(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-06
(45)【発行日】2024-02-15
(54)【発明の名称】低温保管取出設備及び低温保管取出方法
(51)【国際特許分類】
A01N 1/02 20060101AFI20240207BHJP
G01N 35/00 20060101ALI20240207BHJP
【FI】
A01N1/02
G01N35/00 Z
(21)【出願番号】P 2022549838
(86)(22)【出願日】2020-07-14
(86)【国際出願番号】 CN2020101758
(87)【国際公開番号】W WO2021169148
(87)【国際公開日】2021-09-02
【審査請求日】2022-08-22
(31)【優先権主張番号】202010124341.5
(32)【優先日】2020-02-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519145403
【氏名又は名称】上海原能▲細▼胞生物低温▲設▼▲備▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Shanghai Origincell Biological Cryo Equipment Co., Ltd.,
【住所又は居所原語表記】Room 102, 1/F, Building 4, No.1118, Halei Road, No.1227, Zhangheng Road, Shanghai Pilot Free Trade Zone, Shanghai, China
(74)【代理人】
【識別番号】110000176
【氏名又は名称】弁理士法人一色国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】瞿 建國
(72)【発明者】
【氏名】劉 玲玲
(72)【発明者】
【氏名】王 建信
【審査官】松澤 優子
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第210094466(CN,U)
【文献】特表2017-508984(JP,A)
【文献】中国実用新案第208647604(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01N 1/02
G01N 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部には、凍結保存チューブと前記凍結保存チューブを放置するための凍結保存ラックとを含む生体試料を保存するための低温環境が形成された保存装置と、
前記保存装置と着脱可能に接続され、前記生体試料を収容するための中継タンクを
外部から受け取り、且つ前記中継タンクを介して前記生体試料の前記保存装置における保管と取出を完了するように構成される操作装置と、
前記保存装置が前記操作装置から取り外された場合、前記保存装置を密封するように構成される密封装置と、を含
み、
前記保存装置は、
タンク本体と、
前記タンク本体の上方に設けられたタンク蓋であって、前記タンク蓋と前記タンク本体との間には密閉された保存キャビティが形成され、且つ前記タンク蓋には前記生体試料が通過するための保管取出口が設けられる前記タンク蓋と、
前記保管取出口と合わせて前記保存装置の密封を実現する保管取出蓋と、を含み、
前記密封装置は密封蓋を含み、前記密封蓋は前記タンク蓋に回転可能に接続され、前記密封蓋には前記保管取出口の位置に対応する密封口が設けられ、前記密封蓋には第1の密封面が設けられ、且つ前記タンク本体に第2の密封面が設けられ、前記第1の密封面と前記第2の密封面が重なる場合、前記密封口と前記保管取出口は前記保管取出蓋と合わせて前記保存装置に対する密封を実現可能である、生体試料保管取出設備。
【請求項2】
移動装置及び迅速接続装置をさらに含み、前記移動装置は、前記操作装置を前記保存装置に対応する位置に移動させるように駆動するように構成され、前記迅速接続装置は、前記操作装置と前記保存装置との組み立てを可能にするように構成され、
或いは、一時保管装置をさらに含み、前記一時保管装置は操作キャビティの内部に設けられ、且つ前記一時保管装置内は前記生体試料を一時的に保管するための低温環境であり、
或いは、前記保存装置に保存される前記生体試料を予備処理するように構成される予備処理タンクをさらに含む、請求項1に記載の生体試料保管取出設備。
【請求項3】
前記操作装置は、
内部に操作キャビティが形成されたハウジングと、
前記操作キャビティ内に設けられ、前記中継タンクを前記操作キャビティに入れる
か又は前記中継タンクを前記操作キャビティから取り出すように構成される伝達タンクと、
前記操作キャビティ内に設けられ、前記伝達タンクと前記中継タンクを開くように構成されるタンク開き機構と、
前記生体試料をつかみ、つかんだ前記生体試料を開いた前記中継タンク又は前記保存装置に入れるように構成されるつかみ機構と、を含む、請求項1に記載の生体試料保管取出設備。
【請求項4】
前記つかみ機構は、
前記生体試料をつかむように構成される生体試料つかみコンポーネントと、
前記生体試料つかみコンポーネントを移動させるように駆動するように構成されるつかみ移動コンポーネントと、を含む、請求項3に記載の生体試料保管取出設備。
【請求項5】
前記つかみ移動コンポーネントは、
前記生体試料つかみコンポーネントに摺動可能に接続され、前記生体試料つかみコンポーネントをY軸に沿って摺動させるようにガイドするように構成されるY軸方向ガイドレールと、
Y軸固定板と、
前記Y軸固定板を介して前記Y軸方向ガイドレールに摺動可能に接続され、前記生体試料つかみコンポーネントをX軸に沿って摺動させるようにガイドするように構成されるX軸モジュールと、を含む、請求項4に記載の生体試料保管取出設備。
【請求項6】
前記生体試料つかみコンポーネントは、吸引ガイドレールホルダーと、負圧コネクタと、吸引モータと、吸引リードスクリューと、吸引部品と、を含み、
前記吸引ガイドレールホルダーは前記Y軸方向ガイドレールに摺動可能に接続され、
前記吸引部品は前記吸引リードスクリューの駆動端に設けられており、
前記吸引モータは、前記吸引部品を前記吸引ガイドレールホルダーに沿って摺動させるように、前記吸引リードスクリューを駆動するように構成され、
前記負圧コネクタは負圧を発生させるように構成され、前記吸引部品は前記負圧の作用で前記凍結保存チューブを吸引し、
或いは、前記生体試料つかみコンポーネントは、
前記生体試料をつかむように構成され、クランプアームと、伝動部材と、クランプ爪部 材とを含むクランプ爪構造であって、前記伝動部材は前記クランプアームの一端に位置し 、且つ前記伝動部材には駆動力を受け取るための入力端が設けられ、前記伝動部材は、前記入力端を介して受け取った、前記クランプアームの延在方向に沿った駆動力を前記クランプアームの延在方向に垂直な駆動力に変換可能であり、前記伝動部材には前記変換された駆動力を出力するための出力端がさらに設けられ、前記クランプ爪部材は前記出力端に設けられ、前記クランプ爪部材は第1のクランプ爪と第2のクランプ爪を含み、且つ前記第1のクランプ爪と前記第2のクランプ爪との間には前記生体試料をクランプするためのクランプ空間が設けられ、前記第1のクランプ爪と前記第2のクランプ爪は、前記伝動部材の駆動により前記クランプアームの延在方向に垂直な方向に沿って移動可能であり、且つ移動方向が逆である、クランプ爪構造と、
駆動モータと、
駆動ガイドレールであって、前記クランプ爪構造及び前記生体試料のZ軸方向における位置を調整するように、前記クランプ爪構造を前記駆動モータの駆動で前記駆動ガイドレールに沿って移動させるように構成される前記駆動ガイドレールと、を含む、請求項5に記載の生体試料保管取出設備。
【請求項7】
前記タンク開き機構は、
前記伝達タンク及び前記中継タンクを開くように構成される第1のタンク開きコンポーネントと、
前記第1のタンク開きコンポーネントを前記伝達タンク及び前記中継タンクの上方に移動させるように駆動するように構成されるタンク開き移動コンポーネントと、を含む、請求項3に記載の生体試料保管取出設備。
【請求項8】
前記第1のタンク開きコンポーネントは、タンク開き固定座と、伸縮型電磁石と、バネと、電磁石とを含み、
前記タンク開き固定座は前記タンク開き移動コンポーネンの駆動端に設けられ、前記伸縮型電磁石は前記タンク開き固定座に固定接続され、前記伸縮型電磁石は前記タンク開き移動コンポーネントに摺動可能に接続され、前記伸縮型電磁石と前記電磁石との間には前記バネが設けられる、請求項7に記載の生体試料保管取出設備。
【請求項9】
前記保存装置は
、
前記保存キャビティ内に回転可能に支持され、前記生体試料の放置を実現するように構成される保存機構
をさらに含む、請求項1に記載の生体試料保管取出設備。
【請求項10】
前記保存機構は、
保存孔が設けられた保存ラックと、
前記保存孔内にスナップフィットされ、前記生体試料を放置するように構成される保存部材と、
前記保存ラックを介して前記保存部材を前記保管取出口に回転させるように駆動するように構成される回転コンポーネントと、を含む、請求項9に記載の生体試料保管取出設備。
【請求項11】
前記保存孔は前記凍結保存チューブを保存するための円形アルミニウム管孔であり、前記保存部材は前記凍結保存チューブを保存するための円形制限管であり、
或いは、前記保存孔は前記凍結保存ラックを保存するための方形アルミニウム管孔であり、前記保存部材は前記凍結保存ラックを保存するための方形制限管である、請求項10に記載の生体試料保管取出設備。
【請求項12】
前記タンク蓋の頂部には前記密封蓋のサイズに合わせた密封溝が設けられ、前記第2の密封面は前記密封溝の底部に位置し、前記第1の密封面と前記第2の密封面が重なる場合、前記密封溝の側面は前記密封蓋の側面と合わせて前記保存装置に対する密封を実現可能であり、
或いは、前記密封蓋と前記タンク蓋は回転部材を介して回転可能に接続され、前記回転部材には、前記密封蓋を前記保存装置に対して回転させるように駆動するように構成される回転駆動部材が設けられる、
請求項1に記載の生体試料保管取出設備。
【請求項13】
生体試料保管取出設備を利用する生体試料保管取出方法であって、
請求項1に記載の生体試料保管取出設備を提供するステップと、
保管取出要求に基づいて前記保存装置を選択するステップと、
生体試料を収容するための前記中継タンクを前記操作装置に入れるステップと、
前記操作装置と選択された前記保存装置を組み立てるステップと、
前記操作装置と前記中継タンクによって前記生体試料の前記保存装置における保管と取出を完了するステップと、
前記操作装置を前記選択された前記保存装置から取り外し、前記選択された前記保存装置を密封するステップと、を含む、方法。
【請求項14】
前記操作装置と選択された前記保存装置を組み立てる前記ステップの後に、前記方法は、前記操作装置を介して前記中継タンクを開くステップをさらに含み、
或いは、前記操作装置と選択された前記保存装置を組み立てる前記ステップの前に、前記方法は、
前記操作装置を前記保存装置に対応する予め設定された位置に移動させるステップをさらに含む、
請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体試料保管取出設備の分野に関し、特に低温保管取出設備及び低温保管取出方法に関する。
【0002】
本出願は、2020年2月27日に中国特許庁に出願された「低温保管取出設備及び低温保管取出方法」という名称の中国特許出願第202010124341.5号に基づき優先権を主張し、その内容は全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
液体窒素凍結保存タンクは生体試料凍結保存チューブ及び凍結保存ラックを保管取出する液体窒素容器である。現在、一般的に採用される構造は、液体窒素凍結保存タンクのタンク本体内に凍結保存ラックが設けられ、凍結保存ラックに凍結保存チューブ及び凍結保存ラックを放置するための放置領域が設けられ、放置領域に凍結保存チューブ及び凍結保存ラックの保存が完了するものである。しかし、冷蔵需要の増加に伴い、凍結保存チューブ及び凍結保存ラックの数がますます多くなっているが、このような構造は保管できる凍結保存チューブ及び凍結保存ラックの数が非常に限られ、コストが限られた条件で保管領域の効果的な容量拡大を実現できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
いくつかの実施例によれば、生体試料保管取出設備及び生体試料保管取出設備を利用する生体試料保管取出方法が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
生体試料保管取出設備は、
内部には、凍結保存チューブと前記凍結保存チューブを放置するための凍結保存ラックとを含む生体試料を保存するための低温環境が形成された保存装置と、
前記保存装置と着脱可能に接続され、前記生体試料を収容するための中継タンクを受け取り、且つ前記中継タンクを介して前記生体試料の前記保存装置における保管と取出を完了するように構成される操作装置と、
前記保存装置が前記操作装置から取り外された場合、前記保存装置を密封するように構成される密封装置と、を含む。
【0006】
生体試料保管取出設備を利用する生体試料保管取出方法は、
上記の生体試料保管取出設備を提供するステップと、
保管取出要求に基づいて前記保存装置を選択するステップと、
生体試料を収容するための中継タンクを前記操作装置に入れるステップと、
前記操作装置と選択された前記保存装置を組み立てるステップと、
前記操作装置と前記中継タンクによって前記生体試料の前記保存装置における保管と取出を完了するステップと、
前記操作装置を前記選択された前記保存装置から取り外し、前記選択された前記保存装置を密封するステップと、を含む。
【0007】
本発明の他の特徴、目的や利点は、以下の詳細な説明及び添付図面から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
特定の実施例の性質及び利点のさらなる理解は、明細書の他の部分及び添付図面を参照することによって達成することができる。ここで、同様の符号は、同様の部材を指す。いくつかの例では、サブ符号は、複数の同様コンポーネントのうちの1つを示すために、図面の符号と関連付けられている。既存のサブ符号を図示せずに図面の符号を参照する場合、そのような複数の同様部材のすべてを指すことを意図している。
【0009】
【
図1】一実施例の低温保管取出設備の斜視図である。
【
図2】
図1に示す低温保管取出設備の分解斜視図である。
【
図3】
図2に示す保存装置及び密封装置の別の角度から見た斜視図である。
【
図5】
図1に示す低温保管取出設備の別の角度から見た斜視図である。
【
図10】
図9の生体試料つかみコンポーネントの拡大斜視図である。
【
図13】一実施例のクランプ爪コンポーネントの分解斜視図である。
【
図14】一実施例の一時保管装置の分解斜視図である。
【
図16】一実施例の低温保管と取出方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施例における技術的解決策について明確かつ完全に説明する。説明した実施例は、本発明の実施例の一部に過ぎず、その全てではないことは明らかである。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的な労働をしない前提で得られた全ての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0011】
以下の説明では、当業者によってこのような実施例を実施可能にするために、いくつかの例示的な実施例を詳細に説明したが、提供された実施例は、説明のためにのみ提供され、本発明の範囲を限定することを意図していない。
【0012】
以下の説明では、解析の目的で、説明された実施例に対する完全な理解を提供するために、多くの具体的な詳細を説明した。しかし、当業者であれば明らかなように、これらの具体的な詳細のいくつかの状況で本発明の他の実施例を実施することができる。他の実施例において、いくつかの構成及び設備はブロック図の形式で示される。ここではいくつかの実施例を説明し、様々な特徴は異なる実施例に起因するが、当然のことながら、一実施例について説明した特徴は他の実施例と組み合わせることができる。しかしながら、同じ理由で、任意の記載された実施例の1つ又は複数の特徴は、本発明のすべての実施例に必須であると考えるべきではないことは、本発明の他の実施例にはこれらの特徴を省略することができるからである。
【0013】
特に説明しない限り、本明細書において使用される数、サイズなどを表す全ての数字は全ての場合に用語「約」に修飾されると理解すべきである。本発明において、単数形の使用は複数形を含み、特に明示しない限り、用語「及び」と「又は」の使用は「及び/又は」を表す。なお、用語「含む」及び他の形態の使用、例えば「含む」及び「含有する」は、非排他性であると考えられるべきである。また、特に説明しない限り、「素子」又は「コンポーネント」などの用語は、1つの単位で構成される素子やコンポーネント、及び1つ以上の単位で構成される素子やコンポーネントを含む。
【0014】
図1は一実施例の低温保管取出設備10の斜視図である。
図13には生体試料1700を示す。低温保管取出設備10は、保存装置100と、操作装置200と、密封装置300とを含む。ここで、保存装置100内部は低温環境であり、且つ保存装置100は操作装置200と着脱可能に接続される。保存装置100には生体試料1700が保存されている。操作装置200は、生体試料1700を収容するための中継タンク(図示せず)を受け取り、且つ中継タンクを介して生体試料1700の保存装置100における保管と取出を完了するように構成される。具体的には、操作装置200は、中継タンクにおける保存待ちの生体試料1700を取り出して保存装置100に保管することができ、操作装置200はさらに保存装置100における取出待ちの生体試料1700を取り出して中継タンクに放置することができる。保存装置100が操作装置200から取り外された場合、密封装置300は保存装置100を密封する。ここで、生体試料1700はサンプルを保管した凍結保存チューブ1710と、凍結保存チューブ1710を放置するための凍結保存ラック1720とを含む。理解されるように、凍結保存ラック1720には少なくとも一つの凍結保存チューブ1710が放置され、保存待ちの凍結保存チューブ1710の数が一定の数値に達すると、凍結保存ラック1720によって一括して保存することができる。
【0015】
具体的には、低温保管取出設備10の動作原理は以下のとおりである。制御システムは保存装置100へ生体試料1700を保存する必要がある情報を受信する場合、保存待ちの生体試料1700が収容された中継タンクを操作装置200に入れ、空いた保存位置のある保存装置100に対応する密封装置300を開き、操作装置200と保存装置100を組み立て、続いて操作装置200によって中継タンクにおける保存待ちの生体試料1700を取り出し、且つ取り出した保存待ちの生体試料1700を保存装置100に保管し、保存待ちの生体試料1700の保管を完了する。逆に、制御システムは保存装置100から生体試料1700を取り出す必要がある情報を受信する場合、無負荷の中継タンクを操作装置200に入れ、所望の生体試料1700が保管された保存装置100を選択し、選択された保存装置100に対応する密封装置300を開き、操作装置200と選択された保存装置100を組み立て、続いて操作装置200によって選択された保存装置100から所望の生体試料1700を取り出し、取り出した生体試料1700を中継タンクに入れ、生体試料1700が収容された中継タンクを操作装置200から取り出し、所望の生体試料1700の取出を完了する。
【0016】
一実施例では、生体試料1700に保存されたサンプルは、生体細胞であってもよい。
【0017】
一実施例では、保存装置100の内部は低温環境である。一実施例では、前記低温環境は液体窒素雰囲気である。
【0018】
低温保管取出設備10では、保存装置100と操作装置200とは着脱可能に接続され、密封装置300によって保存装置100の密封を完了する。当該設備により、保存装置100の保管効果を保証する前提で、操作装置200と保存装置100の一対多の柔軟な連携を実現することができ、即ち、保存装置100の数を増加するだけで生体試料の保存空間の向上を実現することができ、限られたコストの増加で保存装置の効果的な容量拡大を実現できる。
【0019】
一実施例では、保存装置100と操作装置200との組み立てにおける自動化程度を向上させるために、
図2に示すように、低温保管取出設備10の操作装置200には移動装置(図示せず)及び迅速接続装置1600がさらに設けられる。移動装置は、操作装置200を保存装置100に対応する予め設定された位置に移動させるように駆動するように構成され、迅速接続装置1600は操作装置200と保存装置100を組み立てるように構成される。理解されるように、予め設定された位置は操作装置200と保存装置100を組み立てる時に操作装置200が位置するために予め設定された位置であってもよい。
【0020】
具体的には、一実施例では、移動装置は移動ロボットであってもよい。
【0021】
具体的には、一実施例では、迅速接続装置1600はスナップフィット構造である。スナップフィット構造によって保存装置100をスナップフィットし、操作装置200と保存装置100とのスナップフィットを実現する。
【0022】
一実施例では、
図1、
図4及び
図5から分かるように、操作装置200はハウジング500と、伝達タンク1100と、タンク開き機構700と、つかみ機構800とを含む。ハウジング500は密閉された操作キャビティ510を形成し、且つタンク開き機構700、つかみ機構800及び伝達タンク1100は操作キャビティ510の内部に位置する。伝達タンク1100は中継タンクを操作キャビティ510に伝達するように構成され、タンク開き機構700は操作キャビティ510内で伝達タンク1100及び中継タンクを開くように構成され、つかみ機構800は生体試料1700をつかむように構成される。理解されるように、つかみ機構800につかまれた生体試料1700は中継タンクからつかまれた保存待ちの生体試料であってもよく、保存装置100からつかまれた取出待ちの生体試料であってもよい。中継タンクは伝達タンク1100のサイドドア(図示せず)を介して操作装置200の外部から操作キャビティ510内に入り、タンク開き機構700は操作キャビティ510内で伝達タンク1100のトップ蓋及び中継タンクのトップ蓋を順次開き、続いてつかみ機構800は中継タンクにおける保存待ちの生体試料1700をつかんで保存装置100に保存し、又は保存装置100から所望の生体試料1700をつかんで中継タンクに入れる。
【0023】
一実施例では、タンク開き機構700は中継タンクから取り外されたトップ蓋を中継溝600に置くように構成される。
【0024】
一実施例では、伝達タンク1100には、伝達タンク1100において中継タンクを除塵除湿するための除塵除湿設備が設けられる。
【0025】
低温保管取出設備10では、操作装置200のハウジングによって密閉された操作キャビティ510が形成され、且つ伝達タンク1100、タンク開き機構700及びつかみ機構800はいずれも操作キャビティの内部に設けられるため、人工介入を必要とせず、操作装置200におけるタンク開き機構700によって伝達タンク1100の開き及び中継タンクの開きを実現することができ、つかみ機構800によって生体試料の保管取出を実現することができ、操作の自動化を実現し、生体試料が室温環境に露出するリスクを低減し、生体試料の活性を向上させ、保管取出の安全リスクを低減することができる。
【0026】
一実施例では、
図10から分かるように、つかみ機構800は生体試料つかみコンポーネント810とつかみ移動コンポーネント820を含む。ここで、生体試料つかみコンポーネント810は生体試料1700をつかむように構成され、つかみ移動コンポーネント820は生体試料つかみコンポーネント810の移動を駆動するように構成される。具体的には、つかみ移動コンポーネント820は生体試料つかみコンポーネント810を中継タンクの上方又は保存装置100の上方に移動させるように駆動するように構成される。これにより、生体試料1700の取出と保管を実現する。
【0027】
一実施例では、つかみ移動コンポーネント820はX軸モジュール870と、Y軸方向ガイドレール830と、Y軸固定板880とを含む。生体試料つかみコンポーネント810はY軸方向ガイドレール830に摺動可能に接続され、且つX軸モジュール870はY軸固定板880を介してY軸方向ガイドレール830に摺動可能に接続される。ここで、生体試料つかみコンポーネント810は生体試料1700をつかむように構成され、X軸モジュール870は生体試料つかみコンポーネント810をX軸に沿って摺動させるようにガイドするように構成され、Y軸方向ガイドレール830は生体試料つかみコンポーネント810をY軸に沿って摺動させるようにガイドするように構成される。
【0028】
一実施例では、
図10に示すように、X軸モジュール870は、X軸方向ガイドレール871と、X軸駆動モータ872と、つかみX軸リードスクリュー873とを含む。
【0029】
さらに、操作装置における関連作業の監視を容易にするために、低温保管取出設備10の操作装置200には観察窓890がさらに設けられ、観察窓890を介して操作キャビティ510内の関連作業の監視を実現することができる。理解されるように、関連作業は伝達タンク1100の開き、中継タンクの開き、生体試料1700の保管と取出及び窒素ガスの補充などであってもよい。
【0030】
X軸モジュール870とY軸方向ガイドレール830はY軸固定板880を介して接続されることにより、生体試料つかみコンポーネント810のX軸とY軸に対する個別制御を実現し、生体試料つかみコンポーネント810の移動過程中のX軸とY軸における連動を回避し、生体試料つかみコンポーネント810の移動の正確率を向上させ、さらに操作キャビティ510内及び保存装置100内の任意の位置における生体試料の柔軟なつかみを実現することができる。
【0031】
一実施例では、
図11から分かるように、生体試料つかみコンポーネント810は凍結保存チューブ1710を吸引するための吸引コンポーネント840を含む。吸引コンポーネント840は、吸引ガイドレールホルダー841と、負圧コネクタ842と、吸引モータ843と、吸引リードスクリュー844と、吸引部品845とを含む。ここで、吸引ガイドレールホルダー841はY軸方向ガイドレール830に摺動可能に接続される。吸引部品845は、吸引リードスクリュー844の駆動端に設けられている。吸引モータ843は、吸引部品845を吸引ガイドレールホルダー841に沿って摺動させるように、吸引リードスクリュー844を駆動して、吸引部品845のZ軸方向における位置の調整を実現するように構成される。吸引部品845が中継タンクの内部又は保存装置100の内部の凍結保存チューブ1710の上方に移動する時に、負圧コネクタ842は負圧を発生させるように構成され、吸引部品845は負圧の作用で凍結保存チューブ1710を吸引し、凍結保存チューブ1710に対するつかみを実現する。
【0032】
さらに、つかみ及び移動過程において凍結保存チューブ1710内のサンプルの活性を保証するために、吸引コンポーネント840はさらに導冷管846と液体貯蔵筒847を含み、導冷管846は液体貯蔵筒847に嵌設され、吸引リードスクリュー844は導冷管846に嵌設され、且つ液体貯蔵筒847と導冷管846との間の密閉キャビティ内に低温環境を提供する保護ガスが充填される。吸引部品845が凍結保存チューブ1710を吸引した後、吸引モータ843が反転し、凍結保存チューブ1710が導冷管846内部に入るまで、吸引リードスクリュー844を介して吸引部品845を導冷管846の方向へ移動させるように駆動する。
【0033】
低温保管取出設備10によれば、生体試料つかみコンポーネント810の吸引コンポーネント840によって凍結保存チューブ1710に対するつかみを実現し、複数の種類の生体試料の保存を実現し、低温保管取出設備10の使用範囲を拡大することができる。それと同時に、吸引コンポーネント840に導冷管846及び液体貯蔵筒847が設けられることにより、凍結保存チューブ1710の保管と取出の過程において全過程冷鎖を実現し、凍結保存チューブ1710の転移過程において常温環境に暴露することで生体試料の昇温が速いことによる生体試料におけるサンプル活性の低下現象を回避することができる。
【0034】
一実施例では、
図12及び
図13から分かるように、生体試料つかみコンポーネント810は、さらに、凍結保存ラック1720をクランプするためのクランプ爪構造851と、駆動モータ855と、駆動ガイドレール856とを含んでもよい。ここで、クランプ爪構造851は、クランプアーム852と、伝動部材853と、クランプ爪部材854とを含む。伝動部材853は、クランプアーム852の一端に位置し、伝動部材853に駆動力を受け取るための入力端と、変換された駆動力を出力するための出力端とが設けられ、且つクランプ爪部材854は出力端に設けられる。伝動部材853は、入力端を介して受け取った、クランプアーム852の延在方向に沿った駆動力をクランプアーム852の延在方向に垂直な駆動力に変換する。クランプ爪部材854は、第1のクランプ爪854aと第2のクランプ爪854bとを有し、且つ第1のクランプ爪854aと第2のクランプ爪854bとの間には生体試料1700をクランプするためのクランプ空間が設けられる。第1のクランプ爪854aと第2のクランプ爪854bは、伝動部材853の駆動によりクランプアーム852の延在方向に垂直な方向に移動し、且つ第1のクランプ爪854aと第2のクランプ爪854bの移動方向が逆である。ここで、移動方向が逆であることは第1のクランプ爪854aの移動と第2のクランプ爪854bの移動がある予め設定された方向における成分の方向が逆であることを意味する。理解されるように、移動方向が逆である結果として、第1のクランプ爪854aは第2のクランプ爪854bに近づき、即ちクランプ空間を小さくすることであってもよく、第1のクランプ爪854aは第2のクランプ爪854bから離れ、即ちクランプ空間を大きくすることであってもよい。クランプ爪構造851はサンプル1700をつかむように構成され、且つ駆動モータ855の駆動により、クランプ爪構造851は駆動ガイドレール856に沿って移動することができ、さらにクランプ爪構造851と生体試料1700のZ軸方向における位置の調整を実現することができる。
【0035】
クランプ爪コンポーネント850の自動化を向上させるために、一実施例では、伝動部材853の入力端に駆動部材863が設けられる。駆動部材863は、伝動部材853にクランプアーム852の延在方向に沿った駆動力を入力するように構成される。
【0036】
低温保管取出設備10におけるクランプ爪コンポーネント850は、クランプアーム852を介して伝動部材853及びクランプ爪部材854を生体試料1700の上方に移動させるように駆動し、伝動部材853にクランプアーム852の延在方向に沿った駆動力を加える。伝動部材853の作用下で、クランプアーム852の延在方向の駆動力がクランプアーム852の延在方向に垂直な駆動力に変換され、クランプ爪部材854における第1のクランプ爪854aと第2のクランプ爪854bをクランプアーム852の延在方向に垂直な方向に移動させるように駆動し、第1のクランプ爪854aの第1の平面と第2のクランプ爪854bの第2の平面がクランプ待ちの部材の表面に当接されるまで生体試料1700をクランプし、その後、生体試料1700の移送が完了する。上記クランプ爪コンポーネント850は伝動部材853を介してクランプアーム852の延在方向に沿う駆動力をクランプアーム852の延在方向に垂直な駆動力に巧みに変換することにより、クランプ爪部材854による生体試料1700のクランプを実現する。したがって、クランプアーム852の延在方向に垂直な方向におけるクランプ機構の寸法を極力小さくすることができ、即ちクランプ機構のコンパクト化を図ることができる。それと同時に、伝動部材853を介してクランプアーム852の延在方向に垂直な方向の作用力を生体試料1700に加えることで、クランプ爪コンポーネント850によるクランプ過程の安定性を向上させることができる。
【0037】
さらに、生体試料1700の移送中の生体試料1700に対する保護を図るために、クランプ爪部材854の外側には保温カバー862が設けられる。ここで、保温カバー862には低温環境を提供する保護ガスが充填され、それによりクランプ爪部材854及びクランプ爪部材854にクランプされた生体試料1700を常に低温環境に位置させ、凍結保存ラック1720の保管と取出過程における全過程冷鎖を実現し、凍結保存ラック1720における凍結保存チューブ1710の移送過程において常温環境に暴露することで生体試料1700の昇温が速いことによる生体試料1700におけるサンプル活性の低下現象を回避し、生体試料1700におけるサンプルの活性を保証することができる。
【0038】
さらに、生体試料1700の移送中の生体試料1700に対する保護を図るために、クランプ爪コンポーネント850はさらにガス補償部材857を含み、且つガス補償部材857には保護ガスが貯蔵される。ガス補償部材857を介して保温カバー862における保護ガスを予め設定された濃度までリアルタイムに補償することができ、さらに保温カバー862が常に予め設定された温度より低いことを保証し、それによりクランプ爪部材854及びクランプ爪部材854にクランプされた生体試料1700が常に低温環境にあり、生体試料1700におけるサンプルの活性をさらに保証することができる。
【0039】
さらに、上記クランプ爪コンポーネント850の作業範囲を拡大するために、クランプアーム852は、相対的に摺動可能な第1のクランプアーム852aと、第2のクランプアーム852bと、第3のクランプアーム852cとを含む。それに対応する駆動電気シリンダ860によってそれぞれ第1のクランプアーム852a、第2のクランプアーム852b及び第3のクランプアーム852cを駆動して、クランプ爪コンポーネント850の三段作業を実現し、クランプ爪コンポーネント850の作業範囲を増大させ、保存装置100の利用率を向上させるとともに、生体試料1700の放置過程における作業の安定性を改善することができる。
【0040】
さらに、クランプ爪コンポーネント850はZ軸固定座858を介してY軸方向ガイドレール830とZ軸方向に固定接続され、シュート859を介してY軸方向ガイドレール830とY軸方向に摺動可能に接続される。
【0041】
さらに、クランプ爪コンポーネント850は、さらに、クランプアーム852に設けられた位置センサ861を含む。位置センサ861はクランプアーム852に対する正確な位置決めを実現するように構成され、即ちクランプ爪部材854にクランプされた生体試料1700の正確な位置決めを実現し、クランプ爪コンポーネント850の移動過程における監視と制御可能性を向上させることができる。
【0042】
一実施例では、
図7と
図8に示すように、タンク開き機構700は第1のタンク開きコンポーネント710と、タンク開き移動コンポーネント720とを含む。ここで、第1のタンク開きコンポーネント710は伝達タンク1100と中継タンクを開くように構成され、タンク開き移動コンポーネント720は、第1のタンク開きコンポーネント710を中継タンクの上方に移動させるように駆動するように構成される。
【0043】
一実施例では、第1のタンク開きコンポーネント710は、さらに、操作キャビティ510内の伝達タンク1100と中継タンク以外の他のタンク本体を開くことができる。
【0044】
低温保管取出設備10では、タンク開き移動コンポーネント720を介して第1のタンク開きコンポーネント710を中継タンクの上方に移動させ、第1のタンク開きコンポーネント710を介して伝達タンク1100と中継タンクを開くことにより、操作装置200の全自動化を実現し、外部空気が操作キャビティ510に入ることを効果的に回避することができ、室温環境による生体試料1700におけるサンプルの損傷を回避し、保管取出過程におけるサンプルの活性を保証することができる。
【0045】
一実施例では、
図7及び
図8に示すように、第1のタンク開きコンポーネント710はタンク開き固定座711と、伸縮型電磁石712と、バネ713と、電磁石714とを含む。ここで、タンク開き固定座711はタンク開き移動コンポーネント720の駆動端に設けられ、電磁石714はタンク開き固定座711に固定接続され、伸縮型電磁石712はタンク開き移動コンポーネント720に摺動可能に接続され、バネ713は伸縮型電磁石712と電磁石714との間に設けられる。第1のタンク開きコンポーネント710はバネ713の弾性変形によって伸縮型電磁石712を駆動して、伝達タンク1100蓋本体又は中継タンクの蓋本体を上方へ移動させるように押して、伝達タンク1100又は中継タンクを開く。
【0046】
一実施例では、
図8に示すように、タンク開き移動コンポーネント720は、X軸モータ721、X軸リードスクリュー722、X軸固定板723、Y軸モータ724、Y軸リードスクリュー725、Y軸可動板726、Z軸モータ727、Z軸リードスクリュー728及びZ軸昇降板729を含み、第1のタンク開きコンポーネント710はZ軸昇降板729に設けられる。タンク開き移動コンポーネント720は、第1のタンク開きコンポーネント710のX軸、Y軸とZ軸での移動をそれぞれ実現するように構成される。
【0047】
他の実施例では、
図8及び
図9に示すように、タンク開き機構700は、第2のタンク開きコンポーネント730及びタンク開き移動コンポーネント720を含む。ここで、第2のタンク開きコンポーネント730は他の任意の形式の蓋開き構造であってもよい。
【0048】
低温保管取出設備10では、第1のタンク開きコンポーネント710を介して伝達タンク1100と中継タンクを開くことにより、生体試料1700の保管取出操作の全自動化を実現し、且つ第1のタンク開きコンポーネント710の構造が簡単で安定性が良好である特徴により、タンク開き機構700の操作性及び適用性を向上させることができる。
【0049】
一実施例では、操作装置200の移動を容易にするために、操作装置200の底部にはホイールコンポーネント(図示せず)がさらに設けられる。これにより、低温保管取出設備10の取り外しの操作性を向上させ、操作装置200の移動を容易にすることができる。
【0050】
一実施例では、操作装置200の移動を実現するために、
図1に示すように、操作装置200の底部にはフォークリフト孔1000がさらに設けられる。操作装置200を移動する必要がある場合、フォークリフトをフォークリフト孔1000と合わせて操作装置200の積載を完了して、操作装置200の移動を実現し、低温保管取出設備10の取り外しの操作性を向上させることができる。
【0051】
生体試料1700に対する管理をさらに改善するために、
図7に示すように、一実施例では、操作キャビティ510の内部には板走査デコーダ1500が設けられ、且つ凍結保存チューブ1710及び凍結保存ラック1720の底部にいずれも二次元コードが設けられる。つかみ機構800により凍結保存チューブ1710及び凍結保存ラック1720をつかんで板走査デコーダ1500の上方に移動させ、板走査デコーダ1500により凍結保存チューブ1710及び凍結保存ラック1720底部の二次元コードを読み取り、凍結保存チューブ1710及び凍結保存ラック1720の保存装置100における対応する保存位置を記録する。
【0052】
さらに、一実施例では、操作装置200の一側には表示スクリーン900がさらに設けられ、表示スクリーン900は、操作キャビティ510内のタンク開き機構700、つかみ機構800及び伝達タンク1100を制御して関連作業を完了するように構成される。表示スクリーン900は、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)及び制御システムを含むことができ、表示スクリーン900によって操作装置200における作業フローを制御して、低温保管取出設備10の自動化を向上させ、保管取出過程における生体試料に対する保護を改善し、生体試料の保存効果を最適化することができる。
【0053】
一実施例では、
図4及び
図5に示すように、保存装置100は、タンク本体110と、タンク蓋120と、保存機構130と、保管取出蓋190とを含む。タンク蓋120は、タンク本体110の上方に設けられ、且つタンク蓋120とタンク本体110との間には密閉された保存キャビティ111が形成され、タンク蓋120には保管取出口121が設けられ、保存機構130は保存キャビティ111内に回転可能に支持される。保存機構130は生体試料1700の放置を実現するように構成され、保管取出蓋190は保管取出口121と合わせて保存装置100の密封を実現する。
【0054】
保存装置100の保存効果を改善するために、一実施例では、タンク本体110はダブルシェル構造であり、且つダブルシェルの間には低温環境を提供するための保護ガスが充填される。それにより、保存キャビティ111における低温環境を効果的に保証することができ、さらに保存装置100による生体試料1700に対する保存効果を改善することができる。
【0055】
低温保管取出設備10では、保存機構130によって生体試料1700の保存を実現し、保存キャビティ111には低温環境を提供する保護ガスが充填されるため、生体試料1700におけるサンプルの活性を保証することができ、生体試料の保存効果を保証する。
【0056】
一実施例では、
図6に示すように、保存機構130は回転コンポーネント140と、保存ラック150と、保存部材170とを含む。保存部材170は、生体試料1700を放置するための一定の深さを有し且つ上部が開放されたキャビティ構造である。保存ラック150には保存孔160が設けられ、保存部材170は保存孔160を介して保存ラック150にスナップフィットされる。保存ラック150は回転コンポーネント140に設けられ、回転コンポーネント140は保存ラック150を介して保存部材170を保管取出口121に回転させるように駆動して、操作装置200におけるつかみ機構800が保管取出口121を介して保存部材170に生体試料1700を保管し、又は保管取出口121を介して保存部材170から生体試料1700を取り出すことができる。
【0057】
一実施例では、保存部材170の材質はアルミニウム合金材質である。
【0058】
一実施例では、回転コンポーネント140は、モータによって保存部材170を回転させる歯車群構造であってもよい。
【0059】
一実施例では、保存機構130には排気孔180がさらに設けられる。保存装置100に排気孔180を設けることにより、保存装置100における保護ガスの充填工程中の排気工程を容易に行うことができる。
【0060】
一実施例では、
図6に示すように、回転コンポーネント140は、モータ141と、第1の歯車142と、第2の歯車143と、第1の回転軸144と、第3の歯車145と、第4の歯車146と、第2の回転軸147とを含む。ここで、第1の歯車142はモータ141の駆動端に固定され、且つ第2の歯車143と噛み合い、第1の回転軸144の一端に第2の歯車143が嵌設され、他端に第3の歯車145が嵌設され、第3の歯車145は第4の歯車146と噛み合い、第2の回転軸147の一端に第4の歯車146が嵌設され、且つ保存ラック150の中心に固定接続される。回転コンポーネント140の動作過程中に、モータ141を起動し、モータ141によって第1の歯車142を回転させるように駆動して、第2の歯車143を回転させ、第2の歯車143によって第1の回転軸144と第3の歯車145を回転させ、さらに第3の歯車145によって第4の歯車146と第2の回転軸147を回転させ、最終的に第2の回転軸147によって保存ラック150を回転させる。歯車群によって保存ラック150を回転させるように駆動することで、回転角度に対する精確な制御を実現することができる。
【0061】
低温保管取出設備10における保存機構130は、回転コンポーネント140を介して保存ラック150を回転させるように駆動して、保存部材170の柔軟な回転を実現し、保存キャビティ111が大きく保存孔160のサイズが小さい場合でも、保存キャビティ111における任意の位置での生体試料の保管取出を完了することができ、保存装置100の密閉性能を保証すると同時に、保存装置100の空間利用率を向上させる。
【0062】
さらに、保存装置100による凍結保存チューブ1710に対する保存を実現するために、一実施例では、
図6に示すように、保存孔160は凍結保存チューブ1710を保存するための円形アルミニウム管孔161であってもよく、保存部材170は凍結保存チューブ1710を保存するための円形制限管171であってもよい。円形制限管171には複数の凍結保存チューブ1710を積み重ねて放置することができる。
【0063】
低温保管取出設備10では、凍結保存チューブ1710を放置するための円形制限管171を円形アルミニウム管孔161とスナップフィットし、凍結保存チューブ1710に対する単独保存を実現し、即ち、保存待ちの凍結保存チューブ1710の数が少なく、凍結保存ラック1720における標準数に達しない場合、凍結保存チューブ1710を円形制限管171に直接保管することを実現し、特に小ロットの生体試料の保管に適用し、保存装置100における空間の有効利用率を向上させるとともに、凍結保存チューブ1710で満たされていない凍結保存ラック1720を繰り返し取り出す必要がなく、生体試料の保存効果を保証することができる。
【0064】
さらに、保存装置100による凍結保存ラック1720に対する保存を実現するために、他の実施例では、
図6に示すように、保存ラック150上の保存孔160は凍結保存ラック1720を保存するための方形アルミニウム管孔162であってもよく、保存部材170は凍結保存ラック1720を保存するための方形制限管172であってもよい。
【0065】
低温保管取出設備10では、凍結保存ラック1720を放置するための方形制限管172を方形アルミニウム管孔162にスナップフィットし、凍結保存ラック1720に対する保存を実現し、即ち当該凍結保存ラック1720における全ての凍結保存チューブ1710のバッチ保存を実現し、同一バッチの生体試料又は同一の需要がある生体試料の同時保管又は取出を実現し、生体試料の保存効率を向上させ、生体試料の管理方式を簡略化することができる。
【0066】
一実施例では、
図6に示すように、保存部材170は、保存ラック150において保存ラック150の中心から外へ発散するように分布している。
【0067】
一実施例では、
図3に示すように、保存装置100の移動を実現するために、保存装置100の側面にはアームレスト1200がさらに設けられる。保存装置100を移動する必要がある場合、アームレスト1200によって保存装置100の移動を実現し、操作の利便性を向上させる。
【0068】
一実施例では、
図2及び
図3に示すように、保存装置100の移動を実現するために、保存装置100の底部にはホイールコンポーネント1300がさらに設けられる。保存装置100を移動させる必要がある場合、ホイールコンポーネント1300によって保存装置100の移動を実現し、保存装置100の管理を容易にする。
【0069】
一実施例では、保存装置100の移動を実現するために、
図3に示すように、保存装置100の底部にはフォークリフト孔1000がさらに設けられる。保存装置100を移動させる必要がある場合、フォークリフトを利用してフォークリフト孔1000と合わせて保存装置100の積載を完了し、さらに保存装置100の移動を実現し、さらに保存装置100の遠隔搬送を実現することができる。
【0070】
一実施例では、
図2及び
図3に示すように、密封装置300は密封蓋310を含み、密封蓋310はタンク蓋120に回転可能に接続され、密封蓋310には保管取出口121の位置に対応する密封口320が設けられる。密封蓋310における第1の密封面311は、タンク本体110の第2の密封面122と重なる場合、密封口320と保管取出口121は、保管取出蓋190と合わせて保存装置100に対する密封を実現する。
【0071】
低温保管取出設備10では、密封装置300の密封口320を保存装置100の保管取出蓋190と合わせることにより、外部空気が保管取出口121と保管取出蓋190との合わせ面を介して保存キャビティ111に浸入することを効果的に防止することができ、保存装置100の密封性能を向上させ、保存キャビティ111内の低温環境を安定させ、低温環境を提供する保護雰囲気の消費を低減させ、使用コストを低減させ、経済性を向上させることができる。
【0072】
一実施例では、
図2及び
図3に示すように、タンク蓋120の頂部には密封蓋310のサイズに合わせた密封溝123が設けられ、第2の密封面122は密封溝123の底部に位置する。第1の密封面311が第2の密封面122と重なる場合、密封溝123の側面は、密封蓋310の側面と合わせて保存装置100に対する密封を実現する。
【0073】
低温保管取出設備10では、タンク蓋120の頂部には密封溝123が設けられ、密封溝123の側面と密封蓋310の側面と合わせることにより、外部気体が保存キャビティ111に浸入する経路を延長して、外部気体が保管取出口121と保管取出蓋190との合わせ面を介して保存キャビティ111に浸入することを効果的に防止することができ、保存装置100の密封性能をさらに改善し、保存キャビティ111内の低温環境をさらに安定させ、低温環境を提供する保護雰囲気の消費を低減させ、使用コストを低減させ、経済性を向上させることができる。
【0074】
一実施例では、密封装置300の自動化制御を実現するために、低温保管取出設備10では、密封蓋310とタンク蓋120は回転部材330を介して回転可能に接続される。ここで、回転部材330には回転駆動部材(図示せず)が設けられ、回転駆動部材は、密封蓋310を保存装置100に対して回転させるように駆動するように構成される。
【0075】
一実施例では、
図7、
図14及び
図15に示すように、低温保管取出設備10はさらに一時保管装置400を含み、一時保管装置400は操作キャビティ510の内部に設けられ、且つ一時保管装置400の内部には低温環境を提供するための保護ガスが充填される。一時保管装置400は、生体試料1700を一時的に保管するように構成される。理解されるように、一時保管とは、生体試料1700の保管中、生体試料1700を保存装置100に保存する前の一時保管であってもよく、生体試料1700の取り出し中、位置を移動する必要がある生体試料1700の一時保管であってもよく、又は生体試料1700の取出を予約した後、取り出す必要のある生体試料1700の事前保管であってもよい。
【0076】
低温保管取出設備10には、一時保管装置400が設けられ、一時保管装置400によって、生体試料1700の一時的な保管を実現することができる。具体的には、生体試料の取り出し中、一時保管装置400は同一の保存部材170における上部の生体試料を受け取ることができ、さらに下部の生体試料を取り出しやすく、同一の保存部材170における上部の生体試料を保護する場合に、下部の生体試料の取り出しの利便性を実現し、生体試料の保存効果を改善するとともに、生体試料の保管取出の管理を改善することができる。
【0077】
一実施例では、
図14及び
図15に示すように、一時保管装置400は、一時保管タンク蓋410と、一時保管タンク本体420と、一時保管部材430とを含む。ここで、一時保管タンク蓋410と一時保管タンク本体420は、密閉された一時保管キャビティ(図示せず)を形成し、一時保管キャビティは低温環境であり、且つ一時保管部材430は一時保管キャビティ内に位置する。理解されるように、一時保管部材430は凍結保存チューブ1710を放置するための円形一時保管部材431と、凍結保存ラック1720を放置するための方形一時保管部材432とを含む。一時保管装置400によって凍結保存チューブ1710と凍結保存ラック1720に対する一時保管を実現し、一時保管した生体試料の活性を保証し、生体試料の柔軟な管理を実現することができる。
【0078】
一実施例では、
図7、
図9及び
図14に示すように、低温保管取出設備10はさらに予備処理タンク1800を含み、予備処理タンク1800は保存装置100に保存される生体試料を予備処理するように構成される。
【0079】
一実施例では、予備処理タンク1800内に予め設定された濃度の保護ガスが貯蔵される。予備処理過程は生体試料に対して予備降温を行うことであってもよい。
【0080】
一実施例では、予備処理タンク1800における保護ガスは勾配濃度の保護ガスであり、保存装置100に保存される生体試料に対する勾配降温の予備処理を実現することができる。
【0081】
低温保管取出設備10には予備処理タンク1800が設けられるため、予備処理タンク1800によって生体試料に対する予備処理を実現することができ、サンプルを保存装置100に入れる時に温度差が比較的高いため、保存効果を保証できないことを防止できる。
【0082】
一実施例では、
図3及び
図4に示すように、保存装置100には、保存装置100に電力サポートを提供するための配電箱1400がさらに設けられる。
【0083】
図16は一実施例の低温保管と取出方法のフローチャートである。この方法は、保管取出要求に基づいて相応する保存装置を選択するステップと、生体試料を収容するための中継タンクを操作装置に入れるステップと、操作装置と選択された保存装置を組み立てるステップと、操作装置と中継タンクによって生体試料の保存装置における保管と取出を完了するステップと、操作装置を選択された前記保存装置から取り外し、選択された保存装置を密封するステップと、を含む。理解されるように、保管取出要求は、保管される生体試料の生体試料情報であってもよく、取り出す生体試料の生体試料情報であってもよい。ここで、生体試料情報は生体試料名及び生体試料数を含む。保存待ちのサンプルを保存装置に保存する時に、制御システムは、保管される生体試料の数に基づいてまだ保存空間を有する対応する保存装置を選択し、生体試料を保管した中継タンクを操作装置に入れ、操作装置と保存装置を組み立てる。組み立てが完了した後、操作装置によって中継タンクにおける生体試料を保存装置に保管し、最後に操作装置を保存装置から取り外し、保存装置を密封する。保存装置から所望の生体試料を取り出す必要がある場合、所望の生体試料の生体試料名に基づいて生体試料の保存位置を調べ、取り出すサンプルの保存位置に基づいて対応する保存装置を選択し、無負荷の中継タンクを操作装置に入れ、操作装置と保存装置を組み立てる。組み立てが完了した後、操作装置によって保存装置における生体試料を取り出して中継タンクに放置し、中継タンクを操作装置から取り出し、最後に操作装置を保存装置から取り外し、保存装置を密封する。
【0084】
上記低温保管取出方法では、保管取出要求に基づいて保存装置と操作装置を取り外し及び組み立てることにより、保存装置の保管効果を保証する前提で、操作装置と保存装置の一対多の柔軟な連携を実現することができ、即ち、保存装置の数を増加するだけで保存空間の向上を実現することができ、限られたコストの増加で保存装置の効果的な容量拡大を実現できる。
【0085】
一実施例では、操作装置と選択された保存装置を組み立てた後に、操作装置によって中継タンクを開いてもよい。
【0086】
一実施例では、操作装置と選択された保存装置を組み立てる前に、操作装置を保存装置に対応する予め設定された位置に移動させてもよい。
【0087】
一実施例では、生体試料を保存する必要がある場合、制御システムは生体試料の入庫タスクを受信し、入庫タスクに基づいて生体試料情報を抽出し、生体試料情報に基づいて対応する保存装置に対応する保存装置標識を調べ、保存装置標識に対応する保存装置を選択する。操作装置を移動装置の駆動で、選択された保存装置に対応する予め設定された位置に移動させ、保存装置に対応する密封装置を開き、迅速接続装置によって操作装置と保存装置を組み立て、組み立ての接続箇所を密封し、保管取出口での保管取出蓋を開く。中継タンクを伝達タンクによって操作装置内に移行し、表示スクリーンによって第1のタンク開き機構又は第2のタンク開き機構を制御して伝達タンクと中継タンクのタンク蓋を順次開き、中継タンクのタンク蓋を中継溝の上方に放置する。つかみ機構を起動し、中継タンクにおける生体試料を取り出し、板走査デコーダの上方に3s停止させ、生体試料底部の二次元コードを識別して制御システムに入力する。つかみ機構はX軸モジュールとY軸方向ガイドレールによって生体試料を予備処理タンク内に搬送し、生体試料を極低温環境に保持し、続いて保管取出口の上方に搬送し、保存機構における回転コンポーネントを介して、空いた保存部材を保管取出口の位置に合わせるように保存ラックを移動させる。つかみ機構は生体試料をクランプして保管取出口の位置に移動させて生体試料を保存装置に保存し、生体試料の保存を完了する。保存が完了した後に、保管取出蓋と保管取出口とを合わせて保存装置の第1の回目の密封を完了し、保存装置を操作装置から取り外し、密封装置によって保管取出口を密封して、第2の回の密封を完了する。
【0088】
ここで、生体試料情報に基づいて対応する保存装置に対応する保存装置標識を調べることは、生体試料を保管する生体試料情報における生体試料名と生体試料数に基づいて対応する保存装置を取得することである。理解されるように、生体試料情報に基づいて対応する操作装置に対応する操作装置標識を調べてもよい。
【0089】
一つの具体的な実施例では、生体試料を取り出す必要がある場合、制御システムは生体試料の出庫タスクを受信し、出庫タスクに基づいて取り出す必要がある生体試料情報を抽出し、生体試料情報に基づいて対応する保存装置に対応する保存装置標識を調べ、保存装置標識に対応する保存装置を選択する。操作装置を移動装置の駆動で、選択された保存装置に対応する予め設定された位置に移動させ、保存装置に対応する密封装置を開き、迅速接続装置によって操作装置と保存装置を組み立てる。保存機構における回転コンポーネントによって所望の生体試料を保存した保存部材を保管取出口の位置に合わせるように保存ラックを移動させる。組み立ての接続箇所を密封し、保管取出口での保管取出蓋を開き、中継タンクを伝達タンクによって操作装置内に移行し、表示スクリーンによって第1のタンク開き機構又は第2のタンク開き機構を制御して伝達タンクと中継タンクのタンク蓋を順次開き、中継タンクのタンク蓋を中継溝の上方に放置する。つかみ機構を起動し、保存装置に必要な生体試料を取り出し、板走査デコーダの上方に3s停止させ、生体試料の底部の二次元コードを識別して制御システムに入力する。つかみ機構はX軸モジュールとY軸方向ガイドレールによって生体試料を中継タンクの上方に転送し、生体試料を中継タンクに保存し、中継タンクを伝達タンクから取り出して、生体試料の取り出しを完了する。取り出しが完了した後に、保管取出蓋と保管取出口とを合わせて保存装置の第1の回目の密封を完了し、保存装置を操作装置から取り外し、密封装置によって保管取出口を密封して、第2の回の密封を完了する。
【0090】
されに、一実施例では、生体試料を取り出す必要がある場合、制御システムは生体試料の出庫タスクを受信し、出庫タスクに基づいて取り出す必要がある生体試料情報を抽出し、生体試料情報に基づいて対応する保存装置に対応する保存装置標識を調べ、保存装置標識に対応する保存装置を選択する。操作装置を移動装置の駆動で、選択された保存装置に対応する予め設定された位置に移動させ、保存装置に対応する密封装置を開き、且つ迅速接続装置によって操作装置と保存装置を組み立てる。保存機構における回転コンポーネントによって所望の生体試料を保存した保存部材を保管取出口の位置に合わせるように保存ラックを移動させ、組み立ての接続箇所を密封し、且つ保管取出口での保管取出蓋を開く。つかみ機構を起動し、保存装置に必要な生体試料を取り出し、板走査デコーダの上方に3s停止させ、生体試料の底部の二次元コードを識別して制御システムに入力する。つかみ機構はX軸モジュールとY軸方向ガイドレールによって生体試料を一時保管装置の上方に転送し、生体試料を一時保管装置に一時保管して、生体試料の予約一時保管を完了する。一時保管が完了した後に、保管取出蓋と保管取出口とを合わせて保存装置の第1の回目の密封を完了し、保存装置を操作装置から取り外し、密封装置によって保管取出口を密封して、第2の回の密封を完了する。理解されるように、サンプルの予約一時保管が完了した後、一時保管装置から所望の生体試料を直接取り出すことができるため、保管取出効率を向上させることができる。
【0091】
例示的な実施形態の特定の特徴及び態様を説明したが、当業者にとって様々な変更が可能である。例えば、ハードウェアコンポーネント、ソフトウェアコンポーネント及び/又はその任意の組み合わせを用いて本発明に記載の方法及びプロセスを実現することができる。また、特定の構成及び/又は機能コンポーネントについて様々な方法及びプロセスを説明したが、上記様々な実施例によって提供される方法は任意の特定の構成及び/又は機能アーキテクチャに限定されず、任意の適切なハードウェア、ファームウェア及び/又はソフトウェア構成で実現することができる。同様に、ある機能をいくつかのシステム構成要素に起因するようにしたが、文脈に明示しない限り、いくつかの実施形態によれば、この機能を他の様々なシステム構成要素の間に分散することができる。
【0092】
さらに、説明を容易にするために、本発明の方法及びプロセスは特定の順序で説明されたが、文脈に明示しない限り、様々なプロセスは、様々な実施例に従って順序の変更、追加及び/又は省略を行うことができる。また、1つの方法又はプロセスについて説明されたプロセスは、他の方法又はプロセスに組み込まれてもよいが、本発明はこれに限定されるものではない。同様に、特定の構造アーキテクチャ及び/又は一つのシステムに対して説明されたコンポーネントは代替的な構造で組織し及び/又は他のシステムに組み込むことができる。したがって、特定の特徴を有する又は有しない様々な実施例が記載されていたが、特定の実施例について本明細書に記載された様々なコンポーネント及び/又は特徴は、文脈に明示しない限り、置換、追加及び/又は削除することができる。したがって、本発明は、いくつかの例示的な実施例を説明したが、添付の特許請求の範囲に含まれるすべての変更及び同等物をカバーすることを意図している。