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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-06
(45)【発行日】2024-02-15
(54)【発明の名称】平衡化されたタイヤ輪郭生成マシン
(51)【国際特許分類】
   B24B 5/36 20060101AFI20240207BHJP
   B29D 30/06 20060101ALI20240207BHJP
   B24B 5/50 20060101ALI20240207BHJP
   B24B 41/06 20120101ALI20240207BHJP
   B24B 49/12 20060101ALI20240207BHJP
   B24B 49/04 20060101ALI20240207BHJP
   B24B 47/20 20060101ALI20240207BHJP
【FI】
B24B5/36
B29D30/06
B24B5/50 Z
B24B41/06 J
B24B49/12
B24B49/04 A
B24B47/20
【請求項の数】 18
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019166917
(22)【出願日】2019-09-13
(65)【公開番号】P2020075344
(43)【公開日】2020-05-21
【審査請求日】2022-08-16
(31)【優先権主張番号】62/731,224
(32)【優先日】2018-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】597000191
【氏名又は名称】アクロン・スペシャル・マシナリー・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】AKRON SPECIAL MACHINERY INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】2740 Cory Avenue,Akron,Ohio ,U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【弁理士】
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ エイ リント
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン ディー ミッチェル
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム ピー ラフリン
【審査官】城野 祐希
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-135520(JP,A)
【文献】特開2017-200755(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24B 5/36
B29D 30/06
B24B 5/50
B24B 41/06
B24B 49/12
B24B 49/04
B24B 47/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の鉛直方向に延びる支柱を有するフレームと、
前記フレームに関連付けられ、タイヤを受容して回転させるように適合されたチャックアセンブリと、
前記フレームに関連付けられた研磨アセンブリと、
一端が釣り合い錘に接続され他端が前記研磨アセンブリに接続されたケーブルを有する平衡化アセンブリと、
を備え、
前記研磨アセンブリは、前記フレームに対して移動可能であり、前記チャックアセンブリによって回転される時に前記タイヤに接触して当該タイヤから材料を取り除くように適合された少なくとも1つの研磨要素を有している
ことを特徴とするタイヤ研磨機械。
【請求項2】
前記鉛直方向に延びる支柱の上端の近くに維持されたプーリ
を更に備え、
前記鉛直方向に延びる支柱は、内部支柱開口を有しており、
前記ケーブルは、前記プーリ上に受容されており、
前記釣り合い錘は、前記内部支柱開口内に受容されている
ことを特徴とする請求項1に記載のタイヤ研磨機械。
【請求項3】
前記フレームを支持する床によって支持された、前記研磨アセンブリの鉛直方向移動をアシストするための精密ボールネジを有するハウジングリフトアセンブリ
を更に備えたことを特徴とする請求項2に記載のタイヤ研磨機械。
【請求項4】
前記鉛直方向に延びる支柱は、鉛直方向に延びる少なくとも1つの支柱軌道を有しており、
前記研磨アセンブリは、前記少なくとも1つの支柱軌道に摺動可能に結合される少なくとも1つの支柱レールを有している
ことを特徴とする請求項3に記載のタイヤ研磨機械。
【請求項5】
前記精密ボールネジは、前記少なくとも1つの支柱軌道に沿って前記研磨アセンブリを移動させる
ことを特徴とする請求項4に記載のタイヤ研磨機械。
【請求項6】
前記研磨アセンブリは、
ハウジングと、
前記ハウジングの内外に移動可能な延長アームと、
を有しており、
前記延長アームは、前記少なくとも1つの研磨要素を保持している
ことを特徴とする請求項4に記載のタイヤ研磨機械。
【請求項7】
前記研磨アセンブリは、
前記ハウジングの側方から延在するハウジングブラケットと、
前記ハウジングブラケットにヒンジピンによって揺動可能に結合された支柱ブラケットと、
を更に有しており、
前記少なくとも1つの支柱レールは、前記支柱ブラケットから延在している
ことを特徴とする請求項6に記載のタイヤ研磨機械。
【請求項8】
前記鉛直方向に延びる支柱の上端縁から延在するプーリブラケット
を更に備え、
前記プーリは、前記プーリブラケットによって保持されており、前記プーリの外径は、前記内部支柱開口と整列されている
ことを特徴とする請求項2に記載のタイヤ研磨機械。
【請求項9】
複数の鉛直方向に延びる支柱を有するフレームと、
前記フレームに関連付けられ、タイヤを受容して回転させるように適合されたチャックアセンブリと、
前記フレームに関連付けられた研磨アセンブリと、
前記研磨アセンブリを保持する研磨アセンブリハウジングと、
前記フレームと前記研磨アセンブリとの間に介在されたブロックアセンブリと、
実質的に平行な長さ方向の複数のスロットを有するハウジング調整プレートと、
を備え、
前記研磨アセンブリは、前記フレームに対して移動可能であり、前記チャックアセンブリによって回転される時に前記タイヤに接触して当該タイヤから材料を取り除くように適合された少なくとも1つの研磨要素を有しており、
前記ブロックアセンブリは、第1状態において、前記フレームに対する前記研磨アセンブリの揺動移動を許容して、第2状態において、前記フレームに対する前記研磨アセンブリの固定位置を維持し、
前記複数のスロットのうちの各スロットが、当該スロットを通って前記研磨アセンブリハウジング内へと延在する調整ボルトを受容している
ことを特徴とするタイヤ研磨機械。
【請求項10】
前記研磨アセンブリハウジングは、当該研磨アセンブリハウジングから延在するハウジングブラケットを有しており、
当該タイヤ研磨機械は、
前記鉛直方向に延びる支柱の1つから延在する支柱ブラケットと、
前記支柱ブラケットに対する前記ハウジングブラケットの揺動移動を許容するピンと、
を更に備え、
前記ブロックアセンブリは、
前記ハウジングブラケットから延在する少なくとも1つのカラータブと、
前記支柱ブラケットから径方向に延在する少なくとも1つのブラケットブロックと、
前記ブラケットブロックに対して揺動的に移動可能な保持ブロックと、
を有しており、
前記保持ブロックは、前記第2状態で前記少なくとも1つのカラータブに係合し、前記第1状態で前記ハウジングブラケットの揺動的な移動を許容する、というように選択的に移動可能である
ことを特徴とする請求項9に記載のタイヤ研磨機械。
【請求項11】
前記少なくとも1つの保持ブロックによって保持された位置設定ネジ
を更に備え、
当該位置設定ネジは、前記第2状態で前記カラータブと接触する
ことを特徴とする請求項10に記載のタイヤ研磨機械。
【請求項12】
前記チャックアセンブリ内に受容可能なアダプタ
を更に備え、
前記ブロックアセンブリは、前記第1状態にある時、前記アダプタによって提供される既知の位置にまで前記少なくとも1つの研磨要素を位置調整するように、前記研磨アセンブリの移動を許容する
ことを特徴とする請求項10に記載のタイヤ研磨機械。
【請求項13】
前記研磨アセンブリハウジングと前記研磨アセンブリとの間に介在されたレベルアジャスタ
を更に備え、
前記レベルアジャスタは、取り付けプレートと、延長アームプレートと、を有しており、それらの両方が前記研磨アセンブリハウジングまたは前記研磨アセンブリのいずれかに取り外し可能に固定されており、前記アダプタの前記既知の位置に対する前記少なくとも1つの研磨要素の位置調整を許容する
ことを特徴とする請求項12に記載のタイヤ研磨機械。
【請求項14】
複数の鉛直方向に延びる支柱を有するフレームと、
前記フレームに関連付けられ、タイヤを受容して回転させるように適合されたチャックアセンブリと、
前記フレームに関連付けられた研磨アセンブリと、
前記チャックアセンブリ内に受容可能なアダプタと、
を備え、
前記研磨アセンブリは、前記フレームに対して移動可能であり、前記チャックアセンブリによって回転される時に前記タイヤに接触して当該タイヤから材料を取り除くように適合された少なくとも1つの研磨要素を有しており、
前記アダプタは、前記チャックアセンブリに対する既知の位置を有しており、前記タイヤから材料を取り除く時の参照点として利用するべく、前記既知の位置に対する前記少なくとも1つの研磨要素の位置調整を許容する
ことを特徴とする、タイヤ研磨機械と共に使用される較正アダプタ。
【請求項15】
前記フレームに取り付けられた少なくとも1つのレーザ
を更に備え、
当該少なくとも1つのレーザは、当該少なくとも1つのレーザの較正のために、前記チャックアセンブリ内に受容された前記アダプタを測定する
ことを特徴とする請求項14に記載の較正アダプタ。
【請求項16】
複数の鉛直方向に延びる支柱を有するフレームと、
前記フレームに関連付けられ、タイヤを受容して回転させるように適合されたチャックアセンブリと、
前記フレームに関連付けられた研磨アセンブリと、
前記研磨アセンブリに結合されたレベルアジャスタと、
を備え、
前記研磨アセンブリは、前記フレームに対して移動可能であり、前記チャックアセンブリによって回転される時に前記タイヤに接触して当該タイヤから材料を取り除くように適合された少なくとも1つの研磨要素を有しており、
前記レベルアジャスタは、前記チャックアセンブリ内に受容されたタイヤの回転面に略平行なレベル面内に前記少なくとも1つの研磨要素を位置決めするべく、選択的に緩められて締め付けられる
ことを特徴とする、タイヤ研磨機械と共に使用される研磨要素レベルアジャスタ。
【請求項17】
前記研磨アセンブリは、
ハウジングと、
前記ハウジングの内外に移動可能な延長アームと、
を有しており、
前記延長アームは、前記少なくとも1つの研磨要素を保持する研磨要素ハウジングを保持しており、
前記レベルアジャスタは、前記延長アームと前記研磨要素ハウジングとの間に介在されている
ことを特徴とする請求項16に記載の研磨要素レベルアジャスタ。
【請求項18】
前記研磨要素ハウジングに取り外し可能に固定され、当該研磨要素ハウジングに対して調整可能な取り付けプレートと、
前記取り付けプレートに取り外し可能に固定され且つ前記延長アームに固定された延長アームプレートと、
を更に備え、
前記取り付けプレート及び前記延長アームプレートは、平行であって前記チャックアセンブリ内に受容されたタイヤの回転面整列状態への前記少なくとも1つの研磨要素の位置決めを許容するよう、選択的に移動可能である
ことを特徴とする請求項17に記載の研磨要素レベルアジャスタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2018年9月14日に出願された米国特許仮出願第62/731,224号に対する優先権を主張する。当該出願は、当該参照によって、本明細書に組み込まれる(incorporated by reference)。
【0002】
[技術分野]
本発明は、タイヤ輪郭生成マシンに関する。より特定的には、本発明は、平衡化アセンブリによって支持された研磨アセンブリを用いるマシン(装置)に関する。更に特定的には、本発明は、隠された平衡化アセンブリによって支持された、正確な位置決め性能を伴う、研磨アセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
タイヤユニフォミティマシンにおいては、タイヤを各種の速度で回転させることによりタイヤが試験され、その結果、品質管理基準内で機能するように製造されることが保証される。このような試験プロセス中は、タイヤが回転し、且つ、タイヤユニフォミティマシンは、タイヤの完全性、形状及び表面品質を、測定レーザを用いて高精度で検査する。検査中に、ときおり、タイヤユニフォミティマシンは、タイヤの不規則性を検出する。タイヤの完全性、表面及び形状における如何なる不規則性も、タイヤの適切な部分から材料を取り除くことにより修正することができる。
【0004】
タイヤから材料を取り除くために、既知のタイヤユニフォミティマシンは、典型的には、タイヤの回転に関連して回転する複数の砥石を有する研磨アセンブリを用いている。実際に、2つの逆方向に回転する砥石がより円滑な表面をタイヤに提供することが見出されている。しばしば、モータ及びギアボックス装置が、各砥石の回転の速度及び方向を制御するのに使用される。その場合、モータは、ベルト又はチェーン及び一連のプーリ又はスプロケットによりギアボックス装置に接続される。ベルト又はチェーンを駆動するのに必要なモータ、及びギアボックス装置は、かさばるものであるので、タイヤに対して所望の位置に砥石を正確に置くことが難しいような程度にまで、モータのハウジングが突出してしまう。研磨装置を位置決めする限界領域に適合する1つの方法は、タイヤユニフォミティマシンの境界部から離れて、制限範囲で揺動するアーム上において、モータを研磨装置から遠方に取り付けることである。これにより、制限範囲で揺動するアームを回転(揺動)することで、タイヤの近くに砥石を位置決めすることができる。揺動アームの回転は、しかしながら、砥石をタイヤの中心に直接向けるものではないことがある。すなわち、砥石の中心線及び接触点は、タイヤに接線方向から接触するように弧状に移動することとなる。当業者は、揺動アームの揺動的な移動が、タイヤと砥石との両方の変化する半径に対して整列され正接された状態に砥石を保つことに制限される、ということを理解するであろう。
【0005】
砥石を良好に位置決めしてタイヤから材料を取り除くために、既知の研磨装置は、揺動アームに関して砥石を揺動的に支持している。この場合、砥石の位置は、揺動アームの間接的な目標を捕らえるように揺動することが可能である。このような揺動的な移動を提供するため、既知の研磨装置は、一連のリンク装置を含んでいる。機械加工の許容誤差のために、それぞれのリンクは、潜在的な誤差の原因となる。多数のリンクが使用されるときには、このような誤差が積み重なり、タイヤから材料を取り除くために砥石を正確に位置決めすることに関して、より重大な問題となる。さらに、これらのリンク装置は破損し易くなっており、その結果、マシンの停止時間が生じる。制限範囲で揺動するアームの更に別の欠点は、砥石を保持する端部の動きが、制限範囲を有することである。結果として、砥石が保守(メンテナンス)されるか交換される必要がある時、技術者は機械のフレームの中に自分自身を位置決めしなければならない。これにより、機械を保守することが、時間を要し且つ困難であり、このことは、砥石の不適切な取り付けにつながり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述したように、シングル(一重)又はデュアル(二重)の砥石を支持する揺動アームは、タイヤに関して1または複数の砥石を位置決めする際の不正確性の原因となる可能性がある。更に、揺動アームに対して砥石を揺動的に支持して、1または複数の砥石が揺動アームの回転の原因となるべく揺動し得るようにすることは、追加的な不正確性をもたらすことになる。別の不正確さは、研磨アセンブリの全体を鉛直方向に位置決めするために使用されるリフトアセンブリに起因し得る。研削アセンブリの重量と全体的なサイズとは、鉛直方向及び横方向に位置決めすることを難しくする。結果として、研磨アセンブリの位置を一貫して維持することが困難である。また、制限範囲で揺動するアームによって保持された砥石を保守することは、困難である。そのようなわけで、より容易に支持され、正確な位置決め及び保守作業にとって好適で、当該研磨アセンブリの鉛直方向及び横方向の位置決めが容易に維持され得る、という研磨アセンブリのニーズが存在する。また、砥石と測定レーザの較正された位置決めを可能にするアダプタを機械に提供するというニーズもある。また、砥石ハウジング及び/または揺動アームの位置ずれが生じた場合に、タイヤと平行な平面となるように砥石のレベル調整を可能にするというニーズもある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記記載に照らして、本発明の第1の態様は、平衡化されたタイヤ輪郭生成マシンを提供することである。
【0008】
本発明の別の態様は、複数の鉛直方向に延びる支柱を有するフレームと、前記フレームに関連付けられ、タイヤを受容して回転させるように適合されたチャックアセンブリと、前記フレームに関連付けられた研磨アセンブリと、一端が釣り合い錘に接続され他端が前記研磨アセンブリに接続されたケーブルを有する平衡化アセンブリと、を備え、前記研磨アセンブリは、前記フレームに対して移動可能であり、前記チャックアセンブリによって回転される時に前記タイヤに接触して当該タイヤから材料を取り除くように適合された少なくとも1つの研磨要素を有していることを特徴とするタイヤ研磨機械を提供することである。
【0009】
本発明の更に別の態様は、複数の鉛直方向に延びる支柱を有するフレームと、前記フレームに関連付けられ、タイヤを受容して回転させるように適合されたチャックアセンブリと、前記フレームに関連付けられた研磨アセンブリと、前記フレームと前記研磨アセンブリとの間に介在されたブロックアセンブリと、を備え、前記研磨アセンブリは、前記フレームに対して移動可能であり、前記チャックアセンブリによって回転される時に前記タイヤに接触して当該タイヤから材料を取り除くように適合された少なくとも1つの研磨要素を有しており、前記ブロックアセンブリは、第1状態において、前記フレームに対する前記研磨アセンブリの揺動移動を許容して、第2状態において、前記フレームに対する前記研磨アセンブリの固定位置を維持することを特徴とするタイヤ研磨機械を提供することである。
【0010】
本発明の更に別の態様は、複数の鉛直方向に延びる支柱を有するフレームと、前記フレームに関連付けられ、タイヤを受容して回転させるように適合されたチャックアセンブリと、前記フレームに関連付けられた研磨アセンブリと、前記チャックアセンブリ内に受容可能なアダプタと、を備え、前記研磨アセンブリは、前記フレームに対して移動可能であり、前記チャックアセンブリによって回転される時に前記タイヤに接触して当該タイヤから材料を取り除くように適合された少なくとも1つの研磨要素を有しており、前記アダプタは、前記チャックアセンブリに対する既知の位置を有しており、前記タイヤから材料を取り除く時の参照点として利用するべく、前記既知の位置に対する前記少なくとも1つの研磨要素の位置調整を許容することを特徴とする、タイヤ研磨機械と共に使用される較正アダプタを提供することである。
【0011】
本発明の更に別の態様は、複数の鉛直方向に延びる支柱を有するフレームと、前記フレームに関連付けられ、タイヤを受容して回転させるように適合されたチャックアセンブリと、前記フレームに関連付けられた研磨アセンブリと、前記研磨アセンブリに結合されたレベルアジャスタと、を備え、前記研磨アセンブリは、前記フレームに対して移動可能であり、前記チャックアセンブリによって回転される時に前記タイヤに接触して当該タイヤから材料を取り除くように適合された少なくとも1つの研磨要素を有しており、前記レベルアジャスタは、前記チャックアセンブリ内に受容されたタイヤの回転面に略平行なレベル面内に前記少なくとも1つの研磨要素を位置決めするべく、選択的に緩められて締め付けられることを特徴とする、タイヤ研磨機械と共に使用される研磨要素レベルアジャスタを提供することである。
【0012】
本発明のこれらの及び他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明、添付の特許請求の範囲、及び、添付の図面に関連して、より良好に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の概念に従う、平衡化アセンブリを備えたタイヤ研磨機械の正面図である。
図2】本発明の概念に従う、平衡化アセンブリを備えたタイヤ研磨機械の側面図である。
図3】本発明の概念に従う、平衡化アセンブリを備えたタイヤ研磨機械の平面図である。
図4】本発明の概念に従う、平衡化アセンブリを備えたタイヤ研磨機械のブロックアセンブリの平面図である。
図5】本発明の概念に従う、タイヤ研磨機械のブロックアセンブリの正面図である。
図6】本発明の概念に従う、タイヤ研磨機械と共に用いるための研磨機及びレーザ較正アダプタの断面図である。
図7】本発明の概念に従う、平衡化アセンブリを備えたタイヤ研磨機械のレベルアジャスタの分解図である。
図8】本発明の概念に従う、レベルアジャスタの側面図である。
図9】本発明の概念に従う、レベルアジャスタの平面図である。
図10】本発明の概念に従う、レベルアジャスタの背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係るタイヤ研磨機械は、概して、添付図面の図1乃至図3において符号10により示されている。研磨機械10は、概して、モータ駆動され得るコンベヤ12によって搬送されてくるタイヤを受容する。研磨機械10は、上チャックアセンブリ16と対向する下チャックアセンブリ18とを有するチャックアセンブリを支持するフレーム14を備えている。両アセンブリ16、18は、コンベヤ12によって搬送されてくるタイヤを捕捉して、当該タイヤを膨らませ、試験プロセスまたは他の要求によって決定された余剰の材料を取り除くべくタイヤ溝を研磨する目的で当該タイヤを回転させる。
【0015】
フレーム14は、正方形構造であり得る複数の鉛直支柱22を含んでいる。他の支柱形状が採用されてもよい。選択された支柱(ポスト)22は、当該支柱の全長に亘って延び得る内部支柱開口24を提供し得る。支柱22の少なくとも1つは、当該支柱の選択された側面に沿って、長さ方向に延びる支柱軌道26を含み得る。支柱22は、フレーム14に剛性を提供し、且つ、当該研磨機械に関連するチャックアセンブリ及び任意の他の構成要素の構造的支持を提供するために、クロスビーム28によって相互接続され得る。レーザ29が、タイヤが回転するときにタイヤの輪郭を測定する目的で、支柱22またはクロスビーム28によって保持され得る。レーザ29は、タイヤの精密な半径方向の測定値を検出するのに十分な感度を有する。これらの測定値は、研磨機械を制御して、所望の動作性能を満たすべくタイヤを精密に修正するように、利用され得る。
【0016】
少なくとも1つの研磨アセンブリ30が、研磨機械10に関連付けられ得て、図示の実施形態では、2つの研磨アセンブリが設けられている。詳細な説明が進むにつれて明らかになるように、図2に最もよく見られるように、研磨アセンブリ30は、フレーム14に対して鉛直方向に移動可能であり、チャックアセンブリ16、18の間に受容されるタイヤに対する当該研磨アセンブリの位置決めを許容する。研磨アセンブリは、当該ハウジング32の内外に水平方向に移動可能な延長アーム34を維持するハウジング32を含んでいる。各延長アームは、少なくとも1つの研磨要素36を含んでいる。当該要素は、図示のように、対をなして設けられてもよい。当業者はまた、当該要素が、少なくとも1つの砥石36、あるいは、バフ研磨ホイールとも呼ばれるフラッシュグラインダー36’と呼ばれ得て、図3に示すように延長アームの端部に位置決めされ得る、ということを理解するであろう。必要に応じて、タイヤのサイドウォール上の余分なフラッシュ(バリ)を除去するために、フラッシュグラインダー36’が採用され得る。延長アーム34の水平移動は、ハウジング内に実質的に維持された精密ボールネジ35を含み得て、それは、コントローラ(不図示)によって決定されるように余分な材料を取り除くべく、研磨要素36を、直線水平方向に、タイヤと接触するように及び接触解除するように径方向に移動させる。この水平方向の動きは、材料が取り除かれる深さと速度をも制御し得る。各研磨要素36は、モータ40によって回転される。研磨要素の動作は、概して、米国特許第7,381,114号に説明されている。当該特許は、当該参照によって、その全体の内容が本明細書に組み込まれる(incorporated by reference)。
【0017】
ハウジング調整プレート37が、ハウジング32の側面に隣接して配置されており、図3及び図5に最も良く見られ、それを貫通する一対の実質的に平行な長さ方向のスロット38を有し得る。調整ボルト39が、各スロットを通ってハウジング32内へと延在し得る。当該ボルト39は、調整プレート37から緩められ得て、ハウジング32が、説明される態様で当該機械内に収容されるタイヤの予想直径に対して、スライド可能で粗く位置決めされることを許容する。調整プレート37に一体的に取り付けられているのは、ヒンジピン44を支持するハウジングブラケット42である、ヒンジピン44は、支柱ブラケット48A、48Bによって受容されて回転可能に支持されている。上部支柱ブラケット48Aに関連する構成要素は、添字Aを含み、下部支柱ブラケット関連する構成要素は、添字Bを含む。ピン44は、調整プレート37、及びハウジングブラケット42、及び支柱ブラケット48に関連する他の構成要素、に対するハウジング32の揺動的な動きを許容するように、ブッシング及び/またはベアリングに関連付けられ得る。各支柱ブラケット48は、一対の支柱レール50を含み得て、当該一対の支柱レール50は、支柱22によって保持された支柱軌道26上に摺動可能に受容されて、その上で移動可能である。ヒンジピン44は、それが結合されている鉛直支柱22に対する研磨アセンブリ30の揺動的な水平運動を許容する。当業者は、支柱レール50が、支柱軌道26との摺動可能な係合の観点で、支柱22に対する研磨アセンブリの摺動可能な鉛直運動を許容する、ということを理解するであろう。排気システム52が、タイヤから研磨された材料を研磨機械から遠ざけるように収集して移動させるべく、研磨要素36と反対側のハウジング32の端部から延在し得る。
【0018】
図3に見られるように、幾つかの実施形態では、フレームに対するハウジングの精細な位置調整を許容する目的で、ストップボルトアセンブリ54が、ハウジング32上に取り付けられ得て、ハウジング調整プレート37と関連付けられ得る。ボルトキャリア55が、ハウジング32から横方向に伸びており、当該ボルトキャリア55は、鉛直ポストに対する研磨アセンブリの望まれない横方向のまたは揺動的な運動を防止するために採用され得るネジ付きストップボルト56を受容する内部ネジ(雌ネジ)を有する。プレートタブ57が、調整プレート37から延びており、ストップボルト56の受け入れを許容する内部ネジ(雌ネジ)を有している。ストップボルト上及びプレートタブ57の片側上に、一対の位置決めナット58が配置されている。ユニフォミティマシンに受容されるタイヤに対するハウジング32の位置決めの際、関連付けられたストップボルトアセンブリ54の一部であるストップボルト56が回転され得て、ハウジング32をフレーム14内でフレーム14に対して位置決めすることができる。換言すれば、ハウジングは、タイヤユニフォミティマシンに受容されることが予想されたタイヤに対する所望の半径方向位置に、横方向に位置決めされ得る。位置決めナット58を緩めると、ストップボルトが回転されることが許容され、これにより、ボルトキャリア55とハウジングが移動する。所望の位置が得られたら、ボルトをプレートタブ57に締め付けるべく、位置決めナット58が使用され得る。次に、ハウジング調整プレート37をハウジング32に固定するべく、調整ボルト39が締め付けられ得る。ボルトとナットの締め付けのシーケンスは、所望の位置調整に応じて切り替えられ得る。
【0019】
次に、図1乃至図3を参照して、研磨アセンブリ、特にハウジング32は、全体的に符号60で示されたハウジングリフトアセンブリに結合され得る、ということが理解され得る。ハウジングリフトアセンブリ60は、床によって支持されたリフトハウジング62を含み得る。床は、タイヤ研磨機械のフレームをも支持している。リフトハウジング62は、精密ボールネジ64を含み得て、当該精密ボールネジ64は、上下方向に移動し、隣接する鉛直支柱22と実質的に鉛直方向に整列される。精密ボールネジ64の一端部には、連結端66があり、ハウジング32にヒンジ結合された支柱ブラケット48の下側に接続されている。当業者は、コントローラ(不図示)が、精密ボールネジ64の起動を制御して、上下のチャックアセンブリ16、18の間に捕捉されるタイヤに対してハウジング及び研磨アセンブリを鉛直方向に位置決めする、ということを理解するであろう。当業者は、また、前述の精密ボールネジ装置の代わりに、0.001インチ以下のインクリメント(増分)で精密な動きを提供する他のタイプの機構も使用され得る、ということを理解するであろう。ハウジングリフトアセンブリは、必要に応じて、タイヤトレッドまたはタイヤサイドウォールおよび/またはフラッシュ材料の選択された部分を取り除くために、研磨要素を所望の方向に移動するためにも利用され得る。
【0020】
平衡化アセンブリは、全体的に符号70で示され、研磨アセンブリ30、特に支柱ブラケット48及びハウジング32に関連付けられた構造的特徴、に関連付けられるか、または、結合されている。特に、当該アセンブリ70は、ブラケットアイレット72を含み得る。当該ブラケットアイレット72は、支柱ブラケット48またはハウジング32の他の部分から、適切と考えられるように延在し得る。ケーブル76が、アイレット72から延びており、当該ケーブル76の一端がブラケットアイレットに固定されている。
【0021】
アセンブリ70の一部であり得るプーリブラケット78が、一実施形態において、鉛直支柱22の上端に取り付けられ得る。プーリ80が、プーリブラケット78内に回転可能に維持される。プーリ80は、ケーブル76を受容しており、ケーブル76の反対側の端部は、錘アイレット82に接続されている。錘アイレット82には、釣り合い錘84が固定されており、当該釣り合い錘84は、鉛直支柱22の内部支柱開口24内に摺動可能に受容されている。釣り合い錘84は、研磨アセンブリ30及びその関連構成要素と概ね同じ重量を有している。従って、当業者は、釣り合い錘がリフトアセンブリ60によって要求されるリフト力の量を減らし、それが必要に応じて研磨アセンブリの精細な鉛直方向移動を可能にする、ということを理解するであろう。
【0022】
次に、図3乃至図5を参照して、ブロックアセンブリが、全体的に符号90で示されている、ということが理解され得る。説明が進むにつれて明らかになるように、ブロックアセンブリは、フレームに対するハウジングの角度位置を固定する一方で、ハウジング32及び関連する研磨要素が、鉛直支柱22によって画定される境界内で研磨機械10の内部領域から離れるように揺動されることを許容する。この揺動(旋回)により、技術者は、研磨要素及び関連するモータ40に容易にアクセスすることができる。これにより、ユニフォミティマシンの内部領域内から保守作業を行う必要無しで、これらの構成要素に対して安全に保守作業が実行され得る。これは、構成部品の交換に一貫性をもたらし、モータ40及び研磨要素36の適切な動作を保証する。いずれの場合でも、ブロックアセンブリ90は、ピンカラー92を含み、当該ピンカラー92は、それに関連するブッシング及び/またはベアリングによって、ヒンジピン44上で揺動可能である。ハウジング調整プレート37には、対向するカラーブラケット94A、94Bが固定及び/または溶接されている。ピンカラー92は、カラーブラケット94A、94Bの間でそれらに接続されている。従って、ハウジング32は、調整プレート37、カラーブラケット94及びピンカラーを互いに一体的に接続することにより、ピン44に対して揺動可能である。当業者は、一方がピンカラー92の上縁(94A)に設けられ、他方がピンカラーの下縁(94B)に設けられる、という一対のカラーブラケット94があり得る、ということを理解するであろう。前述のように、上部カラーブラケット94に関連付けられた上部の構成要素は、大文字Aを添字に使用し、下部カラーブラケット94及びそれに関連付けられた構成要素は、大文字Bを添字に使用している。
【0023】
カラータブ96Aは、ピンカラー92の上縁から半径方向に延び得て、対応するカラータブ96Bは、同様に、カラータブ96Aと同じ角度配向でピンカラー92の下縁から延び得る。各カラータブ96は、一方側が位置側97であり、反対側が制限側98である。
【0024】
図3に最もよく見られるように、支柱ブラケット48は、対応する鉛直支柱22から延びている。実際、一対の支柱ブラケット48A、48Bは、対応する鉛直支柱から延びてピン44及びブロックアセンブリの後述される他の構成要素のうちの選択された構成要素を支持している。
【0025】
各支柱ブラケット48は、そこから半径方向に延びるブラケットブロック100を提供し、当該ブラケットブロック100を貫通して延びるブロック穴102を提供する。各ブラケットブロック100に揺動可能に連結されているのは、キャリアブロック104であり、当該キャリアブロック104は、それを貫通するブロック穴106を提供し、ブロック穴102と整列されている。ブロックネジ108が、ブロック穴102、106を貫通している。ブロックネジ108が締め付けられると、キャリアブロック104は固定位置に維持される。一方、ブロックネジ108が緩められると、キャリアブロック104は、後述されるように、所望の方向に揺動または旋回され得る。
【0026】
各キャリアブロック104は、ブロック穴102とは反対側の当該キャリアブロックの端部にあって当該キャリアブロック104を貫通して延びる位置穴110も提供している。位置穴110内には、位置設定ネジ112が受容されて貫通して延びている。当業者は、キャリアブロック104内の位置設定ネジ112の位置調整を許容するべく、位置穴110に雌ネジが設けられ、位置設定ネジ112に雄ネジが設けられ得る、ということを理解するであろう。位置設定ネジ112は、対応するカラータブ96の位置側97と接触し得る平坦面113をも提供し得る。保持ナット114が、位置設定ネジ112上に受容され得て、位置設定ネジを位置穴110内の所望の位置に保持するために利用される。
【0027】
制限ブロック120が、対応する上下の支柱ブラケット48から半径方向に延在し得る。各制限ブロック120は、それを貫通するブロック穴122を有している。ブロック穴122には、雌ネジが設けられている。各穴122は、当該穴122内で当該設定ネジ124の位置調整を許容するために雄ネジが設けられたブロック設定ネジ124を受容する。各設定ネジ124は、カラータブ96、特に制限側98、に接触し得る平坦面126を提供する。保持ナット128が、設定ネジ124上に設けられ得て、設定ネジの位置を制限ブロック120に対して所定の位置に係止し得る。本実施形態では、一対の支柱ブラケット48A、48Bが図示されて説明されているが、幾つかの実施形態では、単一のブラケットブロック、キャリアブロック、位置設定ネジ、カラータブ、及び制限ブロックが使用され得て、関連付けられた鉛直支柱に対するハウジングの角度位置の調整及び固定を許容する、ということが理解されよう。
【0028】
関連付けられた支柱22に対するハウジング32の角度位置は、ブロックアセンブリ90を使用することにより、変更または調整され得る。これは、位置設定ネジ112、124を最初に緩めて後退させて、ハウジングの揺動移動中のカラータブ96の動きを妨げないようにすることによって、なされる。揺動移動が妨げられないことを更に確実にするために、キャリアブロック104がカラータブ96の経路の外へと揺動され得るように、ブロックネジ108が緩められる。キャリアブロック104Aの例では、キャリアブロックが上方で揺動(旋回)され、キャリアブロック104Bの例では、キャリアブロックは下方で揺動(旋回)される。これらの位置では、ハウジングが外向きに機械フレームから離れるように揺動され得て、ハウジング内の研磨要素及び関連付けられたモータ及び任意の他の構成要素の保守作業を許容する、ということが理解されよう。更に、カラータブ96が制限ブロック120と接触する時、揺動可能な動きが制限される、ということが理解されよう。結果として、ハウジングは、フレーム内で所定量だけ揺動することができ、支柱によって画定されたフレームの制限または境界の外側で回転され得る。
【0029】
保守(整備)作業が完了すると、ハウジングは回転されて機械内の一般的な位置に戻される。以下で更に詳細に説明されるように、全ての較正が完了すると、ブロックアセンブリが使用されて、ハウジングを所定の位置に固定し、その位置を保証して、反復可能な研磨作業を提供する。いずれの場合も、ハウジングの角度位置が設定されると、キャリアブロック104は回転されて元の位置に戻り、それぞれの位置設定ネジ112がカラータブ96と係合するように整列される。このとき、設定ネジは内側に回転され、それぞれの平坦面113がカラータブの位置側97に接触する。同様に、ほぼ同時に、ブロック設定ネジ124が内側に回転され得て、それぞれの平坦面126がカラータブ96の制限側98に接触し得る。次に、保持ナット128、114が締め付けられ得て、ヒンジピン44に対するピンカラー92の揺動可能な位置が所定の位置に固定され得る。
【0030】
ここで図6を参照すると、研磨機(グラインダ)-レーザ較正アダプタが、全体的に符号150で示されている、ということが理解され得る。アダプタ150は、研磨機械10、特に上部チャックアセンブリ16、に取り付けられ得る。アダプタ150は、上部チャックアセンブリ16に固定される取り付けベース154を提供するアダプタ本体152を含む。環状側壁156が、取り付けベース154から下向きに延びている。取り付けベース154は、上部チャックアセンブリ16の対応する構成要素内に受容され得る取り付け穴160を提供している。取り付けリング166が、取り付け穴160の周りに環状に延びており、チャックアセンブリ内に受容されて、チャックアセンブリ内のアダプタ150の既知の位置を提供している。取り付け穴160の外周の半径方向周りに取り付けベース152を貫通する多数の取り付け穴162が設けられていて、アダプタ150をチャックアセンブリに確実に取り付けることができるように、ファスナが当該取り付け穴162内に位置決めされ得る。
【0031】
較正溝170が、側壁156の周りに所定量だけ半径方向内側に延びている。当業者は、チャックアセンブリ内に受容されるタイヤの正確な位置決め及び測定を保証するべく、側壁156が、フレームに取り付けられ得るレーザ29または複数のレーザを較正するために提供される正確な既知の寸法を提供する、ということを理解するであろう。同様に、較正溝170は、ハウジング32によってそれぞれの位置に保持される砥石の正確な鉛直方向及び半径方向の位置決めを許容するために、使用される。精密ボールネジ35、64によって提供される既知の位置で砥石が較正されると、ハウジングは、ブロックアセンブリ90及びストップアセンブリ54の使用により所定の位置に固定される。幾つかの実施形態では、溝170は、フラッシュグラインダまたはバフ研磨ホイールに対応する輪郭または形状に置換され得る。
【0032】
次に、図1図3図7乃至図10を参照して、研磨要素レベルアジャスタが、符号200で示されており、延長アーム34と研磨アセンブリ30との間に結合されている、ということが理解され得る。一般に、レベルアジャスタの目的は、研磨要素が、研磨機械内に受容されるタイヤの回転面に略平行なレベル面内(水平面内)にあることを保証することである。更に、アジャスタ200は、研磨要素36の位置調整を許容して、それらが較正溝170内に適切に着座され得るように、最初は緩められている。研磨要素が適切に着座されたら、アジャスタ200は所定位置に固定されて、研磨要素を所望のレベル面位置に維持する。以下の説明で用いられるように、「鉛直」及び「水平」という用語は、研磨要素が方向付けられる平面に対して使用されている。そのため、水平という用語、またはその派生語(バリエーション)は、要素の回転面と実質的に平行であり、鉛直という用語、またはその派生語(バリエーション)は、要素の回転面と実質的に直交している。これらの用語は、関連する図面を検討する際の参照用のものであり、限定するものとして解釈されるべきではない、ということが理解されよう。
【0033】
図7乃至図10に最も良く示されているように、レベルアジャスタ200は、モータ40及びそれらに関連する研削要素36を保持する研磨要素ハウジング202を含んでいる。当該ハウジングは、要素を取り囲む上面、底面、背面、及び、対向する側面を有しており、ハウジング面204が、当該ハウジング202の前方側にある。ハウジング面204は、ハウジング開口部206を提供し、当該ハウジング開口部206から、研磨機械内に取り付けられるタイヤとの接触を可能にするために要素が部分的に延びている。ハウジング202の後部は、ハウジング面204の反対側にあるハウジングバックプレート210を提供し得る。デブリ開口部212が、当該バックプレート210を貫通して延在し得る。ハウジングバックプレート210は、雌ネジが形成され得る複数の外側バックプレート穴214を提供する。図面に示されるように、ハウジングバックプレート210の各側に互いに実質的に鉛直方向に整列された3つの外側バックプレート穴214がある。更に、当該3つの鉛直方向に整列された外側バックプレート穴214の各々がハウジングバックプレートの他側にある対応するバックプレート穴と水平方向に整列されている、ということが理解されよう。バックプレート210はまた、雌ネジが設けられ得て、互いに水平に整列され得て、最下の2つの外側バックプレート穴214と幾らか水平方向に整列され得る、2つの内側バックプレート穴218を提供し得る。幾つかの実施形態では、バックプレート210によって保持されるインサート219が設けられ得て、そこに穴214、218が形成される。これらのインサート219は、ハウジング202で通常使用され得るよりも硬い材料を提供するために、利用される。ハウジング202は、アセンブリ全体の重量を減らすために、アルミニウムまたは同様の材料で構成されてもよい。
【0034】
取り付けプレート220が、ハウジングバックプレート210に取り外し可能に固定可能であり得て、後述されるように、研磨要素を水平にする目的で、それに対してわずかに調整可能であるように構成される。いずれの場合でも、取り付けプレート220は、デブリ開口部212を介してハウジング202の内部領域に隣接する真空開口部222を提供する。当業者に理解されるように、研磨要素の回転によって生成される任意のデブリが、延長アーム34内に維持される真空システムによって、デブリ開口部212及び真空開口部222を通して、引き出され得る。取り付けプレート220には、ハウジング202の下底縁部に嵌合または入子になる水平背面段部224が設けられ得る。取り付けプレート220を通って、ネジ切りされ得る複数の外側取り付けプレート穴226が延在している。外側取り付けプレート穴226の各々は、対応する外側バックプレート穴214と位置的に整列されている。従って、鉛直方向に整列された外側バックプレート穴214とも整列された、3つの実質的に鉛直方向に整列された外側取り付けプレート穴226がある。真空開口部222の各側において、一対の内側取り付けプレート穴230が、取り付けプレート220を貫通して延びている。取り付けプレート220の各側に2つの穴230があり、真空開口部222の縁と外側取り付けプレート穴226との間に位置決めされている。また、一対の取り付けプレート調整スロット232が、取り付けプレート220を貫通して延びている。これらのスロットは、ネジ切りされておらず、それらの中心位置は、各側の内側取り付けプレート穴230と鉛直方向に整列されている。各調整スロット232は、他のスロットと水平方向に整列され得る。取り付けプレート220は、当該取り付けプレートに対して凹面を提供するアームプレートポケット234をも提供する。当該ポケットは、互いに対して鉛直方向に向けられたポケット段部236によって形成されている。ポケット段部236は、各々が、鉛直方向に整列された外側取り付けプレート穴226と、鉛直方向に整列された内側取り付けプレート穴230及び取り付けプレート調整スロット232と、の間に位置決めされている。複数の調整タブ240が、取り付けプレートの表面から延びており、各タブは、設定ネジ244を受容するべく、それを貫通するネジ付きタブ穴242を有する。設定ネジ244は、水平方向に向けられるように構成されている。更に、タブ240の縁部は、ポケット段部236と整列されており、取り付けプレートの上下の鉛直方向縁部の近くに位置決めされている。
【0035】
取り付けプレート220及びハウジングバックプレート210に取り外し可能に固定され得る延長アームプレート250は、延長アーム34の一端部に溶接または他の方法で固定され得る。延長アームプレート250は、それを貫通するプレート穴252を提供する。これは、取り付けプレート220のデブリ開口部212及び真空開口部222と整列(位置合わせ)され、デブリの除去を許容する。延長アームプレート250は、2×3アレイの延長アームプレート調整スロット256を提供する。換言すれば、プレートの両側端縁において、3つの鉛直方向に整列されたスロット256があり、プレートの鉛直方向端縁とプレート穴252の隣接端縁との間に位置決めされている。更に、それぞれのスロット256は、取り付けプレート220の内側取り付けプレート穴230及び調整スロット232、並びに、ハウジングバックプレート210の内側バックプレート穴218、と整列されている。プレート220の各鉛直方向の端縁には、延長アームプレート250の上下の水平端縁から延びる一対の調整タブ258が取り付けられている。各タブ258は、対応する設定ネジ262を受容するネジ付きタブ穴260を提供し、設定ネジは鉛直方向に向けられている。
【0036】
図8乃至図10に最も良く示されているように、延長アームプレート250は、取り付けプレート220に取り外し可能に結合され得て、それは、次いで、ハウジングバックプレート210に取り外し可能に結合され得る。複数の外側ファスナ268が、取り付けプレート220の取り付けプレート穴226を貫通して延びてバックプレート210の固定のため外側バックプレート穴214内に至るように、採用されている。ワッシャ270が、ハウジングバックプレート210への取り付けプレート220の取り付けを容易にするために、外側ファスナと共に使用され得る。
【0037】
対応するワッシャ276によって支持され得る一対のハウジングプレート内側ファスナ274が、下方の一対の調整スロット256、及び、取り付けプレート調整スロット232を貫通して延び、内側バックプレート穴218内に受容される。従って、取り付けプレート220は、所望の位置が受容されるまで、ハウジングプレート内側ファスナ274を緩めることにより、ハウジングバックプレート210に対して位置的に調整され得る。この調整に関連して、複数の粗い調整ファスナ280が、内側プレート取り付け穴230内での受容のために、延長アームプレート調整スロット256を貫通して延在し得る。当該ファスナ280が緩い状態にある時、延長アームプレート250は、取り付けプレート220に対して摺動可能に位置決めされ得る。当業者は、更に、延長アームプレート250によって保持される設定ネジ262及び取り付けプレート220によって保持される設定ネジ244を使用して、取り付けプレート220に対して延長アームプレート250を位置決めすることもできる、ということを理解するであろう。
【0038】
動作中、延長アームと本実施形態では砥石である研磨要素とが、前述のような較正アダプタ150に対して位置決めされる。これを達成するために、取り付けプレート220が、最初に、外側ファスナ268を使用してハウジングバックプレート210に固定される。次に、延長プレート250が、ハウジングプレート内側ファスナ274を使用して、取り付けプレート220及びバックプレート210に取り付けられる。これにより、取り付けプレート220とバックプレート210との間の粗い量の動きが可能になる。次に、粗い調整ファスナ280がスロット256に挿入され、対応する穴230に受け入れられる。次に、図面に示されるように、延長アームプレート250の鉛直縁部と接触するように設定ネジ244が締め付けられて、取り付けプレート220の水平縁部と接触するように設定ネジ262が調整される。このようにして、砥石が較正アダプタの溝内に位置決めされる時、ハウジング202の位置調整は、所望の位置が得られるように、ファスナ及び調整設定ネジの様々な緩め及び締め付けによって行われ得る。一度所望の位置が得られたら、ファスナとネジとがさらに締め付けられ得て、較正アダプタに対するハウジングの位置を所定の位置にロックする。そのような形態は、研磨機械内に受け入れられるタイヤに対する砥石の適切な整列(アライメント)が得られ得るという点で、有利である。砥石のこの平行且つ面内での回転整列は、製造中に延長アームまたは研磨要素ハウジングにおける変形が発生した場合に、または機械の連続運転中に発生する不整列の問題の結果として、必要とされる。砥石ではない研磨要素に対しても、同様の較正が行われ得る。当業者は、幾つかの実施形態では、延長アームプレート及び取り付けプレートの特徴を切り替えることができる、ということを理解するであろう。
【0039】
本発明の利点は、容易に明らかである。平衡化アセンブリ70を使用することで、精密ボールネジ64にかかる応力がはるかに小さくなり、研磨要素のより微細な鉛直位置移動が可能になる。また、タイヤトレッドまたはタイヤサイドウォールに対する研磨アセンブリ30のより正確な配置を容易にする。当業者は、必要に応じて研磨アセンブリ30を適切に平衡化(バランス)させるために、釣り合い錘84に対するブラケットアイレット72の配置が採用され得る、ということを更に理解するであろう。更に、釣り合い錘の鉛直支柱内への配置は、釣り合い錘を隠して、その動きと干渉することを防ぐ。更に、釣り合い錘の隠蔽は、移動中に手や指が当該錘によって挟まれることを防ぐことにより、安全機能を提供する。そして、ケーブル76が破損した場合、重量は支柱内に収容される。
【0040】
本発明の更なる利点は、ハウジング及び関連する研磨要素の角度位置を上下のチャックアセンブリ16の中心線に適切に位置決めするために、ブロックアセンブリ90をストップアセンブリ54と共に使用することである。更に、ブロックアセンブリの使用により、フレーム14の外側でのハウジング及び研磨アセンブリの旋回運動が可能になり、研磨要素及び関連する構成要素の整備が可能になる。グラインダ及びレーザ較正アダプタ150と共にブロックアセンブリ及びストップアセンブリを使用すると、チャックアセンブリ間に受け入れられる任意のタイヤに対して研磨要素を正確に位置合わせ(アライメント)することができる。このようにして、ハウジングの直線的な鉛直移動及びハウジング内での研磨要素の直線的な横方向調整により、レーザによって得られる測定によって決定される過剰な材料の正確な除去を得るべく、研磨要素の正確な位置決めを得ることができる。
【0041】
従って、本発明の目的が以上に提示された構造及びその使用方法によって満たされることが、理解され得る。特許法に従って、最良の実施形態及び好適な実施形態のみが提示され詳細に説明されたが、本発明はそれらに限定されないことが理解される。本発明の真の範囲および広さを理解するためには、以下の特許請求の範囲が参照されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10