(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-06
(45)【発行日】2024-02-15
(54)【発明の名称】ブレーカボックスアセンブリ
(51)【国際特許分類】
F16K 27/00 20060101AFI20240207BHJP
F16K 17/28 20060101ALI20240207BHJP
【FI】
F16K27/00 D
F16K17/28
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019168342
(22)【出願日】2019-09-17
【審査請求日】2022-06-16
(32)【優先日】2018-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519336850
【氏名又は名称】ゲオルク フィッシャー セントラル プラスティックス エル・エル・シー
【氏名又は名称原語表記】Georg Fischer Central Plastics LLC
【住所又は居所原語表記】39605 Independence Street, Shawnee, OK 74804, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マイケル ディー. スミス
(72)【発明者】
【氏名】トマス ジー. ヴィーリー
【審査官】橋本 敏行
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2004/0194834(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02821712(EP,A1)
【文献】実開昭57-056266(JP,U)
【文献】米国特許第04635680(US,A)
【文献】国際公開第95/005554(WO,A2)
【文献】米国特許第05704391(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 17/18-17/42
27/00-27/12
37/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブレーカボックスアセンブリ(12)において、
互いに取外し可能に取り付けられた複数のブレーカモジュール(18a,18b,18c,18d,18e,18f)を備え、各ブレーカモジュールは、本体(24)と、該本体内に配置された第1の弁アセンブリ(26)とを有し、前記本体は、入口(32)と、第1および第2の出口(36,34)とを有し、前記第1の弁アセンブリは、流体が、前記第1および第2の出口へ流れることを許容する第1の位置と、流体が、前記第1の出口へ流れることを妨げかつ前記第2の出口へ流れることを許容する第2の位置との間で可動であ
り、
前記第1の弁アセンブリは、該第1の弁アセンブリの上流の第1の領域(78)と、前記第1の弁アセンブリの下流の第2の領域(80)との差圧が所定の値を超えたとき、前記第1の位置から前記第2の位置へ移動する、
ブレーカボックスアセンブリ(12)。
【請求項2】
前記所定の値は、ブレーカモジュールごとに異なる、請求項
1記載のブレーカボックスアセンブリ。
【請求項3】
前記第1の出口は、それぞれの機器(14a,14b,14c,14d,14e,14f)と流体連通している、請求項
1記載のブレーカボックスアセンブリ。
【請求項4】
前記第2の出口は、それぞれのブレーカモジュールの入口と流体連通している、請求項
3記載のブレーカボックスアセンブリ。
【請求項5】
各ブレーカモジュールは、前記第1の出口と流体連通しかつそれぞれの機器の上流に配置された管アセンブリ(28)を有する、請求項
4記載のブレーカボックスアセンブリ。
【請求項6】
前記管アセンブリは、前記第1の出口を通って流れる流体が、前記管アセンブリを通って流れることを妨げる第1の位置と、前記第1の出口を通って流れる流体が、前記管アセンブリを通って流れることを許容する第2の位置との間で、前記第1の弁アセンブリとは独立して可動な第2の弁アセンブリ(68)を有する、請求項
5記載のブレーカボックスアセンブリ。
【請求項7】
各ブレーカモジュールの前記本体は、前記第1の弁アセンブリが前記第1の位置から前記第2の位置へ移動したことを示す印(84)を有する、請求項
6記載のブレーカボックスアセンブリ。
【請求項8】
各ブレーカモジュールの前記本体の入口部分(45)は、該入口部分に形成された溝(46)を有し、シーリング部材(48)が前記溝内に配置されている、請求項1記載のブレーカボックスアセンブリ。
【請求項9】
前記流体は、天然ガスである、請求項1記載のブレーカボックスアセンブリ。
【請求項10】
ブレーカボックスアセンブリ(12)において、
互いに流体連通した複数のブレーカモジュール(18a,18b,18c,18d,18e,18f)を備え、各ブレーカモジュールは、本体(24)と、該本体内に配置された第1の弁アセンブリ(26)とを有し、前記本体は、入口(32)と、第1および第2の出口(36,34)とを有し、前記第1の弁アセンブリは、流体が、前記第1および第2の出口へ流れることを許容する第1の位置と、流体が、前記第1の出口へ流れることを妨げかつ前記第2の出口へ流れることを許容する第2の位置との間で可動であ
り、
前記第1の弁アセンブリは、該第1の弁アセンブリの上流の第1の領域(78)と、前記第1の弁アセンブリの下流の第2の領域(80)との差圧が所定の値を超えたとき、前記第1の位置から前記第2の位置へ移動する、
ブレーカボックスアセンブリ(12)。
【請求項11】
前記所定の値は、前記ブレーカモジュールごとに異なる、請求項
10記載のブレーカボックスアセンブリ。
【請求項12】
前記第1の出口は、それぞれの機器(14a,14b,14c,14d,14e,14f)と流体連通している、請求項
10記載のブレーカボックスアセンブリ。
【請求項13】
前記複数のブレーカモジュールは、互いに取外し可能に取り付けられている、請求項
12記載のブレーカボックスアセンブリ。
【請求項14】
各ブレーカモジュールは、前記第1の出口と流体連通しかつそれぞれの機器の上流に配置された管アセンブリ(28)を有する、請求項
13記載のブレーカボックスアセンブリ。
【請求項15】
前記管アセンブリは、前記第1の出口を通って流れる流体が、前記管アセンブリを通って流れることを妨げる第1の位置と、前記第1の出口を通って流れる流体が、前記管アセンブリを通って流れることを許容する第2の位置との間で、前記第1の弁アセンブリとは独立して可動な第2の弁アセンブリ(68)を有する、請求項
14記載のブレーカボックスアセンブリ。
【請求項16】
前記第1の弁アセンブリは、弁体(52)と、弁棒(56)とを有し、該弁棒は、前記ブレーカモジュールの前記本体を通って延びている、請求項
15記載のブレーカボックスアセンブリ。
【請求項17】
各ブレーカモジュールの前記本体の入口部分(45)は、該入口部分に形成された溝(46)を有し、シーリング部材(48)が前記溝内に配置されている、請求項
10記載のブレーカボックスアセンブリ。
【請求項18】
前記流体は、天然ガスである、請求項
10記載のブレーカボックスアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
分野
本開示は、ブレーカボックスアセンブリに関する。
【0002】
背景
このセクションは、本開示に関連する背景情報を提供し、必ずしも従来技術ではない。
【0003】
建物(例えば、住宅、商業不動産など)は、主ガスラインおよび主ガスラインに配置された供給ラインを有するガス配管システムを有する。主ガスラインは、住宅の外側の(天然ガスなどの)流体源と流体連通している。供給ラインは、一方の端部において(継手を介して)主ガスラインに、別の端部においてそれぞれの機器(例えば、炉、ガスストーブなど)に接続されており、これにより、流体は、主ガスラインおよび二次ガスラインを通ってそれぞれの機器へ流れてもよく、これにより、それぞれの機器の作動を可能にする。主ガスラインまたは供給ラインのうちのいずれか1つにおける漏れまたは破損の場合、全体的なガス配管システムへ流れる流体は、漏れが検出されかつ修理されるまで弁を介して遮断される。これは、漏れが検出および修理されるまで全ての機器の作動を妨げる。なぜならば、供給ラインは全て、直列に、直接的または間接的に主ガスラインに接続されているからである。
【0004】
本開示は、ブレーカボックスアセンブリを提供する。ブレーカボックスアセンブリは、自己のそれぞれの管(または導管)を介して別々に機器と流体連通した複数のブレーカモジュールを含む。これにより、1つの管におけるあらゆる漏れまたは破損は、流体がその管を通って、その管に連結された機器へ流れることを妨げる一方、住宅に関連した残りの機器は作動し続けることを許容する。さらに、本開示のブレーカボックスアセンブリは、漏れまたは破損を含む管の検出および修理を容易にする。
【0005】
概要
このセクションは、開示の概略的な概要を提供し、完全な範囲またはその特徴の全ての包括的な開示ではない。
【0006】
1つの態様において、本開示は、ブレーカボックスアセンブリを提供する。ブレーカボックスアセンブリは、互いに取外し可能に取り付けられた複数のブレーカモジュールを有する。各ブレーカモジュールは、本体と、本体内に配置された第1の弁アセンブリとを有する。本体は、入口と、第1および第2の出口とを有する。第1の弁アセンブリは、流体が第1および第2の出口へ流れることを許容される第1の位置と、流体が第1の出口へ流れることを妨げられかつ第2の出口へ流れることを許容される第2の位置との間で可動である。
【0007】
上の段落のブレーカボックスアセンブリの幾つかの構成において、第1の弁アセンブリは、第1の弁アセンブリの上流の第1の領域と、第1の弁アセンブリの下流の第2の領域との差圧が所定の値を超えたとき、第1の位置から第2の位置へ移動する。
【0008】
上の段落のうちのいずれか1つまたは複数のブレーカボックスアセンブリの幾つかの構成において、所定の値は、ブレーカモジュールごとに異なる。
【0009】
上の段落のうちのいずれか1つまたは複数のブレーカボックスアセンブリの幾つかの構成において、第1の出口は、それぞれの機器と流体連通している。
【0010】
上の段落のうちのいずれか1つまたは複数のブレーカボックスアセンブリの幾つかの構成において、第2の出口は、隣接するブレーカモジュールの入口と流体連通している。
【0011】
上の段落のうちのいずれか1つまたは複数のブレーカボックスアセンブリの幾つかの構成において、各ブレーカモジュールは、第1の出口と流体連通しかつそれぞれの機器の上流に配置された管アセンブリを有する。
【0012】
上の段落のうちのいずれか1つまたは複数のブレーカボックスアセンブリの幾つかの構成において、管アセンブリは、第1の出口を通って流れる流体が、管アセンブリを通って流れることを妨げられる第1の位置と、第1の出口を通って流れる流体が、管アセンブリを通って流れることを許容される第2の位置との間で第1の弁アセンブリから独立して可動な第2の弁アセンブリを有する。
【0013】
上の段落のうちのいずれか1つまたは複数のブレーカボックスアセンブリの幾つかの構成において、各ブレーカモジュールの本体は、いつ第1の弁アセンブリが第1の位置から第2の位置へ移動するかを示す印を有する。
【0014】
上の段落のうちのいずれか1つまたは複数のブレーカボックスアセンブリの幾つかの構成において、各ブレーカモジュールの本体の入口部分は、入口部分に形成された溝を有する。シーリング部材が、溝内に配置されている。
【0015】
上の段落のうちのいずれか1つまたは複数のブレーカボックスアセンブリの幾つかの構成において、流体は天然ガスである。
【0016】
別の態様において、本開示は、ブレーカボックスアセンブリを提供する。ブレーカボックスアセンブリは、互いに流体連通した複数のブレーカモジュールを有する。各ブレーカモジュールは、本体と、本体内に配置された第1の弁アセンブリとを有する。本体は、入口と、第1および第2の出口とを有する。第1の弁アセンブリは、流体が第1および第2の出口へ流れることを許容される第1の位置と、流体が第1の出口へ流れることを妨げられかつ第2の出口へ流れることを許容される第2の位置との間で可動である。
【0017】
上の段落のブレーカボックスアセンブリの幾つかの構成において、第1の弁アセンブリは、第1の弁アセンブリの上流の第1の領域と、第1の弁アセンブリの下流の第2の領域との差圧が所定の値を超えたとき、第1の位置から第2の位置へ移動する。
【0018】
上の段落のうちのいずれか1つまたは複数のブレーカボックスアセンブリの幾つかの構成において、所定の値は、ブレーカモジュールごとに異なる。
【0019】
上の段落のうちのいずれか1つまたは複数のブレーカボックスアセンブリの幾つかの構成において、第1の出口は、それぞれの機器と流体連通している。
【0020】
上の段落のうちのいずれか1つまたは複数のブレーカボックスアセンブリの幾つかの構成において、複数のブレーカモジュールは、互いに取外し可能に取り付けられている。
【0021】
上の段落のうちのいずれか1つまたは複数のブレーカボックスアセンブリの幾つかの構成において、各ブレーカモジュールは、第1の出口と流体連通しかつそれぞれの機器の上流に配置された管アセンブリを有する。
【0022】
上の段落のうちのいずれか1つまたは複数のブレーカボックスアセンブリの幾つかの構成において、管アセンブリは、第1の出口を通って流れる流体が、管アセンブリを通って流れることを妨げられる第1の位置と、第1の出口を通って流れる流体が、管アセンブリを通って流れることを許容される第2の位置との間で第1の弁アセンブリから独立して可動な第2の弁アセンブリを有する。
【0023】
上の段落のうちのいずれか1つまたは複数のブレーカボックスアセンブリの幾つかの構成において、第1の弁アセンブリは、弁体と、弁棒とを有する。弁棒は、ブレーカモジュールの本体を通って延びている。
【0024】
上の段落のうちのいずれか1つまたは複数のブレーカボックスアセンブリの幾つかの構成において、各ブレーカモジュールの本体の入口部分は、入口部分に形成された溝を有し、シーリング部材が溝内に配置されている。
【0025】
上の段落のうちのいずれか1つまたは複数のブレーカボックスアセンブリの幾つかの構成において、流体は天然ガスである。
【0026】
別の適用可能分野は、本明細書において提供される詳細な説明から明らかになるであろう。この概要における説明および特定の例は、例示の目的のみを意図したものであり、本開示の範囲を限定することを意図したものではない。
【0027】
図面
本明細書に記載された図面は、全ての可能な実施態様ではなく、選択された実施の形態のみを例示する目的のものであり、本開示の範囲を限定することを意図したものではない。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】本開示の原理によるブレーカボックスアセンブリを有する住宅の斜視図である。
【
図2】ブレーカモジュールのうちの1つが取り外されたブレーカボックスアセンブリの斜視図である。
【
図3】組み立てられたブレーカボックスの斜視図である。
【
図5】ブレーカボックスのブレーカモジュールのうちの1つの断面図である。
【0029】
対応する参照符号は、複数の図面を通じて対応する部材を示している。
【0030】
詳細な説明
ここで、添付の図面を参照して、実施の形態の例をより詳しく説明する。
【0031】
実施の形態の例は、この開示が完全なものとなりかつ当業者に範囲を完全に伝達するように提供される。本開示の実施の形態の十分な理解を提供するために、特定の構成部材、装置および方法の例などの多くの特定の詳細が説明されている。特定の詳細が採用される必要はなく、実施の形態の例は、多くの異なる形式で具体化されてもよく、開示の範囲を限定するように解釈されるべきでないことが当業者に明らかになるであろう。幾つかの実施の形態の例において、公知のプロセス、公知の装置構造および公知の技術は詳細に説明されない。
【0032】
本明細書において使用される用語は、特定の実施の形態の例を説明するためだけのものであり、限定することを意図したものではない。ここで使用される場合、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、単数での記載は複数も含むことが意図されていることがある。「含む」、「含んでいる」、「備える」および「有する」は、包括的であり、したがって、言及された特徴、整数、ステップ、作動、要素および/または構成要素の存在を明記しているが、1つまたは複数のその他の特徴、整数、ステップ、作動、要素、構成要素および/またはそれらのグループの存在または付加を排除しない。本明細書において説明された方法ステップ、プロセスおよび操作は、実行の順序として具体的に特定されていないかぎり、説明または例示された特定の順序での実行を必ずしも要求するものと解釈されるべきではない。付加的または代替的なステップが使用されてもよいことも理解されるべきである。
【0033】
1つの要素または層が、別の要素または層「上にある」、「に係合させられている」、「に接続されている」または「に連結されている」と説明されているとき、1つの要素または層は、直接的に他方の要素または層上にある、に係合させられている、接続されているまたは連結されているか、または介在する要素または層が存在してもよい。対照的に、1つの要素が、別の要素または層「上に直接ある」、「に直接的に係合させられている」、「に直接的に接続されている」または「に直接的に連結されている」と説明されているときは、介在する要素または層が存在しなくてもよい。要素間の関係を説明するために使用されるその他の用語は、同様の形式(例えば、「間」と「直接的に間」、「隣接する」と「直接的に隣接する」など)で解釈されるべきである。本明細書において使用される場合、「および/または」とは、関連する列挙されたアイテムのうちの1つまたは複数のいずれかおよび全ての組合せを含む。
【0034】
様々な要素、構成要素、領域、層および/またはセクションを説明するために本明細書において第1、第2、第3などの用語が使用されることがあるが、これらの要素、構成要素、領域、層および/またはセクションは、これらの用語によって限定されるべきでない。これらの用語は、1つの要素、構成要素、領域、層またはセクションを別の領域、層またはセクションから区別するためだけに使用されてもよい。本明細書において使用されるときの「第1」、「第2」またはその他の数字用語などの用語は、文脈によって明確に示されていないかぎり、順序または順番を意味していない。つまり、以下で説明される第1の要素、構成要素、領域、層またはセクションは、実施の形態の例の開示から逸脱することなく、第2の要素、構成要素、領域、層またはセクションと呼称することができる。
【0035】
「内側」、「外側」、「下」、「下方」、「下側」、「上方」、「上側」などの空間的に相対的な用語は、本明細書において、図面に示された別の要素または特徴に対する1つの要素または特徴の関係を説明するために、説明を容易にするために使用されてもよい。空間的に相対的な用語は、図面に示された向きに加え、使用時または操作時における装置の異なる向きを含むことが意図されていることがある。例えば、図面における装置が反転されると、他の要素または特徴の「下方」または「下」にあると説明された要素は、今度は他の要素または特徴の「上方」に向けられることになる。すなわち、例としての用語「下方」は、上方および下方の向きの両方を含むことができる。装置は、それ以外の向きになることもあり(90度回転させられるまたはその他の向きになる)、本明細書において使用される空間的に相対的な説明は、それに対応して解釈される。
【0036】
図1を参照すると、ブレーカボックスアセンブリ12を有する建物10(例えば、住宅)が提供されている。(レンジ14a、グリル14b、炉14c、ドライヤ14d、温水器14eおよび暖炉14fを含む)複数のガス機器14が、建物10内に配置されており、(導管16a,16b,16c,16d,16e,16fなどの)導管16を介してブレーカボックスアセンブリ12に流体接続されている。すなわち、レンジ14a、グリル14bおよび暖炉14fは、建物10のメインレベル(地面より上)に配置されていてもよく、炉14c、ドライヤ14dおよび温水器14eは、建物10のメインレベルより下(地面より下)に配置されていてもよい。幾つかの構成において、レンジ14a、グリル14bおよび暖炉14fは、建物10のメインレベルより下(地面より下)に配置されていてもよく、炉14c、ドライヤ14dおよび温水器14eは、建物10のメインレベルより上(地面より上)に配置されていてもよい。ブレーカボックスアセンブリ12は、燃料(すなわち、天然ガスなどの流体)をガス機器14に提供し、これにより、ガス機器14の作動を可能にする。
【0037】
図1~
図4を参照すると、ブレーカボックスアセンブリ12は、建物10(
図1)内に配置されており、(ブレーカモジュール18a,18b,18c,18d,18e,18fなどの)複数のブレーカモジュール18、分配モジュール20、カバーモジュール22および管23を有する。複数のブレーカモジュール18は、締結具19を介して互いに取外し可能に取り付けられており、互いに流体連通している。複数のブレーカモジュール18は、分配モジュール20とも流体連通している。ブレーカモジュール18aは、締結具21aを介して分配モジュール20に取外し可能に取り付けられており、ブレーカモジュール18fは、締結具21bを介してカバーモジュール22に取外し可能に取り付けられている。
【0038】
図2~
図4に示したように、各ブレーカモジュール18は、本体24、弁アセンブリ26および管アセンブリ28を有する。本体24は、例えば、金属材料から形成されてもよく、入口32と、第1および第2の出口34,36と、第1および第2の通路38,40とを有してもよい。入口32は、それぞれのブレーカモジュール18の第1の出口34と流体連通している。ブレーカモジュール18aの入口32は、管23および分配モジュール20を介してガス源(図示せず)と流体連通している。第2の出口36は、管アセンブリ28およびそれぞれの導管16a,16b,16c,16d,16e,16fを介してそれぞれの機器14a,14b,14c,14d,14e,14fと流体連通している。第1の通路38は、入口32と第1の出口34との間に延びている。第2の通路40は、第1の通路38に対して垂直に延びている。第2の通路40は、第1の通路38および第2の出口36とも流体連通している。
【0039】
図2~
図4に示したように、本体24は、互いに取り付けられた第1の部材42および第2の部材44も有する。第1の部材42の入口部分45は、円形であり、入口部分45の周囲に360度にわたって延びた溝46を有する。溝46は、第1の部材42を通って流れる流体が逃げ出さない(すなわち、漏れ出さない)ようにシーリング部材48(例えば、Oリング)を収容している。本体24の第1の部材42は、入口32、第1の出口34および第1の通路38を有する。第2の部材44は、第2の出口36を有する。第1および第2の部材30,32は、第2の通路40を形成するように協働する。
【0040】
図4に示したように、弁アセンブリ26は、ブレーカモジュール18の本体24内に配置されており、弁リング50、弁体52および弁棒56を有する。弁リング50は、第2の通路40内で、第1の部材42の第1の座部57において、第1の部材42の第1の座部57と第2の部材44の端部58との間に固定して配置されている。端部58は、端部58に形成された溝内に配置されたシーリング部材59(例えば、Oリング)を有する。弁体52は、第2の通路40内に配置されており、流体が第1および第2の出口34,36へ流れることを許容される第1の位置と、流体が、第1の出口34へ流れることを許容されかつ第2の出口36へ流れることを妨げられる第2の位置との間で可動に弁リング50に取り付けられている。弁体52が第1の位置にあるとき、流体は、弁体52に形成された開口(図示せず)を通って、第2の出口36に向かって流れることを許容される。弁体52が第2の位置にあるとき、弁体52は、弁リング50に対してシールするように当接し(
図4のモジュール18aを参照)、これにより、流体は、第2の通路40および第2の出口36を通って流れることを阻止される。弁体52は、第1の位置にあるとき、第1の部材42の第2の座部60に配置され、第2の位置にあるとき、第2の座部60から離反させられる。
【0041】
図4に示したように、細長い弁棒56は、弁棒56の一部が第2の部材44の上方に配置されるように、本体24の第2の部材44を通って延びている。弁棒56は、第1の位置(
図2~
図4)と、第2の位置(
図5)との間で可動である。付勢部材63は、弁棒56を第1の位置に向かって押し付ける。弁棒56は、弁棒56の中間部から外方へ延びるリブ62を有する。リブ62は、第2の部材44内の溝64に収容されており、本体24内からの弁棒56の取外しを防止するために、弁棒56が第1の位置にあるとき、第2の部材44に対して当接する。
【0042】
管アセンブリ28は、一方の端部において本体24の第2の部材44に、別の端部においてそれぞれの導管16a,16b,16c,16d,16e,16fに取り付けられており、これにより、第2の出口36を通って流れる流体は、管アセンブリ28およびそれぞれの導管16a,16b,16c,16d,16e,16fを通って、それぞれの機器14a,14b,14c,14d,14e,14fへ流れる。管アセンブリ28は、導管66および弁アセンブリ68を有する。導管66は、第2の出口36と導管66とが互いに流体連通するように、本体24の第2の部材44に取り付けられている(例えば、一体的に取り付けられているか、螺合可能に取り付けられている、など)。導管66は、導管66とそれぞれの導管16a,16b,16c,16d,16e,16fとが互いに流体連通するように、それぞれの導管16a,16b,16c,16d,16e,16fにも取り付けられている(例えば、一体的に取り付けられているか、螺合可能に取り付けられている、など)。弁アセンブリ68は、第2の出口36を通って流れる流体が導管66を通って流れることを妨げられる第1の位置(
図4のモジュール18aを参照)と、第2の出口36を通って流れる流体が導管66を通って流れることを許容する第2の位置との間で作動可能である。弁アセンブリ68は、弁アセンブリ26から独立して作動可能である(すなわち、弁アセンブリ68は、弁アセンブリ26の位置にかかわらず、第1の位置と第2の位置との間で可動である)。幾つかの構成において、弁アセンブリ26,68は、互いに依存して動作してもよい。すなわち、弁体52が第2の位置へ移動すると、弁棒56は、例えば、弁アセンブリ68を第2の位置へ移動させることになる。
【0043】
分配モジュール20は、管23を通って流れる流体が、分配モジュール20を通って、ブレーカボックスアセンブリ12へ流入することを許容するように、ブレーカモジュール18aに取外し可能に取り付けられておりかつ管23に螺合可能に取り付けられている。分配モジュール20は、ねじ山付き部分およびねじ山なし部分を有する開口70を備える。
図4に示したように、管23は、ねじ山付き部分を介して分配モジュール20に取り付けられており、ブレーカモジュール18aは、ねじ山なし部分を介して分配モジュール20に取り付けられている。
【0044】
カバーモジュール22は、ブレーカモジュール18fに取外し可能に取り付けられている。カバーモジュール22の入口部分72は、円形であり、入口部分72の周囲に360度にわたって延びた溝74を有する。溝74は、ブレーカモジュール18fの第1の出口34を通って流れる流体が逃げ出さない(すなわち、漏れ出さない)ようにシーリング部材76(例えば、Oリング)を収容している。カバーモジュール22が、ブレーカモジュール18fから取り外されてもよく、付加的なブレーカモジュールと交換されてもよいことが理解されるべきである(付加的なブレーカモジュールは、建物10に関連した別の機器へ流体を提供してもよい)。管23は、一方の端部において分配モジュール20に螺合可能に取り付けられており、別の端部において流体源から流体(例えば、天然ガス)を受け取る。電気パネル79は、管23と通信している。
【0045】
図1~
図4を参照して、ブレーカボックスアセンブリ12の作動をより詳細に説明する。ブレーカボックスアセンブリ12の通常作動の間、流体は、ブレーカモジュール18を通って、導管16を介して機器14へ流れることを許容される。破損または漏れが、いずれか特定のブレーカモジュール18a,18b,18c,18d,18e,18fの下流において生じ、弁体52の上流の第1の領域78と、弁体52の下流の第2の領域80との間の差圧が所定の値を超えた場合、その特定のブレーカモジュール18a,18b,18c,18d,18e,18fの弁体52は、(
図4のブレーカモジュール18aにおいて示されているように)第1の位置から第2の位置へ移動する。これにより、弁体52は、弁リング50に対してシールするように当接する。これにより、流体(例えば、天然ガス)が、その特定のブレーカモジュール18aを通って流れ、ひいては建物10内へまたは建物10の外へ漏出することが防止されるのに対し、他のブレーカモジュール18b,18c,18d,18e,18fは、それぞれの機器14b,14c,14d,14e,14fへ流体を提供することを許容される。言い換えれば、流体の流れは、破損または漏れが生じているブレーカモジュール18aの第2の出口36を通ることが妨げられるのに対し、流体の流れは、破損または漏れが生じていない他のブレーカモジュール18b,18c,18d,18e,18fの第2の出口36を通ることは許容される。弁体52を移動させるために必要とされる差圧は、ブレーカモジュール18a,18b,18c,18d,18e,18fごとに異なっていてもよいことが理解されるべきである(すなわち、所定の値は、ブレーカモジュール18a,18b,18c,18d,18e,18fごとに異なる)。
【0046】
各ブレーカモジュール18a,18b,18c,18d,18e,18fは、ブレーカモジュールの本体24において、そのブレーカモジュールを通る流体流れが阻止されたことを示す印84を有してもよい。このような印84は、ブレーカモジュールを通る流体流れが停止させられたときに垂直から水平へ変化する線であってもよい(
図3におけるブレーカモジュール18aを参照)。幾つかの構成において、印は、弁体52が第1の位置から第2の位置へ移動したときに緑(通常作動条件を示す)から赤(破損または漏れを示す)へ変化する光であってもよい。これにより、修理技術者(図示せず)は、どの導管16a,16b,16c,16d,16e,16fおよび/または機器14a,14b,14c,14d,14e,14fが修理を必要としているかを容易に特定することができる。修理技術者が導管16a,16b,16c,16d,16e,16fおよび/または機器14a,14b,14c,14d,14e,14fを修理すると、修理技術者は、修理されたブレーカモジュール18a,18b,18c,18d,18e,18fの弁棒56を押し下げてもよく、これにより、弁アセンブリ26および印84をリセットする。弁アセンブリ68は、弁体52をリセットするために修理技術者が弁棒56を押し下げる前に第1の位置にあることに留意すべきである。
【0047】
幾つかの構成において、センサ(図示せず)は、電気パネル79と通信してもよく、導管16および機器14の様々な位置に配置されてもよい。センサは、弁体52を第1の位置から第2の位置へ移動させるために要求された圧力よりも低い圧力となっている導管16および/または機器14において漏れを検知するものである。
【0048】
実施の形態の前記説明は、例示および説明の目的のために提供されている。網羅的であることまたは開示を限定することは意図されていない。特定の実施の形態の個々の要素または特徴は、概して、当該特定の実施の形態に限定されるのではなく、適用可能であれば、相互に交換可能であり、特に図示または説明されていないとしても、選択された実施の形態において用いることができる。同じことが、多くの形式で変化させられてもよい。このような変化は、開示からの逸脱と見なされるべきではなく、全てのこのような修正は、開示の範囲内に含まれることが意図されている。