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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-02-06
(45)【発行日】2024-02-15
(54)【発明の名称】耐火構造
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/94 20060101AFI20240207BHJP
   E04B 2/56 20060101ALI20240207BHJP
【FI】
E04B1/94 K
E04B1/94 V
E04B1/94 L
E04B2/56 645E
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019229004
(22)【出願日】2019-12-19
(65)【公開番号】P2021095809
(43)【公開日】2021-06-24
【審査請求日】2022-12-14
(73)【特許権者】
【識別番号】503367376
【氏名又は名称】ケイミュー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堤 靖浩
(72)【発明者】
【氏名】常俊 淳次
(72)【発明者】
【氏名】野田 剣一
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 宏
(72)【発明者】
【氏名】坂東 薫
【審査官】土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-094350(JP,A)
【文献】特開2013-155574(JP,A)
【文献】特開2016-084665(JP,A)
【文献】特開平11-117421(JP,A)
【文献】特開2006-161435(JP,A)
【文献】特許第7319837(JP,B2)
【文献】米国特許出願公開第2009/0288358(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/62 - 1/99
E04B 2/56 - 2/70
E04B 2/72 - 2/82
E04F 13/00 -13/30
B32B 1/00 -43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内側から室外側に向かって、支持材、耐火ボード、熱発泡性シート、発泡空間及び化粧材を順次配置し、
室内側から室外側に向かう方向を前方向としたとき、左右方向に隣り合う前記耐火ボードは、縦辺同士を突付けて前記支持材の前記室外側に固定し、
上下方向に隣り合う前記耐火ボードは、横辺同士を突付けて横辺突付け部を形成し、
前記横辺突付け部に耐火性強化手段を設け、
前記耐火性強化手段は、上下方向に隣り合う前記熱発泡性シートの横辺端部同士を前記横辺突付け部に対応する位置で重ね合わせた構造を含み、
前記耐火性強化手段を構成する前記横辺端部同士の重ね合わせ部分の幅が50mm以上である、
耐火構造。
【請求項2】
請求項1において、
左右方向に隣り合う前記熱発泡性シートの縦辺端部同士を、前記耐火ボードの縦辺同士を突付けた部分に対応する位置で重ね合わせた構造を含む、
耐火構造。
【請求項3】
請求項2において、
前記縦辺端部同士の重ね合わせ部分の幅が5mm以上である、
耐火構造。
【請求項4】
請求項1又は2において、
前記支持材の室内側に耐火ボードが設けられていない、
耐火構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐火構造に関する。詳しくは、支持材、耐火ボード、熱発泡性シートなどを備える耐火構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、耐火壁構造が開示されている。この耐火壁構造は、木製の間柱の片側に、珪酸カルシウム板である板材を釘で固定した後、その板材に発泡性耐火シートをタッカーで固定し、更に、木製の胴縁を間柱に釘で固定して、その上から窯業系サイディングの板材を胴縁に釘で固定して形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2011-94350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記のような耐火壁構造では、隣り合う珪酸カルシウム板の板材の接合部分(突付け部分)を通じて、火炎や熱が屋外側から屋内側に向かって侵入しやすく、耐火性が損なわれることがあった。
【0005】
本発明は、上記事由に鑑みてなされており、耐火性能を向上させることができる耐火構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る耐火構造は、室内側から室外側に向かって、支持材、耐火ボード、熱発泡性シート、発泡空間及び化粧材を順次配置している。左右方向に隣り合う前記耐火ボードの縦辺同士を突付けて前記支持材の前記室外側に固定する。上下方向に隣り合う前記耐火ボードの横辺同士を突付けて横辺突付け部を形成する。前記横辺突付け部に耐火性強化手段を設ける。前記耐火性強化手段は、上下方向に隣り合う前記熱発泡性シートの横辺端部同士を前記横辺突付け部に対応する位置で重ね合わせた構造を含む。前記耐火性強化手段を構成する前記横辺端部同士の重ね合わせ部分の幅が50mm以上である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、耐火性能を向上させることができる、という利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本実施形態に係る耐火構造を示す斜視図である。
図2図2は、本実施形態に係る耐火構造を示す断面図である。
図3図3A~Cは、本実施形態に係る耐火構造の一部を示す断面図である。
図4図4は、本実施形態に係る耐火構造の施工工程を示す斜視図である。
図5図5は、本実施形態に係る耐火構造の施工工程を示す斜視図である。
図6図6は、本実施形態に係る耐火構造の施工工程を示す斜視図である。
図7図7Aは、本実施形態に係る耐火構造で使用する耐火ボード及び熱発泡性シートの一例を示す斜視図である。図7Bは、本実施形態に係る耐火構造で使用する耐火ボード及び熱発泡性シートの施工状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施形態1)
(1)概要
本実施形態に係る耐火構造1は、室内側から室外側に向かって、支持材50、耐火ボード35、熱発泡性シート20、発泡空間88及び化粧材10を順次配置している。室内側から室外側に向かう方向を前方向としたとき、左右方向に隣り合う耐火ボード35は、縦辺352同士を突付けて支持材50の室外側に固定している。上下方向に隣り合う耐火ボード35は、横辺351同士を突付けて横辺突付け部31を形成している。横辺突付け部31に耐火性強化手段21を設ける。
【0010】
本実施形態に係る耐火構造1によれば、耐火性強化手段21により横辺突付け部31に火炎や熱が侵入しにくくなり、耐火性能を向上させることができる。
【0011】
なお、本実施形態では、室内側から室外側に向かう方向を前方向とし、室外側から室内側に向かう方向を後方向とする。また前後方向と垂直な重力方向を下方向とし、前後方向と垂直な重力方向と反対方向を上方向とする。また前後方向と上下方向に垂直な一方向を左方向とし、前後方向と上下方向に垂直な他の一方向を右方向とする。左右方向は水平方向又は横方向と同じである。
【0012】
(2)詳細
(2.1)化粧材10
化粧材10は耐火構造1の外装材であって、化粧材10によって耐火構造1が化粧される。耐火構造1が外壁構造の場合、化粧材10は外壁材であって、例えば、窯業系サイディングを含む。窯業系サイディングは、セメントを含む水硬性材料の硬化物である。化粧材10は、略平板状に形成されるが、その表面に凹凸模様や塗膜を備えて意匠性を有している。化粧材10の厚みは、例えば、10mm以上30mm以下に形成されるが、これに限定されるものではない。化粧材10の形状も任意であるが、例えば、正面視(前方から見た場合)で矩形板状に形成される。化粧材10は実を有している。化粧材10の上端部には実凹部101が設けられている。化粧材10の下端部には実凸部102が設けられている。上下に隣接して施工される化粧材10は実凹部101と実凸部102とが嵌合することにより接続される。なお、化粧材10としては、金属板を成形して得られる金属系サイディング材であってもよい。
【0013】
(2.2)熱発泡性シート20
熱発泡性シート20は耐火構造1の耐火性を向上させる。熱発泡性シート20は、火災が発生していないときには薄いシートであるが、火災が発生したときにはその熱で発泡して、火災前の初期状態よりも体積を増加させる。ここで、耐火性とは、熱が前後方向に伝わるのを抑制することを意味する。熱発泡性シート20は熱発泡により体積が増加することにより、耐火層を形成する。熱発泡性シート20は1枚又は複数を組み合わせて使用することができる。熱発泡性シート20は、例えば、正面視で矩形状に形成されている。また熱発泡性シート20は、ロール状に巻かれた長尺シートに形成されていてもよい。
【0014】
熱発泡性シート20は、例えば、合成樹脂、多価アルコール、及び難燃性発泡剤などを含有するものが好ましい。
【0015】
合成樹脂としては、例えば、メラミン樹脂、アクリル樹脂、アルキッド樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン/酢ビ樹脂、酢酸ビニル/バーサチック酸ビニルエステル共重合樹脂、酢酸ビニル/ポリオレフィン樹脂、酢酸ビニル/バーサチック酸/アクリル樹脂、酢酸ビニル/アクリル共重合樹脂、アクリル/スチレン共重合樹脂、ポリブタジエン樹脂等を挙げることができる。なお、ポリオレフィンとしてはポリエチレン等が挙げられる。
【0016】
多価アルコールとしては、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリトール等が例示される。
【0017】
難燃性発泡剤としては、リン酸アンモニウム、ポリリン酸アンモニウム、リン酸メラミン、ポリリン酸メラミン、ポリリン酸アルミニウム、ポリリン酸マグネシウムリン酸塩等のリン酸塩が好適に用いられるが、スルファミン酸塩(スルファミンアンモニウム等)、ホウ酸塩(ホウ酸アンモニウム等)等を例示することができる。
【0018】
熱発泡性シート20における合成樹脂、多価アルコール、難燃性発泡剤の含有比率は、合成樹脂100質量部に対して、多価アルコールが10質量部以上50質量部以下、難燃性発泡剤が50質量部以上200質量部以下であることが好ましい。熱発泡性シート20の厚みは、0.1mm以上5mm以下であることが好ましくは、0.3mm以上3mm以下であることがより好ましく、さらに0.4mm以上1mm以下が好ましい。
【0019】
発泡後の熱発泡性シート20の遮熱性を高めるために、熱発泡性シート20は発泡前の体積に比べて発泡後の体積が10~30倍の発泡倍率であることが好ましい。例えば、化粧材10と下地30の間に形成される15mmの通気層に、厚み0.6mmのシート状の熱発泡性シート20を用いることによって、発泡倍率が25倍となり、比較的安価に耐火性を高められる。また耐火性能を高める部位には、例えば、1.2mmのシート状の熱発泡性シート20を用いて発泡倍率12.5倍として使用すると更に耐火性が高まる。
【0020】
(2.3)耐火ボード35
耐火ボード35は支持材50と化粧材10との間に配置されて下地30を形成する。耐火ボード35は不燃性を有し、また平板状で、熱発泡性シート20よりも硬質に形成される。下地30は1つ又は複数の耐火ボード35で形成される。耐火ボード35としては、例えば、石膏ボード及び珪酸カルシウム板などが使用される。
【0021】
耐火ボード35の厚みは、例えば、5mm以上30mm以下にすることができ、好ましくは9mm以上21mm以下にすることができるが、これに限定されない。耐火ボード35は、建築基準法第68条の26第1項の規定に基づき、同法第2条第九号及び同法施行令第108条の2(不燃材料)の規定に適合するものであることについて、国土交通大臣の認定を受けているものが好ましい。不燃性を有する耐火ボード35を含む下地30も耐火性を有する。
【0022】
耐火ボード35は、正面視で矩形状に形成される。すなわち、耐火ボード35は、正面視において、一対の縦辺352と、一対の横辺351とを有する四角形に形成されている。
【0023】
(2.4)支持材50
支持材50は、室外側に耐火ボード35が取り付けられて、これらを支持する。したがって、支持材50の室外側に下地30が形成される。支持材50は上下方向に長い部材であって、例えば柱及び間柱などとして形成される。支持材50は金属製であって、例えば、C形鋼(リップ付き溝形鋼)を使用することができる。この他に、支持材50としては、各種の断面形状の形鋼が使用でき、例えば、角型鋼管、溝形鋼、H形鋼、ハット形鋼などが挙げられる。
【0024】
(2.5)耐火構造1の全体構成
本実施形態に係る耐火構造1は、室内側から室外側に向かって、支持材50、耐火ボード35、熱発泡性シート20、発泡空間88及び化粧材10を順次配置している。すなわち、耐火構造1は、前後方向において、支持材50、耐火ボード35、熱発泡性シート20、発泡空間88及び化粧材10が順次並んでいる。化粧材10は、発泡空間88を介して熱発泡性シート20の室外側に配置されている。
【0025】
本実施形態に係る耐火構造1は、支持材50の室内側に耐火ボードが設けられていない。この場合、耐火構造1を簡素化することができて施工がしやすくなる。また耐火構造1の室内側の構成やデザインを自由に設計することができる。
【0026】
本実施形態に係る耐火構造1である外壁構造は以下のように構成される。
【0027】
図4に示すように、複数の支持材50は、基礎63の上側に土台64を介して設けられている。複数の支持材50は一つずつ所定の間隔を介して左右方向に並べられている。また二つ以上の支持材50を組み合わせて配置してもよい。
【0028】
複数の支持材50の室外側には、複数の耐火ボード35が取り付けられる。複数の耐火ボード35は上下方向及び左右方向に並べて配置されている。上下方向及び左右方向に並ぶ複数の耐火ボード35により下地30が形成される。
【0029】
左右方向に隣り合う耐火ボード35は、縦辺352同士を突付けて支持材50の室外側に固定している。すなわち、左右方向に隣り合う耐火ボード35は、右側の耐火ボード35の左端の縦辺352と、左側の耐火ボード35の右端の縦辺352とが突付けて取り付けられている。そして、縦辺352同士を突付けた部分は縦辺突付け部32として形成されている。
【0030】
上下方向に隣り合う耐火ボード35は、横辺351同士を突付けて横辺突付け部31を形成している。すなわち、上下方向に隣り合う耐火ボード35は、上側の耐火ボード35の下端の横辺351と、下側の耐火ボード35の上端の横辺351とが突付けて取り付けられている。そして、横辺351同士を突付けた部分は横辺突付け部31として形成されている。
【0031】
各耐火ボード35の左右の端部はビスや釘などの固定具33で支持材50に固定される(図3A~C参照)。縦辺突付け部32は支持材50の室外側に位置するのが好ましい。これにより、火災時に耐火ボード35が変形し、縦辺突付け部32に隙間が生じても、その隙間が支持材50により塞がれているため、耐火性能を低下させないようにすることができる。なお、本実施形態では、矩形状の耐火ボード35を横長に施工しているが、縦長に施工してもよい。
【0032】
図5に示すように、下地30の室外側(前側)には熱発泡性シート20が配置される。すなわち、耐火ボード35の室外側に熱発泡性シート20が配置される。この場合、複数の熱発泡性シート20が上下左右に並べて配置される。熱発泡性シート20はタッカーなどの固定具で下地30に固定される。すなわち、熱発泡性シート20は耐火ボード35にタッカーなどの固定具で固定される。
【0033】
ここで、熱発泡性シート20の表面にはマーク部23が設けられていることが好ましい。マーク部23は熱発泡性シート20を下地30に取り付ける際の目安になる。例えば、マーク部23は左右方向に長く線状に形成されており、作業者がマーク部23と横辺突付け部31とを位置合わせしながら固定具で熱発泡性シート20を固定していく。またマーク部23を目安にして上下方向で隣り合う熱発泡性シート20の重ね寸法を調整することもできる。またマーク部23を破線で形成し、その破線の間隔を例えば100mmピッチなど等間隔にすることができる。この場合、破線の間隔を目安にして熱発泡性シート20を施工することができる。さらに熱発泡性シート20の幅方向中央を中心として線対称となる位置にもマーク部23の破線をもう一方のマーク部23の破線と幅方向に一致して形成し、線対称となるマーク部23の破線同士を一致させ、熱発泡性シート20を直角での切断加工する際の目安にすることもできる。
【0034】
本実施形態に係る耐火構造1において、横辺突付け部31には、耐火性強化手段21が設けられている。耐火性強化手段21は、単体(一枚)の熱発泡性シート20よりも耐火性を向上(強化)している構造を有している。すなわち、耐火性強化手段21が設けられている箇所は、設けられていない箇所よりも耐火性が向上する。耐火性強化手段21が設けられた横辺突付け部31は、下地30の他の部分よりも耐火性が向上する。
【0035】
耐火性強化手段21は、各種の形態に形成することができるが、例えば、上下方向に隣り合う熱発泡性シート20の横辺端部26同士を横辺突付け部31に対応する位置で重ね合わせた構造を含むことが好ましい。これにより、上下方向で隣り合う熱発泡性シート20により、左右方向に延びる帯状の耐火性強化手段21が形成される。例えば、図3Aに示すように、耐火性強化手段21は、熱発泡性シート20の横辺端部26同士を重ねて形成することができる。また耐火性強化手段21は、例えば、図3Bに示すように、熱発泡性シート20の横辺端部26を折り返すことにより、熱発泡性シート20が二重に重なった部分を耐火性強化手段21として形成することができる。また図3Cに示すように、熱発泡性シート20の表面に短片状の他の熱発泡性シート(耐火シート部材)25を重ね、二枚のシート状の熱発泡性シート20が重なった部分を耐火性強化手段21として形成することができる。この他に、例えば、シート状の熱発泡性シート20の一部を他の部分よりも厚肉に形成し、この厚肉部分を耐火性強化手段21として形成してもよい。
【0036】
本実施形態に係る耐火構造1において、耐火性強化手段21を構成する横辺端部26同士の重ね合わせ部分の幅L1が5mm以上であることが好ましい。ここで幅L1とは、横辺端部26同士の重なっている部分の上下方向の寸法である。この重ね合わせ部分の幅L1は30mm以上がより好ましく、50mm以上がさらに好ましい。幅L1は大きくなるほど、耐火構造1の耐火性能が向上するので好ましい。また幅L1の上限は100mm以下が好ましい。この場合、横辺突付け部31が過剰に保護されることが少なくなる。
【0037】
本実施形態に係る耐火構造1において、左右方向に隣り合う熱発泡性シート20の縦辺端部27同士を、耐火ボード35の縦辺352同士を突付けた部分に対応する位置で重ね合わせた構造を含むことが好ましい。左右方向に隣り合う熱発泡性シート20の縦辺端部27同士を重ね合わせることにより、耐火性強化手段22が形成される。このように上下方向に隣り合う熱発泡性シート20の横辺端部26同士を重ね合わせることにより、左右方向に延びる耐火性強化手段21が形成され、左右方向に隣り合う熱発泡性シート20の縦辺端部27同士を重ね合わせることにより、上下方向に延びる耐火性強化手段22が形成される。
【0038】
耐火性強化手段22は、耐火性強化手段21と同様に、熱発泡性シート20の縦辺端部27同士を重ねて形成する他に、例えば、熱発泡性シート20の縦辺端部27を折り返すことにより、熱発泡性シート20が二重に重なった部分を耐火性強化手段22として形成することができる。また、熱発泡性シート20の表面に短片状の他の熱発泡性シート(耐火シート部材)を重ね、二枚のシート状の熱発泡性シート20が重なった部分を耐火性強化手段22として形成することができる。この他に、例えば、シート状の熱発泡性シート20の一部を他の部分よりも厚肉に形成し、この厚肉部分を耐火性強化手段22として形成してもよい。
【0039】
本実施形態に係る耐火構造1において、耐火性強化手段22を構成する縦辺端部27同士の重ね合わせ部分の幅L2が5mm以上であることが好ましい。ここで幅L2とは、縦辺端部27同士の重なっている部分の左右方向の寸法である。この重ね合わせ部分の幅L2は1mm以上がより好ましく、20mm以上がさらに好ましい。幅L2は大きくなるほど、耐火構造1の耐火性能が向上するので好ましい。また幅L2の上限は50mm以下が好ましい。この場合、縦辺突付け部32が過剰に保護されることが少なくなる。
【0040】
上記のようにして、横辺端部26同士及び縦辺端部27同士を重ね合わせて耐火性強化手段21、22を形成する場合、耐火ボード35より僅かに大きなサイズの熱発泡性シート20が使用される。すなわち、例えば、矩形状の耐火ボード35が1820mm(長辺)×606mm(短辺)の場合、矩形状の熱発泡性シート20は、長辺1830mm以上、短辺616mm以上とすることができる。このように、耐火ボード35と熱発泡性シート20のサイズを近いものにすることで、施工、梱包、運搬などにおいて取り扱い性を向上させることができる。
【0041】
熱発泡性シート20は、下地30に対して上から下に向かって取り付けてもよいし、下から上に向かって取り付けてもよい。また熱発泡性シート20は、下地30に対して右から左に向かって取り付けてもよいし、左から右に向かって取り付けてもよい。なお、本実施形態において、支持材50の前方に縦辺突付け部32が位置する場合、耐火性強化手段22を形成しなくてもよい。この場合、左右方向に隣り合う熱発泡性シート20の縦辺同士が突付けて配置される。左右方向に隣り合う熱発泡性シート20の縦辺の突付け部分は、支持材50及び縦辺突付け部32から左右にずれていてもよい。
【0042】
上下方向に隣り合う熱発泡性シート20は、横辺端部26同士の重ね合わせ順序は特に問わない。すなわち、上の熱発泡性シート20の下端の横辺端部26と、下の熱発泡性シート20の上端の横辺端部26のいずれが表面側に配置されてもよい。同様に、左右方向に隣り合う熱発泡性シート20は、縦辺端部27同士の重ね合わせ順序は特に問わない。なお、最下部の矩形状の熱発泡性シート20を施工する場合は、矩形状の耐火ボード35の下側の長辺は、矩形状の熱発泡性シート20の下側の長辺と一致させるのが好ましい。
【0043】
熱発泡性シート20を下地30に全面にわたって取り付けた後、透湿防水シート65を熱発泡性シート20の前側(室外側)に取り付ける。透湿防水シート65は湿気を通し、水滴は通さないシートである。透湿防水シート65もタッカーなどの固定具で取り付けられる。透湿防水シート65は熱発泡性シート20の全面にわたって取り付けられる。なお、熱発泡性シート20が耐水性である場合、透湿防水シート65を設けなくてもよい。
【0044】
透湿防水シート65の前側には複数の留め具80が配置される。留め具80は透湿防水シート65の前面に配置され、ビスなどの固定具86で支持材50に固定される。
【0045】
化粧材10は留め具80により透湿防水シート65の前方に取り付けられる。化粧材10は複数配置され、各化粧材10が複数の留め具80に保持される。すなわち、化粧材10の上端はその化粧材10の上側に配置される留め具80に引っ掛けられて保持され、化粧材10の下端はその化粧材10の下側に配置される留め具80に引っ掛けられて保持される。また上下に隣り合う化粧材10は実凸部102と実凹部101の実接合で接続される。また、図1図2及び図6に示すように、左右方向に隣り合う化粧材10の間には目地材81が配置されている。目地材81の前側にはシーリング材83が設けられている。また最も下側の化粧材10の下方には水切り材84が設けられている。そして、化粧材10の後方には通気層85が形成されている。すなわち、化粧材10の後面と透湿防水シート65の前面との間に通気層85が形成される。
【0046】
隣り合う化粧材10の目地と、隣り合う耐火ボード35の目地とは、正面視において、重ならないようにずらすことが好ましい。すなわち、左右方向に隣り合う化粧材10の間のシーリング材83の位置と、左右方向に隣り合う耐火ボード35の縦辺突付け部32の位置とが、正面視において、重ならないようにずらすことが好ましい。また上下方向に隣り合う化粧材10の隣接部分11の位置と、上下方向に隣り合う耐火ボード35の横辺突付け部31の位置とが、正面視において、重ならないようにずらすことが好ましい。この場合、隣り合う化粧材10の目地及び隣接部分11に前方から火炎が侵入しても、その炎が隣り合う耐火ボード35の縦辺突付け部32及び横辺突付け部31に直接侵入しにくくなって、耐火性を向上させることができる。ただし、左右方向に隣り合う化粧材10の目地と、縦辺突付け部32とが、正面視において、支持材50に一致する場合は、化粧材10の目地と縦辺突付け部32とをずらさなくてもよい。支持材50により火炎の室内側への侵入が抑制できるからである。
【0047】
上記のように形成される耐火構造1では、熱発泡性シート20を備えることにより、火災発生の際に、化粧材10の室外側から加熱されて、熱発泡性シート20が発泡して膨張することにより通気層85内で膨張する。すなわち、通気層85は熱発泡性シート20が発泡して膨張するための発泡空間88として形成される。そして、これにより、発泡膨張した熱発泡性シート20の遮熱効果や遮炎効果により、火炎及び熱が屋外から屋内へと侵入するのを低減することができ、したがって、耐火性を向上させることができると共に、発泡膨張した熱発泡性シート20によって化粧材10と下地30との間に上下に連通する空間が形成されにくく、熱が化粧材10と下地30との間で上下方向に移動するのを抑制することができる。また化粧材10の室内側に熱発泡性シート20を設けることにより、熱発泡性シート20に高い耐候性や耐水性は要求されず、耐火性を向上させることができる。また熱発泡性シート20は、火災がなければ薄い材料なので、通常時は通気層85を阻害せず、また、耐火構造1の前後方向の寸法(化粧材10から下地30までの寸法)は、従来のものと比べても大きくなりにくい。
【0048】
(変形例)
実施形態1は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。実施形態1は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0049】
本実施形態は、建物の外壁だけでなく、内壁、屋根、天井などに適用可能である。内壁の場合は、外壁材の代わりに、合板などの内壁材が使用される。屋根の場合は、外壁材の代わりに、屋根材が使用され、耐火ボード35で野地板が形成され、支持材50で垂木が形成される。この場合、屋根材は横葺き構造及び縦葺き構造のいずれであってもよい。天井の場合、外壁材の代わりに天井板が使用され、耐火ボード35で天井下地が形成され、支持材50で天井板支持材が形成される。
【0050】
上記では、左右方向に沿って延びる化粧材10を上下左右に並べた「横張り」構造であったが、これに限定されず、上下方向に沿って延びる化粧材10を上下左右に並べた「縦張り」構造であってもよい。
【0051】
本実施形態では、左右方向に延びる熱発泡性シート20を使用することにより、左右方向に熱発泡性シート20を隣り合わせなくてもよい。この場合、左右方向に隣り合う熱発泡性シート20の縦辺端部27同士を重ね合わせる構成も形成されない。左右方向に延びる熱発泡性シート20は、例えば、ロール状に巻かれた状態で施工に供されてもよい。
【0052】
本実施形態では、支持材50の室内側に耐火ボードが更に設けられていてもよい。
【0053】
本実施形態では、耐火ボード35の室内側に断熱材が設けられていてもよい。この場合、断熱材としては、ロックウールボード、グラスウールボード、フェノール発泡樹脂ボードなどが使用可能である。断熱材を備えることにより、下地30よりも室内側に熱が伝わりにくくなり、これにより、耐火構造1の耐火性を向上させることができる。
【0054】
本実施形態では、支持材50は柱や間柱などの建物の構造材だけに限られない。例えば、支持材50は縦胴縁であってもよい。この場合、左右方向に隣り合う耐火ボード35は、縦胴縁の室外側で縦辺352同士が突付けられ、縦辺突付け部32が縦胴縁に対応する位置に形成されるのが好ましい。また支持材50は横胴縁であってもよい。この場合、上下方向に隣り合う耐火ボード35は、横胴縁の室外側で横辺351同士が突付けられ、横辺突付け部31が横胴縁に対応する位置に形成されるのが好ましい。なお、支持材50が縦胴縁又は横胴縁である場合、支持材50はアルミニウム製などの軽量の金属材料で形成されるのが好ましい。
【0055】
耐火性強化手段21、22は、単体(一枚)の熱発泡性シート20よりも耐火性を向上(強化)することができれば、どのような構成であってもよい。上記では、熱発泡性シート20を二枚重ねにすることにより、重なった部分の厚みが他の部分よりも厚くなって耐火性強化手段21、22として形成されている。熱発泡性シート20を二枚重ねにする場合、上下方向に隣り合う熱発泡性シート20の横辺26同士を重ね合わせたり、左右方向に隣り合う熱発泡性シート20の縦辺端部27同士を重ね合わせたりする他に、熱発泡性シート20の表面に短冊状の他の熱発泡性シート20を重ね合わせてもよい。この場合も、二枚の熱発泡性シート20が重なった部分の厚みが他の部分よりも厚くなって耐火性強化手段21、22として形成されている。なお、熱発泡性シート20は3枚以上の多数枚で重ね合わせて耐火性強化手段21、22を形成してもよい。
【0056】
耐火性強化手段21、22は、熱発泡性シート20の組成、構造及び性能を部分的に向上させて形成してもよい。例えば、熱発泡性シート20の一部に難燃性発泡剤を増量した部分を形成し、この部分を耐火性強化手段21としてもよい。耐火発泡剤を増量した部分では、他の部分に比べて、発泡倍率が高くなり、発泡後の耐火層の厚みが大きくなったり断熱性が向上する。また、例えば、発泡時、熱発泡性シート20の耐火性強化手段21、22に対応する箇所における独立気泡の割合が、他の箇所における独立気泡の割合よりも高くなるよう構成してもよい。このように発泡時の独立気泡の割合が多くなったり、発泡倍率が高くなったりすると、発泡後の耐火性強化手段21、22の熱伝導率が低くなって断熱性が高まり、耐火構造1の耐火性能が向上する。
【0057】
また他例としては、熱発泡性シート20の表面にアルミニウムテープなどの不燃性金属シートを貼り付けて耐火性強化手段21、22を形成してもよい。また他例としては、耐火ボード35の横辺突付け部31に対応する位置にアルミニウムテープなどの不燃性金属シートを貼り付けて耐火性強化手段21、22を形成してもよい。なお、耐火性強化手段21、22は、施工工程のどの時点で形成してもよい。例えば、耐火ボード35の横辺突付け部31に対応する位置にアルミニウムテープを貼り付ける場合、耐火ボード35を支持材50に取り付けた後、横辺突付け部31に対応する位置にアルミニウムテープを貼り付けてもよいし、耐火ボード35を支持材50に取り付ける前に、予め、耐火ボード35の横辺突付け部31に対応する位置にアルミニウムテープを貼り付け、この後、耐火ボード35を支持材50に取り付けてもよい。
【0058】
本実施形態において、縦辺突付け部32が支持材50の位置と一致しているが、これに限定されず、縦辺突付け部32が支持材50の位置と一致していなくてもよい。この場合、熱発泡性シート20の上下方向に沿った耐火性強化手段22は縦辺突付け部32に対応する位置に形成されるのが好ましい。
【0059】
上記では、複数の耐火ボード35を施工して下地30を形成した後、複数の熱発泡性シート20を施工したが、これに限られず、耐火ボード35と熱発泡性シート20とを予め(施工前に)一体化してシート付き耐火ボード36を形成した後、複数のシート付き耐火ボード36を施工してもよい。
【0060】
図7A及び図7Bは、シート付き耐火ボード36の一例を示している。シート付き耐火ボード36は、上記と同様の横長の矩形状の耐火ボード35の片面(表面)に、上記と同様の横長の矩形状の熱発泡性シート20が設けられている。正面視において、熱発泡性シート20の左右方向の寸法は、耐火ボード35の左右方向の寸法よりも長く形成されている。したがって、耐火ボード35の左の縦辺352よりも外側に熱発泡性シート20の左の縦辺端部27が突出し、耐火ボード35の右の縦辺352よりも外側に熱発泡性シート20の右の縦辺端部27が突出している。また熱発泡性シート20の上下方向の寸法は耐火ボード35の上下方向の寸法よりも長く形成されている。したがって、熱発泡性シート20の上の横辺端部26は、耐火ボード35の上の横辺351よりも上に突出している。また熱発泡性シート20の下の横辺端部26は、耐火ボード35の下の横辺351よりも下に突出している。耐火ボード35の表面と熱発泡性シート20とは、ほぼ全面にわたって接着等されている。
【0061】
上記と同様の下地30と熱発泡性シート20は、図7Bのように、複数のシート付き耐火ボード36を上下方向及び左右方向に並べ、支持材50に取り付けることによって形成される。すなわち、複数の耐火ボード35で下地30が形成され、下地30の表面に複数の熱発泡性シート20が配置された状態となる。この場合、熱発泡性シート20は、耐火ボード36の表面の四周端部と貼り付いていないのが好ましい。また上下方向に隣り合う耐火ボード35の横辺突付け部31に対応する部分では、上下方向に隣り合う熱発泡性シート20の横辺端部26同士が重なり合って耐火性強化手段21が形成され、左右方向に隣り合う耐火ボード35の縦辺突付け部32に対応する部分では、左右方向に隣り合う熱発泡性シート20の縦辺端部27同士が重なり合って耐火性強化手段22が形成される。
【0062】
そして、シート付き耐火ボード36を使用した場合は、耐火ボード35と熱発泡性シート20とを一度の作業で同時に施工することができ、施工性が向上する。また耐火ボード35と熱発泡性シート20とを別々に梱包、搬送する必要がなく、作業性が向上する。
【0063】
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係る耐火構造(1)は、室内側から室外側に向かって、支持材(50)、耐火ボード(35)、熱発泡性シート(20)、発泡空間(88)及び化粧材(10)を順次配置している。左右方向に隣り合う耐火ボード(35)は、縦辺(352)同士を突付けて支持材(50)の室外側に固定している。上下方向に隣り合う耐火ボード(35)は、横辺(351)同士を突付けて横辺突付け部(31)を形成している。横辺突付け部(31)に耐火性強化手段(21)を設ける。
【0064】
この態様によれば、耐火性強化手段(21)により横辺突付け部(31)に火炎や熱が侵入しにくくなり、耐火性能を向上させることができる、という利点がある。
【0065】
第2の態様に係る耐火構造(1)は、第1の態様において、耐火性強化手段(21)は、上下方向に隣り合う熱発泡性シート(20)の横辺端部(26)同士を横辺突付け部(31)に対応する位置で重ね合わせた構造を含む。
【0066】
この態様によれば、熱発泡性シート(20)を重ね合わせるだけで耐火性強化手段(21)を簡単に形成することができる、という利点がある。
【0067】
第3の態様に係る耐火構造(1)は、第2の態様において、横辺端部(26)同士の重ね合わせ部分の幅が5mm以上である。
【0068】
この態様によれば、横辺突付け部(31)を十分に耐火性強化手段(21)で保護することができ、耐火性に優れる耐火構造(1)が得やすい、という利点がある。
【0069】
第4の態様に係る耐火構造(1)は、第1~3のいずれか一つの態様において、左右方向に隣り合う熱発泡性シート(20)の縦辺端部(27)同士を、耐火ボード(35)の縦辺(352)同士を突付けた部分に対応する位置で重ね合わせた構造を含む。
【0070】
この態様によれば、縦辺端部(27)同士を重ね合わせた部分で、耐火ボード(35)の縦辺(352)同士を突付けた部分に火炎や熱が侵入しにくくなり、耐火性能を向上させることができる、という利点がある。
【0071】
第5の態様に係る耐火構造(1)は、第4の態様において、縦辺端部(27)同士の重ね合わせ部分の幅が5mm以上である。
【0072】
この態様によれば、縦辺端部(27)同士を重ね合わせた部分で、耐火ボード(35)の縦辺(352)同士を突付けた部分を十分に保護することができ、耐火性に優れる耐火構造(1)が得やすい、という利点がある。
【0073】
第6の態様に係る耐火構造(1)は、第1~5のいずれか一つの態様において、支持材(50)の室内側に耐火ボード(35)が設けられていない。
【0074】
この態様によれば、支持材(50)の室内側に耐火ボード(35)を施工する必要がなくなり、耐火構造(1)を簡素化することができる、という利点がある。
【符号の説明】
【0075】
1 耐火構造
20 熱発泡性シート
21 耐火性強化手段
22 耐火性強化手段
26 横辺端部
27 縦辺端部
31 横辺突付け部
35 耐火ボード
351 横辺
352 縦辺
21 耐火性強化手段
22 耐火性強化手段
26 横辺端部
27 縦辺端部
50 支持材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7