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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-06
(45)【発行日】2024-02-15
(54)【発明の名称】選別装置
(51)【国際特許分類】
   B07C 5/342 20060101AFI20240207BHJP
【FI】
B07C5/342
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2023088663
(22)【出願日】2023-05-30
【審査請求日】2023-05-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000144898
【氏名又は名称】株式会社山本製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三瓶 智昭
【審査官】森林 宏和
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-001101(JP,A)
【文献】特開2011-240235(JP,A)
【文献】特開平10-165901(JP,A)
【文献】特開2015-036341(JP,A)
【文献】特開平11-333386(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B07C 5/00 - 5/38
B65G 47/00 - 47/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂製ボトルを含む選別対象を搬送する搬送機構と、
選別対象から樹脂製ボトルを判別すると共に、選別対象における収容物の吸光度に基づき選別対象から収容物を収容する樹脂製ボトルと収容物を収容しない樹脂製ボトルとを判別する判別機構と、
押圧部材が設けられ、前記判別機構が判別した収容物を収容する樹脂製ボトルを前記押圧部材が押圧して選別対象から選別すると共に、前記判別機構が判別した収容物を収容しない樹脂製ボトルを選別対象から選別する選別機構と、
を備える選別装置。
【請求項2】
前記搬送機構に設けられ、前記搬送機構が搬送する選別対象内の異物が通過されて除去される除去口を備える請求項1記載の選別装置。
【請求項3】
前記搬送機構を振動させる振動機構を備える請求項1又は請求項2記載の選別装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、選別対象から樹脂製ボトルを選別する選別装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載の選別装置では、第1の光電センサが回収容器から廃ペットボトルを判別して、エア噴射ノズルがパルスエアの噴射により廃ペットボトルを回収容器から選別する。
【0003】
ここで、このような選別装置では、廃ペットボトルを回収容器から適切に選別できるのが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-171332号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事実を考慮し、樹脂製ボトルを選別対象から適切に選別できる選別装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様の選別装置は、樹脂製ボトルを含む選別対象を搬送する搬送機構と、選別対象から樹脂製ボトルを判別する判別機構と、押圧部材が設けられ、前記判別機構が判別した樹脂製ボトルを前記押圧部材が押圧して選別対象から選別する選別機構と、を備える。
【0007】
本発明の第2態様の選別装置は、樹脂製ボトルを含む選別対象を搬送する搬送機構と、選別対象から収容物を収容する樹脂製ボトルと収容物を収容しない樹脂製ボトルとを判別する判別機構と、前記判別機構が判別した収容物を収容する樹脂製ボトルを選別対象から選別すると共に、前記判別機構が判別した収容物を収容しない樹脂製ボトルを選別対象から選別する選別機構と、を備える。
【0008】
本発明の第3態様の選別装置は、樹脂製ボトルを含む選別対象を搬送する搬送機構と、前記搬送機構に設けられ、前記搬送機構が搬送する選別対象内の異物が通過されて除去される除去口と、選別対象から樹脂製ボトルを判別する判別機構と、前記判別機構が判別した樹脂製ボトルを選別対象から選別する選別機構と、を備える。
【0009】
本発明の第4態様の選別装置は、本発明の第1態様~第3態様の何れか1つの選別装置において、前記搬送機構を振動させる振動機構を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明の第1態様の選別装置では、搬送機構が樹脂製ボトルを含む選別対象を搬送する。さらに、判別機構が選別対象から樹脂製ボトルを判別すると共に、判別機構が判別した樹脂製ボトルを選別機構が選別対象から選別する。
【0011】
ここで、樹脂製ボトルを選別機構の押圧部材が押圧して選別対象から選別する。このため、樹脂製ボトルを選別対象から適切に選別できる。
【0012】
本発明の第2態様の選別装置では、搬送機構が樹脂製ボトルを含む選別対象を搬送する。
【0013】
ここで、判別機構が選別対象から収容物を収容する樹脂製ボトルと収容物を収容しない樹脂製ボトルとを判別する。さらに、判別機構が判別した収容物を収容する樹脂製ボトルを選別機構が選別対象から選別すると共に、判別機構が判別した収容物を収容しない樹脂製ボトルを選別機構が選別対象から選別する。このため、樹脂製ボトルを選別対象から適切に選別できる。
【0014】
本発明の第3態様の選別装置では、搬送機構が樹脂製ボトルを含む選別対象を搬送する。さらに、判別機構が選別対象から樹脂製ボトルを判別すると共に、判別機構が判別した樹脂製ボトルを選別機構が選別対象から選別する。
【0015】
ここで、搬送機構が搬送する選別対象内の異物が搬送機構の除去口を通過されて除去される。このため、判別機構が選別対象から樹脂製ボトルを適切に判別でき、樹脂製ボトルを選別対象から適切に選別できる。
【0016】
本発明の第4態様の選別装置では、振動機構が搬送機構を振動させる。このため、搬送機構が搬送する選別対象を振動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施形態に係る選別装置を示す左斜め後方から見た斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る選別装置を示す左斜め前方から見た破断斜視図である。
図3】本発明の実施形態に係る選別装置の除去機構を示す後方から見た断面図である。
図4】本発明の実施形態に係る選別装置の本体機構を示す上側から見た平面図である。
図5】本発明の実施形態に係る選別装置の本体機構の詳細を示す上側から見た平面図である。
図6】(A)及び(B)は、本発明の実施形態に係る選別装置のクランク機構を示す前斜め左方から見た斜視図であり、(A)は、通常時を示し、(B)は、作動時を示している。
図7】(A)~(D)は、本発明の実施形態に係る選別装置のクランク機構を示す上側から見た平面図であり、(A)は、通常時を示し、(B)は、第1作動段階を示し、(C)は、第2作動段階を示し、(D)は、第3作動段階を示している。
図8】(A)及び(B)は、本発明の実施形態に係る選別装置のNIRセンサを示す上側から見た平面図であり、(A)は、概略を示し、(B)は、詳細を示している。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1には、本発明の実施形態に係る選別装置10が左斜め後方から見た斜視図にて示されており、図2には、選別装置10が左斜め前方から見た破断斜視図にて示されている。なお、図面では、選別装置10の前方を矢印FRで示し、選別装置10の右方を矢印LHで示し、上方を矢印UPで示す。
【0019】
本実施形態に係る選別装置10は、回収物12(図2参照)を選別対象とするものであり、回収物12は、コンビニエンスストア等のベンダから廃棄物として回収されるものである。回収物12では、金属製(特に鉄製及びアルミニウム製)の缶14、樹脂製ボトルとしてのPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂製のペットボトル16(収容物(残液)を収容しない空ペットボトル16Aと収容物を収容する収容ペットボトル16Bとを含む)、ガラス瓶、PET以外の樹脂製飲料容器及び紙パック等の他飲料容器18が混合されている。回収物12には、電池、ライタ及びガラス片等の異物20(図3参照)が混入されており、異物20は、缶14、ペットボトル16及び他飲料容器18に比し、体積が小さくされている。
【0020】
図1及び図2に示す如く、選別装置10の後部には、除去機構22が設けられており、除去機構22には、上側から回収物12が供給される。
【0021】
除去機構22の左部及び右部には、搬送機構を構成する除去コンベア24(図3参照)が設けられており、除去コンベア24は、前後方向に延在されている。除去コンベア24には、無端帯状の除去ベルト24Aが掛け回された状態で設けられており、除去ベルト24Aは、前後方向に延在されている。除去ベルト24Aの上側部分は、除去コンベア24の上面を構成しており、除去コンベア24が作動されることで、除去ベルト24Aの上側部分が前側に移動される。また、除去コンベア24(除去ベルト24Aを含む)の幅方向は、除去機構22の左右方向外側へ向かうに従い下側へ向かう方向に例えば20°傾斜されている。
【0022】
除去コンベア24の上側かつ除去機構22左右方向外側の位置には、略矩形板状の支持板26が設けられており、支持板26は、除去コンベア24に支持されている。支持板26は、前後方向に延在されると共に、除去コンベア24の上面に対し垂直に配置されており、支持板26と除去コンベア24の上面との間には、除去口28が形成されている。支持板26の除去コンベア24上面との距離は、調整可能にされており、これにより、除去口28の幅寸法が調整可能にされている。
【0023】
除去コンベア24の除去機構22左右方向外側には、異物排出路30が設けられおり、異物排出路30は、除去口28の下側に配置されると共に、除去機構22の左右方向外側へ向かうに従い下側へ向かう方向に傾斜されている。異物排出路30の下端部の下側には、異物収集箱32が配置されており、異物収集箱32内は、上側に開放されている。
【0024】
除去機構22に回収物12(缶14、ペットボトル16、他飲料容器18)が供給された際には、回収物12が、除去コンベア24の除去ベルト24A上側部分及び支持板26に支持されて、長手方向(縦方向)を前後方向に向けられると共に、除去ベルト24Aの上側部分によって前側に搬送される。さらに、回収物12内の異物20が、除去コンベア24上面と支持板26との間の除去口28から落下されて、回収物12から除去された後に、異物排出路30を流下されることで、異物収集箱32内に落下されて収集される。
【0025】
除去機構22の前側には、上昇機構34が設けられている。
【0026】
上昇機構34の左部及び右部には、略直方体形箱状の上昇箱36が設けられており、上昇箱36は、前側へ向かうに従い上側へ向かう方向に延在されると共に、内部が上側に開放されている。上昇箱36の後端部は、除去機構22の除去コンベア24の前側かつ下側に配置されており、除去コンベア24が前側に搬送した回収物12は、上昇箱36の後端部内に落下されて供給される。
【0027】
上昇箱36内の下部には、搬送機構を構成する上昇コンベア38が設けられており、上昇コンベア38は、上昇箱36の延在方向に沿って延在されている。上昇コンベア38には、無端帯状の上昇ベルト38Aが掛け回された状態で設けられており、上昇ベルト38Aは、上昇コンベア38の延在方向に沿って延在されている。上昇ベルト38Aの外周面には、矩形板状の上昇板38Bが複数固定されており、上昇板38Bは、上昇ベルト38Aの外周面及び上昇ベルト38Aの周方向に対し垂直に配置されている。複数の上昇板38Bは、上昇ベルト38Aの周方向に等間隔に配置されており、上昇板38Bは、上昇ベルト38Aの外周面及び上昇ベルト38Aの周方向に対し垂直に配置されている。上昇ベルト38Aの上側部分は、上昇箱36内に露出されており、上昇コンベア38が作動されることで、上昇ベルト38Aの上側部分(上昇板38Bを含む)が前斜め上側に移動される。
【0028】
上昇機構34(上昇箱36内)に回収物12(缶14、ペットボトル16、他飲料容器18)が供給された際には、回収物12が、上昇コンベア38の上昇ベルト38A上側部分と上昇箱36の左壁及び右壁と上昇板38Bとに支持されて、長手方向(縦方向)を上昇ベルト38Aの延在方向に向けられると共に、上昇ベルト38Aの上側部分及び上昇板38Bによって前斜め上側に搬送される。上昇ベルト38Aにおける上昇板38B間の距離は、回収物12の長手方向寸法より僅かに大きくされており、1個の上昇板38Bによって1個の回収物12が搬送されることで、回収物12が間隔をあけて1個ずつ搬送される。
【0029】
上昇機構34の前端部(上端部)の前側には、本体機構40(図4及び図5参照)が設けられている。
【0030】
本体機構40の左部及び右部には、選別路42が設けられており、選別路42は、前後方向に延在されると共に、後側に開放されている。選別路42の後端部には、上昇コンベア38の前端部(上端部)が配置されており、上昇コンベア38が前斜め上側に搬送した回収物12は、選別路42の後端部に落下されて供給される。
【0031】
選別路42の下側には、搬送機構を構成する選別コンベア44が設けられており、選別コンベア44は、前後方向に延在されている。選別コンベア44には、無端帯状の選別ベルト44Aが掛け回された状態で設けられており、選別ベルト44Aは、前後方向に延在されている。選別ベルト44Aの上側部分は、選別路42の下面を構成しており、選別コンベア44が作動されることで、選別ベルト44Aの上側部分が前側に移動される。
【0032】
本体機構40(選別路42)に回収物12(缶14、ペットボトル16、他飲料容器18)が供給された際には、回収物12が、選別コンベア44の選別ベルト44A上側部分と選別路42の両側面(左面及び右面)とに支持されて、長手方向(縦方向)を前後方向に向けられると共に、選別ベルト44Aの上側部分によって前側に搬送される。また、上昇コンベア38において回収物12が間隔をあけて1個ずつ搬送されることで、選別コンベア44においても回収物12が間隔をあけて1個ずつ搬送される。
【0033】
選別路42の後部の上面には、金属判別機構としての金属センサ46が固定されており、金属センサ46は、選別コンベア44によって搬送される回収物12が金属であることを検出して、当該回収物12が缶14であることを検出する。
【0034】
選別路42の本体機構40左右方向内側には、金属センサ46より前側において、金属選別機構としての第1クランク機構48(図6(A)及び図7(A)参照)が設けられており、第1クランク機構48には、押圧部材としての断面L字形板状のフラッパ50が設けられている。フラッパ50の基端部は、回転可能に支持されており、フラッパ50の回転中心軸線は、上下方向に平行にされている。フラッパ50の基端側部分は、左右方向に垂直に配置されて、選別路42の側面を構成しており、フラッパ50の先端側部分は、選別路42とは反対側に屈曲されて、前後方向に垂直に配置されている。フラッパ50の基端側部分には、選別路42とは反対側において、コネクティングロッド52の一端部が回転可能に連結されている。コネクティングロッド52の他端部には、クランクアーム54の一端部が回転可能に連結されており、クランクアーム54の他端部は、回転可能に支持されている。第1クランク機構48が作動される際には、クランクアーム54が他端部を中心として回転されて、コネクティングロッド52を介して、フラッパ50が選別路42側に回転された(図6(B)、図7の(B)及び(C)参照)後に初期位置に回転(復帰)される(図6(A)、図7の(D)及び(A)参照)。
【0035】
回収物12が缶14であることを金属センサ46が検出した場合には、缶14が第1クランク機構48の側方を搬送される際に、第1クランク機構48が作動されて、フラッパ50が選別路42側に回転されることで、缶14が、フラッパ50の基端側部分によって選別路42の第1クランク機構48とは反対側に押圧されて、回収物12から選別される。
【0036】
選別路42の第1クランク機構48とは反対側には、缶排出路56が設けられており、第1クランク機構48のフラッパ50によって押圧された缶14が缶排出路56を落下される。缶排出路56の下側には、缶収集袋58が配置されており、缶排出路56を落下された缶14は、缶収集袋58内に落下されて収集される。
【0037】
選別路42の周囲には、第1クランク機構48の前側において、判別機構としてのNIRセンサ60(近赤外線センサ、図8の(A)及び(B)参照)が設置されている。NIRセンサ60には、光源部60Aが設けられており、光源部60Aは、選別路42の一側方に配置されて、近赤外線を発光する。NIRセンサ60には、受光部60Bが設けられており、受光部60Bは、選別路42の他側方に配置されて、光源部60Aが発光した近赤外線を受光する。選別コンベア44によって回収物12(ペットボトル16、他飲料容器18)が搬送される際には、光源部60Aが回収物12に向けて近赤外線を発光すると共に、受光部60Bが回収物12を透過した近赤外線を受光する。光源部60Aと受光部60Bとは、左右方向に対し傾斜された方向において対向されており、光源部60Aが回収物12に対し近赤外線を発光する方向は、長手方向を前後方向に向けられる状態で搬送される回収物12の径方向に対し傾斜されている。受光部60Bには、分光分析器62が光ファイバ62Aによって接続されており、分光分析器62は、受光部60Bが受光した近赤外線を分光分析して、近赤外線が透過した回収物12の材質を検出すると共に、当該回収物12における水の吸光度を検出する。これにより、NIRセンサ60は、近赤外線が透過した回収物12が空ペットボトル16Aであること及び当該回収物12が収容ペットボトル16Bであることを検出する。
【0038】
選別路42の本体機構40左右方向内側には、NIRセンサ60(光源部60A及び受光部60B)より前側において、選別機構(空選別機構)としての第2クランク機構64が設けられており、第2クランク機構64は、第1クランク機構48と同様の構成にされている。回収物12が空ペットボトル16AであることをNIRセンサ60が検出した場合には、空ペットボトル16Aが第2クランク機構64の側方を搬送される際に、第2クランク機構64が作動されて、フラッパ50が選別路42側に回転されることで、空ペットボトル16Aが、フラッパ50の基端側部分によって選別路42の第2クランク機構64とは反対側に押圧されて、回収物12から選別される。
【0039】
選別路42の第2クランク機構64とは反対側には、空排出路66が設けられており、第2クランク機構64のフラッパ50によって押圧された空ペットボトル16Aが空排出路66を落下される。空排出路66の下側には、空収集袋68が配置されており、空排出路66を落下された空ペットボトル16Aは、空収集袋68内に落下されて収集される。
【0040】
選別路42の本体機構40左右方向内側には、第2クランク機構64より前側において、選別機構(収容選別機構)としての第3クランク機構70が設けられており、第3クランク機構70は、第1クランク機構48と同様の構成にされている。回収物12が収容ペットボトル16BであることをNIRセンサ60が検出した場合には、収容ペットボトル16Bが第3クランク機構70の側方を搬送される際に、第3クランク機構70が作動されて、フラッパ50が選別路42側に回転されることで、収容ペットボトル16Bが、フラッパ50の基端側部分によって選別路42の第3クランク機構70とは反対側に押圧されて、回収物12から選別される。
【0041】
選別路42の第3クランク機構70とは反対側には、収容排出路72が設けられており、第3クランク機構70のフラッパ50によって押圧された収容ペットボトル16Bが収容排出路72を落下される。収容排出路72の下側には、収容収集袋74が配置されており、収容排出路72を落下された空ペットボトル16Aは、収容収集袋74内に落下されて収集される。
【0042】
本体機構40(選別路42)の前側には、他排出路76が設けられており、他排出路76は、前側へ向かうに従い下側へ向かう方向に傾斜されている。他排出路76の後端部の上側には、選別コンベア44の前端部が配置されており、選別コンベア44が前側に搬送した回収物12の他飲料容器18は、他排出路76の後端部に落下されて、他排出路76を流下される。他排出路76の前端部の下側には、他収集袋78が配置されており、他排出路76を流下された他飲料容器18は、他収集袋78内に落下されて収集される。
【0043】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0044】
以上の構成の選別装置10では、除去機構22に上側から回収物12が供給されて、除去機構22の除去コンベア24が回収物12を前側に搬送した後に、上昇機構34の上昇コンベア38が回収物12を前斜め上側に搬送する。そして、本体機構40の選別コンベア44が回収物12を前側に搬送する。
【0045】
本体機構40では、金属センサ46が回収物12から缶14を検出(判別)して、第1クランク機構48が缶14を回収物12から選別する。また、NIRセンサ60が回収物12から空ペットボトル16Aを検出(判別)して、第2クランク機構64が空ペットボトル16Aを回収物12から選別する。さらに、NIRセンサ60が回収物12から収容ペットボトル16Bを検出(判別)して、第3クランク機構70が収容ペットボトル16Bを回収物12から選別する。そして、回収物12から缶14、空ペットボトル16A及び収容ペットボトル16Bが選別されて、回収物12から他飲料容器18が選別される。
【0046】
ここで、NIRセンサ60が回収物12から空ペットボトル16Aと収容ペットボトル16Bとを検出して、空ペットボトル16Aを第2クランク機構64が回収物12から選別すると共に、収容ペットボトル16Bを第3クランク機構70が回収物12から選別する。このため、ペットボトル16を空ペットボトル16Aと収容ペットボトル16Bとに選別でき、ペットボトル16を回収物12から適切に選別できる。
【0047】
さらに、ペットボトル16(空ペットボトル16A及び収容ペットボトル16B)を第2クランク機構64及び第3クランク機構70のフラッパ50が押圧して回収物12から選別する。このため、特に収容ペットボトル16Bの如くペットボトル16の重量が大きい場合でも、フラッパ50によってペットボトル16を回収物12から選別でき、ペットボトル16を回収物12から適切に選別できる。
【0048】
また、除去機構22では、回収物12内の異物20が、除去コンベア24上面と支持板26との間の除去口28から落下(除去口28を通過)されて、回収物12から除去される。このため、金属センサ46が回収物12から缶14を適切に検出できると共に、NIRセンサ60が回収物12から空ペットボトル16A及び収容ペットボトル16Bを適切に検出でき、缶14、空ペットボトル16A及び収容ペットボトル16Bを回収物12から適切にかつ安定して選別できる。しかも、異物20による選別装置10の損傷を抑制できる。
【0049】
さらに、除去機構22では、支持板26の除去コンベア24上面との距離が調整可能にされて、除去口28の幅寸法が調整可能にされている。このため、除去口28から除去される異物20の大きさを調整できる。
【0050】
なお、本実施形態において、除去コンベア24(支持板26を含む)を振動機構が振動させてもよい。これにより、除去コンベア24によって搬送される回収物12を振動させることができ、回収物12から異物20を良好に分離させることができて、異物20を除去口28から良好に除去できる。さらに、上昇コンベア38及び選別コンベア44の少なくとも一方を振動機構が振動させてもよい。
【0051】
また、本実施形態では、一対の除去コンベア24(除去ベルト24Aを含む)の幅方向が除去機構22の左右方向外側へ向かうに従い下側へ向かう方向に傾斜される。しかしながら、一対の除去コンベア24(除去ベルト24Aを含む)の幅方向が除去機構22の左右方向内側へ向かうに従い下側へ向かう方向に傾斜されてもよい。この場合、一対の除去コンベア24間において回収物12が長手方向(縦方向)を前後方向に向けられた状態で一対の除去ベルト24Aによって搬送されて、回収物12の除去機構22左右方向の位置のバラツキが抑制されてもよく、また、一対の除去コンベア24の間に除去口28が形成されてもよい。しかも、一対の除去コンベア24間の上側又は下側に金属センサ46及びNIRセンサ60の少なくとも一方が設けられてもよく、これにより、金属センサ46及びNIRセンサ60の回収物12との距離を一定にできて、金属センサ46及びNIRセンサ60による検出(判別)を安定させることができる。
【0052】
さらに、本実施形態では、除去機構22が設けられる。しかしながら、除去機構22が設けられなくてもよい。この場合、上昇機構34に除去口28を設けてもよい。
【0053】
また、本実施形態では、本体機構40に金属センサ46及びNIRセンサ60が設けられる。しかしながら、上昇機構34に金属センサ46及びNIRセンサ60の少なくとも一方が設けられてもよい。
【符号の説明】
【0054】
10 選別装置
12 回収物(選別対象)
16 ペットボトル(樹脂製ボトル)
20 異物
24 除去コンベア(搬送機構)
28 除去口
38 上昇コンベア(搬送機構)
44 選別コンベア
50 フラッパ(押圧部材)
60 NIRセンサ(判別機構)
64 第2クランク機構(選別機構)
70 第3クランク機構(選別機構)
【要約】
【課題】樹脂製ボトルを選別対象から適切に選別する。
【解決手段】選別装置10では、選別コンベア44が回収物12を搬送する。さらに、NIRセンサ60が回収物12からペットボトル16を検出して、第3クランク機構70がペットボトル16Aを回収物12から選別する。ここで、ペットボトル16を第3クランク機構70のフラッパ50が押圧して回収物12から選別する。このため、ペットボトル16を回収物12から適切に選別できる。
【選択図】図5
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8