(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-06
(45)【発行日】2024-02-15
(54)【発明の名称】新規リゾホスファチジン酸誘導体
(51)【国際特許分類】
C07F 9/568 20060101AFI20240207BHJP
A61K 31/661 20060101ALI20240207BHJP
A61K 31/675 20060101ALI20240207BHJP
A61P 9/00 20060101ALI20240207BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240207BHJP
A61P 17/02 20060101ALI20240207BHJP
A61P 13/12 20060101ALI20240207BHJP
A61P 9/10 20060101ALI20240207BHJP
A61P 27/02 20060101ALI20240207BHJP
A61P 19/02 20060101ALI20240207BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20240207BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20240207BHJP
A61P 17/06 20060101ALI20240207BHJP
A61P 37/02 20060101ALI20240207BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20240207BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20240207BHJP
A61P 31/12 20060101ALI20240207BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20240207BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240207BHJP
C07F 9/38 20060101ALI20240207BHJP
C07F 9/6558 20060101ALI20240207BHJP
C07F 9/572 20060101ALI20240207BHJP
C07F 9/09 20060101ALI20240207BHJP
C07F 9/59 20060101ALI20240207BHJP
C07F 9/58 20060101ALI20240207BHJP
C07F 9/6539 20060101ALI20240207BHJP
C07F 9/6509 20060101ALI20240207BHJP
C07F 9/6512 20060101ALI20240207BHJP
【FI】
C07F9/568 CSP
A61K31/661
A61K31/675
A61P9/00
A61P35/00
A61P17/02
A61P13/12
A61P9/10
A61P27/02
A61P19/02
A61P29/00 101
A61P17/00
A61P17/06
A61P37/02
A61P11/00
A61P9/10 101
A61P25/00
A61P31/12
A61K45/00
A61P43/00 121
C07F9/38 C
C07F9/6558
C07F9/572
C07F9/09 U
C07F9/59
C07F9/58 B
C07F9/6539
C07F9/6509 A
C07F9/6512
(21)【出願番号】P 2019206492
(22)【出願日】2019-11-14
【審査請求日】2022-09-26
(73)【特許権者】
【識別番号】504176911
【氏名又は名称】国立大学法人大阪大学
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【氏名又は名称】當麻 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100137729
【氏名又は名称】赤井 厚子
(74)【代理人】
【識別番号】100151301
【氏名又は名称】戸崎 富哉
(72)【発明者】
【氏名】▲濱▼田 真以子
(72)【発明者】
【氏名】新井 勇樹
(72)【発明者】
【氏名】山腰 修平
(72)【発明者】
【氏名】和田 寛子
(72)【発明者】
【氏名】大槻 一文
(72)【発明者】
【氏名】舌間 裕晃
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼倉 伸幸
【審査官】前田 憲彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-506009(JP,A)
【文献】国際公開第2012/125887(WO,A1)
【文献】特開2018-177710(JP,A)
【文献】特表2009-545531(JP,A)
【文献】特表2011-513418(JP,A)
【文献】ACS Medicinal Chemistry Letters,2019年,10(3),P.306-311
【文献】Journal of Medicinal Chemistry,2003年,46(20),P.4322-4332
【文献】Biochemistry,1998年,37(21),P.7801-7812
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07F 9/
A61K 31/
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I)
【化1】
[式中、Xは、酸
素を表し、
Yは、酸素
、-O-CH
2-、又は-CH
2-O-を表し、
Qは
、-C(=O)-を表し、
R
1は、下式(A-2)
【化2】
(式中、環Bは、シクロアルカン、又はベンゼンを表し、
n個のR
7は、それぞれ独立して、
ハロゲン
;
シアノ
;
(i)ハロゲン、
(ii)シクロアルキル、又は
(iii)アルキルで置換されていてもよいフェニル
で置換されていてもよいアルキル
;
アルキルで置換されてもよいシクロアルキル
;
(i)ハロゲン、アルキル、ハロアルコキシ若しくはフェニル
で置換されてもよいフェニル、又は
(ii)アルキルで置換されていてもよいシクロアルキル
で置換されていてもよいアルコキシ
;或いは、
(i)フェニルで置換されていてもよいアルコキシ、又は
(ii)アルキル
で置換されていてもよい芳香族炭化水素環基を表し、
nは、0~5の整数を表す。)で表される基を表し、
L
1は
、-R
6-、-R
6O-、-OR
6-、-R
6NH-、
又は-NHR
6
-を表し、
R
6は、
アルキルで置換されていてもよいアルキレンを表し
、
Zは
、NR
5を表し
、
R
2は、水素、又はアルキルを表し、及び
R
3及びR
4の一方は、水素、
或いは、
ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキルを表し、
他方は、R
5と互いに結合して、R
3及びR
4が結合している炭素原子、
R
2
が結合している炭素原子、及びR
5が結合している窒素原子と共に、
(i)ヒドロキシ、
(ii)アルコキシ、或いは、
(iii)ヒドロキシ又はアルコキシで置換されてもよいアルキル
で置換されていてもよい環状アミンを形成す
る。]
で表される化合物、又はその薬理学的に許容し得る塩。
【請求項2】
nが、1又は2で
ある、
請求項1に記載の化合物、又はその薬理学的に許容し得る塩。
【請求項3】
Yが、酸素
、又は-O-CH
2-
*(ここで、
*は、リン原子との結合位置を表す。)であり
、
L
1が
、-R
6-、-R
6O-、-OR
6-、又は-R
6NH-
**(ここで、
**は、Qとの結合位置を表す。)であり
、及び
nが、1又は2で
ある、
請求項
1に記載の化合物、又はその薬理学的に許容し得る塩。
【請求項4】
Yが、酸素であり
、
L
1が
、-R
6-、又は-R
6O-
***(ここで、
***は、Qとの結合位置を表す。)であり、
R
6が、アルキレンであり、
n個のR
7が、それぞれ独立して、
ハロゲン;
(i)ハロゲン、
(ii)シクロアルキル、又は
(iii)アルキルで置換されていてもよいフェニル
で置換されていてもよいアルキル;
シクロアルキル;
アルキルで置換されていてもよいフェニル;或いは、
(i)ハロゲン、アルキル、ハロアルコキシ若しくはフェニル
で置換されてもよいフェニル、又は
(ii)シクロアルキル
で置換されてもよいアルコキシであり、
nが、1又は2であり、及
び
R
3及びR
4の一方が、水素であり、他方が、R
5と互いに結合し、R
3及びR
4が結合している炭素原子、
R
2
が結合している炭素原子、及びR
5が結合している窒素原子と共に、それぞれ、
(i)ヒドロキシ、
(ii)アルコキシ、或いは、
(iii)ヒドロキシ又はアルコキシで置換されてもよいアルキル
で置換されていてもよい、アゼチジン、ピロリジン、又はピペリジンを形成する、請求項
1に記載の化合物、又はその薬理学的に許容し得る塩。
【請求項5】
Yが、酸素であり
、
L
1が
、-R
6-、又は-R
6O-
***(ここで、
***は、Qとの結合位置を表す。)であり、
R
6が、アルキレンであり、
R
2が、水素であり、及び
R
3及びR
4の一方が、水素であり、他方が、R
5と互いに結合し、R
3及びR
4が結合している炭素原子、
R
2
が結合している炭素原子、及びR
5が結合している窒素原子と共に、
(i)ヒドロキシ、
(ii)アルコキシ、或いは、
(iii)ヒドロキシ又はアルコキシで置換されてもよいアルキル
で置換されていてもよいアゼチジンを形成する、請求項
1に記載の化合物、又はその薬理学的に許容し得る塩。
【請求項6】
環Bが、ベンゼンである、請求項
1~
5のいずれか一項に記載の化合物、又はその薬理学的に許容し得る塩。
【請求項7】
一般式(I)の化合物が、以下
のいずれかである、請求項
1に記載の化合物、又はその薬理学的に許容し得る塩。
a.1-[9-(4-エチルフェニル)ノナノイル]アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート、
b.1-{4-[4-(オクチルオキシ)フェニル]ブタノイル}アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート、
c.1-[8-(3-オクチルフェニル)オクタノイル]アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート、
d.1-[9-(4-ブチルフェニル)ノナノイル]アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート、
e.1-[9-(ビフェニル-4-イル)ノナノイル]アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート、
f.1-[9-(4-tert-ブチルフェニル)ノナノイル]アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート、
g.1-[9-(4-シクロプロピルフェニル)ノナノイル]アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート、
h.1-[9-(4-シクロヘキシルフェニル)ノナノイル]アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート
、
j.1-[9-(4-ヘキシルフェニル)ノナノイル]アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェー
ト。
【請求項8】
請求項1~
7のいずれか一項に記載の化合物又はその薬理学的に許容し得る塩、及び薬理学上許容し得る担体を含有する医薬組成物。
【請求項9】
血管形成異常を伴う疾患、又は血管障害に伴う疾患の治療、及び/又は予防のために用いられる、請求項
8に記載の医薬組成物。
【請求項10】
血管形成異常を伴う疾患、又は血管障害に伴う疾患が、固形がん、褥瘡、糖尿病性壊死、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、急性腎障害、脳梗塞、加齢黄斑変性、関節リウマチ、強皮症、乾癬、全身性エリテマトーデス、肺線維症、閉塞性動脈硬化症、動脈硬化症、狭心症、心筋梗塞、バージャー病、感染症による脳浮腫、出血性ウイルス(エボラ、デング)による出血、又は急性呼吸窮迫症候群である、請求項
9に記載の医薬組成物。
【請求項11】
請求項1~
7のいずれか一項に記載の化合物又はその薬理学的に許容し得る塩と、化学療法剤、免疫療法剤、及びホルモン療法剤からなる群より選択される少なくとも1種の薬剤とを組み合わせてなる、血管形成異常を伴う疾患、又は血管障害に伴う疾患を予防、又は治療するための医薬。
【請求項12】
請求項1~
7のいずれか一項に記載の化合物又はその薬理学的に許容し得る塩と、化学療法剤、免疫療法剤、及びホルモン療法剤からなる群より選択される少なくとも1種の薬剤とが別個に投与されることを特徴とする、請求項1
1に記載の医薬。
【請求項13】
請求項1~
7のいずれか一項に記載の化合物又はその薬理学的に許容し得る塩と、化学療法剤、免疫療法剤、及びホルモン療法剤からなる群より選択される少なくとも1種の薬剤とが同時に又は順次に投与されることを特徴とする、請求項1
1に記載の医薬。
【請求項14】
配合剤である、請求項1
1に記載の医薬。
【請求項15】
血管形成異常を伴う疾患、又は血管障害に伴う疾患が、固形がん、褥瘡、糖尿病性壊死、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、急性腎障害、脳梗塞、加齢黄斑変性、関節リウマチ、強皮症、乾癬、全身性エリテマトーデス、肺線維症、閉塞性動脈硬化症、動脈硬化症、狭心症、心筋梗塞、バージャー病、感染症による脳浮腫、出血性ウイルス(エボラ、デング)による出血、又は急性呼吸窮迫症候群である、請求項1
1~1
4のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項16】
請求項1~
7のいずれか一項に記載の化合物又はその薬理学的に許容し得る塩を含有するLPA4受容体作動薬
。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LPA4受容体のアゴニスト作用を有し、LPA4受容体が関与する血管形成異常を伴う疾患、又は血管障害に伴う疾患、又はそれに伴う症状の予防及び/又は治療に有用である、新規リゾホスファチジン酸誘導体に関する。
また、本発明は、リゾリン脂質受容体を活性化する前記新規リゾホスファチジン酸誘導体を含有する薬剤送達促進剤及びリゾリン脂質受容体を活性化する前記新規リゾホスファチジン酸誘導体を含有する医薬組成物にも関する。
【背景技術】
【0002】
リゾホスファチジン酸(Lysophosphatidic acid;以下LPAと略す。)は、細胞内に様々なシグナルを伝達できるリン脂質誘導体であり、LPAは細胞表面のいくつかのGタンパク質共役型受容体を介して、多彩な薬理作用を示すことが知られている。またLPA受容体サブタイプはそれぞれ役割の異なったサブタイプが存在しており、現時点では、8つあり、それぞれLPA1、LPA2、LPA3、LPA4、LPA5、LPA6、GPR87、及びGPR35と呼ばれている(特許文献1)。
【0003】
皮下に腫瘍を形成したマウスにLPAを投与すると、LPAがLPA受容体を活性化することにより、腫瘍血管のネットワーク構築を誘導して網状構造に正常化させ、血管内腔を平滑化し、血管透過性を正常化することが知られている(特許文献1)。
【0004】
これらのことにより、LPA受容体を作動する化合物は、LPA受容体に起因する各種疾患、又は病態の予防、治療及び/又は予後改善させる方法として注目されてきた(特許文献1)。
【0005】
これまで、LPA受容体に対するアゴニスト活性を有するリゾホスファチジン酸誘導体としては、例えば、特許文献1~3に記載の化合物が知られているが、本発明の化合物の如き新規リゾホスファチジン酸誘導体が、LPA4受容体に対して、優れた選択性と優れたアゴニスト作用を有することは報告されていない。
【0006】
血管形成は、腫瘍、糖尿病網膜症、加齢黄斑変性症、関節リウマチ等の慢性炎症性疾患、感染症等の急性炎症、血管奇形、肺繊維症、脳梗塞、動脈硬化症等、多くの疾患に関与している。血管形成が病態形成に関わる疾患は、血管病と総称されている。胎児期には、血管がまったく存在しない状態から新しい血管が形成される。この過程を血管発生又は脈管形成と呼ぶ。これに対し、既存の血管から新しい血管が形成される過程のことを血管新生と呼ぶ。血管新生は様々な病態の血管形成に関与する。
【0007】
血管内皮細胞因子として知られるVEGF(vascular endothelial growth factor)は、胎児期から成長期の生理的血管形成、病態形成における病的血管形成等のあらゆる血管形成において重要な役割を担う。VEGFは、血管内皮細胞の増殖を強力に誘導する。また、VEGFは、血管形成の開始時において、血管内皮細胞同士の接着に関わるVE-カドヘリンを、Srcを介してリン酸化させ、細胞内移行を誘導して血管内皮細胞間にゆるみを生じさせ、血管透過性を亢進させる。
【0008】
通常、正常血管の管腔は血管内皮細胞と壁細胞と総称される血管平滑筋細胞或いはペリサイトの接着により、構造的に安定化している。血管内皮細胞と壁細胞の間には、接着帯が形成され、血管内皮細胞と壁細胞の間の分子交換を介して、血管透過性を制御している。さらに、血管内皮細胞間は、前述のVE-カドヘリンや、クローディン5、インテグリン、コネキシンなど種々の接着分子により密着し、容易に血管内から物質や細胞が血管外に漏出しないように制御されている。また、動脈と静脈、通常左右の血管は、パラレルな走行性を示す。
【0009】
腫瘍の血管には、様々な異常が観察される。腫瘍血管は無秩序に発達し、透過性が亢進し、蛇行や拡張が観察され、一部嚢状を呈す。血管分岐も無秩序である。血管内皮細胞自体も異常な形態を呈し、裏打ちする壁細胞も腫瘍中心部では極めてまばらであり、血管内皮細胞との接着も弱く、多くの領域で壁細胞の裏打ちが欠損している。そのため、これらの細胞間でのクロストークが不安定となり、血管の恒常性が維持されないこととなる。このような異常の多くは、腫瘍内のVEGF分泌が過剰になっていることに起因することが報告されている。
【0010】
血管新生阻害薬の主なターゲットは、VEGF或いは又はその受容体であり、VEGFの中和抗体、可溶性VEGF受容体、及び複数存在するVEGF受容体のリン酸化抑制剤が臨床的に応用されている。血管新生阻害薬の開発は、がんの増殖が血管新生を伴うという事実に基づき、血管新生阻害薬が腫瘍内の血管形成に腫瘍内の血管形成を抑制し、酵素や養分の供給を絶ち、腫瘍の増大を抑制することが期待された。この新生血管を標的としたがん治療の概念は、1970年代にJ.Folkman博士らによって提唱された(非特許文献1)。マウスを用いた前臨床試験では、血管新生阻害薬単独で顕著な抗腫瘍効果が認められたが、ヒトにおいては、血管新生阻害薬単独での抗腫瘍効果は限定的であった。血管新生阻害薬と抗がん剤を併用することにより、抗がん剤単独に比べて腫瘍増大に対する抑制効果が観察されることが判明してきた(非特許文献2)。
【0011】
このような知見より、血管新生阻害薬と抗がん剤の併用による効果は、血管新生阻害薬による腫瘍血管の正常化に起因するという概念がR.Jain博士により提唱された(非特許文献3)。つまり、VEGFから誘導されるVEGF受容体の細胞内シグナルを遮断することで、血管内皮細胞同士の解離が抑制され、VEGF過剰によって促進していた血管透過性が低下し、正常に戻る。その結果、それまで腫瘍組織内圧と血管内圧に差がなかった状態から、血管内圧の方が腫瘍組織内圧より高くなり、血管内から腫瘍内への抗がん剤の透過性が回復し、抗がん剤の効果が顕著に高くなるというものである。
【0012】
このような背景より、がんの有効な治療法の1つとして、腫瘍内の血管透過性を改善させ、腫瘍内への薬剤の送達を誘導する手段が考えられるようになった。一方、血管新生阻害薬は、血管内皮細胞の生存を抑制し、血管内皮細胞やそれと相互作用している血管壁細胞の細胞死を誘導して腫瘍内の虚血状態を促進することが示唆されている。VEGF経路の阻害による腫瘍血管の破綻が、がん組織の低酸素化を介して、がんの浸潤や転移能を増強する可能性も示唆されている。また、血管新生阻害薬は、正常な組織の血管にも障害を与え、血圧の亢進や肺出血、腎障害等の重篤な副作用を引き起こすことが報告されている。したがって、腫瘍血管を退縮させず、正常血管にも影響を及ぼさず、腫瘍血管の透過性を正常化させるような薬剤の開発が期待される。さらに、腫瘍以外の血管異常を伴う疾患においても、正常血管に影響を及ぼさず、病態部の血管を正常化させる薬剤の開発が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【文献】国際公開第2015/152412号
【文献】国際公開第2002/029001号
【文献】特開2018/177710号公報
【非特許文献】
【0014】
【文献】Journal of Experimental Medicine,1971;133:p.275-288
【文献】Cancer Res,2005;65:p.671-680
【文献】Science,2005;307:p.58-62
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、LPA4受容体に対するアゴニスト作用を有する化合物又は、又はその薬理学的に許容し得る塩に関する。本発明の化合物は、LPA4受容体が関与する血管形成異常を伴う疾患、又は血管障害に伴う疾患、或いはそれらの病態の予防、治療及び/又は予後改善に有用である。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、下記一般式(I):
【0017】
【0018】
[式中、Xは、酸素、又は硫黄を表し、
Yは、酸素、硫黄、NH、CH2、-O-CH2-、又は-CH2-O-を表し、
Qは、下式(A-1)
【0019】
【0020】
(式中、環Aは、ハロゲン;置換されていてもよいアルキル;置換されてもよいシクロアルキル;及び置換されていてもよいアルコキシからなる群より独立して選ばれる置換基で、さらに置換されていてもよい芳香族複素環(ここで、該芳香族複素環は、インドール、及びプリンを除く。)を表す。)で表される基、又は
-C(=O)-を表し、
R1は、下式(A-2)
【0021】
【0022】
(式中、環Bは、シクロアルカン、又はベンゼンを表し、n個のR7は、それぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、置換されていてもよいアルキル、置換されてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、又は置換されていてもよい芳香族炭化水素環基を表し、nは、0~5の整数を表す。)で表される基を表し、
L1は、単結合、NH、酸素、硫黄、-R6-、-R6O-、-OR6-、-R6NH-、-NHR6-、-R6S-、又は-SR6-を表し、
R6は、置換されていてもよいアルキレンを表し、
(i)Qが、前記式(A-1)
で表される基の場合には、
Zは、CH2、酸素、硫黄、又はNR5を表し、並びに
R2、R3、R4、及びR5は、それぞれ下記(i)-1~(i)-4のいずれかを表し;
(i)-1.
R2は、水素、又は置換されていてもよいアルキルを表し、
R3及びR4は、それぞれ独立して、水素、又は置換されていてもよいアルキルを表し、及び
R5は、水素、又は置換されていてもよいアルキルを表し、且つ該置換されていてもよいアルキルの置換基は、ハロゲン;ヒドロキシ;アルコキシ;アルキルで置換されていてもよいシクロアルキル;アルキル又はアシルで置換されていてもよいアミノ;ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキルで置換されていてもよいシクロアルキル、アルキル又はアシルで置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル、及びアルキルアミノスルホニルからなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよいフェニル;或いは、ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキルで置換されていてもよいシクロアルキル、アルキル又はアシルで置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル、及びアルキルアミノスルホニルからなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよい芳香族複素環基を表すか、
又は、
(i)-2.
R2は、水素、又は置換されていてもよいアルキルを表し、及び
R3及びR4の一方は、水素、又は置換されていてもよいアルキルを表し、他方は、R5と互いに結合して、R3及びR4が結合している炭素原子、及びR5が結合している窒素原子と共に、置換されていてもよい環状アミンを形成するか、
又は
(i)-3.
R3及びR4は、それぞれ独立して、水素、又は置換されていてもよいアルキルを表し、及び
R2は、R5と互いに結合して、R2が結合している炭素原子、及びR5が結合している窒素原子と共に、置換されていてもよい環状アミンを形成するか、
又は
(i)-4.
R5は、水素、又は置換されていてもよいアルキルを表し、且つ該置換されていてもよいアルキルの置換基は、ハロゲン;ヒドロキシ;アルコキシ;アルキルで置換されていてもよいシクロアルキル;アルキル又はアシルで置換されていてもよいアミノ;ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキルで置換されていてもよいシクロアルキル、アルキル又はアシルで置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル、及びアルキルアミノスルホニルからなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよいフェニル;或いは、ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキルで置換されていてもよいシクロアルキル、アルキル又はアシルで置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル、及びアルキルアミノスルホニルからなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよい芳香族複素環基を表し、及び
R3及びR4の一方は、水素、又は置換されていてもよいアルキルを表し、他方は、R2と互いに結合して、R3及びR4が結合している炭素原子、及びR2が結合している炭素原子と共に、置換されていてもよいシクロアルカンを形成し;
或いは、
(ii)Qが、-C(=O)-で表される場合には、
Zは、酸素、硫黄、又はNR5を表し、並びに
R2、R3、R4、及びR5は、それぞれ下記(ii)-1~(ii)-4のいずれかを表し;
(ii)-1.
R2は、水素、又はアルキルを表し、
R3及びR4は、それぞれ独立して、水素、又は置換されていてもよいアルキルを表し、及び
R5は、置換されていてもよいアルキルを表し、且つ該置換されていてもよいアルキルの置換基は、ハロゲン;ヒドロキシ;アルコキシ;アルキルで置換されていてもよいシクロアルキル;アルキル又はアシルで置換されていてもよいアミノ;ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキルで置換されていてもよいシクロアルキル、アルキル又はアシルで置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル、及びアルキルアミノスルホニルからなる群より独立して選ばれる1又は2の置換基で置換されていてもよいフェニル;或いは、ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキルで置換されていてもよいシクロアルキル、アルキルで置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル、及びアルキルアミノスルホニルからなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよい芳香族複素環基を表すか、
又は、
(ii)-2.
R2は、水素、又はアルキルを表し、及び
R3及びR4の一方は、水素、又は置換されていてもよいアルキルを表し、他方は、R5と互いに結合して、R3及びR4が結合している炭素原子、及びR5が結合している窒素原子と共に、置換されていてもよい環状アミンを形成するか、
又は、
(ii)-3.
R3及びR4は、それぞれ独立して、水素、又は置換されていてもよいアルキルを表し、及び
R2は、R5と互いに結合して、R2が結合している炭素原子、及びR5が結合している窒素原子と共に、置換されていてもよい環状アミンを形成するか、
又は、
(ii)-4.
R5は、置換されていてもよいアルキルを表し、且つ該置換されていてもよいアルキルの置換基は、ハロゲン;ヒドロキシ;アルコキシ;アルキルで置換されていてもよいシクロアルキル;アルキル又はアシルで置換されていてもよいアミノ;ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキルで置換されていてもよいシクロアルキル、アルキル又はアシルで置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル、及びアルキルアミノスルホニルからなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよいフェニル;或いは、ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキルで置換されていてもよいシクロアルキル、アルキル又はアシルで置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル、及びアルキルアミノスルホニルからなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよい芳香族複素環基を表し、及び
R3及びR4の一方は、水素、又は置換されていてもよいアルキルを表し、他方は、R2と互いに結合して、R3及びR4が結合している炭素原子、及びR2が結合している炭素原子と共に、置換されていてもよいシクロアルカンを形成する。]
で表される化合物(以下、「化合物(I)」と略称することもある。)、又はその薬理学的に許容し得る塩が、LPA4受容体に対して、選択的且つ優れたアゴニスト作用を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0023】
すなわち、本発明は、以下の通りである。
[1]下記一般式(I)
【0024】
【0025】
[式中、Xは、酸素、又は硫黄を表し、
Yは、酸素、硫黄、NH、CH2、-O-CH2-、又は-CH2-O-を表し、
Qは、下式(A-1)
【0026】
【0027】
(式中、環Aは、ハロゲン;置換されていてもよいアルキル;置換されてもよいシクロアルキル;及び置換されていてもよいアルコキシからなる群より選ばれる置換基で、さらに置換されていてもよい芳香族複素環(ここで、該芳香族複素環は、インドール、及びプリンを除く。)を表す。)で表される基、又は
-C(=O)-を表し、
R1は、下式(A-2)
【0028】
【0029】
(式中、環Bは、シクロアルカン、又はベンゼンを表し、n個のR7は、それぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、置換されていてもよいアルキル、置換されてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、又は置換されていてもよい芳香族炭化水素環基を表し、nは、0~5の整数を表す。)で表される基を表し、
L1は、単結合、NH、酸素、硫黄、-R6-、-R6O-、-OR6-、-R6NH-、-NHR6-、-R6S-、又は-SR6-を表し、
R6は、置換されていてもよいアルキレンを表し、
(i)Qが、前記式(A-1)
で表される基の場合には、
Zは、CH2、酸素、硫黄、又はNR5を表し、並びに
R2、R3、R4、及びR5は、それぞれ下記(i)-1~(i)-4のいずれかを表し;
(i)-1.
R2は、水素、又は置換されていてもよいアルキルを表し、
R3及びR4は、それぞれ独立して、水素、又は置換されていてもよいアルキルを表し、及び
R5は、水素、又は置換されていてもよいアルキルを表し、且つ該置換されていてもよいアルキルの置換基は、ハロゲン;ヒドロキシ;アルコキシ;アルキルで置換されていてもよいシクロアルキル;アルキル又はアシルで置換されていてもよいアミノ;ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキルで置換されていてもよいシクロアルキル、アルキル又はアシルで置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル、及びアルキルアミノスルホニルからなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよいフェニル;或いは、、ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキルで置換されていてもよいシクロアルキル、アルキル又はアシルで置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル、及びアルキルアミノスルホニルからなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよい芳香族複素環基を表すか、
又は、
(i)-2.
R2は、水素、又は置換されていてもよいアルキルを表し、及び
R3及びR4の一方は、水素、又は置換されていてもよいアルキルを表し、他方は、R5と互いに結合して、R3及びR4が結合している炭素原子、及びR5が結合している窒素原子と共に、置換されていてもよい環状アミンを形成するか、
又は
(i)-3.
R3及びR4は、それぞれ独立して、水素、又は置換されていてもよいアルキルを表し、及び
R2は、R5と互いに結合して、R2が結合している炭素原子、及びR5が結合している窒素原子と共に、置換されていてもよい環状アミンを形成するか、
又は
(i)-4.
R5は、水素、又は置換されていてもよいアルキルを表し、且つ該置換されていてもよいアルキルの置換基は、ハロゲン;ヒドロキシ;アルコキシ;アルキルで置換されていてもよいシクロアルキル;アルキル又はアシルで置換されていてもよいアミノ;ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキルで置換されていてもよいシクロアルキル、アルキル又はアシルで置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル、及びアルキルアミノスルホニルからなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよいフェニル;或いは、ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキルで置換されていてもよいシクロアルキル、アルキル又はアシルで置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル、及びアルキルアミノスルホニルからなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよい芳香族複素環基を表し、及び
R3及びR4の一方は、水素、又は置換されていてもよいアルキルを表し、他方は、R2と互いに結合して、R3及びR4が結合している炭素原子、及びR2が結合している炭素原子と共に、置換されていてもよいシクロアルカンを形成し;
或いは、
(ii)Qが、-C(=O)-で表される場合には、
Zは、酸素、硫黄、又はNR5を表し、並びに
R2、R3、R4、及びR5は、それぞれ下記(ii)-1~(ii)-4のいずれかを表し;
(ii)-1.
R2は、水素、又はアルキルを表し、
R3及びR4は、それぞれ独立して、水素、又は置換されていてもよいアルキルを表し、及び
R5は、置換されていてもよいアルキルを表し、且つ該置換されていてもよいアルキルの置換基は、ハロゲン;ヒドロキシ;アルコキシ;アルキルで置換されていてもよいシクロアルキル;アルキル又はアシルで置換されていてもよいアミノ;ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキルで置換されていてもよいシクロアルキル、アルキル又はアシルで置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル、及びアルキルアミノスルホニルからなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよいフェニル;或いは、ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキルで置換されていてもよいシクロアルキル、アルキル又はアシルで置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル、及びアルキルアミノスルホニルからなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよい芳香族複素環基を表すか、
又は、
(ii)-2.
R2は、水素、又はアルキルを表し、及び
R3及びR4の一方は、水素、又は置換されていてもよいアルキルを表し、他方は、R5と互いに結合して、R3及びR4が結合している炭素原子、及びR5が結合している窒素原子と共に、置換されていてもよい環状アミンを形成するか、
又は、
(ii)-3.
R3及びR4は、それぞれ独立して、水素、又は置換されていてもよいアルキルを表し、及び
R2は、R5と互いに結合して、R2が結合している炭素原子、及びR5が結合している窒素原子と共に、置換されていてもよい環状アミンを形成するか、
又は、
(ii)-4.
R5は、置換されていてもよいアルキルを表し、且つ該置換されていてもよいアルキルの置換基は、ハロゲン;ヒドロキシ;アルコキシ;アルキルで置換されていてもよいシクロアルキル;アルキル又はアシルで置換されていてもよいアミノ;ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキルで置換されていてもよいシクロアルキル、アルキル又はアシルで置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル、及びアルキルアミノスルホニルからなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよいフェニル;或いは、ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキルで置換されていてもよいシクロアルキル、アルキル又はアシルで置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル、及びアルキルアミノスルホニルからなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよい芳香族複素環基を表し、及び
R3及びR4の一方は、水素、又は置換されていてもよいアルキルを表し、他方は、R2と互いに結合して、R3及びR4が結合している炭素原子、及びR2が結合している炭素原子と共に、置換されていてもよいシクロアルカンを形成する。]
で表される化合物、又はその薬理学的に許容し得る塩。
【0030】
[2]Yが、酸素、CH2、-O-CH2-、又は-CH2-O-であり、
L1が、単結合、-R6-、-R6O-、-OR6-、-R6NH-、又は-NHR6-であり、
R6が、アルキルで置換されていてもよいアルキレンであり、
n個のR7が、それぞれ独立して、ハロゲン;シアノ;ハロゲン、シクロアルキル、又はアルキルで置換されていてもよいフェニルで置換されていてもよいアルキル;アルキルで置換されていてもよいシクロアルキル;フェニルで置換されていてもよいアルコキシ又はアルキルで置換されていてもよい芳香族炭化水素基;或いは、ハロゲン、アルキル、ハロアルコキシ若しくはフェニルで置換されてもよいフェニル、又はアルキルで置換されていてもよいシクロアルキルで置換されてもよいアルコキシであり、
nが、1又は2であり、並びに
(i)’Qが、前記式(A-1)である場合に、
環Aが、酸素、窒素、及び硫黄から選ばれる1~3個の異項原子を含む5~10員の、単環式芳香族複素環又は縮合芳香族複素環(ここで、該芳香族複素環は、インドール、及びプリンを除く)であり、
Zが、酸素、又はNR5であり、及び
R2、R3、R4、及びR5が、それぞれ下記(i)’-1~(i)’-4のいずれかであり;
(i)’-1.
R2が、水素、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキルであり、
R3及びR4が、それぞれ独立して、水素、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキルであり、及び
R5が、水素、又は置換されていてもよいアルキルであり、且つ該置換されていてもよいアルキルの置換基が、ヒドロキシ;アルコキシ;アルキル又はアルキルスルホニルで置換されていてもよいアミノ;ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキル又はアルキルスルホニルで置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル、及びアルキルアミノスルホニルからなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよいフェニル;或いは、ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキル又はアルキルスルホニルで置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル、及びアルキルアミノスルホニルからなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよい芳香族複素環基であるか、
又は、
(i)’-2.
R2が、水素、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキルであり、及び
R3及びR4の一方が、水素、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキルであり、他方が、R5と互いに結合して、R3及びR4が結合している炭素原子、及びR5が結合している窒素原子と共に、ヒドロキシ、アルコキシ、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されてもよいアルキルで置換されていてもよい環状アミンを形成するか、
又は
(i)’-3.
R3及びR4が、それぞれ独立して、水素、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキルであり、及び
R2が、R5と互いに結合して、R2が結合している炭素原子、及びR5が結合している窒素原子と共に、ヒドロキシ、アルコキシ、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されてもよいアルキルで置換されていてもよい環状アミンを形成するか、又は
(i)’-4.
R5が、水素、又は置換されていてもよいアルキルであり、且つ該置換されていてもよいアルキルの置換基が、ヒドロキシ;アルコキシ;アルキル又はアルキルスルホニルで置換されていてもよいアミノ;ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキル又はアルキルスルホニルで置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル、及びアルキルアミノスルホニルからなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよいフェニル;或いは、ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキル又はアルキルスルホニルで置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル、及びアルキルアミノスルホニルからなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよい芳香族複素環基であり、及び
R3及びR4の一方が、水素、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキルであり、他方が、R2と互いに結合して、R3及びR4が結合している炭素原子、及びR2が結合している炭素原子と共に、ヒドロキシ、アルコキシ、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されてもよいアルキルで置換されていてもよいシクロアルカンを形成し;
或いは、
(ii)’Qが、-C(=O)-である場合に、
Zが、NR5であり、及び
R2、R3、R4、及びR5が、それぞれ下記(ii)’-1~(ii)’-4のいずれかであり;
(ii)’-1.
R2が、水素、又はアルキルであり、
R3及びR4が、それぞれ独立して、水素、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキルであり、及び
R5が、置換されていてもよいアルキルであり、且つ該置換されていてもよいアルキルの置換基が、ヒドロキシ;アルコキシ;アルキル又はアルキルスルホニルで置換されていてもよいアミノ;ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキル又はアルキルスルホニルで置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル、及びアルキルアミノスルホニルからなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよいフェニル;或いは、ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキル又はアルキルスルホニルで置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル、及びアルキルアミノスルホニルからなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよい芳香族複素環基であるか、
又は、
(ii)’-2.
R2が、水素、又はアルキルであり、及び
R3及びR4の一方が、水素、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキルであり、他方が、R5と互いに結合して、R3及びR4が結合している炭素原子、及びR5が結合している窒素原子と共に、ヒドロキシ、アルコキシ、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されてもよいアルキルで置換されていてもよい環状アミンを形成するか、
又は、
(ii)’-3.
R3及びR4が、それぞれ独立して、水素、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキルであり、及び
R2が、R5と互いに結合して、R2が結合している炭素原子、及びR5が結合している窒素原子と共に、ヒドロキシ、アルコキシ、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されてもよいアルキルで置換されていてもよい環状アミンを形成するか、
又は、
(ii)’-4.
R5が、置換されていてもよいアルキルであり、且つ該置換されていてもよいアルキルの置換基が、ヒドロキシ;アルコキシ;アルキル又はアルキルスルホニルで置換されていてもよいアミノ;ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキル又はアルキルスルホニルで置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル、及びアルキルアミノスルホニルからなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよいフェニル;或いは、ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキル又はアルキルスルホニルで置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル、及びアルキルアミノスルホニルからなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよい芳香族複素環基であり、及び
R3及びR4の一方が、水素、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキルであり、他方が、R2と互いに結合して、R3及びR4が結合している炭素原子、及びR2が結合している炭素原子と共に、ヒドロキシ、アルコキシ、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されてもよいアルキルで置換されていてもよいシクロアルカンを形成する、
上記[1]に記載の化合物、又はその薬理学的に許容し得る塩。
【0031】
[3]Qが、前記式(A-1)であり、
環Aが、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、チアゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、チアジン、トリアジン、イソインドール、インダゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾフラン、キノリン、イソキノリン、又はイミダゾピリジン、であり、
Yが、酸素、又はCH2であり、
Zが、酸素、又はNR5であり、
L1が、単結合であり、
R1が、前記式(A-2)であり、
環Bが、ベンゼンであり、
R2、R3、R4、及びR5が、それぞれ下記(i)’-1、(i)’-2、及び(i)’-4のいずれかであり;
(i)’-1.
R2が、水素、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキルであり、
R3及びR4が、それぞれ独立して、水素、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキルであり、及び
R5が、水素、又は置換されていてもよいアルキルであり、且つ該置換されていてもよいアルキルの置換基が、ヒドロキシ;アルコキシ;アルキル又はアルキルスルホニルで置換されていてもよいアミノ;ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキル又はアルキルスルホニルで置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル、及びアルキルアミノスルホニルからなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよいフェニル;或いは、ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキル又はアルキルスルホニルで置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル、及びアルキルアミノスルホニルからなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよい芳香族複素環基であるか、
又は、
(i)’-2.
R2が、水素、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキルであり、及び
R3及びR4の一方が、水素、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキルであり、他方が、R5と互いに結合して、R3及びR4が結合している炭素原子、及びR5が結合している窒素原子と共に、ヒドロキシ、アルコキシ、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されてもよいアルキルで置換されていてもよい環状アミンを形成するか、
又は
(i)’-4.
R5が、水素、又は置換されていてもよいアルキルであり、且つ該置換されていてもよいアルキルの置換基が、ヒドロキシ;アルコキシ;アルキル又はアルキルスルホニルで置換されていてもよいアミノ;ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキル又はアルキルスルホニルで置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル、及びアルキルアミノスルホニルからなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよいフェニル;或いは、ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキル又はアルキルスルホニルで置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル、及びアルキルアミノスルホニルからなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよい芳香族複素環基であり、及び
R3及びR4の一方が、水素、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキルであり、他方が、R2と互いに結合して、R3及びR4が結合している炭素原子、及びR2が結合している炭素原子と共に、ヒドロキシ、アルコキシ、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されてもよいアルキルで置換されていてもよいシクロアルカンを形成し;
n個のR7が、それぞれ独立して、ハロゲン;ハロゲン、シクロアルキル、又はアルキルで置換されていてもよいフェニルで置換されていてもよいアルキル;シクロアルキル;アルキルで置換されていてもよいフェニル;或いは、ハロゲン、ハロアルコキシ若しくはフェニルで置換されてもよいフェニル、又はシクロアルキルで置換されてもよいアルコキシであり、及び
nが、1又は2である、
上記[1]又は[2]に記載の化合物、又はその薬理学的に許容し得る塩。
【0032】
[4]Qが、前記式(A-1)であり、
環Aが、ピリジン、又はピリミジンであり、
Yが、酸素であり、
Zが、酸素、又はNR5であり、
L1が、単結合であり、
R1が、前記式(A-2)であり、
環Bが、ベンゼンであり、
R2が、水素、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキルであり、
R3及びR4が、それぞれ独立して、水素、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキルであり、
R5が、水素、又はアルキルであり、
R7が、ハロゲン、アルキル、ハロアルコキシ若しくはフェニルで置換されてもよいフェニル、又はシクロアルキルで置換されてもよいアルコキシであり、及び
nが、1である、
上記[1]~[3]のいずれかに記載の化合物、又はその薬理学的に許容し得る塩。
【0033】
[5]Qが、前記式(A-1)であり、
環Aが、ピリジン、又はピリミジンであり、
Yが、酸素であり、
Zが、NR5であり、
L1が、単結合であり、
R1が、前記式(A-2)であり、
環Bが、ベンゼンであり、
R5が、水素、又はアルキルであり、及び
R3及びR4の一方が、水素であり、他方が、R2と互いに結合して、R3及びR4が結合している炭素原子、及びR2が結合している炭素原子と共に、シクロアルカンを形成し、
R7が、ハロゲン、アルキル、ハロアルコキシ若しくはフェニルで置換されてもよいフェニル、又はシクロアルキルで置換されてもよいアルコキシであり、及び
nが、1である、
上記[1]~[3]のいずれかに記載の化合物、又はその薬理学的に許容し得る塩。
【0034】
[6]Qが、前記式(A-1)であり、及び
環Aが、ピリジンである、
上記[1]~[5]のいずれかに記載の化合物、又はその薬理学的に許容し得る塩。
【0035】
[7]Qが、-C(=O)-であり、
Yが、酸素、CH2、又は-O-CH2-*(ここで、*は、リン原子との結合位置を表す。)であり、
Zが、NR5であり、
L1が、単結合、-R6-、-R6O-、-OR6-、又は-R6NH-**(ここで、**は、Qとの結合位置を表す。)であり、
R6が、アルキルで置換されていてもよいアルキレンであり、
R1が、前記式(A-2)であり、
環Bが、シクロアルカン、又はベンゼンであり、
n個のR7が、それぞれ独立して、ハロゲン;シアノ;ハロゲン、シクロアルキル、又はアルキルで置換されていてもよいフェニルで置換されていてもよいアルキル;アルキルで置換されていてもよいシクロアルキル;フェニルで置換されていてもよいアルコキシ又はアルキルで置換されていてもよい芳香族炭化水素基;或いは、ハロゲン、アルキル、ハロアルコキシ若しくはフェニルで置換されてもよいフェニル、又はアルキルで置換されていてもよいシクロアルキルで置換されてもよいアルコキシであり、
nが、1又は2であり、及び
R2、R3、R4、及びR5が、それぞれ下記(ii)’-1、又は(ii)’-2であり;
(ii)’-1.
R2が、水素、又はアルキルであり、
R3及びR4が、それぞれ独立して、水素、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキルであり、及び
R5が、置換されていてもよいアルキルであり、且つ該置換されていてもよいアルキルの置換基が、ヒドロキシ;アルコキシ;アルキル又はアルキルスルホニルで置換されていてもよいアミノ;ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキル又はアルキルスルホニルで置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル、及びアルキルアミノスルホニルからなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよいフェニル;或いは、ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキル又はアルキルスルホニルで置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル、及びアルキルアミノスルホニルからなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよい芳香族複素環基であるか、
又は、
(ii)’-2.
R2が、水素、又はアルキルであり、及び
R3及びR4の一方が、水素、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキルであり、他方が、R5と互いに結合して、R3及びR4が結合している炭素原子、及びR5が結合している窒素原子と共に、ヒドロキシ、アルコキシ、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されてもよいアルキルで置換されていてもよい環状アミンを形成する、
上記[1]又は[2]に記載の化合物、又はその薬理学的に許容し得る塩。
【0036】
[8]Qが、-C(=O)-であり、
Xが、酸素であり、
Yが、酸素であり、
Zが、NR5であり、
L1が、単結合、-R6-、又は-R6O-***(ここで、***は、Qとの結合位置を表す。)であり、
R6が、アルキレンであり、
n個のR7が、それぞれ独立して、ハロゲン;ハロゲン、シクロアルキル、又はアルキルで置換されていてもよいフェニルで置換されていてもよいアルキル;シクロアルキル;アルキルで置換されていてもよいフェニル;或いは、ハロゲン、アルキル、ハロアルコキシ若しくはフェニルで置換されてもよいフェニル、又はシクロアルキルで置換されてもよいアルコキシであり、
nが、1又は2であり、及び
R2、R3、R4、及びR5が、それぞれ、
(ii)’’-1.
R2が、水素であり、
R3及びR4が、それぞれ独立して、水素、又はアルキルであり、及び
R5が、ヒドロキシ;アルコキシ;アルキル又はアルキルスルホニルで置換されていてもよいアミノ;ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキル又はアルキルスルホニルで置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル、及びアルキルアミノスルホニルからなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよいフェニル;或いは、ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキル又はアルキルスルホニルで置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル、及びアルキルアミノスルホニルからなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよい5員又は6員の単環式芳香族複素環基
で置換されていてもよいアルキルであるか、
又は、
(ii)’’-2.
R2が、水素、又はアルキルであり、及び
R3及びR4の一方が、水素であり、他方が、R5と互いに結合し、R3及びR4が結合している炭素原子、及びR5が結合している窒素原子と共に、それぞれ、ヒドロキシ、アルコキシ、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されてもよいアルキルでそれぞれ置換されていてもよい、アゼチジン、ピロリジン、又はピペリジンを形成する、
上記[1]、[2]又は[7]に記載の化合物、又はその薬理学的に許容し得る塩。
【0037】
[9]Qが、-C(=O)-であり、
Xが、酸素であり、
Yが、酸素であり、
Zが、NR5であり、
L1が、単結合、-R6-、又は-R6O-***(ここで、***は、Qとの結合位置を表す。)であり、
R6が、アルキレンであり、
R2が、水素であり、
R3及びR4が、それぞれ独立して、水素、又はアルキルであり、及び
R5が、ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキル又はアルキルスルホニルで置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル、及びアルキルアミノスルホニルからなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよいフェニル;或いは、ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキル又はアルキルスルホニルで置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル、及びアルキルアミノスルホニルからなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基
でそれぞれ置換されていてもよい、ピリジル、チアゾリル、イソチアゾリル又はピリダジニル;
で置換されていてもよいアルキルである、
上記[1]、[2]、[7]及び[8]のいずれかに記載の化合物、又はその薬理学的に許容し得る塩。
【0038】
[10]Qが、-C(=O)-であり、
Xが、酸素であり、
Yが、酸素であり、
Zが、NR5であり、
L1が、単結合、-R6-、又は-R6O-***(ここで、***は、Qとの結合位置を表す。)であり、
R6が、アルキレンであり、
R2が、水素であり、及び
R3及びR4の一方が、水素であり、他方が、R5と互いに結合し、R3及びR4が結合している炭素原子、及びR5が結合している窒素原子と共に、ヒドロキシ、アルコキシ、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されてもよいアルキルで置換されていてもよいアゼチジンを形成する、
上記[1]、[2]、[7]及び[8]のいずれかに記載の化合物、又はその薬理学的に許容し得る塩。
【0039】
[11]Qが、-C(=O)-であり、及び
環Bが、ベンゼンである、
上記[1]、[2]及び[7]~[10]のいずれかに記載の化合物、又はその薬理学的に許容し得る塩。
【0040】
[12]一般式(I)の化合物が、以下のa~mのいずれかである、上記[1]~[11]のいずれかに記載の化合物、又はその薬理学的に許容し得る塩。
a.1-[9-(4-エチルフェニル)ノナノイル]アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート、
b.1-{4-[4-(オクチルオキシ)フェニル]ブタノイル}アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート、
c.1-[8-(3-オクチルフェニル)オクタノイル]アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート、
d.1-[9-(4-ブチルフェニル)ノナノイル]アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート、
e.1-[9-(ビフェニル-4-イル)ノナノイル]アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート、
f.1-[9-(4-tert-ブチルフェニル)ノナノイル]アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート、
g.1-[9-(4-シクロプロピルフェニル)ノナノイル]アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート、
h.1-[9-(4-シクロヘキシルフェニル)ノナノイル]アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート、
i.2-{[9-(4-プロピルフェニル)ノナノイル](1,3-チアゾール-5-イルメチル)アミノ}エチル ジハイドロゲンホスフェート、
j.1-[9-(4-ヘキシルフェニル)ノナノイル]アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート、
k.(2R)-1-({4-[3-(ウンデシルオキシ)フェニル]ピリジン-2-イル}アミノ)プロパン-2-イル ジハイドロゲンホスフェート、
l.O-[(2R)-1-({4-[3-(ウンデシルオキシ)フェニル]ピリジン-2-イル}アミノ)プロパン-2-イル] ジハイドロゲンホスホロチオエート、又は
m.(1S,2R)-2-({4-[3-(ウンデシルオキシ)フェニル]ピリジン-2-イル}アミノ)シクロペンチル ジハイドロゲンホスフェート。
【0041】
[13]上記[1]~[12]のいずれかに記載の化合物又はその薬理学的に許容し得る塩、及び薬理学上許容し得る担体を含有する医薬組成物。
【0042】
[14]血管形成異常を伴う疾患、又は血管障害に伴う疾患の治療、及び/又は予防のために用いられる、上記[13]に記載の医薬組成物。
【0043】
[15]血管形成異常を伴う疾患、又は血管障害に伴う疾患が、固形がん、褥瘡、糖尿病性壊死、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、急性腎障害、脳梗塞、加齢黄斑変性、関節リウマチ、強皮症、乾癬、全身性エリテマトーデス、肺線維症、閉塞性動脈硬化症、動脈硬化症、狭心症、心筋梗塞、バージャー病、感染症による脳浮腫、出血性ウイルス(エボラ、デング)による出血、又は急性呼吸窮迫症候群である、上記[14]に記載の医薬組成物。
【0044】
[16]上記[1]~[12]のいずれかに記載の化合物又はその薬理学的に許容し得る塩を含有するLPA4受容体作動薬。
【0045】
[17]上記[1]~[12]のいずれかに記載の化合物又はその薬理学的に許容し得る塩を含有する、血管形成異常を伴う疾患、又は血管障害に伴う疾患の疾患部位への送達を促進するための薬剤送達促進剤。
【0046】
[18]上記[1]~[12]のいずれかに記載の化合物又はその薬理学的に許容し得る塩と、化学療法剤、免疫療法剤、及びホルモン療法剤からなる群より選択される少なくとも1種の薬剤とを組み合わせてなる、血管形成異常を伴う疾患、又は血管障害に伴う疾患を予防、又は治療するための医薬。
【0047】
[19]上記[1]~[12]のいずれかに記載の化合物又はその薬理学的に許容し得る塩と、化学療法剤、免疫療法剤、及びホルモン療法剤からなる群より選択される少なくとも1種の薬剤とが別個に投与されることを特徴とする、上記[18]に記載の医薬。
【0048】
[20]上記[1]~[12]のいずれかに記載の化合物又はその薬理学的に許容し得る塩と、化学療法剤、免疫療法剤、及びホルモン療法剤からなる群より選択される少なくとも1種の薬剤とが同時に又は順次に投与されることを特徴とする、上記[18]に記載の医薬。
【0049】
[21]配合剤である、上記[18]に記載の医薬。
【0050】
[22]血管形成異常を伴う疾患、又は血管障害に伴う疾患が、固形がん、褥瘡、糖尿病性壊死、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、急性腎障害、脳梗塞、加齢黄斑変性、関節リウマチ、強皮症、乾癬、全身性エリテマトーデス、肺線維症、閉塞性動脈硬化症、動脈硬化症、狭心症、心筋梗塞、バージャー病、感染症による脳浮腫、出血性ウイルス(エボラ、デング)による出血、又は急性呼吸窮迫症候群である、上記[18]~[21]のいずれかに記載の医薬。
【0051】
[23]上記[1]~[12]のいずれかに記載の化合物又はその薬理学的に許容し得る塩を哺乳動物に有効量投与することを特徴とする、当該哺乳動物における血管形成異常を伴う疾患、又は血管障害に伴う疾患の予防又は治療方法。
【0052】
[24]血管形成異常を伴う疾患、又は血管障害に伴う疾患が、固形がん、褥瘡、糖尿病性壊死、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、急性腎障害、脳梗塞、加齢黄斑変性、関節リウマチ、強皮症、乾癬、全身性エリテマトーデス、肺線維症、閉塞性動脈硬化症、動脈硬化症、狭心症、心筋梗塞、バージャー病、感染症による脳浮腫、出血性ウイルス(エボラ、デング)による出血、又は急性呼吸窮迫症候群である、上記[23]に記載の方法。
【0053】
[25]血管形成異常を伴う疾患、又は血管障害に伴う疾患の治療剤又は予防剤を製造するための上記[1]~[12]のいずれかに記載の化合物又はその薬理学的に許容し得る塩の使用。
【0054】
[26]血管形成異常を伴う疾患、又は血管障害に伴う疾患が、固形がん、褥瘡、糖尿病性壊死、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、急性腎障害、脳梗塞、加齢黄斑変性、関節リウマチ、強皮症、乾癬、全身性エリテマトーデス、肺線維症、閉塞性動脈硬化症、動脈硬化症、狭心症、心筋梗塞、バージャー病、感染症による脳浮腫、出血性ウイルス(エボラ、デング)による出血、又は急性呼吸窮迫症候群である、上記[25]に記載の使用。
【0055】
[27]血管形成異常を伴う疾患、又は血管障害に伴う疾患の予防又は治療に使用するための、上記[1]~[12]のいずれかに記載の化合物又はその薬理学的に許容し得る塩。
【0056】
[28]血管形成異常を伴う疾患、又は血管障害に伴う疾患が、固形がん、褥瘡、糖尿病性壊死、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、急性腎障害、脳梗塞、加齢黄斑変性、関節リウマチ、強皮症、乾癬、全身性エリテマトーデス、肺線維症、閉塞性動脈硬化症、動脈硬化症、狭心症、心筋梗塞、バージャー病、感染症による脳浮腫、出血性ウイルス(エボラ、デング)による出血、又は急性呼吸窮迫症候群である、上記[27]に記載の化合物又はその薬理学的に許容し得る塩。
【0057】
[29]LPA4受容体が関与する疾患又は症状の治療、及び/又は予防のために用いられる、上記[13]に記載の医薬組成物。
【0058】
[30]LPA4受容体が関与する疾患又は症状が、固形がん、褥瘡、糖尿病性壊死、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、急性腎障害、脳梗塞、加齢黄斑変性、関節リウマチ、強皮症、乾癬、全身性エリテマトーデス、肺線維症、閉塞性動脈硬化症、動脈硬化症、狭心症、心筋梗塞、バージャー病、感染症による脳浮腫、出血性ウイルス(エボラ、デング)による出血、又は急性呼吸窮迫症候群である、上記[29]に記載の医薬組成物。
【0059】
[31]上記[1]~[12]のいずれかに記載の化合物又はその薬理学的に許容し得る塩の製造方法。
【0060】
[32]上記[1]~[12]のいずれかに記載の化合物又はその薬理学的に許容し得る塩のプロドラッグ。
【発明の効果】
【0061】
本発明の化合物(I)、又はその薬理学的に許容し得る塩は、LPA4受容体に対して、選択的且つ優れたアゴニスト活性を有することから、本発明の化合物(I)、又はその薬理学的に許容し得る塩を含有する医薬組成物は、血管形成異常を伴う疾患、又は血管障害に伴う疾患の治療、及び/又は予防のために有用である。これらの疾患としては、例えば、固形がん、褥瘡、糖尿病性壊死、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、急性腎障害、脳梗塞、加齢黄斑変性、関節リウマチ、強皮症、乾癬、全身性エリテマトーデス、肺線維症、閉塞性動脈硬化症、動脈硬化症、狭心症、心筋梗塞、バージャー病、感染症による脳浮腫、出血性ウイルス(エボラ、デング)による出血、急性呼吸窮迫症候群等が挙げられる。
【0062】
また、血管形成異常を伴う疾患部位では、血流が乏しいことに加え、血管透過性が過剰な亢進状態にあることが知られている。例えば、固形がんでは、腫瘍間質圧を増加させ、腫瘍間質内と血管内の浸透圧の差がなくなり、血管内腔から腫瘍組織内への物質の移動が困難となっていることが知られている。それ故、リゾリン脂質受容体を活性化する本発明の化合物(I)、又はその薬理学的に許容し得る塩は、血管形成異常を伴う疾患、又は血管障害に伴う疾患の疾患部位への送達を促進するための薬剤送達促進剤であり、血管形成異常を伴う疾患部位の異常血管を正常化し、血管透過性を正常化することができるので、組み合わせて使用する薬剤の疾患部位への送達効率を顕著に高めることができる。したがって、本発明の薬剤送達促進剤は、1種以上の血管形成異常を伴う疾患の薬剤(治療薬)と組み合わせて使用することにより、血管形成異常を伴う疾患、又は血管障害に伴う疾患の治療、又は予防のために有用である。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【
図1】
図1は、マトリゲルの移植7日後のマウスに、本発明の化合物(I)又は溶媒(対照)を尾静脈内投与した後の本発明の化合物(I)(実施例化合物16、70、82、及び84)投与群、及び溶媒投与群のゲル内血流量比を示す。
【
図2】
図2は、マウス肺癌細胞株LLC-1の移植後9日目からの、パクリタキセル単独投与群(陽性対照)、実施例化合物16とパクリタキセル併用群、及びリン酸緩衝生理食塩水投与群(対照)における時間経過に伴う腫瘍体積の変化を示す。
【発明を実施するための形態】
【0064】
本明細書中に用いられる用語および各記号の定義について、以下に説明する。
【0065】
本明細書において、アルキルとは、炭素数1~15(C1-15)の直鎖又は分岐鎖状の飽和炭化水素基をいう。中でも、炭素数1~11(C1-11)の基が好ましく、炭素数1~6(C1-6)の基がより好ましい、炭素数1~4(C1-4)の基が更に好ましい。具体的には、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、tert-ブチル、i-アミル、n-ペンチル、n-ヘキシル等が挙げられ、好ましくはメチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、又はtert-ブチルである。
【0066】
本明細書において、アルキレンとは、前記アルキルから1個の水素原子を除いた2価の基をいう。具体的には、メチレン、エチレン、プロピレン(例、トリメチレン)、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン等が挙げられる。中でも、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、又はペンチレンが好ましく、メチレン、エチレン、又はプロピレンがより好ましい。
【0067】
本明細書において、シクロアルキルとは、炭素数3~8(C3-8)の単環式飽和炭化水素基をいう。中でも、炭素数3~6(C3-6)の基が好ましい。具体的には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等が挙げられ、とりわけ、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、又はシクロヘキシルが好ましい。
【0068】
本明細書において、シクロアルカンとは、炭素数3~8(C3-8)の単環式飽和炭化水素環をいう。中でも、炭素数3~6(C3-6)の飽和炭化水素環が好ましい。具体的には、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等が挙げられ、とりわけ、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、又はシクロヘキサンが好ましい。
【0069】
本明細書において、アルコキシとは、前記アルキルが、酸素(-O-)と結合した1価の基をいい、炭素数1~15(C1-15)の直鎖又は分岐鎖状のアルコキシが挙げられる。中でも、炭素数1~11(C1-11)のアルコキシが好ましく、炭素数1~4(C1-4)のアルコキシがより好ましい。具体的には、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、i-プロポキシ、n-ブトキシ、tert-ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、ウンデシルオキシ等が挙げられる。
【0070】
本明細書において、アルキルアミノスルホニルとは、前記アルキルが1又は2個結合したアミノがスルホニル(-SO2-)と結合した1価の基をいう。具体的には、メチルアミノスルホニル、ジメチルアミノスルホニル、エチルアミノスルホニル、ジエチルアミノスルホニル等が挙げられ、とりわけ、メチルアミノスルホニルが好ましい。
【0071】
本明細書において、複素環(基)とは、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子からなる群より選択される異項原子を少なくとも1つ含有する3~14員(単環、2環または3環系)複素環(基)を意味し、芳香族複素環(基)及び非芳香族複素環基が挙げられる。
【0072】
本明細書において、芳香族複素環(基)とは、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子からなる群より選択される異項原子を少なくとも1つ含有する5~14員の単環式芳香族複素環(基)及び縮合芳香族複素環(基)を意味する。本明細書における縮合芳香族複素環(基)は、2又は3環系であり、複数の環に異項原子を有していてもよい。単環式芳香族複素環(基)としては、5又は6員環(基)が挙げられ、縮合芳香族複素環(基)としては、該環(基)を構成する各環が5又は6員環である環(基)が挙げられる。該芳香族複素環(基)の1価の基としては、例えば、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリミジニル等の5又は6員の単環式芳香族複素環基;イソインドリル、インダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾイミダゾリル(例、5-ベンゾイミダゾリル)、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、キノリル、イソキノリル、ベンゾオキサジニル、ベンゾチアジニル、フロ[2,3-b]ピリジル、チエノ[2,3-b]ピリジル、ナフチリジニル、イミダゾピリジル、オキサゾロピリジル、チアゾロピリジル、キノキサリニル、キナゾリニル、ピリドピラジニル、カルバゾリル、ジベンゾチオフェニル等の8~14員縮合芳香族複素環基等が挙げられる。
【0073】
本明細書において、非芳香族複素環(基)は、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子からなる群より選択される異項原子を少なくとも1つ含有する3~14員の単環式非芳香族複素環(基)及び縮合非芳香族複素環(基)を意味する。本明細書における縮合非芳香族複素環(基)は、2又は3環系(好ましくは、2環系)であり、両環に異項原子を有していてもよい。単環式非芳香族複素環基としては、3~9員環基(好ましくは、3~7員環基)が挙げられ、縮合非芳香族複素環(基)としては、該環(基)を構成する各環が5又は6員環である環(基)が挙げられる。該非芳香族複素環(基)の1価の基としては、例えば、オキセタニル(例、3-オキセタニル)、テトラヒドロフリル(例、テトラヒドロフラン-3-イル)、ジオキソリル(例、1,3-ジオキソール-4-イル)、ジオキソラニル(例、1,3-ジオキソラン-4-イル)、オキサゾリジニル、イミダゾリニル(例、1-イミダゾリニル、2-イミダゾリニル、4-イミダゾリニル)、アジリジニル(例、1-アジリジニル、2-アジリジニル)、アゼチジニル(例、1-アゼチジニル、2-アゼチジニル、3-アゼチジニル)、ピロリジニル(例、1-ピロリジニル、2-ピロリジニル、3-ピロリジニル)、ピペリジル(例、1-ピペリジル、2-ピペリジル、3-ピペリジル、4-ピペリジル)、ジオキサニル(例、1,4-ジオキサン-2-イル)、アゼパニル(例、1-アゼパニル、2-アゼパニル、3-アゼパニル、4-アゼパニル)、アゾカニル(例、1-アゾカニル、2-アゾカニル、3-アゾカニル、4-アゾカニル)、アゾナニル(例、1-アゾナニル、2-アゾナニル、3-アゾナニル、4-アゾナニル、5-アゾナニル)、ピペラジニル(例、ピペラジン-1-イル、ピペラジン-2-イル)、ジアゼピニル(例、1,4-ジアゼピン-1-イル、1,4-ジアゼピン-2-イル、1,4-ジアゼピン-5-イル、1,4-ジアゼピン-6-イル)、ジアゾカニル(例、1,4-ジアゾカン-1-イル、1,4-ジアゾカン-2-イル、1,4-ジアゾカン-5-イル、1,4-ジアゾカン-6-イル、1,5-ジアゾカン-1-イル、1,5-ジアゾカン-2-イル、1,5-ジアゾカン-3-イル)、テトラヒドロピラニル(例、テトラヒドロピラン-4-イル、テトラヒドロピラン-2-イル)、モルホリニル(例、4-モルホリニル)、チオモルホリニル(例、4-チオモルホリニル)、ジヒドロフリル、ジヒドロピラニル等の3~9員の単環式非芳香族複素環基;ベンゾピラニル、ジヒドロキノリル、ジヒドロイソキノリル(例、3,4-ジヒドロイソキノリン-2-イル)、ジヒドロインドリル(例、2,3-ジヒドロインドール-5-イル、2,3-ジヒドロインドール-1-イル)、ジヒドロイソインドリル(例、2,3-ジヒドロイソインドール-2-イル)等の8~14員の縮合非芳香族複素環基等が挙げられる。
【0074】
本明細書において、環状アミンとは、第2級の飽和又は部分不飽和の含窒素非芳香族複素環を意味する。環状アミンとしては、アミノ基の窒素原子の他の環構成原子として炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子および窒素原子から選ばれる異項原子を有していてもよく、3~7員(好ましくは4~6員)の単環式含窒素非芳香族複素環及び縮合含窒素非芳香族複素環が挙げられる。環状アミンの具体例としては、例えば、アゼチジン、ピロリジン、ピロリン、ピペリジン、アゼパン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジン、オキサゾリジン、チアゾリジン、イミダゾリジン、オキサゾリン、チアゾリン、イミダゾリン、ピラゾリジン、ピラゾリン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、テトラヒドロピリミジン、ジヒドロトリアゾリン、テトラヒドロトリアゾリン等の3~7員の単環式含窒素非芳香族複素環、該単環式含窒素非芳香族複素環が1又は2個の炭素環(例、ベンゼン環等)または複素環と縮合した縮合含窒素非芳香族複素環等の第2級環状アミンが挙げられる。中でも、アゼチジン、ピロリジン、又はピペリジンが好ましい。
【0075】
本明細書において、ハロゲン又はハロとは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子をいう。好ましくは、フッ素原子、塩素原子、又は臭素原子である。
【0076】
本明細書において、ハロアルキルとは、ハロゲンを1個以上有するアルキル(この場合、アルキル、及びハロゲンは、上で定義したとおりである)を意味する。
【0077】
本明細書において、ハロアルコキシとは、ハロゲンを1個以上有するアルコキシ(この場合、アルコキシ、及びハロゲンは、上で定義したとおりである)を意味する。
【0078】
本明細書において、芳香族炭化水素環(基)とは、炭素数6~14の芳香族炭化水素環(基)をいう。好ましくは、単環式芳香族炭化水素環(基)、又は縮合芳香族炭化水素環(基)である。具体的には、単環式芳香族炭化水素環(基)としては、ベンゼン(フェニル基)が挙げられ、縮合芳香族炭化水素環(基)としては、ナフタレン(1-ナフチル基、2-ナフチル基)、アントラセン(アントリル基)、フェナントレン(フェナントリル基)等が挙げられる。中でも、ベンゼンが好ましい。
【0079】
本明細書において、置換されていてもよいアルキルとしては、特に言及がない限り、ハロゲン;シアノ;ヒドロキシ;置換されていてもよいアルコキシ;置換されていてもよいアミノ;置換されていてもよいシクロアルキル;置換されていてもよい芳香族炭化水素基(C6-14芳香族炭化水素基);及び置換されていてもよい芳香族複素環基から独立して選ばれる1~3個の基で置換されていてもよいアルキルが挙げられる。
中でも、好ましくは、ハロゲン;ヒドロキシ;アルコキシ;アルキルで置換されていてもよいシクロアルキル;アルキル又はアシルで置換されていてもよいアミノ;ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキルで置換されていてもよいシクロアルキル、アルキル又はアシルで置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル、及びアルキルアミノスルホニルからなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよいフェニル;或いは、ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキルで置換されていてもよいシクロアルキル、アルキル又はアシルで置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル、及びアルキルアミノスルホニルからなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよい芳香族複素環基から独立して選ばれる1又は2個の基で置換されていてもよいアルキルであり、より好ましくは、ヒドロキシ;アルコキシ;アルキル又はアルキルスルホニルで置換されていてもよいアミノ;ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキル又はアルキルスルホニルで置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル、及びアルキルアミノスルホニルからなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよいフェニル;或いは、ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキル又はアルキルスルホニルで置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル、及びアルキルアミノスルホニルからなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよい芳香族複素環基から独立して選ばれる1又は2個の基で置換されていてもよいアルキルであり、さらに好ましくは、ヒドロキシ;アルコキシ;アルキル又はアルキルスルホニルで置換されていてもよいアミノ;ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキル又はアルキルスルホニルで置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル、及びアルキルアミノスルホニルからなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよいフェニル;並びにヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキル又はアルキルスルホニルで置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル、及びアルキルアミノスルホニルからなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよい5員又は6員の単環式芳香族複素環基から独立して選ばれる1又は2個の基で置換されていてもよいアルキルであり、特に好ましくは、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-6アルコキシ)から独立して選ばれる1又は2個の基で置換されていてもよいアルキルである。
【0080】
本明細書において、置換されていてもよいアルコキシとしては、特に言及がない限り、ハロゲン;シアノ;ヒドロキシ;置換されていてもよいアルキル;置換されていてもよいアミノ;置換されていてもよいシクロアルキル;置換されていてもよい芳香族炭化水素;及び置換されていてもよい芳香族複素環から独立して選ばれる1~3個の基で置換されていてもよいアルキルが挙げられる。中でも、好ましくは、ヒドロキシ;アルコキシ;アルキルで置換されていてもよいシクロアルキル;アルキル又はアシルで置換されていてもよいアミノ;ヒドロキシ、ハロゲン、ハロアルコキシ、アルコキシ、アルキル又はアシルで置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル、フェニル、及びアルキルアミノスルホニルからなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよいフェニル;並びにヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキル又はアシルで置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル、及びアルキルアミノスルホニルからなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよい芳香族複素環基から独立して選ばれる1又は2個の基で置換されていてもよいアルコキシであり、より好ましくは、ハロゲン、アルキル、ハロアルコキシ若しくはフェニルで置換されてもよいフェニル、又はアルキルで置換されていてもよいシクロアルキルで置換されていてもよいアルコキシがより好ましい。
【0081】
本明細書において、置換されていてもよいアルキレンとしては、特に言及がない限り、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、アルキル、及びアルコキシから独立して選ばれる1~3個の基で置換されていてもよいアルキレンが挙げられる。中でも、アルキル、及びアルコキシから選ばれる1又は2個の基で置換されていてもよいアルキレンが好ましい。
【0082】
本明細書において、置換されていてもよいシクロアルキルとしては、特に言及がない限り、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、アルキル、及びアルコキシから独立して選ばれる1~3個の基で置換されていてもよいシクロアルキルが挙げられる。中でも、アルキル、及びアルコキシから選ばれる1又は2個の基で置換されていてもよいシクロアルキルが好ましく、1又は2個のアルキルで置換されていてもよいシクロアルキルがより好ましい。
【0083】
本明細書において、置換されていてもよいシクロアルカンとしては特に言及がない限り、、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、アルキル、及びアルコキシから独立して選ばれる1~3個の基で置換されていてもよいシクロアルキレンが挙げられる。中でも、アルキル、及びアルコキシから選ばれる1又は2個の基で置換されていてもよいシクロアルカンが好ましい。
【0084】
本明細書において、置換されていてもよい環状アミンとしては、特に言及がない限り、ハロゲン;シアノ;ヒドロキシ;アルコキシ;及び、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキルから独立して選ばれる1~3個の基で置換されていてもよい環状アミンが挙げられる。中でも、好ましくは、ヒドロキシ、アルコキシ、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキルで置換されていてもよい環状アミンであり、より好ましくは、アルキル、及びアルコキシから選ばれる1又は2個の基で置換されていてもよい環状アミンである。
【0085】
本明細書において、置換されていてもよい芳香族炭化水素環基としては、特に言及がない限り、ハロゲン;シアノ;ヒドロキシ;置換されていてもよいアルキル;置換されていてもよいアルコキシ;置換されていてもよいアミノ;置換されていてもよいシクロアルキル;及びアルキルアミノスルホニルから独立して選ばれる1~3個の基で置換されていてもよい芳香族炭化水素環基が挙げられる。中でも、ヒドロキシ;ハロゲン;アルコキシ;アルキル又はアルキルスルホニルで置換されていてもよいアミノ;ハロゲン、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル;及びアルキルアミノスルホニルからなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよい芳香族炭化水素環基が好ましく、アルキル、及びアルコキシからなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよい芳香族炭化水素環基がより好ましい。
【0086】
本明細書において、置換されていてもよい芳香族複素環基としては、特に言及がない限り、ヒドロキシ;ハロゲン;シアノ;アルコキシ;アルキル又はアシルで置換されていてもよいアミノ;ヒドロキシ、ハロゲン、又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル;及びアルキルアミノスルホニルからなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよい芳香族複素環基が挙げられる。中でも、好ましくは、ヒドロキシ;ハロゲン;アルコキシ;アルキル又はアルキルスルホニルで置換されていてもよいアミノ;ハロゲン、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル;及びアルキルアミノスルホニルからなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよい芳香族複素環基であり、より好ましくは、ハロゲン、ヒドロキシ、アルキル、及びアルコキシから独立して選ばれる1又は2個の基で置換されていてもよい芳香族複素環基であり、さらに好ましくは、アルキル、及びアルコキシから選ばれる1又は2個の基で置換されていてもよい芳香族複素環基である。
【0087】
本明細書において、置換されていてもよいアミノとは、特に言及がない限り、無置換、又はモノ-若しくはジ-置換されたアミノ基を意味する。置換されていてもよいアミノの置換基としては、例えば、前記した置換されていてもよいアルキル、置換されていてもよいシクロアルキル、置換されていてもよい芳香族炭化水素基、置換されていてもよい芳香族複素環基、アシル基等が挙げられる。中でも、1又は2個のアルキル又はアシルで置換されたアミノ(例、メチルアミノ、メタンスルホニルアミノ)が好ましい。
【0088】
前記置換されていてもよいアミノ基の置換基としてのアシル基の好適な例としては、特に言及がない限り、ホルミル、アルキル-カルボニル(例、アセチル、n-プロピオニル、イソプロピオニル、n-ブチリル、イソブチリル、ピバロイル、バレリル、ヘキサノイル等のC1-6アルキル-カルボニル基)、アルキルスルホニル(例、メタンスルホニル)、アルコキシ-カルボニル(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル等)、アロイル(例、ベンゾイル、1-ナフトイル、2-ナフトイル等)、アリールスルホニル(例、ベンゼンスルホニル、p-トルエンスルホニル等)、カルバモイル(-CONH2)、アルキル-カルバモイル(例、メチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル等)、チオカルバモイル(-CSNH2)、スルファモイル基(-S(O)2NH2)、アルキルスルファモイル(例、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル等)等が挙げられる。中でも、アルキルスルホニルで置換されたアミノ(例、メタンスルホニルアミノ)が好ましい。
【0089】
本明細書において、「疾患」には、疾患(病気)そのものだけでなく、疾患により引き起こされる各種症状(病態)も含まれる。
【0090】
本明細書において、「予防」には、疾患の発症の防止、及び疾患の発症の遅延が含まれる。「有効量」とは、予防目的を達成するに足る本発明の化合物(I)、又はその薬理学的に許容し得る塩の用量をいう。
【0091】
本明細書において、「治療」には、疾患の治癒、疾患の病態(例えば、1又は複数の症状)の改善、及び疾患(の重篤度)の進展の抑制が含まれる。また、「予後の改善」も、治療に包含される。「有効量」とは、治療目的を達成するに足る本発明の化合物(I)、又はその薬理学的に許容し得る塩の用量をいう。
【0092】
(本発明の化合物(I))
【0093】
以下、本発明の化合物(I)の各基について説明する。
【0094】
Xは、酸素、又は硫黄を表す。
【0095】
Xは、好ましくは、酸素である。
【0096】
Yは、酸素、硫黄、NH、CH2、-O-CH2-、又は-CH2-O-を表す。
【0097】
Yは、好ましくは、酸素、CH2、-O-CH2-、又は-CH2-O-であり、
より好ましくは、酸素、CH2、又は-O-CH2-*(ここで、*は、リン原子との結合位置である。)であり、
さらに好ましくは、酸素、又はCH2であり、
特に好ましくは、酸素である。
【0098】
Qは、下式(A-1)
【0099】
【0100】
(式中、環Aは、ハロゲン;置換されていてもよいアルキル;置換されてもよいシクロアルキル;及び置換されていてもよいアルコキシからなる群より独立して選ばれる置換で、さらに置換されていてもよい芳香族複素環(ここで、該芳香族複素環は、インドール、及びプリンを除く。)を表す。)で表される基、又は-C(=O)-を表す。
【0101】
Qが、前記式(A-1)で表される基の場合、
環Aは、好ましくは、酸素、窒素、及び硫黄から選ばれる1~3個の異項原子を含む5~10員の、単環式芳香族複素環又は縮合芳香族複素環(ここで、該芳香族複素環は、インドール、及びプリンを除く)であり、
より好ましくは、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、チアゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、チアジン、トリアジン、イソインドール、インダゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾフラン、キノリン、イソキノリン、又はイミダゾピリジンであり、
さらに好ましくは、ピリジン、又はピリミジンであり、
特に好ましくは、ピリジンである。
【0102】
Qの別の好ましい態様は、-C(=O)-である。
【0103】
R1は、前記式(A-2)
【0104】
【0105】
(式中、環Bは、シクロアルカン、又はベンゼンを表し、
n個のR7は、それぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、置換されていてもよいアルキル、置換されてもよいシクロアルキル、置換されていてもよいアルコキシ、又は置換されていてもよい芳香族炭化水素環基を表し、
nは、0~5の整数を表す。)で表される基を表す。
【0106】
環Bは、好ましくは、C3-8シクロアルカン、又はベンゼンであり、
より好ましくは、C3-6シクロアルカン(例、シクロプロパン)、又はベンゼンであり、さらに好ましくは、ベンゼンである。
【0107】
n個のR7は、好ましくは、それぞれ独立して、ハロゲン(例、フッ素原子、塩素原子);シアノ;ハロゲン(例、フッ素原子、塩素原子)、シクロアルキル(例、C3-8シクロアルキル)、又はアルキル(例、C1-11アルキル)で置換されていてもよいフェニルで置換されていてもよいアルキル(例、C1-11アルキル);アルキル(例、C1-4アルキル)で置換されていてもよいシクロアルキル(例、C3-8シクロアルキル);フェニルで置換されていてもよいアルコキシ(例、C1-4アルコキシ)又はアルキル(例、C1-11アルキル)で置換されていてもよい芳香族炭化水素基(例、フェニル);或いは、ハロゲン(例、フッ素原子、塩素原子)、アルキル(例、C1-4アルキル)、ハロアルコキシ(例、ハロC1-4アルコキシ(好ましくは、トリフルオロメトキシ))若しくはフェニルで置換されてもよいフェニル、又はアルキル(例、C1-4アルキル)で置換されていてもよいシクロアルキル(例、C3-8シクロアルキル)で置換されてもよいアルコキシ(例、C1-11アルコキシ)であり、
より好ましくは、ハロゲン(例、フッ素原子、塩素原子);ハロゲン(例、フッ素原子、塩素原子)、シクロアルキル(例、C3-6シクロアルキル)、又はアルキル(例、C1-4アルキル(好ましくは、メチル))で置換されていてもよいフェニルで置換されていてもよいアルキル(例、C1-11アルキル);シクロアルキル(例、C3-6シクロアルキル);アルキル(例、C1-11アルキル)で置換されていてもよいフェニル;或いは、ハロゲン(例、フッ素原子、塩素原子)、ハロアルコキシ(例、ハロC1-4アルコキシ(好ましくは、トリフルオロメトキシ))若しくはフェニルで置換されてもよいフェニル、又はシクロアルキル(例、C3-6シクロアルキル)で置換されてもよいアルコキシ(例、C1-11アルコキシ)であり、
さらに好ましくは、ハロゲン(例、フッ素原子、塩素原子);ハロゲン(例、フッ素原子、塩素原子)、シクロアルキル(例、C3-6シクロアルキル)、又はアルキル(例、C1-4アルキル(好ましくは、メチル))で置換されていてもよいフェニルで置換されていてもよいアルキル(例、C1-11アルキル);シクロアルキル(例、C3-6シクロアルキル);アルキル(例、C1-11アルキル)で置換されていてもよいフェニル;或いは、ハロゲン(例、フッ素原子、塩素原子)、ハロアルコキシ(例、ハロC1-4アルコキシ(好ましくは、トリフルオロメトキシ))若しくはフェニルで置換されてもよいフェニル、又はシクロアルキル(例、C3-6シクロアルキル)で置換されてもよいアルコキシ(例、C1-11アルコキシ)であり、
特に好ましくは、アルキル(例、C1-11アルキル);シクロアルキル(例、C3-6シクロアルキル);フェニル;又は、アルコキシ(例、C1-11アルコキシ)である。
【0108】
nは、好ましくは、1又は2であり、
より好ましくは、1である。
【0109】
L1は、単結合、NH、酸素、硫黄、-R6-、-R6O-、-OR6-、-R6NH-、-NHR6-、-R6S-、又は-SR6-(ここで、R6は、置換されていてもよいアルキレンを表す。)を表す。
【0110】
L1は、好ましくは、単結合、-R6-、-R6O-、-OR6-、又は-R6NH-**(ここで、**は、Qとの結合位置である。)であり、
より好ましくは、単結合、-R6-、又は-R6O-***(ここで、***は、Qとの結合位置である。)である。
【0111】
R6は、好ましくは、アルキル(例、C1-4アルキル)で置換されていてもよいアルキレン(例、C1-11アルキレン)であり、より好ましくは、アルキレン(例、C1-11アルキレン)である。
【0112】
(i)Qが、前記式(A-1)で表される基である場合、
【0113】
Zは、CH2、酸素、硫黄、又はNR5を表し、並びに
R2、R3、R4、及びR5は、それぞれ下記(i)-1~(i)-4のいずれかを表す。
(i)-1.
R2は、水素、又は置換されていてもよいアルキルを表し、
R3及びR4は、それぞれ独立して、水素、又は置換されていてもよいアルキルを表し、及び
R5は、水素、又は置換されていてもよいアルキルを表し、且つ該置換されていてもよいアルキルの置換基は、ハロゲン;ヒドロキシ;アルコキシ;アルキルで置換されていてもよいシクロアルキル;アルキル又はアシルで置換されていてもよいアミノ;ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキルで置換されていてもよいシクロアルキル、アルキル又はアシルで置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル、及びアルキルアミノスルホニルからなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよいフェニル;或いは、ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキルで置換されていてもよいシクロアルキル、アルキル又はアシルで置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル、及びアルキルアミノスルホニルからなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよい芳香族複素環基を表すか、
又は、
(i)-2.
R2は、水素、又は置換されていてもよいアルキルを表し、及び
R3及びR4の一方は、水素、又は置換されていてもよいアルキルを表し、他方は、R5と互いに結合して、R3及びR4が結合している炭素原子、及びR5が結合している窒素原子と共に、置換されていてもよい環状アミンを形成するか、
又は
(i)-3.
R3及びR4は、それぞれ独立して、水素、又は置換されていてもよいアルキルを表し、及び
R2は、R5と互いに結合して、R2が結合している炭素原子、及びR5が結合している窒素原子と共に、置換されていてもよい環状アミンを形成するか、
又は
(i)-4.
R5は、水素、又は置換されていてもよいアルキルを表し、且つ該置換されていてもよいアルキルの置換基は、ハロゲン;ヒドロキシ;アルコキシ;アルキルで置換されていてもよいシクロアルキル;アルキル又はアシルで置換されていてもよいアミノ;ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキルで置換されていてもよいシクロアルキル、アルキル又はアシルで置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル、及びアルキルアミノスルホニルからなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよいフェニル;或いは、ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキルで置換されていてもよいシクロアルキル、アルキル又はアシルで置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル、及びアルキルアミノスルホニルからなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよい芳香族複素環基を表し、及び
R3及びR4の一方は、水素、又は置換されていてもよいアルキルを表し、他方は、R2と互いに結合して、R3及びR4が結合している炭素原子、及びR2が結合している炭素原子と共に、置換されていてもよいシクロアルカンを形成する。
【0114】
Zは、好ましくは、酸素、又はNR5であり、並びに
R2、R3、R4、及びR5は、好ましくは、それぞれ下記(i)’-1~(i)’-4のいずれかである。
(i)’-1.
R2が、水素、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-6アルコキシ)で置換されていてもよいアルキル(例、C1-6アルキル)であり、
R3及びR4が、それぞれ独立して、水素、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-6アルコキシ)で置換されていてもよいアルキル(例、C1-6アルキル)であり、及び
R5が、水素、又は置換されていてもよいアルキル(例、C1-6アルキル)であり、且つ該置換されていてもよいアルキルの置換基が、ヒドロキシ;アルコキシ(例、C1-6アルコキシ);アルキル(例、C1-6アルキル)又はアルキルスルホニル(例、C1-6アルキルスルホニル)で置換されていてもよいアミノ;ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ(例、C1-6アルコキシ)、アルキル(例、C1-6アルキル)又はアルキルスルホニル(例、C1-6アルキルスルホニル)で置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-6アルコキシ)で置換されていてもよいアルキル(例、C1-6アルキル)、及びアルキルアミノスルホニル(例、C1-6アルキルアミノスルホニル)からなる群より独立して選ばれる1又は2の置換基で置換されていてもよいフェニル;或いは、ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ(例、C1-6アルコキシ)、アルキル(例、C1-6アルキル)又はアルキルスルホニル(例、C1-6アルキルスルホニル)で置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-6アルコキシ)で置換されていてもよいアルキル(例、C1-6アルキル)、及びアルキルアミノスルホニル(例、C1-6アルキルアミノスルホニル)からなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよい芳香族複素環基(例、5又は6員の単環式芳香族複素環基)であるか、
又は、
(i)’-2.
R2が、水素、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-6アルコキシ)で置換されていてもよいアルキル(例、C1-6アルキル)であり、及び
R3及びR4の一方が、水素、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-6アルコキシ)で置換されていてもよいアルキル(例、C1-6アルキル)であり、他方が、R5と互いに結合して、R3及びR4が結合している炭素原子、及びR5が結合している窒素原子と共に、ヒドロキシ、アルコキシ(例、C1-6アルコキシ)、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-6アルコキシ)で置換されてもよいアルキル(例、C1-6アルキル)で置換されていてもよい環状アミン(例、飽和の3~7員の単環式含窒素非芳香族複素環)を形成するか、
又は
(i)’-3.
R3及びR4が、それぞれ独立して、水素、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-6アルコキシ)で置換されていてもよいアルキル(例、C1-6アルキル)であり、及び
R2が、R5と互いに結合して、R2が結合している炭素原子、及びR5が結合している窒素原子と共に、ヒドロキシ、アルコキシ(例、C1-6アルコキシ)、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-6アルコキシ)で置換されてもよいアルキル(例、C1-6アルキル)で置換されていてもよい環状アミン(例、飽和の3~7員の単環式含窒素非芳香族複素環)を形成するか、又は
(i)’-4.
R5が、水素、又は置換されていてもよいアルキル(例、C1-6アルキル)であり、且つ該置換されていてもよいアルキルの置換基が、ヒドロキシ;アルコキシ(例、C1-6アルコキシ);アルキル(例、C1-6アルキル)又はアルキルスルホニル(例、C1-6アルキルスルホニル)で置換されていてもよいアミノ;ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ(例、C1-6アルコキシ)、アルキル(例、C1-6アルキル)又はアルキルスルホニル(例、C1-6アルキルスルホニル)で置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-6アルコキシ)で置換されていてもよいアルキル(例、C1-6アルキル)、及びアルキルアミノスルホニル(例、C1-6アルキルアミノスルホニル)からなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよいフェニル;或いは、ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ(例、C1-6アルコキシ)、アルキル(例、C1-6アルキル)又はアルキルスルホニルで置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-6アルコキシ)で置換されていてもよいアルキル(例、C1-6アルキル)、及びアルキルアミノスルホニルからなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよい芳香族複素環基(例、5又は6員の単環式芳香族複素環基)であり、及び
R3及びR4の一方が、水素、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-6アルコキシ)で置換されていてもよいアルキル(例、C1-6アルキル)であり、他方が、R2と互いに結合して、R3及びR4が結合している炭素原子、及びR2が結合している炭素原子と共に、ヒドロキシ、アルコキシ(例、C1-6アルコキシ)、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-6アルコキシ)で置換されてもよいアルキル(例、C1-6アルキル)で置換されていてもよいシクロアルカン(例、C3-8シクロアルカン(好ましくは、シクロペンタン、シクロヘキサン))を形成する。
【0115】
Zは、より好ましくは、NR5であり、並びに
R2、R3、R4、及びR5は、より好ましくは、それぞれ前記(i)’-1、(i)’-2、又は(i)’-4である。
【0116】
Zは、さらに好ましくは、NR5であり、並びに
R2、R3、R4、及びR5は、さらに好ましくは、それぞれ下記(i)’’-1又は(i)’’-4である。
(i)’’-1.
R2が、水素、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-4アルコキシ)で置換されていてもよいアルキル(例、C1-4アルキル)であり、
R3及びR4が、それぞれ独立して、水素、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-4アルコキシ)で置換されていてもよいアルキル(例、C1-4アルキル)であり、及び
R5が、水素、又はアルキル(例、C1-4アルキル(好ましくは、メチル又はエチル))であるか、又は
(i)’’-4.
R5が、水素、又はアルキル(例、C1-4アルキル(好ましくは、メチル又はエチル))であり、及び
R3及びR4の一方が、水素であり、他方が、R2と互いに結合して、R3及びR4が結合している炭素原子、及びR2が結合している炭素原子と共に、シクロアルカン(例、C3-6シクロアルカン(好ましくは、シクロペンタン、シクロヘキサン))を形成する。
【0117】
(ii)Qが、-C(=O)-である場合、
【0118】
Zは、酸素、硫黄、又はNR5を表し、並びに
R2、R3、R4、及びR5は、それぞれ下記(ii)-1~(ii)-4のいずれかを表す。
【0119】
(ii)-1.
R2は、水素、又はアルキルを表し、
R3及びR4は、それぞれ独立して、水素、又は置換されていてもよいアルキルを表し、及び
R5は、置換されていてもよいアルキルを表し、且つ該置換されていてもよいアルキルの置換基は、ハロゲン;ヒドロキシ;アルコキシ;アルキルで置換されていてもよいシクロアルキル;アルキル又はアシルで置換されていてもよいアミノ;ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキルで置換されていてもよいシクロアルキル、アルキル又はアシルで置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル、及びアルキルアミノスルホニルからなる群より独立して選ばれる1又は2の置換基で置換されていてもよいフェニル;或いは、ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキルで置換されていてもよいシクロアルキル、アルキル又はアシルで置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル、及びアルキルアミノスルホニルからなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよい芳香族複素環基を表すか、
又は、
(ii)-2.
R2は、水素、又はアルキルを表し、及び
R3及びR4の一方は、水素、又は置換されていてもよいアルキルを表し、他方は、R5と互いに結合して、R3及びR4が結合している炭素原子、及びR5が結合している窒素原子と共に、置換されていてもよい環状アミンを形成するか、
又は、
(ii)-3.
R3及びR4は、それぞれ独立して、水素、又は置換されていてもよいアルキルを表し、及び
R2は、R5と互いに結合して、R2が結合している炭素原子、及びR5が結合している窒素原子と共に、置換されていてもよい環状アミンを形成するか、
又は、
(ii)-4.
R5は、置換されていてもよいアルキルを表し、且つ該置換されていてもよいアルキルの置換基は、ハロゲン;ヒドロキシ;アルコキシ;アルキルで置換されていてもよいシクロアルキル;アルキル又はアシルで置換されていてもよいアミノ;ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキルで置換されていてもよいシクロアルキル、アルキル又はアシルで置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル、及びアルキルアミノスルホニルからなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよいフェニル;或いは、ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ、アルキルで置換されていてもよいシクロアルキル、アルキル又はアシルで置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル、及びアルキルアミノスルホニルからなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよい芳香族複素環基を表し、及び
R3及びR4の一方は、水素、又は置換されていてもよいアルキルを表し、他方は、R2と互いに結合して、R3及びR4が結合している炭素原子、及びR2が結合している炭素原子と共に、置換されていてもよいシクロアルカンを形成する。
【0120】
Zは、好ましくは、NR5であり、並びに
R2、R3、R4、及びR5は、好ましくは、それぞれ下記(ii)’-1~(ii)’-4のいずれかである。
(ii)’-1.
R2が、水素、又はアルキル(例、C1-6アルキル)であり、
R3及びR4が、それぞれ独立して、水素、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-6アルコキシ)で置換されていてもよいアルキル(例、C1-6アルキル)であり、及び
R5が、置換されていてもよいアルキル(例、C1-6アルキル)であり、且つ該置換されていてもよいアルキルの置換基が、ヒドロキシ;アルコキシ(例、C1-6アルコキシ);アルキル(例、C1-6アルキル)又はアルキルスルホニル(例、C1-6アルキルスルホニル)で置換されていてもよいアミノ;ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ(例、C1-6アルコキシ)、アルキル(例、C1-6アルキル)又はアルキルスルホニル(例、C1-6アルキルスルホニル)で置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-6アルコキシ)で置換されていてもよいアルキル(例、C1-6アルキル)、及びアルキルアミノスルホニル(例、C1-6アルキルアミノスルホニル)からなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよいフェニル;或いは、ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ(例、C1-6アルコキシ)、アルキル(例、C1-6アルキル)又はアルキルスルホニルで置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-6アルコキシ)で置換されていてもよいアルキル(例、C1-6アルキル)、及びアルキルアミノスルホニル(例、C1-6アルキルアミノスルホニル)からなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよい芳香族複素環基(例、5又は6員の単環式芳香族複素環基)であるか、
又は、
(ii)’-2.
R2が、水素、又はアルキル(例、C1-6アルキル)であり、及び
R3及びR4の一方が、水素、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-6アルコキシ)で置換されていてもよいアルキル(例、C1-6アルキル)であり、他方が、R5と互いに結合して、R3及びR4が結合している炭素原子、及びR5が結合している窒素原子と共に、ヒドロキシ、アルコキシ(例、C1-6アルコキシ)、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-6アルコキシ)で置換されてもよいアルキル(例、C1-6アルキル)で置換されていてもよい環状アミン(例、飽和の3~7員の単環式含窒素非芳香族複素環)を形成するか、
又は、
(ii)’-3.
R3及びR4が、それぞれ独立して、水素、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-6アルコキシ)で置換されていてもよいアルキル(例、C1-6アルキル)であり、及び
R2が、R5と互いに結合して、R2が結合している炭素原子、及びR5が結合している窒素原子と共に、ヒドロキシ、アルコキシ(例、C1-6アルコキシ)、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-6アルコキシ)で置換されてもよいアルキル(例、C1-6アルキル)で置換されていてもよい環状アミン(例、飽和の3~7員の単環式含窒素非芳香族複素環)を形成するか、
又は、
(ii)’-4.
R5が、置換されていてもよいアルキル(例、C1-6アルキル)であり、且つ該置換されていてもよいアルキルの置換基が、ヒドロキシ;アルコキシ(例、C1-6アルコキシ);アルキル(例、C1-6アルキル)又はアルキルスルホニル(例、C1-6アルキルスルホニル)で置換されていてもよいアミノ;ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ(例、C1-6アルコキシ)、アルキル又はアルキルスルホニル(例、C1-6アルキルスルホニル)で置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル(例、C1-6アルキル)、及びアルキルアミノスルホニル(例、C1-6アルキルアミノスルホニル)からなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよいフェニル;或いは、ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ(例、C1-6アルコキシ)、アルキル(例、C1-6アルキル)又はアルキルスルホニル(例、C1-6アルキルスルホニル)で置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-6アルコキシ)で置換されていてもよいアルキル(例、C1-6アルキル)、及びアルキルアミノスルホニル(例、C1-6アルキルアミノスルホニル)からなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよい芳香族複素環基(例、5又は6員の単環式芳香族複素環基)であり、及び
R3及びR4の一方が、水素、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-6アルコキシ)で置換されていてもよいアルキル(例、C1-6アルキル)であり、他方が、R2と互いに結合して、R3及びR4が結合している炭素原子、及びR2が結合している炭素原子と共に、ヒドロキシ、アルコキシ(例、C1-6アルコキシ)、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-6アルコキシ)で置換されてもよいアルキル(例、C1-6アルキル)で置換されていてもよいシクロアルカン(例、C3-8シクロアルカン(好ましくは、シクロペンタン、シクロヘキサン))を形成する。
【0121】
Zは、より好ましくは、NR5であり、並びに
R2、R3、R4、及びR5は、好ましくは、上記(ii)’-1又は(ii)’-2であり、
より好ましくは、それぞれ下記(ii)’’-1又は(ii)’’-2である。
(ii)’’-1.
R2が、水素であり、
R3及びR4が、それぞれ独立して、水素、又はアルキル(例、C1-4アルキル)であり、及び
R5が、ヒドロキシ;アルコキシ(例、C1-4アルコキシ);アルキル(例、C1-4アルキル)又はアルキルスルホニル(例、C1-4アルキルスルホニル)で置換されていてもよいアミノ;ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ(例、C1-4アルコキシ)、アルキル(例、C1-4アルキル)又はアルキルスルホニル(例、C1-4アルキルスルホニル)で置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-4アルコキシ)で置換されていてもよいアルキル(例、C1-4アルキル)、及びアルキルアミノスルホニル(例、C1-4アルキルアミノスルホニル)からなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよいフェニル;或いは、ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ(例、C1-4アルコキシ)、アルキル(例、C1-4アルキル)又はアルキルスルホニル(例、C1-4アルキルスルホニル)で置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-4アルコキシ)で置換されていてもよいアルキル(例、C1-4アルキル)、及びアルキルアミノスルホニル(例、C1-4アルキルアミノスルホニル)からなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよい5員又は6員の単環式芳香族複素環基(好ましくは、ピリジル、チアゾリル、イソチアゾリル、又はピリダジニル);
で置換されていてもよいアルキル(例、C1-4アルキル)であるか、
又は、
(ii)’’-2.
R2が、水素、又はアルキル(例、C1-4アルキル)であり、及び
R3及びR4の一方が、水素であり、他方が、R5と互いに結合し、R3及びR4が結合している炭素原子、及びR5が結合している窒素原子と共に、それぞれ、ヒドロキシ、アルコキシ(例、C1-4アルコキシ)、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-4アルコキシ)で置換されてもよいアルキル(例、C1-4アルキル)でそれぞれ置換されていてもよい、アゼチジン、ピロリジン、又はピペリジンを形成する。
【0122】
Zは、さらに好ましくは、NR5であり、並びに
R2、R3、R4、及びR5は、さらに好ましくは、それぞれ下記(ii)’’’-1又は(ii)’’’-2である。
(ii)’’’-1.
R2が、水素であり、
R3及びR4が、それぞれ独立して、水素、又はアルキル(例、C1-4アルキル)であり(好ましくは、共に水素であり)、及び
R5が、ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ(例、C1-4アルコキシ)、アルキル(例、C1-4アルキル)又はアルキルスルホニル(例、C1-4アルキルスルホニル)で置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-4アルコキシ)で置換されていてもよいアルキル(例、C1-4アルキル)、及びアルキルアミノスルホニル(例、C1-4アルキルアミノスルホニル)からなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよいフェニル;或いは、ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ(例、C1-4アルコキシ)、アルキル(例、C1-4アルキル)又はアルキルスルホニル(例、C1-4アルキルスルホニル)で置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-4アルコキシ)で置換されていてもよいアルキル(例、C1-4アルキル)、及びアルキルアミノスルホニル(例、C1-4アルキルアミノスルホニル)からなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよい5員又は6員の単環式芳香族複素環基(好ましくは、ピリジル、チアゾリル、イソチアゾリル、又はピリダジニル);
で置換されていてもよいアルキル(例、メチル又はエチル)であり、
又は、
(ii)’’’-2.
R2が、水素であり、及び
R3及びR4の一方が、水素であり、他方が、R5と互いに結合し、R3及びR4が結合している炭素原子、及びR5が結合している窒素原子と共に、それぞれ、ヒドロキシ、アルコキシ(例、C1-4アルコキシ)、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-4アルコキシ)で置換されてもよいアルキル(例、C1-4アルキル)で置換されていてもよい、アゼチジンを形成する。
【0123】
本発明の化合物(I)としては、以下の化合物が好適である。
【0124】
[化合物(IA)]
Xが、酸素、又は硫黄であり、
Yが、酸素、CH2、-O-CH2-、又は-CH2-O-であり、
Qが、前記式(A-1)で表される基であり、
環Aが、酸素、窒素、及び硫黄から選ばれる1~3個の異項原子を含む5~10員の、単環式芳香族複素環又は縮合芳香族複素環(ここで、該芳香族複素環は、インドール、及びプリンを除く)であり、
R1が、前記式(A-2)で表される基であり、
環Bが、ベンゼンであり、
n個のR7が、それぞれ独立して、
ハロゲン(例、フッ素原子、塩素原子);
シアノ;
ハロゲン(例、フッ素原子、塩素原子)、シクロアルキル(例、C3-8シクロアルキル)、又はアルキル(例、C1-11アルキル)で置換されていてもよいフェニルで置換されていてもよいアルキル(例、C1-11アルキル);
アルキル(例、C1-4アルキル)で置換されていてもよいシクロアルキル(例、C3-8シクロアルキル);
フェニルで置換されていてもよいアルコキシ(例、C1-4アルコキシ)又はアルキル(例、C1-11アルキル)で置換されていてもよい芳香族炭化水素基(例、フェニル);或いは、
ハロゲン(例、フッ素原子、塩素原子)、アルキル(例、C1-4アルキル)、ハロアルコキシ(例、ハロC1-4アルコキシ(好ましくは、トリフルオロメトキシ))若しくはフェニルで置換されてもよいフェニル、又はアルキル(例、C1-4アルキル)で置換されていてもよいシクロアルキル(例、C3-6シクロアルキル)で置換されてもよいアルコキシ(例、C1-11アルコキシ)であり、
nが、1又は2であり、
L1が、単結合、-R6-、-R6O-、-OR6-、-R6N-、又は-NR6-であり、
R6が、アルキル(例、C1-4アルキル)で置換されていてもよいアルキレン(例、C1-11アルキレン)であり、
Zが、酸素、又はNR5であり、並びに
R2、R3、R4、及びR5が、それぞれ下記(i)’-1~(i)’-4のいずれかである。
(i)’-1.
R2が、水素、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-6アルコキシ)で置換されていてもよいアルキル(例、C1-6アルキル)であり、
R3及びR4が、それぞれ独立して、水素、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-6アルコキシ)で置換されていてもよいアルキル(例、C1-6アルキル)であり、及び
R5が、水素、又は置換されていてもよいアルキル(例、C1-6アルキル)であり、且つ該置換されていてもよいアルキルの置換基が、ヒドロキシ;アルコキシ(例、C1-6アルコキシ);アルキル(例、C1-6アルキル)又はアルキルスルホニル(例、C1-6アルキルスルホニル)で置換されていてもよいアミノ;ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ(例、C1-6アルコキシ)、アルキル(例、C1-6アルキル)又はアルキルスルホニル(例、C1-6アルキルスルホニル)で置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-6アルコキシ)で置換されていてもよいアルキル(例、C1-6アルキル)、及びアルキルアミノスルホニル(例、C1-6アルキルアミノスルホニル)からなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよいフェニル;或いは、ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ(例、C1-6アルコキシ)、アルキル(例、C1-6アルキル)又はアルキルスルホニル(例、C1-6アルキルスルホニル)で置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-6アルコキシ)で置換されていてもよいアルキル(例、C1-6アルキル)、及びアルキルアミノスルホニル(例、C1-6アルキルアミノスルホニル)からなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよい芳香族複素環基(例、5又は6員の単環式芳香族複素環基)であるか、
又は、
(i)’-2.
R2が、水素、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-6アルコキシ)で置換されていてもよいアルキル(例、C1-6アルキル)であり、及び
R3及びR4の一方が、水素、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-6アルコキシ)で置換されていてもよいアルキル(例、C1-6アルキル)であり、他方が、R5と互いに結合して、R3及びR4が結合している炭素原子、及びR5が結合している窒素原子と共に、ヒドロキシ、アルコキシ(例、C1-6アルコキシ)、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-6アルコキシ)で置換されてもよいアルキル(例、C1-6アルキル)で置換されていてもよい環状アミン(例、飽和の3~7員の単環式含窒素非芳香族複素環)を形成するか、
又は
(i)’-3.
R3及びR4が、それぞれ独立して、水素、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-6アルコキシ)で置換されていてもよいアルキル(例、C1-6アルキル)であり、及び
R2が、R5と互いに結合して、R2が結合している炭素原子、及びR5が結合している窒素原子と共に、ヒドロキシ、アルコキシ(例、C1-6アルコキシ)、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-6アルコキシ)で置換されてもよいアルキル(例、C1-6アルキル)で置換されていてもよい環状アミン(例、飽和の3~7員の単環式含窒素非芳香族複素環)を形成するか、又は
(i)’-4.
R5が、水素、又は置換されていてもよいアルキル(例、C1-6アルキル)であり、且つ該置換されていてもよいアルキルの置換基が、ヒドロキシ;アルコキシ(例、C1-6アルコキシ);アルキル(例、C1-6アルキル)又はアルキルスルホニル(例、C1-6アルキルスルホニル)で置換されていてもよいアミノ;ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ(例、C1-6アルコキシ)、アルキル(例、C1-6アルキル)又はアルキルスルホニル(例、C1-6アルキルスルホニル)で置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-6アルコキシ)で置換されていてもよいアルキル(例、C1-6アルキル)、及びアルキルアミノスルホニル(例、C1-6アルキルアミノスルホニル)からなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよいフェニル;或いは、ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ(例、C1-6アルコキシ)、アルキル(例、C1-6アルキル)又はアルキルスルホニルで置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-6アルコキシ)で置換されていてもよいアルキル(例、C1-6アルキル)、及びアルキルアミノスルホニルからなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよい芳香族複素環基(例、5又は6員の単環式芳香族複素環基)であり、及び
R3及びR4の一方が、水素、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-6アルコキシ)で置換されていてもよいアルキル(例、C1-6アルキル)であり、他方が、R2と互いに結合して、R3及びR4が結合している炭素原子、及びR2が結合している炭素原子と共に、ヒドロキシ、アルコキシ(例、C1-6アルコキシ)、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-6アルコキシ)で置換されてもよいアルキル(例、C1-6アルキル)で置換されていてもよいシクロアルカン(例、C3-8シクロアルカン(好ましくは、シクロペンタン、シクロヘキサン))を形成する、
化合物(I)。
【0125】
[化合物(IB)]
Xが、酸素、又は硫黄であり、
Yが、酸素、又はCH2であり、
Qが、前記式(A-1)で表される基であり、
環Aが、ピロール、フラン、チオフェン、イミダゾール、ピラゾール、オキサゾール、チアゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、チアジン、トリアジン、イソインドール、インダゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾフラン、キノリン、イソキノリン、又はイミダゾピリジンであり、
R1が、前記式(A-2)で表される基であり、
環Bが、ベンゼンであり、
n個のR7が、それぞれ独立して、
ハロゲン(例、フッ素原子、塩素原子);
ハロゲン(例、フッ素原子、塩素原子)、シクロアルキル(例、C3-6シクロアルキル)、又はアルキル(例、C1-4アルキル(好ましくは、メチル))で置換されていてもよいフェニルで置換されていてもよいアルキル(例、C1-11アルキル);
シクロアルキル(例、C3-6シクロアルキル);
アルキル(例、C1-11アルキル)で置換されていてもよいフェニル;或いは、
ハロゲン(例、フッ素原子、塩素原子)、ハロアルコキシ(例、ハロC1-4アルコキシ(好ましくは、トリフルオロメトキシ))若しくはフェニルで置換されてもよいフェニル、又はシクロアルキル(例、C3-6シクロアルキル)で置換されてもよいアルコキシ(例、C1-11アルコキシ)
であり
nが、1又は2であり、
L1が、単結合であり、
Zが、酸素、又はNR5であり、並びに
R2、R3、R4、及びR5が、それぞれ前記(i)’-1、(i)’-2、又は(i)’-4である、
化合物(I)。
【0126】
[化合物(IC)]
Xが、酸素、又は硫黄であり、
Yが、酸素であり、
Qが、前記式(A-1)であり、
環Aが、ピリジン、又はピリミジンであり、
Zが、酸素、又はNR5であり、
L1が、単結合であり、
R1が、前記式(A-2)であり、
環Bが、ベンゼンであり、
R2が、水素、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-6アルコキシ)で置換されていてもよいアルキルであり、
R3及びR4が、それぞれ独立して、水素、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル(例、C1-6アルキル)であり、
R5が、水素、又はアルキル(例、C1-6アルキル)であり、
R7が、ハロゲン、アルキル(例、C1-6アルキル)、ハロアルコキシ(例、ハロC1-6アルコキシ)若しくはフェニルで置換されてもよいフェニル、又はシクロアルキル(例、C3-6シクロアルキル)で置換されてもよいアルコキシ(例、C1-6アルコキシ)であり、及び
nが、1である、
化合物(I)。
【0127】
[化合物(ID)]
Xが、酸素、又は硫黄であり、
Yが、酸素であり、
Qが、前記式(A-1)であり、
環Aが、ピリジン、又はピリミジンであり、
Zが、NR5であり、
L1が、単結合であり、
R1が、前記式(A-2)であり、
環Bが、ベンゼンであり、
R5が、水素、又はアルキル(例、C1-6アルキル)であり、及び
R3及びR4の一方が、水素であり、他方が、R2と互いに結合して、R3及びR4が結合している炭素原子、及びR2が結合している炭素原子と共に、シクロアルカンを形成し、
R7が、ハロゲン、アルキル(例、C1-6アルキル)、ハロアルコキシ(例、ハロC1-6アルコキシ)若しくはフェニルで置換されてもよいフェニル、又はシクロアルキル(例、C3-6シクロアルキル)で置換されてもよいアルコキシ(例、C1-6アルコキシ)であり、及び
nが、1である、
化合物(I)。
【0128】
[化合物(IE)]
Xが、酸素、又は硫黄であり、
Yが、酸素であり、
Qが、前記式(A-1)で表される基であり、
環Aが、ピリジン、又はピリミジンであり、
R1が、前記式(A-2)で表される基であり、
環Bが、ベンゼンであり、
R7が、
ハロゲン(例、フッ素原子、塩素原子);
ハロゲン(例、フッ素原子、塩素原子)、シクロアルキル(例、C3-6シクロアルキル)、又はアルキル(例、C1-11アルキル(好ましくは、メチル))で置換されていてもよいフェニルで置換されていてもよいアルキル(例、C1-11アルキル);
シクロアルキル(例、C3-6シクロアルキル);
アルキル(例、C1-11アルキル)で置換されていてもよいフェニル;或いは、
ハロゲン(例、フッ素原子、塩素原子)、アルキル(例、C1-11アルキル)、ハロアルコキシ(例、ハロC1-4アルコキシ(好ましくは、トリフルオロメトキシ))若しくはフェニルで置換されてもよいフェニル、又はシクロアルキル(例、C3-6シクロアルキル)で置換されてもよいアルコキシ(例、C1-11アルコキシ)であり(R7は、好ましくは、ハロゲン(例、フッ素原子、塩素原子);ハロゲン(例、フッ素原子、塩素原子)、又はシクロアルキル(例、C3-6シクロアルキル)で置換されていてもよいアルキル(例、C1-11アルキル);シクロアルキル(例、C3-6シクロアルキル);アルキル(例、C1-11アルキル)で置換されていてもよいフェニル;或いは、ハロゲン(例、フッ素原子、塩素原子)、ハロアルコキシ(例、ハロC1-4アルコキシ(好ましくは、トリフルオロメトキシ))若しくはフェニルで置換されてもよいフェニル、又はシクロアルキル(例、C3-6シクロアルキル)で置換されてもよいアルコキシ(例、C1-11アルコキシ)であり、より好ましくは、ハロゲン(例、フッ素原子、塩素原子)、ハロアルコキシ(例、ハロC1-4アルコキシ(好ましくは、トリフルオロメトキシ))若しくはフェニルで置換されてもよいフェニル、又はシクロアルキル(例、C3-6シクロアルキル)で置換されてもよいアルコキシ(例、C1-11アルコキシ)である。)、
nが、1であり、
L1が、単結合であり、
Zが、酸素、又はNR5であり、並びに
R2、R3、R4、及びR5が、それぞれ前記(i)’-1、(i)’-2、又は(i)’-4(好ましくは、前記(i)’-1、又は(i)’-4)である、
化合物(I)。
【0129】
[化合物(IF)]
Xが、酸素、又は硫黄であり、
Yが、酸素であり、
Qが、前記式(A-1)で表される基であり、
環Aが、ピリジン、又はピリミジンであり、
R1が、前記式(A-2)で表される基であり、
環Bが、ベンゼンであり、
R7が、
ハロゲン(例、フッ素原子、塩素原子);
ハロゲン(例、フッ素原子、塩素原子)、シクロアルキル(例、C3-6シクロアルキル)、又はアルキル(例、C1-11アルキル(好ましくは、メチル))で置換されていてもよいフェニルで置換されていてもよいアルキル(例、C1-11アルキル);
シクロアルキル(例、C3-8シクロアルキル);
アルキル(例、C1-11アルキル)で置換されていてもよいフェニル;或いは、
ハロゲン(例、フッ素原子、塩素原子)、ハロアルコキシ(例、ハロC1-4アルコキシ(好ましくは、トリフルオロメトキシ))若しくはフェニルで置換されてもよいフェニル、又はシクロアルキル(例、C3-6シクロアルキル)で置換されてもよいアルコキシ(例、C1-11アルコキシ)であり(R7は、好ましくは、ハロゲン(例、フッ素原子、塩素原子);ハロゲン(例、フッ素原子、塩素原子)、又はシクロアルキル(例、C3-6シクロアルキル)で置換されていてもよいアルキル(例、C1-11アルキル);シクロアルキル(例、C3-8シクロアルキル);アルキル(例、C1-11アルキル)で置換されていてもよいフェニル;或いは、ハロゲン(例、フッ素原子、塩素原子)、ハロアルコキシ(例、ハロC1-4アルコキシ(好ましくは、トリフルオロメトキシ))若しくはフェニルで置換されてもよいフェニル、又はシクロアルキル(例、C3-6シクロアルキル)で置換されてもよいアルコキシ(例、C1-11アルコキシ)であり、より好ましくは、ハロゲン(例、フッ素原子、塩素原子)、ハロアルコキシ(例、ハロC1-4アルコキシ(好ましくは、トリフルオロメトキシ))若しくはフェニルで置換されてもよいフェニル、又はシクロアルキル(例、C3-6シクロアルキル)で置換されてもよいアルコキシ(例、C1-11アルコキシ)である。)、
nが、1であり、
L1が、単結合であり、
Zが、NR5であり、並びに
R5は、水素であり、R2が、水素であり、且つR3及びR4の一方が、水素であり、他方が、水素又はアルキル(例、C1-4アルキル(好ましくは、メチル))であるか、或いは
R2と互いに結合して、R3及びR4が結合している炭素原子、及びR2が結合している炭素原子と共に、シクロアルカン(例、C3-6シクロアルカン(好ましくは、シクロペンタン、シクロヘキサン))を形成する、
化合物(I)。
【0130】
[化合物(IG)]
Xが、酸素、又は硫黄であり、
Yが、酸素であり、
Qが、前記式(A-1)で表される基であり、
環Aが、ピリジンであり、
R1が、前記式(A-2)で表される基であり、
環Bが、ベンゼンであり、
R7が、
アルキル(例、C1-11アルキル);
シクロアルキル(例、C3-6シクロアルキル);
フェニル;又は、
アルコキシ(例、C1-11アルコキシ)であり(R7は、好ましくは、アルコキシ(例、C1-11アルコキシ)である。)、
nが、1であり、
L1が、単結合であり、
Zが、NR5であり、並びに
R5は、水素であり、R2が、水素であり、且つR3及びR4の一方が、水素であり、他方が、水素又はアルキル(例、C1-4アルキル(好ましくは、メチル))であるか、或いはR2と互いに結合して、R3及びR4が結合している炭素原子、及びR2が結合している炭素原子と共に、シクロアルカン(例、C3-6シクロアルカン(好ましくは、シクロペンタン、シクロヘキサン))を形成する、
化合物(I)。
【0131】
[化合物(IH)]
Xが、酸素、又は硫黄であり、
Yが、酸素、CH2、又は-O-CH2-*(ここで、*は、リン原子との結合位置である。)であり、
Qが、-C(=O)-であり、
Zが、NR5であり、
R1が、前記式(A-2)で表される基であり、
環Bが、シクロアルカン(例、C3-8シクロアルカン(好ましくは、C3-6シクロアルカン(例、シクロプロパン))、又はベンゼンであり、
n個のR7が、それぞれ独立して、
ハロゲン(例、フッ素原子、塩素原子);
シアノ;
ハロゲン(例、フッ素原子、塩素原子)、シクロアルキル(例、C3-8シクロアルキル)、又はアルキル(例、C1-11アルキル)で置換されていてもよいフェニルで置換されていてもよいアルキル(例、C1-11アルキル);
アルキル(例、C1-4アルキル)で置換されていてもよいシクロアルキル(例、C3-8シクロアルキル);
フェニルで置換されていてもよいアルコキシ(例、C1-4アルコキシ)又はアルキル(例、C1-11アルキル)で置換されていてもよい芳香族炭化水素基(例、フェニル);或いは、
ハロゲン(例、フッ素原子、塩素原子)、アルキル(例、C1-4アルキル)、ハロアルコキシ(例、ハロC1-4アルコキシ(好ましくは、トリフルオロメトキシ))若しくはフェニルで置換されてもよいフェニル、又はアルキル(例、C1-4アルキル)で置換されていてもよいシクロアルキル(例、C3-8シクロアルキル)で置換されてもよいアルコキシ(例、C1-11アルコキシ)であり、
nが、1又は2であり、
L1が、単結合、-R6-、-R6N-**(**は、Qとの結合位置を表す。)、-R6O-、又は-OR6-であり、
R6が、アルキル(例、C1-4アルキル)で置換されていてもよいアルキレン(例、C1-11アルキレン)であり、並びに
R2、R3、R4、及びR5は、好ましくは、それぞれ下記(ii)’-1~(ii)’-4のいずれかである。
(ii)’-1.
R2が、水素、又はアルキル(例、C1-6アルキル)であり、
R3及びR4が、それぞれ独立して、水素、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-6アルコキシ)で置換されていてもよいアルキル(例、C1-6アルキル)であり、及び
R5が、置換されていてもよいアルキル(例、C1-6アルキル)であり、且つ該置換されていてもよいアルキルの置換基が、ヒドロキシ;アルコキシ(例、C1-6アルコキシ);アルキル(例、C1-6アルキル)又はアルキルスルホニル(例、C1-6アルキルスルホニル)で置換されていてもよいアミノ;ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ(例、C1-6アルコキシ)、アルキル(例、C1-6アルキル)又はアルキルスルホニル(例、C1-6アルキルスルホニル)で置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-6アルコキシ)で置換されていてもよいアルキル(例、C1-6アルキル)、及びアルキルアミノスルホニル(例、C1-6アルキルアミノスルホニル)からなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよいフェニル;或いは、ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ(例、C1-6アルコキシ)、アルキル(例、C1-6アルキル)又はアルキルスルホニルで置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-6アルコキシ)で置換されていてもよいアルキル(例、C1-6アルキル)、及びアルキルアミノスルホニル(例、C1-6アルキルアミノスルホニル)からなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよい芳香族複素環基(例、5又は6員の単環式芳香族複素環基)であるか、
又は、
(ii)’-2.
R2が、水素、又はアルキル(例、C1-6アルキル)であり、及び
R3及びR4の一方が、水素、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-6アルコキシ)で置換されていてもよいアルキル(例、C1-6アルキル)であり、他方が、R5と互いに結合して、R3及びR4が結合している炭素原子、及びR5が結合している窒素原子と共に、ヒドロキシ、アルコキシ(例、C1-6アルコキシ)、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-6アルコキシ)で置換されてもよいアルキル(例、C1-6アルキル)で置換されていてもよい環状アミン(例、飽和の3~7員の単環式含窒素非芳香族複素環)を形成するか、
又は、
(ii)’-3.
R3及びR4が、それぞれ独立して、水素、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-6アルコキシ)で置換されていてもよいアルキル(例、C1-6アルキル)であり、及び
R2が、R5と互いに結合して、R2が結合している炭素原子、及びR5が結合している窒素原子と共に、ヒドロキシ、アルコキシ(例、C1-6アルコキシ)、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-6アルコキシ)で置換されてもよいアルキル(例、C1-6アルキル)で置換されていてもよい環状アミン(例、飽和の3~7員の単環式含窒素非芳香族複素環)を形成するか、
又は、
(ii)’-4.
R5が、置換されていてもよいアルキル(例、C1-6アルキル)であり、且つ該置換されていてもよいアルキルの置換基が、ヒドロキシ;アルコキシ(例、C1-6アルコキシ);アルキル(例、C1-6アルキル)又はアルキルスルホニル(例、C1-6アルキルスルホニル)で置換されていてもよいアミノ;ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ(例、C1-6アルコキシ)、アルキル(例、C1-6アルキル)又はアルキルスルホニル(例、C1-6アルキルスルホニル)で置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-6アルコキシ)で置換されていてもよいアルキル(例、C1-6アルキル)、及びアルキルアミノスルホニル(例、C1-6アルキルアミノスルホニル)からなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよいフェニル;或いは、ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ(例、C1-6アルコキシ)、アルキル(例、C1-6アルキル)又はアルキルスルホニル(例、C1-6アルキルスルホニル)で置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-6アルコキシ)で置換されていてもよいアルキル(例、C1-6アルキル)、及びアルキルアミノスルホニル(例、C1-6アルキルアミノスルホニル)からなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよい芳香族複素環基(例、5又は6員の単環式芳香族複素環基)であり、
R2が、水素、又はアルキル(例、C1-6アルキル)であり、及び
R3及びR4の一方が、水素、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-6アルコキシ)で置換されていてもよいアルキル(例、C1-6アルキル)であり、他方が、R2と互いに結合して、R3及びR4が結合している炭素原子、及びR2が結合している炭素原子と共に、ヒドロキシ、アルコキシ(例、C1-6アルコキシ)、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-6アルコキシ)で置換されてもよいアルキル(例、C1-6アルキル)で置換されていてもよいシクロアルカン(例、C3-8シクロアルカン(好ましくは、シクロペンタン、シクロヘキサン))を形成する(好ましくは、R2、R3、R4、及びR5は、好ましくは、それぞれ前記(ii)’-1、又は(ii)’-2である。)、
化合物(I)。
【0132】
[化合物(IJ)]
Xが、酸素であり、
Yが、酸素であり、
Qが、-C(=O)-であり、
Zが、NR5であり、
R1が、前記式(A-2)で表される基であり、
環Bが、シクロアルカン(例、C3-8シクロアルカン(好ましくは、C3-6シクロアルカン(例、シクロプロパン))、又はベンゼンであり、
n個のR7が、それぞれ独立して、
ハロゲン(例、フッ素原子、塩素原子);
ハロゲン(例、フッ素原子、塩素原子)、シクロアルキル(例、C3-8シクロアルキル)、又はアルキルで置換されていてもよいフェニル(例、C1-11アルキルフェニル)で置換されていてもよいアルキル(例、C1-11アルキル);
アルキル(例、C1-4アルキル)で置換されていてもよいシクロアルキル(例、C3-8シクロアルキル);
フェニルで置換されていてもよいアルコキシ(例、C1-4アルコキシ)又はアルキル(例、C1-11アルキル)で置換されていてもよい芳香族炭化水素基(例、フェニル);或いは、
ハロゲン(例、フッ素原子、塩素原子)、アルキル(例、C1-4アルキル)、ハロアルコキシ(例、ハロC1-4アルコキシ(好ましくは、トリフルオロメトキシ))若しくはフェニルで置換されてもよいフェニル、又はアルキル(例、C1-4アルキル)で置換されていてもよいシクロアルキル(例、C3-8シクロアルキル)で置換されてもよいアルコキシ(例、C1-11アルコキシ)であり(n個のR7は、好ましくは、ハロゲン(例、フッ素原子、塩素原子);ハロゲン(例、フッ素原子、塩素原子)、シクロアルキル(例、C3-8シクロアルキル)、又はアルキル(例、C1-4アルキル(好ましくは、メチル))で置換されていてもよいフェニルで置換されていてもよいアルキル(例、C1-11アルキル);シクロアルキル(例、C3-8シクロアルキル);アルキル(例、C1-11アルキル)で置換されていてもよいフェニル;或いは、ハロゲン(例、フッ素原子、塩素原子)、ハロアルコキシ(例、ハロC1-4アルコキシ(好ましくは、トリフルオロメトキシ))若しくはフェニルで置換されてもよいフェニル、又はシクロアルキル(例、C3-8シクロアルキル)で置換されてもよいアルコキシ(例、C1-11アルコキシ)である。)、
nが、1又は2であり、
L1が、単結合、-R6-、又は-R6O-であり、
R6が、アルキレン(例、C1-11アルキレン)であり、並びに
R2、R3、R4、及びR5は、好ましくは、それぞれ前記(ii)’’-1、又は(ii)’’-2である。
(ii)’’-1.
R2が、水素であり、
R3及びR4が、それぞれ独立して、水素、又はアルキル(例、C1-4アルキル)であり、及び
R5が、ヒドロキシ;アルコキシ(例、C1-4アルコキシ);アルキル(例、C1-4アルキル)又はアルキルスルホニル(例、C1-4アルキルスルホニル)で置換されていてもよいアミノ;ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ(例、C1-4アルコキシ)、アルキル(例、C1-4アルキル)又はアルキルスルホニル(例、C1-4アルキルスルホニル)で置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-4アルコキシ)で置換されていてもよいアルキル(例、C1-4アルキル)、及びアルキルアミノスルホニル(例、C1-4アルキルアミノスルホニル)からなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよいフェニル;或いは、ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ(例、C1-4アルコキシ)、アルキル(例、C1-4アルキル)又はアルキルスルホニル(例、C1-4アルキルスルホニル)で置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-4アルコキシ)で置換されていてもよいアルキル(例、C1-4アルキル)、及びアルキルアミノスルホニル(例、C1-4アルキルアミノスルホニル)からなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよい5員又は6員の単環式芳香族複素環基(好ましくは、ピリジル、チアゾリル、イソチアゾリル、又はピリダジニル);
で置換されていてもよいアルキル(例、C1-4アルキル)であるか、
又は、
(ii)’’-2.
R2が、水素、又はアルキル(例、C1-4アルキル)であり、及び
R3及びR4の一方が、水素であり、他方が、R5と互いに結合し、R3及びR4が結合している炭素原子、及びR5が結合している窒素原子と共に、それぞれ、ヒドロキシ、アルコキシ(例、C1-4アルコキシ)、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-4アルコキシ)で置換されてもよいアルキル(例、C1-4アルキル)でそれぞれ置換されていてもよい、アゼチジン、ピロリジン、又はピペリジンを形成する。
である、
化合物(I)。
【0133】
[化合物(IK)]
Xが、酸素であり、
Yが、酸素であり、
Qが、-C(=O)-であり、
Zが、NR5であり、
R1が、前記式(A-2)で表される基であり、
環Bが、シクロアルカン(例、C3-8シクロアルカン(好ましくは、C3-6シクロアルカン(例、シクロプロパン))、又はベンゼンであり、
n個のR7が、それぞれ独立して、
ハロゲン(例、フッ素原子、塩素原子);
ハロゲン(例、フッ素原子、塩素原子)、シクロアルキル(例、C3-8シクロアルキル)、又はアルキルで置換されていてもよいフェニル(例、C1-11アルキルフェニル)で置換されていてもよいアルキル(例、C1-11アルキル);
アルキル(例、C1-4アルキル)で置換されていてもよいシクロアルキル(例、C3-8シクロアルキル);
フェニルで置換されていてもよいアルコキシ(例、C1-4アルコキシ)又はアルキル(例、C1-11アルキル)で置換されていてもよい芳香族炭化水素基(例、フェニル);或いは、
ハロゲン(例、フッ素原子、塩素原子)、アルキル(例、C1-4アルキル)、ハロアルコキシ(例、ハロC1-4アルコキシ(好ましくは、トリフルオロメトキシ))若しくはフェニルで置換されてもよいフェニル、又はアルキル(例、C1-4アルキル)で置換されていてもよいシクロアルキル(例、C3-6シクロアルキル)で置換されてもよいアルコキシ(例、C1-11アルコキシ)であり(n個のR7は、好ましくは、ハロゲン(例、フッ素原子、塩素原子);ハロゲン(例、フッ素原子、塩素原子)、シクロアルキル(例、C3-8シクロアルキル)、又はアルキル(例、C1-4アルキル(好ましくは、メチル))で置換されていてもよいフェニルで置換されていてもよいアルキル(例、C1-11アルキル);シクロアルキル(例、C3-8シクロアルキル);アルキル(例、C1-11アルキル)で置換されていてもよいフェニル;或いは、ハロゲン(例、フッ素原子、塩素原子)、ハロアルコキシ(例、ハロC1-4アルコキシ(好ましくは、トリフルオロメトキシ))若しくはフェニルで置換されてもよいフェニル、又はシクロアルキル(例、C3-6シクロアルキル)で置換されてもよいアルコキシ(例、C1-11アルコキシ)である。)、
nが、1又は2であり、
L1が、単結合、-R6-、又は-R6O-***(ここで、***は、Qとの結合位置を表す。)であり、
R6が、アルキレン(例、C1-11アルキレン)であり、
R2が、水素、又はアルキル(例、C1-4アルキル)であり、及び
R3及びR4の一方が、水素であり、他方が、R5と互いに結合し、R3及びR4が結合している炭素原子、及びR5が結合している窒素原子と共に、それぞれ、ヒドロキシ、アルコキシ(例、C1-4アルコキシ)、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-4アルコキシ)で置換されてもよいアルキル(例、C1-4アルキル)でそれぞれ置換されていてもよい、アゼチジン、ピロリジン、又はピペリジンを形成する、
化合物(I)。
【0134】
[化合物(IL)]
Xが、酸素であり、
Yが、酸素であり、
Qが、-C(=O)-であり、
Zが、NR5であり、
R1が、前記式(A-2)で表される基であり、
環Bが、シクロアルカン(例、C3-8シクロアルカン(好ましくは、C3-6シクロアルカン(例、シクロプロパン))、又はベンゼンであり、
n個のR7が、それぞれ独立して、
ハロゲン(例、フッ素原子、塩素原子);
ハロゲン(例、フッ素原子、塩素原子)、シクロアルキル(例、C3-6シクロアルキル)、又はアルキルで置換されていてもよいフェニル(例、C1-11アルキルフェニル)で置換されていてもよいアルキル(例、C1-11アルキル);
アルキル(例、C1-4アルキル)で置換されていてもよいシクロアルキル(例、C3-6シクロアルキル);
フェニルで置換されていてもよいアルコキシ(例、C1-4アルコキシ)又はアルキル(例、C1-11アルキル)で置換されていてもよい芳香族炭化水素基(例、フェニル);或いは、
ハロゲン(例、フッ素原子、塩素原子)、アルキル(例、C1-4アルキル)、ハロアルコキシ(例、ハロC1-4アルコキシ(好ましくは、トリフルオロメトキシ))若しくはフェニルで置換されてもよいフェニル、又はアルキル(例、C1-4アルキル)で置換されていてもよいシクロアルキル(例、C3-6シクロアルキル)で置換されてもよいアルコキシ(例、C1-11アルコキシ)であり(n個のR7は、好ましくは、ハロゲン(例、フッ素原子、塩素原子);ハロゲン(例、フッ素原子、塩素原子)、シクロアルキル(例、C3-7シクロアルキル)、又はアルキル(例、C1-4アルキル(好ましくは、メチル))で置換されていてもよいフェニルで置換されていてもよいアルキル(例、C1-11アルキル);シクロアルキル(例、C3-6シクロアルキル);アルキル(例、C1-11アルキル)で置換されていてもよいフェニル;或いは、ハロゲン(例、フッ素原子、塩素原子)、ハロアルコキシ(例、ハロC1-4アルコキシ(好ましくは、トリフルオロメトキシ))若しくはフェニルで置換されてもよいフェニル、又はシクロアルキル(例、C3-6シクロアルキル)で置換されてもよいアルコキシ(例、C1-11アルコキシ)である。)、
nが、1又は2であり、
L1が、単結合、-R6-、又は-R6O-であり、
R6が、アルキレン(例、C1-11アルキレン)であり、
R2が、水素であり、及び
R3及びR4の一方が、水素であり、他方が、R5と互いに結合し、R3及びR4が結合している炭素原子、及びR5が結合している窒素原子と共に、それぞれ、ヒドロキシ、アルコキシ(例、C1-4アルコキシ)、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-4アルコキシ)で置換されてもよいアルキル(例、C1-4アルキル)で置換されていてもよい、アゼチジンを形成する、
化合物(I)。
【0135】
[化合物(IM)]
Xが、酸素であり、
Yが、酸素であり、
Qが、-C(=O)-であり、
Zが、NR5であり、
R1が、前記式(A-2)で表される基であり、
環Bが、ベンゼンであり、
R7が、アルキル(例、C1-11アルキル);シクロアルキル(例、C3-6シクロアルキル);フェニル;又は、アルコキシ(例、C1-11アルコキシ)であり、
nが、1であり、
L1が、-R6-であり、
R6が、アルキレン(例、C1-11アルキレン)であり、
R2が、水素であり、及び
R3及びR4の一方が、水素であり、他方が、R5と互いに結合し、R3及びR4が結合している炭素原子、及びR5が結合している窒素原子と共に、ヒドロキシ、アルコキシ(例、C1-4アルコキシ)、或いは、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-4アルコキシ)で置換されてもよいアルキル(例、C1-4アルキル)で置換されていてもよい、アゼチジンを形成する、
化合物(I)。
【0136】
[化合物(IN)]
Qが、-C(=O)-であり、
Xが、酸素であり、
Yが、酸素であり、
Zが、NR5であり、
R1が、前記式(A-2)で表される基であり、
環Bが、ベンゼンであり、
R7が、
ハロゲン(例、フッ素原子、塩素原子);
ハロゲン(例、フッ素原子、塩素原子)、シクロアルキル(例、C3-8シクロアルキル)、又はアルキルで置換されていてもよいフェニル(例、C1-11アルキルフェニル)で置換されていてもよいアルキル(例、C1-11アルキル);
シクロアルキル(例、C3-8シクロアルキル);
フェニルで置換されていてもよいアルコキシ(例、C1-4アルコキシ)又はアルキル(例、C1-11アルキル)で置換されていてもよい芳香族炭化水素基(例、フェニル);或いは、
ハロゲン(例、フッ素原子、塩素原子)、アルキル(例、C1-4アルキル)、ハロアルコキシ(例、ハロC1-4アルコキシ(好ましくは、トリフルオロメトキシ))若しくはフェニルで置換されてもよいフェニル、又はシクロアルキル(例、C3-6シクロアルキル)で置換されてもよいアルコキシ(例、C1-11アルコキシ)であり(n個のR7は、好ましくは、ハロゲン(例、フッ素原子、塩素原子);ハロゲン(例、フッ素原子、塩素原子)、シクロアルキル(例、C3-6シクロアルキル)、又はアルキル(例、C1-4アルキル(好ましくは、メチル))で置換されていてもよいフェニルで置換されていてもよいアルキル(例、C1-11アルキル);シクロアルキル(例、C3-6シクロアルキル);アルキル(例、C1-11アルキル)で置換されていてもよいフェニル;或いは、ハロゲン(例、フッ素原子、塩素原子)、アルキル(例、C1-4アルキル)、ハロアルコキシ(例、ハロC1-4アルコキシ(好ましくは、トリフルオロメトキシ))若しくはフェニルで置換されてもよいフェニル、又はシクロアルキル(例、C3-6シクロアルキル)で置換されてもよいアルコキシ(例、C1-11アルコキシ)である。)であり、
nが、1又は2(好ましくは、1)であり、
L1が、単結合、-R6-、又は-R6O-***(ここで、***は、Qとの結合位置を表す。)であり、
R6が、アルキレンであり、
R2が、水素であり、
R3及びR4が、それぞれ独立して、水素、又はアルキルであり、及び
R5が、ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ(例、C1-4アルコキシ)、アルキル(例、C1-4アルキル)又はアルキルスルホニル(例、C1-4アルキルスルホニル)で置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-4アルコキシ)で置換されていてもよいアルキル(例、C1-4アルキル)、及びアルキルアミノスルホニル(例、C1-4アルキルアミノスルホニル)からなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよいフェニル;或いは、ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ(例、C1-4アルコキシ)、アルキル(例、C1-4アルキル)又はアルキルスルホニル(例、C1-4アルキルスルホニル)で置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-4アルコキシ)で置換されていてもよいアルキル(例、C1-4アルキル)、及びアルキルアミノスルホニル(例、C1-4アルキルアミノスルホニル)からなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基
で置換されていてもよい5員又は6員の単環式芳香族複素環基(好ましくは、ピリジル、チアゾリル、イソチアゾリル又はピリダジニル);
で置換されていてもよいアルキル(例、C1-4アルキル(好ましくは、メチル))である、
化合物(I)。
【0137】
[化合物(IO)]
Xが、酸素であり、
Yが、酸素であり、
Qが、-C(=O)-であり、
Zが、NR5であり、
R1が、前記式(A-2)で表される基であり、
環Bが、ベンゼンであり、
R7が、アルキル(例、C1-11アルキル);シクロアルキル(例、C3-6シクロアルキル);フェニル;又は、アルコキシ(例、C1-11アルコキシ)であり、
nが、1であり、
L1が、-R6-であり、
R6が、アルキレン(例、C1-11アルキレン)であり、
R2が、水素であり、
R3及びR4が、共に水素であり、及び
R5が、ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ(例、C1-4アルコキシ)、アルキル(例、C1-4アルキル)又はアルキルスルホニル(例、C1-4アルキルスルホニル)で置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-4アルコキシ)で置換されていてもよいアルキル(例、C1-4アルキル)、及びアルキルアミノスルホニル(例、C1-4アルキルアミノスルホニル)からなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基で置換されていてもよいフェニル;或いは、ヒドロキシ、ハロゲン、アルコキシ(例、C1-4アルコキシ)、アルキル(例、C1-4アルキル)又はアルキルスルホニル(例、C1-4アルキルスルホニル)で置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシ又はアルコキシ(例、C1-4アルコキシ)で置換されていてもよいアルキル(例、C1-4アルキル)、及びアルキルアミノスルホニル(例、C1-4アルキルアミノスルホニル)からなる群より独立して選ばれる1又は2個の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、ピリジル、チアゾリル、イソチアゾリル、又はピリダジニル;
で置換されていてもよいアルキル(例、メチル又はエチル(好ましくは、メチル))である、
化合物(I)。
【0138】
本発明の化合物(I)の好ましい具体例としては、例えば、下記実施例に記載の実施例化合物1~143の化合物が挙げられ、中でも、
a.1-[9-(4-エチルフェニル)ノナノイル]アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート、
b. 1-{4-[4-(オクチルオキシ)フェニル]ブタノイル}アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート、
c.1-[8-(3-オクチルフェニル)オクタノイル]アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート、
d.1-[9-(4-ブチルフェニル)ノナノイル]アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート、
e.1-[9-(ビフェニル-4-イル)ノナノイル]アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート、
f.1-[9-(4-tert-ブチルフェニル)ノナノイル]アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート、
g.1-[9-(4-シクロプロピルフェニル)ノナノイル]アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート、
h.1-[9-(4-シクロヘキシルフェニル)ノナノイル]アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート、
i.2-{[9-(4-プロピルフェニル)ノナノイル](1,3-チアゾール-5-イルメチル)アミノ}エチル ジハイドロゲンホスフェート、
j.1-[9-(4-ヘキシルフェニル)ノナノイル]アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート、
k.(2R)-1-({4-[3-(ウンデシルオキシ)フェニル]ピリジン-2-イル}アミノ)プロパン-2-イル ジハイドロゲンホスフェート、
l.O-[(2R)-1-({4-[3-(ウンデシルオキシ)フェニル]ピリジン-2-イル}アミノ)プロパン-2-イル] ジハイドロゲンホスホロチオエート、及び
m.(1S,2R)-2-({4-[3-(ウンデシルオキシ)フェニル]ピリジン-2-イル}アミノ)シクロペンチル ジハイドロゲンホスフェート
からなる群より選ばれる化合物、又は薬理学的に許容し得るそれらの塩が特に好ましい。
【0139】
本発明の化合物(I)は、分子内に不斉炭素原子を有する場合、当該不斉炭素原子に基づく複数の立体異性体(すなわち、ジアステレオマー異性体、光学異性体)として存在し得るが、本発明はこれらの内のいずれか1個の立体異性体、及びそれら複数の立体異性体を任意の比率で含む混合物のいずれをも包含するものである。また、コンホメーション又は互変異性による異性体が生成する場合があるが、このような異性体又はその混合物も本発明の化合物(I)に包含される。
【0140】
本発明の化合物(I)は、同位元素(例えば、2H、3H、13C、14C、15N、18F、32P、35S、125I等)等で標識又は置換された化合物であってもよく、同位元素で標識又は置換された化合物は、例えば、陽電子断層法(Positron Emission Tomography,PET)において使用するトレーサー(PETトレーサー)として用いることができ、医療診断などの分野において有用である。
【0141】
本発明の化合物(I)、又はその薬理学的に許容し得る塩は、LPA4受容体に対する優れたアゴニスト活性を有することから、血管形成異常が伴う疾患、又は血管障害に伴う疾患及び/又は治療、或いはこれらの予後改善に有用である。これらの疾患としては、例えば、固形がん、褥瘡、糖尿病性壊死、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、急性腎障害、脳梗塞、加齢黄斑変性、関節リウマチ、強皮症、乾癬、全身性エリテマトーデス、肺線維症、閉塞性動脈硬化症、動脈硬化症、狭心症、心筋梗塞、バージャー病、感染症による脳浮腫、出血性ウイルス(エボラ、デング)による出血、急性呼吸窮迫症候群等が挙げられる。
【0142】
また、本発明の化合物(I)、又はその薬理学的に許容し得る塩は、LPA4受容体に対して高い選択性を示す。特に、本発明の化合物(I)、又はその薬理学的に許容し得る塩は、LPA1受容体と比較してLPA4受容体に対して高い選択性を示す。
【0143】
本発明の化合物(I)は、公知の方法で薬理学的に許容し得る塩に変換される。
【0144】
塩は、水溶性のものが好ましい。
【0145】
塩としては、例えば、酸付加塩、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、又はアミン塩等が挙げられる。
【0146】
酸付加塩としては、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩等の無機酸塩、又は酢酸塩、臭化水素酸塩、酒石酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、グルクロン酸塩、グルコン酸塩等の有機酸塩が挙げられる。
【0147】
アルカリ金属塩としては、例えば、カリウム塩、ナトリウム塩等が挙げられる。
【0148】
アルカリ土類金属塩としては、例えばカルシウム塩、マグネシウム塩等が挙げられる。
【0149】
アンモニウム塩としては、例えば、アンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩等が挙げられる。
【0150】
アミン塩としては、例えば、トリエチルアミン塩、メチルアミン塩、ジメチルアミン塩、シクロペンチルアミン塩、ベンジルアミン塩、フェネチルアミン塩、ピペリジン塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩、リジン塩、アルギニン塩、N-メチル-グルカミン塩等が挙げられる。
【0151】
本発明の化合物(I)、又はその薬理学的に許容し得る塩は、結晶であってもよく、結晶形が単一であっても、複数の結晶形の混合物であってもよい。
【0152】
本発明の化合物(I)、又はその薬理学的に許容し得る塩は、その分子内塩や付加物、それらの溶媒和物或いは水和物等をいずれも含むものである。
【0153】
本発明の化合物(I)は、プロドラックであってもよい。
【0154】
本発明の化合物(I)のプロドラッグとは、生体内において酵素や胃酸などによる反応により化合物(I)に変換される化合物をいう。化合物(I)のプロドラッグとしては、リン酸基のモノエステル若しくはジエステルであって、そのエステル官能基が好ましくは、患者への投与後に容易に加水分解若しくは代謝される構造を有するものが考えられる。かかるプロドラッグのエステル官能基の具体例としては、例えば、アシルオキシ基で置換されていてもよいC1-6アルキルエステル、フェニルエステル、ベンジルエステル等が挙げられる(Bioorganic Chemistry,1984;12:p.118-129参照)。また、上記リン酸基のモノエステル若しくはジエステル以外のプロドラッグとしては、例えば、Current opinion in investigational drugs,2006;7:p.109-117、J.Med.Chem.1994;37:p.1857-1864、及びJ.Med.Chem.2000;43:p.4570-4574に記載のリン酸基由来の基等を有する化合物が挙げられる。
化合物(I)のプロドラッグの別の態様としては、例えば、化合物(I)がアミノ基を有する場合、該アミノ基がアシル化、アルキル化、リン酸化された化合物(例えば、化合物(I)のアミノ基がエイコサノイル化、アラニル化、ペンチルアミノカルボニル化、(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソレン-4-イル)メトキシカルボニル化、テトラヒドロフラニル化、ピロリジルメチル化、ピバロイルオキシメチル化、アセトキシメチル化、tert-ブチル化された化合物等);化合物(I)が水酸基を有する場合、該水酸基がアシル化、アルキル化、リン酸化、ホウ酸化された化合物(例えば、化合物(I)の水酸基がアセチル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル化、サクシニル化、フマリル化、アラニル化、ジメチルアミノメチルカルボニル化された化合物等)が挙げられ;化合物(I)がカルボキシ基を有する場合、該カルボキシ基がエステル化、アミド化された化合物(例えば、化合物(I)のカルボキシ基がエチルエステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチルエステル化、1-{(エトキシカルボニル)オキシ}エチルエステル化、フタリジルエステル化、(5-メチル-2-オキソ-1,3-ジオキソレン-4-イル)メチルエステル化、1-{[(シクロヘキシルオキシ)カルボニル]オキシ}エチルエステル化、メチルアミド化された化合物等)等が挙げられる。これらの化合物はそれ自体公知の方法によって製造することができる。さらに、化合物(I)のプロドラッグは、水和物及び非水和物のいずれであってもよい。また、化合物(I)のプロドラッグは、廣川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻「分子設計」163~198頁に記載されているような、生理的条件で化合物(I)に表される化合物に変化するものであってもよい。
【0155】
(本発明の化合物(I)の製造方法)
以下、本発明の化合物(I)、又はその薬理学的に許容し得る塩の製造方法について説明する。
化合物(I)の製造法の例として、代表的な製造法を以下に述べるが、製造法はこれらに限定されない。
化合物(I)は、下記の製造法で示される方法、後述する参考例、実施例、又はそれらに準じた方法等により製造することができる。
【0156】
各原料化合物は、反応を阻害しないのであれば、塩を形成していてもよく、かかる塩としては、化合物(I)の塩と同様のものが挙げられる。
原料化合物は、具体的製法を述べない場合、市販されているものを容易に入手して用いることができるか、又は自体公知の方法、或いはそれに準ずる方法に従って製造することができる。また、以下の製造法において生成する中間体は、カラムクロマトグラフィー、再結晶、蒸留等の方法で単離精製してもよく、あるいは単離せずに次の工程に用いても良い。
【0157】
以下に化合物(I)の製造における各工程の反応式の略図を示すが、略図中の化合物の各記号は、前記と同義を示す。
【0158】
本明細書において、明示的に引用される全ての特許文献、非特許文献、若しくは参考文献の内容は、すべて本明細書の一部としてここに引用し得る。
【0159】
本発明の化合物(I)は、以下の方法(1)~(14)によって製造することができる。これらの方法や工程は互いに組み合わせてもよいが、その製造方法はこれらに限定されるものではない。
【0160】
(方法(1))
本製造方法は、化合物(I)のうち、Xが酸素原子であり、且つYが酸素原子又は-CH2-O-である化合物、すなわち、下記の化合物(I-1)を製造するのに適する。
【0161】
【0162】
(式中、P1は、保護基を表し、保護基としては、リン酸基を保護するものであれば特に限定されない。Y’は、酸素原子又は-CH2-O-を表し、他の各記号は、前記と同義である。)
【0163】
工程A-1
本工程は、化合物(1-1)とリン酸化試薬(例えば、亜リン酸トリエステル、リン酸クロリド、ホスホロアミダイトと酸化剤、ピロリン酸テトラベンジルエステル等)を反応させて、化合物(1-2)を合成する工程である。リン酸化試薬として、亜リン酸エステルを用いる場合、本工程は非水条件下、好ましくは、ジクロロメタン等のハロゲン溶媒中で、ピリジンやトリエチルアミン等の有機塩基と四臭化炭素等の添加剤を用いて行うことができる。反応条件としては、氷冷下~80℃で5~24時間程度が挙げられる。反応後は、通常の方法により精製等を行い、目的物を得ることができる。また、本反応は通常のリン酸化試薬(リン酸クロリドと塩基、ホスホロアミダイトと酸化剤等)を公知の方法に準じて反応させ、合成することもできる。例えば、ホスホロアミダイトと酸化剤を用いる場合、ジクロロメタン等のハロゲン系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、アセトニトリル等の極性溶媒、又はそれらの混合溶媒中、ジ-tert-ブチルジイソプロピルホスホロアミダイト等のホスホロアミダイトを用い、氷冷下~50℃で10分~5時間程度反応させる。この反応には、1H-テトラゾール等の反応促進剤を加えることができる。このリン酸化に続くリンの酸化反応には、m-クロロ過安息香酸やtert-ブチルヒドロペルオキシド等の有機過酸化物や過酸化水素等の無機過酸化物を用いることができる。反応は、氷冷下~50℃で3分~1時間程度行われる。反応後は、通常の方法により精製等を行い、化合物(1-2)を得ることができる。
【0164】
工程A-2
本工程は、化合物(1-2)から本発明化合物(I-1)を調製する工程であり、通常の脱保護反応を用いて行うことができる。具体的には、加水素化分解、塩酸やトリフルオロ酢酸等の酸、臭化トリメチルシリル等のルイス酸を用いて行うことができる。
本反応に加水素化分解を用いる場合、本工程は、メタノール等のアルコール性溶媒中で、パラジウム炭素等の触媒を用い、水素雰囲気下で行うことが例示される。反応条件としては、室温~60℃で、1~24時間程度が挙げられる。反応液は通常の方法により濾過、濃縮等を行い、必要に応じてシリカゲルカラムクロマトグラフィー、再結晶等により精製を行うことにより本発明化合物(I-1)を得ることができる。
また、本反応に酸を用いた場合の反応条件としては、トリフルオロ酢酸とジクロロメタンを用いて0℃~室温で30分から6時間程度撹拌する条件や、ルイス酸とエタノール等のアルコール性溶媒もしくはそれらと水の混合溶媒中、0℃~100℃で、30分~12時間程度撹拌する条件が挙げられる。
【0165】
(方法(2))
本製造方法は、化合物(I)のうちXが酸素原子、YがCH2で示される化合物、すなわち下記の化合物(I-2)を製造するのに適する。
【0166】
【0167】
(式中、X1は、脱離基を表し、化合物(2-2)との反応の際に脱離するものであれば特に限定されない。例えば、ハロゲン原子(具体的には、ヨウ素原子、臭素原子等)、トリフルオロメタンスルホニルオキシ等が挙げられる。他の各記号は、前記と同義である。)
【0168】
工程B-1
本工程は、化合物(2-1)とホスホン酸(化合物(2-2))を反応させて、化合物(2-3)を合成する工程である。例えば、水素化ナトリウムやn-ブチルリチウム等の脱プロトン化試薬を用い、非プロトン性溶媒、好ましくは、N,N-ジメチルホルムアミドやテトラヒドロフラン、トルエン等の溶媒中で行うことができる。反応条件としては、氷冷下~80℃、場合によっては加熱条件下、30分~8時間程度が挙げられる。また、炭酸カリウムや炭酸セシウム等の無機塩基とテトラブチルアンモニウムハライド等の添加物を用いた条件やトリエチルアミンや1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン等の有機塩基を用いた条件でも行うことができる。反応後は、通常の方法により精製等を行い、化合物(2-3)を得ることができる。
【0169】
工程B-2
本工程は、化合物(2-3)から本発明化合物(I-2)を調製するものである。本工程は、前記工程A-2と同様の方法が挙げられる。
【0170】
(方法(3))
本製造方法は、化合物(I)のうち、Xが酸素原子であり、且つYが硫黄原子である化合物、すなわち、下記の化合物(I-3)を製造するのに適する。
【0171】
【0172】
(式中、M1は、水素、ナトリウム、又はカリウムを表し、P1は、保護基を表し、他の各記号は、前記と同義である。)
【0173】
工程C-1
本工程は、化合物(3-1)からホスホロチオエート(化合物(3-4))を合成する工程である。反応条件としては、例えば、Journal of Organic Chemistry、第82巻、第12735頁(2017年)記載の方法に準じて、化合物(3-2)、化合物(3-3)とイミダゾール等の塩基を用いて、適当な溶媒(トルエン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジクロロメタン、アセトニトリル等)中、室温から100℃で30分~12時間程度が挙げられる。反応後は、通常の方法により精製等を行い、化合物(3-4)を得ることができる。
【0174】
工程C-2
本工程は、化合物(3-4)から本発明化合物(I-3)を調製する工程であり、通常の脱保護反応を用いて行うことができる。具体的には、P1がアルキルの場合、臭化トリメチルシリル等のルイス酸、塩酸やトリフルオロ酢酸等の酸を用いて行うことができる。反応条件としては、ジクロロメタン溶媒中、室温~加熱還流下、30分~数時間程度が挙げられる。反応後はメタノールでクエンチ後、通常の方法により濃縮等を行い、必要に応じてシリカゲルカラムクロマトグラフィー、再結晶等により精製を行うことにより本発明化合物(I-3)を得ることができる。P1がベンジル基の場合、反応条件としては、リン酸二水素カリウムと亜鉛を用いる方法が挙げられる。
【0175】
(方法(4))
本製造方法は、化合物(I)のうちXが酸素原子であり、且つYが-O-CH2-である化合物、すなわち、下記の化合物(I-4)を製造するのに適する。
【0176】
【0177】
(式中、X2は、脱離基を表し、化合物(4-1)との反応の際に脱離するものであれば特に限定されない。例えば、ハロゲン原子(具体的にはヨウ素原子、臭素原子、塩素原子等)、p-トルエンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ等が挙げられる。他の各記号は、前記と同義である。)
【0178】
工程D-1
本工程は、化合物(4-1)と化合物(4-2)を反応させて、ホスホン酸エステル(化合物(4-3))を合成する工程である。例えば、水素化ナトリウムやn-ブチルリチウム等の脱プロトン化試薬を用い、非プロトン性溶媒、好ましくは、N,N-ジメチルホルムアミドやテトラヒドロフラン、トルエン等の溶媒中で行うことができる。反応条件としては、氷冷下~80℃、場合によっては、加熱条件下、30分~8時間程度が挙げられる。反応後は、通常の方法により精製等を行い、化合物(4-3)を得ることができる。
【0179】
工程D-2
本工程は、化合物(4-3)から本発明化合物(I-4)を調製するものである。本工程は、前記工程A-2と同様の方法が挙げられる。
【0180】
(方法(5))
本製造方法は、化合物(I)のうち、Xが酸素原子であり、且つYがNHである化合物、すなわち、下記の本発明化合物(I-5)を製造するのに適する。
【0181】
【0182】
(式中の各記号は、前記と同義である。)
【0183】
工程E-1
本工程は、化合物(5-1)とクロロリン酸ジエステル(化合物(5-2))を反応させて、化合物(5-3)を合成する工程である。例えば、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン等の有機塩基を用い、非プロトン性溶媒、好ましくは、ジクロロメタン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン等の溶媒中で行うことができる。反応条件としては、氷冷下~50℃、30分~8時間程度が挙げられる。この反応には、1H-テトラゾール等の反応促進剤を加えることができる。反応後は、通常の方法により精製等を行い、化合物(5-3)を得ることができる。
【0184】
工程E-2
本工程は、化合物(5-3)から本発明化合物(I-5)を調製する工程である。本工程は、前記工程A-2と同様の方法が挙げられる。
【0185】
(方法(6))
本製造方法は、化合物(I)のうち、Xが硫黄原子である化合物、すなわち、下記の化合物(I-6)を製造するのに適する。
【0186】
【0187】
(式中の各記号は、前記と同義である。)
【0188】
工程F-1
本工程は、化合物(6-1)のチオリン酸化により化合物(6-2)へと変換するものである。チオリン酸化反応は、硫化剤を用いて、適切な溶媒中、通常室温から溶媒還流温度で進行する。反応時間は、使用する原料や溶媒、反応温度により異なるが、通常30分から24時間程度である。硫化剤としては、例えば、ローソン試薬や五硫化二リン、ビス(フェニルアセチル)ジスルフィド等が挙げられる。溶媒としては、例えば、ベンゼン、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン等が挙げられる。反応後は、通常の方法により精製等を行い、化合物(6-2)を得ることができる。
【0189】
工程F-2
本工程は、化合物(6-2)から本発明化合物(I-6)を調製するものである。本工程は、前記工程A-2と同様の方法が挙げられる。
【0190】
(方法(7))
本製造方法は、化合物(I)のうち、Qが-C(=O)-であり、Zが酸素、硫黄、又はNR5であり、且つL1が単結合、-R6-、-OR6-、-NHR6-又は-SR6-である化合物、すなわち、下記の化合物(I-7)を製造するのに適する。
【0191】
【0192】
(式中、X3は、塩素原子、又は臭素原子を表し、P2は、水素、又は保護基を表し、保護基としては、ヒドロキシ、スルファニル、アミノを保護し、他の工程に影響しないものであれば特に限定されない。Z’は、酸素、硫黄、又はNR5を表し、L1’は、単結合、-R6-、-OR6-、-NHR6-、又は-SR6-を表す。他の各記号は、前記と同義である。)
【0193】
工程G-1
本工程は、化合物(7-4)を、化合物(7-1)と化合物(7-2)との縮合反応により得る工程である。反応は縮合剤を用いて、適当な塩基の存在下、適当な溶媒中、0℃~溶媒還流温度で進行する。反応時間は、使用する原料や溶媒、反応温度により異なるが、通常1時間から24時間程度である。縮合剤としては、例えば、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(WSC・HCl)、1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム 3-オキシドヘキサフルオロホスファート(HATU)、4-(4,6-ジメトキシ[1.3.5]トリアジン-2-イル)-4-メチルモルホリニウム クロリド ハイドレート(DMT‐MM)、2-クロロ-1-メチルピリジニウムヨージド等が挙げられる。溶媒としては、メタノ-ル、N、N-ジメチルホルムアミド、クロロホルム、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。また、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)を添加することにより反応が促進されることがある。塩基としては、例えば、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン等が挙げられる。
【0194】
工程G-2
化合物(7-4)は、酸ハライド(化合物(7-3))と化合物(7-2)との反応により得ることもできる。本工程は、化合物(7-1)を酸ハライド(化合物(7-3))へ変換する工程である。反応は、適切な溶媒中で、通常0℃から溶媒還流温度で、通常1時間から24時間程度で進行する。ハロゲン化剤としては、例えば、塩化チオニル、オキザリルクロリド、フェニルホスホニルジクロリド等が挙げられる。塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ピリジン等が挙げられる。溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、ピリジン、トルエン等が挙げられる。
【0195】
工程G-3
本工程は、化合物(7-3)と化合物(7-2)との反応により、化合物(7-4)を得る工程である。反応は、塩基を用いて、適当な溶媒中、通常0℃から溶媒還流温度で進行する。反応時間は、使用する原料や溶媒、反応温度等により異なるが、通常、30分~12時間である。塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ピリジン等が挙げられる。溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、N-メチルピロリドン、ピリジン、トルエン等が挙げられる。
【0196】
工程G-4
本工程は、化合物(7-4)を脱保護(脱P2)して化合物(7-5)を調製する工程である。P2が水素原子の場合、この工程は省略することができる。本工程は、通常の保護基の脱保護に用いられるものであれば特に限定されず、例えば、P2がアセチル等のアシルであれば、アルコール系溶媒と水との混合溶媒中で水酸化ナトリウム等の無機塩基を用いる方法、メトキシメチルやテトラヒドロピラニル、tert-ブチル等のエーテル系の保護基、トリメチルシリル等のシリル系保護基であれば、塩酸やトリフルオロ酢酸等の酸を用いる方法が挙げられる。また、P2にベンジル、置換ベンジル又はベンジルオキシメチル等を用いた場合は、加水素分解、接触水素添加条件により脱保護することができる。保護基の種類に応じて、適切な溶媒中、通常室温から溶媒還流温度で進行する。反応時間は、使用する原料や溶媒、反応温度により異なるが、通常1時間から24時間程度である。
本発明化合物(I-7)は、化合物(7-5)から、上述の方法(1)~(6)の条件を用いることで得ることができる。
【0197】
(方法(8))
本製造方法は、化合物(I)のうち、Qが-C(=O)-であり、Zが酸素、硫黄、又はNR5であり、且つL1がNH、酸素、硫黄、-R6O-、-R6NH-、又は-R6S-である化合物、すなわち、下記の化合物(I-8)を製造するのに適する。
【0198】
【0199】
(式中、L1’’は、NH、酸素、硫黄、-R6O-、-R6NH-、又は-R6S-を表し、他の各記号は、前記と同義である。)
【0200】
工程H-1
本工程は、化合物(8-2)を、化合物(8-1)と化合物(7-2)との縮合反応により得る工程である。反応は、縮合剤を用いて、適当な塩基の存在下、適当な溶媒中、0℃~溶媒還流温度で進行する。反応時間は、使用する原料や溶媒、反応温度により異なるが、通常30分から24時間程度である。縮合剤としては、例えば、カルボニルジイミダゾール(CDI)が挙げられる。溶媒としては、テトラヒドロフラン、N,N-ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、アセトニトリル、ジオキサン等が挙げられる。また、例えば、Tetrahedron、第61巻、第7153頁(2005年)記載の方法に準じて、ヨードメチルを用いることで反応が促進されることがある。塩基としては、例えば、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(DBU)等が挙げられる。
【0201】
工程H-2
本工程は、保護体(8-2)を脱保護(脱P2)し、化合物(8-3)を調製する工程である。本工程は、前記工程G-4と同様の条件が挙げられる。
本発明化合物(I-8)は、化合物(8-3)から、上述の方法(1)~(6)の条件を用いることで得ることができる。
【0202】
(方法(9))
本製造方法は、化合物(I)のうち、Qが-C(=O)-であり、且つZがNR5(R5が置換されていてもよいアルキル)である化合物、すなわち、下記の化合物(I-9)を製造するのに適する。
【0203】
【0204】
(式中、P3は、アミノの保護基を表し、他の工程に影響しないものであれば特に限定されない。R5’は、置換されていてもよいアルキルを表す。X4は、脱離基を表し、化合物(9-1)との反応の際に脱離するものであれば特に限定されない。例えば、ハロゲン原子(具体的にはヨウ素原子、臭素原子、塩素原子等)、p-トルエンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ等が挙げられる。他の各記号は、前記と同義である。)
【0205】
工程I-1
本工程は、化合物(9-1)をアルキル化することにより化合物(9-2)を得る工程である。アルキル化反応は、塩基とハロゲン化アルキル等のアルキル化剤(R5’-X4)を用いて、適切な溶媒中、通常0℃から溶媒還流温度で進行する。反応時間は、使用する原料や溶媒、反応温度により異なるが、通常10分から24時間程度である。塩基としては、例えば、水素化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等の無機塩基;カリウムtert-ブトキシド等のアルコキシド等が挙げられる。溶媒としては、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
【0206】
工程I-2
本工程は、化合物(9-2)を脱保護(脱P3)することにより化合物(9-3)を得る工程である。保護基P3としては、例えば、アセチル等のアシル、tert-ブチルオキシカルボニルやベンジルオキシカルボニル等のカルバメートが挙げられる。脱保護条件は、通常の保護基の脱保護に用いられる条件であれば特に限定されないが、例えば、P3が、tert-ブチルオキシカルボニル基である場合、当量以上の塩酸等の無機酸やトリフルオロ酢酸等を用い、エタノール等のアルコール性溶媒やテトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン等のハロゲン系溶媒、水、又はそれらの混合溶媒中、氷冷下~80℃で10分~12時間程度が挙げられる。また、例えば、P3がベンジルオキシカルボニルである場合、接触水素添加による還元を行うことで脱保護することができる。触媒としては、例えば、パラジウム炭素等が挙げられ、その反応温度は、通常室温~溶媒の還流温度であり、水素圧は1から20気圧で、反応時間は使用する原料や溶媒、反応温度等により異なるが通常1時間~48時間である。
本発明化合物(I-9)は、化合物(9-3)から、上述の方法(7)~(8)の条件を用いることで得ることができる。
【0207】
(方法(10))
本製造方法は、化合物(I)のうち、Qが-C(=O)-であり、ZがNR5(R5がR5’’で置換されていてもよいアルキルであり、且つR5’’と窒素原子がメチレンを介して結合している)である化合物、すなわち、下記の化合物(I-10)を製造するのに適する。
【0208】
【0209】
(式中、R5’’は、R5が置換されていてもよいメチルである場合の置換されていてもよい置換基を表す。他の各記号は前記と同義である。)
【0210】
工程J-1
本工程は、化合物(10-1)を適切な溶媒中、対応するアルデヒド(R5’’CHO)を用いて還元的アミノ化反応を行うことにより化合物(10-2)を得る工程である。本反応に用いられる溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、トルエン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。還元剤としては、例えば、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム等が挙げられる。その反応温度は、通常0℃から溶媒の還流温度であり、反応時間は使用する原料や溶媒、反応温度等により異なるが、通常1時間~48時間である。
【0211】
工程J-2
本工程は、化合物(10-2)を脱保護(脱P3)することにより化合物(10-3)を得る工程である。前記工程I-2と同様の条件が挙げられる。
本発明化合物(I-10)は、化合物(10-3)から、上述の方法(7)~(8)の条件を用いることで得ることができる。
【0212】
(方法(11))
本製造方法は、化合物(I)のうち、X及びYが酸素原子であり、Qが-C(=O)-であり、且つZがNR5である化合物、すなわち、下記の化合物(I-11)を製造するのに適する。
【0213】
【0214】
(式中の各記号は、前記と同義である。)
【0215】
工程K-1
本工程は、化合物(11-1)をリン酸化する工程である。工程A-1と同様の条件が挙げられる。
【0216】
工程K-2
本工程は、化合物(11-2)を脱保護(脱P3)することにより化合物(11-3)を得る工程である。工程I-2と同様の条件が挙げられる。
【0217】
工程K-3
本工程は、化合物(11-3)と対応する化合物(11-4)との縮合反応により化合物(11-5)を得る工程である。工程G-1と同様の条件が挙げられる。
工程K-2と工程K-3は、ワンポット反応で実施することも可能であり、例えば、P3が、tert-ブチルオキシカルボニルである場合、氷冷下、ジクロロメタン中トリフルオロ酢酸を加え撹拌した後、大過剰のN,N-ジイソプロピルエチルアミンを加えた後、化合物(11-4)との縮合反応を実施することができる。
【0218】
工程K-4
本工程は、化合物(11-5)から本発明化合物(I-11)を調製する工程である。本工程は、前記工程A-2と同様の方法が挙げられる。
【0219】
(方法(12))
本製造方法は、化合物(I)のうち、Qが下式(A-1)
【0220】
【0221】
(式中、環Aは、前記と同義である。)であり、且つZが酸素原子、硫黄原子、NR5である化合物、すなわち、下記の化合物(I-12)を製造するのに適する。
【0222】
【0223】
(式中、X5は、脱離基を表し、化合物(12-2)との反応の際に脱離するものであれば特に限定されない。例えば、ハロゲン原子(具体的には、臭素原子、塩素原子、フッ素原子等)、トリフルオロメタンスルホニルオキシ等が挙げられる。他の各記号は、前記と同義である。)
【0224】
工程L-1
本工程は、化合物(12-1)と化合物(12-2)とのカップリング反応により化合物(12-3)を得る工程である。反応は、パラジウム触媒、ホスフィンリガンド及び塩基の存在下、適当な溶媒中、0℃~加熱下、とりわけ、室温から溶媒の沸点で好適に進行する。反応時間は、使用する原料や溶媒、反応温度により異なるが、通常1時間から24時間である。パラジウム触媒としては、例えば、酢酸パラジウム(II)、塩化パラジウム(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)又はそのクロロホルム付加物等が挙げられる。ホスフィンリガンドとしては、トリフェニルホスフィン、2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル、2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)-3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル、2-(ジシクロへキシルホスフィノ)-2,6-ジイソプロポキシ-1,1’-ビフェニル、2-ジ-tert-ブチルホスフィノ-2’-4’-6’-トリイソプロピルビフェニル、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’-6’-ジメトキシビフェニル、2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)-2-(N,N-ジメチルアミノ)ビフェニル、トリ-オルト-トリルホスフィン、2-(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル、2-(ジ-tert-ブチルホスフィノ)ビフェニル、2-(ジ-tert-ブチルホスフィノ)-1、1-ビナフチル、トリ-tert-ブチルホスフィン、トリ-tert-ブチルホスホニウムテトラフルオロボレ-ト等が挙げられる。また、パラジウム触媒とホスフィンリガンドが錯体を形成した試薬を用いてもよく、かかる試薬としては、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、1、1-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(II)ジクロリド、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム(II)、ビス(トリ-tert-ブチルホスフィン)パラジウム(0)、クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル-2-イル)パラジウム(II)、[(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)-2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)パラジウム(II)メタンスルホネート、(2-ジシクロへキシルホスフィノ-2,6ジイソプロポキシ-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)メタンスルホネート、[(2-ジ-tert-ブチルホスフィノ-3,6-ジメトキシ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)-2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)パラジウム(II)メタンスルホネート等が挙げられる。塩基としては、例えば、tert-ブトキシナトリウム、酢酸カリウム、リン酸三カリウム、炭酸セシウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジシクロヘキシルエチルアミン、フッ化カリウム、フッ化セシウム等が挙げられる。溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン、1,4-ジオキサン等のエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール系溶媒、N,N-ジメチルホルムアミド、又はこれら有機溶媒と水との混合溶媒等が挙げられる。
また、環Aの種類やX5の置換位置によっては、以下の反応によっても化合物(12-3)を得ることができる。かかる反応としては、例えば、アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、N-メチルピロリドン等の極性溶媒、若しくはエタノール等のアルコール系溶媒中、炭酸セシウムや炭酸カリウム、トリエチルアミンやジイソプロピルエチルアミン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン等の塩基として用いる反応である。反応条件としては、室温~還流温度で30分~24時間程度が例示される。この際の脱離基X5としては、フッ素原子、又は塩素原子が挙げられる。
【0225】
工程L-2
本工程は、化合物(12-3)を脱保護(脱P2)して、化合物(12-4)を調製する工程である。本工程は、前記工程G-4と同様の条件が挙げられる。
本発明化合物(I-12)は、化合物(12-4)から、上述の方法(1)~(6)の条件を用いることで得ることができる。
【0226】
(方法(13))
本製造方法は、化合物(I)のうち、Qがピリジンであり、且つZが硫黄又はNR5である化合物、すなわち、下記の化合物(I-13)を製造するのに適する。
【0227】
【0228】
(式中、Z’’は、硫黄、又はNR5を表し、他の各記号は前記と同義である。)
【0229】
工程M-1
本工程は、化合物(13-1)を化合物(13-2)へと変換する工程である。反応条件としては、例えば、Journal of Organic Chemistry、第72巻、第4554頁(2007年)やOrganic Chemistry、第12巻、第5254頁(2010年)記載の方法に準じて、ヘキサフルオロリン酸(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリピロリジノホスホニウム(PyBOP)等の脱水剤やp-トルエンスルホン酸無水物等を用いる条件が挙げられ、適当な溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、酢酸エチル等)中、0℃~50℃で30分~12時間程度が挙げられる。反応後は、通常の方法により精製等を行い、目的物を得ることができる。
【0230】
工程M-2
本工程は、化合物(13-2)を脱保護(脱P2)することにより化合物(13-3)を調製する工程である。本工程は、前記工程G-4と同様の条件が挙げられる。
本発明化合物(I-13)は、化合物(13-3)から、上述の方法(1)~(6)の条件を用いることで得ることができる。
【0231】
(方法(14))
本製造方法は、化合物(I)のうち、Qが下式(A-1)
【0232】
【0233】
(式中、環Aは、前記と同義である。)であり、R2が水素であり、且つZがCH2である化合物、すなわち、下記の化合物(I-14)を製造するのに適する。
【0234】
【0235】
(式中のM2は、水素、B(OH)2又はそのエステルを表し、他の各記号は、前記と同義である。)
【0236】
工程N-1
本工程は、化合物(14-1)と化合物(14-2)とのカップリング反応により、化合物(14-4)を得る工程であり、前記工程L-1と同様の条件が挙げられる。
【0237】
工程N-2
本工程は、化合物(14-1)と化合物(14-3)とのカップリング反応により、化合物(14-5)を得る工程である。化合物(14-1)と化合物(14-3)との反応としては、薗頭反応が挙げられる。用いられる触媒としては、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム(II)等のパラジウム化合物が挙げられる。また、反応を促進するために、トリエチルアミン等の有機塩基やアンモニア等の無機塩基、ヨウ化銅や臭化銅等の銅化合物、2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピルビフェニル等のホスフィン化合物等の添加物を加えることもできる。反応条件としては、例えば、テトラヒドロフランやジオキサン等のエーテル系溶媒、アセトニトリルやジメチルホルムアミド等の極性溶媒、又はベンゼン等の炭化水素溶媒中、氷冷下~溶媒還流温度下で30分~24時間程度が挙げられる。反応後は、通常の方法により精製等を行い、化合物(14-5)を得ることができる。
【0238】
工程N-3
本工程は、オレフィン(化合物(14-4))、又はアセチレン(化合物(14-5))の二重結合又は三重結合を、還元剤を用いて還元することにより化合物(14-6)を得る工程である。還元剤としては、通常の不飽和炭素結合の還元に用いられる試薬であれば限定されないが、例えば、パラジウム炭素やラネーニッケル、パラジウム炭素エチレンジアミン複合体等の不均一系触媒;ロジウム錯体(クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)等)等の均一系触媒等を用いる接触水素添加が挙げられる。反応条件としては、例えば、エタノール等のアルコール系溶媒、ジオキサン等のエーテル系溶媒、又はトルエン等の炭化水素溶媒中、1~20気圧の水素圧の下、氷冷下~溶媒還流温度下で30分~1週間が挙げられる。なお、反応速度や化合物の安定性等に応じて、反応液に酢酸等の酸又はトリエチルアミン等の塩基を加えることもできる。反応後は、通常の方法により精製等を行い、化合物(14-6)を得ることができる。
【0239】
工程N-4
本工程は、化合物(14-6)を脱保護(脱P2)することにより、化合物(14-7)を調製する工程である。本工程は、前記工程G-4と同様の条件が挙げられる。P2が、前記工程N-3の条件下で脱保護される保護基の場合(例えば、P2がベンジル基、ベンジルオキシカルボニル基等)は、本工程を省略することができる。
本発明化合物(I-14)は、化合物(14-7)から、上述の方法(1)~(6)の条件を用いることで得ることができる。
【0240】
上記各方法における原料化合物は、公知の方法及び/又は後記実施例に記載の方法と同様にして製造できる。
なお、官能基への保護基の導入及び官能基保護基の除去は、既知の方法(PROTECTIVE GROUPS in ORGANIC SYNTHESIS(Theodora W. Greene,Peter G.M.Wuts著)等)を参照して実施することができる。
【0241】
上記のようにして製造される本発明の化合物(I)は、その遊離形態のまま、或いはその塩として単離され、精製される。塩は、通常用いられる造塩処理に付すことにより製造できる。単離精製は、抽出、濃縮、結晶化、ろ過、再結晶、各種クロマトグラフィーなどの通常の化学的操作を適用して実施できる。
【0242】
本発明の化合物(I)、又はその薬理学的に許容し得る塩が不斉炭素に基づく光学異性体として存在する場合、通常の光学分割手段(例えば、分別結晶法、キラルカラムを用いた分割法)により個々の光学異性体に分離することができる。また、光学的に純粋な出発物質を用いて、光学異性体を合成することもできる。さらに、不斉補助基や不斉触媒を利用して各反応を立体選択的に行うことによっても、光学異性体を合成することができる。
【0243】
(本発明の医薬組成物)
本発明の化合物(I)、又はその薬理学的に許容し得る塩は、単独で、又はこれと薬理学的に許容し得る担体とを含有する医薬組成物として、経口的にも非経口的にも投与することができる。薬理学的に許容し得る担体としては、当分野で慣用の担体でよく、例えば希釈剤、結合剤(シロップ、アラビアゴム、ゼラチン、ソルビット、トラガカント、ポリビニルピロリドン等)、賦形剤(乳糖、ショ糖、コーンスターチ、リン酸カリウム、ソルビット、グリシン等)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコール、シリカ等)、崩壊剤(バレイショデンプン)、湿潤剤(ラウリル硫酸ナトリウム等)等が挙げられる。
これらの医薬組成物の剤形は特に限定されるものではなく、例えば、経口的に投与する場合には、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、散剤等の慣用の医薬製剤が挙げられ、非経口的に投与する場合には、注射剤、吸入剤、坐剤等の慣用の医薬製剤が挙げられる。
【0244】
本発明の化合物(I)、又はその薬理学的に許容し得る塩の投与量は、年齢、体重、一般的健康状態、性別、食事、投与時間、投与方法、排泄速度、患者のその時に治療を行っている病状の程度に応じ、それら、或いはその他の要因を考慮して決められる。本発明化合物(I)の1日当たりの投与量は、患者の状態や体重、化合物の種類、投与経路などによって異なるが、たとえば非経口的には皮下、静脈内、動脈内、筋肉内、関節内、髄腔内、経皮的、経眼的、経肺・気管支的、経鼻的又は直腸内に、約0.001~100mg/人/日投与され、好ましくは、約0.01~50mg/人/日投与される。また、経口的には約0.01~1000mg/人/日投与され、好ましくは、約0.1~100mg投与される。一日当たりの総投与量は、単一投与量であっても分割投与量であってもよい。
【0245】
本発明の化合物(I)、又はその薬理学的に許容し得る塩は、治療対象疾患等に応じて、単独で、又は1種以上の他の薬剤と組合せて使用することができる。本発明の医薬組成物は、血管形成異常を伴う疾患治療用の他の薬剤(以下、他の薬剤ともいう。)と組み合わせて使用することが好ましい。他の薬剤は、特に限定されず、例えば、上記例示した血管形成異常を伴う疾患の治療に従来使用されている1種以上の公知の薬剤を好適に用いることができる。具体的には、例えば、がん治療薬、抗炎症薬、精神神経系薬剤、感覚器系薬剤、循環器系薬剤、呼吸器系薬剤、消化器系薬剤、内分泌代謝系薬剤、腎臓・泌尿器系薬剤、ビタミン・栄養・輸液・電解質製剤、血液用薬・血液製剤、免疫抑制剤、鎮痛薬、抗アレルギー薬、抗生剤、抗菌剤、抗ウイルス薬等が挙げられる。中でも、がん治療薬と組み合わせて、固形がんの治療や転移抑制に使用することがより好ましい。本発明の医薬組成物を他の薬剤を組み合わせて使用することにより、他の薬剤の血管形成異常を伴う疾患部位への送達を促進することができるので、薬剤の使用量を低減させることができる。その結果、他の薬剤に起因する副作用を低減できる。また、薬剤の使用量低減は医療費削減等の社会的要請にも適うものである。
【0246】
本発明の医薬組成物と組み合わせて使用するがん治療薬は特に限定されないが、例えば化学療法剤、免疫療法剤又はホルモン療法剤が好ましい。これらのがん治療薬はリポソーム製剤でもよい。また、これらのがん治療薬は核酸医薬、抗体医薬であってもよい。
【0247】
化学療法剤としては、特に限定されないが、例えば、ナイトロジェンマスタード、塩酸ナイトロジェンマスタード-N-オキシド、クロラムブチル、シクロフォスファミド、イホスファミド、チオテパ、カルボコン、トシル酸インプロスルファン、ブスルファン、塩酸ニムスチン、ミトブロニトール、メルファラン、ダカルバジン、ラニムスチン、リン酸エストラムスチンナトリウム、トリエチレンメラミン、カルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン、ピポブロマン、エトグルシド、カルボプラチン、シスプラチン、ミボプラチン、ネダプラチン、オキサリプラチン、アルトレタミン、アンバムスチン、塩酸ジブロスピジウム、フォテムスチン、プレドニムスチン、プミテパ、リボムスチン、テモゾロミド、トレオスルファン、トロフォスファミド、ジノスタチンスチマラマー、アドゼレシン、システムスチン、ビゼレシン等のアルキル化剤;例えば、メルカプトプリン、6-メルカプトプリンリボシド、チオイノシン、メトトレキサート、ペメトレキセド、エノシタビン、シタラビン、シタラビンオクフォスファート、塩酸アンシタビン、5-FU系薬剤(例、フルオロウラシル、テガフール、UFT、ドキシフルリジン、カルモフール、ガロシタビン、エミテフール、カペシタビン等)、アミノプテリン、ネルザラビン、ロイコボリンカルシウム、タブロイド、ブトシン、フォリネイトカルシウム、レボフォリネイトカルシウム、クラドリビン、エミテフール、フルダラビン、ゲムシタビン、ヒドロキシカルバミド、ペントスタチン、ピリトレキシム、イドキシウリジン、ミトグアゾン、チアゾフリン、アンバムスチン、ベンダムスチン等の代謝拮抗剤;例えば、アクチノマイシンD、アクチノマイシンC、マイトマイシンC、クロモマイシンA3、塩酸ブレオマイシン、硫酸ブレオマイシン、硫酸ペプロマイシン、塩酸ダウノルビシン、塩酸ドキソルビシン、塩酸アクラルビシン、塩酸ピラルビシン、塩酸エピルビシン、ネオカルチノスタチン、ミスラマイシン、ザルコマイシン、カルチノフィリン、ミトタン、塩酸ゾルビシン、塩酸ミトキサントロン、塩酸イダルビシン等の抗がん性抗生物質;例えば、エトポシド、リン酸エトポシド、硫酸ビンブラスチン、硫酸ビンクリスチン、硫酸ビンデシン、テニポシド、パクリタキセル、ドセタクセル、ビノレルビン、イリノテカン、塩酸イリノテカン等の植物由来抗がん剤等が挙げられる。
【0248】
免疫療法剤としては、特に限定されないが、例えば、ピシバニール、クレスチン、シゾフィラン、レンチナン、ウベニメクス、インターフェロン、インターロイキン、マクロファージコロニー刺激因子、顆粒球コロニー刺激因子、エリスロポイエチン、リンホトキシン、BCGワクチン、コリネバクテリウムパルブム、レバミゾール、ポリサッカライドK、プロコダゾール、イピリムマブ、ニボルマブ、ラムシルマブ、オファツムマブ、パニツムマブ、ペンブロリズマブ、オビヌツズマブ、トラスツズマブ エムタンシン、トシリズマブ、ベバシズマブ、トラスツズマブ、シルツキシマブ、セツキシマブ、インフリキシマブ、リツキシマブ等が挙げられる。
【0249】
ホルモン療法剤としては、特に限定されないが、例えば、ホスフェストロール、ジエチルスチルベストロール、クロロトリアニセン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール、酢酸クロルマジノン、酢酸シプロテロン、ダナゾール、アリルエストレノール、ゲストリノン、メパルトリシン、ラロキシフェン、オルメロキシフェン、レボルメロキシフェン、抗エストロゲン(例えば、クエン酸タモキシフェン、クエン酸トレミフェン等)、ピル製剤、メピチオスタン、テストロラクトン、アミノグルテチイミド、LH-RHアゴニスト(例えば酢酸ゴセレリン、ブセレリン、リュープロレリン等)、ドロロキシフェン、エピチオスタノール、スルホン酸エチニルエストラジオール、アロマターゼ阻害薬(例えば、塩酸ファドロゾール、アナストロゾール、レトロゾール、エキセメスタン、ボロゾール、フォルメスタン等)、抗アンドロゲン(例えば、フルタミド、ビカルタミド、ニルタミド等)、5α-レダクターゼ阻害薬(例えば、フィナステリド、エプリステリド等)、副腎皮質ホルモン系薬剤(例えば、デキサメタゾン、プレドニゾロン、ベタメタゾン、トリアムシノロン等)、アンドロゲン合成阻害薬(例えば、アビラテロン等)等が挙げられる。
【0250】
本発明において「組み合わせて使用する」とは、本発明の薬剤送達促進剤の適用時期と前記他の薬剤の適用時期が重複していることを意味し、同時に投与することを要するものではない。他の薬剤の投与量は、臨床上用いられている投与量に準ずればよく、投与対象、投与対象の年齢及び体重、症状、投与時間、剤形、投与方法、組み合わせ等により適宜選択することができる。
【0251】
すなわち、本発明の化合物(I)、又はその薬理学的に許容し得る塩は、
1.他の薬剤の予防及び/又は治療効果の補完及び/又は増強、
2.他の薬剤の動態・吸収改善、投与量の低減、及び/又は
3.他の薬剤の副作用低減のために、
組み合わせて、併用剤として投与してもよい。
【0252】
本発明の化合物(I)、又はその薬理学的に許容し得る塩と他の薬剤の併用剤は、1つの製剤中に両成分配合した配合剤の形態で投与してもよく、また、別々の製剤にして投与する形態をとってもよい。この別々の製剤にして投与する場合には、投与対象に対し、同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。また、時間差による投与は、本発明の化合物(I)、又はその薬理学的に許容し得る塩を先に投与し、他の薬剤を後に投与してもよいし、他の薬剤を先に投与し、本発明の化合物(I)、又はその薬理学的に許容し得る塩を後に投与してもよい。それぞれの投与方法は同じでも異なっていてもよい。
【0253】
上記併用剤により、予防及び/又は治療効果を奏する疾患は特に限定されず、本発明の化合物(I)、又はその薬理学的に許容し得る塩、或いは他の薬剤の予防、及び/又は治療効果を補完及び/又は増強する疾患であればよい。
【0254】
本発明の化合物(I)、又はその薬理学的に許容し得る塩と他の薬剤の質量比は特に限定されない。
【0255】
他の薬剤は、任意の2種以上を組み合わせて投与してもよい。
【0256】
また、本発明の化合物(I)、又はその薬理学的に許容し得る塩の予防及び/又は治療効果を補完及び/又は増強する他の薬剤には、上記したメカニズムに基づいて、現在までに見出されているものではなく、今後見出されるものも含まれる。
【0257】
(本発明のキット)
本発明の別の態様として、
(A)本発明の化合物(I)、又はその薬理学的に許容し得る塩と前記他の薬剤とを併用することを記載した、包装容器、取扱説明書及び添付文書からなる群から選択される少なくとも1つ、
(B)本発明の化合物(I)、又はその薬理学的に許容し得る塩を含有する医薬組成物(又は製剤)、及び
(C)他の薬剤を含有する医薬組成物(又は製剤)
を含有してなる、血管形成異常を伴う疾患、又は血管障害に伴う疾患を治療又は予防するためのキットを提供することができる。
【0258】
本発明のキットは、本発明の化合物(I)、又はその薬理学的に許容し得る塩、或いは前記他の薬剤を含有する製剤を含む包装容器を含む。
本発明のキットは、包装容器上又は包装容器に付随したラベル、取扱説明書、又は添付文書をさらに含み得る。
本発明において、「取扱説明書、又は添付文書」とは、製剤の使用に関する情報(例、適応対象疾患、用法、用量、投与、禁忌症及び/又は警告)を含む、製剤の商業用パッケージ中に通常含まれる書類を意味する。「ラベル」とは、本発明の化合物(I)、又はその薬理学的に許容し得る塩、或いは前記他の薬剤を含有する製剤の製品名、用法、用量、剤型、適応対象疾患等の表示を含むシート状の物品であり、包装容器に直接貼付されるものを意味する。
ラベル、取扱説明書、又は添付文書は、本発明の医薬の適応対象疾患、すなわち、血管形成異常が伴う疾患、又は血管障害に伴う疾患(具体的には、例えば、固形がん、褥瘡、糖尿病性壊死、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、急性腎障害、脳梗塞、加齢黄斑変性、関節リウマチ、強皮症、乾癬、全身性エリテマトーデス、肺線維症、閉塞性動脈硬化症、動脈硬化症、狭心症、心筋梗塞、バージャー病、感染症による脳浮腫、出血性ウイルス(エボラ、デング)による出血、急性呼吸窮迫症候群等)の治療に使用されることを示す。
包装容器としては、例えば、PTP、ビン、バイアル、シリンジ、ブリスターパック等が挙げられる。包装容器は、ガラス又はプラスチック等の種々の材料から形成し得る。当該容器は、更に上記ラベルの内容等を印刷した紙製の外箱に梱包されていてもよい。
【0259】
本発明のキットに含まれる本発明の化合物(I)、又はその薬理学的に許容し得る塩、及び前記他の薬剤の用法、及び用量は、前記した投与方法、及び投与量の記載を参照して設定することができる。
【実施例】
【0260】
以下に参考例、実施例、実験例、及び製剤例を用いて本発明を詳述するが、本発明は以下の実施例及び実験例に何ら限定されるものではない。また、使用する試薬及び材料は特に限定されない限り商業的に入手可能である。また、「室温」とは、特記しない限り、15~30℃の温度を表す。
【0261】
以下の参考例、及び実施例において、使用される略語は、それぞれ以下の意味を表す。
HPLC:高速液体クロマトグラフィー
ESI:エレクトロスプレーイオン化
APCI:大気圧化学イオン化
HATU:1-[ビス(ジメチルアミノ)メチレン]-1H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジニウム3-オキシドヘキサフルオロホスファート
XPhos-Pd-G2:クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)(テトラヒドロフラン付加物
【0262】
参考例1
(1-1)ベンジル 3-[(ジ-tert-ブトキシホスホリル)オキシ]アゼチジン-1-カルボキシラート(参考例化合物1-1)
【0263】
【0264】
ベンジル 3-ヒドロキアゼチジン-1-カルボキシラート(4.00g)のジクロロメタン(38mL)とアセトニトリル(19mL)混合溶液に、氷冷下、1H-テトラゾール(2.70g)、ジ-tert-ブチル N,N-ジイソプロピルホスホロアミダイト(9.14mL)を加え、室温で3時間撹拌した。tert-ブチルヒドロペルオキシド(70%水溶液、9.25mL)を加え、室温で4時間撹拌した。反応混合物に飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=60:40~40:60)にて精製することにより、標題化合物(6.00g)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:417.1(M+NH4)+。
【0265】
(1-2)ベンジル 3-[(ジ-tert-ブトキシホスホリル)オキシ]アゼチジン-1-カルボキシラート(参考例化合物1)
【0266】
【0267】
参考例化合物1-1(3.68g)のエタノール(31mL)溶液に、7.5%パラジウム炭素(368mg)を加え、水素雰囲気下室温で一昼夜撹拌した。反応液の不溶物を珪藻土により濾去した後、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:0~80:20)にて精製することにより、標題化合物(1.89g)を淡黄色油状物として得た。MS(APCI)m/z:266.0(M+H)+
【0268】
参考例2
tert-ブチル 3-{[ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル]オキシ}アゼチジン-1-カルボキシラート(参考例化合物2)
【0269】
【0270】
tert-ブチル 3-ヒドロキアゼチジン-1-カルボキシラート(5.00g)のジクロロメタン(58mL)とアセトニトリル(29mL)混合溶液に、氷冷下、1H-テトラゾール(4.04g)、ジベンジル N,N-ジイソプロピルホスホロアミダイト(14.5mL)を加え、室温で2時間撹拌した。tert-ブチルヒドロペルオキシド(70%水溶液、13.8mL)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物に飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=30:70~45:55)にて2回精製することにより、標題化合物(12.4g)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:334.3(M-Boc)+。
【0271】
参考例3
tert-ブチル (3R)-3-{[ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル]オキシ}ピロリジン-1-カルボキシラート(参考例化合物3)
【0272】
【0273】
tert-ブチル(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-カルボキシラート(3.00g)をジクロロメタン(30mL)とアセトニトリル(10mL)に溶解させ、氷冷下、1H-テトラゾール(2.24g)を加え、ジベンジル N,N-ジイソプロピルホスホロアミダイト(5.8mL)を滴下した後、室温下、2.5時間撹拌した。氷冷下、tert-ブチルヒドロペルオキシド(5.8mL)を滴下した後、室温下、1時間撹拌した。氷冷下、10%ピロ亜硫酸ナトリウム水溶液(40mL)を加えた後、室温下、10分間撹拌した。反応液に酢酸エチルを加え抽出後、水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=60:40~34:66)にて精製することにより、標題化合物(5.23g)を淡黄色油状物として得た。MS(APCI)m/z:447.9[M+H]+
【0274】
参考例4
(4-1)ベンジル (3R)-3-[(ジ-tertブトキシホスホリル)オキシ]ピロリジン-1-カルボキシラート(参考例化合物4-1)
【0275】
【0276】
(R)-1-カルボベンゾキシ-3-ピロリジノール(4.50g)のジクロロメタン(41mL)とアセトニトリル(20mL)混合溶液に、氷冷下、1H-テトラゾール(2.85g)、ジ-tert-ブチル N,N-ジイソプロピルホスホロアミダイト(9.63mL)を加え、室温で2時間撹拌した。氷冷下、tert-ブチルヒドロペルオキシド(70%水溶液、9.75mL)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=55:45~30:70)にて精製することにより、標題化合物(5.93g)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:414.0(M+H)+。
【0277】
(4-2)ジ-tert-ブチル (3R)-ピロリジン-3-イル ホスフェート(参考例化合物4)
【0278】
【0279】
参考例化合物4-1(4.85g)のエタノール(39mL)溶液に、7.5%パラジウム炭素(485mg)を加え、水素雰囲気下室温で一昼夜撹拌した。反応液の不溶物を珪藻土により濾去した後、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:0~80:20)にて精製することにより、標題化合物(2.11g)を淡黄色油状物として得た。MS(APCI)m/z:280.1(M+H)+
【0280】
参考例5
3-(3-デシルオキシ)プロピオン酸(参考例化合物5)
【0281】
【0282】
3-(3-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸(4.0g)のN,N-ジメチルホルムアミド(48.1mL)溶液に、氷冷下水素化ナトリウム(1.9g)を加えた後、室温にて20分撹拌後、1-ブロモデカン(4.98mL)のN,N-ジメチルホルムアミド(5.0mL)溶液を滴下し、80℃にて1時間撹拌した。反応液を氷冷後、1N塩酸を加え、析出した固体を濾取、ヘキサンで洗浄することにより、標題化合物(4.9g)を白色固体として得た。MS(ESI)m/z:305.4(M-H)-
【0283】
参考例6
(6-1)2-[(4-メトキシフェニル)メチルアミノ]エタノール(参考例化合物6-1)
【0284】
【0285】
2-アミノエタノール(1.50g)のメタノール(82mL)溶液に、4-メトキシベンズアルデヒド(3.50g)を加え、60℃にて2時間撹拌した。0℃に冷却後、水素化ホウ素ナトリウム(930mg)を加え、室温にて1時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100:0~93:7)にて精製することにより、標題化合物(3.71g)を無色油状物として得た。MS(ESI)m/z:182.1[M+H]+
【0286】
(6-2)tert-ブチル N-(2-ヒドロキシエチル)-N-[(4-メトキシフェニル)メチル]カーバメート(参考例化合物6-2)
【0287】
【0288】
参考例化合物6-1(3.40g)をアセトニトリル(17mL)に溶解させ、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.13mL)を滴下した後、ジ-tert-ブチル ジカルボネート(4.08g)のアセトニトリル(17mL)溶液を滴下した後、室温下、2時間撹拌した。溶媒を減圧留去した後、水を加え、クロロホルムで抽出、飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を減圧留去することにより、標題化合物の未精製物(1.41g)を無色油状物として得た。MS(ESI)m/z:282.2[M+H]+
【0289】
(6-3)tert-ブチル N-{2-[(ジベンジルオキシホスホリル)オキシ]エチル}-N-[(4-メトキシフェニル)メチル]カーバメート(参考例化合物6)
【0290】
【0291】
参考例化合物6-2(2.38g)のジクロロメタン(23.8mL)とアセトニトリル(9.52mL)混合溶液に、氷冷下、1H-テトラゾール(711mg)、ジベンジル N,N-ジイソプロピルホスホロアミダイト(3.78mL)を加え、室温で1時間撹拌した。0℃に冷却後、30%過酸化水素水(1.04mL)を滴下した後、室温にて1時間撹拌した。氷冷下、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(10mL)を加え室温にて10分撹拌後、酢酸エチルで抽出し、飽和重曹水と飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥濾過し、溶媒を留去した。得られた残渣シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=70:30~50:50)にて精製することにより、標題化合物(4.37g)を無色油状物として得た。MS(ESI)m/z:542.3[M+H]+
【0292】
参考例7
(7-1)ベンジル {2-[(ジ-tert-ブトキシホスホリル)オキシ]エチル}カルバメート(参考例化合物7-1)
【0293】
【0294】
ベンジル (2-ヒドロキシエチル)カルバメート(4.00g)のジクロロメタン(41mL)とアセトニトリル(20mL)混合溶液に、氷冷下、1H-テトラゾール(2.87g)、ジ-tert-ブチル N,N-ジイソプロピルホスホロアミダイト(9.70mL)を加え、室温で2時間撹拌した。tert-ブチルヒドロペルオキシド(70%水溶液、9.82mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物に飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=55:45~30:70)にて精製することにより、標題化合物(5.26g)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:387.8(M+H)+。
【0295】
(7-2)2-アミノエチル ジ-tert-ブチル ホスフェート(参考例化合物7-2)
【0296】
【0297】
参考例化合物7-1(5.25g)のエタノール(34mL)溶液に、7.5%パラジウム炭素(525mg)を加え、水素雰囲気下室温で一昼夜撹拌した。反応液の不溶物を珪藻土により濾去した後、濾液を減圧濃縮することにより、標題化合物(3.42g)を淡黄色油状物として得た。MS(APCI)m/z:253.9(M+H)+
【0298】
(7-3)ジ-tert-ブチル 2-[(4-メトキシベンジル)アミノ]エチル ホスフェート(参考例化合物7)
【0299】
【0300】
参考例化合物7-2(1.33g)のエタノール(18mL)溶液に、p-アニスアルデヒド(751mg)を加え、室温で1時間撹拌した。水素化ホウ素ナトリウム(199mg)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:0~93:7)にて精製することにより、標題化合物(1.42g)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:374.1(M+H)+。
【0301】
参考例8
(8-1)7-オクチン-1-イル 4-メチルベンゼンスルホナート(参考例化合物8-1)
【0302】
【0303】
7-オクチン-1-オール(5.0g)のジクロロメタン(40mL)溶液に、ピリジン(6.4mL)、p-トルエンスルホニルクロリド(11.3mL)を0℃にて加え、同温で3時間攪拌した。反応液に水を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を1N塩酸、炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒留去後得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=95:5~80:20)にて精製することにより、標題化合物(10.7g)を無色油状物として得た。MS(ESI)m/z:281.3(M+H)+
【0304】
(8-2)8-ノニンニトリル(参考例化合物8-2)
【0305】
【0306】
参考例化合物8-1(10.7g)のジメチルスルホキシド(38mL)溶液に、シアン化ナトリウム(2.6g)を加え、90℃にて2時間加熱攪拌した。反応液を室温に冷却後、炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ、ジエチルエーテル、水を加え撹拌後、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒留去後得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=90:10~70:30)にて精製することにより、標題化合物(3.7g)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:136.0(M+H)+
【0307】
(8-3)8-ノニン酸(参考例化合物8)
【0308】
【0309】
参考例化合物8-2(3.7g)のエタノール(14mL)水(4.6mL)混合溶液に1N水酸化ナトリウム水溶液(55mL)を加え90℃にて15時間加熱攪拌した。室温に冷却後、反応液を氷水に注ぎ、6N塩酸(9.5mL)を加え酸性にした後、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧留去することにより、標題化合物(3.6g)を淡黄色油状物として得た。MS(APCI)m/z:152.8(M-H)-
【0310】
実施例1
(1-1)メチル 3-[4-(ノニルオキシ)フェニル]プロパノアート(実施例化合物1-1)
【0311】
【0312】
メチル-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロパノアート(3.00g)をN,N-ジメチルホルムアミド(55.5mL)に溶解させ、1-ブロモノナン(3.90mL)、テトラブチルアンモニウムヨージド(1845mg)、炭酸セシウム(6238mg)を加えた後、70℃にて1時間撹拌した。室温まで放冷した後、反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出後、水、飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0~88:12)にて精製することにより、標題化合物(4.94g)を白色粉末として得た。MS(APCI)m/z:307.0[M+H]+
【0313】
(1-2)3-(4-ノニルオキシ)プロピオン酸(実施例化合物1-2)
【0314】
【0315】
実施例化合物1-1(4.94g)をメタノール(26.9mL)、テトラヒドロフラン(26.9mL)に溶解させ、2N水酸化ナトリウム水溶液(26.6mL)を滴下した後、60℃にて40分間撹拌した。溶媒を減圧留去し、水(75mL)、メタノール(20mL)を加えた後、氷冷下、1N塩酸(53mL)を滴下した。アセトニトリル(20mL)を加え、ソニケーションした後、析出した固体を水にて洗浄することにより、標題化合物(4.66g)を白色粉末として得た。MS(APCI)m/z:291.0[M-H]-
【0316】
(1-3)ジベンジル 1-{3-[4-(ノニルオキシ)フェニル]プロパノイル}アゼチジン-3-イル ホスフェート(実施例化合物1-3)
【0317】
【0318】
参考例化合物2(667mg)をアセトニトリル(23.7mL)に溶解させ、氷冷下、トリフルオロ酢酸(2.36mL)を滴下した後、室温下、5.5時間撹拌した。氷冷下、トリフルオロ酢酸(2.36mL)を追加した後、4.5時間撹拌した。溶媒を減圧留去後、アセトニトリルを加え、溶媒を減圧留去する操作を三回繰り返した。得られた残渣をN,N-ジメチルホルムアミド(4mL)に溶解させ、実施例化合物1-2(300mg)、N,N-ジメチルホルムアミド(2mL)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.533mL)、N,N,N’,N’-テトラメチル-O-(7-アザベンゾトリアゾール-1-イル)ウロニウムヘキサフルオロ ホスフェート(HATU)(585mg)の混合溶液に滴下し、室温下、8.5時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水を加え、酢酸エチルで抽出後、水、飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール=100:0~91:9)にて精製することにより、標題化合物(250mg)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:608.0[M+H]+
【0319】
(1-4)1-{3-[4-(ノニルオキシ)フェニル]プロパノイル}アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物1)
【0320】
【0321】
実施例化合物1-3(232mg)をエタノール(3.82mL)に溶解させ、10%パラジウム炭素(93mg)を加え、水素雰囲気下室温にて100分間攪拌した後、反応液を濾過した。濾液を濃縮し、得られた残渣を分取HPLC(10mM炭酸アンモニウム水溶液-アセトニトリル)にて精製し、得られた分画を凍結乾燥することにより、標題化合物(80mg)を白色粉末として得た。MS(APCI)m/z:428.3[M+H]+
【0322】
実施例2
(2-1)1-{3-[3-(デシルオキシ)フェニル]プロパノイル}アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物2)
【0323】
【0324】
実施例1において実施例化合物1-2の代わりに参考例化合物5を用いて、(1-3)-(1-4)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(91mg)を白色粉末として得た。MS(APCI)m/z:442.3[M+H]+
【0325】
実施例3
(3-1)1-{3-[3-(ウンデシルオキシ)フェニル]プロパノイル}アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物3)
【0326】
【0327】
実施例1においてメチル-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロパノアートの代わりにメチル-3-(3-ヒドロキシフェニル)プロパノアートを用いて、(1-1)-(1-4)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(105mg)を白色粉末として得た。MS(APCI)m/z:456.3[M+H]+
【0328】
実施例4
(4-1)[4-(1-ウンデシン-1-イル)フェニル]酢酸(実施例化合物4-1)
【0329】
【0330】
2-(4-ヨードフェニル)酢酸(2.01g)、テトラヒドロフラン(23.6mL)、1-ウンデシン(900mg)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(4.09mL)、ヨウ化銅(I)(563mg)、ジクロロパラジウムトリフェニルホスフィン(415mg)の混合液を、80℃にて15時間撹拌した。反応液の不溶物を珪藻土により濾去した後、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:00~20:80)にて精製することにより、標題化合物の粗精製物(1.13g)を褐色固体として得た。MS(APCI)m/z:304.0[M+NH4]+
【0331】
(4-2)2-(4-ウンデカフェニル)酢酸(実施例化合物4-2)
【0332】
【0333】
実施例化合物4-1(1.13g)、エタノール(19.7mL)、10%パラジウム炭素 (600mg)の懸濁液を、水素雰囲気下、室温にて3時間撹拌した。反応液の不溶物を珪藻土により濾去した後、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0~50:50)にて精製後、ヘキサンを加えて析出させた固体を濾取することにより、標題化合物(746mg)を淡黄色固体として得た。MS(APCI)m/z:308.1[M+NH4]+
【0334】
(4-3)ジベンジル 1-[(4-ウンデシルフェニル)アセチル]アゼチジン-3-イル ホスフェート(実施例化合物4-3)
【0335】
【0336】
参考例化合物2(350mg)のアセトニトリル(4.0mL)溶液に、氷冷下トリフルオロ酢酸(0.618mL)をゆっくり加え、室温にて2時間撹拌した。更に氷冷下トリフルオロ酢酸(0.618mL)を加え室温にて2時間撹拌後、氷冷下N,N-ジメチルホルムアミド(4.0mL)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(2.23mL)加えたのち、実施例化合物4-2(187mg)、HATU(294mg)を加え、氷冷下2時間撹拌した。反応液に酢酸エチルと水を加え、酢酸エチルで抽出後、水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣を,分取HPLC(10mM炭酸アンモニウム水溶液-アセトニトリル)にて精製することにより、標題化合物(144mg)を淡黄色油状物として得た。MS(APCI)m/z:606.5[M+H]+
【0337】
(4-4)1-[(4-ウンデシルフェニル)アセチル]アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート(実施例化合物4)
【0338】
【0339】
実施例化合物4-3(140mg)、10%パラジウム炭素 (70mg)、メタノール(2.3mL)の懸濁液を、水素雰囲気下、室温にて4時間撹拌した。反応液をシリンジフィルターに通しパラジウム炭素を除去した後、テトラヒドロフランで洗浄、濾液を濃縮した。得られた残渣にメタノール、アセトニトリルを加え、析出した固体を濾取することにより、標題化合物(70mg)を白色固体として得た。MS(APCI)m/z:426.3[M+H]+
【0340】
実施例5
(5-1)1-[3-(4-オクチルフェニル)プロパノイル]アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート(実施例化合物5)
【0341】
【0342】
実施例4において2-(4-ヨードフェニル)酢酸の代わりに3-(4-ヨードフェニル)プロパン酸、1-ウンデシンの代わりに1-オクチンを用いて、(4-1)-(4-4)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(12mg)を白色固体として得た。MS(APCI)m/z:398.2[M+H]+
【0343】
実施例6
(6-1)1-[4-(4-ヘプチルフェニル)ブタノイル]アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート(実施例化合物6)
【0344】
【0345】
実施例4において2-(4-ヨードフェニル)酢酸の代わりに4-(4-ヨードフェニル)ブタン酸、1-ウンデシンの代わりに1-ヘプチンを用いて、(4-1)-(4-4)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(60mg)を白色固体として得た。MS(APCI)m/z:398.2[M+H]+
【0346】
実施例7
(7-1)1-[5-(4-ヘキシルフェニル)ペンタノイル]アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート(実施例化合物7)
【0347】
【0348】
実施例4において2-(4-ヨードフェニル)酢酸の代わりに4-(4-ヨードフェニル)ペンタン酸、1-ウンデシンの代わりに1-ヘキシンを用いて、(4-1)-(4-4)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(62mg)を白色固体として得た。MS(APCI)m/z:398.3[M+H]+
【0349】
実施例8
(8-1)1-{3-[4-(オクチルオキシ)フェニル]プロパノイル}アゼチジン-3-イル ジハイドロゲン ホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物8)
【0350】
【0351】
実施例1において1-ブロモノナンの代わりに1-ブロモオクタンを用いて、(1-1)-(1-4)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(81mg)を白色粉末として得た。MS(APCI)m/z:414.3[M+H]+
【0352】
実施例9
(9-1)1-{3-[4-(デシルオキシ)フェニル]プロパノイル}アゼチジン-3-イル ジハイドロゲン ホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物9)
【0353】
【0354】
実施例1において1-ブロモノナンの代わりに1-ブロモデカンを用いて、(1-1)-(1-4)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(94mg)を白色粉末として得た。MS(APCI)m/z:442.3[M+H]+
【0355】
実施例10
(10-1)メチル 10-(4-メチルフェニル)-10-オキサデカノアート(実施例化合物10-1)
【0356】
【0357】
トリクロロアルミニウム(2.27g)、ジクロロメタン(42.6mL)の懸濁液に、氷冷下メチル 10-クロロ-10-オキサデカノアート(2.0g)を加え室温にて15分撹拌した後、トルエン(1.36mL)を氷冷下滴下した。その後、室温にて3時間撹拌した。反応液を氷水にあけ、クロロホルムで抽出後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順に洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。得られた残渣をNHシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0~85:15)にて精製することにより,標題化合物(1.58g)を白色固体として得た。 MS(APCI)m/z:291.2[M+H]+
【0358】
(10-2)10-(4-メチルフェニル)-10-オキサデカン酸(実施例化合物10-2)
【0359】
【0360】
実施例化合物10-1(1.58g)、メタノール(10mL)の溶液に1N水酸化ナトリウム水溶液(10.9mL)とテトラヒドロフラン(10mL)を加えて室温にて4時間撹拌した。氷冷下、反応液に1N塩酸と氷水を加え、析出した固体を濾取することにより、標題化合物(1.45g)を白色固体として得た。MS(APCI)m/z:275.2[M+H]-
【0361】
(10-3)10-(4-メチルフェニル)デカン酸(実施例化合物10-3)
【0362】
【0363】
実施例化合物10-2(1.45g)、トリフルオロ酢酸(14.5mL)溶液に、氷冷下トリエチルシラン(2.51mL)を加え、室温にて3時間撹拌した。反応液に氷冷下、氷水を加えた。析出した固体にメタノールを加え、超音波で懸洗、濾取、減圧乾燥することにより、標題化合物(1.18g)を白色固体として得た。MS(APCI)m/z:261.2[M+H]-
【0364】
(10-4)ジベンジル 1-[10-(4-メチルフェニル)デカノイル]アゼチジン-3-イル ホスフェート(実施例化合物10-4)
【0365】
【0366】
参考例化合物2(240mg)のジクロロメタン(1.8mL)溶液に、氷冷下トリフルオロ酢酸(0.848mL)を加え、氷冷下で1.5時間撹拌した後、氷冷のまま反応液にジクロロメタン(4.0mL)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(3.81mL)を加えた後、N,N-ジメチルホルムアミド(2mL)、実施例化合物10-3(72mg)、HATU(125mg)を加え、氷冷のまま1時間撹拌した。反応液に、ジクロロメタンと水を加え、ジクロロメタンで抽出後、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣を、分取HPLC(10mM炭酸アンモニウム水溶液-アセトニトリル)にて精製することにより、標題化合物(110mg)を黄色油状物として得た。MS(APCI)m/z:578.4[M+H]+
【0367】
(10-5)1-[10-(4-メチルフェニル)デカノイル]アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート(実施例化合物10)
【0368】
【0369】
実施例化合物10-4(105mg)、10%パラジウム炭素(60mg)、エタノール(3mL)の懸濁液を、水素雰囲気下、室温にて2時間撹拌した。反応液をシリンジフィルターに通しパラジウム炭素を除去した後、テトラヒドロフランで洗浄、濾液を濃縮した。得られた残渣にテトラヒドロフラン、アセトニトリルを加え析出した固体を濾取することにより、標題化合物(63mg)を白色固体として得た。MS(ESI)m/z:398.3[M+H]+
【0370】
実施例11
(11-1)1-(11-フェニルウンデカノイル]アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート(実施例化合物11)
【0371】
【0372】
実施例4において2-(4-ヨードフェニル)酢酸の代わりにヨードフェニル、1-ウンデシンの代わりに10-ウンデシン酸を用いて、(4-1)-(4-4)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(218mg)を白色固体として得た。MS(ESI)m/z:398.3[M+H]+
【0373】
実施例12
(12-1)ジベンジル {3-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]プロピル}ホスホナート(実施例化合物12-1)
【0374】
【0375】
ジベンジルホスファイト(2.20g)のN,N-ジメチルホルムアミド(28mL)溶液に、水素化ナトリウム(336mg)を加え、室温で1時間撹拌した後、tert-ブチル N-(3-ブロモプロピル)カルバメート(2.00g)を加え、80℃にて3時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水とbrineで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=50:50~20:80)にて精製することにより、標題化合物(2.76g)を無色油状物として得た。MS(ESI)m/z:320.1[M-Boc+H]+
【0376】
(12-2)ジベンジル (3-{[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ}プロピル)ホスホナート(実施例化合物12-2)
【0377】
【0378】
実施例化合物12-1(1.37g)のジクロロメタン(16.3mL)溶液に、氷冷下トリフルオロ酢酸(1.25mL)を加え、同温で1時間撹拌した。氷冷下メタノール(16.3mL)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(2.83mL)を加えた後、4-メトキシベンズアルデヒド(0.42mL)を加え、室温にて2時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:0~90:10)にて精製することにより、標題化合物(247mg)を黄色油状物として得た。MS(ESI)m/z:440.4[M+H]+
【0379】
(12-3)ジベンジル [3-({3-[3-(デシルオキシ)フェニル]プロパノイル}[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ)プロピル]ホスホナート(実施例化合物12-3)
【0380】
【0381】
実施例化合物12-2(220mg)、N,N-ジメチルホルムアミド(5.0mL)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.26mL)、参考例化合物5(153mg)の混合液に、HATU(285mg)を加え、室温下、4時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液とクロロホルムを加えて撹拌した後に、有機層をPhase-separator(登録商標)で分離し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=60:40~30:70)にて精製することにより、標題化合物(330mg)を無色油状物として得た。
【0382】
(12-4)[3-({3-[3-(デシルオキシ)フェニル]プロパノイル}[(4-メトキシフェニル)メチル]アミノ)プロピル]ホスホン酸 アンモニウム塩(実施例化合物12)
【0383】
【0384】
実施例化合物12-4(330mg)をエタノール(4.4mL)に溶解させ、7.5%パラジウム炭素(64mg)を加え、水素雰囲気下室温にて3時間攪拌した後、反応液を濾過した。濾液を濃縮し、得られた残渣を分取HPLC(10mM炭酸アンモニウム水溶液-アセトニトリル)にて精製することにより、標題化合物(165mg)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:548.2[M+H]+
【0385】
実施例13
(13-1)1-{4-[3-(ウンデシルオキシ)フェニル]ピリジン-2-イル}アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物13)
【0386】
【0387】
実施例化合物133-2(150mg)のN-メチルピロリドン(4.3mL)溶液に、参考例化合物1(139mg)、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(0.198mL)を加え、100℃で6時間撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣にジクロロメタン(4.4mL)、トリフルオロ酢酸(0.45mL)を加え、室温で2時間撹拌した後、反応混合物を減圧濃縮した。得られた残渣を分取HPLC(10mM炭酸アンモニウム水溶液-アセトニトリル)にて精製することにより、標題化合物(21mg)を淡黄色粘体として得た。MS(APCI)m/z:477.3[M+H]+
【0388】
実施例14
(14-1)3-(ウンデシルオキシ)ベンゾニトリル(実施例化合物14-1)
【0389】
【0390】
3-ヒドロキシベンゾニトリル(500mg)、1-ブロモウンデカン(1.12mL)、炭酸セシウム(3.42g)、N,N-ジメチルホルムアミド(8.4mL)の混合物を70℃で一昼夜撹拌した。反応混合物に水を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0~90:10)にて精製することにより、標題化合物(1.09g)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:247.3(M+H)+。
【0391】
(14-2)1-[3-(ウンデシルオキシ)フェニル]メタンアミン(実施例化合物14-2)
【0392】
【0393】
実施例化合物14-1(650mg)、塩化ニッケル(II)6水和物(113mg)のメタノール(11.9mL)溶液に、氷冷下水素化ホウ素ナトリウム(540mg)を少しずつ加え、同温で3時間撹拌した。氷冷下ジエチレントリアミン(0.77mL)を加えることで反応を止め、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:0~90:10)にて精製することにより、標題化合物(545mg)を無色固体として得た。MS(APCI)m/z:278.2(M+H)+。
【0394】
(14-3)1-({[3-(ウンデシルオキシ)フェニル]メチル}カルバモイル)アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物14)
【0395】
【0396】
実施例化合物14-2(162mg)のN,N-ジメチルホルムアミド(1.9mL)の溶液に、氷冷下1,1’-カルボニルジイミダゾール(95mg)を加え、同温で2時間撹拌した。氷冷下、参考例化合物1(170mg)に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.12mL)を加え、室温で終夜撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣にジクロロメタン(5.8mL)、トリフルオロ酢酸(0.58mL)を加え、室温で2時間撹拌し、反応液を減圧濃縮した。得られた残渣を分取HPLC(10mM炭酸アンモニウム水溶液-アセトニトリル)にて精製することにより、標題化合物(205mg)を白色固体として得た。MS(APCI)m/z:457.3(M+H)+
【0397】
実施例15
(15-1)1-[8-(4-プロピルフェニル)オクタノイル]アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート(実施例化合物15)
【0398】
【0399】
実施例10においてメチル 10-クロロ-10-オキサデカノアートの代わりにプロパノイルクロリド、トルエンの代わりに8-フェニルオクタン酸を用いて、(10-1)、(10-3)-(10-5)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(68mg)を白色固体として得た。MS(ESI)m/z:398.3[M+H]+
【0400】
実施例16
(16-1)9-(4-アセチルフェニル)ノナン酸(実施例化合物16-1)
【0401】
【0402】
トリクロロアルミニウム(6.83g)、ジクロロメタン(64mL)の懸濁液に、氷冷下アセチルクロリド(2.01mL)を加え室温にて10分撹拌した後、9-フェニルノナン酸(3.00g)のジクロロメタン(15mL)溶液を滴下し、そのまま3時間撹拌した。反応液を氷水にあけ、クロロホルムで抽出後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、珪藻土により不溶物を濾去した後濾液を減圧下濃縮した。得られた残渣に水(150mL)、メタノール(5mL)、4N水酸化ナトリウム水溶液(10mL)を加え撹拌後、氷水(50mL)、1N塩酸(50mL)を加え、析出した固体を濾取することにより、標題化合物(2.74g)を白色固体として得た。 MS(APCI)m/z:275.2[M-H]-
【0403】
(16-2)9-(4-エチルフェニル)ノナン酸(実施例化合物16-2)
【0404】
【0405】
実施例化合物16-1(2.74g)、トリフルオロ酢酸(27.5mL)溶液に、氷冷下トリエチルシラン(4.77mL)を加え、室温にて2時間撹拌した。反応液を濃縮後、氷水を加え、酢酸エチルで抽出後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去した。析出した固体にジエチルエーテルを加え、超音波で懸洗、濾取、減圧乾燥することにより、標題化合物(2.06g)を白色固体として得た。MS(APCI)m/z:261.1[M-H]-
【0406】
(16-3)9-(4-エチルフェニル)-1-(3-ヒドロキシアゼチジン-1-イル)ノナン-1-オン(実施例化合物16-3)
【0407】
【0408】
実施例化合物16-2(1.30g)、アゼチジン-3-オール塩酸塩(0.65mg)をN,N-ジメチルホルムアミド(19.8mL)に溶解させ、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.71mL)、HATU(2.26g)を加え、室温にて1時間攪拌した。反応液に0℃にて水(20mL)を加え、析出した固体を濾取した後、トルエン共沸することにより、標題化合物(1.43g)を白色固体として得た。MS(ESI)m/z:318.3(M+H)+
【0409】
(16-4)ジベンジル 1-[9-(4-エチルフェニル)ノナノイル]アゼチジン-3-イル ホスフェート(実施例化合物16-4)
【0410】
【0411】
実施例化合物16-3(980mg)をジクロロメタン(9.8mL)とアセトニトリル(3.9mL)に懸濁させ、0℃にて1H-テトラゾール(238mg)、ジベンジル N,N-ジイソプロピルホスホロアミダイト(1.27mL)を加え、室温にて1時間攪拌した。0℃に冷却後、30%過酸化水素水(0.35mL)を加え、室温にて1時間攪拌した。反応液に0℃にて飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(10mL)を加え、室温にて10分攪拌した。酢酸エチルで抽出、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣と粗精製体(750mg)を合わせてシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=60:40~40:60)にて精製することにより、標題化合物(1.95g)を無色粘体として得た。MS(ESI)m/z:578.6(M+H)+
【0412】
(16-5)1-[9-(4-エチルフェニル)ノナノイル]アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート(実施例化合物16)
【0413】
【0414】
実施例化合物16-4(1.95g)をメタノール(16.9mL)に溶解させ、パラジウム炭素(585mg)を加え、水素雰囲気下で室温にて20時間攪拌した。窒素置換後、反応液をシリンジフィルターに通しパラジウム炭素を除去した後、メタノールで洗いこんだ。溶媒留去後、得られた固体と粗精製体(140mg)を合わせてアセトニトリル(10mL)に懸濁させ80℃に加熱後、エタノール(1mL)を加え溶解させた。室温まで自然冷却後析出した固体を濾取し、アセトニトリル:エタノール=10:1にて洗浄することにより、標題化合物(1.10g)を白色粉末として得た。MS(ESI)m/z:398.3(M+H)+
【0415】
実施例17
(17-1)5-(4-メチルフェニル)-4-ペンチン-1-オール(実施例化合物17-1)
【0416】
【0417】
1-ヨード-4-メチルベンゼン(3.00g)をN,N-ジイソプロピルエチルアミン(48mL)に溶解させ、4-ペンチン-1-オール(1.54mL)、ヨウ化銅(I)(86mg)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(319mg)を加え、脱気操作を行った後、窒素雰囲気下、室温で3時間撹拌した。反応液を濾過した後、濾液を濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=75:25~50:50)にて精製することにより、標題化合物(2.34g)を茶色粉末として得た。MS(APCI)m/z:175.1[M+H]+
【0418】
(17-2)5-(4-メチルフェニル)ペンタン-1-オール(実施例化合物17-2)
【0419】
【0420】
実施例化合物17-1(2.26g)をエタノール(43.3mL)に溶解させ、10%パラジウム炭素(453mg)を加え、水素雰囲気下室温にて15.5時間攪拌した後、反応液を濾過した。濾液を濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=70:30~50:50)にて精製することにより、標題化合物(2.22g)を茶色油状物として得た。MS(APCI)m/z:196.1[M+NH4]+
【0421】
(17-3)メチル 3-(4-{[5-(4-メチルフェニル)ペンチル]オキシ}フェニル)プロパノアート(実施例化合物17-3)
【0422】
【0423】
実施例化合物17-2(1.00g)をテトラヒドロフラン(18.7mL)に溶解させ、トリフェニルホスフィン(2.21g)を加え、氷冷下、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(3.82mL)を滴下した後、室温下、19.5時間撹拌した。溶媒を減圧留去した後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=90:10~80:20)にて精製することにより、標題化合物(496mg)を白色粉末として得た。MS(APCI)m/z:341.0[M+H]+
【0424】
(17-4)3-(4-{[5-(4-メチルフェニル)ペンチル]オキシ}フェニル)プロパン酸(実施例化合物17-4)
【0425】
【0426】
実施例化合物17-3(488mg)をメタノール(2.39mL)、テトラヒドロフラン(2.39mL)に溶解させ、2N水酸化ナトリウム水溶液(2.37mL)を滴下した後、60℃にて30分間撹拌した。溶媒を減圧留去し、水(5mL)、メタノール(2mL)とアセトニトリル(2mL)を加えた後、氷冷下、1N塩酸(5mL)を滴下し、ソニケーションした後、析出した固体を水にて洗浄することにより、標題化合物(396mg)を白色粉末として得た。MS(APCI)m/z:344.2[M+NH4]+
【0427】
(17-5)1-[3-(4-{[5-(4-メチルフェニル)ペンチル]オキシ}フェニル)プロパノイル]アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物17)
【0428】
【0429】
実施例1において実施例化合物1-2の代わりに実施例化合物17-4を用いて、(1-3)-(1-4)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(64mg)を白色粉末として得た。MS(APCI)m/z:462.3[M+H]+
【0430】
実施例18
(18-1)ジベンジル (3R)-1-{3-[3-(デシルオキシ)フェニル]プロパノイル}ピロリジン-3-イル ホスフェート(実施例化合物18-1)
【0431】
【0432】
参考例化合物3(370mg)をジクロロメタン(2.07mL)に溶解させ、氷冷下、トリフルオロ酢酸(1.27mL)を滴下し、氷冷下、1時間撹拌した。氷冷下、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(3.56mL)を加えた後、N,N-ジメチルホルムアミド(2.0mL)、参考例化合物5(140mg)、HATU(261mg)を加え、室温下、85分間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水を加え、酢酸エチルで抽出後、水、飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール=100:0~95:5)にて精製することにより、標題化合物(251mg)を淡黄色油状物として得た。MS(APCI)m/z:636.4[M+H]+
【0433】
(18-2)(3R)-1-{3-[3-(デシルオキシ)フェニル]プロパノイル}ピロリジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物18)
【0434】
【0435】
実施例化合物18-1(243mg)をメタノール(3.82mL)に溶解させ、10%パラジウム炭素(80mg)を加え、水素雰囲気下室温にて3時間攪拌した後、反応液を濾過した。濾液を濃縮し、得られた残渣を分取HPLC(10mM炭酸アンモニウム水溶液-アセトニトリル)にて精製することにより、標題化合物(139mg)を白色粉末として得た。MS(APCI)m/z:456.4[M+H]+
【0436】
実施例19
(19-1)ジベンジル (3R)-1-{3-[3-(ウンデシルオキシ)フェニル]プロパノイル}ピロリジン-3-イル ホスフェート(実施例化合物19-1)
【0437】
【0438】
参考例化合物3(370mg)をジクロロメタン(2.07mL)に溶解させ、氷冷下、トリフルオロ酢酸(1.27mL)を滴下し、氷冷下、1時間撹拌した。氷冷下、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(3.56mL)を加えた後、N,N-ジメチルホルムアミド(2mL)、実施例化合物3-2(147mg)、HATU(262mg)を加え、室温下、100分間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水を加え、酢酸エチルで抽出後、水、飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール=100:0~95:5)にて精製することにより、標題化合物(230mg)を淡黄色油状物として得た。MS(APCI)m/z:650.4[M+H]+
【0439】
(19-2)(3R)-1-{3-[3-(ウンデシルオキシ)フェニル]プロパノイル}ピロリジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物19)
【0440】
【0441】
実施例化合物19-1(222mg)をメタノール(3.42mL)に溶解させ、10%パラジウム炭素(111mg)を加え、水素雰囲気下室温にて3時間攪拌した後、反応液を濾過した。濾液を濃縮し、得られた残渣を分取HPLC(10mM炭酸アンモニウム水溶液-アセトニトリル)にて精製することにより、標題化合物(131mg)を白色粉末として得た。MS(APCI)m/z:470.4[M+H]+
【0442】
実施例20
(20-1)(3R)-1-{3-[4-(ノニルオキシ)フェニル]プロパノイル}ピロリジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物20)
【0443】
【0444】
実施例18において参考例化合物5の代わりに実施例化合物1-2を用いて、(18-1)-(18-2)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(141mg)を白色粉末として得た。MS(APCI)m/z:442.4[M+H]+
【0445】
実施例21
(21-1)1-(10-フェニルデカノイル]アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート(実施例化合物21)
【0446】
【0447】
実施例4において実施例化合物4-2の代わりに10-フェニルデカン酸を用いて、(4-3)-(4-4)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(104mg)を白色固体として得た。MS(ESI)m/z:384.3[M+H]+
【0448】
実施例22
(22-1)1-(3-{4-[2-(4-メチルフェニル)エトキシ]フェニル}プロパノイル)アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物22)
【0449】
【0450】
実施例1において1-ブロモノナンの代わりに1-(2-ブロモエチル)-4-メチルベンゼンを用いて、(1-1)-(1-4)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(138mg)を白色粉末として得た。MS(APCI)m/z:418.1[M-H]-
【0451】
実施例23
(23-1)1-(11-フェニルウンデカノイル]ピロリジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート(実施例化合物23)
【0452】
【0453】
実施例4において実施例化合物4-2の代わりに10-フェニルデカン酸、参考例化合物2の代わりに参考例化合物3を用いて、(4-3)-(4-4)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(101mg)を白色固体として得た。MS(ESI)m/z:412.3[M+H]+
【0454】
実施例24
(24-1)(3R)-1-[9-(4-エチルフェニル)ノナノイル]ピロリジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物24)
【0455】
【0456】
実施例1において実施例化合物1-2の代わりに実施例化合物16-2、参考例化合物2の代わり参考例化合物3を用いて、(1-3)-(1-4)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(92mg)を無色油状物として得た。MS(ESI)m/z:412.3[M+H]+
【0457】
実施例25
(25-1)(3R)-1-[10-(4-メチルフェニル)デカノイル]ピロリジン-3-イル ジハイドロゲン ホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物25)
【0458】
【0459】
実施例1において実施例化合物1-2の代わりに実施例化合物10-3、参考例化合物2の代わり参考例化合物3を用いて、(1-3)-(1-4)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(115mg)を白色固体として得た。MS(ESI)m/z:412.3[M+H]+
【0460】
実施例26
(26-1)メチル 4-[(4-オクチルオキシ)フェニル]ブタノアート(実施例化合物26-1)
【0461】
【0462】
メチル 4-(4-ヒドロキシフェニル)ブタノアート(350mg)、炭酸カリウム(383mg)、N,N-ジメチルホルムアミド(6.0mL)、の懸濁液に、1-ブロモオクタン(0.329mL)を加え、室温にて24時間撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出後、水、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去することにより、標題化合物(560mg)を黄色液体として得た。 MS(APCI)m/z:324.1[M+NH4]+
【0463】
(26-2)4-[4-(オクチルオキシ)フェニル]ブタン酸(実施例化合物26-2)
【0464】
【0465】
実施例化合物26-1(560mg)、メタノール(3mL)の溶液に1N水酸化ナトリウム水溶液(3.6mL)とテトラヒドロフラン(4mL)を加えて室温にて3時間撹拌した。氷冷下、反応液に1N塩酸と水を加え、析出した固体を濾取することにより、標題化合物(220mg)を白色固体として得た。MS(APCI)m/z:291.1[M-H]-
【0466】
(26-3)ジベンジル 1-{4-[4-(オクチルオキシ)フェニル]ブタノイル}アゼチジン-3-イル ホスフェート(実施例化合物26-3)
【0467】
【0468】
参考例化合物2(400mg)のジクロロメタン(3.1mL)溶液に、氷冷下トリフルオロ酢酸(1.43mL)を加え、氷冷下1時間撹拌した後、氷冷のまま反応液にジクロロメタン(6mL)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(6.4mL)を加えた後、実施例化合物26-2(158mg)、HATU(246mg)を加え、氷冷のまま1時間撹拌した。反応液に、ジクロロメタンと水を加え、ジクロロメタンで抽出後、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣を、分取HPLC(10mM炭酸アンモニウム水溶液-アセトニトリル)にて精製することにより、標題化合物(194mg)を淡黄色油状物として得た。MS(APCI)m/z:608.5[M+H]+
【0469】
(26-4)1-{4-[4-(オクチルオキシ)フェニル]ブタノイル}アゼチジン-3-イル ジハイドロゲン ホスフェート(実施例化合物26)
【0470】
【0471】
実施例化合物26-3(190mg)、10%パラジウム炭素(60mg)、エタノール(3mL)の懸濁液を、水素雰囲気下、室温にて90分撹拌した。反応液をシリンジフィルターに通しパラジウム炭素を除去した後、テトラヒドロフランで洗浄、濾液を濃縮した。得られた残渣にテトラヒドロフラン、アセトニトリルを加え析出した固体を濾取することにより、標題化合物(112mg)を白色固体として得た。MS(APCI)m/z:428.3[M+H]+
【0472】
実施例27
(27-1)(3R)-1-[5-(4-ヘキシルフェニル)ペンタノイル]ピロリジン-3-イル ジハイドロゲン ホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物27)
【0473】
【0474】
実施例4において2-(4-ヨードフェニル)酢酸の代わりに4-(4-ヨードフェニル)ペンタン酸、1-ウンデシンの代わりに1-ヘキシン、参考例化合物2の代わりに参考例化合物3を用いて、(4-1)-(4-4)と同様の反応、処理をすることにより得られた残渣を、分取HPLC(10mM炭酸アンモニウム水溶液-アセトニトリル)にて精製することにより、標題化合物(93mg)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:412.4[M+H]+
【0475】
実施例28
(28-1)tert-ブチル (2-{[ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル]オキシ}エチル)カルバメート(実施例化合物28-1)
【0476】
【0477】
tert-ブチル (2-ヒドロキシエチル)カルバメート(5.0g)、ジクロロメタン(50mL)、1H-テトラゾール(4.34g)の懸濁液にアセトニトリル(25mL)を加えた後、ジベンジル N,N-ジイソプロピルホスホロアミダイト(20.8mL)を加え、室温にて3時間撹拌した後、氷冷下tert-ブチルヒドロペルオキシド(70%水溶液、12.4mL)を加えそのまま1時間撹拌した。反応液を濃縮後、残渣にヘキサンを加え、不溶物を濾去し、母液を減圧下濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=100:0~40:60)にて精製することにより、標題化合物(10.47g)を白色固体として得た。MS(APCI)m/z:422.0[M+H]+
【0478】
(28-2)tert-ブチル (2-{[ビス(ベンジルオキシ)ホスホリル]オキシ}エチル)プロピルカルバメート(実施例化合物28-2)
【0479】
【0480】
水素化ナトリウムをN,N-ジメチルホルムアミド(2mL)に溶解させ、氷冷下、実施例化合物28-1(350mg)のN,N-ジメチルホルムアミド(2mL)溶液を滴下し、氷冷下、20分間撹拌した。氷冷下、1-ヨードプロパン(2mL)を滴下した後、室温下、90分間撹拌した。氷冷下、反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出後、飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=75:25~50:50)にて精製することにより、標題化合物(210mg)を淡黄色油状物として得た。MS(APCI)m/z:464.0[M+H]+
【0481】
(28-3)ジベンジル 2-[{3-[3-(デシルオキシ)フェニル]プロパノイル}(プロピル)アミノ]エチル ホスフェート(実施例化合物28-3)
【0482】
【0483】
実施例化合物28-2(390mg)をジクロロメタン(2.1mL)に溶解させ、氷冷下、トリフルオロ酢酸(1.29mL)を滴下し、氷冷下、1時間撹拌した。氷冷下、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(3.63mL)を加えた後、N,N-ジメチルホルムアミド(2mL)、参考例化合物5(143mg)、HATU(266mg)を加え、室温下、3時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水を加え、酢酸エチルで抽出後、水、飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=60:40~40:60)にて精製することにより、標題化合物(222mg)を淡黄色油状物として得た。MS(APCI)m/z:652.1[M+H]+
【0484】
(28-4)2-[{3-[3-(デシルオキシ)フェニル]プロパノイル}(プロピル)アミノ]エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物28)
【0485】
【0486】
実施例化合物28-3(213mg)をメタノール(3.27mL)に溶解させ、10%パラジウム炭素(106mg)を加え、水素雰囲気下室温にて200分間攪拌した後、反応液を濾過した。濾液を濃縮し、得られた残渣を分取HPLC(10mM炭酸アンモニウム水溶液-アセトニトリル)にて精製することにより、標題化合物(52mg)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:472.2[M+H]+
【0487】
実施例29
(29-1)4-{4-[2-(4-メチルフェニル)エチル]フェニル}ブタン酸(実施例化合物29-1)
【0488】
【0489】
4-(4-ブロモフェニル)酪酸(2.00g)、4-エチニルトルエン(1.04g)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(484mg)、ヨウ化銅(I)(263mg)、トリエチルアミン(6.89mL)の混合物を60℃で一昼夜撹拌した。反応混合物に1N塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=25:75~0:100)にて精製後、再度シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=50:50~25:75)にて精製した。残渣をジイソプロピルエーテルにて洗浄することにより、標題化合物(484mg)を無色固体として得た。MS(ESI)m/z:277.3(M-H)-。
【0490】
(29-2)ジベンジル (3R)-1-(4-{4-[2-(メチルフェニル)エチル]フェニル}ブタノイル)ピロリジン-3-イル ホスフェート(実施例化合物29-2)
【0491】
【0492】
参考例化合物3(600mg)の ジクロロメタン(3.2mL)溶液に、氷冷下、トリフルオロ酢酸(1.3mL)を加え、同温で1時間撹拌したのち、反応混合物を減圧濃縮した。残渣にN,N-ジイソプロピルエチルアミン(3.6mL)、N,N-ジメチルホルムアミド(2.7mL)、実施例化合物29-1(300mg)、HATU(615mg)を加え、室温で終夜撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:0~94:6)にて精製後、再度、分取HPLC(10mM炭酸アンモニウム水溶液-アセトニトリル)にて精製することにより、標題化合物(541mg)を淡黄色粘体として得た。MS(APCI)m/z:608.4(M+H)+
【0493】
(29-3)(3R)-1-(4-{4-[2-(4-メチルフェニル)エチル]フェニル}ブタノイル)ピロリジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物29)
【0494】
【0495】
実施例化合物29-2(284mg)のエタノール(4.7mL)溶液に、7.5%パラジウム炭素(28mg)を加え、水素雰囲気下室温で6時間撹拌した。反応液の不溶物を珪藻土により濾去した後、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣を分取HPLC(10mM炭酸アンモニウム水溶液-アセトニトリル)にて精製することにより、標題化合物(151mg)を無色固体として得た。MS(ESI)m/z:432.3(M+H)+
【0496】
実施例30
(30-1){8-[(シス)-2-オクチルシクロプロピル]オクタン酸(実施例化合物30-1)
【0497】
【0498】
2,4,6-トリクロロフェノール(1.40g)のジクロロメタン(17.7mL)溶液に、-50℃でジエチル亜鉛 (1.00mol/Lトルエン溶液、7.08mL)を加え、同温で15分撹拌後、ジヨードメタン(0.57mL)を加え、同温でさらに15分撹拌後、オレイン酸(500mg)を加え、徐々に室温まで昇温させながら一昼夜撹拌した。反応混合物に1N塩酸を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:0~94:6)にて精製することにより、標題化合物(522mg)を黄色油状物として得た。MS(ESI)m/z:295.4(M-H)-。
【0499】
(30-2)ジ-tert-ブチル (3R)-1-{8-[(シス)-2-オクチルシクロプロピル]オクタノイル}ピロリジン-3-イル ホスフェート(実施例化合物30-2)
【0500】
【0501】
実施例化合物30-1(150mg)のN,N-ジメチルホルムアミド(5.1mL)溶液に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.26mL)、参考例化合物4(155mg)、HATU(289mg)を加え、室温で終夜撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:0~95:5)にて精製することにより、標題化合物(238mg)を黄色油状物として得た。MS(APCI)m/z:558.1(M+H)+
【0502】
(30-3)(3R)-1-{8-[(シス)-2-オクチルシクロプロピル]オクタノイル}ピロリジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物30)
【0503】
【0504】
実施例化合物30-2(230mg)のジクロロメタン(4.1mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(0.41mL)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液を減圧濃縮した。得られた残渣を分取HPLC(10mM炭酸アンモニウム水溶液-アセトニトリル)にて精製することにより、標題化合物(145mg)を無色固体として得た。MS(APCI)m/z:446.5(M+H)+
【0505】
実施例31
(31-1)3-[3-(4-フェニルブトキシ)フェニル]プロピオン酸(実施例化合物31-1)
【0506】
【0507】
実施例1においてメチル-3-(4-ヒドロキシフェニル)プロパノアートの代わりにメチル 3-(3-ヒドロキシフェニル)プロパノアート、1-ブロモノナンの代わりに4-ブロモブチルベンゼンを用いて、(1-1)-(1-2)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(188mg)を無色油状物として得た。MS(ESI)m/z:297.1(M-H)-
(31-2)(3R)-1-{3-[3-(4-フェニルブトキシ)フェニル]プロパノイル}ピロリジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物31)
【0508】
【0509】
実施例30において実施例化合物30-1の代わりに実施例化合物31-11を用いて(30-2)-(30-3)と同様の反応、処理することにより、標題化合物(240mg)を無色粘体として得た。MS(APCI)m/z:448.4(M+H)+
【0510】
実施例32
(32-1)2-[{3-[3-(デシルオキシ)フェニル]プロパノイル}(エチル)アミノ]エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物32)
【0511】
【0512】
実施例28においてtert-ブチル (2-ヒドロキシエチル)カルバメートの代わりにtert-ブチル エチル(2-ヒドロキシエチル)カルバメートを用いて、(28-1)、(28-3)-(28-4)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(69mg)を淡黄色油状物として得た。MS(APCI)m/z:458.2[M+H]+
【0513】
実施例33
(33-1)tert-ブチル (2-ヒドロキシメチル)(2-メチルプロピル)カルバメート(実施例化合物33-1)
【0514】
【0515】
2-(イソブチルアミノ)エタノール塩酸塩(1.00g)をアセトニトリル(5mL)に溶解させ、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.13mL)を滴下した後、ジ-tert-ブチル ジカルボネート(1420mg)のアセトニトリル(5mL)溶液を滴下した後、室温下、4.5時間撹拌した。溶媒を減圧留去した後、水を加え、クロロホルムで抽出後、飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=65:35~50:50)にて精製することにより、標題化合物(1.41g)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:217.9[M+H]+
【0516】
(33-2)2-[{3-[3-(デシルオキシ)フェニル]プロパノイル}(2-メチルプロピル)アミノ]エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物33)
【0517】
【0518】
実施例28においてtert-ブチル (2-ヒドロキシエチル)カルバメートの代わりに実施例化合物33-1を用いて、(28-1)、(28-3)-(28-4)と同様の反応、処理することにより、標題化合物(84mg)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:486.4[M+H]+
【0519】
実施例34
(34-1)4-ペンチン酸ベンジル(実施例化合物34-1)
【0520】
【0521】
4-ペンチン酸(2.00g)、ベンジルブロミド(2.67mL)、炭酸カリウム(5.64g)、N,N-ジメチルホルムアミド(20mL)の混合物を室温で一昼夜撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=95:5~85:15)にて精製することにより、標題化合物(3.72g)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:189.2(M+H)+。
【0522】
(34-2)1-ヨード-3-(オクチルオキシ)ベンゼン(実施例化合物34-2)
【0523】
【0524】
3-ヨードフェノール(1.50g)、1-ブロモオクタン(1.30mL)、炭酸カリウム(2.36g)、N,N-ジメチルホルムアミド(14mL)の混合物を60℃で一昼夜撹拌した。反応混合物に水を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0~99:1)にて精製することにより、標題化合物(2.18g)を無色油状物として得た。
【0525】
(34-3)ベンジル 5-[3-(オクチルオキシ)フェニル]-4-ペンチノアート(実施例化合物34-3)
【0526】
【0527】
実施例化合物34-2(300mg)、実施例化合物34-1(204mg)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(63mg)、ヨウ化銅(I)(17mg)、トリエチルアミン(3.01mL)の混合物を70℃で一昼夜撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を1N塩酸と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0~90:10)にて精製することにより、標題化合物(341mg)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:393.4(M+H)+。
【0528】
(34-4)5-[(3-オクチルオキシ)フェニル]ペンタン酸(実施例化合物34-4)
【0529】
【0530】
実施例化合物34-3(341mg)のエタノール(8.7mL)溶液に、7.5%パラジウム炭素(34mg)を加え、水素雰囲気下室温で一昼夜撹拌した。反応液の不溶物を珪藻土により濾去した後、濾液を減圧濃縮することにより、標題化合物(313mg)を淡黄色油状物として得た。MS(APCI)m/z:305.2(M-H)-
【0531】
(34-5)ジベンジル 1-{5-[3-(オクチルオキシ)フェニル]ペンタノイル}アゼチジン-3-イル ホスフェート(実施例化合物34-5)
【0532】
【0533】
参考例化合物2(440mg)の ジクロロメタン(2.2mL)溶液に、氷冷下、トリフルオロ酢酸(0.89mL)を加え、同温で2時間撹拌した。氷冷下、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(2.9mL)、N,N-ジメチルホルムアミド(2.2mL)、実施例化合物34-4(270mg)、HATU(503mg)を加え、室温で3時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣を分取HPLC(10mM炭酸アンモニウム水溶液-アセトニトリル)にて精製することにより、標題化合物(98mg)を淡黄色油状物として得た。MS(APCI)m/z:622.5(M+H)+
【0534】
(34-6)1-{5-[3-(オクチルオキシ)フェニル]ペンタノイル}アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物34)
【0535】
【0536】
実施例化合物34-5(98mg)のエタノール(1.6mL)溶液に、7.5%パラジウム炭素(10mg)を加え、水素雰囲気下室温で5時間撹拌した。反応液の不溶物を珪藻土により濾去した後、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣を分取HPLC(10mM炭酸アンモニウム水溶液-アセトニトリル)にて精製することにより、標題化合物(51mg)を無色固体として得た。MS(APCI)m/z:442.5(M+H)+
【0537】
実施例35
(35-1)1-{5-[3-(ヘキシルオキシ)フェニル]ペンタノイル}アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物35)
【0538】
【0539】
実施例34において1-ブロモオクタンの代わりに1-ブロモヘキサンを用いて、(34-2)-(34-6)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(185mg)を無色固体として得た。MS(APCI)m/z:414.4(M+H)+
【0540】
実施例36
(36-1)9-(4-エチルフェニル)-N-(2-ヒドロキシエチル)-N-(2-メトキシエチル)ノナンアミド(実施例化合物36-1)
【0541】
【0542】
実施例化合物16-2(200mg)をN,N-ジメチルホルムアミド(1.81mL)に溶解させ、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.396mL)、HATU(435mg)を加えた後、2-[(2-メトキシエチル)アミノ]エタン-1-オール(109mg)のN,N-ジメチルホルムアミド(2mL)溶液を滴下した後、室温下、14時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水を加え、酢酸エチルで抽出後、飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=67:33~50:50)にて精製することにより、標題化合物(153mg)を淡黄色油状物として得た。MS(APCI)m/z:364.4[M+H]+
【0543】
(36-2)ジベンジル 2-{[9-(4-エチルフェニル)ノナノイル](2-メトキシエチル)アミノ}エチル ホスフェート(実施例化合物36-2)
【0544】
【0545】
実施例化合物36-1(135mg)をジクロロメタン(2mL)とアセトニトリル(0.809mL)に溶解させ、氷冷下、1H-テトラゾール(52mg)を加え、ジベンジル N,N-ジイソプロピルホスホロアミダイト(0.276mL)を滴下した後、室温下、130分間撹拌した。氷冷下、tert-ブチルヒドロペルオキシド(0.13mL)を滴下した後、室温下、1時間撹拌した。氷冷下、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(3mL)を加えた後、室温下、10分間撹拌した。反応液に酢酸エチルを加え抽出後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=50:50~25:75)にて精製することにより、標題化合物(130mg)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:624.4[M+H]+
【0546】
(36-3)2-{[9-(4-エチルフェニル)ノナノイル](2-メトキシエチル)アミノ}エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物36)
【0547】
【0548】
実施例化合物36-2(124mg)をメタノール(3mL)に溶解させ、10%パラジウム炭素(62mg)を加え、水素雰囲気下室温にて220分間攪拌した後、反応液を濾過した。濾液を濃縮し、得られた残渣を分取HPLC(10mM炭酸アンモニウム水溶液-アセトニトリル)にて精製することにより、標題化合物(52mg)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:444.2[M+H]+
【0549】
実施例37
(37-1)2-{[3-(ベンジルオキシ)ベンジル]アミノ}エタノール(実施例化合物37-1)
【0550】
【0551】
2-アミノエタノール(1.00g)をメタノール(10mL)、ジクロロメタン(2mL)に溶解させ、3-ベンジルオキシベンズアルデヒド(3.51g)、酢酸(0.946mL)を加え、60℃で2時間攪拌した。その混合溶液にトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(5.21g)を氷冷下加えた後、室温で3時間攪拌した。反応液に1M水酸化ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出後、飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:0~90:10)にて精製することにより、標題化合物(3.91g)を黄色油状物として得た。MS(ESI)m/z:258.2[M+H]+
【0552】
(37-2)2-[{3-[3-(デシルオキシ)フェニル]プロパノイル}(3-ヒドロキシベンジル)アミノ]エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物37)
【0553】
【0554】
実施例36において実施例化合物16-2の代わりに参考例化合物5、2-[(2-メトキシエチル)アミノ]エタン-1-オールの代わりに実施例化合物37-1を用いて、(36-1)-(36-3)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(229mg)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:536.3[M+H]+
【0555】
実施例38
(38-1)(3R)-1-[9-(4-エチルフェニル)ノナノイル]ピペリジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物38)
【0556】
【0557】
実施例36において2-[(2-メトキシエチル)アミノ]エタン-1-オールの代わりに(3R)-ピペリジン-3-オール塩酸塩を用いて、(36-1)-(36-3)と同様の反応、処理することにより、標題化合物(310mg)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:426.4[M+H]+
【0558】
実施例39
(39-1)2-{[3-(ベンジルオキシ)プロピル]アミノ}エタノール(実施例化合物39-1)
【0559】
【0560】
1-ブロモ-3-ベンジルオキシプロパン(1.50g)をエタノール(14.7mL)に溶解させ、2-アミノエタノール(1.98mL)、ヨウ化ナトリウム(98mg)を加えた後、90℃にて1時間撹拌した。室温まで放冷し、溶媒を減圧留去した後、得られた残渣に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで逆抽出後、水層に0℃冷却下、4N水酸化ナトリウム水溶液を加え、pH9~10にし、酢酸エチルで抽出後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥し、溶媒を減圧留去することにより、標題化合物(1.06g)を淡黄色油状物として得た。MS(APCI)m/z:210.2[M+H]+
【0561】
(39-2)N-[3-(ベンジルオキシ)プロピル]-3-[3-(デシルオキシ)フェニル]-N-(2-ヒドロキシエチル)プロパンアミド(実施例化合物39-2)
【0562】
【0563】
参考例化合物5(200mg)をN,N-ジメチルホルムアミド(1.35mL)に溶解させ、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.339mL)、HATU(372mg)を加えた後、実施例化合物39-1(164mg)のN,N-ジメチルホルムアミド(3mL)溶液を滴下した後、室温下、12.5時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水を加え、酢酸エチルで抽出後、飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=50:50~25:75)にて精製することにより、標題化合物(quant.)を淡黄色油状物として得た。MS(APCI)m/z:498.5[M+H]+
【0564】
(39-3)ジベンジル 2-[{3-[3-(デシルオキシ)フェニル]プロパノイル}(3-ヒドロキシプロピル)アミノ]エチル ホスフェート(実施例化合物39-3)
【0565】
【0566】
実施例化合物39-2(335mg)をジクロロメタン(3.35mL)とアセトニトリル(1.34mL)に溶解させ、氷冷下、1H-テトラゾール(94.3mg)を加え、ジベンジル N,N-ジイソプロピルホスホロアミダイト(0.502mL)を滴下した後、室温下、200分間撹拌した。氷冷下、tert-ブチルヒドロペルオキシド(0.24mL)を滴下した後、室温下、70分間撹拌した。氷冷下、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(5mL)を加えた後、室温下、10分間撹拌した。反応液に酢酸エチルを加え抽出後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=60:40~20:80)にて精製することにより、標題化合物(252mg)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:758.2[M+H]+
【0567】
(39-4)2-[{3-[3-(デシルオキシ)フェニル]プロパノイル}(3-ヒドロキシプロピル)アミノ]エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物39)
【0568】
【0569】
実施例化合物39-3(226mg)をメタノール(2.98mL)に溶解させ、10%パラジウム炭素(113mg)を加え、水素雰囲気下室温にて3.5時間攪拌した後、反応液を濾過した。濾液を濃縮し、得られた残渣を分取HPLC(10mM炭酸アンモニウム水溶液-アセトニトリル)にて精製することにより、標題化合物(85mg)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:488.3[M+H]+
【0570】
実施例40
(40-1)2-[{3-[3-(デシルオキシ)フェニル]プロパノイル}(2-フェニルエチル)アミノ]エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物40)
【0571】
【0572】
実施例36において実施例化合物16-2の代わりに参考例化合物5、2-[(2-メトキシエチル)アミノ]エタン-1-オールの代わりに2-(2-フェニルエチルアミノ)エタノールを用いて、(36-1)-(36-3)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(103mg)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:534.3[M+H]+
【0573】
実施例41
(41-1)2-{[4-(ベンジルオキシ)ブチル]アミノ}エタノール(実施例化合物41-1)
【0574】
【0575】
4-ベンジルオキシ-1-ブロモブタン(1.60g)をエタノール(14.8mL)に溶解させ、2-アミノエタノール(1.99mL)、ヨウ化ナトリウム(99mg)を加えた後、90℃にて1時間撹拌した。室温まで放冷し、溶媒を減圧留去した後、得られた残渣に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで逆抽出後、水層に0℃冷却下、10N水酸化ナトリウム水溶液を加え、pH9~10にし、酢酸エチルで抽出後、無水硫酸マグネシウムにて乾燥し、溶媒を減圧留去することにより、標題化合物(1.28g)を淡黄色油状物として得た。MS(APCI)m/z:224.3[M+H]+
【0576】
(41-2)2-[{3-[3-(デシルオキシ)フェニル]プロパノイル}(4-ヒドロキシブチル)アミノ]エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物41)
【0577】
【0578】
実施例36において実施例化合物16-2の代わりに参考例化合物5、2-[(2-メトキシエチル)アミノ]エタン-1-オールの代わりに実施例化合物41-1を用いて、(36-1)-(36-3)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(129mg)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:502.3[M+H]+
【0579】
実施例42
(42-1)7-オクチン酸(実施例化合物42-1)
【0580】
【0581】
リチウムアセチリド エチレンジアミン錯体(7.08g)、ジメチルスルホキシド(12.8mL)の溶液に、氷冷下 6-ブロモヘキサン酸(5.00g)のジメチルスルホキシド(25.6mL)溶液を滴下し、室温で2時間撹拌した。反応混合物に氷水をゆっくり加え、しばらく撹拌した後、濃塩酸で酸性とし、クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=95:5~70:30)にて精製することにより、標題化合物(3.24g)を黄色油状物として得た。MS(APCI)m/z:139.0[M-H]-
【0582】
(42-2)7-オクチン酸ベンンジル(実施例化合物42-2)
【0583】
【0584】
実施例化合物42-1(3.24g)、ベンジルブロミド(3.02mL)、炭酸カリウム(6.38g)、N,N-ジメチルホルムアミド(23mL)の混合物を室温で一昼夜撹拌した。反応混合物に水を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0~93:7)にて精製することにより、標題化合物(4.81g)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:231.2(M+H)+。
【0585】
(42-3)ベンジル 8-(2-クロロフェニル)-7-オクチノアート(実施例化合物42-3)
【0586】
【0587】
1-クロロ-2-ヨードベンゼン(518mg)、実施例化合物42-2(500mg)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(152mg)、ヨウ化銅(I)(41mg)、トリエチルアミン(7.24mL)の混合物を室温で一昼夜撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。。有機層を1N塩酸と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0~90:10)にて精製することにより、標題化合物(588mg)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:341.2(M+H)+。
【0588】
(42-4)8-(2-オクチルフェニル)オクタン酸(実施例化合物42-4)
【0589】
【0590】
実施例化合物42-3(280mg)、トランス-1-オクテニルボロン酸ピナコールエステル(294mg)、クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノー2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)(XPhos-Pd-G2)(65mg)、リン酸三カリウム(523mg)、テトラヒドロフラン(8.22mL)の混合物を60℃で終夜撹拌した。反応液の不溶物を珪藻土により濾去した後、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0~90:10)にて精製し、粗精製体黄色油状物として得た。得られた黄色油状物のエタノール(8.2mL)溶液に、7.5%パラジウム炭素(41mg)を加え水素雰囲気下室温で3時間撹拌した後、反応液の不溶物を珪藻土により濾去、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣を分取HPLC(10mM炭酸アンモニウム水溶液-アセトニトリル)にて精製することにより、標題化合物(34mg)を橙色油状物として得た。MS(ESI)m/z:331.4(M+H)-。
【0591】
(42-5) 1-[8-(2-オクチルフェニル)オクタノイル]アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩 (実施例化合物42)
【0592】
【0593】
実施例化合物42-4(34mg)のN,N-ジメチルホルムアミド(1.0mL)溶液に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.052mL)、参考例化合物1(32mg)、HATU(153mg)を加え、室温で終夜撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:0~96:4)にて精製した。得られた粗精製体にジクロロメタン(1.0mL)、トリフルオロ酢酸(0.10mL)を加え、室温で4時間撹拌した。反応液を減圧濃縮した。得られた残渣を分取HPLC(10mM炭酸アンモニウム水溶液-アセトニトリル)にて精製することにより、標題化合物(33mg)を黄色粘体として得た。MS(APCI)m/z:468.5(M+H)+
【0594】
実施例43
(43-1)ベンジル 8-(3-クロロフェニル)-7-オクチノアート(実施例化合物43-1)
【0595】
【0596】
1-クロロ-3-ヨードベンゼン(400mg)、実施例化合物42-2(497mg)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(122mg)、ヨウ化銅(I)(33mg)、トリエチルアミン(5.79mL)の混合物を室温で一昼夜撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。。有機層を1N塩酸と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0~90:10)にて精製することにより、標題化合物(601mg)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:341.3(M+H)+。
【0597】
(43-2)8-(3-オクチルフェニル)オクタン酸(実施例化合物43-2)
【0598】
【0599】
実施例化合物43-1(300mg)、トランス-1-オクテニルボロン酸ピナコールエステル(231mg)、クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノー2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)(XPhos-Pd-G2)(35mg)、リン酸三カリウム(374mg)、テトラヒドロフラン(8.8mL)、水(2.9mL)の混合物を60℃で終夜撹拌した。反応液の不溶物を珪藻土により濾去した後、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣に再度トランス-1-オクテニルボロン酸ピナコールエステル(231mg)、クロロ(2-ジシクロヘキシルホスフィノー2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル)[2-(2’-アミノ-1,1’-ビフェニル)]パラジウム(II)(XPhos-Pd-G2)(35mg)、リン酸三カリウム(374mg)、テトラヒドロフラン(8.8mL)を加え、60℃で終夜撹拌した。反応液の不溶物をNHシリカ-珪藻土により濾去した後、ろ液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー((ヘキサン:酢酸エチル=100:0~90:10)にて精製し、粗精製体黄色油状物として得た。得られた黄色油状物のエタノール(8.8mL)溶液に、7.5%パラジウム炭素(45mg)を加え水素雰囲気下室温で3時間撹拌した後、反応液の不溶物を珪藻土により濾去、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:0~92:8)にて精製することにより、標題化合物(197mg)を淡黄色油状物として得た。
【0600】
(43-3) 1-[8-(3-オクチルフェニル)オクタノイル]アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物43)
【0601】
【0602】
実施例化合物43-2(197mg)のN,N-ジメチルホルムアミド(5.9mL)溶液に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.308mL)、参考例化合物1(189mg)、HATU(338mg)を加え、室温で終夜撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:0~96:4)にて精製した。得られた粗精製体にジクロロメタン(5.9mL)、トリフルオロ酢酸(0.59mL)を加え、室温で6時間撹拌した。反応液を減圧濃縮した。得られた残渣を分取HPLC(10mM炭酸アンモニウム水溶液-アセトニトリル)にて精製することにより、標題化合物(92mg)を黄色粘体として得た。MS(APCI)m/z:468.5(M+H)+
【0603】
実施例44
(44-1)2-[{3-[3-(デシルオキシ)フェニル]プロパノイル}(4-ヒドロキシベンジル)アミノ]エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物44)
【0604】
【0605】
実施例37において3-ベンジルオキシベンズアルデヒドの代わりに4-ベンジルオキシベンズアルデヒドを用いて、(37-1)-(37-2)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(168mg)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:536.3[M+H]+
【0606】
実施例45
(45-1)3-[(2-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)アミノ]プロパン-1-オール(実施例化合物45-1)
【0607】
【0608】
(2-ブロモエトキシ)(tert-ブチル)ジメチルシラン(2.08g)をアセトニトリル(27.9mL)に溶解させ、3-アミノ-1-プロパノール(11.5mL)を加えた後、95℃にて1時間撹拌した。室温まで放冷し、水を加え、酢酸エチルで抽出した後、飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:0~80:20)にて精製することにより、標題化合物(1.78g)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:234.3[M+H]+
【0609】
(45-2)N-(2-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-3-[3-(デシルオキシ)フェニル]-N-(3-ヒドロキシプロピル)プロパンアミド(実施例化合物45-2)
【0610】
【0611】
参考例化合物5(400mg)をN,N-ジメチルホルムアミド(4.7mL)に溶解させ、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.678mL)、HATU(745mg)を加えた後、実施例化合物45-1(366mg)のN,N-ジメチルホルムアミド(4.0mL)溶液を滴下した後、室温下、15時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水を加え、酢酸エチルで抽出後、飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=65:35~34:66)にて精製することにより、標題化合物(624mg)を薄茶色油状物として得た。MS(APCI)m/z:522.6[M+H]+
【0612】
(45-3)N-(2-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-3-[3-(デシルオキシ)フェニル]-N-(3-メトキシプロピル)プロパンアミド(実施例化合物45-3)
【0613】
【0614】
水素化ナトリウム(35mg)をN,N-ジメチルホルムアミド(1.74mL)に溶解させ、氷冷下、実施例化合物45-2(300mg)のN,N-ジメチルホルムアミド(4mL)溶液を滴下した後、氷冷下、20分間撹拌した。氷冷下、ヨードメタン(0.107mL)を滴下した後、室温下、3時間撹拌した。氷冷下、水素化ナトリウム(35mg)、ヨードメタン(0.107mL)を追加した後、室温下、14時間撹拌した。氷冷下、水を加え、酢酸エチルで抽出後、飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=75:25~60:40)にて精製することにより、標題化合物(224mg)を淡黄色油状物として得た。MS(APCI)m/z:536.5[M+H]+
【0615】
(45-4)3-[3-(デシルオキシ)フェニル]-N-(2-ヒドロキシエチル)-N-[3-(メトキシ)プロピル]プロパンアミド(実施例化合物45-4)
【0616】
【0617】
実施例化合物45-3(216mg)をテトラヒドロフラン(4.04mL)に溶解させ、氷冷下、テトラブチルアンモニウムフルオリド(0.606mL)を滴下した後、室温下、1時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=25:75~0:100)にて精製することにより、標題化合物(quant.)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:422.5[M+H]+
【0618】
(45-5)ジベンジル 2-[{3-[3-(デシルオキシ)フェニル]プロパノイル}(3-メトキシプロピル)アミノ]エチル ホスフェート(実施例化合物45-5)
【0619】
【0620】
実施例化合物45-4(162mg)をジクロロメタン(1.62mL)とアセトニトリル(0.647mL)に溶解させ、氷冷下、1H-テトラゾール(54mg)を加え、ジベンジル N,N-ジイソプロピルホスホロアミダイト(0.286mL)を滴下した後、室温下、1時間撹拌した。氷冷下、tert-ブチルヒドロペルオキシド(0.14mL)を滴下した後、室温下、1時間撹拌した。氷冷下、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(5mL)を加えた後、室温下、10分間撹拌した。反応液に酢酸エチルを加え抽出後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=50:50~15:85)にて精製することにより、標題化合物(159mg)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:682.2[M+H]+
【0621】
(45-6)2-[{3-[3-(デシルオキシ)フェニル]プロパノイル}(3-メトキシプロピル)アミノ]エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物45)
【0622】
【0623】
実施例化合物45-5(152mg)をメタノール(3mL)に溶解させ、10%パラジウム炭素(76mg)を加え、水素雰囲気下室温にて3.5時間攪拌した後、反応液を濾過した。濾液を濃縮し、得られた残渣を分取HPLC(10mM炭酸アンモニウム水溶液-アセトニトリル)にて精製することにより、標題化合物(75mg)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:502.3[M+H]+
【0624】
実施例46
(46-1)N-(2-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-3-[3-(デシルオキシ)フェニル]-N-(2-ヒドロキシエチル)プロパンアミド(実施例化合物46-1)
【0625】
【0626】
実施例45において3-アミノ-1-プロパノールの代わりに2-アミノエタノールを用い、(45-1)-(45-2)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(633mg)を淡黄色油状物として得た。MS(APCI)m/z:508.5[M+H]+
【0627】
(46-2)N-(2-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-3-[3-(デシルオキシ)フェニル]-N-(2-オキシエチル)プロパンアミド(実施例化合物46-2)
【0628】
【0629】
実施例化合物46-1(582mg)をジクロロメタン(4.58mL)に溶解させ、ヨードベンゼンジアセタート(553mg)、9-アザノルアダマンタン N-オキシル(nor-AZADO、7mg)を加えた後、室温下、95分間撹拌した。ジヨードベンゼンジアセタート(553mg)、nor-AZADO(7mg)を追加した後、3.5時間撹拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、20%チオ無水硫酸ナトリウム水溶液を加え、30分間撹拌した。クロロホルムで抽出後、飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=75:25~60:40)にて精製することにより、標題化合物(406mg)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:506.6[M+H]+
【0630】
(46-3)N-(2-{[tert-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ}エチル)-3-[3-(デシルオキシ)フェニル]-N-[2-(ジメチルアミノ)エチル]プロパンアミド(実施例化合物46-3)
【0631】
【0632】
実施例化合物46-2(388mg)をジクロロメタン(3.84mL)に溶解させ、2Mジメチルアミン-テトラヒドロフラン溶液(1.151mL)、酢酸(0.044mL)を加えた後、室温下、10分間撹拌した。氷冷下、トリアセトキシ水素化ホウ素(407mg)を加えた後、室温下、19.5時間撹拌した。氷冷下、1N水酸化ナトリウム水溶液を滴下し、酢酸エチルで抽出後、飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:0~85:15)にて精製することにより、標題化合物(383mg)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:535.7[M+H]+
【0633】
(46-4)3-[3-(デシルオキシ)フェニル]-N-[2-(ジメチルアミノ)エチル]-N-(2-ヒドロキシエチル)プロパンアミド(実施例化合物46-4)
【0634】
【0635】
実施例化合物46-3(370mg)をテトラヒドロフラン(6.92mL)に溶解させ、氷冷下、テトラブチルアンモニウムフルオリド(1.04mL)を滴下した後、室温下、1時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、残渣をNHシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:90~0:100)にて精製することにより、標題化合物(173mg)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:421.5[M+H]+
【0636】
(46-5)ジ-tert-ブチル 2-({3-[3-(デシルオキシ)フェニル]プロパノイル}[2-(ジメチルアミノ)エチル]アミノ)エチル ホスフェート(実施例化合物46-5)
【0637】
【0638】
実施例化合物46-4(164mg)をジクロロメタン(1.64mL)とアセトニトリル(0.657mL)に溶解させ、氷冷下、1H-テトラゾール(54.7mg)を加え、ジ-tert-ブチル N,N-ジイソプロピルホスホロアミダイト(0.259mL)を滴下した後、室温下、70分間撹拌した。氷冷下、tert-ブチルヒドロペルオキシド(0.14mL)を滴下した後、室温下、1時間撹拌した。氷冷下、チオ無水硫酸ナトリウム水溶液(5mL)を加えた後、室温下、10分間撹拌した。反応液に酢酸エチルを加え抽出後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をNHシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール=100:0~95:5)にて精製することにより、標題化合物(quant.)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:613.5[M+H]+
【0639】
(46-6)2-({3-[3-(デシルオキシ)フェニル]プロパノイル}[2-(ジメチルアミノ)エチル]アミノ)エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物46)
【0640】
【0641】
実施例化合物46-5(336mg)をジクロロメタン(6.0mL)に溶解させ、氷冷下、トリフルオロ酢酸(0.598mL)を滴下した後、室温下、2時間撹拌した。溶媒を減圧留去後、ジエチルエーテルを加え、溶媒を減圧留去する操作を三回繰り返した後、得られた残渣を分取HPLC(10mM炭酸アンモニウム水溶液-アセトニトリル)にて精製することにより、標題化合物(115mg)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:501.4[M+H]+
【0642】
実施例47
(47-1)N-[2-(ベンジルオキシ)エチル]-3-[3-(デシルオキシ)フェニル]-N-(4-ヒドロキシブチル)プロパンアミド(実施例化合物47-1)
【0643】
【0644】
実施例39において1-ブロモ-3-ベンジルオキシプロパンの代わりに[(2-ブロモエチル)オキシ]メチル}ベンゼン、2-アミノエタノールの代わりに4-アミノ-1-ブタノールを用いて、(39-1)-(39-2)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(738mg)を淡黄色油状物として得た。MS(APCI)m/z:512.6[M+H]+
【0645】
(47-2)N-[2-(ベンジルオキシ)エチル]-3-[3-(デシルオキシ)フェニル]-N-(4-メトシブチル)プロパンアミド(実施例化合物47-2)
【0646】
【0647】
実施例45において実施例化合物45-2の代わりに実施例化合物47-1を用い、(45-3)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(331mg)を淡黄色油状物として得た。MS(APCI)m/z:526.6[M+H]+
【0648】
(47-3)3-[3-(デシルオキシ)フェニル]-N-(2-ヒドロキシエチル)-N-[4-(メトキシ)ブチル]プロパンアミド(実施例化合物47-3)
【0649】
【0650】
実施例化合物47-2(309mg)をメタノール(3.92mL)に溶解させ、10%パラジウム炭素(93mg)を加え、水素雰囲気下室温にて1.5時間攪拌した後、反応液を濾過した。濾液を濃縮することにより、標題化合物(quant.)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:436.6[M+H]+
【0651】
(47-4)2-[{3-[3-(デシルオキシ)フェニル]プロパノイル}(4-メトキシブチル)アミノ]エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物47)
【0652】
【0653】
実施例45において実施例化合物45-4の代わりに実施例化合物47-3を用い、(45-5)-(45-6)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(151mg)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:516.1[M+H]+
【0654】
実施例48
(48-1)メチル 3-(ウンデシルオキシ)ベンゾアート(実施例化合物48-1)
【0655】
【0656】
3-ヒドロキシ安息香酸メチル(600mg)、1-ブロモウンデカン(0.968mL)、炭酸セシウム(2.57g)、N,N-ジメチルホルムアミド(13mL)の混合物を室温で一昼夜撹拌した。反応混合物に水を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0~95:5)にて精製後、再度シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:クロロホルム=100:0~70:30)にて精製することにより、標題化合物(1.07g)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:307.4(M+H)+。
【0657】
(48-2)[3-(ウンデシルオキシ)フェニル]メタノール(実施例化合物48-2)
【0658】
【0659】
実施例化合物48-1(16.3mL)溶液に、氷冷下、水素化アルミニウムリチウム(124mg)を加え、室温で4時間撹拌した。反応混合物に水(0.1mL)、1N水酸化ナトリウム水溶液(0.1mL)、水(0.3mL)、セライトを順次加え、室温で終夜撹拌した。反応混合物の不溶物を珪藻土により濾去した後、濾液を減圧濃縮することにより、標題化合物(434mg)を無色固体として得た。MS(APCI)m/z:279.3(M+H)+
【0660】
(48-3)3-(ウンデシルオキシ)ベンジル 3-[(ジ-tert-ブトキシホスホリル)オキシ]アゼチジン-1-カルボキシラート(実施例化合物48-3)
【0661】
【0662】
実施例化合物48-2(1.8mL)溶液に、氷冷下、1,1’-カルボニルジイミダゾール(87mg)を加え、同温で3時間撹拌した。氷冷下、参考例化合物1に(157mg)のN,N-ジメチルホルムアミド(1.8mL)溶液、トリエチルアミン(0.090mL)を加え、室温で終夜撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=85:15~60:40)にて精製することにより、標題化合物(172mg)を無色粘体として得た。MS(APCI)m/z:587.0(M+NH4)+
【0663】
(48-4)3-(ウンデシルオキシ)ベンジル 3-(ホスホノオキシ)アチジン-1-カルボキシレート アンモニウム塩(実施例化合物48)
【0664】
【0665】
実施例化合物48-3(172mg)のジクロロメタン(3.0mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(0.30mL)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液を減圧濃縮した。得られた残渣を分取HPLC(10mM炭酸アンモニウム水溶液-アセトニトリル)にて精製することにより、標題化合物(125mg)を無色固体として得た。MS(APCI)m/z:457.9(M+H)+
【0666】
実施例49
(49-1)メチル 9-(4-メチルフェニル)-8-ノネノアート(実施例化合物49-1)
【0667】
【0668】
8-ノネン酸メチル(100mg)をN,N-ジメチルホルムアミド(2mL)に溶解させ、1-ヨード-4-メチルベンゼン(209mg)、炭酸カリウム(221mg)、テトラブチルアンモニウムクロリド(148mg)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(75mg)を室温下加え、120℃にて18時間攪拌した。反応液に反応液に氷冷下、飽和食塩水を加え、酢酸エチルで抽出後、1N塩酸にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0~90:10)にて精製することにより、標題化合物の粗精製体(201mg)を黄色油状物として得た。MS(APCI)m/z:261.1[M+H]+
【0669】
(49-2)9-(4-メチルフェニル)ノナン酸(実施例化合物49-2)
【0670】
【0671】
実施例化合物49-1(200mg)をメタノール(2mL)に溶解させ、パラジウム炭素(80mg)を室温下加え、水素雰囲気下中、室温にて6時間攪拌した。反応終了後、メンブレンフィルター濾過を行い、濾液を濃縮後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=95:5)にて精製することにより、無色油状物(130mg)を得た。得られた油状物(130mg)をメタノール(5mL)に溶解させ、1N水酸化ナトリウム水溶液(1.98 mL)を室温下加え、室温にて16時間攪拌した。反応終了後、1N塩酸を加えた後、水層を酢酸エチルで抽出後、水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を留去することにより、標題化合物の非精製体(100mg)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:247.0[M-H]-
【0672】
(49-3)1-[9-(4-メチルフェニル)ノナノイル]アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物49)
【0673】
【0674】
実施例1において実施例化合物1-2の代わりに実施例化合物49-2を用いて、(1-3)-(1-4)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(55mg)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:384.2[M+H]+
【0675】
実施例50
(50-1)2-[{3-[3-(デシルオキシ)フェニル]プロパノイル}(5-ヒドロキシペンチル)アミノ]エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物50)
【0676】
【0677】
実施例39において1-ブロモ-3-ベンジルオキシプロパンの代わりに{[(5-ブロモペンチル)オキシ]メチル}ベンゼンを用いて、(39-1)-(39-4)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(156mg)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:516.1[M+H]+
【0678】
実施例51
(51-1)2-[{3-[3-(デシルオキシ)フェニル]プロパノイル}(6-ヒドロキシヘキシル)アミノ]エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物51)
【0679】
【0680】
実施例39において1-ブロモ-3-ベンジルオキシプロパンの代わりに{[(6-ブロモヘキシル)オキシ]メチル}ベンゼンを用いて、(39-1)-(39-4)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(101mg)を白色粉末として得た。MS(APCI)m/z:530.1[M+H]+
【0681】
実施例52
(52-1)2-[{3-[3-(デシルオキシ)フェニル]プロパノイル}(5-メトキシペンチル)アミノ]エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物52)
【0682】
【0683】
実施例47において4-アミノ-1-ブタノールの代わりに5-アミノ-1-ペンタノールを用い、(47-1)-(47-4)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(179mg)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:530.1[M+H]+
【0684】
実施例53
(53-1)2-[{3-[3-(デシルオキシ)フェニル]プロパノイル}(6-メトキシヘキシル)アミノ]エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物53)
【0685】
【0686】
実施例47において4-アミノ-1-ブタノールの代わりに6-アミノ-1-ヘキサノールを用い、(47-1)-(47-4)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(141mg)を白色粉末として得た。MS(APCI)m/z:544.1[M+H]+
【0687】
実施例54
(54-1)2-[{3-[3-(デシルオキシ)フェニル]プロパノイル}(4-メトキシベンジル)アミノ]エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物54)
【0688】
【0689】
実施例36において2-[(2-メトキシエチル)アミノ]エタン-1-オールの代わりに、2-[(4-メトキシベンジル)アミノ]エタノールを用いて、(36-1)-(36-3)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(172mg)を淡黄色油状物として得た。MS(APCI)m/z:550.1[M+H]+
【0690】
実施例55
(55-1)2-[{3-[3-(デシルオキシ)フェニル]プロパノイル}(プロパン-2-イル)アミノ]エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物55)
【0691】
【0692】
実施例36において2-[(2-メトキシエチル)アミノ]エタン-1-オールの代わりに、2-(イソプロピルアミノ)エタノールを用いて、(36-1)-(36-3)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(52mg)を淡黄色油状物として得た。MS(APCI)m/z:472.1[M+H]+
【0693】
実施例56
(56-1)2-[(ピリジン-3-イルメチル)アミノ]エタノール(実施例化合物56-1)
【0694】
【0695】
2-アミノエタノール(400mg)をメタノール(10mL)に溶解させ、3-ピリジンカルバルデヒド(702mg)を加え、60℃で2時間攪拌した。その混合溶液に水素化ホウ素ナトリウム(248mg)を氷冷下加えた後、60℃で5時間攪拌した。反応液を室温下にした後、その反応液を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:0~95:5)にて精製することにより、標題化合物(936mg)を淡黄色油状物として得た。MS(APCI)m/z:153.2[M+H]+
【0696】
(56-2)2-[{3-[3-(デシルオキシ)フェニル]プロパノイル}(ピリジン-3-イルメチル)アミノ]エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物56)
【0697】
【0698】
実施例36において2-[(2-メトキシエチル)アミノ]エタン-1-オールの代わりに、実施例化合物56-1を用いて、(36-1)-(36-3)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(151mg)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:521.3[M+H]+
【0699】
実施例57
(57-1)2-[(1,3-チアゾール-2-イルメチル)アミノ]エタノール(実施例化合物57-1)
【0700】
【0701】
2-アミノエタノール(300mg)をメタノール(9.8mL)に溶解させ、3-チアゾールカルバルデヒド(556mg)を加え、60℃で2時間攪拌した。その混合溶液に水素化ホウ素ナトリウム(186mg)を氷冷下加えた後、60℃で2時間攪拌した。反応液を室温下にした後、その反応液を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:0~95:5)にて精製することにより、標題化合物(721mg)を茶色油状物として得た。MS(APCI)m/z:159.2[M+H]+
【0702】
(57-2)2-[{3-[3-(デシルオキシ)フェニル]プロパノイル}(1,3-チアゾール-2-イルメチル)アミノ]エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物57)
【0703】
【0704】
実施例36において2-[(2-メトキシエチル)アミノ]エタン-1-オールの代わりに、実施例化合物57-1を用いて、(36-1)-(36-3)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(52mg)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:527.2[M+H]+
【0705】
実施例58
(58-1)2-[(ピリジン-4-イルメチル)アミノ]エタノール
実施例化合物58-1)
【0706】
【0707】
2-アミノエタノール(500mg)をエタノール(10mL)に溶解させ、4-ピリジンカルバルデヒド(877mg)を加えた後、60℃にて2時間撹拌した。室温まで放冷し、氷冷下、水素化ホウ素ナトリウム(310mg)を加えた後、室温下、1時間撹拌した。60℃にて25分間撹拌した。室温まで放冷し、水を加えた後、1N水酸化ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をNHシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール=100:0~80:20)にて精製することにより、標題化合物(583mg)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:153.0[M+H]+
【0708】
(58-2)3-[3-(デシルオキシ)フェニル]-N-(2-ヒドロキシエチル)-N-(ピリジン-4-イルメチル)プロパンアミド(実施例化合物58-2)
【0709】
【0710】
参考例化合物5(250mg)をN,N-ジメチルホルムアミド(2.44mL)に溶解させ、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.423mL)、HATU(465mg)を加えた後、実施例化合物58-1(149mg)のN,N-ジメチルホルムアミド(3mL)溶液を滴下した後、室温下、14.5時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水を加え、酢酸エチルで抽出後、飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール=100:0~87:13)にて精製することにより、標題化合物(292mg)を淡黄色油状物として得た。MS(APCI)m/z:441.4[M+H]+
【0711】
(58-3)2-[{3-[3-(デシルオキシ)フェニル]プロパノイル}(ピリジン-4-イルメチル)アミノ]エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物58)
【0712】
【0713】
実施例46において実施例化合物46-4の代わりに実施例化合物58-2を用い、(46-5)-(47-6)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(182mg)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:521.3[M+H]+
【0714】
実施例59
(59-1)ベンジル 5-(4-ヨードフェニル)-4-ペンチノアート(実施例化合物59-1)
【0715】
【0716】
1,4-ジヨードベンゼン(3.94g)、実施例化合物34-1(750mg)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(140mg)、ヨウ化銅(I)(38mg)、トリエチルアミン(13.3mL)の混合物を70℃で一昼夜撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を1N塩酸で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0~93:7)にて精製することにより、標題化合物(893mg)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:407.9(M+NH4)+。
【0717】
(59-2)ベンジル 5-[4-(1-ヘプチニル)フェニル]-4-ペンチノアート(実施例化合物59-2)
【0718】
【0719】
実施例化合物59-1(300mg)、1-ヘプチン(0.151mL)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(54.0mg)、ヨウ化銅(I)(14.6mg)、トリエチルアミン(2.56mL)の混合物を70℃で6時間撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を1N塩酸と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0~93:7)にて精製することにより、標題化合物(250mg)を黄色固体として得た。MS(APCI)m/z:376.0(M+NH4)+。
【0720】
(59-3)5-(4-ヘプチルフェニル)ペンタン酸(実施例化合物59-3)
【0721】
【0722】
実施例化合物59-2(250mg)のエタノール(7.0mL)溶液に、7.5%パラジウム炭素(25mg)を加え、水素雰囲気下室温で一昼夜撹拌した。反応液の不溶物を珪藻土により濾去した後、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=90:10~60:40)にて精製することにより、標題化合物(161mg)を無色固体として得た。MS(APCI)m/z:275.1(M-H)-
【0723】
(59-4)1-[5-(4-ヘプチルフェニル)ペンタノイル]アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物59)
【0724】
【0725】
実施例化合物59-3(158mg)のN,N-ジメチルホルムアミド(5.7mL)溶液に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.30mL)、参考例化合物1(182mg)、HATU(326mg)を加え、室温で終夜撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、濾液を減圧濃縮した。残渣にジクロロメタン(5.7mL)、トリフルオロ酢酸(0.57mL)を加え、室温で3時間撹拌した。反応液を減圧濃縮した。得られた残渣を分取HPLC(10mM炭酸アンモニウム水溶液-アセトニトリル)にて精製することにより、標題化合物(244mg)を無色固体として得た。MS(APCI)m/z:412.2(M+H)+
【0726】
実施例60
(60-1)(8E)-9-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]-8-ノネン酸(実施例化合物60-1)
【0727】
【0728】
8-ノネン酸(100mg)をN,N-ジメチルホルムアミド(3mL)に溶解させ、1-ヨード-4-(トリフルオロメチル)ベンゼン(226mg)、炭酸カリウム(265mg)、リチウムクロリド(35.2mg)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(89.9mg)を室温下加え、120℃にて3時間攪拌した。反応液に氷冷下、1N塩酸を加え、酢酸エチルで抽出後、飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=90:10~60:40)にて精製することにより、標題化合物の粗精製体(186mg)を黄色油状物として得た。
【0729】
(60-2)9-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]ノナン酸(実施例化合物60-2)
【0730】
【0731】
実施例化合物60-1(158mg)をメタノール(5mL)に溶解させ、パラジウム炭素(32mg)を加え、室温にて6時間攪拌した。反応終了後、メンブレンフィルター濾過を行い、濾液を濃縮することにより、標題化合物の非精製体(160mg)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:301.0[M+H]+
【0732】
(60-3)1-{9-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]ノナノイル}アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物60)
【0733】
【0734】
実施例1において実施例化合物1-2の代わりに実施例化合物60-2を用いて、(1-3)-(1-4)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(34mg)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:438.1[M+H]+
【0735】
実施例61
(61-1)1-[5-(3-ヘプチルフェニル)ペンタノイル]アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物61)
【0736】
【0737】
実施例59において1,4-ジヨードベンゼンの代わりに1,3-ジヨードベンゼンを用い、(59-1)-(59-4)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(256mg)を無色固体として得た。MS(APCI)m/z:412.2(M+H)+
【0738】
実施例62
(62-1)1-[5-(3-オクチルフェニル)ペンタノイル]アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物62)
【0739】
【0740】
実施例59において1,4-ジヨードベンゼンの代わりに1,3-ジヨードベンゼン、1-へプチンの代わりに1-オクチンを用い、(59-1)-(59-4)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(250mg)を無色固体として得た。MS(APCI)m/z:426.3(M+H)+
【0741】
実施例63
(63-1)9-(3-エチルフェニル)ノナン酸(実施例化合物63-1)
【0742】
【0743】
実施例60において1-ヨード-4-(トリフルオロメチル)ベンゼンの代わりに3-エチルヨードベンゼンを用いて(60-1)-(60-2)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(289mg)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:261.1[M-H]-
【0744】
(63-2)1-[9-(3-エチルフェニル)ノナノイル]アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート(実施例化合物63)
【0745】
【0746】
実施例4において実施例化合物4-2の代わりに実施例化合物63-1を用いて、(4-3)-(4-4)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(52mg)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:398.2[M+H]+
【0747】
実施例64
(64-1)1-[5-(2-オクチルフェニル)ペンタノイル]アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物64)
【0748】
【0749】
実施例59において1,4-ジヨードベンゼンの代わりに1,2-ジヨードベンゼン、1-ヘプチンの代わりに1-オクチンを用い、(59-1)-(59-4)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(98mg)を無色固体として得た。MS(APCI)m/z:426.3(M+H)+
【0750】
実施例65
(65-1)1-{9-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]ノナノイル}アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート(実施例化合物65)
【0751】
【0752】
実施例60において1-ヨード-4-(トリフルオロメチル)ベンゼンの代わりに3-(トリフルオロメチル)ヨードベンゼンを用い、(60-1)-(60-2)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(30mg)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:438.2[M+H]+
【0753】
実施例66
(66-1)1-{9-[4-(プロパン-2-イル)フェニル]ノナノイル}アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート(実施例化合物66)
【0754】
【0755】
実施例60において1-ヨード-4-(トリフルオロメチル)ベンゼンの代わりに4-イソプロピルヨードベンゼンを用い、(60-1)-(60-2)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(36mg)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:412.2[M+H]+
【0756】
実施例67
(67-1)2-[{3-[3-(デシルオキシ)フェニル]プロパノイル}(4-フルオロベンジル)アミノ]エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物67)
【0757】
【0758】
実施例58において実施例化合物58-1の代わりに2-[(4-フルオロフェニル)メチルアミノ]エタノールを用い、(58-2)-(58-3)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(125mg)を白色粉末として得た。MS(APCI)m/z:538.1[M+H]+
【0759】
実施例68
(68-1)2-(ベンジル{3-[3-(デシルオキシ)フェニル]プロパノイル}アミノ)エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物68)
【0760】
【0761】
実施例36において実施例化合物16-2の代わりに参考例化合物5、2-[(2-メトキシエチル)アミノ]エタン-1-オールの代わりに2-(ベンジルアミノ)エタノールを用いて、(36-1)-(36-3)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(181mg)を淡黄色油状物として得た。MS(APCI)m/z:520.1[M+H]+
【0762】
実施例69
(69-1)[4-(ベンジルオキシ)フェニル]アセトアルデヒド(実施例化合物69-1)
【0763】
【0764】
2-(4-ベンジルオキシフェニル)エタノール(1000mg)をジクロロメタン(29.2mL)に溶解させ、1,1,1-トリアセトキシ-1,1-ジヒドロ-1,2-ベンゾヨードキソール-3-(1H)-オン(2229mg)を加えた後、室温下、17分間撹拌した。氷冷下、反応液に飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(40mL)を加え、室温下、10分間撹拌した。クロロホルムで抽出後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=90:10~65:35)にて精製することにより、標題化合物(695mg)を白色粉末として得た。
【0765】
(69-2)2-({3-[3-(デシルオキシ)フェニル]プロパノイル}[2-(4-ヒドロキシフェニル)エチル]アミノ)エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物69)
【0766】
【0767】
実施例37において3-ベンジルオキシベンズアルデヒドの代わりに実施例化合物69-1を用いて、(37-1)-(37-2)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(143mg)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:550.1[M+H]+
【0768】
実施例70
(70-1)メチル 9-(4-ブチルフェニル)-9-オキサノナノアート(実施例化合物70-1)
【0769】
【0770】
9-メトキシ-9-オキソ-ノナン酸(0.5g)を1,2-ジクロロエタン(5mL)に溶解させ、塩化チオニル(0.4mL)、N,N-ジメチルホルムアミド(0.01mL)を加え80℃にて1時間攪拌した後、塩化チオニル(2mL)、N,N-ジメチルホルムアミド(0.05mL)を追加し80℃にて2時間攪拌後、溶媒を減圧下留去した。残渣のジクロロメタン(4mL)溶液に塩化アルミニウム(320mg)を0℃にて加え15分間攪拌した後、同温でブチルベンゼン(0.37mL)を加え室温にて2時間撹拌した。ほとんど反応が進行していなかったため、塩化アルミニウム(320mg)を0℃にて加え15分間攪拌した後、同温でアニソール(0.37mL)を加え室温にて15時間撹拌した。反応液を氷水にゆっくり滴下し、1時間撹拌後、酢酸エチルで抽出、飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を減圧留去することにより、標題化合物の粗精製体(765mg)を淡黄色油状物として得た。MS(APCI)m/z:319.1(M+H)+
【0771】
(70-2)メチル 9-(4-ブチルフェニル)ノナノアート(実施例化合物70-2)
【0772】
【0773】
実施例化合物70-1(765mg)のトリフルオロ酢酸(8mL)溶液にトリエチルシラン(1.5mL)を0℃にて加え室温にて30分間撹拌した後、溶媒を減圧下留去した。残渣に氷水、水酸化ナトリウム水溶液を加え酢酸エチルで抽出、飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=95:5~85:15)にて精製することにより、標題化合物(100mg)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:305.0(M+H)+
【0774】
(70-3)9-(4-ブチルフェニル)ノナン酸(実施例化合物70-3)
【0775】
【0776】
実施例化合物70-2(0.8mL)、テトラヒドロフラン(0.8mL)混合溶液に、1N水酸化ナトリウム水溶液(0.66mL)を加え、室温にて4時間攪拌した。反応液に1N塩酸(0.7mL)、水(1mL)を加え、酢酸エチルで抽出、飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧留去することにより、標題化合物(70mg)を淡黄色固体として得た。MS(APCI)m/z:289.1(M-H)-
【0777】
(70-4)1-[9-(4-ブチルフェニル)ノナノイル]アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物70)
【0778】
【0779】
参考例化合物2(160mg)のジクロロメタン(1.2mL)溶液にトリフルオロ酢酸(0.55mL)を0℃にて加え1時間攪拌した後、同温でジクロロメタン(0.8mL)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(2.49mL)、実施例化合物70-3(70mg)、HATU(110mg)を加え2時間攪拌した。反応液に水を加え、ジクロロメタンで抽出、飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧留去後得られた残渣をメタノール(2.5mL)に溶解させ、パラジウム炭素(45mg)を加え、水素雰囲気下で室温にて10時間攪拌した。窒素置換後、反応液をシリンジフィルターに通しパラジウム炭素を除去した後、メタノールで洗いこんだ。溶媒留去し、得られた残渣を分取HPLC(10mM炭酸アンモニウム水溶液-アセトニトリル)にて精製することにより、標題化合物(29mg)を無色粘体として得た。MS(ESI)m/z:426.3(M+H)+
【0780】
実施例71
(71-1)1-[5-(2-ノニルフェニル)ペンタノイル]アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物71)
【0781】
【0782】
実施例59において1,4-ジヨードベンゼンの代わりに1,2-ジヨードベンゼン、1-ヘプチンの代わりに1-ノニンを用い、(59-1)-(59-4)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(74mg)を橙色粘体として得た。MS(APCI)m/z:440.3(M+H)+
【0783】
実施例72
(72-1)N-(4{[(2-ヒドロキシエチル)アミノ]メチル}フェニル)メタンスルホンアミド(実施例化合物72-1)
【0784】
【0785】
2-アミノエタノール(368mg)をメタノール(24mL)に溶解させ、N-(4-ホルミルフェニル)メタンスルホンアミド(1200mg)を加えた後、60℃にて100分間撹拌した。室温まで放冷し、10%パラジウム炭素(600mg)を加え、水素雰囲気下室温にて230分間攪拌した後、反応液を濾過した。濾液を濃縮することにより、標題化合物(quant.)を橙色油状物として得た。MS(APCI)m/z:245.0[M+H]+
【0786】
(72-2)2-({3-[3-(デシルオキシ)フェニル]プロパノイル}{4-[(メチルスルホニル)アミノ]ベンジル}アミノ)エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物72)
【0787】
【0788】
実施例36において実施例化合物16-2の代わりに参考例化合物5、2-[(2-メトキシエチル)アミノ]エタン-1-オールの代わりに実施例化合物72-1を用いて、(36-1)-(36-3)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(114mg)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:611.2[M-H]-
【0789】
実施例73
(73-1)2-[(4-アミノベンジル){3-[3-(デシルオキシ)フェニル]プロパノイル}アミノ]エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物73)
【0790】
【0791】
実施例58において4-ピリジンカルバルデヒドの代わりに(4-ホルミルフェニル)カルバミン酸tert-ブチルを用い、(58-1)-(58-3)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(230mg)を淡黄色油状物として得た。MS(APCI)m/z:533.2[M-H]-
【0792】
実施例74
(74-1)9-[4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-8-ノニン酸(実施例化合物74-1)
【0793】
【0794】
参考例化合物8(200mg)、1-ヨード-4-(トリフルオロメトキシ)ベンゼン(410mg)、ヨウ化銅(I)(123mg)、ジクロロパラジウムトリフェニルホスフィン(27mg)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.90mL)及びテトラヒドロフラン(5.2mL)の混合物を60℃で3時間攪拌した。反応液に1N塩酸を加え、酢酸エチルで抽出後、飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=80:20~60:40)にて精製することにより、標題化合物(320mg)を橙色油状物として得た。MS(ESI)m/z:313.3(M-H)-
【0795】
(74-2)ジベンジル 1-{9-[4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-8-ノニノイル}アゼチジン-3-イル ホスフェート(実施例化合物74-2)
【0796】
【0797】
参考例化合物2(248mg)のジクロロメタン(5.7mL)溶液にトリフルオロ酢酸(0.88mL)を0℃にて加え1時間攪拌した後、同温で、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(2.64mL)、実施例化合物74-1(120mg)、HATU(436mg)を加え1時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出、飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣を分取HPLC(10mM炭酸アンモニウム水溶液-アセトニトリル)にて精製することにより、標題化合物(140mg)を無色油状物として得た。MS(ESI)m/z:630.5(M+H)+
【0798】
(74-3)1-{9-[4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]ノナノイル}アゼチジン-3-イル ジハイドロゲン ホスフェート(実施例化合物74)
【0799】
【0800】
実施例化合物74-2(140mg)をメタノール(2.2mL)に溶解させ、パラジウム炭素(70mg)を加え、水素雰囲気下で室温にて5時間攪拌した。窒素置換後、反応液をシリンジフィルターに通しパラジウム炭素を除去した後、メタノールで洗いこんだ。溶媒留去することにより、標題化合物(87mg)を無色粘体として得た。MS(APCI)m/z:454.2(M+H)+
【0801】
実施例75
(75-1)tert-ブチル(3-ヨードフェノキシ)ジフェニルシラン(実施例化合物75-1)
【0802】
【0803】
2-ヨードフェノール(10.0g)、tert-ブチルジフェニルクロロシラン(12.4mL)、イミダゾール(6.19g)、N,N-ジメチルホルムアミド(45.5mL)の混合物を70℃で3時間撹拌した。反応混合物に水を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサンのみ)にて精製することにより、標題化合物(19.5g)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:475.8(M+NH4)+。
【0804】
(75-2)ベンジル 5-(3-{[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ}フェニル)-4-ペンチノアート(実施例化合物75-2)
【0805】
【0806】
実施例化合物75-1(9.74g)、実施例化合物34-1(4.00g)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(746mg)、ヨウ化銅(I)(202mg)、トリエチルアミン(42.5mL)の混合物を70℃で一昼夜撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を1N塩酸と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0~90:10)にて精製することにより、標題化合物(8.61g)を黄色油状物として得た。MS(APCI)m/z:536.1(M+NH4)+。
【0807】
(75-3)5-(3-{[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ}フェニル)4-ペンチン酸(実施例化合物75-3)
【0808】
【0809】
実施例化合物75-2(8.61g)のエタノール(55.3mL)溶液に、7.5%パラジウム炭素(861mg)を加え、水素雰囲気下、室温で一昼夜撹拌した。反応液の不溶物を珪藻土により濾去した後、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=80:20~60:40)にて精製することにより、標題化合物(7.98g)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:431.2(M-H)-
【0810】
(75-4)5-(3-{[tert-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ}フェニル)-1-(3-ヒドロキシアゼチジン)-1-イル)ペンタン-1-オン(実施例化合物75-4)
【0811】
【0812】
実施例化合物75-3(7.98g)のN,N-ジメチルホルムアミド(46.1mL)溶液に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(12.8mL)、3-ヒドロキシゼチジン塩酸塩(2.42g)、HATU(14.4g)を加え、室温で終夜撹拌した。反応混合物に水を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=40:60~0:100)にて精製することにより、標題化合物(6.82g)を黄色油状物として得た。MS(APCI)m/z:488.1(M+H)+
【0813】
(75-5)ジ-tert-ブチル 1-[5-(3-{[tert-ブチル(ビフェニル)シリル]オキシ}フェニル)ペンタノイル]アゼチジン-3-イル ホスフェート(実施例化合物75-5)
【0814】
【0815】
実施例化合物75-4のジクロロメタン(28.0mL)とアセトニトリル(14.0mL)混合溶液に、氷冷下1H-テトラゾール(1.96g)、ジ-tert-ブチル N,N-ジイソプロピルホスホロアミダイト(6.62mL)を加え、室温で3時間撹拌した。tert-ブチルヒドロペルオキシド(70%水溶液、6.70mL)を加え、室温で4時間撹拌した。反応混合物に飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:80~0:100)にて精製することにより、標題化合物(6.68g)を無色粘体として得た。MS(APCI)m/z:679.9(M+H)+
【0816】
(75-6)ジ-tert-ブチル 1-[5-(3-ヒドロキシフェニル)ペンタノイル]アゼチジン-3-イル ホスフェート(実施例化合物75-6)
【0817】
【0818】
実施例化合物75-5(5.30g)のテトラヒドロフラン(39.0mL)溶液に、テトラブチルアンモニウムフルオリド(約1mol/Lテトラヒドロフラン溶液、23.4mL)を加え、室温で一昼夜撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:0~90:10)にて精製することにより、標題化合物(3.16g)を黄色油状物として得た。MS(APCI)m/z:458.8(M+NH4)+
【0819】
(75-7)1-{5-[3-(3-フェニルプロピルオキシ)フェニル]ペンタノイル}アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物75)
【0820】
【0821】
実施例化合物75-6(190mg)のN,N-ジメチルホルムアミド(4.3mL)溶液に、水素化ナトリウム(60%、17.2mg)、(3-ブロモプロピル)ベンゼン(94.3mg)を加え、室温で3時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、濾液を減圧濃縮した。残渣にジクロロメタン(4.3mL)、トリフルオロ酢酸(0.86mL)を加え、室温で3時間撹拌した。反応液を減圧濃縮した。得られた残渣を分取HPLC(10mM炭酸アンモニウム水溶液-アセトニトリル)にて精製することにより、標題化合物(181mg)を黄色粘体として得た。MS(APCI)m/z:448.3(M+H)+
【0822】
実施例76
(76-1)5-ヘキシン酸ベンジル(実施例化合物76-1)
【0823】
【0824】
5-ヘキシン酸(5.50g)、ベンジルブロミド(6.42mL)、炭酸カリウム(13.6g)、N,N-ジメチルホルムアミド(49mL)の混合物を室温で一昼夜撹拌した。反応混合物に水を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0~90:10)にて精製することにより、標題化合物(10.38g)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:203.0(M+H)+
【0825】
(76-2)1-[6-(3-ヘキシルフェニル)ヘキサノイル]アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物76)
【0826】
【0827】
実施例59において1,4-ジヨードベンゼンの代わりに1,3-ジヨードベンゼン、実施例化合物34-1の代わりに実施例化合物76-1、1-ヘプチンの代わりに1-ヘキシンを用いて(59-1)-(59-4)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(55mg)を無色粘体として得た。MS(APCI)m/z:412.3(M+H)+
【0828】
実施例77
(77-1)1-[6-(3-ヘプチルフェニル)ヘキサノイル]アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物77)
【0829】
【0830】
実施例59において1,4-ジヨードベンゼンの代わりに1,3-ジヨードベンゼン、実施例化合物34-1の代わりに実施例化合物76-1を用いて(59-1)-(59-4)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(100mg)を得た。MS(APCI)m/z:426.3(M+H)+
【0831】
実施例78
(78-1)1-{5-[3-(4-フェニルブトキシ)フェニル]ペンタノイル}アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物78)
【0832】
【0833】
実施例75において(3-ブロモプロピル)ベンゼンの代わりに(4-ブロモブチル)ベンゼンを用いて、(75-7)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(414mg)を得た。MS(APCI)m/z:462.3(M+H)+
【0834】
実施例79
(79-1)1-(5-{3-[5-(フェニルペンチル)オキシ]フェニル}ペンタノイル)アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物79)
【0835】
【0836】
実施例75において(3-ブロモプロピル)ベンゼンの代わりに(5-ブロモペンチル)ベンゼンを用いて、(75-7)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(416mg)を得た。MS(APCI)m/z:476.3(M+H)+
【0837】
実施例80
(80-1)1-[9-(4-プロピルフェニル)ノナノイル]アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物80)
【0838】
【0839】
実施例60において1-ヨード-4-(トリフルオロメトキシ)ベンゼンの代わりに1-ヨード-4-プロピルベンゼンを用いて(60-1)-(60-2)と同様の反応、処理をすることにより得られた残渣を、分取HPLC(10mM炭酸アンモニウム水溶液-アセトニトリル)にて精製することにより、標題化合物(75mg)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:412.3[M+H]+
【0840】
実施例81
(81-1)2-({3-[3-(デシルオキシ)フェニル]プロパノイル}[4-(メトキシメチル)ベンジル]アミノ)エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物81)
【0841】
【0842】
実施例58において4-ピリジンカルバルデヒドの代わりに4-(メトキシメチル)ベンズアルデヒドを用い、(58-1)-(58-3)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(264.1mg)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:564.0[M+H]+
【0843】
実施例82
(82-1)メチル 9-(4-ブロモフェニル)-9-オキソ-ノナノアート(実施例化合物82-1)
【0844】
【0845】
9-メトキシ-9-オキソ-ノナン酸(3.00g)を1,2-ジクロロエタン(29.7mL)に溶解させ、塩化チオニル(3.25mL)、N,N-ジメチルホルムアミド(0.12mL)を加え80℃にて1時間攪拌した後、溶媒を減圧下留去した。残渣のジクロロメタン(24.8mL)溶液に塩化アルミニウム(1.98g)を0℃にて加え15分間攪拌した後、同温でブロモベンゼン(1.57mL)を加え室温にて2時間撹拌した。反応が進行していなかったため、塩化アルミニウム(0.99g)を0℃にて加え15分間攪拌した後、同温でブロモベンゼン(0.78mL)を加え室温にて15時間撹拌した。更に塩化アルミニウム(0.99g)を0℃にて加え15分間攪拌した後、同温でブロモベンゼン(0.78mL)を加え室温にて3時間撹拌した。反応液を氷水にゆっくり滴下し、1時間撹拌後、クロロホルムで抽出、飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣を塩基性シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)にて精製することにより、標題化合物(4.99g)を淡黄色油状物として得た。MS(ESI)m/z:341.2, 343.2(M+H)+
【0846】
(82-2)9-(4-ブロモフェニル)ノナン酸(実施例化合物82-2)
【0847】
【0848】
実施例化合物82-1(4.99g)のメタノール(29.2mL)溶液に1N水酸化ナトリウム水溶液(29.2mL)、テトラヒドロフラン(14.6mL)を加え室温にて4時間撹拌後、氷水下1N塩酸(30mL)を加え、酢酸エチルにて抽出後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をトリフルオロ酢酸(48.7mL)溶液に、氷冷下トリエチルシラン(7.01mL)を加え、室温にて1時間撹拌した。溶媒留去後得られた残渣を氷水に注ぎ1時間撹拌後、酢酸エチルにて抽出、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=90:10~65:35)にて精製することにより、標題化合物(0.42g)を白色固体として得た。MS(APCI)m/z:311.0,313.0[M+H]-
【0849】
(82-3)9-(ビフェニル-4-イル)ノナン酸(実施例化合物82-3)
【0850】
【0851】
実施例化合物82-2(100mg)の1,4-ジオキサン(1.6mL)溶液に、窒素雰囲気下でフェニルボロン酸ピナコールエステル(78mg)、2Nリン酸カリウム水溶液(0.64mL)、XPhos-Pd-G2(25mg)を加え、100℃にて2時間攪拌した。反応液に1N塩酸を加え、酢酸エチルで抽出、飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=70:30~50:50)にて精製することにより、標題化合物(97mg)を白色固体として得た。MS(ESI)m/z:309.2(M-H)-
【0852】
(82-4)ジベンジル 1-[9-(ビフェニル-4-イル)ノナノイル]アゼチジン-3-イル ホスフェート(実施例化合物82-4)
【0853】
【0854】
参考例化合物2(210mg)のジクロロメタン(4.9mL)溶液に、氷冷下トリフルオロ酢酸(0.75mL)を加え、そのまま1時間撹拌した後、氷冷のまま反応液にN,N-ジイソプロピルエチルアミン(2.23mL)を滴下後、実施例化合物82-3(108mg)のジクロロメタン(1mL)溶液、HATU(175mg)を加え、氷冷のまま1時間撹拌した。反応液に、飽和食塩水を加え、酢酸エチルで抽出後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣を、分取HPLC(10mM炭酸アンモニウム水溶液-アセトニトリル)にて精製することにより、標題化合物(140mg)を無色油状物として得た。MS(ESI)m/z:626.6[M+H]+
【0855】
(82-5)1-[9-(ビフェニル-4-イル)ノナノイル]アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート(実施例化合物82)
【0856】
【0857】
実施例化合物82-4(140mg)、パラジウム炭素 (70mg)、メタノール(1.5mL)の懸濁液を、水素雰囲気下、室温にて20時間撹拌した。反応液をPd除去フィルターに通した後、メタノールで洗浄、濾液を濃縮した。得られた固体をメタノール溶媒中で超音波懸濁洗浄することにより、標題化合物(83mg)を白色固体として得た。MS(APCI)m/z:446.2(M+H)+
【0858】
実施例83
(83-1)4-({[tert-ブチル(ビフェニル)シリル]オキシ}メチル)ベンズアルデヒド(実施例化合物83-1)
【0859】
【0860】
4-(ヒドロキシメチル)ベンズアルデヒド(1.20g)をジクロロメタン(30mL)に溶解させ、氷冷下、イミダゾール(1.44g)を加え、tert-ブチルクロロジフェニルシラン(2.75mL)を滴下した後、室温下、75分間撹拌した。氷冷下、反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出後、飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0~87:13)にて精製することにより、標題化合物(quant.)を白色粉末として得た。MS(APCI)m/z:375.1[M+H]+
【0861】
(83-2)2-({3-[3-(デシルオキシ)フェニル]プロパノイル}[4-(ヒドロキシメチル)ベンジル]アミノ)エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物83)
【0862】
【0863】
実施例58において4-ピリジンカルバルデヒドの代わりに実施例化合物83-1を用いて(58-1)-(58-3)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(169mg)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:550.1[M+H]+
【0864】
実施例84
(84-1)9-(4-tert-ブチルフェニル)-8-ノニン酸(実施例化合物84-1)
【0865】
【0866】
参考例化合物8(150mg)、1-tert-ブチル-4-ヨードベンゼン(0.207mL)、ヨウ化銅(I)(28mg)、ジクロロパラジウムトリフェニルホスフィン(41mg)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.67mL)及びテトラヒドロフラン(3.9mL)の混合物を60℃で3時間攪拌した。反応液に1N塩酸を加え、酢酸エチルで抽出後、飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=75:25~55:45)にて精製することにより、標題化合物(140mg)を褐色固体として得た。MS(ESI)m/z:287.3(M+H)+
【0867】
(84-2)ジベンジル {1-[9-(4-tert-ブチルフェニル)-8-ノニノイル}アゼチジン-3-イル ホスフェート(実施例化合物84-2)
【0868】
【0869】
参考例化合物2(159mg)のジクロロメタン(3.7mL)溶液にトリフルオロ酢酸(0.56mL)を0℃にて加え1時間攪拌した後、同温で、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.69mL)、実施例化合物84-1(70mg)、HATU(279mg)を加えそのまま1時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出、飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣を分取HPLC(10mM炭酸アンモニウム水溶液-アセトニトリル)にて精製することにより、標題化合物(89mg)を無色油状物として得た。MS(ESI)m/z:602.6(M+H)+
【0870】
(84-3)1-[9-(4-tert-ブチルフェニル)ノナノイル]アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート(実施例化合物84)
【0871】
【0872】
実施例化合物84-2(86mg)をメタノール(1.4mL)に溶解させ、パラジウム炭素(43mg)を加え、水素雰囲気下で室温にて20時間攪拌した。窒素置換後、Pd除去フィルターに通し、パラジウム炭素を除去した後、メタノールで洗いこみ溶媒留去することにより、標題化合物(61mg)を無色粘体として得た。MS(APCI)m/z:426.3(M+H)+
【0873】
実施例85
(85-1)9-(4-ブロモ-3-フルオロフェニル)-8-ノニン酸(実施例化合物85-1)
【0874】
【0875】
実施例74において1-ヨード-4-(トリフルオロメトキシ)ベンゼンの代わりに1-ブロモ-2-フルオロ-4-ヨードベンゼンを用いて、(74-1)同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(589mg)を橙色固体として得た。MS(ESI)m/z:327.0,325.0(M+H)+
(85-2)9-(4-エテニル-3-フルオロフェニル)-8-ノニン酸(実施例化合物85-2)
【0876】
【0877】
実施例82において、実施例化合物82-2の代わりに実施例化合物85-1、フェニルボロン酸ピナコールエステルの代わりにビニルボロン酸ピナコールエステルを用いて、(82-3)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(137mg)を白色固体として得た。MS(ESI)m/z:275.2(M+H)+
【0878】
(85-3)1-[9-(4-エチル-3-フルオロフェニル)ノナノイル]アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート(実施例化合物85)
【0879】
【0880】
実施例74において実施例化合物74-1の代わりに実施例化合物85-2を用いて、(74-2)-(74-3)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(51mg)を無色粘体として得た。MS(APCI)m/z:416.2(M+H)+
【0881】
実施例86
(86-1)2-[{3-[3-(デシルオキシ)フェニル]プロパノイル}(4-エトキシベンジル)アミノ]エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物86)
【0882】
【0883】
実施例56において3-ピリジンカルバルデヒドの代わりに4-エトキシベンズアルデヒドを用いて、(56-1)-(56-2)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(195mg)を無色粘体として得た。MS(APCI)m/z:564(M+H)+
【0884】
実施例87
(87-1)9-(4-シクロプロピルフェニル)ノナン酸(実施例化合物87-1)
【0885】
【0886】
実施例化合物82-2(200mg)の1,4-ジオキサン(4.3mL)溶液に、窒素雰囲気下でシクロプロピルボロン酸ピナコールエステル(215mg)、2Nリン酸カリウム水溶液(1.28mL)、XPhos-Pd-G2(50mg)を加え、100℃にて2時間攪拌した。更にシクロプロピルボロン酸ピナコールエステル(107mg)、2Nリン酸カリウム水溶液(0.64mL)、XPhos-Pd-G2(50mg)を加え、100℃にて2日間攪拌した。反応液に1N塩酸を加え、酢酸エチルで抽出、飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=70:30~40:60)にて精製することにより、標題化合物の粗精製体(82mg)を黄色固体として得た。MS(ESI)m/z:273.3(M-H)-
【0887】
(87-2)1-[9-(4-シクロプロピルフェニル)ノナノイル]アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物87)
【0888】
【0889】
実施例化合物87-1(75mg)のN,N-ジメチルホルムアミド(2.7mL)溶液に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.106mL)、参考例化合物1(87mg)、HATU(156mg)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣にジクロロメタン(2.7mL)、トリフルオロ酢酸(0.27mL)を加え、室温で3時間撹拌した。反応液を減圧濃縮した。得られた残渣を分取HPLC(10mM炭酸アンモニウム水溶液-アセトニトリル)にて精製することにより、標題化合物(44mg)を無色粘体として得た。MS(APCI)m/z:410.2(M+H)+
【0890】
実施例88
(88-1)1-{5-[3-(4-シクロヘキシルブトキシ)フェニル]ペンタノイル}アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物88)
【0891】
【0892】
実施例75において、(3-ブロモプロピル)ベンゼンの代わりに(4-ブロモブチル)シクロヘキサンを用いて、(75-7)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(141mg)を得た。MS(APCI)m/z:468.3(M+H)
【0893】
実施例89
(89-1)1-{9-[2-フルオロ-4-(トリフルオロ)フェニル]ノナノイル}アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェートアンモニウム塩 (実施例化合物89)
【0894】
【0895】
実施例59において実施例化合物59-1の代わりに1-ヨード-4-(トリフルオロメトキシ)ベンゼン、1-ヘプチンの代わりに参考例化合物8を用いて(59-2)-(59-4)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(71mg)を無色粘体として得た。MS(APCI)m/z:456.2(M+H)+
【0896】
実施例90
(90-1)1-{5-[3-(2-シクロヘキシルエトキシ)フェニル]ペンタノイル}アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物90)
【0897】
【0898】
実施例75において(3-ブロモプロピル)ベンゼンの代わりに(2-ブロモエチル)シクロヘキサンを用いて、(75-7)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(140mg)を得た。MS(APCI)m/z:440.3(M+H)+
【0899】
実施例91
(91-1)1-(5-{3-[(6,6,6-トリフルオロヘキシル)オキシ]フェニル}ペンタノイル)アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物91)
【0900】
【0901】
実施例75において(3-ブロモプロピル)ベンゼンの代わりに1-ブロモ-6,6,6-トリフロオロヘキサンを用いて、(75-7)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(51mg)を得た。MS(APCI)m/z:468.2(M+H)+
【0902】
実施例92
(92-1)1-{9-[3-フルオロ-4-(トリフルオロ)フェニル]ノナノイル}アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート(実施例化合物92)
【0903】
【0904】
実施例74において、1-ヨード-4-(トリフルオロメトキシ)ベンゼンの代わりに2-フルオロ-4-ヨードベンゼントリフルオリドを用いて、(74-1)-(74-3)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(91mg)を白色固体として得た。MS(ESI)m/z:275(M+H)+
【0905】
実施例93
(93-1)9-[(4-シクロヘキセン-1-イル)フェニル]ノナン酸(実施例化合物93-1)
【0906】
【0907】
実施例化合物82-2(143mg)の1,4-ジオキサン(2.3mL)溶液に、窒素雰囲気下で1-シクロヘキセン-1-イルボロン酸(115mg)、2Nリン酸カリウム水溶液(0.91mL)、XPhos-Pd-G2(36mg)を加え、100℃にて3時間攪拌した。反応液に1N塩酸を加え、酢酸エチルで抽出、飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=75:25~60:40)にて精製することにより、標題化合物(126mg)を白色固体として得た。MS(APCI)m/z:315.2(M+H)+
【0908】
(93-2)ジベンジル 1-{9-[(4-シクロヘキセン-1-イル)フェニル]ノナノイル}アゼチジン-3-イル ホスフェート(実施例化合物93-2)
【0909】
【0910】
参考例化合物2(144mg)のジクロロメタン(3.3mL)溶液にトリフルオロ酢酸(0.51mL)を0℃にて加え1時間攪拌した後、同温で、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.54mL)、実施例化合物93-1(70mg)、HATU(254mg)を加え1時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出、飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣を分取HPLC(10mM炭酸アンモニウム水溶液-アセトニトリル)にて精製することにより、標題化合物(100mg)を無色油状物として得た。MS(ESI)m/z:630.6(M+H)+
【0911】
(93-3)1-[9-(4-シクロヘキシルフェニル)ノナノイル]アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート(実施例化合物93)
【0912】
【0913】
実施例化合物93-2(98mg)をメタノール(1.0mL)に溶解させ、パラジウム炭素(29mg)を加え、水素雰囲気下で室温にて20時間攪拌した。窒素置換後、反応液をシリンジフィルターに通し、パラジウム炭素を除去した後、メタノールで洗いこんだ。溶媒留去することにより、標題化合物(87mg)を無色粘体として得た。MS(APCI)m/z:452.4(M+H)+
【0914】
実施例94
(94-1)tert-ブチル(4-ホルミルフェニル)メチルカルバメート(実施例化合物94-1)
【0915】
【0916】
tert-ブチル(4-ホルミルフェニル)カーバメート(2.00g)をN,N-ジメチルホルムアミド(18.4mL)に溶解させ、氷冷下、水素化ナトリウム(470mg)を加えた後、室温にて30分間撹拌した。氷冷下、ヨウ化メチル(0.844mL)を滴下した後、室温にて2時間撹拌した。氷冷下、水を加えた後、酢酸エチルで抽出後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=95:5~80:20)にて精製することにより、標題化合物(1.82g)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:235.9[M+H]+
【0917】
(94-2)2-[{3-[3-(デシルオキシ)フェニル]プロパノイル}[4-(メチルアミノ)ベンジル]アミノ]エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物94)
【0918】
【0919】
実施例58において4-ピリジンカルバルデヒドの代わりに実施例化合物94-1を用いて(58-1)-(58-3)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(237mg)を白色油状物として得た。MS(APCI)m/z:547.5[M-H]-
【0920】
実施例95
(95-1)2-[{3-[3-(デシルオキシ)フェニル]プロパノイル}(3-メトキシベンジル)アミノ]エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物95)
【0921】
【0922】
実施例56において3-ピリジンカルバルデヒドの代わりに3-メトキシベンズアルデヒドを用いて(56-1)-(56-2)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(240mg)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:550.2[M+H]+
【0923】
実施例96
(96-1)2-({3-[3-(デシルオキシ)フェニル]プロパノイル}[(6-メトキシピリジン-3-イル)メチル]アミノ)エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物96)
【0924】
【0925】
実施例58において4-ピリジンカルバルデヒドの代わりに6-メトキシ-3-ピリジンカルバルデヒドを用いて(58-1)-(58-3)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(165mg)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:551.4[M+H]+
【0926】
実施例97
(97-1)3-[3-(ヘキシルオキシ)フェニル]プロピル-3-(ホスホノオキシ)アゼチジン-1-カルボキシラート アンモニウム塩(実施例化合物97)
【0927】
【0928】
実施例48において3-ヒドロキシ安息香酸メチルの代わりに3-(3-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸メチル、1-ブロモウンデカンの代わりに1-ブロモヘキサンを用いて(48-1)-(48-4)と同様の反応、処理をすることにより標題化合物(92mg)を無色固体として得た。MS(APCI)m/z:416.2(M+H)+
【0929】
実施例98
(98-1) ベンジル 5-[4-ブロモ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]-4-ペンチノアート(実施例化合物98-1)
【0930】
【0931】
1-ブロモ-4-ヨード-2-(トリフルオロメチル)ベンゼン(1.19g)、実施例化合物34-1(600mg)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(112mg)、ヨウ化銅(I)(30mg)、トリエチルアミン(15.9mL)の混合物を室温で一昼夜撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を1N塩酸と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=95:5~85:15)にて精製することにより、標題化合物(1.02g)を黄色油状物として得た。MS(APCI)m/z:428.0, 429.9(M+NH4)+
【0932】
(98-2)ベンジル 5-{4-[(1E)-1-へプテン-1-イル]-3-(トリフルオロメチル)ペンチル}-4-ペンチノアート(実施例化合物98-2)
【0933】
【0934】
実施例化合物98-1(200mg)、トランス-1-ヘプテニルボロン酸ピナコールエステル(131mg)、XPhos-Pd-G2(19.1mg)、リン酸三カリウム(207mg)、テトラヒドロフラン(4.9mL)、水(2.4mL)の混合物を60℃で2時間撹拌した。反応混合物に飽和食塩水溶液と酢酸エチルを加え、有機層をPhase-separator(登録商標)で分離し、減圧濃縮した。得られた残渣をNHシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0~90:10)にて2回精製後、再度シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0~90:10)にて精製することにより、標題化合物(163mg)を黄色油状物として得た。MS(APCI)m/z:446.1(M+NH4)+
【0935】
(98-3)5-[4-ヘプチル-3-(トリフルオロメチル)フェニル]ペンタン酸(実施例化合物98-3)
【0936】
【0937】
実施例化合物98-2(158mg)のエタノール(3.7mL)溶液に、7.5%パラジウム炭素(32mg)を加え、水素雰囲気下、室温で一昼夜撹拌した。反応液の不溶物を珪藻土により濾去した後、濾液を減圧濃縮することにより、標題化合物(136mg)を黄色油状物として得た。MS(APCI)m/z:343.1(M-H)-
【0938】
(98-4)1-{5-[4-ヘプチル-3-(トリフルオロメチル)フェニル]ペンタノイル}アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物98)
【0939】
【0940】
実施例化合物98-3(122mg)のN,N-ジメチルホルムアミド(3.5mL)溶液に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.18mL)、参考例化合物1(113mg)、HATU(202mg)を加え、室温で終夜撹拌した。反応混合物を分取HPLC(10mM炭酸アンモニウム水溶液-アセトニトリル)にて精製した。得られた残渣に、ジクロロメタン(3.5mL)、トリフルオロ酢酸(0.71mL)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液を減圧濃縮した。得られた残渣を分取HPLC(10mM炭酸アンモニウム水溶液-アセトニトリル)にて精製することにより、標題化合物(126mg)を無色固体として得た。MS(APCI)m/z:480.3(M+H)+
【0941】
実施例99
(99-1)1-[5-(4-ヘプチル-3-メトキシフェニル)ペンタノイル]アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物99)
【0942】
【0943】
実施例98において1-ブロモ-4-ヨード-2-(トリフルオロメチル)ベンゼンの代わりに1-ブロモ4-ヨード-2-メトキシベンゼンを用いて、(98-1)-(98-4)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(96mg)を無色固体として得た。MS(APCI)m/z:442.4(M+H)+
【0944】
実施例100
(100-1)1-{5-[4-ヘプチル-2-(トリフルオロメチル)フェニル]ペンタノイル}アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物100)
【0945】
【0946】
実施例98において1-ブロモ-4-ヨード-2-(トリフルオロメチル)ベンゼンの代わりに4-ブロモ-1-ヨード-3-(トリフルオロメチル)ベンゼンを用いて、(98-1)-(98-4)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(158mg)を無色固体として得た。MS(APCI)m/z:480.3(M+H)+
【0947】
実施例101
(101-1)[2-(3-ブロモフェニル)エチル]プロパン酸ジエチル(実施例化合物101-1)
【0948】
【0949】
水素化ナトリウム(60%、1.52g)のN,N-ジメチルホルムアミド(38mL)懸濁液に、マロン酸ジエチル(6.07g)を加え、室温で1時間撹拌した。3-ブロモ-1-(2-ブロモエチル)ベンゼン(10.0g)のN,N-ジメチルホルムアミド(38mL)溶液を加え、室温で5時間撹拌した。反応混合物に水を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を水と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0~92:8)にて精製することにより、標題化合物(8.73g)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:343.0(M+H)+。
【0950】
(101-2)4-(3-ブロモフェニル)ブタン酸(実施例化合物101-2)
【0951】
【0952】
実施例化合物101-1(8.73g)、4N水酸化ナトリウム水溶液(25.4mL)、エタノール(25mL)の混合物を加熱還流下3時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮した。4N塩化水素水溶液(50.8mL)、1,4-ジオキサン(51mL)の混合物を加熱還流下一昼夜撹拌した。反応混合物に飽和食塩水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=75:25~50:50)にて精製することにより、標題化合物(3.35g)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:240.9,242.8(M-H)-
【0953】
(101-3)4-(3-ヨードフェニル)ブタン酸(実施例化合物101-3)
【0954】
【0955】
実施例化合物101-2(300mg)のテトラヒドロフラン(12.3mL)溶液に、-78℃でn-ブチルリチウム(1.60mol/l,n-ヘキサン溶液、1.93mL)を滴下し、同温で15分撹拌後、ヨウ素(470mg)を加え、徐々に室温まで昇温させながら2時間撹拌した。反応混合物に飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液、1N塩酸、クロロホルムを加え、Phase-separator(登録商標)で有機層を分離し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=75:25~50:50)にて精製することにより、標題化合物(231mg)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:288.8(M-H)-
【0956】
(101-4)1-[4-(3-オクチルフェニル)ブタノイル]アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート(実施例化合物101)
【0957】
【0958】
実施例74において参考例化合物8の代わりに1-オクチン、1-ヨード-4-(トリフルオロメトキシ)ベンゼンの代わりに実施例化合物101-3を用いて(74-1)-(74-3)と同様の反応、処理し、得られた残渣を分取HPLC(10mM炭酸アンモニウム水溶液-アセトニトリル)にて精製することにより、標題化合物(31mg)を無色固体として得た。MS(APCI)m/z:412.4(M+H)+
【0959】
実施例102
(102-1)9-(プロピルフェニル)-9-ノニン酸(実施例化合物102-1)
【0960】
【0961】
参考例化合物8(3.60g)をテトラヒドロフラン(10mL)に溶解させ、1-ヨード-4-プロピルベンゼン(8.60g)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(16mL)、ヨウ化銅(I)(670mg)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(980mg)を室温下加え、60℃にて4時間攪拌した。反応液に氷冷下、1N塩酸を加え、酢酸エチルで抽出後、飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=90:10~65:35)にて精製することにより、標題化合物(3.86g)を粗精製体茶色油状物として得た。MS(APCI)m/z:271.0[M-H]-
【0962】
(102-2)9-(4-プロピルフェニル)ノナン酸(実施例化合物102-2)
【0963】
【0964】
実施例化合物102-1(3.42g)をメタノール(50mL)に溶解させ、パラジウム炭素(1.36g)を加え、室温にて16時間攪拌した。反応終了後、珪藻土によりパラジウム炭素を濾去した後、濾液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール=90:10~60:40)にて精製することにより、標題化合物(2.12g)を褐色油状物として得た。MS(APCI)m/z:275.2[M-H]-
【0965】
(102-3)2-[(1,3-チアゾール-5-イルメチル)アミノ]エタノール(実施例化合物102-3)
【0966】
【0967】
2-アミノエタノール(135mg)をメタノール(7.4mL)に溶解させ、チアゾール-5-カルバルデヒド(250mg)を加えた後、60℃にて2時間撹拌した。室温まで放冷し、氷冷下、水素化ホウ素ナトリウム(310mg)を加えた後、室温下、1.5時間撹拌した。溶媒を減圧留去し、得られた残渣をNHシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:0~90:10)にて精製することにより、標題化合物(330mg)を淡黄色油状物として得た。MS(APCI)m/z:158.9[M+H]+
【0968】
(102-4)N-(2-ヒドロキシエチル)-9-(4-プロピルフェニル)-N-(1,3-チアゾール-5-イルメチル)ノナンアミド(実施例化合物102-4)
【0969】
【0970】
実施例化合物102-1(200mg)をN,N-ジメチルホルムアミド(2.2mL)に溶解させ、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.376mL)、HATU(413mg)を加えた後、実施例化合物102-3(137mg)のN,N-ジメチルホルムアミド(3mL)溶液を滴下した後、室温下、12.5時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水を加え、酢酸エチルで抽出後、飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール=100:0~91:9)にて精製することにより、標題化合物(quant.)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:417.4[M+H]+
【0971】
(102-5)ジ-tert-ブチル 2-{[9-(4-プロピルフェニル)ノナノイル](1,3-チアゾール-5-イルメチル)アミノ}エチル ホスフェート(実施例化合物102-5)
【0972】
【0973】
実施例化合物102-4(302mg)をジクロロメタン(3.0mL)とアセトニトリル(1.2mL)に溶解させ、氷冷下、1H-テトラゾール(101mg)を加え、ジ-tert-ブチル N,N-ジイソプロピルホスホロアミダイト(0.466mL)を滴下した後、室温下、95分間撹拌した。氷冷下、tert-ブチルヒドロペルオキシド(0.26mL)を滴下した後、室温下、1時間撹拌した。氷冷下、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(5mL)を加えた後、室温下、10分間撹拌した。反応液に酢酸エチルを加え抽出後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール=100:0~95:5)にて精製することにより、標題化合物(309mg)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:609.2[M+H]+
【0974】
(102-6)2-{[9-(4-プロピルフェニル)ノナノイル](1,3-チアゾール-5-イルメチル)アミノ}エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物102)
【0975】
【0976】
実施例化合物102-5(301mg)をジクロロメタン(7.61mL)に溶解させ、氷冷下、トリフルオロ酢酸(0.758mL)を滴下した後、室温下、140分間撹拌した。溶媒を減圧留去後、ジエチルエーテルを加え、溶媒を減圧留去する操作を三回繰り返した後、得られた残渣を分取HPLC(10mM炭酸アンモニウム水溶液-アセトニトリル)にて精製することにより、標題化合物(176mg)を淡黄色油状物として得た。MS(APCI)m/z:497.2[M+H]+
【0977】
実施例103
(103-1)ジ-tert-ブチル 2-{[4-(メチルスルファモイル)ベンジル]アミノ}エチル ホスフェート(実施例化合物103-1)
【0978】
【0979】
参考例化合物7-2(636mg)をメタノール(8.37mL)に溶解させ、4-ホルミル-N-メチルベンゼンスルホンアミド(500mg)を加えた後、60℃にて2時間撹拌した。室温まで放冷し、氷冷下、水素化ホウ素ナトリウム(95mg)を加えた後、室温下、85分間撹拌した。氷冷下、水を加えた後、溶媒を減圧留去した。残渣をNHシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:0~95:5)にて精製することにより、標題化合物(599mg)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:437.0[M+H]+
【0980】
(103-2)2-({3-[3-(デシルオキシ)フェニル]プロパノイル}{4-[(メチルスルファモイル)ベンジル]アミノ)エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物103)
【0981】
【0982】
参考例化合物5(170mg)をN,N-ジメチルホルムアミド(2.04mL)に溶解させ、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.288mL)、HATU(316mg)を加えた後、実施例化合物103-1(339mg)のN,N-ジメチルホルムアミド(3mL)溶液を滴下した後、室温下、15.5時間撹拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、水を加え、酢酸エチルで抽出後、飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:80~0:100)にて精製し、得られた化合物をジクロロメタン(9mL)に溶解させ、氷冷下、トリフルオロ酢酸(0.896mL)を滴下した後、室温下、2時間撹拌した。溶媒を減圧留去後、ジエチルエーテルを加え、溶媒を減圧留去する操作を三回繰り返した後、得られた残渣を分取HPLC(10mM炭酸アンモニウム水溶液-アセトニトリル)にて精製することにより、標題化合物(53mg)を白色粉末として得た。MS(APCI)m/z:613.0[M+H]+
【0983】
実施例104
(104-1)2-{[9-(4-プロピルフェニル)ノナノイル](ピラジン-4-イルメチル)アミノ}エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物104)
【0984】
【0985】
実施例58において4-ピリジンカルバルデヒドの代わりにピリダジン-4-カルバルデヒドを用いて(58-1)-(58-3)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(173mg)を薄紫色油状物として得た。MS(APCI)m/z:492.3[M+H]+
【0986】
実施例105
(105-1)2-{(4-メトキシベンジル)[9-(4-ペンチルフェニル)ノナノイル]アミノ}エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物105)
【0987】
【0988】
実施例59において実施例化合物59-1の代わりに1-ヨード-4-ペンチルベンゼン、1-ヘプチンの代わりに参考例化合物8、参考例化合物1の代わりに参考例化合物7を用いて(59-2)-(59-4)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(90mg)を無色油状物質として得た。MS(APCI)m/z:548.0[M+H]+
【0989】
実施例106
(106-1)ベンジル 5-(4-ヒドロキシフェニル)-4-ペンチノアート(実施例化合物106-1)
【0990】
【0991】
実施例59において、1,4-ジヨードベンゼンの代わりに4-ヨードフェノールを用いて、(59-1)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(2.56g)を黄色油状物として得た。MS(APCI)m/z:279.1[M-H]-
【0992】
(106-2)ベンジル 5-{4-[(5-フェニルペンチル)オキシ]フェニル}-4-ペンチノアート(実施例化合物106-2)
【0993】
【0994】
実施例化合物106-1(150mg)、1-ブロモ-5-フェニルペンタン(0.108mL)、炭酸セシウム(349mg)、N,N-ジメチルホルムアミド(2.68mL)の混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物に水を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール=100:0~90:10)にて精製することにより、標題化合物(201mg)を無色固体として得た。MS(APCI)m/z:427.4[M+H]+
【0995】
(106-3)2-[(4-メトキシベンジル)(5-{4-[(5-フェニルペンチル)オキシ]フェニル}ペンタノイル)アミノ]エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物106)
【0996】
【0997】
実施例化合物106-2(195mg)のエタノール(4.6mL)溶液に、7.5%パラジウム炭素(39mg)を加え、水素雰囲気下室温で一昼夜撹拌した。反応液の不溶物を珪藻土により濾去した後、濾液を減圧濃縮した。残渣をN,N-ジメチルホルムアミド(4.6mL)に溶解させ、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.24mL)、HATU(261mg)、参考例化合物7(205mg)を加え、室温にて終夜撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水と飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=65:35~45:55)にて精製した。得られた固体(255mg)のジクロロメタン(3.7mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(0.73mL)を加え室温にて2時間撹拌し、反応混合物を減圧濃縮した。得られた残渣を分取HPLC(10mM炭酸アンモニウム水溶液-アセトニトリル)にて精製することにより、標題化合物(165mg)を無色固体として得た。MS(APCI)m/z:584.0(M+H)+
【0998】
実施例107
(107-1)2-[(4-メトキシベンジル){5-[4-(4-フェニルブトキシ)フェニル]ペンタノイル}アミノ]エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物107)
【0999】
【1000】
実施例106において、1-ブロモ-5-フェニルペンタンの代わりに1-ブロモ-4-フェニルブタンを用いて、(106-2)-(106-3)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(215mg)を無色粘体として得た。MS(APCI)m/z:570.0(M+H)+
【1001】
実施例108
(108-1)ベンジル 5-(2-クロロ-5-ヒドロキシフェニル)-4-ペンチノアート(実施例化合物108-1)
【1002】
【1003】
実施例59において、1,4-ジヨードベンゼンの代わりに4-クロロ-3-ヨードフェノールを用いて、(59-1)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(628mg)を黄色固体として得た。MS(APCI)m/z:312.9[M-H]-
【1004】
(108-2)ベンジル 5-(2-クロロ-5-ヒドロキシフェニル)ペンタノアート(実施例化合物108-2)
【1005】
【1006】
実施例化合物108-1(620mg)のテトラヒドロフラン(6.5mL)、メタノール(6.5mL)溶液に、トリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)クロリド(91mg)を加え、水素雰囲気下室温で終夜撹拌し後、反応混合物を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=85:15~65:35)にて精製することにより、標題化合物(489mg)を淡黄色油状物として得た。MS(APCI)m/z:317.0[M-H]-
【1007】
(108-3)ベンジル 5-[2-クロロ-5-(4-フェニルブトキシ)フェニル]ペンタノアート(実施例化合物108-3)
【1008】
【1009】
実施例106において、実施例化合物106-1の代わりに実施例化合物108-2、1-ブロモ-5-フェニルペンタンの代わりに1-ブロモ-4-フェニルブタンを用いて、(106-2)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(209mg)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:468.2(M+NH4)+
【1010】
(108-4)ジ-tert-ブチル 2-[{5-[2-クロロ-5-(4-フェニルブトキシ)フェニル]ペンタノイル}(4-メトキシベンジル)アミノ]エチルホスフェート(実施例化合物108-4)
【1011】
【1012】
実施例化合物108-3(200mg)のエタノール(1.1mL)とテトラヒドロフラン(1.1mL)の混合溶液に1N水酸化ナトリウム水溶液(1.77mL)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物に1N塩酸とクロロホルムを加えて撹拌した後に、有機層をPhase-separator(登録商標)で分離し、減圧濃縮した。残渣のN,N-ジメチルホルムアミド(4.4mL)溶液に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.23mL)、参考例化合物7(199mg)、HATU(253mg)を加え、室温で終夜撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、乾燥剤を濾去し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=45:55~20:80)にて精製することにより、標題化合物(310mg)を黄色油状物として得た。MS(APCI)m/z:715.9[M+H]+
【1013】
(108-5)2-[{5-[2-クロロ-5-(4-フェニルブトキシ)フェニル]ペンタノイル}(4-メトキシベンジル)アミノ]エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物108)
【1014】
【1015】
実施例化合物108-4(305mg)のジクロロメタン(4.3mL)溶液にトリフルオロ酢酸(0.85mL)を加え、室温で2時間撹拌した後、反応混合物を減圧濃縮した。得られた残渣を分取HPLC(10mM炭酸アンモニウム水溶液-アセトニトリル)にて精製することにより、標題化合物(222mg)を淡黄色粘体として得た。MS(APCI)m/z:604.0[M+H]+
【1016】
実施例109
(109-1)2-[{5-[2-クロロ-3-(4-フェニルブトキシ)フェニル]ペンタノイル}(4-メトキシベンジル)アミノ]エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物109)
【1017】
【1018】
実施例108において4-クロロ-3-ヨードフェノールの代わりに2-クロロ-3-ヨードフェノールを用いて(108-1)-(108-5)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(170mg)を淡黄色粘体として得た。MS(APCI)m/z:604.0[M+H]+
【1019】
実施例110
(110-1)2-[{5-[3-(5-シクロヘキシルペンチル)フェニル]ペンタノイル}(4-メトキシベンジル)アミノ]エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物110)
【1020】
【1021】
実施例59において1,4-ジヨードベンゼンの代わりに1,3-ジヨードベンゼン、1-ヘプチンの代わりに4-ペンチン-1-イルシクロヘキサン、参考例化合物1の代わりに参考例化合物7を用いて(59-1)-(59-4)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(83mg)を無色粘体として得た。MS(APCI)m/z:574.1[M+H]+
【1022】
実施例111
(111-1)2-[{5-[4-(5-シクロヘキシルペンチル)フェニル]ペンタノイル}(4-メトキシベンジル)アミノ]エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物111)
【1023】
【1024】
実施例59において1-ヘプチンの代わりに4-ペンチン-1-イルシクロヘキサン、参考例化合物1の代わりに参考例化合物7を用いて(59-2)-(59-4)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(99mg)を無色粘体として得た。MS(APCI)m/z:574.1[M+H]+
【1025】
実施例112
(112-1)2-{[(2-メトキシピリジン-4-イル)メチル][9-(4-プロピルフェニル)ノナノイル]アミノ}エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物112)
【1026】
【1027】
実施例58において4-ピリジンカルバルデヒドの代わりに2-メトキシピリジン-4-カルバルデヒドを用いて(58-1)-(58-3)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(132mg)を無色粘体として得た。MS(APCI)m/z:521.2[M+H]+
【1028】
実施例113
(113-1)ベンジル 5-(3-ヒドロキシフェニル)-4-ペンチノアート(実施例化合物113-1)
【1029】
【1030】
実施例59において、1,4-ジヨードベンゼンの代わりに3-ヨードフェノールを用いて、(59-1)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(2.78g)を無色固体として得た。MS(APCI)m/z:279.1[M-H]-
【1031】
(113-2)ベンジル 5-[3-(3-ブチン-1-イルオキシ)フェニル]-4-ペンチノアート(実施例化合物113-2)
【1032】
【1033】
実施例化合物113-1(848mg)のテトラヒドロフラン(7.56mL)溶液に、氷冷下 3-ブチン-1-オール(0.23mL)、トリフェニルホスフィン(1190mg)、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(2.39mL)を順次加え、室温で終夜撹拌した後、反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=95:5~65:35)にて精製することにより、標題化合物(163mg)を淡黄色油状物として得た。MS(APCI)m/z:333.1[M+H]+
【1034】
(113-3)2-{(4-メトキシベンジル)[5-(3-{4-[4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]ブトキシ}フェニル)ペンタノイル]アミノ}エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物113)
【1035】
【1036】
実施例59において実施例化合物59-1の代わりに1-ヨード-4-(トリフルオロメトキシ)ベンゼン、1-ヘプチンの代わりに実施例化合物113-2、参考例化合物1の代わりに参考例化合物7を用いて(59-3)-(59-4)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(86mg)を無色粘体として得た。MS(APCI)m/z:654.1[M+H]+
【1037】
実施例114
(114-1)2-[4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]エチル 4-メチルベンゼンスルホナート(実施例化合物114-1)
【1038】
【1039】
2-{4-(トリフルオロメトキシ)フェニル}エタノール(400mg)のジクロロメタン(9.7mL)溶液に、トリエチルアミン(0.549mL)、p-トルエンスルホニルクロリド(0.329mL)、N,N-ジメチルアミノピリジン(24mg)加え、室温で終夜撹拌した。反応液に水とジエチルエーテルを加えて撹拌した後、有機層をPhase-separator(登録商標)で分離し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=95:5~80:20)にて精製することにより、標題化合物(622mg)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:378.0[M+NH4]+
【1040】
(114-2)2-{(4-メトキシベンジル)[5-(3-{2-[4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]エトキシ}フェニル)ペンタノイル]アミノ}エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物114)
【1041】
【1042】
実施例106において実施例化合物106-1の代わりに実施例化合物113-1、1-ブロモ-5-フェニルペンタンの代わりに実施例化合物114-1を用いて(106-2)-(106-3)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(98mg)を無色粘体として得た。MS(APCI)m/z:626.0[M+H]+
【1043】
実施例115
(115-1)2-{(4-メトキシベンジル)[5-(4-{2-[4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]エトキシ}フェニル)ペンタノイル]アミノ}エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物115)
【1044】
【1045】
実施例106において1-ブロモ-5-フェニルペンタンの代わりに実施例化合物114-1を用いて(106-2)-(106-3)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(65mg)を無色粘体として得た。MS(APCI)m/z:626.0[M+H]+
【1046】
実施例116
(116-1)エチル (トランス)-2-(4-ブロモフェニル)シクロプロパンカルボキシラート(実施例化合物116-1A)とエチル (シス)-2-(4-ブロモフェニル)シクロプロパンカルボキシラート(実施例化合物116-1B)
【1047】
【1048】
1-ブロモ-4-エテニルベンゼン(5.00g)のジクロロメタン(54.6mL)溶液に、室温でロジウム(II)アセタート (ダイマー)(241mg)を加え、エチル ジアゾアセタート(6.76mL)をシリンジポンプで1時間かけて滴下し、室温で終夜撹拌後、反応混合物を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=98:2~92:8)にて精製することにより、実施例化合物116-1A(3.13g)と実施例化合物116-1B(3.18g)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:269.0[M+H]+
【1049】
(116-2)[(トランス)-2-(4-ブロモフェニル)シクロプロピル]メタノール(実施例化合物116-2)
【1050】
【1051】
実施例化合物116-1A(1.50g)のテトラヒドロフラン(27.8mL)溶液に、氷冷下、水素化アルミニウムリチウム(423mg)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物に水(0.4mL)、1N水酸化ナトリウム水溶液(0.4mL)、水(1.2mL)を順次加え、室温で終夜撹拌した。反応混合物の不溶物を珪藻土により濾去した後、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=75:25~55:45)にて精製することにより、標題化合物(1.18g)を無色油状物として得た。
【1052】
(116-3)(トランス)-2-(4-ブロモフェニル)シクロプロピパンカルバルデヒド(実施例化合物116-3)
【1053】
【1054】
4Åモルキュラーシーブス(粉末、1.17g)を減圧下、150℃で2時間乾燥させた。実施例化合物116-2(1.17g)のジクロロメタン(10.3mL)とアセトニトリル(5.15mL)溶液に 4-メチルモルホリン N-オキサイド(1.06mL)、乾燥させた4Åモルキュラーシーブス(粉末、1170mg)、テトラプロピルアンモニウムペルルテナート(90mg)を順次加え、室温で30分撹拌した。反応液の不溶物を珪藻土により濾去した後、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=85:15~65:35)にて精製することにより、標題化合物(647mg)を無色固体として得た。MS(APCI)m/z:225.0[M+H]+
【1055】
(116-4)エチル (2E)-3-[(トランス)-2-(4-ブロモフェニル)シクロプロピル]-2-プロペノアート(実施例化合物116-4)
【1056】
【1057】
リチウムクロリド(36mg)のアセトニトリル(5.69mL)溶液に、氷冷下 ホスホノ酢酸トリエチル(0.678mL)、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン(0.515mL)を加え、室温で30分撹拌した。氷冷下、実施例化合物116-3(641mg)のアセトニトリル(5.69mL)溶液を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物に水を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を1N塩酸と飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=98:2~88:12)にて精製することにより、標題化合物(597mg)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:295.1[M+H]+
【1058】
(116-5)エチル (2E)-3-[(トランス)-2-{4-[(1E)-1-ヘプテン-1-イル]フェニル}シクロプロピル]-2-プロペノアート(実施例化合物116-5)
【1059】
【1060】
実施例化合物116-4(120mg)、トランス-1-ヘプテニルボロン酸ピナコールエステル(109mg)、XPhos-Pd-G2(32mg)、リン酸三カリウム(173mg)、テトラヒドロフラン(2.0mL)、水(1.0mL)の混合物を60℃で4時間撹拌した。反応混合物に水を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0~90:10)にて精製することにより、標題化合物(109mg)を黄色油状物として得た。MS(APCI)m/z:313.0[M+H]+
【1061】
(116-6)(2E)-3-[(トランス)-2-{4-[(1E)-1-ヘプテン-1-イル]フェニル}シクロプロピル]-2-プロペン酸(実施例化合物116-6)
【1062】
【1063】
実施例化合物116-5(105mg)のエタノール(1.68mL)、テトラヒドロフラン(1.68mL)溶液に1N水酸化ナトリウム水溶液(1.34mL)を加えて室温で終夜撹拌した。反応混合物に1N塩酸とクロロホルムを加えて撹拌した後に、有機層をPhase-separator(登録商標)で分離し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=35:15~65:85)にて精製することにより、標題化合物(82mg)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:283. 1[M-H]-
【1064】
(116-7)ジ-tert-ブチル 2-[{3-[(トランス)-2-(4-ヘプチルフェニル)シクロプロピル]プロパノイル}(4-メトキシベンジル)アミノ}エチル ホスフェート(実施例化合物116-7)
【1065】
【1066】
実施例化合物116-6(77mg)の酢酸エチル(2.7mL)溶液に5%ロジウム-アルミナ(15mg)を加え、水素雰囲気下室温で3時間撹拌した。反応液の不溶物を珪藻土により濾去した後、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣のN,N-ジメチルホルムアミド(2.7mL)溶液に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.141mL)、参考例化合物7(121mg)、HATU(154mg)を加え、室温で3時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルを加えて撹拌した後に有機層をPhase-separator(登録商標)で分離し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=50:50~25:75)にて精製することにより、標題化合物(109mg)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:644.0[M+H]+
【1067】
(116-8)2-[{3-[(トランス)-2-(4-ヘプチルフェニル)シクロプロピル]プロパノイル}(4-メトキシベンジル)アミノ}エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物116)
【1068】
【1069】
実施例化合物116-7(102mg)のジクロロメタン(1.58mL)溶液にトリフルオロ酢酸(0.32mL)を加え、室温で2時間撹拌した後、反応混合物を減圧濃縮した。得られた残渣を分取HPLC(10mM炭酸アンモニウム水溶液-アセトニトリル)にて精製することにより、標題化合物(43mg)を無色粘体として得た。MS(APCI)m/z:532.1[M+H]+
【1070】
実施例117
(117-1)2-[{3-[(シス)-2-(4-ヘプチルフェニル)シクロプロピル]プロパノイル}(4-メトキシベンジル)アミノ}エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物117)
【1071】
【1072】
実施例116において実施例化合物116-1Aの代わりに実施例化合物116-1Bを用いて、(116-2)-(116-8)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(37mg)を無色粘体として得た。MS(APCI)m/z:532.1[M+H]+
【1073】
実施例118
(118-1)9-(4-ヘキシルフェニル)-8-ノニン酸(実施例化合物118-1)
【1074】
【1075】
参考例化合物8(200mg)、1-ヘキシル-4-ヨードベンゼン(560mg)、ヨウ化銅(I)(37mg)、ジクロロパラジウムトリフェニルホスフィン(55mg)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.90mL)及びテトラヒドロフラン(5.2mL)の混合物を60℃で5時間攪拌した。反応液に1N塩酸を加え、酢酸エチルで抽出後、飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=80:20~50:50)にて精製することにより、標題化合物の粗精製体(230mg)を褐色固体として得た。MS(ESI)m/z:313.4(M-H)-
【1076】
(118-2)メチル 9-(4-ヘキシルフェニル)ノナノアート(実施例化合物118-2)
【1077】
【1078】
実施例化合物118-1(230mg)のメタノール(4.88mL)溶液に、パラジウム炭素(69mg)を加え、水素雰囲気下で室温にて2日間攪拌した。窒素置換後、反応液をシリンジフィルターに通しパラジウム炭素を除去した後、メタノールで洗いこみ、減圧下溶媒を留去することにより、標題化合物(210mg)を黄色油状物として得た。MS(APCI)m/z:333.2(M+H)+
【1079】
(118-3)9-(4-ヘキシルフェニル)ノナン酸(実施例化合物118-3)
【1080】
【1081】
実施例化合物118-2(140mg)をメタノール(1.4mL)に溶解させ、1N水酸化ナトリウム水溶液(0.84mL)を加え、室温にて20時間攪拌した。反応終了後、氷冷下1N塩酸(ca.3mL)を加えた後、酢酸エチルで抽出後、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を留去することにより、標題化合物(132mg)を無色固体として得た。MS(ESI)m/z:317.4[M-H]-
【1082】
(118-4)ジベンジル 1-[9-(4-ヘキシルフェニル)ノナノイル]アゼチジン-3-イル ホスフェート(実施例化合物118-4)
【1083】
【1084】
参考例化合物2(248mg)のジクロロメタン(1.88mL)溶液に氷冷下トリフルオロ酢酸(0.288mL)を加え、そのまま1時間攪拌した後、同温でN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.87mL)を滴下し、実施例化合物118-4(40mg)、HATU(143mg)を加え1時間攪拌した。氷冷下反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出、飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=50:50~30:70)にて精製することにより、標題化合物(68mg)を無色油状物として得た。MS(ESI)m/z:634.4(M+H)+
【1085】
(118-5)1-[9-(4-ヘキシルフェニル)ノナノイル]アゼチジン-3-イル ジハイドロゲンホスフェート(実施例化合物118)
【1086】
【1087】
実施例化合物118-4(64mg)をテトラヒドロフラン(1.0mL)に溶解させ、10%パラジウム炭素(32mg)を加え、水素雰囲気下室温にて5時間攪拌した。反応終了後、メンブレンフィルター濾過を行い、濾液を濃縮することにより、標題化合物(45mg)を無色粘体として得た。MS(APCI)m/z:454.3[M+H]+
【1088】
実施例119
(119-1)2-{(3,4-ジメトキシベンジル)[9-(4-プロピルフェニル)ノナノイル]アミノ}エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物119)
【1089】
【1090】
実施例56において3-ピリジンカルバルデヒドの代わりに3,4-ジメトキシベンズアルデヒドを用い、参考例化合物5の代わりに実施例化合物102-1を用いて、(56-1)-(56-2)同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(173mg)を白色固体として得た。MS(APCI)m/z:550.0[M+H]+
【1091】
実施例120
(120-1)ベンジル 5-{3-[2-(4-ブロモフェニル)エトキシ]フェニル}-4-ペンチノアート(実施例化合物120-1)
【1092】
【1093】
実施例化合物113-1(600mg)、2-(4-ブロモフェニル)エタノール(430mg)、トリフェニルホスフィン(842mg)のテトラヒドロフラン(10.7mL)溶液に、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(1.69mL)をゆっくり滴下した後、室温で終夜撹拌した。反応混合物を減圧濃縮した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製(ヘキサン:酢酸エチル=95:5~85:15)にて精製することにより、標題化合物(857mg)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:463.1[M+H]+
【1094】
(120-2)ベンジル 5-{3-[2-(ビフェニル-4-イル)エトキシ]フェニル}-4-ペンチノアート(実施例化合物120-2)
【1095】
【1096】
実施例化合物120-1(200mg)、フェニルボロン酸(63mg)、XPhos-Pd-G2(34mg)、リン酸三カリウム(275mg)、テトラヒドロフラン(4.3mL)、水(2.15mL)の混合物を60℃で3時間撹拌した。反応混合物に飽和食塩水とジエチルエーテルを加えて撹拌した後に、有機層をPhase-separator(登録商標)で分離し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0~90:10)にて精製することにより、標題化合物(118mg)を淡黄色油状物として得た。MS(APCI)m/z:478.1[M+NH4]+
【1097】
(120-3)2-[(5-{3-[2-(ビフェニル-4-イル)エトキシ]フェニル}ペンタノイル)(4-メトキシベンジル)アミノ]エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物120)
【1098】
【1099】
実施例59において実施例化合物59-2の代わりに実施例化合物120-2、参考例化合物1の代わりに参考例化合物7を用いて(59-3)-(59-4)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(54mg)を淡黄色粘体として得た。MS(APCI)m/z:616.3[M-H]-
【1100】
実施例121
(121-1)1-(3-ブテン-1-イル)-4-ヨードベンゼン(実施例化合物121-1)
【1101】
【1102】
アリルマグネシウムブロミド(36.1mL)に、氷冷下 4-ヨードベンジルブロミド(5.00g)のテトラヒドロフラン(8.4mL)溶液を加え、室温で終夜撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0)にて精製することにより、標題化合物(4.34g)を無色油状物として得た。
【1103】
(121-2)エチル (トランス)-2-[2-(4-ヨードフェニル)エチル]シクロプロパンカルボキシラート(実施例化合物121-2A)とエチル (シス)-2-[2-(4-ヨードフェニル)エチル]シクロプロパンカルボキシラート(実施例化合物121-2B)
【1104】
【1105】
実施例116において、1-ブロモ-4-エテニルベンゼンの代わりに1-(3-ブテン-1-イル)-4-ヨードベンゼンを用いて、(116-1)と同様の反応、処理をすることにより、実施例化合物121-2A(2.57g)と実施例化合物121-2B(2.17g)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:345.0[M+H]+
【1106】
(121-3)2-[({(トランス)-2-[2-(4-ヘプチルフェニル)エチル]シクロプロピル}カルボニル)(4-メトキシベンジル)アミノ]エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物121)
【1107】
【1108】
実施例116において、実施例化合物116-4の代わりに実施例化合物121-2Aを用いて、(116-5)-(116-8)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(66mg)を淡黄色粘体として得た。MS(APCI)m/z:532.2[M+H]+
【1109】
実施例122
(122-1)2-[({(シス)-2-[2-(4-ヘプチルフェニル)エチル]シクロプロピル}カルボニル)(4-メトキシベンジル)アミノ]エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物122)
【1110】
【1111】
実施例116において実施例化合物116-4の代わりに実施例化合物121-2Bを用いて、(116-5)-(116-8)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(26mg)を淡黄色粘体として得た。MS(APCI)m/z:532.1[M+H]+
【1112】
実施例123
(123-1)2-[(5-{4-[2-(ビフェニル-4-イル)エトキシ]フェニル}ペンタノイル)(4-メトキシベンジル)アミノ]エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物123)
【1113】
【1114】
実施例120において、実施例化合物113-1の代わりに実施例化合物106-1を用いて、(120-1)-(120-3)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(74mg)を無色粘体として得た。MS(APCI)m/z:616.3[M-H]-
【1115】
実施例124
(124-1)2-[(5-{3-[4-(ビフェニル-4-イル)ブトキシ]フェニル}ペンタノイル)(4-メトキシベンジル)アミノ]エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物124)
【1116】
【1117】
実施例120において、2-(4-ブロモフェニル)エタノールの代わりに4-(4-ブロモフェニル)ブタン-1-オールを用いて、(120-1)-(120-3)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(30mg)を淡黄色粘体として得た。MS(APCI)m/z:644.3[M-H]-
【1118】
実施例125
(125-1)2-[(5-{4-[4-(ビフェニル-4-イル)ブトキシ]フェニル}ペンタノイル)(4-メトキシベンジル)アミノ]エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物125)
【1119】
【1120】
実施例120において、実施例化合物113-1の代わりに実施例化合物106-1を、2-(4-ブロモフェニル)エタノールの代わりに4-(4-ブロモフェニル)ブタン-1-オール用いて、(120-1)-(120-3)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(22mg)を淡黄色粘体として得た。MS(APCI)m/z:644.3[M-H]-
【1121】
実施例126
(126-1)2-[{3-[3-(デシルオキシ)フェニル]プロパノイル}(イソチアゾール-5-イルメチル)アミノ]エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物126)
【1122】
【1123】
実施例58において、4-ピリジンカルバルデヒドの代わりにイソオキサゾール-5-カルバルデヒドを用いて、(58-1)-(58-3)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(181mg)を淡黄色粘体として得た。MS(APCI)m/z:527.1[M+H]+
【1124】
実施例127
(127-1)2-[{6-[3-(5-シクロヘキシルペンチル)フェニル]ヘキサノイル}(4-メトキシベンジル)アミノ]エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物127)
【1125】
【1126】
実施例59において実施例化合物59-1の代わりに実施例化合物76-1、1-ヘプチンの代わりに4-ペンチン-1-イルシクロヘキサン、参考例化合物1の代わりに参考例化合物7を用いて(59-2)-(59-4)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(15mg)を無色粘体として得た。MS(APCI)m/z:588.2[M+H]+
【1127】
実施例128
(128-1)2-{[9-(4-ブチルフェニル)ノナノイル](4-メトキシベンジル)アミノ}エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物128)
【1128】
【1129】
実施例70において、参考例化合物2の代わりに参考例化合物6を用いて、(70-4)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(12mg)を無色固体として得た。MS(APCI)m/z:534.1[M+H]+
【1130】
実施例129
(129-1)2-[{6-[3-(4-シクロヘキシルブチル)フェニル]ヘキサノイル}(4-メトキシベンジル)アミノ]エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物129)
【1131】
【1132】
実施例59において実施例化合物59-1の代わりに実施例化合物76-1、1-ヘプチンの代わりに3-ブチン-1-イルシクロヘキサン、参考例化合物1の代わりに参考例化合物7を用いて(59-2)-(59-4)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(46mg)を淡黄色粘体として得た。MS(ESI)m/z:572.6[M-H]-
【1133】
実施例130
(130-1)エチル (トランス)-2-(3-ブロモフェニル)シクロプロパンカルボキシラート(実施例化合物130-1A)とエチル (シス)-2-(3-ブロモフェニル)シクロプロパンカルボキシラート(実施例化合物130-1B)
【1134】
【1135】
実施例116において、1-ブロモ-4-エテニルベンゼンの代わりに1-ブロモ-3-エテニルベンゼンを用いて(116-1)と同様の反応、処理をすることにより、実施例化合物130-1A(4.49g)と実施例化合物130-1B(3.82g)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:269.0[M+H]+
【1136】
(130-2)エチル (トランス)-2-(3-ヒドロキシフェニル)シクロプロパンカルボキシラート(実施例化合物130-2)
【1137】
【1138】
実施例化合物130-1A(350mg)、テトラヒドロキシジボラン(350mg)、XPhos-Pd-G2(51mg)、酢酸カリウム(383mg)、エタノール(13.0mL)の混合物を80℃で5時間撹拌した。反応混合物に水と酢酸エチルを加えて撹拌した後に、有機層をPhase-separator(登録商標)で分離し、減圧濃縮した。残渣に水(2.6mL)、炭酸水素アンモニウム(103mg)、30%過酸化水素(0.26mL)を加え、室温で終夜撹拌した。反応混合物に飽和塩化アンモニウム水溶液と酢酸エチルを加えて撹拌した後に、有機層をPhase-separator(登録商標)で分離し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=80:20~60:40)にて精製することにより、標題化合物(327mg)を橙色油状物として得た。MS(APCI)m/z:204.9[M-H]-
【1139】
(130-3)(トランス)-2-(3-ヒドロキシフェニル)シクロプロパンカルボン酸(実施例化合物130-3)
【1140】
【1141】
実施例化合物130-2(320mg)のエタノール(3.87mL)、テトラヒドロフラン(3.87mL)溶液に1N水酸化ナトリウム水溶液(6.21mL)を加えて室温で3時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液とクロロホルムを加えて撹拌した後に、有機層をPhase-separator(登録商標)で分離し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0~90:10)にて精製することにより、標題化合物(247mg)を淡黄色油状物として得た。MS(APCI)m/z:176.8[M-H]-
【1142】
(130-4)ジ-tert-ブチル 2-[{[(トランス)-2-(3-ヒドロキシフェニル)シクロプロピル]カルボニル}(4-メトキシベンジル)アミノ}エチル ホスフェート(実施例化合物130-4)
【1143】
【1144】
実施例化合物130-3(120mg)N,N-ジメチルホルムアミド(6.7mL)溶液に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.35mL)、参考例化合物7(302mg)、HATU(384mg)を加え、室温で終夜撹拌した。反応混合物に水と酢酸エチルを加えて撹拌した後に有機層をPhase-separator(登録商標)で分離し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:0~90:10)にて精製することにより、標題化合物(261mg)を橙色油状物として得た。MS(APCI)m/z:534.0[M+H]+
【1145】
(130-5)ジ-tert-ブチル 2-[({(トランス)-2-[3-(デシルオキシ)フェニル]シクロプロピル}カルボニル)(4-メトキシベンジル)アミノ]エチル ホスフェート(実施例化合物130-5)
【1146】
【1147】
実施例化合物130-4(125mg)、1-ブロモデカン(0.053mL)、炭酸セシウム(153mg)、N,N-ジメチルホルムアミド(2.34mL)の混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物に水と酢酸エチルを加えて撹拌した後に有機層をPhase-separator(登録商標)で分離し減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=60:40~40:60)にて精製することにより、標題化合物(73mg)を淡黄色油状物として得た。MS(APCI)m/z:674.0[M+H]+
【1148】
(130-6)2-[({(トランス)-2-[3-(デシルオキシ)フェニル]シクロプロピル}カルボニル)(4-メトキシベンジル)アミノ]エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物130)
【1149】
【1150】
実施例化合物130-5(68mg)のジクロロメタン(1.0mL)溶液にトリフルオロ酢酸(0.20mL)を加え、室温で1時間撹拌した後、反応混合物を減圧濃縮した。得られた残渣を分取HPLC(10mM炭酸アンモニウム水溶液-アセトニトリル)にて精製することにより、標題化合物(26mg)を無色固体として得た。MS(ESI)m/z:560.6[M-H]-
【1151】
実施例131
(131-1)2-[(4-メトキシベンジル){[(トランス)-2-{3-[(7-フェニルヘプチル)オキシ]フェニル}シクロプロピル]カルボニル}アミノ]エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物131)
【1152】
【1153】
実施例130において、1-ブロモデカンの代わりに1-ブロモ-7-フェニルヘプタンを用いて、(130-5)-(130-6)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(22mg)を無色油状物として得た。MS(ESI)m/z:594.6[M-H]-
【1154】
実施例132
(132-1)3-[3-(デシルオキシ)フェニル]-1-(3-ヒドロキシアゼチジン-1-イル)プロパン-1-オン(実施例化合物132-1)
【1155】
【1156】
実施例16において、実施例化合物16-2の代わりに参考例化合物5を用いて、(16-3)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(589mg)を淡黄色固体として得た。MS(APCI)m/z:362.3[M+H]+
【1157】
(132-2)ジエチル {[(1-{3-[3-(デシルオキシ)フェニル]プロパノイル}アゼチジン-3-イル)オキシ]メチル}ホスホナート(実施例化合物132-2)
【1158】
【1159】
水素化ナトリウム(50mg)のテトラヒドロフラン(8.3mL)懸濁液に、氷冷下実施例化合物132-1のテトラヒドロフラン(3mL)溶液を滴下した後、20分撹拌した。続いて、(ジエトキシホスホリル)メチル トリフルオロメタンスルホナート(498mg)のテトラヒドロフラン(3mL)溶液を滴下し、氷冷したまま40分撹拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出後、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥濾過し、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール=100:0~89:11)にて精製することにより、標題化合物(365mg)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:512.4[M+H]+
【1160】
(132-3){[(1-{3-[3-(デシルオキシ)フェニル]プロパノイル}アゼチジン-3-イル)オキシ]メチル}ホスホン酸 アンモニウム塩 (実施例化合物132)
【1161】
【1162】
実施例化合物132-2(357mg)にアセトニトリル(3.5mL)を加えた後、氷冷下ブロモトリメチルシラン(922mL)を加え、室温にて15時間撹拌した。氷冷下反応液にメタノール(3mL)を加え、室温にて30分撹拌し、分取HPLC(10mM炭酸アンモニウム水溶液-アセトニトリル)にて精製することにより、標題化合物(18mg)を淡褐色固体として得た。MS(APCI)m/z:454.2[M-H]-
【1163】
実施例133
(133-1)1-ヨード-3-(ウンデシルオキシ)ベンゼン(実施例化合物133-1)
【1164】
【1165】
3-ヨードフェノール(1.50g)、1-ブロモウンデカン(1.67mL)、炭酸セシウム(4.44g)、N,N-ジメチルホルムアミド(22.7mL)の混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0~98:2)にて精製することにより、標題化合物(2.66g)を無色油状物として得た。
【1166】
(133-2)2-フルオロ-4-[3-(ウンデシルオキシ)フェニル]ピリジン(実施例化合物133-2)
【1167】
【1168】
実施例化合物133-1(800mg)、ビス(ピナコラート)ジボロン(651mg)、酢酸カリウム(629mg)、1,1’-(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(II)ジクロロメタン錯体(87mg)、1,4-ジオキサン(12mL)の混合物をマイクロ波反応装置(Initiator, バイオタージ社製)中、120 ℃で2時間撹拌した。混合液に、4-ブロモ-2-フルオロピリジン(527mg)、1,1’-(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(II)ジクロロメタン錯体(87mg)、炭酸ナトリウム(680mg)、水(2.0mL)を加えて、マイクロ波反応装置(Initiator, バイオタージ社製)中、120 ℃で2時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0~90:10)にて精製することにより、標題化合物(342mg)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:344.2[M+H]+
【1169】
(133-3)(2R)-1-({4-[3-(ウンデシルオキシ)フェニル]ピリジン-2-イル}アミノ)プロパン-2-オール(実施例化合物133-3)
【1170】
【1171】
実施例化合物133-2(335mg)のジメチルスルホキシド(3mL)の溶液に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.25mL)、(2R)-1-アミノプロパン-2-オール(205mg)を加え、マイクロ波反応装置(Initiator, バイオタージ社製)中、150 ℃で1時間撹拌した。反応液にN,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.084mL)、(2R)-1-アミノプロパン-2-オール(205mg)を追加し、マイクロ波反応装置中、150 ℃で1時間撹拌した。更に、(2R)-1-アミノプロパン-2-オール(147mg)を追加し、、マイクロ波反応装置中、150 ℃で4時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=70:30~40:60)にて精製することにより、標題化合物(189mg)を淡黄色固体として得た。MS(APCI)m/z:399.3[M+H]+
【1172】
(133-4)ジベンジル (2R)-1-({4-[3-(ウンデシルオキシ)フェニル]ピリジン-2-イル}アミノ)プロパン-2-イル ホスフェート(実施例化合物133-4)
【1173】
【1174】
実施例化合物133-3(184mg)のジクロロメタン溶液(2mL)とアセトニトリル(0.5mL)の溶液に、氷冷下、1H-テトラゾール(65mg)を加え、ジベンジル N,N-ジイソプロピルホスホロアミダイト(319mg)を滴下した後、室温下、6時間撹拌した。反応液を氷冷し、30%過酸化水素水(0.095mL)を滴下した後、室温にて1時間撹拌した。氷冷下、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(1mL)を加え室温にて撹拌後、水を加えた。酢酸エチルで抽出し、飽和重曹水と飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥濾過し、溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=70:30~40:60)にて精製することにより、標題化合物(329mg)を淡黄色油状物として得た。MS(APCI)m/z:659.4[M+H]+
【1175】
(133-5)(2R)-1-({4-[3-(ウンデシルオキシ)フェニル]ピリジン-2-イル}アミノ)プロパン-2-イル ジハイドロゲンホスフェート(実施例化合物133)
【1176】
【1177】
実施例化合物133-4(323mg)のメタノール(5mL)溶液に、10%パラジウム炭素 (162mg)を加え、水素雰囲気下室温にて4時間撹拌した。反応液の不溶物を珪藻土により濾去した後、濾液を減圧濃縮した。ジメチルホルムアミドとジエチルエーテル溶媒中で超音波懸濁洗浄し、固体をろ取することにより、標題化合物(117mg)を白色固体として得た。MS(APCI)m/z:479.3[M+H]+
【1178】
実施例134
(134-1)4,4,5,5-テトラメチル-2-[3-(ウンデシルオキシ)フェニル]-1,3,2-ジオキサボロラン(実施例化合物134-1)
【1179】
【1180】
3-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボラン-2-イル)フェノール(4.70g)、1-ブロモウンデカン(4.76mL)、炭酸セシウム(13.9g)、N,N-ジメチルホルムアミド(42.71mL)の混合物を、室温にて終夜撹拌した。反応混合物に水を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を水と飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をNHシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0~90:10)にて精製することにより、標題化合物(5.78g)を無色油状物として得た。MS(APCI)m/z:375.3[M+H]+
【1181】
(134-2)2-クロロ-4-[3-(ウンデシルオキシ)フェニル]ピリミジン(実施例化合物134-2)
【1182】
【1183】
実施例化合物134-1(1.65g)、ジクロロピリジン(657mg)、1,1’-(ジフェニルホスフィノ)フェロセン-パラジウム(II)ジクロロメタン錯体(180mg)、炭酸ナトリウム(1.40g)、1,4-ジオキサン(22mL)、水(7.34mL)の混合物を100℃で3時間撹拌した。反応混合物に飽和食塩水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0~88:12)にて精製することにより、標題化合物(1.11g)を白色固体として得た。MS(ESI)m/z:361.3[M+H]+
【1184】
(134-3)(2R)-1-({4-[3-(ウンデシルオキシ)フェニル]ピリミジン-2-イル}アミノ)プロパン-2-オール(実施例化合物134-3)
【1185】
【1186】
実施例化合物134-2(200mg)のN-メチルピロリドン(3.0mL)溶液に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.144mL)、(2R)-1-アミノプロパン-2-オール(62mg)を加え、マイクロ波反応装置(Initiator, バイオタージ社製)中、120 ℃で1時間撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=70:30~40:60)にて精製することにより、標題化合物(163mg)を白色固体として得た。MS(ESI)m/z:400.4[M+H]+
【1187】
(134-4)(2R)-1-({4-[3-(ウンデシルオキシ)フェニル]ピリミジン-2-イル}アミノ)プロパン-2-イル ジハイドロゲンホスフェート(実施例化合物134)
【1188】
【1189】
実施例化合物134-3(160mg)をジクロロメタン(2.0mL)とアセトニトリル(0.5mL)に溶解させ、氷冷下、1H-テトラゾール(56mg)を加え、ジ-tert-ブチル N,N-ジイソプロピルホスホロアミダイト(0.253mL)を滴下した後、室温下、2時間撹拌した。氷冷下、tert-ブチルヒドロペルオキシド(0.15mL)を滴下した後、室温下、1時間撹拌した。氷冷下、10%チオ無水硫酸ナトリウム水溶液(1mL)を加えた後、反応液に水、酢酸エチルを加え抽出後、飽和食塩水にて洗浄、無水硫酸ナトリウムにて乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=70:30~40:60)にて精製した。得られた無色油状物(198mg)をジクロロメタン(4.0mL)に溶解させ、氷冷下、トリフルオロ酢酸(0.256mL)を滴下した後、室温下、2時間撹拌した。溶媒を減圧留去後、析出した固体にジエチルエーテルを加え、超音波で懸洗、濾取、減圧乾燥することにより、標題化合物(86mg)を淡黄色固体として得た。MS(APCI)m/z:480.4[M+H]+
【1190】
実施例135
(135-1)(2R)-1-({4-[3-(ウンデシルオキシ)フェニル]ピリミジン-2-イル}オキシ)プロパン-2-オール(実施例化合物135-1)
【1191】
【1192】
(R)-(-)-1,2-プロパンジオール(38mg)のN,N-ジメチルホルムアミド(2.1mL)溶液に、水素化ナトリウム(20mg)を加え、室温にて15分撹拌した後、反応液に実施例化合物134-2(150mg)を加え、室温にて終夜撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=80:20~50:50)にて精製することにより、標題化合物(99mg)を無色油状物として得た。MS(ESI)m/z:401.5[M+H]+
【1193】
(135-2)(2R)-1-({4-[3-(ウンデシルオキシ)フェニル]ピリミジン-2-イル}オキシ)プロパン-2-イル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩 (実施例化合物135)
【1194】
【1195】
実施例36において実施例化合物36-1の代わりに実施例化合物135-1を用いて、(36-2)-(36-3)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(50mg)を白色固体として得た。MS(ESI)m/z:481.4[M+H]+
【1196】
実施例136
(136-1)4-[3-(ウンデシルオキシ)フェニル]ピリジン(実施例化合物136-1)
【1197】
【1198】
3-(4-ピリジル)フェノール(2.50g)、1-ブロモデカン(3.58mL)、炭酸セシウム(9.51g)、N,N-ジメチルホルムアミド(36mL)の混合物を70℃で3時間撹拌した。反応混合物に水を加え、ジエチルエーテルで抽出した。有機層を水と飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、乾燥剤を濾去し、濾液を減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=90:10~65:35)にて精製することにより、標題化合物(4.42g)を白色固体として得た。MS(ESI)m/z:326.3[M+H]+
【1199】
(136-2)1-オキシド-4-(3-ウンデコオキシフェニル)ピリジン-1-イウム(実施例化合物136-2)
【1200】
【1201】
実施例化合物136-1(4.40g)のジクロロメタン(45mL)溶液に、氷冷下メタクロロ過安息香酸(5.83g)を加え、同温で3時間撹拌した。反応混合物に1N水酸化ナトリウム水溶液とクロロホルムを加えて撹拌した後に、有機層をPhase-separator(登録商標)で分離し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:0~90:10)、及びNHシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール=100:0~95:5)にて精製することにより、標題化合物(3.88g)を白色固体として得た。MS(ESI)m/z:342.4[M+H]+
【1202】
(136-3)ジ-tert-ブチル 2-({4-[3-(ウンデシルオキシ)フェニル]ピリジン-2-イル}アミノ)エチル ホスフェート(実施例化合物136-3)
【1203】
【1204】
実施例化合物136-2(200mg)のジクロロメタン(5.86mL)溶液に、参考例化合物7-2(178mg)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.355mL)、ブロモ(トリピロリジノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスファート(328mg)を加え、室温にて終夜撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液とクロロホルムを加えて撹拌した後に、有機層をPhase-separator(登録商標)で分離し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=40:60~15:85)にて精製することにより、標題化合物(186mg)を黄色油状物として得た。MS(ESI)m/z:577.6[M+H]+
【1205】
(136-4)2-({4-[3-(ウンデシルオキシ)フェニル]ピリジン-2-イル}アミノ)エチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩 (実施例化合物136)
【1206】
【1207】
実施例化合物136-3(180mg)のジクロロメタン(3.2mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(0.624mL)を加え、室温で3時間撹拌した。反応液を減圧濃縮した。得られた残渣を分取HPLC(10mM炭酸アンモニウム水溶液-アセトニトリル)にて精製することにより、標題化合物(88mg)を白色固体として得た。MS(ESI)m/z:465.4[M+H]+
【1208】
実施例137
(137-1)(2S)-1-({4-[3-(ウンデシルオキシ)フェニル]ピリジン-2-イル}アミノ)プロパン-2-イル ジハイドロゲンホスフェート(実施例化合物137)
【1209】
【1210】
実施例133において、(2R)-1-アミノプロパン-2-オールの代わりに、(2S)-1-アミノプロパン-2-オールを用いて(133-3)-(133-5)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(122mg)を白色固体として得た。MS(ESI)m/z:477.5[M-H]-
【1211】
実施例138
(138-1)O,O-ジ-tert-ブチル O-[(2R)-1-({4-[3-(ウンデシルオキシ)フェニル]ピリジン-2-イル}アミノ)プロパン-2-イル] ホスホロチオエート(実施例化合物138-1)
【1212】
【1213】
実施例化合物133-3(140mg)のジクロロメタン(3、5mL)とアセトニトリル(3.5mL)の溶液に、1H-テトラゾール(49mg)、ジ-tert-ブチル N,N-ジイソプロピルホスホロアミダイト(0.222mL)を加え、室温で2時間撹拌した。反応液に、ビス(フェニルアセチル)ジスルフィド(531mg)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物に飽和食塩水と酢酸エチルを加えて撹拌した後に、有機層をPhase-separator(登録商標)で分離し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=90:10~75:25)にて精製することにより、標題化合物(213mg)を淡黄色油状物として得た。
【1214】
(138-2)O-[(2R)-1-({4-[3-(ウンデシルオキシ)フェニル]ピリジン-2-イル}アミノ)プロパン-2-イル] ジハイドロゲンホスホロチオエート-アンモニウム塩 (実施例化合物138)
【1215】
【1216】
実施例化合物138-1(205mg)、p-トルエンチオール(420mg)のジクロロメタン(3.4mL)溶液に、トリフルオロ酢酸(0.676mL)、ブロモトリメチルシラン(0.446mL)を加え、室温で3時間撹拌した。反応液を減圧濃縮した。得られた残渣を分取HPLC(10mM炭酸アンモニウム水溶液-アセトニトリル)にて精製することにより、標題化合物(57mg)を白色固体として得た。MS(ESI)m/z:495.4[M+H]+
【1217】
実施例139
(139-1)[3-({4-[3-(ウンデシルオキシ)フェニル]ピリジン-2-イル}アミノ)プロピル]ホスホン酸(実施例化合物139)
【1218】
【1219】
実施例化合物136-2(200mg)、ジエチル(3-アミノプロピル)ホスホナート(137mg)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.355mL)、ジクロロメタン(5.86mL)の混合物に、ブロモ(トリピロリジノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスファート(328mg)を加え、室温にて終夜撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液とクロロホルムを加えて撹拌した後に、有機層をPhase-separator(登録商標)で分離し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:0~95:5)にて精製することにより、黄色油状物(536mg)を得た。得られた油状物のジクロロメタン(1.9mL)溶液に、ブロモトリメチルシラン(0.773mL)を加え、室温で5時間撹拌した。反応液を減圧濃縮した。得られた残渣を分取HPLC(10mM炭酸アンモニウム水溶液-アセトニトリル)にて精製することにより、標題化合物(44mg)を白色固体として得た。MS(ESI)m/z:463.5[M+H]+
【1220】
実施例140
(140-1)(2S)-1-({4-[3-(ウンデシルオキシ)フェニル]ピリミジン-2-イル}オキシ)プロパン-2-イル ジハイドロゲンホスフェートアンモニウム塩 (実施例化合物140)
【1221】
【1222】
実施例135において、(R)-(-)-1,2-プロパンジオールの代わりに(S)-(+)-1,2-プロパンジオールを用いて、(135-1)-(135-3)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(66mg)を白色固体として得た。MS(ESI)m/z:481.4[M+H]+
【1223】
実施例141
(141-1)2-メチル-1-({4-[3-(ウンデシルオキシ)フェニル]ピリミジン-2-イル}オキシ)プロパン-2-イル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩 (実施例化合物141)
【1224】
【1225】
実施例135において、(R)-(-)-1,2-プロパンジオールの代わりに2-メチルプロパン-1,2-ジオールを用いて、(135-1)-(149-2)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(69mg)を白色固体として得た。MS(ESI)m/z:495.2[M+H]+
【1226】
実施例142
(142-1)(1S,2R)-2-({4-[3-(ウンデシルオキシ)フェニル]ピリジン-2-イル}アミノ)シクロペンタン-1-オール(実施例化合物142-1)
【1227】
【1228】
実施例化合物136-2(200mg)、ジクロロメタン(5.86mL)溶液に、シス-(1S,2R)-2-アミノシクロペンタノール塩酸塩(97mg)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(0.507mL)、ブロモ(トリピロリジノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスファート(328mg)の混合物を、室温にて終夜撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液とクロロホルムを加えて撹拌した後に、有機層をPhase-separator(登録商標)で分離し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=70:30~40:60)にて精製することにより、標題化合物(3.88g)を黄色粘体として得た。MS(ESI)m/z:425.4[M+H]+
【1229】
(142-2)ジ-tert-ブチル (1S,2R)-2-({4-[3-(ウンデシルオキシ)フェニル]ピリジン-2-イル}アミノ)シクロペンチル ホスフェート(実施例化合物142-2)
【1230】
【1231】
実施例化合物142-1(180mg)のジクロロメタン(4.2mL)とアセトニトリル(2.1mL)混合溶液に、氷冷下、1H-テトラゾール(59mg)、ジ-tert-ブチル N,N-ジイソプロピルホスホロアミダイト(0.268mL)を加え、室温で1時間撹拌した。tert-ブチルヒドロペルオキシド(70%水溶液、0.20mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物に氷冷下飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液を加え撹拌した後、水を加えた。酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウムで乾燥濾過し、溶媒を留去した。得られた残渣シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=60:40~30:70)にて精製することにより、標題化合物(245mg)を白色固体として得た。
【1232】
(142-3)(1S,2R)-2-({4-[3-(ウンデシルオキシ)フェニル]ピリジン-2-イル}アミノ)シクロペンチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩 (実施例化合物142)
【1233】
【1234】
実施例化合物142-2(240mg)のジクロロメタン(3.9mL)溶液に、氷冷下トリフルオロ酢酸(0.78mL)を加え、室温で4時間撹拌した。反応液を減圧濃縮した。得られた残渣を分取HPLC(10mM炭酸アンモニウム水溶液-アセトニトリル)にて精製することにより、標題化合物(143mg)を黄色固体として得た。MS(ESI)m/z:505.2[M+H]+
【1235】
実施例143
(143-1)(1R,2S)-2-({4-[3-(ウンデシルオキシ)フェニル]ピリジン-2-イル}アミノ)シクロペンチル ジハイドロゲンホスフェート アンモニウム塩(実施例化合物143)
【1236】
【1237】
実施例142においてシス-(1S,2R)-2-アミノシクロペンタノール塩酸塩の代わりにシス-(1R,2S)-2-アミノシクロペンタノール塩酸塩を用いて、(142-1)-(142-3)と同様の反応、処理をすることにより、標題化合物(137mg)を黄色固体として得た。MS(ESI)m/z:505.2[M+H]+
【1238】
実験例1
<実験方法>
ラット肝細胞がん細胞株RH7777のrRosa26サイトへの遺伝子ターゲッティング導入法により、ヒトLPA4受容体及びSRE-Luc2を恒常的に発現する安定導入細胞株を樹立した。同様にヒトLPA1受容体及びSRE-Luc2の安定導入細胞株も樹立した。各細胞株はコラーゲンコートディッシュに播種して培養維持し、トリプシンEDTAで細胞を回収して必要数(5×103個/ウェル)を96ウェルプレートに播種した。37℃で一晩培養後、BSA添加又は未添加のアッセイ培地で希釈した各被験化合物を添加し、37℃で6時間培養した。その後ルシフェラーゼ検出試薬(Bright-Glo、プロメガ社)を添加し、Envision(登録商標)マルチラベルカウンター(パーキンエルマー社)で化学発光量を定量し、アゴニスト活性の指標とした。
【1239】
<実験結果>
結果を表1に示した。各被験化合物のEC50値は、各被験化合物の最大応答(Emax)Graph pad Prism for Windows ver.5.02およびver.7.04を用いて算出した。%Emaxは、陽性対照化合物VPCのEmaxを100%とし、各被験化合物の最大応答(Emax)と陽性対照化合物VPCの最大応答(Emax)の比で表記した。
【1240】
【1241】
実験例2
<実験方法>
5週齢の雄性Balb/c nu/nuマウス(日本クレア社)の皮下にリコンビナントマウスbasicFGF(Biobyt社)を最終濃度が200ng/mLとなるよう混和したマトリゲル(Corning社)500 μLを移植した。被験化合物は、50% エタノール水溶液に10mg/mLの濃度で溶解してstock solutionとし投与直前にphosphate-buffered saline(PBS)で希釈して使用し、3mg/kgの用量で移植5日目から7日目まで一日一回マウスの尾静脈内に連日投与した。移植7日目の被験化合物の投与から4時間後にGenhance750(PerkinElmer社)を尾静脈内投与し、20分後にイソフルラン麻酔下でin vivoアナライザー(IVIS Spectrum,PerkinElmer社)を用いて励起波長745nmにおける800nmの全身蛍光についてイメージングした。マトリゲルの放射輝度を耳介の放射輝度で除してゲル内血流量比を算出した。
【1242】
<実験結果>
結果を
図1に示した。実施例化合物16、70、82、及び84のゲル内血流量比は溶媒投与群に対して有意に増加した(t検定.p<0.01)。
【1243】
実験例3
<実験方法>
8週齢の雌性C57BL/6NCrSlcマウス(日本エスエルシー社)の皮下に、50% マトリゲル(Corning)含有D-MEM培地に懸濁したマウス肺がん細胞株LLC-1を1×106cells/100μL移植した。細胞株移植後9日目に腫瘍体積と体重が均質になるよう8匹ずつ群分けした(Day0)。腫瘍体積は、ノギスで腫瘍の短径と長径を測定して(短径×短径×長径/2)で算出した。実施例化合物16は、30mg/kgの用量でDay0からマウスの腹腔内に連日投与した。既存抗がん剤としてパクリタキセル(パクリタキセル注射液,ファイザー)をDay3及びDay10の計2回、20mg/kgの用量でマウスの腹腔内に投与した。各群の腫瘍体積は、Day0からDay15まで隔日で算出した。溶媒投与群には薬液と同量のリン酸緩衝生理食塩液を投与した。
【1244】
<実験結果>
結果を
図2に示した。パクリタキセル単独投与群ではDay15の腫瘍体積が溶媒投与群に対して有意に縮小した(t検定、p<0.05)。実施例化合物16併用群ではDay15の腫瘍体積がパクリタキセル単独投与群に対してさらに有意に縮小した(t検定、p<0.01)。
【1245】
製剤例1:カプセルの製造
1)化合物(I) 50mg
2)微結晶セルロース 10mg
3)乳糖 19mg
4)ステアリン酸マグネシウム 1mg
1)、2)、3)及び4)を混合して、ゼラチンカプセルに充填する。
【1246】
製剤例2:錠剤の製造
1)化合物(I) 50g
2)乳糖 50g
3)トウモロコシデンプン 15g
4)カルメロースカルシウム 44g
5)ステアリン酸マグネシウム 1g
1)、2)及び3)の全量及び30gの4)を水で練合し、真空乾燥後、整粒を行う。この整粒末に14gの4)及び1gの5)を混合し、打錠機により打錠する。このようにして、1錠あたり化合物Aの一水和物を50mg含有する錠剤1000錠を得る。
【産業上の利用可能性】
【1247】
本発明の化合物(I)、又はその薬理学的に許容し得る塩は、LPA4受容体に対して、選択的且つ優れたアゴニスト活性を有することから、血管形成異常を伴う疾患、又は血管障害に伴う疾患の治療又は予防に有用である。血管形成異常を伴う疾患、又は血管障害に伴う疾患としては、例えば、固形がん、褥瘡、糖尿病性壊死、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症、急性腎障害、脳梗塞、加齢黄斑変性、関節リウマチ、強皮症、乾癬、全身性エリテマトーデス、肺線維症、閉塞性動脈硬化症、動脈硬化症、狭心症、心筋梗塞、バージャー病、感染症による脳浮腫、出血性ウイルス(エボラ、デング)による出血、急性呼吸窮迫症候群等が挙げられ、本発明の化合物(I)又はその薬理学的に許容し得る塩は、これら疾患の予防、及び/又は治療に特に有用である。また、本発明の化合物(I)、又はその薬理学的に許容し得る塩は、化学療法剤、免疫療法剤、及びホルモン療法剤からなる群より選択される少なくとも1種の薬剤との併用により、上記疾患の予防、及び/又は治療における有用性を顕著に向上させることができる。