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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-05
(45)【発行日】2024-02-14
(54)【発明の名称】粘着テープ
(51)【国際特許分類】
   C09J 7/38 20180101AFI20240206BHJP
   C09J 7/21 20180101ALI20240206BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20240206BHJP
   B32B 27/12 20060101ALI20240206BHJP
   D04B 21/00 20060101ALI20240206BHJP
【FI】
C09J7/38
C09J7/21
B32B27/00 M
B32B27/12
D04B21/00 A
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022518094
(86)(22)【出願日】2021-04-27
(86)【国際出願番号】 JP2021016842
(87)【国際公開番号】W WO2021221070
(87)【国際公開日】2021-11-04
【審査請求日】2022-09-09
(31)【優先権主張番号】P 2020081134
(32)【優先日】2020-05-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000145079
【氏名又は名称】株式会社寺岡製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100123788
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 昭夫
(74)【代理人】
【識別番号】100127454
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 雅昭
(72)【発明者】
【氏名】細井 幹郎
(72)【発明者】
【氏名】檜森 宗
【審査官】井上 明子
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-294189(JP,A)
【文献】特開2014-210998(JP,A)
【文献】特開2009-138031(JP,A)
【文献】特開2000-314062(JP,A)
【文献】特開2003-253543(JP,A)
【文献】特開2012-036516(JP,A)
【文献】特開2012-017415(JP,A)
【文献】特開平11-335942(JP,A)
【文献】特開平07-247466(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 7/00-7/50
B32B 1/00-43/00
D04B 1/00-39/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マルチフィラメントの経糸により形成されたループ構造に緯糸が挿入された、たて編地の基材と、
前記基材の前記緯糸表面に経糸が1本現れる第一の面に形成された第一ラミネート層と、
前記基材の前記緯糸表面に経糸が2本現れる第二の面に形成された第二ラミネート層と、
前記第二ラミネート層側には形成されず前記第一ラミネート層側のみに形成された粘着剤層と、を有する粘着テープ。
【請求項2】
前記ループ構造が独立鎖編みである請求項1に記載の粘着テープ。
【請求項3】
前記緯糸がフラットヤーンである請求項1または2に記載の粘着テープ。
【請求項4】
前記フラットヤーンがポリエチレン製である請求項3に記載の粘着テープ。
【請求項5】
前記第一ラミネート層と前記第二ラミネート層がポリエチレンを含む請求項4に記載の粘着テープ。
【請求項6】
前記経糸がポリエステル製のマルチフィラメントである請求項1~5のいずれか1項に記載の粘着テープ。
【請求項7】
前記粘着剤層と前記第一ラミネート層との間に下塗り剤層を有する請求項1~6のいずれか1項に記載の粘着テープ。
【請求項8】
前記第二ラミネート層の表面に背面剤層を有し、該背面剤層が外側となるようにロール形態に保持した請求項1~7のいずれか1項に記載の粘着テープ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、梱包用資材、養生用資材として好適に使用される粘着テープに関する。
【背景技術】
【0002】
農業、土木、建築、運搬などの広い分野における資材の固定用、結束用、或いは塗装マスキング用として、高粘着力タイプの粘着テープが広く使われてきている。また、そのような粘着テープには、その作業上の利便性から適度な基材強度や手切れ性を備えることが求められている。
このような手切れ性を改良した粘着テープが特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1ではマルチフィラメントを独立編みしたタテ糸に、熱可塑性樹脂を主材とするフラットヤーンをヨコ糸として挿入して形成した編布の片面又は表裏面に化学的又は物理的なアンカー処理層が形成され、該アンカー処理層上に熱可塑性樹脂が溶融状態又はドライフィルム状態で片面もしくは両面ラミネートされている編布基材の片面又は両面に感圧性粘着剤が塗布されている粘着テープであり、タテ・ヨコ方向引張り強度、タテ・ヨコ方向の引き裂き強度、タテ方向の伸びを特定の値に規定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2002-294189号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の粘着テープは、上記のような基布の表面を熱可塑性樹脂のラミネート層で覆い、下塗り剤層を介して粘着剤層が形成される構造が一般的である。
粘着テープを被貼着体に貼り付け、引き剥がしを行う際に、粘着剤が被貼着体に残ったり(以下、この現象を「粘着剤残り」ともいう。)、さらには、ラミネート層が剥がれて粘着剤と共に被貼着体に残ったりすることがある。ラミネート層が剥がれる現象を「ラミ剥がれ」と呼ぶ。粘着剤残りの場合、アルコール等による拭き取りで除去することができるが、ラミ剥がれの場合、粘着剤をラミネート層残滓でフタをしている状態となり、アルコール等での拭き取りが困難となることがある。
【0006】
このようなラミ剥がれを防止するため、ラミネート層を厚くするなどの対策がとられているが、ラミネート層を厚くすると、同じテープ長さで巻き径、テープ重量が増加し、また、コストアップにもなっている。
そこで、本発明の目的は、ラミネート層を薄くしてもラミ剥がれが生じ難い粘着テープを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、基布において、粘着剤層の形成される側の構造を特定することで、ラミ剥がれの生じ難い粘着テープが得られることを見出した。
【0008】
すなわち、本発明は、
マルチフィラメントの経糸により形成されたループ構造に緯糸が挿入された、たて編地の基材と、
前記基材の前記緯糸表面に経糸が1本現れる第一の面に形成された第一ラミネート層と、
前記基材の前記緯糸表面に経糸が2本現れる第二の面に形成された第二ラミネート層と、
前記第一ラミネート層側に形成された粘着剤層と、を有する粘着テープに関する。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、第一ラミネート層を形成するたて編地の第一の面は、緯糸の表面にあらわれる経糸の本数が相対的に少なくなる。これにより、緯糸とラミネート層の密着面積が大きくなり、ラミ剥がれが抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に使用するたて編地の概略を示す平面図(a)と、A-A’線での概略断面図(b)である。
図2】本発明の一実施形態に係る粘着シートの断面構造を示す概略断面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る粘着シートの製造工程を説明する図である。
図4】本発明の一実施形態に係る粘着シートの製造工程を説明する工程断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の一実施形態に係る粘着テープは、マルチフィラメントの経糸により形成されたループ構造に緯糸が挿入された、たて編地の基材と、前記基材の前記緯糸表面に経糸が1本現れる第一の面に形成された第一ラミネート層と、前記基材の前記緯糸表面に経糸が2本現れる第二の面に形成された第二ラミネート層と、前記第一ラミネート層側に形成された粘着剤層と、を有する。
【0012】
以下、各構成について説明する。
<基材(たて編地)>
本発明の一実施形態に係る粘着テープは、基材として、マルチフィラメントの経糸により形成されたループ構造に緯糸が挿入されたたて編地を使用する。図1は、本発明の一実施形態に使用するたて編地1の概略を示す平面図(a)と、A-A’線での概略断面図(b)であり、マルチフィラメントの経糸12により独立鎖編み13が形成されており、ここに緯糸11をヨコ入れ挿入した構成を示している。概略断面図(b)に示すように、各独立鎖編み13において、経糸12が1本となる面を第一の面1A、経糸12が2本となる面を第二の面1Bと呼ぶ。
【0013】
図1では経糸によるループ構造として、縦方向(紙面上下方向)に経糸が繋がっている独立鎖編み構造を示したが、これに限定されず、例えば、特開2014-210998号公報に示されるようなデンビー編み構造でもよい。その他の公知のループ構造も同様に使用することができる。いずれの場合も、この経糸で形成されるループ構造を、各ループ構造において経糸が1本現れる面と、経糸が2本現れる面を形成するように形成すればよい。
【0014】
(経糸)
経糸としては当該分野において使用される材料であれば特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂などが使用できる。これらの樹脂からなるマルチフィラメントを経糸として用いるが、その繊度として10~1000デニール(1.11~111テックス)、好ましくは20~500デニール(2.22~55.5テックス)のものが基材強度、手切れ性、伸びのバランスが良好である。経糸の打込本数としては10~40本/インチとすることができる。
【0015】
(緯糸)
緯糸としては当該分野において使用される材料であれば特に限定されず、上記経糸と同様の熱可塑性樹脂が使用できる。これらの熱可塑性樹脂をT型ダイスや円形ダイスから溶融押出ししたフィルムを細幅に加工したフラットヤーンを用いることが好ましい。必要に応じて老化防止剤や帯電防止剤などの改質剤を添加してもよい。又、その繊度はタテ方向への手切れ性、及びラミネート時の熱劣化とのバランスから50~1000デニール(5.55~111テックス)のものが好ましく、より好ましくは100~500デニール(11.1~55.5テックス)である。また、緯糸の打込本数としては8~28本/インチとすることができる。
【0016】
<粘着テープ>
図2は、本発明の粘着テープで片面に粘着剤層6を形成したテープの断面図であり、たて編地1の第一の面1Aに第一ラミネート層2、第二の面1Bに第二ラミネート層3が形成されており、第一ラミネート層2側に粘着剤層6が設けられている。ここでは、第一ラミネート層2と粘着剤層6との間に下塗り剤層4が設けられており、粘着剤層6とは反対の面の第二ラミネート層3の表面に背面剤層5が設けられた構造を示しているが、これらの層は任意の層である。テープをロール状に巻き回して形成する場合、粘着剤層6と接触する面には、離型紙、離型フィルムを介して巻き回してもよいが、背面剤層5として離型層を形成してもよい。
【0017】
(ラミネート層)
ラミネート層は、緯糸と同種の樹脂材料を用いることがラミ剥がれの抑制の点で好ましい。片面当たりの塗布量は50~250g/mの範囲から目的に合わせて選択することができ、厚みとしては5~300μmの範囲から選択することができる。本発明ではラミネート層、特にラミ剥がれの発生し易い第一ラミネート層を薄く形成してもラミ剥がれが発生しにくい。
【0018】
このラミネート層の形成方法を図3および図4を用いて説明する。
まず、基材となるたて編地1の第一の面1Aに物理的または化学的な表面処理(アンカー処理)を施す。物理的処理としてはコロナ処理、UV処理、スパッタリング処理等が挙げられ、化学的処理としては有機チタン系、イソシアネート系、ポリエチレンイミン系、ポリブタジエン系などから選んだ樹脂を塗布する処理が挙げられる。図3にはコロナ処理装置7で処理する態様を示す。次に、押出ラミネータ8を用い、たて編地1の第一の面1Aに押出機9からTダイ10を介して樹脂材料14を供給し、この樹脂材料14を、ゴム製のプレスロール15によりたて編地1と共に冷却ロール16に押し当てながらたて編地1と貼り合わせる。ここで、第一の面1Aに樹脂材料14を貼り合わせる際、冷却ロール16として、表面に凹凸加工が施されたいわゆるマットロールを使用することにより、図4(a)に示すようにマット面2Aを有する第一ラミネート層2が第一の面1A上に形成される。
【0019】
次に、表裏を逆転し、たて編地1の第二の面1Bに、第一の面1Aと同様の方法で表面処理および樹脂材料14の貼り合わせを行う。この場合の冷却ロール16として、表面を鏡面加工したいわゆるミラーロールを用いることにより、図4(b)に示すように平滑面を有する第二ラミネート層3が形成される。
【0020】
ここで、たて編地1の第二の面1Bがゴム製のプレスロール15によりミラーロールに押し付けられる際、プレスロール15と接触したマット面2Aは、経糸の凹凸を反映した凹凸面2Bを有する第一ラミネート層2となる。
このように、第一ラミネート層の表面が凹凸面となることで、粘着剤層6を形成する際の接触面積が増大し粘着剤残りを効果的に抑制することができる。
【0021】
(下塗り剤層)
上記のように形成した第一ラミネート層の表面には、粘着剤層との密着性を改善するために、下塗り剤層を形成することができる。下塗り剤としては、各種エラストマー(例えば、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体、塩素化ポリプロピレン、スチレン・ブタジエン共重合体とフェノール樹脂の反応物、ブチルアクリレート、酢酸ビニル、アクリル酸アミド、天然ゴムまたは合成ゴムの反応物等)の塗布、各種プライマーの塗布などが挙げられる。また、下塗り剤層の形成に変えて、第一ラミネート層の表面をコロナ処理、エッチング処理、プラズマ処理、サンドブラスト処理等で表面を改質してもよい。
【0022】
(粘着剤層)
粘着剤としては、公知の粘着剤組成物から所望の粘着力になるように適宜選択して使用すればよい。粘着剤層は、粘着剤成分としてのベースポリマー(粘着剤ベースポリマーという)を含む。前記粘着剤ベースポリマーは特に限定されないが、アクリル系粘着剤やゴム系粘着剤を用いることができる。前記アクリル系粘着剤としては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸2-エチルへキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル等の(メタ)アクリル酸エステルモノマーを主成分とし、これに(メタ)アクリル酸、クロトン酸、フマル酸、イタコン酸、(無水)マレイン酸等の官能基を含むモノマーや酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、2-メチロールエチルアクリルアミド等を必要に応じて共重合させることにより得られるアクリル系粘着剤が挙げられる。
【0023】
ゴム系粘着剤としては、例えば天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン・イソプレンブロックコポリマー等のエラストマー成分の1種又は2種以上の組み合わせに対して、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、共重合系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、クマロン・インデン樹脂、ピュア・モノマー系樹脂、フェノール系樹脂、キシレン樹脂等を混合して得られるゴム系粘着剤が挙げられる。
【0024】
粘着剤層には、粘着剤ベースポリマー以外に、当該分野において公知の各種添加剤を含むことができる。このような添加剤としては、架橋剤、難燃剤、酸化防止剤、耐候剤、軟化剤、安定剤、充填剤、増量剤、補強剤等の各種添加剤を1種又は2種以上を組み合わせて含むことができる。
【0025】
粘着剤層の厚みは、目的や使用する粘着剤各成分に応じて適宜設定できるが、例えば、5~200μmの範囲に形成することができる。粘着剤層の形成は、第一ラミネート層上に直接または上記下塗り剤層を形成または表面処理を施した後、各種塗布装置により塗布して形成される。塗布装置としては、例えば、ロールコーター、ダイコーター、リップコーター、マイヤーバーコーター、グラビアコーター等を挙げることができる。
【0026】
(背面処理)
テープとして巻き回しする際に、粘着剤層と接する第二ラミネート層側表面は、背面処理として各種離型剤を塗布する。離型剤としては、長鎖アルキル系離型剤(ステアリルアクリレートとアクリル酸、酢酸ビニルまたはアクリロニトリルとの共重合物、ステアリルアクリルアミドとアクリロニトリルやアクリル酸との共重合物、ステアリルビニルエーテルとアクリル酸、無水マレイン酸、アクリロニトリルとの共重合物)や、付加反応型、縮合反応型、カチオン重合型、ラジカル重合型のシリコーン系離型剤等が挙げられる。
これらの離型剤も、上記の各種塗布装置により塗布形成することができる。
【実施例
【0027】
以下、本発明を実施例で更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
【0028】
実施例1
経糸として、30デニール(3.3テックス)のポリエステルマルチフィラメントを、緯糸に300デニール(33テックス)の高密度ポリエチレンフラットヤーンを用い、図1に示すように、経糸が独立鎖編み構造となるたて編み地に基材を編成した。
次に、編成した基材の表裏両面に樹脂層を形成してラミネートテープを作製した。樹脂層にはポリエチレン樹脂を採用した。まず、2つのゴムロール間に張架された基材の第一の面1AにTダイから透明なポリエチレン樹脂を溶融して押し出し、マットロールにより加圧した。次に、表裏を反転させた後、第二の面1Bにも同様にしてTダイから押し出したポリエチレン樹脂層を積層した。なお、第二の面にはミラーロールを押しつけて加圧した。
なお、以下の説明では、粘着剤層を形成する側を第1層、反対側を第2層として説明する。
第1層(本発明の第一ラミネート層)の厚みは30μm、第2層(本発明の第二ラミネート層)の厚みは33μmに形成した。
次に、第1層側にエチレン-酢酸ビニル共重合体の下塗り層を形成した後、アクリル系粘着剤をロールコーターにより塗布し、厚さ35μmの粘着剤層を形成し、実施例1の粘着テープを製造した。テープ構成を表1に示す。
【0029】
比較例1
基材の第二の面に第1層、第一の面に第二層のラミネート層を形成した以外は実施例1と同様にして比較例1の粘着テープを製造した。テープ構成を表1に示す。
【0030】
比較例2
ラミネート層の厚みを表1に示すように変更した以外は比較例1と同様にして粘着テープを製造した。
【0031】
【表1】
【0032】
次に得られた粘着テープのラミ剥がれについて評価した。評価方法は、JIS Z 0237の粘着力測定試験に準拠して実施した。評価基準は以下の通りである。結果を表2に示す。
【0033】
〇 :ラミ剥がれなし
△ :ラミ剥がれ5%未満
× :ラミ剥がれ5%~30%未満
×× :ラミ剥がれ30%~80%未満
×××:ラミ剥がれ80%以上
【0034】
【表2】
【0035】
実施例1に示すように、基材の第一の面に第一ラミネート層を形成し、その上に粘着剤層を形成した本発明の粘着テープでは、第一ラミネート層を薄くしてもラミ剥がれが効果的に抑制できた。基材の第二の面に薄いラミネート層を形成した比較例1では、ラミ剥がれが多く見られた。したがって、比較例2のようにラミネート層を厚く形成する必要ある。
【符号の説明】
【0036】
1 たて編地
11 緯糸
12 経糸
13 独立鎖編み
1A 第一の面
1B 第二の面
2 第一ラミネート層
3 第二ラミネート層
4 下塗り剤層
5 背面剤層
6 粘着剤層
7 コロナ処理装置
8 押出ラミネータ
9 押出機
10 Tダイ
14 樹脂材料
15 プレスロール(ゴム製)
16 冷却ロール
図1
図2
図3
図4