(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-06
(45)【発行日】2024-02-15
(54)【発明の名称】深水薄肉鋼製円筒の安定性予測方法
(51)【国際特許分類】
G06F 30/13 20200101AFI20240207BHJP
G06F 30/20 20200101ALI20240207BHJP
【FI】
G06F30/13
G06F30/20
(21)【出願番号】P 2023541504
(86)(22)【出願日】2022-04-02
(86)【国際出願番号】 CN2022085055
(87)【国際公開番号】W WO2023087601
(87)【国際公開日】2023-05-25
【審査請求日】2023-07-05
(31)【優先権主張番号】202111381589.0
(32)【優先日】2021-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523255918
【氏名又は名称】中交天津港湾工程研究院有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】519172513
【氏名又は名称】中交第一航▲務▼工程局有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】523255929
【氏名又は名称】天津港湾工程質量検測中心有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】劉 文彬
(72)【発明者】
【氏名】李 樹奇
(72)【発明者】
【氏名】冦 暁強
(72)【発明者】
【氏名】陳 智軍
(72)【発明者】
【氏名】王 雪奎
(72)【発明者】
【氏名】劉 和文
【審査官】松浦 功
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-002020(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第112948939(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第112861409(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 30/00 -30/28
E02B 17/00 -17/08
E02D 7/00 -15/10
E02D 23/00 -33/00
Google Scholar
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
海底地質条件パラメータと鋼製円筒条件パラメータに基づいて、有限要素解析ソフトウェアで鋼製円筒シミュレーション解析モデルを確立するステップ1と、
シミュレーション解析モデルで異なる海底地質条件パラメータと鋼製円筒条件パラメータ下で対応する鋼製円筒の不安定時の限界荷重を解析し、海底地質条件パラメータ、鋼製円筒条件パラメータと限界荷重との間の関数関係を確立するステップ2と、
異なる波循環荷重作用下での鋼製円筒の周期的変位による海底土体への動的応力の大きさ及び動的応力分布領域のデータを収集し、そして静的三軸せん断試験と動的三軸せん断試験で同等動的応力の大きさ及び動的応力分布下での海底土体の弱化範囲A及び弱化強度ηの試験データを取得し、そして海底土体の弱化範囲A及び弱化強度ηと波循環荷重との関数関係を確立するステップ3と、
ステップ3で取得された海底土体の弱化範囲A及び弱化強度η試験データに基づいて、室内モデル試験方法で対応する弱化後の海底土体の耐荷力を算出し、さらに弱化後の等価な海底地質条件パラメータを算出し、そしてステップ2で確立された海底地質条件パラメータ、鋼製円筒条件パラメータと限界荷重との間の関数関係と結び付けてから、弱化後の等価な海底地質条件パラメータに対応する限界荷重の大きさを算出し、さらに限界荷重衰減係数εを算出し、そして限界荷重衰減係数εと海底土体の弱化範囲A及び弱化強度ηとの関数関係を確立するステップ4と、
ステップ2~ステップ4で得られた関数を結び付けてから、波循環荷重作用下での鋼製円筒の不安定限界荷重が結び付けられた予測モデルを取得するステップ5と、を含む、
ことを特徴とする深水薄肉鋼製円筒の安定性予測方法。
【請求項2】
海底地質条件パラメータは、土体の重量度、土体の粘着力及び土体の内摩擦角を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の深水薄肉鋼製円筒の安定性予測方法。
【請求項3】
鋼製円筒条件パラメータは、具体的には、鋼製円筒の外径、鋼製円筒の肉厚、鋼製円筒の高さ、鋼製円筒の埋設深さ及び鋼製円筒の内部フィラータイプを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の深水薄肉鋼製円筒の安定性予測方法。
【請求項4】
波循環荷重は、水深、波の波長及び異なる波力のパラメータを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の深水薄肉鋼製円筒の安定性予測方法。
【請求項5】
ステップ2は、
シミュレーション解析モデルにおいて海底地質条件パラメータと鋼製円筒条件パラメータにおける単一パラメータx
1の数値を変更し、そして所定荷重作用高さH下で対応する限界荷重の大きさPの変化を算出し、データ相関性解析を行い、所定荷重作用高さ下での該単一パラメータx
1の影響程度を表す対応する無次元化影響係数β
1を取得するステップS2.1と、
ステップS2.1を繰り返し、所定荷重作用高さH下での海底地質条件パラメータと鋼製円筒条件パラメータのうち残りのパラメータ(x
2,x
3,x
4,x
5…)の影響程度を表す無次元化影響係数(β
2,β
3,β
4,β
5…)を取得するステップS2.2と、
ステップS2.1とS2.2の結果に基づいて、各パラメータ(x
1,x
2,x
3,x
4,x
5…)に基づいて限界荷重の大きさPを予測する関数関係式:P~ f(H,β
1,β
2,β
3,β
4,β
5…)を確立するステップS2.3と、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の深水薄肉鋼製円筒の安定性予測方法。
【請求項6】
ステップ3において、鋼製円筒の周期的変位による海底土体への動的応力の大きさ及び動的応力分布領域のデータに基づいて、工事領域の地盤土体に対して元位置で採土し、原状土壌サンプルを実験室に輸送した後にそれぞれ静的三軸せん断と動的三軸せん断試験を行い、静的三軸せん断試験によって、土壌サンプルの静的せん断強度を取得し、動的三軸せん断試験によって、土壌サンプルの動的せん断強度を取得し、動的せん断強度と静的せん断強度を除算し、採土位置の土壌サンプルの弱化強度ηを得る、ことを特徴とする請求項1に記載の深水薄肉鋼製円筒の安定性予測方法。
【請求項7】
ステップ3において、元位置での採土は、薄肉採土器で行われ、各採土位置では、少なくとも2つの隣接する原状土壌サンプルを採取し、1つの原状土壌サンプルは、土体の静的三軸せん断試験に用いられ、もう1つの原状土壌サンプルは、土体の動的三軸せん断試験に用いられる、ことを特徴とする請求項6に記載の深水薄肉鋼製円筒の安定性予測方法。
【請求項8】
ステップ4において、εは、弱化後の等価な海底地質条件パラメータに対応する限界荷重の大きさを、波循環荷重作用を受けない海底土体の初期海底地質条件パラメータ下で対応する限界荷重の大きさで除算する値に等しい、ことを特徴とする請求項1に記載の深水薄肉鋼製円筒の安定性予測方法。
【請求項9】
ステップ4において、算出された弱化後の等価な海底地質条件パラメータは、弱化後の土体の重量度W
弱、弱化後の土体の粘着力c
弱及び弱化後の土体の内摩擦角Φ
弱を含み、計算方法は、以下の通りである:
ハンセン地盤耐荷力計算式:
p=c×N
c×S
c×d
c×i
c+q×N
q×S
q×i
q+0.5×W×D×N
r×S
r×i
rに基づいて、ここでS
c、S
q、S
rは、構造物の基礎形状補正係数であり、d
cは、構造物の基礎埋設深さ補正係数であり、i
c、i
q、i
rは、構造物の荷重傾斜補正係数であり、qは、鋼製円筒構造の総重量であり、Dは、鋼製円筒の直径であり、この9つのパラメータは、海底土体の弱化前後で変化がないため、海底土体の弱化前後耐荷力の比
【数1】
について、p
原は、弱化前の海底土体の耐荷力であり、p
弱は、弱化後の海底土体の耐荷力であり、G1は、S
c×d
c×i
cを表し、G2は、q×S
q×i
qを表し、G3は、0.5×D×S
r×i
rを表し、G1、G2、G3は、海底土体の弱化前後に変化せず、
N
c、N
q、N
rは、土体の内摩擦角Φに関する補正係数であり、
【数2】
、N
c = (N
q -1)cotΦ、N
r = 1.5(N
q -1)tanΦ、
弱化後の海底耐荷力p
弱が原耐荷力p
原のk倍であると仮定すると、
【数3】
を確保する必要があり、ここで、まず
【数4】
を算出し、
【数5】
にΦ
弱という未知数が1つしかないため、計算によって弱化後の土体の内摩擦角Φ
弱を取得し、次に
【数6】
と
【数7】
を算出し、Φ
弱が既知であれば、N
c弱とN
r弱も既知となるため、c
弱とW
弱を求める、
ことを特徴とする請求項1に記載の深水薄肉鋼製円筒の安定性予測方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、深水鋼製円筒の位置安定性の設計分野に属し、具体的には、深水薄肉鋼製円筒の安定性予測方法に関する。
【背景技術】
【0002】
挿入式円筒構造は、新型の海上工事構造として、低コスト、短工期、強い安定性などの利点があり、人工島建設の工事実践に広く応用されている。大量の工事経験と研究により、挿入式鋼製円筒構造は、作業メカニズムが複雑で、単純に重力式で考えることはできず、その安定性は、海底、波と内部フィラーなどの要素によって顕著に影響されることが判明されている。
【0003】
従来の中国国内外の工事実践において、鋼製円筒の不安定化を防止するために、現場試験と類似の工事経験によってしか鋼製円筒の耐不安定化設計が行われなかった。しかし、鋼製円筒の施工過程において、鋼製円筒の施工場所の水理地質条件は絶えず変化し、波循環荷重下の海底地盤の耐不安定化能力も絶えず変化し、初期設計ではこれらの変化による鋼製円筒の安定性への影響を正確に評価することが難しく、鋼製円筒に潜在的な不安定化リスクが発生する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、先行技術の欠陥を克服し、深水薄肉鋼製円筒の安定性予測方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下の技術案により達成される。
海底地質条件パラメータと鋼製円筒条件パラメータに基づいて、有限要素解析ソフトウェアで鋼製円筒シミュレーション解析モデルを確立するステップ1と、
シミュレーション解析モデルで異なる海底地質条件パラメータと鋼製円筒条件パラメータ下で対応する鋼製円筒の不安定時の限界荷重を解析し、海底地質条件パラメータ、鋼製円筒条件パラメータと限界荷重との間の関数関係を確立するステップ2と、
異なる波循環荷重作用下での鋼製円筒の周期的変位による海底土体への動的応力の大きさ及び動的応力分布領域のデータを収集し、そして静的三軸せん断試験と動的三軸せん断試験で同等動的応力の大きさ及び動的応力分布下での海底土体の弱化範囲A及び弱化強度ηの試験データを取得し、そして海底土体の弱化範囲A及び弱化強度ηと波循環荷重との関数関係を確立するステップ3と、
ステップ3で取得された海底土体の弱化範囲A及び弱化強度η試験データに基づいて、室内モデル試験方法で対応する弱化後の海底土体の耐荷力を算出し、さらに弱化後の等価な海底地質条件パラメータを算出し、そしてステップ2で確立された海底地質条件パラメータ、鋼製円筒条件パラメータと限界荷重との間の関数関係と結び付けてから、弱化後の等価な海底地質条件パラメータに対応する限界荷重の大きさを算出し、さらに限界荷重衰減係数εを算出し、そして限界荷重衰減係数εと海底土体の弱化範囲A及び弱化強度ηとの関数関係を確立するステップ4と、
ステップ2~ステップ4で得られた関数を結び付けてから、波循環荷重作用下での鋼製円筒の不安定限界荷重が結び付けられた予測モデルを取得するステップ5と、を含む、
ことを特徴とする深水薄肉鋼製円筒の安定性予測方法。
【0006】
上記技術案において、海底地質条件パラメータは、土体の重量度、土体の粘着力及び土体の内摩擦角を含む。
【0007】
上記技術案において、鋼製円筒条件パラメータは、具体的には、鋼製円筒の外径、鋼製円筒の肉厚、鋼製円筒の高さ、鋼製円筒の埋設深さ及び鋼製円筒の内部フィラータイプを含む。
【0008】
上記技術案において、波循環荷重は、水深、波の波長及び異なる波力のパラメータを含む。
【0009】
上記技術案において、ステップ2は、
シミュレーション解析モデルにおいて海底地質条件パラメータと鋼製円筒条件パラメータにおける単一パラメータx1の数値を変更し、そして所定荷重作用高さH下で対応する限界荷重の大きさPの変化を算出し、データ相関性解析を行い、所定荷重作用高さ下での該単一パラメータx1の影響程度を表す対応する無次元化影響係数β1を取得するステップS2.1と、
ステップS2.1を繰り返し、所定荷重作用高さH下での海底地質条件パラメータと鋼製円筒条件パラメータのうち残りのパラメータ(x2,x3,x4,x5…)の影響程度を表す無次元化影響係数(β2,β3,β4,β5…)を取得するステップS2.2と、
ステップS2.1とS2.2の結果に基づいて、各パラメータ(x1,x2,x3,x4,x5…)に基づいて限界荷重の大きさPを予測する関数関係式:P~ f(H,β1,β2,β3,β4,β5…)を確立するステップS2.3と、を含む。
【0010】
上記技術案において、ステップ3において、鋼製円筒の周期的変位による海底土体への動的応力の大きさ及び動的応力分布領域のデータに基づいて、工事領域の地盤土体に対して元位置で採土し、原状土壌サンプルを実験室に輸送した後にそれぞれ静的三軸せん断と動的三軸せん断試験を行い、静的三軸せん断試験によって、土壌サンプルの静的せん断強度を取得し、動的三軸せん断試験によって、土壌サンプルの動的せん断強度を取得し、動的せん断強度と静的せん断強度を除算し、採土位置の土壌サンプルの弱化強度ηを得る。
【0011】
上記技術案において、ステップ3において、元位置での採土は、薄肉採土器で行われ、各採土位置では、少なくとも2つの隣接する原状土壌サンプルを採取し、1つの原状土壌サンプルは、土体の静的三軸せん断試験に用いられ、もう1つの原状土壌サンプルは、土体の動的三軸せん断試験に用いられる。
【0012】
上記技術案において、ステップ4において、εは、弱化後の等価な海底地質条件パラメータに対応する限界荷重の大きさを、波循環荷重作用を受けない海底土体の初期海底地質条件パラメータ下で対応する限界荷重の大きさで除算する値に等しい。
【0013】
上記技術案において、ステップ4において、算出された弱化後の等価な海底地質条件パラメータは、弱化後の土体の重量度W
弱、弱化後の土体の粘着力c
弱及び弱化後の土体の内摩擦角Φ
弱を含み、計算方法は、以下の通りである:
ハンセン地盤耐荷力計算式:
p=c×N
c×S
c×d
c×i
c+q×N
q×S
q×i
q+0.5×W×D×N
r×S
r×i
rに基づいて、ここでS
c、S
q、S
rは、構造物の基礎形状補正係数であり、d
cは、構造物の基礎埋設深さ補正係数であり、i
c、i
q、i
rは、構造物の荷重傾斜補正係数であり、qは、鋼製円筒構造の総重量であり、Dは、鋼製円筒の直径であり、この9つのパラメータは、海底土体の弱化前後で変化がないため、海底土体の弱化前後耐荷力の比
【数1】
について、p
原は、弱化前の海底土体の耐荷力であり、p
弱は、弱化後の海底土体の耐荷力であり、G1は、S
c×d
c×i
cを表し、G2は、q×S
q×i
qを表し、G3は、0.5×D×S
r×i
rを表し、G1、G2、G3は、海底土体の弱化前後に変化せず、
N
c、N
q、N
rは、土体の内摩擦角Φに関する補正系数であり、
【数2】
、N
c = (N
q -1)cotΦ、 N
r = 1.5(N
q -1)tanΦ、
弱化後の海底耐荷力p
弱が原耐荷力p
原のk倍であると仮定すると、
【数3】
を確保する必要があり、ここで、まず
【数4】
を算出し、
【数5】
にΦ
弱という未知数が1つしかないため、計算によって弱化後の土体の内摩擦角Φ
弱を取得し、次に
【数6】
と
【数7】
を算出し、Φ
弱が既知であれば、N
c弱とN
r弱も既知となるため、c
弱とW
弱を求める。
【発明の効果】
【0014】
本発明の利点と有益な効果は以下の通りである:
本発明の深水薄肉鋼製円筒の安定性予測方法は、各種の工事パラメータと鋼製円筒が耐えることのできる限界荷重相関性の数学モデルを確立することによって、鋼製円筒の安定性の予測と補強方案の設計が実現される。従来の工事経験と小規模室内モデル試験による従来の方法とは異なり、本発明は、各工事パラメータの鋼製円筒の不安定限界荷重に対する影響程度を開示し定量化するとともに、循環波荷重による地盤弱化問題も考慮するため、鋼製円筒の安定性への予測の信頼性は、従来の方法よりもはるかに高い。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の深水薄肉鋼製円筒の安定性予測方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
当業者に本発明の方案をより良く理解させるために、以下は、本発明の技術案を、具体的な実施例に係る図面であるワークフローチャートに即してさらに説明する。
【0017】
図1を参照し、深水薄肉鋼製円筒の安定性予測方法は、以下のステップを含む:
ステップS1:海底地質条件パラメータと鋼製円筒条件パラメータに基づいて、有限要素解析ソフトウェアで鋼製円筒シミュレーション解析モデルを確立する。
【0018】
まず、海底地質条件パラメータ(海底地質条件パラメータは、土体の重量度W、土体の粘着力c及び土体の内摩擦角Φを含む)と、鋼製円筒条件パラメータ(鋼製円筒条件パラメータは、鋼製円筒の外径D、鋼製円筒の肉厚w、鋼製円筒の高さHc、鋼製円筒の埋設深さS及び鋼製円筒の内部フィラータイプMを含む)とを含む現場工事の実測データを収集する。
【0019】
上記データに基づいて、ABAQUS有限要素解析ソフトウェアで鋼製円筒シミュレーション解析モデルを確立し、該モデルで鋼製円筒の不安定時の限界荷重の大きさ及び限界荷重作用高さを算出することができる(該シミュレーション解析モデルにおいて鋼製円筒の設定高さ位置に荷重を印加し、鋼製円筒の変位量が無限に増大し始めた場合、このときの荷重は、不安定時に対応する限界荷重であり、荷重を印加する高さ位置は、限界荷重作用高さであり、つまり、異なる高さ位置に荷重を印加することにより、対応する不安定限界荷重の大きさを取得することができる)。
具体的には、本実施例では、まず、ABAQUSソフトウェアにおいて三次元ソリッドモデリングを行い、鋼製円筒モデル、鋼製円筒の内部フィラーモデル及び海底地盤モデルをそれぞれ確立する。ここで、鋼製円筒モデルの鋼製円筒の外径、肉厚及び高さは、工事資料に基づいて選択され、海底地盤モデルのサイズとしては、長さと幅がいずれも10倍の鋼製円筒の外径に等しく、深さが鋼製円筒埋設深さに50m加えられ、土体の重量度W、土体の粘着力c及び土体の内摩擦角Φなどのデータに基づいて、海底地盤モデルに適切なユニットタイプと拘束を与え、鋼製円筒と海底地盤土体とを組み立て、メッシュを分け、メッシュのサイズを1mを典型的なスケールとして分ける。
計算する時、地盤応力平衡解析ステップであって、原状地盤の土体内の地盤応力を復帰するために用いられる第1の解析ステップと、鋼製円筒打設シミュレーションステップであって、原状地盤の中の鋼製円筒の挿入部分の土体をくり抜き、鋼製円筒を指定された高さまで沈下し、そして鋼製円筒に重力を印加する第2のステップと、鋼製円筒のフィラーシミュレーションステップであって、鋼製円筒フィラーを鋼製円筒モデル内に充填し、筒内フィラーに重力を印加する第3のステップと、鋼製円筒の安定性解析ステップであって、鋼製円筒上のある点に集中水平力を印加し、該水平力作用で鋼製円筒に不安定破壊が発生するまで、該水平力の数値を段階的に増大し、このときの水平力の大きさ、及び該水平力印加点から海底泥面までの高さを記録し、この組の数値は、鋼製円筒の限界荷重の大きさPとそれに対応する限界荷重作用高さHである第4のステップとの、4つの解析ステップを設定する。
【0020】
ステップS2:上記シミュレーション解析モデルで異なる海底地質条件パラメータと鋼製円筒条件パラメータ下で対応する鋼製円筒の不安定時の限界荷重を解析し、以下のプロセスで海底地質条件パラメータ、鋼製円筒条件パラメータと限界荷重との間の関数関係を確立する。
【0021】
S2.1:シミュレーション解析モデルにおいて海底地質条件パラメータと鋼製円筒条件パラメータにおける単一パラメータx1の数値を変更し、そして所定荷重作用高さH下で対応する限界荷重の大きさPの変化を算出し、データ相関性解析を行い、所定荷重作用高さH下で該パラメータx1の影響程度を表す対応する無次元化影響係数β1を取得することができる。つまり、それぞれの異なる荷重作用高さは、異なる無次元化影響係数β1に対応し、本実施例では、鋼製円筒から40メートル以上で、鋼製円筒の高さ方向に沿って1メートル間隔ごとの高さを1つの荷重作用位置として決定し、各荷重作用位置は、該パラメータx1の影響程度を表す1つの無次元化影響係数β1に対応する。
【0022】
S2.2:ステップS2.1を繰り返し、所定荷重作用高さH下での残りのパラメータ(x2,x3,x4,x5…)の影響程度を表す無次元化影響係数(β2,β3,β4,β5…)を取得する。
【0023】
S2.3:ステップS2.1とS2.2の結果に基づいて、各パラメータ(x1,x2,x3,x4,x5…)に基づいて限界荷重の大きさPを予測する関数関係式:P~ f(H,β1,β2,β3,β4,β5…)を確立し、例えば、P=k1β1×k2β1×k3β3×k4β4×k5β5×…×knH/Hc、式中、Hcは、鋼製円筒の高さであり、k1、k2、k3、k4、k5、knは、未定係数であり、各荷重作用高さHは、1組の無次元化影響係数(β1,β2,β3,β4,β5…)に対応する。
【0024】
ステップS3:異なる水深Hw、波の波長L、異なる波力Fの波循環荷重作用下での鋼製円筒の周期的変位による海底土体への動的応力の大きさ及び動的応力分布領域のデータを収集し、そして室内静的三軸せん断試験と動的三軸せん断試験で同等動的応力レベルにおける海底土体強度の弱化規律を解析し、海底土体の弱化範囲A及び弱化強度ηの試験データを取得する。
具体的には、まず、鋼製円筒の周期的変位による海底土体への動的応力の大きさ及び動的応力分布領域のデータに基づいて、工事領域の地盤土体に対して元位置で採土し、例えば、鋼製円筒からの水平距離100m内、深さ30m内の地盤土体が明らかな影響を受ける場合、該領域の土体に対してサンプリングを行う必要があり、動的応力の水平距離に伴う衰減程度に基づいて、採土位置の水平間隔を計画する。
動的応力の水平距離に伴う衰減が明らかである場合、採土位置の水平間隔を縮小する必要があり、動的応力の水平距離に伴う衰減が緩慢である場合、採土位置の水平間隔を適切に増大することができる。元位置での採土は、薄肉採土器で行われ、各採土位置では、少なくとも2つの隣接する原状土壌サンプルを採取し、1つの原状土壌サンプルは、土体の静的三軸せん断試験に用いられ、もう1つの原状土壌サンプルは、土体の動的三軸せん断試験に用いられる。
そして、原状土壌サンプルを実験室に輸送した後にそれぞれ静的三軸せん断と動的三軸せん断試験を行い、静的三軸せん断試験によって、土壌サンプルの静的せん断強度を取得し、動的三軸せん断試験によって、動力循環ロード後の土壌サンプルの動的せん断強度を取得し、動的せん断強度と元に得られた静的せん断強度を除算することにより、採土位置の土壌サンプルの弱化強度ηを得る。全ての採土位置での土壌サンプルの弱化強度ηデータに基づいて、海底土体の弱化領域範囲と弱化領域範囲内の弱化強度ηの分布状況を取得することができ、各採土位置の弱化強度ηの大きさ等級に基づいて、弱化範囲Aを合理的に区画し、本実施例では、弱化範囲AをA ≦ 1D、1D < A ≦ 2D、A > 2Dという3つの部分に分ける。
【0025】
そして、取得された海底土体の弱化範囲Aと弱化強度ηデータに基づいて、最小二乗法で水深Hw、波の波長L、波力Fと海底土体の弱化範囲A、弱化強度ηとの関係をフィッティングし、海底土体の弱化範囲A及び弱化強度ηと水深Hw、波の波長L、波力Fとの関連関数:(A,η)~ ζ(Hw,L,F)、例えば、
【数8】
(式中、Dは、鋼製円筒の外径である)を確立する。
【0026】
ステップS4:ステップS3の中の室内静的、動的三軸せん断試験で取得された海底土体の弱化範囲A及び弱化強度η試験データに基づいて、室内モデル試験方法で対応する弱化後の海底土体の耐荷力を算出し、耐荷力計算理論を採用して反転により弱化後の等価な海底地質条件パラメータ(弱化後の土体の重量度W
弱、弱化後の土体の粘着力c
弱と弱化後の土体の内摩擦角Φ
弱を含む)を算出し、具体的な計算方法は、以下の通りである:
ハンセン地盤耐荷力計算式:
p=c×N
c×S
c×d
c×i
c+q×N
q×S
q×i
q+0.5×W×D×N
r×S
r×i
rに基づいて、ここでS
c、S
q、S
rは、構造物の基礎形状補正係数であり、d
cは、構造物の基礎埋設深さ補正係数であり、i
c、i
q、i
rは、構造物の荷重傾斜補正係数であり、qは、鋼製円筒構造の総重量であり、Dは、鋼製円筒の直径であり、海底土体の弱化は、上記9つのパラメータの減少につながらないため、上記9つのパラメータは、海底土体の弱化前後で変化がないため、海底土体の弱化前後耐荷力の比
【数9】
について、p
原は、弱化前の海底土体の耐荷力であり、p
弱は、弱化後の海底土体の耐荷力であり、G1は、S
c×d
c×i
cを表し、G2は、q×S
q×i
qを表し、G3は、0.5×D×S
r×i
rを表し、G1、G2、G3は、海底土体の弱化前後に変化しない値である。
【0027】
N
c、N
q、N
rは、土体の内摩擦角Φに関する補正係数であり、
【数10】
、N
c = (N
q -1)cotΦ、 N
r = 1.5(N
q -1)tanΦ。
【0028】
弱化後の海底耐荷力p
弱が原耐荷力p
原のk倍(即ち
【数11】
、
k≦1)であると仮定すると、
【数12】
を確保するだけでよく、ここで、まず
【数13】
を算出し、
【数14】
にΦ
弱という未知数が1つしかないため、計算によって弱化後の土体の内摩擦角Φ
弱を取得することができ、次に
【数15】
と
【数16】
を計算し、Φ
弱が既知であれば、N
c弱とN
r弱も既知であるため、c
弱とW
弱を求めることができる。
【0029】
そしてステップS2で確立された各海底地質条件パラメータと鋼製円筒条件パラメータに基づいて、限界荷重の大きさPを予測する関数関係式P~ f(H,β
1,β
2,β
3,β
4,β
5…)を結び付けてから、弱化後の等価な海底地質条件パラメータに対応する限界荷重の大きさを算出し(計算する時、限界荷重の作用高さHは、ステップS3の中に対応する波循環荷重の水深Hwに従って値を取り、つまり水面位置で鋼製円筒に荷重を形成する)、さらに限界荷重衰減係数εを算出し、ε≦ 1、前記εは、弱化後の等価な海底地質条件パラメータに対応する限界荷重の大きさを、波循環荷重作用を受けない海底土体の初期海底地質条件パラメータ下で対応する限界荷重の大きさで除算する値に等しく、そして最小二乗法で海底土体の弱化範囲A及び弱化強度ηと限界荷重衰減係数εとの関係をフィッティングし、限界荷重衰減係数εと海底土体の弱化範囲A及び弱化強度ηとの関連関数関係ε~ g(A、η)を確立し、例えば、
【数17】
。
【0030】
ステップS5:ステップS4で取得された限界荷重衰減係数εと海底土体の弱化範囲A、弱化強度ηとの関数関係、及びステップS3で取得された海底土体の弱化範囲A、弱化強度ηと水深Hw、波の波長L、波力Fとの関数関係に基づいて、限界荷重衰減係数εと水深Hw、波の波長L、波力Fとの関数関係を取得することができ、さらに限界荷重衰減係数εにステップS1で得られた予測限界荷重の大きさPの関数を乗算することにより、波循環荷重作用での鋼製円筒の不安定限界荷重を考慮した予測モデルを取得することができる:P~ ε×f(H,β1,β2,β3,β4,β5…)。
【0031】
実際の工事設計において、上記深水薄肉鋼製円筒の安定性予測方法で海底地質条件パラメータ、鋼製円筒条件パラメータ及び波循環荷重パラメータに基づいて、鋼製円筒が耐えることのできる限界荷重P及び鋼製円筒の現在実際に耐える荷重PTを予測して算出することができ、且つ安全係数K、K=P/PTを自動的に計算することができる。
安全係数Kが1よりも小さく、構造が不安定な場合、まず循環荷重による衰減を考慮しない場合(即ちε=1)、安全係数Kが要求を満たすことができるか否かを試算する。要求を満たした場合、地盤補強処理方案設計を行い、関数(A,η)~ ζ(Hw,L,F)で与えられる海底地盤弱化範囲に基づいて、地盤補強深さと範囲の設計を行う。ε=1の場合の試算時の安全係数Kが依然として要求を満たさなかった場合、安全係数Kが要求を満たすまで鋼製円筒の設計を最適化する。
【0032】
発明は、例示的に説明されており、なお、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、いかなる簡単な変形、修正、又は当業者が創造的な労働を必要としない他の同等の置換は、全て本発明の請求範囲に含まれる。
【0033】
(付記)
(付記1)
海底地質条件パラメータと鋼製円筒条件パラメータに基づいて、有限要素解析ソフトウェアで鋼製円筒シミュレーション解析モデルを確立するステップ1と、
シミュレーション解析モデルで異なる海底地質条件パラメータと鋼製円筒条件パラメータ下で対応する鋼製円筒の不安定時の限界荷重を解析し、海底地質条件パラメータ、鋼製円筒条件パラメータと限界荷重との間の関数関係を確立するステップ2と、
異なる波循環荷重作用下での鋼製円筒の周期的変位による海底土体への動的応力の大きさ及び動的応力分布領域のデータを収集し、そして静的三軸せん断試験と動的三軸せん断試験で同等動的応力の大きさ及び動的応力分布下での海底土体の弱化範囲A及び弱化強度ηの試験データを取得し、そして海底土体の弱化範囲A及び弱化強度ηと波循環荷重との関数関係を確立するステップ3と、
ステップ3で取得された海底土体の弱化範囲A及び弱化強度η試験データに基づいて、室内モデル試験方法で対応する弱化後の海底土体の耐荷力を算出し、さらに弱化後の等価な海底地質条件パラメータを算出し、そしてステップ2で確立された海底地質条件パラメータ、鋼製円筒条件パラメータと限界荷重との間の関数関係と結び付けてから、弱化後の等価な海底地質条件パラメータに対応する限界荷重の大きさを算出し、さらに限界荷重衰減係数εを算出し、そして限界荷重衰減係数εと海底土体の弱化範囲A及び弱化強度ηとの関数関係を確立するステップ4と、
ステップ2~ステップ4で得られた関数を結び付けてから、波循環荷重作用下での鋼製円筒の不安定限界荷重が結び付けられた予測モデルを取得するステップ5と、を含む、
ことを特徴とする深水薄肉鋼製円筒の安定性予測方法。
【0034】
(付記2)
海底地質条件パラメータは、土体の重量度、土体の粘着力及び土体の内摩擦角を含む、ことを特徴とする付記1に記載の深水薄肉鋼製円筒の安定性予測方法。
【0035】
(付記3)
鋼製円筒条件パラメータは、具体的には、鋼製円筒の外径、鋼製円筒の肉厚、鋼製円筒の高さ、鋼製円筒の埋設深さ及び鋼製円筒の内部フィラータイプを含む、ことを特徴とする付記1に記載の深水薄肉鋼製円筒の安定性予測方法。
【0036】
(付記4)
波循環荷重は、水深、波の波長及び異なる波力のパラメータを含む、ことを特徴とする付記1に記載の深水薄肉鋼製円筒の安定性予測方法。
【0037】
(付記5)
ステップ2は、
シミュレーション解析モデルにおいて海底地質条件パラメータと鋼製円筒条件パラメータにおける単一パラメータx1の数値を変更し、そして所定荷重作用高さH下で対応する限界荷重の大きさPの変化を算出し、データ相関性解析を行い、所定荷重作用高さ下での該単一パラメータx1の影響程度を表す対応する無次元化影響係数β1を取得するステップS2.1と、
ステップS2.1を繰り返し、所定荷重作用高さH下での海底地質条件パラメータと鋼製円筒条件パラメータのうち残りのパラメータ(x2,x3,x4,x5…)の影響程度を表す無次元化影響係数(β2,β3,β4,β5…)を取得するステップS2.2と、
ステップS2.1とS2.2の結果に基づいて、各パラメータ(x1,x2,x3,x4,x5…)に基づいて限界荷重の大きさPを予測する関数関係式:P~ f(H,β1,β2,β3,β4,β5…)を確立するステップS2.3と、を含む、
ことを特徴とする付記1に記載の深水薄肉鋼製円筒の安定性予測方法。
【0038】
(付記6)
ステップ3において、鋼製円筒の周期的変位による海底土体への動的応力の大きさ及び動的応力分布領域のデータに基づいて、工事領域の地盤土体に対して元位置で採土し、原状土壌サンプルを実験室に輸送した後にそれぞれ静的三軸せん断と動的三軸せん断試験を行い、静的三軸せん断試験によって、土壌サンプルの静的せん断強度を取得し、動的三軸せん断試験によって、土壌サンプルの動的せん断強度を取得し、動的せん断強度と静的せん断強度を除算し、採土位置の土壌サンプルの弱化強度ηを得る、ことを特徴とする付記1に記載の深水薄肉鋼製円筒の安定性予測方法。
【0039】
(付記7)
ステップ3において、元位置での採土は、薄肉採土器で行われ、各採土位置では、少なくとも2つの隣接する原状土壌サンプルを採取し、1つの原状土壌サンプルは、土体の静的三軸せん断試験に用いられ、もう1つの原状土壌サンプルは、土体の動的三軸せん断試験に用いられる、ことを特徴とする付記6に記載の深水薄肉鋼製円筒の安定性予測方法。
【0040】
(付記8)
ステップ4において、εは、弱化後の等価な海底地質条件パラメータに対応する限界荷重の大きさを、波循環荷重作用を受けない海底土体の初期海底地質条件パラメータ下で対応する限界荷重の大きさで除算する値に等しい、ことを特徴とする付記1に記載の深水薄肉鋼製円筒の安定性予測方法。
【0041】
(付記9)
ステップ4において、算出された弱化後の等価な海底地質条件パラメータは、弱化後の土体の重量度W
弱、弱化後の土体の粘着力c
弱及び弱化後の土体の内摩擦角Φ
弱を含み、計算方法は、以下の通りである:
ハンセン地盤耐荷力計算式:
p=c×N
c×S
c×d
c×i
c+q×N
q×S
q×i
q+0.5×W×D×N
r×S
r×i
rに基づいて、ここでS
c、S
q、S
rは、構造物の基礎形状補正係数であり、d
cは、構造物の基礎埋設深さ補正係数であり、i
c、i
q、i
rは、構造物の荷重傾斜補正係数であり、qは、鋼製円筒構造の総重量であり、Dは、鋼製円筒の直径であり、この9つのパラメータは、海底土体の弱化前後で変化がないため、海底土体の弱化前後耐荷力の比
【数18】
について、p
原は、弱化前の海底土体の耐荷力であり、p
弱は、弱化後の海底土体の耐荷力であり、G1は、S
c×d
c×i
cを表し、G2は、q×S
q×i
qを表し、G3は、0.5×D×S
r×i
rを表し、G1、G2、G3は、海底土体の弱化前後に変化せず、
N
c、N
q、N
rは、土体の内摩擦角Φに関する補正係数であり、
【数19】
、N
c = (N
q -1)cotΦ 、 N
r = 1.5(N
q -1)tanΦ 、
弱化後の海底耐荷力p
弱が原耐荷力p
原のk倍であると仮定すると、
【数20】
を確保する必要があり、ここで、まず
【数21】
を算出し、
【数22】
にΦ
弱という未知数が1つしかないため、計算によって弱化後の土体の内摩擦角Φ
弱を取得し、次に
【数23】
と
【数24】
を算出し、Φ
弱が既知であれば、N
c弱とN
r弱も既知となるため、c
弱とW
弱を求める、
ことを特徴とする付記1に記載の深水薄肉鋼製円筒の安定性予測方法。