(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-06
(45)【発行日】2024-02-15
(54)【発明の名称】試料処理装置、ホルダ、および試料測定システム
(51)【国際特許分類】
G01N 35/04 20060101AFI20240207BHJP
【FI】
G01N35/04 H
(21)【出願番号】P 2019153282
(22)【出願日】2019-08-23
【審査請求日】2022-07-15
(73)【特許権者】
【識別番号】390014960
【氏名又は名称】シスメックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111383
【氏名又は名称】芝野 正雅
(74)【代理人】
【識別番号】100170922
【氏名又は名称】大橋 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100203862
【氏名又は名称】西谷 香代子
(72)【発明者】
【氏名】山田 和宏
(72)【発明者】
【氏名】浅尾 和毅
(72)【発明者】
【氏名】桑野 桂輔
【審査官】草川 貴史
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-044698(JP,A)
【文献】国際公開第2017/145556(WO,A1)
【文献】特開2010-156624(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00-37/00
G01N 1/00- 1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器に収容された試料に対する処理を行う試料処理装置であって、
前記容器を保持し、互いに形状が異なる複数のホルダと、
対応する形状の前記ホルダが予め決められた向きで夫々嵌められる複数のホルダ受入部を備えるホルダ配置部と、
前記ホルダ配置部に配置された前記ホルダに保持された容器に収容された前記試料に対する処理を行う試料処理部と、を備え
、
前記複数のホルダは、外側の互いに異なる位置に係合部をそれぞれ有し、
各々の前記ホルダ受入部の内側には、対応する前記ホルダが嵌め込まれる際に、当該ホルダの前記係合部と係合する係合部が設けられている、試料処理装置。
【請求項2】
前記複数のホルダには、前記ホルダ配置部における前記容器の保持位置を示す識別情報がそれぞれ設けられている、請求項1に記載の試料処理装置。
【請求項3】
前記ホルダ配置部に前記ホルダが配置されたことを検出するホルダ検出部をさらに備える、請求項1又は2に記載の試料処理装置。
【請求項4】
前記ホルダ検出部が前記ホルダ配置部に前記ホルダが配置されたことを検出した場合、検出された前記ホルダに収容された試料に対する処理を前記試料処理部に許可する制御部をさらに備える、請求項3に記載の試料処理装置。
【請求項5】
前記試料の処理開始指示を受け付ける開始指示受付部をさらに備え、
前記制御部は、前記開始指示受付部により前記試料の処理開始指示を受け付けた後、前記ホルダ検出部が前記ホルダ配置部に前記ホルダが配置されたことを検出しない場合、前記試料処理部による前記試料に対する処理を禁止する、請求項
4に記載の試料処理装置。
【請求項6】
報知部をさらに備え、
前記制御部は、前記開始指示受付部により試料の処理開始指示を受け付けた後、前記ホルダ検出部が前記ホルダ配置部に前記ホルダが配置されたことを検出しない場合、前記報知部を作動させる、請求項5に記載の試料処理装置。
【請求項7】
前記ホルダ配置部を着脱可能に支持する支持部をさらに備える、請求項1ないし6のいずれか一項に記載の試料処理装置。
【請求項8】
前記支持部は、前記ホルダ配置部を所定の向きでのみ受け入れる形状を有する、請求項7に記載の試料処理装置。
【請求項9】
前記ホルダ配置部に配置された試料のオーダ情報を記憶する記憶部と、
前記オーダ情報に基づき、前記試料処理部を制御する制御部をさらに備える、請求項1に記載の試料処理装置。
【請求項10】
請求項1ないし9の何れか一項に記載のホルダ。
【請求項11】
試薬を用いて試料を調製する試料調製装置と、
前記試料調製装置で調製された試料に対する測定を行う測定装置と、
を備えた試料測定システムであって、
前記試料調製装置は、容器内で前記試料を調製し、
前記測定装置は、
前記容器を保持し、互いに形状が異なる複数のホルダと、
対応する形状の前記ホルダが予め決められた向きで夫々嵌められる複数のホルダ受入部を備えるホルダ配置部と、
前記ホルダ配置部に配置された前記ホルダに保持された容器に収容された前記試料に対する処理を行う試料処理部と、を備
え、
前記複数のホルダは、外側の互いに異なる位置に係合部をそれぞれ有し、
各々の前記ホルダ受入部の内側には、対応する前記ホルダが嵌め込まれる際に、当該ホルダの前記係合部と係合する係合部が設けられている、試料測定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料処理装置、ホルダ、および試料測定システムに関する。
【背景技術】
【0002】
血液や尿などの試料やその試料を収容した容器に対して、遠心分離、開栓、試料分注などの処理を行う試料処理装置が知られている。このような試料処理装置として、例えば特許文献1記載の検体検査自動化システムは、複数の検体を保持した検体トレーを収納するトレー収納部を複数備えた検体投入部と、遠心部、開栓部、および分注部等の試料処理部とを備える。本検体検査自動化システムは、トレー収納部に収容された検体トレーに付された識別子、検体トレーの収納位置、又は検体トレーの区画位置に基づいて、試料処理部による検体の処理の方法を切り替える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の検体検査自動化システムは、検体トレーに付された識別子に基づいて検体の処理方法を切り替える場合には、識別子読取装置を設ける必要があり、装置構造が複雑化する。検体トレーの収納位置又は検体トレーの区画位置に基づいて検体の処理方法を切り替える場合には、識別子読取装置は不要であるが、オペレータが検体トレーの収納位置を間違えるとオペレータが所望する方法とは異なる方法で検体が処理されてしまう。
【0005】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、構造を複雑化せず、かつ、オペレータが所望する方法で試料を処理することができる試料処理装置、ホルダ、および試料測定システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の試料処理装置(100、100a、100b、200)は、容器に収容された試料に対する処理を行う試料処理装置であって、容器を保持し、互いに形状が異なる複数のホルダ(51~56)と、対応する形状のホルダが予め決められた向きで夫々嵌められる複数のホルダ受入部(120a、120b、20a~20f)を備えるホルダ配置部(140、240)と、ホルダ配置部に配置されたホルダに保持された容器に収容された試料に対する処理を行う試料処理部(105、280)と、を備える。複数のホルダは、外側の互いに異なる位置に係合部をそれぞれ有し、各々のホルダ受入部の内側には、対応するホルダが嵌め込まれる際に、当該ホルダの係合部と係合する係合部が設けられている。
【0007】
本発明の試料測定システムは、試薬を用いて試料を調製する試料調製装置(100、100a、100b)と、前記試料調製装置で調製された試料に対する測定を行う測定装置(200)と、を備え、前記試料調製装置は、容器内で試料を調製し、前記測定装置は、前記容器を保持し、互いに形状が異なる複数のホルダ(51~56)と、対応する形状のホルダが予め決められた向きで夫々嵌められる複数のホルダ受入部を備えるホルダ配置部(240)と、ホルダ配置部に配置されたホルダに保持された容器に収容された試料に対する処理を行う試料処理部(280)と、を備える。複数のホルダは、外側の互いに異なる位置に係合部をそれぞれ有し、各々のホルダ受入部の内側には、対応するホルダが嵌め込まれる際に、当該ホルダの係合部と係合する係合部が設けられている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、構造を複雑化せず、かつ、オペレータが所望する方法で試料を処理することができる試料処理装置、ホルダ、および試料測定システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係る試料測定システムを説明するための模式図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る試料測定システムによる試料調製および測定の流れを説明するための図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る試料調製装置を説明するため概略平面図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る試料調製装置に供給されるラックを説明するための図である。
【
図5】
図5(a)、(b)、(c)は、それぞれ、実施形態に係る試料調製装置が備える配置部および配置部にセットされるホルダを説明するための模式図である。
【
図6】
図6(a)、(b)、(c)は、それぞれ、実施形態に係るホルダの斜視図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る試料調製装置の制御ユニットの概略構成を示すブロック図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る測定装置を説明するための模式図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係る測定装置の光学測定部を説明するための概略構成を示す模式図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係る測定装置の制御ユニットの概略構成を示すブロック図である。
【
図11】
図11は、実施形態に係る測定装置が備える配置部および配置部にセットされるホルダを説明するための模式図である。
【
図12】
図12は、実施形態に係る測定装置が備える支持部に配置部およびホルダが取り付けられている状態を示した斜視図である。
【
図13】
図13は、実施形態に係る測定装置が備える支持部の分解斜視図ならびに配置部およびホルダの斜視図である。
【
図14】
図14は、実施形態に係る配置部およびホルダが測定装置の支持部に取り付けられ、移送される状態を説明するための模式図である。
【
図15】
図15(a)、(b)、(c)のそれぞれは、実施形態に係るホルダが測定装置の配置部に配置されていることを検出する様子を説明するための模式図である。
【
図16】
図16は、実施形態に係る試料調製装置の制御部による処理を示すフローチャートである。
【
図17】
図17は、実施形態に係るホルダにおける試料の位置情報を説明するための模式図である。
【
図18】
図18は、実施形態に係る試料調製装置の記憶部が記憶するオーダ情報を説明する図である。
【
図19】
図19は、実施形態に係る測定装置の制御部による処理を示すフローチャートである。
【
図20】
図20は、実施形態に係る測定装置の記憶部が記憶するオーダ情報を説明する図である。
【
図21】
図21(a)は、変更例1に係るホルダの形状と配置部の形状とを説明するための平面図である。
図21(b)は、変更例2に係るホルダの形状と配置部の形状とを説明するための平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<試料測定システム>
以下、実施形態に係る試料測定システムについて、FISH(蛍光 イン サイチュ ハイブリダイゼーション)法を用いて血液検体に含まれる被検物質(遺伝子)を検出する例を説明する。
【0011】
図1に示す試料測定システム1は、病院や検査機関等の施設に設けられ、血液検体に対して発行されるオーダ情報に基づいて測定項目としての被検物質(遺伝子)を特定し、被検物質(遺伝子)を検出するために必要な前処理と測定分析とを行う。この試料測定システム1は、試料調製装置100、100a、100bと、測定装置200と、管理装置300と、を備える。試料調製装置100、100a、100bのそれぞれは、被検物質を含む血液検体に対して蛍光標識試薬の添加、加温などの前処理を行う試料処理装置であり、血液検体に対して発行されるオーダ情報に基づいて測定項目ごとに試料の調製を行う。測定装置200は、試料調製装置100、100a、100bで調製された試料に対して光学的な測定・解析を行う。管理装置300はコンピュータであり、血液検体のオーダ情報を管理する。管理装置300と測定装置200と試料調製装置100、100a、100bとは、オーダ情報を通信できるように接続されている。本実施形態においては、管理装置300と測定装置200は施設内LANを介して接続されており、測定装置200と試料調製装置100、100a、100bとは、ピア・ツー・ピア接続されているが、これに限定されるものではない。オーダ情報は、血液検体を識別する識別情報や、血液検体に対する測定項目を含む情報のセットである。
【0012】
測定装置200は、3台の試料調製装置100、100a、100bで調製された多数の試料の測定分析を連続して行う。通常、試料調製装置での処理には10~24時間と比較的長い時間を要するのに対して、測定装置での処理は数時間程度の比較的短い時間で完了する。このため、複数の試料調製装置を稼働させて多くの試料の処理を並行して行うことで、測定装置の稼働率を高めて効率的に試料に対する測定分析を行うことができる。
【0013】
<試料測定システムによる試料調製および測定の流れ>
図2に示すステップS1において、オペレータは、空の容器を保持したホルダおよび測定対象となる血液検体を試料調製装置100、100a、100bのそれぞれのホルダ配置部に配置し、試料調製装置100、100a、100bのそれぞれに対して試料調製の開始を指示する。開始指示を受けた試料調製装置100、100a、100bのそれぞれは、ステップS2において、配置された血液検体の測定項目を、測定装置200を介して管理装置300に要求し、受信する。管理装置300は、ステップS3において、要求に応じて、測定装置200を介して試料調製装置100、100a、100bのそれぞれに測定項目を送信する。試料調製装置100、100a、100bのそれぞれは、ステップS4において、受信した測定項目に基づいて、オペレータにより配置されたホルダに保持された容器内で血液検体の調製を行う。試料調製装置100、100a、100bのそれぞれは、ステップS5において、ステップS2で受信した測定項目を含むオーダ情報を測定装置200に送信する。測定装置200は、ステップS6において、試料調製装置100、100a、100bのそれぞれからオーダ情報を受信する。オペレータは、ステップS7において、試料調製装置100、100a、100bのそれぞれから、調製後の血液検体が収容された容器を取り出し、測定装置200のホルダ配置部に配置し、測定装置200に対して測定の開始を指示する。測定装置200は、ステップS8において、受信したオーダ情報に基づいて、オペレータにより配置された調製後の血液検体の測定・解析を行う。
【0014】
<試料調製装置>
試料調製装置100、100a、100bは同様の構成を有するため、試料調製装置100を例に説明する。
【0015】
図3に示すように、試料調製装置100は、ラック搬送部101と、試料調製部105と、を備える。ラック搬送部101は、血液検体を収容した試料容器5を保持したラック6をX軸方向に沿って搬送する装置である。
【0016】
図4に示すように、ラック6に保持された試料容器5にはバーコードラベル2が貼付されている。バーコードラベル2には、試料容器5毎に付与される検体IDを情報として含むバーコード2aが印刷されている。
【0017】
図3に戻り、ラック搬送部101は、バーコードリーダ103を備えており、バーコードリーダ103により、その前を通過する試料容器に付されたバーコードラベル2のバーコード2aから検体IDを読み取る。
【0018】
試料調製部105は、受取機構110と、第1試薬セット部120と、第2試薬セット部121と、チップセット部122と、廃棄部124と、遠心反応部130と、第1分注機構150と、第2分注機構160と、第1加温部170と、第2加温部180と、搬送機構190と、配置部140と、制御ユニット117と、を備える。
【0019】
受取機構110は、ラック搬送部101上の受取位置101cに位置付けられた試料容器5をラック6から取り出し、遠心反応部130にセットする。搬送機構190は、ホルダ51、52を把持して搬送する機構であり、ホルダ51、52を、配置部140と、遠心反応部130と、第1加温部170と、第2加温部180と、に搬送する。
【0020】
第1分注機構150は、第1試薬セット部111にセットされた試薬容器111a~111eから試薬を吸引し、遠心反応部130にある容器に吐出する機構である。第2分注機構160は、第2試薬セット部121にセットされた試薬容器から試薬を吸引し、遠心反応部130にある容器に吐出する機構である。また第2分注機構160は、試薬の吸引・吐出ごとに廃棄される使い捨てチップの着脱が可能であり、チップセット部122に配置されたチップ123を装着し、試薬の吸引・吐出の後、廃棄部124にチップ123を廃棄する。
【0021】
第1試薬セット部111には、5つの試薬容器111a~111eがセット可能である。試薬容器111a、111bには、0.5%BSAinPBS溶液が収容されている。試薬容器111c、111d、111eには、それぞれ、0.4×SSC、2×SSc、DRAQ5が収容されている。
【0022】
第2試薬セット部121は、FISH用試薬が収容された試薬容器がセット可能である。チップセット部122は、使い捨てチップ123が複数セット可能である。廃棄部124は使用済みで廃棄されるチップ123を回収する。
【0023】
遠心反応部130は、平面視において回転可能に構成されており、血液検体を遠心分離させるために用いられる。遠心反応部130の上面には、開口部130a、130bと、開口部130a、130bを開閉するシャッタ134、135とが設けられている。シャッタ134、135は、開口部130a、130bを介して外部から遠心反応部130へアクセスする際に開き、それ以外の時には閉じるように制御される。
【0024】
第1加温部170および第2加温部180は、搬送機構190によって搬送されてくるホルダ51、52を保持し、ホルダ51、52に収容される試薬や試料を室温よりも高い所定温度に加温できるように構成されている。
【0025】
配置部140は、オペレータがアクセス可能な位置にあり、2つのホルダ51、52を受け入れ可能である。
【0026】
制御ユニット117は、
図7に示すように、制御部107と、記憶部109と、通信部113と、入出力部112と、を備えている。通信部113は、第1インターフェース114を備えている。制御部107は、CPUを備えて構成され、記憶部109に記憶されたプログラムを実行し、試料調製装置100の各部を制御する。記憶部109は、ROM、RAMおよびハードディスク等により構成される。入出力部112は、タッチパネル式ディスプレイで構成され、オペレータによる試料調製装置100の開始指示などの各種操作を受け付けるとともに、試料調製装置100の状態を表示する画面やオペレータの操作入力を受け付ける画面を表示する。通信部113は、測定装置200との接続用の第1インターフェース114を介して測定装置200から情報を受信し、測定装置200に情報を送信する。
【0027】
配置部140は、
図5(a)に示すように、特定のホルダに対応した形状を有し、ホルダを受け入れる凹状のアダプタ120a、120bを備えている。アダプタ120aは、ホルダ51に対応した形状を有し、アダプタ120bは、ホルダ52に対応した形状を有する。
【0028】
ホルダ51、52は係合部61を備えている。アダプタ120a、120bは係合部62を備えている。ホルダ51とアダプタ120aとは、係合部61と係合部62とが互いに係合する位置に形成されている。ホルダ52とアダプタ120bも、係合部61と係合部62とが互いに係合する位置に形成されている。ホルダ51とホルダ52とにおいて、係合部61の形状は同一であるが、ホルダ側面での幅方向の位置は互いに相違している。同様に、アダプタ120aとアダプタ120bとにおいて、係合部62の形状は同一であるが、アダプタ内側面での幅方向の位置は互いに相違している。
【0029】
ホルダ51、52は、
図6(c)に示すように、その上面が、配置部140に配置された状態で、配置部140のホルダ周りの上面よりも高くなるように形成されている。これにより、搬送機構190によるホルダ51、52の把持が可能になるとともに、オペレータがホルダ51、52を容易に配置部140に着脱することができる。
【0030】
試料調製装置100aの配置部140aおよび試料調製装置100bの配置部140bを、それぞれ
図5(b)および(c)に示す。配置部140aは、
図5(b)に示すように、特定のホルダに対応した形状を有し、ホルダを受け入れる凹状のアダプタ120c、120dを備えている。アダプタ120cは、ホルダ53に対応した形状を有し、アダプタ120dは、ホルダ54に対応した形状を有する。配置部140bは、
図5(c)に示すように、特定のホルダに対応した形状を有し、ホルダを受け入れる凹状のアダプタ120e、120fを備えている。アダプタ120eは、ホルダ55に対応した形状を有し、アダプタ120fは、ホルダ56に対応した形状を有する。ホルダ51~56において、係合部61の形状は同一であるが、ホルダ側面での幅方向の位置は互いに相違している。アダプタ120a~120f、において、係合部62の形状は同一であるが、アダプタ内側面での幅方向の位置は互いに相違している。
【0031】
ここで、ホルダ51~56の形状について、ホルダ51を例に説明する。ホルダ51は、
図6(a)、(b)に示すように、直方体状であり、ホルダ51の上面51aには、試料を収容する容器を保持するための収容部50が4列4行に並べられ合計16個形成されている。また、ホルダ51の1つの側面には、底面51bから上面51aにかけて延びる溝状の凹みとして係合部61が設けられている。ホルダ51の底面51bには、平面視して四角状の凸部51cが設けられている。ホルダ52~56は、係合部61のホルダ側面での幅方向の位置が相違する点を除き、ホルダ51と同じ形状を有する。
【0032】
上記のようにホルダ51~56およびアダプタ120a~120fを構成したことにより、ホルダ51~56はアダプタ120a~120fに所定の方向でのみ配置することができる。
【0033】
<測定装置>
測定装置200は、
図8に示すように、測定部280と、測定部280の動作を制御する制御ユニット279と、配置部240と、配置部240を着脱可能に支持する支持部290と、検出部80と、を備える。また、各部は箱体201に収容されている。
【0034】
配置部240には、試料調製装置100、100a、100bで調製済みの血液検体を収容した容器を保持したホルダ51~56が配置される。
【0035】
測定部280は、試料に対する光学的な測定を行うための光学測定部210と、配置部240に配置された血液検体を吸引し、光学測定部210に供給する吸引部271と、を備える。
【0036】
光学測定部210は、
図9に示すように、フローセル220と、光源231~234と、集光レンズ241~244と、ダイクロイックミラー251、252と、集光レンズ261と、光学ユニット262と、集光レンズ263と、撮像部264と、を備える。フローセル220の流路221には、試料が流される。
【0037】
光源231~234は、フローセル220を流れる試料に光を照射する。光源231~234は、半導体レーザ光源により構成される。光源231~234から出射される光は、それぞれ、波長λ201~λ204のレーザ光である。集光レンズ241~244は、それぞれ、光源231~234から出射された光を集光する。ダイクロイックミラー251は、波長λ201の光を透過させ、波長λ202の光を反射する。ダイクロイックミラー252は、波長λ201、λ202の光を透過させ、波長λ203の光を反射する。こうして、波長λ201~λ203の光が、ダイクロイックミラー252を介してフローセル220の流路221を流れる試料に照射される。また、波長λ204の光は、集光レンズ244を介してフローセル220の流路221を流れる試料に照射される。
【0038】
フローセル220を流れる試料に波長λ201の光が照射されると、細胞を染色している蛍光色素から波長λ211の蛍光が生じる。フローセル220を流れる試料に波長λ202の光が照射されると、細胞を染色している蛍光色素から波長λ212の蛍光が生じる。フローセル220を流れる試料に波長λ203の光が照射されると、細胞を染色している蛍光色素から波長λ213の蛍光が生じる。フローセル220を流れる試料に波長λ204の光が照射されると、この光は細胞を透過する。細胞を透過した波長λ204の光は、明視野画像の生成に用いられる。
【0039】
集光レンズ261は、フローセル220の流路221を流れる試料から生じた波長λ211~λ213の蛍光と、フローセル220の流路221を流れる試料を透過した波長λ204の光とを集光する。光学ユニット262は、例えば4枚のダイクロイックミラーが組み合わせられた構成、またはプリズムを有する。光学ユニット262は、波長λ211~λ213の蛍光と波長λ204の光とを、互いに僅かに異なる角度で反射し、撮像部264の受光面上において分離させる。集光レンズ263は、波長λ211~λ213の蛍光と波長λ204の光とを集光する。
【0040】
撮像部264は、例えばTDI(Time Delay Integration)カメラにより構成される。撮像部264は、波長λ211~λ213の蛍光と波長λ204の光とを撮像して、波長λ211~λ213の蛍光にそれぞれ対応した蛍光画像と、波長λ204の光に対応した明視野画像とを、撮像信号として出力する。
【0041】
制御ユニット279は、
図10に示すように、制御部270と、操作部272と、表示部273と、記憶部274と、通信部275と、を備える。制御部270は、CPUを備えて構成され、記憶部274に記憶されたプログラムを実行し、測定装置200の各部を制御する。記憶部274は、ROM、RAMおよびハードディスク等により構成される。操作部272は、マウスおよびキーボードにより構成され、オペレータによる測定装置200の開始指示などの各種操作を受け付ける。表示部273は、測定装置200の状態を表示する画面やオペレータの操作入力を受け付ける画面を表示する。通信部275は、試料調製装置100、100a、100bと接続する第1インターフェース276と、管理装置300と接続する第2インターフェース277とを含み、情報を送受信する。
【0042】
図11~
図13に示すように、配置部240は、ホルダ51~56のそれぞれを受け入れるアダプタ20a、20b、20c、20d、20e、20fを備える。6つのアダプタ20a~20fは、6つのホルダ51~56のそれぞれに対応した形状を有し、係合部62を備える。6つのアダプタ20a~20fにおいて、係合部62の形状は同一であるが、アダプタ内側面での幅方向の位置は互いに相違している。6つのホルダ51~56は、互いに隣接した状態で配置部240の内底面20を底面とする凹部に配置される。このとき、それぞれの係合部61と係合部62が係合し、各ホルダ51~56が配置部240の凹部内で位置決めされる。
図12に示すように、各ホルダ51~56は配置部240の凹部から上方に突出している。これにより、オペレータがホルダ51~56を容易に配置部240の凹部に着脱することができる。
【0043】
図13に示すように、配置部240の内底面20には、6つの凹部21~26が形成されている。6つの凹部21~26には、6つのホルダ51~56の底面に設けられている凸部(
図6の凸部51c)が嵌められる。また、6つの凹部21~26には、それぞれ貫通する孔21a~26aが形成されている。
【0044】
図12および
図13に示すように、支持部290は、配置部240が嵌められる凹部291を有し、配置部240を着脱可能に構成されている。オペレータは、配置部240を支持部290から取り外した状態で、配置部240上に6つのホルダ51~56を配置することができる。
図13に示すように、配置部240には、鍔部10a、10bが設けられており、オペレータが配置部240を持ち運ぶ際の把持部として利用される。また、配置部240は、一つの外側面に凹部17が設けられている。また、支持部290の凹部291には、一つの内側面に凸部77が設けられている。配置部240を支持部290にセットするとき、凸部77が凹部17に嵌め合わされるため、オペレータが配置部240が誤った向きで支持部290に取り付けてしまうことを防止できる。
【0045】
図13に示すように、支持部290は、支持枠70と、板部材40と、変位部材47とから構成される。支持枠70は、中央部分に開口部71が形成されており、開口部71に板部材40が嵌められる。支持枠70の向かい合う一組の側面72、73には、それぞれ、孔74、75が6つずつ設けられる。また、板部材40には上下方向に貫通する6つの孔41~46が形成されている。6つの孔41~46のそれぞれは、配置部240に設けられている6つの孔21a~26aのそれぞれに対向する位置に設けられている。これら6つの孔21a~26aおよび6つの孔41~46は、6つのホルダ51~56が配置部240に配置されているか否かを検出するために使用される。
【0046】
配置部240と支持枠70との間には、変位部材47が設けられている。変位部材47は、軸部48と外筒49とを備える。外筒49は、板部材40に固定して取り付けられる。各軸部48は、上下方向の中央部分が外筒49で覆われており、下端部が板部材40の6つの孔41~46のそれぞれに挿入され、上端部が配置部240の6つの孔21a~26aのそれぞれに挿入される。外筒49内部には、
図15(b)に示すように弾性体49aが挿入されている。軸部48は、例えばホルダ51が配置部240にセットされていない状態では、
図15(b)に示すように外筒49の上部に突出しており、ホルダ51が配置部240にセットされると、ホルダ51の重みで、
図15(c)に示すように、板部材40に設けられた孔41を通過して外筒49に対して下方に移動する。
【0047】
図14に示すように、測定装置200は、モータとレール機構により構成される移送機構82を備え、支持部290および配置部240を、箱体201の外部に位置する引き出し位置D1と、箱体201の内部に位置する受入位置D3との間で移送する。引き出し位置D1は、オペレータが配置部240を支持部290にセットする位置である。受入位置D3は、配置部240に保持された容器から吸引部271により調製後の試料を吸引する位置である。
【0048】
検出部80は、配置部240が引き出し位置D1から受入位置D3まで移送される間の検出位置D2において、配置部240に6つのホルダ51~56が配置されているか否かを検出する。検出部80は、発光器80aと受光器80bとを含んで構成されている。発光器80aはLEDであり、受光器80bは受光センサである。発光器80aは受光器80bに向かって光を照射するように配置されている。
【0049】
図15(b)に示すようにホルダが配置部240にセットされていない状態では、変位部材47の軸部48が発光器80aの光を遮ることなく、受光器80bにより受光される。一方、
図15(c)に示すようにホルダが配置部240にセットされている状態では、変位部材47の軸部48が発光器80aの光を遮り、受光器80bは受光しない。従って、検出部80は、受光器80bによる受光の有無によりホルダの有無を検出することができる。また、変位部材47および板部材40の孔41~46は、
図15(a)に示すように、配置部240が移送される方向において互いに相違する位置に設けられている。これにより検出部80は、ホルダ51~56のそれぞれの有無を検出することができる。
【0050】
<試料調製装置の処理>
続いて、試料調製装置の処理の例として、試料調製装置100の処理を、
図3および
図16に示すフローチャートを参照して説明する。
【0051】
試料調製装置100の制御部107は、測定項目情報取得工程S120において、配置部140に配置された血液検体の測定項目を、測定装置200を介して管理装置300に要求し、受信する。この処理は、
図2で示したステップS2の処理に該当する。
【0052】
この処理において、制御部107は、まず、配置部140における血液検体の位置情報と、検体IDとの対応付けを行う。説明の便宜のため、
図17に示すように、ホルダ51の横列を順にA、B、C、Dとして、縦列を順に1、2、3、4とし、計16個の収容部50の位置情報をホルダ51における位置に応じて、A-1、A-2、A-3、A―4、B-1、B-2・・・D-3、D-4としておく。ホルダ52についても同様に、計16個の収容部50の位置情報をホルダ51における位置に応じて、A-5、A-6、A-7、A-8、B-5、B-6・・・D-7、D-8としておく。ラック搬送部101のバーコードリーダ103が、ラック6に保持された試料容器5に貼付されたバーコードラベル2から検体IDを読み取ると、制御部107は、
図18に示すように、読み取った検体IDを、位置情報A-1から順に対応付けて記憶部109に記憶する。そして、制御部107は、通信部113を介して検体IDを測定装置200に送信する。
【0053】
その後、試料調製装置100の制御部107は、測定装置200から測定項目を受信し、
図18に示すように、位置情報および検体IDと対応付け、これらの情報セットをオーダ情報として記憶部109に記憶する。
【0054】
次に、試料調製装置100の制御部107は、ステップS121~ステップS125において、
図2で示したステップS4の処理に該当する、試料調製処理を実行する。
【0055】
試料調製装置100の制御部107は、ステップS121において、試料に対する熱変性前の処理を試料調製部105に行わせる。具体的には、制御部107は、ラック搬送部101によって搬送された試料容器5を、受取機構110によって開口部130aを介して遠心反応部130に取り込ませ、遠心反応部130および第1分注機構150により、遠心分離、上澄み除去、試薬分注の処理を実行させる。この処理において制御部107は、遠心分離の回数、回転速度などの条件、分注する試薬の種類を、記憶部109に記憶されたオーダ情報に含まれる測定項目に従って決定する。
【0056】
制御部107は、ステップS122において、搬送機構190により、予めオペレータにより配置部140にセットされたホルダ51を第1加温部170に搬送させ、第1分注機構150により、遠心反応部130に取り込まれた熱変性前処理済みの血液検体を開口部130bを介して吸引し、第1加温部170に搬送されたホルダ51上の容器7に吐出する。このとき、制御部107は、記憶部109に記憶した検体IDと位置情報のセットに従って、血液検体を吐出するホルダ51上の容器7を決定する。
【0057】
制御部107は、ステップS123において、第1加温部170、第2加温部180、遠心反応部130、第1分注機構150、および搬送機構190により、加温、遠心分離、上澄み除去、試薬分注の処理を実行させる。これにより、血液検体中の核酸と試薬とのハイブリダイゼーションが起きる。この処理において制御部107は、遠心分離の回数、回転速度などの条件、加温時間、分注する試薬の種類を、記憶部109に記憶されたオーダ情報に含まれる測定項目に従って決定する。
【0058】
制御部107は、ステップS124において、第1加温部170、第2加温部180、遠心反応部130、第1分注機構150、および搬送機構190により、加温、遠心分離、上澄み除去、試薬分注の処理を実行させる。これにより、血液検体中の測定を阻害する物質が除去される。この処理において制御部107は、遠心分離の回数、回転速度などの条件、加温時間、分注する試薬の種類を、記憶部109に記憶されたオーダ情報に含まれる測定項目に従って決定する。
【0059】
制御部107は、ステップS125において、遠心反応部130および第1分注機構150により、試薬分注の処理を実行させる。これにより、血液検体中の細胞核が染色される。この処理において制御部107は、染色に使用する試薬を、記憶部109に記憶されたオーダ情報に含まれる測定項目に従って決定する。
【0060】
制御部107は、ステップS126において、試料調製処理が完了した血液検体について、ステップS120で記憶部109に記憶したオーダ情報を測定装置200に送信する。
【0061】
<測定装置の処理>
次に、
図8、
図10、および
図19に示すフローチャートを参照して、測定装置200の制御部270での処理について説明する。まず、制御部270は、ステップS200において、
図16に示したステップS126において試料調製装置100の制御部107から送信されたオーダ情報を受信し、記憶部274に記憶する。この処理は、
図2で示したステップS6の処理に該当する。制御部270は、試料調製装置100aおよび100bからもオーダ情報を受信し、それらを
図20に示すように統合し、記憶部274に記憶する。
【0062】
制御部270は、ステップS201において、オペレータによる測定開始指示を、操作部272を介して受け付ける。制御部270は、ステップS202によって、検出部80によってホルダ51が検出されたか否かを判定する。
【0063】
ホルダ51が検出された場合(ステップS202:YES)、処理はステップS205に進み、ホルダ51が検出されなかった場合(ステップS202:NO)、処理はステップS203に進む。制御部207は、ステップS203において、ホルダ51が適切にセットされていない旨の表示を表示部273に表示させる。なお、ホルダ51が適切にセットされていない旨の報知は、表示部273への表示に限らず、例えばアラームを鳴動させても良い。制御部207は、ステップS204において、測定を中止するか否かを判定する。すなわち、制御部207は、ステップS204において、測定続行か測定中止かを選択する画面を表示部273に表示させ、オペレータが測定続行希望を選択した場合(ステップS204:NO)、処理をステップS202に戻し、オペレータが測定中止を選択した場合(ステップS204:YES)、処理を終了する。
【0064】
ステップS202においてホルダ51が検出された場合(ステップS202:YES)、制御部207は、ステップS205において、記憶部274に記憶されたオーダ情報を読み出し、検出部80によって検知されたホルダ上の位置情報に対応する測定項目を、測定対象の試料の測定項目として決定する。
【0065】
制御部270は、ステップS206において、測定部280により、試料を測定させ、得られた光学情報を解析し、分析結果を取得する。この解析処理において制御部207は、オーダ情報に含まれる測定項目に応じた解析アルゴリズムを用いる。
【0066】
制御部270は、ステップS207において、取得した分析結果を
図20に示した測定分析結果の欄に割り当てて記憶部274に記憶し、処理を終了する。
【0067】
以上説明したとおり、試料調製装置100、100a、100bのアダプタ120a~120fは、ホルダ51~56のうち特定のホルダに対応した形状を有するため、構造を複雑化せず、置き間違いを防ぎ、オペレータが所望する方法とは異なる方法で試料が調製されることを抑制できる。
【0068】
また、測定装置200のアダプタ20a~20fは、ホルダ51~56のうち特定のホルダに対応した形状を有するため、構造を複雑化せず、置き間違いを防ぎ、オペレータが所望する方法で試料を処理することができる。
【0069】
[変更例1]
図21(a)に示すように、6つのホルダ51~56に係合部61を設けるのではく、6つのホルダ51~56の形状全体が互いに異なるように、楕円状や多角形状、菱形状などとしてもよい。この場合にも、配置部240のアダプタ20a~20fは、ホルダ51~56のうち特定のホルダに対応した形状を有する。オペレータは、視覚的に6つのホルダ51~56の形状が異なることを容易に把握できるため、配置部240への置き間違いを確実に防止できる。
【0070】
[変更例2]
図21(b)に示すように、1つのホルダおよびアダプタに設けられる係合部61および係合部62は複数であってもよい。この場合にも、配置部240のアダプタ20a~20fは、ホルダ51~56のうち特定のホルダに対応した形状を有する。
【0071】
以上に説明した実施形態では、血液を対象に測定を行う例を示したが、尿など血液以外の試料に関して測定を行うように構成し得る。また、試料調製装置と測定装置と管理装置とは、適宜、専用回線、汎用ネットワーク、公衆ネットワークなどを介して接続するように構成し得る。また、測定装置は、管理装置や試料調製装置を兼ねるように構成し得る。
【0072】
また、上記実施形態では、測定装置は、管理装置から試料の測定項目を得たが、測定装置の入力部を介してオペレータが試料の測定項目を直接入力してもよい。また、CD-ROM等の記憶媒体に記憶されている情報を読み出すことにより、測定項目が測定装置に取得されてもよい。
【0073】
また、上記実施形態では、6つのホルダ51~56は全てが互いに相違する形状であったが、一部のホルダは互いに同一の形状としても良い。同様に、上記実施形態では、測定装置200の配置部240の6つのアダプタ20a~20fは全てが互いに相違する形状であったが、一部のアダプタは互いに同一の形状としても良い。たとえば、ホルダ52をホルダ51に代えて2つのホルダ51を用いるとともに、アダプタ20bをアダプタ20aに代えて2つのアダプタ20aを設けるようにしてもよい。この場合、2つのホルダ51の識別は、ホルダに符号や色付けをする、ホルダに識別情報を記憶したICチップを貼付する等により実現できる。
【0074】
また、上記実施形態では、アダプタ120b~120fは、それぞれの内周がホルダ51~56の外周と同一の形状を有しているが、アダプタの形状がホルダの形状に対応している限り、これには限定されない。例えば、ホルダ51が、2つ以上の係合部61を備えていても良い。この場合、1つの係合部61は、上記説明したとおりアダプタ120aの係合部62に係合する位置に設けられ、他の係合部61は、アダプタ120b~120fのいずれの係合部62にも係合しない位置に設けられる。
【符号の説明】
【0075】
1 試料測定システム
140、240 配置部
20a~20f アダプタ
47 変位部材
50 収容部
51~56 ホルダ
61、62 係合部
80 検出部
82 移送部
100 試料調製装置(試料処理装置)
105 試料調製部(処理部)
107 制御ユニット
113 通信部
150、160 分注機構
200 測定装置(試料処理装置)
210 光学測定部(測定部)
270 制御ユニット
275 通信部
280 測定部(処理部)
300 管理装置