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特許7431498電子機器、およびフレキシブルプリント基板
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  • 特許-電子機器、およびフレキシブルプリント基板 図1
  • 特許-電子機器、およびフレキシブルプリント基板 図2
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  • 特許-電子機器、およびフレキシブルプリント基板 図4
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  • 特許-電子機器、およびフレキシブルプリント基板 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-06
(45)【発行日】2024-02-15
(54)【発明の名称】電子機器、およびフレキシブルプリント基板
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/02 20060101AFI20240207BHJP
   H05K 3/36 20060101ALI20240207BHJP
   H05K 7/14 20060101ALI20240207BHJP
【FI】
H05K1/02 D
H05K1/02 B
H05K3/36 Z
H05K7/14 D
H05K7/14 K
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018207455
(22)【出願日】2018-11-02
(65)【公開番号】P2020072234
(43)【公開日】2020-05-07
【審査請求日】2021-05-28
【審判番号】
【審判請求日】2023-01-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(72)【発明者】
【氏名】岩田 修一
(72)【発明者】
【氏名】高橋 了士
【合議体】
【審判長】岩間 直純
【審判官】篠塚 隆
【審判官】野崎 大進
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-232528(JP,A)
【文献】特開2013-102343(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K1/02
H05K3/36
H05K7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と、
第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板とを電気的に接続するフレキシブルプリント基板と、
を有し、
前記フレキシブルプリント基板には、少なくとも、前記フレキシブルプリント基板がカバー部材で覆われたときに前記カバー部材に当接する部分以外の部分に、前記フレキシブルプリント基板を補強する補強部材が設けられ、
前記カバー部材の組み付け時において、前記フレキシブルプリント基板の少なくとも一部は前記カバー部材に当接することで反力により変形する、
電子機器。
【請求項2】
前記第1基板と前記第2基板とに接続されている前記フレキシブルプリント基板を固定する固定部材をさらに備え、
前記補強部材は、少なくとも前記フレキシブルプリント基板が前記固定部材に載置される部分に設けられる、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記補強部材は、前記載置される部分から前記当接する部分まで連続的に設けられる、請求項2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記補強部材は、前記載置される部分から前記当接する部分まで複数設けられる、請求項2に記載の電子機器。
【請求項5】
第1基板と、
第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板とを電気的に接続するフレキシブルプリント基板と、
前記第1基板と前記第2基板とに接続されている前記フレキシブルプリント基板を固定する固定部材と、
前記固定部材と、前記フレキシブルプリント基板がカバー部材で覆われたときに前記カバー部材に当接する部分との間に配置され、前記フレキシブルプリント基板を支持する支持部材と、
を有し、
前記カバー部材の組み付け時において、前記フレキシブルプリント基板の少なくとも一部は前記カバー部材に当接することで反力により変形する、
電子機器。
【請求項6】
第1基板と第2基板とを電気的に接続するフレキシブルプリント基板であって、
少なくとも、前記フレキシブルプリント基板がカバー部材で覆われたときに前記カバー部材に当接する部分以外の部分に、前記フレキシブルプリント基板を補強する補強部材が設けられ、
前記カバー部材の組み付け時において、前記フレキシブルプリント基板の少なくとも一部は前記カバー部材に当接することで反力により変形する、
フレキシブルプリント基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、およびフレキシブルプリント基板に関する。
【背景技術】
【0002】
フレキシブルプリント基板の一部に補強板を設け、当該補強板を固定する技術が、開発されている。上記技術としては、例えば下記の特許文献1に記載の技術が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-20430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、自動車や電車、飛行機、船などの移動体に搭載される電子機器のように、振動にさらされる環境で用いられる電子機器では、“フレキシブルプリント基板と他の基板との接続部分における微摺動摩耗対策”をとることが望ましい。上記微摺動摩耗対策としては、例えば、フレキシブルプリント基板を他の部材に押し当て、反力により振れ防止を図る方法が、挙げられる。以下では、フレキシブルプリント基板を「FPC」(Flexible Printed Circuits)と示す場合がある。
【0005】
しかしながら、上記のような微摺動摩耗対策をとる場合、FPCを他の部材に押し当てる箇所によっては、当該他の部材を電子機器に組み付けるときに、組み付け軌跡上でFPCと当該他の部材とが干渉する可能性がある。そして、組み付け軌跡上でFPCと当該他の部材とが干渉する場合には、組み付け性が低下する可能性がある。
【0006】
本発明の目的とするところは、組み付け性の低下の防止を図ることが可能な、新規かつ改良された電子機器、およびフレキシブルプリント基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点によれば、第1基板と、第2基板と、上記第1基板と上記第2基板とを電気的に接続するフレキシブルプリント基板と、を有し、上記フレキシブルプリント基板には、少なくとも、上記フレキシブルプリント基板がカバー部材で覆われたときに上記カバー部材に当接する部分以外の部分に、上記フレキシブルプリント基板を補強する補強部材が設けられる、電子機器が、提供される。
【0008】
かかる構成では、フレキシブルプリント基板に設けられる補強部材によりフレキシブルプリント基板の変形が抑えられる。したがって、かかる構成によって、組み付け性の低下の防止を図ることができる。
【0009】
また、上記第1基板と上記第2基板とに接続されている上記フレキシブルプリント基板を固定する固定部材をさらに備え、上記補強部材は、少なくとも上記フレキシブルプリント基板が上記固定部材に載置される部分に設けられていてもよい。
【0010】
また、上記補強部材は、上記載置される部分から上記当接する部分まで連続的に設けられていてもよい。
【0011】
また、上記補強部材は、上記載置される部分から上記当接する部分まで複数設けられていてもよい。
【0012】
また、上記目的を達成するために、本発明の第2の観点によれば、第1基板と、第2基板と、上記第1基板と上記第2基板とを電気的に接続するフレキシブルプリント基板と、上記第1基板と上記第2基板とに接続されている上記フレキシブルプリント基板を固定する固定部材と、上記固定部材と、上記フレキシブルプリント基板がカバー部材で覆われたときに上記カバー部材に当接する部分との間に配置され、上記フレキシブルプリント基板を支持する支持部材と、を有する、電子機器が、提供される。
【0013】
かかる構成では、支持部材でフレキシブルプリント基板を支持してフレキシブルプリント基板の変形が抑えられる。よって、かかる構成においても、組み付け性の低下の防止を図ることができる。
【0014】
また、上記目的を達成するために、本発明の第3の観点によれば、第1基板と第2基板とを電気的に接続するフレキシブルプリント基板であって、少なくとも、上記フレキシブルプリント基板がカバー部材で覆われたときに上記カバー部材に当接する部分以外の部分に、上記フレキシブルプリント基板を補強する補強部材が設けられる、フレキシブルプリント基板が、提供される。
【0015】
かかる構成においても、組み付け性の低下の防止を図ることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、組み付け性の低下の防止を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】微摺動摩耗対策が施されている電子機器の一例を示す説明図である。
図2】微摺動摩耗対策が施されている電子機器の一例を示す説明図である。
図3】第1の実施形態に係る電子機器の一例を示す説明図である。
図4】第1の実施形態に係る電子機器の一例を示す説明図である。
図5】第2の実施形態に係る電子機器の一例を示す説明図である。
図6】第3の実施形態に係る電子機器の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0019】
[1]微摺動摩耗対策が施されている電子機器の一例
本発明の実施形態に係る電子機器の例を説明する前に、微摺動摩耗対策が施されている電子機器の一例を説明する。
【0020】
図1図2は、微摺動摩耗対策が施されている電子機器10の一例を示す説明図である。図1は、カバー部材50(上述したFPCの他の部材の一例。以下、同様とする。)が組み付けられた後における、電子機器10を示している。また、図2は、カバー部材50の組み付け中における電子機器10を示している。
【0021】
電子機器10は、第1基板12と、第2基板14と、FPC16と、固定部材18と、補強部材20、22とを有する。また、図1に示すように、FPC16は、カバー部材50で覆われる。カバー部材50は、電子機器10を構成する部材であってもよいし、電子機器10の外部の部材であってもよい。
【0022】
第1基板12および第2基板14それぞれは、例えは、板状の部材にIC(Integrated Circuit)などの回路が配置された部材である。第1基板12および第2基板14それぞれにおいて配置されている回路が電気的に動作することによって、所定の機能が実現される。
【0023】
FPC16は、例えば第1基板12に設けられるコネクタおよび第2基板14に設けられるコネクタにそれぞれ電気的に接続されることによって、第1基板12と第2基板14とを電気的に接続する。
【0024】
固定部材18は、第1基板12と第2基板14とに接続されているFPC16を固定する。
【0025】
補強部材20、22それぞれは、FPC16を補強する部材である。補強部材20、22は、FPC16がカバー部材50で覆われたときにカバー部材50に当接する部分に、それぞれ設けられる。補強部材20、22それぞれは、例えば接着剤を用いる方法やテープを用いる方法などの任意の接着方法によって、FPC16に設けられる。
【0026】
図1に示すように、カバー部材50が組み付けられたとき、電子機器10では、FPC16がカバー部材50に押し当てられ、その結果、反力により振れ防止が図られる。補強部材20、22は、FPC16がカバー部材50に押し当てられるときに、FPC16を保護する役目を果たす。
【0027】
しかしながら、FPC16をカバー部材50に押し当てる箇所によっては、図2に示すように、カバー部材50の組み付け軌跡上においてFPC16とカバー部材50とが干渉する可能性がある。上述したように、組み付け軌跡上でFPC16とカバー部材50とが干渉する場合には、組み付け性が低下する可能性があり、また、組み付け性の低下は、組み付け作業を行う作業者の作業性の低下へと繋がる可能性がある。
【0028】
[2]本発明の実施形態に係る電子機器
そこで、本発明の実施形態に係る電子機器は、図2に示すような組み付け軌跡上でFPCとカバー部材とが干渉する可能性を低減する構成を有することによって、組み付け性の低下の防止を図る。また、組み付け性の低下の防止が図られることによって、組み付け作業を行う作業者の作業性の向上が図られる。
【0029】
本発明の実施形態に係る電子機器において“組み付け軌跡上でFPCとカバー部材とが干渉する可能性を低減すること”は、下記の(1)に示す第1の干渉低減方法と、下記の(2)に示す第2の干渉低減方法との一方または双方によって、実現される。
【0030】
(1)第1の干渉低減方法:FPCに設けられる補強部材による干渉の低減
第1の干渉低減方法は、“FPCに設けられる補強部材によりFPCの変形を抑えることによって、図2に示すようなカバー部材の組み付け軌跡上でFPCとカバー部材とが干渉することを防止する干渉低減方法”である。つまり、第1の干渉低減方法が用いられる場合、主に補強部材が設けられるFPCによって、組み付け性の低下の防止効果が奏される。本発明の実施形態に係る補強部材が設けられるFPCは、単独で流通可能であってもよい。
【0031】
具体的には、本発明の実施形態に係る電子機器が有するFPCには、少なくとも、“FPCがカバー部材で覆われたときにカバー部材に当接する部分”以外の部分に、FPCを補強する補強部材が設けられる。第1の干渉低減方法が用いられる電子機器の構成の一例については、後述する第1の実施形態および第2の実施形態において示す。
【0032】
(2)第2の干渉低減方法:支持部材でFPCを支持することによる干渉の低減
第2の干渉低減方法は、“支持部材でFPCを支持してFPCの変形を抑えることによって、図2に示すようなカバー部材の組み付け軌跡上でFPCとカバー部材とが干渉することを防止する干渉低減方法”である。第2の干渉低減方法が用いられる電子機器の構成の一例については、後述する第3の実施形態において示す。
【0033】
以下、上記(1)に示す第1の干渉低減方法と上記(2)に示す第2の干渉低減方法との一方または双方が適用される、本発明の実施形態に係る電子機器の構成の一例を示す。
【0034】
[2-1]第1の実施形態に係る電子機器:第1の干渉低減方法が適用される電子機器の一例
図3図4は、第1の実施形態に係る電子機器100の一例を示す説明図であり、上記(1)に示す第1の干渉低減方法が適用される電子機器の一例を示している。図3は、図2に示す例と同様に、カバー部材150(上述したFPCの他の部材の他の例。以下、同様とする。)の組み付け中における電子機器100を示している。また、図4は、カバー部材150が組み付けられた後における電子機器100の一部を示している。
【0035】
電子機器100は、第1基板102と、第2基板104と、FPC106と、固定部材108と、補強部材110、112とを有する。また、図3図4に示すように、FPC106は、カバー部材150で覆われる。カバー部材150は、電子機器100を構成する部材であってもよいし、電子機器100の外部の部材であってもよい。
【0036】
第1基板102および第2基板104それぞれは、例えは、板状の部材にICなどの回路が配置された部材である。第1基板102および第2基板104それぞれにおいて配置されている回路が電気的に動作することによって、所定の機能が実現される。なお、第1基板102および第2基板104それぞれの形状、大きさ、およびそれぞれにより実現される機能は、特に限定さない。
【0037】
FPC106は、例えば第1基板102に設けられるコネクタおよび第2基板104に設けられるコネクタにそれぞれ電気的に接続されることによって、第1基板102と第2基板104とを電気的に接続する。
【0038】
固定部材108は、第1基板102と第2基板104とに接続されているFPC106を固定する。また、固定部材108は、図3図4に示すように、FPC106を載置するように保持する。ここで、本発明の実施形態に係る“FPC106が固定部材108に載置される”とは、“固定部材108上にFPC106が直接的に載置されること”、または、“固定部材108上に他の部材を介してFPC106が間接的に載置されること”を意味する。“固定部材108上に他の部材を介してFPC106が間接的に載置される場合”としては、例えば図3図4に示すように“補強部材112が、少なくともFPC106が固定部材108に載置される部分に設けられる場合”が、挙げられる。
【0039】
補強部材110は、FPC106を補強する部材である。補強部材110としては、例えば樹脂が挙げられるが、補強部材110を形成する素材は、特に限定されない。また、補強部材110は、例えば接着剤を用いる方法やテープを用いる方法などの任意の接着方法によって、FPC106に設けられる。補強部材110が果たす役目は、図1に示す補強部材20と同様である。
【0040】
補強部材112は、FPC106を補強する部材である。補強部材112は、図3図4に示すように、“FPC106が固定部材108に載置される部分”から“FPC106がカバー部材150で覆われたときにカバー部材150に当接する部分”(図4に示すBが該当する。以下、同様とする。)まで、連続的に設けられる。補強部材112としては、例えば樹脂が挙げられるが、補強部材112を形成する素材は、特に限定されない。また、補強部材112は、例えば接着剤を用いる方法やテープを用いる方法などの任意の接着方法によって、FPC106に設けられる。補強部材112は、第1の干渉低減方法に係る部材であり、図1に示す補強部材20と同様の役目に加えて、FPC106の変形を抑える役目を果たす。
【0041】
図4のA、Bに示すように、カバー部材150が組み付けられたとき、電子機器100では、FPC106がカバー部材150に押し当てられる。その結果、FPC106は、反力によって図4における上下方向に膨らむように変形する。よって、電子機器100では、振れ防止が図られる。
【0042】
また、図3図4の補強部材112に示すように、FPC106には、少なくとも“FPC106がカバー部材150で覆われたときにカバー部材150に当接する部分”以外の部分に補強部材が設けられる。上述したように、補強部材112は、FPC106の変形を抑える役目を果たす。そして、補強部材112によりFPC106の変形が抑えられることによって、電子機器100では、カバー部材150の組み付け軌跡上でFPC106とカバー部材150とが干渉することが、防止される。
【0043】
したがって、電子機器100では、補強部材112(第1の干渉低減方法に係る部材の一例)がFPC106に設けられることによって、カバー部材150の組み付け軌跡上でFPC106とカバー部材150とが干渉することが防止される。
【0044】
なお、第1の実施形態に係る電子機器の構成は、図3図4に示す例に限られない。例えば、第1の実施形態に係る電子機器は、図3図4に示す固定部材108を有していなくてもよい。固定部材108を有さない構成であっても、補強部材112によりFPC106の変形が抑えられることによって、第1の実施形態に係る電子機器は、カバー部材150の組み付け軌跡上でFPC106とカバー部材150とが干渉することを、防止することができる。
【0045】
また、第1の実施形態に係る電子機器は、第3の実施形態に係る支持部材(後述する)をさらに有していてもよい。第1の実施形態に係る電子機器が支持部材をさらに有する場合、上記(1)に示す第1の干渉低減方法および上記(2)に示す第2の干渉低減方法によって、組み付け性の低下の防止が図られる。
【0046】
[2-2]第2の実施形態に係る電子機器:第1の干渉低減方法が適用される電子機器の他の例
図5は、第2の実施形態に係る電子機器200の一例を示す説明図であり、上記(1)に示す第1の干渉低減方法が適用される電子機器の他の例を示している。
【0047】
電子機器200は、第1基板102と、第2基板104と、FPC106と、固定部材108と、補強部材110、202、204とを有する。また、図5に示すように、FPC106は、カバー部材150で覆われる。カバー部材150は、電子機器200を構成する部材であってもよいし、電子機器200の外部の部材であってもよい。
【0048】
図5に示す電子機器200と、図3図4に示す電子機器100とを比較すると、電子機器200と電子機器100との相違点は、“電子機器200が、電子機器100が有する補強部材112に代えて、補強部材202、204を有している点”である。以下、上記相違点に関して説明し、電子機器200と電子機器100とにおける同一の点については、説明を省略する。
【0049】
補強部材202、204それぞれは、FPC106を補強する部材である。図5に示すように、補強部材202は“FPC106が固定部材108に載置される部分”に設けられ、補強部材204は“FPC106がカバー部材150で覆われたときにカバー部材150に当接する部分”に設けられる。
【0050】
ここで、第1の実施形態では、“FPC106が固定部材108に載置される部分”から“FPC106がカバー部材150で覆われたときにカバー部材150に当接する部分”まで、1つの補強部材が連続的に設けられていた。それに対して、第2の実施形態では、“FPC106が固定部材108に載置される部分”から“FPC106がカバー部材150で覆われたときにカバー部材150に当接する部分”まで、補強部材が複数設けられる。なお、図5に示す電子機器200では、“FPC106が固定部材108に載置される部分”から“FPC106がカバー部材150で覆われたときにカバー部材150に当接する部分”まで2つの補強部材202、204が設けられているが、第2の実施形態に係る電子機器では、3つ以上の補強部材が設けられていてもよい。
【0051】
補強部材202、204それぞれとしては、例えば樹脂が挙げられるが、補強部材202、204それぞれを形成する素材は、特に限定されない。また、補強部材202、204それぞれは、例えば接着剤を用いる方法やテープを用いる方法などの任意の接着方法によって、FPC106に設けられる。補強部材202、204それぞれは、第1の干渉低減方法に係る部材であり、図1に示す補強部材20と同様の役目に加えて、FPC106の変形を抑える役目を果たす。
【0052】
電子機器200は、図3図4に示す電子機器100と基本的に同様の構成を有する。よって、電子機器200では、電子機器100と同様に、振れ防止が図られる。
【0053】
また、図5の補強部材202、204に示すように、FPC106には、少なくとも“FPC106がカバー部材150で覆われたときにカバー部材150に当接する部分”以外の部分に補強部材が設けられる。上述したように、補強部材202、204それぞれは、FPC106の変形を抑える役目を果たす。そして、補強部材202、204それぞれによりFPC106の変形が抑えられることによって、電子機器200では、カバー部材150の組み付け軌跡上でFPC106とカバー部材150とが干渉することが、防止される。
【0054】
したがって、電子機器200では、補強部材202、204(第1の干渉低減方法に係る部材の他の例)がFPC106に設けられることによって、カバー部材150の組み付け軌跡上でFPC106とカバー部材150とが干渉することが防止される。
【0055】
なお、第2の実施形態に係る電子機器の構成は、図5に示す例に限られない。例えば、第2の実施形態に係る電子機器は、第1の実施形態に係る電子機器と同様の変形例をとることが可能である。
【0056】
[2-3]第3の実施形態に係る電子機器:第2の干渉低減方法が適用される電子機器の一例
図6は、第3の実施形態に係る電子機器300の一例を示す説明図であり、上記(2)に示す第2の干渉低減方法が適用される電子機器の一例を示している。
【0057】
電子機器300は、第1基板102と、第2基板104と、FPC106と、固定部材302と、補強部材110、304と、支持部材306とを有する。また、図6に示すように、FPC106は、カバー部材150で覆われる。カバー部材150は、電子機器300を構成する部材であってもよいし、電子機器300の外部の部材であってもよい。
【0058】
電子機器300が有する第1基板102、第2基板104、FPC106、および補強部材110は、図3に示す電子機器100が有する第1基板102、第2基板104、FPC106、および補強部材110と、同様の機能、構成を有する。
【0059】
固定部材302は、図1に示す固定部材18と同様に、第1基板102と第2基板104とに接続されているFPC106を固定する。
【0060】
補強部材304は、図1に示す補強部材22と同様に、FPC106を補強する部材である。補強部材304は、FPC106がカバー部材150で覆われたときにカバー部材150に当接する部分に設けられる。補強部材304は、例えば接着剤を用いる方法やテープを用いる方法などの任意の接着方法によってFPC106に設けられる。
【0061】
支持部材306は、固定部材302と“FPC106がカバー部材150で覆われたときにカバー部材150に当接する部分”との間に配置され、FPC106を支持する。支持部材306は、第2の干渉低減方法に係る部材であり、FPC106を支持することによりFPC106の変形を抑える役目を果たす。支持部材306としては、例えば、フックなどの、FPC106を支持することが可能な任意の部材が挙げられる。
【0062】
図6に示すように、カバー部材150が組み付けられたとき、電子機器300では、FPC106がカバー部材150に押し当てられる。その結果、FPC106は反力によって変形し、その結果、電子機器300では、振れ防止が図られる。
【0063】
また、図6に示すように、支持部材306は、FPC106を支持することによりFPC106の変形を抑える。そして、支持部材306によりFPC106の変形が抑えられることによって、電子機器300では、カバー部材150の組み付け軌跡上でFPC106とカバー部材150とが干渉することが、防止される。
【0064】
したがって、電子機器300では、支持部材306(第2の干渉低減方法に係る部材の一例)を有することによって、カバー部材150の組み付け軌跡上でFPC106とカバー部材150とが干渉することが防止される。
【0065】
なお、第3の実施形態に係る電子機器の構成は、図6に示す例に限られない。例えば、第3の実施形態に係る電子機器は、図6に示す固定部材302を有していなくてもよい。固定部材302を有さない構成であっても、支持部材306によりFPC106の変形が抑えられることによって、第3の実施形態に係る電子機器は、カバー部材150の組み付け軌跡上でFPC106とカバー部材150とが干渉することを、防止することができる。
【0066】
[3]本発明の実施形態に係る干渉低減方法が適用される電子機器において奏される効果の一例
本発明の実施形態に係る干渉低減方法が適用される電子機器では、例えば下記に示す効果が奏される。なお、本発明の実施形態に係る干渉低減方法が適用される電子機器において奏される効果が、下記に示す効果に限られないことは、言うまでもない。
・干渉低減方法により組み付け性を確保すると共に、組み付け後のFPC変形を利用して振れ防止を図ることができる。
【0067】
[4]本発明の実施形態に係る電子機器の他の適用例
本発明の実施形態に係る電子機器は、微摺動摩耗対策などの振れ防止対策を必要とする機器であれば、どのようなものであってもよい。一例を挙げると、電子機器としては、自動車や電車、飛行機、船などの移動体に搭載される電子機器が挙げられる。また、他の例を挙げると、電子機器としては、可搬型のPC(Personal Computer)や、スマートフォン、タブレット型の装置などが、挙げられる。
【0068】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0069】
10、100、200、300 電子機器、12、102 第1基板、14、104 第2基板、16、106 FPC、18、108、302 固定部材、20、22、110、112、202、204、304 補強部材、50、150 カバー部材、306 支持部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6