(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-05
(45)【発行日】2024-02-14
(54)【発明の名称】プロセス流体障壁のあるセンサ用途に使用されるプロセス通気機能部
(51)【国際特許分類】
G01L 19/06 20060101AFI20240206BHJP
【FI】
G01L19/06 Z
(21)【出願番号】P 2022539185
(86)(22)【出願日】2020-12-18
(86)【国際出願番号】 US2020065860
(87)【国際公開番号】W WO2021133652
(87)【国際公開日】2021-07-01
【審査請求日】2022-08-24
(32)【優先日】2019-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】597115727
【氏名又は名称】ローズマウント インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】弁理士法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】ペパン,ネイサン・アール
(72)【発明者】
【氏名】ノップ,マイケル・エー
(72)【発明者】
【氏名】ウォルターズ,ジェームズ・ザ・サード
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー,デイビッド・エー
(72)【発明者】
【氏名】カッター,デイビッド・ダブリュー
【審査官】松山 紗希
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-508302(JP,A)
【文献】国際公開第2005/119194(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 19/00-19/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力送信機であって、
ハウジング、
加えられた圧力に応じて変化する電気的特性を有する圧力センサであって、プロセス流圧を示すセンサ信号を生成するように構成された前記圧力センサ、
前記圧力センサに圧力を伝えるために、プロセス障壁密封部に結合するように構成された送信機隔離用隔膜、
前記送信機隔離用隔膜に結合されたフランジであって、前記送信機隔離用隔膜の外径から延伸される少なくとも1つの気体経路を含む、前記フランジ、及び、
前記圧力センサに結合され、前記センサ信号を受信し、前記圧力を示す出力を生成する電子機器、
を含む前記圧力送信機。
【請求項2】
前記電子機器は、前記センサ信号を受信し、前記出力を計算するように構成されたマイクロプロセッサを含む、請求項1に記載の圧力送信機。
【請求項3】
前記少なくとも1つの気体経路は、前記送信機フランジの表面上に画定されている、請求項1に記載の圧力送信機。
【請求項4】
前記少なくとも1つの気体経路は、半径方向成分を含む、請求項1に記載の圧力送信機。
【請求項5】
前記気体経路は、前記送信機隔離用隔膜の前記外径から延伸される溝を含む、請求項4に記載の圧力送信機。
【請求項6】
前記気体経路は、前記送信機隔離用隔膜の前記外径から延伸される螺旋状の溝を含む、請求項4に記載の圧力送信機。
【請求項7】
前記気体経路から前記圧力送信機の外部に延伸される通気孔をさらに含む、請求項1に記載の圧力送信機。
【請求項8】
前記通気孔は、圧力を制御するための圧力発生器に結合されている、請求項7に記載の圧力送信機。
【請求項9】
前記圧力発生器は、真空発生器である、請求項8に記載の圧力送信機。
【請求項10】
前記気体経路は、前記送信機隔離用隔膜の表面粗
部によって形成される、請求項1に記載の圧力送信機。
【請求項11】
圧力送信機の設置物であって、
送信機ハウジング、
前記送信機ハウジング内に配置された電子機器、
前記送信機ハウジングに結合され、送信機隔離用隔膜を有する送信機フランジ、
プロセス流体に結合可能なプロセスコネクタであって、プロセス密封隔膜を有する前記プロセスコネクタ、
前記プロセスコネクタに結合されたプロセスコネクタフランジ、
前記送信機ハウジング内に配置され、前記電子機器に結合された圧力センサであって、加えられる圧力によって変化する電気的特性を有する圧力センサ、及び、
前記送信機隔離用隔膜と前記プロセス密封隔膜との間に配置された気体透過性層、
を含む前記圧力送信機の設置物。
【請求項12】
前記気体透過性層は、前記送信機隔離用隔膜と前記プロセス密封隔膜との間に介在する気体透過性材料層を含む、請求項11に記載の圧力送信機の設置物。
【請求項13】
前記気体透過性層は、前記送信機隔離用隔膜及び前記プロセス密封隔膜のうちの一方の少なくとも一部を形成する、請求項11に記載の圧力送信機の設置物。
【請求項14】
前記気体透過性層は、前記送信機隔離用隔膜の少なくとも一部を形成する、請求項11に記載のプロセス圧力送信機の設置物。
【請求項15】
前記気体透過性層は、前記プロセス密封隔膜の上面を含む、請求項11に記載のプロセス圧力送信機の設置物。
【請求項16】
前記プロセス密封隔膜の前記上面は、前記気体透過性層の表面粗
部によって形成された空気放出面を含む、請求項15に記載の圧力送信機の設置物。
【請求項17】
圧力送信機の設置物内の空気を排気する方法であって、
プロセスコネクタを有する流体システムを提供することであって、前記プロセスコネクタがプロセス障壁隔膜を有すること、
送信機隔離用隔膜を前記プロセス障壁隔膜に接触させ、それらの間に境界面を形成させることによって、圧力送信機を前記プロセスコネクタに結合させること、
前記境界面から気体を逃がすための気体経路を提供すること、及び、
前記境界面から気体を排気すること、
を含む前記方法。
【請求項18】
前記気体経路は、溝を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記気体経路は、気体透過性材料を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記気体経路には、真空源が動作可能に結合されることをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景
産業用プロセス制御システムは、プロセス流体や気体などの物質を、生産又は移送する産業用プロセス(工程)を、監視及び制御するために使用される。このようなシステムでは、通常、圧力、温度、流量などの「プロセス変数」を測定することが重要である。プロセス変数送信機は、このようなプロセス変数を測定し、測定されたプロセス変数に関連する情報を、中央制御室などの判断する場所に送信するために使用される。
【0002】
プロセス変数送信機は、医薬品、及び、生物学的製剤の合成、及び、食品生産:単回使用システム、プロセスシステム、流動経路、及び、最終形態:食品加工;その他の重要な機密性の高い処理環境、及び/又は、プロセス流体の完全性が要求される用途など、さまざまな用途で使用することができる。
【0003】
プロセス変数送信機の1つのタイプは、プロセス流体の1つ以上の圧力(ゲージ圧又は絶対圧など)を測定し、測定された圧力に関連する出力を提供する圧力送信機である。圧力送信機は、圧力情報を、制御室や他の適切な場所又は装置(デバイス)などの中央の場所に、通常は有線プロセス通信を介して、保存又は送信するように構成されている。しかし、無線通信技術などの他の技術を、代わりに、又は、同様に、使用することができる。
【発明の概要】
【0004】
圧力送信機は、ハウジングと、加えられた圧力によって変化する電気的特性を持つ圧力センサとを含む。圧力センサは、プロセス流圧を示すセンサ信号を生成するように構成されている。送信機を隔離する隔膜(ダイヤフラム)は、圧力センサに圧力を伝達するために、プロセス障壁の密封部(シール部)に結合するように構成されている。フランジ(つば)は送信機隔離用隔膜に結合される。フランジは、送信機隔離用隔膜の外径から内側に延伸される少なくとも1つの気体経路を含む。電子機器は、圧力センサに接続され、センサ信号を受信し、圧力を示す出力を生成する。
【0005】
本概要は、詳細な説明で後述する概念の一部を簡略化された形式で紹介するために提供されるものである。本概要は、特許請求された主題の主要な機能部又は本質的な機能部を特定することを意図したものではなく、また、特許請求された主題の範囲を決定する際の補助として使用することを意図したものでもない。特許請求された主題は、背景に記載された何らかの、又は、全ての、欠点を解決するようにした実施態様に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】プロセス圧力送信機とプロセスコネクタとの間の結合部を示す側面図である。
【
図2】プロセス圧力送信機とプロセスコネクタとの結合部の一実施例を示す拡大断面図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係るプロセス圧力送信機とプロセスコネクタとの結合部の一実施例を示す拡大断面図である。
【
図4A】本発明の一実施形態に係るプロセス圧力送信機の結合部の一実施例を示す部分断面図である。
【
図4B】本発明の一実施形態に係るフランジの一実施例を示す下面図である。
【
図5】本発明の他の実施形態に係るフランジの一実施例を示す下面図である。
【
図6】本発明の他の実施形態に係る送信機用フランジの一実施例を示す下面図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係るプロセス流体計測システムの一実施例を示す簡略化したブロック図である。
【
図8】本発明の実施形態に係るプロセス圧力送信機の設置物内の空気を排気する方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
プロセス圧力送信機は、一般的に、隔離用隔膜に流体的に結合された圧力センサを使用して圧力を検知する。隔離用隔膜は、圧力センサを、検知されているプロセス流体との直接接触から隔離する。プロセス流体は、腐食性が高く、及び/又は、高温になる可能性があるので、圧力センサへの腐食や損傷を避けるために、圧力センサから隔離された状態に保たれる。圧力は、シリコンオイルのような実質的に非圧縮性で不活性な充填流体を使用して、隔離用隔膜から圧力センサに伝達される。圧力センサ自体は、圧力に応じて変形するなどして反応する検知隔膜などの物理的構造を有する。また、圧力センサには、ひずみゲージや容量性プレート、物理的な変形に反応する電極、などの電気的な構造も含んでいる。例えば、いくつかの既知の圧力センサは、静電容量プレート又は電極を有して撓み可能な隔膜を備え、隔膜の撓みがセンサの静電容量の変化を生じさせるようになっている。さらに他の圧力センサは、脆く変形しやすいシリコン基板上に配置された抵抗性ひずみゲージ構造を採用している。圧力に応じてシリコン基板が変形すると、ひずみゲージの抵抗値が変化する。
【0008】
一部のプロセス圧力送信機の設置においては、圧力送信機が、測定目的のために圧力検知アセンブリがプロセス流体にアクセスできるように、圧力プロセス流に、結合されるか、又は、そうでなければ設置される。いくつかの実施例では、圧力送信機は、プロセス流に直接に設置される(例えば、タンク壁の側面/導管に直接に設置される)か、又は、他の様々なプロセスアクセスポイントと同様に、プロセス流へのアクセスポイントを作成するプロセスコネクタ(例えば、流体ポート)に結合される。これらのプロセスコネクタは、例えば、隔膜又は化学的な密封部、などの障壁と結合することができ、これは、薄い柔軟な膜(例えば、隔膜)からなる装置(デバイス)であり、一般に2つのフランジ(例えば、送信機フランジ及びプロセスコネクタフランジ)の間に締め留め(クランプ)される。この密封部は、プロセス流体と圧力検知アセンブリとの間の障壁として機能し、また、隔膜(例えば、隔離用隔膜)を含むことができ、したがって、検知アセンブリを、プロセス流体を介した損傷から保護できる。さらに、この障壁は、圧力送信機の設置物の安全な設置及び保守のために、プロセス流体に対する密封を提供でき、また、特に、プロセス流体が完全な状態であることが重要である用途、例えば、生物学、医薬及び食品加工用途において、プロセス流体が完全な状態であることを維持させることが可能である。この障壁は、保護密封を提供する一方で、プロセス流体との接触による圧力に反応し、それによって、その圧力を、追加の隔膜で構成される検知アセンブリに伝達できるよう、柔軟な材料で構成されている。
【0009】
特定の操作(例えば保守/設置)中に、圧力送信機のプロセス障壁密封部と隔離用隔膜の間に空気が閉じ込められることがある。一般的に、プロセス圧力送信機は、設置時又は保守後の再接続時に、プロセス流体にアクセスするためにプロセスコネクタ(例えば、タンク、マニホールド、パイプ、流体ポート、フィッティングなどの側面の開口部)に設置される。プロセス圧力送信機は、プロセスコネクタにネジ式に結合又は固定されたフランジアセンブリ、並びに、他の適切な結合技術(例えば、溶接/はんだ/接着剤)、を使用してプロセスコネクタに結合することができる。プロセスコネクタが柔軟な障壁(例えば、隔膜や化学的な密封部)を有する場合は、2つの表面(例えば、プロセス圧力送信機の隔離用隔膜とプロセス障壁密封部)が接合されると、空気やその他の気体がその間に入り込み、結合時にその中に閉じ込められたり密閉されたりする可能性がある。
【0010】
プロセスコネクタと送信機の間に「空隙(air gap)」が存在すると、センサの読み取り値や測定出力の精度に影響を与える可能性がある。例えば、2枚の隔膜の間に空気が閉じ込められている場合、その空気が温度の変化により膨張し、測定誤差を増大させる可能性がある。同様に、空気の圧縮性も測定誤差の原因となることもある。すなわち、特に2枚の隔膜の場合、その間に閉じ込められた空気は、プロセスコネクタ隔膜(例えば、高分子材料(ポリマー)の隔膜)にかかる圧力と変位の結果として圧縮され、それが検知アセンブリ(例えば、隔離用隔膜)に作用して、プロセス流体の実際の圧力を示すものではない圧力測定値となるのである。制御(例えば、プロセス流体の既知の圧力)がない場合、送信機とプロセスコネクタの間の密封を損なうことなく、設置場所に閉じ込められた空気の実際の体積を知ることは困難であるため、閉じ込められた空気による誤差を考慮することは困難である。言い換えれば、閉じ込められた空気は未知の量の張力を及ぼし、センサ出力に計測不能なオフセットを生じさせる。閉じ込められた空気に起因する測定誤差を排除するか、又は、低減するプロセス圧力送信機の設置物が必要とされている。そのようなプロセス圧力送信機の設置物が、本明細書において提供される。
【0011】
図1は、送信機の設置物の一実施例を示す透視図である。設置物100には、送信機102、送信機ハウジング103、プロセスコネクタ104、結合部106、送信機フランジ108、及び、プロセスコネクタフランジ110が含まれる。送信機102は、送信機ハウジング103内に収容される様々な電気部品を含むことができ、これには、センサ(複数可)、単一又は複数のマイクロプロセッサを含むことができるコントローラ(複数可)、測定及び通信回路を含む様々な回路、電源(例えば、電池)、並びに、プロセス変数の測定及び通信に適した他の任意の電気部品が含まれるが、これらに限定されない。送信機102は、さらに、例えば、ボタン、スイッチ、ダイヤル、タッチスクリーン、及び、ユーザ入力(例えば、「状態(STATUS)」ボタンを押す)を受け取るように構成された他の適切な装置など、様々なユーザインタフェースを含むことができる。ユーザインタフェースは、表面に形成されるか、又は、そうでなければ、送信機102の状態又はプロセス流動の状態、を示すように構成された様々な表示部を含むことができる。例えば、ユーザが「状態」ボタンを押すと、送信機102に電子的に結合されたライトが点灯し、それによって送信機102又はプロセス流動のいずれかの特定の状態(例えば、保守又は較正の必要性を示す赤色点滅灯)を示すことができる。同様に、LEDスクリーンなどの表示部は、プロセス流の現在の圧力を示すことができる。本明細書では、これらの全て及びそれ以上が意図されている。
【0012】
プロセス圧力送信機102とプロセスコネクタ104は、圧力送信機102内の圧力センサ(図示せず)が、プロセス流体の圧力に動作可能に結合されるように、結合部106で密閉されて結合される。プロセスコネクタ104は、プロセス流体がそれを通ってプロセスコネクタの内部にアクセスし、それによって検知アセンブリに露出されることを可能にするための、開口部を有する。結合部106は、送信機フランジ108、及び、プロセスコネクタフランジ110によって示されるように、フランジアセンブリ(組立体)として示されているが、結合部106は、例えば、送信機102又はプロセスコネクタ104のいずれかにそれぞれ属する雄ネジ及び雌ネジを有するネジアセンブリから構成されることができる。結合部106は、任意の数の結合アセンブリ、例えば、溶接、はんだ、接着剤、及び、送信機102をプロセスコネクタ104に結合するための任意の他の適切な技術、を含むことができる。送信機102がプロセスコネクタ104に結合されることで、プロセスコネクタ104の障壁と送信機102の検知アセンブリ(例えば、後述の検知領域114)との間の境界面(インターフェイス)が形成される。
【0013】
上述したように、送信機102とプロセスコネクタ104が一緒にされると、それらの間に空気が閉じ込められる可能性があり、プロセス流体がプロセス流からプロセスコネクタを通って移動し、プロセスコネクタ障壁(例えば、隔膜密封部)に対して作用すると、作用する力が検知アセンブリ(例えば、隔離用隔膜)に対して作用するので、閉じ込められた空気が圧力測定における測定誤差を引き起こす。プロセスコネクタ障壁は、プロセス流体の完全性を保護するか、又は、高温や腐食性の化学物質による損傷から検知アセンブリを保護する必要があるため、いくつかのプロセスで必要であり、障壁を単純に除去することが選択肢ではない。
【0014】
送信機102とプロセスコネクタ104の双方は、ステンレス鋼(例えば、316Lステンレス鋼)、メッキ炭素鋼(例えば、ニッケルメッキ)、合金M30C、合金C-276、タンタル、PTFE、Kynar、高分子材料、Monel、Hastelloy C、PVC、プロピレン、チタン、carpenter 20、CPVC、及び、その他の任意の適切な材料、を含むが、これらに限定されない任意の材料で形成することができる。
【0015】
図2は、送信機とプロセスコネクタとの間の結合の一実施例を示す断面図である。結合部106は、送信機とプロセスコネクタが、各々の表面の2つ(例えば、隔離用隔膜114とプロセス障壁密封部116)の間に境界面が作成されるように、互いに結合されることを示すものである。結合部106は、送信機102、プロセスコネクタ104、送信機フランジ108、プロセスコネクタフランジ110、隔離用隔膜114、プロセス障壁密封部116、空隙118、密封部122、及び、境界面123を含む。空隙118は、隔離用隔膜114とプロセス障壁密封部116の間の空間によって示されるように、送信機102とプロセスコネクタ104の結合中に隔離用隔膜114とプロセス障壁密封部116の間に空気が閉じ込められた結果である。送信機102とプロセスコネクタ104が互いに結合されると(例えば、フランジ108と110を介して)、閉じ込められた空気が結合部106から逃げられないような密封部122が作成される。結合部106は、フランジ108、110から構成されるものとして示されている(
図1)が、別の実施例としては、送信機102とプロセスコネクタ104が、ねじ山、又は、その他の適切な技術を介して結合されることができる。
【0016】
上述したように、プロセス障壁密封部116は、一実施例としては、プロセス流と送信機隔離用隔膜114との間の流体の密封を提供する。送信機隔離用隔膜114が圧力を圧力センサに伝えるためには、隔離用隔膜114及びプロセス障壁密封部116は一体となって撓む必要がある。したがって、プロセス障壁密封部116は、圧力に応答する(例えば、撓む)のに十分な可撓性を有する材料で形成される。プロセス障壁密封部116は、一実施例としては、高分子材料又は金属で形成され得る。例えば、プロセス障壁密封部116は、鋼(例えば316ステンレス鋼)、PTFE、高分子材料、合金C-276、合金400、金メッキ合金400、金メッキステンレス鋼、Monel、Hastelloy B又はC、ニッケル、carpenter20、タンタル、又は、プロセス障壁密封部116が密封を提供し、プロセス流体からの圧力に反応できるような任意のその他の適切な材料から形成されることが可能である。
【0017】
隔離用隔膜114は、プロセス流体圧の力によって作用される。送信機隔離用隔膜は、その表面(例えば、障壁に面した表面領域)に力が作用すると変形するように構成される。隔離用隔膜114は、例えば、鋼(例えば、316ステンレス鋼)、PTFE、高分子材料、合金C-276、合金400、金メッキ合金400、金メッキステンレス鋼、Monel、Hastelloy B又はC、ニッケル、carpenter20、タンタル、又は、隔離用隔膜114が撓んで、圧力センサに正確な圧力測定を提供できるような、その他の適切な材料で形成することができる。
【0018】
先に説明したように、空隙118に閉じ込められた空気は、隔離用隔膜114に未知の量の力を及ぼし、検知アセンブリの測定出力に測定不能なオフセットを引き起こすため、検知アセンブリの圧力測定出力にエラーを引き起こす可能性がある。
【0019】
図3は、
図2に類似しており、そのため同様の要素には同じ番号が付与されている。結合部106は、送信機102、プロセスコネクタ104、隔離用隔膜領域114、プロセス障壁密封部116、空隙118、気体透過性層120、密封部123、及び、密封部125を含む。気体透過性層120は、隔離用隔膜114とプロセス障壁密封部116との間に介在された気体透過性材料層を含む。空隙118に閉じ込められた空気は、気体透過性層120を通って外側に移動し、それによって空隙118を通気して、閉じ込められた空気を除去又は減少させる。一実施例としては、気体透過性層120は、アセンブリに加えられる別個の構成要素(例えば、シート)である。別の実施例としては、気体透過性層120は、隔離用隔膜114又はプロセス障壁密封部116のいずれかに結合することができる。一実施例としては、気体透過性層120は、隔離用隔膜114とプロセス障壁密封部116との間の境界面(例えば123)にまたがっており、それによって、隔離用隔膜114とプロセス障壁密封部116との間の境界面から設置物の外部、又は、少なくとも境界面の外部、への空気経路を形成している。
【0020】
別の実施例としては、気体透過性層120は、プロセス障壁密封部116に一体的に接続されている。例えば、気体透過性層120は、一体型アセンブリが形成されるように、プロセス障壁密封部116に接着される。別の実施例としては、気体透過性層120は、プロセス障壁密封部116の少なくとも一部(例えば、隔離用隔膜114に近接するプロセス障壁密封部116の部分[すなわち、プロセス障壁密封部116の上面/上部])を形成する。別の実施例としては、気体透過性層120は、隔離用隔膜114に一体的に接続されている。例えば、気体透過性層120は、一体型アセンブリが形成されるように隔離用隔膜114に接着される。別の実施例としては、気体透過性層120は、隔離用隔膜114の少なくとも一部(例えば、プロセス障壁密封部116に近接する隔離用隔膜の部分[すなわち、隔離用隔膜114の底面/底部])を形成する。
【0021】
別の実施例としては、プロセス障壁密封部116は、空隙118に閉じ込められた空気がプロセス障壁密封部116を通ってプロセスコネクタ104に拡散し、それによって閉じ込められた空気を除去又は低減させることができるように、気体透過性材料を含む。別の実施例としては、送信機フランジ108は、また、少なくとも部分的に(例えば、以下に示すフランジ表面128と同じ領域で、又は、プロセスコネクタフランジ110に近接する少なくとも一部で)、空隙118に閉じ込められた空気が送信機フランジ108を通って移動して隔離用隔膜114から離れて拡散できるように、空気透過性(例えば、空気透過性材料を含む)であることができる。
【0022】
上記の例のいずれか又は全てにおいて、空隙118に閉じ込められた空気及び他の気体が設置物100の外部、又は少なくとも隔離用隔膜114とプロセス障壁密封部116の間の境界面の外部に移動するための空気経路が作成される。上記の例のいずれか及び/又は全てにおいて、空隙118に閉じ込められた空気及び他の気体が、設置物100の外部、又は少なくとも隔離用隔膜114とプロセス障壁密封部116との間の境界面の外部へ移動するための空気経路が作られる。
【0023】
図4Aは、送信機の設置物の一実施例を示す部分断面図である。
図4Aは、
図1と類似しており、そのため同様の要素には同じ番号が付与されている。設置物100には、送信機102、プロセスコネクタ104、送信機フランジ108、プロセスコネクタフランジ110、通気孔124、及び、溝126が含まれる。一実施例としては、1つ以上の通気孔124が、送信機フランジ108に、機械加工されるか、又は、別の方法で設けられて、空隙118に閉じ込められた空気のための通気経路を作成/画定し、それによって閉じ込められた空気を除去又は減少させる。いくつかの実施例では、空隙118内の閉じ込められた空気が通気孔124に移動し、そこから排気されることができるように、溝126、又は、他の経路が、送信機フランジ108の表面に機械加工されるか、又は、他の方法で提供される。
【0024】
いくつかの実施形態では、1つ以上の通気孔124は、
図4Aに示される圧力発生器125のような圧力発生器に結合することができる。圧力発生器125は、通気孔124に所望の圧力を提供するように構成された任意の適切な構造又は装置とすることができる。1つの特定の例としては、圧力発生器125は、真空ポンプのような真空源である。
【0025】
図4Bは、フランジの一実施例を示す下面図である。送信機フランジ108は、検知領域114、通気孔124、溝126、及び、フランジ表面128を含む。図示されたように、溝126は、送信機フランジ108の表面(すなわちフランジ表面128)に機械加工されるか、又は、その他の方法で設けられる、環状の溝であり、隔離用隔膜114とプロセス障壁密封部116との間に閉じ込められた空気(及び、その他の気体)が、通気孔124に移動するための経路を作成/画定し、それによって空隙118に閉じ込められた空気を、除去又は減少させて、設置物100から脱出できるようにしている。図に示されるように、フランジ表面128は、溝の後に続いている。当業者であれば、溝126がフランジ表面128と異なる高さを有すること、すなわち、溝126の根元が、フランジ表面128から離れるように凹んでいることを理解するであろう。
【0026】
別の実施例としては、通気孔124は、(
図4A-Bに示されるように)送信機フランジ108の上部を介して通気する代わりに、最初は溝126から垂直に通気し、次に実質的に水平に続き、それによってフランジの側面から気体が通気されるように機械加工されている。これは、通気孔124(例えば、障壁116が損なわれる場合)を出る可能性のある任意の潜在的な流体を、プロセス環境のオペレータ、又は、他の敏感な構成要素、から遠ざけることができるという点で有利である可能性がある。同様に、別の実施例としては、通気孔124は、溝から実質的に斜めに進み、送信機フランジ108の外面から通気するように機械加工することができる。別の実施例としては、通気孔124は、溝126から設置物100の外部に至る経路が形成されるように、任意の数の方向、又は、その組み合わせで機械加工することができる。別の実施例としては、圧力発生装置125は、少なくとも1つの通気孔124に取り付けられ、隔離用隔膜114とプロセス障壁密封部116との間の気体圧を、積極的に除去又は制御するために使用することができる。
【0027】
図4A及び4Bでは、1つの通気孔のみが示されているが、当業者であれば、任意の数の通気孔を使用してもよく、送信機フランジ108上の任意の数の位置に配置してもよく、また、別々の通気孔の各々の方向性が他とは異なっていてもよい(すなわち、1つは側面から、もう1つは上部から外に出て通気する)ことを理解するであろう。
【0028】
溝126は、環状溝として示されているが、別の実施例では、溝126は、検知領域114から半径方向に延伸される少なくとも1つの溝を含むことができ、閉じ込められた空気が空隙118から通気孔(例えば、124)に移動するための経路を規定し、通気孔は、溝126から送信機フランジ108の外部に至る経路を規定する。
【0029】
上記の実施例のいずれか、及び/又は、全てにおいて、空隙118に閉じ込められた空気、及び、他の気体が、設置物100の外部、又は、少なくとも検知領域114と障壁116との間の境界面の外部へ移動するための空気経路が作成される。
【0030】
図5は、フランジの一実施例を示す下面図である。送信機フランジ108は、隔離用隔膜114、フランジ表面128、及び、溝130を含む。溝130は、一般的に、半径方向成分を含む。この半径方向成分は、
図5に示されるように、検知領域の中心を通過する経路上にある溝とすることができる。別の実施例としては、半径方向成分は、溝130に沿って半径方向の距離が減少する1つ以上の溝、例えば1つ以上の螺旋状溝130、によって提供される。溝130は、フランジ表面128に機械加工されるか、又は、他の方法で提供され、空気(及び、他の気体)が、隔離用隔膜114から送信機フランジ108の外部に移動するための1つ以上の経路を作成/画定する。12本の放射状溝が示されているが、当業者は、任意の数の放射状溝130を実施することができること、及び、それらが表面128に沿った任意の位置に配置できることを理解するであろう。当業者は、溝130がフランジ表面128と異なる高さを有すること、すなわち、溝130の根元が、フランジ表面128から離れるように凹むであろうことを理解するであろう。
【0031】
図6は、フランジの一実施例を示す下面図である。送信機フランジ108は、隔離用隔膜114とフランジ表面128を含む。一実施例としては、フランジ表面128の表面粗
部は、空気放出面を作成するために操作(例えば機械加工)されることができる。一実施例としては、フランジ表面128は、空気(及び、他の気体)を、通気孔124、及び/又は、半径方向溝130のようなより大きな機能部を通してではなく、表面(すなわち、フランジ表面128)の質感(texture)を通して逃がすことができるような、表面粗
部(例えば、粗い仕上げ
部)を有することができる。フランジ表面128にわたる高さの変動は、空気が送信機フランジ108の外部へ移動するための経路を作成し、いわば、「山」と「谷」を作り出す。一実施例としては、高さの変動は、空気の拡散を可能にするのに十分であり、一方で、送信機102をプロセスコネクタ104に十分に結合させることができる。当業者であれば、フランジ表面128に様々なパターンを使用できることを理解するであろう。
【0032】
別の実施例としては、プロセス障壁密封部116の送信機側(上面)は、プロセス障壁密封部116の送信機側と隔離用隔膜114のプロセス側との間で空気が拡散し、したがって、空隙118に閉じ込められた空気が設置物100の外部に逃げることを可能にする表面粗部を有することができる。一実施例としては、プロセス障壁密封部116は、空気が空隙118から設置物100の外部へ移動するための経路を提供する表面粗部を有する。
【0033】
上記の実施例のいずれか、及び/又は、全てにおいて、空隙118に閉じ込められた空気、及び、他の気体が、設置物100の外部、又は、少なくとも隔離用隔膜114とプロセス障壁密封部116との間の境界面の外部へ移動するための空気経路が作成される。
【0034】
図7は、送信機の設置物の一実施例を示す簡略化されたブロック図である。設置物200は、送信機202、プロセスコネクタ204、気体透過性層220、及び、その他232を含む。送信機202は、プロセス圧力を検知して測定し、その圧力を示す出力を生成するように構成されている。送信機202は、ハウジング206、送信機フランジ208、センサアセンブリ213、及び、電子機器219、を含む。一実施例としては、センサアセンブリ212及び電子機器219は、ハウジング206内に配置されている。別の実施例としては、センサアセンブリ213と電子機器219の構成要素の任意の組み合わせは、ハウジング206の内部に配置されるか、又は、ハウジング206の外部に配置されることができる。
【0035】
送信機フランジ208は、ハウジング206に結合され、溝(複数)209、通気孔(複数)、及び、その他212などの空気(及び、他の気体)の経路を含む。一実施例としては、送信機フランジ208は、送信機ハウジング206の不可欠な部分である(例えば、成形されたアセンブリ全体として)。溝209は、一実施例としては、送信機フランジ208に機械加工され、送信機202とプロセスコネクタ204の間に閉じ込められた空気及び気体が設置物200の外部に逃げるための経路を作成する。一実施例としては、溝(複数可)209は、送信機フランジ208の表面(例えば、プロセスコネクタ204の方を向くように構成された送信機フランジ208の表面)に機械加工される。一実施例としては、溝(複数可)209は、環状溝からなる。一実施例としては、溝(複数可)209は、検知領域214から送信機フランジ208の外側へ半径方向に延伸される少なくとも1つの半径方向溝を含む。
【0036】
通気孔(複数可)211は、一実施例としては、送信機フランジ208に機械加工され、溝(複数可)209から送信機フランジ208の外部に空気と気体のための経路を形成する。通気孔(複数可)211と溝(複数可)209は、一実施例としては、互いの中に開かれるように交差しており、言い換えれば、気体はその間を自由に移動することができる。一実施例としては、通気孔(複数可)211は、環状溝から送信機フランジ208の外部に延伸される少なくとも1つの通気孔を含む。通気孔(複数可)211は、様々な方向、例えば、垂直方向、水平方向、及び、斜め方向、又は、他の適切な方向、又は、それらの組み合わせ、で送信機フランジ208に機械加工することができる。
【0037】
送信機フランジ208は、また、他の空気経路212を含めることもできる。例えば、送信機フランジ208の表面には、空気及びその他の気体が表面を通って、表面に沿って、送信機フランジ208の外部に移動するための経路を作成することができるような「山」と「谷」が形成されるような表面粗部を有する。一実施例としては、その他212は、プロセスコネクタフランジ210に面するように構成された送信機フランジ208の表面上の粗い表面仕上げ部を含んでいる。別の実施例としては、その他212は、送信機202とプロセスコネクタ204との間に閉じ込められた空気及び他の気体が送信機フランジ208を通って設置物200の外部に拡散できるような気体透過性材料を含む送信機フランジ208の少なくとも一部分を含む。一実施例としては、送信機フランジ208のその気体透過性部分は、プロセスコネクタフランジ210に近接した送信機フランジ208の少なくとも一部分を含む。
【0038】
センサアセンブリ213は、圧力センサ214、電気的構造(複数可)215、充填流体217、及び、その他218を含む。圧力センサ214は、プロセス流動圧力にさらされ、検知された圧力を示すセンサ信号を生成するように構成されている。一実施例としては、圧力センサ214は、隔離用隔膜の撓みによってプロセス流体圧力に動作可能に結合されるセンサ隔膜又は表面と、充填流体217(例えば、シリコンオイル)を含む。圧力センサ214の電気的構造(複数可)215は、プロセス圧力を示すセンサ信号を生成するために、圧力センサの変形に反応するように構成された、歪みゲージ(複数可)、容量性プレート(複数可)、電極(複数可)、又は、他の任意の適切な電気的装置、を含むことができる。その他のセンサアセンブリ機能部218は、追加の流体ポート、追加の検知領域(例えば、隔膜)、過圧保護機能部、バルブ、充填流体ポート、等を含むが、これらに限定されない、プロセス圧力送信機に適した任意のその他の適切な機能部を含むことができる。
【0039】
電子機器219は、測定回路221、通信回路223、コントローラ(複数可)227、電源(複数可)229、及び、その他231を含む。一実施例としては、電子機器219は、検知アセンブリ213に電子的に結合され、プロセス圧力を示すセンサ信号を受信する。測定回路221は、一実施例としては、検知領域214に結合されている。測定回路221は、センサ信号を受信すると、信号調整を含む様々な動作を実行することができる。信号調整には、センサ信号の増幅、フィルタリングの実行、線形化、正規化、及び/又は、任意のその他の信号調整、を含むことができる。一実施例としては、測定回路221は、アナログ/デジタル変換器を含む。別の実施例としては、測定回路は、適切なマルチプレクサ回路を含む。
【0040】
コントローラ(複数可)227は、多数のプロセッサ、及び/又は、マイクロプロセッサから構成することができ、測定回路221に結合して信号を受信し、受信した信号に基づいて出力を生成することができる。コントローラ(複数可)227は、一実施例としては、コントローラ(複数可)227がプロセス制御、及び、監視システム内の他の装置と通信できるように、通信回路223に結合されることができる。コントローラ(複数可)227は、警告をトリガする、又は、ユーザインタフェース、もしくは、他の表示部上の表示(例えば、ローカル表示部上の圧力測定値)を表面化させるための制御信号を生成することができる。
【0041】
通信回路223には、コントローラ(複数可)227が、HART(登録商標)(Highway Addressable Remote Transducer)プロトコル、FOUNDATION(登録商標)、フィールドバスプロトコルなどのプロセス産業標準の通信プロトコルに従って通信することができる回路を含むことができる。通信回路223は、一実施例としては、有線ループを介して通信することができる。一実施例としては、通信回路223は、IEC62591(Wireless HART)などの適切な無線通信プロトコルを介して無線で通信することができる。通信回路223は、センサアセンブリ213の出力の通信を、ローカル、又は、リモート装置、及び/又は、ユーザインタフェース、へ提供することができる。
【0042】
電源(複数可)231は、一実施例としては、電子機器219内の全ての構成要素に結合され、送信機202の他の全ての電気的構成要素(例えば、電気的構造215)に結合されることができる。電源(複数可)231は、適切な電源(例えば、コンセントを介した建物の電気的システム)から電力を受け取り、電子機器219内の回路に、電圧調整又は他の適切な電力調整を提供するように構成することができる。一実施例としては、電源(複数可)231は、送信機202がその動作エネルギーの全てを有線プロセス通信ループから受け取ることができるように、有線プロセス通信ループに結合することができる。別の実施例としては、電源(複数可)231は、AC又はDC電力の適切な電源に結合することができる。さらに、電源(複数可)は、ローカル電源、例えば、ハウジング206内に収容されたバッテリであることができる。電源(複数可)は、有線電源とローカル電源(例えば、建物の電気的システムへの有線接続とローカル充電式バックアップバッテリ)の両方の組み合わせとすることができる。
【0043】
その他232には、プロセス送信機での使用に適した任意のその他の適切な装置、機構、回路、構造、及び、他の構成要素を含めることができ、これには、追加のセンサ(例えば温度センサ)、表示部、ユーザインタフェース、ポンプ、バルブ、ガスケット、ファスナー、電気部品など、を含むが、これらに限定されるものではない。
【0044】
プロセスコネクタ204は、プロセスコネクタフランジ210、障壁216、及び、その他222を含む。プロセスコネクタフランジ210は、一実施例としては、プロセスコネクタ204に結合することができる。プロセスコネクタは、マニホールド、パイプ、プロセスポート、フィッティングなどを含むが、これらに限定されない、測定、分析、及び/又は、制御の目的のために送信機202がプロセス流動に適切にアクセスできるように構成された任意の数の適切な装置、又は、構造を含むことができる。プロセスコネクタフランジ210は、ボルト、又は、他の適切な締結具を介して、送信機フランジ208に結合するように構成される。プロセスコネクタフランジ210は、送信機フランジ208に対面するように構成された表面を有し、一実施例としては、その表面(すなわち、表の面)は、障壁216の表面積を規定する内径を有する。例示の目的で、設置物200は、送信機202とプロセスコネクタ204との間のフランジ結合を含むように示されているが、本明細書では、結合の他の形態として、ねじ結合、溶接、ろう付け、接着剤などを含むが、これらに限定されないことが意図されている。
【0045】
プロセス障壁密封部216は、プロセス流体と送信機の隔離用隔膜との間に流体の密封を提供するように構成される。プロセス障壁密封部216は、圧力に反応する(例えば、撓む)のに十分に柔軟な材料を密封するのに適した装置を含むことができる。プロセス障壁密封部216は、高分子隔膜とすることができる。一実施例としては、プロセス障壁密封部216は、送信機隔離用隔膜に対面するように構成された表面(「上面/表面」)を含む。送信機202及びプロセスコネクタ204が互いに結合されるとき、プロセス障壁密封部216と送信機隔離用隔膜との間に境界面が生じる。空気及び他の気体は、この境界面内に閉じ込められ、送信機202の測定性能に影響を与える可能性がある空隙(例えば、空隙118)を生じさせることがある。一実施例としては、障壁216の上面/表面は、空気及び他の気体がプロセス障壁密封部216を通って設置物200の外部に流れることができ、それによって空隙が排気されることができるような表面粗部を有している。別の実施例としては、プロセス障壁密封部216の少なくとも一部は、空隙内に閉じ込められた空気及び他の気体が空隙から離れてプロセスコネクタ204内に拡散できるように、気体透過性材料を含む。
【0046】
その他222は、プロセスコネクタでの使用に適した任意のその他の装置、機構、及び、構造、を含み、継手、ファスナー、設置アダプタ、ガスケット、Oリング、ネジ、バルブなどを含むが、これらに限定されるものではない。
【0047】
気体透過性層220は、送信機隔離用隔膜とプロセス障壁密封部216の間に閉じ込められた空気が、気体透過性層220を通って設置物200の外部へ拡散するか、さもなければ、流れるように、送信機隔離用隔膜とプロセス障壁密封部216の間に介在する気体透過性材料層とすることができる。一実施例としては、気体透過性層220は、隔離用隔膜とプロセス障壁密封部216との間の境界面にまたがる、アセンブリに加えられた別個の構成要素(例えば、シート)である。別の実施例としては、気体透過性層220は、プロセス障壁密封部216に一体的に接続されている。例えば、気体透過性層220は、一体型アセンブリが形成されるように、プロセス障壁密封部216に接着(又は、他の方法で結合)される。別の実施例としては、気体透過性層220は、隔離用隔膜に近接するプロセス障壁密封部216の部分を含むが、これに限定されないで、プロセス障壁密封部216の少なくとも一部を形成する。
【0048】
その他233には、継手、設置アダプタ、ファスナー、密封部、ガスケット、Oリング、電気部品、表示部、ユーザインタフェース、バルブ、追加のセンサ(例えば温度センサ)などを含むが、これらに限定されないで、プロセス圧力送信機の設置物に適した任意のその他の装置、機構、コンポーネント又は構造物を含むことができる。一実施例としては、設置物200は、隔離用隔膜とプロセス障壁密封部216との間の空隙の再加圧を防ぐように構成された受動的な流量制御部(例えば、逆止弁)を含めることができる。別の実施例としては、送信機フランジ208は、隔離用隔膜とプロセス障壁密封部216との間の気体圧を積極的に除去又は制御するために使用される圧力発生装置に結合できる特定の通気孔を含むことができ、そのような場合、送信機フランジ208は、意図的に障壁に密封されることができる。一実施例としては、送信機フランジ208は、機械的に一緒にロックされるが気密ではない2つ以上の構成要素(例えば、フランジ本体の2つ以上の部分)を含むことができ、これにより、空隙内の空気及び他の気体が設置物200の外部に通気することができる。
【0049】
方法300は、障壁を利用するプロセスコネクタを有するプロセス流動システムが提供されるブロック305で始まる。プロセス流動システムには、例えば、導管、パイプ、チューブ、流体タンク、ゲージ、バルブ、センサ、電気的構成要素、締結具、及び、プロセス流動システムに適した任意の他の機構、装置、構成要素、又は、構造などを含むが、これらに限定されないで、任意の数の機構、装置、構成要素、又は、構造、を含むことができる。プロセスコネクタは、フランジ、ねじ山、流体ポート、継手、設置アダプタ、マニホールド、パイプ、チューブ、バルブ、及び/又は、プロセスコネクタに適した他の任意の機構、装置、構成要素又は構造を含むが、これらに限定されないで、任意の数の装置、機構、構成要素、又は、構造から構成、及び/又は、含むことができる。障壁は、例えば、隔膜密封部などの隔膜、及び/又は、プロセス流圧に反応しながらプロセス流と送信機との間に流体の密封を提供するのに適した任意のその他の機構、装置、構成要素、又は、構造を含むことができる。
【0050】
方法300は、ブロック315に続き、隔離用隔膜を利用するプロセス圧力送信機がプロセスコネクタに結合される。一実施例としては、プロセス圧力送信機は、フランジアセンブリを介してプロセスコネクタに結合され、それによって、プロセス圧力送信機フランジ(プロセス圧力送信機に結合された)が、プロセスコネクタのフランジに結合され、それによって、プロセス圧力送信機の隔離用隔膜とプロセスコネクタのプロセス障壁密封部との間の境界面を形成される。いくつかの実施例では、プロセス圧力送信機とプロセスコネクタの結合中に、空気や他の気体が隔離用隔膜とプロセス障壁密封部の間に閉じ込められる。
【0051】
方法300は、ブロック325に続き、空気及び他の気体の経路では、プロセス圧力送信機とプロセスコネクタとの間から、隔離用隔膜とプロセス障壁密封部との間の境界面の外部に移動する。一実施例としては、経路は、プロセスコネクタに対面するように構成されたプロセス圧力送信機のフランジの表面に機械加工された溝、又は、その他の方法で提供された、少なくとも1つの溝を含む。一実施例としては、少なくとも1つの溝は、環状溝である。別の実施例としては、少なくとも1つの溝は、検知領域と障壁との間の境界面から境界面の外側、例えば、送信機フランジの外側、に延伸される放射状の溝である。一実施例としては、経路は、少なくとも1つの溝から送信機フランジの外部へ延伸される少なくとも1つの通気孔を含む。一実施例としては、少なくとも1つの通気孔は、少なくとも1つの溝から実質的に垂直に延伸されるが、水平方向、斜め方向、又は、その他の適切な方向、又は、それらの任意の組み合わせ、を含むが、これらに限定されないで、他の方向が本明細書では意図されている。
【0052】
方法300は、ブロック335に続き、空気及び他の気体が、プロセス圧力送信機とプロセスコネクタとの間から、経路を使用して、隔離用隔膜とプロセス障壁密封部との間の境界面の外部に通気される。
【0053】
プロセス圧力送信機、及び、プロセス圧力送信機の設置物は、本明細書に記載された実施例に関して特に説明されてきたが、他の送信機、及び、送信機の設置物もまた、前記実施例と共に実施することができ、したがって、本開示は、単にプロセス圧力送信機、及び/又は、プロセス圧力送信機の設置物と共に説明されたシステム、及び、プロセスの使用に限定されないことに留意されたい。
【0054】
また、本明細書に記載された異なる実施例は、異なる方法で組み合わせることができることに留意されたい。すなわち、1つ以上の実施例の一部を、1つ以上の他の実施例の一部と組み合わせることができる。本明細書では、これらの全てについて意図されている。