番号177のアミノ酸配列または配列番号177のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号194のアミノ酸配列または配列番号194のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(e)配列番号175のアミノ酸配列または配列番号175のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号195のアミノ酸配列または配列番号195のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(f)配列番号178のアミノ酸配列または配列番号178のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号196のアミノ酸配列または配列番号196のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(g)配列番号179のアミノ酸配列または配列番号179のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号197のアミノ酸配列または配列番号197のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(h)配列番号180のアミノ酸配列または配列番号180のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号198のアミノ酸配列または配列番号198のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(i)配列番号181のアミノ酸配列または配列番号181のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号199のアミノ酸配列または配列番号199のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(j)配列番号182のアミノ酸配列または配列番号182のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号200のアミノ酸配列または配列番号200のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(k)配列番号183のアミノ酸配列または配列番号183のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号201のアミノ酸配列または配列番号201のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(l)配列番号184のアミノ酸配列または配列番号184のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号202のアミノ酸配列または配列番号202のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(n)配列番号185のアミノ酸配列または配列番号185のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号203のアミノ酸配列または配列番号203のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(o)配列番号186のアミノ酸配列または配列番号186のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号204のアミノ酸配列または配列番号204のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(p)配列番号187のアミノ酸配列または配列番号187のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号205のアミノ酸配列または配列番号205のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;または(q)配列番号188のアミノ酸配列または配列番号188のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号206のアミノ酸配列または配列番号206のアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む。本明細書における一部の任意の実施態様では、GFAPに特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントは、(a)任意の挙げられた配列番号に示されるアミノ酸配列と少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、任意の挙げられた配列番号に示されるアミノ酸配列と少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0039】
本明細書における一部の任意のそのような実施態様では、抗体または抗原結合フラグメントは、1.0×10-8M、2.0×10-8M、3.0×10-8M、4.0×10-8M、5.0×10-8M、6.0×10-8M、7.0×10-8M、8.0×10-8M、9.0×10-8M、1.0×10-9M、2.0×10-9M、3.0×10-9M、4.0×10-9M、5.0×10-9M、6.0×10-9M、7.0×10-9M、8.0×10-9M、9.0×10-9M、1.0×10-10M、2.0×10-10M、3.0×10-10M、4.0×10-10M、5.0×10-10M、6.0×10-10M、7.0×10-10M、8.0×10-10M、9.0×10-10M、1.0×10-11M、2.0×10-11M、3.0×10-11M、4.0×10-11M、5.0×10-11M、6.0×10-11M、7.0×10-11M、8.0×10-11M、9.0×10-11M、または1.0×10-12M未満または約それ未満の解離定数(K)を有する結合親和性でGFAPに結合する;または、抗体または抗原結合フラグメントは、1.0×10-8M~5.0×10-12Mまたは約その範囲、例えば、1.0×10-8M~1.0×10-12M、1.0×10-8M~1.0×10-11M、1.0×10-8M~1.0×10-11M、1.0×10-8M~1.0×10-10M、1.0×10-10M~1.0×10-12M、1.0×10-10M~1.0×10-11M、1.0×10-11M~1.0×10-12M、例えば、1.0×10-8M~2.0×10-8M、1.0×10-9M~6.0×10-9M、2.0×10-10M~9.0×10-10M、1.0×10-11M~8.0×10-11M、1.0×10-12M~5.0×10-12M、または1.0×10-8M~1.0×10-12Mまたは約その範囲の解離定数(K)でGFAPに結合する。
【0040】
本明細書における一部の任意のそのような実施態様では、GFAPに結合する抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号212に示されるアミノ酸位置に対応する、GFAPタンパク質の残基92~106、GFAPタンパク質の残基190~202、GFAPタンパク質の残基16~35および/または380、GFAPタンパク質の残基119および/または190、GFAPタンパク質の残基380~391、GFAPタンパク質の残基119~130、GFAPタンパク質の残基210~221、GFAPタンパク質の残基320~329、GFAPタンパク質の346~357および/または376~387内のまたはそれであるまたはそれを含む、および/または、GFAPタンパク質の残基138~149内のエピトープに結合する。
【0041】
一部の態様では、本明細書において、ヒトGFAPに特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントが提供されて、ここで抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号212に示されるアミノ酸位置に対応するGFAPタンパク質の残基92~106内のエピトープに結合する。一部の実施態様では、抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号77、配列番号91および配列番号108のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号125、配列番号142および配列番号157のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0042】
一部の態様では、本明細書において、ヒトGFAPに特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントが提供されて、ここで抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号212に示されるアミノ酸位置に対応するGFAPタンパク質の残基190~202内のエピトープに結合する。一部の実施態様では、抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号78、配列番号92および配列番号109のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号126、配列番号143および配列番号158のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0043】
一部の態様では、本明細書において、ヒトGFAPに特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントが提供されて、ここで抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号212に示されるアミノ酸位置に対応するGFAPタンパク質の残基16~35および/または380内のエピトープに結合する。一部の実施態様では、抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号79、配列番号93および配列番号110のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号127、配列番号144および配列番号159のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0044】
一部の態様では、本明細書において、ヒトGFAPに特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントが提供されて、ここで抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号212に示されるアミノ酸位置に対応するGFAPタンパク質の残基119および/または190内のエピトープに結合する。一部の実施態様では、抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号80、配列番号95および配列番号112のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号126、配列番号142および配列番号158のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0045】
一部の態様では、本明細書において、ヒトGFAPに特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントが提供されて、ここで抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号212に示されるアミノ酸位置に対応するGFAPタンパク質の残基380~391内のエピトープに結合する。一部の実施態様では、抗体または抗原結合フラグメントは、(a)配列番号77、配列番号94および配列番号111のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号128、配列番号145および配列番号160のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(b)配列番号77、配列番号94および配列番号111のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号130、配列番号145および配列番号160のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;または(c)配列番号82、配列番号97および配列番号114のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号131、配列番号147および配列番号162のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む。
【0046】
一部の態様では、本明細書において、ヒトGFAPに特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントが提供されて、ここで抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号212に示されるアミノ酸位置に対応するGFAPタンパク質の残基119~130内のエピトープに結合する。一部の実施態様では、抗体または抗原結合フラグメントは、(a)配列番号81、配列番号96および配列番号113のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号129、配列番号146および配列番号161のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(b)配列番号84、配列番号99および配列番号116のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号133、配列番号149および配列番号164のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(c)配列番号85、配列番号100および配列番号117のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号134、配列番号150および配列番号165のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(d)配列番号89、配列番号106および配列番号123のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号140、配列番号155および配列番号170のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;または(e)配列番号90、配列番号107および配列番号124のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号141、配列番号156および配列番号171のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む。
【0047】
一部の態様では、本明細書において、ヒトGFAPに特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントが提供されて、ここで抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号212に示されるアミノ酸位置に対応するGFAPタンパク質の残基210~221内のエピトープに結合する。一部の実施態様では、抗体または抗原結合フラグメントは、(a)配列番号86、配列番号101および配列番号118のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号135、配列番号151および配列番号166のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;(b)配列番号78、配列番号102および配列番号119のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号136、配列番号152および配列番号167のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;または(c)配列番号78、配列番号103および配列番号120のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号137、配列番号142および配列番号158のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む。
【0048】
一部の態様では、本明細書において、ヒトGFAPに特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントが提供されて、ここで抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号212に示されるアミノ酸位置に対応するGFAPタンパク質の残基320~329内のエピトープに結合する。一部の実施態様では、抗体または抗原結合フラグメントは、(a)配列番号87、配列番号104および配列番号121のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号138、配列番号153および配列番号168のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;または(b)配列番号88、配列番号105および配列番号122のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号139、配列番号154および配列番号169のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む。
【0049】
一部の態様では、本明細書において、ヒトGFAPに特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントが提供されて、ここで抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号212に示されるアミノ酸位置に対応するGFAPタンパク質の残基346~357および/または376~387内のエピトープに結合する。一部の実施態様では、抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号88、配列番号105および配列番号122のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号139、配列番号154および配列番号169のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0050】
一部の態様では、本明細書において、ヒトGFAPに特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントが提供されて、ここで抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号212に示されるアミノ酸位置に対応するGFAPタンパク質の残基138~149内のエピトープに結合する。一部の実施態様では、抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号89、配列番号106および配列番号123のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号140、配列番号155および配列番号170のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0051】
本明細書における一部の任意の実施態様では、抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号212に示されるアミノ酸位置に対応するヒトGFAPタンパク質の残基190~202内のまたはそれであるまたはそれを含むエピトープに結合しない;および/または、配列番号173に示される可変重鎖および配列番号190に示される可変軽鎖を含む参照抗体と同一またはオーバーラップするエピトープに結合しない;および/または配列番号173に示される可変重鎖および配列番号190に示される可変軽鎖を含む参照抗体と、GFAPに対する結合に関して競合しない。
【0052】
本明細書における一部の任意の実施態様では、GFAP(例えば、ヒトGFAP)は、組み換えGFAP(例えば、組み換えヒトGFAP)である。本明細書における一部の任意の実施態様では、GFAP(例えば、ヒトGFAP)は、ネイティブのGFAP(例えば、ネイティブのヒトGFAP)である。一部のさらなる実施態様では、ネイティブのGFAPは、血清、血漿、血液、脳脊髄液(CSF)、尿、汗、または唾液内に存在する、またはそこから得られる。
【0053】
本明細書における一部の任意の実施態様では、抗体または抗原結合フラグメントは、単離される。本明細書における一部の任意の実施態様では、抗体は、ヒト化抗体、キメラ抗体またはヒト抗体である。本明細書における一部の任意の実施態様では、抗体は、ミューリン抗体である。
【0054】
本明細書における一部の任意の実施態様では、抗体は、その抗原結合フラグメントである。さらなる実施態様では、その抗原結合フラグメントは、Fab、Fab’-SH、Fv、scFv、または(Fab’)2フラグメントである。
【0055】
本明細書における一部の任意の実施態様では、抗体は、全長または無傷の抗体である。
【0056】
本明細書における一部の任意の実施態様では、抗体は、重鎖定常ドメインおよび/または軽鎖定常ドメインをさらに含む。さらなる実施態様では、重鎖および/または軽定常ドメインは、ミューリンまたはヒトである。一部のさらなる実施態様では、重鎖定常ドメインは、IgG1、IgG2a、IgG2bまたはIgMである。
【0057】
本明細書における一部の任意の実施態様では、抗体は、モノクローナル抗体である。
【0058】
本明細書における一部の任意の実施態様では、抗体は、標識に付着される。さらなる実施態様では、標識は、蛍光色素、蛍光タンパク質、放射性同位体、発色団、金属イオン、金粒子、銀粒子、磁性粒子、ポリペプチド、酵素、ストレプトアビジン、ビオチン、発光化合物、またはオリゴヌクレオチドである。
【0059】
一部の態様では、本明細書に記載の抗体または抗原結合フラグメントをコードする核酸が本明細書において提供される。一部の実施態様では、そのような核酸をコードするベクターが本明細書において提供される。さらなる実施態様では、ベクターは、発現ベクターである。一部の実施態様では、そのような核酸またはベクターを含む宿主細胞が本明細書において提供される。
【0060】
一部の態様では、本明細書に記載の重可変領域を含む重鎖をコードする核酸が本明細書において提供される。一部の実施態様では、そのような核酸をコードするベクターが本明細書において提供される。さらなる実施態様では、ベクターは、発現ベクターである。一部の実施態様では、そのような核酸またはベクターを含む宿主細胞が本明細書において提供される。
【0061】
一部の態様では、本明細書に記載の軽可変領域を含む軽鎖をコードする核酸が本明細書において提供される。一部の実施態様では、そのような核酸をコードするベクターが本明細書において提供される。さらなる実施態様では、ベクターは、発現ベクターである。一部の実施態様では、そのような核酸またはベクターを含む宿主細胞が本明細書において提供される。
【0062】
一部の態様では、本明細書に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント(例えば、抗-UCH-L1抗体または抗-GFAP抗体)を生産する方法が本明細書において提供されて、抗体または抗原結合フラグメントを生産する条件下で本明細書に記載の宿主細胞を培養するステップを含む。さらなる実施態様では、当該方法は、宿主細胞によって生産される抗体または抗原結合フラグメントを回収するステップをさらに含む。一部の実施態様では、そのような方法によって生産される抗-UCH-L1抗体またはその抗原結合フラグメントが本明細書において提供される。一部の実施態様では、そのような方法によって生産される抗-GFAP抗体またはその抗原結合フラグメントが本明細書において提供される。
【0063】
一部の態様では、本明細書に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント(例えば、抗-UCH-L1抗体または抗-GFAP抗体)を含む組成物が本明細書において提供される。一部の実施態様では、組成物は、薬学的に許容できる担体をさらに含む。
【0064】
一部の態様では、抗体またはその抗原結合フラグメントの組み合わせが本明細書において提供されて、組み合わせは、本明細書に記載の2以上の抗-UCH-L1抗体または抗原結合フラグメントを含む。一部の実施態様では、前記の2以上の抗体または抗原結合フラグメントは、UCH-L1内の第一のエピトープまたは領域に結合する1つまたは複数の第一の抗体またはその抗原結合フラグメント;および、UCH-L1内の第二のエピトープまたは領域に結合する1つまたは複数の第二の抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。一部のさらなる実施態様では、前記の1つまたは複数の第一の抗体またはその抗原結合フラグメント、および、前記の1つまたは複数の第二の抗体またはその抗原結合フラグメントは、UCH-L1(例えば、ヒトUCH-L1)の非オーバーラップのエピトープまたは領域に結合する、および/または、UCH-L1に対する結合に関して競合しない。
【0065】
一部の任意のそのような実施態様では、(i)前記の1つまたは複数の第一の抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号207において示されるアミノ酸位置に対応する、UCH-L1タンパク質の残基28~36、UCH-L1タンパク質の残基98~106、UCH-L1タンパク質の残基138~145、および/また、UCH-L1タンパク質の残基142~149内のまたはそれであるまたはそれを含むエピトープに結合する;および(ii)前記の1つまたは複数の第二の抗体またはその抗原結合フラグメントは、(i)のエピトープと同一でないまたはオーバーラップしないエピトープに結合する。一部の任意のそのような実施態様では、(i)前記の1つまたは複数の第一の抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号207において示されるアミノ酸位置に対応するUCH-L1タンパク質の残基28~36および/またはUCH-L1タンパク質の残基98~106内のまたはそれであるまたはそれを含むエピトープに結合する;および(ii)前記の1つまたは複数の第二の抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号207において示されるアミノ酸位置に対応するUCH-L1タンパク質の残基138~145および/またはUCH-L1タンパク質の残基142~149内のまたはそれであるまたはそれを含むエピトープに結合する。
【0066】
一部の実施態様では、本明細書に記載の2以上の抗-UCH-L1抗体または抗原結合フラグメントの組み合わせの前記の少なくとも1つの抗体または抗原結合フラグメント、任意選択で、前記の1つまたは複数の第一の抗体またはその抗原結合フラグメントまたは前記の1つまたは複数の第二の抗体またはその抗原結合フラグメントは、標識にコンジュゲートされる。一部の実施態様では、前記の少なくとも1つの抗体または抗原結合フラグメント、任意選択で、前記の1つまたは複数の第一の抗体またはその抗原結合フラグメントまたは前記の1つまたは複数の第二の抗体またはその抗原結合フラグメントは、固体支持体に付着または固定化される。一部の実施態様では、前記の1つまたは複数の第一または第二の抗体または抗原結合フラグメントは、固体支持体に付着または固定化されて、前記の1つまたは複数の第一または第二の抗体または抗原結合フラグメントの他方は、標識にコンジュゲートされる。一部の実施態様では、標識は、蛍光色素、蛍光タンパク質、放射性同位体、発色団、金属イオン、金粒子、銀粒子、磁性粒子、ポリペプチド、酵素、ストレプトアビジン、ビオチン、発光化合物、またはオリゴヌクレオチドである。一部の実施態様では、固体支持体は、ビーズ、カラム、アレイ、アッセイプレート、マイクロウェル、スティック、フィルター、またはストリップである。
【0067】
一部の態様では、組み合わせの抗体またはその抗原結合フラグメントが本明細書において提供されて、組み合わせは、本明細書に記載の2以上の抗-GFAP抗体または抗原結合フラグメントを含む。一部の実施態様では、前記の2以上の抗体または抗原結合フラグメントは、GFAP内の第一のエピトープまたは領域に結合する1つまたは複数の第一の抗体またはその抗原結合フラグメント;および、GFAP内の第二のエピトープまたは領域に結合する1つまたは複数の第二の抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。一部のさらなる実施態様では、前記の1つまたは複数の第一の抗体またはその抗原結合フラグメント、および前記の1つまたは複数の第二の抗体またはその抗原結合フラグメントは、GFAP(例えば、ヒトGFAP)の非オーバーラップのエピトープまたは領域に結合する、および/または、GFAPに対する結合に関して競合しない。
【0068】
一部の任意のそのような実施態様では、(i)前記の1つまたは複数の第一の抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号212に示されるアミノ酸位置に対応する、GFAPタンパク質の残基92~106、GFAPタンパク質の残基190~202、GFAPタンパク質の残基16~35および/または380、GFAPタンパク質の残基119および/または190、GFAPタンパク質の残基380~391、GFAPタンパク質の残基119~130、GFAPタンパク質の残基210~221、GFAPタンパク質の残基320~329、GFAPタンパク質の346~357および/または376~387および/またはGFAPタンパク質の残基138~149内のまたはそれであるまたはそれを含むエピトープに結合する;および(ii)前記の1つまたは複数の第二の抗体またはその抗原結合フラグメントは、(i)のエピトープと同一でないまたはオーバーラップしないエピトープに結合する。一部の任意のそのような実施態様では、(i)前記の1つまたは複数の第一の抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号212に示されるアミノ酸位置に対応するGFAPタンパク質のアミノ酸残基190~202内のまたはそれであるまたはそれを含むエピトープに結合する;および(ii)前記の1つまたは複数の第二の抗体 その抗原結合フラグメントは、配列番号212に示されるアミノ酸位置に対応する、GFAPタンパク質の残基92~106、GFAPタンパク質の残基16~35および/または380、GFAPタンパク質の残基119および/または190、GFAPタンパク質の残基380~391、GFAPタンパク質の残基119~130、GFAPタンパク質の残基210~221、GFAPタンパク質の残基320~329、GFAPタンパク質の346~357および/または376~387および/またはGFAPタンパク質の残基138~149内のまたはそれであるまたはそれを含むエピトープに結合する。
【0069】
一部の実施態様では、本明細書に記載の2以上の抗-GFAP抗体または抗原結合フラグメントの組み合わせの前記の少なくとも1つの抗体または抗原結合フラグメント、任意選択で、前記の1つまたは複数の第一の抗体またはその抗原結合フラグメントまたは前記の1つまたは複数の第二の抗体またはその抗原結合フラグメントは、標識にコンジュゲートされる。一部の実施態様では、前記の少なくとも1つの抗体または抗原結合フラグメント、任意選択で、前記の1つまたは複数の第一の抗体またはその抗原結合フラグメントまたは1つまたは複数の第二の抗体またはその抗原結合フラグメントは、固体支持体に付着または固定化される。一部の実施態様では、前記の1つまたは複数の第一または第二の抗体または抗原結合フラグメントは、固体支持体に付着または固定化されて、前記の1つまたは複数の第一または第二の抗体または抗原結合フラグメントの他方は、標識にコンジュゲートされる。一部の実施態様では、標識は、蛍光色素、蛍光タンパク質、放射性同位体、発色団、金属イオン、金粒子、銀粒子、磁性粒子、ポリペプチド、酵素、ストレプトアビジン、ビオチン、発光化合物、またはオリゴヌクレオチドである。一部の実施態様では、固体支持体は、ビーズ、カラム、アレイ、アッセイプレート、マイクロウェル、スティック、フィルター、またはストリップである。
【0070】
一部の態様では、抗体またはその抗原結合フラグメントの組み合わせが本明細書において提供されて、組み合わせは、少なくとも1つの抗-UCH-L1抗体、例えば、本明細書に記載の少なくとも1つの抗-UCH-L1抗体または本明細書に示される抗-UCH-L1抗体の組み合わせ;および、少なくとも1つの抗-GFAP抗体、例えば、本明細書に記載の少なくとも1つの抗-GFAP抗体または本明細書に示される抗-GFAP抗体の組み合わせを含む。
【0071】
一部の態様では、固体支持体が本明細書において提供されて、それに固定化された本明細書に記載の抗体または抗原結合フラグメント(例えば、抗-UCH-L1抗体および/または抗-GFAP抗体)を含む。さらなる実施態様では、固体支持体は、ビーズ、カラム、アレイ、アッセイプレート、マイクロウェル、スティック、フィルター、またはストリップである。
【0072】
一部の態様では、本明細書に記載の固体支持体を備えるデバイスが本明細書において提供される。さらなる実施態様では、デバイスは、迅速検出デバイスまたは迅速診断デバイスである。
【0073】
一部の態様では、本明細書に記載の抗体または抗原結合フラグメント(例えば、抗-UCH-L1抗体および/または抗-GFAP抗体)、本明細書に記載の組成物または本明細書に記載の抗体または抗原結合フラグメントの組み合わせ、および、任意選択で、使用のための説明書を含む、キットが本明細書において提供される。一部の実施態様では、当該キットは、固体支持体または固体支持体を備えるデバイスをさらに含む。さらなる実施態様では、固体支持体は、ビーズ、カラム、アレイ、アッセイプレート、マイクロウェル、スティック、フィルター、またはストリップである。本明細書における一部の実施態様では、デバイスは、迅速検出デバイスまたは迅速診断デバイスである。本明細書における一部の任意のそのような実施態様では、説明書は、サンプル中のUCH-L1またはGFAPを検出するため、および/または、サンプル中のUCH-L1またはGFAPの量を決定するための、アッセイを特定する。
【0074】
一部の態様では、ヒト対象においてUCH-L1を検出する方法が本明細書において提供されて、当該方法は、(a)抗体または抗原結合フラグメントおよびUCH-L1を含む複合体を形成する条件下で、1つまたは複数の第一の抗体または抗原結合フラグメント、例えば、1つまたは複数の本明細書に記載のもの(例えば、抗-UCH-L1抗体)とサンプルを接触させるステップ;および(b)サンプル中の複合体の存在または不存在を検出して、それにより、サンプル中のUCH-L1を検出するステップ、を含む。さらなる実施態様では、検出する方法は、免疫測定法を含む。さらなる実施態様では、免疫測定法は、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)である。さらなる実施態様では、ELISAは、サンドイッチELISAである。一部の任意のそのような実施態様では、ステップ(b)において複合体の存在または不存在を検出するステップは、(i)複合体においてUCH-L1に結合する条件下で、1つまたは複数の第二の抗体またはその抗原結合フラグメントとステップ(a)の複合体を接触させるステップ(前記の1つまたは複数の第二の抗体またはその抗原結合フラグメントは、検出可能なシグナルを生産することが可能な標識にコンジュゲートされる);および(ii)検出可能なシグナルの存在または不存在を評価するステップ、を含む。さらなる実施態様では、前記の1つまたは複数の第二の抗体または抗原結合フラグメントは、本明細書に記載の1つまたは複数の抗体または抗原結合フラグメント(例えば、抗-UCH-L1抗体)を含む。
【0075】
一部の態様では、対象由来のサンプルにおいてヒトUCH-L1を検出する方法が本明細書において提供されて、当該方法は、(a)抗体または抗原結合フラグメントおよびUCH-L1を含む複合体を形成する条件下で、ヒトUCH-L1に特異的に結合する1つまたは複数の第一の抗体または抗原結合フラグメントとサンプルを接触させるステップ;および(b)サンプル中の複合体の存在または不存在を検出するステップを含み、前記の検出するステップは、(i)複合体におけるUCH-L1に結合する条件下で、UCH-L1に特異的に結合する1つまたは複数の第二の抗体またはその抗原結合フラグメントとステップ(a)の複合体を接触させるステップ(前記の1つまたは複数の第二の抗体またはその抗原結合フラグメントは、検出可能なシグナルを生産することが可能な標識にコンジュゲートされる);および(ii)検出可能なシグナルの存在または不存在を評価して、それにより、サンプル中のUCH-L1を検出するステップを含み、ここで、少なくとも1つの前記の1つまたは複数の第一の抗体または抗原結合フラグメントおよび1つまたは複数の第二の抗体または抗原結合フラグメントは、本明細書に記載の抗体または抗原結合フラグメント(例えば、抗-UCH-L1抗体)を含む。さらなる実施態様では、前記の1つまたは複数の第二の抗体または抗原結合フラグメントは、(a)の抗体または抗原結合フラグメントによって結合されるエピトープと同一でないまたはオーバーラップしないUCH-L1のエピトープに結合する。一部の任意のそのような実施態様では、(1)前記の1つまたは複数の第一の抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号207において示されるアミノ酸位置に対応する、UCH-L1タンパク質の残基28~36、UCH-L1タンパク質の残基98~106、UCH-L1タンパク質の残基138~145、および/また、UCH-L1タンパク質の残基142~149内のまたはそれであるまたはそれを含むエピトープに結合する;および(2)前記の1つまたは複数の第二の抗体またはその抗原結合フラグメントは、(1)のエピトープと同一でないまたはオーバーラップしないエピトープと結合する。一部の任意のそのような実施態様では、(1)前記の1つまたは複数の第一の抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号207において示されるアミノ酸位置に対応するUCH-L1タンパク質の残基28~36および/またはUCH-L1タンパク質の残基98~106内のまたはそれであるまたはそれを含むエピトープに結合する;および(2)前記の1つまたは複数の第二の抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号207において示されるアミノ酸位置に対応する、UCH-L1タンパク質の残基138~145および/またはUCH-L1タンパク質の残基142~149内のまたはそれであるまたはそれを含むエピトープに結合する。
【0076】
一部の態様では、ヒト対象においてGFAPを検出する方法が本明細書において提供されて、当該方法は、(a)抗体または抗原結合フラグメントおよびGFAPを含む複合体を形成する条件下で、1つまたは複数の第一の抗体または抗原結合フラグメント、例えば、本明細書に記載の1つまたは複数(例えば、抗-GFAP抗体)とサンプルを接触させるステップ;および(b)サンプル中の複合体の存在または不存在を検出して、それにより、サンプル中のGFAPを検出するステップ、を含む。さらなる実施態様では、検出する方法は、免疫測定法を含む。さらなる実施態様では、免疫測定法は、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)である。さらなる実施態様では、ELISAは、サンドイッチELISAである。一部の任意のそのような実施態様では、ステップ(b)において複合体の存在または不存在を検出するステップは、(i)複合体においてGFAPに結合する条件下で、1つまたは複数の第二の抗体またはその抗原結合フラグメントとステップ(a)の複合体を接触させるステップ(前記の1つまたは複数の第二の抗体またはその抗原結合フラグメントは、検出可能なシグナルを生産することが可能な標識にコンジュゲートされる);および(ii)検出可能なシグナルの存在または不存在を評価するステップ、を含む。さらなる実施態様では、前記の1つまたは複数の第二の抗体または抗原結合フラグメントは、本明細書に記載の1つまたは複数の抗体または抗原結合フラグメント(例えば、抗-GFAP抗体)を含む。
【0077】
一部の態様では、対象由来のサンプル中のヒトGFAPを検出する方法が本明細書において提供されて、当該方法は、(a)抗体または抗原結合フラグメントおよびGFAPを含む複合体を形成する条件下で、ヒトGFAPに特異的に結合する1つまたは複数の第一の抗体または抗原結合フラグメントとサンプルを接触させるステップ;および(b)サンプル中の複合体の存在または不存在を検出するステップを含み、前記の検出するステップは、(i)複合体においてGFAPに結合する条件下で、GFAPに特異的に結合する1つまたは複数の第二の抗体またはその抗原結合フラグメントとステップ(a)の複合体を接触させるステップ(前記の1つまたは複数の第二の抗体またはその抗原結合フラグメントは、検出可能なシグナルを生産することが可能な標識にコンジュゲートされる);および(ii)検出可能なシグナルの存在または不存在を評価して、それにより、サンプル中のGFAPを検出するステップを含み、ここで、少なくとも1つの前記の1つまたは複数の第一の抗体または抗原結合フラグメントおよび1つまたは複数の第二の抗体または抗原結合フラグメントは、本明細書に記載の抗体または抗原結合フラグメント(例えば、抗-GFAP抗体)を含む。さらなる実施態様では、前記の1つまたは複数の第二の抗体または抗原結合フラグメントは、(a)の抗体または抗原結合フラグメントによって結合されるエピトープと同一でないまたはオーバーラップしないGFAPのエピトープに結合する。一部の任意のそのような実施態様では、(1)前記の1つまたは複数の第一の抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号212に示されるアミノ酸位置に対応する、GFAPタンパク質の残基92~106、GFAPタンパク質の残基190~202、GFAPタンパク質の残基16~35および/または380、GFAPタンパク質の残基119および/または190、GFAPタンパク質の残基380~391、GFAPタンパク質の残基119~130、GFAPタンパク質の残基210~221、GFAPタンパク質の残基320~329、GFAPタンパク質の346~357および/または376~387および/またはGFAPタンパク質の残基138~149内のまたはそれであるまたはそれを含むエピトープに結合する;および(2)前記の1つまたは複数の第二の抗体またはその抗原結合フラグメントは、(1)のエピトープと同一でないまたはオーバーラップしないエピトープに結合する。一部の任意のそのような実施態様では、(1)前記の1つまたは複数の第一の抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号212に示されるアミノ酸位置に対応するGFAPタンパク質のアミノ酸残基190~202内のまたはそれであるまたはそれを含むエピトープに結合する;および(2)前記の1つまたは複数の第二の抗体 その抗原結合フラグメントは、配列番号212に示されるアミノ酸位置に対応する、GFAPタンパク質の残基92~106、GFAPタンパク質の残基16~35および/または380、GFAPタンパク質の残基119および/または190、GFAPタンパク質の残基380~391、GFAPタンパク質の残基119~130、GFAPタンパク質の残基210~221、GFAPタンパク質の残基320~329、GFAPタンパク質の346~357および/または376~387および/またはGFAPタンパク質の残基138~149内のまたはそれであるまたはそれを含むエピトープに結合する。
【0078】
本明細書において、検出する(例えば、UCH-L1および/またはGFAPを検出する)方法の一部の実施態様では、ステップ(b)の前に、複合体内に含まれないサンプルから、ステップ(a)において形成された複合体を分離または洗浄する。当該方法の一部の実施態様では、前記の1つまたは複数の第一の抗体またはその抗原結合フラグメントは、固体支持体に付着または固定化される。当該方法の一部の実施態様では、ステップ(b)(ii)の前に、複合体に結合しない前記の1つまたは複数の第二の抗体またはその抗原結合フラグメントを除去する。一部の任意のそのような実施態様では、サンプルは、個体から単離または取得される。一部の任意のそのような実施態様では、サンプルは、血清、血漿、血液、脳脊髄液(CSF)、尿、汗、または唾液である。一部の任意のそのような実施態様では、当該方法は、(c)サンプル中に検出されるUCH-L1の量を決定するステップをさらに含む。一部の任意のそのような実施態様では、当該方法は、(c)サンプル中に検出されるGFAPの量を決定するステップをさらに含む。
【0079】
一部の態様では、対象における脳の傷害または損傷を診断する方法が本明細書において提供されて、当該方法は、本明細書に記載の検出する方法のようなUCH-L1を検出する方法を行なって、それにより、サンプル中のUCH-L1の量を決定するステップを含み;(i)サンプル中のUCH-L1の量が、UCH-L1閾値レベルよりも大きいまたはそれと等しいまたは約UCH-L1閾値レベルである場合、対象を、脳の傷害または損傷を有するまたは脳の傷害または損傷を有するリスクがあると診断する;または(ii)サンプル中のUCH-L1の量がUCH-L1閾値レベルよりも下である場合、対象を、脳の傷害または損傷を有さないまたは脳の傷害または損傷を有するリスクがないと診断する。一部の実施態様では、対象が、脳の傷害または損傷を有するまたは脳の傷害または損傷を有するリスクがあると同定される場合、脳の傷害または損傷を治療するために対象に治療的薬剤を投与する。一部の任意のそのような実施態様では、対象が、脳の傷害または損傷を有するまたは脳の傷害または損傷を有するリスクがあると同定される場合、対象の脳に対して神経画像処理を行なう。任意のそのような実施態様では、対象が、脳の傷害または損傷を有さないまたは脳の傷害または損傷を有するリスクがないと同定される場合、対象の脳の神経画像処理は行なわれない。
【0080】
一部の態様では、対象における脳の傷害または損傷を診断する方法が本明細書において提供されて、当該方法は、本明細書に記載の検出する方法のようなGFAPを検出する方法を行なって、それにより、サンプル中のGFAPの量を決定するステップを含み;および(i)サンプル中のGFAPの量が、GFAP閾値レベルよりも大きいまたはそれと等しいまたは約GFAP閾値レベルである場合、対象を、脳の傷害または損傷を有するまたは脳の傷害または損傷を有するリスクがあると診断する;または(ii)サンプル中のGFAPの量がGFAP閾値レベルよりも下である場合、対象を、脳の傷害または損傷を有さないまたは脳の傷害または損傷を有するリスクがないと診断する。一部の実施態様では、対象が、脳の傷害または損傷を有するまたは脳の傷害または損傷を有するリスクがあると同定される場合、脳の傷害または損傷を治療するために対象に治療的薬剤を投与する。一部の任意のそのような実施態様では、対象が、脳の傷害または損傷を有するまたは脳の傷害または損傷を有するリスクがあると同定される場合、対象の脳に対して神経画像処理を行なう。任意のそのような実施態様では、対象が、脳の傷害または損傷を有さないまたは脳の傷害または損傷を有するリスクがないと同定される場合、対象の脳の神経画像処理は行なわれない。
【0081】
一部の態様では、対象における脳の傷害を診断する方法が本明細書において提供されて、当該方法は、(a)本明細書に記載の検出する方法のようなUCH-L1を検出する方法を行なって、それにより、サンプル中のUCH-L1の量を決定するステップ;(b)本明細書に記載の検出する方法のようなGFAPを検出する方法を行なって、それにより、サンプル中のGFAPの量を決定するステップ;を含み、(i)サンプル中のUCH-L1の量が、UCH-L1閾値レベルよりも大きいまたはそれと等しいまたは約UCH-L1閾値レベルである場合、および/または、サンプル中のGFAPの量が、GFAP閾値レベルよりも大きいまたはそれと等しいまたは約GFAP閾値レベルである場合、対象を、脳の傷害または損傷を有するまたは脳の傷害または損傷を有するリスクがあると診断する;または(ii)サンプル中のUCH-L1の量がUCH-L1閾値レベルよりも下である場合、および/または、サンプル中のGFAPの量がGFAP閾値レベルよりも下である場合、対象を、脳の傷害または損傷を有さないまたは脳の傷害または損傷を有するリスクがないと診断する。一部の実施態様では、対象が、脳の傷害または損傷を有するまたは脳の傷害または損傷を有するリスクがあると同定される場合、脳の傷害または損傷を治療するために対象に治療的薬剤を投与する。一部の任意のそのような実施態様では、対象が、脳の傷害または損傷を有するまたは脳の傷害または損傷を有するリスクがあると同定される場合、対象の脳に対して神経画像処理を行なう。一部のそのような実施態様では、対象が、脳の傷害または損傷を有さないまたは脳の傷害または損傷を有するリスクがないと同定される場合、対象の脳の神経画像処理は行なわれない。
【0082】
一部の態様では、脳の傷害または損傷のために対象を治療する方法が本明細書において提供されて、a)本明細書に記載の方法のような診断の方法を行なうステップ;およびb)対象が、脳の傷害または損傷を有するまたは脳の傷害または損傷を有するリスクがあると同定される場合、脳の傷害または損傷を治療するために対象に治療的薬剤を投与するステップ、を含む。さらなる実施態様では、治療的薬剤は、N-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)受容体拮抗薬、ナトリウムチャネル拮抗薬、一酸化窒素シンターゼ(NOS)阻害剤、グリシン部位拮抗薬、カリウムチャネルオープナー、AMPA/カイニン酸受容体拮抗薬、カルシウムチャネル拮抗薬、GABA-A受容体モジュレーター、抗炎症剤、またはそれらの組み合わせから選択される。
【0083】
一部の態様では、対象が脳の傷害または損傷の疑いに関して神経画像処理の必要があるかどうか予測する方法が本明細書において提供されて、当該方法は、(a)本明細書に記載の検出する方法のようなUCH-L1を検出する方法を行なって、それにより、サンプル中のUCH-L1の量を決定するステップ;および/または(b)本明細書に記載の検出する方法のようなGFAPを検出する方法を行なって、それにより、サンプル中のGFAPの量を決定するステップ;を含み、(i)サンプル中のUCH-L1の量が、UCH-L1閾値レベルよりも大きいまたはそれと等しいまたは約UCH-L1閾値レベルである場合、および/または、サンプル中のGFAPの量が、GFAP閾値レベルよりも大きいまたはそれと等しいまたは約GFAP閾値レベルである場合、対象は神経画像処理の必要があると予測する;または(ii)サンプル中のUCH-L1の量がUCH-L1閾値レベルよりも下である場合、および/または、サンプル中のGFAPの量がGFAP閾値レベルよりも下である場合、対象は神経画像処理の必要がないと予測する。
【0084】
一部の態様では、対象が、予測される脳の傷害または損傷に関して神経画像処理が必要であるかどうか予想する方法の方法が本明細書において提供されて、a)本明細書に記載の診断または検出の方法のようなUCH-L1および/またはGFAPを診断または検出する方法を行なうステップ;およびb)対象が、脳の傷害または損傷を有するまたは脳の傷害または損傷を有するリスクがあると同定される場合、対象は神経画像処理の必要があると予測するステップを含む。一部の実施態様では、当該方法は、対象の脳に対して神経画像処理を行なうステップをさらに含む。
【0085】
本明細書における方法の一部の任意のそのような実施態様では、神経画像処理は、コンピューター断層撮影(CT)または磁気共鳴イメージング(MRI)によるものである。
【0086】
本明細書における方法の一部の任意のそのような実施態様では、UCH-L1閾値レベルは、30pg/mLまたは約30pg/mLであり、40mg/mLまたは約40mg/mLであり、60pg/mLまたは約60pg/mLであり、80pg/mLまたは約80pg/mLであり、100pg/mLまたは約100pg/mLであり、150pg/mLまたは約150pg/mLであり、200pg/mLまたは約200pg/mLであり、250pg/mLまたは約250pg/mLであり、300pg/mLまたは約300pg/mLであり、400pg/mLまたは約400pg/mLであり、または、500pg/mLまたは約500pg/mLである。一部の実施態様では、UCH-L1閾値レベルは、100pg/mLまたは約100pg/mLである。一部の実施態様では、UCH-L1閾値レベルは、200pg/mlまたは約200pg/mlである。
【0087】
本明細書における方法の一部の任意のそのような実施態様では、GFAP閾値レベルは、10pg/mLまたは約10pg/mLであり、20pg/mLまたは約20pg/mLであり、30pg/mLまたは約30pg/mLであり、40pg/mLまたは約40pg/mLであり、50pg/mlまたは約50pg/mlであり、60pg/mL、または約60pg/mLであり、70pg/mLまたは約70pg/mLであり、80pg/mLまたは約80pg/mLであり、90pg/mLまたは約90pg/mLであり、100pg/mLまたは約100pg/mLであり、150pg/mLまたは約150pg/mLであり、200pg/mLまたは約200pg/mLであり、250pg/mLまたは約250pg/mLであり、または、300pg/mLまたは約300pg/mLである。一部の実施態様では、GFAP閾値レベルは、50pg/mlまたは約50pg/mlである。一部の実施態様では、GFAP閾値レベルは、70pg/mlまたは約70pg/mlである。
【0088】
本明細書における一部の任意のそのような実施態様では、UCH-L1閾値レベルは200pg/mLであり、GFAP閾値レベルは70pg/mLである。
【0089】
本明細書における方法の一部の任意のそのような実施態様では、脳の傷害または損傷は、機械的損傷、低酸素症、感染性疾患、神経細胞に影響する疾患、毒素損傷、または、神経疾患または状態と関連するまたは起因する。一部の実施態様では、機械的損傷は、外傷性脳傷害または慢性の外傷性脳症である。さらなる実施態様では、脳の傷害または損傷は、外傷性脳傷害である。さらなる実施態様では、外傷性脳傷害は、軽度外傷性脳傷害である。一部の実施態様では、低酸素症は、脳卒中、血管炎、虚血、または心疾患と関連する。一部の実施態様では、感染性疾患は、マイコバクテリウム細菌、髄膜炎菌、ヘルペスウイルス科ウイルス、ポリオウイルス、ムンプスウイルス、Enteroviridiaeウイルス、西ナイルウイルス、または、ダニ媒介性脳炎ウイルスによる感染を含む。一部の実施態様では、神経細胞に影響する疾患は、アルツハイマー病、レビー小体認知症、血管性認知症、糖尿病性認知症、パーキンソン病、ALS、またはプリオン病である。一部の実施態様では、毒素損傷は、神経剤、アルコール認知症、重金属中毒、精神賦活剤、化学療法剤、生物学的薬剤、または抗生物質に対する曝露と関連する。
【0090】
本明細書における方法の一部の任意のそのような実施態様では、サンプルは、脳の傷害または損傷または脳の傷害または損傷の疑いの後、約30分、1時間、2時間、4時間、6時間、8時間、12時間、24時間または48時間以内に対象から得られる
【0091】
本明細書における方法の一部の任意のそのような実施態様では、サンプルは、脳の傷害または損傷または脳の傷害または損傷の疑いの後、約8時間以内に対象から得られる。
【0092】
本明細書における方法の一部の任意のそのような実施態様では、サンプルは血清である。
【0093】
本明細書における方法の一部の任意のそのような実施態様では、サンプルはCSFである。
【0094】
本明細書における方法の一部の任意のそのような実施態様では、当該方法は、インビトロで行なわれる。
【0095】
本明細書に記載される様々な実施態様の1つ、一部、または全ての特性は、組み合わされて本発明の他の実施態様を形成し得ることが理解されるべきである。本発明のこれらおよび他の態様は、当業者にとって明らかになる。本発明のこれらおよび他の実施態様は、以下の詳細な説明によってさらに説明される。
【発明を実施するための形態】
【0096】
ユビキチンC末端ヒドロラーゼL1(UCH-L1)に結合する抗体が提供されて、そのような抗体の抗原結合フラグメント、そのような抗体および抗原結合フラグメントをコードする核酸、および、これらの抗体および抗原結合フラグメントを発現および生産するための組み換え細胞のような細胞を含む。本明細書において、グリア線維酸性タンパク質(GFAP)に結合する抗体も提供されて、そのような抗体の抗原結合フラグメント、そのような抗体および抗原結合フラグメントをコードする核酸、および、これらの抗体および抗原結合フラグメントを発現および生産するための組み換え細胞のような細胞を含む。個体由来のサンプル中のUCH-L1および/またはGFAPを検出する方法などにおける、抗体および抗原結合フラグメントを生産および使用する方法、個体における脳の傷害または神経状態を診断する方法、および、そのような個体が神経画像処理(例えば、コンピューター断層撮影スキャン)および/または治療的介入を必要とする可能性を予測する方法も提供される。
【0097】
特許出願、特許公報、および科学文献およびデータベースを含む、本明細書において挙げられる全ての参考文献は、それぞれの個々の参考文献が特におよび個々に参照により援用されることが示唆されるのと同程度まで、全ての目的に関してそれらの全体で参照により本明細書中に援用される。
【0098】
開示の明確性のため、および限定を目的とせずに、詳細な説明は、以下のサブセクションに分けられる。本明細書において用いられるセクションの見出しは、組織化の目的のためのみであり、記載される要旨を限定すると解釈されるべきでない。
【0099】
[I.定義]
別段の定義がない限り、本明細書において用いられる分野の全ての用語、表記および他の技術的および科学的用語または専門用語は、特許請求の範囲に記載される要旨が関連する当業者の一人によって一般に理解されるのと同一の意味を有することが意図される。場合によっては、一般に理解される意味を有する用語は、本明細書において明確性のためおよび/またはすぐに参照できるように定義されて、本明細書におけるそのような定義の包含は、当該分野において一般に理解されるものに対する実質的な違いを表わすとは必ずしも解釈されるべきでない。
【0100】
本発明を詳細に説明する前に、本発明は、特定の組成物または生体系に制限されず、もちろん、変化し得ることが理解されるべきである。本明細書において用いられる専門用語は、特定の実施態様を説明する目的のみのためであり、限定を意図しないことも理解されるべきである。
【0101】
本明細書および添付の特許請求の範囲において用いられる、単数形「a」、「an」および「the」は、内容が明確に別段の指示をしない限り、複数形の指示対象を含む。したがって、例えば、「分子(a molecule)」に対する言及は、任意選択で、2以上のそのような分子の組み合わせなどを含む。
【0102】
本明細書において用いられる用語「約」は、当該技術分野における当業者に容易に知られるそれぞれの値に関する通常の誤差範囲を指す。本明細書において、「約」値またはパラメーターに対する言及は、その値またはパラメーター自体に関する実施態様を含む(および記載する)。
【0103】
本明細書に記載される本発明の態様および実施態様は、態様および実施態様を「含む」、「からなる」、および、「から本質的になる」ものを含むことが理解される。
【0104】
本明細書において用いられる、「任意選択の(optional)」または「任意選択で(optionally)」は、その後に記載される事象または状況が生じるまたは生じないことを意味し、その記載は、前記事象または状況が生じる場合およびそうでない場合を含むことを意味する。例えば、任意選択で置換された基は、その基が、非置換または置換であることを意味する。
【0105】
本明細書において用いられる「抗体」は、天然または部分的または全体的に合成であろうとなかろうと、例えば組み換えによって生産された免疫グロブリンおよび免疫グロブリンフラグメントを指し、抗原結合部位を形成するのに十分な免疫グロブリン分子の可変重鎖および/または軽鎖領域の少なくとも一部を含むその任意のフラグメントを含み、集合した場合は、特に結合抗原を指す。それ故に、抗体は、免疫グロブリン抗原結合ドメイン(抗体結合部位)と相同または実質的に相同である結合ドメインを有する任意のタンパク質を含む。典型的に、抗体は、可変重(V)鎖および/または可変軽(V)鎖の全てまたは少なくとも一部を最小限含む。一般に、VおよびVが一緒にペアになると抗原結合部位を形成するが、場合によっては、単一のVまたはVドメインが抗原結合に十分である。また、抗体は、定常領域の全てまたは一部を含んでもよい。それ故に、本明細書において、抗体に対する言及は、UCH-L1またはGFAPに特異的に結合するものを含む全長抗体および抗原結合フラグメントを含むことが理解される。また、用語「抗体」は、ポリエピトープ特異性を有する抗体組成物、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、ダイアボディ、および単鎖分子も含む。抗体は、ポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体を含む。また、抗体は、合成の抗体または組み換えによって生産された抗体も含む。用語「免疫グロブリン」(Ig)は、本明細書において、「抗体」と相互交換可能に用いられる。
【0106】
したがって、用語「抗体」は、全長抗体および抗体フラグメントを含むその一部を含み、例えば、重鎖またはその一部および/または軽鎖またはその一部を含む。抗体は、2つの重鎖(HおよびH’と表わされ得る)および2つの軽鎖(LおよびL’と表わされ得る)を含んでよい。それぞれのL鎖は、1つの共有ジスルフィド結合によってH鎖に結合されて、一方で、2つのH鎖は、H鎖アイソタイプに応じて1つまたは複数のジスルフィド結合によって互いに結合される。それぞれのHおよびL鎖は、規則的に空間のあいた鎖内ジスルフィド架橋も有する。それぞれのH鎖は、N末端において、可変ドメイン(V)の後に、αおよびγ鎖のそれぞれに関して3つの定常ドメイン(CH1、CH2およびCH3)、および、μおよびεアイソタイプに関して4つのCドメイン(CH1、CH2、CH3およびCH4)を有する。それぞれのL鎖は、N末端において、可変ドメイン(V)の後に、その他方の末端において定常ドメイン(C)を有する。場合によっては、重鎖は、全長免疫グロブリン重鎖または抗原結合部位を形成するのに十分なその一部であってよく(例えば、重鎖は、限定されないが、VH鎖、VH-CH1鎖およびVH-CH1-CH2-CH3鎖を含む)、および/または、それぞれの軽鎖は、全長軽鎖または抗原結合部位を形成するのに十分なその一部であってよい(例えば、軽鎖は、限定されないが、VL鎖およびVL-CL鎖を含む)。異なるクラスの抗体の構造および特性については、例えば、Basic and Clinical Immunology,8th Edition,Daniel P.Sties,Abba I.Terr and Tristram G.Parsolw(eds),Appleton&Lange,Norwalk,CT,1994,71頁および第6章を参照。それぞれの重鎖(HおよびH’)は、1つの軽鎖(それぞれ、LおよびL’)とペアになる。
【0107】
用語「全長抗体」、「無傷の抗体」または「抗体全体」は、相互交換可能に用いられて、抗体フラグメントとは異なりその実質的に無傷の形態における抗体を指す。全長抗体は、2つの全長重鎖(例えば、VH-CH1-CH2-CH3またはVH-CH1-CH2-CH3-CH4)および2つの全長軽鎖(VL-CL)およびヒンジ領域を典型的に有する抗体、例えば、抗体分泌B細胞によって哺乳類の種(例えばヒト、マウス、ラット、ウサギ、非ヒト霊長類など)から生産される抗体、および、合成的に生産される同一ドメインを有する抗体である。特に、抗体全体は、Fc領域を含む重鎖および軽鎖を有するものを含む。定常ドメインは、ネイティブ配列の定常ドメイン(例えば、ヒトネイティブ配列の定常ドメイン)またはそのアミノ酸配列変異であってよい。場合によっては、無傷の抗体は、1つまたは複数のエフェクター機能を有してよい。
【0108】
「抗体フラグメント」は、無傷の抗体の一部、無傷の抗体の抗原結合および/または可変領域を含む。抗体フラグメントは、限定されないが、Fabフラグメント、Fab’フラグメント、F(ab’)フラグメント、Fvフラグメント、ジスルフィド-結合Fv(dsFv)、Fdフラグメント、Fd’フラグメント;ダイアボディ;線形抗体(米国特許番号5,641,870、実施例2;Zapata et al.,Protein Eng.8(10):1057-1062[1995]を参照);単鎖Fvs(scFv)または単鎖Fab(scFab)を含む単鎖抗体分子;任意の上記および抗体フラグメント由来の多重特異性抗体の抗原結合フラグメントを含む。
【0109】
「Fv」は、非共有の関連性によって結合された1つの重鎖および1つの軽鎖可変領域ドメインからなる。これらの2つのドメインのフォールディングから、抗原結合のためのアミノ酸残基に寄与して抗体に抗原結合特異性を与える6つの相補性決定領域(CDR)(それぞれにおいて重鎖および軽鎖から3つ)が発する。しかしながら、単一の可変ドメイン(または、抗原に特異的な3つのCDRのみを含むFvの半分)さえ、抗原を認識および結合する能力を有するが、場合によっては、結合部位全体よりも低い親和性である。
【0110】
「dsFv」は、改変された分子間ジスルフィド結合を有するFvを指し、V-Vペアを安定化させる。
【0111】
「Fdフラグメント」は、抗体重鎖の1つの定常領域ドメイン(C1)および可変ドメイン(V)を含む抗体のフラグメントである。
【0112】
「Fabフラグメント」は、パパインによる全長免疫グロブリンの消化から生じる抗体フラグメント、または、例えば組み換え方法によって合成的に生産される同一の構造を有するフラグメントである。Fabフラグメントは、軽鎖(VおよびCを含む)、および、重鎖の1つの定常領域ドメイン(C1)および重鎖の可変ドメイン(V)を含む別の鎖を含む。
【0113】
「F(ab’)フラグメント」は、pH4.0~4.5でペプシンによる免疫グロブリンの消化から生じる抗体フラグメント、または、例えば組み換え方法によって合成的に生産される同一の構造を有するフラグメントである。F(ab’)フラグメントは、2つのFabフラグメントを本質的に含み、ここで、それぞれの重鎖部分は、2つのフラグメントを接合するジスルフィド結合を形成するシステイン残基を含むさらなる少しのアミノ酸を含む。
【0114】
「Fab’フラグメント」は、F(ab’)フラグメントの半分(1つの重鎖および1つの軽鎖)を含むフラグメントである。
【0115】
「Fd’フラグメント」は、F(ab’)フラグメントの1つの重鎖部分を含む抗体のフラグメントである。
【0116】
「Fv’フラグメント」は、抗体分子のVおよびVドメインのみを含むフラグメントである。
【0117】
「scFvフラグメント」は、ポリペプチドリンカーによって任意の順序で共有結合された可変軽鎖(V)および可変重鎖(V)を含む抗体フラグメントを指す。リンカーは、2つの可変ドメインが実質的に干渉されずに架橋されるような長さである。例示的なリンカーは、溶解度を増大させるために少しのGluまたはLys残基が全体的に分散した(Gly-Ser)残基である。
【0118】
「ダイアボディ」は、二量体scFvであり;ダイアボディは、scFvよりも短いペプチドリンカーを典型的に有し、優先的に二量体化する。
【0119】
本明細書において用いられる、抗体に関する「可変ドメイン」は、(同一クラスの他の抗体と比較して)抗体の一般的に最も可変の部分である抗体重鎖または軽鎖の特異的なIgドメインである。それぞれの重鎖およびそれぞれの軽鎖のアミノ末端ドメインは、1つの可変領域ドメインを有する。重鎖および軽鎖の可変ドメインは、それぞれ「V」および「V」と呼ばれ得る。それぞれの可変領域は、抗原結合部位ドメインの部分である相補性決定領域CDRおよびフレームワーク領域(FR)を含む。抗原結合部位を含む可変ドメインは、抗原特異性を与え、したがって、抗原認識を担う。
【0120】
用語「相補性決定領域」または「CDR」は、同起源抗原と相互作用して、抗原特異性および/または結合親和性を与える、抗体可変領域内のアミノ酸の配列を指す。CDRは、抗体の「超可変領域」または「HVR」内にあり、または内に見られ、配列において超可変であり、および/または、構造的に規定されたループ(「超可変ループ」)を形成する。場合によっては、CDRは、超可変領域または超可変ループとも呼ばれる。一般に、それぞれの重鎖可変領域内に3つのCDR(CDR-H1、CDR-H2、CDR-H3)、および、それぞれの軽鎖可変領域内に3つのCDR(CDR-L1、CDR-L2、CDR-L3)が存在する。
【0121】
「フレームワーク領域」および「FR」は、本明細書において定義されるように、CDR残基以外の重鎖および軽鎖の可変領域の可変ドメイン残基を指す。一般に、それぞれの全長重鎖可変領域内に4つのFR(FR-H1、FR-H2、FR-H3、およびFR-H4)、および、それぞれの全長軽鎖可変領域内に4つのFR(FR-L1、FR-L2、FR-L3、およびFR-L4)が存在する。
【0122】
任意の多くのよく知られたスキームを用いて所定のCDRまたはFRのアミノ酸配列境界を同定することは当業者のレベル内であり、以下を含む:Kabat et al.(1991)によって記載される、「Sequences of Proteins of Immunological Interest」,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD(「Kabat」ナンバリングスキーム)、Al-Lazikani et al.,(1997)JMB 273,927-948(「Chothia」ナンバリングスキーム)、MacCallum et al.,J.Mol.Biol.262:732-745(1996),「Antibody-antigen interactions:Contact analysis and binding site topography」,J.Mol.Biol.262,732-745.」(「Contact」ナンバリングスキーム)、Lefranc MP et al.,「IMGT unique numbering for immunoglobulin and T cell receptor variable domains and Ig superfamily V-like domains」,Dev Comp Immunol,2003 Jan;27(1):55-77(「IMGT」ナンバリングスキーム)、Honegger A and Pluckthun A,「Yet another numbering scheme for immunoglobulin variable domains:an automatic modeling and analysis tool」,J Mol Biol,2001 Jun 8;309(3):657-70,(「Aho」ナンバリングスキーム)、および、Martin et al.,「Modeling antibody hypervariable loops:a combined algorithm」,PNAS,1989,86(23):9268-9272,(「AbM」ナンバリングスキーム)。
【0123】
所定のCDRまたはFRの境界は、同定に用いられるスキームに応じて変化し得る。例えば、Kabatスキームは構造アライメントに基づき、一方で、Chothiaスキームは構造情報に基づく。KabatおよびChothiaスキームの両方に関するナンバリングは、最も一般的な抗体領域配列の長さに基づき、挿入は「30a」のような挿入文字によって適応されて、一部の抗体では欠失が現れる。2つのスキームは、特定の挿入および欠失(「インデル」)を異なる位置に置いて、示差的なナンバリングをもたらす。Contactスキームは、複雑な結晶構造の分析に基づき、Chothiaナンバリングスキームと多くの点で似ている。
【0124】
表1は、抗体におけるCDRおよびFRを同定するために当業者に公知の例示的なナンバリングスキームを提供する。Kabatの指定は、構造アライメントおよび配列可変性に基づき、最も一般に用いられる(Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5thEd.Public Health Service,National Institute of Health,Bethesda,MD(1991))。Chothiaの指定は、構造ループの位置に関する構造情報に基づく(Chothia and Lesk J.Mol.Biol.196:901-917(1987))。「contact」の指定は、利用可能な複雑な結晶構造の分析に基づく。AbMの指定は、CDRを説明するために別の標準であり、Oxford’s MolecularのAbM抗体モデリングソフトウェアによって用いられる。

【0125】
別段の指示がない限り、可変ドメイン残基(CDR残基およびフレームワーク領域残基)は、Kabat et al.(上記)に従ってナンバリングされる。任意の他のよく知られたナンバリングスキームおよび指定に従ってCDRおよびFR可変ドメイン残基を容易に決定することは、当業者のレベル内である。Kabat CDRに関して説明される実施態様もまた、抗体のCDRまたは超可変ループを説明または分類するための任意の他の代替の公知の標準またはスキームに基づいて、本明細書において提供されることが理解される。
【0126】
表現「Kabatにおける可変ドメイン残基ナンバリング」または「Kabatにおけるアミノ酸位置ナンバリング」または「Kabatに従ったナンバリング」およびそれらの変形は、Kabat et al.(上記)における抗体のコンパイレーションの重鎖可変ドメインまたは軽鎖可変ドメインのために用いられるナンバリングシステムを指す。このナンバリングシステムを用いて、実際の線形アミノ酸配列は、可変ドメインのHVRまたはFRの短縮またはそれに対する挿入に対応する、より少ないまたはさらなるアミノ酸を含んでよい。例えば、重鎖可変ドメインは、H2の残基52の後の単一のアミノ酸挿入(Kabatに従った残基52a)、および、重鎖FR残基82の後の挿入残基(例えば、Kabatに従った残基82a、82b、および82cなど)を含んでよい。残基のKabatナンバリングは、抗体の配列のホモロジー領域において「標準的な」Kabatナンバリング配列とアライメントすることによって、所定の抗体に関して決定され得る。
【0127】
本明細書において用いられる、定常領域ドメインは、可変領域ドメインよりも、抗体間で比較的保存されたアミノ酸の配列を含む抗体重鎖または軽鎖内のドメインである。それぞれの軽鎖は、単一の軽鎖定常領域(CL)ドメインを有し、κまたはλのいずれかのタイプである。それぞれの重鎖は、異なるクラスまたはアイソタイプに割り当てられ得る1つまたは複数の重鎖定常領域(CH)ドメインを含む。5つのクラスの免疫グロブリン:IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgMが存在し、それぞれ、α、δ、ε、γおよびμと指定される重鎖を有する。全長IgA、IgDおよびIgGアイソタイプは、CH1、CH2、CH3およびヒンジ領域を含み、一方で、IgEおよびIgMは、CH1、CH2、CH3およびCH4を含む。γおよびαクラスは、CH配列および機能における相対的に小さな違いに基づいてサブクラスにさらに分けられて、例えば、ヒトは、以下のサブクラス:IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1およびIgA2を発現する。IgG1抗体は、アロタイプと呼ばれる多数の多型変異において存在し得て(Jefferis and Lefranc 2009.mAbs Vol 1 Issue 4 1-7においてレビュー)、そのいずれも適切である。抗体定常領域は、Fc部分を含んでよい。免疫グロブリン重鎖のFc領域の境界は変化し得るが、ヒトIgG重鎖Fc領域は、通常、CH2およびCH3ドメインおよびヒンジ領域、例えば、Cys226位、またはPro230から、そのカルボキシル末端までのアミノ酸残基を含む領域を含む。
【0128】
「単離された」抗体は、その生産環境の構成要素から同定、分離および/または回収されているものである(例えば、天然に、または組み換えで)。一部の実施態様では、単離されたポリペプチドは、その生産環境からの全ての他の構成要素との関連性からフリーである。その生産環境の汚染物質の構成要素、例えば、組み換えトランスフェクト細胞から生じるものは、抗体に関する研究、診断または治療的使用を典型的に妨げる材料であり、酵素、ホルモン、および他のタンパク質性または非タンパク質性溶質を含んでよい。一部の実施態様では、ポリペプチドは、(1)例えばLowry法によって決定されるように、抗体の95重量%よりも多くまで、一部の実施態様では、99重量%よりも多くまで;(1)スピニングカップ配列決定装置の使用によってN末端または内部アミノ酸配列の少なくとも15残基を得るのに十分な程度まで、または(3)クーマシーブルーまたはシルバー染色を用いて非還元または還元条件下でSDS-PAGEによる均質性まで、精製される。単離された抗体は、抗体の天然環境の少なくとも1つの構成要素が存在しないので、組み換え細胞内にインサイチュで抗体を含む。しかしながら通常、単離されたポリペプチドまたは抗体は、少なくとも1つの精製ステップによって調製される。
【0129】
本明細書において用いられる用語「モノクローナル抗体」は、実質的に均質な抗体の集団から得られる抗体を指し、すなわち、集団を含む個々の抗体は、少量で存在し得る有り得る自然発生の突然変異および/または翻訳後修飾(例えば、異性化、アミド化)を除き同一である。一部の実施態様では、モノクローナル抗体は、重鎖および/または軽鎖においてC末端切断を有する。例えば、1、2、3、4、または5アミノ酸残基が、重鎖および/または軽鎖のC末端において切断される。一部の実施態様では、C末端切断は、C末端リジンを重鎖から除去する。一部の実施態様では、モノクローナル抗体は、重鎖および/または軽鎖においてN末端切断を有する。例えば、1、2、3、4、または5アミノ酸残基が、重鎖および/または軽鎖のN末端において切断される。一部の実施態様では、モノクローナル抗体のトランケートされた形態は、組み換え技術によって作られ得る。一部の実施態様では、モノクローナル抗体は、非常に特異的であり、単一の抗原性部位に対して向けられる。一部の実施態様では、モノクローナル抗体は、非常に特異的であり、多数の抗原性部位に対して向けられる(例えば、二重特異性抗体または多重特異性抗体)。修飾語句「モノクローナル」は、抗体の実質的に均質な集団から得られる抗体の特性を示し、任意の特定の方法による抗体の生産を必要とすると解釈されるべきでない。例えば、本開示によって提供されるモノクローナル抗体は、例えば、ハイブリドーマ方法、組み換えDNA方法、ファージディスプレイ技術、および、抗体を作成または生産するのに当業者に公知の他の技術を含む、様々な技術によって作られ得る。
【0130】
本明細書におけるモノクローナル抗体は、特に、重鎖および/または軽鎖の一部が、特定の種に由来するまたは特定の抗体クラスまたはサブクラスに属する抗体内の対応する配列と同一または同質であるが、一方で、鎖(単数または複数)の残部は別の種に由来するまたは別の抗体クラスまたはサブクラスに属する抗体内の対応する配列と同一または同質である「キメラ」抗体(免疫グロブリン)、ならびに、それらが所望の生物学的活性を示す限りそのような抗体のフラグメントを含む(米国特許番号4,816,567;Morrison et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81:6851-6855(1984))。本明細書において用いられる「ヒト化抗体」は、「キメラ抗体」のサブセットとして用いられる。
【0131】
非ヒト(例えば、ミューリン)抗体の「ヒト化」形態は、非ヒト免疫グロブリンに由来する最小配列を含むキメラ抗体である。一実施態様では、ヒト化抗体は、レシピエントのCDR由来の残基が、所望の特異性、親和性、および/または能力を有する非ヒト種(ドナー抗体)、例えば、マウス、ラット、ウサギまたは非ヒト霊長類のCDR由来の残基によって置換された、ヒト免疫グロブリン(レシピエント抗体)である。場合によっては、ヒト免疫グロブリンのFR残基は、対応する非ヒト残基によって置換される。さらに、ヒト化抗体は、レシピエント抗体またはドナー抗体には見られない残基を含んでよい。これらの改変は、結合親和性のような抗体性能をさらに改善するためになされ得る。一般に、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、典型的に2つの、可変ドメインの実質的に全てを含み、非ヒト免疫グロブリン配列のものに対応する全てまたは実質的に全てのCDR、および、全てまたは実質的に全てのFR領域は、ヒト免疫グロブリン配列のものであるが、FR領域は、例えば結合親和性、異性化、免疫原性などの抗体性能を改善する1つまたは複数の個々のFR残基置換を含んでよい。一部の実施態様では、FRにおけるこれらのアミノ酸置換の数は、H鎖内に6個以内であり、L鎖内には3個以内である。ヒト化抗体は、任意選択で、免疫グロブリン定常領域(Fc)の少なくとも一部、典型的にはヒト免疫グロブリンのものを含んでもよい。さらなる詳細については、例えば、Jones et al.,Nature 321:522-525(1986);Riechmann et al.,Nature 332:323-329(1988);およびPresta,Curr.Op.Struct.Biol.2:593-596(1992)を参照。また例えば、Vaswani and Hamilton,Ann.Allergy,Asthma&Immunol.1:105-115(1998);Harris,Biochem.Soc.Transactions 23:1035-1038(1995);Hurle and Gross,Curr.Op.Biotech.5:428-433(1994);および、米国特許番号6,982,321および7,087,409を参照。一部の実施態様では、ヒト化抗体は、単一の抗原性部位に対して向けられる。一部の実施態様では、ヒト化抗体は、多数の抗原性部位に対して向けられる。代替のヒト化方法は、米国特許番号7,981,843および米国特許出願公報番号2006/0134098に記載される。
【0132】
参照ポリペプチド配列に対する「アミノ酸配列同一性パーセント(%)」は、配列を並べて、必要な場合は最大の配列同一性パーセントを達成するためにギャップを導入した後の、参照ポリペプチド配列内のアミノ酸残基と同一である候補配列内のアミノ酸残基のパーセンテージとして定義されて、いかなる保存的置換も配列同一性の一部として考慮しない。アミノ酸配列同一性パーセントを決定する目的のためのアライメントは、当該分野の技術範囲内である様々な方法で達成され得て、例えば、BLAST、BLAST-2、ALIGNまたはMegalign(DNASTAR)ソフトウェアのような、公に利用可能なコンピューターソフトウェアを用いる。当業者は、比較される配列の全長にわたって最大アライメントを達成するために必要とされる任意のアルゴリズムを含む、配列を並べるための適切なパラメーターを決定することができる。例えば、所定のアミノ酸配列Bに対して、それとの、またはそれに対する所定のアミノ酸配列A(あるいは、所定のアミノ酸配列Bに対して、それとの、またはそれに対して特定のアミノ酸配列同一性%を有するまたは含む所定のアミノ酸配列Aと表現され得る)の、アミノ酸配列同一性%は、以下のように計算される:
【0133】
100×分数X/Y
【0134】
ここで、Xは、AおよびBのそのプログラムのアライメントにおいて配列によって同一マッチとしてスコアされたアミノ酸残基の数であり、ここで、Yは、B内のアミノ酸残基の合計数である。アミノ酸配列Aの長さがアミノ酸配列Bの長さと等しくない場合は、Bに対するAのアミノ酸配列同一性%は、Aに対するBのアミノ酸配列同一性%と等しくないことが理解される。
【0135】
特定のポリペプチドまたは特定のポリペプチド上のエピトープ「に結合する」、「に特異的に結合する」または「に関して特異的な」抗体は、任意の他のポリペプチドまたはポリペプチドエピトープに実質的に結合せずに、その特定のポリペプチドまたは特定のポリペプチド上のエピトープに結合するものである。一部の実施態様では、関係のない、非UCH-L1ポリペプチドに対する、本明細書に記載の抗-UCH-L1抗体の結合は、当技術分野で知られている方法(例えば、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA))によって測定されるUCH-L1に結合する抗体の約10%未満である。一部の実施態様では、関係のない、非GFAPポリペプチドに対する、本明細書に記載の抗-GFAP抗体の結合は、当技術分野で知られている方法(例えば、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA))によって測定されるGFAPに結合する抗体の約10%未満である。典型的に、UCH-L1またはGFAPに免疫特異的に結合する(または特異的に結合する)抗体は、1×10-7Mまたは1×10-8Mまたはそれ未満の解離定数(K)(または、約または1×10-1または1×10-1またはそれよりも高い親和定数K)でそれに結合するものである。
【0136】
本明細書において用いられる「結合親和性」は、分子(例えば、抗体)およびその結合パートナー(例えば抗原)の単一の結合部位間の非共有相互作用の強度を指す。一部の実施態様では、UCH-L1またはGFAPに関する抗体の親和性は、通常、解離定数(K)によって表され得る。親和性は、本明細書において記載されるものを含む当技術分野で知られている一般的な方法によって測定され得る。
【0137】
本明細書において用いられる用語「UCH-L1」は、ヒトUCH-L1タンパク質またはそのアイソフォームまたは変異体を指し、ヒトUCH-L1の自然発生変異体、例えばスプライス変異体または対立遺伝子変異体を含む。例示的なヒトUCH-L1のアミノ酸配列は、配列番号207に示される。別の例示的なヒトUCH-L1のアミノ酸配列は、配列番号208に示される。さらに別の例示的なヒトUCH-L1のアミノ酸配列は、配列番号209に示される。例示的なヒトUCH-L1のアミノ酸配列は、配列番号210に示される。別の例示的なヒトUCH-L1のアミノ酸配列は、配列番号211に示される。一部の実施態様では、ヒトUCH-L1は、配列番号207、208、209、210または211のいずれかと少なくともまたは少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%配列同一性を示す対立遺伝子変異体またはスプライス変異体のような変異体を指してよい。一部の実施態様では、提供される抗体または抗原結合フラグメントは、別の哺乳類のUCH-L1タンパク質、例えば、ミューリンUCH-L1または霊長類UCH-L1に対する交差反応性結合を示し得ることが理解される。
【0138】
ヒトUCH-L1アイソフォーム1アミノ酸配列
MQLKPMEINPEMLNKVLSRLGVAGQWRFVDVLGLEEESLGSVPAPACALLLLFPLTAQHENFRKKQIEELKGQEVSPKVYFMKQTIGNSCGTIGLIHAVANNQDKLGFEDGSVLKQFLSETEKMSPEDRAKCFEKNEAIQAAHDAVAQEGQCRVDDKVNFHFILFNNVDGHLYELDGRMPFPVNHGASSEDTLLKDAAKVCREFTEREQGEVRFSAVALCKAA(配列番号207)
【0139】
ヒトUCH-L1アイソフォーム2アミノ酸配列
MQLKPMEINPEMLNKVLSRLGVAGQWRFVDVLGLEEESLGSVPAPACALLLLFPLTAQHENFRKKQIEELKGQEVSPKVYFMKQTIGNSCGTIGLIHAVANNQDKLGFEDGSVLKQFLSETEKMSPEDRAKCFEKNEAIQAAHDAVAQEGQCRVDDKVNFHFILFNNVDGHLYELDGRMPFPVNHGASSEDTLLKDAAKALKHKQSAQLSTGPLWCELQMVKHSPQCMSCIRYLTL(配列番号208)
【0140】
ヒトUCH-L1アイソフォーム3アミノ酸配列
MQLKPMEINPEMLNKVLSRLGVAGQWRFVDVLGLEEESLGSVPAPACALLLLFPLTAQHENFRKKQIEELKGQEVSPKVYFMKQTIGNSCGTIGLIHAVANNQDKLGFEDGSVLKQFLSETEKMSPEDRAKCFEKNEAIQAAHDAVAQEGQCRVDDKMDECLFR(配列番号209)
【0141】
ヒトUCH-L1アイソフォーム4アミノ酸配列
MQLKPMEINPEMLNKVLSRLGVAGQWRFVDVLGLEEESLGSVPAPACALLLLFPLTAQHENFRKKQIEELKGQEVSPKVYFMKQTIGNSCGTIGLIHAVANNQDKLGFEDGSVLKQFLSETEKMSPEDRAKCFEKNEAIQAAHDAVAQEGQCRVDDKTLPRSAENSPSVSKEKSASLPWLSARQPNALWEGLC(配列番号210)
【0142】
ヒトUCH-L1アイソフォーム5アミノ酸配列
MQLKPMEINPEMLNKVLSRLGVAGQWRFVDVLGLEEESLGSVPAPACALLLLFPLTAQHENFRKKQIEELKGQEVSPKVYFMKQTIGNSCGTIGLIHAVANNQDKLGFEDGSVLKQFLSETEKMSPEDRAKCFEKNEAIQAAHDAVAQEGQCRVDDKTLPRHLSTSRVHSCPLGHCGVSFRW(配列番号211)
【0143】
本明細書において用いられる用語「グリア線維酸性プロテイン」または「GFAP」は、ヒトGFAPタンパク質またはそのアイソフォーム、フラグメントまたは変異体を指し、ヒトGFAPの自然発生変異体、例えばスプライス変異体または対立遺伝子変異体を含む。例示的なヒトGFAPのアミノ酸配列は、配列番号212に示される。別の例示的なヒトGFAPのアミノ酸配列は、配列番号213に示される。さらに別の例示的なヒトGFAPのアミノ酸配列は、配列番号214に示される。一部の実施態様では、ヒトGFAPは、配列番号212、213または214のいずれかと少なくともまたは少なくとも約85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%配列同一性を示す対立遺伝子変異体またはスプライス変異体のような変異体を指してよい。一部の実施態様では、提供される抗体または抗原結合フラグメントは、別の哺乳類のGFAPタンパク質、例えば、ミューリンGFAPまたは霊長類GFAPと交差反応性結合を示し得ることが理解される。
【0144】
ヒトGFAPアイソフォーム1アミノ酸配列
MERRRITSAARRSYVSSGEMMVGGLAPGRRLGPGTRLSLARMPPPLPTRVDFSLAGALNAGFKETRASERAEMMELNDRFASYIEKVRFLEQQNKALAAELNQLRAKEPTKLADVYQAELRELRLRLDQLTANSARLEVERDNLAQDLATVRQKLQDETNLRLEAENNLAAYRQEADEATLARLDLERKIESLEEEIRFLRKIHEEEVRELQEQLARQQVHVELDVAKPDLTAALKEIRTQYEAMASSNMHEAEEWYRSKFADLTDAAARNAELLRQAKHEANDYRRQLQSLTCDLESLRGTNESLERQMREQEERHVREAASYQEALARLEEEGQSLKDEMARHLQEYQDLLNVKLALDIEIATYRKLLEGEENRITIPVQTFSNLQIRETSLDTKSVSEGHLKRNIVVKTVEMRDGEVIKESKQEHKDVM(配列番号212)。
【0145】
ヒトGFAPアイソフォーム2アミノ酸配列
MERRRITSAARRSYVSSGEMMVGGLAPGRRLGPGTRLSLARMPPPLPTRVDFSLAGALNAGFKETRASERAEMMELNDRFASYIEKVRFLEQQNKALAAELNQLRAKEPTKLADVYQAELRELRLRLDQLTANSARLEVERDNLAQDLATVRQKLQDETNLRLEAENNLAAYRQEADEATLARLDLERKIESLEEEIRFLRKIHEEEVRELQEQLARQQVHVELDVAKPDLTAALKEIRTQYEAMASSNMHEAEEWYRSKFADLTDAAARNAELLRQAKHEANDYRRQLQSLTCDLESLRGTNESLERQMREQEERHVREAASYQEALARLEEEGQSLKDEMARHLQEYQDLLNVKLALDIEIATYRKLLEGEENRITIPVQTFSNLQIRGGKSTKDGENHKVTRYLKSLTIRVIPIQAHQIVNGTPPARG(配列番号213)。
【0146】
ヒトGFAPアイソフォーム3アミノ酸配列
MERRRITSAARRSYVSSGEMMVGGLAPGRRLGPGTRLSLARMPPPLPTRVDFSLAGALNAGFKETRASERAEMMELNDRFASYIEKVRFLEQQNKALAAELNQLRAKEPTKLADVYQAELRELRLRLDQLTANSARLEVERDNLAQDLATVRQKLQDETNLRLEAENNLAAYRQEADEATLARLDLERKIESLEEEIRFLRKIHEEEVRELQEQLARQQVHVELDVAKPDLTAALKEIRTQYEAMASSNMHEAEEWYRSKFADLTDAAARNAELLRQAKHEANDYRRQLQSLTCDLESLRGTNESLERQMREQEERHVREAASYQEALARLEEEGQSLKDEMARHLQEYQDLLNVKLALDIEIATYRKLLEGEENRITIPVQTFSNLQIRGQYSRASWEGHWSPAPSSRACRLLQTGTEDQGKGIQLSLGAFVTLQRS(配列番号214)。
【0147】
本明細書において用いられる、アミノ酸の配列に関して「対応する」または「対応する位置における」、または、配列リストに記載されるような開示される配列内のアミノ酸位置「に対応する」アミノ酸位置という記述は、標準的なアライメントアルゴリズムを用いて同一性を最大化するために開示される配列とのアライメントの際に同定されるアミノ酸位置を指す。一部の実施態様では、UCH-L1の例示的な対応する残基は、配列番号207に示される例示的なUCH-L1配列との配列のアライメントとによって同定され得る。一部の実施態様では、GFAPタンパク質の例示的な対応する残基は、配列番号212に示される例示的なGFAP配列との配列のアライメントによって同定され得る。配列を並べることによって、当業者は、例えば、保存および同一アミノ酸残基をガイドとして用いて、対応する残基を同定することができる。一般に、対応する位置を同定するためには、アミノ酸の配列は、最も高いオーダーのマッチが得られるように並べられる(例えば:Computational Molecular Biology,Lesk,A.M.,ed.,Oxford University Press,New York,1988;Biocomputing:Informatics and Genome Projects,Smith,D.W.,ed.,Academic Press,NewYork,1993;Computer Analysis of Sequence Data,Part I,Griffin,A.M.,and Griffin,H.G.,eds.,Humana Press,New.Jersey,1994;Sequence Analysis in Molecular Biology,von Heinje,G.,Academic Press,1987;and Sequence Analysis Primer,Gribskov,M.and Devereux,J.,eds.,M Stockton Press,New York,1991;Carrillo et al.(1988)SIAM J Applied Math 48:1073を参照)。
【0148】
本明細書において、抗体または抗体鎖(LまたはH鎖)をコードする「単離された」核酸分子は、それが生産された環境において通常関係する少なくとも1つの汚染核酸分子から同定および分離されている核酸分子である。一部の実施態様では、単離された核酸は、生産環境と関連する全ての構成要素と関連性がない。本明細書において、ポリペプチドおよび抗体をコードする単離された核酸分子は、それが天然に見られる形態またはセッティング以外の形態である。単離された核酸分子は、したがって、細胞内に天然に存在する本明細書におけるポリペプチドおよび抗体をコードする核酸から区別される。
【0149】
用語「ネイキッド抗体」は、部分または標識にコンジュゲートされていない抗体を指す。
【0150】
本明細書において用いられる「抗体コンジュゲート」は、共有または非共有相互作用を介して部分または標識に付着された抗体を指す。
【0151】
本明細書において用いられる語句「抗体にコンジュゲートされる」、「抗体に結合される」または「抗体に付着される」またはそれらの他の変形は、抗体またはその抗原結合フラグメント(標識または他の部分など)に対する部分の付着を指す場合、その部分が、共有または非共有相互作用を介するものを含む、分子を結合するための任意の公知の方法によって、抗体またはその抗原結合フラグメントに付着されることを意味する。コンジュゲーションは、制限されないが、ペプチドまたは化合物リンカーまたは化学架橋剤を含む、コンジュゲーションをもたらす任意の様々な結合剤を用いてよい。一部の実施態様では、付着は、ペプチドを結合するための任意の公知の方法により、例えば、組み換え手段による融合タンパク質の生産により、または、翻訳後に、化学手段による。
【0152】
本明細書において用いられる検出は、タンパク質の(目または機器による)可視化を可能にする方法を含む。タンパク質は、タンパク質に特異的な抗体を用いて可視化され得る。タンパク質の検出は、エピトープタグまたは標識を含むタグとタンパク質の融合によっても促進され得る。
【0153】
用語「標識」は、(i)検出可能なシグナルを提供する;(ii)第二の標識と相互作用して、第一または第二の標識によって提供される検出可能なシグナルを改変する、例えばFRET(蛍光共鳴エネルギー移動);(iii)抗原またはリガンドとの、相互作用を安定化する、または結合の親和性を増大する;(iv)電荷、疎水性、形状、または他の物理的パラメーターによって、移動度、例えば電気泳動移動度、または細胞透過性に影響を与える、または(v)リガンド親和性、抗体/抗原結合、またはイオン錯体化を調整するためにキャプチャー部分を提供するために機能する、抗体に直接的または間接的に付着または結合し得る任意の部分を意味する。
【0154】
本明細書において用いられる「固相結合アッセイ」は、抗原がリガンドと接触されるインビトロアッセイを指し、抗原またはリガンドの1つは、固体支持体に結合される。抗原-リガンド相互作用の際に、不要または非特異的な構成要素は、(例えば洗浄によって)除去され得て、抗原-リガンド複合体が検出される。
【0155】
「固体支持体」によって、提供される開示に係る抗体が接着または付着することができる非水性マトリックスが意味される。例えば、固体支持体は、限定されないが、マイクロタイタープレート、メンブレン(例えば、ニトロセルロース)、ビーズ、ディップスティック、薄層クロマトグラフィープレート、または他の固形媒体を含む。
【0156】
用語「組成物」は、2以上の産物、物質、または化合物の任意の混合物を指し、抗体を含む。溶液、懸濁液、液体、粉末、ペースト、水性、非水性またはそれらの任意の組み合わせであってよい。製剤は、一般に、活性成分(例えば抗体)の生物学的活性が効果的であるのを可能にするような形態である。
【0157】
本明細書において用いられる「担体」は、用いられる用量および濃度において、それに曝される細胞または哺乳類にとって非毒性である、薬学的に許容できる担体、賦形剤、または安定剤を含む。診断アッセイまたは検出アッセイにおける使用に適合する、許容できる担体、賦形剤、または安定剤も含まれる。許容できる担体は、しばしば、水性pH緩衝溶液である。許容できる担体の例は、リン酸、クエン酸、および他の有機酸のようなバッファー;アスコルビン酸を含む抗酸化物;低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン、または免疫グロブリンのようなタンパク質;ポリビニルピロリドンのような親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニンまたはリジンのようなアミノ酸;単糖類、二糖類、および、グルコース、マンノース、またはデキストリンを含む他の炭水化物;EDTAのようなキレート剤;マンニトールまたはソルビトールのような糖アルコール類;ナトリウムのような塩形成対イオン;および/または、TWEEN(商標)、ポリエチレングリコール(PEG)、およびプルロニック(商標)のような非イオン性界面活性剤を含む。
【0158】
本明細書において用いられる組み合わせは、2以上のアイテムの間またはその中の任意の関連性を指す。組み合わせは、2以上の別個のアイテム、例えば、2つの組成物または2つのコレクションであってよく、それらの混合物、例えば2以上のアイテムの単一の混合物、またはそれらの任意の変形であってよい。組み合わせのエレメントは、一般に、機能的に関係がありまたは関連する。
【0159】
本明細書において用いられるキットは、制限されないが生物学的活性または特性の検出、診断、および/または評価を含む目的のための、他のエレメント、例えば、さらなる試薬およびその組み合わせまたはエレメントの使用のための説明書を任意選択で含んでよいパッケージされた組み合わせである。
【0160】
本明細書において用いられる「製造品(article of manufacture)」は、作製および販売される製品(product)である。本出願全体にわたって用いられるように、その用語は、パッケージ品に含まれる組成物およびその組み合わせを含む本明細書において提供される任意の抗体を包含することが意図される。
【0161】
本明細書において用いられる、障害を発症する「リスクがある」個体は、検出可能な疾患または疾患の症候を有してよくまたは有さなくてよく、表わされた検出可能な疾患または疾患の症候を有してよくまたは有さなくてよい。「リスクがある」は、脳の損傷または傷害、例えば、外傷性脳傷害または当技術分野で知られている他の神経学的傷害または状態の発生と相関する1つまたは複数のリスク因子を個体が有することを表わす。そのようなリスク因子の非限定的な例は、例えば、頭へのボルト(bolt)または急な揺れ(jolt)、穿通性頭部損傷、精神状態または意識における変化(短いまたは長い期間)、記憶喪失、または、脳傷害を示し得る他の同様の兆候または結果を含む。これらのリスク因子の1つまたは複数を有する個体は、これらのリスク因子の1つまたは複数を有さない個体よりも、障害を発症する可能性が高い。
【0162】
本明細書において用いられる用語「治療」は、臨床病理の過程中に、治療される個体または細胞の天然の過程を変更するために設計される臨床介入を指す。治療の望ましい効果は、疾患進行の速度の低減、病状の改善または緩和、および、寛解または改善された予後を含む。個体は、例えば、障害(例えば、好酸球が介在する疾患)と関連する1つまたは複数の症候が軽減または除去されるならば、成功的に「治療される」。例えば、個体は、疾患を患っている者の生活の質の増大、疾患を治療するために必要とされる他の薬剤の投与量の低減、疾患の再発頻度の減少、疾患の重症度の低下、疾患の発生または進行の遅延、および/または、個体の生存の延長を治療がもたらすならば、成功的に「治療される」。
【0163】
「有効量」は、治療的または予防的結果を含む所望または示唆される効果を達成するために必要な期間および用量で少なくとも効果的な量を指す。有効量は、1つまたは複数の投与において提供され得る。「治療的有効量」は、特定の障害の測定可能な改善をもたらすために必要な少なくとも最低限の濃度である。本明細書における治療的有効量は、患者の病状、年齢、性別、および体重、および、個体において所望の応答を誘発する抗体の能力のような因子によって変化し得る。治療的有効量は、抗体の任意の毒性または有害な効果よりも治療的に有利な効果が勝るものでもあってよい。「予防的有効量」は、所望の予防的結果を達成するために必要な期間および用量で効果的な量を指す。典型的に、必ずではないが、予防的投与量は疾患の前または初期段階で対象において用いられるので、予防的有効量は、治療的有効量よりも少なくてよい。
【0164】
本明細書において用いられる「個体」または「対象」は、哺乳類である。治療目的のための「哺乳類」は、ヒト、飼育動物および家畜、および、動物園、運動用、またはペット動物、例えば、イヌ、ウマ、ウサギ、ウシ、ブタ、ハムスター、アレチネズミ、マウス、フェレット、ラット、ネコなどを含む。一部の実施態様では、個体または対象は、ヒトである。
【0165】
[II.抗-UCH-L1抗体および抗-GFAP抗体]
抗-GFAP抗体および抗-UCH-L1抗体が本明細書において提供される。一部の実施態様では、提供される抗体は、例えば、ヒト患者のような個体由来のサンプルにおいて、それぞれGFAPおよびUCH-L1を検出する。一部の実施態様では、サンプルは、本明細書に記載されるように、神経変性疾患、脳卒中または損傷または傷害、例えば、軽度、中度または重度の外傷性脳傷害に起因するような脳損傷を有するまたは有する疑いがある個体由来である。
【0166】
一部の実施態様では、GFAPおよびUCH-L1は、神経損傷または脳傷害と関連することが示されている(例えば、US2011/0143375を参照)。神経細胞および非神経細胞(例えば、グリア細胞)を含む脳内の細胞は、傷害または疾患に起因して直接的および/または間接的に害され得る。GFAPおよびUCH-L1を含むいくつかのタンパク質は、害された脳細胞から、または、害された脳細胞と関連する、害されていない脳細胞から放出され得る。例えば、直接的に害された脳細胞は、直接的な損傷を示すタンパク質を放出し得る。あるいはまたは同時に、害されていない脳細胞は、周囲の脳細胞の害に反応し得て、その領域における損傷を示すタンパク質を放出する。
【0167】
GFAPは、細胞骨格タンパク質ファミリーのメンバーであり、中枢神経系(CNS)の成熟星状細胞のようなグリア細胞の主要な8~9ナノメートルの中間フィラメントである。GFAPは、35~40および53kDaの分子質量および5.7~5.8の等電点を有する単量体分子である。GFAPは、非常に脳特異的なタンパク質であり、通常は、目に見えるほどの量ではCNSの外に見られない。GFAPは、脳傷害の直後に血液および脳脊髄液(CSF)のような体内に放出され得る。例えば、場合によっては、傷害の後に、外傷、疾患、遺伝子障害、または化学的傷害のいずれかの結果として、CNS内の星状細胞は、アストログリオーシスまたはグリオーシスと呼ばれるプロセスによるGFAPの迅速な合成によって特徴付けられる方法で反応性になり得る。一部の実施態様では、GFAPは、タンパク質分解の改変を起こしやすくてよく、それは、場合によっては、GFAPの分解産物をもたらし得る(例えば、Papa et al.(2012)Ann Emerg.Med.,59:10McMahon et al.(2015)J.Neurotrauma,32:527-533を参照)。場合によっては、損傷または傷害の部位におけるカルパイン過剰活性化は、GFAP分解産物の放出をもたらし得る。場合によっては、体液におけるGFAPを検出するための既存の方法は最適でない。
【0168】
UCH-L1は、ニューロン内に存在して、ニューロンに対する損傷の際に上昇する。それは、哺乳類のCNSの研究においてバイオマーカーとして一般に用いられる。UCH-L1のいくつかのアイソフォームは、約25kDaのサイズであることが知られるプロトタイプUCH-L1とともに存在する。UCH-L1は、脳損傷を検出するためのバイオマーカーとしての良い候補であると考えられるが、UCH-Llのレベルの上昇は、UCH-L1の複雑な構造に一部起因して、確実に検出することが困難である。これは、それ自体の上で折り畳むもつれた三次構造の結果であり、UCH-L1に対して起こされた検出抗体から結合部位を覆い隠す。場合によっては、体液におけるUCH-L1を検出するための既存の方法は最適でない。
【0169】
提供される抗体は、これらの問題を克服する。例示的な抗-GFAPまたは抗-UCH-L1抗体は、以下のサブセクションにおいて説明される。一部の実施態様では、提供される抗-UCH-L1抗体の1つまたは複数および/または提供される抗-GFAP抗体の1つまたは複数は、神経状態または脳傷害と関連する他の状態に起因するような脳損傷の検出または診断の方法において、および/または、対象がそれを必要とするかどうか、例えば、CTスキャンを必要とするかまたは必要としないか予測する方法において、単独または一緒に用いられ得る。
【0170】
A.抗-UCH-L1抗体
一態様では、ヒトUCH-L1タンパク質のフラグメント、アイソフォームまたは変異体を含むヒトUCH-L1に結合する抗体が提供される。一部の実施態様では、ヒトUCH-L1タンパク質は、損傷した細胞または組織から放出されるものであり、および/または、脳損傷または傷害の結果として体液(例えば血清、脳脊髄液または記載される他の体液)内に存在する。一部の実施態様では、抗-UCH-L1抗体は、配列番号207~211のいずれかから選択されるアミノ酸配列、または、配列番号207~211から選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一性を有するアミノ酸配列を有するそれらの変異体を含む、ヒトUCH-L1タンパク質に結合する。
【0171】
一部の実施態様では、UCH-L1変異体は、UCH-L1アミノ酸配列と少なくとも約80%アミノ酸配列同一性を有するUCH-L1であり、それは:(i)例えば配列番号207~211のいずれかに示される全長のネイティブのヒトUCH-L1アミノ酸配列;(ii)例えば配列番号207~211のいずれかに示される全長組み換えヒトUCH-L1アミノ酸配列;(iii)シグナルペプチドが欠失した(i)または(ii)のUCH-L1アミノ酸配列;(iv)または、(i)または(ii)の全長UCH-L1アミノ酸配列の任意の他のフラグメント、例えば、全長UCH-L1タンパク質に関する完全なコード配列の一部のみを表わす核酸によってコードされるものである。そのようなUCH-L1変異体は、全長のネイティブのアミノ酸配列または全長の組み換えアミノ酸配列のN-またはC-末端に1つまたは複数のアミノ酸残基が付加または欠失したポリペプチドを含む。通常、UCH-L1変異体は、全長のネイティブのUCH-L1アミノ酸配列(例えば配列番号207~211に示される)、全長の組み換えのUCH-L1アミノ酸配列(例えば配列番号207~211に示される)、または、シグナルペプチドが欠失したそれらのUCH-L1アミノ酸配列またはそのような全長UCH-L1アミノ酸配列の任意の他のフラグメントと、少なくとも約80%アミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%アミノ酸配列同一性を有する。一部の実施態様では、全長配列のフラグメントを含むUCH-L1変異体は、少なくとも約10アミノ酸の長さ、あるいは少なくとも約20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220アミノ酸の長さ、またはそれよりも多い。一部の実施態様では、UCH-L1変異体は、ネイティブのUCH-L1アミノ酸配列または組み換えUCH-L1アミノ酸配列と比較して1つ以内の保存アミノ酸置換、あるいは、ネイティブのUCH-L1アミノ酸配列または組み換えUCH-L1アミノ酸配列と比較して、2、3、4、5、6、7、8、9、または10個以内の保存アミノ酸置換を有する。
【0172】
一部の実施態様では、抗-UCH-L1抗体は、配列番号207に示されるヒトUCH-L1タンパク質内に含まれるエピトープまたは領域に対応するエピトープまたは領域、または、配列番号207に示されるUCH-L1タンパク質のアイソフォームまたはフラグメントまたは変異体内の同一のエピトープまたは領域に結合する。
【0173】
一部の実施態様では、UCH-L1タンパク質(例えば、ヒトUCH-L1タンパク質)は、細菌宿主細胞(例えば、E.coli細胞)または哺乳類の宿主細胞(例えば、CHO細胞)において生産される組み換えUCH-L1タンパク質のような、組み換えUCH-L1タンパク質である。一部の実施態様では、UCH-L1タンパク質(例えば、ヒトUCH-L1タンパク質)は、個体(例えば、ヒト)に存在または得られる血清、血漿、血液(例えば、全血)、脳脊髄液、尿、汗、唾液または任意の他の生物学的流体に存在または得られるネイティブのUCH-L1タンパク質のような、ネイティブのUCH-L1タンパク質である。一部の実施態様では、抗-UCH-L1抗体は、グリコシル化UCH-L1に結合する。
【0174】
一部の実施態様では、本明細書に記載の抗-UCH-L1抗体は、UCH-L1(例えば、ヒトUCH-L1)の線形エピトープに結合する。一部の実施態様では、本明細書に記載の抗-UCH-L1抗体は、UCH-L1(例えば、ヒトUCH-L1)の立体構造的エピトープに結合する。
【0175】
一部の実施態様では、抗-UCH-L1抗体は、UCH-L1の特定のエピトープまたは領域に結合する。一部の実施態様では、抗-UCH-L1抗体は、配列番号207に示されるヒトUCH-L1の98~106位に対応するUCH-L1の部分である、それを含む、またはその中の(または完全にその中の)、1つまたは複数のアミノ酸を含むエピトープに結合する。一部の実施態様では、抗-UCH-L1抗体は、配列番号207に示されるヒトUCH-L1の28~36位に対応するUCH-L1の部分である、それを含む、またはその中の(または完全にその中の)1つまたは複数のアミノ酸を含むエピトープに結合する。一部の実施態様では、抗-UCH-L1抗体は、配列番号207に示されるヒトUCH-L1の138~145位に対応するUCH-L1の部分である、それを含む、またはその中の(または完全にその中の)1つまたは複数のアミノ酸を含むエピトープに結合する。一部の実施態様では、抗-UCH-L1抗体は、配列番号207に示されるヒトUCH-L1の142~149位に対応するUCH-L1の部分である、それを含む、またはその中の(または完全にその中の)1つまたは複数のアミノ酸を含むエピトープに結合する。例えば、一部の実施態様では、抗-UCH-L1抗体は、配列番号207に示されるヒトUCH-L1の98~106位に対応するUCH-L1の部分である、それを含む、またはその中の(または完全にその中の)エピトープに結合する。
【0176】
提供される抗体のうち、一部の実施態様では、他の提供される抗体の1つまたは複数と同一またはオーバーラップするエピトープと結合する抗体、および/または、他の提供される抗体の1つまたは複数とUCH-L1に対する結合に関して競合する抗体である。提供される抗体のうち、一部の実施態様では、他の提供される抗体の1つまたは複数と比較して、異なるまたは別個のエピトープに結合する抗体、および/または、他の提供される抗体の1つまたは複数とUCH-L1に対する結合に関して競合しない抗体である。例えば、一部の実施態様では、本明細書に記載のUCH-L1-1およびUCH-L1-2と指定される抗体と比較して、別個のエピトープに結合する抗体および/またはUCH-L1に対する結合に関して競合しない抗体が提供される。一部の実施態様では、本明細書に記載のUCH-L1-5と指定される抗体と比較して、別個のエピトープに結合する抗体および/またはUCH-L1に対する結合に関して競合しない抗体が提供される。
【0177】
一部の実施態様では、抗体は、異なる種由来のUCH-L1の間で保存されているUCH-L1のエピトープに結合する。一部の実施態様では、抗体は、ヒトUCH-L1またはそのアイソフォームまたは変異体に存在するが1つまたは複数の他の非ヒト種には存在しないUCH-L1のエピトープに結合する。
【0178】
一部の実施態様では、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む抗-UCH-L1抗体が本明細書において提供されて、重鎖可変領域は、配列番号20~27から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む。一部の実施態様では、重鎖可変領域は、配列番号1~8から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H1および/または配列番号9~19から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H2をさらに含む。
【0179】
一部の実施態様では、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む抗-UCH-L1抗体が本明細書において提供されて、軽鎖可変領域は、配列番号45~50から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。一部の実施態様では、軽鎖可変領域は、配列番号28~36から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L1および/または配列番号37~44から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L2をさらに含む。
【0180】
一部の実施態様では、重鎖CDR配列は、以下:
a)配列番号1または配列番号2に示されるCDR-H1;
b)配列番号9または配列番号10に示されるCDR-H2;および/または
c)配列番号20または配列番号21に示されるCDR-H3
を含む。
【0181】
一部の実施態様では、重鎖CDR配列は、以下:
a)配列番号3;配列番号4;配列番号5;配列番号6;配列番号7または配列番号8に示されるCDR-H1;
b)配列番号11;配列番号12;配列番号13;配列番号14;配列番号15;配列番号16;配列番号17または配列番号18に示されるCDR-H2;および/または
c)配列番号20;配列番号22;配列番号23;配列番号24;配列番号25;配列番号26;または配列番号27に示されるCDR-H3
を含む。
【0182】
一部の実施態様では、重鎖CDR配列は、以下:
a)配列番号1に示されるCDR-H1;
b)配列番号19に示されるCDR-H2;および/または
c)配列番号20に示されるCDR-H3
を含む。
【0183】
一部の実施態様では、軽鎖CDR配列は、以下:
a)配列番号28または配列番号29に示されるCDR-L1;
b)配列番号37または配列番号38に示されるCDR-L2;および/または
c)配列番号45または配列番号46に示されるCDR-L3
を含む。
【0184】
一部の実施態様では、軽鎖CDR配列は、以下:
a)配列番号30;配列番号31;配列番号32;配列番号33;配列番号34;配列番号35;または配列番号36に示されるCDR-L1;
b)配列番号37、配列番号39;配列番号40;配列番号41;配列番号42;配列番号43;または配列番号44に示されるCDR-L2;および/または
c)配列番号45;配列番号47;または配列番号49に示されるCDR-L3
を含む。
【0185】
一部の実施態様では、軽鎖CDR配列は、以下:
a)配列番号28に示されるCDR-L1;
b)配列番号37に示されるCDR-L2;および/または
c)配列番号50に示されるCDR-L3
を含む。
【0186】
また、上記のCDR-H1、CDR-H2、CDR-H3、CDR-L1、CDR-L2および/またはCDR-L3配列のいずれかと、それぞれ、少なくともまたは約少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるCDR-H1、CDR-H2、CDR-H3、CDR-L1、CDR-L2および/またはCDR-L3配列を含む抗体も提供される。
【0187】
一態様では、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む抗-UCH-L1抗体が本明細書において提供されて、重鎖可変領域は、(i)配列番号1のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(ii)配列番号9のアミノ酸配列を含むCDR-H2、および(iii)配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR-H3;を含む、および/または、軽鎖可変領域は、(i)配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(ii)配列番号37のアミノ酸配列を含むCDR-L2、および(iii)配列番号45のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。一部の実施態様では、本明細書に記載の抗体は、配列番号207に示されるヒトUCH-L1の残基98~106内の、それである、またはそれを含む、エピトープに対応するエピトープに結合する。
【0188】
一態様では、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む抗-UCH-L1抗体が本明細書において提供されて、重鎖可変領域は、(i)配列番号2のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(ii)配列番号10のアミノ酸配列を含むCDR-H2、および(iii)配列番号21のアミノ酸配列を含むCDR-H3;を含む、および/または、軽鎖可変領域は、(i)配列番号29のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(ii)配列番号38のアミノ酸配列を含むCDR-L2、および(iii)配列番号46のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。一部の実施態様では、本明細書に記載の抗体は、配列番号207に示されるヒトUCH-L1の残基28~36内の、それである、またはそれを含むエピトープに対応するエピトープに結合する。
【0189】
一態様では、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む抗-UCH-L1抗体が本明細書において提供されて、重鎖可変領域は、(i)配列番号3のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(ii)配列番号11のアミノ酸配列を含むCDR-H2、および(iii)配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR-H3;を含む、および/または、軽鎖可変領域は、(i)配列番号30のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(ii)配列番号37のアミノ酸配列を含むCDR-L2、および(iii)配列番号45のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。一部の実施態様では、本明細書に記載の抗体は、配列番号207に示されるヒトUCH-L1の残基98~106内の、それである、またはそれを含むエピトープに対応するエピトープに結合する。
【0190】
別の態様では、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む抗-UCH-L1抗体が本明細書において提供されて、重鎖可変領域は、(i)配列番号4のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(ii)配列番号12のアミノ酸配列を含むCDR-H2、および(iii)配列番号22のアミノ酸配列を含むCDR-H3;を含む、および/または、軽鎖可変領域は、(i)配列番号31のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(ii)配列番号39のアミノ酸配列を含むCDR-L2、および(iii)配列番号47のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。一部の実施態様では、本明細書に記載の抗体は、配列番号207に示されるヒトUCH-L1の残基138~145内の、それである、またはそれを含むエピトープに対応するエピトープに結合する。
【0191】
別の態様では、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む抗-UCH-L1抗体が本明細書において提供されて、重鎖可変領域は、(i)配列番号5のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(ii)配列番号13のアミノ酸配列を含むCDR-H2、および(iii)配列番号23のアミノ酸配列を含むCDR-H3;を含む、および/または、軽鎖可変領域は、(i)配列番号32のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(ii)配列番号39のアミノ酸配列を含むCDR-L2、および(iii)配列番号47のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。一部の実施態様では、本明細書に記載の抗体は、配列番号207に示されるヒトUCH-L1の残基142~149内の、それである、またはそれを含むエピトープに対応するエピトープに結合する。
【0192】
別の態様では、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む抗-UCH-L1抗体が本明細書において提供されて、重鎖可変領域は、(i)配列番号6のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(ii)配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR-H2、および(iii)配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR-H3;を含む、および/または、軽鎖可変領域は、(i)配列番号33のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(ii)配列番号40のアミノ酸配列を含むCDR-L2、および(iii)配列番号48のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。一部の実施態様では、本明細書に記載の抗体は、配列番号207に示されるヒトUCH-L1の残基28~36内の、それである、またはそれを含むエピトープに対応するエピトープに結合する。
【0193】
別の態様では、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む抗-UCH-L1抗体が本明細書において提供されて、重鎖可変領域は、(i)配列番号6のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(ii)配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR-H2、および(iii)配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR-H3;を含む、および/または、軽鎖可変領域は、(i)配列番号34のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(ii)配列番号41のアミノ酸配列を含むCDR-L2、および(iii)配列番号48のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。一部の実施態様では、本明細書に記載の抗体は、配列番号207に示されるヒトUCH-L1の残基28~36内の、それである、またはそれを含むエピトープに対応するエピトープに結合する。
【0194】
別の態様では、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む抗-UCH-L1抗体が本明細書において提供されて、重鎖可変領域は、(i)配列番号6のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(ii)配列番号15のアミノ酸配列を含むCDR-H2、および(iii)配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR-H3;を含む、および/または、軽鎖可変領域は、(i)配列番号34のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(ii)配列番号42のアミノ酸配列を含むCDR-L2、および(iii)配列番号48のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。一部の実施態様では、本明細書に記載の抗体は、配列番号207に示されるヒトUCH-L1の残基28~36内の、それである、またはそれを含むエピトープに対応するエピトープに結合する。
【0195】
別の態様では、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む抗-UCH-L1抗体が本明細書において提供されて、重鎖可変領域は、(i)配列番号6のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(ii)配列番号14のアミノ酸配列を含むCDR-H2、および(iii)配列番号24のアミノ酸配列を含むCDR-H3;を含む、および/または、軽鎖可変領域は、(i)配列番号35のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(ii)配列番号41のアミノ酸配列を含むCDR-L2、および(iii)配列番号48のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。一部の実施態様では、本明細書に記載の抗体は、配列番号207に示されるヒトUCH-L1の残基28~36内の、それである、またはそれを含むエピトープに対応するエピトープに結合する。
【0196】
別の態様では、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む抗-UCH-L1抗体が本明細書において提供されて、重鎖可変領域は、(i)配列番号6のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(ii)配列番号16のアミノ酸配列を含むCDR-H2、および(iii)配列番号25のアミノ酸配列を含むCDR-H3;を含む、および/または、軽鎖可変領域は、(i)配列番号34のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(ii)配列番号42のアミノ酸配列を含むCDR-L2、および(iii)配列番号48のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。一部の実施態様では、本明細書に記載の抗体は、配列番号207に示されるヒトUCH-L1の残基28~36内の、それである、またはそれを含むエピトープに対応するエピトープに結合する。
【0197】
別の態様では、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む抗-UCH-L1抗体が本明細書において提供されて、重鎖可変領域は、(i)配列番号7のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(ii)配列番号17のアミノ酸配列を含むCDR-H2、および(iii)配列番号26のアミノ酸配列を含むCDR-H3;を含む、および/または、軽鎖可変領域は、(i)配列番号36のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(ii)配列番号43のアミノ酸配列を含むCDR-L2、および(iii)配列番号49のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。一部の実施態様では、本明細書に記載の抗体は、配列番号207に示されるヒトUCH-L1の残基28~36内の、それである、またはそれを含むエピトープに対応するエピトープに結合する。
【0198】
別の態様では、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む抗-UCH-L1抗体が本明細書において提供されて、重鎖可変領域は、(i)配列番号8のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(ii)配列番号18のアミノ酸配列を含むCDR-H2、および(iii)配列番号27のアミノ酸配列を含むCDR-H3;を含む、および/または、軽鎖可変領域は、(i)配列番号36のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(ii)配列番号44のアミノ酸配列を含むCDR-L2、および(iii)配列番号49のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。一部の実施態様では、本明細書に記載の抗体は、配列番号207に示されるヒトUCH-L1の残基28~36内の、それである、またはそれを含むエピトープに対応するエピトープに結合する。
【0199】
別の態様では、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む抗-UCH-L1抗体が本明細書において提供されて、重鎖可変領域は、(i)配列番号1のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(ii)配列番号19のアミノ酸配列を含むCDR-H2、および(iii)配列番号20のアミノ酸配列を含むCDR-H3;を含む、および/または、軽鎖可変領域は、(i)配列番号28のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(ii)配列番号37のアミノ酸配列を含むCDR-L2、および(iii)配列番号50のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。一部の実施態様では、本明細書に記載の抗体は、配列番号207に示されるヒトUCH-L1の残基98~106内の、それである、またはそれを含むエピトープに対応するエピトープに結合する。
【0200】
一部の実施態様では、抗-UCH-L1は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含む重鎖可変領域を含み、配列番号51~63のいずれか1つから選択される重鎖可変領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3のアミノ酸配列をそれぞれ含む。一部の実施態様では、抗-UCH-L1は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含む重鎖可変領域を含み、配列番号51または52のいずれか1つから選択される重鎖可変領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3のアミノ酸配列をそれぞれ含む。一部の実施態様では、抗-UCH-L1は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含む重鎖可変領域を含み、配列番号53~62のいずれか1つから選択される重鎖可変領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3のアミノ酸配列をそれぞれ含む。一部の実施態様では、抗-UCH-L1は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含む重鎖可変領域を含み、配列番号63のいずれか1つから選択される重鎖可変領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3のアミノ酸配列をそれぞれ含む。
【0201】
一部の実施態様では、抗-UCH-L1は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、配列番号64~76のいずれか1つから選択される軽鎖可変領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3のアミノ酸配列をそれぞれ含む。一部の実施態様では、抗-UCH-L1は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、配列番号64または65のいずれか1つから選択される軽鎖可変領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3のアミノ酸配列をそれぞれ含む。一部の実施態様では、抗-UCH-L1は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、配列番号66~75のいずれか1つから選択される軽鎖可変領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3のアミノ酸配列をそれぞれ含む。一部の実施態様では、抗-UCH-L1は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、配列番号76のいずれか1つから選択される軽鎖可変領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3のアミノ酸配列をそれぞれ含む。
【0202】
本明細書に記載の抗-UCH-L1抗体は、UCH-L1(例えば、ヒトUCH-L1)に結合する能力を抗体が保持する限り、任意の適切なフレームワーク可変ドメイン配列を含んでよい。本明細書において用いられる、重鎖フレームワーク領域は、「HC-FR1-FR4」と指定されて、軽鎖フレームワーク領域は、「LC-FR1-FR4」と指定される。
【0203】
一部の実施態様では、配列番号51~63から選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む抗-UCH-L1抗体が本明細書において提供される。一部の実施態様では、配列番号51または52から選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む抗-UCH-L1抗体が本明細書において提供される。一部の実施態様では、配列番号53~62から選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む抗-UCH-L1抗体が本明細書において提供される。一部の実施態様では、配列番号63から選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む抗-UCH-L1抗体が本明細書において提供される。一部の実施態様では、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%配列同一性を有するアミノ酸は、参照配列と比較して、置換、挿入、または欠失を含むが、そのアミノ酸配列を含む抗体は、UCH-L1(例えば、ヒトUCH-L1)に結合する能力を保持する。一部の実施態様では、置換、挿入、または欠失(例えば、1、2、3、4、または5アミノ酸)は、CDRの外側領域において(すなわち、FRにおいて)生じる。
【0204】
一部の実施態様では、抗-UCH-L1抗体は、配列番号51~63から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-UCH-L1抗体は、配列番号51のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-UCH-L1抗体は、配列番号52のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-UCH-L1抗体は、配列番号53のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-UCH-L1抗体は、配列番号54のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-UCH-L1抗体は、配列番号55のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-UCH-L1抗体は、配列番号56のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-UCH-L1抗体は、配列番号57のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-UCH-L1抗体は、配列番号58のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-UCH-L1抗体は、配列番号59のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-UCH-L1抗体は、配列番号60のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-UCH-L1抗体は、配列番号61のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-UCH-L1抗体は、配列番号62のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-UCH-L1抗体は、配列番号63のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む。
【0205】
一部の実施態様では、配列番号64~76から選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む抗-UCH-L1抗体が本明細書において提供される。一部の実施態様では、配列番号64または65から選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む抗-UCH-L1抗体が本明細書において提供される。一部の実施態様では、配列番号66~75から選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む抗-UCH-L1抗体が本明細書において提供される。一部の実施態様では、配列番号76から選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む抗-UCH-L1抗体が本明細書において提供される。一部の実施態様では、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%配列同一性を有するアミノ酸配列は、参照配列と比較して置換、挿入、または欠失を含むが、そのアミノ酸配列を含む抗体は、UCH-L1(例えば、ヒトUCH-L1)に結合する能力を保持する。一部の実施態様では、置換、挿入、または欠失(例えば、1、2、3、4、または5アミノ酸)は、CDRの外側領域において(すなわち、FRにおいて)生じる。
【0206】
一部の実施態様では、抗-UCH-L1抗体は、配列番号64~76から選択されるアミノ酸を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-UCH-L1抗体は、配列番号64のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-UCH-L1抗体は、配列番号65のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-UCH-L1抗体は、配列番号66のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-UCH-L1抗体は、配列番号67のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-UCH-L1抗体は、配列番号68のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-UCH-L1抗体は、配列番号69のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-UCH-L1抗体は、配列番号70のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-UCH-L1抗体は、配列番号71のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-UCH-L1抗体は、配列番号72のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-UCH-L1抗体は、配列番号73のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-UCH-L1抗体は、配列番号74のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-UCH-L1抗体は、配列番号75のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-UCH-L1抗体は、配列番号76のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。
【0207】
一態様では、配列番号51~63から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む、および/または、配列番号64~76から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む、抗-UCH-L1抗体が本明細書において提供される。一部の実施態様では、抗-UCH-L1抗体は、配列番号51または52から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む、および/または、配列番号64または65から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-UCH-L1抗体は、配列番号53~62から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む、および/または、配列番号66~75から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-UCH-L1抗体は、配列番号63から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む、および/または、配列番号76から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。上記の重鎖可変ドメインおよび/または軽鎖可変ドメイン配列のいずれかとそれぞれ少なくともまたは約少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一である重鎖可変ドメインおよび/または軽鎖可変ドメイン配列を含む抗体も提供される。
【0208】
一部の実施態様では、表6に記載の抗体の重鎖可変ドメインおよび/または軽鎖可変ドメインを含む抗-UCH-L1抗体、例えば、UCH-L1-1、UCH-L1-2などが本明細書において提供される。
【0209】
一部の実施態様では、抗-UCH-L1抗体は、配列番号51のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む、および/または、配列番号64のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-UCH-L1抗体は、配列番号52のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む、および/または、配列番号65のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-UCH-L1抗体は、配列番号53のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む、および/または、配列番号66のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-UCH-L1抗体は、配列番号54のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む、および/または、配列番号67のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-UCH-L1抗体は、配列番号55のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む、および/または、配列番号68のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-UCH-L1抗体は、配列番号56のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む、および/または、配列番号69のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-UCH-L1抗体は、配列番号57のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む、および/または、配列番号70のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-UCH-L1抗体は、配列番号58のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む、および/または、配列番号71のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-UCH-L1抗体は、配列番号59のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む、および/または、配列番号72のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-UCH-L1抗体は、配列番号60のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む、および/または、配列番号73のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-UCH-L1抗体は、配列番号61のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む、および/または、配列番号74のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-UCH-L1抗体は、配列番号62のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む、および/または、配列番号75のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-UCH-L1抗体は、配列番号73のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む、および/または、配列番号76のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。
【0210】
一態様では、本明細書に記載の抗-UCH-L1抗体は、抗体フラグメント(抗原結合フラグメントを含む)、例えば、Fab、Fab’-SH、Fv、scFv、または(Fab’)フラグメントである。
【0211】
本明細書における任意の実施態様では、抗体は、重鎖定常ドメインを含んでよい。一部の実施態様では、重鎖定常ドメインは、非ヒト哺乳類である。一部の実施態様では、重鎖定常ドメインは、非ヒト霊長類である。一部の実施態様では、重鎖定常ドメインは、非ヒト霊長類である。一部の実施態様では、重鎖定常ドメインは、ミューリン(例えば、マウスまたはラット)である。一部の実施態様では、ミューリン重鎖定常ドメインは、IgG1、IgG2a、IgG2bまたはIgMである。一部の実施態様では、ミューリン重鎖定常ドメインは、ミューリンIgG1である。一部の実施態様では、ミューリンIgG1は、配列番号215のアミノ酸配列または配列番号215と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%配列同一性を有するそのアイソフォームまたは変異体を含む。一部の実施態様では、ミューリン重鎖定常ドメインは、ミューリンIgG2aである。一部の実施態様では、ミューリンIgG2aは、配列番号216のアミノ酸配列または配列番号216と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%配列同一性を有するそのアイソフォームまたは変異体を含む。一部の実施態様では、ミューリン重鎖定常ドメインは、ミューリンIgG2bである。一部の実施態様では、ミューリンIgG2bは、配列番号217のアミノ酸配列または配列番号217と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%配列同一性を有するそのアイソフォームまたは変異体を含む。一部の実施態様では、ミューリン重鎖定常ドメインは、ミューリンIgMである。一部の実施態様では、ミューリンIgMは、配列番号223のアミノ酸配列または配列番号223と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%配列同一性を有するそのアイソフォームまたは変異体を含む。一部の実施態様では、重鎖定常ドメインは、ヒトである。一部の実施態様では、ヒト重鎖定常ドメインは、ヒトIgG1である。一部の実施態様では、ヒトIgG1は、配列番号218のアミノ酸配列または配列番号218と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%配列同一性を有するそのアイソフォームまたは変異体を含む。一部の実施態様では、ヒト重鎖定常ドメインは、ヒトIgMである。一部の実施態様では、ヒトIgMは、配列番号224のアミノ酸配列または配列番号224と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%配列同一性を有するそのアイソフォームまたは変異体を含む。
【0212】
それらの定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、2つのタイプの軽鎖、κおよびλが存在する。本明細書における任意の実施態様では、本明細書において提供される抗体は、軽鎖定常ドメインを含んでよい。一部の実施態様では、軽鎖定常ドメインは、非-ヒト哺乳類である。一部の実施態様では、軽鎖定常ドメインは、非ヒト霊長類である。一部の実施態様では、軽鎖定常ドメインは、非ヒト霊長類である。一部の実施態様では、軽鎖定常ドメインは、ミューリン(例えば、マウスまたはラット)である。一部の実施態様では、ミューリン軽鎖定常ドメインは、ミューリンκまたはミューリンλである。一部の実施態様では、ミューリンκは、配列番号219のアミノ酸配列または配列番号219と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%配列同一性を有するそのアイソフォームまたは変異体を含む。一部の実施態様では、ミューリンλは、配列番号220のアミノ酸配列または配列番号220と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%配列同一性を有するそのアイソフォームまたは変異体を含む。一部の実施態様では、軽鎖定常ドメインは、ヒトである。一部の実施態様では、ヒト軽鎖定常ドメインは、ヒトκまたはヒトλである。一部の実施態様では、ヒトκは、配列番号221のアミノ酸配列または配列番号221と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%配列同一性を有するそのアイソフォームまたは変異体を含む。一部の実施態様では、ヒトλは、配列番号222のアミノ酸配列または配列番号222と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%配列同一性を有するそのアイソフォームまたは変異体を含む。
【0213】
一態様では、本明細書に記載の抗-UCH-L1抗体は、モノクローナル抗体である。一態様では、本明細書に記載の抗-UCH-L1抗体は、ヒト化抗体、キメラ抗体またはヒト抗体である。一態様では、本明細書に記載の抗-UCH-L1抗体は、マウス抗体、ウサギ抗体、ラット抗体、または非ヒト霊長類抗体である。一部の実施態様では、任意の抗-UCH-L1抗体は組み換えである。一態様では、本明細書に記載の任意の抗-UCH-L1抗体は、単離または精製される。
【0214】
一部の実施態様では、本明細書において提供される抗-UCH-L1抗体は、10-8M以下、例えば、10-8M~10-13M、例えば、10-9M~10-13M、例えば、10-10M~10-12Mの解離定数(K)で結合親和性を有する。一部の実施態様では、本明細書において提供される抗-UCH-L1抗体は、1μM以下、150nM以下、100nM以下、50nM以下、10nM以下、1nM以下、0.1nM以下、0.01nM以下、または0.001nM以下の解離定数(K)を有する。一部の実施態様では、本明細書において提供される抗-UCH-L1抗体は、1.0×10-10M、2.0×10-10M、3.0×10-10M、4.0×10-10M、5.0×10-10M、6.0×10-10M、7.0×10-10M、8.0×10-10M、9.0×10-10M、1.0×10-11M、2.0×10-11M、3.0×10-11M、4.0×10-11M、5.0×10-11M、6.0×10-11M、7.0×10-11M、8.0×10-11M、9.0×10-11M、または1.0×10-12M未満または約それ未満の解離定数(K)を有する。
【0215】
一部の実施態様では、本明細書において提供される抗-UCH-L1抗体は、2.0×10-10M~5.0×10-12Mまたは約その範囲、例えば、2.0×10-10M~1.0×10-12M、2.0×10-10M~5.0×10-11M、2.0×10-10M~1.0×10-11M、2.0×10-10M~5.0×10-10M、5.0×10-10M~1.0×10-12M、5.0×10-10M~5.0×10-11M、5.0×10-10M~1.0×10-11M、1.0×10-11M~1.0×10-12M、1.0×10-11M~5.0×10-11Mまたは5.0×10-11M~1.0×10-12M、または約その範囲の解離定数(K)で親和性を有する。一部の実施態様では、本明細書において提供される抗-UCH-L1抗体は、2×10-10M~約1×10-12Mまたは約その範囲の解離定数(K)を有する。一部の実施態様では、本明細書において提供される抗-UCH-L1抗体は、2.0×10-10M~4.0×10-10M、1.0×10-11M~9.0×10-11M、または1.0×10-12M~5.0×10-12M、または約その範囲の解離定数(K)を有する。一部の実施態様では、本明細書において提供される抗-UCH-L1抗体は、表4に示される抗体、例えば、UCH-L1-1、UCH-L1-2などの解離定数(K)を有する。
【0216】
一態様では、抗-UCH-L1抗体をコードする核酸が提供される。一部の実施態様では、核酸は、本明細書において提供される抗-UCH-L1抗体または抗原結合フラグメントをコードしてよい。一部の実施態様では、核酸は、本明細書において提供される抗-UCH-L1抗体または抗原結合フラグメントの重鎖可変領域を含む重鎖をコードしてよい。一部の実施態様では、核酸は、本明細書において提供される抗-UCH-L1抗体または抗原結合フラグメントの軽鎖可変領域を含む軽鎖をコードしてよい。
【0217】
特定の実施態様では、抗-UCH-L1抗体をコードする核酸を含む発現ベクターのようなベクターが提供される。特定の実施態様では、そのような核酸および/またはベクターを含む宿主細胞が提供される。例えば、本明細書において提供される宿主細胞は、本明細書において提供される抗-UCH-L1抗体または抗原結合フラグメントの重鎖をコードする核酸を含むベクターを含んでよい。そのような宿主細胞は、一部の実施態様では、本明細書において提供される抗-UCH-L1抗体または抗原結合フラグメントの軽鎖をコードする核酸を含むベクターをさらに含んでよい。
【0218】
本発明の別の態様では、抗-UCH-L1抗体を含む組成物または抗-UCH-L1抗体をコードする核酸が提供される。特定の実施態様では、本明細書において提供される組成物は、UCH-L1の検出、脳損傷または傷害を有するまたは有する疑いがある個体における(例えば、神経状態、脳卒中または外傷性脳傷害に起因する)脳損傷または傷害の診断のために、および/または、本明細書において列挙される方法のようなCTスキャンを対象が必要とするかどうかの予測において、用いられ得る。一部の実施態様では、提供される抗-UCH-L1抗体は、本明細書において提供される任意の1つまたは複数の抗-GFAP抗体と組み合わせた方法において用いられ得る。
【0219】
B.抗-GFAP抗体
一態様では、ヒトGFAPタンパク質のフラグメント、アイソフォームまたは変異体を含むヒトGFAPタンパク質に結合する抗体が本明細書において提供される。一部の実施態様では、ヒトGFAPタンパク質は、損傷した細胞または組織から放出されるものであり、および/または、脳損傷または傷害の結果として体液(例えば血清、脳脊髄液または説明される他の体液)内に存在するものである。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号212~214のいずれかから選択されるアミノ酸配列を含むヒトGFAPタンパク質、または、配列番号212~214から選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一性を有するアミノ酸配列を有するその変異体に結合する。
【0220】
一部の実施態様では、GFAP変異体は、GFAPアミノ酸配列と少なくとも約80%アミノ酸配列同一性を有するGFAPであり、(i)配列番号212~214のいずれかに示されるような全長のネイティブのGFAPアミノ酸配列;(ii)配列番号212~214のいずれかに示されるような全長の組み換えGFAPアミノ酸配列;(iii)シグナルペプチドが欠失している(i)または(ii)のGFAPアミノ酸配列;(iv)または、(i)または(ii)の全長GFAPアミノ酸配列の任意の他のフラグメント、例えば、全長GFAPタンパク質に関する完全なコード配列のほんの一部を表わす核酸によってコードされるものである。そのようなGFAP変異体は、例えば、全長のネイティブのアミノ酸配列または全長の組み換えアミノ酸配列のN-またはC-末端において1つまたは複数のアミノ酸残基が付加または欠失したポリペプチドを含む。通常、GFAP変異体は、全長のネイティブのGFAPアミノ酸配列(例えば配列番号212~214に示される)、全長の組み換えGFAPアミノ酸配列(例えば配列番号212~214に示される)、または、シグナルペプチドが欠失したそれらのGFAPアミノ酸配列または全長GFAPアミノ酸配列の任意の他のフラグメントと、少なくとも約80%アミノ酸配列同一性、あるいは少なくとも約81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%アミノ酸配列同一性を有する。一部の実施態様では、全長配列のフラグメントを含むGFAP変異体は、少なくとも約10アミノ酸の長さ、あるいは少なくとも約20、30、40、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、280、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430アミノ酸の長さ、またはそれよりも長い。一部の実施態様では、GFAP変異体は、ネイティブのGFAPアミノ酸配列または組み換えGFAPアミノ酸配列と比較して1つ以内の保存アミノ酸置換、あるいは、ネイティブのGFAPアミノ酸配列または組み換えGFAPアミノ酸配列と比較して2、3、4、5、6、7、8、9、または10個以内の保存アミノ酸置換を有する。
【0221】
一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号212に示されるヒトGFAPタンパク質内に含まれるエピトープまたは領域に対応するエピトープまたは領域または配列番号212に示されるGFAPタンパク質のアイソフォームまたはフラグメントまたは変異体内の同一のエピトープまたは領域に結合する。
【0222】
一部の実施態様では、GFAPタンパク質(例えば、ヒトGFAPタンパク質)は、細菌宿主細胞(例えば、E.coli細胞)または哺乳類の宿主細胞(例えば、CHO細胞)において生産される組み換えGFAPタンパク質のような、組み換えGFAPタンパク質である。一部の実施態様では、GFAPタンパク質(例えば、ヒトGFAPタンパク質)は、血清、血漿、血液(例えば、全血)、脳脊髄液、尿、汗、唾液または個体(例えば、ヒト)に存在または得られる任意の他の生物学的流体に存在または得られるネイティブのGFAPタンパク質のような、ネイティブのGFAPタンパク質である。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、シトルリン化、グリコシル化、リン酸化、または他の改変によって改変されたGFAPに結合する。
【0223】
一部の実施態様では、本明細書に記載の抗-GFAP抗体は、GFAP(例えば、ヒトGFAP)の線形エピトープに結合する。一部の実施態様では、本明細書に記載の抗-GFAP抗体は、GFAP(例えば、ヒトGFAP)の立体構造的エピトープに結合する。
【0224】
一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、GFAPの特定のエピトープまたは領域に結合する。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号212に示されるヒトGFAPタンパク質の92~106位に対応するGFAPの部分である、それを含む、またはその中の(または完全にその中の)1つまたは複数のアミノ酸を含むエピトープに結合する。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号212に示されるヒトGFAPタンパク質の190~202位に対応するGFAPの部分である、それを含む、またはその中の(または完全にその中の)1つまたは複数のアミノ酸を含むエピトープに結合する。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号212に示されるヒトGFAPタンパク質の16~35および/または380位に対応するGFAPの部分である、それを含む、またはその中の(または完全にその中の)1つまたは複数のアミノ酸を含むエピトープに結合する。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号212に示されるヒトGFAPタンパク質の119および/または190位に対応するGFAPの部分である、それを含む、またはその中の(または完全にその中の)1つまたは複数のアミノ酸を含むエピトープに結合する。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号212に示されるヒトGFAPタンパク質の380~391位に対応するGFAPの部分である、それを含む、またはその中の(または完全にその中の)1つまたは複数のアミノ酸を含むエピトープに結合する。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号212に示されるヒトGFAPタンパク質の119~130位に対応するGFAPの部分である、それを含む、またはその中の(または完全にその中の)1つまたは複数のアミノ酸を含むエピトープに結合する。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号212に示されるヒトGFAPタンパク質の210~221位に対応するGFAPの部分である、それを含む、またはその中の(または完全にその中の)1つまたは複数のアミノ酸を含むエピトープに結合する。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号212に示されるヒトGFAPタンパク質の320~329、346~357および/または376~387位に対応するGFAPの部分である、それを含む、またはその中の(または完全にその中の)1つまたは複数のアミノ酸を含むエピトープに結合する。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号212に示されるヒトGFAPタンパク質の138~149位に対応するGFAPの部分である、それを含む、またはその中の(または完全にその中の)1つまたは複数のアミノ酸を含むエピトープに結合する。
【0225】
提供される抗体のうち、一部の実施態様では、他の提供される抗体の1つまたは複数と同一またはオーバーラップするエピトープに結合する抗体、および/または、他の提供される抗体の1つまたは複数とGFAPに対する結合に関して競合する抗体である。提供される抗体のうち、一部の実施態様では、他の提供される抗体の1つまたは複数と比較して異なるまたは別個のエピトープに結合する抗体、および/または、他の提供される抗体の1つまたは複数とGFAPに対する結合に関して競合しない抗体である。例えば、一部の実施態様では、提供される抗体は、別個のエピトープに結合する抗体、および/または、本明細書に記載のGFAP-2と指定される抗体と比較してGFAPに対する結合に関して競合しない抗体である。一部の実施態様では、提供される抗体は、別個のエピトープに結合する抗体、および/または、本明細書に記載のGFAP-6と指定される抗体と比較してGFAPに対する結合に関して競合しない抗体である。
【0226】
一部の実施態様では、抗体は、異なる種由来のGFAPの間で保存されているGFAPのエピトープに結合する。一部の実施態様では、抗体は、ヒトGFAPまたはそのアイソフォームまたは変異体には存在するが1つまたは複数の他の非ヒト種には存在しないGFAPのエピトープに結合する。
【0227】
一態様では、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む抗-GFAP抗体が本明細書において提供されて、重鎖可変領域は、配列番号108~124から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H3を含む。一部の実施態様では、重鎖可変領域は、配列番号77~90から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H1および/または配列番号91~107から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H2をさらに含む。
【0228】
一態様では、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む抗-GFAP抗体が本明細書において提供されて、軽鎖可変領域は、配列番号157~171から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。一部の実施態様では、重鎖可変領域は、配列番号125~141から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L1および/または配列番号142~156から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L2をさらに含む。
【0229】
一部の実施態様では、重鎖CDR配列は、以下を含む:
a)配列番号77;配列番号78;配列番号79;配列番号80;配列番号81;配列番号82;配列番号83;配列番号84;配列番号85;配列番号86;配列番号87;配列番号88;配列番号89または配列番号90に示されるCDR-H1;
b)配列番号91;配列番号92;配列番号93;配列番号94;配列番号95;配列番号96;配列番号97;配列番号98;配列番号99;配列番号100;配列番号101、配列番号102;配列番号103;配列番号104;配列番号105;配列番号106または配列番号107に示されるCDR-H2;および
c)配列番号108;配列番号109;配列番号110;配列番号111;配列番号112;配列番号113;配列番号114;配列番号115;配列番号116;配列番号117;配列番号118;配列番号119;配列番号120;配列番号121;配列番号122;配列番号123または配列番号124に示されるCDR-H3。
【0230】
一部の実施態様では、重鎖CDR配列は、以下を含む:
a)配列番号77;配列番号78;配列番号79;配列番号80;配列番号81;配列番号82;配列番号83;配列番号84;配列番号85;配列番号86;配列番号87;配列番号88;配列番号89または配列番号90に示されるCDR-H1;
b)配列番号93;配列番号94;配列番号95;配列番号96;配列番号97;配列番号98;配列番号99;配列番号100;配列番号101、配列番号102;配列番号103;配列番号104;配列番号105;配列番号106または配列番号107に示されるCDR-H2;および
c)配列番号110;配列番号111;配列番号112;配列番号113;配列番号114;配列番号115;配列番号116;配列番号117;配列番号118;配列番号119;配列番号120;配列番号121;配列番号122;配列番号123または配列番号124に示されるCDR-H3。
【0231】
一部の実施態様では、重鎖CDR配列は、以下を含む:
a)配列番号77に示されるCDR-H;
b)配列番号91に示されるCDR-H2;および
c)配列番号108に示されるCDR-H3。
【0232】
一部の実施態様では、重鎖CDR配列は、以下を含む:
a)配列番号78に示されるCDR-H1;
b)配列番号92に示されるCDR-H2;および
c)配列番号109に示されるCDR-H3。
【0233】
一部の実施態様では、軽鎖CDR配列は、以下を含む:
a)配列番号125;配列番号126;配列番号127;配列番号128;配列番号129;配列番号130;配列番号131;配列番号132;配列番号133;配列番号134;配列番号135;配列番号136;配列番号137;配列番号138;配列番号139;配列番号140または配列番号141に示されるCDR-L1;
b)配列番号142;配列番号143、配列番号144;配列番号145;配列番号146;配列番号147;配列番号148;配列番号149;配列番号150;配列番号151;配列番号152;配列番号153;配列番号154;配列番号155または配列番号156に示されるCDR-L2;および
c)配列番号157;配列番号158;配列番号159;配列番号160;配列番号161;配列番号162;配列番号163;配列番号164;配列番号165;配列番号166;配列番号167;配列番号168;配列番号169;配列番号170または配列番号171に示されるCDR-L3。
【0234】
一部の実施態様では、軽鎖CDR配列は、以下を含む:
a)配列番号126;配列番号127;配列番号128;配列番号129;配列番号130;配列番号131;配列番号132;配列番号133;配列番号134;配列番号135;配列番号136;配列番号137;配列番号138;配列番号139;配列番号140または配列番号141に示されるCDR-L1;
b)配列番号142;配列番号144;配列番号145;配列番号146;配列番号147;配列番号148;配列番号149;配列番号150;配列番号151;配列番号152;配列番号153;配列番号154;配列番号155または配列番号156に示されるCDR-L2;および
c)配列番号158;配列番号159;配列番号160;配列番号161;配列番号162;配列番号163;配列番号164;配列番号165;配列番号166;配列番号167;配列番号168;配列番号169;配列番号170または配列番号171に示されるCDR-L3。
【0235】
一部の実施態様では、軽鎖CDR配列は、以下を含む:
a)配列番号125に示されるCDR-L1;
b)配列番号142に示されるCDR-L2;および
c)配列番号157に示されるCDR-L3。
【0236】
一部の実施態様では、軽鎖CDR配列は、以下を含む:
a)配列番号126に示されるCDR-L1;
b)配列番号143に示されるCDR-L2;および
c)配列番号158に示されるCDR-L3。
【0237】
上記のCDR-H1、CDR-H2、CDR-H3、CDR-L1、CDR-L2および/またはCDR-L3配列のいずれかと、それぞれ、少なくともまたは約少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一であるCDR-H1、CDR-H2、CDR-H3、CDR-L1、CDR-L2および/またはCDR-L3配列を含む抗体も提供される。
【0238】
一態様では、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む抗-GFAP抗体が本明細書において提供されて、重鎖可変領域は、(i)配列番号77のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(ii)配列番号91のアミノ酸配列を含むCDR-H2、および(iii)配列番号108のアミノ酸配列を含むCDR-H3;を含む、および/または、軽鎖可変領域は、(i)配列番号125のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(ii)配列番号142のアミノ酸配列を含むCDR-L2、および(iii)配列番号157のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。一部の実施態様では、本明細書に記載の抗体は、配列番号212に示されるヒトGFAPの残基92~106内の、それである、またはそれを含むエピトープに対応するエピトープに結合する。
【0239】
一態様では、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む抗-GFAP抗体が本明細書において提供されて、重鎖可変領域は、(i)配列番号78のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(ii)配列番号92のアミノ酸配列を含むCDR-H2、および(iii)配列番号109のアミノ酸配列を含むCDR-H3;を含む、および/または、軽鎖可変領域は、(i)配列番号126のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(ii)配列番号143のアミノ酸配列を含むCDR-L2、および(iii)配列番号158のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。一部の実施態様では、本明細書に記載の抗体は、配列番号212に示されるヒトGFAPの残基190~202内の、それである、またはそれを含むエピトープに対応するエピトープに結合する。
【0240】
一態様では、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む抗-GFAP抗体が本明細書において提供されて、重鎖可変領域は、(i)配列番号79のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(ii)配列番号93のアミノ酸配列を含むCDR-H2、および(iii)配列番号110のアミノ酸配列を含むCDR-H3;を含む、および/または、軽鎖可変領域は、(i)配列番号127のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(ii)配列番号144のアミノ酸配列を含むCDR-L2、および(iii)配列番号159のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。一部の実施態様では、本明細書に記載の抗体は、配列番号212に示されるヒトGFAPの残基16~35および/または380内の、それである、またはそれを含むエピトープに対応するエピトープに結合する。
【0241】
別の態様では、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む抗-GFAP抗体が本明細書において提供されて、重鎖可変領域は、(i)配列番号77のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(ii)配列番号94のアミノ酸配列を含むCDR-H2、および(iii)配列番号111のアミノ酸配列を含むCDR-H3;を含む、および/または、軽鎖可変領域は、(i)配列番号128のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(ii)配列番号145のアミノ酸配列を含むCDR-L2、および(iii)配列番号160のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。一部の実施態様では、本明細書に記載の抗体は、配列番号212に示されるヒトGFAPの残基119および/または190内の、それである、またはそれを含むエピトープに対応するエピトープに結合する。
【0242】
別の態様では、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む抗-GFAP抗体が本明細書において提供されて、重鎖可変領域は、(i)配列番号80のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(ii)配列番号95のアミノ酸配列を含むCDR-H2、および(iii)配列番号112のアミノ酸配列を含むCDR-H3;を含む、および/または、軽鎖可変領域は、(i)配列番号126のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(ii)配列番号142のアミノ酸配列を含むCDR-L2、および(iii)配列番号158のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。一部の実施態様では、本明細書に記載の抗体は、配列番号212に示されるヒトGFAPの残基119~130内の、それである、またはそれを含むエピトープに対応するエピトープに結合する。
【0243】
別の態様では、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む抗-GFAP抗体が本明細書において提供されて、重鎖可変領域は、(i)配列番号81のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(ii)配列番号96のアミノ酸配列を含むCDR-H2、および(iii)配列番号113のアミノ酸配列を含むCDR-H3;を含む、および/または、軽鎖可変領域は、(i)配列番号129のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(ii)配列番号146のアミノ酸配列を含むCDR-L2、および(iii)配列番号161のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。一部の実施態様では、本明細書に記載の抗体は、配列番号212に示されるヒトGFAPの残基380~391内の、それである、またはそれを含むエピトープに対応するエピトープに結合する。
【0244】
別の態様では、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む抗-GFAP抗体が本明細書において提供されて、重鎖可変領域は、(i)配列番号77のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(ii)配列番号94のアミノ酸配列を含むCDR-H2、および(iii)配列番号111のアミノ酸配列を含むCDR-H3;を含む、および/または、軽鎖可変領域は、(i)配列番号130のアミノ酸配列を含むCDR-L1(ii)配列番号145のアミノ酸配列を含むCDR-L2、および(iii)配列番号160のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。一部の実施態様では、本明細書に記載の抗体は、配列番号212に示されるヒトGFAPの残基380~391内の、それである、またはそれを含むエピトープに対応するエピトープに結合する。
【0245】
別の態様では、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む抗-GFAP抗体が本明細書において提供されて、重鎖可変領域は、(i)配列番号82のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(ii)配列番号97のアミノ酸配列を含むCDR-H2、および(iii)配列番号114のアミノ酸配列を含むCDR-H3;を含む、および/または、軽鎖可変領域は、(i)配列番号131のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(ii)配列番号147のアミノ酸配列を含むCDR-L2、および(iii)配列番号162のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。一部の実施態様では、本明細書に記載の抗体は、配列番号212に示されるヒトGFAPの残基380~391内の、それである、またはそれを含むエピトープに対応するエピトープに結合する。
【0246】
別の態様では、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む抗-GFAP抗体が本明細書において提供されて、重鎖可変領域は、(i)配列番号83のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(ii)配列番号98のアミノ酸配列を含むCDR-H2、および(iii)配列番号115のアミノ酸配列を含むCDR-H3;を含む、および/または、軽鎖可変領域は、(i)配列番号132のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(ii)配列番号148のアミノ酸配列を含むCDR-L2、および(iii)配列番号163のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
【0247】
別の態様では、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む抗-GFAP抗体が本明細書において提供されて、重鎖可変領域は、(i)配列番号84のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(ii)配列番号99のアミノ酸配列を含むCDR-H2、および(iii)配列番号116のアミノ酸配列を含むCDR-H3;を含む、および/または、軽鎖可変領域は、(i)配列番号133のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(ii)配列番号149のアミノ酸配列を含むCDR-L2、および(iii)配列番号164のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。一部の実施態様では、本明細書に記載の抗体は、配列番号212に示されるヒトGFAPの残基119~130内の、それである、またはそれを含むエピトープに対応するエピトープに結合する。
【0248】
別の態様では、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む抗-GFAP抗体が本明細書において提供されて、重鎖可変領域は、(i)配列番号85のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(ii)配列番号100のアミノ酸配列を含むCDR-H2、および(iii)配列番号117のアミノ酸配列を含むCDR-H3;を含む、および/または、軽鎖可変領域は、(i)配列番号134のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(ii)配列番号150のアミノ酸配列を含むCDR-L2、および(iii)配列番号165のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。一部の実施態様では、本明細書に記載の抗体は、配列番号212に示されるヒトGFAPの残基119~130内の、それである、またはそれを含むエピトープに対応するエピトープに結合する。
【0249】
別の態様では、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む抗-GFAP抗体が本明細書において提供されて、重鎖可変領域は、(i)配列番号86のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(ii)配列番号101のアミノ酸配列を含むCDR-H2、および(iii)配列番号118のアミノ酸配列を含むCDR-H3;を含む、および/または、軽鎖可変領域は、(i)配列番号135のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(ii)配列番号151のアミノ酸配列を含むCDR-L2、および(iii)配列番号166のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。一部の実施態様では、本明細書に記載の抗体は、配列番号212に示されるヒトGFAPの残基210~221内の、それである、またはそれを含むエピトープに対応するエピトープに結合する。
【0250】
別の態様では、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む抗-GFAP抗体が本明細書において提供されて、重鎖可変領域は、(i)配列番号78のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(ii)配列番号102のアミノ酸配列を含むCDR-H2、および(iii)配列番号119のアミノ酸配列を含むCDR-H3;を含む、および/または、軽鎖可変領域は、(i)配列番号136のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(ii)配列番号152のアミノ酸配列を含むCDR-L2、および(iii)配列番号167のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。一部の実施態様では、本明細書に記載の抗体は、配列番号212に示されるヒトGFAPの残基210~221内の、それである、またはそれを含むエピトープに対応するエピトープに結合する。
【0251】
別の態様では、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む抗-GFAP抗体が本明細書において提供されて、重鎖可変領域は、(i)配列番号78のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(ii)配列番号103のアミノ酸配列を含むCDR-H2、および(iii)配列番号120のアミノ酸配列を含むCDR-H3;を含む、および/または、軽鎖可変領域は、(i)配列番号137のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(ii)配列番号142のアミノ酸配列を含むCDR-L2、および(iii)配列番号158のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。一部の実施態様では、本明細書に記載の抗体は、配列番号212に示されるヒトGFAPの残基210~221内の、それである、またはそれを含むエピトープに対応するエピトープに結合する。
【0252】
別の態様では、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む抗-GFAP抗体が本明細書において提供されて、重鎖可変領域は、(i)配列番号87のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(ii)配列番号104のアミノ酸配列を含むCDR-H2、および(iii)配列番号121のアミノ酸配列を含むCDR-H3;を含む、および/または、軽鎖可変領域は、(i)配列番号138のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(ii)配列番号153のアミノ酸配列を含むCDR-L2、および(iii)配列番号168のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。一部の実施態様では、本明細書に記載の抗体は、配列番号212に示されるヒトGFAPの残基320~329内の、それである、またはそれを含むエピトープに対応するエピトープに結合する。
【0253】
別の態様では、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む抗-GFAP抗体が本明細書において提供されて、重鎖可変領域は(i)配列番号88のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(ii)配列番号105のアミノ酸配列を含むCDR-H2、および(iii)配列番号122のアミノ酸配列を含むCDR-H3;を含む、および/または、軽鎖可変領域は、(i)配列番号139のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(ii)配列番号154のアミノ酸配列を含むCDR-L2、および(iii)配列番号169のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。一部の実施態様では、本明細書に記載の抗体は、配列番号212に示されるヒトGFAPの残基320~329、346~357および/または376~387内の、それである、またはそれを含むエピトープに対応するエピトープに結合する。
【0254】
別の態様では、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む抗-GFAP抗体が本明細書において提供されて、重鎖可変領域は、(i)配列番号89のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(ii)配列番号106のアミノ酸配列を含むCDR-H2、および(iii)配列番号123のアミノ酸配列を含むCDR-H3;を含む、および/または、軽鎖可変領域は、(i)配列番号140のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(ii)配列番号155のアミノ酸配列を含むCDR-L2、および(iii)配列番号170のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。一部の実施態様では、本明細書に記載の抗体は、配列番号212に示されるヒトGFAPの残基119~130および/または138~149内の、それである、またはそれを含むエピトープに対応するエピトープに結合する。
【0255】
別の態様では、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含む抗-GFAP抗体が本明細書において提供されて、重鎖可変領域は、(i)配列番号90のアミノ酸配列を含むCDR-H1、(ii)配列番号107のアミノ酸配列を含むCDR-H2、および(iii)配列番号124のアミノ酸配列を含むCDR-H3;を含む、および/または、軽鎖可変領域は、(i)配列番号141のアミノ酸配列を含むCDR-L1、(ii)配列番号156のアミノ酸配列を含むCDR-L2、および(iii)配列番号171のアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。一部の実施態様では、本明細書に記載の抗体は、配列番号212に示されるヒトGFAPの残基119~130内の、それである、またはそれを含むエピトープに対応するエピトープに結合する。
【0256】
一部の実施態様では、抗-GFAPは、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含む重鎖可変領域を含み、配列番号172~188のいずれか1つから選択される重鎖可変領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3のアミノ酸配列をそれぞれ含む。一部の実施態様では、抗-GFAPは、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含む重鎖可変領域を含み、配列番号174~188のいずれか1つから選択される重鎖可変領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3のアミノ酸配列をそれぞれ含む。一部の実施態様では、抗-GFAPは、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含む重鎖可変領域を含み、配列番号172の重鎖可変領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3のアミノ酸配列をそれぞれ含む。一部の実施態様では、抗-GFAPは、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含む重鎖可変領域を含み、配列番号173の重鎖可変領域アミノ酸内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3のアミノ酸配列をそれぞれ含む。
【0257】
一部の実施態様では、抗-GFAPは、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、配列番号189~206のいずれか1つから選択される軽鎖可変領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3のアミノ酸配列をそれぞれ含む。一部の実施態様では、抗-GFAPは、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、配列番号191~206のいずれか1つから選択される軽鎖可変領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3のアミノ酸配列をそれぞれ含む。一部の実施態様では、抗-GFAPは、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、配列番号189の軽鎖可変領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3のアミノ酸配列をそれぞれ含む。一部の実施態様では、抗-GFAPは、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、配列番号190の軽鎖可変領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3のアミノ酸配列をそれぞれ含む。
【0258】
本明細書に記載の抗-GFAP抗体は、GFAP(例えば、ヒトGFAP)に結合する能力を抗体が保持する限り、任意の適切なフレームワーク可変ドメイン配列を含んでよい。本明細書において用いられる、重鎖フレームワーク領域は、「HC-FR1-FR4」と指定されて、軽鎖フレームワーク領域は、「LC-FR1-FR4」と指定される。
【0259】
一部の実施態様では、配列番号172~188から選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む抗-GFAP抗体が本明細書において提供される。一部の実施態様では、配列番号174~188から選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む抗-GFAP抗体が本明細書において提供される。一部の実施態様では、配列番号172のアミノ酸配列と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む抗-GFAP抗体が本明細書において提供される。一部の実施態様では、配列番号173のアミノ酸配列と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む抗-GFAP抗体が本明細書において提供される。一部の実施態様では、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%配列同一性を有するアミノ酸配列は、参照配列と比較して、置換、挿入、または欠失を含むが、そのアミノ酸配列を含む抗体は、GFAP(例えば、ヒトGFAP)に結合する能力を保持する。一部の実施態様では、置換、挿入、または欠失(例えば、1、2、3、4、または5アミノ酸)は、CDRの外側領域において(すなわち、FRにおいて)生じる。
【0260】
一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号172~188から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号172のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号173から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号174のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号175のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号176のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号177のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号178のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号179のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号180のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号181のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号182のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号183のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号184のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号185のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号186のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号187のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号188のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む。
【0261】
一部の実施態様では、配列番号189~206から選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む抗-GFAP抗体が本明細書において提供される。一部の実施態様では、配列番号191~206から選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む抗-GFAP抗体が本明細書において提供される。一部の実施態様では、配列番号189のアミノ酸配列と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む抗-GFAP抗体が本明細書において提供される。一部の実施態様では、配列番号190のアミノ酸配列と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%配列同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む抗-GFAP抗体が本明細書において提供される。一部の実施態様では、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%配列同一性を有するアミノ酸配列は、参照配列と比較して、置換、挿入、または欠失を含むが、そのアミノ酸配列を含む抗体は、GFAP(例えば、ヒトGFAP)に結合する能力を保持する。一部の実施態様では、置換、挿入、または欠失(例えば、1、2、3、4、または5アミノ酸)は、CDRの外側領域において(すなわち、FRにおいて)生じる。
【0262】
一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号189~206から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号189のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号190のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号191のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号192のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号193のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号194のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号195のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号196のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号197のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号198のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号199のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号200のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号201のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号202のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号203のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号204のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号205のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号206のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。
【0263】
一態様では、配列番号172~188から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む、および/または、配列番号189~206から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む、抗-GFAP抗体が本明細書において提供される。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号174~188から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む、および/または、配列番号191~206から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号172から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む、および/または、配列番号189から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号173から選択されるアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む、および/または、配列番号190から選択されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。また、上記の重鎖可変ドメインおよび/または軽鎖可変ドメイン配列のいずれかと、それぞれ、少なくともまたは約少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%同一の重鎖可変ドメインおよび/または軽鎖可変ドメイン配列を含む抗体も提供される。
【0264】
一部の実施態様では、表10に示される抗体(例えば、GFAP-2、GFAP-6など)の重鎖可変ドメインおよび/または軽鎖可変ドメインを含む抗-GFAP抗体が本明細書において提供される。
【0265】
一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号172のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む、および/または、配列番号189のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号173のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む、および/または、配列番号190のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号174のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む、および/または、配列番号191のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号175のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む、および/または、配列番号192のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号176のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む、および/または、配列番号193のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号177のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む、および/または、配列番号194のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号175のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む、および/または、配列番号195のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号178のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む、および/または、配列番号196のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号179のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む、および/または、配列番号197のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号180のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む、および/または、配列番号198のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号181のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む、および/または、配列番号199のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号182のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む、および/または、配列番号200のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号183のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む、および/または、配列番号201のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号184のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む、および/または、配列番号202のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号185のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む、および/または、配列番号203のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号186のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む、および/または、配列番号204のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号187のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む、および/または、配列番号205のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号188のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインを含む、および/または、配列番号206のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む。
【0266】
一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号78、92および109にそれぞれ示されるCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3を含む可変重鎖、および、配列番号126、143および158にそれぞれ示されるCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3を含む可変軽鎖を含まない。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、配列番号173に示される可変重鎖および配列番号190に示される可変軽鎖を含まない。一部の実施態様では、抗-GFAP抗体は、GFAP-2と指定される抗体ではない。
【0267】
一態様では、本明細書に記載の抗-GFAP抗体は、モノクローナル抗体である。一態様では、本明細書に記載の抗-GFAP抗体は、抗体フラグメント(抗原結合フラグメントを含む)、例えば、Fab、Fab’-SH、Fv、scFv、または(Fab’)フラグメントである。
【0268】
本明細書における任意の実施態様では、抗体は、重鎖定常ドメインを含んでよい。一部の実施態様では、重鎖定常ドメインは、非ヒト哺乳類である。一部の実施態様では、重鎖定常ドメインは、非ヒト霊長類である。一部の実施態様では、重鎖定常ドメインは、非ヒト霊長類である。一部の実施態様では、重鎖定常ドメインは、ミューリン(例えば、マウスまたはラット)である。一部の実施態様では、ミューリン重鎖定常ドメインは、IgG1、IgG2aまたはIgG2bである。一部の実施態様では、ミューリン重鎖定常ドメインは、ミューリンIgG1である。一部の実施態様では、ミューリンIgG1は、配列番号215のアミノ酸配列、または、配列番号215と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%配列同一性を有するそのアイソフォームまたは変異体を含む。一部の実施態様では、ミューリン重鎖定常ドメインは、ミューリンIgG2aである。一部の実施態様では、ミューリンIgG2aは、配列番号216のアミノ酸配列、または、配列番号216と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%配列同一性を有するそのアイソフォームまたは変異体を含む。一部の実施態様では、ミューリン重鎖定常ドメインは、ミューリンIgG2bである。一部の実施態様では、ミューリンIgG2bは、配列番号217のアミノ酸配列、または、配列番号217と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%配列同一性を有するそのアイソフォームまたは変異体を含む。一部の実施態様では、重鎖定常ドメインは、ヒトである。一部の実施態様では、ヒト重鎖定常ドメインは、ヒトIgG1である。一部の実施態様では、ヒトIgG1は、配列番号218のアミノ酸配列、または、配列番号218と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%配列同一性を有するそのアイソフォームまたは変異体を含む。
【0269】
それらの定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、2つのタイプの軽鎖、κおよびλが存在する。本明細書における任意の実施態様では、本明細書において提供される抗体は、軽鎖定常ドメインを含んでよい。本明細書における任意の実施態様では、本明細書において提供される抗体は、軽鎖定常ドメインを含んでよい。一部の実施態様では、軽鎖定常ドメインは、非ヒト哺乳類である。一部の実施態様では、軽鎖定常ドメインは、非ヒト霊長類である。一部の実施態様では、軽鎖定常ドメインは、非ヒト霊長類である。一部の実施態様では、軽鎖定常ドメインは、ミューリン(例えば、マウスまたはラット)である。一部の実施態様では、ミューリン軽鎖定常ドメインは、κまたはλである。一部の実施態様では、ミューリンκは、配列番号219のアミノ酸配列、または、配列番号219と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%配列同一性を有するそのアイソフォームまたは変異体を含む。一部の実施態様では、ミューリンλは、配列番号220のアミノ酸配列、または、配列番号220と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%配列同一性を有するそのアイソフォームまたは変異体を含む。一部の実施態様では、軽鎖定常ドメインは、ヒトである。一部の実施態様では、ヒト軽鎖定常ドメインは、κまたはλである。一部の実施態様では、ヒトκは、配列番号221のアミノ酸配列、または、配列番号221と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%配列同一性を有するそのアイソフォームまたは変異体を含む。一部の実施態様では、ヒトλは、配列番号222のアミノ酸配列、または、配列番号222と少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%配列同一性を有するそのアイソフォームまたは変異体を含む。
【0270】
一態様では、本明細書に記載の抗-GFAP抗体は、モノクローナル抗体である。一態様では、本明細書に記載の抗-GFAP抗体は、ヒト化抗体、キメラ抗体またはヒト抗体である。一態様では、本明細書に記載の抗-GFAP抗体は、マウス抗体、ウサギ抗体、ラット抗体、または非ヒト霊長類抗体である。一部の実施態様では、任意の抗-GFAP抗体は、組み換えである。一態様では、本明細書に記載の任意の抗-GFAP抗体は、単離または精製される。
【0271】
一部の実施態様では、本明細書において提供される抗-GFAP抗体は、10-8M以下、例えば、10-8M~10-13M、例えば、10-8M~10-12M、例えば、10-9M~10-13Mの解離定数(K)で結合親和性を有する。一部の実施態様では、本明細書において提供される抗-GFAP抗体は、1μM以下、150nM以下、100nM以下、50nM以下、10nM以下、1nM以下、0.1nM以下、0.01nM以下、または、0.001nM以下の解離定数(K)を有する。一部の実施態様では、本明細書において提供される抗-GFAP抗体は、1.0×10-8M、2.0×10-8M、3.0×10-8M、4.0×10-8M、5.0×10-8M、6.0×10-8M、7.0×10-8M、8.0×10-8M、9.0×10-8M、1.0×10-9M、2.0×10-9M、3.0×10-9M、4.0×10-9M、5.0×10-9M、6.0×10-9M、7.0×10-9M、8.0×10-9M、9.0×10-9M、1.0×10-10M、2.0×10-10M、3.0×10-10M、4.0×10-10M、5.0×10-10M、6.0×10-10M、7.0×10-10M、8.0×10-10M、9.0×10-10M、1.0×10-11M、2.0×10-11M、3.0×10-11M、4.0×10-11M、5.0×10-11M、6.0×10-11M、7.0×10-11M、8.0×10-11M、9.0×10-11M、または1.0×10-12M未満または約それ未満の解離定数(K)を有する。
【0272】
一部の実施態様では、本明細書において提供される抗-GFRAP抗体は、1.0×10-8M~5.0×10-12M、1.0×10-8M~1.0×10-12M、1.0×10-8M~1.0×10-11M、1.0×10-8M~1.0×10-11M、1.0×10-8M~1.0×10-10M、1.0×10-10M~1.0×10-12M、1.0×10-10M~1.0×10-11M、1.0×10-11M~1.0×10-12Mまたは約その範囲の解離定数(K)を有する。一部の実施態様では、本明細書において提供される抗-GFAP抗体は、1.0×10-8M~1.0×10-12Mまたは約その範囲の解離定数(K)を有する。一部の実施態様では、本明細書において提供される抗-GFAP抗体は、1.0×10-8M~2.0×10-8M、1.0×10-9M~6.0×10-9M、2.0×10-10M~9.0×10-10M、1.0×10-11M~8.0×10-11M、または1.0×10-12M~5.0×10-12Mまたは約その範囲の解離定数(K)を有する。一部の実施態様では、本明細書において提供される抗-GFAP抗体は、表8に示される抗体、例えば、GFAP-1、GFAP-2などの解離定数(K)を有する。
【0273】
一態様では、抗-GFAP抗体をコードする核酸が提供される。一部の実施態様では、核酸は、本明細書において提供される抗-GFAP抗体または抗原結合フラグメントをコードしてよい。一部の実施態様では、核酸は、本明細書において提供される抗-GFAP抗体または抗原結合フラグメントの重鎖可変領域を含む重鎖をコードしてよい。一部の実施態様では、核酸は、本明細書において提供される抗-GFAP抗体または抗原結合フラグメントの軽鎖可変領域を含む軽鎖をコードしてよい。
【0274】
特定の実施態様では、抗-GFAP抗体をコードする核酸を含む、発現ベクターのようなベクターが提供される。特定の実施態様では、そのような核酸および/またはベクターを含む宿主細胞が提供される。例えば、本明細書において提供される宿主細胞は、本明細書において提供される抗-GFAP抗体または抗原結合フラグメントの重鎖をコードする核酸を含むベクターを含んでよい。そのような宿主細胞は、一部の実施態様では、本明細書において提供される抗-GFAP抗体または抗原結合フラグメントの軽鎖をコードする核酸を含むベクターをさらに含んでよい。
【0275】
本発明の別の態様では、抗-GFAP抗体を含む組成物または抗-GFAP抗体をコードする核酸が提供される。特定の実施態様では、本明細書において提供される組成物は、GFAPの検出、脳損傷または傷害を有するまたは有する疑いがある個体における(例えば、神経状態、脳卒中または外傷性脳傷害に起因する)脳損傷または傷害の診断のために、および/または、対象が本明細書において列挙される方法のようなCTスキャンを必要とするかどうかの予測において、用いられ得る。一部の実施態様では、提供される抗-GFAP抗体は、任意の1つまたは複数の本明細書において提供される抗-UCH-L1抗体と組み合わせた方法で用いられ得る。
【0276】
C.例示的な特性を評価する方法
提供される抗体は、説明されるように、1つまたは複数の例示的な特性を示す。提供される説明に従って抗体の特性を評価することは、当業者のレベル内である。本セクションは、親和性、エピトープ特異性、および、提供される抗体の1つまたは複数の他の特性を評価するために用いられ得る例示的な方法の説明を提供する。
【0277】
一部の実施態様では、提供される抗体またはそのフラグメントは、UCH-L1またはGFAPに対する結合、または、UCH-L1またはGFAPのフラグメントを含むそれらの変異体またはアイソフォームに対する結合に関して評価され得る。結合は、インビトロ(例えば免疫測定法)またはエクスビボまたはインビボで評価され得る。一部の実施態様では、結合は、免疫測定法によって評価される。免疫測定法は、制限されないが、ウエスタンブロットまたはイムノブロット、例えば定量ウエスタンブロット;ラジオイムノアッセイ;ELISA(酵素結合免疫吸着測定法);MesobScalebDiscovery(MSD,Gaithersburg,Maryland);「サンドイッチ」免疫測定法;免疫沈降アッセイ;ELISPOT;沈降反応;ゲル拡散沈降反応;免疫拡散アッセイ;凝集アッセイ;補体結合アッセイ;免疫放射定量測定法;蛍光免疫測定法;プロテインA免疫測定法;免疫組織化学;免疫電子顕微鏡またはリポソーム免疫測定法(LIA)のような技術を用いた競合および非競合アッセイ系を含む。そのようなアッセイはルーチンであり、当技術分野でよく知られている(例えば、Ausubel et al.,Eds,1994,Current Protocols in Molecular Biology,Vol.1,John Wiley&Sons,Inc.,New Yorkを参照)。
【0278】
場合によっては、抗体結合を測定するために選択される定量アッセイに応じて、絶対結合は、例えば、濃度測定または分光光度測定などによる光学濃度(OD);蛍光測定などによる任意蛍光単位(AFU);または、化学発光測定などによるルーメンの観点から表され得る。一部の例では、比活性は、絶対結合シグナルを抗体タンパク質濃度で割ることによって計算される。一部の実施態様では、結合活性は、参照抗体に対して正規化され得る。
【0279】
一部の実施態様では、結合活性は、結合親和性の観点から測定されてもよく、結合速度(kまたはkon)および/または解離速度(kまたはkoff)の測定のような結合反応速度、最大半量有効濃度(EC50)値、および/または熱力学データ(例えば、ギブズ自由エネルギー(ΔG)、エンタルピー(ΔH)、エントロピー(-TΔS)、および/または、結合定数(K)または解離定数(K)の測定の観点から決定され得る。典型的に、結合反応速度の決定は、公知の抗体および抗原または基質タンパク質濃度を必要とする。結合速度(k)および結合定数(K)は、結合親和性と正に相関する。対照的に、解離速度(k)、解離定数(K)およびEC50値は、結合親和性と負に相関する。したがって、より高い結合親和性は、より低いkd、KおよびEC50値によって表される。
【0280】
抗体の結合親和性を決定するためのアッセイは、当技術分野でよく知られている(Chen,Y.,et al.,(1999)J.Mol.Biol.293:865-881およびScatchard,G.,Ann.N.Y.Acad.Sci.51:660(1947)を参照)。親和定数は、逆数モル濃度の単位で表されて(すなわちM-1)、抗体反応に関する標準的な動力学的方法論(例えば、免疫測定法、表面プラズモン共鳴、バイオレイヤー干渉法または当技術分野で知られている他の動力学的相互作用アッセイ)によって測定される、結合-解離反応に関する速度定数から計算され得る。抗体の結合親和性は、解離定数、またはKとして表わすこともできる。解離定数は、結合定数の逆数である(K=1/K)。それ故に、親和定数は、Kによって表わすこともできる。親和定数は、抗体反応に関する標準的な動力学的方法論、例えば、免疫測定法、表面プラズモン共鳴(SPR)(Rich and Myszka(2000)Curr.Opin.Biotechnol 11:54;Englebienne(1998)Analyst.123:1599)、等温滴定熱量測定(ITC)、バイオレイヤー干渉法(Tobias et al.,Biomolecular Binding Kinetic Assays in the Octet Platform,Application Note 14,ForteBio,Div.of Pall Life Sciences,2013)または当技術分野で知られている他の動力学的相互作用アッセイ(例えば、Paul,ed.,Fundamental Immunology,2nd ed.,Raven Press,New York,pages 332-336(1989)を参照;抗体の結合親和性を計算するための例示的なSPRおよびITC方法の説明について米国特許番号7,229,619も参照)によって決定され得る。結合速度のモニタリングおよびリアルタイム検出のための器具および方法は、公知であり市販される(例えば、BIAcore 2000,BIAcore AB,Upsala,Sweden and GE Healthcare Life Sciences;Malmqvist(2000)Biochem.Soc.Trans.27:335;Octet QK、ForteBio)。
【0281】
一実施態様では、抗-UCH-L1抗体または抗-GFAP抗体の結合親和性は、バイオレイヤー干渉法アッセイによって決定される。例えば、UCH-L1-Hisタグ化タンパク質がキャプチャーセンサー(ForteBio)上に固定化されて、増加する濃度の抗-UCH-L1抗体または抗-UCH-L1 Fabとともにインキュベートされて、例えば、Octet QK System(ForteBio)のような機器を用いて親和性測定を得る。
【0282】
一部の実施態様では、提供される抗-UCH-L1または抗-GFAP抗体は、記載されるUCH-L1またはGFAPの領域であるまたはその領域内であるまたは領域を含むエピトープのような、UCH-L1またはGFAP内の特定のエピトープにそれぞれ結合する。抗体および参照抗体によって結合されたエピトープをマッピングするためのアッセイを用いてもよく、公知である。一部の実施態様では、エピトープは、線形エピトープであってよい。一部の実施態様では、エピトープは、立体構造的エピトープであってよい。
【0283】
例示的なエピトープマッピングアッセイでは、タンパク質抗原、例えば、その特定のフラグメントの組み換えヒトUCH-L1または組み換えヒトGFAPは、マイクロプレートに添加されて、タンパク質がプレート上のウェルをコーティングするようにインキュベートされる。一部の実施態様では、タンパク質の1つまたは複数の様々なトランケーションが評価され得て、それぞれ、アミノ酸の特定の領域または配列の存在または不存在によって、1つまたは複数の他のトランケートされたタンパク質を表わし、または異なる。一部の実施態様では、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250まで、またはそれよりも多くのN-またはC-末端アミノ酸残基がそれぞれ欠失した、複数のオーバーラップするトランケートされたタンパク質が生産され得る。比較として、全長タンパク質に対する結合も比較され得る。トランケートされたフラグメントまたは全長タンパク質はそれぞれ、特定の試験抗体と接触され得て、結合は、公知技術を用いて評価または判定され得る。
【0284】
一部の実施態様では、提供される抗体(例えば第一の抗体)は、参照抗体(例えば第二の抗体)と比較して、別個また非オーバーラップのエピトープに結合する。一部の実施態様では、2つの抗体は、一方の抗体の結合を減少または除去する抗原内の全てまたは本質的に全てのアミノ酸突然変異が、他方の抗体の結合を減少または除去しないならば、異なるまたは非オーバーラップのエピトープに特異的に結合する。一部の実施態様では、2つの抗体は、一方の抗体による抗原への結合を減少または除去する抗原内のアミノ酸突然変異の少なくとも一部が、他方の抗体による抗原への結合を減少または除去しないならば、オーバーラップするエピトープに特異的に結合しない。
【0285】
一部の実施態様では、抗体が、特定の抗原または基質(例えばUCH-L1またはGFAP)に対する「結合に関して競合する」かどうかは、競合アッセイを用いて評価され得る。抗体は、抗原に対する参照抗体の結合を競合的に阻害するならば、および/または、抗原に対する抗体の結合を参照抗体が競合的に阻害するならば、参照抗体と、抗原(例えばUCH-L1またはGFAP)に対する「結合に関して競合する」。抗体は、抗体の過剰な存在がその抗原に対する他の抗体の結合を検出可能に阻害する(ブロックする)ならば、抗原に対する参照抗体の結合を競合的に阻害する。特定の程度の阻害が規定され得る。一部の実施態様では、参照抗体の量または濃度と比較して、1、2、5、10、50または100倍の過剰のような、提供される抗体の過剰な添加は、いずれかが他方による抗原に対する結合を阻害するならば、評価するために用いられ得る。一部の実施態様では、抗体は、結合の阻害が少なくとも50%、一部の実施態様では、少なくとも75%、90%または99%であるならば、結合に関して競合する。一部の実施態様では、抗体は、結合の阻害が50%未満、例えば一部の実施態様では、40%、30%、20%、10%未満またはそれよりも少ない場合は、結合に関して競合しない。一部の態様では、競合阻害は、競合結合アッセイにおいて測定される(例えば、Junghans et al.,Cancer Res.1990:50:1495-1502を参照)。
【0286】
提供される抗体のうち、一部の実施態様では、1つまたは複数の他の参照抗体と結合に関して競合しない抗体である。一部の実施態様では、同一抗原(例えばUCH-L1またはGFAP)に結合するがそれに対する結合に関して競合しない抗体は、記載されるサンプル中のUCH-L1またはGFAPを検出または測定するために、アッセイ(例えばサンドイッチELISA)においてペア抗体として用いられ得る。
【0287】
一部の実施態様では、抗-UCH-L1抗体のうちペアとして用いられ得るものを決定するために、上記の提供される抗-UCH-L1抗体のそれぞれは、検出可能な標識(例えばHRP)によって標識されてよく、他の提供される抗-UCH-L1抗体のそれぞれによって個々にサンドイッチ形式で試験される。
【0288】
一部の実施態様では、抗-GFAP抗体のうちペアとして用いられ得るものを決定するために、上記の提供される抗-GFAP抗体のそれぞれは、検出可能な標識(例えばHRP)によって標識されてよく、他の提供される抗-GFAP抗体のそれぞれによって個々にサンドイッチ形式で試験される。
【0289】
[III.抗体生産および調製]
一部の実施態様では、提供される抗体またはそのフラグメントは、抗体を生産するための当該分野において利用可能な技術を用いて調製されて、その例示的な方法は、以下のセクションにより詳細に説明される。
[A.抗体形式および改変]
1.抗体フラグメント
提供される抗体のうち、抗体フラグメントである。抗体フラグメントは、酵素消化のような伝統的な方法によって、または組み換え技術によって、生産され得る。抗体フラグメントを用いる利点がある特定の状況では、抗体全体よりむしろよい。特定の抗体フラグメントの総説に関しては、Hudson et al.(2003)Nat.Med.9:129-134を参照。
【0290】
抗体フラグメントの生産のための様々な技術が開発されている。伝統的に、これらのフラグメントは、無傷の抗体のタンパク質分解的な消化を介して得られた(例えば、Morimoto et al.,Journal of Biochemical and Biophysical Methods 24:107-117(1992);および、Brennan et al.,Science,229:81(1985)を参照)。しかしながら、これらのフラグメントは、今では、組み換え宿主細胞によって直接生産され得る。Fab、FvおよびScFv抗体フラグメントは、全て、E.coliにおいて発現されてそこから分泌され得て、したがって、大量のこれらのフラグメントの安易な生産を可能にする。抗体フラグメントは、上述の抗体ファージライブラリーから単離され得る。あるいは、Fab’-SHフラグメントは、E.coliから直接回収され得て、化学的に結合されてF(ab’)2フラグメントを形成する(Carter et al.,Bio/Technology 10:163-167(1992))。別のアプローチによれば、F(ab’)2フラグメントは、組み換え宿主細胞培養から直接単離され得る。サルベージ受容体結合エピトープ残基を含む増大したインビボ半減期を有するFabおよびF(ab’)2フラグメントは、米国特許番号5,869,046に記載される。抗体フラグメントの生産のための他の技術は、技術のある熟練者に明らかである。特定の実施態様では、抗体は、単鎖Fvフラグメント(scFv)である。WO93/16185;米国特許番号5,571,894;および5,587,458を参照。FvおよびscFvは、定常領域が欠失している無傷の結合部位を有する唯一の種であり;したがって、それらは、インビボ使用中の非特異結合を減少させるのに適切であり得る。scFv融合タンパク質は、scFvのアミノまたはカルボキシ末端のいずれかにおいてエフェクタータンパク質の融合を生じるように構築され得る。Antibody Engineering,ed.Borrebaeck(上記)を参照。抗体フラグメントは、例えば、米国特許番号5,641,870に記載の「線形抗体」などであってもよい。そのような線形抗体は、単一特異性または二重特異性であってよい。
【0291】
2.ヒト化抗体
提供される抗体のうち、ヒト化抗体である。非ヒト抗体をヒト化する様々な方法が当技術分野で知られている。例えば、ヒト化抗体は、非ヒトである由来からその中に導入された1つまたは複数のアミノ酸残基を有し得る。これらの非ヒトアミノ酸残基は、しばしば「インポート」残基と呼ばれて、それは典型的に「インポート」可変ドメインから得られる。ヒト化は、本質的に、超可変領域配列をヒト抗体の対応する配列に関して置換することによって、Winterの方法(Jones et al.(1986)Nature 321:522-525;Riechmann et al.(1988)Nature 332:323-327;Verhoeyen et al.(1988)Science 239:1534-1536)に従って行なわれ得る。したがって、そのような「ヒト化」抗体は、キメラ抗体であり(米国特許番号4,816,567)、ここで、実質的に無傷未満のヒト可変ドメインは、非ヒト種由来の対応する配列によって置換されている。実際には、ヒト化抗体は、典型的に、一部の超可変領域残基および場合により一部のFR残基が、齧歯類の抗体における類似の部分由来の残基によって置換されているヒト抗体である。
【0292】
ヒト化抗体の作製において用いられるヒト可変ドメインの選択は、軽鎖および重鎖ともに、抗原性を減少させるのに重要であり得る。いわゆる「ベストフィット」法によって、齧歯類(例えば、マウス)抗体の可変ドメインの配列は、公知のヒト可変ドメイン配列のライブラリー全体に対してスクリーニングされる。齧歯類のものに最も近いヒト配列は、それから、ヒト化抗体に関するヒトフレームワークとして認められる(Sims et al.(1993)J.Immunol.151:2296;Chothia et al.(1987)J.Mol.Biol.196:901。別の方法は、特定のサブグループの軽鎖または重鎖の全てのヒト抗体のコンセンサス配列に由来する特定のフレームワークを用いる。同一のフレームワークは、いくつかの異なるヒト化抗体のために用いられ得る(Carter et al.(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89:4285;Presta et al.(1993)J.Immunol.,151:2623。
【0293】
さらに、抗体は、抗原に関する高い親和性および他の好ましい生物学的特性を保持したヒト化であることが一般に望ましい。この目的を達成するために、1つの方法によれば、ヒト化抗体は、親およびヒト化配列の三次元モデルを用いた親配列および様々な概念的ヒト化産物の分析のプロセスによって調製される。三次元免疫グロブリンモデルは一般に利用可能であり当業者に馴染みがある。選択された候補免疫グロブリン配列の有り得る三次元立体構造を描写および表示するコンピュータープログラムが利用可能である。これらの表示の精査は、候補免疫グロブリン配列の機能における残基の役割と思われるものの分析、すなわち、候補免疫グロブリンがその抗原に結合する能力に影響を及ぼす残基の分析を可能にする。このようにして、FR残基が選択され得て、標的抗原(単数または複数)に関する親和性の増大のような所望の抗体特性が達成されるようにレシピエントおよびインポート配列から組み合わされ得る。一般に、超可変領域残基は、抗原結合の影響に直接的および最も実質的に関与する。
【0294】
3.ヒト抗体
提供される抗体のうち、ヒト抗体である。ヒト抗-UCH-L1抗体および/またはヒト抗-GFAP抗体は、ハイブリドーマ法によって作製され得る。ヒトモノクローナル抗体の生産のためのヒト骨髄腫およびマウス-ヒトヘテロ骨髄腫細胞株は、例えば、Kozbor J.Immunol.,133:3001(1984);Brodeur et al.,Monoclonal Antibody Production Techniques and Applications,pp.51-63(Marcel Dekker,Inc.,New York,1987);および、Boerner et al.,J.Immunol.,147:86(1991)によって説明されている。
【0295】
遺伝子シャッフルもまた、非ヒト(例えば、齧歯類)抗体からヒト抗体を得るために用いられ得て、ここで、ヒト抗体は、スタートの非ヒト抗体と同様の親和性および特異性を有する。「エピトープインプリント」とも呼ばれるこの方法によれば、本明細書に記載のファージディスプレイ技術によって得られる非ヒト抗体フラグメントの重鎖または軽鎖可変領域は、ヒトVドメイン遺伝子のレパートリーによって置換されて、非ヒト鎖/ヒト鎖scFvまたはFabキメラの集団を作製する。抗原による選択は、非ヒト鎖/ヒト鎖キメラscFvまたはFabの単離をもたらし、ここでヒト鎖は、一次ファージディスプレイクローン内の対応する非ヒト鎖の除去の際に破壊される抗原結合部位を復元して、すなわち、エピトープは、ヒト鎖パートナーの選択を支配する。残りの非ヒト鎖を置き換えるためにプロセスが繰り返されると、ヒト抗体が得られる(1993年4月1日に公開されたPCTWO93/06213を参照)。CDRグラフトによる非ヒト抗体の伝統的なヒト化とは違い、この技術は、完全にヒト抗体を提供し、非ヒト起源のFRまたはCDR残基を有さない。
【0296】
4.二重特異性抗体
一部の実施態様では、少なくとも2つの異なる抗原に関して結合特異性を有するモノクローナル抗体である二重特異性抗体が本明細書において提供される。特定の実施態様では、二重特異性抗体は、ヒトまたはヒト化抗体である。特定の実施態様では、結合特異性の一方はUCH-L1に関し、他方は任意の他の抗原(例えば、GFAP)に関する。特定の実施態様では、結合特異性の一方はGFAPに関し、他方は任意の他の抗原(例えば、UCH-L1)に関する。特定の実施態様では、二重特異性抗体は、UCH-L1の2つの異なるエピトープに結合し得る。特定の実施態様では、二重特異性抗体は、GFAPの2つの異なるエピトープに結合し得る。二重特異性抗体は、UCH-L1および/またはGFAPを発現する細胞に細胞傷害剤を局在化するために用いられてもよい。二重特異性抗体は、全長抗体または抗体フラグメント(例えばF(ab’)2二重特異性抗体)として調製され得る。
【0297】
二重特異性抗体を作製する方法は、当技術分野で知られている。Milstein and Cuello,Nature,305:537(1983),1993年5月13日に公開されたWO93/08829、および、Traunecker et al.,EMBO J.,10:3655(1991)を参照。二重特異性抗体の生産のさらなる詳細については、例えば、Suresh et al.,Methods in Enzymology,121:210(1986)を参照。二重特異性抗体は、架橋または「ヘテロコンジュゲート」抗体を含む。例えば、ヘテロコンジュゲート内の抗体の一方はアビジンに結合されてよく、他方はビオチンに結合されてよい。ヘテロコンジュゲート抗体は、任意の便利な架橋方法を用いて作製され得る。適切な架橋剤は当技術分野でよく知られていて、多くの架橋技術とともに米国特許番号4,676,980に開示される。
【0298】
5.単一ドメイン抗体
一部の実施態様では、提供される開示に係る抗体は、単一ドメイン抗体である。単一ドメイン抗体は、抗体の重鎖可変ドメインの全てまたは一部または軽鎖可変ドメインの全てまたは一部を含む単一ポリペプチド鎖である。特定の実施態様では、単一ドメイン抗体は、ヒト単一ドメイン抗体である(Domantis,Inc.,Waltham,Mass.;例えば、米国特許番号6,248,516B1を参照)。一実施態様では、単一ドメイン抗体は、抗体の重鎖可変ドメインの全てまたは一部からなる。
【0299】
6.抗体変異体
一部の実施態様では、本明細書に記載の抗体のアミノ酸配列改変(単数または複数)が検討される。例えば、抗体の結合親和性および/または他の生物学的特性を改善することが望ましくあり得る。抗体のアミノ酸配列変異体は、抗体をコードするヌクレオチド配列中に適切な変化を導入することによって、または、ペプチド合成によって調製され得る。そのような改変は、例えば、抗体のアミノ酸配列内の残基からの欠失、および/またはその中への挿入、および/またはその置換を含む。欠失、挿入、および置換の任意の組み合わせは、最終構築物が所望の特徴を保有する限り、最終構築物に到達するようになされてよい。アミノ酸変更は、配列が作製されるときに対象の抗体アミノ酸配列内に導入され得る。
【0300】
突然変異誘発のための好ましい位置である抗体の特定の残基または領域を同定する有用な方法は、Cunningham and Wells(1989)Science,244:1081-1085によって説明されるように、「アラニンスキャン突然変異誘発」と呼ばれる。ここで、残基または標的残基群が同定されて(例えば、arg、asp、his、lys、およびgluのような荷電残基)、中性または負電荷のアミノ酸(例えば、アラニンまたはポリアラニン)によって置換されて、抗原とアミノ酸の相互作用に影響する。置換に対する機能的感受性を示すこれらのアミノ酸位置は、それから、置換部位におけるまたはそれに関するさらなるまたは他の変異を導入することによって精査される。したがって、アミノ酸配列変異を導入する部位は事前に決定されているが、突然変異の性質自体は、事前に決定されている必要はない。例えば、所定の部位における突然変異の性能を分析するために、alaスキャンまたはランダム突然変異誘発が標的コドンまたは領域において行なわれて、発現された免疫グロブリンは、所望の活性に関してスクリーニングされる。
【0301】
アミノ酸配列の挿入は、1残基から100以上の残基を含むポリペプチドまでの長さの範囲のアミノ-および/またはカルボキシル-末端融合、ならびに、単一または多数のアミノ酸残基の配列内挿入を含む。末端挿入の例は、N末端メチオニル残基を有する抗体を含む。
【0302】
特定の実施態様では、本発明の抗体は、抗体がグリコシル化される程度を増大または低減するように変更される。ポリペプチドのグリコシル化は典型的に、N結合またはO結合のいずれかである。N結合は、アスパラギン残基の側鎖に対する炭水化物部分の付着を指す。トリペプチド配列アスパラギン-X-セリンおよびアスパラギン-X-トレオニン(Xは、プロリンを除く任意のアミノ酸である)は、アスパラギン側鎖への炭水化物部分の酵素付着のための認識配列である。したがって、ポリペプチド内のこれらのトリペプチド配列のいずれかの存在は、潜在的グリコシル化部位を作製する。O結合グリコシル化は、ヒドロキシアミノ酸に対する、糖類N-アセチルガラクトサミン、ガラクトース、またはキシロースの1つの付着を指し、最も一般にはセリンまたはトレオニンであるが、5-ヒドロキシプロリンまたは5-ヒドロキシリジンも用いられ得る。
【0303】
抗体に対するグリコシル化部位の付加または欠失は、上述のトリペプチド配列の1つまたは複数(N結合グリコシル化部位について)が作製または除去されるようにアミノ酸配列を変更することによって好適に達成される。変更は、元の抗体の配列に対する1つまたは複数のセリンまたはトレオニン残基の付加、欠失、または置換によってなされてもよい(O結合グリコシル化部位について)。
【0304】
別のタイプの変異体は、アミノ酸置換変異体である。これらの変異体は、異なる残基によって置換された抗体分子内の少なくとも1つのアミノ酸残基を有する。置換突然変異誘発のための目的部位は、超可変領域を含むが、FR変更も検討される。保存的置換は、「好ましい置換」の見出しの下に、表2に示される。そのような置換が生物学的活性における望ましい変化をもたらす場合、その結果、より実質的な変更(表2において「例示的な置換」と表示、または、アミノ酸クラスを参照して以下にさらに説明される)が導入されてよく、産物がスクリーニングされてよい。
【0305】
抗体の生物学的特性における実質的な改変は、(a)置換の領域内のポリペプチド主鎖の構造、例えば、シートまたはらせん構造、(b)標的部位における分子の電荷または疎水性、またはc)側鎖の大部分の維持に対するそれらの効果が有意に異なる置換を選択することによって達成される。アミノ酸は、それらの側鎖の特性における類似性に従ってグループ化され得る(A.L.Lehninger,Biochemistry,second ed.,pp.73-75,Worth Publishers,New York(1975)):
(1)非極性:Ala(A)、Val(V)、Leu(L)、Ile(I)、Pro(P)、Phe(F)、Trp(W)、Met(M)
(2)非電荷極性:Gly(G)、Ser(S)、Thr(T)、Cys(C)、Tyr(Y)、Asn(N)、Gln(Q)
(3)酸性:Asp(D)、Glu(E)
(4)塩基性:Lys(K)、Arg(R)、His(H)
【0306】
あるいは、天然起源の残基は、一般的な側鎖特性に基づいてグループに分けられ得る:
(1)疎水性:ノルロイシン、Met、Ala、Val、Leu、Ile;
(2)中性親水性:Cys、Ser、Thr、Asn、Gln;
(3)酸性:Asp、Glu;
(4)塩基性:His、Lys、Arg;
(5)鎖配向に影響する残基:Gly、Pro;
(6)芳香族:Trp、Tyr、Phe。
【0307】
非保存的置換は、これらのクラスの1つのメンバーを別のクラスに交換する必要がある。そのような置換残基は、保存的置換部位中に、または、残りの(非保存的)部位中に、導入されてもよい。
【0308】
置換変異体の1つのタイプは、親抗体(例えば、ヒト化またはヒト抗体)の1つまたは複数の超可変領域残基の置換を含む。一般に、さらなる開発のために選択される生じる変異体(単数または複数)は、それらが生産される親抗体と比較して、生物学的特性が改変(例えば改善)されている。そのような置換変異体を生じるための便利な方法は、ファージディスプレイを用いた親和性成熟を含む。手短に言うと、いくつかの超可変領域部位(例えば、6~7部位)が突然変異されて、それぞれの部位において全てのあり得るアミノ酸置換を生じさせる。そのように生産された抗体は、それぞれの粒子内にパッケージされたファージコートタンパク質(例えば、M13の遺伝子III産物)の少なくとも一部への融合として、繊維状ファージ粒子によって提示される。ファージによって提示された変異体は、それから、それらの生物学的活性(例えば、結合親和性)に関してスクリーニングされる。改変のための候補の超可変領域部位を同定するために、スキャン突然変異誘発(例えば、アラニンスキャン)を行なって、抗原結合に大きく貢献している超可変領域残基を同定することができる。あるいは、または加えて、抗体および抗原の間の接触点を同定するために、抗原-抗体複合体の結晶構造を分析することが有益であり得る。そのような接触残基および隣接残基は、当技術分野で知られている技術による置換のための候補であり、本明細書において作り上げたものを含む。そのような変異体が生産された時点で、変異体のパネルは、本明細書に記載のものを含む当技術分野で知られている技術を用いてスクリーニングに供せられて、1つまたは複数の関連のあるアッセイにおいて優れた特性を有する抗体は、さらなる開発のために選択され得る。
【0309】
抗体のアミノ酸配列変異をコードする核酸分子は、当技術分野で知られている様々な方法によって調製される。これらの方法は、限定されないが、天然由来からの単離(天然起源のアミノ酸配列変異の場合)、または、抗体のより早く調製された変異または非変異バージョンのオリゴヌクレオチドが介在する(または部位特異的)突然変異誘発、PCR突然変異誘発、およびカセット突然変異誘発による調製を含む。
【0310】
本発明の抗体の定常ドメイン内に1つまたは複数のアミノ酸改変を導入して、それにより、定常ドメイン変異体を生じさせることが望ましくあり得る。定常ドメイン変異体は、ヒンジシステインのものを含む1つまたは複数のアミノ酸位置におけるアミノ酸改変(例えば置換)を含む、ヒト定常ドメイン配列(例えば、ヒトIgG1、IgG2、IgG3またはIgG4定常ドメイン)またはミューリン定常ドメイン配列(例えば、ミューリンIgG1、IgG2a、IgG2b、IgG2c、およびIgG3定常ドメイン)を含んでよい。
【0311】
[B.ベクター、宿主細胞、および組み換え方法]
本発明の抗体の組み換え生産のために、それをコードする核酸が単離されて、さらなるクローニング(DNAの増幅)のために、または発現のために、複製可能なベクター中に挿入される。抗体をコードするDNAは容易に単離されて、従来の手順を用いて(例えば、抗体の重鎖および軽鎖をコードする遺伝子の特異的に結合することが可能なオリゴヌクレオチドプローブを用いることによって)シーケンスされる。多くのベクターが利用可能である。ベクターの選択は、用いられる宿主細胞に部分的に依存する。一般に、宿主細胞は、原核生物または真核生物(通常は哺乳類)のいずれかの起源である。IgG、IgM、IgA、IgD、およびIgE定常領域を含む任意のアイソタイプの定常領域が、この目的のために用いられ得ること、および、そのような定常領域は、任意のヒトまたは動物種(例えば、マウス、非ヒト霊長類など)から得ることができることが理解される。
[1.原核生物宿主細胞を用いた抗体生産:]
a)ベクター構築
本発明の抗体のポリペプチド構成要素をコードするポリヌクレオチド配列は、標準的な組み換え技術を用いて得ることができる。所望のポリヌクレオチド配列は、ハイブリドーマ細胞のような抗体産生細胞から単離およびシーケンスされ得る。あるいは、ポリヌクレオチドは、ヌクレオチド合成装置またはPCR技術を用いて合成され得る。得られた時点で、ポリペプチドをコードする配列は、原核生物宿主内で異種ポリヌクレオチドを複製および発現することが可能な組み換えベクター内に挿入される。利用可能であり当技術分野で知られている多くのベクターが、本発明の目的のために用いられ得る。適切なベクターの選択は、ベクターの中に挿入される核酸のサイズおよびベクターによって形質転換される特定の宿主細胞に主に依存する。それぞれのベクターは、その機能(異種ポリヌクレオチドの増幅または発現、または両方)、および、それが中に存する特定の宿主細胞とその適合性に応じて、様々な構成要素を含む。ベクター構成要素は、一般に、限定されないが:複製起点、選択マーカー遺伝子、プロモーター、リボソーム結合部位(RBS)、シグナル配列、異種核酸挿入および転写終結配列を含む。
【0312】
一般に、宿主細胞と適合する種に由来するレプリコンおよび制御配列を含むプラスミドベクターは、これらの宿主に関して用いられる。ベクターは、通常、形質転換された細胞における表現型選択を提供することが可能なマーキング配列、ならびに複製部位を保有する。例えば、E.coliは典型的に、pBR322(E.coli種に由来するプラスミド)を用いて形質転換される。pBR322は、アンピシリン(Amp)およびテトラサイクリン(Tet)耐性をコードする遺伝子を含み、したがって、形質転換された細胞を同定するための簡単な手段を提供する。pBR322、その誘導体、または他の微生物プラスミドまたはバクテリオファージは、内因性タンパク質の発現のために微生物によって用いられ得るプロモーターを含んでもよく、または含むように改変されてもよい。特定の抗体の発現のために用いられるpBR322誘導体の例は、Carter et al.,米国特許番号5,648,237に詳細に記載される。
【0313】
加えて、宿主微生物と適合するレプリコンおよび制御配列を含むファージベクターは、これらの宿主に関して形質転換ベクターとして用いられ得る。例えば、λGEM.TM.-11のようなバクテリオファージは、E.coli LE392のような影響を受けやすい宿主細胞を形質転換するために用いられ得る組み換えベクターを作製するのに使用され得る。
【0314】
本発明の発現ベクターは、ポリペプチド構成要素のそれぞれをコードする2以上のプロモーター-シストロンのペアを含んでよい。プロモーターは、その発現を調整するシストロンの上流(5’)に位置する非翻訳の調節配列である。原核生物プロモーターは、典型的に、2つのクラス、誘導性および構成に分類される。誘導性プロモーターは、培養条件の変化、例えば栄養の存在または不存在または温度変化に応答して、その制御下で増大したレベルのシストロンの転写を開始するプロモーターである。
【0315】
様々な潜在的な宿主細胞によって認識される数多くのプロモーターがよく知られている。選択プロモーターは、制限酵素消化および本発明のベクターへの単離されたプロモーター配列の挿入を介して元のDNAからプロモーターを除去することによって、軽鎖または重鎖をコードするシストロンDNAに動作可能に連結され得る。ネイティブのプロモーター配列および多くの異種プロモーターの両方とも、標的遺伝子の増幅および/または発現を指示するために用いられ得る。一部の実施態様では、異種プロモーターは、それらが一般に、ネイティブの標的ポリペプチドプロモーターと比較して、発現される標的遺伝子のより多くの転写およびより高い収量を可能にするので使用される。
【0316】
原核生物宿主との使用に適切なプロモーターは、PhoAプロモーター、β-ラクタマーゼおよびラクトースプロモーター系、トリプトファン(trp)プロモーター系、および、tacまたはtrcプロモーターのような複合型プロモーターを含む。しかしながら、細菌において機能性である他のプロモーター(例えば、他の公知の細菌性またはファージプロモーター)も同様に適切である。それらのヌクレオチド配列は公開されていて、それにより、熟練した作業者が、任意の必要な制限部位を与えるためのリンカーまたはアダプターを用いて、標的軽鎖および重鎖をコードするシストロンにそれらを動作可能にライゲーションすることを可能にする(Siebenlist et al.(1980)Cell 20:269)。
【0317】
本発明の一態様では、組み換えベクター内のそれぞれのシストロンは、発現されたポリペプチドの膜を横切ったトランスロケーションを指示する分泌シグナル配列の構成要素を含む。一般に、シグナル配列は、ベクターの構成要素であってよく、または、ベクターの中に挿入される標的ポリペプチドDNAの一部であってよい。本発明の目的のために選択されるシグナル配列は、宿主細胞によって認識および処理される(すなわちシグナルペプチダーゼによって切断される)ものであるべきである。異種ポリペプチドにネイティブのシグナル配列を認識および処理しない原核生物の宿主細胞については、シグナル配列は、例えば、アルカリフォスファターゼ、ペニシリナーゼ、Ipp、または耐熱性エンテロトキシンII(STII)リーダー、LamB、PhoE、PelB、OmpAおよびMBPからなる群より選択される原核生物シグナル配列によって置換される。本発明の一実施態様では、発現系の両方のシストロンにおいて用いられるシグナル配列は、STIIシグナル配列またはその変異体である。
【0318】
別の態様では、本発明に係る免疫グロブリンの生産は、宿主細胞の細胞質内で生じ得て、したがって、それぞれのシストロン内の分泌シグナル配列の存在を必要としない。その点については、免疫グロブリン軽鎖および重鎖は、発現されて、フォールディングして、アセンブルして、細胞質内で機能性免疫グロブリンを形成する。特定の宿主株(例えば、E.coli trxB-株)は、ジスルフィド結合形成に好適な細胞質条件を提供して、それにより、発現されたタンパク質サブユニットの適切なフォールディングおよびアセンブリを可能にする。Proba and Pluckthun Gene,159:203(1995)。
【0319】
本発明の抗体は、分泌されて適切にアセンブルされた本発明の抗体の収量を最大化するために、発現されるポリペプチド構成要素の量比が調整される発現系を用いることによって生産されてもよい。そのような調整は、ポリペプチド構成要素に関する翻訳強度を同時に調整することによって少なくとも部分的に達成される。
【0320】
翻訳強度を調整するための1つの技術は、Simmons et al.,米国特許番号5,840,523に開示される。それは、シストロン内の翻訳開始領域(TIR)の変異を利用する。所定のTIRに関して、一連のアミノ酸または核酸配列変異は、様々な翻訳強度で作製され得て、それにより、特定の鎖の所望の発現レベルに関してこの因子を調節する便利な手段を提供する。TIR変異体は、アミノ酸配列を変更し得るコドン変化をもたらす従来の突然変異誘発技術によって生産され得る。特定の実施態様では、ヌクレオチド配列の変化はサイレントである。TIRの変更は、シグナル配列の変更とともに、例えば、シャイン・ダルガーノ配列の数または間隔の変更を含んでよい。突然変異シグナル配列を生産するための1つの方法は、シグナル配列のアミノ酸配列を変更しない(すなわち、変更はサイレントである)、コード配列の始めにおける「コドンバンク」の作製である。これは、各コドンの3番目のヌクレオチド位置を変更することによって達成され得て;加えて、一部のアミノ酸、例えばロイシン、セリン、およびアルギニンは、バンクの作製に複雑性を加え得る複数の1番目および2番目の位置を有する。突然変異誘発のこの方法は、Yansura et al.(1992)METHODS:A Companion to Methods in Enzymol.4:151-158に詳細に記載される。
【0321】
一実施態様では、ベクターのセットが、その中のそれぞれのシストロンに関して様々なTIR強度で生産される。この制限されたセットは、様々なTIR強度の組み合わせの下で所望の抗体産物の収量ならびにそれぞれの鎖の発現レベルの比較を提供する。TIR強度は、Simmons et al.米国特許番号5,840,523に詳細に記載されるようにレポーター遺伝子の発現レベルを定量化することによって決定され得る。翻訳強度の比較に基づいて、所望の個々のTIRは、本発明の発現ベクター構築物において組み合わせられるように選択される。
【0322】
本発明の抗体を発現するのに適切な原核生物の宿主細胞は、古細菌および真正細菌、例えば、グラム陰性またはグラム陽性生物を含む。有用な細菌の例は、大腸菌(例えば、E.coli)、桿菌(例えば、B.subtilis)、腸内細菌、シュードモナス種(例えば、P.aeruginosa)、Salmonella typhimurium、Serratia marcescans、クレブシエラ、プロテウス、赤痢菌、根粒菌、ビトレオシラ、またはパラコッカスを含む。一実施態様では、グラム陰性細胞が用いられる。一実施態様では、E.coli細胞が本発明のための宿主として用いられる。E.coli株の例は、W3110株(Bachmann,Cellular and Molecular Biology,vol.2(Washington,D.C.:American Society for Microbiology,1987)、pp.1190-1219;ATCC寄託番号27,325)およびその誘導体を含み、遺伝子型W3110 ΔfhuA(ΔtonA)ptr3 lac Iq lacL8 ΔompTΔ(nmpc-fepE)degP41 kanRを有する33D3株(米国特許番号5,639,635)を含む。他の株およびその誘導体、例えばE.coli 294(ATCC 31,446)、E.coliB、E.coli λ1776(ATCC 31,537)およびE.coli RV308(ATCC 31,608)も適切である。これらの例は、限定よりむしろ例示である。定義された遺伝子型を有する任意の上述の細菌の誘導体を構築するための方法は、当技術分野で知られていて、例えば、Bass et al.,Proteins,8:309-314(1990)に記載される。細菌の細胞におけるレプリコンの複製可能性を考慮して、適切な細菌を選択することが一般に必要である。例えば、E.coli、セラチア、またはサルモネラ種は、pBR322、pBR325、pACYC177、またはpKN410のような良く知られたプラスミドがレプリコンを供給するために用いられる場合に宿主として適切に用いられ得る。典型的に、宿主細胞は、最小限の量のタンパク質分解酵素を分泌するべきであり、さらなるプロテアーゼ阻害剤が細胞培養に好ましく組み込まれ得る。
【0323】
b)抗体生産
宿主細胞は、上述の発現ベクターによって形質転換されて、そして、プロモーターを誘導する、形質転換体を選択する、または、所望の配列をコードする遺伝子を増幅するために、必要に応じて改変された従来の栄養培地において培養される。
【0324】
形質転換は、染色体外エレメントとしてまたは染色体組込みによってDNAが複製可能であるように、DNAを原核生物宿主中に導入することを意味する。用いられる宿主細胞に応じて、形質転換は、そのような細胞に適切な標準的な技術を用いて行なわれる。塩化カルシウムを用いたカルシウム処理は、実質的な細胞壁バリアを含む細菌細胞のために一般に用いられる。形質転換のための別の方法は、ポリエチレングリコール/DMSOを用いる。用いられるさらに別の技術はエレクトロポレーションである。
【0325】
本発明のポリペプチドを生産するために用いられる原核生物細胞は、当技術分野で知られていて選択された宿主細胞の培養に適切な培地中で増殖される。適切な培地の例は、溶原培地(LB)+必須栄養補充を含む。一部の実施態様では、培地は、発現ベクターを含む原核生物細胞の増殖を選択的に可能にするための、発現ベクターの構築に基づいて選択される選択薬剤も含む。例えば、アンピシリンは、アンピシリン耐性遺伝子を発現している細胞の増殖のために培地に添加される。
【0326】
炭素、窒素、および無機リン酸源を除く任意の必須補充は、単独または別の補充または培地、例えば複合窒素源との混合物として導入される適切な濃度で含まれてもよい。任意選択で、培養培地は、グルタチオン、システイン、シスタミン、チオグリコレート、ジチオエリトリトールおよびジチオスレイトールからなる群より選択される1つまたは複数の還元剤を含んでよい。
【0327】
原核生物の宿主細胞は、適切な温度で培養される。特定の実施態様では、E.coliの増殖については、増殖温度は、約20℃~約39℃;約25℃~約37℃;または約30℃の範囲である。培地のpHは、宿主生物に主に依存して、約5~約9の範囲の任意のpHであってよい。特定の実施態様では、E.coliについては、pHは約6.8~約7.4、または約7.0である。
【0328】
誘導性プロモーターが本発明の発現ベクターにおいて用いられる場合、タンパク質発現は、プロモーターの活性化に適切な条件下で誘導される。本発明の一態様では、PhoAプロモーターが、ポリペプチドの転写を制御するために用いられる。したがって、形質転換された宿主細胞は、誘導のためにリン酸制限培地内で培養される。特定の実施態様では、リン酸制限培地は、C.R.A.P.培地である(例えば、Simmons et al.,J.Immunol.Methods(2002),263:133-147を参照)。当技術分野で知られているように、用いられるベクター構築物に従って、様々な他の誘導物質が用いられ得る。
【0329】
一実施態様では、発現された本発明のポリペプチドは、宿主細胞のペリプラズムの中へ分泌されて、そこから回収される。タンパク質の回収は、典型的に、微生物を破壊するステップを含み、一般に、浸透圧ショック、超音波処理または溶解のような手段による。細胞が破壊された時点で、細胞デブリまたは全細胞は、遠心分離または濾過によって除去され得る。タンパク質は、例えばアフィニティ樹脂クロマトグラフィーによって、さらに精製され得る。あるいは、タンパク質は、培養培地中に移行されてその中で単離され得る。細胞は培養物から除去されてよく、培養上清は濾過されて、生産されたタンパク質のさらなる精製のために濃縮される。発現されたポリペプチドは、さらに単離され得て、ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)およびウエスタンブロットアッセイのような一般に公知の方法を用いて同定され得る。
【0330】
本発明の一態様では、抗体生産は、発酵プロセスによって大量に行なわれる。様々な大スケールのフェドバッチ発酵手順が、組み換えタンパク質の生産のために利用可能である。大スケールの発酵は、少なくとも1000リットルの容量、および特定の実施態様では、約1,000~100,000リットルの容量を有する。これらの発酵槽は、撹拌インペラーを用いて、酸素および栄養分、特にグルコースを分配する。小スケールの発酵は、一般に、容積測定の容量でおよそ100リットル以下の発酵槽における発酵を指し、約1リットル~約100リットルの範囲であってよい。
【0331】
発酵プロセスにおいて、タンパク質発現の誘導は、典型的に、細胞が、適切な条件下で、所望の密度、例えば、約180~220のOD 550まで増殖した後に始められて、その段階では、細胞は初期定常期にある。当技術分野で知られていて上述されるように、用いられるベクター構築物に従って、様々な誘導物質が用いられ得る。細胞は、誘導の前に、より短い期間増殖されてよい。細胞は通常、約12~50時間誘導されるが、より長いまたはより短い誘導時間が用いられてよい。
【0332】
本発明のポリペプチドの質および生産収量を改善するために、様々な発酵条件が改変され得る。例えば、分泌された抗体ポリペプチドの適切なアセンブリおよびフォールディングを改善するために、Dsbタンパク質(DsbA、DsbB、DsbC、DsbDおよびまたはDsbG)またはFkpA(シャペロン活性を有するペプチジルプロリルシス、トランス-イソメラーゼ)のようなシャペロンタンパク質を過剰発現するさらなるベクターが、宿主原核生物細胞を同時形質転換するために用いられ得る。シャペロンタンパク質は、細菌宿主細胞において生産される異種タンパク質の溶解度および適切なフォールディングを促進することが示されている。Chen et al.(1999)J.Biol.Chem.274:19601-19605;Georgiou et al.,米国特許番号6,083,715;Georgiou et al.,米国特許番号6,027,888;Bothmann and Pluckthun(2000)J.Biol.Chem.275:17100-17105;Ramm and Pluckthun(2000)J.Biol.Chem.275:17106-17113;Arie et al.(2001)Mol.Microbiol.39:199-210。
【0333】
発現された異種タンパク質(特にタンパク分解感受性であるもの)のタンパク質分解を最小限にするために、タンパク質分解酵素が欠損している特定の宿主株が、本発明に関して用いられてよい。例えば、宿主細胞株は、公知の細菌性プロテアーゼ、例えば、プロテアーゼIII、OmpT、DegP、Tsp、プロテアーゼI、プロテアーゼMi、プロテアーゼV、プロテアーゼVIおよびそれらの組み合わせをコードする遺伝子において遺伝子突然変異(単数または複数)をもたらすように改変され得る。いくつかのE.coliプロテアーゼ欠損株が利用可能であり、例えば、Joly et al.(1998),上記;Georgiou et al.,米国特許番号5,264,365;Georgiou et al.,米国特許番号5,508,192;Hara et al.,Microbial Drug Resistance,2:63-72(1996)に記載される。
【0334】
一実施態様では、タンパク質分解酵素が欠損していて、1つまたは複数のシャペロンタンパク質を過剰発現するプラスミドによって形質転換されたE.coli株が、本発明の発現系において宿主細胞として用いられる。
【0335】
c)抗体精製
一実施態様では、本明細書において生産される抗体タンパク質は、さらなるアッセイおよび使用のために実質的に均質である製剤を得るためにさらに精製される。当技術分野で知られている標準的なタンパク質精製方法が用いられ得る。以下の手順:免疫親和性またはイオン交換カラム上の分画、エタノール沈殿、逆相HPLC、シリカまたはDEAEのようなカチオン交換樹脂上のクロマトグラフィー、等電点電気泳動、SDS-PAGE、硫酸アンモニウム沈殿、および、例えばSephacryl S-200を用いたゲル濾過は、適切な精製手順の例示である。
【0336】
一態様では、固相上のプロテインA固定化が、本発明の抗体産物の免疫親和性精製のために用いられる。プロテインAは、抗体のFc領域に高い親和性で結合するStaphylococcus aureas由来の41kDの細胞壁タンパク質である。Lindmark et al(1983)J.Immunol.Meth.62:1-13。プロテインAが固定化される固相は、ガラスまたはシリカ表面を含むカラム、または、制御されたポアガラスカラムまたはケイ酸カラムであってよい。一部の適用では、カラムは、場合により汚染物質の非特異な付着を防ぐために、グリセロールのような試薬によってコーティングされる。
【0337】
精製の最初のステップとして、上述のように細胞培養から得られる製剤をプロテインA固定化固相上に適用して、目的の抗体のプロテインAへの特異的な結合を可能にし得る。それから、固相を洗浄して、固相に非特異的に結合した汚染物質を除去する。最後に、目的の抗体が、溶出によって固相から回収される。
【0338】
[2.真核生物宿主細胞を用いた抗体産生:]
真核生物宿主細胞での使用のためのベクターは、一般に、以下の非限定の構成要素:シグナル配列、複製起点、1つまたは複数のマーカー遺伝子、エンハンサーエレメント、プロモーター、および転写終結配列の1つまたは複数を含む。
【0339】
a)シグナル配列構成要素
真核生物宿主細胞での使用のためのベクターは、シグナル配列または目的の成熟タンパク質またはポリペプチドのN末端に特異的な切断部位を有する他のポリペプチドを含んでもよい。選択される異種シグナル配列は、宿主細胞によって認識および処理される(すなわち、シグナルペプチダーゼによって切断される)ものであってよい。哺乳類の細胞発現では、哺乳類のシグナル配列ならびにウイルス分泌リーダー、例えば、単純ヘルペスgDシグナルが利用可能である。そのような前駆体領域のためのDNAは、抗体をコードするDNAにリーディングフレームでライゲーションされる。
【0340】
b)複製起点
一般に、複製起点の構成要素は、哺乳類の発現ベクターに必要ではない。例えば、SV40起点は、典型的に、初期プロモーターを含むという理由だけで用いられ得る。
【0341】
c)選択遺伝子構成要素
発現およびクローニングベクターは、選択可能マーカーとも呼ばれる選択遺伝子を含んでよい。典型的な選択遺伝子は、(a)抗生物質または他の毒素、例えば、アンピシリン、ネオマイシン、メトトレキサート、またはテトラサイクリンに対して耐性を付与する、(b)関連がある場合に栄養要求欠失を補完する、または(c)複合培地から利用可能でない重大な栄養分を供給する、タンパク質をコードする。
【0342】
選択スキームの1つの例は、宿主細胞の増殖を阻止するために薬物を利用する。異種遺伝子によってうまく形質転換されるこれらの細胞は、薬物耐性を付与するタンパク質を生産して、したがって、選択レジメンを生き延びる。そのような優勢選択の例は、薬物ネオマイシン、ミコフェノール酸およびハイグロマイシンを使用する。
【0343】
哺乳類細胞のための適切な選択可能マーカーの別の例は、DHFR、チミジンキナーゼ、メタロチオネイン-Iおよび-II、霊長類メタロチオネイン遺伝子、アデノシンデアミナーゼ、オルニチンデカルボキシラーゼなどのような抗体核酸を取り込む能力のある細胞の同定を可能にするものである。
【0344】
例えば、一部の実施態様では、DHFR選択遺伝子によって形質転換された細胞は、メトトレキサート(Mtx)、DHFRの競合拮抗薬を含む培養培地において全ての形質転換体を培養することによって最初に同定される。一部の実施態様では、野生型DHFRが用いられる場合、適切な宿主細胞は、DHFR活性が欠損したチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株(例えば、ATCC CRL-9096)である。
【0345】
あるいは、抗体、野生型DHFRタンパク質、および別の選択可能マーカー、例えば、アミノグリコシド3’-ホスホトランスフェラーゼ(APH)をコードするDNA配列によって形質転換または同時形質転換された宿主細胞(特に、内因性DHFRを含む野生型宿主)は、アミノグリコシド系抗生物質、例えば、カナマイシン、ネオマイシン、またはG418のような選択可能マーカーのための選択薬剤を含む培地における細胞増殖によって選択され得る。米国特許番号4,965,199を参照。宿主細胞は、NS0、CHOK1、CHOK1SVまたは誘導体を含んでよく、グルタミン合成酵素(GS)が欠損した細胞株を含む。哺乳類細胞のための選択可能マーカーとしてのGSの使用のための方法は、米国特許番号5,122,464および米国特許番号5,891,693に記載される。
【0346】
d)プロモーター構成要素
発現およびクローニングベクターは、通常、宿主生物によって認識されて目的のポリペプチド(例えば、抗体)をコードする核酸に動作可能に連結された、プロモーターを含む。プロモーター配列は真核生物に関して公知である。例えば、実質的に全ての真核生物遺伝子は、転写が開始される部位からおよそ25~30塩基上流に位置するATリッチ領域を有する。多くの遺伝子の転写の開始から70~80塩基上流に見られる別の配列はCNCAAT領域であり、ここでNは任意のヌクレオチドであってよい。ほとんどの真核生物遺伝子の3’末端は、コード配列の3’末端へのポリAテールの付加のためのシグナルであり得るAATAAA配列である。特定の実施態様では、任意または全てのこれらの配列は、真核生物発現ベクターに適切に挿入され得る。
【0347】
哺乳類宿主細胞におけるベクターからの転写は、例えば、ポリオーマウイルス、鶏痘ウイルス、アデノウイルス(例えばアデノウイルス2)、ウシ乳頭腫ウイルス、鳥類肉腫ウイルス、サイトメガロウイルス、レトロウイルス、肝炎Bウイルスおよびシミアンウイルス40(SV40)のようなウイルスのゲノムから得られたプロモーターによって、異種哺乳類プロモーター、例えば、アクチンプロモーターまたは免疫グロブリンプロモーターから、ヒートショックプロモーターから、そのようなプロモーターが宿主細胞系と適合するという条件で、制御される。
【0348】
SV40ウイルスの初期および後期プロモーターは、SV40ウイルス複製起点も含むSV40制限フラグメントとして好適に得られる。ヒトサイトメガロウイルスの前初期プロモーターは、HindIII E制限フラグメントとして好適に得られる。ウシ乳頭腫ウイルスをベクターとして用いて哺乳類宿主においてDNAを発現する系は、米国特許番号4,419,446に開示される。この系の改変は、米国特許番号4,601,978に記載される。単純ヘルペスウイルス由来のチミジンキナーゼプロモーターの制御下でのマウス細胞におけるヒトβ-インターフェロンcDNAの発現を記載する、Reyes et al.,Nature 297:598-601(1982)も参照。あるいは、ラウス肉腫ウイルスの長い末端反復がプロモーターとして用いられ得る。
【0349】
e)エンハンサーエレメント構成要素
より高度の真核生物による本発明の抗体をコードするDNAの転写は、ベクターにエンハンサー配列を挿入することによってしばしば増大される。多くのエンハンサー配列は、現在、哺乳類遺伝子(グロビン、エラスターゼ、アルブミン、α-フェトプロテイン、およびインスリン)から知られている。しかしながら典型的に、真核生物細胞ウイルス由来のエンハンサーを用いる。例は、複製起点の後期側上のSV40エンハンサー(bp100~270)、ヒトサイトメガロウイルス初期プロモーターエンハンサー、マウスサイトメガロウイルス初期プロモーターエンハンサー、複製起点の後期側上のポリオーマエンハンサー、およびアデノウイルスエンハンサーを含む。真核生物プロモーターの活性化のためのエンハンサーエレメントを記載する、Yaniv,Nature 297:17-18(1982)も参照。エンハンサーは、抗体ポリペプチドをコードする配列に対して位置5’または3’においてベクター内にスプライスされ得るが、一般に、プロモーターから部位5’に位置する。
【0350】
f)転写終結構成要素
真核生物宿主細胞において用いられる発現ベクターは、転写終結およびmRNA安定化に必要な配列を含んでもよい。そのような配列は、真核生物またはウイルスDNAまたはcDNAの、一般に5’(時折3’)非翻訳領域から利用可能である。これらの領域は、抗体をコードするmRNAの非翻訳部分においてポリアデニル化フラグメントとして転写されるヌクレオチドセグメントを含む。1つの有用な転写終結構成要素は、ウシ成長ホルモンポリアデニル化領域である。WO94/11026およびそこに開示される発現ベクターを参照。
【0351】
g)宿主細胞の選択および形質転換
本明細書におけるベクター内にDNAをクローニングまたは発現するのに適切な宿主細胞は、脊椎動物宿主細胞を含む本明細書に記載のより高度の真核生物細胞を含む。培養(組織培養)における脊椎動物細胞の増殖は、ルーチン手順となっている。有用な哺乳類宿主細胞株の例は、SV40によって形質転換されたサル腎臓CV1株(COS-7、ATCC CRL 1651);ヒト胚腎臓株(懸濁液培養における増殖のためにサブクローニングされた293または293細胞、Graham et al.,J.GenVirol.36:59(1977));ベビーハムスター腎臓細胞(BHK,ATCC CCL10);チャイニーズハムスター卵巣細胞/-DHFR(CHO,Urlaub et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:4216(1980));マウスセルトリ細胞(TM4,Mather,Biol.Reprod.23:243-251(1980));サル腎臓細胞(CV1 ATCC CCL70);アフリカミドリザル腎臓細胞(VERO-76,ATCC CRL-1587);ヒト頸部癌腫細胞(HELA,ATCC CCL 2);イヌ腎臓細胞(MDCK,ATCC CCL 34);バッファローラット肝臓細胞(BRL3A,ATCC CRL 1442);ヒト肺細胞(W138,ATCC CCL 75);ヒト肝臓細胞(HepG2,HB 8065);マウス乳腺腫瘍(MMT 060562,ATCC CCL 51);TRI細胞(Mather et al.,Annals N.Y.Acad.Sci.383:44-68(1982));MRC5細胞;FS4細胞;およびヒト肝細胞腫株(HepG2)である。
【0352】
宿主細胞は、抗体生産のために上述の発現またはクローニングベクターによって形質転換されて、プロモーターを誘導する、形質転換体を選択する、または、所望の配列をコードする遺伝子を増幅するために必要に応じて改変された従来の栄養培地内で培養される。
【0353】
h)宿主細胞の培養
本発明の抗体を生産するために用いられる宿主細胞は、様々な培地において培養され得る。市販される培地、例えばHam’s F10(Sigma)、基礎培地((MEM),Sigma)、RPMI-1640(Sigma)、およびダルベッコ改変培地((DMEM),Sigma)は、宿主細胞を培養するのに適切である。加えて、Ham et al.,Meth.Enz.58:44(1979)、Barnes et al.,Anal.Biochem.102:255(1980)、米国特許番号4,767,704;4,657,866;4,927,762;4,560,655;または5,122,469;WO90/03430;WO87/00195;またはU.S.Pat.Re.30,985に記載の任意の培地が、宿主細胞のための培養培地として用いられ得る。任意のこれらの培地は、必要に応じて、ホルモンおよび/または他の増殖因子(例えばインスリン、トランスフェリン、または上皮増殖因子)、塩類(例えば塩化ナトリウム、カルシウム、マグネシウム、およびリン酸)、バッファー(例えばHEPES)、ヌクレオチド(例えばアデノシンおよびチミジン)、抗生物質(例えばGENTAMYCIN(商標)薬物)、微量元素(マイクロモル範囲の終濃度で通常存在する無機化合物として定義される)、およびグルコースまたは同等のエネルギー源によって補充され得る。当業者に公知の任意の他の補充が適切な濃度で含められてもよい。温度、pHなどのような培養条件は、発現のために選択された宿主細胞で以前に用いられるものであり、当業者に明らかである。
【0354】
i)抗体の精製
組み換え技術を用いる場合、抗体は細胞内に生産され得て、または培地中に直接分泌される。抗体が細胞内に生産される場合は、最初のステップとして、微粒子デブリ(宿主細胞または溶解フラグメントのいずれか)が、例えば、遠心分離または限外濾過によって除去され得る。抗体が培地中に分泌される場合は、そのような発現系由来の上清は、市販されるタンパク質濃度フィルター、例えば、AmiconまたはMillipore Pellicon限外濾過ユニットを用いて最初に濃縮され得る。PMSF(フッ化フェニルメチルスルホニル)のようなプロテアーゼ阻害剤が、タンパク質分解を阻害するために任意の前述のステップに含まれてよく、偶発的な汚染物質の増殖を防ぐために抗生物質が含まれてよい。
【0355】
細胞から調製された抗体組成物は、例えば、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、ゲル電気泳動、透析、およびアフィニティクロマトグラフィーを用いて精製され得て、アフィニティクロマトグラフィーが便利な技術である。親和性リガンドとしてのプロテインAの適切性は、抗体内に存在する任意の免疫グロブリンFcドメインの種およびアイソタイプに依存する。プロテインAは、ヒトγ1、γ2、またはγ4重鎖に基づく抗体を精製するために用いられ得る(Lindmark et al.,J.Immunol.Methods 62:1-13(1983))。プロテインGは、全てのマウスアイソタイプおよびヒトγ3に推奨される(Guss et al.,EMBO J.5:1567-1575(1986))。親和性リガンドが付着するマトリックスはアガロースであり得るが、他のマトリックスが利用可能である。制御されたポアガラスまたはポリ(スチレンジビニル)ベンゼンのような機械的に安定したマトリックスは、アガロースによって達成され得るよりも速い流速および短い処理時間を可能にする。抗体がCH3ドメインを含む場合は、Bakerbond ABX(商標)樹脂(J.T.Baker,Phillipsburg,N.J.)が精製に有用である。タンパク質精製のための他の技術、例えば、イオン交換カラム上の分画、エタノール沈殿、逆相HPLC、シリカ上のクロマトグラフィー、アニオンまたはカチオン交換樹脂上のヘパリンSEPHAROSE(商標)クロマトグラフィー上のクロマトグラフィー(例えばポリアスパラギン酸カラム)、等電点電気泳動、SDS-PAGE、および硫酸アンモニウム沈殿もまた、回収される抗体に応じて利用可能である。
【0356】
任意の予備精製ステップ(単数または複数)に従って、目的の抗体および汚染物質を含む混合物は、例えば、低塩濃度(例えば、約0~0.25M塩)で行なわれる、約2.5~4.5のpHで溶出バッファーを用いた、低pH疎水性相互作用クロマトグラフィーによって、さらなる精製に供され得る。
【0357】
[C.標識化抗体]
本明細書において提供される抗-UCH-L1抗体および/または抗-GFAP抗体は、標識に直接または間接的に付着されてよい。例えば、抗体は、標識にコンジュゲート、連結、または結合されてよい。標識は、当業者の一人によってよく知られている。本明細書において検討される標識は、限定されないが、蛍光色素、蛍光タンパク質、放射性同位体、発色団、金属イオン、金粒子(例えば、コロイド金粒子)、銀粒子、強い光散乱特性を有する粒子、磁性粒子(例えば、Dynabeads(登録商標)磁気ビーズのような磁気ビーズ粒子)、ポリペプチド(例えば、FLAG(商標)タグ、ヒトインフルエンザヘマグルチニン(HA)タグなど)、酵素、例えばペルオキシダーゼ(例えば、ホースラディッシュペルオキシダーゼ)またはホスファターゼ(例えば、アルカリフォスファターゼ)、ストレプトアビジン、ビオチン、発光化合物(例えば、化学発光基質)、オリゴヌクレオチド、特異的な結合ペアのメンバー(例えば、リガンドとその受容体)、および、前記抗体に直接または間接的に付着された場合に抗体を可視化または検出するのに用いられる当技術分野でよく知られている他の標識を含む。
【0358】
一部の実施態様では、標識は、抗体(例えば、抗-UCH-L1抗体または抗-GFAP抗体)によって結合された標的抗原(例えば、UCH-L1またはGFAP)の位置を定性的および/または定量的に決定するのに有用である。一部の実施態様では、標識は、抗体(例えば、抗-UCH-L1抗体または抗-GFAP抗体)によって結合された標的抗原(例えば、UCH-L1またはGFAP)の量を定性的および/または定量的に決定するのに有用である。
【0359】
一部の実施態様では、標識は、検出可能な標識(例えば、蛍光色素標識)である。一部の実施態様では、標識は、親和性標識(例えば、ビオチン標識)である。
【0360】
標識を抗体に直接または間接的に付着させる方法は、当技術分野でよく知られている。標識および標識化キットは、Invitrogen社(カールスバッド、カリフォルニア州)などから市販される。
【0361】
一部の実施態様では、標識は、検出アッセイでの使用に適合する。一部の実施態様では、標識は、診断アッセイでの使用に適合する。例えば、ホースラディッシュペルオキシダーゼに直接または間接的に付着された抗-UCH-L1抗体は、本明細書において提供される検出アッセイまたは診断アッセイにおいて使用され得る。ホースラディッシュペルオキシダーゼによって標識された抗-UCH-L1抗体は、サンプル中のUCH-L1タンパク質(例えば、ヒトUCH-L1タンパク質)に結合することができる。UCH-L1タンパク質に結合された抗-UCH-L1抗体は、ホースラディッシュペルオキシダーゼの存在下で色変化を生じる適切な基質を添加することによって検出され得る。別の例では、コロイド金粒子に直接または間接的に付着された抗-GFAP抗体は、本明細書において提供される検出アッセイまたは診断アッセイにおいて使用され得る。コロイド金粒子によって標識された抗-GFAP抗体は、サンプル中のGFAPタンパク質(例えば、ヒトGFAPタンパク質)に結合することができる。GFAPタンパク質に結合された抗-GFAP抗体は、金粒子の凝集に起因する溶液中の色変化を検出することによって検出され得る。金粒子によって標識された抗体を検出するための他の方法は、当技術分野でよく知られている(Dykman et al.(2011)Acta Naturae.3(2):34-55を参照)。
【0362】
一部の実施態様では、本明細書において提供される抗-UCH-L1抗体および/または抗-GFAP抗体は、標的抗原(例えば、UCH-L1またはGFAP)へのその結合の検出を可能にするために標識に付着される必要はない。例えば、抗-UCH-L1およびUCH-L1タンパク質の間の結合の検出は、直接または間接的に標識に付着される第二の抗体の使用を通して達成され得る。一部の実施態様では、第一の抗体および第二の抗体を含む系は、抗-UCH-L1抗体または抗-GFAP抗体によって結合された標的抗原(例えば、UCH-L1またはGFAP)を検出するために用いられ得る。そのような系は当業者によく知られている。例えば、標的タンパク質を特異的に認識する第一の抗体(例えば、マウス抗-UCH-L1抗体)は、目的の標的タンパク質(例えば、ヒトUCH-L1)を含んでよいサンプルに曝される。第一の抗体(例えば、抗-マウス抗体)の種またはアイソタイプを認識する本明細書に記載の標識のような適切な標識(例えば、コロイド金粒子)を有する第二の抗体は、それから、サンプル中の標的タンパク質の特異的な検出が達成されるようにサンプルと接触される。一部の実施態様では、第一の抗体は抗-UCH-L1抗体である。一部の実施態様では、第一の抗-UCH-L1抗体は、ネイキッドの第一の抗-UCH-L1抗体である。一部の実施態様では、第一の抗-UCH-L1抗体は、ラベル化された第一の抗-UCH-L1抗体である。一部の実施態様では、第一の抗体は、抗-GFAP抗体である。一部の実施態様では、第一の抗-GFAP抗体は、ネイキッドの第一の抗-GFAP抗体である。一部の実施態様では、第一の抗-GFAP抗体は、標識化された第一の抗-GFAP抗体である。本明細書において検討される第二の抗体は、ポリクローナルまたはモノクローナルであってよい。一部の実施態様では、本明細書において検討される第二の抗体は、IgG、IgM、IgE、IgA、IgDおよびそれらの任意のサブクラスを含む任意の免疫グロブリンクラスであってよい。一部の実施態様では、第二の抗体は、制限されないが、マウス抗体、ヒト抗体、ラット抗体、非ヒト霊長類抗体、ウマ抗体、ウサギ抗体、ニワトリ抗体およびヤギ抗体に対して反応性であってよい。一部の実施態様では、第二の抗体は、抗原結合フラグメントである。
【0363】
[D.固体支持体に対する抗体の付着]
本明細書において提供される抗-UCH-L1抗体および/または抗-GFAP抗体は、固体支持体に直接または間接的に付着されてよい。例えば、抗体は、固体支持体にコンジュゲート、連結、または結合されてよい。本明細書に含まれる固体支持体の例は、限定されないが、部分的または全体的に、ガラス(例えば、制御されたポアガラス)、多糖類(例えば、アガロース)、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、セルロース、ナイロン、シリコーン類、および、抗体の直接または間接的な付着のために固体支持体において用いられる当技術分野でよく知られている他の材料で形成されるものを含む。固体支持体のさらなる例は、限定されないが、ビーズ、カラム(例えば、クロマトグラフィーカラムなど)、アレイ(例えば、マイクロアレイ、ナノアレイなど)、アッセイプレート、カートリッジ、スティック、フィルター、またはストリップを含む。一部の実施態様では、固体支持体は、アッセイプレートのウェルを含んでよい。一部の実施態様では、固体支持体はマイクロアレイである。一部の実施態様では、固体支持体は、ビーズを含んでよく、またはビーズである。一部の実施態様では、固体支持体は、クロマトグラフィーカラム(例えば、アフィニティクロマトグラフィーカラム)である。一部の実施態様では、固体支持体は、米国特許番号4,275,149に記載されるもののような、分離した粒子の不連続の固相である。
【0364】
固体支持体に抗体を直接または間接的に付着するための方法は、当技術分野でよく知られている。付着の方法は一般に、固体支持体への抗体の非特異的吸着、または、典型的にフリーのアミン基を通した、活性化されたカルボキシル、ヒドロキシル、またはアルデヒド基のような、固体支持体上の化学反応基への抗体の共有付着を含む。付着の方法はまた、例えば、ストレプトアビジンのような捕捉試薬によって固体支持体をコーティングするステップ、および、親和性標識(例えば、ビオチン)と捕捉試薬(例えば、ストレプトアビジン)との間の相互作用が抗体を固体支持体に結合させるように、ビオチンラベル抗体のような親和性標識化抗体を固体支持体に添加するステップによる、固体支持体への抗体の間接的な付着を含む。一部の実施態様では、固体支持体は、抗-UCH-L1抗体または抗-GFAP抗体ではない1つまたは複数の抗体を含む。例えば、固体支持体は、神経損傷および/または神経状態と関連する他のタンパク質または分子に結合する1つまたは複数の抗体またはコントロール抗体としての役割を果たす1つまたは複数の抗体を含んでよい。
【0365】
場合によっては、固体支持体は、デバイスの一部であり、または、診断デバイスのようなデバイスとの使用のために適合または構成される。例えば、本明細書に記載の固体支持体は、デバイスに挿入されて、または、デバイスに取り付けられて、デバイスが動作可能であるためにデバイスの一部として用いられる、ビーズ、カラム、アレイ、アッセイプレート、マイクロウェル、カートリッジ、スティック、フィルター、またはストリップであってよい。一部の実施態様では、固体支持体はデバイスである。一部の実施態様では、デバイスは、ハンドヘルドデバイスのようなポータブルデバイスである。一部の実施態様では、デバイスは、静止デバイスである。デバイスは、手作業で操作されてよく、または、自動的に操作される。一部の実施態様では、デバイスは、電子デバイスである。本明細書において提供される固体支持体との使用または本明細書において提供される方法での使用のための任意の適切なデバイスが用いられ得る。適切なデバイスの非限定的な例が以下に記載されて、制限されないが、i-STAT(登録商標)ハンドヘルド(Abbott)、Minicare I-20(Phillips)のような市販されるデバイスおよび同様のハンドヘルドデバイスを含む。
【0366】
一部の実施態様では、本明細書において提供されるデバイス(例えば、本明細書に記載の固体支持体を備えるデバイス)は、抗体(例えば、抗-UCH-L1抗体または抗-GFAP抗体)によって結合された標的抗原(例えば、UCH-L1またはGFAP)の量を定性的および/または定量的に決定するのに有用である。一部の実施態様では、定性的および/または定量的に決定されるUCH-L1の量は、約80pg/mL~約2560pg/mLである。一部の実施態様では、定性的および/または定量的に決定されるGFAPの量は、約10pg/mL~約320pg/mLである。
【0367】
一部の実施態様では、固体支持体は、検出アッセイでの使用に適合する。一部の実施態様では、固体支持体は、診断アッセイでの使用に適合する。一部の実施態様では、サンプル、例えば体液または本明細書に記載の他のサンプルは、固体支持体と接触される。一部の実施態様では、固体支持体は、抗体(例えば、抗-UCH-L1抗体または抗-GFAP抗体)によって結合された標的抗原(例えば、UCH-L1またはGFAP)の位置を定性的および/または定量的に決定するのに有用である。一部の実施態様では、固体支持体は、抗体(例えば、抗-UCH-L1抗体または抗-GFAP抗体)によって結合された標的抗原(例えば、UCH-L1またはGFAP)の量を定性的および/または定量的に決定するのに有用である。
【0368】
一部の実施態様では、例えば検出アッセイおよび/または診断アッセイでの使用のために本明細書に記載の固体支持体によって定性的および/または定量的に決定されるUCH-L1の量は、約80pg/mL~約2560pg/mLである。一部の実施態様では、例えば検出アッセイおよび/または診断アッセイでの使用のために本明細書に記載の固体支持体によって定性的および/または定量的に決定されるGFAPの量は、約10pg/mL~約320pg/mLである。
【0369】
一般に、上述の方法論と一致する、および/または、目的の特定の抗体に関して適切であると当業者によって認められる、研究、試験、および臨床用途での使用のために抗体を調製するための様々な方法論が、当該分野において非常に確立されている。
【0370】
[IV.組成物および組み合わせ]
任意の提供される抗体の組成物が本明細書において提供される。任意の抗体試薬(例えば抗-UCH-L1または抗-GFAP抗体)(それらの組成物を含む)は、本開示に従って検出または診断方法において単独または組み合わせて用いられ得る。1つまたは複数の他の抗体と、任意の提供される抗体またはその組成物の組み合わせもまた提供される。組み合わせは、キットとして提供され得て、本開示に従って検出または診断方法において一緒に用いられ得る。
【0371】
A.組成物
一部の態様では、任意の1つまたは複数の本明細書に記載の抗-UCH-L1抗体および/または抗-GFAP抗体を含む組成物(例えば、医薬組成物)もまた、本明細書において提供される。組成物は、本明細書において提供される方法、例えばサンプル中のUCH-L1および/またはGFAPを検出するための方法および脳損傷または傷害または神経状態を有する個体を診断する方法において用いられ得る。
【0372】
組成物は、所望の程度の純度を有する活性成分を、任意選択の許容できる担体、賦形剤または安定剤、例えば薬学的に許容できる担体、賦形剤または安定剤と混合することによって、保管のために調製される(Remington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Ed.,Lippincott Williams&Wiklins,Pub.,Gennaro Ed.,Philadelphia,Pa.2000)。一部の実施態様では、許容できる担体、賦形剤、または安定剤は、用いられる用量および濃度においてレシピエントに対して非毒性である。一部の実施態様では、許容できる担体、賦形剤、または安定剤は、例えば抗体が診断アッセイで用いられる場合に、抗体の活性を実質的に変更しない。一部の実施態様では、許容できる担体、賦形剤、または安定剤は、診断アッセイまたは検出アッセイでの使用に適合する。許容できる担体、賦形剤、または安定剤は、バッファー、アスコルビン酸を含む抗酸化剤、メチオニン、ビタミンE、メタ重亜硫酸ナトリウム;防腐剤、等張化剤、安定剤、金属錯体(例えばZn-タンパク質錯体);キレート剤、例えばEDTAおよび/または非イオン性界面活性剤を含む。
【0373】
バッファーは、特に安定性がpH依存性の場合に、抗体の有効性または活性を最適化する範囲内にpHを制御するために用いられ得る。バッファーは、約50mM~約250mMの範囲の濃度で存在し得る。本発明との使用に適切な緩衝剤は、有機酸および無機酸の両方およびそれらの塩を含む。例えば、クエン酸、リン酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸、グルコン酸、シュウ酸、乳酸、酢酸。加えて、バッファーは、ヒスチジンおよびトリメチルアミン塩、例えばTrisからなってよい。
【0374】
防腐剤は、微生物増殖を防ぐために添加され得て、典型的に、約0.2%~1.0%(w/v)の範囲で存在する。本発明との使用のための適切な防腐剤は、アジド、メチルイソチアゾリンオン(MIT)、塩化オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム;塩化ヘキサメトニウム;ハロゲン化(例えば、塩化、臭化、ヨウ化)ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム;チメロサール、フェノール、ブチルまたはベンジルアルコール;アルキルパラベン、例えば、メチルまたはプロピルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール、3-ペンタノール、およびm-クレゾールを含む。
【0375】
浸透圧剤は、時には「安定剤」として知られ、組成物中の液体の浸透圧を調節または維持するために存在してよい。タンパク質および抗体のような大きな荷電生体分子と用いられる場合、それらは、アミノ酸側鎖の荷電基と相互作用することができて、それによって分子間および分子内相互作用に関する潜在性を減らすので、しばしば「安定剤」と呼ばれる。浸透圧剤は、他の成分の相対量を考慮して約0.1%~約25重量%または約1~約5重量%の任意の量で存在してよい。一部の実施態様では、浸透圧剤は、多価糖アルコール類、三価またはそれより高度の糖アルコール類、例えば、グリセリン、エリトリトール、アラビトール、キシリトール、ソルビトールおよびマンニトールを含む。
【0376】
さらなる賦形剤は、以下:(1)充填剤、(2)溶解度エンハンサー、(3)安定剤および(4)およびコンテナーの壁への付着または変性を防止する薬剤の1つまたは複数としての役割を果たすことのできる薬剤を含む。そのような賦形剤は、多価糖アルコール類(上記に列挙);アミノ酸、例えば、アラニン、グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、リジン、オルニチン、ロイシン、2-フェニルアラニン、グルタミン酸、トレオニンなど;有機の糖類または糖アルコール類、例えば、スクロース、ラクトース、ラクチトール、トレハロース、スタキオース、マンノース、ソルボース、キシロース、リボース、リビトール、ミオイニシトース(myoinisitose)、ミオイノシトール(myoinisitol)、ガラクトース、ガラクチトール、グリセロール、シクリトール類(例えば、イノシトール)、ポリエチレングリコール;硫黄含有還元剤、例えば、尿素、グルタチオン、チオクト酸、チオグリコール酸ナトリウム、チオグリセロール、α-モノチオグリセロールおよびチオ硫酸ナトリウム;低分子量タンパク質、例えば、ヒト血清アルブミン、ウシ血清アルブミン、ゼラチンまたは他の免疫グロブリン;親水性ポリマー、例えば、ポリビニルピロリドン;単糖類(例えば、キシロース、マンノース、フルクトース、グルコース;二糖類(例えば、ラクトース、マルトース、スクロース);ラフィノースのような三糖類;および、デキストリンまたはデキストランのような多糖類を含む。
【0377】
非イオン性界面活性剤または洗浄剤(「湿潤剤」としても知られる)は、抗体を可溶化するのを助けるため、ならびに、撹拌によって誘導される凝集に対して抗体を保護するために存在してよく、活性の抗体の変性を引き起こさずに組成物がせん断表面応力に曝されるのも可能にする。非イオン性界面活性剤は、約0.05mg/ml~約1.0mg/mlまたは約0.07mg/ml~約0.2mg/mlの範囲で存在する。一部の実施態様では、非イオン性界面活性剤は、約0.001%~約0.1%w/vまたは約0.01%~約0.1%w/vまたは約0.01%~約0.025%w/vの範囲で存在する。
【0378】
適切な非イオン性界面活性剤は、ポリソルベート(20、40、60、65、80など)、ポリオキサマー(polyoxamer)(184、188など)、PLURONIC(登録商標)ポリオール類、TRITON(登録商標)、ポリオキシエチレンソルビタンモノエーテル類(TWEEN(登録商標)-20、TWEEN(登録商標)-80など)、ラウロマクロゴール400、ポリオキシル40ステアリン酸、ポリオキシエチレン水素化ヒマシ油10、50および60、グリセロールモノステアレート、スクロース脂肪酸エステル、メチルセルロース(celluose)およびカルボキシメチルセルロースを含む。用いられ得る陰イオン洗剤は、ラウリル硫酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチル(dioctyle)ナトリウムおよびスルホン酸ジオクチルナトリウムを含む。カチオン性洗浄剤は、塩化ベンザルコニウムまたは塩化ベンゼトニウムを含む。
【0379】
一部の実施態様では、組成物は滅菌される。組成物は、滅菌濾過膜を通した濾過によって滅菌され得る。一部の実施態様では、本明細書における組成物は、滅菌アクセスポートを有するコンテナー、例えば、静脈内溶液バッグ、または、皮下注入針によって突き刺すことのできるストッパーを有するバイアル中に置かれる。
【0380】
B.組み合わせ
UCH-L1および/またはGFAPを結合または検出するための、1よりも多い抗体(例えば、1、2、3、4、またはそれよりも多くの抗体)を含む組み合わせが本明細書において提供される。一部の実施態様では、特定の組み合わせは、本明細書において提供される検出または診断アッセイでの使用のような適用に基づいて選択され得る。例えば、典型的に、抗体の組み合わせは、抗体が互いに不利に影響しないように、例えば、互いに結合に関して競合しないように、相補活性で選択される。そのような抗体は、意図される目的に効果的な量で、組み合わせにおいて適切に存在する。一部の実施態様では、組み合わせは、本明細書の他のどこかに記載のキット、製造品またはシステムの一部として提供される。
【0381】
一部の実施態様では、UCH-L1(例えばヒトUCH-L1)に結合する2以上の抗-UCH-L1抗体の組み合わせ、またはそれらの組成物が本明細書において提供される。一部の実施態様では、組み合わせは、UCH-L1に適合して同時に結合することができる抗体のペアおよび/または抗体セットを含む。一部の実施態様では、抗体ペアは、第一の抗体または抗体の第一のセットおよび第二の抗体または抗体の第二のセットを含み、ここで、第一の抗体または抗体の第一のセットのそれぞれの抗体は、第二の抗体または抗体の第二のセットのそれぞれの抗体と比較して、別個または非オーバーラップのエピトープに結合する、および/または、第二の抗体またはセットとUCH-L1に対する結合に関して競合しない。セットとして提供される場合は、抗体の第一のセット内の抗体は典型的に、UCH-L1の同一またはオーバーラップするエピトープまたは領域にそれぞれ結合する、および/または、抗体の第一のセット内の1つまたは複数の他の抗体とUCH-L1に対する結合に関して競合しない、および/または、抗体の第二のセット内の抗体は、UCH-L1の同一またはオーバーラップするエピトープまたは領域にそれぞれ結合する、および/または、抗体の第二のセット内の1つまたは複数の他の抗体とUCH-L1に対する結合に関して競合しない。一部の実施態様では、第一の抗体または抗体のセットは、UCH-L1を捕捉するためのものであり、第二の抗体または抗体のセットは、UCH-L1の結合を検出するためのものであり、または逆も同様である。一部の実施態様では、ペアの少なくとも1つの抗体は、本明細書に記載の標識のような標識(例えば検出可能な標識)に付着される。一部の実施態様では、ペアの少なくとも1つの抗体は、固体支持体に付着されて、または、固体支持体、例えば本明細書に記載の固体支持体に付着されることが可能である。一部の実施態様では、組み合わせは、キットとして、または本明細書における他のどこかに記載のシステムの一部として、免疫測定法(例えばサンドイッチELISAまたは競合ELISA)に関連した使用のために提供される。
【0382】
一態様では、第一(または場合によっては第二)の抗-UCHL1抗体または抗体のセットは、配列番号207に示されるヒトUCH-L1のアミノ酸位置98~106に対応する領域である、それを含む、またはその中にある(または完全にその中にある)、UCH-L1のエピトープに結合する(例えば、任意の記載される、例えば、UCH-L1-1、UCH-L1-3、またはUCH-L1-13と命名される抗体またはUCH-L1-1、UCH-L1-3、またはUCH-L1-13と命名される抗体の可変重鎖および可変軽鎖内に存在するのと同一のCDRを含む抗体またはUCH-L1-1、UCH-L1-3、またはUCH-L1-13と命名される抗体の可変重鎖および可変軽鎖の配列をそれぞれ含む可変重鎖および可変軽鎖を含む抗体)、および、他の第一または第二の抗体またはセットは、別個または非オーバーラップ領域に結合する、および/または、配列番号207に示されるヒトUCH-L1のアミノ酸位置98~106に対応する領域内のエピトープに対する結合に関して競合しない。一部の実施態様では、他の抗体またはセット(他の第一または第二の抗体であってよい)は、配列番号207に示されるヒトUCH-L1のアミノ酸位置28~36に対応する領域である、またはそれを含む、またはその中にある(または完全にその中にある)、UCH-L1のエピトープに結合する(例えば、任意の記載される、例えば、UCH-L1-2、UCH-L1-6、UCH-L1-7、UCH-L1-8、UCH-L1-9、UCH-L1-10、UCH-L1-11またはUCH-L1-12と命名される抗体またはUCH-L1-2、UCH-L1-6、UCH-L1-7、UCH-L1-8、UCH-L1-9、UCH-L1-10、UCH-L1-11またはUCH-L1-12と命名される抗体の可変重鎖および可変軽鎖内に存在するのと同一のCDRを含む抗体またはUCH-L1-2、UCH-L1-6、UCH-L1-7、UCH-L1-8、UCH-L1-9、UCH-L1-10、UCH-L1-11またはUCH-L1-12と命名される抗体の可変重鎖および可変軽鎖の配列をそれぞれ含む可変重鎖および可変軽鎖を含む抗体)。他の実施態様では、他の抗体またはセット(第一または第二の抗体であってよい)は、配列番号207に示されるヒトUCH-L1のアミノ酸位置138~145に対応する領域である、またはそれを含む、またはその中にある、または完全にその中にある)UCH-L1のエピトープに結合する(例えば、任意の記載される、例えば、UCH-L1-4と命名される抗体またはUCH-L1-4と命名される抗体の可変重鎖および可変軽鎖内に存在するのと同一のCDRを含む抗体またはUCH-L1-4と命名される抗体の可変重鎖および可変軽鎖の配列を含む可変重鎖および可変軽鎖を含む抗体)。他の実施態様では、他の抗体またはセット(第一または第二の抗体であってよい)は、配列番号207に示されるヒトUCH-L1のアミノ酸位置142~149に対応する領域である、それを含む、またはその中にある(または完全にその中にある)UCH-L1のエピトープに結合する(例えば、任意の記載される、例えば、UCH-L1-5と命名される抗体またはUCH-L1-5と命名される抗体の可変重鎖および可変軽鎖内に存在するのと同一のCDRを含む抗体またはUCH-L1-5と命名される抗体の可変重鎖および可変軽鎖の配列を含む可変重鎖および可変軽鎖を含む抗体)。
【0383】
一部の実施態様では、第一(または場合によっては第二)の抗-UCHL1抗体または抗体のセットは、UCH-L1-1またはUCH-L1-2と命名される抗体またはUCH-L1-1またはUCH-L1-2と命名される抗体の可変重鎖および可変軽鎖内に存在するのと同一のCDRを含む抗体またはUCH-L1-1またはUCH-L1-2と命名される抗体の可変重鎖および可変軽鎖の配列をそれぞれ含む可変重鎖および可変軽鎖を含む抗体であり;他の抗体(第一または第二の抗体であってよい)は、UCH-L1-5と命名される抗体またはUCH-L1-5と命名される抗体の可変重鎖および可変軽鎖内に存在するのと同一のCDRを含む抗体またはUCH-L1-5と命名される抗体の可変重鎖および可変軽鎖の配列をそれぞれ含む可変重鎖および可変軽鎖を含む抗体である。
【0384】
一部の実施態様では、組み合わせまたはキットは、配列番号51のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインおよび配列番号64のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む抗-UCH-L1抗体である、および/または、配列番号52のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインおよび配列番号65のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む抗-UCH-L1抗体である、第一の抗体を含む。一部の実施態様では、組み合わせは、配列番号51のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインおよび配列番号64のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む抗-UCH-L1抗体、および、配列番号52のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインおよび配列番号65のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む抗-UCH-L1抗体を含む、第一の抗体セットを含む。一部の実施態様では、組み合わせまたはキットは、配列番号55のアミノ酸配列を含む重鎖可変領域および配列番号68のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む抗-UCH-L1抗体である第二の抗体を含む。
【0385】
一部の実施態様では、GFAP(例えばヒトGFAP)に結合する2以上の抗-GFAP抗体の組み合わせ、またはそれらの組成物が本明細書において提供される。一部の実施態様では、組み合わせは、GFAPに適合して同時に結合することのできる抗体のペアおよび/または抗体セットを含む。一部の実施態様では、抗体ペアは、第一の抗体または抗体のセットおよび第二の抗体または抗体のセットを含み、ここで第一の抗体または抗体の第一のセットのそれぞれの抗体は、第二の抗体または抗体の第二のセットと比較して別個または非オーバーラップのエピトープに結合する、および/または、第二の抗体またはセットとGFAPに対する結合に関して競合しない。セットとして提供される場合は、抗体の第一のセット内の抗体は、GFAPの同一またはオーバーラップするエピトープまたは領域にそれぞれ結合する、および/または、抗体の第一のセット内の1つまたは複数の他の抗体とGFAPに対する結合に関して競合しない、および/または、抗体の第二のセット内の抗体は、GFAPの同一またはオーバーラップするエピトープまたは領域にそれぞれ結合する、および/または、抗体の第二のセット内の1つまたは複数の他の抗体とGFAPに対する結合に関して競合しない。一部の実施態様では、第一の抗体または抗体の第一のセットは、GFAPを捕捉するために用いられて、第二の抗体または抗体の第二のセットは、結合したGFAPの検出のために用いられて、または逆も同様である。一部の実施態様では、ペアの少なくとも1つの抗体は、本明細書に記載の標識のような標識(例えば検出可能な標識)に付着される。一部の実施態様では、ペアの少なくとも1つの抗体は、固体支持体に付着されて、または、本明細書に記載の固体支持体のような固体支持体に付着されることが可能である。一部の実施態様では、組み合わせは、キットとして、または、本明細書において他のどこかに記載されるシステムの一部として、サンドイッチ免疫測定法(例えばサンドイッチELISA)または競合免疫測定法(例えば競合ELISA)に関連した使用のために提供される。
【0386】
一態様では、第一(または場合によっては第二)の抗-GFAP抗体または抗体のセットは、配列番号212に示されるヒトGFAPのアミノ酸位置92~106に対応する領域である、それを含む、またはその中にある(または完全にその中にある)GFAPのエピトープに結合する(例えば、任意の記載される、例えば、GFAP-1と命名される抗体またはGFAP-1と命名される抗体の可変重鎖および可変軽鎖内に存在するのと同一のCDRを含む抗体またはGFAP-1と命名される抗体の可変重鎖および可変軽鎖の配列をそれぞれ含む可変重鎖および可変軽鎖を含む抗体)、および、他の第一または第二の抗体またはセットは、別個または非オーバーラップ領域に結合する、および/または、配列番号212に示されるヒトGFAPのアミノ酸位置92~106に対応する領域内のエピトープに対する結合に関して競合しない。一部の実施態様では、他の抗体またはセット(他の第一または第二の抗体であってよい)は、配列番号212に示されるヒトGFAPのアミノ酸位置190~202に対応する領域である、それを含む、またはその中にある(または完全にその中にある)GFAPのエピトープに結合する(例えば、任意の記載される、例えば、GFAP-2と命名される抗体またはGFAP-2と命名される抗体の可変重鎖および可変軽鎖内に存在するのと同一のCDRを含む抗体またはGFAP-2と命名される抗体の可変重鎖および可変軽鎖の配列をそれぞれ含む可変重鎖および可変軽鎖を含む抗体)。他の実施態様では、他の抗体またはセット(他の第一または第二の抗体であってよい)は、配列番号212に示されるヒトGFAPのアミノ酸位置16~35および/または380に対応する領域である、それを含む、またはその中にある(または完全にその中にある)GFAPのエピトープに結合する(例えば、任意の記載される、例えば、GFAP-3と命名される抗体またはGFAP-3と命名される抗体の可変重鎖および可変軽鎖内に存在するのと同一のCDRを含む抗体またはGFAP-3と命名される抗体の可変重鎖および可変軽鎖の配列をそれぞれ含む可変重鎖および可変軽鎖を含む抗体)。さらなる実施態様では、他の抗体またはセット(他の第一または第二の抗体であってよい)は、配列番号212に示されるヒトGFAPのアミノ酸位置119および/または190に対応する領域である、それを含む、またはその中にある(または完全にその中にある)GFAPのエピトープに結合する(例えば、任意の記載される、例えば、GFAP-5と命名される抗体またはGFAP-5と命名される抗体の可変重鎖および可変軽鎖内に存在するのと同一のCDRを含む抗体またはGFAP-5と命名される抗体の可変重鎖および可変軽鎖の配列をそれぞれ含む可変重鎖および可変軽鎖を含む抗体)。さらなる実施態様では、他の抗体またはセット(他の第一または第二の抗体であってよい)は、配列番号212に示されるヒトGFAPのアミノ酸位置380~391に対応する領域である、それを含む、またはその中にある(または完全にその中にある)GFAPのエピトープに結合する(例えば、任意の記載される、例えば、GFAP-4、GFAP-7、GFAP-8、またはGFAP-9と命名される抗体またはGFAP-4、GFAP-7、GFAP-8、またはGFAP-9と命名される抗体の可変重鎖および可変軽鎖内に存在するのと同一のCDRを含む抗体またはGFAP-4、GFAP-7、GFAP-8、またはGFAP-9と命名される抗体の可変重鎖および可変軽鎖の配列をそれぞれ含む可変重鎖および可変軽鎖を含む抗体)。
【0387】
一態様では、第一(または場合によっては第二)の抗-GFAP抗体または抗体のセットは、配列番号212に示されるヒトGFAPのアミノ酸位置119~130に対応する領域である、それぞれ含む、またはその中にある(または完全にその中にある)GFAPのエピトープに結合する(例えば、任意の記載される、例えば、抗体GFAP-6、GFAP-11、GFAP-12、GFAP-18またはGFAP-19またはGFAP-6、GFAP-11、GFAP-12、GFAP-18またはGFAP-19と命名される抗体の可変重鎖および可変軽鎖内に存在するのと同一のCDRを含む抗体またはGFAP-6、GFAP-11、GFAP-12、GFAP-18またはGFAP-19と命名される抗体の可変重鎖および可変軽鎖の配列をそれぞれ含む可変重鎖および可変軽鎖を含む抗体)、および、他の第一または第二の抗体またはセットは、別個または非オーバーラップ領域に結合する、および/または、配列番号212に示されるヒトGFAPのアミノ酸位置119~130に対応する領域内のエピトープに対する結合に関して競合しない。一部の実施態様では、他の抗体またはセット(他の第一または第二の抗体であってよい)は、配列番号212に示されるヒトGFAPのアミノ酸位置210~221に対応する領域である、それぞれ含む、またはその中にある(または完全にその中にある)GFAPのエピトープに結合する(例えば、任意の記載される、例えば、GFAP-13、GFAP-14、またはGFAP-15と命名される抗体またはGFAP-13、GFAP-14、またはGFAP-15と命名される抗体の可変重鎖および可変軽鎖内に存在するのと同一のCDRを含む抗体またはGFAP-13、GFAP-14、またはGFAP-15と命名される抗体の可変重鎖および可変軽鎖の配列をそれぞれ含む可変重鎖および可変軽鎖を含む抗体)、および、他の第一または第二の抗体またはセットは、別個または非オーバーラップ領域に結合する、および/または、配列番号212に示されるヒトGFAPのアミノ酸位置210~221に対応する領域内のエピトープに対する結合に関して競合しない。他の実施態様では、他の抗体またはセット(他の第一または第二の抗体であってよい)は、配列番号212に示されるヒトGFAPのアミノ酸位置320~390に対応する領域である、それぞれ含む、またはその中にある(または完全にその中にある)GFAPのエピトープに結合する(例えば、任意の記載される、例えばGFAP-16またはGFAP-17と命名される抗体またはGFAP-16またはGFAP-17と命名される抗体の可変重鎖および可変軽鎖内に存在するのと同一のCDRを含む抗体またはGFAP-16またはGFAP-17と命名される抗体の可変重鎖および可変軽鎖の配列をそれぞれ含む可変重鎖および可変軽鎖を含む抗体)、および、他の第一または第二の抗体またはセットは、別個または非オーバーラップ領域に結合する、および/または、配列番号212に示されるヒトGFAPのアミノ酸位置320~390に対応する領域内のエピトープに対する結合に関して競合しない。さらなる実施態様では、他の抗体またはセット(第一または第二の抗体であってよい)は、配列番号212に示されるヒトGFAPのアミノ酸位置346~357および/または376~387に対応する領域である、それを含む、またはその中にある(または完全にその中にある)GFAPのエピトープに結合する(例えば、任意の記載される、例えば、GFAP-17と命名される抗体またはGFAP-17と命名される抗体の可変重鎖および可変軽鎖内に存在するのと同一のCDRを含む抗体またはGFAP-17と命名される抗体の可変重鎖および可変軽鎖の配列をそれぞれ含む可変重鎖および可変軽鎖を含む抗体)、および、他の第一または第二の抗体またはセットは、別個または非オーバーラップ領域に結合する、および/または、配列番号212に示されるヒトGFAPのアミノ酸位置346~357および/または376~387に対応する領域内のエピトープに対する結合に関して競合しない。さらなる実施態様では、他の抗体またはセット(第一または第二の抗体であってよい)は、配列番号212に示されるヒトGFAPのアミノ酸138~149位に対応する領域である、それを含む、またはその中にある(または完全にその中にある)GFAPのエピトープに結合する(例えば、任意の記載される、例えば、GFAP-18と命名される抗体またはGFAP-18と命名される抗体の可変重鎖および可変軽鎖内に存在するのと同一のCDRを含む抗体またはGFAP-18と命名される抗体の可変重鎖および可変軽鎖の配列をそれぞれ含む可変重鎖および可変軽鎖を含む抗体)、および、他の第一または第二の抗体またはセットは、別個または非オーバーラップ領域に結合する、および/または、配列番号212に示されるヒトGFAPのアミノ酸138~149位に対応する領域内のエピトープに対する結合に関して競合しない。
【0388】
一部の実施態様では、第一(または場合によっては第二)の抗-GFAP抗体または抗体のセットは、GFAP-2と命名される抗体またはGFAP-2と命名される抗体の可変重鎖および可変軽鎖内に存在するのと同一のCDRを含む抗体またはGFAP-2と命名される抗体の可変重鎖および可変軽鎖の配列をそれぞれ含む可変重鎖および可変軽鎖を含む抗体であり;他の抗体(第一または第二の抗体であってよい)は、GFAP-6と命名される抗体またはGFAP-6と命名される抗体の可変重鎖および可変軽鎖内に存在するのと同一のCDRを含む抗体またはGFAP-6と命名される抗体の可変重鎖および可変軽鎖の配列をそれぞれ含む可変重鎖および可変軽鎖を含む抗体である。
【0389】
一部の実施態様では、組み合わせまたはキットは、配列番号173のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインおよび配列番号190のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む抗-GFAP抗体である第一の抗体、および、配列番号177のアミノ酸配列を含む重鎖可変ドメインおよび配列番号194のアミノ酸配列を含む軽鎖可変ドメインを含む抗-GFAP抗体である第二の抗体を含む。
【0390】
一部の実施態様では、本明細書に記載の少なくとも1つの抗-UCH-L1抗体またはその組成物および本明細書に記載の少なくとも1つの抗-GFAP抗体またはその組成物を含む組み合わせが、本明細書において提供される。一部の実施態様では、組み合わせは、任意の記載されるもののような抗-UCH-L1抗体のペアまたはセットおよび任意の記載されるもののような抗-GFAP抗体のペアまたはセットを含む。一部の実施態様では、組み合わせは、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9であるが10よりも多くない抗体を含む。
【0391】
[V.UCH-L1および/またはGFAPを検出して、成果を診断または予測する方法]
一部の態様では、対象または個体由来のサンプル中のUCH-L1および/またはGFAPを検出するための方法が、本明細書において提供される。一部の実施態様では、提供される方法は、本明細書において提供される任意の抗体を用いたUCH-L1および/またはGFAPの免疫親和性に基づく検出を伴う。一部の実施態様では、当該方法はインビトロで行なわれる。一部の実施態様では、サンプルは、対象または個体から取得または単離される。一部の実施態様では、対象または個体はヒトである。
【0392】
一部の実施態様では、対象由来のサンプル中のUCH-L1および/またはGFAPを検出する方法が提供されて、当該方法は、(a)対象由来のサンプルを、本明細書において提供される1つまたは複数の抗-UCH-L1抗体および/または本明細書において提供される1つまたは複数のGFAP抗体、例えば、本明細書に記載の抗体の組み合わせまたはペアと、接触させるステップ;および(b)1つまたは複数の抗-UCH-L1抗体または抗-GFAP抗体をそれぞれ用いて、サンプル中のUCH-L1および/またはGFAP間の結合に基づいてサンプル中のUCH-L1および/またはGFAPの存在または不存在を検出するステップを含む。一部の実施態様では、接触は、抗体または抗原結合フラグメントおよびその抗原(例えばUCH-L1および/またはGFAP)を含む複合体を形成する条件下で行なわれる。一部の実施態様では、結合の検出は、タンパク質標的および結合剤(例えば抗体)の間の結合を検出するのに一般に当該分野で知られている検出技術、例えば、制限されないが、分光光度法、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、免疫測定法、例えば酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)、ウエスタンブロット、自動イメージング、免疫組織化学、フローサイトメトリー、マイクロアレイまたはナノアレイのようなアレイのハイスループットスクリーニングおよび表面プラズモン共鳴によって達成され得る。一部の実施態様では、本明細書において提供される抗体は、当業者に公知の任意の結合アッセイまたは免疫測定法(制限されないが、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)またはサンドイッチELISAまたは競合ELISAを含む他の同様の免疫測定法;免疫組織化学(IHC);フローサイトメトリー、またはウエスタンブロットを含む)を用いて、UCH-L1またはGFAPを検出することができる。
【0393】
一部の実施態様では、本明細書の方法での使用のためのサンプルは、脳損傷または傷害(例えば、神経損傷および/または神経状態、例えば外傷性脳傷害または記載される他の損傷または傷害に起因する)を有するまたは有したことが知られる、または有するまたは有した可能性があるまたは疑われる、対象または個体から得られる。一部の実施態様では、サンプルは、傷害(例えば、脳への直接または間接的な物理的傷害)の後、約30分、1時間、2時間、4時間、6時間、8時間、12時間、24時間または48時間以内に個体から得られる。一部の実施態様では、サンプルは、傷害後8時間以内に個体から得られる。例えば、サンプルは、傷害の5分、15分、30分、45分、1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間以内または約その時間以内(約8時間を超えない)に、個体から得られる。
【0394】
一部の実施態様では、サンプルは、血清、血漿、血液(例えば、全血)、脳脊髄液(CSF)、尿、汗、唾液、または、個体(例えば、ヒト)から得られるまたは存在する任意の他の生物学的流体である。一部の実施態様では、サンプルは血清である。他の実施態様では、サンプルはCSFである。サンプルは、個体から得た後に本明細書において提供される方法において直接用いられてよく、または、本明細書において提供される方法での使用の前に処理されてよい。例えば、CSFサンプルは、個体から得て、本明細書において提供される1つまたは複数の抗-UCH-L1および/または抗-GFAP抗体とサンプルを接触させることによって、本明細書の方法において直接用いてよい。あるいは、CSFサンプルは、個体から得て、本明細書において提供される1つまたは複数の抗-UCH-L1および/または抗-GFAP抗体とサンプルを接触させる前に処理されてよい。サンプルの処理は、タンパク質サンプルを精製および/または濃縮するための当該分野で一般に用いられる技術、例えば、バッファー中での洗浄、インキュベーション、遠心分離、濾過、免疫沈降、吸着、および/または、UCH-L1-1および/またはGFAPおよび抗体の間の結合を検出するのを妨げ得る汚染物質を除去する薬剤の添加を含む。
【0395】
一部の実施態様では、当該方法は、サンドイッチまたは競合免疫測定法(例えばサンドイッチELISAまたは競合ELISAアッセイ)であり、当該方法は、(a)対象由来のサンプルを、サンプル中のUCH-L1を捕捉または結合する少なくとも1つの第一の抗-UCH-L1抗体と接触させるステップ(例えば、抗体または抗原結合フラグメントおよびUCH-L1を含む複合体を形成する条件下で)、および/または、対象由来のサンプルを、サンプル中のGFAPを捕捉または結合する少なくとも1つの第一の抗-GFAP抗体と接触させるステップ(例えば、抗体または抗原結合フラグメントおよびGFAPを含む複合体を形成する条件下で);および(b)サンプル中のUCH-L1の存在または不存在を検出するまたは複合体と関連する少なくとも1つの第二の抗-UCH-L1抗体を添加することによってサンプル中の結合したUCH-L1を検出するステップ、および/または、サンプル中のGFAPの存在または不存在を検出するまたは複合体と関連する少なくとも1つの第二の抗-GFAP抗体を添加することによってサンプル中の結合したGFAPを検出するステップを含む。一部の実施態様では、少なくとも1つの第二の抗体は、検出のために直接または間接的に標識されて、または検出が可能である。
【0396】
一部の実施態様では、当該方法は、サンプル中のUCH-L1のみを検出または測定するステップを含む。一部の実施態様では、当該方法は、サンプル中のGFAPのみを検出または測定するステップを含む。一部の実施態様では、当該方法は、対象由来のサンプル中のUCH-L1およびGFAPの両方を検出または測定するステップを含み、その場合、UCH-L1およびGFAPが測定または検出されるサンプルは、同一サンプル、同一サンプルの一部、または同一対象由来の異なるサンプルである。提供される方法の任意の一部の実施態様では、例えば脳の傷害または損傷と関連する1つまたは複数の他のバイオマーカーは、対象由来のサンプル中で検出または測定され得る。
【0397】
任意の提供される抗体は、提供される方法において単独または組み合わせて用いられ得る。例えば、サンドイッチELISAまたは競合ELISAでは、2以上の抗-UCH-L1抗体(例えば抗-UCH-L1抗体のペア)および/または2以上の抗-GFAP抗体(例えば抗-GFAP抗体のペア)が用いられ得る。一部の実施態様では、本明細書において提供される抗体は、検出が可能な部分に直接または間接的にコンジュゲートされ得る。一部の例では、1つまたは複数の抗体は、結合の検出が可能であるように改変される。例えば、抗体は、直接的な検出または第二の薬剤を介した検出を可能にする検出可能分子にコンジュゲートされ得る。一部の実施態様では、抗体は、本明細書において上記のように直接標識される。一部の例では、抗体は、第二の試薬を用いて、例えば、本明細書に提供される第一の抗体に結合する蛍光プローブのような検出可能タンパク質またはホースラディッシュペルオキシダーゼのような検出可能酵素に連結された第二の抗体試薬によって、検出され得る。
【0398】
本明細書における一部の実施態様では、1つまたは複数の抗体は、サンプル中のUCH-L1および/またはGFAPを捕捉する1つまたは複数の捕捉抗体である。本明細書における一部の実施態様では、1つまたは複数の抗体は、サンプル中のUCH-L1および/またはGFAPと結合する1つまたは複数の検出抗体であり、検出可能である(例えば、標識に付着される)。例えば、1つまたは複数の抗体は、1つまたは複数の捕捉抗体(例えば、捕捉抗-UCH-L1抗体)および1つまたは複数の検出抗体(例えば、検出抗-UCH-L1抗体)であってよい。
【0399】
一部の実施態様では、対象由来のサンプルは、固相結合アッセイを用いて、UCH-L1および/またはGFAPの存在、不存在または量に関して評価され得る。固相結合アッセイは、固形表面に固定または固定化された結合剤(例えば第一の抗-UCH-L1抗体または抗-GFAP抗体、例えば捕捉抗体)への基質の結合によって、液体サンプル中の基質(例えばUCH-L1またはGFAP)を検出することができる。一部の実施態様では、本明細書における方法のステップa)における接触するステップは、サンプル(例えば個体から得られたサンプル)を、固体支持体または固体支持体を備えるデバイスに添加するステップを含み、ここで固体支持体は、本明細書に記載の1つまたは複数の抗体(例えば、抗-UCH-L1抗体および/または抗-GFAP抗体)を含む。一部の実施態様では、本明細書における方法のステップa)における接触するステップは、サンプル(例えば個体から得られたサンプル)および本明細書に記載の1つまたは複数の抗体(例えば、抗-UCH-L1抗体および/または抗-GFAP抗体)を、抗体または抗原結合フラグメントおよび抗原または基質(例えばUCH-L1またはGFAP)を含む複合体を形成する条件下で、混合するステップを含む。一部の実施態様では、サンプルは、固体支持体または固体支持体を備えるデバイスの存在下で、またはその上またはその中で、1つまたは複数の抗体と混合される。一部の実施態様では、サンプルは、1つまたは複数の抗体と混合されて混合物を生産して、混合物は続いて、固体支持体または固体支持体を備えるデバイスに適用される。本明細書における一部の実施態様では、1つまたは複数の抗体は、固体支持体に直接または間接的に接触される。一部の実施態様では、ステップa)における接触させるステップは、サンプルおよび1つまたは複数の抗体の1つまたは複数のインキュベーションをさらに含む。1つまたは複数のインキュベーションは、サンプルが1つまたは複数の抗体と接触するのを可能にするのに適切な時間、例えば、本明細書に記載の1つまたは複数の抗体とサンプルを接触した後、少なくともまたは少なくとも約30秒、1分、5分、10分、15分、20分、30分、45分、1時間、2時間、3時間、6時間、または12時間またはそれよりも長くてよい(しかし約24時間よりも長くない)。一部の実施態様では、接触は、約0℃~約50℃、例えば典型的に2℃~8℃または23℃~28℃または37℃~42℃の温度で生じる。一部の実施態様では、ステップa)における接触させるステップは、固体支持体上の結合したUCH-L1および/またはGFAPを維持するおよび/または複合体の一部でないサンプルの部分から複合体を分離する条件下での1つまたは複数の洗浄をさらに含む。
【0400】
一部の実施態様では、本明細書における方法のステップb)における検出するステップは、基質(例えばUCH-L1またはGFAP)の検出が可能な第二の基質特異抗体(例えば第二の抗-UCH-L1抗体または抗-GFAP抗体、例えば検出抗体)を用いて、UCH-L1および/またはGFAP間の結合を検出するステップを含む。一部の実施態様では、第二の抗体は、ネイキッド(未標識)抗体(例えば、ネイキッド抗-UCH-L1抗体またはネイキッド抗-GFAP抗体)であり、検出は、ネイキッド抗体に結合する標識化された第二の抗体を添加することによって間接的である。一部の実施態様では、第二の抗体は、標識化抗体(例えば、標識化抗-UCH-L1抗体または標識化抗-GFAP抗体)であり、検出は直接的である。一部の実施態様では、第二の抗体は、標識化抗体であるが直接的な検出をすることができない。例えば、標識は酵素であってよく、検出は、シグナル、例えば比色分析シグナルを生産する基質の添加によって行なわれ得る。一部の実施態様では、第二の抗体(検出抗体)が、複合体内の結合したUCH-L1および/またはGFAPに適用または接触されて、複合体内の結合した基質(例えばUCH-L1またはGFAP)への結合を可能にする条件下でインキュベートさせられる。一部の実施態様では、インキュベーションは、第二の抗体(検出抗体)が、結合したUCH-L1またはGFAPと接触するのを可能にするのに適切な時間、例えば、本明細書に記載の第二の抗体とサンプルを接触させた後、少なくともまたは少なくとも約30秒、1分、5分、10分、15分、20分、30分、45分、1時間、2時間、3時間、6時間または12時間またはそれよりも長くてよい(しかし約24時間よりも長くない)。一部の実施態様では、接触は、約0℃~約30℃、例えば典型的に2℃~8℃または23℃~28℃の温度で生じる。一部の実施態様では、ステップb)における接触させるステップは、結合した基質または複合体への第二の抗体の結合を維持するおよび任意の未結合の第二の抗体を除去する条件下で、1つまたは複数の洗浄ステップをさらに含む。
【0401】
一部の実施態様では、第二の抗体の存在、例えばシグナルが、それから検出される。検出方法は、限定されないが、比色分析、蛍光、発光または放射性の方法を含む。検出方法の選択は、用いられる検出可能標識に依存する。一部の例では、抗体が、酵素、例えば、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)、アルカリフォスファターゼまたは他の検出可能酵素に結合されている場合、比色分析反応が用いられる。
【0402】
一部の実施態様では、当該方法は、サンプル中のUCH-L1またはGFAPの量を決定または定量化するステップをさらに含む。一部のそのような態様では、サンプル中に存在する基質の量は、生産されるシグナル、例えば色の量に比例する。シグナルの定量化のための方法は、当技術分野でよく知られていて、例えば、ルミノメーター、分光光度計、またはデジタルイメージング機器の使用による。一部の実施態様では、基質標準は、一般に、サンプル中の基質(例えばUCH-L1またはGFAP)の量を定量化または決定するために用いられる。一部の実施態様では、標準は、公知濃度(例えば段階希釈)のタンパク質の組み換えまたはネイティブの形態を含む。一部の実施態様では、サンプル中の基質(例えばUCH-L1またはGFAP)の濃度は、検量線に対してデータを補間することによって計算され得る。一部の実施態様では、UCH-L1またはGFAPの量は、液体サンプルの濃度として表され得る。
【0403】
一部の実施態様では、対象由来のサンプル中のUCH-L1を検出する方法が提供されて、当該方法は、(a)対象由来のサンプルを、本明細書において提供される1つまたは複数の抗-UCH-L1抗体、例えば、本明細書に記載の抗体の組み合わせまたはペアと、抗体または抗原結合フラグメントおよびUCH-L1を含む1つまたは複数の複合体を形成する条件下で、接触させるステップ;および(b)サンプル中のUCH-L1および1つまたは複数の抗-UCH-L1抗体の間の結合に基づいてサンプル中のUCH-L1の存在または不存在を検出するステップ(場合によっては、結合したUCH-L1を含む複合体の存在または不存在を検出するステップによるものであってよい)を含む。一部の実施態様では、2以上の抗体は、サンプル、またはサンプルの構成要素と、同時または連続して接触され得る。一部の実施態様では、当該方法は、サンドイッチまたは競合免疫測定法(例えばサンドイッチELISAまたは競合ELISAアッセイ)であり、当該方法は、(a)対象由来のサンプルを、サンプル中のUCH-L1を捕捉または結合する少なくとも1つの第一の抗体または第一の抗体セットと、例えば抗体または抗原結合フラグメントおよびUCH-L1を含む複合体を形成する条件下で、接触させるステップ;および(b)続いて、例えば1つまたは複数の任意選択の洗浄ステップの後に、結合したUCH-L1、例えばUCH-L1を含む複合体を、サンプルまたは複合体中のUCH-L1の存在または不存在を検出する少なくとも1つの第二の抗体または第二の抗体セットと接触させるステップを含む。一部の実施態様では、1つまたは複数の第一の抗体は、UCH-L1を捕捉または結合するために用いられる(同一または異なってよい)。一部の実施態様では、第一の抗体(または第一の抗体のそれぞれ)は、第二の抗体と同一であり、および/または、UCH-L1に対する結合に関して第二の抗体と競合する。一部の実施態様では、第一の抗体(または第一の抗体のそれぞれ)は、第二の抗体とは異なり、例えば、第二の抗体と比較して別個または非オーバーラップのエピトープに結合する、および/または、UCH-L1に対する結合に関して第二の抗体と競合しない。一部の実施態様では、少なくとも1つの第二の抗体は、検出のために直接または間接的に標識化される。一部の実施態様では、第一および第二の抗体は、本明細書における他のどこかに記載のように、UCH-L1を検出する使用のための抗体ペアの一部であってよい。
【0404】
一部の実施態様では、当該方法は、サンプル中のUCH-L1の量を決定するために用いられ得る。したがって、サンプル中のUCH-L1の量を決定または定量化する方法も提供される。一部の実施態様では、上記のステップ(a)および(b)の後に、当該方法は、(c)1つまたは複数の抗-UCH-L1抗体によって結合されたUCH-L1の量を決定または定量化することによって、サンプル中のUCH-L1の量を決定または定量化するステップをさらに含む。一部の実施態様では、UCH-L1の量は、検量線、例えば一連の公知濃度の組み換えまたはネイティブのUCH-L1を含む検量線に対する、検出可能シグナルの比較によって決定される。
【0405】
例示的な方法では、一般に未標識である1つまたは複数の第一の抗-UCH-L1抗体は、固体支持体に最初に固定化されて(例えばマイクロタイタープレートのウェルにコーティングされる)、その後に、例えば、第一の抗体(単数または複数)およびUCH-L1の複合体を形成する条件下で、UCH-L1(例えば血清または血漿または脳脊髄液)を含むまたは潜在的に含む液体サンプルとともにインキュベーションされてサンプル中の任意のUCH-L1を捕捉する。適切なバッファーを用いて液体サンプルを洗浄後、結合したUCH-L1を含む複合体は、標識化された記載される1つまたは複数の第二の抗-UCH-L1抗体(単数または複数)(例えばHRPコンジュゲート抗-UCH-L1抗体またはビオチンコンジュゲート抗-UCH-L1抗体)と接触され得て、固体支持体上に複合体として結合したUCH-L1に結合する。結合しなかった標識化された第二の抗体または抗体のセットの除去後に、結合した標識化抗体(単数または複数)は、直接または検出試薬を用いて検出される。例えば、1つの非限定的な例では、第二の抗体のHRP標識は、検出基質、例えばABTS(2,2’-アジノビス[3-エチルベンゾチアゾリン-6-スルホン酸]-ジアンモニウム塩)、OPD(o-フェニレンジアミンジヒドロクロリド)またはTMB(3,3’,5,5’-テトラメチルベンジジン)検出基質の添加によって検出され得る。特定の検出可能標識との使用に適切な他の検出試薬は、当業者によく知られている。一部の実施態様では、試験サンプル中のUCH-L1の量は、検量線に対する比較によって決定または定量化され得る。
【0406】
一部の実施態様では、対象由来のサンプル中のGFAPを検出する方法が提供されて、当該方法は、(a)対象由来のサンプルを、本明細書において提供される1つまたは複数の抗-GFAP抗体、例えば本明細書に記載の抗体の組み合わせと、抗体または抗原結合フラグメントおよびGFAPを含む1つまたは複数の複合体を形成する条件下で接触させるステップ;および(b)サンプル中のGFAPの存在、不存在または量を、サンプル中のGFAPおよび1つまたは複数の抗-GFAP抗体の間の結合に基づいて検出するステップ(場合によっては、結合したGFAPを含む複合体の存在または不存在を検出するステップであってよい)を含む。一部の実施態様では、2以上の抗体は、サンプル、またはサンプルの構成要素と、同時または連続して接触される。一部の実施態様では、当該方法は、サンドイッチまたは競合免疫測定法(例えばサンドイッチELISAまたは競合ELISAアッセイ)であり、当該方法は、(a)例えば、抗体または抗原結合フラグメントおよびGFAPを含む複合体を形成する条件下で、少なくとも1つの第一の抗体と対象由来のサンプルを接触させて、サンプル中のGFAPを捕捉または結合するステップ;および(b)続いて、例えば、1つまたは複数の任意選択の洗浄ステップ後に、結合したGFAP、例えばGFAPを含む複合体を、少なくとも1つの第二の抗体と接触させて、サンプル中のGFAPの存在、不存在または量を検出または決定するステップを含む。一部の実施態様では、1つまたは複数の第一の抗体は、GFAPを捕捉または結合するために用いられて、同一または異なってよい。一部の実施態様では、第一の抗体(または第一の抗体のそれぞれ)は、第二の抗体と同一である、および/または、GFAPに対する結合に関して第二の抗体と競合する。一部の実施態様では、第一の抗体(または第一の抗体のそれぞれ)は、第二の抗体とは異なり、例えば、第二の抗体と比較して別個または非オーバーラップのエピトープに結合する、および/または、GFAPに対する結合に関して第二の抗体と競合しない。一部の実施態様では、少なくとも1つの第二の抗体は、検出のために直接または間接的に標識化される。一部の実施態様では、第一および第二の抗体は、本明細書において他のどこかに記載のように、GFAPを検出する使用のための抗体ペアの一部であってよい。
【0407】
一部の実施態様では、当該方法は、サンプル中のGFAPの量を決定するために用いられ得る。したがって、サンプル中のGFAPの量を決定または定量化する方法も提供される。一部の実施態様では、上記のステップ(a)および(b)の後に、当該方法は、1つまたは複数の抗-GFAP抗体によって結合されたGFAPの量を決定または定量化することによって、サンプル中のGFAPの量を決定または定量化するステップをさらに含む。一部の実施態様では、GFAPの量は、検量線、例えば、一連の公知濃度の組み換えまたはネイティブGFAPを含む検量線に対する検出可能シグナルの比較によって決定される。
【0408】
例示的な方法では、一般に未標識である1つまたは複数の第一の抗-GFAP抗体は、固体支持体に最初に固定化されて(例えばマイクロタイタープレートのウェルにコーティングされる)、その後に、例えば、第一の抗体(単数または複数)およびGFAPの複合体を形成する条件下で、GFAP(例えば血清または血漿または脳脊髄液)を含むまたは潜在的に含む液体サンプルとともにインキュベーションされてサンプル中の任意のGFAPを捕捉する。適切なバッファーを用いて液体サンプルを洗浄後、結合したGFAPは、標識化された記載される1つまたは複数の第二の抗-GFAP抗体(単数または複数)(例えばHRPコンジュゲート抗-GFAP抗体またはビオチンコンジュゲート抗-GFAP抗体)と接触され得て、固体支持体上に複合体として結合したGFAPに結合する。未結合の標識化された第二の抗体または抗体のセットの除去に続いて、結合した標識化抗体(単数または複数)は、直接または検出試薬を用いて検出される。例えば、1つの非限定的な例では、第二の抗体のHRP標識は、検出基質、例えば、ABTS(2,2’-アジノビス[3-エチルベンゾチアゾリン-6-スルホン酸]-ジアンモニウム塩)、OPD(o-フェニレンジアミンジヒドロクロリド)またはTMB(3,3’,5,5’-テトラメチルベンジジン)検出基質の添加によって検出され得る。特定の検出可能標識との使用に適切な他の検出試薬は、当業者によく知られている。一部の実施態様では、試験サンプル中のGFAPの量は、検量線に対する比較によって決定または定量化され得る。
【0409】
一部の実施態様では、上述の対象由来の第一のサンプル中のUCH-L1を検出またはUCH-L1の量を決定する、および、上述の対象由来の第二のサンプル中のGFAPを検出またはGFAPの量を決定する方法が提供されて、当該方法は、同時または任意の順序で連続して行なわれ得る。一部の実施態様では、第一のサンプルおよび第二のサンプルは、同一または同一試験サンプルから得られる(例えば、それぞれサンプルの一部または部分を表わす)。一部の実施態様では、サンプル中のUCH-L1およびGFAPの量を検出または決定する方法は、同時に行なわれてよい。一部の実施態様では、結合されたUCH-L1対、結合されたGFAPの検出を助けるために、1つまたは複数の別個の検出可能標識が用いられてよい。一部の実施態様では、UCH-L1の検出またはUCH-L1の量の決定およびGFAPの検出またはGFAPの量の決定は、別個に、例えば連続して行なわれる。
【0410】
一部の実施態様では、提供される方法は、脳の傷害または損傷、または、脳の傷害または損傷の可能性を、検出、診断または監視するため、代替の診断または評価(例えばCTスキャンまたはMRIのようなイメージング)に関する必要性を予測するため、脳の傷害または損傷の治療のための患者を選択するために用いられ得て、および/または、治療される対象または脳(例えば神経)傷害または損傷に関して治療される候補である対象における、治療プロトコルの一部として用いられ得る。本明細書における方法の一部の任意のそのような実施態様では、個体は神経学的または脳損傷を有し、または、神経学的または脳損傷を有する疑いがある。一部の実施態様では、脳細胞(グリアまたはニューロン)に損傷を引き起こすまたは潜在的に引き起こす任意の疾患、状態または外傷が検討される。一部の実施態様では、脳の傷害または損傷は、例えば感染性疾患または外傷に起因して外部であってよい。一部の実施態様では、神経学的または脳損傷は、物理的傷害に起因する。一部の実施態様では、神経学的または脳損傷は、疾患または障害に起因する。一部の実施態様では、脳の傷害または損傷は、例えば遺伝子疾患(遺伝子によってコードされる不十分または過剰のタンパク質)に起因して内部であってよい。一部の実施態様では、脳または神経損傷または傷害は、神経状態と関連する。一部の実施態様では、脳または神経損傷または傷害は、神経状態の発生または進行を導く。
【0411】
神経損傷は、脳細胞に対する直接または間接的な傷害に起因し得る。場合によっては、神経損傷は個体において進行し得て、神経状態をもたらす。場合によっては、神経状態は、時間と共に進行的に悪化させる神経損傷をもたらし得る。一部の実施態様では、傷害は、脳細胞を直接損傷させる落下または衝撃力打撃(brunt force hit)のような物理的なものであってよく、または、神経損傷をもたらし得る、または神経損傷と関連する、疾患または障害に相当するものであってよい。疾患または障害は、感染性疾患または環境毒素のような外部薬剤に起因し得る。疾患または障害は、遺伝子疾患またはビタミンまたはミネラルまたはタンパク質の欠乏のような、身体状態に起因し得る。一部の実施態様では、疾患または障害は、感覚運動配位の機能障害と関連する。一部の実施態様では、疾患または障害は、感覚運動配位の機能障害と関連する。一部の実施態様では、疾患または障害は、末梢神経系機能障害および/または中枢神経系機能障害と関連する。一部の実施態様では、個体は、機械的損傷、低酸素症、感染性疾患、神経細胞に影響する疾患、または毒素損傷に起因して、神経損傷および/または神経状態を有する。機械的損傷は、制限されないが、外傷性脳傷害または慢性の外傷性脳症(CTE)であってよい。一部の実施態様では、脳の傷害または損傷は、軽度または中度の外傷性脳傷害を含む外傷性脳傷害である。
【0412】
外傷性脳傷害(TBI)は、工業先進国において45才未満の人において死および身体的障害の主な原因である(McAllister,T.W.(1992).Neuropsychiatric sequelae of head in juries.The Psychiatric clinics of North America.15,395-413)。米国において年間に生じると見積もられる150万の頭部外傷のうち、500,000は入院が必要である可能性があり、および80,000は何らかの形態の慢性の身体的障害をもたらす(Langlois et al.,(2006)。Traumatic Brain Injury in the United States:Emergency Department Visits,Hospitalization,and Deaths,vol.Atlanta(GA)Centers for Disease Control and Prevention,National Center for Injury Prevention and Control)。CenterforDiseaseControl(CDC)は、少なくとも530万のアメリカ人、または人口の約2%が、現在のところ、TBIの結果として日々の生活活動での補助に関する長期の必要性があると見積もっている。さらに、TBIに関する合計の健康費用は、毎年おおよそ350億ドルになる。
【0413】
外傷性脳傷害は、軽度、中度から重度まで重症度が変化し得る。一部の実施態様では、外傷性脳傷害は、2つのレベル、軽度外傷性脳傷害(MBTI)および外傷性脳傷害(TBI)に分けられる。中間レベルの中度TBIが、傷害を分類するために用いられてもよい。MTBIおよび中度TBIまで伸びる間の範囲は、「軽度~中度TBI」または略称MMTBIとも呼ばれる。TBIは、分子マーカーレベルまたは活性における2倍よりも大きな増大または2倍よりも大きな低減と相関する傷害として定義される。MTBIは、分子マーカーレベルまたは活性における2倍未満の増大または2倍未満の低減と相関する傷害として定義される。
【0414】
場合によっては、医師は一般に、軽度外傷性脳傷害(MTBI)およびTBIの間を区別しようとする。MTBIは一般に、「観察されるまたは自己により報告される、任意の期間の一過的な混乱、方向感覚の喪失、または意識障害;観察されるまたは自己により報告される、任意の期間の傷害のときのあたりの記憶機能障害(記憶喪失);他の神経学的または神経心理学的機能障害、例えば、脳傷害後の強い発作の観察される兆候を含む臨床症候によって定義されて;幼児および非常に幼い子供の間では:脳傷害後の癇癪、無気力、または嘔吐;より年上の子どもおよび成人の間の兆候、例えば頭痛、眩暈、癇癪、疲労、または集中力不足は、傷害の直後に同定された場合、軽度TBIの診断をサポートするために用いられ得るが、変更された意識または意識喪失の不存在においては診断をするために用いられ得ない。観察されるまたは自己により報告される任意の期間の意識喪失は、30分以下続く。」(National Center for Injury Prevention and Control.Report to Congress on Mild Traumatic Brain Injury in the United States:Steps to Prevent a Serious Public Health Problem.Atlanta,Ga.:Centers for Disease Control and Prevention;2003)。伝統的にTBIを包含する症候は、30分よりも長い無意識;24時間よりも長く続く外傷後記憶喪失;および貫通する頭蓋大脳傷害を含む。一部の実施態様では、本明細書において提供される方法は、MTBIのようなTBIを有するまたは有する疑いがある個体においてUCH-L1および/またはGFAPの検出を可能にする。一部の実施態様では、本明細書において提供される方法は、個体においてMTBIのようなTBIの診断を可能にする。
【0415】
一部の実施態様では、本明細書において提供される方法は、MTBIを有するまたは有する疑いがある個体がCTスキャンまたはMRIのような神経画像処理を必要とする可能性の予測を可能にする。
【0416】
一部の実施態様では、提供される方法は、代替の診断または外傷性脳傷害または外傷性脳傷害の可能性の評価の必要性を予測して、外傷性脳傷害の治療のための患者を選択するために、外傷性脳傷害の進行または外傷性脳傷害の可能性を検出、診断、または監視するためのものであり、および/または、外傷性脳傷害を有するまたは有する疑いがある対象の治療と関連して用いられ得る。一部の実施態様では、外傷性脳傷害は、軽度、中度または重度の外傷性脳傷害である。一部の実施態様では、外傷性脳傷害は、例えば、脳に対するブロー(blow)または急な揺れによって引き起こされる脳振盪である。一部の実施態様では、脳振盪のリスクがあるまたは有する疑いがある対象は、脳傷害を検出、診断または監視するために、脳傷害の代替の診断または評価の必要性を予測するために、振盪性の脳傷害の治療のための患者を選択するために、提供される方法によって評価され得て、および/または、振盪性の脳傷害を有する、または有するまたは発症する可能性がある対象の治療と関連して用いられ得る。一部の実施態様では、外傷性脳傷害(例えば脳振盪)を有するまたは有する疑いがある対象は、切迫したまたは緊急の治療の必要がある、スポーツに関連した脳傷害または他の脳傷害を有するまたは有する疑いがある、または、落下または交通事故の被害を受けている者であってよい。
【0417】
一部の実施態様では、脳の傷害または損傷は、低酸素症に起因する。一部の実施態様では、低酸素症に起因する神経損傷および/または神経状態を有する個体は、脳卒中、血管炎、虚血および/または心疾患を有するまたは有した。一部の実施態様では、虚血は、例えば、心疾患、心臓発作または集中治療室内の滞在によって生じる、全般性虚血である。場合によっては、低酸素症は、体全体または体の領域が十分な酸素供給を奪われた病状と考えられ得る。一部の態様では、体が全体として、十分な酸素供給が奪われた場合、全身性低酸素症と呼ばれ得る。他の態様では、体の特定の領域が十分な酸素供給を奪われる場合、組織または局所低酸素症と呼ばれ得る。場合によっては、低酸素症は、組織損傷(例えば脳損傷)および細胞死さえもたらし得る。例えば、閉塞した動脈に起因した血流減少によって引き起こされる脳卒中は、血液供給不足および脳領域内の組織死をもたらし得るので、虚血性脳卒中と呼ばれる。最も一般的な虚血性脳卒中は、血栓性脳卒中および塞栓脳卒中を含む。血栓性脳卒中は、脳に血液を供給する動脈の1つにおいて血栓を形成する場合に生じる。凝血は、動脈内に作られる脂肪堆積(例えば、プラーク)に起因し得て、血流の減少(例えば、アテローム性動脈硬化症)または他の動脈状態を引き起こす。塞栓脳卒中は、血栓または他のデブリが脳から、例えば心臓内に形成するときに生じて、血流を通して押し流されて、より狭い脳動脈内に入る。
【0418】
一部の実施態様では、提供される方法は、低酸素脳傷害または低酸素脳傷害の可能性を検出、診断または監視するため、低酸素脳傷害または低酸素脳傷害に関する潜在性の代替の診断または評価のための必要性を予測するため、低酸素脳の傷害または損傷の治療のための対象を選択するために用いられてよく、および/または、低酸素脳傷害を有するまたは有する疑いがある対象を治療する方法と関連して用いられてよい。一部の実施態様では、提供される方法は、脳卒中、血管炎または虚血と関連する脳損傷または傷害、または脳損傷または傷害の可能性を検出、診断または監視するため;脳卒中、血管炎または虚血と関連する脳損傷または傷害、または脳損傷または傷害の可能性の代替の診断または評価のための必要性を予測するため;脳卒中、血管炎または虚血の治療のための対象を選択するために用いられてよく;および/または脳卒中、血管炎または虚血を有するまたは有する疑いがある対象を治療する方法と関連して用いられてよい。
【0419】
一部の実施態様では、脳の傷害または損傷は、感染性疾患に起因する。場合によっては、感染性疾患は、脳細胞を直接的に損傷し得て、または、近くの細胞を損傷させる炎症(例えば脳炎)を引き起こし得て、個体は、感染性疾患をもたらすまたはそれと関連する感染を有するまたは有した。一部の実施態様では、対象は、ウイルス、細菌、真菌類、寄生生物またはプリオンによる感染に起因して脳の傷害または損傷を有するまたは潜在的に有する。感染性疾患による感染は、例えば中枢神経系において、急性または慢性の炎症をもたらし得る。例えば、ウイルスによる感染はウイルス脳炎(例えば、HIV脳炎)をもたらし得て、細菌による感染は脳内の髄膜炎または膿瘍の形成をもたらし得る。一部の実施態様では、ウイルスは、西ナイルウイルス、単純ヘルペスウイルス(例えばHSV-1、HSV-2、HSV-3、HSV-4またはHSV-5)、ダニ媒介性脳炎ウイルス、HIV、またはポックスウイルスである。一部の実施態様では、細菌は、グラム陰性細菌またはグラム陽性細菌である。一部の実施態様では、グラム陽性細菌は、マイコバクテリア(例えば結核菌)である。ウイルス、細菌、真菌類、寄生生物またはプリオンによる感染に起因する疾患は、細胞を直接損傷させ得て、または、脳内または神経系の細胞などの近くの細胞に傷害をもたらす炎症を引き起こし得る。一部の実施態様では、提供される方法は、任意のそのような感染性疾患に関連または起因する、脳の傷害または損傷、または脳損傷または傷害の可能性を、検出、診断または監視するため;そのような感染性疾患と関連する脳損傷または傷害、または脳損傷または傷害の可能性の代替の診断または評価に関する必要性を予測するため;感染性疾患の治療のための対象を選択するために用いられ得て;または、感染性疾患を有するまたは有する疑いがある対象の治療と関連して用いられ得る。
【0420】
一部の実施態様では、損傷の脳傷害は、疾患過程または神経細胞に影響を及ぼす状態に起因し、個体は、神経細胞に影響する疾患を有するまたは有した。I 本明細書において検討される神経細胞に影響する疾患は、限定されないが、虚血性脳卒中、出血性脳卒中、くも膜下出血、頭蓋内出血、一過性脳虚血発作、血管性認知症、皮質基底核神経節変性、脳炎、てんかん、ランドウ・クレフナー症候群、水頭症、偽脳腫瘍、視床疾患、髄膜炎、脊髄炎、運動障害、本態性振戦、脊髄疾患、脊髄空洞症、アルツハイマー病(例えば、若年性アルツハイマー病または晩発性アルツハイマー病)、多発脳梗塞性認知症、ピック病、ハンチントン病、パーキンソン病、パーキンソン症候群、前頭側頭認知症、皮質基底核変性、多系統萎縮症、進行性核上麻痺、レビー小体病、血管性認知症、糖尿病性認知症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、プリオン病(例えば、クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD))、ダンディ・ウォーカー症候群、フリートライヒ運動失調症、マシャド・ジョセフ病、片頭痛、神経分裂症、気分障害および鬱病を含む。一部の実施態様では、神経細胞に影響する疾患は、アルツハイマー病、レビー小体病、血管性認知症、糖尿病性認知症、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、および/またはプリオン病である。一部の実施態様では、提供される方法は、例えば任意の上述の、神経細胞に影響を及ぼす状態または疾患を有するまたは有していた対象において脳の傷害または損傷の進行を検出、診断または監視するために;そのような疾患または状態と関連する脳損傷または傷害、または脳損傷または傷害の可能性の代替の診断または評価に関する必要性を予測するために;そのような疾患または状態の治療のための対象を選択するために用いられ得て;または、例えば疾患または状態を有するまたは有する疑いがある対象の治療と関連して用いられ得る。
【0421】
一部の実施態様では、脳の傷害または損傷は、急性または慢性いずれかの毒素による損傷に起因し、個体は、1つまたは複数の毒素への曝露を有するまたは有した。個体による毒素への曝露は、例えば、摂取、吸入、注入または毒素との物理的接触によって、任意の経路を通したものであってよい。曝露は、約1日、約2日、約3日 約4日、約5日、約6日または約7日までの期間にわたって1回または多数回生じていてよい。一部の実施態様では、曝露は、約1週、約2週、約3週または約4週までの期間にわたって1回または多数回生じていてよい。一部の実施態様では、曝露は、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約7ヶ月、約8ヶ月、約9ヶ月、約10ヶ月、約11ヶ月または約12ヶ月までの期間にわたって1回または多数回生じていてよい。一部の実施態様では、曝露は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10年までまたは約その期間までまたはそれよりも長い期間にわたって1回または多数回生じていてよい。本明細書において検討される毒素は、限定されないが、神経薬剤(例えば、フルオロリン酸類)、農薬、アルコール、重金属(例えば鉛)、精神賦活剤(例えば、3,4-メチレンジオキシメタンフェタミン(MDMA))、化学療法剤、抗生物質(例えば、ストレプトマイシン、セファロスポリンなど)、コスメティック薬剤(例えば、BOTOX(登録商標))、または、細菌、ウイルス、プリオン、真菌類、または寄生生物から得られるもののような他の生物学的薬剤(例えば、ボツリヌス毒素)を含む。一部の実施態様では、提供される方法は、例えば任意の上述のものを含む毒素薬剤に起因または関連する毒素損傷と関連する状態または疾患を有する対象において、脳の傷害または損傷、または脳損傷または傷害の可能性を検出、診断または監視するため;そのような疾患または状態と関連する、脳の損傷または傷害、または脳の損傷または傷害の可能性の代替の診断または評価に関する必要性を予測するため;そのような疾患または状態の治療のための対象を選択するために用いられ得て;または、例えば疾患または状態または損傷を有するまたは有する疑いがある対象の治療と関連して用いられ得る。
【0422】
一部の実施態様では、脳の傷害または損傷は、神経細胞を損傷または影響し得る他の原因に起因する。一部の実施態様では、神経細胞損傷は、多発性硬化症、自己免疫炎症または直接の損傷と関連し得て、例えば対象に重症筋無力症またはギランバレー症候群をもたらし、または発作に起因する(例えばてんかんを有する対象)。一部の実施態様では、提供される方法は、神経細胞損傷を有するまたは有する疑いがある対象、例えば、多発性硬化症、重症筋無力症、ギランバレー症候群または他の自己免疫疾患またはてんかんを有する対象、または、他の点で発作を患っているまたは起こしやすい対象において、脳の傷害または損傷の進行を検出、診断または監視するため;そのような疾患または状態と関連する脳損傷または傷害、または脳損傷または傷害の可能性の代替の診断または評価に関する必要性を予測するため、そのような疾患または状態の治療のための対象を選択するために用いられ得て;または、そのような疾患または状態または損傷を有するまたは有する疑いがある対象の治療と関連して用いられ得る。
【0423】
したがって、提供される方法の恩恵を受ける個体または対象は、脳の傷害または損傷を有する疑いがあるまたはそのリスクがある者であり、異常な神経状態を有するまたは発症するリスクがある者、例えば、外傷性傷害(例えば、銃撃創傷、自動車事故、スポーツ事故または関連する負傷、振盪性の負傷、揺さぶられっ子症候群)、虚血事象(例えば、脳卒中、脳出血、心停止)、神経変性障害(例えば、アルツハイマー病、ハンチントン病、およびパーキンソン病;プリオン関連の疾患;他の形態の認知症)、てんかん、物質乱用(例えば、アンフェタミン、Ecstasy/MDMA、またはエタノールによるもの)、および末梢神経系病理学、例えば、糖尿病性神経障害、化学療法によって誘導される神経障害および神経因性疼痛に起因する脳傷害の被害者を含む。例えば、提供される方法は、特定の疾患または状態と関連する脳損傷、または脳損傷の可能性を検出、診断または監視するため;そのような特定の疾患または状態と関連する脳損傷、または脳損傷の可能性の代替の診断または評価に関する必要性を予測するため、特定の疾患または状態の治療のための対象を選択するために用いられ得て、および/または、疾患または状態を有するまたは有する疑いがある対象の治療と関連して用いられ得て、ここで、そのような疾患および状態は、限定されないが、外傷性脳傷害、脳卒中、アルツハイマー病、てんかん、低酸素虚血性脳症(HIE)、慢性の外傷性脳症(CTE)、自己免疫疾患(例えば、重症筋無力症、ギランバレー症候群など)、多発性硬化症、発作、てんかん、神経障害、脳損傷、薬物またはアルコール中毒に起因する神経損傷、または、脳または神経系、例えば中枢神経系または末梢神経系と関連する他の疾患および障害を含む。
【0424】
提供される方法のうち、一部の実施態様では、対象が、脳の傷害または損傷(例えば、神経損傷および/または神経状態、例えば、外傷性脳傷害または記載される他の損傷または傷害に起因する)を有する、または、有するまたは発症する可能性があると予測されるかどうか、診断または判定する方法であり、上述のステップ(a)~(c)を含み、サンプル中のUCH-L1および/またはGFAPの量を決定した後に、それぞれの閾値レベルまたは値、例えば事前に決定された閾値レベルに対して、UCH-L1および/またはGFAPの量を比較するステップをさらに含む。一部の実施態様では、閾値レベルは、健康または正常の対象または脳損傷または傷害を有する疑いがない対象の群において平均してサンプル中に見られるUCH-L1および/またはGFAPの量の、それぞれ、そのレベルまたは約そのレベルまたはそれよりも上(例えば、約1.2倍、1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍上のレベルまたは約そのレベルまたはそれよりも多いまたはそれよりも多い)である。検出に用いられる特定のアッセイおよび/または用いられる特定の抗体試薬(単数または複数)に応じて、脳の傷害または損傷の診断に関する閾値レベルを決定することは、当業者のレベル内である。一部の実施態様では、対象は、サンプル中のUCH-L1の量が閾値レベルよりも上ならば、脳の傷害または損傷(例えば外傷性脳傷害または記載される他の損傷または傷害)を有する、または有するまたは発症する可能性があると診断または判定される。一部の実施態様では、対象は、サンプル中のGFAPの量が閾値レベルよりも上ならば、脳の傷害または損傷(例えば外傷性脳傷害または記載される他の損傷または傷害)を有する、または有するまたは発症する可能性があると診断または判定される。一部の実施態様では、対象は、サンプル中のUCH-L1およびGFAPの量が閾値レベルよりも上ならば、脳の傷害または損傷(例えば外傷性脳傷害または記載される他の損傷または傷害)を有する、または有するまたは発症する可能性があると診断または判定される。
【0425】
提供される方法のうち、一部の実施態様では、治療を必要とする対象を特定する方法、および/または、脳の傷害または損傷(例えば、神経損傷および/または神経状態、例えば外傷性脳傷害または記載される他の損傷または傷害に起因する)を有する、または有するまたは発症する可能性があることが判定される対象に関して治療を選択するまたは選択しない方法であり、上述のステップ(a)~(c)を含み、UCH-L1および/またはGFAPの決定された量がサンプル中のUCH-L1および/またはGFAPの量に関する閾値よりも上ならば、治療を必要とすると対象を同定するステップおよび/または対象に関する治療を選択するステップ、または、UCH-L1および/またはGFAPの決定された量がサンプル中のUCH-L1および/またはGFAPの量に関する閾値レベル以下ならば、治療を必要としないと対象を同定するステップおよび/または対象に関する治療を選択しないステップをさらに含む。一部の実施態様では、閾値レベルは、健康または正常の対象または脳損傷または傷害を有する疑いがない対象の群において平均してサンプル中に見られるUCH-L1および/またはGFAPの量の、それぞれ、そのレベルまたは約そのレベルまたはそれよりも上(例えば、1.2倍、1.5倍または2倍上以内)である。治療を必要とする対象を同定するまたは同定しないため、および/または、特定の治療のような因子に依存して脳の傷害または損傷を有する、または有するまたは発症する可能性がある対象に関して治療を選択するまたは選択しないために、閾値レベルを決定することは当業者のレベル内であり、検出に用いられる特定のアッセイおよび/または用いられる特定の抗体試薬(単数または複数)および他の因子は、当業者のレベル内である。一部の実施態様では、対象は、サンプル中のUCH-L1の量が閾値レベルよりも上ならば、治療を必要とすると同定される、および/または、脳の傷害または損傷(例えば外傷性脳傷害または記載される他の損傷または傷害)に関する治療のために選択される、または、サンプル中のUCH-L1の量が閾値レベル以下ならば、治療を必要としないと同定される、および/または、治療のために選択されない。一部の実施態様では、対象は、サンプル中のGFAPの量が閾値レベルよりも上ならば、治療を必要とすると同定される、および/または、脳の傷害または損傷(例えば外傷性脳傷害または記載される他の損傷または傷害)に関する治療のために選択される、または、対象は、サンプル中のGFAPの量が閾値レベル以下ならば、治療を必要としないと同定される、および/または、治療のために選択されない。一部の実施態様では、対象は、サンプル中のUCH-L1およびGFAPの量がそれぞれ、それぞれの閾値レベルよりも上ならば、治療を必要とすると同定される、および/または、脳の傷害または損傷(例えば外傷性脳傷害または記載される他の損傷または傷害)に関する治療のために選択される、または、対象は、サンプル中のUCH-L1およびGFAPの量がそれぞれ、それぞれの閾値レベル以下であるならば、治療を必要としないと同定される、および/または、治療のために選択されない。
【0426】
一部の実施態様では、そのような方法は、状態または疾患の進行を経時的に監視するステップをさらに含んでよい。一部の実施態様では、対象が脳の傷害または損傷(例えば、神経損傷および/または神経状態、例えば、外傷性脳傷害または記載される他の損傷または傷害に起因する)を有する、または、有するまたは発症する可能性があると予測されるかどうか判定する上記方法は、最初の傷害または損傷または最初の傷害または損傷の可能性または潜在性の後に得られた対象由来のサンプルに対して、最初の試験後に定期的に繰り返されてよい。一部の実施態様では、当該方法は、最初の試験または以前の試験後24時間以内、最初の試験または以前の試験の48時間以内、最初の試験または以前の試験の72時間以内、最初の試験または以前の試験の96時間以内、最初の試験または以前の試験の1週間以内、最初の試験または以前の試験の2週間以内、最初の試験または以前の試験の3週間以内、最初の試験または以前の試験の1ヶ月以内、最初の試験または以前の試験の6ヶ月以内または最初の試験または以前の試験の1年以内に、集められたサンプルから繰り返される。一部の実施態様では、1つまたは複数のその後の試験の後に、対象は、脳の傷害または損傷を有することを診断または判定される。一部の実施態様では、1つまたは複数のその後の試験後に、対象は、もはや脳の傷害または損傷のリスクがないことを診断または判定される。一部の実施態様では、1つまたは複数のその後の試験後に、対象は、治療が必要であるとして選択される、または、脳の傷害または損傷の治療のために選択される。一部の実施態様では、1つまたは複数のその後の試験後に、対象(subjected)は、もはや脳の傷害または損傷のための処置または治療の必要がないと同定される。
【0427】
一部の実施態様では、任意の上記の方法は、治療的に有効量の1つまたは複数の治療的薬剤を対象に投与して、脳損傷または傷害(例えば外傷性脳傷害または記載される他の損傷または傷害)を治療するステップをさらに含む。例えば、一部の実施態様では、対象が、治療を必要とすると選択される、または、脳損傷または傷害(例えば、神経損傷および/または神経状態、例えば、外傷性脳傷害または記載される他の損傷または傷害に起因する)の治療のために選択されるならば、当該方法は、脳の傷害または損傷に関して対象を治療するステップをさらに含む。したがって、対象において神経損傷および/または神経状態を治療する方法も提供されて、上記のステップ(a)~(c)を含み、治療的に有効量の1つまたは複数の治療的薬剤を投与して、脳損傷または傷害(例えば、神経損傷および/または神経状態、例えば、外傷性脳傷害または記載される他の損傷または傷害に起因する)を治療するステップをさらに含む。
【0428】
一部の実施態様では、治療的薬剤は、神経損傷および/または神経状態の診断に基づいて選択され得る。一部の実施態様では、治療的薬剤は、N-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)受容体拮抗薬、ナトリウムチャネル拮抗薬、一酸化窒素シンターゼ(NOS)阻害剤、グリシン部位拮抗薬、カリウムチャネルオープナー、AMPA/カイニン酸受容体拮抗薬、カルシウムチャネル拮抗薬、GABA-A受容体モジュレーター、抗炎症剤、またはそれらの組み合わせである。
【0429】
提供される方法のうち、一部の態様では、脳の傷害または損傷(例えば、神経損傷および/または神経状態、例えば、外傷性脳傷害または記載される他の損傷または傷害に起因する)の存在または重症度を評価するために、神経画像処理診断試験、例えば、CT(CAT)スキャンまたはMRIを必要とするまたは必要としない個体の可能性を予測する方法である。一部の実施態様では、提供される方法は、対象が脳傷害を有する、または有するまたは発症する可能性があるかどうか評価または判定するために、より複雑な方法、例えばCTスキャンと関連し、またはそれと一致することが分かる。しかしながら、異常なCTスキャンは一般に、重度の脳損傷または傷害(例えば重度の外傷性脳傷害)を検出するのに有用であるが、軽度または中度の脳傷害(例えば軽度または中度の外傷性脳傷害)を検出するためには、常に適切または信頼性があるわけではない。さらに、一部の態様では、CTスキャンのような神経画像処理方法は、複雑であり、高価であり、損傷または傷害の時点または時点付近ですぐに利用可能でない。CTスキャンを含む多くの神経画像処理方法は、電離放射線曝露を引き起こす潜在性を有しており、乱用すると問題となり得る。したがって、これらの他の方法と比較して、提供される方法は、量的であり、より急速に得られて、より安全であり、応急手当または救急処置室以外を含む対象にとってすぐに利用可能でアクセス可能であり、より高価でない。その結果として、提供される方法は、より複雑で高価な診断方法に関する必要性を、そのような方法が必要でないと予測される場合に避けることができる。
【0430】
一部の実施態様では、個体が神経画像処理診断試験を必要とするまたは必要としない可能性を予測する提供される方法は、上述のステップ(a)~(c)を含み、サンプル中のUCH-L1および/またはGFAPの量を決定した後に、UCH-L1および/またはGFAPの決定された量が閾値よりも上ならば対象は神経画像処理診断試験(例えばCTスキャン)を必要とすると予測または判定する、または、UCH-L1および/またはGFAPの決定された量が閾値以下ならば対象は神経画像処理診断試験(例えばCTスキャン)を必要としないと予測または判定するステップをさらに含む。一部の実施態様では、UCH-L1の決定された量が閾値レベルよりも上ならば対象は神経画像処理診断試験(例えばCTスキャン)を必要とすると予測または判定される、または、UCH-L1の決定された量が閾値以下ならば神経画像処理診断試験(例えばCTスキャン)を必要としないと予測または判定される。一部の実施態様では、GFAPの決定された量が閾値レベルよりも上ならば対象は神経画像処理診断試験(例えばCTスキャン)を必要とすると予測または判定される、または、GFAPの決定された量が閾値レベル以下ならば神経画像処理診断試験(例えばCTスキャン)を必要としないと予測または判定される。一部の実施態様では、UCH-L1およびGFAPの決定された量がそれぞれ、それぞれの閾値レベルよりも上ならば、対象は神経画像処理診断試験(例えばCTスキャン)を必要とすると予測または判定される、またはUCH-L1およびGFAPの決定された量がそれぞれ、それぞれの閾値レベル以下ならば、神経画像処理診断試験(例えばCTスキャン)を必要としないと予測または判定される。
【0431】
神経画像処理技術は、当技術分野でよく知られていて、そのような技術は、本明細書における方法での使用のために検討される。本明細書において検討される神経画像処理技術は、限定されないが、コンピューター断層撮影(CT)、拡散光イメージング(DOI)、事象関連光学シグナル(event-related optical signal)(EROS)イメージング、磁気共鳴イメージング(MRI)、機能性磁気共鳴イメージング(fMRI)、脳磁気図検査(MEG)、陽電子放射断層撮影(PET)、単一光子放出型コンピューター断層撮影(SPECT)、および頭蓋の超音波を含む。本明細書における方法の一部の実施態様では、神経画像処理は、コンピューター断層撮影(CT)によるものである。本明細書における方法の一部の実施態様では、神経画像処理は、磁気共鳴イメージング(MRI)によるものである。
【0432】
一部の実施態様では、上記の方法のそれぞれに関して、閾値レベルまたは値は、成果の良好な予測値(例えば精度、感度、特異性および/またはAUC)が存在するカットオフであるもの、例えば、脳損傷が生じるはずである、または可能性があるもの、対象がさらなる神経画像処理(例えばCTスキャン)を必要とするまたは必要とする可能性があるもの、および/または、対象が治療的介入を必要とするまたは必要とする可能性があるものである。場合によっては、そのような閾値レベルまたは値は、脳損傷または傷害(例えば外傷性脳傷害の存在、例えば軽度または中度の外傷性脳損傷または傷害)の存在、神経画像処理に関する必要性および/または治療的介入に関する必要性に対して、例えば、バイオマーカーの相関、または、個々に、UCH-L1およびGFAPバイオマーカーのそれぞれに関して以前に評価された複数の対象から、当該方法を行なう前に事前決定または知られてよく、または事前決定または知られている。
【0433】
一部の実施態様では、閾値レベルまたは値は、脳の傷害または損傷を有するまたは有する疑いがある対象の集団におけるバイオマーカーまたはそれぞれのバイオマーカー(UCH-L1および/またはGFAP)の受信者動作特性(ROC)曲線に基づく。一部の態様では、閾値は、対象において評価、検出または測定されるバイオマーカーの量または濃度である。場合によっては、閾値は、ユーデン指標によって決定されて、場合によっては、感度および特異性が最大である値である。一部の実施態様では、良好な予測値(例えば精度、感度、特異性および/またはAUC)が存在する閾値またはカットオフを決定するための、当業者に公知の他の方法は、閾値を決定または設定するために用いられてもよい。
【0434】
一部の実施態様では、任意の上記の方法における、GFAPまたはUCH-L1の閾値レベル、またはGFAPおよびUCH-L1の閾値レベルの組み合わせは、0.50よりも大きい、0.60よりも大きい、0.70よりも大きい、0.80よりも大きい、0.90よりも大きい、または0.95よりも大きい感度または純感度を提供するように事前決定または選択された値(単数または複数)に基づき、またはそれを提供する。場合によっては、任意の上記の方法における、GFAPまたはUCH-L1の閾値レベル、またはGFAPおよびUCH-L1の閾値の組み合わせは、0.25よりも大きい、0.30よりも大きい、0.40よりも大きい、0.50よりも大きい、0.60よりも大きい、0.70よりも大きい、0.80よりも大きい、0.90よりも大きい、または0.95よりも大きい特異性または純特異性を提供するように事前決定または選択された値(単数または複数)に基づき、またはそれを提供する。一部の態様では、それぞれのバイオマーカーに関する閾値、または閾値の組み合わせは、例えばROC分析において、0.65よりも大きいまたは約それよりも大きい、0.70よりも大きいまたは約それよりも大きい、0.75よりも大きいまたは約それよりも大きい、0.80、0.85よりも大きいまたは約それよりも大きい、0.90よりも大きいまたは約それよりも大きい、または0.95よりも大きいまたは約それよりも大きい曲線下面積(AUC)を提供するように選択されて、またはそれを提供する。
【0435】
任意の上記の方法の一部の態様では、GFAPの閾値レベルまたは量は、10pg/mLまたは約10pg/mLであり、20pg/mLまたは約20pg/mLであり、30pg/mLまたは約30pg/mLであり、40pg/mLまたは約40pg/mLであり、50pg/mlまたは約50pg/mlであり、60pg/mLまたは約60pg/mLであり、70pg/mLまたは約70pg/mLであり、80pg/mLまたは約80pg/mLであり、90pg/mLまたは約90pg/mLであり、100pg/mLまたは約100pg/mLであり、150pg/mLまたは約150pg/mLであり、200pg/mLまたは約200pg/mLであり、250pg/mLまたは約250pg/mLであり、または、300pg/mLまたは約300pg/mLである。
【0436】
任意の上記の方法の一部の態様では、UCH-L1の閾値レベルまたは量は、30pg/mLまたは約30pg/mLであり、40mg/mLまたは約40mg/mLであり、60pg/mLまたは約60pg/mLであり、80pg/mLまたは約80pg/mLであり、100pg/mLまたは約100pg/mLであり、150pg/mLまたは約150pg/mLであり、200pg/mLまたは約200pg/mLであり、250pg/mLまたは約250pg/mLであり、300pg/mLまたは約300pg/mLであり、400pg/mLまたは約400pg/mLであり、または、500pg/mLまたは約500pg/mLである。
【0437】
任意の上記の方法の一部の態様では、GFAPの閾値レベルまたは量は、参照サンプル中に見られるGFAPの量の、(約)0.2倍、0.5倍、1倍、1.2倍、1.5倍、2倍、2.5倍、3.0倍、3.5倍、4.0倍、4.5倍、5.0倍、6.0倍、7.0倍、8.0倍、9.0倍または10.0倍または約0.2倍、0.5倍、1倍、1.2倍、1.5倍、2倍、2.5倍、3.0倍、3.5倍、4.0倍、4.5倍、5.0倍、6.0倍、7.0倍、8.0倍、9.0倍または10.0倍、またはそれよりも上である。一部の実施態様では、参照サンプルは、脳損傷または傷害を有する疑いがない健康または正常の対象由来である。一部の実施態様では、参照サンプルは、脳損傷または傷害を有する疑いがない健康または正常の対象のグループ由来のサンプルの平均である。
【0438】
任意の上記の方法の一部の態様では、UCH-L1の閾値レベルまたは量は、参照サンプル中に見られるUCH-L1の量の、(約)0.2倍、0.5倍、1倍、1.2倍、1.5倍、2倍、2.5倍、3.0倍、3.5倍、4.0倍、4.5倍、5.0倍、6.0倍、7.0倍、8.0倍、9.0倍または10.0倍または約0.2倍、0.5倍、1倍、1.2倍、1.5倍、2倍、2.5倍、3.0倍、3.5倍、4.0倍、4.5倍、5.0倍、6.0倍、7.0倍、8.0倍、9.0倍または10.0倍、またはそれよりも上である。一部の実施態様では、参照サンプルは、脳損傷または傷害を有する疑いがない健康または正常の対象由来である。一部の実施態様では、参照サンプルは、脳損傷または傷害を有する疑いがない健康または正常の対象のグループ由来のサンプルの平均である。
【0439】
任意の上記の方法の一部の態様では、GFAPの閾値レベルまたは量は、参照サンプル中に見られるGFAPの量の、5%または約5%、10%または約10%、20%または約20%、30%または約30%、40%または約40%、50%または約50%、60%または約60%、70%または約70%、80%または約80%、90%または約90%、または、95%または約95%、またはそれよりも上である。一部の実施態様では、参照サンプルは、脳損傷または傷害を有する疑いがない健康または正常の対象由来である。一部の実施態様では、参照サンプルは、脳損傷または傷害を有する疑いがない健康または正常の対象のグループ由来のサンプルの平均である。
【0440】
任意の上記の方法の一部の態様では、UCH-L1の閾値レベルまたは量は、参照サンプル中に見られるUCH-L1の量の、5%または約5%、10%または約10%、20%または約20%、30%または約30%、40%または約40%、50%または約50%、60%または約60%、70%または約70%、80%または約80%、90%または約90%、または、95%または約95%、またはそれよりも上である。一部の実施態様では、参照サンプルは、脳損傷または傷害を有する疑いがない健康または正常の対象由来である。一部の実施態様では、参照サンプルは、脳損傷または傷害を有する疑いがない健康または正常の対象のグループ由来のサンプルの平均である。
【0441】
特定の脳の傷害または損傷に関する特定の閾値は、当業者によって経験的に決定され得る。一部の実施態様では、約200pg/mlまたはそれよりも少ないサンプル中のUCH-L1の量および/または約70pg/mlまたはそれよりも少ないサンプル中のGFAPの量は、個体が、神経画像処理(例えばCTスキャン)を必要としないことを示す。一部の実施態様では、約201pg/mlまたはそれよりも多いサンプル中のUCH-L1の量および/または約71pg/mlまたはそれよりも多いサンプル中のGFAPの量は、個体が、神経画像処理(例えばCTスキャン)を必要とすることを示す。
【0442】
提供される方法のうち、一部の実施態様では、脳の傷害または損傷または脳傷害の可能性(例えば、神経損傷および/または神経状態、例えば、外傷性脳傷害または記載される他の損傷または傷害に起因する)に関して治療される対象における治療の成功を監視する方法である。一部の実施態様では、提供される方法は、、脳の傷害または損傷または脳の傷害または損傷の可能性に関して対象を治療した後に、上述のステップ(a)~(c)を繰り返すステップを含む。一部の実施態様では、治療の成功を監視する方法は、サンプル中のUCH-L1および/またはGFAPの量を、最初の試験後または以前の試験後のサンプル中のUCH-L1および/またはGFAPの量と比較するステップをさらに含み、UCH-L1および/またはGFAPの量が最初の試験または以前の試験由来のサンプル中の量と同じまたはそれよりも多いならば、治療または処置は効果的でない、または、UCH-L1および/またはGFAPの量が最初の試験または以前の試験由来のサンプル中の量未満であるならば、治療または処置は効果的である。一部の実施態様では、治療の成功を監視する方法は、サンプル中のUCH-L1の量を、最初の試験後または以前の試験後のサンプル中のUCH-L1の量と比較するステップをさらに含み、UCH-L1の量が最初の試験または以前の試験由来のサンプル中の量と同じまたはそれよりも多いならば、治療または処置は効果的でない、または、UCH-L1の量が最初の試験または以前の試験由来のサンプル中の量未満であるならば、治療または処置は効果的である。一部の実施態様では、治療の成功を監視する方法は、サンプル中のGFAPの量を、最初の試験後または以前の試験後のサンプル中のGFAPの量と比較するステップをさらに含み、GFAPの量が最初の試験または以前の試験由来のサンプル中の量と同じまたはそれよりも多いならば、治療または処置は効果的でない、または、GFAPの量が最初の試験または以前の試験由来のサンプル中の量未満であるならば、治療または処置は効果的である。一部の実施態様では、治療の成功を監視する方法は、サンプル中のUCH-L1およびGFAPの量を、最初の試験後または以前の試験後のランプル中のUCH-L1およびGFAPの量と比較するステップをさらに含み、UCH-L1およびGFAPの量が最初の試験または以前の試験由来のサンプル中の量と同じまたはそれよりも多いならば、治療または処置は効果的でない、または、UCH-L1およびGFAPの量が最初の試験または以前の試験由来のサンプル中の量未満であるならば、治療または処置は効果的である。
【0443】
一部の実施態様では、対象を処置する方法が効果的でないと判定されるならば、当該方法は、脳損傷または傷害(例えば、神経損傷および/または神経状態、例えば、外傷性脳傷害または記載される他の損傷または傷害に起因する)の治療を変更するステップをさらに含んでよい。一部の実施態様では、当該方法は、対象に投与される1つまたは複数の治療的薬剤の量(例えば投与量および/または頻度)を増大させるステップ、対象に投与される1つまたは複数の治療的薬剤の量(例えば投与量および/または頻度)を維持するステップ、または、脳損傷または傷害(例えば、神経損傷および/または神経状態、例えば、外傷性脳傷害または記載される他の損傷または傷害に起因する)を処置するための治療の処置を変更するステップを含む。
【0444】
一部の実施態様では、対象を治療する方法が効果的であると判定されるならば、当該方法は、脳損傷または傷害(例えば、神経損傷および/または神経状態、例えば、外傷性脳傷害または記載される他の損傷または傷害に起因する)の治療を変更するステップをさらに含んでよい。一部の実施態様では、当該方法は、対象に投与される1つまたは複数の治療的薬剤の量(例えば投与量および/または頻度)を低減させるステップ、特定の治療的薬剤による治療を中止するステップ、または、脳損傷または傷害(例えば、神経損傷および/または神経状態、例えば、外傷性脳傷害または記載される他の損傷または傷害に起因する)を処置するための治療の処置を変更するステップを含む。
【0445】
[VI.キット、製造品およびシステム]
抗-UCH-L1抗体、抗-GFAP抗体または1つまたは複数の抗-UCH-L1および/または抗-GFAP抗体の組み合わせ(例えば本明細書に記載のもの)を含む、製造品またはキットが本明細書において提供される。一部の実施態様では、キットは、任意の提供される方法と一致して、1つまたは複数のサンプルにおいてUCH-L1および/またはGFAPを検出するためのシステムまたはデバイスと関連する操作に適合する。一部の実施態様では、キットは、デバイスをさらに備える。一部の実施態様では、キットは、デバイスまたはシステムと適合し得て、または、GFAPおよび/またはUCH-L1を検出または評価するための、例えば、任意の提供される方法と一致して、例えば、個体における神経学的または脳損傷または傷害および/または神経状態を評価するための、デバイスまたはシステムを備え得る。
【0446】
一部の実施態様では、記載される1つまたは複数の抗-UCH-L1および/または抗-GFAP抗体を含むことに加えて、キットは、当該方法を行なうための試薬をさらに含む。キットは、任意選択で、1つまたは複数の構成要素、例えば、使用のための説明書、デバイスおよびさらなる試薬(例えば、組成物の希釈および/または凍結乾燥されたタンパク質の再構成のための滅菌水または生理食塩水)、および、当該方法の実行のためのチューブ、コンテナーおよびシリンジのような構成要素を含んでもよい。一部の実施態様では、キットは、サンプルの回収、サンプルの調製および処理のための試薬、および/または、サンプル中のUCH-L1またはGFAPの量を定量化するための試薬、例えば、制限されないが、検出試薬、例えば抗体、バッファー、酵素染色のための基質、クロマゲンまたは他の材料、例えば、スライド、コンテナー、マイクロタイタープレート、および任意選択で、方法を行なうための説明書をさらに含んでよい。当業者は、提供される方法に従って用いられ得る多くの他のあり得るコンテナーおよびプレートおよび試薬を認識する。
【0447】
一部の実施態様では、製造品またはキットは、任意の提供される方法を行なうための試薬または構成要素を含む。一部の実施態様では、製造品またはキットは、ガラス(例えば、制御されたポアガラス)、多糖類(例えば、アガロース)、ポリアクリルアミド、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、セルロース、ナイロン、シリコーン類、および、抗体の直接または間接的な付着のために固体支持体において用いられる当該分野でよく知られている他の材料で形成された固体支持体を含む固体支持体を備える。本明細書において提供される製造品またはキットに含まれる固体支持体は、限定されないが、ビーズ、カラム(例えば、クロマトグラフィーカラムなど)、アレイ(例えば、マイクロアレイ、ナノアレイなど)、アッセイプレート、カートリッジ、スティック、フィルター、ストリップまたは本明細書に記載の任意の他の固体支持体を含む。一部の実施態様では、製造品またはキットは、1つまたは複数の抗-UCH-L1抗体および/または1つまたは複数の抗-GFAP抗体を固体支持体に付着させるための説明書を含む。一部の実施態様では、製造品またはキットは、固体支持体に直接または間接的に付着された1つまたは複数の抗-UCH-L1抗体および/または1つまたは複数の抗-GFAP抗体を含む。
【0448】
一部の実施態様では、製造品またはキットは、1つまたは複数の試薬、または、第二の抗体、親和性標識、捕捉試薬、バッファー、希釈剤、シグナル検出薬剤、フィルター、ニードル、シリンジ、キャピラリーチューブ、および、使用のための説明書を含む添付文書を含む、工業的、治療的、およびユーザー立場から望ましい他の材料を備える。
【0449】
一部の実施態様では、キットは、標準を表わすコントロールサンプル、または、UCH-L1および/またはGFAPを測定するため、例えば試験サンプル中のタンパク質の量を決定または定量化するための参照を含んでもよい。一部の実施態様では、標準または参照は、組み換えUCH-L1またはGFAPタンパク質または単離または精製されたネイティブのUCH-L1またはGFAPタンパク質または組織または他のサンプルから得られた組成物であってよい。一部の例では、キットは、一組の2以上の抗-UCH-L1抗体およびUCH-L1標準または参照および/または一組の2以上の抗-GFAP抗体およびGFAP標準または参照を含む。
【0450】
一部の実施態様では、キットは、サンプル(例えば、ヒト血清)中のUCH-L1の量の定性的および/または定量的な決定を提供する。一部の実施態様では、定性的および/または定量的に決定されるUCH-L1の量は、約80pg/mL~約2560pg/mLである。一部の実施態様では、キットは、サンプル(例えば、ヒト血清)中のGFAPの量の定性的および/または定量的な決定を提供する。一部の実施態様では、定性的および/または定量的に決定されるGFAPの量は、約10pg/mL~約320pg/mLである。
【0451】
一部の実施態様では、キットは、抗体またはその組成物または1つまたは複数のさらなる試薬または構成要素のパッケージングのためのパッケージング材料を含む製造品として提供され得る。例えばキットは、コンテナー、ボトル、チューブ、バイアル、および、キットの構成要素を分離または組織化するのに適切な任意のパッケージング材料を備えてよい。
【0452】
一部の実施態様では、キットは、1つまたは複数のコンテナーを備える。適切なコンテナーは、例えば、ボトル、バイアル(例えば、デュアルチャンバーバイアル)、シリンジ(例えば、シングルまたはデュアルチャンバーシリンジ)および試験チューブを含む。1つまたは複数のコンテナーは、ガラスまたはプラスチックのような様々な材料から形成されてよい。1つまたは複数のコンテナーは、当該方法での使用のための抗体または他の試薬を含む組成物を保持する。本明細書における製造品またはキットは、別個のコンテナーまたは同一のコンテナー内に抗体または試薬を含んでよい。1つの例では、製造品またはキットは、一組の2以上の抗-UCH-L1抗体を含む組成物を含むコンテナーを備えてよい。他の例では、2以上の抗体または試薬が同一のコンテナー内に提供される場合は、それぞれの構成要素または試薬は、例えばディバイダーによってコンテナーにおいて1つまたは複数の他の構成要素から分離されている。別の例としては、製造品またはキットは、第一の抗-UCH-L1抗体または抗体のセットを含む組成物を含む第一のコンテナーおよび第二の抗-UCH-L1抗体または抗体のセットを含む組成物を含む第二のコンテナーを備えてよい。一部の実施態様では、製造品またはキットは、第一の抗-GFAP抗体または抗体のセットを含む組成物を含む第一のコンテナーおよび第二の抗-GFAP抗体または抗体のセットを含む組成物を含む第二のコンテナーを備えてよい。一部の実施態様では、製造品またはキットは、抗-UCH-L1抗体および/または抗-GFAP抗体の任意の組み合わせ、例えば本明細書に記載の組み合わせ(例えば組成物の組み合わせ)を含む任意の多数のコンテナーを備えてよい。一部の実施態様では、組成物を保持する1つまたは複数のコンテナーは、単使用バイアルまたは多使用バイアルであってよく、場合によっては、再構成された組成物の繰り返し使用を可能にし得る。
【0453】
一部の実施態様では、製造品またはキットは、適切な希釈剤を含む第二のコンテナーをさらに備えてよい。製造品またはキットは、工業的、治療的、およびユーザー立場から望ましい他の材料をさらに備えてよく、他のバッファー、希釈剤、フィルター、ニードル、シリンジ、治療的薬剤および/または使用のための説明書を含む添付文書を備える。
【0454】
一部の実施態様では、キットは、任意選択で説明書を含んでもよい。説明書は典型的に、キット内に含まれる抗体および任意選択で他の構成要素、およびサンプル中のUCH-L1および/またはGFAPを検出するための抗体を用いるための方法を説明する実体的な表現を含む。一部の実施態様では、説明書は、コンテナー上にある、またはそれと関連する、ラベルまたは添付文書として提供される。一部の実施態様では、説明書は、組成物の使用および/または再構成のための指示を示し得る。一部の実施態様では、説明書は、個体におけるUCH-L1のインビトロ検出の方法での1つまたは複数の抗-UCH-L1抗体の使用のための指示を提供する。一部の実施態様では、製造品またはキットは、個体におけるGFAPのインビトロ検出の方法での1つまたは複数の抗-GFAP抗体の使用のための説明書を含む。一部の実施態様では、製造品またはキットは、個体におけるUCH-L1および/またはGFAPのインビトロ検出の方法での、本明細書に記載の抗体の組み合わせ、例えば1つまたは複数の抗-UCH-L1抗体および/または1つまたは複数の抗-GFAP抗体の使用のための説明書を含む。一部の実施態様では、説明書は、個体が、ヒトであることを特定する。一部の実施態様では、説明書は、個体が、神経学的または脳損傷または傷害、例えば任意の上述のものを有するまたは有する疑いがあることを特定する。一部の実施態様では、説明書は、個体が、神経状態を有する、有する疑いがある、または有することが予測されることを特定する。一部の実施態様では、神経状態は、軽度外傷性脳傷害(MTBI)である。一部の実施態様では、ラベルまたは添付文書のような説明書は、組成物が、例えば本明細書に記載の任意の方法と関連して、UCH-L1および/またはGFAPの検出のインビトロ方法に関して有用または意図されることをさらに示し得る。
【0455】
一部の実施態様では、キットまたは製造品は、提供される方法に従って、結合した抗体を検出するためのデバイス(機器とも呼ばれる)との使用に適切であり、または使用のためのものである。一部の実施態様では、デバイスは、提供される抗体および試薬と関連して用いられて、当技術分野でよく知られている1つまたは複数の技術、例えば、制限されないが、分光光度法、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、免疫測定法、例えば酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)、ウエスタンブロット、自動化イメージング、免疫組織化学、フローサイトメトリー、マイクロアレイまたはナノアレイのようなアレイのハイスループットスクリーニングおよび表面プラズモン共鳴を用いてタンパク質検出を可能にし得るものである。一部の実施態様では、デバイスは、アッセイ出力を読み取るためのシステムを備え、例えば、アッセイ検出のための自動化細胞イメージングシステム(ACIS)、蛍光光度計、ルミノメーター、または分光光度計を備える。一部の実施態様では、キットまたは製造品は、デバイスを備える。
【0456】
一部の実施態様では、デバイスは、本明細書に記載の固体支持体のような固体支持体を含む。一部の実施態様では、固体支持体は、ビーズ、カラム、アレイ、マイクロウェル、アッセイプレート、カートリッジ、スティック、フィルター、またはストリップであってよく、またはそれらを備える。一部の実施態様では、固体支持体は、例えば、デバイスがサンプル中の1つまたは複数のタンパク質バイオマーカー(例えばUCH-L1および/またはGFAP)の検出のために作動しているとき、デバイスの中に挿入されて、デバイスに取り付けられて、および/または、デバイスによって保持される。一部の実施態様では、固体支持体、例えば1つまたは複数のマイクロウェルは、タンパク質を捕捉するための、少なくとも固定化結合剤、例えば捕捉試薬、例えば抗体、例えば本明細書に記載の第一の抗体を含んでよい。一部の実施態様では、固体支持体は、デバイスにおいて、デバイス中にローディングされるサンプルを受け取るように構成される。一部の実施態様では、サンプルは、デバイスとの、またはデバイスの中への、固体支持体のその挿入または付着の前に、固体支持体に添加される。一部の実施態様では、デバイスは、ディスペンサーから固体支持体へ溶液を添加するように、および/または、固体支持体から溶液を除去するようにさらに構成される。一部の実施態様では、溶液は、結合剤、例えば検出試薬、例えば抗体、例えば、タンパク質を検出するための本明細書に記載の第二の抗体であり、またはそれらを含む。一部の実施態様では、溶液は、洗浄溶液であり、またはそれを含む。一部の実施態様では、溶液は、基質またはストップ溶液であり、またはそれを含む。一部の実施態様では、デバイスは、1つまたは複数の上記の溶液を保持するように、および、デバイス内に保持または挿入された固体支持体中にそれぞれの溶液を適切な時間で個々に分注するように、構成される。
【0457】
一部の実施態様では、本明細書において提供されるデバイス(例えば、本明細書に記載の固体支持体を備えるデバイス)は、抗体(例えば、抗-UCH-L1抗体または抗-GFAP抗体)によって結合された標的抗原(例えば、UCH-L1またはGFAP)の量を定性的および/または定量的に決定するのに有用である。一部の実施態様では、定性的および/または定量的に決定されるUCH-L1の量は、約80pg/mL~約2560pg/mLである。一部の実施態様では、定性的および/または定量的に決定されるGFAPの量は、約10pg/mL~約320pg/mLである。
【0458】
一部の実施態様では、デバイスは、特定のバイオマーカー(単数または複数)、例えばUCH-L1および/またはGFAPを検出するアッセイ方法を自動化し、または部分的に自動化する。一部の実施態様では、機器によって自動化され得る動作は、限定されないが、インキュベーション段階中のサンプルの混合または撹拌、1つまたは複数の溶液の分注または添加、サンプルの洗浄、アッセイのインキュベーション時間の制御、光学照明および/または読み取り、および、サンプル中のバイオマーカー(例えばUCH-L1および/またはGFAP)量の計算を含む。一部の実施態様では、任意の上記の自動化ステップのタイミングは、例えば特有のガイドラインを分析するために、事前設定または事前決定されてよい。
【0459】
一部の実施態様では、デバイスは、ハンドヘルドデバイスのようなポータブルデバイスである。一部の実施態様では、デバイスは、静止デバイスである。一部の実施態様では、デバイスは、デスクトッププリンタ、またはそれよりも小さなサイズであってよく、医師のオフィス、病院研究室、または居住住宅における使用に適切であってよい。デバイスは、手作業で操作されてよく、または、自動的に操作されてよい。一部の実施態様では、デバイスは電子デバイスである。
【0460】
一部の実施態様では、デバイスは、計算システムまたはプロセッサを備える。一部の実施態様では、計算システムは、コンピューター可読媒体上に記録された1つまたは複数のコンピューター実行可能ロジック(例えば、1つまたは複数のコンピュータープログラム)を備える。例えば、コンピューターシステムまたはプロセッサは、以下の機能:(i)検出されたタンパク質に代表的なシグナルを処理する、(ii)サンプルから検出されたデータを参照標準と比較する(iii)サンプル中のタンパク質バイオマーカーの量または濃度を計算する;および/または(iv)タンパク質の計算された量または濃度に代表的な値を表示または出力することの一部または全部を実行するように構成される。計算システムは、本明細書に記載の方法のいずれか1つを行なうように構成され得る。
【0461】
一部の実施態様では、計算された量は、神経状態および/または神経損傷成果、例えば、記載される脳損傷または傷害の存在、不存在、または、それを有するまたは発症する可能性を決定するために用いられ得る。一部の実施態様では、脳の傷害または損傷の存在、不存在、またはそれを有するまたは発症する可能性を決定するステップは、タンパク質の量または濃度を、本明細書に記載の閾値またはカットオフ値と比較するステップを含む。一部の実施態様では、閾値に対する比較は、コンピューターによって行われる。一部の実施態様では、閾値またはカットオフに対する比較は、個体によって行われる。
【0462】
コンピューター実行可能ロジックは、任意の様々なタイプの汎用コンピューター、例えば、パソコン、ネットワークサーバー、ワークステーション、ハンドヘルドデバイスまたは現在または後に開発される他のコンピュータープラットフォームであり得る任意のコンピューターにおいて作動し得る。一部の実施態様では、コンピューター実行可能ロジック(プログラムコードを含む、コンピューターソフトウェアプログラム)が中に保存されたコンピューター使用可能媒体を備えるコンピューターシステムが記載される。コンピューター実行可能ロジックは、プロセッサによって実行され得て、プロセッサに本明細書に記載の機能を行なわせる。他の実施態様では、一部の機能は、例えば、ハードウェア状態機械を用いて、ハードウェアにおいて主に実行される。本明細書に記載の機能を行なうためのハードウェア状態機械の実行は、関連のある分野における技術者に明らかである。
【0463】
一部の実施態様では、システムは、迅速検出デバイスまたは迅速診断デバイスのようなデバイスである。一部の実施態様では、デバイスはサンプル中のタンパク質の量を、デバイス中にサンプルがローディング、アプライ、または添加された1分以内または約1分以内、2分以内または約2分以内、4分以内または約4分以内、8分以内または約8分以内、15分以内または約15分以内、30分以内または約30分以内、1時間以内または約1時間以内、または、2時間以内または約2時間以内に決定するように構成または自動化される。迅速検出デバイスの非限定的な例は、WO2011077333;WO2015143387;US20100198142;US20120178186;US20120168305;US20140370583;米国特許番号7,291,497;米国特許番号7,419,821;米国特許番号7,682,833;米国特許番号7,723,099;米国特許番号7,910,352;米国特許番号8,017,382;米国特許番号8,168,439;米国特許番号8,309,364;および米国特許番号9,023,651に記載されるデバイスに適合または基づくものを含む。本明細書において提供されるキットまたは製造品での使用に適切なデバイスは、市販されるデバイス、例えば、制限されないが、i-STAT(登録商標)ハンドヘルド(Abbott)、Minicare I-20(Phillips)および同様のハンドヘルドデバイスを含む。
【0464】
[VII.例示的な実施態様]
本明細書において提供される実施態様のうち:
1.ヒトユビキチンC末端ヒドロラーゼL1(UCH-L1)に特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントであって、前記抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号51~63のいずれか1つから選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号64~76のいずれか1つから選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0465】
2.実施態様1の抗体または抗原結合フラグメントであって、前記重鎖可変領域は、配列番号51~63のいずれか1つから選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一性を有するアミノ酸配列を含む;または、配列番号51~63のいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を有する。
【0466】
3.実施態様1または実施態様2の抗体または抗原結合フラグメントであって、前記軽鎖可変領域は、配列番号64~76から選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一性を有するアミノ酸配列を含む、または、配列番号64~76のいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を有する。
【0467】
4.実施態様1から3のいずれか1つの抗体または抗原結合フラグメントであって、
前記重鎖可変領域は、(i)配列番号1~8から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H1;(ii)配列番号9~19から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H2;および(iii)配列番号20~27から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H3;を含む、および/または、
前記軽鎖可変領域は、(i)配列番号28~36から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L1;(ii)配列番号37~44から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L2;および(iii)配列番号45~50から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
【0468】
5.実施態様1から4のいずれか1つの抗体または抗原結合フラグメントであって、
前記重鎖可変領域は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、配列番号51~63のいずれか1つから選択される重鎖可変領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3のアミノ酸配列をそれぞれ含む;および/または、
前記軽鎖可変領域は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、配列番号64~76のいずれか1つから選択される軽鎖可変領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3のアミノ酸配列をそれぞれ含む。
【0469】
6.ヒトユビキチンC末端ヒドロラーゼL1(UCH-L1)に特異的に結合する抗体または抗原結合フラグメントであって、前記重鎖可変領域は、配列番号53~62のいずれか1つから選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含み;および/または、軽鎖可変領域は、配列番号66~75のいずれか1つから選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0470】
7.実施態様6の抗体または抗原結合フラグメントであって、
前記重鎖可変領域は、配列番号53~62のいずれか1つから選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一性を含み、または、配列番号53~62のいずれかに示されるアミノ酸配列を含む;および/または、
前記軽鎖可変領域は、配列番号66~75のいずれか1つから選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一性を含み、または、配列番号66~75のいずれか1つに示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0471】
8.実施態様6または実施態様7の抗体または抗原結合フラグメントであって、
(1)前記重鎖可変領域は、(i)配列番号3~8から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H1;(ii)配列番号11~18から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H2;および(iii)配列番号20~27から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H3;を含み、および/または、前記軽鎖可変領域は、(i)配列番号30~36から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L1;(ii)配列番号37~44から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L2;および(iii)配列番号45~49から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L3;を含む、または、
(2)前記重鎖可変領域は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、配列番号53~62のいずれか1つから選択される重鎖可変領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3のアミノ酸配列をそれぞれ含み、および/または、前記軽鎖可変領域は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、配列番号66~75のいずれか1つから選択される軽鎖可変領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3のアミノ酸配列をそれぞれ含む。
【0472】
9.ヒトユビキチンC末端ヒドロラーゼL1(UCH-L1)に特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントであって、前記抗体または抗原結合フラグメントは、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含み、
前記重鎖可変領域は、(i)配列番号1~8から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H1;(ii)配列番号9~18から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H2;および(iii)配列番号20~27から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H3;を含む、および/または、
前記軽鎖可変領域は、(i)配列番号28~36から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L1;(ii)配列番号37~44から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L2;および(iii)配列番号45~49から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
【0473】
10.実施態様1から5および9のいずれか1つの抗体または抗原結合フラグメントであって、前記抗体または抗原結合フラグメントは、
(a)配列番号1、配列番号9および配列番号20のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号28、配列番号37および配列番号45のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(b)配列番号2、配列番号10、配列番号21のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号29、配列番号38および配列番号46のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(c)配列番号3、配列番号11および配列番号20のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号30、配列番号37および配列番号45のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(d)配列番号4、配列番号12および配列番号22のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号31、配列番号39および配列番号47のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(e)配列番号5、配列番号13および配列番号23のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号32、配列番号39および配列番号47のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(f)配列番号6、配列番号14および配列番号24のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号33、配列番号40、配列番号48のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(g)配列番号6、配列番号14および配列番号24のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号34、配列番号41および配列番号48のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(h)配列番号6、配列番号15および配列番号24のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号34、配列番号42および配列番号48のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(i)配列番号6、配列番号14および配列番号24のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号35、配列番号41および配列番号48のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(j)配列番号6、配列番号16および配列番号25のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号34、配列番号42および配列番号48のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(k)配列番号7、配列番号17および配列番号26のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号36、配列番号43および配列番号49のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(l)配列番号8、配列番号18および配列番号27のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号36、配列番号44および配列番号49のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;または
(m)配列番号1、配列番号19および配列番号20のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号28、配列番号37および配列番号50のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む。
【0474】
11.実施態様1から5、9および10のいずれか1つの抗体または抗原結合フラグメントであって、前記抗体または抗原結合フラグメントは、
(a)配列番号51のアミノ酸配列または配列番号51のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または配列番号64のアミノ酸配列または配列番号64のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(b)配列番号52のアミノ酸配列または配列番号52のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または配列番号65のアミノ酸配列または配列番号65のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(c)配列番号53のアミノ酸配列または配列番号53のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または配列番号66のアミノ酸配列または配列番号66のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(d)配列番号54のアミノ酸配列または配列番号54のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または配列番号67のアミノ酸配列または配列番号67のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(e)配列番号55のアミノ酸配列または配列番号55のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または配列番号68のアミノ酸配列または配列番号68のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(f)配列番号56のアミノ酸配列または配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または配列番号69のアミノ酸配列または配列番号69のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(g)配列番号57のアミノ酸配列または配列番号57のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または配列番号70のアミノ酸配列または配列番号70のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(h)配列番号58のアミノ酸配列または配列番号58のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または配列番号71のアミノ酸配列または配列番号71のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(i)配列番号59のアミノ酸配列または配列番号59のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または配列番号72のアミノ酸配列または配列番号72のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(j)配列番号60のアミノ酸配列または配列番号60のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または配列番号73のアミノ酸配列または配列番号73のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(k)配列番号61のアミノ酸配列または配列番号61のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または配列番号74のアミノ酸配列または配列番号74のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(l)配列番号62のアミノ酸配列または配列番号62のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または配列番号75のアミノ酸配列または配列番号75のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;または
(m)配列番号63のアミノ酸配列または配列番号63のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または配列番号76のアミノ酸配列または配列番号76のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む。
【0475】
12.実施態様1から5および9から11のいずれか1つの抗体または抗原結合フラグメントであって、前記抗体または抗原結合フラグメントは、
(a)配列番号1、配列番号9および配列番号20のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号28、配列番号37および配列番号45のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(b)配列番号2、配列番号10、配列番号21のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号29、配列番号38および配列番号46のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(c)配列番号4、配列番号12、配列番号22のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号31、配列番号39および配列番号47のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(d)配列番号6、配列番号14、配列番号24のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号33、配列番号40および配列番号48のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;または
(e)配列番号5、配列番号13、配列番号23のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号32、配列番号39および配列番号47のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む。
【0476】
13.実施態様1から5および9から12のいずれか1つの抗体または抗原結合フラグメントであって、前記抗体または抗原結合フラグメントは、
(a)配列番号1、配列番号9および配列番号20のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号28、配列番号37および配列番号45のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;または
(b)配列番号2、配列番号10、配列番号21のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号29、配列番号38および配列番号46のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む。
【0477】
14.実施態様1から5、および9から13のいずれか1つの抗体または抗原結合フラグメントであって、前記抗体または抗原結合フラグメントは、
(a)配列番号51のアミノ酸配列または配列番号51のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号64のアミノ酸配列または配列番号64のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(b)配列番号52のアミノ酸配列または配列番号52のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号65のアミノ酸配列または配列番号65のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(c)配列番号54のアミノ酸配列または配列番号54のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号67のアミノ酸配列または配列番号67のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(d)配列番号56のアミノ酸配列または配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号69のアミノ酸配列または配列番号69のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;または
(e)配列番号55のアミノ酸配列または配列番号55のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号68のアミノ酸配列または配列番号68のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む。
【0478】
15.実施態様1から5、および9から14のいずれか1つの抗体または抗原結合フラグメントであって、前記抗体または抗原結合フラグメントは、
(a)配列番号51のアミノ酸配列または配列番号51のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または配列番号64のアミノ酸配列または配列番号64のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;または
(b)配列番号52のアミノ酸配列または配列番号52のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または配列番号65のアミノ酸配列または配列番号65のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む。
【0479】
16.実施態様1から5および10から14のいずれか1つの抗体または抗原結合フラグメントであって、前記抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号1、配列番号19および配列番号20のCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号28、配列番号37および配列番号50のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む。
【0480】
17.実施態様1から5、10から14および16のいずれか1つの抗体または抗原結合フラグメントであって、前記抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号63のアミノ酸配列または配列番号63のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号76のアミノ酸配列または配列番号76のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む。
【0481】
18.実施態様1から11のいずれか1つの抗体または抗原結合フラグメントであって、前記抗体または抗原結合フラグメントは、
(a)配列番号3、配列番号11および配列番号20のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号30、配列番号37および配列番号45のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(b)配列番号4、配列番号12および配列番号22のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号31、配列番号39および配列番号47のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(c)配列番号5、配列番号13および配列番号23のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号32、配列番号39および配列番号47のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(d)配列番号6、配列番号14および配列番号24のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号33、配列番号40、配列番号48のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(e)配列番号6、配列番号14および配列番号24のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号34、配列番号41および配列番号48のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(f)配列番号6、配列番号15および配列番号24のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号34、配列番号42および配列番号48のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(g)配列番号6、配列番号14および配列番号24のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号35、配列番号41および配列番号48のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(h)配列番号6、配列番号16および配列番号25のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号34、配列番号42および配列番号48のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(i)配列番号7、配列番号17および配列番号26のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号36、配列番号43および配列番号49のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;または
(k)配列番号8、配列番号18および配列番号27のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号36、配列番号44および配列番号49のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む。
【0482】
19.実施態様1から11および18のいずれか1つの抗体または抗原結合フラグメントであって、前記抗体または抗原結合フラグメントは、
(a)配列番号53のアミノ酸配列または配列番号53のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または配列番号66のアミノ酸配列または配列番号66のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(b)配列番号54のアミノ酸配列または配列番号54のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または配列番号67のアミノ酸配列または配列番号67のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(c)配列番号55のアミノ酸配列または配列番号55のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または配列番号68のアミノ酸配列または配列番号68のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(d)配列番号56のアミノ酸配列または配列番号56のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または配列番号69のアミノ酸配列または配列番号69のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(e)配列番号57のアミノ酸配列または配列番号57のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または配列番号70のアミノ酸配列または配列番号70のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(f)配列番号58のアミノ酸配列または配列番号58のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または配列番号71のアミノ酸配列または配列番号71のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(g)配列番号59のアミノ酸配列または配列番号59のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または配列番号72のアミノ酸配列または配列番号72のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(h)配列番号60のアミノ酸配列または配列番号60のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または配列番号73のアミノ酸配列または配列番号73のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(i)配列番号61のアミノ酸配列または配列番号61のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または配列番号74のアミノ酸配列または配列番号74のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;または
(j)配列番号62のアミノ酸配列または配列番号62のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号75のアミノ酸配列または配列番号75のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む。
【0483】
20.実施態様1から19のいずれか1つの抗体または抗原結合フラグメントであって、
前記抗体または抗原結合フラグメントは、1.0×10-10M、2.0×10-10M、3.0×10-10M、4.0×10-10M、5.0×10-10M、6.0×10-10M、7.0×10-10M、8.0×10-10M、9.0×10-10M、1.0×10-11M、2.0×10-11M、3.0×10-11M、4.0×10-11M、5.0×10-11M、6.0×10-11M、7.0×10-11M、8.0×10-11M、9.0×10-11M、または1.0×10-12M未満または約それ未満の解離定数(K)でUCH-L1に結合する;または、
前記抗体または抗原結合フラグメントは、2.0×10-10M~4.0×10-10M、1.0×10-11M~9.0×10-11M、1.0×10-12M~5.0×10-12M、または2.0×10-10M~1.0×10-12Mまたは約その範囲の解離定数(K)でUCH-L1に結合する。
【0484】
21.実施態様1から20のいずれか1つの抗体または抗原結合フラグメントであって、前記抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号207において示されるアミノ酸位置に対応する、UCH-L1タンパク質の残基28~36、UCH-L1タンパク質の残基98~106、UCH-L1タンパク質の残基138~145、および/またはUCH-L1タンパク質の残基142~149内のまたはそれであるまたはそれを含むエピトープに結合する。
【0485】
22.ヒトUCH-L1に特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントであって、前記抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号207において示されるアミノ酸位置に対応するUCH-L1タンパク質の残基98~106内のまたはそれであるまたはそれを含むエピトープに結合する。
【0486】
23.実施態様22の抗体または抗原結合フラグメントであって、前記抗体または抗原結合フラグメントは、
(a)配列番号1、配列番号9および配列番号20のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号28、配列番号37および配列番号45のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(b)配列番号3、配列番号11および配列番号20のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号30、配列番号37および配列番号45のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;または
(c)配列番号1、配列番号19および配列番号20のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号28、配列番号37および配列番号50のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む。
【0487】
24.ヒトUCH-L1に特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントであって、前記抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号207に示されるUCH-L1のアミノ酸位置に対応する残基28~36 UCH-L1内のまたはそれであるまたはそれを含むエピトープに結合する。
【0488】
25.実施態様24の抗体または抗原結合フラグメントであって、前記抗体または抗原結合フラグメントは、
(a)配列番号2、配列番号10および配列番号21のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号29、配列番号38および配列番号46のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(b)配列番号6、配列番号14および配列番号24のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号33、配列番号40および配列番号48のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(c)配列番号6、配列番号14および配列番号24のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号34、配列番号41および配列番号48のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(d)配列番号6、配列番号15および配列番号24のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号34、配列番号42および配列番号48のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(e)配列番号6、配列番号14および配列番号24のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号35、配列番号41および配列番号48のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(f)配列番号6、配列番号16および配列番号25のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号34、配列番号42および配列番号48のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(g)配列番号7、配列番号17および配列番号26のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号36、配列番号43および配列番号49のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;または
(h)配列番号8、配列番号18および配列番号27のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号36、配列番号44および配列番号49のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む。
【0489】
26.ヒトUCH-L1に特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントであって、前記抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号207において示されるアミノ酸位置に対応するUCH-L1タンパク質の残基138~145内のまたはそれであるまたはそれを含むエピトープに結合する。
【0490】
27.実施態様26の抗体または抗原結合フラグメントであって、前記抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号4、配列番号12および配列番号22のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号31、配列番号39および配列番号47のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0491】
28.ヒトUCH-L1に特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントであって、前記抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号207において示されるアミノ酸位置に対応するUCH-L1タンパク質の残基142~149内のまたはそれであるまたはそれを含むエピトープに結合する。
【0492】
29.実施態様28の抗体または抗原結合フラグメントであって、前記抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号5、配列番号13および配列番号23のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号32、配列番号39および配列番号47のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0493】
30.実施態様1から29のいずれか1つの抗体または抗原結合フラグメントであって、前記UCH-L1は、組み換えUCH-L1である。
【0494】
31.実施態様1から29のいずれか1つの抗体または抗原結合フラグメントであって、前記UCH-L1は、ネイティブのUCH-L1である。
【0495】
32.実施態様31の抗体または抗原結合フラグメントであって、前記のネイティブのUCH-L1は、血清、血漿、血液、脳脊髄液(CSF)、尿、汗、または唾液内に存在する、またはそこから得られる。
【0496】
33.ヒトグリア線維酸性タンパク質(GFAP)に特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントであって、前記抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号172~188のいずれか1つから選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号189~206のいずれか1つから選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0497】
34.実施態様33の抗体または抗原結合フラグメントであって、前記重鎖可変領域は、配列番号172~188のいずれか1つから選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一性を有するアミノ酸配列を含み、または、配列番号172~188のいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を有する。
【0498】
35.実施態様33または実施態様34の抗体または抗原結合フラグメントであって、前記軽鎖可変領域は、配列番号189~206のいずれか1つから選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一性を有するアミノ酸配列を含み、または、配列番号189~206のいずれか1つから選択されるアミノ酸配列を有する。
【0499】
36.実施態様33から35のいずれか1つの抗体または抗原結合フラグメントであって、
前記重鎖可変領域は、(i)配列番号77~90から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H1;(ii)配列番号91~107から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H2;および(iii)配列番号108~124から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H3;を含む、および/または、
前記軽鎖可変領域は、(i)配列番号125~141から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L1;(ii)配列番号142~156から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L2;および(iii)配列番号157~171から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
【0500】
37.実施態様33から36のいずれか1つの抗体または抗原結合フラグメントであって、
前記重鎖可変領域は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、配列番号172~188のいずれか1つから選択される重鎖可変領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3のアミノ酸配列をそれぞれ含む;および/または、
前記軽鎖可変領域CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、配列番号189~206のいずれか1つから選択される軽鎖可変領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3のアミノ酸配列をそれぞれ含む。
【0501】
38.ヒトグリア線維酸性タンパク質(GFAP)に特異的に結合する抗体または抗原結合フラグメントであって、前記重鎖可変領域は、配列番号174~188のいずれか1つから選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む;および/または、軽鎖可変領域は、配列番号191~206のいずれか1つから選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%同一性を有するアミノ酸配列を含む。
【0502】
39.実施態様38の抗体または抗原結合フラグメントであって、
前記重鎖可変領域は、配列番号174~188のいずれか1つから選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一性を含み、または、配列番号174~188のいずれかに示されるアミノ酸配列を含む;および/または、
前記軽鎖可変領域は、配列番号191~206のいずれか1つから選択されるアミノ酸配列と少なくとも85%、少なくとも86%、少なくとも87%、少なくとも88%、少なくとも89%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%または少なくとも99%同一性を含み、または、配列番号191~206のいずれか1つに示されるアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0503】
40.実施態様38または実施態様39の抗体または抗原結合フラグメントであって、
前記重鎖可変領域は、(i)配列番号79~90から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H1;(ii)配列番号93~107から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H2;および(iii)配列番号110~124から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H3;を含む、および/または、前記軽鎖可変領域は、(i)配列番号127~141から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L1;(ii)配列番号144~156から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L2;および(iii)配列番号159~171から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L3;を含む、または、
前記重鎖可変領域は、CDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3を含み、配列番号174~188のいずれか1つから選択される重鎖可変領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-H1、CDR-H2、およびCDR-H3のアミノ酸配列をそれぞれ含み、および/または、前記軽鎖可変領域は、CDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3を含み、配列番号191~206のいずれか1つから選択される軽鎖可変領域アミノ酸配列内に含まれるCDR-L1、CDR-L2、およびCDR-L3のアミノ酸配列をそれぞれ含む。
【0504】
41.グリア線維酸性タンパク質(GFAP)に特異的に結合する抗体または抗原結合フラグメントであって、前記抗体または抗原結合フラグメントは、重鎖可変領域および軽鎖可変領域を含み、
前記重鎖可変領域は、(i)配列番号77~90から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H1;(ii)配列番号91~107から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H2;および(iii)配列番号108~124から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-H3;を含む、および/または、
前記軽鎖可変領域は、(i)配列番号125~141から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L1;(ii)配列番号142~156から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L2;および(iii)配列番号157~171から選択されるアミノ酸配列を含むCDR-L3を含む。
【0505】
42.実施態様33から37および41のいずれか1つの抗体または抗原結合フラグメントであって、前記抗体または抗原結合フラグメントは、
(a)配列番号77、配列番号91および配列番号108のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号125、配列番号142および配列番号157のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(b)配列番号78、配列番号92および配列番号109のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号126、配列番号143および配列番号158のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(c)配列番号79、配列番号93および配列番号110のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号127、配列番号144および配列番号159のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(d)配列番号77、配列番号94および配列番号111のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号128、配列番号145および配列番号160のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(e)配列番号80、配列番号95および配列番号112のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号126、配列番号142および配列番号158のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(f)配列番号81、配列番号96および配列番号113のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号129、配列番号146および配列番号161のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(g)配列番号77、配列番号94および配列番号111のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号130、配列番号145および配列番号160のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(h)配列番号82、配列番号97および配列番号114のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号131、配列番号147および配列番号162のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(i)配列番号83、配列番号98および配列番号115のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号132、配列番号148および配列番号163のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(j)配列番号84、配列番号99および配列番号116のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号133、配列番号149および配列番号164のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(k)配列番号85、配列番号100および配列番号117のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号134、配列番号150および配列番号165のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(l)配列番号86、配列番号101および配列番号118のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号135、配列番号151および配列番号166のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(m)配列番号78、配列番号102および配列番号119のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号136、配列番号152および配列番号167のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(n)配列番号78、配列番号103および配列番号120のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号137、配列番号142および配列番号158のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(o)配列番号87、配列番号104および配列番号121のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号138、配列番号153および配列番号168のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(p)配列番号88、配列番号105および配列番号122のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号139、配列番号154および配列番号169のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(q)配列番号89、配列番号106および配列番号123のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号140、配列番号155および配列番号170のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;または
(r)配列番号90、配列番号107および配列番号124のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号141、配列番号156および配列番号171のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む。
【0506】
43.実施態様33から37、41および42のいずれか1つの抗体または抗原結合フラグメントであって、前記抗体または抗原結合フラグメントは、
(a)配列番号172のアミノ酸配列または配列番号172のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号189のアミノ酸配列または配列番号189のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(b)配列番号173のアミノ酸配列または配列番号173のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号190のアミノ酸配列または配列番号190のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(c)配列番号174のアミノ酸配列または配列番号174のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号191のアミノ酸配列または配列番号191のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(d)配列番号175のアミノ酸配列または配列番号175のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号192のアミノ酸配列または配列番号192のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(e)配列番号176のアミノ酸配列または配列番号176のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号193のアミノ酸配列または配列番号193のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(f)配列番号177のアミノ酸配列または配列番号177のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号194のアミノ酸配列または配列番号194のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(g)配列番号175のアミノ酸配列または配列番号175のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号195のアミノ酸配列または配列番号195のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(h)配列番号178のアミノ酸配列または配列番号178のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号196のアミノ酸配列または配列番号196のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(i)配列番号179のアミノ酸配列または配列番号179のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号197のアミノ酸配列または配列番号197のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(j)配列番号180のアミノ酸配列または配列番号180のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号198のアミノ酸配列または配列番号198のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(k)配列番号181のアミノ酸配列または配列番号181のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号199のアミノ酸配列または配列番号199のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(l)配列番号182のアミノ酸配列または配列番号182のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号200のアミノ酸配列または配列番号200のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(m)配列番号183のアミノ酸配列または配列番号183のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号201のアミノ酸配列または配列番号201のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(n)配列番号184のアミノ酸配列または配列番号184のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号202のアミノ酸配列または配列番号202のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(o)配列番号185のアミノ酸配列または配列番号185のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号203のアミノ酸配列または配列番号203のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(p)配列番号186のアミノ酸配列または配列番号186のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号204のアミノ酸配列または配列番号204のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(q)配列番号187のアミノ酸配列または配列番号187のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号205のアミノ酸配列 配列番号205のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;または
(r)配列番号188のアミノ酸配列または配列番号188のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号206のアミノ酸配列または配列番号206のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む。
【0507】
44.実施態様33から37および41から43のいずれか1つの抗体または抗原結合フラグメントであって、前記抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号77、配列番号91および配列番号108のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号125、配列番号142および配列番号157のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0508】
45.実施態様33から37および41から44のいずれか1つの抗体または抗原結合フラグメントであって、前記抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号172のアミノ酸配列または配列番号172のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号189のアミノ酸配列または配列番号189のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0509】
46.実施態様33から37および41から43のいずれか1つの抗体または抗原結合フラグメントであって、前記抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号78、配列番号92および配列番号109のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号126、配列番号143および配列番号158のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0510】
47.実施態様33から37、41から43および46のいずれか1つの抗体または抗原結合フラグメントであって、前記抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号173のアミノ酸配列または配列番号173のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号190のアミノ酸配列または配列番号190のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0511】
48.実施態様33から43のいずれか1つの抗体または抗原結合フラグメントであって、前記抗体または抗原結合フラグメントは、
(a)配列番号79、配列番号93および配列番号110のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号127、配列番号144および配列番号159のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(b)配列番号77、配列番号94および配列番号111のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号128、配列番号145および配列番号160のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(c)配列番号80、配列番号95および配列番号112のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号126、配列番号142および配列番号158のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(d)配列番号81、配列番号96および配列番号113のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号129、配列番号146および配列番号161のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(e)配列番号77、配列番号94および配列番号111のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号130、配列番号145および配列番号160のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(f)配列番号82、配列番号97および配列番号114のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号131、配列番号147および配列番号162のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(g)配列番号83、配列番号98および配列番号115のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号132、配列番号148および配列番号163のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(h)配列番号84、配列番号99および配列番号116のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号133、配列番号149および配列番号164のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(i)配列番号85、配列番号100および配列番号117のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号134、配列番号150および配列番号165のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(j)配列番号86、配列番号101および配列番号118のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号135、配列番号151および配列番号166のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(k)配列番号78、配列番号102および配列番号119のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号136、配列番号152および配列番号167のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(l)配列番号78、配列番号103および配列番号120のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号137、配列番号142および配列番号158のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(n)配列番号87、配列番号104および配列番号121のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号138、配列番号153および配列番号168のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(o)配列番号88、配列番号105および配列番号122のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号139、配列番号154および配列番号169のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(p)配列番号89、配列番号106および配列番号123のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号140、配列番号155および配列番号170のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;または
(q)配列番号90、配列番号107および配列番号124のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号141、配列番号156および配列番号171のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む。
【0512】
49.実施態様33から43および48のいずれか1つの抗体または抗原結合フラグメントであって、前記抗体または抗原結合フラグメントは、
(a)配列番号174のアミノ酸配列または配列番号174のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号191のアミノ酸配列または配列番号191のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(b)配列番号175のアミノ酸配列または配列番号175のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号192のアミノ酸配列または配列番号192のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(c)配列番号176のアミノ酸配列または配列番号176のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号193のアミノ酸配列または配列番号193のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(d)配列番号177のアミノ酸配列または配列番号177のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号194のアミノ酸配列または配列番号194のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(e)配列番号175のアミノ酸配列または配列番号175のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号195のアミノ酸配列または配列番号195のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(f)配列番号178のアミノ酸配列または配列番号178のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号196のアミノ酸配列または配列番号196のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(g)配列番号179のアミノ酸配列または配列番号179のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号197のアミノ酸配列または配列番号197のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(h)配列番号180のアミノ酸配列または配列番号180のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号198のアミノ酸配列または配列番号198のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(i)配列番号181のアミノ酸配列または配列番号181のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号199のアミノ酸配列または配列番号199のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(j)配列番号182のアミノ酸配列または配列番号182のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号200のアミノ酸配列または配列番号200のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(k)配列番号183のアミノ酸配列または配列番号183のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号201のアミノ酸配列または配列番号201のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(l)配列番号184のアミノ酸配列または配列番号184のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号202のアミノ酸配列または配列番号202のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(n)配列番号185のアミノ酸配列または配列番号185のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号203のアミノ酸配列または配列番号203のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(o)配列番号186のアミノ酸配列または配列番号186のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号204のアミノ酸配列または配列番号204のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(p)配列番号187のアミノ酸配列または配列番号187のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号205のアミノ酸配列 配列番号205のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;または
(q)配列番号188のアミノ酸配列または配列番号188のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変領域;および/または、配列番号206のアミノ酸配列または配列番号206のアミノ酸配列と少なくとも90%同一性を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む。
【0513】
50.実施態様33から49のいずれか1つの抗体または抗原結合フラグメントであって、
前記抗体または抗原結合フラグメントは、1.0×10-8M、2.0×10-8M、3.0×10-8M、4.0×10-8M、5.0×10-8M、6.0×10-8M、7.0×10-8M、8.0×10-8M、9.0×10-8M、1.0×10-9M、2.0×10-9M、3.0×10-9M、4.0×10-9M、5.0×10-9M、6.0×10-9M、7.0×10-9M、8.0×10-9M、9.0×10-9M、1.0×10-10M、2.0×10-10M、3.0×10-10M、4.0×10-10M、5.0×10-10M、6.0×10-10M、7.0×10-10M、8.0×10-10M、9.0×10-10M、1.0×10-11M、2.0×10-11M、3.0×10-11M、4.0×10-11M、5.0×10-11M、6.0×10-11M、7.0×10-11M、8.0×10-11M、9.0×10-11M、または1.0×10-12M未満または約それ未満の解離定数(K)でGFAPに結合する;または、
前記抗体または抗原結合フラグメントは、1.0×10-8M~2.0×10-8M、1.0×10-9M~6.0×10-9M、2.0×10-10M~9.0×10-10M、1.0×10-11M~8.0×10-11M、1.0×10-12M~5.0×10-12M、または1.0×10-8M~1.0×10-12Mまたは約その範囲の解離定数(K)でGFAPに結合する。
【0514】
51.実施態様33から50のいずれか1つの抗体または抗原結合フラグメントであって、前記抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号212に示されるアミノ酸位置に対応する、GFAPタンパク質の残基92~106、GFAPタンパク質の残基190~202、GFAPタンパク質の残基16~35および/または380、GFAPタンパク質の残基119および/または190、GFAPタンパク質の残基380~391、GFAPタンパク質の残基119~130、GFAPタンパク質の残基210~221、GFAPタンパク質の残基320~329、GFAPタンパク質の346~357および/または376~387内のまたはそれであるまたはそれを含む、および/または、GFAPタンパク質の残基138~149内の、エピトープに結合する。
【0515】
52.ヒトGFAPに特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントであって、前記抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号212に示されるアミノ酸位置に対応するGFAPタンパク質の残基92~106内のエピトープに結合する。
【0516】
53.実施態様52の抗体または抗原結合フラグメントであって、前記抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号77、配列番号91および配列番号108のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号125、配列番号142および配列番号157のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0517】
54.ヒトGFAPに特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントであって、前記抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号212に示されるアミノ酸位置に対応するGFAPタンパク質の残基190~202内のまたはそれであるまたはそれを含むエピトープに結合する。
【0518】
55.実施態様54の抗体または抗原結合フラグメントであって、前記抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号78、配列番号92および配列番号109のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号126、配列番号143および配列番号158のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0519】
56.ヒトGFAPに特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントであって、前記抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号212に示されるアミノ酸位置に対応するGFAPタンパク質の残基16~35および/または380内のまたはそれであるまたはそれを含むエピトープに結合する。
【0520】
57.実施態様56の抗体または抗原結合フラグメントであって、前記抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号79、配列番号93および配列番号110のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号127、配列番号144および配列番号159のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0521】
58.GFAPに特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントであって、前記抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号212に示されるアミノ酸位置に対応するGFAPタンパク質の残基119および/または190であるまたはそれを含むエピトープに結合する。
【0522】
59.実施態様58の抗体または抗原結合フラグメントであって、前記抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号80、配列番号95および配列番号112のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号126、配列番号142および配列番号158のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0523】
60.実施態様1から59のいずれか1つの抗体またはその抗原結合フラグメントであって、前記抗体または抗原結合フラグメントは、
配列番号212に示されるアミノ酸位置に対応するヒトGFAPタンパク質の残基190~202内のまたはそれであるまたはそれを含むエピトープに結合しない;および/または、
配列番号173に示される可変重鎖および配列番号190に示される可変軽鎖を含む参照抗体と同一またはオーバーラップするエピトープに結合しない;および/または、
配列番号173に示される可変重鎖および配列番号190に示される可変軽鎖を含む参照抗体と、GFAPに対する結合に関して競合しない。
【0524】
61.ヒトGFAPに特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントであって、前記抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号212に示されるアミノ酸位置に対応するGFAPタンパク質の残基380~391内のまたはそれであるまたはそれを含むエピトープに結合する。
【0525】
62.実施態様61の抗体または抗原結合フラグメントであって、前記抗体または抗原結合フラグメントは、
(a)配列番号77、配列番号94および配列番号111のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号128、配列番号145および配列番号160のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(b)配列番号77、配列番号94および配列番号111のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号130、配列番号145および配列番号160のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;または
(c)配列番号82、配列番号97および配列番号114のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号131、配列番号147および配列番号162のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む。
【0526】
63.ヒトGFAPに特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントであって、前記抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号212に示されるアミノ酸位置に対応するGFAPタンパク質の残基119~130内のまたはそれであるまたはそれを含むエピトープに結合する。
【0527】
64.実施態様63の抗体または抗原結合フラグメントであって、前記抗体または抗原結合フラグメントは、
(a)配列番号81、配列番号96および配列番号113のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号129、配列番号146および配列番号161のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(b)配列番号84、配列番号99および配列番号116のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号133、配列番号149および配列番号164のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(c)配列番号85、配列番号100および配列番号117のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号134、配列番号150および配列番号165のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(d)配列番号89、配列番号106および配列番号123のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号140、配列番号155および配列番号170のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;または
(e)配列番号90、配列番号107および配列番号124のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号141、配列番号156および配列番号171のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む。
【0528】
65.ヒトGFAPに特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントであって、前記抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号212に示されるアミノ酸位置に対応するGFAPタンパク質の残基210~221内のまたはそれであるまたはそれを含むエピトープに結合する。
【0529】
66.実施態様65の抗体または抗原結合フラグメントであって、前記抗体または抗原結合フラグメントは、
(a)配列番号86、配列番号101および配列番号118のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号135、配列番号151および配列番号166のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;
(b)配列番号78、配列番号102および配列番号119のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号136、配列番号152および配列番号167のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;または
(c)配列番号78、配列番号103および配列番号120のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号137、配列番号142および配列番号158のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む。
【0530】
67.ヒトGFAPに特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントであって、前記抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号212に示されるアミノ酸位置に対応するGFAPタンパク質の残基320~329内のまたはそれであるまたはそれを含むエピトープに結合する。
【0531】
68.実施態様67の抗体または抗原結合フラグメントであって、前記抗体または抗原結合フラグメントは、
(a)配列番号87、配列番号104および配列番号121のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号138、配列番号153および配列番号168のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域;または
(b)配列番号88、配列番号105および配列番号122のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号139、配列番号154および配列番号169のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域、を含む。
【0532】
69.ヒトGFAPに特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントであって、前記抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号212に示されるアミノ酸位置に対応するGFAPタンパク質の残基346~357および/または376~387内のまたはそれであるまたはそれを含むエピトープに結合する。
【0533】
70.実施態様69の抗体または抗原結合フラグメントであって、前記抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号88、配列番号105および配列番号122のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号139、配列番号154および配列番号169のそれぞれCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0534】
71.ヒトGFAPに特異的に結合する抗体またはその抗原結合フラグメントであって、前記抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号212に示されるアミノ酸位置に対応するGFAPタンパク質の残基138~149内のまたはそれであるまたはそれを含むエピトープに結合する。
【0535】
72.実施態様71の抗体または抗原結合フラグメントであって、前記抗体または抗原結合フラグメントは、配列番号89、配列番号106および配列番号123のそれぞれCDR-H1、CDR-H2およびCDR-H3アミノ酸配列を含む重鎖可変領域、および/または、配列番号141、配列番号156および配列番号171のCDR-L1、CDR-L2およびCDR-L3アミノ酸配列または配列番号140、配列番号155および配列番号170のCDR-L3アミノ酸配列をそれぞれ含む軽鎖可変領域、を含む。
【0536】
73.実施態様33から72のいずれか1つの抗体または抗原結合フラグメントであって、前記GFAPは、組み換えGFAPである。
【0537】
74.実施態様1から72のいずれか1つの抗体または抗原結合フラグメントであって、前記GFAPは、ネイティブのGFAPである。
【0538】
75.実施態様74の抗体または抗原結合フラグメントであって、前記のネイティブのGFAPは、血清、血漿、血液、脳脊髄液(CSF)、尿、汗、または唾液内に存在する、またはそこから得られる。
【0539】
76.実施態様1から75のいずれか1つの抗体または抗原結合フラグメントであって、前記抗体または抗原結合フラグメントは、単離される。
【0540】
77.実施態様1から76のいずれか1つの抗体または抗原結合フラグメントであって、前記抗体は、ヒト化抗体、キメラ抗体またはヒト抗体である。
【0541】
78.実施態様1から76のいずれか1つの抗体または抗原結合フラグメントであって、前記抗体は、ミューリン抗体である。
【0542】
79.実施態様1から78のいずれか1つの抗体または抗原結合フラグメントであって、前記抗体は、その抗原結合フラグメントである。
【0543】
80.実施態様79の抗体または抗原結合フラグメントであって、前記のその抗原結合フラグメントは、Fab、Fab’-SH、Fv、scFv、または(Fab’)2フラグメントである。
【0544】
81.実施態様1から78のいずれか1つの抗体または抗原結合フラグメントであって、前記抗体は、重鎖定常ドメインおよび/または軽鎖定常ドメインをさらに含む。
【0545】
82.実施態様81の抗体または抗原結合フラグメントであって、前記重鎖および/または軽定常ドメインは、ミューリンまたはヒトである。
【0546】
83.実施態様81または82の抗体または抗原結合フラグメントであって、前記重鎖定常ドメインは、IgG1、IgG2a、IgG2bまたはIgMである。
【0547】
84.全長または無傷の抗体である、1から78および81から83の抗体または抗原結合フラグメント。
【0548】
85.実施態様1から84のいずれか1つの抗体または抗原結合フラグメントであって、前記抗体は、モノクローナル抗体である。
【0549】
86.実施態様1から85のいずれか1つの抗体または抗原結合フラグメントであって、前記抗体は、標識に付着される。
【0550】
87.実施態様86の抗体または抗原結合フラグメントであって、前記標識は、蛍光色素、蛍光タンパク質、放射性同位体、発色団、金属イオン、金粒子、銀粒子、磁性粒子、ポリペプチド、酵素、ストレプトアビジン、ビオチン、発光化合物、またはオリゴヌクレオチドである。
【0551】
88.実施態様1から87のいずれか1つの抗体または抗原結合フラグメントをコードする、核酸。
【0552】
89.実施態様1から87のいずれか1つの重可変領域を含む重鎖をコードする、核酸。
【0553】
90.実施態様1から87のいずれか1つの軽可変領域を含む軽鎖をコードする、核酸。
【0554】
91.実施態様88から90のいずれか1つの核酸を含む、ベクター。
【0555】
92.実施態様91のベクターであって、前記ベクターは、発現ベクターである。
【0556】
93.実施態様88から90のいずれか1つの核酸または実施態様91または92のベクターを含む、宿主細胞
【0557】
94.抗体またはその抗原結合フラグメントを生産する方法であって、前記抗体または抗原結合フラグメントを生産する条件下で実施態様93の宿主細胞を培養するステップを含む。
【0558】
95.実施態様94の方法であって、前記宿主細胞によって生産される前記抗体または抗原結合フラグメントを回収するステップをさらに含む、方法。
【0559】
96.実施態様94または実施態様95の方法によって生産される、抗-UCH-L1抗体またはその抗原結合フラグメント。
【0560】
97.実施態様94または実施態様95の方法によって生産される、抗-GFAP抗体またはその抗原結合フラグメント。
【0561】
98.実施態様1から87、96および97のいずれか1つの抗体または抗原結合フラグメントを含む、組成物。
【0562】
99.実施態様98の組成物であって、薬学的に許容できる担体をさらに含む。
【0563】
100.実施態様1から32、76から87および96のいずれか1つの2以上の抗-UCH-L1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む、組み合わせ。
【0564】
101.実施態様100の組み合わせであって、前記の2以上の抗体または抗原結合フラグメントは、
UCH-L1内の第一のエピトープまたは領域に結合する1つまたは複数の第一の抗体またはその抗原結合フラグメント;および、
UCH-L1内の第二のエピトープまたは領域に結合する1つまたは複数の第二の抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。
【0565】
102.実施態様101の組み合わせであって、前記の1つまたは複数の第一の抗体またはその抗原結合フラグメント、および前記の1つまたは複数の第二の抗体またはその抗原結合フラグメントは、ヒトUCH-L1の非オーバーラップのエピトープまたは領域に結合する、および/または、UCH-L1に対する結合に関して競合しない。
【0566】
103.実施態様100から102のいずれか1つの組み合わせであって、
(i)前記の1つまたは複数の第一の抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号207において示されるアミノ酸位置に対応する、UCH-L1タンパク質の残基28~36、UCH-L1タンパク質の残基98~106、UCH-L1タンパク質の残基138~145、および/また、UCH-L1タンパク質の残基142~149内のまたはそれであるまたはそれを含むエピトープに結合する;および
(ii)前記の1つまたは複数の第二の抗体またはその抗原結合フラグメントは、(i)のエピトープと同一でないまたはオーバーラップしないエピトープに結合する。
【0567】
104.実施態様100から103のいずれか1つの組み合わせであって、
(i)前記の1つまたは複数の第一の抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号207において示されるアミノ酸位置に対応するUCH-L1タンパク質の残基28~36および/またはUCH-L1タンパク質の残基98~106内のまたはそれであるまたはそれを含むエピトープに結合する;および
(ii)前記の1つまたは複数の第二の抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号207において示されるアミノ酸位置に対応する、UCH-L1タンパク質の残基138~145および/またはUCH-L1タンパク質の残基142~149内のまたはそれであるまたはそれを含むエピトープに結合する。
【0568】
105.実施態様33から87および97のいずれか1つの2以上の抗-GFAP抗体またはその抗原結合フラグメントを含む、組み合わせ。
【0569】
106.実施態様105の組み合わせであって、前記の2以上の抗体は、
GFAP内の第一のエピトープまたは領域に結合する1つまたは複数の第一の抗体またはその抗原結合フラグメント;および、
GFAP内の第二のエピトープまたは領域に結合する1つまたは複数の第二の抗体またはその抗原結合フラグメントを含む。
【0570】
107.実施態様106の組み合わせであって、前記の1つまたは複数の第一の抗体またはその抗原結合フラグメント、および前記の1つまたは複数の第二の抗体またはその抗原結合フラグメントは、ヒトGFAPの非オーバーラップのエピトープまたは領域に結合する、および/または、GFAPに対する結合に関して競合しない。
【0571】
108.実施態様105から107のいずれか1つの組み合わせであって、
(i)前記の1つまたは複数の第一の抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号212に示されるアミノ酸位置に対応する、GFAPタンパク質の残基92~106、GFAPタンパク質の残基190~202、GFAPタンパク質の残基16~35および/または380、GFAPタンパク質の残基119および/または190、GFAPタンパク質の残基380~391、GFAPタンパク質の残基119~130、GFAPタンパク質の残基210~221、GFAPタンパク質の残基320~329、GFAPタンパク質の346~357および/または376~387および/またはGFAPタンパク質の残基138~149内のまたはそれであるまたはそれを含むエピトープに結合する;および
(ii)前記の1つまたは複数の第二の抗体またはその抗原結合フラグメントは、(i)のエピトープと同一でないまたはオーバーラップしないエピトープに結合する。
【0572】
109.実施態様105から108のいずれか1つの組み合わせであって、
(i)前記の1つまたは複数の第一の抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号212に示されるアミノ酸位置に対応するGFAPタンパク質のアミノ酸残基190~202内のまたはそれであるまたはそれを含むエピトープに結合する;および
(ii)前記の1つまたは複数の第二の抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号212に示されるアミノ酸位置に対応する、GFAPタンパク質の残基92~106、GFAPタンパク質の残基16~35および/または380、GFAPタンパク質の残基119および/または190、GFAPタンパク質の残基380~391、GFAPタンパク質の残基119~130、GFAPタンパク質の残基210~221、GFAPタンパク質の残基320~329、GFAPタンパク質の346~357および/または376~387および/またはGFAPタンパク質の残基138~149内のまたはそれであるまたはそれを含むエピトープに結合する。
【0573】
110.実施態様100から109のいずれか1つの組み合わせであって、少なくとも1つの前記抗体または抗原結合フラグメント、任意選択で、前記の1つまたは複数の第一の抗体またはその抗原結合フラグメントまたは前記の1つまたは複数の第二の抗体またはその抗原結合フラグメントは、標識にコンジュゲートされる。
【0574】
111.実施態様100から110のいずれか1つの組み合わせであって、少なくとも1つの前記抗体または抗原結合フラグメント、任意選択で、前記の1つまたは複数の第一の抗体またはその抗原結合フラグメントまたは前記の1つまたは複数の第二の抗体またはその抗原結合フラグメントは、固体支持体に付着または固定化される。
【0575】
112.実施態様100から111のいずれか1つの組み合わせであって、前記の1つまたは複数の第一の抗体またはその抗原結合フラグメントまたは前記の1つまたは複数の第二の抗体またはその抗原結合フラグメントは、固体支持体に付着または固定化されて、前記の1つまたは複数の第一の抗体またはその抗原結合フラグメントまたは前記の1つまたは複数の第二の抗体またはその抗原結合フラグメントの他方は、標識にコンジュゲートされる。
【0576】
113.実施態様110から112のいずれかの組み合わせであって、前記標識は、蛍光色素、蛍光タンパク質、放射性同位体、発色団、金属イオン、金粒子、銀粒子、磁性粒子、ポリペプチド、酵素、ストレプトアビジン、ビオチン、発光化合物、またはオリゴヌクレオチドである。
【0577】
114.実施態様111から113のいずれかの組み合わせであって、前記固体支持体は、ビーズ、カラム、アレイ、アッセイプレート、マイクロウェル、スティック、フィルター、またはストリップである。
【0578】
115.組み合わせであって、
実施態様1から32、76から87、および96のいずれか1つの少なくとも1つの抗-UCH-L1抗体または実施態様100から104および110から114のいずれか1つに示される抗-UCH-L1抗体の組み合わせ;および、
実施態様33から87および97のいずれか1つの少なくとも1つの抗-GFAP抗体または実施態様105から114のいずれか1つに示される抗-GFAP抗体の組み合わせを含む。
【0579】
116.固体支持体であって、それに固定化された、実施態様1から87、96および97のいずれかの抗体または抗原結合フラグメントを含む。
【0580】
117.実施態様116の固体支持体であって、前記固体支持体は、ビーズ、カラム、アレイ、アッセイプレート、マイクロウェル、スティック、フィルター、またはストリップである。
【0581】
118.実施態様116または実施態様117の固体支持体を備える、デバイス。
【0582】
119.実施態様118のデバイスであって、前記デバイスは、迅速検出デバイスまたは迅速診断デバイスである。
【0583】
120.実施態様1から87、96および97のいずれか1つの抗体または抗原結合フラグメント、実施態様98または99の組成物、または、実施態様100から115のいずれか1つの組み合わせ、および、任意選択で使用のための説明書を含む、キット。
【0584】
121.実施態様120のキットであって、固体支持体または固体支持体を備えるデバイスをさらに含む、キット。
【0585】
122.実施態様121のキットであって、前記固体支持体は、ビーズ、カラム、アレイ、アッセイプレート、マイクロウェル、スティック、フィルター、またはストリップである。
【0586】
123.実施態様121または実施態様122のキットであって、前記デバイスは、迅速検出デバイスまたは迅速診断デバイスである。
【0587】
124.実施態様120から123のいずれか1つのキットであって、前記説明書は、サンプル中のUCH-L1またはGFAPを検出するため、および/または、サンプル中のUCH-L1またはGFAPの量を決定するための、アッセイを特定する。
【0588】
125.ヒト対象においてUCH-L1を検出する方法であって、前記方法は、
(a)前記抗体または抗原結合フラグメントおよびUCH-L1を含む複合体を形成する条件下で、実施態様1から32、76から87および96のいずれか1つの1つまたは複数の第一の抗体または抗原結合フラグメントとサンプルを接触させるステップ;および
(b)前記サンプル中の前記複合体の存在または不存在を検出して、それにより、前記サンプル中のUCH-L1を検出するステップ、を含む。
【0589】
126.実施態様125の方法であって、免疫測定法である。
【0590】
127.実施態様126の方法であって、前記免疫測定法は、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)である。
【0591】
128.実施態様127の方法であって、前記ELISAは、サンドイッチELISAである。
【0592】
129.実施態様125から128のいずれかの方法であって、ステップ(b)において前記複合体の存在または不存在を検出するステップは、
(i)前記複合体においてUCH-L1に結合する条件下で、1つまたは複数の第二の抗体またはその抗原結合フラグメントとステップ(a)の複合体を接触させるステップ、前記の1つまたは複数の第二の抗体またはその抗原結合フラグメントは、検出可能なシグナルを生産することが可能な標識にコンジュゲートされる;および
(ii)前記の検出可能なシグナルの存在または不存在を評価するステップ、を含む。
【0593】
130.実施態様129の方法であって、前記の1つまたは複数の第二の抗体または抗原結合フラグメントは、実施態様1から32、76から87および96のいずれか1つの1つまたは複数の抗体または抗原結合フラグメントを含む。
【0594】
131.対象由来のサンプル中のヒトUCH-L1を検出する方法であって、前記方法は、
(a)前記抗体または抗原結合フラグメントおよびUCH-L1を含む複合体を形成する条件下で、ヒトUCH-L1に特異的に結合する1つまたは複数の第一の抗体または抗原結合フラグメントとサンプルを接触させるステップ;および
(b)前記サンプル中の前記複合体の存在または不存在を検出するステップ、を含み、前記の検出するステップは
(i)前記複合体においてUCH-L1に結合する条件下で、UCH-L1に特異的に結合する1つまたは複数の第二の抗体またはその抗原結合フラグメントとステップ(a)の複合体を接触させるステップ、前記の1つまたは複数の第二の抗体またはその抗原結合フラグメントは、検出可能なシグナルを生産することが可能な標識にコンジュゲートされる;および
(ii)前記の検出可能なシグナルの存在または不存在を評価して、それにより、前記サンプル中のUCH-L1を検出するステップ、を含み、
少なくとも1つの前記の1つまたは複数の第一の抗体または抗原結合フラグメントおよび1つまたは複数の前記の第二の抗体または抗原結合フラグメントは、実施態様1から32、76から87および96のいずれか1つの抗体または抗原結合フラグメントを含む。
【0595】
132.実施態様129から131のいずれかの方法であって、前記の1つまたは複数の第二の抗体または抗原結合フラグメントは、(a)の抗体または抗原結合フラグメントによって結合されるエピトープと同一でないまたはオーバーラップしないUCH-L1のエピトープに結合する。
【0596】
133.実施態様129から132のいずれかの方法であって、
(1)前記の1つまたは複数の第一の抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号207において示されるアミノ酸位置に対応する、UCH-L1タンパク質の残基28~36、UCH-L1タンパク質の残基98~106、UCH-L1タンパク質の残基138~145、および/また、UCH-L1タンパク質の残基142~149内のまたはそれであるまたはそれを含むエピトープに結合する;および
(2)前記の1つまたは複数の第二の抗体またはその抗原結合フラグメントは、(1)のエピトープと同一でないまたはオーバーラップしないエピトープに結合する。
【0597】
134.実施態様129から132のいずれかの方法であって、
(1)前記の1つまたは複数の第一の抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号207において示されるアミノ酸位置に対応するUCH-L1タンパク質の残基28~36および/またはUCH-L1タンパク質の残基98~106内のまたはそれであるまたはそれを含むエピトープに結合する;および
(2)前記の1つまたは複数の第二の抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号207において示されるアミノ酸位置に対応する、UCH-L1タンパク質の残基138~145および/またはUCH-L1タンパク質の残基142~149内のまたはそれであるまたはそれを含むエピトープに結合する。
【0598】
135.ヒト対象においてGFAPを検出する方法であって、前記方法は、
(a)実施態様33から87および97のいずれか1つの1つまたは複数の第一の抗体または抗原結合フラグメントとサンプルを、前記抗体または抗原結合フラグメントおよびGFAPを含む複合体を形成する条件下で接触させるステップ;および
(b)前記サンプル中の前記複合体の存在または不存在を検出して、それにより、前記サンプル中のGFAPを検出するステップ、を含む。
【0599】
136.実施態様135の方法であって、免疫測定法である。
【0600】
137.実施態様136の方法であって、前記免疫測定法は、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)である。
【0601】
138.実施態様137の方法であって、前記ELISAは、サンドイッチELISAである。
【0602】
139.実施態様135から138のいずれかの方法であって、ステップ(b)において前記複合体の存在または不存在を検出するステップは、
(i)前記複合体においてGFAPに結合する条件下で、1つまたは複数の第二の抗体またはその抗原結合フラグメントとステップ(a)の複合体を接触させるステップ、前記の1つまたは複数の第二の抗体またはその抗原結合フラグメントは、検出可能なシグナルを生産することが可能な標識にコンジュゲートされる;および
(ii)前記の検出可能なシグナルの存在または不存在を評価するステップ、を含む。
【0603】
140.実施態様139の方法であって、前記の1つまたは複数の第二の抗体または抗原結合フラグメントは、実施態様33から87および97のいずれか1つの1つまたは複数の抗体または抗原結合フラグメントを含む。
【0604】
141.対象由来のサンプルにおいてヒトGFAPを検出する方法であって、前記方法は、
(a)ヒトGFAPに特異的に結合する1つまたは複数の第一の抗体または抗原結合フラグメントとサンプルを、前記抗体または抗原結合フラグメントおよびGFAPを含む複合体を形成する条件下で接触させるステップ;および
(b)前記サンプルにおける前記複合体の存在または不存在を検出するステップ、を含み、前記の検出するステップは、
(i)前記複合体においてGFAPに結合する条件下で、GFAPに特異的に結合する1つまたは複数の第二の抗体またはその抗原結合フラグメントとステップ(a)の複合体を接触させるステップ、前記の1つまたは複数の第二の抗体またはその抗原結合フラグメントは、検出可能なシグナルを生産することが可能な標識にコンジュゲートされる;および
(ii)前記の検出可能なシグナルの存在または不存在を評価して、それにより、前記サンプルにおけるGFAPを検出するステップ、を含み、
少なくとも1つの前記の1つまたは複数の第一の抗体または抗原結合フラグメントおよび/または1つまたは複数の前記の第二の抗体または抗原結合フラグメントは、実施態様33から87および97のいずれか1つの抗体または抗原結合フラグメントを含む。
【0605】
142.実施態様139から141のいずれかの方法であって、前記の1つまたは複数の第二の抗体または抗原結合フラグメントは、(a)の抗体または抗原結合フラグメントによって結合されるエピトープと同一でないまたはオーバーラップしないGFAPのエピトープに結合する。
【0606】
143.実施態様139から142のいずれかの方法であって、
(1)前記の1つまたは複数の第一の抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号212に示されるアミノ酸位置に対応する、GFAPタンパク質の残基92~106、GFAPタンパク質の残基190~202、GFAPタンパク質の残基16~35および/または380、GFAPタンパク質の残基119および/または190、GFAPタンパク質の残基380~391、GFAPタンパク質の残基119~130、GFAPタンパク質の残基210~221、GFAPタンパク質の残基320~329、GFAPタンパク質の346~357および/または376~387および/またはGFAPタンパク質の残基138~149内のまたはそれであるまたはそれを含むエピトープに結合する;および
(2)前記の1つまたは複数の第二の抗体またはその抗原結合フラグメントは、(1)のエピトープと同一でないまたはオーバーラップしないエピトープに結合する。
【0607】
144.実施態様139から142のいずれかの方法であって、
(1)前記の1つまたは複数の第一の抗体またはその抗原結合フラグメントは、配列番号212に示されるアミノ酸位置に対応するGFAPタンパク質のアミノ酸残基190~202内のまたはそれであるまたはそれを含むエピトープに結合する;および
(2)前記の1つまたは複数の第二の抗体 その抗原結合フラグメントは、配列番号212に示されるアミノ酸位置に対応する、GFAPタンパク質の残基92~106、GFAPタンパク質の残基16~35および/または380、GFAPタンパク質の残基119および/または190、GFAPタンパク質の残基380~391、GFAPタンパク質の残基119~130、GFAPタンパク質の残基210~221、GFAPタンパク質の残基320~329、GFAPタンパク質の346~357および/または376~387および/またはGFAPタンパク質の残基138~149内のまたはそれであるまたはそれを含むエピトープに結合する。
【0608】
145.実施態様125から144のいずれかの方法であって、ステップ(b)の前に、前記複合体内に含まれないサンプルから、ステップ(a)において形成された複合体を分離または洗浄する。
【0609】
146.実施態様125から145のいずれかの方法であって、前記の1つまたは複数の第一の抗体またはその抗原結合フラグメントは、固体支持体に付着または固定化される。
【0610】
147.実施態様129から134および139から146のいずれかの方法であって、ステップ(b)(ii)の前に、前記複合体に結合しない前記の1つまたは複数の第二の抗体またはその抗原結合フラグメントを除去する。
【0611】
148.実施態様125から147のいずれかの方法であって、前記サンプルは、個体から単離または取得される。
【0612】
149.実施態様125から148のいずれかの方法であって、前記サンプルは、血清、血漿、血液、脳脊髄液(CSF)、尿、汗、または唾液である。
【0613】
150.実施態様125から134および145から149のいずれかの方法であって、(c)前記サンプルにおいて検出されるUCH-L1の量を決定するステップをさらに含む。
【0614】
151.実施態様125から150のいずれかの方法であって、(c)サンプルにおいて検出されるGFAPの量を決定するステップをさらに含む。
【0615】
152.対象における脳の傷害または損傷を診断する方法であって、前記方法は、実施態様150の方法を行なって、それにより、前記サンプル中のUCH-L1の量を決定するステップを含み;および
(i)前記サンプル中のUCH-L1の量が、UCH-L1閾値レベルよりも大きいまたはそれと等しいまたは約UCH-L1閾値レベルである場合、前記対象を、脳の傷害または損傷を有するまたは脳の傷害または損傷を有するリスクがあると診断する;または
(ii)前記サンプル中のUCH-L1の量が前記UCH-L1閾値レベルよりも下である場合、前記対象を、脳の傷害または損傷を有さないまたは脳の傷害または損傷を有するリスクがないと診断する。
【0616】
153.対象における脳の傷害または損傷を診断する方法であって、前記方法は、実施態様151の方法を行なって、それにより、前記サンプル中のGFAPの量を決定するステップを含み;および
(i)前記サンプル中のGFAPの量が、GFAP閾値レベルよりも大きいまたはそれと等しいまたは約GFAP閾値レベルである場合、前記対象を、脳の傷害または損傷を有するまたは脳の傷害または損傷を有するリスクがあると診断する;または
(ii)前記サンプル中のGFAPの量が、前記GFAP閾値レベルよりも下である場合、前記対象を、脳の傷害または損傷を有さないまたは脳の傷害または損傷を有するリスクがないと診断する。
【0617】
154.対象における脳の傷害または損傷を診断する方法であって、前記方法は、
(a)実施態様150の方法を行なって、それにより、サンプル中のUCH-L1の量を決定するステップ;
(b)実施態様151の方法を行なって、それにより、サンプル中のGFAPの量を決定するステップ;を含み、および
(i)前記サンプル中のUCH-L1の量が、UCH-L1閾値レベルよりも大きいまたはそれと等しいまたは約UCH-L1閾値レベルである場合、および/または、前記サンプル中のGFAPの量が、GFAP閾値レベルよりも大きいまたはそれと等しいまたは約GFAP閾値レベルである場合、前記対象を、脳の傷害または損傷を有するまたは脳の傷害または損傷を有するリスクがあると診断する;または
(ii)前記サンプル中のUCH-L1の量が前記UCH-L1閾値レベルよりも下である場合、および/または、前記サンプル中のGFAPの量がGFAP閾値レベルよりも下である場合、前記対象を、脳の傷害または損傷を有さないまたは脳の傷害または損傷を有するリスクがないと診断する。
【0618】
155.実施態様152から154のいずれかの方法であって、前記対象が、脳の傷害または損傷を有するまたは脳の傷害または損傷を有するリスクがあると同定される場合、前記の脳の傷害または損傷を治療するために前記対象に治療的薬剤を投与する。
【0619】
156.脳の傷害または損傷のために対象を治療する方法であって、
a)実施態様152から154のいずれかの方法を行なうステップ;および
b)前記対象が、脳の傷害または損傷を有するまたは脳の傷害または損傷を有するリスクがあると同定される場合、前記の脳の傷害または損傷を治療するために前記対象に治療的薬剤を投与するステップ、を含む。
【0620】
157.実施態様155または実施態様156の方法であって、前記治療的薬剤は、N-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)受容体拮抗薬、ナトリウムチャネル拮抗薬、一酸化窒素シンターゼ(NOS)阻害剤、グリシン部位拮抗薬、カリウムチャネルオープナー、AMPA/カイニン酸受容体拮抗薬、カルシウムチャネル拮抗薬、GABA-A受容体モジュレーター、抗炎症剤、またはそれらの組み合わせから選択される。
【0621】
158.実施態様152から154のいずれかの方法であって、前記対象が、脳の傷害または損傷を有するまたは脳の傷害または損傷を有するリスクがあると同定される場合、、前記対象の脳に対して神経画像処理を行なう。
【0622】
159.実施態様152から154のいずれかの方法であって、前記対象が、脳の傷害または損傷を有さないまたは脳の傷害または損傷を有するリスクがないと同定される場合、前記対象の脳の神経画像処理は行なわれない。
【0623】
160.対象が脳の傷害または損傷の疑いに関して神経画像処理の必要があるかどうか予測する方法であって、前記方法は、
(a)実施態様150の方法を行なって、それにより、前記サンプル中のUCH-L1の量を決定する;および/または
(b)実施態様151の方法を行なって、それにより、前記サンプル中のGFAPの量を決定する;ステップを含み、および
(i)前記サンプル中のUCH-L1の量が、UCH-L1閾値レベルよりも大きいまたはそれと等しいまたは約UCH-L1閾値レベルである場合、および/または、前記サンプル中のGFAPの量が、GFAP閾値レベルよりも大きいまたはそれと等しいまたは約GFAP閾値レベルである場合、前記対象は神経画像処理の必要があると予測する;または
(ii)前記サンプル中のUCH-L1の量が前記UCH-L1閾値レベルよりも下である場合、および/または、前記サンプル中のGFAPの量がGFAP閾値レベルよりも下である場合、前記対象は神経画像処理の必要がないと予測する。
【0624】
161.対象が脳の傷害または損傷の疑いに関して神経画像処理の必要があるかどうか予測する方法であって、
a)実施態様152から154のいずれかの方法を行なうステップ;および
b)前記対象が、脳の傷害または損傷を有するまたは脳の傷害または損傷を有するリスクがあると同定される場合、前記対象は神経画像処理の必要があると予測するステップ、を含む。
【0625】
162.実施態様161の方法であって、前記対象の脳に対して前記神経画像処理を行なうステップをさらに含む。
【0626】
163.実施態様158、161または162のいずれかの方法であって、前記神経画像処理は、コンピューター断層撮影(CT)または磁気共鳴イメージング(MRI)によるものである。
【0627】
164.実施態様152および154から163のいずれかの方法であって、前記UCH-L1閾値レベルは、30pg/mLまたは約30pg/mLであり、40mg/mLまたは約40mg/mLであり、60pg/mLまたは約60pg/mLであり、80pg/mLまたは約80pg/mLであり、100pg/mLまたは約100pg/mLであり、150pg/mLまたは約150pg/mLであり、200pg/mLまたは約200pg/mLであり、250pg/mLまたは約250pg/mLであり、300pg/mLまたは約300pg/mLであり、400pg/mLまたは約400pg/mLであり、または、500pg/mLまたは約500pg/mLである。
【0628】
165.実施態様152および154から164のいずれかの方法であって、前記UCH-L1閾値レベルは、100pg/mLまたは約100pg/mLである。
【0629】
166.実施態様152および154から164のいずれかの方法であって、前記UCH-L1閾値レベルは、200pg/mlまたは約200pg/mlである。
【0630】
167.実施態様153から166のいずれかの方法であって、前記GFAP閾値レベルは、10pg/mLまたは約10pg/mLであり、20pg/mLまたは約20pg/mLであり、30pg/mLまたは約30pg/mLであり、40pg/mLまたは約40pg/mLであり、50pg/mlまたは約50pg/mlであり、60pg/mL、または約60pg/mLであり、70pg/mLまたは約70pg/mLであり、80pg/mLまたは約80pg/mLであり、90pg/mLまたは約90pg/mLであり、100pg/mLまたは約100pg/mLであり、150pg/mLまたは約150pg/mLであり、200pg/mLまたは約200pg/mLであり、250pg/mLまたは約250pg/mLであり、または、300pg/mLまたは約300pg/mLである。
【0631】
168.実施態様153から167のいずれかの方法であって、GFAP閾値レベルは、50pg/mlまたは約50pg/mlである。
【0632】
169.実施態様153から167のいずれかの方法であって、GFAP閾値レベルは、70pg/mlまたは約70pg/mlである。
【0633】
170.実施態様154から169のいずれかの方法であって、前記UCH-L1閾値レベルは200pg/mLであり、前記GFAP閾値レベルは70pg/mLである。
【0634】
171.実施態様152から170のいずれかの方法であって、前記の脳の傷害または損傷は、機械的損傷、低酸素症、感染性疾患、神経細胞に影響する疾患、毒素損傷、または、神経疾患または状態と関連するまたは起因する。
【0635】
172.実施態様171の方法であって、前記機械的損傷は、外傷性脳傷害または慢性の外傷性脳症である。
【0636】
173.実施態様172のいずれかの方法であって、前記の脳の傷害または損傷は、外傷性脳傷害である。
【0637】
174.実施態様173の方法であって、前記の外傷性脳傷害は、軽度外傷性脳傷害である。
【0638】
175.実施態様171の方法であって、前記低酸素症は、脳卒中、血管炎、虚血、または心疾患と関連する。
【0639】
176.実施態様171の方法であって、前記感染性疾患は、マイコバクテリウム細菌、髄膜炎菌、ヘルペスウイルス科ウイルス、ポリオウイルス、ムンプスウイルス、Enteroviridiaeウイルス、西ナイルウイルス、または、ダニ媒介性脳炎ウイルスによる感染を含む。
【0640】
177.実施態様171の方法であって、前記の神経細胞に影響する疾患は、アルツハイマー病、レビー小体認知症、血管性認知症、糖尿病性認知症、パーキンソン病、ALS、またはプリオン病である。
【0641】
178.実施態様171の方法であって、前記毒素損傷は、神経剤、アルコール認知症、重金属中毒、精神賦活剤、化学療法剤、生物学的薬剤、または、抗生物質に対する曝露と関連する。
【0642】
179.実施態様125から178のいずれかの方法であって、前記サンプルは、脳の傷害または損傷または脳の傷害または損傷の疑いの後、約30分、1時間、2時間、4時間、6時間、8時間、12時間、24時間または48時間以内に、前記対象から得られる。
【0643】
180.実施態様125から179のいずれかの方法であって、前記サンプルは、脳の傷害または損傷または脳の傷害または損傷の疑いの後、約8時間以内に、前記対象から得られる。
【0644】
181.実施態様125から180のいずれかの方法であって、前記サンプルは血清である。
【0645】
182.実施態様125から180のいずれかの方法であって、前記サンプルはCSFである。
【0646】
183.実施態様125から182のいずれかの方法であって、インビトロで行なわれる。
【0647】
[VIII.実施例]
以下の実施例は、説明目的のためにのみ含まれて、本発明の範囲を制限することを意図しない。
【実施例
【0648】
[実施例1:マウス抗-UCH-L1抗体の生産]
抗体を、組み換えヒトUCH-L1(アミノ酸の全長配列は配列番号207に示される)によるマウスの免疫化によって生産して、シーケンスした。いくつかのストラテジーが、マウス抗-UCH-L1抗体を生産するために用いられた。
【0649】
UCH-L1-1およびUCH-L1-2と命名されたマウス抗-UCH-L1抗体の生産のために、組み換えヒトUCH-L1をE.coliから発現させて、免疫原として使用した。BALB/cマウスまたはNIH SwissマウスにヒトUCH-L1抗原を接種して、免疫応答を産生させた。ハイブリドーマ融合を生産して、脳脊髄液(CSF)から得られたネイティブのUCH-L1または組み換えUCH-L1のいずれかによって、間接ELISAおよびサンドイッチELISAを用いて、UCH-L1に結合した抗体に関してスクリーニングした。
【0650】
UCH-L1-13と命名されたマウス抗-UCH-L1抗体の生産のために、Sigma Adjuvant System アジュバント(カタログ番号S6322)と混合した親和性精製された組み換えヒトUCH-L1を、BALB/cマウスまたはNIH Swissマウスの免疫化に用いた。ハイブリドーマ融合が生産されて、ラットの脳溶解物由来の組み換えヒトUCH-L1またはUCH-L1に結合した抗体に関してウエスタンブロットによってスクリーニングして、ならびに、組み換えUCH-L1を用いた間接的なELISAによってスクリーニングした。
【0651】
全ての他のマウス抗-UCH-L1抗体(すなわち、UCH-L1-5、UCH-L1-3、UCH-L1-11、UCH-L1-12、UCH-L1-4、UCH-L1-6、UCH-L1-7、UCH-L1-8、UCH-L1-9、およびUCH-L1-10)については、抗体UCH-L1-1(VH鎖は配列番号51に示されて、VL鎖は配列番号64に示される)によって結合されるのとは異なるエピトープに結合する抗体を同定するためのストラテジーを用いた。この方法では、E.coliによって発現された1μgの組み換えヒトUCH-L1を、1μgの抗体UCH-L1-1と混合して、4℃で一晩回転させて免疫複合体を形成して、それから、KLH(キーホールリンペットヘモシニアン)にコンジュゲートして、マウスの中への注入のためにフロイントアジュバントと混合した。2回目および3回目の注入について、このプロセスは、不完全フロイントアジュバントが用いられる場合を除いて同一であった。最終ブーストに関して、非コンジュゲートの組み換えヒトUCH-L1をマウス内に注入した。ハイブリドーマ融合が生産されて、CSFから得られたネイティブUCH-L1または組み換えUCH-L1のいずれかで間接ELISAおよびサンドイッチELISAを用いて、UCH-L1に結合した抗体に関してスクリーニングした。
【0652】
スクリーニング中にヒトUCH-L1タンパク質に結合した抗体を同定した(表3に示す)。UCH-L1の領域に対するエピトープマッピングおよびアイソタイプ特異性実験も行って、表3に記載の抗体をさらに特性化した。
【0653】
ヒトUCH-L1タンパク質に結合した抗体の親和性を決定した(表4に示す)。抗-UCH-L1抗体の結合速度(kon)および解離速度(koff)を、製造元の説明書(ForteBio)に従ってOctet QK機器を用いて、バイオレイヤー干渉法によって決定した。Tobias et al.,Biomolecular Binding Kinetic Assays in the Octet Platform,Application Note 14,ForteBio,Div.of Pall Life Sciences,2013を参照。E.coliによって発現されるポリヒスチジンタグ化組み換えヒトUCH-L1を抗原として用いた。抗原は、8.3μg/mlの濃度で、Octet QK機器での使用のための抗-ヒスチジン抗体(ForteBio)を含む抗-Penta-HIS(HIS1K)捕捉バイオセンサーに結合した。それからセンサーを、約0.006~約0.16μMの範囲の濃度で、増加する濃度の試験される抗-UCH-L1抗体とともにインキュベートして、親和性測定を得た。

【0654】
例示的な抗体をシーケンスした(配列番号を表5および表6に示す)。


【0655】
[実施例2:マウス抗-GFAP抗体の生産]
抗体を、ヒトGFAP(アミノ酸の全長配列は配列番号212に示される)によるマウスの免疫化によって生産して、シーケンスした。いくつかのストラテジーが、マウス抗-GFAP抗体を生産するために用いられた。
【0656】
GFAP-2抗-GFAP抗体と命名されたマウス抗-GFAP抗体の生産のために、組み換え変性ヒトGFAPを免疫原として用いた。BALB/cマウスまたはNIH SwissマウスにヒトGFAP抗原を接種して、免疫応答を産生させた。ハイブリドーマ融合を生産して、脳脊髄液(CSF)から得られたネイティブGFAPまたは組み換えGFAPのいずれかで間接ELISAおよびサンドイッチELISAを用いて、GFAPに結合した抗体に関してスクリーニングした。
【0657】
GFAP-1抗-GFAP抗体と命名されたマウス抗-GFAP抗体の生産のために、フロイント完全アジュバントと混合した組み換えヒトGFAPを、BALB/cマウスまたはNIH Swissマウスの免疫化に用いた。ハイブリドーマ融合を生産して、組み換えGFAPによる間接ELISAまたはサンドイッチELISAによって抗体に関してスクリーニングした。
【0658】
全ての他の抗-GFAP抗体(すなわち、GFAP-3、GFAP-4、GFAP-5、GFAP-6、GFAP-7、GFAP-8、GFAP-9、GFAP-10、GFAP-11、GFAP-12、GFAP-13、GFAP-14、GFAP-15、GFAP-16、GFAP-17、GFAP-18、およびGFAP-19)については、E.coliによって発現された1μgの組み換えヒトGFAPを、1μgのGFAP-2抗体(VH鎖は配列番号173に示されて、VL鎖は配列番号190に示される)と混合して、4℃で一晩回転させて免疫複合体を形成して、それから、KLHにコンジュゲートして、マウスの中への注入のためにフロイントアジュバントと混合した。2回目および3回目の注入については、不完全フロイントアジュバントを用いた除いてプロセスは同一であった。最終ブーストのために、非コンジュゲート組み換えヒトGFAPをマウスの中に注入した。ハイブリドーマ融合を生産して、CSFから得られたネイティブGFAPまたは組み換えGFAPのいずれかで間接ELISAおよびサンドイッチELISAを用いて、GFAPに結合した抗体に関してスクリーニングした。
【0659】
スクリーニング中にヒトGFAPタンパク質に結合した抗体を同定した(表7に示す)。GFAPの領域に対するエピトープマッピングおよびアイソタイプ特異性実験も行って、表7に記載の抗体をさらに特性化した。

【0660】
ヒトGFAPタンパク質に結合した抗体の親和性を決定した(表8に示す)。抗-GFAP抗体の結合速度(kon)および解離速度(koff)を、製造元の説明書(ForteBio)に従ってOctet QK機器を用いてバイオレイヤー干渉法によって決定した。Tobias et al.,Biomolecular Binding Kinetic Assays in the Octet Platform,Application Note 14,ForteBio,Div.of Pall Life Sciences,2013を参照。E.coliによって発現されたポリヒスチジンタグ化組み換えヒトGFAPを抗原として用いた。抗原は、8.3μg/mlの濃度で、Octet QK機器での使用のための抗-ヒスチジン抗体(ForteBio)を含む抗-Penta-HIS(HIS1K)捕捉バイオセンサーに結合した。それからセンサーを、約0.006~約0.5μMの範囲の濃度で増加する濃度の試験された抗-GFAP抗体とともにインキュベートして、親和性測定を得た。


例示的な抗体をシーケンスした(配列番号を表9および表10に示す)。

【0661】
[実施例3:外傷性脳傷害患者におけるUCH-L1および/またはGFAPの診断検出]
軽度または中度の脳振盪を有することが知られるまたはその疑いがあるヒト対象の血清において、例示的な生産された抗-UCH-L1抗体および抗-GFAP抗体がヒトUCH-L1およびヒトGFAPをそれぞれ検出する能力を、ELISAによって評価した。266人の軽く脳振盪を起こした患者由来のサンプルが得られた。サンプルは、傷害後8時間以内の患者から得られた。Tween-20、マウスIgGアイソタイプ抗体、カゼインおよびバッファーを含む希釈剤でそれぞれのサンプルを希釈した。
【0662】
それぞれのアッセイに関して、サンドイッチELISAを用いて、「捕捉抗体」を、96ウェルプレートのウェル上にコーティングした。捕捉抗体は、抗原を捕捉する/集める/保持する条件下で、ウェルに対して、デュプリケートで生物学的サンプル(例えば血清)の添加によって、または、検量線はトリプリケートで、タンパク質抗原と接触された。それから、捕捉抗体由来のUCH-L1またはGFAP抗原上の別個または非オーバーラップのエピトープに結合することが可能な標識化された「検出抗体」を添加して、捕捉した抗原を検出した。シグナルをルミノメーター上で読み取り、血清中に含まれるタンパク質抗原の量を、検量線との比較によって定量化した。
【0663】
対象は全て、脳傷害を評価するためにコンピューター断層撮影(CT)スキャンを受けた。266人の患者のうち60人は、CTスキャンによる評価後に外傷性脳傷害(TBI)に関して陽性と試験されたが、一方で、266人の患者のうち206人は、CTスキャンによってTBIに関して陰性と試験された。UCH-L1および/またはGFAPの検出感度は、CT結果と相関した。
【0664】
[A.UCH-L1]
1つの例示的なアッセイにおいて、2つの抗-UCH-L1抗体、UCH-L1-1およびUCH-L1-2を捕捉抗体として用いて、ウェルあたり100μLの容量でそれぞれの抗体あたり約10μg/mlで、96ウェルマイクロプレート(Nunc,Maxisorp)内のウェルに吸着させた。マイクロプレートを、サンプルとのインキュベーションに備えてカゼイン(SurModics)でブロックした。
【0665】
それから、検量線に関して0~1280pg/mLで患者サンプルまたは抗原標準(組み換えUCH-L1)をマイクロプレートに添加して、マイクロプレートを1時間インキュベートした。インキュベーション後、マイクロプレートを洗浄して、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)で標識した抗-UCH-L1検出抗体、UCH-L1-5を、マイクロプレートのそれぞれのウェルに約200ng/mL+/-20%の濃度で添加した。マイクロプレートを1時間インキュベートした。インキュベーション後、マイクロプレートを洗浄して、基質(SurModics Sensitive Plus)を含むルミノールの添加によって結合したHRPを検出した。マイクロプレートをルミノメーター内に置くことによってシグナルを読み取った。サンプルウェルによって放射されたシグナルを、公知量の組み換えUCH-L1タンパク質を含むコントロールウェルによって放射されたシグナルと比較した。コントロールウェルによって放射されたシグナルを用いて、それぞれの試験されたサンプル内のUCH-L1の量を評価するために検量線を確立して(表11を参照)、それぞれのサンプル中のUCH-L1の量を定量化した。
【0666】
[B.GFAP]
1つの例示的なアッセイでは、抗-GFAP抗体、GFAP-2を捕捉抗体として用いて、約2μg/mLで96ウェルプレート(Nunc,Maxisorp)内のウェルに吸着させた。サンプルとのインキュベーションに備えて、マイクロプレートをカゼイン(SurModics)でブロックした。
【0667】
それから、検量線に関して0~640pg/mLで患者サンプルまたは抗原標準(ヒトの脳から精製されたGFAP)をマイクロプレートに添加して、マイクロプレートを1時間インキュベートした。インキュベーション後、マイクロプレートを洗浄して、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)で標識された抗-GFAP抗体、GFAP-6を、マイクロプレートのそれぞれのウェルに約200ng/mL+/-20%の濃度で添加した。マイクロプレートを1時間インキュベートした。インキュベーション後、マイクロプレートを洗浄して、基質(SurModics Sensitive Plus)を含むルミノールの添加によって、結合したHRPを検出した。マイクロプレートをルミノメーター上に置くことによってシグナルを読み取った。サンプルウェルから放射されたシグナルを、ヒトの脳から精製された公知量のネイティブのGFAPタンパク質を含むコントロールウェルによって放射されたシグナルと比較した。コントロールウェルによって放射されたシグナルを用いて、それぞれの試験されたサンプル中のGFAPの量を評価するための検量線を確立して(表11を参照)、それぞれのサンプル中のGFAPの量を定量化した。
【0668】
[C.結果]
表11は、上記アッセイにおいて用いられたUCH-L1およびGFAP標準に基づく例示的な検量(標準)線の結果を示す。

【0669】
検量線を、266人の軽く脳振盪を起こした患者からのサンプル由来のシグナルと比較して、サンプル中のUCH-L1およびGFAPタンパク質の量を定量化するために用いた。結果を表12に示し、UCH-L1および/またはGFAPが患者サンプルにおいて検出されたことを示す。カラム2(すなわち、UCH-L1 pg/ml)の下の影になったセルは、200pg/mLまたはそれよりも低いカットオフ値の下でのUCH-L1の量を示し、カラム5(すなわち、GFAPpg/ml)の下の影になったセルは、70pg/mLまたはそれよりも低いカットオフ値の下でのGFAPの量を示す。カラム7(すなわち、CTスキャン結果)の下の影になったセルは、GFAPおよびUCH-L1の両方の測定された量がそれらのそれぞれのカットオフ値の下に入ることに基づいてCTスキャンによる脳振盪に関して試験陰性と予測されたが、さらに以下に述べるようにCTスキャンの際に陽性と試験された、偽陰性の患者を示す。


【0670】
ELISAによる結果をCT結果と比較した。表13に示されるように、200pg/mLよりも多いまたは約200pg/mLのUCH-L1および70pg/mLよりも多いまたは約70pg/mLのGFAPの両方の検出に基づく感度基準またはカットオフは、CT結果と相関することが分かった。これらの基準によって、CTスキャンによってTBIに関して陽性と試験された60人の患者のうちの57人が、抗-UCH-L1および抗-GFAP抗体によるアッセイを用いて、TBIを有する患者として正しく同定された。CTスキャンによってTBIに関して陰性と試験された266人の患者のうち66人が、抗-UCH-L1および抗-GFAP抗体によるアッセイを用いて、TBIを有さない患者として正しく同定された。したがって、これらの結果は、対象が200pg/mL未満のUCH-L1値および70pg/mL未満のGFAP値を有するならば、その対象は、CATスキャンを必要としないことを示した。したがって、一部の実施態様では、当該方法は、CTスキャンを必要とする対象を特定または予測することができる。
【0671】
[実施例4:免疫測定法によるUCH-L1およびGFAPに関する検出能力の評価]
ヒト対象の血清において、例示的な生産された抗-UCH-L1抗体および抗-GFAP抗体が、ヒトUCH-L1およびヒトGFAPをそれぞれ検出する能力を、免疫測定法によって評価した。ヒト血清中のUCH-L1またはGFAP濃度を、96ウェルマイクロプレートの免疫化学的な化学発光アッセイを用いて測定した。UCH-L1およびGFAPアッセイの両方とも、実施例3に上述の化学発光サンドイッチ免疫測定法技術に基づいて、標的分析物上の異なるエピトープ(すなわち、UCH-L1またはGFAP)を認識する捕捉および検出抗体の両方を用いた。
【0672】
一般に、サンプル(すなわち、臨床検体、コントロール、または標準)は、UCH-L1に特異的なマウスモノクローナル抗体またはGFAPに特異的なマウスモノクローナル抗体のいずれかでコーティングされた96ウェルマイクロプレートのウェル中にピペッティングされて、標的分析物(すなわち、それぞれUCH-L1抗原またはGFAP抗原)を捕捉して、それにより、標的分析物をウェルに固定する。任意の未結合のタンパク質を洗浄後、酵素ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)にコンジュゲートされている、第二のUCH-L1に特異的なマウスモノクローナル抗体またはGFAPに特異的なマウスモノクローナル抗体をウェルに添加した。HRPコンジュゲート抗体は、免疫化学的サンドイッチを完了した。未結合のHRPコンジュゲート抗体を洗浄後、化学発光基質をウェルに添加した。HRP酵素は、化学発光基質との特異的な反応を触媒して、300nm~700nmで光を生じて、96ウェルプレートに基づくルミノメーターで検出された。生産された光の量は、ウェル内のコンジュゲート抗体の量に比例した。標準を含むウェルからの結果を用いて、サンプル中の標的分析物(すなわち、UCH-L1抗原またはGFAP抗原)の量を定量化するための投与量-応答曲線を作成した。
【0673】
[A.免疫測定法によるUCH-L1に関する検出能力]
試験方法論
1つの例示的なアッセイでは、より低い定量化レベル(LLoQ)およびより高い定量化レベル(ULoQ)を、アッセイの報告可能な(reportable)範囲に及ぶUCH-L1濃度を含む7つのメンバーパネルを測定することによって評価した。3人の操作者によって7つのメンバーパネルを、3つのキットロットを1つの場所において1日あたり1回のランで5日間試験することによって、実験内精度を見積もった。それぞれのパネルメンバーは、ランあたり4回の測定で試験されて、キットロットあたり、それぞれのパネルメンバーに関して60回の測定をもたらした。
【0674】
2つの抗-UCH-L1抗体、UCH-L1-1およびUCH-L1-2を捕捉抗体として用いて、ウェルあたり100μLの容量でそれぞれの抗体あたり約10μg/mlで、96ウェルマイクロプレート(Nunc,Maxisorp)内のウェルに吸着させた。マイクロプレートを、抗原標準を含むサンプルとのインキュベーションに備えて、カゼイン(SurModics)でブロックした。抗原標準(すなわち、組み換えUCH-L1)を、アッセイの報告可能な範囲に及ぶ濃度でマイクロプレートに添加して、マイクロプレートを1時間インキュベートした。インキュベーション後、マイクロプレートを洗浄して、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)で標識された抗-UCH-L1検出抗体、UCH-L1-5を、マイクロプレートのそれぞれのウェルに、約200ng/mL+/-20%調節の濃度で添加した。マイクロプレートを1時間インキュベートした。インキュベーション後、マイクロプレートを洗浄して、基質(SurModics Sensitive Plus)を含むルミノールの添加によって結合したHRPを検出した。ルミノメーター内にマイクロプレートを置くことによってシグナルを読み取った。それぞれのサンプル中のUCH-L1の量を定量化した。
【0675】
統計分析
分析は、CLSI EP17-A2 Evaluation of Detection Capability for Clinical Laboratory Measurementの手順:Approved Guideline-Second Editionに従って行なわれた。分析精度の概算を、全体的な定量化レベル(LoQ)データセットに関して作成した。二因子の制限付き最尤法(REML)モデルを作成して、精度プロファイルモデルに関して実験内分散成分の概算を得た。
【0676】
結果
二因子ネスティド・モデルの概要は、表14に見られる。
実験内精度を用いて精度プロファイル(%CVとして)およびパネルメンバーの平均測定濃度を作成した(表15)。

【0677】
これらの結果は、LoQ(例えば、測定可能な範囲)が、UCH-L1アッセイに関して報告可能な範囲(すなわち、80pg/mL~2560pg/mL)に及ぶことを示した。
【0678】
[B.免疫測定法によるGFAPに関する検出能力]
試験方法論
1つの例示的なアッセイでは、より低い定量化レベル(LLoQ)およびより高い定量化レベル(ULoQ)を、アッセイの報告可能な範囲に及ぶGFAP濃度を含む7つのメンバーパネルを測定することによって評価した。3人の操作者によって7つのメンバーパネルを、3つのキットロットを1つの場所において1日あたり1回のランで5日間試験することによって、実験内精度を見積もった。それぞれのパネルメンバーは、ランあたり4回の測定で試験されて、キットロットあたり、それぞれのパネルメンバーに関して60回の測定をもたらした。
【0679】
抗-GFAP抗体、GFAP-2を捕捉抗体として用いて、約2μg/mLで96ウェルマイクロプレート(Nunc,Maxisorp)内のウェルに吸着させた。サンプルとのインキュベーションに備えて、マイクロプレートをカゼイン(SurModics)でブロックした。抗原標準(ヒトの脳から精製されたGFAP)を、マイクロプレートに、アッセイの報告可能な範囲に及ぶ濃度で添加した。マイクロプレートを1時間インキュベートした。インキュベーション後、マイクロプレートを洗浄して、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)で標識した抗-GFAP抗体、GFAP-6を、マイクロプレートのそれぞれのウェルに約200ng/mL+/-20%調節の濃度で添加した。マイクロプレートを1時間インキュベートした。インキュベーション後、マイクロプレートを洗浄して、基質(SurModics Sensitive Plus)を含むルミノールの添加によって、結合したHRPを検出した。ルミノメーター上にマイクロプレートを置くことによってシグナルを読み取った。それぞれのサンプル中のGFAPの量を定量化した。
【0680】
統計分析
分析は、CLSI EP17-A2 Evaluation of Detection Capability for Clinical Laboratory Measurementの手順:Approved Guideline-Second Editionに従って行なわれた。分析精度の概算を、全体的な定量化レベル(LoQ)データセットに関して作成した。二因子の制限付き最尤法(REML)モデルを作成して、精度プロファイルモデルに関して実験内分散成分の概算を得た。
【0681】
結果
二因子ネスティド・モデルの概要は、表16に見られる。
【0682】
実験内精度を用いて精度プロファイル(%CVとして)およびパネルメンバーの平均測定濃度を作成した(表17)。

【0683】
これらの結果は、LoQ(例えば、測定可能な範囲)が、GFAPアッセイに関して報告可能な範囲(すなわち、10pg/mL~320pg/mL)に及ぶことを示した。
【0684】
本発明は、例えば本発明の様々な態様を説明するために提供される特定の開示される実施態様に範囲が制限されることを意図しない。説明される組成物および方法に対する様々な改変は、本明細書における説明および教示から明らかになる。そのような変形は、本開示の真の範囲および主旨を逸脱せずに実施され得て、本開示の範囲内に入ることが意図される。
【0685】
[配列]
マウスUCH-L1-1重鎖可変ドメインのアミノ酸配列
QVQLQQPGSELVRPGASVKLSCKASGYTFTSYWMHWVKQRPGQGLEWIGNIYPGSGSTNYDEKFKSKATLTVDTSSSTAYMQLSSLTSEDSAVYYCTREDYWGQGTTLTVSS(配列番号51)
【0686】
マウスUCH-L1-2重鎖可変ドメインのアミノ酸配列
EVMLVESGGGLVKPGGSLKLSCAASGFIFSSHAMSWIRQIPEKRLEWVATISSGGSNTYYPDSVKGRFTISRDNAKNILYLQMSSLRSEDTAIYYCTRHGEVRRGYYFDYWGQGTTLTVSS(配列番号52)
【0687】
マウスUCH-L1-3重鎖可変ドメインのアミノ酸配列
QVQLQQPGSELVRPGASVKLSCRASGYTFTSYWIHWVKQRHGQGLEWIGNIYPGSGITNYDEKFKTKGTLTVDTSSSTVYMHLISLTSEDSAVYYCTREDYWGQGTTLTVSS(配列番号53)
【0688】
マウスUCH-L1-4重鎖可変ドメインのアミノ酸配列
AVQLQQSGPELVKPGASVKISCKTSGDTFTEHFMNWVKQSHGESLEWIGIINPYTDGTNYDQKFKDKATLTVDKSSSTAYMELRSLTSEDSAVYYCARWGGDGEGYWGQGTTLTVSS(配列番号54)
【0689】
マウスUCH-L1-5重鎖可変ドメインのアミノ酸配列
EVKLVESGGGSVQPGGSLSLSCAASGFTFTEYYMSWVRQFPGKALEWLAFIRNRAHGYTTEYSASVKGRFTISRDNSQSILYLQMNALRTEDSATYYCASSYGAPFAYWGQGTLVSVSA(配列番号55)
マウスUCH-L1-6重鎖可変ドメインのアミノ酸配列
EVQLQQSGPELVKPGASVKISCKTSGYTFTEYTMHWVKQSHGKSLDWIGGINPNNGRTSYNQKFKGKATLTVDKSSSTAYMDFRSLTSEDSAVYYCARRLGRGFYFDYWGQGTTLTVSS(配列番号56)
【0690】
マウスUCH-L1-7重鎖可変ドメインのアミノ酸配列
EVQLQQSGPELVKPGASVKISCKTSGYTFTEYTMHWVKQSHGKSLDWIGGINPNNGRTSYNQKFKGKATLTVDKSSSTAYMELRSLTSEDSAVYYCARRLGRGFYFDYWGQGTTLTVSS(配列番号57)
【0691】
マウスUCH-L1-8重鎖可変ドメインのアミノ酸配列
EVQLQQSGPDLVKPGTSVKISCKTSGYTFTEYTMHWVKQSHGRSLEWIGGLNPNNGRTSYNQKFKGKATLTVDKSSSIAYMELRSLTSEDSAVYYCARRLGRGFYFDYWGQGTTLTVSS(配列番号58)
【0692】
マウスUCH-L1-9重鎖可変ドメインのアミノ酸配列
EVQLQQSGPELVKPGASVKISCKTSGYTFTEYTMHWVKQSHGKSLDWIGGINPNNGRTSYNQKFKGKATLTVDKSSSTAYMELRSLTSEDSTVYYCARRLGRGFYFDYWGQGTTLTVSS(配列番号59)
【0693】
マウスUCH-L1-10重鎖可変ドメインのアミノ酸配列
EVQLQQSGPDLVKPGTSVKISCKTSGYTFTEYTMHWVKQSHGRSLEWIGGFNPNNGRTSYNQKFKGKATLTVDKSSSTAYMELRSLTSEDSAVYYCSRRLYRGFYFDYWGQGTTLTVSS(配列番号60)
【0694】
マウスUCH-L1-11重鎖可変ドメインのアミノ酸配列
EVQLVESGGGLVKPGGSLKLSCAASGFTFSRYAMSWVRQTPEKRLEWVATISTAGSYTYYPDSVKGRFTISRDNAKNTLYLQMSSLRSEDTALYYCARQGTGTYAMDYWGQGTSVTVSS(配列番号61)
【0695】
マウスUCH-L1-12重鎖可変ドメインのアミノ酸配列
EVQLVESGGGLVKPGGSLKLSCAASGFTFSKNAMSWVRQTPEKRLEWVATISTGGTYTYYPDSVKGQFTISRDNAKNTLYLQMSSLRSEDTAMYFCARQRTGTYAMDHWGQGTSVTVSS(配列番号62)
【0696】
マウスUCH-L1-13重鎖可変ドメインのアミノ酸配列
QVQLQQPGSELVRPGASVKLSCKASGYTFTSYWMHWVKQRPGQGLEWIGNIYPGSGTTNYDEKFKSKATLTVDTSSSTAYMQLNSLTSEDSAVYYCTREDYWGQGTTLTVSS(配列番号63)
【0697】
マウスUCH-L1-1軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列
DVLMTQTPLSLPVSLGDQASISCRSSQNIVHSNGNTYLEWYLQKPGQSPKLLIYKVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDLGVYYCFQGSHVPFTFGSGTKLEIK(配列番号64)
【0698】
マウスUCH-L1-2軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列
DIQMTQTPSSLSASLGDRVTISCSASQGITNYLNWYQQKPDGTVKLLIYYTSSLHSGVPSRFSGSGSGTDYSLTISNLEPEDFATYYCQHYSNLPWTFGGGTKLEIK(配列番号65)
【0699】
マウスUCH-L1-3軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列
DVLMTQTPLSLPVSLGDQASISCRSSQSIVHSNGNTYLEWYLQKPGQSPKLLIYKVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISGVETEDLGVYYCFQGSHVPFTFGGGTKLEIK(配列番号66)
【0700】
マウスUCH-L1-4軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列
DIVMTQAAPSVSVTPGESVSISCRSSKSLLHSNGNTYLYWFLKRPGQSPQLLIYRMSNLASGVPDRVSGSGSGTAFTLRISRVEAEDVGIYYCMQHLEYPLTFGAGTKLELK(配列番号67)
【0701】
マウスUCH-L1-5軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列
DIVMTQAAPSVPVTPGESVSISCRSSKSLLHSDGNTYLYWFLQRPGQSPQLLIYRMSNLASGVPDRFSGSGSGTAFTLRISRVEAEDVGVYYCMQHLEYPLTFGAGTKLELK(配列番号68)
【0702】
マウスUCH-L1-6軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列
DIVLTQSPASLAVSLGQRATISCRASESVESYGNNLIHWYQQKLGQPPKLLIYLSSNLEPGIPARFSGRGSRTDFTLTINPVEADDVATYYCQQSNGDPYTFGGGTKLEIR(配列番号69)
【0703】
マウスUCH-L1-7軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列
DIVLTQSPASLAVSLGQRATISCRASESVDSYGNNLMHWYQQKPGQPPKLLIYLSSNLESGIPARFSGRGSRTDFTLTINPVEADDVATYYCQQSNGDPYTFGGGTKLEIK(配列番号70)
【0704】
マウスUCH-L1-8軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列
DIVLTQSPASLAVSLGQRATISCRASESVDSYGNNLMHWYQQKPGQSPKLLIYRASNLESGIPGRFSGRGSRTDFTLTINPVEADDVATYYCQQSNGDPYTFGGGTKLEIK(配列番号71)
【0705】
マウスUCH-L1-9軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列
DIVLTQSPASLAVSLGQRATISCRASESVDSYGNNFMHWYQQKPGQPPKLLIYLSSNLESGIPARFSGRGSRTDFTLTINPVEADDVATYYCQQSNGDPYTFGGGTKLEMK(配列番号72)
【0706】
マウスUCH-L1-10軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列
DIVLTQSPASLAVSLGQRATISCRASESVDSYGNNLMHWYQQKPGQSPKLLIYRASNLESGIPGRFSGRGSRTDFSLTINPVEADDVATYYCQQSNGDPYTFGGGTKLEIK(配列番号73)
【0707】
マウスUCH-L1-11軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列
DIQMTQSPASLSASVGETVTITCRASGNIHNYLAWYQQNQGKSPQLLVYNAKTLADGVPSRFSGSGSGTQYSLKINRLQPEDFGSYYCQHFWSTTWTFGGGTKLEIK(配列番号74)
【0708】
マウスUCH-L1-12軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列
DIQMTQSPASLSASVGETVTITCRASGNIHNYLAWYQQKQGKSPQLLVYNANTLADGVPPRFSGSGSGTQYSLKVNSLQPEDFGNYYCQHFWSTTWTFGGGTRLEIK(配列番号75)
【0709】
マウスUCH-L1-13軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列
DVLMTQSPLSLPVSLGDQASISCRSSQNIVHSNGNTYLEWYLQKPGQSPKLLIYKVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDLGVYYCFQGSHVPYTFGGGTKLEIK(配列番号76)
【0710】
マウスGFAP-1重鎖可変ドメインのアミノ酸配列
EVHLQQSGTVLARPGASVKMSCKASGYSFTSYWMHWVKQRPGQGLEWIGAFYPENSDTNYNQKFKGKARLTAVTSANTAYMELNSLTNEDSAVYYCTRPLLFSAYFDFWGQGTTLTVSS(配列番号172)
【0711】
マウスGFAP-2重鎖可変ドメインのアミノ酸配列
DVQLVESGGGLVQPGGSRKLSCAASGFTFSSFGMHWVRQAPEKGLEWVAYISSGSSIIYYADTVKGRFTISRDNPKNTLFLQMTSLRSEDTAMYYCTGSDWGSFAYWGQGTLVTVSA(配列番号173)
【0712】
マウスGFAP-3重鎖可変ドメインのアミノ酸配列
EVKLEESGGGLVQPGGSMKLSCVASGFTFTNYWMSWVRQSPEKGLEWVAQIRLKSDNYATHYAESVKGRFTISRDDSKSSVYLQMNNLRAEDTGIYYCTGGEFLSWFAYWGQGTLVTVSA(配列番号174)
【0713】
マウスGFAP-4重鎖可変ドメインのアミノ酸配列
EVQLLQSGTVLARPGASVKMSCKASGYSFTSYWMHWIKQRPGQGLEWIGAIHPGNRDTSYNQKFKDKAKLTAVTSASTAYMELSSLTNEDSAVYFCTREDYWGQGTTLTVSS(配列番号175)
【0714】
マウスGFAP-5重鎖可変ドメインのアミノ酸配列
EVQLVESGGGLVKPGGSLKLSCAASGFTFSAYGMHWVRQAPEKGLEWIAYISSGSSTIYYADTVKGRFTISRDNAKNTLFLQMTSLRSEDTAMYYCASSYALDYWGQGTSVTVSS(配列番号176)
【0715】
マウスGFAP-6重鎖可変ドメインのアミノ酸配列
EVQLQQSGAEFVKPGASVKLSCTASGFNIKDTDMHWVRQRPEQGLESIGLIDPAIGNTKYDPKFQGKATITADTSSNAAYLQLSSLTSEDTAVYYCARSDRYLAWFAYWGQGTLVTVSA(配列番号177)
【0716】
マウスGFAP-7重鎖可変ドメインのアミノ酸配列
EVQLLQSGTVLARPGASVKMSCKASGYSFTSYWMHWIKQRPGQGLEWIGAIHPGNRDTSYNQKFKDKAKLTAVTSASTAYMELSSLTNEDSAVYFCTREDYWGQGTTLTVSS(配列番号175)
【0717】
マウスGFAP-8重鎖可変ドメインのアミノ酸配列
EVQLLQSGTVLARPGASVKMSCKASGYSFTSYWMHWIKQRPGQGLEWIGAIHPGNRDTSYNQKFKDKAKLTAVTSASTAYMELSSLTNEDSAVYFCTREDYWGQGTTLTVSS(配列番号175)
【0718】
マウスGFAP-9重鎖可変ドメインのアミノ酸配列
DVQLQESGPGLVKPSQSLSLTCSVTGYSITSGFYWSWIRQFPGNKLEWMGYISYDGSNNYNPSLKNRISITRDTSKNQFFLKLNSVTTEDTATYYCARAYGYDGAWFAYWGQGTLVTVSA(配列番号178)
【0719】
マウスGFAP-10重鎖可変ドメインのアミノ酸配列
EVKLVESGGGLVKPGGSLKLSCAASGFTFSYYAMSWVRQTPEKRLEWVASISSGGTTYHPDSVKGRFTISRDNARNILYLQMSSLRSEDTAMYYCARGGHWYFDVWGAGTTVTVSS(配列番号179)
【0720】
マウスGFAP-11重鎖可変ドメインのアミノ酸配列
QIQLVQSGPELKKPGETVKISCKASGYTFTNYGMNWVKQAPGEGLKWMGWINTNIGEPTYAEEFKGRFAFSLEASASTAYLQINNLKNEDTATYFCARWKNYGYFDYWGQGTTLTVSS(配列番号180)
【0721】
マウスGFAP-12重鎖可変ドメインのアミノ酸配列
QVQLQQSGAELMKPGASVKISCKATGYTFSNYWIEWVKQRPGHGLEWIGEILPGSGSTNYNEKFKGKATFTADTSSNTAYMQLSSLTSEDSAVYYCAIYYGNYAGAMDYWGQGTSVTVSS(配列番号181)
【0722】
マウスGFAP-13重鎖可変ドメインのアミノ酸配列
EVLLQQSGPELVKPGASVKMSCKTSGYTFANYIMHWVKQTPGQGLEWIGFINPYNDYTEYNEKFKGKATLTSDKSSSTAYMEFSGLTSEDSAVYYCSTATFAYWGQGTLVTVSA(配列番号182)
【0723】
マウスGFAP-14重鎖可変ドメインのアミノ酸配列
DVQLVESGGGSVQPGGSRKLSCAASGFTFSSFGMHWVRQAPEKGLEWVAYISSDSNTVYYADTVKGRFTISRDNPKNTLFLQMTSLRSEDTAMYYCARYAMDYWGQGTSVTVSS(配列番号183)
【0724】
マウスGFAP-15重鎖可変ドメインのアミノ酸配列
DVQLVESGGGLLEPGGSRKLSCAASGFTFSSFGMHWVRQAPEKGLEWVAYISSGSRTIFYADTVKGRFTISRDNPKNTLFLQMTSLRSGDTAMYYCVRGGYGSSFDYWGQGTTLTVSS(配列番号184)
【0725】
マウスGFAP-16重鎖可変ドメインのアミノ酸配列
QVQLQQSDAELVKPGASVKISCKASGYTFTDHTIHWVKQRPEQGLEWIGYIYPGDGSTKYNEKFKGKATLTADKSSSTVYMQLNSLTSEDSAVYFCARPAPYWNFDVWGAGTTVTVSS(配列番号185)
【0726】
マウスGFAP-17重鎖可変ドメインのアミノ酸配列
EVKLEESGGGLVQPGGSMKLSCVASGFTFSYYWMSWVRQSPEKGLEWIAEIRLKSNIYATHYAASVKGRFTISRDDSKSSVYLQMNNLRAEDTGIYFCTRFGTGAMDYWGQGTSVTVSS(配列番号186)
【0727】
マウスGFAP-18重鎖可変ドメインのアミノ酸配列
EVILVESGGGLVKPGGSLKVSCAVSGFTFSNFAMSWVRQTPEKRLEWVASISSGGTTYYPDNVKGRFTISRDNARNIMYLQMSSLRSEDTAMYFCARGGLHYFGYWGQGTTLTVSS(配列番号187)
【0728】
マウスGFAP-19重鎖可変ドメインのアミノ酸配列
EVQLVESGGGLVKPGGSPKLSCAASGFAFSSYDMSWVRQTPEKRLEWVAYISSGGGSTYYPDTMKGRFTISRDNAKNTLYLQMSSLKSEDTAMYYCARHYGTYLYYLDYWGQGTTLTVSS(配列番号188)
【0729】
マウスGFAP-1軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列
DVLMTQTPLSLPVSLGDQASISCRSSQSIVHSYGNTYLEWYLQKPGLSPKLLIYKVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLTISRVEAEDLGVYYCFQGSHVPYTFGGGTKLEIK(配列番号189)
【0730】
マウスGFAP-2軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列
DVVMTQTPLSLPVSLGDQASISCRSSQSLVYSNGNTYLHWYLQKPGQSPKLLIYKVSNRFFGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDLGVYFCSQSTHVPYTFGGGTKLEIK(配列番号190)
【0731】
マウスGFAP-3軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列
DIVMSQSPSSLAVSAGEKVTMSCKSSQSLFNSRTRKNYLAWYQQKPGQSPKLLIYWASTRESGVPDRFTGSGSGTDFTLTISSVQAEDLAVYYCKQSYYLYTFGSGTKLEIK(配列番号191)
【0732】
マウスGFAP-4軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列
DIVMTQSPSSLAMSVGQKVTMSCKSSQSLLNSNNQRNYLDWYQQKPGQSPKLLVYFASTRESGVPDRFIGSGSGTDFTLTISSVQAEDLADYFCQQHYSIPLTFGAGTKLELK(配列番号192)
【0733】
マウスGFAP-5軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列
DVVMTQTPLSLPVSLGDQASISCRSSQSLVYSNGNTYLHWYLQKPGQSPKLLIYKVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDLGVYFCSQSTHVPYTFGSGTKLEIK(配列番号193)
【0734】
マウスGFAP-6軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列
DIVMTQSPATLSVTPGDRVSLSCRASQSISDFLHWYQQKSHGSPRLLIKYSSQSISGIPSRFSGSGSGSDFTLSINSVEPEDVGVYYCQNGHTFPYTFGGGTKLEIK(配列番号194)
【0735】
マウスGFAP-7軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列
DIVMTQSPSSLAMSVGQKVTMSCKSSQSLLNSSNQRNYLDWYQQKPGQSPKLLVYFASTRESGVPDRFIGSGSGTDFTLTISSVQAEDLADYFCQQHYSIPLTFGAGTKLELK(配列番号195)
【0736】
マウスGFAP-8軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列
DIVMTQSPSSLAMSVGQKVTMSCKSSQSLLNSSNQRNYLDWYQQKPGQSPKLLVYFASTRESGVPDRFIGSGSGTDFTLTISSVQAEDLADYFCQQHYSIPLTFGAGTKLELK(配列番号195)
【0737】
マウスGFAP-9軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列
DIVMTQSQKFMSTSVGDRVSITCKASQNVRTAVAWYQQKPGQSPKALIYLASNRHTGVPDRFTGSGSGTDFTLTISNVQSEDLADYFCLQHWNNPYTFGGGTKLEIK(配列番号196)
【0738】
マウスGFAP-10軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列
QIVLTQSPAIMSASPGEKVTMTCSASSSVSYMHWYQQKSGTSPKRWIYDTSKLASGVPARFSGSGSGTSYSLTISSMEAEDAATYYCQQWSTNPLTFGAGTKLDLK(配列番号197)
【0739】
マウスGFAP-11軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列
QIVLTQSPAIMSASLGERVTMTCTASSSVSSSYLHWYQQKPGSSPKLWIYSTSNLASGVPARFSGSGSGTSYSLTISSLEAEDAATYYCHQYHRSPYTFGGGTKLEIK(配列番号198)
【0740】
マウスGFAP-12軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列
DIQMTQSPASLSASVGETVTITCRASENIYSYLAWYQQKQGKSPQLLVYNAKTLAEGVPSRFSGSGSGTQFSLKINSLQPEDFGSYYCQLHYGTPYTFGSGTKLEIK(配列番号199)
【0741】
マウスGFAP-13軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列
DVVMTQTPLTLSVTIGQPASISCKSSQSLLDSAGKTYLNWLLQKSGQSPKRLIYLVSKLDSGVPDRFTGSGSGTDFTLKISRVEAEDLGVYYCWQGTHFPWTFGGGTKLEIK(配列番号200)
【0742】
マウスGFAP-14軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列
QIVLTQSPALMSASPGEKVTMTCSASSSVSYMYWYQQKPRSSPKPWIYLTSNLASGVPARFSGSGSGTSYSLTISSMEAEDAATYYCQQWSSNPPTFGAGTKLELK(配列番号201)
【0743】
マウスGFAP-15軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列
DVVMTQTPLSLPVSLGDQASISCRSSQSLVYSNGNIYLHWYLQKPGQSPKLLIYKVSNRFSGVPDRFSGSGSGTDFTLKISRVEAEDLGVYFCSQSTHVPYTFGGGTKLEIK(配列番号202)
【0744】
マウスGFAP-16軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列
DIQMTQSPSSLSASLGGKVTITCKASQDIKKNIAWYQHKPGKGPRLLIWYTSTLQPGIPSRFSGSGSGRDYSFSISNLEPEDIATYYCLQYDHLRTFGGGTKLEIK(配列番号203)
【0745】
マウスGFAP-17軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列
DIVMSQSPSSLAVSVGEKVTMSCKSSQSLLYRTNQKNYLAWYQQKPGQSPKLLIYWASSRESGVPDRFSGSGSGTDFTLTISSVKAEDLAVYYCQQYYSYPWTFGGGTKLEIK(配列番号204)
【0746】
マウスGFAP-18軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列
DIVMTQSHKFMSTSVGDRVSITCKASQDVNTAVAWYQQKPGQSLKLLIYSASYRYIGVPDRFTGSGSGTDFTFTINSVQAEDLAVYYCHQYYSTPLTFGTGTKLELK(配列番号205)
【0747】
マウスGFAP-19軽鎖可変ドメインのアミノ酸配列
DIVLTQSPATLSVTPGDRVSLSCRASQNISDFLHWYQQKSHESPRLLIKYASQSISGIPSRFSGSGSGSDFTLSINSVEPEDVGVYYCQNGHSFPPTFGGGTKLEIK(配列番号206)
【0748】
マウスIgG1重鎖定常ドメインのアミノ酸配列
AKTTPPSVYPLAPGSAAQTNSMVTLGCLVKGYFPEPVTVTWNSGSLSSGVHTFPAVLQSDLYTLSSSVTVPSSPRPSETVTCNVAHPASSTKVDKKIVPRDCGCKPCICTVPEVSSVFIFPPKPKDVLTITLTPKVTCVVVDISKDDPEVQFSWFVDDVEVHTAQTQPREEQFNSTFRSVSELPIMHQDWLNGKEFKCRVNSAAFPAPIEKTISKTKGRPKAPQVYTIPPPKEQMAKDKVSLTCMITDFFPEDITVEWQWNGQPAENYKNTQPIMNTNGSYFVYSKLNVQKSNWEAGNTFTCSVLHEGLHNHHTEKSLSHSPGK(配列番号215)
【0749】
マウスIgG2a重鎖定常ドメインのアミノ酸配列
AKTTAPSVYPLVPVCGGTTGSSVTLGCLVKGYFPEPVTLTWNSGSLSSGVHTFPALLQSGLYTLSSSVTVTSNTWPSQTITCNVAHPASSTKVDKKIEPRVPITQNPCPPHQRVPPCAAPDLLGGPSVFIFPPKIKDVLMISLSPMVTCVVVDVSEDDPDVQISWFVNNVEVHTAQTQTHREDYNSTLRVVSALPIQHQDWMSGKEFKCKVNNRALPSPIEKTISKPRGPVRAPQVYVLPPPAEEMTKKEFSLTCMITGFLPAEIAVDWTSNGRTEQNYKNTATVLDSDGSYFMYSKLRVQKSTWERGSLFACSVVHEVLHNHLTTKTISRSLGK(配列番号216)
【0750】
マウスIgG2b重鎖定常ドメインのアミノ酸配列
KTTPPSVYPLAPGCGDTTGSSVTLGCLVKGYFPESVTVTWNSGSLSSSVHTFPALLQSGLYTMSSSVTVPSSTWPSQTVTCSVAHPASSTTVDKKLEPSGPISTINPCPPCKECHKCPAPNLEGGPSVFIFPPNIKDVLMISLTPKVTCVVVDVSEDDPDVQISWFVNNVEVHTAQTQTHREDYNSTIRVVSTLPIQHQDWMSGKEFKCKVNNKDLPSPIERTISKIKGLVRAPQVYILPPPAEQLSRKDVSLTCLVVGFNPGDISVEWTSNGHTEENYKDTAPVLDSDGSYFIYSKLNMKTSKWEKTDSFSCNVRHEGLKNYYLKKTISRSPGLDLDDICAEAKDGELDGLWTTITIFISLFLLSVCYSASVTLFKVKWIFSSVVELKQKISPDYRNMIGQGA(配列番号217)
【0751】
ヒトIgG1重鎖定常ドメインのアミノ酸配列
ASTKGPSVFPLAPSSKSTSGGTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTQTYICNVNHKPSNTKVDKRVEPKSCDKTHTCPPCPAPELLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSHEDPEVKFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQYNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKALPAPIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSREEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSKLTVDKSRWQQGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSPG(配列番号218)
【0752】
ミューリンκ軽鎖定常ドメインのアミノ酸配列
ADAAPTVSIFPPSSEQLTSGGASVVCFLNNFYPKDINVKWKIDGSERQNGVLNSWTDQDSKDSTYSMSSTLTLTKDEYERHNSYTCEATHKTSTSPIVKSFNRNEC(配列番号219)
【0753】
ミューリンλ軽鎖定常ドメインのアミノ酸配列
QPKSSPSVTLFPPSSEELETNKATLVCTITDFYPGVVTVDWKVDGTPVTQGMETTQPSKQSNNKYMASSYLTLTARAWERHSSYSCQVTHEGHTVEKSLSRADCS(配列番号220)
【0754】
ヒトκ軽鎖定常ドメインのアミノ酸配列
TVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC(配列番号221)
【0755】
ヒトλ軽鎖定常ドメインのアミノ酸配列
GQPKANPTVTLFPPSSEELQANKATLVCLISDFYPGAVTVAWKADGSPVKAGVETTKPSKQSNNKYAASSYLSLTPEQWKSHRSYSCQVTHEGSTVEKTVAPTECS(配列番号222)
【0756】
マウスIgM重鎖定常ドメインのアミノ酸配列
SQSFPNVFPLVSCESPLSDKNLVAMGCLARDFLPSTISFTWNYQNNTEVIQGIRTFPTLRTGGKYLATSQVLLSPKSILEGSDEYLVCKIHYGGKNRDLHVPIPAVAEMNPNVNVFVPPRDGFSGPAPRKSKLICEATNFTPKPITVSWLKDGKLVESGFTTDPVTIENKGSTPQTYKVISTLTISEIDWLNLNVYTCRVDHRGLTFLKNVSSTCAASPSTDILTFTIPPSFADIFLSKSANLTCLVSNLATYETLNISWASQSGEPLETKIKIMESHPNGTFSAKGVASVCVEDWNNRKEFVCTVTHRDLPSPQKKFISKPNEVHKHPPAVYLLPPAREQLNLRESATVTCLVKGFSPADISVQWLQRGQLLPQEKYVTSAPMPEPGAPGFYFTHSILTVTEEEWNSGETYTCVVGHEALPHLVTERTVDKSTGKPTLYNVSLIMSDTGGTCY(配列番号223)
【0757】
ヒトIgM重鎖定常ドメインのアミノ酸配列
GSASAPTLFPLVSCENSPSDTSSVAVGCLAQDFLPDSITLSWKYKNNSDISSTRGFPSVLRGGKYAATSQVLLPSKDVMQGTDEHVVCKVQHPNGNKEKNVPLPVIAELPPKVSVFVPPRDGFFGNPRKSKLICQATGFSPRQIQVSWLREGKQVGSGVTTDQVQAEAKESGPTTYKVTSTLTIKESDWLGQSMFTCRVDHRGLTFQQNASSMCVPDQDTAIRVFAIPPSFASIFLTKSTKLTCLVTDLTTYDSVTISWTRQNGEAVKTHTNISESHPNATFSAVGEASICEDDWNSGERFTCTVTHTDLPSPLKQTISRPKGVALHRPDVYLLPPAREQLNLRESATITCLVTGFSPADVFVQWMQRGQPLSPEKYVTSAPMPEPQAPGRYFAHSILTVSEEEWNTGETYTCVAHEALPNRVTERTVDKSTGKPTLYNVSLVMSDTAGTCY(配列番号224)
【配列表】
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