(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-06
(45)【発行日】2024-02-15
(54)【発明の名称】制御装置、それを備えた通信システム、コンピュータに実行させるためのプログラムおよびプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体
(51)【国際特許分類】
H04L 47/50 20220101AFI20240207BHJP
H04L 65/60 20220101ALI20240207BHJP
【FI】
H04L47/50
H04L65/60
(21)【出願番号】P 2019223928
(22)【出願日】2019-12-11
【審査請求日】2022-11-07
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和元年度、支出負担行為担当官、総務省大臣官房会計課企画官、研究テーマ「高ノイズ環境における周波数共用のための適応メディアアクセス制御に関する研究開発」に関する委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】393031586
【氏名又は名称】株式会社国際電気通信基礎技術研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100112715
【氏名又は名称】松山 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】近藤 良久
(72)【発明者】
【氏名】四方 博之
(72)【発明者】
【氏名】横山 浩之
【審査官】鈴木 香苗
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-182735(JP,A)
【文献】特表2007-520177(JP,A)
【文献】特開2002-208938(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0169209(US,A1)
【文献】近藤 良久 ほか,Multi-AP/Multi-Link無線LANにおける送信制御方式 Transmission Control Scheme for Multi-AP/Multi-Link WLAN,電子情報通信学会技術研究報告 Vol.119 No.345 [online] IEICE Technical Report,日本,一般社団法人電子情報通信学会 The Institute of Electronics,Information and Communication Engineers,2019年12月12日,pp.25-30
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 47/50
H04L 65/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のデータ単位を構成する複数のパケットを送信元から受信する受信手段と、
パケットを中継する1つの中継器における第1のキューに格納されるパケットが前記1つの中継器以外の全ての中継器における
全ての第1のキューに格納されるパケットと異なり、かつ、前記1つの中継器における第2のキューに格納されるパケットが前記1つの中継器以外の全ての中継器における
全ての第1のキューに格納される
全てのパケット
を集めたパケットと同じになるように前記複数のパケットのうちの1つのパケットを前記1つの中継器における前記第1または第2のキューに格納することを指定するタグを前記1つのパケットに付加するとともに前記複数のパケットが前記所定のデータ単位を構成することを表すグループIDを前記1つのパケットに付加して中継用パケットを生成する処理を前記複数のパケットを送信先へ中継する複数の中継器の全てについて実行して複数の中継用パケットを生成するパケット生成処理を前記受信手段からパケットを受ける毎に実行する生成手段と、
前記複数の中継用パケットをそれぞれ前記複数の中継器へ送信する送信手段とを備える制御装置。
【請求項2】
前記第1のキューは、入力されるパケットの順番と同じ順番でパケットを出力
するキューであり、
前記第2のキューは、入力されるパケットの順番と逆の順番でパケットを出力する
キューである、請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記第1のキューは、入力されるパケットの順番と同じ順番でパケットを出力
するキューであり、
前記第2のキューは、入力されるパケットの順番と同じ順番でパケットを出力する
キューである、請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
前記生成手段は、前記1つのパケットが受信された時からしきい値以上の経過時間が経過してもパケットが受信されないとき、前記グループIDを更新する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記複数の中継器は、K(Kは、2以上の整数)個の中継器からなり、
前記生成手段は、前記パケット生成処理において、前記K個の中継器のうちのj(j=1,2,・・・,K)番目の中継器における前記第1のキューに格納されるパケットが前記複数のパケットのうちのj+K(n-1)(n=1,2,・・・,Nであり、Nは、前記第1のキューに格納されるパケットの総数)番目のパケットになるように前記第1のキューに格納されるパケットを指定する第1のタグを生成し、または前記j番目の中継器における前記第2のキューに格納されるパケットが前記j番目の中継器以外の全ての中継器における
全ての前記第1のキューに格納される
全てのパケット
を集めたパケットと同じになるように前記第2の
キューに格納されるパケットを指定する第2のタグを生成し、前記第1のタグまたは前記第2のタグを前記タグとして前記1つのパケットに付加する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項6】
前記第1のキューは、パケットを取り出す優先度が前記第2のキューよりも高い、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の制御装置と、
前記制御装置から前記複数の中継用パケットをそれぞれ受信し、その受信した複数の中継用パケットを送信先へ送信する複数の中継器とを備える通信システム。
【請求項8】
受信手段が、所定のデータ単位を構成する複数のパケットを送信元から受信する第1のステップと、
生成手段が、パケットを中継する1つの中継器における第1のキューに格納されるパケットが前記1つの中継器以外の全ての中継器における
全ての第1のキューに格納されるパケットと異なり、かつ、前記1つの中継器における第2のキューに格納されるパケットが前記1つの中継器以外の全ての中継器における
全ての第1のキューに格納される
全てのパケット
を集めたパケットと同じになるように前記複数のパケットのうちの1つのパケットを前記1つの中継器における前記第1または第2のキューに格納することを指定するタグを前記1つのパケットに付加するとともに前記複数のパケットが前記所定のデータ単位を構成することを表すグループIDを前記1つのパケットに付加して中継用パケットを生成する処理を前記複数のパケットを送信先へ中継する複数の中継器の全てについて実行して複数の中継用パケットを生成するパケット生成処理を前記受信手段からパケットを受ける毎に実行する第2のステップと、
送信手段が、前記第2のステップにおいて生成された複数の中継用パケットをそれぞれ前記複数の中継器へ送信する第3のステップとをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項9】
前記第1のキューは、入力されるパケットの順番と同じ順番でパケットを出力
するキューであり、
前記第2のキューは、入力されるパケットの順番と逆の順番でパケットを出力する
キューである、請求項8に記載のコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項10】
前記第1のキューは、入力されるパケットの順番と同じ順番でパケットを出力
するキューであり、
前記第2のキューは、入力されるパケットの順番と同じ順番でパケットを出力する
キューである、請求項8に記載のコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項11】
前記生成手段は、前記第2のステップにおいて、前記1つのパケットが受信された時からしきい値以上の経過時間が経過してもパケットが受信されないとき、前記グループIDを更新する、請求項8から請求項10のいずれか1項に記載のコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項12】
前記複数の中継器は、K(Kは、2以上の整数)個の中継器からなり、
前記生成手段は、前記第2のステップの前記パケット生成処理において、前記K個の中継器のうちのj(j=1,2,・・・,K)番目の中継器における前記第1のキューに格納されるパケットが前記複数のパケットのうちのj+K(n-1)(n=1,2,・・・,Nであり、Nは、前記第1のキューに格納されるパケットの総数)番目のパケットになるように前記第1のキューに格納されるパケットを指定する第1のタグを生成し、または前記j番目の中継器における前記第2のキューに格納されるパケットが前記j番目の中継器以外の全ての中継器における
全ての前記第1のキューに格納される
全てのパケット
を集めたパケットと同じになるように前記第2の
キューに格納されるパケットを指定する第2のタグを生成し、前記第1のタグまたは前記第2のタグを前記タグとして前記1つのパケットに付加する、請求項8から請求項11のいずれか1項に記載のコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項13】
前記第1のキューは、パケットを取り出す優先度が前記第2のキューよりも高い、請求項8から請求項12のいずれか1項に記載のコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項14】
請求項8から請求項13のいずれか1項に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、制御装置、それを備えた通信システム、コンピュータに実行させるためのプログラムおよびプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
低遅延を採用するアプリケーションの数と4Kおよび8Kビデオのような高解像度ビデオストリーミングワイヤレスが増加している。これらのアプリケーションでは、生成されたビデオ画像データは、非特許文献1に記載のH.265のようなビデオコーデックを使用して圧縮された後に送信される。一般的に、ピクチャーフレームまたはピクチャーフレームの帯状の部分であるスライスは、コーディング操作の単位として扱われ、操作は、ビデオ画像生成間隔、例えば、16.7ミリ秒間隔と同期して行われる。このため、ビデオストリーミングのトラフィックパターンは、均一ではなく、一般に、周期的なピークを有する。
【0003】
図23は、ビデオストリーミングトラフィックの例を示す図である。受信側では、画像またはスライスのすべてのデータフレームがピクチャーまたはスライスのデコードに必要である。従って、大量のデータフレームが受信されるまでの送信時間の全てが遅延を評価するための重要なメトリックである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】“Information technology-high efficiency coding and media delivery in heterogeneous environments-Part 2: High efficiency video coding,” ITU-T Rec. H.265 and ISO/IEC 23008-2.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
IEEE802.11のWLAN(Wireless Local Area Network)を無線接続として想定すると、そのリンク容量は、干渉およびフェージングのような様々な理由によって動的に変化する。従って、
図23に示すように、トラフィックの到来がリンク容量の減少に重なる場合、遅延が大きくなるという問題がある。
【0006】
そこで、この発明の実施の形態によれば、所定のデータ単位を構成する複数のパケットを送信する場合に遅延を低減可能な制御装置を提供する。
【0007】
また、この発明の実施の形態によれば、所定のデータ単位を構成する複数のパケットを送信する場合に遅延を低減可能な制御装置を備える通信システムを提供する。
【0008】
更に、この発明の実施の形態によれば、所定のデータ単位を構成する複数のパケットを送信する場合に遅延の低減をコンピュータに実行させるためのプログラムを提供する。
【0009】
更に、この発明の実施の形態によれば、所定のデータ単位を構成する複数のパケットを送信する場合に遅延の低減をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(構成1)
この発明の実施の形態によれば、制御装置は、受信手段と、生成手段と、送信手段とを備える。受信手段は、所定のデータ単位を構成する複数のパケットを送信元から受信する。生成手段は、パケットを中継する1つの中継器における第1のキューに格納されるパケットが1つの中継器以外の全ての中継器における第1のキューに格納されるパケットと異なり、かつ、1つの中継器における第2のキューに格納されるパケットが1つの中継器以外の全ての中継器における第1のキューに格納されるパケットと同じになるように複数のパケットのうちの1つのパケットを1つの中継器における第1または第2のキューに格納することを指定するタグを1つのパケットに付加するとともに複数のパケットが所定のデータ単位を構成することを表すグループIDを1つのパケットに付加して中継用パケットを生成する処理を複数のパケットを送信先へ中継する複数の中継器の全てについて実行して複数の中継用パケットを生成するパケット生成処理を受信手段からパケットを受ける毎に実行する。送信手段は、複数の中継用パケットをそれぞれ複数の中継器へ送信する。
【0011】
(構成2)
構成1において、第1のキューは、入力されるパケットの順番と同じ順番でパケットを出力し、第2のキューは、入力されるパケットの順番と逆の順番でパケットを出力する。
【0012】
(構成3)
構成1において、第1のキューは、入力されるパケットの順番と同じ順番でパケットを出力し、第2のキューは、入力されるパケットの順番と同じ順番でパケットを出力する。
【0013】
(構成4)
構成1から構成3のいずれかにおいて、生成手段は、1つのパケットが受信された時からしきい値以上の経過時間が経過してもパケットが受信されないとき、グループIDを更新する。
【0014】
(構成5)
構成1から構成4のいずれかにおいて、複数の中継器は、K(Kは、2以上の整数)個の中継器からなる。生成手段は、パケット生成処理において、K個の中継器のうちのj(j=1,2,・・・,K)番目の中継器における第1のキューに格納されるパケットが複数のパケットのうちのj+K(n-1)(n=1,2,・・・,Nであり、Nは、第1のキューに格納されるパケットの総数)番目のパケットになるように第1のキューに格納されるパケットを指定する第1のタグを生成し、またはj番目の中継器における第2のキューに格納されるパケットがj番目の中継器以外の全ての中継器における第1のキューに格納されるパケットと同じになるように第2の中継器に格納されるパケットを指定する第2のタグを生成し、第1のタグまたは第2のタグをタグとして1つのパケットに付加する。
【0015】
(構成6)
構成1から構成5のいずれかにおいて、第1のキューは、パケットを取り出す優先度が第2のキューよりも高い。
【0016】
(構成7)
また、この発明の実施の形態によれば、通信システムは、構成1から構成6のいずれか1項に記載の制御装置と、制御装置から複数の中継用パケットをそれぞれ受信し、その受信した複数の中継用パケットを送信先へ送信する複数の中継器とを備える。
【0017】
(構成8)
更に、この発明の実施の形態によれば、プログラムは、
受信手段が、所定のデータ単位を構成する複数のパケットを送信元から受信する第1のステップと、
生成手段が、パケットを中継する1つの中継器における第1のキューに格納されるパケットが1つの中継器以外の全ての中継器における第1のキューに格納されるパケットと異なり、かつ、1つの中継器における第2のキューに格納されるパケットが1つの中継器以外の全ての中継器における第1のキューに格納されるパケットと同じになるように複数のパケットのうちの1つのパケットを1つの中継器における第1または第2のキューに格納することを指定するタグを1つのパケットに付加するとともに複数のパケットが所定のデータ単位を構成することを表すグループIDを1つのパケットに付加して中継用パケットを生成する処理を複数のパケットを送信先へ中継する複数の中継器の全てについて実行して複数の中継用パケットを生成するパケット生成処理を受信手段からパケットを受ける毎に実行する第2のステップと、
送信手段が、第2のステップにおいて生成された複数の中継用パケットをそれぞれ複数の中継器へ送信する第3のステップとをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0018】
(構成9)
構成8において、第1のキューは、入力されるパケットの順番と同じ順番でパケットを出力し、第2のキューは、入力されるパケットの順番と逆の順番でパケットを出力する。
【0019】
(構成10)
構成8において、第1のキューは、入力されるパケットの順番と同じ順番でパケットを出力し、第2のキューは、入力されるパケットの順番と同じ順番でパケットを出力する。
【0020】
(構成11)
構成8から構成10のいずれかにおいて、生成手段は、第2のステップにおいて、1つのパケットが受信された時からしきい値以上の経過時間が経過してもパケットが受信されないとき、グループIDを更新する。
【0021】
(構成12)
構成8から構成11のいずれかにおいて、複数の中継器は、K(Kは、2以上の整数)個の中継器からなる。
【0022】
生成手段は、第2のステップのパケット生成処理において、K個の中継器のうちのj(j=1,2,・・・,K)番目の中継器における第1のキューに格納されるパケットが複数のパケットのうちのj+K(n-1)(n=1,2,・・・,Nであり、Nは、第1のキューに格納されるパケットの総数)番目のパケットになるように第1のキューに格納されるパケットを指定する第1のタグを生成し、またはj番目の中継器における第2のキューに格納されるパケットがj番目の中継器以外の全ての中継器における第1のキューに格納されるパケットと同じになるように第2の中継器に格納されるパケットを指定する第2のタグを生成し、第1のタグまたは前記第2のタグをタグとして1つのパケットに付加する。
【0023】
(構成13)
構成8から構成12のいずれかにおいて、第1のキューは、パケットを取り出す優先度が第2のキューよりも高い。
【0024】
(構成14)
更に、この発明の実施の形態によれば、記録媒体は、構成8から構成13のいずれかに記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0025】
所定のデータ単位を構成する複数のパケットを送信する場合に遅延を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】この発明の実施の形態による通信システムの概略図である。
【
図3】中継用パケットの生成方法を説明するための図である。
【
図4】2つのアクセスポイントにおけるキューの概念図である。
【
図5】アクセスポイントが3個である場合の中継用パケットの概念図である。
【
図6】3個のアクセスポイントにおけるキューの概念図である。
【
図7】アクセスポイントが4個である場合の中継用パケットの概念図である。
【
図8】4個のアクセスポイントにおけるキューの概念図である。
【
図9】アクセスポイントの個数を変えたときの各アクセスポイントのプライマリーキューに格納されるパケットの番号を示す図である。
【
図10】
図1に示すアクセスポイントの概略図である。
【
図12】
図1に示す制御装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図13】プライマリーキューおよびセカンダリーキューに格納されるパケットの番号を生成する動作を説明するためのフローチャートである。
【
図14】
図1に示す1つのアクセスポイントの動作を説明するためのフローチャートである。
【
図15】1つのアクセスポイントにおけるフィードバックフレームに関連する動作を説明するためのフローチャートである。
【
図16】
図1に示す端末装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図18】2個のアクセスポイントから端末装置へのパケットの送信を示す概念図である。
【
図19】データレートのタイミングチャートである。
【
図20】プライマリーキューおよびセカンダリーキューに格納されるパケットの番号がランダムである場合の概念図である。
【
図22】
図21に示す制御装置の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図23】ビデオストリーミングトラフィックの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0028】
図1は、この発明の実施の形態による通信システムの概略図である。
図1を参照して、この発明の実施の形態による通信システム10は、制御装置2と、アクセスポイント(AP:Access Point)3-1~3-K(Kは、2以上の整数)とを備える。
【0029】
制御装置2は、送信元である送信装置1から複数のパケットPKT_1~PKT_m(mは、2以上の整数)を有線ケーブル5を介して順次受信する。複数のPKT_1~PKT_mは、例えば、動画の1画面を構成する複数のパケットからなる。複数のパケットPKT_1~PKT_mは、動画の1画面を構成する複数のパケットに限らず、一般的には、所定のデータ単位を構成する複数のパケットからなっていればよい。
【0030】
そして、制御装置2は、後述する方法によって、1つのパケットPKT_i(iは、1,2,・・・,m)を受信手段21から受ける毎に、パケットPKT_iに基づいて中継用パケットPKT_RLY_1~PKT_RLY_Kを生成し、有線ケーブル5を介して中継用パケットPKT_RLY_1~PKT_RLY_Kをそれぞれアクセスポイント3-1~3-Kへ送信する。
【0031】
アクセスポイント3-1~3-Kの各々は、プライマリーキューQue1およびセカンダリーキューQue2を備える。アクセスポイント3-1~3-Kは、有線ケーブル5を介して中継用パケットPKT_RLY_1~PKT_RLY_Kをそれぞれ受信する。そして、アクセスポイント3-1は、後述する方法によって、中継用パケットPKT_RLY_1に含まれるタグTAG_iに従って、中継用パケットPKT_RLY_1に含まれるパケットPKT_iをプライマリーキューQue1またはセカンダリーキューQue2に格納する。アクセスポイント3-2~3-Kも、アクセスポイント3-1と同様にして、それぞれ、中継用パケットPKT_RLY_2~PKT_RLY_Kに含まれるパケットPKT_iをプライマリーキューQue1またはセカンダリーキューQue2に格納する。
【0032】
そうすると、アクセスポイント3-1~3-Kの各々は、後述する方法によって、プライマリーキューQue1およびセカンダリーキューQue2に格納されたパケットPKT_iを無線通信によって送信先である端末装置4へ送信する。
【0033】
端末装置4は、K個のアクセスポイント3-1~3-Kの通信範囲内に配置される。端末装置4は、アクセスポイント3-1~3-KからパケットPKT_iを順次受信して複数の複数のパケットPKT_1~PKT_mを受信する。そして、端末装置4は、その受信した複数のパケットPKT_1~PKT_mを復号して所定のデータ単位を取得する。その後、端末装置4は、後述するフィードバックフレームFrame_FB_1~Frame_FB_Kを生成し、その生成したフィードバックフレームFrame_FB_1~Frame_FB_Kをそれぞれアクセスポイント3-1~3-Kへ送信する。
【0034】
図2は、
図1に示す制御装置2の概略図である。
図2を参照して、制御装置2は、受信手段21と、生成手段22と、送信手段23とを備える。受信手段21および送信手段23は、有線ケーブル5に接続される。
【0035】
受信手段21は、有線ケーブル5を介して複数のパケットPKT_1~PKT_mを順次受信し、その受信した複数のパケットPKT_1~PKT_mを生成手段22へ順次出力する。
【0036】
生成手段22は、複数のパケットPKT_1~PKT_mを受信手段21から順次受ける。そして、生成手段22は、1つのアクセスポイントにおけるプライマリーキューQue1に格納されるパケットが1つのアクセスポイント以外の全てのアクセスポイントにおけるプライマリーキューQue1に格納されるパケットと異なり、かつ、1つのアクセスポイントにおけるセカンダリーキューQue2に格納されるパケットが1つのアクセスポイント以外の全てのアクセスポイントにおけるプライマリーキューQue1に格納されるパケットと同じになるように複数のパケットPKT_1~PKT_mのうちの1つのパケットPKT_iを1つのアクセスポイントにおけるプライマリーキューQue1またはセカンダリーキューQue2に格納することを指定するタグTAG_iを1つのパケットPKT_iに付加するとともに複数のパケットPKT_1~PKT_mが所定のデータ単位を構成することを表すグループIDを1つのパケットPKT_iに付加して中継用パケットを生成する処理を複数のパケットPKT_1~PKT_mを送信先へ中継する複数のアクセスポイント3-1~3-Kの全てについて実行して複数の中継用パケットPKT_RLY_1~PKT_RLY_Kを生成するパケット生成処理を受信手段21からパケットを受ける毎に実行する。そうすると、生成手段22は、複数の中継用パケットPKT_RLY_1~PKT_RLY_Kを送信手段23へ出力する。生成手段22は、パケット生成処理において、1つのパケットを受信手段21から受ける毎に複数の中継用パケットPKT_RLY_1~PKT_RLY_Kを生成し、その生成した複数の中継用パケットPKT_RLY_1~PKT_RLY_Kを送信手段23へ出力する。
【0037】
なお、生成手段22は、複数のパケットPKT_1~PKT_mのうちの1つのパケットPKT_iを受信手段21から受けた時からしきい値(例えば、5ms)以上の経過時間が経過した後に受信手段21から1つのパケットPKT_i+1を受けたとき、グループIDを更新する。
【0038】
送信手段23は、複数の中継用パケットPKT_RLY_1~PKT_RLY_Kを生成手段22から受け、その受けた複数の中継用パケットPKT_RLY_1~PKT_RLY_Kを有線ケーブル5を介してそれぞれアクセスポイント3-1~3-Kへ送信する。
【0039】
図3は、中継用パケットの生成方法を説明するための図である。
図4は、2つのアクセスポイントにおけるキューの概念図である。なお、
図3においては、アクセスポイント3-1~3-Kが2個のアクセスポイント3-1,3-2からなる場合について中継用パケットPKT_RLYの生成方法を説明する。
【0040】
図3を参照して、生成手段22は、送信先のアドレスAdd_DSが付加されたパケットPKT_1を受信手段21から受ける(
図3の(a)参照)。
【0041】
そして、生成手段22は、パケットPKT_1をプライマリーキューQue1に格納することを指定する“0”からなるタグTAG_1:0を生成し、その生成したタグTGA_1:0をパケットPKT_1に付加する(
図3の(b)参照)。その後、生成手段22は、グループID1とアクセスポイント3-1のアドレスAdd_AP1とをパケットPKT_1に付加して中継用パケットPKT_RLY_1を生成する(
図3の(c)参照)。
【0042】
また、生成手段22は、アドレスAdd_DSが付加されたパケットPKT_1をコピーし(
図3の(d)参照)、そのコピーしたパケットPKT_1をセカンダリーキューQue2に格納することを指定する“1”からなるタグTAG_1:1を生成する。そして、生成手段22は、タグTAG_1:1をパケットPKT_1に付加する(
図3の(e)参照)。その後、生成手段22は、グループID1とアクセスポイント3-2のアドレスAdd_AP2とをパケットPKT_1に付加して中継用パケットPKT_RLY_2を生成する(
図3の(f)参照)。
【0043】
生成手段22は、パケットPKT_2を受信手段21から受けると(
図3の(g)参照)、パケットPKT_2をセカンダリーキューQue2に格納することを指定する“1”からなるタグTAG_2:1を生成し、その生成したタグTGA_2:1をパケットPKT_2に付加する(
図3の(h)参照)。その後、生成手段22は、グループID1とアクセスポイント3-1のアドレスAdd_AP1とをパケットPKT_2に付加して中継用パケットPKT_RLY_1を生成する(
図3の(i)参照)。
【0044】
また、生成手段22は、アドレスAdd_DSが付加されたパケットPKT_2をコピーし(
図3の(j)参照)、そのコピーしたパケットPKT_2をプライマリーキューQue1に格納することを指定する“1”からなるタグTAG_2:0を生成する。そして、生成手段22は、タグTAG_2:0をパケットPKT_2に付加する(
図3の(k)参照)。その後、生成手段22は、グループID1とアクセスポイント3-2のアドレスAdd_AP2とをパケットPKT_2に付加して中継用パケットPKT_RLY_2を生成する(
図3の(l)参照)。
【0045】
以後、生成手段22は、奇数番目のパケットを受けると、上述した方法によって、奇数番目のパケットをプライマリーキューQue1に格納することを指定するタグを付加した中継用パケットPKT_RLY_1と、奇数番目のパケットをセカンダリーキューQue2に格納することを指定するタグを付加した中継用パケットPKT_RLY_2とを生成する。また、生成手段22は、偶数番目のパケットを受けると、上述した方法によって、偶数番目のパケットをセカンダリーキューQue2に格納することを指定するタグを付加した中継用パケットPKT_RLY_1と、偶数番目のパケットをプライマリーキューQue1に格納することを指定するタグを付加した中継用パケットPKT_RLY_2とを生成する。
【0046】
このように、生成手段22は、1つのパケットを受信手段21から受ける毎に、上述した方法によって、中継用パケットPKT_RLY_1,PKT_RLY_2を生成する。
【0047】
図4を参照して、アクセスポイント3-1は、10個の中継用パケットPKT_RLY_1を制御装置2から順次受信し、その受信した10個の中継用パケットPKT_RLY_1のタグTAG_1を参照して、奇数番目のパケットPKT_1,PKT_3,PKT_5,PKT_7,PKT_9をプライマリーキューQue1に順次格納し、偶数番目のパケットPKT_2,PKT_4,PKT_6,PKT_8,PKT_10をセカンダリーキューQue2に順次格納する。
【0048】
一方、アクセスポイント3-2は、10個の中継用パケットPKT_RLY_2を制御装置2から順次受信し、その受信した10個の中継用パケットPKT_RLY_2のタグTAG_2を参照して、偶数番目のパケットPKT_2,PKT_4,PKT_6,PKT_8,PKT_10をプライマリーキューQue1に順次格納し、奇数番目のパケットPKT_1,PKT_3,PKT_5,PKT_17,PKT_9をセカンダリーキューQue2に順次格納する。
【0049】
その結果、アクセスポイント3-1のプライマリーキューQue1に格納されたパケットPKT_1,PKT_3,PKT_5,PKT_7,PKT_9は、アクセスポイント3-2のプライマリーキューQue1に格納されたパケットPKT_2,PKT_4,PKT_6,PKT_8,PKT_10と異なり、かつ、アクセスポイント3-1のセカンダリーキューQue2に格納されたパケットPKT_2,PKT_4,PKT_6,PKT_8,PKT_10は、アクセスポイント3-2のプライマリーキューQue1に格納されたパケットPK_T2,PKT_4,PKT_6,PKT_8,PKT_10と同じである。
【0050】
また、アクセスポイント3-2のプライマリーキューQue1に格納されたパケットPKT_2,PKT_4,PKT_6,PKT_8,PKT_10は、アクセスポイント3-1のプライマリーキューQue1に格納されたパケットPKT_1,PKT_3,PKT_5,PKT_7,PKT_9と異なり、かつ、アクセスポイント3-2のセカンダリーキューQue2に格納されたパケットPKT_1,PKT_3,PKT_5,PKT_7,PKT_9は、アクセスポイント3-1のプライマリーキューQue1に格納されたパケットPKT_1,PKT_3,PKT_5,PKT_7,PKT9_と同じである。
【0051】
このように、2つのアクセスポイント3-1,3-2の各々のプライマリーキューQue1およびセカンダリーキューQue2には、複数のパケットPKT_1~PKT_10が同じルールに従って格納されるように、タグTAG_1,TAG_2が複数のパケットPKT_1~PKT_10の各パケットに付加される。
【0052】
図5は、アクセスポイントが3個である場合の中継用パケットの概念図である。
図6は、3個のアクセスポイントにおけるキューの概念図である。
【0053】
図5を参照して、生成手段22は、パケットPKT_i(i=1,4,7,10)の各パケットを受信手段21から受けると、パケットPKT_i(i=1,4,7,10)の各パケットをプライマリーキューQue1に格納することを指定したタグTAG_iを付加した中継用パケットPKT_RLY_1(
図5の(a)参照)と、パケットPKT_i(i=1,4,7,10)の各パケットをセカンダリーキューQue2に格納することを指定したタグTAG_iを付加した中継用パケットPKT_RLY_2(
図5の(b)参照)と、パケットPKT_i(i=1,4,7,10)の各パケットをセカンダリーキューQue2に格納することを指定したタグTAG_iを付加した中継用パケットPKT_RLY_3(
図5の(c)参照)とを生成する。
【0054】
また、生成手段22は、パケットPKT_i(i=2,5,8)の各パケットを受信手段21から受けると、パケットPKT_i(i=2,5,8)の各パケットをセカンダリーキューQue2に格納することを指定したタグTAG_iを付加した中継用パケットPKT_RLY_1(
図5の(a)参照)と、パケットPKT_i(i=2,5,8)の各パケットをプライマリーキューQue1に格納することを指定したタグTAG_iを付加した中継用パケットPKT_RLY_2(
図5の(b)参照)と、パケットPKT_i(i=2,5,8)の各パケットをセカンダリーキューQue2に格納することを指定したタグTAG_iを付加した中継用パケットPKT_RLY_3(
図5の(c)参照)とを生成する。
【0055】
更に、生成手段22は、パケットPKT_i(i=3,6,9)の各パケットを受信手段21から受けると、パケットPKT_i(i=3,6,9)の各パケットをセカンダリーキューQue2に格納することを指定したタグTAG_iを付加した中継用パケットPKT_RLY_1(
図5の(a)参照)と、パケットPKT_i(i=3,6,9)の各パケットをセカンダリーキューQue2に格納することを指定したタグTAG_iを付加した中継用パケットPKT_RLY_2(
図5の(b)参照)と、パケットPKT_i(i=3,6,9)の各パケットをプライマリーキューQue1に格納することを指定したタグTAG_iを付加した中継用パケットPKT_RLY_3とを生成する(
図5の(c)参照)。
【0056】
図6を参照して、アクセスポイント3-1のプライマリーキューQue1に格納されるパケットPKT_1,PKT_4,PKT_7,PKT_10は、アクセスポイント3-1以外のアクセスポイント3-2におけるプライマリーキューQue1に格納されるパケットPKT_2,PKT_5,PKT_8およびアクセスポイント3-1以外のアクセスポイント3-3におけるプライマリーキューQue1に格納されるパケットPKT_3,PKT_6,PKT_9と異なり、かつ、アクセスポイント3-1のセカンダリーキューQue2に格納されるパケットPKT_2,PKT_3,PKT_5,PKT_6,PKT_8,PKT_9は、アクセスポイント3-2およびアクセスポイント3-3(アクセスポイント3-1以外の全てのアクセスポイント)におけるプライマリーキューQue1に格納されるパケットPKT_2,PKT_5,PKT_8;PKT_3,PKT_6,PKT_9と同じである。
【0057】
また、アクセスポイント3-2のプライマリーキューQue1に格納されるパケットPKT_2,PKT_5,PKT_8は、アクセスポイント3-2以外のアクセスポイント3-1におけるプライマリーキューQue1に格納されるパケットPKT_1,PKT_4,PKT_7,PKT_10およびアクセスポイント3-2以外のアクセスポイント3-3におけるプライマリーキューQue1に格納されるパケットPKT_3,PKT_6,PKT_9と異なり、かつ、アクセスポイント3-2のセカンダリーキューQue2に格納されるパケットPKT_1,PKT_3,PKT_4,PKT_6,PKT_7,PKT_9,PKT_10は、アクセスポイント3-1およびアクセスポイント3-3(アクセスポイント3-2以外の全てのアクセスポイント)におけるプライマリーキューQue1に格納されるパケットPKT_1,PKT_4,PKT_7,PKT_10;PKT_3,PKT_6,PKT_9と同じである。
【0058】
更に、アクセスポイント3-3のプライマリーキューQue1に格納されるパケットPKT_3,PKT_6,PKT_9は、アクセスポイント3-3以外のアクセスポイント3-1におけるプライマリーキューQue1に格納されるパケットPKT_1,PKT_4,PKT_7,PKT_10およびアクセスポイント3-3以外のアクセスポイント3-2におけるプライマリーキューQue1に格納されるパケットPKT_2,PKT_5,PKT_8と異なり、かつ、アクセスポイント3-3のセカンダリーキューQue2に格納されるパケットPKT_1,PKT_2,PKT_4,PKT_5,PKT_7,PKT_8,PKT_10は、アクセスポイント3-1およびアクセスポイント3-2(アクセスポイント3-3以外の全てのアクセスポイント)におけるプライマリーキューQue1に格納されたパケットPKT_1,PKT_4,PKT_7,PKT_10;PKT_2,PKT_5,PKT_8と同じである。
【0059】
図7は、アクセスポイントが4個である場合の中継用パケットの概念図である。
図8は、4個のアクセスポイントにおけるキューの概念図である。
【0060】
図7を参照して、生成手段22は、パケットPKT_i(i=1,5,9)の各パケットを受信手段21から受けると、パケットPKT_i(i=1,5,9)の各パケットをプライマリーキューQue1に格納することを指定したタグTAG_iを付加した中継用パケットPKT_RLY_1(
図7の(a)参照)と、パケットPKT_i(i=1,5,9)の各パケットをセカンダリーキューQue2に格納することを指定したタグTAG_iを付加した中継用パケットPKT_RLY_2(
図7の(b)参照)と、パケットPKT_i(i=1,5,9)の各パケットをセカンダリーキューQue2に格納することを指定したタグTAG_iを付加した中継用パケットPKT_RLY_3(
図7の(c)参照)と、パケットPKT_i(i=1,5,9)の各パケットをセカンダリーキューQue2に格納することを指定したタグTAG_iを付加した中継用パケットPKT_RLY_4(
図7の(d)参照)とを生成する。
【0061】
また、生成手段22は、パケットPKT_i(i=2,6,10)の各パケットを受信手段21から受けると、パケットPKT_i(i=2,6,10)の各パケットをセカンダリーキューQue2に格納することを指定したタグTAG_iを付加した中継用パケットPKT_RLY_1(
図7の(a)参照)と、パケットPKT_i(i=2,6,10)の各パケットをプライマリーキューQue1に格納することを指定したタグTAG_iを付加した中継用パケットPKT_RLY_2(
図7の(b)参照)と、パケットPKT_i(i=2,6,10)の各パケットをセカンダリーキューQue2に格納することを指定したタグTAG_iを付加した中継用パケットPKT_RLY_3(
図7の(c)参照)と、パケットPKT_i(i=2,6,10)の各パケットをセカンダリーキューQue2に格納することを指定したタグTAG_iを付加した中継用パケットPKT_RLY_4(
図7の(d)参照)とを生成する。
【0062】
更に、生成手段22は、パケットPKT_i(i=3,7)の各パケットを受信手段21から受けると、パケットPKT_i(i=3,7)の各パケットをセカンダリーキューQue2に格納することを指定したタグTAG_iを付加した中継用パケットPKT_RLY_1(
図7の(a)参照)と、パケットPKT_i(i=3,7)の各パケットをセカンダリーキューQue2に格納することを指定したタグTAG_iを付加した中継用パケットPKT_RLY_2(
図7の(b)参照)と、パケットPKT_i(i=3,7)の各パケットをプライマリーキューQue1に格納することを指定したタグTAG_iを付加した中継用パケットPKT_RLY_3(
図7の(c)参照)と、パケットPKT_i(i=3,7)の各パケットをセカンダリーキューQue2に格納することを指定したタグTAG_iを付加した中継用パケットPKT_RLY_4(
図7の(d)参照)と生成する。
【0063】
更に、生成手段22は、パケットPKT_i(i=4,8)の各パケットを受信手段21から受けると、パケットPKT_i(i=4,8)の各パケットをセカンダリーキューQue2に格納することを指定したタグTAG_iを付加した中継用パケットPKT_RLY_1(
図7の(a)参照)と、パケットPKT_i(i=4,8)の各パケットをセカンダリーキューQue2に格納することを指定したタグTAG_iを付加した中継用パケットPKT_RLY_2(
図7の(b)参照)と、パケットPKT_i(i=4,8)の各パケットをセカンダリーキューQue2に格納することを指定したタグTAG_iを付加した中継用パケットPKT_RLY_3(
図7の(c)参照)と、パケットPKT_i(i=3,7)の各パケットをプライマリーキューQue1に格納することを指定したタグTAG_iを付加した中継用パケットPKT_RLY_4(
図7の(d)参照)と生成する。
【0064】
図8を参照して、アクセスポイント3-1のプライマリーキューQue1に格納されるパケットPKT_1,PKT_5,PKT_9は、アクセスポイント3-1以外のアクセスポイント3-2におけるプライマリーキューQue1に格納されるパケットPKT_2,PKT_6,PKT_10、アクセスポイント3-1以外のアクセスポイント3-3におけるプライマリーキューQue1に格納されるパケットPKT_3,PKT_7、およびアクセスポイント3-1以外のアクセスポイント3-4におけるプライマリーキューQue1に格納されるパケットPKT_4,PKT_8と異なり、かつ、アクセスポイント3-1のセカンダリーキューQue2に格納されるパケットPK_T2,PKT_3,PKT_4,PKT_6,PKT_7,PKT_8,PKT_10は、アクセスポイント3-2、アクセスポイント3-3およびアクセスポイント3-4(アクセスポイント3-1以外の全てのアクセスポイント)におけるプライマリーキューQue1に格納されるパケットPKT_2,PKT_6,PKT_10;PKT_3,PKT_7;PKT_4,PKT_8と同じである。
【0065】
また、アクセスポイント3-2のプライマリーキューQue1に格納されるパケットPKT_2,PKT_6,PKT_10は、アクセスポイント3-2以外のアクセスポイント3-1におけるプライマリーキューQue1に格納されるパケットPKT_1,PKT_5,PKT_9、アクセスポイント3-2以外のアクセスポイント3-3におけるプライマリーキューQue1に格納されるパケットPKT_3,PKT_7およびアクセスポイント3-2以外のアクセスポイント3-4におけるプライマリーキューQue1に格納されるパケットPKT_4,PKT_8と異なり、かつ、アクセスポイント3-2のセカンダリーキューQue2に格納されるパケットPKT_1,PKT_3,PKT_4,PKT_5,PKT_7,PKT_8,PKT_9は、アクセスポイント3-1、アクセスポイント3-3およびアクセスポイント3-4(アクセスポイント3-2以外の全てのアクセスポイント)におけるプライマリーキューQue1に格納されるパケットPKT_1,PKT_5,PKT_9;PKT_3,PKT_7;PKT_4,PKT_8と同じである。
【0066】
更に、アクセスポイント3-3のプライマリーキューQue1に格納されるパケットPKT_3,PKT_7は、アクセスポイント3-3以外のアクセスポイント3-1におけるプライマリーキューQue1に格納されるパケットPKT_1,PKT_5,PKT_9、アクセスポイント3-3以外のアクセスポイント3-2におけるプライマリーキューQue1に格納されるパケットPKT_2,PKT_6,PKT_10およびアクセスポイント3-3以外のアクセスポイント3-4におけるプライマリーキューQue1に格納されるパケットPKT_4,PKT_8と異なり、かつ、アクセスポイント3-3のセカンダリーキューQue2に格納されるパケットPKT_1,PKT_2,PKT_4,PKT_5,PKT_6,PKT_8,PKT_9,PKT_10は、アクセスポイント3-1、アクセスポイント3-2およびアクセスポイント3-4(アクセスポイント3-3以外の全てのアクセスポイント)におけるプライマリーキューQue1に格納されるパケットPKT_1,PKT_5,PKT_9;PKT_2,PKT_6,PKT_10;PKT_4,PKT_8と同じである。
【0067】
更に、アクセスポイント3-4のプライマリーキューQue1に格納されるパケットPKT_4,PKT_8は、アクセスポイント3-4以外のアクセスポイント3-1におけるプライマリーキューQue1に格納されるパケットPKT_1,PKT_5,PKT_9、アクセスポイント3-4以外のアクセスポイント3-2におけるプライマリーキューQue1に格納されるパケットPKT_2,PKT_6,PKT_10およびアクセスポイント3-4以外のアクセスポイント3-3におけるプライマリーキューQue1に格納されるパケットPKT_3,PKT_7と異なり、かつ、アクセスポイント3-4のセカンダリーキューQue2に格納されるパケットPKT_1,PKT_2,PKT_3,PKT_5,PKT_6,PKT_7,PKT_9,PKT_10は、アクセスポイント3-1、アクセスポイント3-2およびアクセスポイント3-3(アクセスポイント3-4以外の全てのアクセスポイント)におけるプライマリーキューQue1に格納されるパケットPKT_1,PKT_5,PKT_9;PKT_2,PKT_6,PKT_10;PKT_3,PKT_7と同じである。
【0068】
図9は、アクセスポイントの個数を変えたときの各アクセスポイントのプライマリーキューQue1に格納されるパケットの番号を示す図である。
【0069】
一般的に、K個のアクセスポイント3-1~アクセスポイント3-Kが存在する場合、K個のアクセスポイント3-1~アクセスポイント3-Kのうちの1つのアクセスポイントを指定する引数を“j(jは、1,2,・・・,K)”とする。
【0070】
アクセスポイントの個数kが2である場合、アクセスポイント3-1(j=1)におけるプライマリーキューQue1に格納されるパケットの番号PKTnumber_1は、
図9の式(1-1)によって算出される。nは、プライマリーキューQue1に格納されるパケットの順番を表し、nの最大値は、プライマリーキューQue1に格納されるパケットの個数を表す。また、アクセスポイント3-2(j=2)におけるプライマリーキューQue1に格納されるパケットの番号PKTnumber_2は、
図9の式(1-2)によって算出される。
【0071】
アクセスポイントの個数kが3である場合、アクセスポイント3-1(j=1)におけるプライマリーキューQue1に格納されるパケットの番号PKTnumber_1は、
図9の式(2-1)によって算出され、アクセスポイント3-2(j=2)におけるプライマリーキューQue1に格納されるパケットの番号PKTnumber_2は、
図9の式(2-2)によって算出され、アクセスポイント3-3(j=3)におけるプライマリーキューQue1に格納されるパケットの番号PKTnumber_3は、
図9の式(2-3)によって算出される。
【0072】
アクセスポイントの個数kが4である場合、アクセスポイント3-1(j=1)におけるプライマリーキューQue1に格納されるパケットの番号PKTnumber_1は、
図9の式(3-1)によって算出され、アクセスポイント3-2(j=2)におけるプライマリーキューQue1に格納されるパケットの番号PKTnumber_2は、
図9の式(3-2)によって算出され、アクセスポイント3-3(j=3)におけるプライマリーキューQue1に格納されるパケットの番号PKTnumber_3は、
図9の式(3-3)によって算出され、アクセスポイント3-4(j=4)におけるプライマリーキューQue1に格納されるパケットの番号PKTnumber_4は、
図9の式(3-4)によって算出される。
【0073】
以下、同様にして、アクセスポイントの個数kがKである場合、アクセスポイント3-1(j=1)におけるプライマリーキューQue1に格納されるパケットの番号PKTnumber_1は、
図9の式(4-1)によって算出され、アクセスポイント3-2(j=2)におけるプライマリーキューQue1に格納されるパケットの番号PKTnumber_2は、
図9の式(4-2)によって算出され、アクセスポイント3-3(j=3)におけるプライマリーキューQue1に格納されるパケットの番号PKTnumber_3は、
図9の式(4-3)によって算出され、アクセスポイント3-4(j=4)におけるプライマリーキューQue1に格納されるパケットの番号PKTnumber_4は、
図9の式(4-4)によって算出され、以下、同様にして、アクセスポイント3-K(j=K)におけるプライマリーキューQue1に格納されるパケットの番号PKTnumber_Kは、
図9の式(4-K)によって算出される。
【0074】
従って、一般的に、K個のアクセスポイント3-1~3-Kのうちのj番目のアクセスポイント3-jにおけるプライマリーキューQue1に格納されるパケットの番号は、j+K(n-1)の式によって決定される。
【0075】
このように、アクセスポイントのプライマリーキューQue1に格納されるパケットの番号は、各アクセスポイントを指定する引数jを初項とし、アクセスポイントの個数Kを公差とする等差数列によって表される。
【0076】
従って、生成手段22は、アクセスポイントの個数Kおよび引数jに応じて、プライマリーキューQue1に格納されるパケットの番号を算出するための式を
図9の式(1-1)~式(4-K)の中から選択し、その選択した式を用いてプライマリーキューQue1に格納されるパケットの番号を算出することを全てのアクセスポイントについて実行する。
【0077】
この場合、
図9の式(1-1)~式(1-2)における初項jは、相互に異なり、式(2-1)~式(2-3)における初項jは、相互に異なり、式(3-1)~式(3-4)における初項jは、相互に異なり、式(4-1)~式(4-K)における初項jは、相互に異なるので、1つのアクセスポイントにおけるプライマリーキューQue1に格納されるパケットの番号は、1つのアクセスポイント以外の全てのアクセスポイントにおけるプライマリーキューQue1に格納されるパケットの番号と異なる。つまり、1つのアクセスポイントにおけるプライマリーキューQue1に格納されるパケットは、1つのアクセスポイント以外の全てのアクセスポイントにおけるプライマリーキューQue1に格納されるパケットと異なる。
【0078】
そして、生成手段22は、全てのアクセスポイントにおけるプライマリーキューQue1に格納されるパケットの番号を算出すると、その算出した番号を有するパケットに対応するタグTAGにプライマリーキューQue1を指定する“0”を格納してプライマリーキューQue1に格納されるパケットを指定する処理を全てのアクセスポイントについて実行する。これによって、全てのアクセスポイントにおいて、プライマリーキューQue1に格納されるパケットを指定するタグTAG_Que1が生成される。
【0079】
その後、生成手段22は、1つのアクセスポイントにおけるセカンダリーキューQue2に格納されるパケットの番号が1つのアクセスポイント以外の全てのアクセスポイントにおけるプライマリーキューQue1に格納されるパケットの番号からなるように、1つのアクセスポイントにおけるセカンダリーキューQue2に格納されるパケットの番号を決定する。生成手段22は、この処理を全てのアクセスポイントについて実行する。
【0080】
そして、生成手段22は、全てのアクセスポイントにおけるセカンダリーキューQue2に格納されるパケットの番号を決定すると、その決定した番号を有するパケットに対応するタグTAGにセカンダリーキューQue2を指定する“1”を格納してセカンダリーキューQue2に格納されるパケットを指定する処理を全てのアクセスポイントについて実行する。これによって、全てのアクセスポイントにおいて、セカンダリーキューQue2に格納されるパケットを指定するタグTAG_Que2が生成される。
【0081】
そうすると、生成手段22は、タグTAG_Que1またはタグTAG_Que2からなるタグTAGと、グループIDとを各パケットPKT_iに付加して1つの中継用パケットPKT_RLY_jを生成する。例えば、
図3の(c)に示す中継用パケットPKT_RLY_1においては、タグTAG_1:0は、タグTAG_Que1に相当し、
図3の(f)に示す中継用パケットPKT_RLY_2においては、タグTAG_1:1は、タグTAG_Que2に相当する。
【0082】
なお、
図5の中継用パケットPKT_RLY_1~PKT_RLY_3および
図7の中継用パケットPKT_RLY_1~PKT_RLY_4においても、同様にして、タグTAG_iが生成される。
【0083】
j+K(n-1)の式を用いてK個のアクセスポイント3-1~3-Kのうちのj番目のアクセスポイント3-jにおけるプライマリーキューQue1に格納されるパケットの番号を決定することによって、K個のアクセスポイント3-1~3-KにおけるK個のプライマリーキューQue1に格納されるパケットの番号を容易に決定できる。そして、K個のアクセスポイント3-1~3-KにおけるK個のプライマリーキューQue1に格納されるパケットの番号を決定できれば、K個のアクセスポイント3-1~3-KにおけるK個のセカンダリーキューQue2に格納されるパケットの番号も、上述した方法によって容易に決定できる。
【0084】
図10は、
図1に示すアクセスポイント3-1の概略図である。
図10を参照して、アクセスポイント3-1は、アンテナ31と、受信手段32と、制御手段33と、キュー34と、無線通信モジュール35とを備える。
【0085】
受信手段31は、有線ケーブル5を介して制御装置2から中継用パケットPKT_RLY_1を受信し、その受信した中継用パケットPKT_RLY_1を制御手段33へ出力する。
【0086】
制御手段33は、中継用パケットPKT_RLY_1を受信手段31から受ける。そして、制御手段33は、中継用パケットPKT_RLY_1からグループID1を検出し、その検出したグループID1を保持するとともにグループID1を無線通信モジュール35へ出力する。
【0087】
また、制御手段33は、グループID1を参照して、中継用パケットPKT_RLY_1に含まれるパケットPKT_iが所定のデータ単位を構成するパケットであることを検知する。
【0088】
そうすると、制御手段33は、中継用パケットPKT_RLY_1に含まれるタグTAG_1に従って、パケットPKT_iをキュー34のプライマリーキューQue1またはセカンダリーキューQue2に格納する。プライマリーキューQue1は、FIFO(First In First Out)方式(入力の順番と同じ順番で出力を行う方式)に従って入出力を行うキューである。セカンダリーキューQue2は、LIFO(Last In First Out)方式(入力の順番と逆の順番で出力を行う方式)に従って入出力を行うキューである。
【0089】
制御手段33は、無線通信モジュール35からフィードバックフレームFrame_FBを受け、その受けたフィードバックフレームFrame_FBに含まれるグループIDを検出する。そして、制御手段33は、その検出したグループIDが、保持しているグループID1に一致していることを確認してパケットが端末装置4に到着したことを検知する。
【0090】
無線通信モジュール35は、所定の無線通信規格に従って無線通信を行う。無線通信モジュール35は、グループID1を制御手段33から受ける。そして、無線通信モジュール35は、プライマリーキューQue1に格納されたパケットをFiFO方式に従って順次取り出し、その取り出したパケットにグループID1を付加してアンテナ31を介して無線通信によって端末装置4へ送信する。無線通信モジュール35は、プライマリーキューQue1が空になると、セカンダリーキューQue2に格納されたパケットをLIFO方式に従って順次取り出し、その取り出したパケットにグループID1を付加してアンテナ31を介して無線通信によって端末装置4へ送信する。このように、無線通信モジュール35は、プライマリーキューQue1に格納された全てのパケットを送信した後に、セカンダリーキューQue2に格納されたパケットを送信する。従って、プライマリーキューQue1は、パケットを取り出す優先度がセカンダリーキューQue2よりも高い。
【0091】
無線通信モジュール35は、端末装置4からアンテナ31を介してフィードバックフレームFrame_FBを受信し、その受信したフィードバックフレームFrame_FBを制御手段33へ出力する。
【0092】
なお、
図1に示すアクセスポイント3-2~3-Kの各々も、
図10に示すアクセスポイント3-1と同じ構成からなる。なお、アクセスポイント3-1~3-Kにおける無線通信モジュール35は、相互に異なる無線通信方式に従って無線通信を行う。
【0093】
図11は、
図1に示す端末装置4の概略図である。
図11を参照して、端末装置4は、アンテナ41-1~41-Kと、無線通信モジュール42-1~42-Kと、MAC(Medium Access Control)層43-1~43-Kと、マルチリンク管理機能部44と、アプリケーション45とを備える。
【0094】
アンテナ41-1~41-Kは、それぞれ、無線通信モジュール42-1~42-Kに対応して設けられる。無線通信モジュール42-1~42-Kは、それぞれ、アクセスポイント3-1~3-Kに対応して設けられる。そして、無線通信モジュール42-1~42-Kは、相互に異なる無線通信チャネルによって無線通信を行う。
【0095】
無線通信モジュール42-1~42-Kは、それぞれ、アクセスポイント3-1~3-Kからアンテナ41-1~41-Kを介してパケットを受信し、その受信したパケットをそれぞれMAC層43-1~43-Kを介してマルチリンク管理機能部44へ出力する。
【0096】
無線通信モジュール42-1~42-Kは、それぞれ、MAC層43-1~43-Kを介してフィードバックフレームFrame_FB_1~Frame_FB_Kをマルチリンク管理機能部44から受けると、その受けたフィードバックフレームFrame_FB_1~Frame_FB_Kをそれぞれアンテナ41-1~41-Kを介してアクセスポイント3-1~3-Kへ送信する。
【0097】
マルチリンク管理機能部44は、MAC層43-1~43-Kを介してパケットを受信する。そして、マルチリンク管理機能部44は、パケットをバッファリングし、そのバッファリングしたパケットを複数のパケットPKT_1~PKT_mの順番と同じ順番になるように並べ替えてアプリケーション45へ出力する。この場合、マルチリンク管理機能部44は、複数のパケットPKT_1~PKT_mのうち、一部のパケットが欠落している場合、その欠落した一部のパケットの到着を待ってパケットの並べ替えを実行する。
【0098】
マルチリンク管理機能部44は、複数のパケットPKT_1~PKT_mの全てを受信すると、複数のパケットPKT_1~PKT_mに付加されたグループID1~グループIDKをそれぞれ含むフィードバックフレームFrame_FB_1~Frame_FB_Kを生成し、その生成したフィードバックフレームFrame_FB_1~Frame_FB_KをそれぞれMAC層43-1~43-Kを介して無線通信モジュール42-1~42-Kへ出力する。
【0099】
アプリケーション45は、マルチリンク管理機能部44から複数のパケットPKT_1~PKT_mを受理する。
【0100】
図12は、
図1に示す制御装置2の動作を説明するためのフローチャートである。なお、
図12においては、生成手段22は、アクセスポイントの個数kに応じて、
図9に示す式(1-1)~(1-2)、式(2-1)~(2-3)、式(3-1)~(3-4)および式(4-1)~(4-K)のいずれかを用いて各アクセスポイントのプライマリーキューQue1およびセカンダリーキューQue2に格納されるパケットPKTの番号を予め生成していることを前提として制御装置2の動作を説明する。
【0101】
図12を参照して、制御装置2の動作が開始されると、受信手段21は、有線ケーブル5を介して送信装置1から1つのパケットPKT_iを受信し(ステップS1)、その受信した1つのパケットPKT_iを生成手段22へ出力する。
【0102】
生成手段22は、受信手段21から1つのパケットPKT_iを受ける。そして、生成手段22は、j=1を設定する(ステップS2)。ここで、jは、K個のアクセスポイント3-1~3-Kのうちの1つのアクセスポイントを指定する引数である。
【0103】
ステップS2の後、生成手段22は、j番目のアクセスポイント3-jにおいて、1つのパケットPKT_iの番号によって決定されるキューに1つのパケットPKT_iを格納するためのタグTAG_i_jを生成する(ステップS3)。
【0104】
その後、生成手段22は、j=Kであるか否かを判定する(ステップS4)。ステップS4において、j=Kでないと判定されたとき、生成手段22は、j=j+1を設定する(ステップS5)。その後、一連の動作は、ステップS3へ移行し、ステップS4において、j=Kであると判定されるまで、ステップS3~ステップS5が繰り返し実行される。
【0105】
そして、ステップS4において、j=Kであると判定されると、K個のタグTAG_i_1~TAG_i_Kが生成されたことになり、生成手段22は、グループIDを生成する(ステップS6)。
【0106】
その後、生成手段22は、グループIDおよびK個のタグTAG_i_1~TAG_i_Kに基づいて、タグTAG_i_jおよびグループIDを1つのパケットPKT_iに付加して中継用パケットPKT_RLY_jを生成する処理をj=1~Kについて実行し、複数の中継用パケットPKT_RLY_1~PKT_RLY_Kを生成する(ステップS7)。そして、生成手段22は、その生成した複数の中継用パケットPKT_RLY_1~PKT_RLY_Kを送信手段23へ出力する。
【0107】
送信手段23は、複数の中継用パケットPKT_RLY_1~PKT_RLY_Kを生成手段22から受け、その受けた複数の中継用パケットPKT_RLY_1~PKT_RLY_Kを有線ケーブル5を介してそれぞれ複数のアクセスポイント3-1~3-Kへ送信する(ステップS8)。これによって、制御装置2の動作が終了する。
【0108】
なお、ステップS7において、中継用パケットPKT_RLY_jを生成する処理をj=1~Kについて実行することは、中継用パケットPKT_RLY_jを生成する処理をK個のアクセスポイント3-1~3-Kの全てについて実行することに相当する。
【0109】
図13は、プライマリーキューおよびセカンダリーキューに格納されるパケットの番号を生成する動作を説明するためのフローチャートである。
【0110】
図13を参照して、プライマリーキューおよびセカンダリーキューに格納されるパケットの番号を生成する動作が開始されると、生成手段22は、j=1を設定する(ステップS11)。そして、生成手段22は、上述した方法によって、K個のアクセスポイント3-1~3-Kのうちのj番目のアクセスポイントにおけるプライマリーキューQue1に格納するパケットの番号を生成する(ステップS12)。
【0111】
その後、生成手段22は、j=Kであるか否かを判定する(ステップS13)。ステップS13において、j=Kでないと判定されたとき、生成手段22は、j=j+1を設定する(ステップS14)。その後、一連の動作は、ステップS12へ移行し、ステップS13において、j=Kであると判定されるまで、ステップS12~ステップS14が繰り返し実行される。
【0112】
そして、ステップS13において、j=Kであると判定されると、生成手段22は、j=1を設定する(ステップS15)。
【0113】
その後、生成手段22は、K個のアクセスポイント3-1~3-KにおけるK個のプライマリーキューQue1に格納するパケットのK組の番号を参照して、j番目のアクセスポイント3-iにおけるセカンダリーキューQue2に格納するパケットがj番目のアクセスポイント3-i以外の(K-1)個のアクセスポイントにおける(K-1)個のプライマリーキューQue1に格納するパケットからなるように、j番目のアクセスポイント3-iにおけるセカンダリーキューQue2に格納するパケットの番号を生成する(ステップS16)。
【0114】
その後、生成手段22は、j=Kであるか否かを判定する(ステップS17)。ステップS17において、j=Kでないと判定されたとき、生成手段22は、j=j+1を設定する(ステップS18)。その後、一連の動作は、ステップS16へ移行し、ステップS17において、j=Kであると判定されるまで、ステップS16~ステップS18が繰り返し実行される。
【0115】
そして、ステップS17において、j=Kであると判定されると、一連の動作が終了する。
【0116】
なお、制御装置2の生成手段22は、
図13に示すフローチャートに従ってK個のアクセスポイント3-1~3-Kの各々におけるプライマリーキューQue1およびセカンダリーキューQue2に格納されるパケットの番号を生成し、その生成したパケットの番号を予め保持する。従って、制御装置2は、
図12に示すフローチャートに従ってK個の中継用パケットPKT_RLY_1~PKT_RLY_Kを迅速に生成し、その生成したK個の中継用パケットPKT_RLY_1~PKT_RLY_KをそれぞれK個のアクセスポイント3-1~3-Kへ迅速に送信できる。
【0117】
図14は、
図1に示す1つのアクセスポイントの動作を説明するためのフローチャートである。
【0118】
図13を参照して、アクセスポイント3-jの動作が開始されると、アクセスポイント3-jの受信手段32は、有線ケーブル5を介して制御装置2から中継用パケットPKT_RLY_jを受信し(ステップS21)、その受信した中継用パケットPKT_RLY_jを制御手段33へ出力する。
【0119】
制御手段33は、中継用パケットPKT_RLY_jを受信手段32から受ける。そして、制御手段33は、中継用パケットPKT_RLY_iのグループIDを検出し、パケットPKT_iが所定のデータ単位を表すパケットであることを検知する(ステップS22)。また、制御手段33は、検出したグループIDを保持するとともにグループIDを無線通信モジュール35へ出力する。
【0120】
その後、制御手段33は、中継用パケットPKT_RLY_jのタグTAG_iに従って、パケットPKT_iをプライマリーキューQue1またはセカンダリーキューQue2に格納する(ステップS23)。
【0121】
引き続いて、無線通信モジュール35は、プライマリーキューQue1からFIFO方式でパケットを取り出し、その取り出したパケットにグループIDを付加して無線通信によって送信先の端末装置4へ送信する(ステップS24)。
【0122】
そして、無線通信モジュール35は、プライマリーキューQue1が空になると、セカンダリーキューQue2からLIFO方式によってパケットを取り出し、その取り出したパケットにグループIDを付加して無線通信によって送信先の端末装置4へ送信する(ステップS25)。これによって、1つのアクセスポイントの動作が終了する。
【0123】
図15は、1つのアクセスポイントにおけるフィードバックフレームに関連する動作を説明するためのフローチャートである。
【0124】
図15を参照して、無線通信モジュール35は、送信先の端末装置4からフィードバックフレームFrame_FBiを受信し(ステップS31)、その受信したフィードバックフレームFrame_FBiを制御手段33へ出力する。
【0125】
制御手段33は、無線通信モジュール35からフィードバックフレームFrame_FBiを受け、その受けたフィードバックフレームFrame_FBiからグループIDを検出する(ステップS32)。
【0126】
そして、制御手段33は、検出したグループIDが、保持しているグループIDに一致するか否かを判定する(ステップS33)。
【0127】
ステップS33において、検出したグループIDが、保持しているグループIDに一致すると判定されたとき、制御手段33は、パケットPKT_iの送信先への送信が成功したと判定する(ステップS34)。
【0128】
一方、ステップS33において、検出したグループIDが、保持しているグループIDに一致しないと判定されたとき、制御手段33は、パケットPKT_iの送信先への送信が失敗したと判定する(ステップS35)。
【0129】
そして、ステップS34またはステップS35の後、一連の動作が終了する。
【0130】
図16は、
図1に示す端末装置4の動作を説明するためのフローチャートである。
図16を参照して、端末装置4の動作が開始されると、無線通信モジュール42-1~42-Kは、それぞれ、アクセスポイント3-1~3-Kからパケットを受信し(ステップS41)、その受信したパケットをそれぞれMAC層43-1~43-Kを介してマルチリンク管理機能部44へ出力する。
【0131】
マルチリンク管理機能部44は、それぞれ、MAC層43-1~43-Kを介して無線通信モジュール42-1~42-Kからパケットを受け、その受けたパケットをバッファリングする(ステップS42)。
【0132】
その後、マルチリンク管理機能部44は、一部のパケットが欠落しているか否かを判定する(ステップS43)。
【0133】
ステップS43において、一部のパケットが欠落していると判定されたとき、マルチリンク管理機能部44は、欠落したパケットが到着するまで待機する(ステップS44)。
【0134】
その後、マルチリンク管理機能部44は、欠落したパケットが到着したか否かを判定する(ステップS45)。
【0135】
ステップS45において、欠落したパケットが到着しなかった判定されたとき、一連の動作は、ステップS44へ移行する。その後、ステップS45において、欠落したパケットが到着したと判定されるまで、ステップS44,S45が繰り返し実行される。
【0136】
そして、ステップS43において、一部のパケットが欠落していないと判定されたとき、またはステップS45において、欠落したパケットが到着したと判定されたとき、マルチリンク管理機能部44は、パケットを複数のパケットPKT_1~PKT_mの順番に並び替える(ステップS46)。
【0137】
そうすると、マルチリンク管理機能部44は、並び替えたパケット、即ち、複数のパケットPKT_1~PKT_mをアプリケーション45へ出力し、アプリケーション45は、複数のパケットPKT_1~PKT_mを受理する(ステップS47)。
【0138】
その後、マルチリンク管理機能部44は、グループIDを含むフィードバックフレームFrame_FB_1~Frame_FB_Kを生成し、その生成したフィードバックフレームFrame_FB_1~Frame_FB_Kをそれぞれ無線通信モジュール42-1~42-Kを介してアクセスポイント3-1~3-Kへ送信する(ステップS48)。これによって、端末装置4の動作が終了する。
【0139】
図17は、データのタイミングチャートである。
図18は、2個のアクセスポイント3-1,3-2から端末装置4へのパケットの送信を示す概念図である。なお、
図18においては、アクセスポイントの個数Kが2個である場合についてアクセスポイント3-1,3-2から端末装置4へのパケットの送信を示す。
【0140】
図17を参照して、データD1,D2,D3,D4,・・・は、それぞれ、タイミングt1,t2,t3,t4,・・・において制御装置2に到来する。データD1,D2,D3,D4,・・・は、相互に異なる1画面分を表す複数のパケットPKT_1~PKT_mからなる。
【0141】
制御装置2は、データD1,D2,D3,D4,・・・の各々を構成する各パケットが到来するごとに、
図12に示すフローチャートを実行し、複数のアクセスポイント3-1~3-Kは、
図14に示すフローチャートを実行し、端末装置4は、
図16に示すフローチャートを実行する。
【0142】
その結果、
図18に示すように、アクセスポイント3-1は、プライマリーキューQue1からFIFO方式によってパケットPKT_1,PKT_3,PKT_5,PKT_7,PKT_9を順次取り出して端末装置4へ送信し、その後、セカンダリーキューQue2からLIFO方式によってパケットPKT_10,PKT_8,PKT_6,PKT_4,PKT_2を順次取り出して端末装置4へ送信する。
【0143】
また、アクセスポイント3-2は、プライマリーキューQue1からFIFO方式によってパケットPKT_2,PKT_4,PKT_6,PKT_8,PKT_10を順次取り出して端末装置4へ送信し、その後、セカンダリーキューQue2からLIFO方式によってパケットPKT_9,PKT_7,PKT_5,PKT_3,PKT_1を順次取り出して端末装置4へ送信する。
【0144】
パケットPKT_1~PKT_10は、相互に異なる2つの無線リンク(アクセスポイント3-1と端末装置4との間の無線リンクWL1およびアクセスポイント3-2と端末装置4との間の無線リンクWL2)を介して端末装置4へ送信される。
【0145】
そして、アクセスポイント3-1がプライマリーキューQue1から取り出したパケットPKT_1,PKT_3,PKT_5,PKT_7,PKT_9を無線リンクWL1を介して端末装置4へ送信し、アクセスポイント3-2がプライマリーキューQue1から取り出したパケットPKT_2,PKT_4,PKT_6,PKT_8,PKT_10を無線リンクWL2を介して端末装置4へ送信することによって、パケットPKT_1~PKT_10が端末装置4に届く。
【0146】
図19は、データレートのタイミングチャートである。
図19において、曲線k1は、無線リンクWL1におけるデータレートのタイミングチャートを示し、曲線k2は、無線リンクWL2におけるデータレートのタイミングチャートを示し、曲線k3は、2つの無線リンクWL1,WL2における合計のデータレートのタイミングチャートを示す。
【0147】
図19を参照して、2つの無線リンクWL1,WL2を介してパケットPKT_1~PKT_10を端末装置4へ送信した場合、合計のデータレートは、無線リンクWL1を介してパケットPKT_1,PKT_3,PKT_5,PKT_7,PKT_9を端末装置4へ送信したときのデータレートと、無線リンクWL2を介してパケットPKT_2,PKT_4,PKT_6,PKT_8,PKT_10を端末装置4へ送信したときのデータレートとを加算したものになる(曲線k1~k3参照)。
【0148】
従って、無線リンクWL1,WL2の各々を介して送信するパケット数は、1つの無線リンクを介してパケットPKT_1~PKT_10を送信すう場合よりも少ないので、2つの無線リンクWL1,WL2を介してパケットPKT_1~PKT_10を端末装置4へ送信することによって、データレートを高くできる。その結果、10個のパケットPKT_1~PKT_10を1つの無線リンクを介して送信する場合に比べてパケットの遅延を低減できる。
【0149】
また、アクセスポイント3-1が無線リンクWL1を介して送信したパケットPKT_1,PKT_3,PKT_5,PKT_7,PKT_9のうちの一部のパケットが端末装置4へ届かなくても、アクセスポイント3-2がセカンダリーキューQue2から取り出したパケットPKT_9,PKT_7,PKT_5,PKT_3,PKT_1を無線リンクWL2を介して順次送信する。更に、アクセスポイント3-2が無線リンクWL2を介して送信したパケットPKT_2,PKT_4,PKT_6,PKT_8,PKT_10のうちの一部のパケットが端末装置4へ届かなくても、アクセスポイント3-1がセカンダリーキューQue2から取り出したパケットPKT_10,PKT_8,PKT_6,PKT_4,PKT_2を無線リンクWL1を介して順次送信する。従って、パケットの欠落を防止できる可能性を高くできる。
【0150】
更に、アクセスポイントの個数Kを3個以上にすると、1つの無線リンクを介して送信するパケット数を更に少なくできるので、合計のデータレートを更に高くでき、パケットの遅延を更に低減できる。また、パケットの欠落を防止できる可能性を更に高くできる。
【0151】
なお、上記においては、生成手段22は、アクセスポイント3-1~3-KにおけるプライマリーキューQue1に格納されるパケットの番号を等差数列によって生成すると説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、生成手段22は、アクセスポイント3-1~3-KにおけるプライマリーキューQue1に格納されるパケットの番号をランダムに生成してもよい。
【0152】
図20は、プライマリーキューQue1およびセカンダリーキューQue2に格納されるパケットの番号がランダムである場合の概念図である。
【0153】
図20を参照して、生成手段22は、アクセスポイント3-1のプライマリーキューQue1に格納するパケットをパケットPKT_1,PKT_2,PKT_5,PKT_6,PKT_10と決定し、アクセスポイント3-2のプライマリーキューQue1に格納するパケットをパケットPKT_3,PKT_4,PKT_7,PKT_8,PKT_9と決定し、アクセスポイント3-1のセカンダリーキューQue2に格納するパケットをパケットPKT_3,PKT_4,PKT_7,PKT_8,PKT_9と決定し、アクセスポイント3-2のセカンダリーキューQue2に格納するパケットをパケットPKT_1,PKT_2,PKT_5,PKT_6,PKT_10と決定する。
【0154】
この場合、アクセスポイント3-1におけるプライマリーキューQue1に格納されるパケットがアクセスポイント3-1以外の全てのアクセスポイント3-2におけるプライマリーキューQue1に格納されるパケットと異なり、かつ、アクセスポイント3-1におけるセカンダリーキューQue2に格納されるパケットがアクセスポイント3-1以外の全てのアクセスポイント3-2におけるプライマリーキューQue1に格納されるパケットからなるという規則に従って、アクセスポイント3-1におけるプライマリーキューQue1およびセカンダリーキューQue2に格納されるパケットが決定されている。
【0155】
また、アクセスポイント3-2におけるプライマリーキューQue1に格納されるパケットがアクセスポイント3-2以外の全てのアクセスポイント3-1におけるプライマリーキューQue1に格納されるパケットと異なり、かつ、アクセスポイント3-2におけるセカンダリーキューQue2に格納されるパケットがアクセスポイント3-2以外の全てのアクセスポイント3-1におけるプライマリーキューQue1に格納されるパケットからなるという規則に従って、アクセスポイント3-2におけるプライマリーキューQue1およびセカンダリーキューQue2に格納されるパケットが決定されている。
【0156】
そして、アクセスポイントの個数Kが3個以上である場合も、同様にして、各アクセスポイントにおけるプライマリーキューQue1およびセカンダリーキューQue2に格納されるパケットをランダムに決定できる。
【0157】
また、上記においては、アクセスポイント3-1~3-Kの各々において、プライマリーキューQue1は、FIFO方式によってパケットを入出力し、セカンダリーキューQue2は、LIFO方式によってパケットを入出力すると説明したが、この発明の実施の形態においては、これに駆らず、アクセスポイント3-1~3-Kの各々において、プライマリーキューQue1およびセカンダリーキューQue2の両方がFIFO方式によってパケットを入出力してもよい。
【0158】
プライマリーキューQue1がFIFO方式によってパケットを入出力し、セカンダリーキューQue2がLIFO方式によってパケットを入出力することによって、セカンダリーキューQue2に格納されたパケットの送信をプライマリーキューQue1に格納されたパケットの送信と逆順で行うことになり、他の速度の遅いアクセスポイントからのプライマリーキューQue1に格納されたパケットの送信と同じパケットを送信する重複が減り、全パケットの伝送時間を短くすることができる。
【0159】
また、プライマリーキューQue1およびセカンダリーキューQue2がFIFO方式によってパケットを入出力することによって、一部の無線リンクの状態が悪くなっても、他の無線リンクからの送信で未到達になったパケットを補うことができる。
【0160】
なお、制御装置2の動作は、ソフトウェアによって実現されてもよい。この場合、制御装置2は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を備える。そして、ROMは、
図12に示すフローチャートの各ステップからなるプログラムProg_Aを記憶する。
【0161】
CPUは、ROMからプログラムProg_Aを読み出し、その読み出したプログラムProg_Aを実行して、1つのパケットが到来する毎に、K個の中継用パケットPKT_RLY_1~PKT_RLY_Kを生成してK個のアクセスポイント3-1~3-Kへ送信する動作を実行する。RAMは、複数のパケットPKT_1~PKT_m等を一時的に記憶する。
【0162】
また、プログラムProg_Aは、CD,DVD等の記録媒体に記録されて流通してもよい。プログラムProg_Aを記録した記録媒体がコンピュータに装着されると、コンピュータは、記録媒体からプログラムProg_Aを読み出して実行し、1つのパケットが到来する毎に、K個の中継用パケットPKT_RLY_1~PKT_RLY_Kを生成してK個のアクセスポイント3-1~3-Kへ送信する動作を実行する。
【0163】
従って、プログラムProg_Aを記録した記録媒体は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0164】
また、制御装置2において、K個のアクセスポイント3-1~3-KにおけるプライマリーキューQue1およびセカンダリーキューQue2に格納されるパケットの番号を生成する動作は、ソフトウェアによって実現されてもよい。この場合、制御装置2は、CPU、ROMおよびRAMを備える。そして、ROMは、
図13に示すフローチャートの各ステップからなるプログラムProg_Bを記憶する。
【0165】
CPUは、ROMからプログラムProg_Bを読み出し、その読み出したプログラムProg_Bを実行して、K個のアクセスポイント3-1~3-KにおけるプライマリーキューQue1およびセカンダリーキューQue2に格納されるパケットの番号を生成する動作を実行する。RAMは、パケット番号等を一時的に記憶する。
【0166】
また、プログラムProg_Bは、CD,DVD等の記録媒体に記録されて流通してもよい。プログラムProg_Bを記録した記録媒体がコンピュータに装着されると、コンピュータは、記録媒体からプログラムProg_Bを読み出して実行し、K個のアクセスポイント3-1~3-KにおけるプライマリーキューQue1およびセカンダリーキューQue2に格納されるパケットの番号を生成する動作を実行する。
【0167】
従って、プログラムProg_Bを記録した記録媒体は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0168】
更に、アクセスポイント3-1~3-Kの各々の動作は、ソフトウェアによって実現されてもよい。この場合、アクセスポイント3-1~3-Kの各々は、CPU、ROMおよびRAMを備える。そして、ROMは、
図14に示すフローチャートの各ステップからなるプログラムProg_Cを記憶する。
【0169】
CPUは、ROMからプログラムProg_Cを読み出し、その読み出したプログラムProg_Cを実行して、パケットを中継する動作を実行する。RAMは、パケット等を一時的に記憶する。
【0170】
また、プログラムProg_Cは、CD,DVD等の記録媒体に記録されて流通してもよい。プログラムProg_Cを記録した記録媒体がコンピュータに装着されると、コンピュータは、記録媒体からプログラムProg_Cを読み出して実行し、パケットを中継する動作を実行する。
【0171】
従って、プログラムProg_Cを記録した記録媒体は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0172】
更に、端末装置4の動作は、ソフトウェアによって実現されてもよい。この場合、端末装置4は、CPU、ROMおよびRAMを備える。そして、ROMは、
図16に示すフローチャートの各ステップからなるプログラムProg_Dを記憶する。
【0173】
CPUは、ROMからプログラムProg_Dを読み出し、その読み出したプログラムProg_Dを実行して、パケットの送信先としての動作を実行する。RAMは、パケット等を一時的に記憶する。
【0174】
また、プログラムProg_Dは、CD,DVD等の記録媒体に記録されて流通してもよい。プログラムProg_Dを記録した記録媒体がコンピュータに装着されると、コンピュータは、記録媒体からプログラムProg_Dを読み出して実行し、パケットの送信先としての動作を実行する。
【0175】
従って、プログラムProg_Dを記録した記録媒体は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0176】
上記においては、制御装置2は、送信装置1およびアクセスポイント3-1~3-Kと別個独立の装置であるとして説明したが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、制御装置2は、送信装置1内に配置されていてもよく、アクセスポイント3-1~3-K内に配置されていてもよい。
【0177】
制御装置2が送信装置1内に配置される場合、制御装置2の動作は、ソフトウェア(
図12に示すフローチャート)によって実行されることが好ましい。
【0178】
図21は、アクセスポイントの別の概略図である。
図21を参照して、アクセスポイント3A-1は、
図10に示すアクセスポイント3-1に制御装置2Aを追加し、アクセスポイント3-1の受信手段32を削除したものであり、その他は、アクセスポイント3-1と同じである。
【0179】
アクセスポイントが制御装置2Aを備える場合、K個のアクセスポイント3A-1~3A-Kが存在する。
【0180】
制御装置2Aは、
図2に示す制御装置2の送信手段23を削除し、生成手段22を生成手段22Aに変えたものであり、その他は、制御装置2と同じである。
【0181】
生成手段22Aは、制御装置2AがK個のアクセスポイント3A-1~3A-Kのうちのいずれのアクセスポイント内に配置されているかを示す指標jと、アクセスポイント3A-1~3A-Kの個数Kとを保持している。従って、アクセスポイント3A-1内に配置された制御装置2Aの生成手段22Aは、指標j=1および個数Kを保持している。
【0182】
生成手段22Aは、アクセスポイント3A-1内に配置されていることを検知しており、パケットPKT_iを受信手段21から受ける毎に、生成手段22と同じ方法によって、パケットPKT_iをアクセスポイント3A-1におけるプライマリーキューQue1またはセカンダリーキューQue2に格納するためのタグTAG_iを生成するとともに、グループIDを生成する。
【0183】
そうすると、生成手段22Aは、タグTAG_iと、グループIDとをパケットPKT_iに付加して中継用パケットPKT_RLY_1を生成し、その生成した中継用パケットPKT_RLY_1を制御手段33へ出力する。
【0184】
制御手段33は、生成手段22Aから中継用パケットPKT_RLY_1を受ける。制御手段33が中継用パケットPKT_RLY_1を受けた後の制御手段33、キュー34および無線通信モジュール35の動作は、上述した通りである。
【0185】
なお、アクセスポイント3A-2~3A-Kの各々も、
図20に示すアクセスポイント3A-1と同じ構成からなる。
【0186】
図22は、
図21に示す制御装置2Aの動作を説明するためのフローチャートである。なお、
図21においては、生成手段22Aは、アクセスポイントの個数kに応じて、
図9に示す式(1-1)~(1-2)、式(2-1)~(2-3)、式(3-1)~(3-4)および式(4-1)~(4-K)のいずれかを用いて、
図13に示すフローチャートに従って、自己が搭載されたアクセスポイントのプライマリーキューQue1およびセカンダリーキューQue2に格納されるパケットPKTの番号を予め生成していることを前提として制御装置2Aの動作を説明する。
【0187】
図22を参照して、制御装置2Aの動作が開始されると、受信手段21は、有線ケーブル5を介して送信装置1から1つのパケットPKT_iを受信し(ステップS51)、その受信した1つのパケットPKT_iを生成手段22Aへ出力する。
【0188】
生成手段22Aは、1つのパケットPKT_iを受信手段21から受ける。そして、生成手段22Aは、j番目のアクセスポイントにおいて、1つのパケットPKT_iの番号によって決定されるキューに1つのパケットPKT_iを格納するためのタグTAG_i_jを生成する(ステップS52)。
【0189】
そして、生成手段22Aは、グループIDを生成する(ステップS53)。そうすると、生成手段22Aは、グループIDおよびタグTAG_i_jを1つのパケットPKT_iに付加して中継用パケットPKT_RLY_jを生成し(ステップS54)、その生成した継用パケットPKT_RLY_jを制御手段33へ出力する(ステップS55)。これによって、制御装置2Aの動作が終了する。
【0190】
制御装置2Aがアクセスポイント3A-1~3A-K内に配置される場合、制御装置2Aの動作は、ソフトウェアによって実行されることが好ましい。
【0191】
この場合、アクセスポイント3A-1~3A-Kの各々は、CPU、ROMおよびRAMを備える。そして、ROMは、
図22に示すフローチャートの各ステップからなるプログラムProg_Eを記憶する。
【0192】
CPUは、ROMからプログラムProg_Eを読み出し、その読み出したプログラムProg_Eを実行して、1つのパケットが到来する毎に、中継用パケットを生成する動作を実行する。RAMは、パケットの番号等を一時的に記憶する。
【0193】
また、プログラムProg_Eは、CD,DVD等の記録媒体に記録されて流通してもよい。プログラムProg_Eを記録した記録媒体がコンピュータに装着されると、コンピュータは、記録媒体からプログラムProg_Eを読み出して実行し、1つのパケットが到来する毎に、中継用パケットを生成する動作を実行する。
【0194】
従って、プログラムProg_Eを記録した記録媒体は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0195】
なお、この発明の実施の形態においては、アクセスポイント3-1~3-K,3A-1~3A-Kの各々は、「中継器」を構成する。
【0196】
更に、この発明の実施の形態においては、プライマリーキューQue1は、「第1のキュー」を構成し、セカンダリーキューQue2は、「第2のキュー」を構成する。
【0197】
更に、この発明の実施の形態においては、プライマリーキューQue1に格納されるパケットを指定するタグは、「第1のタグ」を構成し、セカンダリーキューQue2に格納されるパケットを指定するタグは、「第2のタグ」を構成する。
【0198】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0199】
この発明は、制御装置、それを備えた通信システム、コンピュータに実行させるためのプログラムおよびプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に適用される。
【符号の説明】
【0200】
1 送信装置、2,2A 制御装置、3-1~3-K アクセスポイント、4 端末装置、5 有線ケーブル、21,32 受信手段、22,22A 生成手段、23 送信手段、31,41-1~41-K アンテナ、33 制御手段、34 キュー、35,42-1~42-K 無線通信モジュール、43-1~43-K MAC層、44 マルチリンク管理機能部、45 アプリケーション。