(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-05
(45)【発行日】2024-02-14
(54)【発明の名称】靴部品製造機を制御するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A43D 1/02 20060101AFI20240206BHJP
【FI】
A43D1/02
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023000695
(22)【出願日】2023-01-05
(62)【分割の表示】P 2018544228の分割
【原出願日】2017-02-24
【審査請求日】2023-02-03
(32)【優先日】2016-02-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】502004995
【氏名又は名称】エッコ スコ アクティーゼルスカブ
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パトリツィオ カールッチ
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ ヘンリー ミッチェル
【審査官】渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-501114(JP,A)
【文献】特表2010-538794(JP,A)
【文献】特表平05-507630(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0163147(US,A1)
【文献】国際公開第2015/169941(WO,A1)
【文献】国際公開第02/061655(WO,A1)
【文献】国際公開第2008/070537(WO,A2)
【文献】国際公開第2008/080137(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A43B 1/00- 23/30
A43C 1/00- 19/00
A43D 1/00-999/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
靴または前記靴のトラクション特性を最適化するための要素を製作する靴部品製造機を制御する制御データを生成する方法であって、
ユーザの特徴を記述するユーザ・プロファイル・データを受信するステップと、
受信した前記ユーザ・プロファイル・データに基づいて、靴のモデルに対応するテンプレート・データを修正して、修正済テンプレート・データを生成するステップと、
前記修正済テンプレート・データに基づいて、制御データを生成するステップと、を備え、
前記ユーザ・プロファイル・データは、少なくとも2つの異なる種類のセンサによって実施される測定から得られる測定データを備え、
前記測定は、加速度測定および圧力測定を含んでおり、
前記修正済テンプレート・データを生成するステップは、前記測定データを用いて、前記靴が地面と接触している期間である接触期間を特定して、特定済みの前記接触期間の前記測定データを用いて、前記テンプレート・データを修正する、方法。
【請求項2】
前記靴のモデルに関連する靴のソールを記述、又は、前記靴の特性に影響を与える要素を記述する所定の数のテンプレート・データは、記憶手段に記憶されている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ユーザ・プロファイル・データは、前記ユーザによる靴の実際の使用に関するデータを備える、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記ユーザ・プロファイル・データのうちの少なくともいくつかは、前記靴に配置されるデータ収集ユニットによって、自動的に記憶されるとともに収集される前記ユーザの靴の使用パターンを記述する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記測定データは、前記靴のヒール領域で実施された測定から得られたものである、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記加速度測定は、前記靴の接地面に対して実質的に平行な少なくとも1次元で収集される、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記圧力測定は、前記靴の
接地面に対してある角度をなす次元で収集される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
修正されるテンプレート・データは、クリートを有する靴のソールのデータを備え、
前記クリートの少なくとも配置および/または設計は、前記ユーザ・プロファイル・データに従って修正される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
修正されるテンプレート・データは、統合されたサポート領域を有する靴のソールのデータを備え、
前記サポート領域の少なくとも配置および/または設計は、前記ユーザ・プロファイル・データに従って修正される、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
靴または前記靴のトラクション特性を最適化するための要素を製作する靴部品製造機を制御する制御データを生成するシステムであって、
ユーザの特性を記述するユーザ・プロファイル・データを受信する入力手段と、
前記入力手段で受信した前記ユーザ・プロファイル・データに基づいて前記靴のモデルに対応するテンプレート・データを修正して、修正済テンプレート・データを生成するための処理ユニットと、
前記修正済テンプレート・データに基づいて制御データを生成する処理ユニットと、を備え、
前記ユーザ・プロファイル・データは、少なくとも2つの異なる種類のセンサによって実施される測定から得られる測定データを備え、
前記測定は、加速度測定および圧力測定を含んでおり、
前記処理ユニットは、前記測定データを用いて、前記靴が地面と接触している期間である接触期間を特定して、特定済みの前記接触期間の前記測定データを用いて、前記テンプレート・データを修正する、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、靴またはソールに取り付けられるインレイもしくはモジュールなどの靴の特性に影響を与える要素を製作する靴部品製造機を制御するための制御データを生成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
靴の快適さは、靴を毎日長い時間にわたって装着することが多い人の一般的な健康状態に関してだけでなく、靴を使用するときの人の動作能力に関しても、それを装着する人にとってきわめて重要な問題であり得る。
【0003】
通常、靴は、異なる種類の特性を有するシリーズで作られており、1つの靴のシリーズは特定の可撓性を備えたソールを有し、別の靴のシリーズは別の可撓性を有する。各シリーズの特性は、その場合、ソールのモデルに関して行われる様々なテストに基づき、かつ、前のシリーズのユーザからのフィードバックに基づいて決定される。
【0004】
すべてのユーザは、特有の形状をした足を有しており、同様に、足の動的性能は特有のものであるため、ユーザが、最適な特性を有する靴を見つけることは、不可能または少なくとも困難であろう。ユーザは製作された靴のシリーズの間で選択する必要があるので、ユーザは、最適な靴ではなく、妥協して利用可能な最良の靴のシリーズを見つける必要がある。
【0005】
さらに靴店で、ユーザの足を調べ、(例えば、ランニング・ベルトまたは同様のもので)短い使用テストを行い、さらに1組の古い靴の摩耗特性を調べることにより、特定の測定を行うことは、通常、ユーザに対して最良の靴を特定するための最大限の範囲である。
【0006】
靴のシリーズがあることによるさらなる問題は、1組の靴の両方の靴は、左足と右足にそれぞれ合うように、基本的に鏡像関係の同様な特性を有して製作されているが、ユーザの足に関しては、動的性能および形状が全く異なっていることがあり、それにより、1組の靴における靴は、一方の足のほうが他の足より適していることになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、前述の問題を解決することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
これは、特定のユーザに対してソールに取り付けられるモジュールをカスタマイズすることによって、靴または靴のトラクション特性を最適化するための要素を製作する靴部品製造機を制御する制御データを生成する方法によって得られ、方法は、ユーザの特徴を記述するユーザ・プロファイル・データであって、ユーザ・データとテスト・データとを備えるユーザ・プロファイル・データを受信するステップと、多数の靴のモデルから選択された靴または靴の特性に影響を与える選択された要素を特定するユーザ選択を受信するステップと、選択された靴のモデルに対応する靴のソール・テンプレートを修正することによって、または、選択された要素に対応する特性に影響を与える要素を修正することによって、修正済テンプレート・データを生成するステップであって、修正は受信されたユーザ・プロファイル・データに基づいて実施される、ステップと、修正済テンプレート・データに基づいて、制御データを生成するステップと、を備える。
【0009】
それにより、ユーザ特有のパラメータは、特定の靴設計テンプレートに基づいて靴を製作するために使用されるパラメータと組み合わされ、また予め設計された靴を、ユーザに対して最適化することができ、その靴を装着するユーザに対して快適さを保証する。これは、ユーザ特有のデータを受信することによって、例えば、ユーザ・プロファイル・データを生成し、次いで、このユーザ・プロファイル・データを使用して、靴のソールおよび/または内側のサポートなどのその快適さ要素に関して靴の設計テンプレートを修正するために、ユーザを測定または解析することによって、すべてが行われる。それにより、特定の設計コレクションからの靴は、ユーザの実際の快適さの必要性および特性に合わせて最適化されるようにさらに修正することができる。ユーザの正確な必要性に適合させるために、テンプレート・データは非限定的なものとすることができるが、データは、代替的に、靴設計の制限により決められた限度内で最適化されてもよい。
【0010】
個々のユーザから取り込まれたデータは、集中化して収集されてもよく、数千人以上のユーザなどの多数のユーザの中から靴の使用パターンおよび靴の摩耗パターンの概要を提供してもよい。このように、特定のソールの設計に対してデータを収集することは、本発明に従って製作された靴を直ちに使用しないものに対してであっても、なお良好なソールの製作を可能にする。例えば、多数のグローバルな使用パターンが出現してもよく、ここで、グローバルとは、本発明により製作された靴の実質的にすべてのユーザの中であることを意味する。各使用パターンは、ユーザ・グループを表してもよく、ここで、グループのうちの少なくともいくつかは、現在よい靴を得ることができない可能性があり、いくつかのグループは、製作された靴の中に少数しかなく、または、ユーザは、自分自身のグループを容易に特定できない可能性がある。
【0011】
本方法は、靴のトラクション特性が、特定のユーザのためにカスタマイズされている場合に、ユーザのための靴を設計するように構成されていてもよく、ユーザ・データは、例えば、標準化された靴のモデルに対するトラクションに影響し得る、ユーザの動作、スタンス、および歩行を特定するデータ、およびユーザの動作がどのようにして、靴の接地面および靴を介して伝達されるかのデータを備えていてもよい。したがって、ユーザ・プロファイル・データは、ユーザの動作の特定の性質を識別することができ、かつ、靴の接地面が、所定の因子においてどのように安定か不安定かを識別することができる。
【0012】
すなわち、ユーザ・プロファイル・データは、ユーザがどのように力を地面に加えるかを識別するとともに、例えば、動作中に靴がどのようにスリップするかに関する特定の測定により、ユーザの動作がどのように靴のトラクションに影響を与えるかを識別してもよい。
【0013】
ユーザの動作が、特定タイプの靴のモデルおよび/または靴のトラクション要素にどのように関係しているかを識別することにより、トラクションを向上させるか、トラクションを減少させるか、または、同じトラクションを維持するように、靴の特定領域を修正することができるように、トラクション要素をユーザに特に適合するように変更することが可能になってもよい。さらに、靴は、ヒール領域、アーチ領域、足の前部領域、中央側または側面などの靴の様々な領域でさらに様々に修正されてもよく、靴の接地面は、ユーザのために靴のソールをカスタマイズするように個々に調整できる、いくつかの異なる領域に分割されてもよい。
【0014】
代替的にまたは追加的に、靴は、ユーザの特定の足、歩行またはスタンスに対して最適な接地面を得るために、靴のインソール、靴のミッドソールまたはその他のものを変更することにより改変されてもよい。
【0015】
一実施形態では、記憶手段に記憶されるテンプレート・データは、所定の数の可能な修正済テンプレートにリンクされ、修正済テンプレートのうちの1つは、修正済テンプレート・データに基づいて選択される。したがって、製造装置や設計などによる制約のため、限定された数の改変が可能であるが、それでも、ユーザの快適さに最も適したテンプレートを選択することができる。
【0016】
一実施形態では、ユーザ・プロファイル・データは、ユーザ・データおよびテスト・データを備え、ユーザ・データは、どの面で、どこで靴が使用され、足が靴を装着している間どの温度で、ユーザが足をどのように支持したかなど、別の靴またはおそらく同様の靴の使用に関するデータを記述する。最適な靴が必要である場合、これらはすべて使用するのに非常に強力なデータである。
【0017】
一実施形態において、ユーザ・データは、ユーザによる靴の実際の使用に関するデータを備える。本発明の意味において、靴の実際の使用とは、ユーザが、所定期間にわたり靴を装着できることを意味しており、この場合、ユーザは、ハイキングすること、ゴルフをすること、特定の表面上を歩くこと、およびその他のものなどの特定の活動に対して所定の期間中に靴を使用することができ、ユーザ・データは、ユーザが特定の活動で靴を使用した実際の測定値を表し、この特定の活動を示すために、靴の修正を靴に適用することができる。例として、ユーザは、以前このユーザに対して選択されていた特定の特性を有するゴルフ・シューズの特定モデルを借用することができ、靴には、靴のソールにセンサが装着されている。ユーザは、ゴルフ・コースへ行き、所定数のショットおよび/または所定数の様々なタイプのショットを打ち、センサは、あるタイプの表面上でのゴルフ・スイング中に、靴が地面とどのように反応するかを特定するために、使用中に所定のパラメータを登録する。したがって、使用中に、ユーザはゴルフ・スイングにより、あるタイプのスリップを示すことがあり、センサは、スイング中に靴がどのように、またおそらくどの方向に動いたかを測定することができる。
【0018】
ソールのタイプを知ると、望ましくないスリップの特定量を低減でき、それにより、この特定のユーザに対するゴルフ・シューズのトラクションを向上させるように、靴のソールを修正するために実際のユーザ・データを利用することができる。ゴルフのスイングおよびスタンスは、ゴルファーごとに大幅に変化するので、すべてのゴルファーに適する特定のソール設計をすべてのゴルファーに提供することは困難になり得る。したがって、特定のゴルファーのユーザ・データを測定することにより、ゴルファーが最適なトラクションを得るように、このゴルファーに対してゴルフ・シューズをカスタマイズすることができると同時に、さらに、良好な快適さを維持するとともにゴルフ・コース上で許容される靴を維持する。
【0019】
一実施形態では、ユーザ・データのうちの少なくともいくつかは、靴に配置されるデータ収集ユニットによって、自動的に記録されるとともに収集されるユーザの靴の使用パターンを記述する。これは、日々の靴の使用中にデータの一定の測定を確実にするための非常に容易な方法である。
【0020】
一実施形態では、少なくともいくつかのユーザ・データは、ユーザに質問することにより得られたデータを備える。このデータは、それ以上測定することなく容易に取得することができ、また体重、身長、靴を使うときの快適さの感覚などの事実に基づくデータを含んでいてもよい。
【0021】
一実施形態では、少なくともいくつかのテスト・データは、例えば、ウォーキング・マシン、またはフットパターン測定デバイスにおいて、ユーザをテストすることにより得られる。それにより、歩行スタイル、ランニング・スタイルなど、質問によって得られなかったデータを取得することができる。
【0022】
一実施形態では、修正される靴のソール・テンプレートは、クリートを有する靴のソールを記述し、クリートの少なくとも配置および/または設計は、ユーザ・プロファイル・データに従って修正される。クリートは、靴を装着するときの快適さに影響しており、ゴルフ・シューズに関してもそうである。したがって、修正される靴ソール・テンプレートは、ユーザに従って、クリート構造、位置決めを最適化できることに高い関連性がある。
【0023】
一実施形態では、修正される靴のソール・テンプレートは、統合されたサポート領域を有する靴のソールを記述しており、サポート領域の少なくとも配置および/または設計は、ユーザ・プロファイル・データに従って修正される。ここでも、靴に必要な内側のサポートは、非常に個人的なものであるが、靴を装着するときの快適さには決定的なものでもある。
【0024】
一実施形態では、靴の特性に影響を与える要素は、靴のソール面に取り付けられるクリート要素であり、クリート要素におけるクリートの少なくとも配置および/または設計は、ユーザ・プロファイル・データに従って修正される。したがって、靴全体は、事前に製作することができ、クリート要素だけがユーザ特有のものに作られる。このとき、クリート要素は、例えば、容易に交換できるようにするために、ねじまたはスナップ・システムなどの取付けシステムによりソール面に取り付けられる。
【0025】
一実施形態では、靴の特性に影響を与える要素は、靴の内側に配置されるサポート要素であり、少なくともサポート要素の設計は、ユーザ・プロファイル・データに従って修正される。
【0026】
一実施形態では、修正済テンプレート・データを生成するステップは、ユーザ・プロファイル・データと事前に収集されたユーザ・データとの組合せに基づいて、実質的にテスト・データだけが利用可能である状況に対して、システムの計算アルゴリズムを向上させる。それにより、より古い収集されたデータもまた。
【0027】
本発明はさらに、靴またはソールに取り付けられるインレイもしくはモジュールなどの靴の特性に影響を与える要素を製作する靴部品製造機を制御するための制御データを生成するシステムに関する。
【0028】
一実施形態では、収集されたデータは、靴のヒール領域で実施された測定から得られたものである。収集されたデータは、使用中に靴のソールから記録されてもよく、その場合、収集ユニットは、靴のヒール領域に配置されていてもよい。収集ユニットは、靴のソールに取外し可能に固定されていてもよく、その場合、ソールのすべての動きを、加速度計、ジャイロスコープ、圧力センサなどのいくつかの異なるタイプの測定要素を介して、データ収集ユニットにより登録できるように、ユニットの位置は固定される。したがって、靴に対して動きが加えられたとき、同じ動きが、測定ユニットにも加えられるが、靴に対する測定ユニットの位置が変化することはない。例として、靴がスリップしたとき、測定ユニットまたは収集ユニットは、そのスリップと同様に空間中を動くことになり、このとき、スリップは、例えば、加速度計を用いて測定されてもよい。代替的には、靴が空間中を一定量動くとき、ジャイロスコープ・センサは、空間における靴の傾斜の変化を登録できるとともに、靴の角度を登録できるだろう。
【0029】
一実施形態では、ユーザ・データは、少なくとも2つの異なる種類の測定データからの測定を備え、測定データは比較されて、修正済データを特定するためのデータ収集期間を特定する。したがって、複数の種類のデータを利用することにより、特定の時間期間を特定することが可能になり、その場合、収集されたデータは、靴の特定の動きまたは挙動を示し、特定の時間ウィンドウに存在するデータは、その時間期間中の靴の特定の挙動を識別するために利用されてもよい。例えば、歩行中に、ジャイロスコープからの測定データを使用して、靴の位置に基づき、靴がいつ地面と接触したかを特定することができる一方、圧力センサおよび/または加速度計は、衝撃の大きさ、または加速度計により登録され得るスリップに起因するトラクションの何らかの損失などの他の種類のデータを特定することができる。
【0030】
一実施形態では、ユーザ・データは、靴に配置されるデータ収集ユニットにより、使用中に収集される圧力および加速度の実際の測定値を備える。靴に配置されるデータ収集ユニットにおける圧力および加速度の測定値を取得することにより、歩行、スタンス中に、またはゴルフ・スイングを通して、地面と靴の衝撃の瞬間を特定することが可能である。圧力測定は、圧力の差が測定ユニットに加えられる瞬間を特定することができ、これにより、ゴルフ・スイング中のヒール接地、スタンスの体重移動を表すことができ、その場合、加速度測定は、圧力差の前後の瞬間に靴がどのように動くかを特定することができる。これを行うことにより、トラクションが必要な瞬間を特定し、靴がその瞬間にどのように反応するか、スリップするかどうか、またおそらく動きの方向を測定することが可能になる。さらに、測定中に靴の向きを特定するために、コンパス測定要素をデータ収集ユニットに適用してもよい。
【0031】
一実施形態では、加速度測定は、靴の接地面に対して実質的に平行な少なくとも1次元で収集される。加速度測定は、靴が地表に対してどのように動くことができるかを特定するために使用されてもよく、接地面に平行な次元における靴の加速度は、靴が接触しているとき、靴が、接地面に対して、前方、後方または横方向に動くかどうかを登録してもよい。測定は、2次元で提供されてもよく、したがって、データ収集ユニットは、例えば、互いに直角であり得るx軸およびy軸でデータを収集してもよく、その場合、収集されるデータは、接地面に平行な平面におけるスリップまたは動きを表し、ここで、x軸は靴の長手方向を表す一方、y軸は靴の横断方向を表してもよいし、またはその逆であってもよい。代替的に、収集されるデータが両方の軸で同一でなく、すなわち、同じ方向の加速度を測定する場合、方向は任意の方向であってもよい。
【0032】
一実施形態では、圧力測定は、靴の接地面に対してある角度をなす次元で収集される。圧力センサは、ソール上の装着者の足により加えられる力を測定するために利用されてもよく、したがって、靴が地上に位置するとき、装着者により加えられる重量のあらゆる変化が測定されてもよい。圧力センサは、力が、接地面に対してある角度の方向に、すなわち、角度が地面に平行ではない方向に加えられたとき、データを測定してもよい。このような1つの角度は、例えば、接地面に垂直であってもよいし、または接地面に対して1°から90°の間の角度いずれかであってもよい。したがって、圧力センサは、靴が地面と接触しているとき、靴のソールに加えられる足の重量を登録する。
【0033】
本発明はさらに、上記によるシステムを備える靴のソールおよび靴に関する。
【0034】
以下において、本発明を、添付図により示される実施形態を参照して詳細に述べる。示された実施形態は、例示のためだけに使用され、本発明の範囲を限定するために使用すべきではないことが強調されるべきである。
【0035】
以下の図は、本発明の実施形態を説明するために使用される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】本発明による方法およびシステムの機能の流れ図である。
【
図2】本発明によるシステムの要素を示す図である。
【
図3.1】本発明に基づく様々なソール面構造の一例を示す図である。
【
図3.2】本発明に基づく様々なソール面構造の一例を示す図である。
【
図3.3】本発明に基づく様々なソール面構造の一例を示す図である。
【
図4.1】本発明に基づくクリート構造の様々なモジュールを示す図である。
【
図4.2】本発明に基づくクリート構造の様々なモジュールを示す図である。
【
図4.3】本発明に基づくクリート構造の様々なモジュールを示す図である。
【
図4.4】本発明に基づくクリート構造の様々なモジュールを示す図である。
【
図5.1】本発明によるシステムおよび方法に基づくソールにおける様々なサポートを示す図である。
【
図5.2】本発明によるシステムおよび方法に基づくソールにおける様々なサポートを示す図である。
【
図5.3】本発明によるシステムおよび方法に基づくソールにおける様々なサポートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1は、本発明による方法を示す。ユーザ・データ101および/またはテスト・データ102は、通常、新しい靴の購入の一端としてユーザから収集され、好ましい実施形態では、ユーザの以前の使用パターンの詳細なデータが、ユーザ・データ101の形で利用可能である。データは、ユーザ・プロファイル・データ103として収集される。ユーザは、1つ以上の好ましい靴のモデルを選択し、次いで、ユーザ・プロファイル・データがアクセスされ、かつ、それぞれの靴のモデルに対するテンプレート・データ104と組み合わされて、修正済テンプレート・データ105が生成される。この修正済テンプレート・データは、基本的に、靴の特定の領域における特別な剛性、クッション性もしくは可撓性などのユーザの個々の必要性に特に適合するソールの形状を備えた、完成した靴または靴のソールの青写真である。本発明の別の実施形態では、テンプレート・データは、直接ソールを修正するのではなく、靴またはソール上に取付け可能なソール・インレイまたはモジュールを指す。
【0038】
ユーザ・データ101は、ユーザによる靴の実際の使用に関する任意のデータであり、好ましい実施形態では、ユーザ・データは、以前に装着された靴の内側のまたは靴に取り付けられたセンサ・ユニットを介して取得され、予測または推定される必要性に代えて、ユーザは、自分の装着パターンおよび使用パターンに適合する靴を取得することが可能になる。
【0039】
テスト・データ102は、ユーザによる新しい組の靴の特別な必要性をテストおよび/または評価する目的で収集される任意のデータであり、詳細なユーザ・データが利用できないか不十分である場合に特に有用である。使用されるデータの特定の供給源は重要ではなく、例えば、アンケートの形や、ユーザが靴の購入の一端として靴店にいるときに直接会話する形や、トレッドミル上で走ったり歩いたりする形や、長期の装着用に1組の靴を貸すことや、さらに足または以前に装着した靴の写真などの他の有用かつ好都合なシミュレーションの形をとってもよい。好ましい実施形態では、このデータはデジタル化され、さらに集中化させて記憶される。これにより、自動的な処理を可能にし、ユーザ・プロファイル・データを後の使用のために保存し、ソール設計をさらに特殊化するために、ユーザの中で比較することが可能になる。本発明の一実施形態では、テスト・データのこのデジタル化により、1つ以上のユーザ・セグメントに含まれるランニングとトレッキングとの混成のシューズに対する必要性を見出すことなど、より適合された後の靴およびソール設計のためのユーザ・グループのセグメントを識別することが可能になる。
【0040】
入力データ処理111は、入力されたテスト・データおよびユーザ・データに関して実施される。データは、解析されて使用パターンを特定することができ、さらなる処理のためのユーザ・プロファイル・データ103が得られる。生データは、ユーザの特徴として解釈され、本発明の一実施形態では、データは、様々な靴のタイプにわたって正規化されるか、またはデータが収集された靴を考慮に入れ、この方法は、より正確なユーザ・プロファイル・データを達成する。例えば、処理は、ハイヒールの靴およびブーツを共に考慮してもよく、あるいはランニングシューズおよびドレス・シューズであるユーザ用の新しい靴に関して収集されたデータを補償してもよい。
【0041】
一実施形態では、以前に収集されたユーザ・データ101およびテスト・データ102は、例えば、機械学習などの適応型コンピュータ技術によって、計算を時間経過とともに適応可能にすることにより、顧客の装着パターンを認識するシステムの能力を向上させるように計算される。こうすることにより、将来のユーザの正確なソール設計および限定されたテスト・データを用いたソール設計を可能にして、全体的なシステムの靴製造性能を向上させる。例えば、靴の外側の中間セクション(すなわち、側方サポート)によって靴を磨耗した以前のユーザが、回内することが分かった場合、正確なユーザ・データはないが、側方サポートによって磨耗された靴の写真を有するユーザは、この適応型システムに回内を示すことになる。
【0042】
入力データ処理を介して、ユーザ・プロファイル・データ103が生成され、ユーザ・プロファイル・データ103は、1組のパラメータによるユーザの特定の使用スタイルを記述している。一実施形態では、ユーザ・プロファイル・データは、装着パターン、特別な安定性要求、特別な可撓性要求および少なくとも1つの特定された使用状況のうちの少なくとも1つのパラメータ、またはこれらの任意の組合せを備える。これらのパラメータは、足の異なる部位に対しても異なる用途に対しても区別されていてもよく、したがって、1つのユーザ・プロファイル・データの組は、ヒールにおいて特別の安定性に対する必要性を備えていてもよいが、フットパッド領域において特別の可撓性の必要性を備えていてもよい。
【0043】
テンプレート・データ104は、それぞれの靴のモデルに対して存在し、テンプレート・データ104は、ユーザ・プロファイル・データに基づいて修正可能である。本発明の一実施形態では、このテンプレート・データは、基本的に、いくつかの方法で修正可能なコア設計を含み、各修正は、いくつかの事前設計の構成を有し、各構成は、最終的な靴に特定の効果を生成することが知られている。例えば、1つの靴のモデルは、修正可能なヒール・サポート、修正可能な側方サポート、修正可能なアーチ・サポート、および修正可能な足の前部のサポート(
図5参照)を備えるテンプレートを有していてもよく、そのそれぞれは、「高度のサポート」、「普通程度のサポート」、および「程度の低いサポート」などのいくつかの構成を有することができ、この例では、3×3×3×3=81の異なるソール形状を生成する。この実施形態では、最終的な靴における予想される効果は、ユーザ・プロファイル・データに対応し、何人かのユーザに対しては高度のヒール・サポート、他のユーザに対しては中程度の量、およびさらに他のユーザに対しては低い程度のサポートもしくはサポートなしなど、予測可能な結果を用いて、ユーザの特定の必要性に適応するように、アルゴリズムが、この定義されたリストからそれぞれの可能な修正に対する構成を選択することが可能になる。
【0044】
本発明の一実施形態では、少なくとも1つの修正の様々な構成は、先端を切り取られたねじ回しヘッド形状もしくは平坦な形状であるクリートなどの定性的に様々な形状、またはさらに何らかの他の好都合な形状を有する。
【0045】
本発明の別の態様では、テンプレート・データは、靴に対するモジュールまたはインレイを備えていてもよく、その場合、ユーザ・プロファイル・データは、ユーザ・プロファイル・データに従って、ソール上に取付け可能なモジュールなど(
図4参照)、これらのものにおける修正に対応し、これらのモジュールまたはソールは、コア設計と比較して、より高い剛性もしくはより高い可撓性などの異なる品質を提供する。
【0046】
本発明の別の実施形態では、構成は、数えることのできる可能性のリストに基づいて作られるのではなく、きめ細かなユーザ・データに従って、0cmから4cmのいずれかのサポートなどの2つの許容される閾値内の連続の値により定義される形状を取る。
【0047】
さらに別の実施形態では、ソールは、数えられる(または加算の)数の方法、および/または、ソールの領域で修正可能ではなく、単一の要素として修正可能であり、その場合、修正を複雑な相互に関連する方法で選択してもよく、いくつかの修正は、互いに重要であり、他方を排除する可能性がある。例えば、ソールは、回内などに対する特定の必要性に対して構成可能であってもよく、コア設計に対して必要な形状の変更は、特定の修正領域またはタイプを考慮せずに行われるが、必要な目的に対してはむしろ正確であり、全体の形状に基づいて直ちに必要な変更を行う。このような修正可能性により、テンプレートおよび靴の外観を維持しながら、最も完全なカスタマイズを可能にする。
【0048】
顧客データおよびテンプレート・データに基づいて、修正済テンプレート・データ105を特定するために、形状計算112が行われる。計算は、最適な靴に対する青写真を設計するために、ユーザの必要性および利用可能な構成空間に基づいて行われ、幅広いテンプレート構成可能性から当該ユーザに対する最適なパラメータ値を達成する。一実施形態では、修正済テンプレート・データは、都合に応じて制御データへ処理されてもよい。
【0049】
修正済テンプレート・データ105または制御データは、靴の構成113に対する製造システムへと送られて、靴の実際の構成を誘導するために使用される。
【0050】
本発明の一実施形態では、靴は、靴店の近くなどの便利な場所で、または製造工場で、3Dプリントにより構成される。本発明の別の実施形態では、ソールは、射出成形によるなどの従来の方法に従って製作され、例えば、成形する前に型の特定の部分を交換したり、または各組合せの構成に対して1組の異なる型を有したりすることなどによって、ソールの形状が修正可能である。本発明の一実施形態では、ソールは、既製のモジュール・インサート、および別個に製作されたモジュールを有し、これらのモジュールはインサートへ嵌合し(
図4参照)、テンプレートに行われる修正はモジュールの選択である。この修正は、購入時に靴店で行うことができ、靴は、ユーザ・プロファイル・データにより指定される適切なソール・モジュールと共に直接販売することができる。別の実施形態では、靴に対する修正は、特にユーザ・プロファイル・データに基づいて選択されたソール・インレイの形をとってもよい。
【0051】
一実施形態では、センサは、製造中または製造後に、靴のソールの中に挿入されるか、または靴に取り付けられ、圧力、加速度、靴の方向、湿度、靴の向き、温度、せん断、圧縮力および牽引力のうちの少なくとも1つを感知することにより、使用パターンに関する情報を収集するように構成される。収集されたデータは、所与のユーザに対して、将来の靴のさらなる最適化を行うためのユーザ・データ101の有用な供給源を構成する。
【0052】
図2は、本発明によるシステムの要素を示す。システム200は、入力手段201を備え、これは、例えば、靴からのチップなどのデータ収集ユニットに記憶されたデータを抽出するための、例えば、データ抽出デバイスからデータを受け取る受信機であってもよい。入力手段は、さらにデータをコンピュータ・システムに提供するためのタッチ・スクリーン、キーボード、または同様のものであってもよい。入力手段は、プログラム・コードを実行するためのCPUなどの処理ユニット205に接続される。CPUは、データ記憶装置203にさらに接続され、また1つの実施形態として、システムは、例えば、靴部品製造機などの別のデバイスに伝達するための送信機などの出力手段をさらに備える。
【0053】
入力手段201は、ユーザの特徴を記述するユーザ・プロファイル・データと、いくつかの靴のモデルから選択された靴または靴の特性に影響を与える要素を特定するユーザ選択を受け取る(矢印を参照)ためのものである。記憶手段は、その靴のモデルのそれぞれに関連する靴のソールを記述するテンプレート・データを記憶するか、またはそのテンプレート・データは、靴の特性に影響を与える他の要素を記述する。処理ユニットは、選択された靴のモデルに対応する靴のソール・テンプレートを修正することにより、または選択された要素に対応する特性に影響を与える要素を修正することにより、修正テンプレート・データを生成する。修正は、受信されたユーザ・プロファイル・データに基づいて実施される。最後に、処理ユニットはまた、当該修正テンプレート・データに基づいて制御データを生成する。次いで、出力手段を介して、これらの制御データを靴部品製造機へと送ることができる。
【0054】
図3は、本発明により構成された靴(300)の3つの実施形態の底面図である。すべては、同じ初期テンプレート・データと異なるユーザ・プロファイル・データに従って構成されており、当該靴は、その形状が特に前記ユーザ・プロファイル・データに従って構成されたソールを備える。当該ソールは、当該ソールの下面の大部分を覆っている1組のクリートを備える。
【0055】
図3.1は、靴のフットパッド上のクリートの構成を示しており、そのクリートは、実質的に菱形である。
図3.2は、当該靴の前部のクリートの構成を示しており、そのいくつかは、三角形および五角形であるとともに、そのうちの1つは、残りのものよりも実質的に大きな寸法を有し(301)、この領域において靴に対してより高い剛性を提供する。
【0056】
ユーザの使用パターンに基づいて、ユーザ・プロファイル・データが生成され、ユーザ・プロファイル・データは、テンプレート靴を修正するために使用されて、ユーザの必要性をサポートする程度および配置を提供し、その後に、これらの仕様でソールが製作され、様々なクリート・パターンを採用して差別化されたサポートを達成する。
【0057】
靴は、ユーザ間だけではなく、同じユーザに対する左右の靴の間でも変わってもよい。ユーザが、例えば、一方の足においてサポートまたは可撓性に対する特別の必要性を有する場合、ソールを、特にこのために設計することができる。これは、例えば、手術を受けたユーザ、例えば、スポーツによる怪我を有するユーザ、または差別化されたサポートが有用である他の状況に対する場合であってもよい。
【0058】
図4は、同じ初期テンプレート・データおよび異なるユーザ・プロファイル・データから、本発明により構成された靴(400)の4つの実施形態の底面図であり、当該靴は、ユーザ・プロファイル・データに基づいて選択された4つのモジュールの挿入により構成可能なソール(401)を備え、
図4では、この構成は、単に読みやすくするだけのために、内側のフットパッド・モジュール(402)に限定されており、ソールの他の3つモジュール領域(403、404および405)は、内側のフットパッド・モジュール(402)に関して述べたものと同じ特徴を有する。
【0059】
図4.1、
図4.2、
図4.3および
図4.4で見られる各実施形態は、その構成に対して提供されるユーザ・プロファイル・データに従って、当該内側のフットパッド・モジュールにおいて特有のクリート構成を備え、当該構成は、例えば、前記クリートの位置、配置、向き、数、および寸法である。クリートは、クリートAおよびクリートBの2つのサイズで提供され、クリートAは、クリートBよりも大きい。
【0060】
図4.1は、靴に対して方向付けられた、外側縁部に平行な線で当該外側縁部から内側方向にオフセットされたクリートAと、当該内側のフットパッド・モジュール(402)の内側縁部に平行な別の線で当該内側縁部からオフセットされたクリートBとを示しており、またクリートAおよびクリートBが、これらの線に対して平行に配置され、それに沿って均等に分布されていることをさらに特徴とする。
図4.2は、クリートAおよびクリートBが無秩序な方向を向いた差があり、その他は、
図4.1の靴と同様の靴を示している。
図4.3は、クリートAおよびクリートBが、実質的に直線に沿ったものとは異なるパターンによって配置された差があり、その他は、
図4.2の靴と同様の靴を示している。
図4.4は、当該内側のフットパッド・モジュールが、より少ないクリートを備える差があり、その他は、
図4.1の靴と同様の靴を示している。
【0061】
前に述べたように、左右の靴は、互いに鏡像関係にある必要はなく、各足に対して個々に設計されてもよい。
【0062】
図5は、本発明に従って構成されたソール(500)の3つの実施形態を示しており、すべては、同じ初期テンプレート・データおよび異なるユーザ・プロファイル・データに従って構成され、靴の様々な領域において異なるレベルのサポートを提供し、各ソールは、特定された程度のヒール・サポート(501)、アーチ・サポート(502)、側方サポート(503)および足の前部のサポート(504)を提供する。
【0063】
図5.1は、最小のヒール・サポート、側方サポートおよびアーチ・サポートを備えた靴を示している。
図5.2は、大幅な側方サポートおよびアーチ・サポートを備えたソールを示している。
図5.3は、大幅なヒール・サポート、アーチ・サポート、および側方サポートを備えているが、足の前部サポートは少ないソールを示している。
【0064】
(条項1)靴またはソールに取り付けられるインレイまたはモジュールなどの前記靴の特性に影響を与える要素を製作する靴部品製造機を制御する制御データを生成する方法であって、
ユーザの特徴を記述するユーザ・プロファイル・データを受信するステップと、
多数の靴のモデルから選択された靴または靴の特性に影響を与える選択された要素を特定するユーザ選択を受信するステップと、
選択された前記靴のモデルに対応する靴のソール・テンプレートを修正することによって、または、前記選択された要素に対応する前記特性に影響を与える要素を修正することによって、修正済テンプレート・データを生成するステップであって、前記修正は、受信した前記ユーザ・プロファイル・データに基づいて実施される、前記ステップと、
前記修正済テンプレート・データに基づいて、制御データを生成するステップと、を備える、方法。
(条項2)記憶手段に記憶される前記テンプレート・データは、所定の数の可能な修正済テンプレートにリンクされ、
前記修正済テンプレートのうちの1つは、前記修正済テンプレート・データに基づいて選択される、条項1に記載の方法。
(条項3)前記ユーザ・プロファイル・データは、ユーザ・データおよびテスト・データを備える、条項1~2に記載の方法。
(条項4)前記ユーザ・データの少なくともいくつかは、前記靴に配置されるデータ収集ユニットによって、自動的に記憶されるとともに収集される、前記ユーザの靴の使用パターンを記述する、条項3に記載の方法。
(条項5)前記ユーザ・データの少なくともいくつかは、前記ユーザに質問することによって取得されるデータを備える、条項3~4に記載の方法。
(条項6)前記テスト・データの少なくともいくつかは、例えば、ウォーキング・マシンまたはフットパターン測定デバイスなどで、前記ユーザをテストすることによって取得される、条項3~5に記載の方法。
(条項7)修正される靴のソール・テンプレートは、クリートを有する靴のソールを記述し、
少なくとも前記クリートの配置および/または設計は、前記ユーザ・プロファイル・データに従って修正される、条項1~6に記載の方法。
(条項8)修正される靴のソール・テンプレートは、統合されたサポート領域を有する靴のソールを記述し、
前記サポート領域の少なくとも配置および/または設計は、前記ユーザ・プロファイル・データに従って修正される、条項1~7に記載の方法。
(条項9)靴の特性に影響を与える要素は、靴のソール面に取り付けられるクリート要素であり、
前記クリート要素における前記クリートの少なくとも配置/および設計は、前記ユーザ・プロファイル・データに従って修正される、条項1~8に記載の方法。
(条項10)靴の特性に影響を与える要素は、靴の内側に配置されるサポート要素であり、
前記サポート要素の少なくとも設計は、前記ユーザ・プロファイル・データに従って修正される、条項1~9に記載の方法。
(条項11)修正済テンプレート・データを生成するステップは、前記ユーザ・プロファイル・データと事前に収集されたユーザ・データとの組合せに基づいて、実質的にテスト・データだけが利用可能である状況に対して、システムの計算アルゴリズムを向上させる、条項1~10に記載の方法。
(条項12)靴またはソールに取り付けられるインレイまたはモジュールなどの靴の特性に影響を与える要素を製作する靴部品製造機を制御する制御データを生成するシステムであって、
ユーザの特徴を記述するユーザ・プロファイル・データを受信する入力手段と、
多数の靴のモデルから選択された靴、または、靴の特性に影響を与える要素を特定するユーザ選択を受信する入力手段と、
テンプレート・データを記憶する記憶手段であって、前記テンプレート・データは、前記靴のモデルのそれぞれに関する靴のソールを記述するか、または、前記テンプレート・データは、靴の特性に影響を与える他の要素を記述する、記憶手段と、
選択された前記靴のモデルに対応する靴のソール・テンプレートを修正することによって、または、選択された前記要素に対応する前記特性に影響を与える要素を修正することによって、修正済テンプレート・データを生成する処理ユニットであって、修正は受信したユーザ・プロファイル・データに基づいて実施される、処理ユニットと、
前記修正済テンプレート・データに基づいて、制御データを生成する処理ユニットと、を備える、システム。
(条項13)前記記憶手段に記憶された前記テンプレート・データは、所定の数の可能な修正済テンプレートにリンクされており、
前記修正済テンプレートのうちの1つは、前記修正テンプレート・データに基づいて選択される、条項12に記載のシステム。
(条項14)前記ユーザ・プロファイル・データは、ユーザ・データおよびテスト・データを備える、条項13または14に記載のシステム。