(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-06
(45)【発行日】2024-02-15
(54)【発明の名称】車両用内装材、該車両用内装材の製造方法、及びエンボスロール
(51)【国際特許分類】
B29C 59/04 20060101AFI20240207BHJP
B60R 13/02 20060101ALI20240207BHJP
【FI】
B29C59/04 Z
B60R13/02 B
(21)【出願番号】P 2022063410
(22)【出願日】2022-04-06
【審査請求日】2022-12-06
(73)【特許権者】
【識別番号】510206039
【氏名又は名称】スミノエ テイジン テクノ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】澤田 大輔
(72)【発明者】
【氏名】國田 敏一
【審査官】田代 吉成
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/159613(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 59/04
B60R 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維布帛層とクッション層とが積層一体化された複合シート材にエンボス模様を形成する車両用内装材の製造方法であって、
表面に
複数の型押部が突設されたエンボスロールと表面が金属製のバックアップロールとの間に前記複合シート材を供給する工程と、
前記繊維布帛層側を前記エンボスロール側にして前記複合シート材を加熱押圧する工程と、を備え、
前記型押部は、前記エンボスロールのベース面からの高さが同一であり、
前記型押部の頂面の端部を含む一部の領域に凹部を有し、
前記領域を除く頂面に凹凸模様は無く、
前記エンボス模様は前記複合シート材の厚みが互いに異なる底部と中間部と頂部を形成し、
前記底部に凹凸模様は無く、
前記中間部が略平面及び/又は略斜面であり、かつ
前記中間部に凹凸模様を形成し、
前記中間部の凹凸模様は前記頂部及び/又は前記底部の模様とは異なり、
前記中間部の凹凸模様の凸部の総面積が、前記中間部の総面積の25%~75%であり、
前記凹凸模様の凹部の深さが1mmを超え、かつ
隣り合う前記
凹凸模様の凹部同士の距離がタテ・ヨコ・斜めいずれかの方向に0.1mm以上であることを特徴とする車両用内装材の製造方法。
【請求項2】
前記型押部の頂面の
端部を含む一部の領域
の凹部の面積が前記領域の面積の25%~75%であり、
前記凹部の深さが1mmを超え、かつ
隣り合う前記凹部同士の距離がタテ・ヨコ・斜めいずれかの方向に0.1mm以上であり、
前記型押部の高さが1mm以上で
ある請求項1に記載の車両用内装材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主にシートやドアに使用される積層シート材にエンボス模様が形成された車両用内装材、該車両用内装材の製造方法、及びエンボスロールに関する。
【背景技術】
【0002】
車両用内装材として、繊維布帛の表面にエンボス模様を形成したものが広く知られている。例えば特許文献1には、織物、編物、不織布等の繊維布帛からなる表地と、ポリウレタンフォーム材等からなるクッション層とを積層一体化した複合シート材を、エンボス模様を深くはっきりと形成させるために加熱温度を共に100℃~250℃の範囲に加熱したエンボスロールとヒートロールとの間でエンボス加工する車両の座席用表皮材の製造方法が記載されている。
【0003】
また、特許文献2には、基材と、前記基材の表面に設けられ、深さ方向が前記基材の厚さ方向に一致する、凹部と、を含み、前記凹部は、前記凹部の内面の第一領域に第一凹凸模様を含み、前記第一領域とは異なる前記内面の第二領域に前記第一凹凸模様とは異なる第二凹凸模様を含む、化粧シートが記載されている。この化粧シートによれば、第一領域及び第二領域での光の反射を異なる状態とすることができる。化粧シートの表面を2以上の異なる方向から一見した場合、化粧シートの看者を、同一の凹部を異なる凹部であると錯覚させることができると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-276285号公報
【文献】国際公開WO2019/159613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
シートやドアなどの車両用内装材は、従来にない優れた意匠性が求められ、加飾の一種であるエンボス模様も従来にない形態や、より有利な加工方法等が求められている。例えば、特許文献1に記載の従来技術では、表地とクッション層とを積層一体化した複合シート材に凸部の高さが一様なエンボスロールを用いてエンボス加工を施した場合、クッション層の賦形度合いも一様となり、複合シート材には凹部が一様の深さの凹凸模様を形成するものである。
【0006】
ところで、複合シート材に凹部の深さの異なるエンボス模様を賦形するために、凸部の高さが一様でないエンボスロールを用いても、エンボスロールの凸部の高さが相対的に低い凸部では圧力が弱くなってしまうため、凹部の深さの異なるエンボス模様を形成するのは容易ではないことから、意匠性が劣るものであった。
【0007】
そこで、深さが一様でない凹凸模様を十分に賦形するため、エンボスロール凸部の圧力を高めたり、賦形時間を長くしたりしながら、複雑な凹凸形状のエンボスロールを用いてエンボス加工を施した場合、エンボスロール凸部のうち面積が広い凸部では複合シート材の凹部が硬化してしまい、複合シート材の伸度が低下し縫製時にシワが発生してしまう問題があった。
【0008】
また、このようなエンボス加工型、すなわちエンボスロールには、高さが異なる凸部や、段差や斜面など複雑な凸部形状を設ける必要があり、エンボスロールの製造コストがより高額となる恐れがあった。
【0009】
一方、エンボスロールと対をなすエンボス受型、すなわちバックアップロールの表面にゴムなどの弾性部が設けられている場合は、エンボスロールの凹凸形状を化粧シートに一層強く押し付ける必要があり、特に化粧シートの表層が繊維質シート材の場合は繊維質シート材が強く圧縮されたとしても、弾性ゴムロールは加熱できないことから、クッション性を有する第二シート、すなわち軟質ウレタンフォームまで十分な形状を付与できない恐れがあった。
【0010】
本発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであり、従来にない優れた意匠性を有する車両用内装材を提供することを目的とする。また、エンボス模様も従来にない形態で、より有利な加工方法の車両用内装材の製造方法を提供すること、及び車両用内装材製造用のエンボスロールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
【0013】
[1]繊維布帛層とクッション層とが積層一体化された複合シート材にエンボス模様を形成する車両用内装材の製造方法であって、
表面に複数の型押部が突設されたエンボスロールと表面が金属製のバックアップロールとの間に前記複合シート材を供給する工程と、
前記繊維布帛層側を前記エンボスロール側にして前記複合シート材を加熱押圧する工程と、を備え、
前記型押部は、前記エンボスロールのベース面からの高さが同一であり、
前記型押部の頂面の端部を含む一部の領域に凹部を有し、
前記領域を除く頂面に凹凸模様は無く、
前記エンボス模様は前記複合シート材の厚みが互いに異なる底部と中間部と頂部を形成し、
前記底部に凹凸模様は無く、
前記中間部が略平面及び/又は略斜面であり、かつ
前記中間部に凹凸模様を形成し、
前記中間部の凹凸模様は前記頂部及び/又は前記底部の模様とは異なり、
前記中間部の凹凸模様の凸部の総面積が、前記中間部の総面積の25%~75%であり、
前記凹凸模様の凹部の深さが1mmを超え、かつ
隣り合う前記凹凸模様の凹部同士の距離がタテ・ヨコ・斜めいずれかの方向に0.1mm以上であることを特徴とする車両用内装材の製造方法。
【0014】
[2]前記型押部の頂面の端部を含む一部の領域の凹部の面積が前記領域の面積の25%~75%であり、
前記凹部の深さが1mmを超え、かつ
隣り合う前記凹部同士の距離がタテ・ヨコ・斜めいずれかの方向に0.1mm以上であり、
前記型押部の高さが1mm以上である前項1に記載の車両用内装材の製造方法。
【発明の効果】
【0016】
[1]の発明では、より複雑で従来にない形態のエンボス模様を形成でき、より有利な車両用内装材の製造方法を提供できる。すなわち、より確実に底部と中間部と頂部を形成することができ、前記中間部の表面側の凹凸模様がより一層際立った優れた意匠性を付与できる。また、複合シート材のエンボス模様の底部を部分的に硬化させてしまう恐れもなく、しかもクッション層まで十分な形状を付与できる車両用内装材の製造方法を提供できる。
【0017】
[2]の発明では、複合シート材の厚みが互いに異なる底部と中間部と頂部を表面側に形成することができ、しかも前記中間部として略平面及び/又は略斜面である中間部を形成することができるとともに、前記中間部に形成する凹凸模様は分散しており、前記複合シート材のエンボス模様の底部を硬化させてしてしまう恐れもない車両用内装材の製造方法を提供できる。前記エンボスロールの表面に高さが異なる型押部や、前記型押部に段差や斜面など複雑な凸部形状を設ける必要もないので、前記エンボスロールの製造コストがより高額となる恐れもない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の第一実施形態に係る車両用内装材の斜視図である。
【
図2】本発明の第二実施形態に係る車両用内装材の斜視図である。
【
図3】本発明の第一及び第二実施形態に係る車両用内装材の説明図(平面図)である。
【
図4】本発明で用いる複合シート材の断面図である。
【
図5】本発明の第一実施形態に係るエンボスロールの型押部を拡大して示す部分断面図である。
【
図6】本発明の第一実施形態に係る車両用内装材の製造方法の説明図である。
【
図7】本発明の第二実施形態に係るエンボスロールの型押部を拡大して示す部分断面図である。
【
図8】本発明の第二の実施形態に係る車両用内装材の製造方法の説明図である。
【
図9】本発明の第二実施形態に係る車両用内装材の断面写真である。
【
図10】従来のエンボスロールの型押部を拡大して示す部分断面図である。
【
図11】本発明で用いるロールエンボス装置の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明に係る車両用内装材の一実施形態について
図1~
図4を参照しつつ説明する。
図1は第一実施形態、
図2は第二実施形態に係る車両用内装材の斜視図である。
【0020】
図1、
図2示すように、本発明に係る車両用内装材1は、繊維布帛層2とクッション層3とが積層一体化された複合シート材4にエンボス模様が形成された車両用内装材であって、前記エンボス模様は、表面側の繊維布帛層2側に形成され、複合シート材4の厚みが互いに異なる底部5と中間部6と頂部7を表面側に有し、中間部6が略平面及び/又は略斜面であり、中間部6の表面側に凹凸模様9を有し裏面側に凹凸模様は無く、凹凸模様9は頂部7及び/又は底部5の模様と異なり、中間部6の凹凸模様9の凸部の総面積が、複合シート材4の中間部6の総面積の25%~75%であり、中間部6の凹凸模様9の凹部は、独立した凹部を含むことを特徴とする。
【0021】
本発明の繊維布帛層2としては、特に限定されないが、例えば織物、編物、不織布を挙げることができる。なお、繊維布帛層2を構成する繊維としては、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリアクリロニトリル繊維等の合成繊維、木綿、レーヨン繊維等を挙げることができる。また、これらを適宜組み合せてもよい。
【0022】
本発明のクッション層3としては、クッション性が良好な範囲で密度、硬さ、厚さを選ぶことができるので、軟質ウレタンフォームが好ましい。具体的には、密度は15Kg/m3~45Kg/m3 の範囲、硬さは60N~180N/cm2の範囲、厚さは1mm~10mmの範囲が好ましい。また、軟質ウレタンフォームの裏面に編地を積層したものが、車両用内装材1の製造工程において工程通過性に優れ、車両用内装材1を裁断する際の作業性が向上することから好ましい。
【0023】
図4に示すように、複合シート材4は繊維布帛層2とクッション層3とが積層一体化されたものである。繊維布帛層2とクッション層3とを積層一体化する方法は特に限定されないが、接着剤による方法やフレームラミネート法による方法を挙げることができる。なかでも層間剥離の強度、生産性等の観点からフレームラミネート法がより好ましく、エンボス模様が形成された状態での繊維布帛層2とクッション層3の一体化の強度を一段と向上させることができる。
【0024】
本発明のエンボス模様は複合シート材4の繊維布帛層2側に形成され、複合シート材4の厚みが互いに異なる底部5と中間部6と頂部7を表面側に有した形態である。より詳しくは、複合シート材4を全体的に視てエンボス模様の高さの低い順に、底部5、中間部6、頂部7の少なくとも3種類の高さが形成された模様であり、車両用内装材1の意匠面となる(
図1、
図2)。
図1、
図2では図示していないが中間部6は凹凸模様9を有するので、より複雑で従来にない優れた意匠性を有する車両用内装材1とすることができる。
【0025】
図1、
図2に示すように、本発明において複合シート材4を全体的に視てエンボス模様の中間部6が略平面及び/又は略斜面である。中間部6が略平面及び/又は略斜面であることで、より変化のあるエンボス模様となるので、意匠性に優れた車両用内装材1とすることができる。本発明の第一実施形態が略平面で、第二実施形態が略斜面である。なお、
図9は本発明の第二実施形態に係る車両用内装材の断面写真であるが、中間部6に凹凸模様を有する。
【0026】
本発明の中間部6は、中間部6の表面側に凹凸模様9を有するが、裏面側に凹凸模様は無く、底部5と頂部7における凹凸模様の有無は特に限定されないが、中間部6の凹凸模様9は、頂部7及び/又は底部5の凹凸模様とは異なる。なお、底部5と頂部7に凹凸模様が無い場合は、当然中間部6の凹凸模様9と異なる。
図3に凹凸模様(底部)8としてボーダー柄と、凹凸模様(中間部)9として矩形柄と三角柄と、凹凸模様(頂部)10としてボーダー柄の例、並びに、底部5、中間部6、頂部7にそれぞれ凹凸模様がない例などを示す。なお、凹凸模様(中間部)9は複合シート材4のエンボス模様よりも深さや大きさが小さい。
【0027】
本発明において、中間部6の凹凸模様9の凸部の総面積が、複合シート材4の中間部6の総面積の25%~75%である。中間部6の凹凸模様9の凸部の総面積をこの範囲にすることで、底部5と頂部7の間の高さを中間部6としてより確かに視認できるうえ、中間部6の凹凸模様9がより一層際立った意匠性に優れた車両用内装材1とすることができる。なお、中間部6の総面積とは、エンボスロール11の一つの型押部によって賦形されたひと続きの中間部6の面積の合計である。また、中間部6の凹凸模様9の凹部は、独立した凹部を含む。逆に凹部が独立しておらず全部つながった凹部では中間部6とは言い難い。
図3に示すように、矩形の凹凸模様(中間部)9及び三角形の凹凸模様(中間部)9の凸部の総面積とも、それぞれ複合シート材4の対応する一つの型押部によって賦形されたひと続きの中間部6の総面積の25%~75%である。
【0028】
次に、本発明に係る車両用内装材の製造方法について
図5~
図11を参照しつつ説明する。
【0029】
本発明に係る車両用内装材1の製造方法は、繊維布帛層2とクッション層3とが積層一体化された複合シート材4にエンボス模様を形成する車両用内装材の製造方法であって、表面に型押部13が突設されたエンボスロール11と表面が金属製のバックアップロール12との間に複合シート材4を供給する工程と、繊維布帛層2側をエンボスロール11側にして複合シート材4を加熱押圧する工程と、を備え、型押部13は、エンボスロール11のベース面14からの高さHが同一であり、前記エンボス模様は複合シート材4の厚みが互いに異なる底部5と中間部6と頂部7を形成し、中間部6が略平面及び/又は略斜面であり、かつ中間部6に凹凸模様9を形成し、中間部6の凹凸模様9は頂部7及び/又は底部5の模様とは異なり、中間部6の凹凸模様9の凸部の総面積が、中間部6の総面積の25%~75%であり、凹凸模様9の凹部16の深さHaが1mmを超え、かつ隣り合う凹部16同士の距離がタテ・ヨコ・斜めいずれかの方向に0.1mm以上であることを特徴とする。
【0030】
図5又は
図7に示す型押部13を有するエンボスロール11を用い、例えば、
図11(1)又は
図11(2)に示すロールエンボス装置によって本発明に係る車両用内装材1を製造できる。
図11、
図12ともエンボスロール11の表面に突設された型押部13は描かずに省略している。
【0031】
ロールエンボス装置を用いて複合シート材4にエンボス模様を形成するには、回転可能に設けられたエンボスロール11と、エンボスロール11に対向して回転可能に設けられたバックアップロール12との間に、複合シート材4を供給し、繊維布帛層2をエンボスロール11の側にして通過させればよい。供給された複合シート材4はエンボスロール11とバックアップロール12との間で加熱押圧される。
【0032】
エンボスロール11とバックアップロール12は表面が金属製で、熱伝導性が良好なことから材質は炭素鋼でS25CもしくはS45Cが好ましい。
【0033】
図11(1)又は
図11(2)には図示していないが、エンボスロール11とバックアップロール12にはそれぞれ加熱手段を備えている。前記加熱押圧工程において、エンボスロール11は160℃から210℃の温度範囲、バックアップロール12は160℃から235℃の温度範囲が好ましい。エンボスロール11の温度が160℃よりも低いとエンボス模様の賦形が弱い恐れがあり、エンボスロール11の温度が210℃よりも高いと繊維布帛層2に鋭い凹部が発生する恐れがあるので好ましくない。また、バックアップロール12の温度が160℃よりも低いと十分にクッション層3を賦形することが困難になる恐れがあり、バックアップロール12の温度が235℃よりも高いとクッション層3の裏面に積層した編地が溶融し、バックアップロール12に融着する恐れがあるので好ましくない。
【0034】
エンボスロール11の表面には、
図5及び/又は
図7に示すように型押部13が突設しており、エンボスロール11のベース面14からの型押部13の高さHは同一である。なお、型押部13の数は必要に応じて複数突設していてもよい。さらに、型押部13の頂面15には高さHより小さい深さHaの凹部16が設けられた領域Aがある。領域Aは1つの型押部13に複数設けてもいいし、領域Aの面積は領域A毎に異なっていてもよい。
図5には、領域Aが一箇所設けられた型押部13、二箇所設けられた型押部13の例を示す。
【0035】
図6は第一実施形態に係る車両用内装材1の製造方法の説明図であり、
図5に示す型押部13を有するエンボスロール11により加熱押圧するものである。
図6に(1)エンボス前、(2)エンボス時、(3)エンボス後の状態を順に示す。(1)エンボス前では、複合シート材4とエンボスロール11が離間している状態で、(2)エンボス時では、複合シート材4をエンボスロール11が加熱押圧している状態で、(3)エンボス後では、複合シート材4に厚みが互いに異なる底部5と略平面の中間部6と頂部7が形成された状態を示している。
【0036】
図6に示すように、複合シート材4の厚みが互いに異なる底部5と中間部6と頂部7が形成される。詳しくは、型押部13の領域Aによって加熱押圧された複合シート材4の表面に中間部6が、型押部13の領域A以外では底部5が、エンボスロール11のベース面14に対応して頂部7が形成され、
図6では図示していないが中間部6に凹凸模様9が形成される。中間部6では、エンボスロール11による加熱押圧の際、複合シート材4に接する面積が領域Aでは凹部16があるため相対的に小さく押圧が弱いと考えられ、型押部13は、エンボスロール11のベース面14からの高さHが同一であるにもかかわらず、略平面の中間部6を形成するとともに中間部6に凹凸模様9を形成できる。
【0037】
図8は第二実施形態に係る車両用内装材1の製造方法の説明図であり、
図7に示す型押部13を有するエンボスロール11により加熱押圧するものである。
図7に示す型押部13は、
図5に示す型押部13に比べて、型押部13の領域Aの凹部16の隣り合う凹部同士の距離が徐々に離れている。
図8に(1)エンボス前、(2)エンボス時、(3)エンボス後の状態を順に示す。(1)エンボス前では、複合シート材4とエンボスロール11が離間している状態で、(2)エンボス時では、複合シート材4をエンボスロール11が加熱押圧している状態で、(3)エンボス後では、複合シート材4に厚みが互いに異なる底部5と略斜面の中間部6と頂部7が形成された状態を示している。
【0038】
図8に示すように、複合シート材4の厚みが互いに異なる底部5と中間部6と頂部7が形成される。詳しくは、型押部13の領域Aによって加熱押圧された複合シート材4の表面に中間部6が、型押部13の領域A以外では底部5が、エンボスロール11のベース面14に対応して頂部7が形成され、
図8では図示していないが中間部6に凹凸模様9が形成される。中間部6では、エンボスロール11による加熱押圧の際、複合シート材4に接する面積が領域Aでは凹部16があるため相対的に小さく押圧が弱いと考えられ、型押部13は、エンボスロール11のベース面14からの高さHが同一であるにもかかわらず、略斜面の中間部6を形成するとともに凹凸模様9を形成できる。
【0039】
エンボスロール11として、型押部13を
図5に示すものと
図7に示すものを混在させてもよい。この場合略平面の中間部6と、略斜面の中間部6の両方が混在した意匠の車両用内装材1を製造できる。
【0040】
また、エンボスロール11とバックアップロール12との間の押圧は2~60kg/cm2の条件の範囲で、複合シート材4の通過速度は0.1~5m/分の範囲が好ましい。この範囲にすることで、複合シート材4の厚みが互いに異なる底部5と中間部6と頂部7の形成がより安定するので好ましい。
【0041】
本発明に係る車両用内装材1の製造方法によれば、中間部6の凹凸模様9は、頂部7及び/又は底部5の凹凸模様とは異なり、中間部6の凹凸模様9の凸部の総面積が、中間部6の総面積の25%~75%であり、凹凸模様9の凹部16の深さHaが1mmを超え、かつ隣り合う凹部16同士の距離がタテ・ヨコ・斜めいずれかの方向に0.1mm以上であることから、底部5と頂部7の間の高さとして視認できる中間部6をより確実に形成できるとともに、中間部6の凹凸模様9がより一層際立った優れた意匠性を付与できる。逆に、中間部6の凹凸模様9の凸部の総面積が、中間部6の総面積の25%~75%であっても、凹凸模様9の凹部の深さHaが1mmを超え、かつ隣り合う前記凹部同士の距離がタテ・ヨコ・斜めいずれかの方向に0.1mm以上の条件を満たさなければ、明確な中間部6は形成されない恐れがある。たとえ凹凸模様9の凹部の深さHaが1mmを超え、かつ隣り合う前記凹部同士の距離がタテ・ヨコ・斜めいずれかの方向に0.1mm以上であっても、中間部6の総面積の25%未満では頂部7の高さに近似し、中間部6の総面積の75%を超えると底部5の高さに近似してしまうことから、明確な中間部6を形成できなくなる恐れがある。なお、中間部6の総面積とは、エンボスロール11の一つの型押部によって賦形されたひと続きの中間部6の面積の合計である。
【0042】
次に、エンボスロールについて説明する。従来のエンボスロールとしては、例えば
図10(1)又は
図10(2)に示す型押部を有するものがあり、複合シート材4を
図10(1)の型押部により加熱押圧すると、複合シート材4の表面にエンボス模様を形成することができるが、段差面18では本発明の略平面である中間部も、中間部に凹凸模様を容易に形成することはできない。また、複合シート材4を
図10(2)の型押部により加熱押圧すると、複合シート材4の表面にエンボス模様を形成することができるが、斜面20では本発明の略斜面である中間部も、中間部に凹凸模様を容易に形成することはできない。すなわち、
図10(1)の型押部の段差面18や
図10(2)の型押部の斜面20に凹凸模様を形成したとしても、段差面18や斜面20では押圧が弱くなり、複合シート材4の表面に明確な凹凸模様を形成できない。逆に十分なエンボス模様を得ようと押圧を強くするとエンボス模様の底部が硬化し易すく、この硬化を抑えようとすると十分なエンボス模様を得難い。また、
図10(1)又は
図10(2)に示す型押部を有するエンボスロールは、切削の難易度も高くなり、エンボスロールの製造コストが高額になるという問題があった。
【0043】
一方、本発明に係るエンボスロールとして例えば、
図5又は
図7に示す型押部13を有するエンボスロール11は、繊維布帛層2とクッション層3とが積層一体化された複合シート材4にエンボス模様を賦形するエンボスロールであって、エンボスロール11の表面に複数の型押部13が突設され、型押部13の頂面15の一部の領域Aに凹部16を有し、凹部16の面積が領域Aの面積の25%~75%であり、凹部16の深さHaが1mmを超え、かつ隣り合う凹部16同士の距離がタテ・ヨコ・斜めいずれかの方向に0.1mm以上であり、型押部13の高さHが1mm以上であり、かつ型押部13の高さHが同一であることを特徴とする。
【0044】
このような構成を採用することで、複合シート材4の厚みが互いに異なる底部5と中間部6と頂部7を表面側に形成することができ、しかも中間部として略平面及び/又は略斜面である中間部6を形成することができるとともに、複合シート材4のエンボス模様の底部5を硬化させてしてしまう恐れもないエンボスロール11を提供できる。このように本発明のエンボスロール11は、表面に高さが異なる型押部13や、型押部13に段差や斜面など複雑な形状を設ける必要もないので、エンボスロール11の製造コストがより高額となる恐れもない。
【0045】
本発明のエンボスロール11には、領域Aを一つの型押部13に複数設けてもよく、領域Aの面積の25%~75%の範囲であれば、個々の領域A毎に例えば、30%、50%、70%とすることで、高さの異なる中間部6を複合シート4に形成できる。また、一つの領域Aの中に、凹部16の面積が連続して30%から徐々に70%になるような設定にすることで、より確実に中間部6を略平面ではなく略斜面にすることができる。
【0046】
ところで、本発明のエンボスロール11では、たとえ凹部16の面積が、領域Aの面積の25%~75%であっても、凹部16の深さHaが1mmを超え、かつ隣り合う凹部16同士の距離はタテ・ヨコ・斜めいずれかの方向に0.1mm以上の条件を満たしていなければ、複合シート材4の中間部6の凹凸模様がより一層際立った優れた意匠性を付与できなくなる。また、たとえ凹部16の深さHaが1mmを超え、かつ隣り合う凹部16同士の距離がタテ・ヨコ・斜めいずれかの方向に0.1mm以上であっても、領域Aの面積の25%未満では中間部6の高さが頂部7の高さに近似してしまうし、領域Aの面積の75%を超えると中間部6の高さが底部5の高さに近似してしまうことから、複合シート材4の中間部6の凹凸模様がより一層際立った優れた意匠性を付与できなくなる。なお、領域Aの凹部16の深さHaとしては繊維布帛層2の厚み以上の1.0mm~2.0mmの範囲が好ましい。
【0047】
本発明のエンボスロール11の型押部13の高さHが1mm以上であり、かつ型押部13の高さHが同一である。この範囲にすることで、エンボスロール11の表面に高さが異なる型押部13や、型押部13に段差や斜面など複雑な凸部形状を設ける必要もないので、エンボスロール11の製造コストがより高額となることもない。
【0048】
また、エンボスロール11による加熱押圧の際、型押部13の領域Aでは押圧が相対的に弱いと考えられ、型押部13はエンボスロール11のベース面14からの高さHが同一であるにもかかわらず中間部6を形成できるうえに中間部6に凹凸模様9を形成でき、凹凸模様9がより一層際立った優れた意匠性を付与できる。
【0049】
ところで、型押部13の高さHが1mm未満では、複合シート材4の厚みに比べてあまりにも小さいため、十分な中間部6を形成できない。さらに、加熱押圧時にベース面14が頂部7に接触してしまう可能性があることから、繊維布帛層2の硬化や変色等の悪影響を与えてしまう。なお、型押部13の高さHとしては3.0mm~12.0mmの範囲が好ましい。
【実施例】
【0050】
次に、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例のものに特に限定されるものではない。
【0051】
<使用材料他>
繊維布帛層:織物(厚さ1.0mm)
クッション層:軟質ウレタンフォーム(密度20Kg/m3、硬さ98.1N/cm2、厚さ5mm、株式会社イノアックコーポレーション製 商品名EL67)
クッション層の裏基布:編地(ポリエステル繊維製ジャージ、目付40g/m2)
複合シート材:上記繊維布帛層にクッション層をフレームラミネーション法により積層一体化(総厚7.0mm)
エンボスロールの型押部
型押部の高さH:10.0mm
型押部の領域Aにおける凹部のHa:1.5mm
領域Aの凹部の面積/領域Aの面積の百分率:50%
【0052】
<実施例1>
図11(1)又は(2)に示すようなロールエンボス装置を用いて、あらかじめ用意した上述の複合シート材の繊維布帛層側にエンボス模様を形成した。すなわち、複合シート材の繊維布帛層面がエンボスロール側になるようにして複合シート材の通過速度を2m/分に設定し、
図5に示すように、型押部の領域Aの凹部の隣り合う凹部同士の距離が一様である型押部を有するエンボスロールを用い、エンボスロール(表面温度:210℃)とバックアップロール(表面温度:230℃)のとの間で複合シート材を50Kg/cm
2の圧力で加熱押圧した。エンボス模様として複合シート材の厚みが互いに異なる底部と、略平面の中間部と、頂部が複合シート材の表面側に形成され、中間部の繊維布帛層には凹凸模様が賦形された車両用内装材を得た。ひと続きの中間部の面積に占める凹凸模様の凸部の総面積の百分率は50%であった。なお、エンボス模様の頂部、中間部(略平面)、底部の厚みは順に、7mm、2.5mm、1.2mmであった。中間部の形成評価は「◎」で、中間部の凹凸模様の明瞭性評価は「◎」であった。
【0053】
<実施例2>
実施例1において、領域Aの凹部の面積/領域Aの面積の百分率が30%のエンボスロールを用い、エンボスロールの表面温度を190℃に設定した以外は実施例1と同様にして車両用内装材を得た。複合シート材の厚みが互いに異なる底部と中間部(略平面)と頂部が表面側に形成され、中間部の繊維布帛層には凹凸模様が賦形され、ひと続きの中間部の面積に占める凹凸模様の凸部の総面積の百分率は30%であった。なお、エンボス模様の頂部、中間部(略平面)、底部の厚みは順に、7mm、3.8mm、1.3mmであった。中間部の形成評価は「〇」で、中間部の凹凸模様の明瞭性評価は「◎」であった。
【0054】
<実施例3>
実施例2において、領域Aの凹部の面積/領域Aの面積の百分率が70%のエンボスロールを用いた以外は実施例2と同様にして車両用内装材を得た。複合シート材の厚みが互いに異なる底部と中間部(略平面)と頂部が表面側に形成され、中間部の繊維布帛層には凹凸模様が賦形され、ひと続きの中間部の面積に占める凹凸模様の凸部の総面積の百分率は70%であった。なお、エンボス模様の頂部、中間部(略平面)、底部の厚みは順に、7mm、2.0mm、1.3mmであった。中間部の形成評価は「〇」で、中間部の凹凸模様の明瞭性評価は「◎」であった。
【0055】
<実施例4>
実施例2において、領域Aの凹部の面積/領域Aの面積の百分率が50%であるが、
図8に示すように、型押部の領域Aの凹部の隣り合う凹部同士の距離が徐々に離れている、すなわち領域Aの凹部の間隔がグラデーション状である型押部を有するエンボスロールを用いた以外は実施例2と同様にして車両用内装材を得た。複合シート材の厚みが互いに異なる底部と中間部(略斜面)と頂部が表面側に形成され、中間部の繊維布帛層には凹凸模様が賦形され、ひと続きの中間部の面積に占める凹凸模様の凸部の総面積の百分率は50%であった。なお、エンボス模様の頂部、底部の厚みは順に、7mm、1.3mmであり、中間部は、その中心部では厚みは2.5mm、頂部に近いところの厚みは3.8mm、底部に近いところの厚みは、2.0mmの略斜面の中間部が形成されていた。中間部の形成評価は「〇」で、中間部の凹凸模様の明瞭性評価は「〇」であった。
【0056】
【0057】
<比較例1>
実施例2において、領域Aの凹部の面積/領域Aの面積の百分率が80%のエンボスロールを用いた以外は実施例2と同様にして車両用内装材を得た。複合シート材の厚みが互いに異なる底部と頂部が表面側に形成され、底部と頂部の間には、繊維布帛層には凹凸模様が賦形されていたものの、厚みが1.5mmしかなく底部と見分け難く、エンボス模様の中間部とは認められなかった。ひと続きの中間部に占める中間部の凹凸模様の凸部の百分率は80%であった。なお、エンボス模様の頂部、中間部、底部の厚みは順に、6.5mm、1.5mm、1.3mmであった。中間部の形成評価は「×」で、中間部の凹凸模様の明瞭性評価は「◎」であった。
【0058】
<比較例2>
実施例2において、領域Aの凹部の面積/領域Aの面積の百分率が10%のエンボスロールを用いた以外は実施例2と同様にして車両用内装材を得た。複合シート材の厚みが互いに異なる底部と頂部が表面側に形成され、底部と頂部の間には、繊維布帛層には凹凸模様が賦形されていたものの、厚みが5.5mmで頂部と見分け難く、エンボス模様の中間部とは認められなかった。ひと続きの中間部の面積に占める凹凸模様の凸部の総面積の百分率は10%であった。なお、エンボス模様の頂部、底部の厚みは順に、7mm、1.3mmであった。頂部と底部の間の高さは5.5mmであって、頂部の高さとの差がほとんどなく中間部とは認められず、中間部の形成評価は「×」であった。また、中間部の凹凸模様の明瞭性評価は「◎」であった。
【0059】
<比較例3>
実施例2において、領域Aの凹部の面積/領域Aの面積の百分率が50%であるが、型押部の高さHよりも領域Aの高さが0.5mm低い、すなわち領域Aの頂面の高さだけが9.5mmである型押部を有するエンボスロールを用いた以外は実施例2と同様にして車両用内装材を得た。ひと続きの中間部の面積に占める凹凸模様の凸部の総面積の百分率は50%であった。なお、エンボス模様の頂部、中間部、底部の厚みは順に、7mm、4.5mm、1.3mmであった。中間部の形成評価は「〇」であったが、型押部の領域Aの高さが0.5mm低かったため中間部の凹凸模様の明瞭性評価は「△」であった。
【0060】
実施例1~3の車両用内装材は、いずれも略平面の中間部が形成されており、中間部の形成についての評価は明瞭又は十分視認でき、中間部に施された凹凸模様も明瞭であり、意匠性に優れたものであった。また、実施例4の車両用内装材は、略斜面の中間部、すなわち、エンボス模様の底部から頂部にかけて斜面が形成され、しかもその斜面には十分に視認できる凹凸模様を有しており、意匠性に優れたものであった。
【0061】
一方、比較例1、2では、エンボス模様の頂部と底部の間に中間部は認められず、比較例3では、中間部は視認できるものの、中間部の凹凸模様が不明瞭で意匠性に劣るものであった。
【0062】
<中間部の形成評価>
車両用内装材のエンボス模様の中間部の形成を評価した。すなわち、車両用内装材の表面(繊維布帛層)を上にして机に置き、斜め45度~60度の方向から目視観察し、次の基準で評価した。中間部が形成されており、頂部、底部との差が明瞭、又は十分視認できることで優れた意匠性を有する車両用内装材といえる。判定が「〇」以上を合格とした。
(判定基準)
「◎」:エンボス模様の中間部が明瞭である。
「〇」:エンボス模様の中間部を十分視認できる。
「△」:エンボス模様の中間部が不明瞭である。
「×」:エンボス模様の中間部とは認められない。
【0063】
<中間部の凹凸模様の明瞭性評価>
エンボス模様の中間部の表面(繊維布帛層)の凹凸模様の明瞭性を評価した。すなわち、車両用内装材の表面(繊維布帛層)を上にして机に置き、斜め45度~60度の方向から目視観察し、次の基準で評価した。判定が「〇」以上を合格とした。
(判定基準)
「◎」:中間部の凹凸模様が明瞭である。
「〇」:中間部の凹凸模様が十分視認できる。
「△」:中間部の凹凸模様が不明瞭である。
「×」:中間部の凹凸模様が見られない。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明に係る車両用内装材、該車両用内装材の製造方法、及びエンボスロールは、主にシートやドア等に、また該シートやドアの製造方法として、該製造方法用のエンボスロールとして好適である。
【符号の説明】
【0065】
1・・・車両用内装材
2・・・繊維布帛層
3・・・クッション層
4・・・複合シート材
5・・・(エンボス模様)底部
6・・・(エンボス模様)中間部
7・・・(エンボス模様)頂部
8・・・凹凸模様(底部)
9・・・凹凸模様(中間部)
10・・・凹凸模様(頂部)
11・・・エンボスロール
12・・・バックアップロール
13・・・型押部
14・・・ベース面
15・・・頂面
16・・・凹部
17・・・従来のエンボスロール
18・・・段差面
19・・・従来のエンボスロール
20・・・斜面
A・・・領域
H・・・型押部の高さ
Ha・・・凹部の深さ