(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-06
(45)【発行日】2024-02-15
(54)【発明の名称】自動車エッジコンピューティングによるライドシェアリングの需要と価格設定
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/40 20240101AFI20240207BHJP
G06Q 30/0202 20230101ALI20240207BHJP
【FI】
G06Q50/30
G06Q30/0202
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019209591
(22)【出願日】2019-11-20
【審査請求日】2022-11-16
(32)【優先日】2018-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519092129
【氏名又は名称】トヨタ モーター ノース アメリカ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【氏名又は名称】河野 努
(74)【代理人】
【識別番号】100141162
【氏名又は名称】森 啓
(72)【発明者】
【氏名】アグヤド サレフ
【審査官】深津 始
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-130552(JP,A)
【文献】特開2020-071660(JP,A)
【文献】国際公開第2010/123075(WO,A1)
【文献】中西孝樹,CASE革命,第1版, 第1刷,日本経済新聞出版社,2018年11月20日,第168-174ページ,ISBN:978-4-532-32251-9
【文献】次世代自動車ビジネス研究会,60分でわかる!EV革命&自動運転最前線,初版, 第1刷,株式会社技術評論社,2018年07月07日,第124-125ページ,ISBN:978-4-7741-9843-9
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 -G06Q 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサと、機械可読命令セットを格納するように構成された非一時的コンピューター読み取り可能なメモリとを備えるシステムであって、
該機械可読命令セットは、該プロセッサによって実行されると、該システムに、少なくとも、車両のセンサーリソースから、該車両の地理的ロケーションにおける環境に関する情報を受信させ、
イベントのスケジュールを前記地理的ロケーションに関連付けさせ、
前記環境に関する前記情報および前記地理的ロケーションに関連するイベントの前記スケジュールに基づいて、ライドシェアリングリクエストの需要を予測させ、
ライドシェアリングリクエストの予測需要に基づいて、前記地理的ロケーションへ、または、前記地理的ロケーションから1つ以上の追加の車両のルーティング
をさせ、
ライドシェアリングリクエストの前記予測需要に基づいて、前記地理的ロケーションのライドシェア価格を調整させる、システム。
【請求項2】
前記車両の前記地理的ロケーションにおける環境に関する前記情報は、前記車両の気象センサーに基づいて、リアルタイムまたはほぼリアルタイムの気象情報を含む、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記地理的ロケーションの前記環境に関する前記情報は、非ライドシェア車両の前記センサーリソースからのものである、請求項1
または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記環境に関する前記情報は、交通状況、気象状況、環境内の推定人数、ルートに沿った移動速度のうち少なくとも1つを含む、請求項1ないし
3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記機械可読命令セットは、実行されると、前記システムに、前記環境に関する前記情報が、雨の存在を示しており、イベントの前記スケジュールが、前記地理的ロケーションでのイベントの終結を示している場合、前記需要の将来の増加を前記地理的ロケーションに対して予測させる、請求項1ないし
4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
プロセッサと、機械可読命令セットを格納するように構成された非一時的コンピューター読み取り可能なメモリとを備えるシステムが実行する方法であって、
車両のセンサーリソースから、該車両の該地理的ロケーションにおける環境に関する情報を受信するステップと、
イベントのスケジュールを前記地理的ロケーションに関連付けするステップと、
前記環境に関する前記情報および前記地理的ロケーションに関連付けられたイベントの前記スケジュールに基づいて、ライドシェアリングリクエストの需要を予測するステップと、
ライドシェアリングリクエストの予測需要に基づいて、前記地理的ロケーションへ、または、前記地理的ロケーションから1つ以上の追加の車両のルーティングするステップと、
ライドシェアリングリクエストの前記予測需要に基づいて、前記地理的ロケーションのライドシェア価格を調整するステップと、
を含む方法。
【請求項7】
前記環境に関する前記情報は、前記車両の気象センサーに基づいたリアルタイムまたはほぼリアルタイムの気象情報、交通状況、気象状況、環境内の推定人数、ルートに沿った移動速度のうち少なくとも1つを含む、請求項
6に記載の方法。
【請求項8】
前記地理的ロケーションの前記環境に関する前記情報は、非ライドシェア車両の前記センサーリソースからのものである、請求項
6または7に記載の方法。
【請求項9】
前記環境に関する前記情報が、雨の存在を示しており、イベントの前記スケジュールが、前記地理的ロケーションでのイベントの終結を示している場合、前記需要の将来の増加を前記地理的ロケーションに対して予測するステップ請求項
6ないし8のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、一般にライドシェアリングシステムおよび方法に関するものであり、より具体的には、ライドシェアリング需要を予測し、自動車エッジコンピューティングを利用した予測需要に応じた価格とリソースを構成するシステムと方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ライドシェアリングサービスは、1回限りのライドシェアをオンデマンドで手配する。ライドシェアリングサービスは、広く実装されているテクノロジーを通じて可能になる。例えば、GPSナビゲーション、スマートフォンのコミュニケーションおよびソーシャルネットワークが、配置し、接続し、そして、ドライバーと乗客の間に信頼と説明責任のレベルを確立する。ライドシェアリングサービスと乗客のフラストレーションの原因への継続的なチャレンジは、オンデマンドサービスの期待に応えている。多くのライドシェアリングサービスは、車両の実際の需要が増加または減少するにつれて価格調整を実装している。しかしながら、ライドシェアリングスペースの競合他社の数が増えると、需要の増加に伴う価格上昇のモデルの維持することは、より良い料金とタイムリーな利用可能な乗車を見つけるために、乗客を競合他社に切り替える可能性がある。結果として、需要を満たすことができない、または、将来の需要を適切に予測できないライドシェアリングサービスは、乗車を失うかもしれない。
【発明の概要】
【0003】
一実施形態では、システムには、プロセッサと、機械可読命令セットを保存するように構成されている非一時的なコンピュータ可読メモリが含まれる。機械可読命令セットは、プロセッサによって実行されたときに、システムに、少なくとも、車両のセンサリソースから、車両の地理的ロケーションにおける環境に関する情報を受け取り、イベントのスケジュールを地理的ロケーションに関連付け、環境に関する情報、および、地理的ロケーションに関連するイベントのスケジュールに基づいて、ライドシェアリングリクエストの需要を予測し、ライドシェアリングリクエストの予測需要に基づいた1つ以上の追加の車両を地理的ロケーションとの間でのルーティングを実行させる。
【0004】
いくつかの実施形態では、本願方法は、車両のセンサリソースから、車両の地理的ロケーションの環境に関する情報を受信するステップと、イベントのスケジュールを地理的ロケーションに関連付けるステップと、を含む。この方法は、環境に関する情報および地理的ロケーションに関連付けられたイベントのスケジュールに基づいて、ライドシェアリングリクエストの需要を予測するステップと、ライドシェアリングリクエストの予測需要に基づいて、1つ以上の追加の車両を地理的ロケーションへ、または、地理的ロケーションからルーティングするステップと、をさらに含む。
【0005】
いくつかの実施形態では、システムは、第1のセンサリソースと第1のコンピューティングデバイスとを有する第1の車両と、プロセッサおよび非一時的なコンピュータ読み取り可能なメモリを含む第2のコンピューティングデバイスと、第1のコンピューティングデバイスおよび2番目のコンピューティングデバイスを通信可能に結合するネットワークと、第2のコンピューティングデバイスの非一時的なコンピュータ可読メモリ内に保存された機械可読命令セットとを含む。機械可読命令セットは、プロセッサによって実行されたときに、システムに、少なくとも、車両のセンサリソースから、イベントのスケジュールを地理的ロケーションに関連付ける、車両の地理的ロケーションにおける環境に関する情報を受け取り、環境に関する情報および地理的ロケーションに関連するイベントのスケジュールに基づいて、ライドシェアリングリクエストの需要を予測し、ライドシェアリングリクエストで予測される需要に基づいて、地理的ロケーションへ、または、地理的ロケーションから1つ以上の追加の車両のルーティングを実行させる。
【0006】
本明細書に記載の実施形態により提供されるこれらおよび追加の特徴は、以下の詳細な説明を考慮して、図面と併せて、より完全に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図面に記載されている実施形態は図示的なものであり、本質的に例示的であり、特許請求の範囲によって定義される主題を限定することを意図していない。例示的な実施形態の以下の詳細な説明は、以下の図面と併せて読むと理解できる。ここで、同様の構造は同様の参照番号で示されている。
【
図1】
図1は、本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、ライドシェアリング車両を示す都市の例示的な地図を示している。
【
図2】
図2は、本明細書に示され、説明される1つまたは複数の実施形態による、センサリソースを含む車両のコンポーネントおよびコンピューティングデバイスを概略的に示している。
【
図3】
図3は、本明細書に図示および説明される1つまたは複数の実施形態による、自動車エッジコンピューティングおよび通信システムの例示的な実施形態を示す。
【
図4】
図4は、本明細書に示され、説明される1つ以上の実施形態による、特定の地理的ロケーションに関連付けられているイベントの例示的なスケジュールを示している。
【
図5】
図5は、本明細書に示され説明される1つ以上の実施形態による、予測される需要に応えて、ライドシェアリング需要を予測し、価格とリソースを構成するための例示的な方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書で開示される実施形態は、自動車のエッジコンピューティングを利用した予測需要に応えて、ライドシェアリングの需要を予測し、価格を設定し、および/または、ライドシェアリング車両の数を管理するためのシステムおよび方法に関する。本明細書でより詳細に説明するように、このシステムと方法は、都市などエリア全体を通して需要の増減を予測するために、地理的ロケーション内の車両によって収集された環境およびイベントのスケジュールに関する情報を利用する。地理的ロケーション内において車両が収集した環境に関する情報は、気象条件、車両交通、人口密度、事故および/または建設の存在などに関するリアルタイムまたは、ほぼリアルタイムの情報を含むことができる。センサリソースと通信機能を備えた車両はすべて、環境に関する情報を収集することができる。例えば、情報を収集する車両は、ライドシェアリング車両であってもよく、あるいは、地理的ロケーション内の個人の車両、トラック、バスなどの非ライドシェア車両であってもよい。時々、個人用車両はライドシェア車両として使用できるが、しかし、例えば、オペレーターが個人使用のために車両を使用しており、ライドシェア要求を求めていない場合、非ライドシェア車両としても使用できることが理解される。地理的ロケーションについて収集された情報は、コンピューティングデバイスに送信される。コンピューティングデバイスは、車両内にあることができる、または、その地理的ロケーション内の1つ以上の車両に結合された通信可能なコンピューティングデバイスであることができる。
【0009】
ここで詳細に説明するように、このシステムは、ローカライズされたエリア内の自動車のエッジコンピューティングを利用した、予測需要に応えて、ライドシェアリング需要を予測し、価格設定および/またはライドシェアリング車両の数の管理をするためのローカライズされたシステムであり得る。いくつかの実施形態では、このシステムは、広いエリア、例えば、1つ以上の都市を管理するように構成することができる。しかしながら、一般に、ライドシェアリングの需要は1つ以上のエリアに限定され、一般的に近隣の都市、例えば、どの方向でも20マイルまたは30マイルを超えるエリアの影響を受けない。より具体的には、ライドシェアリングはリクエストに応じてローカルライドを提供することを目的としているため、ライドシェアリングの需要は、よりローカル、例えば、互いにいくつかの都市ブロック内に定義された需要の影響を受け得る。ライドシェアリング需要を予測し、自動車のエッジコンピューティングを利用して、予測される需要に応えて、価格設定および/またはライドシェアリング車両の数の管理するためのシステムと方法を、ここで、より詳細に説明する。
【0010】
ここで図面を参照すると、同様の数字は同様の構造を指し、特に、ライドシェアリング車両を示す、都市の例示的な地
図100が
図1に図示されている。ここに示されているように、都市の例には、その都市の通りに位置している多数のライドシェアリング車両(例えば、120、121、122、123、124、125、126)が含まれ、さらに、このサンプルマップは、都市内の事前定義された地理的ロケーションを示している。地理的ロケーションは、特定の住所、定義済みのブロックナンバー、または一般的な都市によって定義することができる。
図1に示すマップでは、ここでは地区と呼ばれる、7つの地理的ロケーションが、定義される。各地区は、都市内の地理的ロケーションを定義できる。共通のテーマを持つエリア、例えば、バーがあるナイトライフエリア、ラウンジ、クラブなどを含む。
【0011】
例えば、第1の地区102は、ナイトライフシーンで知られる市内における地理的ロケーションを定義することができる。そして、このエリアは一般的に、お互いの付き合いに興味のある人々に対応する施設が含まれる。第2の地区104は、一般的に多くのレストランが含まれる地理的ロケーションを定義することができる。第3の地区106は、通常、商品を購入するための多数の店舗が含まれる地理的ロケーションを定義することができる。第4の地区108は、一般的にオフィスビルを含む地理的ロケーションを定義することができる。第5の地区110は、一般的に劇場、交響楽団ホール、アートギャラリーなどを含む地理的ロケーションを定義することができる。第6の地区112は、一般的に娯楽、コンサート会場、フットボール競技場、球場などを含む地理的ロケーションを定義することができる。第7の地区114は、一般に住居を含む地理的ロケーションを定義し得る。
【0012】
これらの地理的ロケーションは単なる例示であり、エリアは、多かれ少なかれ地理的ロケーション(例えば、地区)によって定義できることを理解すべきである。ここでさらに詳しく説明するが、地理的ロケーションは、その地理的ロケーションでのライドシェアリングの需要を予測するのに役立つイベントのスケジュールに関連付けられている場合がある。
【0013】
ここで
図3を参照すると、センサリソースとコンピューティングデバイスを含む車両の概略
図200が、描かれている。車両200は、システムにエリアに関する情報を提供するように構成されている地理的ロケーション内にあるライドシェアリング車両または別の車両であり得る。車両200は、自律車両または非自律車両であり得る。さらに、地理的ロケーションに関する情報を提供している車両200は、駐車しているか、地理的ロケーションを移動していることがあり得る。さらに、すべての車両200に同じセットのセンサリソースが装備されているわけではなく、環境に関する情報を収集および/または決定するために、同じシステムのセットで構成することもできないことがあり得る。
図2は、車両200内に装備された、センサリソースおよびシステムの構成例を1つだけ提供する。さらに、
図2は車両200を参照するが、
図1およびここに記載された任意の車両、たとえば、車両120-126は、
図2に関して説明した車両200と同じまたは類似の構成を含むことができる。
【0014】
特に、
図2は、さまざまなセンサリソースを含む車両200の例示的な概略図を提供する。これらは、環境に関する情報を決定するため、そして、その情報を、ライドシェアリング需要を予測し、予測された需要に応じて、価格設定および/またはライドシェアリング車両の数の管理の方法を実装するコンピューティングデバイスと共有するために車両200によって利用され得る。例えば、車両200は、プロセッサ132および非一時的なコンピュータ可読メモリ134、近接センサ140マイク142、1つまたは複数のカメラ144、赤外線発光器146および赤外線検出器148、全地球測位システム(GPS)150、気象センサ152、車速センサ154、LIDARシステム156、および、ネットワークインターフェイスハードウェア170を備えるコンピューティングデバイス130を含むことができる。これらおよび車両のその他のコンポーネントは、通信経路160を介して互いに通信可能に接続することができる。
【0015】
通信経路160は、例えば、導線、導電性トレース、光導波路などのような信号を送信できる任意の媒体から形成できる。通信経路160は、電磁放射とそれに対応する電磁波が通過する広がりを指すこともできる。また、通信経路160は、信号を送信できる媒体の組み合わせから形成することができる。一実施形態では、通信経路160は、導電性トレース、導線、コネクタ、および、プロセッサ、メモリ、センサ、入力デバイス、出力デバイス、および通信デバイスなどのコンポーネントへの電気データ信号の送信を許可するために協力するバスの組み合わせを含む。したがって、通信経路160はバスを含むことができる。さらに、「信号」という用語は媒体を介して移動することができる直流、交流、正弦波、三角波、方形波、振動など(例えば、電気的、光学的、磁気的、機械的または電磁的)波形を意味することに留意する。ここで使用されているように、「通信結合」という用語は、結合されたコンポーネントは、例えば、導電性媒体を介した電気信号、空気を介した電磁信号、光導波路を介した光信号のような信号を相互に交換できることを意味する。
【0016】
コンピューティングデバイス130は、プロセッサ132および非一時的なコンピュータ可読メモリ134を備える任意のデバイスまたはコンポーネントの組み合わせであり得る。プロセッサ132は、非一時的なコンピュータ可読メモリ134へ格納された機械可読命令セットの実行が可能な任意のデバイスであり得る。したがって、プロセッサ132は、電気制御装置、集積回路、マイクロチップ、コンピュータ、または、その他のコンピューティングデバイスであることができる。プロセッサ132は、通信経路160によって車両200の他のコンポーネントに通信可能に結合されている。したがって、通信経路160は、互いに、任意の数のプロセッサ132を通信可能に結合し得る。そして、通信経路160に結合されたコンポーネントを、分散コンピューティング環境で動作することを可能にする。具体的には、各コンポーネントは、データを送信および/または受信するノードとして動作する。
図2に描いた実施形態は単一のプロセッサ132を含むが、他の実施形態は、2つ以上のプロセッサ132を含み得る。
【0017】
非一時的なコンピュータ可読メモリ134は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、ハードドライブ、または、機械可読命令を保存できる非一時的なメモリデバイスを備えることができる。そのような、機械可読命令は、プロセッサ132によってアクセスおよび実行することができる。機械可読命令セットは、機械可読な命令にコンパイルまたはアセンブルできる。そして、非一時的なコンピュータ可読メモリ134に格納される。例えば、プロセッサ132によって直接実行される機械語、または、アセンブリ言語、オブジェクト指向プログラミング(OOP)、スクリプト言語、マイクロコード等あらゆる(例えば、1GL、2GL、3GL、4GL、または5GL)世代のプログラミング言語で記述されたロジックまたはアルゴリズムを含む。または、機械可読命令セットは、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)構成または特定用途向け集積回路(ASIC)、または、それらの同等物を介して実装されるロジックなどハードウェア記述言語(HDL)で記述できる。したがって、ここに記載されている機能は、事前にプログラムされたハードウェア要素として、または、ハードウェアコンポーネントとソフトウェアコンポーネントの組み合わせとして従来のコンピュータプログラミング言語で実装できる。
図2に描かれた実施形態は、単一の非一時的なコンピュータ可読メモリ134を含み、他の実施形態は、2つ以上のメモリモジュールを含み得る。
【0018】
引き続き
図2を参照すると、近接センサ140は、車両200内またはその近くのオブジェクトの有無を示す信号を出力できる任意のデバイスまたはコンポーネントの組み合わせであり得る。近接センサ140は、例えば、車両200と、車両200の前を走行している他の車両からの距離など、オブジェクト範囲またはオブジェクトまでの距離を決定できるセンサであり得る。近接センサ140は、車両200と並んでいる、その後ろにいる、または、その前にいるオブジェクトの有無を判断するために、カメラ、レーザー距離センサ、超音波センサ、レーダーセンサシステム、モーションセンサ、熱センサ、を含む1つ以上のセンサを含み得るが、それらに限られるものではない。いくつかの実施形態では、1つ以上の近接センサ140は、車両200の周辺監視システムを有効にするように構成されている。すなわち、本システムの実施形態において、近接センサ140は、(例えば、車両200に隣接する)通りまたはエリア内にある車両の数が、どのように混雑しているかについてシステムに情報を提供する。
【0019】
マイクロホン142は、通信経路160に結合されており、そして、コンピューティングデバイス130に通信可能に結合される。マイクロホン142は、音を表す電気信号への音に関連付けられた機械的振動の変換が可能な任意のデバイスであり得る。マイク142は、車両200の環境において、交通騒音の存在の判定などの目的で、サウンドレベルを監視するために使用され得る。
【0020】
車両200は、1つまたは複数のカメラ144をさらに含むことができる。1つまたは複数のカメラ144は、車両200内のさまざまな異なる監視、検出、コントロール、および/または警告システムを可能にし得る。1つ以上のカメラ144は、紫外線波長帯の放射線、可視光波長帯域または赤外線波長帯域を検出することができる検知装置(例えば、CCDアレイまたはアクティブピクセルセンサ)のアレイを有するデバイスであり得る。1つ以上のカメラ144は、任意の解像度を有し得る。1つ以上のカメラ144は、全方向カメラまたはパノラマカメラであり得る。いくつかの実施形態では、鏡、魚眼レンズなど1つ以上の光学部品、または、任意の他のタイプのレンズを、1つまたは複数のカメラ144に光学的に結合することができる。1つ以上のカメラ144は、環境に関するさまざまな情報をシステムに提供するように構成することができる。例えば、1つまたは複数のカメラ144によってキャプチャされた画像データは、車両の交通、事故または建設の存在、エリア内の歩行者の数および/または密度などに関する情報を提供することができる。
【0021】
いくつかの実施形態では、赤外線発光器146および/または赤外線検出器148は、通信経路160に結合されており、そしてコンピューティングデバイス130に通信可能に結合されている。赤外線放射とも呼ばれる赤外光は、可視光のような電磁(EM)放射の一種である。しかし、赤外線は一般に人間の目には見えない。電磁波は、さまざまな波長と周波数にわたる波または粒子で送信される。赤外光の波は可視光の波よりも長く、可視スペクトルの赤端をわずかに超えている。赤外光エミッター146は、マイクロ波と可視光の間の(EM)スペクトルの範囲内の赤外光を放射する。赤外線の周波数は、約300GHzから最大約400THzであり、約1ミリメートルから740ナノメートルの波長である。ただし、これらの値は絶対的なものではない。赤外光のスペクトルは、波長と周波数に基づいてサブディビジョンで説明できる。例えば、近赤外は、約214THzから約400THzの周波数、および、約740ナノメートルの約1400ナノメートルまでの波長を持つことがあり得、遠赤外線は、約300GHzから約20THzの周波数、および、約1ミリメートルから約15マイクロメートルの波長を持つことがあり得る。赤外線はさらに細分化される。
【0022】
同様に、赤外線検出器148は、赤外線スペクトル内にある発光および/または反射光を検出する。赤外線発光器146および赤外線検出器148は、コンピュータビジョン、および、低照度または悪天候時の車両200へのナビゲーション機能を提供するために車両内に実装できる。赤外線検出器148は、赤外線の存在をキャプチャし、例えば、オブジェクトからの赤外光の反射の存在を判定する、または、赤外線によって照らされるか、赤外線を生成する環境のイメージを生成するように構成できるCCDアレイまたはアクティブピクセルセンサを含むことができるように構成されるデバイスであり得る。赤外線発光器146および赤外線検出器148は、ナビゲーションサポート衝突検出などを提供するために車両200に実装されることができる。
【0023】
引き続き
図2を参照すると、全地球測位システム、GPS150は、通信経路160に結合され、そして、車両200のコンピューティングデバイス130に通信可能に結合されることができる。GPS150は、1つ以上のGPS衛星から1つ以上のGPS信号を受信することにより、車両200の位置を示すロケーション情報を生成することができる。通信経路160経由でコンピューティングデバイス130に通信されたGPS信号は、NMEA(National Marine Electronics Association)メッセージ、緯度と経度のデータセット、街路アドレス、ロケーションデータベースに基づいた既知のロケーションの名前などを備えるロケーション情報を含むことができる。さらに、GPS150は、位置を示す出力を生成できる他のシステムと交換可能である。例えば、ローカルポジショニングシステムは、1つ以上の無線信号アンテナから受信した無線信号によってロケーションを三角測量できるセルラー信号と放送塔または無線信号検出デバイスに基づいて、ロケーションを提供する。
【0024】
いくつかの車両200は、温度センサ、降水量計、風速計、UV光センサなど気象センサ152も含むことができる。気象センサ152は、通信経路160に結合され、そして、コンピューティングデバイス130に通信可能に結合されることがあり得る。気象センサ152は、温度レベル、降水量の存在または量、風の方向および/または速度、日光などの存在および/または強度などの状態を示す信号を出力することができる任意のデバイスとすることができる。気象センサによって収集された情報152は、車両200および/またはシステムに、現在の気象条件を定義する情報を提供することができる。それに応じて、ライドシェアリング需要、および、予測される需要に応えて価格設定および/またはライドシェアリング車両の数の管理を予測するシステムは、現在または将来の需要の予測を更新することができる。例えば、エリア内の圧力が低下していることを圧力センサが示している場合、これは、雨が差し迫っており、したがって、例えば、通りを歩いている人々が、乗車のリクエストを開始することがあり得る。別の例として、気温が高くなる、および/または夏の日の日光の量が増えると、人々は目的地まで歩くよりも車両をリクエストする傾向がある。このため、ライドシェアリングの需要は増加すると予測することができる。
【0025】
車両200はまた、通信経路160に結合し、そして、コンピューティングデバイス130に通信可能に結合される車両速度センサ154を含み得る。車両速度センサ154は、車両速度を示す信号を生成する任意のセンサまたはセンサのシステムであり得る。例えば、制限するものではないが、車速センサ154は、エンジンのシャフトまたはドライブシャフトの回転速度を示す信号を生成できるタコメーターであることができる。車速センサ154によって生成される信号は、コンピューティングデバイス130に通信され、車両速度値を変換することができる。車両速度値は、車両200の速度を示している。いくつかの実施形態では、車両速度センサ154は、光アイソレータスロット付きディスクセンサ、ホール効果センサ、ドップラーレーダーなどを含む。いくつかの実施形態では、車速センサ154は、車両200の速度を決定するためにGPS150からのデータを含むことができる。コンピューティングデバイス130が、車両200が加速する、一定の速度を維持する、減速する、または、停止する場合を決定できるように、車速センサ154が設けられてもよい。例えば、車両速度センサ154は、コンピューティングデバイス130に、交通状況の変化により車両200が減速していることを示す信号を提供することができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、車両200は、LIDARシステム156を含むことができる。LIDARシステム156は、通信可能に、通信経路160およびコンピューティングデバイス130に結合されている。LIDARシステム156または光の検出と測距は、パルスレーザー光を使用してLIDARシステム156から、パルスレーザー光を反射するオブジェクトまでの距離を測定する。LIDARシステム156は、可動部品がほとんどないか全く無く、光フェーズドアレイデバイスとして構成されたものを含むソリッドステートデバイスとして作成することができ、それは、プリズムのような動作により、従来の回転LIDARシステム156に関連付けられた重量とサイズの複雑さ無しで、広い視野が可能である。LIDARシステム156は、飛行時間の測定に特に適している。これは、LIDARシステム156の視野内にあるオブジェクトとの距離測定に順番に関連付けることができる。LIDARシステム156から放出されるパルスレーザー光のさまざまな波長の戻り時間の差を計算することにより、ターゲットまたは環境のデジタル3D表現を生成できる。LIDARシステム156から放出されるパルスレーザー光は、例えば、約905ナノメートルの放射線を放出しする電磁スペクトルの赤外線範囲内またはその付近で作動する放射を含む。LIDARシステム156などのセンサは、車両200の近くのオブジェクトの識別のために詳細な3D空間情報を提供するように車両200で使用できる。同様に、車両マッピング、ナビゲーションと自律運用のためのシステムのサービスにおけるそのような情報の使用が可能であり、特に、非一時的コンピュータ読み取り可能メモリ134(コンピューティングデバイス130のそれ自体またはメモリのいずれか)と並んで、GPS150やジャイロスコープベースの慣性航法ユニット(INU、示されていない)または関連する推測航法システムなど地理参照デバイスと組み合わせて使用する場合がある。LIDARシステムによって収集された情報156は、エリア内の歩行者の交通量および/または歩行者の密度を決定するために使用できる環境の表現も提供する。
【0027】
引き続き
図2を参照すると、車両200は、現在、より一般的に、車車間通信システムが装備されている。一部のシステムは、ネットワークインターフェイスハードウェア170に依存している。ネットワークインターフェイスハードウェア170は、通信経路160に結合され、また、コンピューティングデバイス130に通信可能に結合されることができる。ネットワークインターフェイスハードウェア170は、ネットワーク180を使用するか、車両間通信システムを搭載した別の車両(例えば車両120-126)と直接接続するデータを送信および/または受信できる任意のデバイスであり得る。したがって、ネットワークインターフェイスハードウェア170は、有線または無線通信の送受信用通信トランシーバーを含むことができる。例えば、ネットワークインターフェースハードウェア170は、アンテナ、モデム、LANポート、Wi-Fiカード、WiMaxカード、モバイル通信ハードウェア、近距離通信ハードウェア、他のネットワークやデバイスと通信するための衛星通信ハードウェアおよび/または有線または無線ハードウェアを含むことができる。一実施形態では、ネットワークインターフェイスハードウェア170は、ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth))ワイヤレス通信プロトコルに従って動作するように構成されたハードウェアを含む。別の実施形態では、ネットワークインターフェースハードウェア170は、ネットワーク180および/または別の車両へ/からブルートゥース通信の送受信するためにブルートゥース送信/受信モジュールを含み得る。
【0028】
ここで
図3を参照すると、自動車のエッジコンピューティングシステムの例示的な実施形態が示されている。自動車のエッジコンピューティングシステムは、車車間通信、センサリソースの分散コンピューティング、および/または、自動車のエッジコンピューティングシステムに結合された車両間での通信による情報の共有を含むことができる。いくつかの実施形態では、車両間の通信120、121および122は、直接的であり得る。すなわち、第1の車両120は、第2の車両121および/または第3の車両122と直接通信することができ、第2の車両121は、第1の車両120および/または第3の車両122と直接通信することができ、そして、第3の車両122は、第1の車両120および/または第2の車両121と直接通信することができる。いくつかの実施形態では、車両120、121および122は、ネットワーク180を介して互いに通信することができる。いくつかの実施形態では、車両120、121と122は、1つまたは複数のリモートコンピューティングデバイス192および/またはサーバー193と通信できる。自動車のエッジコンピューティングシステムで構成された車両間の通信に加えて、1台以上の車両が、地理的ロケーションおよび/またはライドシェアリング需要の予測内で、地理的ロケーション内の予測需要に応じて価格の決定および/またはライドシェアリング車両の数の管理について、車両に配備されたセンサリソースによって収集された情報の処理を共有することができる。
【0029】
ネットワーク180は、1つ以上のコンピュータネットワーク(例えば、パーソナルエリアネットワーク、ローカルエリアネットワーク、または広域ネットワーク)、セルラーネットワーク、衛星ネットワークおよび/または全地球測位システムおよびそれらの組み合わせを含むことができる。したがって、車両120、121および122、および1つまたは複数のリモートコンピューティングデバイス192および/またはサーバー193は、有線または無線技術を介して、広域ネットワーク経由、ローカルエリアネットワーク経由、パーソナルエリアネットワーク経由セルラーネットワーク経由、衛星ネットワーク経由などで、ネットワーク180を介して互いに通信可能に結合されることができる。適切なローカルエリアネットワークは、例えば、ワイファイ(Wi-Fi)などの有線イーサネット(登録商標)および/またはワイヤレス技術を含むことができる。適切なパーソナルエリアネットワークには、例えば、IrDA、ブルートゥース、ワイヤレスUSB、Z-Wave、ZigBee、および/または他の近距離通信プロトコルのようなワイヤレステクノロジーが含まれる。同様に、適切なパーソナルエリアネットワークには、例えば、USBおよびFireWireのような有線コンピュータバスが含まれる。適切なセルラーネットワークは、限定されるものではないが、LTE、WiMAX、UMTS、CDMA、および、GSM(登録商標)などの技術を含む。
【0030】
特に、
図3は、コンピューティングデバイス130A、(例えば、
図2に関して図示および説明したように)センサリソースのセット、および、ネットワークインターフェイスハードウェア170Aを有する第1の車両120、コンピューティングデバイス130B、(例えば、
図2に関して図示および説明したように)センサリソースのセット、および、ネットワークインターフェイスハードウェア170Bを有する第2の車両121、および、コンピューティングデバイス130C、(例えば、
図2に関して図示および説明したように)センサリソースのセット、およびネットワークインターフェイスハードウェア170Cを有する第3の車両を示す。ここで詳細に説明するように、各車両、例えば、最初の車両1202番目の車両121および、第3の車両122は、それらが置かれているロケーションの地理的ロケーションに関する情報を収集し、車両および/または他の車両のセンサリソースからの環境に関する情報に基づいて地理的ロケーションでのライドシェアリングの需要を予測し、ライドシェアリングのための地理的ロケーション内におけるライドシェアリングの価格を決定し、および/または、車両の数を管理することができる。環境に関連して収集され、地理的ロケーション内で1つ以上のコンピューティングデバイスによって処理された情報の組み合わせを通じて、本明細書でより詳細に説明するように、ライドシェアリングの需要を予測することができる。環境について収集された情報に基づいた、ライドシェアリング需要の予測に加えて、ライドシェアリング需要を予測するシステムと方法は、また、1つ以上の地理的ロケーションのイベントのスケジュールに基づいていることがあり得る。
【0031】
ここで
図4を参照すると、特定の地理的ロケーション(例えば、
図1で言及される地区)に関連付けられたイベントの例示的なスケジュールが表示される。イベントのスケジュールは、例えば都市の特定の地理的ロケーション内で、計画されている活動やイベントに伴うライドシェアリングの需要を予測するシステムを提供する。イベントのスケジュールに基づいて、システムは、環境に関するリアルタイム情報を相関させることができる。例えば、エリア内のどの地理的ロケーションを予測するために、1つ以上の車両のセンサリソースによって収集されたもの、および、イベントのスケジュールにより、特定の時間にライドシェアをリクエストする可能性のある人々の流入または流出をみることができる。例えば、午後1時に予定されているフットボールの試合は、その時またはその前後に、第6地区への人の流入を示すことができ、続いて、ゲームが終了すると推定される午後4時またはその前後の流出を示すことができる。同様に、劇場街、
図1に示すマップの地区5は、午後7時30分から始まり、午後10時に終了するショーがある場合があり、これは、その頃のライドシェアに対する需要の増加を示すことができる。さらに、レストラン街は、地区2として示される都市ブロックに関連付けられており、そのエリアに、午後5時から午後11時30分までの週末のディナースペシャルにおいて駐車する多数のレストランを含むことができる。したがって、広告された週末の夕食の特別な時間の前、その間、および直後に地区2との間のトラフィックが増加する可能性がある。同様に、ショッピング街には、朝と午後の早い時間帯に衣料品の販売を宣伝した1つ以上の店舗があり得、それは潜在的に、それらの時間中にその地理的ロケーションに対するライドシェアの需要が増加することを示す。
【0032】
場合によっては、イベントのスケジュールを、ある地理的ロケーションから別の地理的ロケーションへの人の流れを予測するために使用することがあり得る。例えば、バー、クラブラウンジなどを有することに関連する、または、有することで知られる地区1は、午後遅くから夕方まで(例えば、午後4時から午後6時まで)ハッピーアワースペシャルを開催していることがあり得、この期間中に需要が増加する可能性がある。地区1のハッピーアワーイベントに際して、人々は、週末のディナースペシャルのために地区2(例えば、レストラン街)に移行することがあり得ることが予想される。このため、ライドシェアリング需要を予測するシステムは、これら2つの地理的ロケーションの間のトラフィックの増加およびライドシェアリング需要の増加を予測することができる。同様に、トラフィックの増加は、レストランでの週末のディナースペシャルが夜に終わり、地区2の深夜イベントが午後10時に始まるので、1区と2区の間に発生する可能性がある。
【0033】
場合によっては、例えば、都市または町の中において、地理的ロケーションにまたがるイベントのスケジュールを知っていることが、ライドシェアの需要を予測するには十分であることがあり得、リアルタイムの要因も、ライドシェアリングの需要の増加と減少の一因となる。例えば、天気が変わると、人々は歩く代わりにライドシェアを探すことが歩得る。すなわち、地理的ロケーション全体の天気について1台以上の車両のセンサリソースからリアルタイム情報を受信することにより、システムは、ライドシェアの需要に関する予測をさらに絞り込み、地理的ロケーションに追加のライドシェア車両を提供し、および/または、例えば、ライドシェアのリアルタイム市場で関連性と競争力を維持するための努力で、ライドシェアの価格を調整することができる。
【0034】
次のセクションでは、ライドシェアリング需要の予測と価格設定、および/または、自動車のエッジコンピューティングを利用した予測需要に応えてライドシェアリング車両の数の管理の方法を詳細に説明する。
【0035】
ここで
図5を参照すると、ライドシェアリング需要を予測し、および、予測された需要に応じて地理的ロケーションのライドシェアリング車両の数など価格設定とリソースの構成するための例示的な方法のフローチャート300が、描かれている。方法300は、地理的ロケーションにある車両のコンピューティングデバイス、リモートコンピューティングデバイス、または両方の組み合わせによって実行され得る。
図5に示すフローチャートは、非一時的コンピュータ可読メモリ134に保存され、コンピューティングデバイス130のプロセッサ132またはリモートコンピューティングデバイス192によって実行される機械可読命令セットの表現である。
図5のフローチャート300のプロセスは、さまざまな時点で、コンピューティングデバイス130に通信可能に結合されたセンサからの信号に応じて、実行されることができる。
【0036】
特に、ブロック310において、コンピューティングデバイスは、地理的ロケーション内の車両のセンサリソースからの地理的ロケーションの環境についての情報を受信する。地理的ロケーション内の車両によって収集された環境に関する情報は、気象条件、車両交通、人口密度、事故および/または建設の存在などに関するリアルタイム、または、ほぼリアルタイムの情報を含むことができる。センサリソースと通信機能を備えた車両は、環境に関する情報を収集することができる。例えば、情報を収集する車両は、ライドシェアリング車両であることができる。または、個人の車両、トラック、地理的ロケーション内のバスなどであることができる。地理的ロケーションについて収集された情報は、ローカルコンピューティングデバイスに送信することができる。コンピューティングデバイスは、車両内にあることができる、または、地理的ロケーション内の1つ以上の車両に結合された通信可能なコンピューティングデバイスであることができる。車両が収集した情報は、地理的ロケーションの環境についての情報の最新性を追跡するために、GPSデータとタイムスタンプに基づいて、地理的ロケーションに関連付けることができる。
【0037】
地理的ロケーションに関する情報は、ブロック320において、イベントのスケジュールに関連付けることもできる。イベントのスケジュールは、本明細書に記載の方法を実装するコンピューティングデバイスによってアクセス可能であるリモートコンピューティングデバイスおよび/またはサーバーに保存できる。いくつかの実施形態では、イベントのスケジュールは、店での販売などのイベント、ショータイム、ゲームの時間、パレードの開始時間、将来の交通パターンに影響を与える可能性のあるルートまたは道路の閉鎖、人々が町のイベントのために駐車できるイベント駐車場などの(例えば、日付、時間、ロケーション、出席の見積もり、など)詳細を含むことができる。これらの各イベントは、ライドシェアのリクエストの増加に対応することができるロケーションと時間を示すことができる。例えば、ライドシェアのリクエストは、人々が駐車場からパレードまたはゲームへのシャトルタイプの乗車を求めている場合があるので、パレードやゲームの開始前にイベント用駐車場で増加することができる。イベントのスケジュールは、テールゲートのロケーションやゲームのロケーション、またはレストランでの特別な食事のロケーション、および、夕方遅くの劇場でのプロダクションのロケーションなど、イベントをさらにリンクする場合がある。イベントのスケジュールは、日付、開始時間と終了時間、および/または、需要の予測に利用できるその他の関連情報を含むことができる。例えば、フットボールの試合などのイベントを含むイベントのスケジュールは、推定出席データをさらに含めることができる。イベントのスケジュールは、また、典型的な到着および/または出発時間またはイベントからの人々に関する履歴データも含むことができる。例えば、イベントのスケジュールは、1時に始まる予定のフットボールの試合に参加する人々の50%が試合時間の約30分前に到着することを示している履歴データを提供することができる。イベントのスケジュールからのそのような情報は、1つまたは複数の地理的ロケーション内および/または全体において、ライドシェア需要の予測を生成するための追加データをシステムに提供することができる。上記のように、地理的ロケーションは、例えば、野球場特定の住所であり得、または、レストラン、ショッピング、または、そのロケーションの一般的な種類の会場または店舗によって特徴付けられるエンターテイメント地区などの地区として定義される場合がある。
【0038】
ブロック330において、メソッドを実装するコンピューティングデバイスは、地理的ロケーションに関連する環境およびイベントのスケジュールについての情報に基づいてライドシェアリングリクエストの需要を予測できる。いくつかの実施形態では、予定されているイベントがないことがあり得るが、しかし、環境に関する情報は、レストラン地区の歩道で歩行者を撮影した画像データに基づいてレストラン地区の人口密度が高いことを示す。さらに、少なくとも1台の車両の気象センサが、気圧の低下、クラウドカバレッジの増加(例えば、減光)、および/または、雨の存在を示す。このため、コンピューティングデバイスは、ライドシェアの需要が近づいていると予測することができる。これは、ライドシェアの需要を予測するために利用される条件の一例にすぎないことが理解されるべきである。
【0039】
別の例では、イベントのスケジュールは、フットボールの試合が、間もなく終了し、レストラン街では現在ディナースペシャルを開催していることを示している。さらに、車両は、レストラン街周辺の交通が密集しており、ゆっくりと移動していると判断することができる。したがって、レストラン地区内のライドシェア車両は、フットボールの試合の終わりに起因した需要に対応するために、再配置するのにさらに時間がかかることがあり得る。このため、コンピューティングデバイスは、その地理的ロケーションにおいて、フットボールの試合の終わりにライドシェアの需要の増加を予測することができる。
【0040】
ライドシェアの需要が増加すると予測される場合、コンピューティングデバイスはライドシェアの価格設定を、ブロック340において、ライドシェアリングリクエストで予測される需要に基づいた地理的ロケーションについては、(たとえば、ライドあたりの価格が上がるように)調整できる。例えば、上記のフットボールゲームの例を参照すると、同時発生のイベントと交通渋滞のために、十分な車両が利用できない可能性があるから、需要の増加が予測されるために、コンピューティングデバイスは、フットボールの試合の地理的ロケーションから来ているリクエストのライドシェア価格を引き上げることができる。結果として、これにより、ライドシェアの実際のリクエスト数が減る可能性があり、および/または、ライドシェア車両がレストラン街から、フットボールの試合が終わる前のフットボールの試合への移動を促進する可能性がある。他の実施形態では、ライドシェアの需要が減少すると予測される場合、コンピューティングデバイスは、ライドシェアの価格を調整して、値が下がるようにする。
【0041】
いくつかの実施形態では、ブロック350において、コンピューティングデバイスは、1つ以上の追加の車両を、将来のライドシェアリングリクエストにおける予測需要(例えば、需要の増加)に基づいた地理的ロケーションへルーティングできる。例えば、自律ライドシェア車両がライドシェア車両群に含まれているような実施形態において、システムは、1つまたは複数の自律ライドシェア車両を、ライドシェアの需要が増加すると予測される地理的ロケーションへルーティングできる。ライドシェア車両が人間のドライバーによって制御される実施形態では、ドライバーは、地理的ロケーションにサービスを提供するために移転するよう誘われる可能性がある。ライドシェアの需要は増加すると予測されている。すなわち、ドライバーは、オンデマンドサービスが維持できるように、実際に需要が増加する前に、新しいロケーションにサービスを提供する金銭的インセンティブを提供されることがあり得る。
【0042】
逆に、需要が減少すると予測される実施形態では、コンピューティングデバイスは、1つまたは複数の車両をエリア外にルーティングできる。例えば、1つ以上の自律ライドシェア車両は、「アウトオブサービス」のロケーションに戻されることがあり得、または、駐車してサービスを停止することがあり得る。しかしながら、アウトオブサービスのライドシェア車両は、まだ、環境に関する情報を収集することができ、将来のライドシェアの需要予測をサポートするためにシステムに提供することができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、コンピューティングシステムは、ライドシェア価格を調整すること、および、1つ以上の追加の車両を需要が増加すると予測される地理的ロケーションにルーティングすることの両方を行うことができる。
【0044】
次に、本明細書で説明される実施形態は、ライドシェアリング需要を予測し、自動車のエッジコンピューティングを利用した予測需要に応えて価格設定および/またはライドシェアリング車両の数の管理をするためのシステムと方法とを対象とすることを理解すべきである。ここに記載されているシステムと方法は、環境に関する情報を収集し、処理し、共有するために、地理的ロケーションで、コンピューティングデバイスと1つ以上の車両のセンサリソースを利用できる。システムおよび方法は、ライドシェアリングリクエストの需要を予測するために、地理的ロケーションの環境についての情報および地理的ロケーションに関連するイベントのスケジュールを利用することができる。この予測は、現在の状況、既知の将来のイベント、および、地理的ロケーションや隣接するロケーションの天気や交通量の変化などの環境の潜在的な将来の変化に基づいたライドシェア要求の将来の推定値であることができる。この予測に応えて、システムと方法はライドシェアの価格を調整し、または需要が予測される地理的ロケーションまたはその近くで利用可能なライドシェア車両の数など積極的にリソースを管理することができる。需要が増加する、減少する、または、変化しないと予測することができ、システムはそれに応じて価格とリソースを調整できることが理解される。
【0045】
「実質的に」および「約」という用語は、本明細書では、定量的な比較、値、測定、または他の表現に起因する可能性がある不確実性の固有の程度を表すために利用することができることに留意する。これらの用語は、ここでも、程度を表すために利用される。これにより、定量的表現は、問題の主題の基本機能において変更をもたらすことなく記載されている参照と異なることができる。
【0046】
本明細書では特定の実施形態を例示し説明したが、クレームされた主題の主旨および範囲から逸脱することなく他のさまざまな変更および修正が行われる可能性があることが理解されるべきである。また、クレームされた主題のさまざまな態様がここに記載されているが、そのような態様を組み合わせて利用する必要はない。したがって、添付の特許請求の範囲は、クレームされた主題の範囲内である、そのようなすべての変更および修正をカバーすることが意図されている。